IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイチョウ グァンユー テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025670
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240216BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20240216BHJP
   H10K 50/80 20230101ALI20240216BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240216BHJP
   H10K 50/85 20230101ALI20240216BHJP
   H10K 50/858 20230101ALI20240216BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240216BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20240216BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240216BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20240216BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/30 365
G09F9/302 Z
H10K50/80
H10K50/10
H10K50/85
H10K50/858
H10K59/122
H10K59/121
H10K77/10
H10K59/80
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109753
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】202210966677.5
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523171733
【氏名又は名称】タイチョウ グァンユー テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】イェン チー-チェン
(72)【発明者】
【氏名】シュー クオ-チェン
(72)【発明者】
【氏名】ファン チェン-イー
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC37
3K107DD11
3K107DD89
3K107EE07
3K107EE27
3K107FF06
3K107FF15
5C094AA12
5C094BA27
5C094CA20
5C094DA13
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094JA08
5C094JA09
5C094JA13
(57)【要約】
【課題】 発光素子を提供することを課題とする。
【解決手段】 本出願は、発光素子に関する。発光素子は、基板と、有効発光領域とを備える。前記基板は、反対側にある第1面及び第2面を有し、透明材料を含み、遮光層は前記基板の前記第1面に配置され、前記遮光層の第1縁部及び第2縁部が互いに分離されることで、開口部を形成し、前記有効発光領域は前記基板の前記第2面に画定され、前記有効発光領域と前記遮光層の前記第1縁部が横方向に第1の距離がずれされ、前記第1の距離は前記基板の屈折率、前記遮光層の前記開口部内の材料の屈折率、及び前記基板の厚さに関連する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反対側にある第1面及び第2面を有し、透明材料を含む基板と、
前記基板の前記第1面に配置され、第1縁部及び第2縁部が互いに分離されることで、開口部を形成する遮光層と、
前記基板の前記第2面に画定され、横方向において前記遮光層の前記第1縁部と第1の距離のずれが生じる有効発光領域とを備えた発光素子であって、
前記第1の距離は、前記基板の屈折率、前記遮光層の前記開口部内の材料の屈折率、及び前記基板の厚さに関連する発光素子。
【請求項2】
前記第1の距離は、前記有効発光領域の第1外縁から発せられる光が前記遮光層の前記第1縁部に入射する入射角度及び前記第1面での前記光の出射角度に関連する請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1の距離はD1、前記基板の前記屈折率はn1、前記遮光層の前記開口部内の前記材料の前記屈折率はn2、前記第1面での前記光の出射角度はθ2、前記基板の前記厚さはLであり、ここで前記距離D1は次の式を満たす請求項1に記載の発光素子。
【数1】
【請求項4】
前記有効発光領域は、横方向において前記遮光層の前記第2縁部と第2の距離のずれが生じ、前記第2の距離は前記基板の屈折率、前記遮光層の前記開口部内の前記材料の屈折率、及び前記基板の前記厚さに関連する請求項1に記載の発光素子。
【請求項5】
前記第2の距離は、前記有効発光領域の第2外縁から発せられる光が前記遮光層の前記第2縁部に入射する入射角度、及び前記基板の前記第1面での前記光の出射角度に関連する請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
第1側面が前記基板の前記第2面に配置され、前記第2面にある位置が前記遮光層間の前記開口部にほぼ対応する導電層をさらに備える請求項1に記載の発光素子。
【請求項7】
前記基板の前記第2面に間隔をあけて配置され、前記導電層の横に少なくとも位置することで、前記導電層と前記有効発光領域を共同で画定する複数のバンプをさらに備える請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記複数のバンプの一部は、前記導電層の前記第1側面に対向する第2側面の縁部を覆うことで、前記導電層の非有効発光領域を画定する請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
前記遮光層の前記開口部は、前記有効発光領域及び前記非有効発光領域を少なくとも露出させる請求項8に記載の発光素子。
【請求項10】
前記開口部は、前記複数のバンプの前記導電層に近い部分をさらに露出させる請求項9に記載の発光素子。
【請求項11】
前記遮光層における前記開口部は、十字形輪郭を有する請求項8に記載の発光素子。
【請求項12】
前記十字形輪郭の外側から見ると、前記有効発光領域は、非有効発光領域及び前記複数のバンプの前記導電層に近い部分に取り囲まれる請求項11に記載の発光素子。
【請求項13】
前記導電層の上に位置し、前記複数のバンプに接触された積層有機発光層をさらに備える請求項7前記発光素子。
【請求項14】
前記積層有機発光層は、
キャリア注入層と、
キャリア輸送層と、
有機発射層と、
有機キャリア輸送層と
を含む請求項13に記載の発光素子。
【請求項15】
前記有効発光領域の前記第2面にある幅は、前記遮光層における前記開口部の距離より小さい請求項1に記載の発光素子。
【請求項16】
前記第1面の上に設けられ、前記遮光層を覆う光透過層をさらに備える請求項1に記載の発光素子。
【請求項17】
前記基板の前記屈折率は、前記光透過層の屈折率とは異なる請求項16に記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光素子に関し、特に有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ディスプレイは、最もハイエンドな電子機器で広く使用されている。しかしながら、従来技術の限界により有機ELディスプレイ内の発光材料の発光効果を効果的に制御することができず、視野角拡大という消費者の期待に応えるような場合において、画像欠けの問題を引き起こしやすく、有機ELディスプレイの光学効果は期待通りにいかなかった。本開示は、上述の課題を解決できる装置を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願が解決しようとする技術的課題の1つは、上記の従来技術の不足を克服し、基板に設けられ、特定波長の光を遮断(又は吸収)する遮光層を含む発光素子を提供する。基板の他側に配置された有効発光領域と遮光層の縁部が横方向にずれる第1の距離は、基板の屈折率、遮光層の開口部内の材料の屈折率及び基板の厚さに関連することにより、画像欠けの問題を解決し、最大視野角の増加を実現し、異なるアプリケーションシナリオニーズに従い適用する最適な視野角のディスプレイを設計できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の一態様は、基板と、有効発光領域とを備えた発光素子を提供する。前記基板は、反対側にある第1面及び第2面を有し、透明材料を含み、遮光層は前記基板の前記第1面に配置され、前記遮光層の第1縁部及び第2縁部が互いに分離されることで、開口部を形成し、前記有効発光領域は前記基板の前記第2面に画定され、前記有効発光領域と前記遮光層の前記第1縁部が横方向に第1の距離がずれされ、前記第1の距離は前記基板の屈折率、前記遮光層の前記開口部内の材料の屈折率、及び前記基板の厚さに関連する。
【0005】
いくつかの実施形態において、前記第1の距離は、前記有効発光領域の第1外縁から発せられる光が前記遮光層の前記第1縁部に入射する入射角度及び前記第1面での前記光の出射角度に関連する。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記第1の距離はD1、前記基板の前記屈折率はn1、前記遮光層の前記開口部内の前記材料の前記屈折率はn2、前記第1面での前記光の出射角度はθ2、前記基板の前記厚さはLであり、ここで前記距離D1は次の式を満たす。
【0007】
【数1】
【0008】
いくつかの実施形態において、前記有効発光領域は、横方向において前記遮光層の前記第2縁部と第2の距離のずれが生じ、前記第2の距離は前記基板の屈折率、前記遮光層の前記開口部内の材料の屈折率、及び前記基板の厚さに関連する。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記第2の距離は、前記有効発光領域の第2外縁から発せられる光が前記遮光層の前記第2縁部に入射する入射角度、及び前記基板の前記第1面での前記光の出射角度に関連する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、第1側面が前記基板の前記第2面に配置され、前記基板の前記第2面にある前記導電層の位置が前記遮光層間の前記開口部にほぼ対応する導電層をさらに備える。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、前記基板の前記第2面に間隔をあけて配置され、前記導電層の横に少なくとも位置することで、前記導電層と前記有効発光領域を共同で画定する複数のバンプをさらに備える。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記複数のバンプの一部は、前記導電層の前記第1側面に対向する第2側面の縁部を覆うことで、前記導電層の非有効発光領域を画定する。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記遮光層の前記開口部は、前記有効発光領域及び前記非有効発光領域を少なくとも露出させる。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記開口部は、前記複数のバンプの前記導電層に近い部分をさらに露出させる。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記遮光層における前記開口部は、十字形輪郭を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記十字形輪郭は、前記有効発光領域を取り囲む非有効発光領域及前記複数のバンプの前記導電層に近い部分を露出させる。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、前記導電層の上に位置し、前記複数のバンプに接触された積層有機発光層をさらに備える。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記積層有機発光層は、キャリア注入層と、キャリア輸送層と、有機発射層と、有機キャリア輸送層とを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記有効発光領域の前記基板の前記第2面にある幅は、前記遮光層における前記開口部の距離より小さい。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、前記第1面に設けられ、前記遮光層を覆う光透過層をさらに備える。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記基板の前記屈折率は、前記光透過層の屈折率とは異なる。
【0022】
本出願の特徴、内容及び利点、ならびに奏することができる効果をより明確に理解するため、以下に添付の図面を参照しつつ実施形態の表現の形で本出願を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本出願の実施例1による発光素子の上面図(発光素子の中間製品を示す)である。
図2図1内のA-A線に沿った断面図(発光ユニットから発せられた光を示す)である。
図3A】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3B】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3C】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3D】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3E】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3F】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3G】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3H】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3I】本出願の一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図4A】本出願の実施例2による発光素子の上面図である。
図4B】本出願の実施例3による遮光層の上面図である。
図4C】本出願の実施例4による発光素子の上面図である。
図5】本出願の実施例5による発光素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照しつつ本出願の実施例を具体的に説明する。添付の図面を参照しながら以下の具体的実施例の説明を読むことによって、本出願の各態様をより容易に理解する。言及すべき点は、これらの実施例が単なる例示であり、本出願の技術的手段を解釈、説明することだけに使われ、本出願に対する限定と理解してはいけない。当業者は、これらの実施例に基づいて様々な変形及び変更を行うことができる。均等な方法で変更することによって得られる全ての技術的手段は、本出願の保護範囲に属する。
【0025】
もちろん、これらは単なる例であり、本出願を限定することを意図したものではない。以下の説明に言及される第1の特徴が第2の特徴の上方又は上に形成することは、第1の特徴が第2の特徴と直接接触して形成される実施形態を含み得、また、第1の特徴が第2の特徴と直接接触しないように、追加の特徴は第1の特徴と第2の特徴との間に形成できる実施形態を含んでもよい。また、本出願は、様々な例において図面の符号及び/又は英字を繰り返すことができる。この繰り返しは、単純化及び明確化を目的としたものであり、かつ異なる実施例及び/又は論述する構成間の関係を示すものではない。
【0026】
また、本出願において「……の下に」、「……より低い」、「……比較低い」、「……より高い」、「……比較的高い」などのような、空間的に相対的な用語が、図面に示す1つの要素又は特徴部分と他の要素又は特徴部分との関係についての説明を容易にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている方位に加えて、使用時又は操作時における装置の別の方位も含むものである。装置は、これ以外に配向されることもあり(90°又は他の方位に回転することもあり)、この場合には、本出願において用いられている空間的に相対的な用語も、これに応じて解釈される。
【0027】
本開示の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは、概数値であるが、具体的実施例内の関連数値をできる限り正確に提示されている。ただし、一部の数値には、それぞれのテスト測定で見つかった標準偏差に必然的に起因する誤差が含まれている場合がある。また、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%、又は0.5%以内を意味する。若しくは、当業者によって一般的に理解されるように、「約」という用語は、平均値の許容可能な標準誤差内を意味する。操作/動作の実施例を除いて、又は特に明記されていない限り、数値範囲、量、値及び百分率(例えば本明細書に開示されている材料の数量、持続時間、温度、操作条件、量の比率及びそれらに準じるものなど)は、全ての場合において、「約」という用語で修飾されると理解される。したがって、反対に示されない限り、本開示及び特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、変動し得る概数値である。少なくとも、報告された有効桁数に照らして、通常の丸め手法を使用することにより、各数値パラメータを理解すべきである。範囲は、本明細書では、一方の端点から他方の端点まで、又は2つの端点の間として表すことができる。本明細書で示される範囲は、別段の明示的な指定がない限り、その端点を含む。
【0028】
本出願の発明の主要技術的思想:基板上の一側に特定波長の光を遮断(又は吸収)する遮光層が配置される。基板の他側上の有効発光領域と遮光層の縁部が横方向にずれる第1の距離は、基板の屈折率、遮光層の開口部内の材料の屈折率及び基板の厚さに関連することにより、画像欠けの問題を解決し、最大視野角の増加を実現し、異なるアプリケーションシナリオニーズに従い適用する最適な視野角のディスプレイを設計できる。
【実施例0029】
(1)発光素子
図1は、本出願の一実施形態による発光素子10の上面図で、発光素子10の中間製品を示している。発光素子10は、発光層20と、前記発光層20の上に位置する被覆層40とを備える。発光層20について、発光画素アレイを収容するための凹部アレイを提供するようにスペーサ21を設計できる。いくつかの実施形態において、スペーサ21は、感光性材料を含み得る。
【0030】
図2は、図1内のA-A線に沿った断面図であり、発光ユニット10aから発せられた第1光S1a、S1b及び第2光S2a、S2bを示している。簡単にするため、ここで被覆層40を省略する。スペーサ21は、発光画素パターンを定義するため、複数のバンプ105a、105bを有する。凹部は、2つの隣り合うバンプ105a、105b間にあり、発光画素を収容するための空間を提供する。当業者は、断面図から観察すると、バンプ105a、105bが切り離されて示されているが、図1の上面図から観察すると、これらは図1に示すスペーサ21の他の部分を介して互いに連結され得ることを理解すべきである。
【0031】
発光素子10は、1つ又は複数の第1有機発光ユニット10aを含む1つ又は複数の発光アレイを備える。発光ユニット10aは、有機発光ユニット10aであり得、本出願において発光画素と呼ばれることもある。いくつかの実施形態において、発光ユニット10aは、第1電極104と、バンプ105a、105bと、第1電極104の上にある積層有機発光層とを備える。いくつかの実施形態において、積層有機発光層は、キャリア注入層106L1と、キャリア注入層106L1の上にあるキャリア輸送層106L2と、キャリア輸送層106L2の一部の上にある有機発射層106L3と、有機発射層106L3の上にある有機キャリア輸送層106L4とを備える。換言すれば、キャリア注入層106L1、キャリア輸送層106L2、有機発射層106L3,及び有機キャリア輸送層106L4は、総称されて積層有機発光層と呼ぶことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、第1電極104とキャリア輸送層106L2との間に配置される。発光ユニット10aは、有機材料を含み、該有機材料は異なる実施形態に従い発光ユニット10a内のキャリア輸送層106L2、キャリア注入層106L1又は有機発射層106L3のうちのいずれか層に配置されることができる。この有機材料は、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は95%以上である。
【0033】
いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は350nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は300nmであり、いくつかの実施形態において、特定の波長は250nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は200nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は150nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は100nmである。
【0034】
基板100は、反対側にある第1面100a及び第2面100bを有し、透明材料を含む。基板100は、第1電極104の下にある。基板100の第2面100bは、第1電極104に接触される。いくつかの実施形態において、基板100は、薄膜トランジスタ(TFT)アレイを備え得る。いくつかの実施形態において、基板100は、基材(図示せず)と、誘電体層(図示せず)と、基材上又は基材内に設けられた1或は複数の回路(図示せず)とを備え得る。いくつかの実施形態において、基材は、透明基材である又は少なくとも部分的に透明である。いくつかの実施形態において、基材は、非可撓性基材であり、かつ基材の材料には玻璃、石英、低温ポリシリコン(low temperature poly-silicon,LTPS)又は他の適切な材料が含まれ得る。いくつかの実施形態において、基材は、可撓性基材であり、かつ基材の材料には透明エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、メタクリル酸メチル又は他の適切な材料が含まれ得る。誘電体層は、必要に応じて基材に設けられることができる。いくつかの実施形態において、誘電体層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン又は他の適切な材料を含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、回路は、相補型金属酸化膜半導体(Complementary metal-oxide-semiconductor、CMOS)回路、又は複数のトランジスタ及びトランジスタに近い複数のコンデンサを含み得、ここでトランジスタ及びコンデンサは誘電体層に形成される。いくつかの実施形態において、トランジスタは、薄膜トランジスタ(thin-film transistor,TFT)である。各トランジスタは、ソース/ドレイン領域(少なくとも1つのソース領域及びドレイン領域を含む)と、ソース/ドレイン領域間に介在するチャネル(channel)領域と、チャネル領域の上に設けられたゲート電極と、チャネル領域とゲート電極との間に介在するゲート絶縁体とを備える。トランジスタのチャネル領域は、半導体材料、例えばシリコン或いはIV族元素又はIII元素族及びV族元素から選択された他の元素で作られてもよい。
【0036】
複数の遮光層101a、101bは、基板100の下に形成される。遮光層101a、101bは、基板100の第1表面100aに接触される。遮光層101a、101bは、基板100から分離される。遮光層101a、101bを総称してパターン化された遮光層101a、101bと呼ぶこともできる。遮光層101a、101bは、互いに分離した第1縁部101a2と第2縁部101b2とを有することで、その間に開口部107を形成し、遮光層101a、101bは開口部107が幅W1に達するように互いに分離されている。複数の遮光層101a、101bが互いにつながっていてもよいが、互いに分離された部分を開口部107と呼んでもよい。開口部107は横方向Xに幅W1を有する。遮光層101a、101bは、可視光の90%以上を吸収することができる。いくつかの実施形態において、遮光層101a、101bは、黒体材料を含み得る。いくつかの実施形態において、遮光層101a、101bは、1層の単一の材料を含む。いくつかの実施形態において、遮光層101a、101bは、複数の材料から形成された複合層を含む。いくつかの実施形態において、遮光層101a、101bは、有機材料を含む。いくつかの実施形態において、遮光層101a、101bは、無機材料を含む。図2に示す実施形態において、開口部107の間と開口部107の外側に空気又は真空があり、他の構成要素は配置されていない。
【0037】
遮光層101a、101bは、それぞれ第1傾斜部分101a1及び第2傾斜部分101b1を有し得、第1縁部101a2は第1傾斜部分101a1に配置され、第2縁部101b2は第2傾斜部分101b1に配置される。第1縁部101a2及び第2縁部101b2は、基板100の第1面100aから遮光層101a、101bの内部に向けて傾斜し、すなわち、第1縁部101a2は図2内の左側から傾斜し、第2縁部101b2は図2内の右側から傾斜する。その他の実施形態において、遮光層101a、101bは、第1傾斜部分101a1及び第2傾斜部分101b1を有しなくてもよく、第1縁部101a2及び第2縁部101b2は基板100の第1面100aに垂直であってもよい。
【0038】
導電層(例えば第1電極104)は、基板100の第2面100bに形成される。第1電極104は、基板100に接触される。遮光層101a、101b間の開口部107は、第1電極104に大体対応する。本実施例において、図2の角度から第1電極104の縦方向Yに対向する第1側面104a及び第2側面104bを有し、第1電極104の左右両側の横方向Xに第1側辺104f及び第2側辺104gを有することが分かる。第1電極104の第1側面104aは、基板100の第2面100bに接触される。第1電極104は、互いに分離されている。複数の第1電極104は、基板100と電気的に接続する。図2には1つの第1電極104のみが示されているが、当業者であれば、図2の発光素子10が互いに分離されて基板100上に配置された複数の第1電極104を有し得ることを容易に理解することができる。
【0039】
図2に示すように、複数のバンプ105a、105bは、基板100の第2面100bに間隔をあけて配置され第1電極104の一部を覆う。いくつかの実施形態において、バンプ105a、105bは、第1電極104の横に少なくとも位置する。第1電極104の対向する両側の周囲領域は、バンプ105a、105bによって覆われている。いくつかの実施形態において、第1電極104の第1側辺104f及び第2側面104bの左隅は、バンプ105aの右側によって完全に包囲される。第1電極104の第2側辺104g及び第2側面104bの右隅は、バンプ105bの左側によって完全に包囲される。いくつかの実施形態において、第1電極104の第1側辺104f及び第2側辺104gはバンプ105a、105bに完全に接触される。いくつかの実施形態において、第1電極104両側の2つのバンプ105a、105bは、互いに分離されている。いくつかの実施形態において、2つの第1電極104は、1つのバンプ105aを介して互いに分離され得る。本実施例において、第1電極104は、アノードであってもよい。いくつかの実施形態において、第1電極104は、有効発光領域104c及び非有効発光領域104d、104eを画定することができる。第1電極104とバンプ105a、105bとの間の配置は、有効発光領域104c及び非有効発光領域104d、104eの範囲を画定できる。本実施例において、バンプ105a、105bが接触する第1電極104の第2側面104b下の部分は、線分L1の左側の領域及び線分L2の右側の領域である非有効発光領域104d、104eと画定される。本実施例において、バンプ105a、105bに接触されていない第1電極104の第2側面104b下の部分は、線分L1、L2間の領域である有効発光領域104cと画定される。いくつかの実施形態において、発光ユニット10aは、発光している時暗い領域(例えば非有効発光領域104d、104e)及び明るい領域(例えば有効発光領域104c)を有する。暗い領域の総面積は、有効発光領域の総面積の少なくとも50%未満である。有効発光領域104cは、有効照明領域とも呼ぶことができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、有効発光領域104cは、少なくとも10ミクロン未満の幅W3を有する。いくつかの実施形態において、有効発光領域104cは、3ミクロン~6ミクロン程度の幅W3を有する。いくつかの実施形態において、有効発光領域104cは、4ミクロン~6ミクロン程度の幅W3を有する。有効発光領域104cは、図1内の発光素子10の画素サイズを決定する。有効発光領域104cの幅W3を10ミクロン以下に制御できるため、発光素子10の画素密度は、1000又は2000ppiを超えることができる。本実施例において、非有効発光領域104d、104eの幅W4、W5の和は、有効発光領域104cの幅W3より小さい。
【0041】
図2において、基板100は、縦方向Yに厚さLを有し、遮光層101a、101bは縦方向Yに厚さ101Iを有する。第1電極104は、縦方向Yに厚さ104Tを有する。いくつかの実施形態において、基板100の厚さLは遮光層101a、101bの厚さ101Iよりも大きく、基板100の厚さLは第1電極104の厚さ104Tよりも大きい。いくつかの実施形態において、遮光層101a、101bの厚さ101Iより、第1電極104の厚さ104Tより大きい。いくつかの実施形態において、遮光層101a、101bの厚さ101Iは、第1電極104の厚さ104Tに等しい。いくつかの実施形態において、遮光層101a、101bの厚さ101Iは、第1電極104の厚さ104Tより小さい。
【0042】
第1電極104は、縦方向Yに1500Å~2700Å程度の全厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第1電極104は、1800Å~2200Å程度の全厚さを有する。いくつかの実施形態において、第1電極104は、2000Å程度の全厚さを有する。第1電極104は、導電層であり得る。第1電極104は、ITO、IZO、IGZO、AlCu合金、AgMo合金、50Å~500Å程度のITO(又はIZO或いはIGZO)と500Å~2000Å程度の金属膜(Ag、Al、Mg、Au)及び50Å~1000Å程度のITO(又はIZO或いはIGZO)を含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、第1電極104は、複合構造である。例えば第1電極104は、導電膜と、その上にある透明導電膜とを有する。導電膜は、透明導電膜と基板100との間に位置する。いくつかの実施形態において、導電膜は、アルミニウム、金、銀、銅等を含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、包含インジウム、スズ、グラフェン、亜鉛、酸素等を含む。いくつかの実施形態において、第1電極104は、透明導電薄膜を含む。いくつかの実施形態において、第1電極104は、インジウムスズ酸化物(ITO)を含む。いくつかの実施形態において、第1電極104は、インジウム亜鉛酸化物(IZO)を含む。いくつかの実施形態において、第1電極104は、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)を含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜の粗さRa<10Åとなる。導電膜の厚さは、1500Å~3000Å程度の間であり得る。透明導電膜の厚さは、80Å~1000Å程度の間であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、第1電極104は、少なくとも3つの異なるフィルムを有する。導電膜(例えばAl、Cu、Ag、Au等)は、2つの透明導電膜の間に挟入される。場合によっては、2つの透明導電膜のうちの1つは、ITOであり、一側は基板100と接触し、他側が導電膜と接触する。場合によっては、2つの透明導電膜のうちの1つは、ITOであり、一側は導電膜と接触し、他側がバンプ105a、105b又は発光材料と接触する。
【0045】
いくつかの実施形態において、各バンプ105a、105bは、基板100から離れて突出し、第1電極104の両側の外周領域を覆う曲面を有する。バンプ105a、105bは、異なる形状であってもよい。本実施例において、バンプ105a、105bは、湾曲した凸面を有する。いくつかの実施形態において、バンプ105a、105bの形状は、台形である。いくつかの実施形態において、バンプ105a、105bの形状は、矩形である。バンプ105a、105bのパターンは、画素配置に基づいて設計され、パターン化されたバンプ105a、105bは、画素定義層(pixel defined layer、PDL)とも呼ばれる。バンプ105a、105bは、基板100の上に配置される。各バンプ105a、105bは、2つの隣り合う第1電極104間の隙間を埋める。各第1電極104の対向する両側は、バンプ105a、105bによって部分的に覆われている。バンプ105a、105bは、感光性材料を含み得る。
【0046】
本実施例において、第1電極104の有効発光領域104cの左縁(第1外縁104h)は、横方向Xにおいて、遮光層101a、101bの第1縁部101a2と位置合わせされない。第1電極104の有効発光領域104cの左縁(第1外縁104h)は、横方向Xにおいて、遮光層101aの第1縁部101a2と第1の距離D1のずれが生じる。本実施例において、有効発光領域104cの右縁(第2外縁104i)は、横方向Xにおいて、遮光層101bの第2縁部101b2と位置合わせされない。有効発光領域104cの右縁(第2外縁104i)は、横方向Xにおいて、遮光層101bの第2縁部101b2と第2の距離D2のずれが生じる。本実施例において、第1電極104の幅W2は、開口部107の幅W1より小さい。第1の距離D1の遮光層101a、101bの幅に占める割合は、1%以上であり得る。第1の距離D1の遮光層101a、101bの幅に占める割合は、5%以上であり得る。第1の距離D1の遮光層101a、101bの幅に占める割合は、10%以上であり得る。第1の距離D1の遮光層101a、101bの幅に占める割合は、15%以上であり得る。第2の距離D2の遮光層101a、101bの幅に占める割合は、1%以上であり得る。第2の距離D2の遮光層101a、101bの幅に占める割合は、5%以上であり得る。第2の距離D2の遮光層101a、101bの幅に占める割合は、10%以上であり得る。第2の距離D2の遮光層101a、101bの幅に占める割合は、15%以上であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105a、105bの吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105a、105bの吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105a、105bの吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105a、105bの吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105a、105bの吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105a、105bの吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm未満である。
【0048】
キャリア注入層106L1は、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面に設けられる。キャリア注入層106L1は、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面を連続的に覆っている。いくつかの実施形態において、各第1電極104の露出面は、1つの発光ユニット10aの有効発光領域に用いられるよう構成される。任意選択的に、キャリア注入層106L1は、バンプ105a、105bと接触する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、第1電極104と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、有機体である。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、正孔注入を行うように構成される。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、正孔注入層である。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、80Å~500Å程度の厚さを有し得る。
【0049】
キャリア輸送層106L2は、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面に設けられる。キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1の上に設けられ、キャリア注入層106L1を完全に覆う。キャリア注入層106L1は、キャリア輸送層106L2の下に設けられる。キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1を連続的に覆っている。キャリア輸送層106L2は、複数のバンプ105a、105b及び複数の第1電極104を覆う。任意選択的に、キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、有機体である。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、正孔輸送を行うように構成される。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、第1正孔輸送層である。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、80Å~500Å程度の厚さを有する。
【0050】
有機発射層106L3は、バンプ105a、105b及び第1電極104的露出面に設けられる。有機発射層106L3は、キャリア輸送層106L2の上に設けられ、キャリア輸送層106L2を完全に覆う。キャリア輸送層106L2は、有機発射層106L3の下に設けられる。有機発射層106L3は、キャリア輸送層106L2を連続的に覆う。有機発射層106L3は、複数のバンプ105a、105b及び複数の第1電極104を覆う。任意選択的に、有機発射層106L3は、キャリア輸送層106L2と接触する。有機発射層106L3は、第1の色を発光するように構成される。
【0051】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm未満である。
【0052】
いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2及び有機発射層106L3のうちの少なくとも1つは、有機材料を含む。前記有機材料は、共鳴構造を有する分子構造を含み得る。前記有機材料は、スピロ-トリアリールアミン、ビストリアリールアミン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2及び有機発射層106L3のうちの少なくとも1つは、スピロ-トリアリールアミンを含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2及び有機発射層106L3のうちの少なくとも1つは、ビストリアリールアミンを含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2及び有機発射層106L3は、同じ材料を含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、
【化1】
を含み、有機発射層106L3は
【化2】
を含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、
【化3】
を含み、有機発射層106L3は
【化4】
を含む。
【0053】
有機キャリア輸送層106L4は、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面に設けられる。有機キャリア輸送層106L4は、有機発射層106L3の上に設けられ、有機発射層106L3を完全に覆う。有機発射層106L3は、有機キャリア輸送層106L4の下に設けられる。有機キャリア輸送層106L4は、有機発射層106L3を連続的に覆う。有機キャリア輸送層106L4は、複数のバンプ105a、105b及び複数の第1電極104を覆う。任意選択的に、有機キャリア輸送層106L4は、有機発射層106L3と接触する。
【0054】
他の実施形態において、積層有機発光層のキャリア注入層106L1、キャリア輸送層106L2、有機発射層106L3及び有機キャリア輸送層106L4の少なくとも一部は、バンプ105a、105bに設けられることなく、第1電極104にのみ設けられてもよい。
【0055】
本実施例において、第2電極106Dは、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面に設けられる。第2電極106Dは、有機キャリア輸送層106L4の上に位置し、有機キャリア輸送層106L4を完全に覆う。場合によっては、第2電極106Dは、各発光画素の有効発光領域104cのみを覆うようにパターン化される。場合によっては、第2電極106Dは、有機キャリア輸送層106L4と接触する。
【0056】
本実施例において、第2電極106Dは、80Å~500Å程度の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、80Å~150Å程度の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、150Å~200Å程度の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、200Å~300Åの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、300Å~400Å程度の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、400Å~500Åの厚さを有し得る。
【0057】
本出願において、第2電極106Dは、カソードであってもよい。第2電極106Dは、例えば銀(Ag)、マグネシウム(Mg)等の金属材料であり得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、酸化インジウムスズ(ITO)又は酸化インジウム亜鉛(IZO)を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、複合構造である。例えば第2電極106Dは、導電膜と、その上の透明導電膜とを有する。導電膜は、透明導電膜と有機キャリア輸送層106L4との間に位置する。いくつかの実施形態において、導電膜は、アルミニウム、金、銀、銅、マグネシウム、モリブデン等を含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、インジウム、スズ、グラフェン、亜鉛、酸素等を含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、インジウムスズ酸化物(ITO)である。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、インジウム亜鉛酸化物(IZO)である。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、導電膜と有機キャリア輸送層106L4との間に位置する。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、パターン化された導電層、又はパターン化された絶縁層を有するパターン化された導電層であり得る。
【0059】
図2を参照すると、第1の光S1aは、第1電極104の有効発光領域104cの左縁から遮光層101aの第1縁部101a2に発せられる光である。第1の光S1aが有効発光領域104cの左縁(第1外縁104h)から発せられる時、有効発光領域104cの左縁(第1外縁104h)と遮光層101aとが横方向においてずれ(第1の距離D1)が生じるため、縦方向Yに対して斜めの角度から出射されることになり、有効発光領域104cの第1外縁104hから発せられる光が遮光層101aの第1縁部101a2に入射する時入射角度θ1を有させる。第1の光S1aが基板100の第1側面104aから出射される時、基板100の屈折率n1は、遮光層の開口部内の材料(本実施例では空気)の屈折率n2とは異なるため、第1の光S1aは偏向されて出射角度θ2を有する第1の光S1bになる。出射角度θ2は、入射角度θ1より大きい。このように、有効発光領域104cと遮光層101aの配置により、光の照射範囲が広がる。
【0060】
第2の光S2aは、第1電極104の有効発光領域104cの右縁(第2外縁104i)から遮光層101bの第2縁部101b2に発せられる光である。第2の光S2aが有効発光領域104cの右縁(第2外縁104i)から発せられる時、有効発光領域104cの右縁(第2外縁104i)と遮光層101bとが横方向においてずれ(第2の距離D2)が生じるため、縦方向Yに対して斜めの角度から出射されることになり、有効発光領域104cの第2外縁104iから発せられる第2の光S2aが遮光層101bの第2縁部101b2に入射する時入射角度θ3を有させる。第2の光S2aが基板100の第1側面104aから出射される時、基板100の屈折率n1は、遮光層の開口部内の材料(本実施例では空気)の屈折率n2とは異なるため、第2の光S2aは偏向されて出射角度θ4を有する第2の光S2bになる。出射角度θ4は、入射角度θ3より大きい。このように、有効発光領域104cと遮光層101bの配置により、光の照射範囲が広がる。
【0061】
いくつかの実施形態において、有効発光領域104cは、横方向Xにおいて、遮光層101aの第1縁部101a2と第1の距離D1のずれが生じ、基板100の屈折率n1、遮光層101aの開口部107内の材料(本実施例では空気)の屈折率n2、及び基板100の厚さLに関連する。いくつかの実施形態において、前記第1の距離D1 は、さらに有効発光領域104cの第1外縁104hから発せられる第1の光S1aから遮光層101aの第1縁部101a2(及び基板100の第1面100a)までの入射角度θ1、及び第1縁部101a2(及び基板100の第1面100a)での第1の光S1aの出射角度θ2に関連する。いくつかの実施形態において、前記第1の距離D1は、次の式を満たす。
【0062】
【数2】
【0063】
いくつかの実施形態において、基板100の屈折率n1は、遮光層101a、101bの開口部107内の材料(本実施例では空気)の屈折率n2より大きい。
【0064】
有効発光領域104cは、横方向Xにおいて遮光層101bの第2縁部101b2と第2の距離D2のずれが生じ、基板100の屈折率n1、遮光層101bの開口部107内の材料の屈折率n2、及び基板100の厚さLに関連する。いくつかの実施形態において、前記第2の距離D2は、さらに有効発光領域104cの第2外縁104iから発せられる第2の光S2aから遮光層101bの第2縁部101b2(及び基板100の第1面100a)までの入射角度θ3、及び第2縁部101b1(及び基板100の第1面100a)での第2の光S2aの出射角度θ4に関連する。いくつかの実施形態において、前記第2の距離D2は、次の式を満たす。
【0065】
【数3】
【0066】
上述の相関関係から、有効発光領域104cと遮光層101a、101bのずれ、基板100の屈折率n1、遮光層101a、101b間の開口部107内の材料の屈折率n2、及び基板100の厚さL、ならびに第1面100aでの第1の光S1aと第2の光S2aの出射角度θ2、θ4を調整することにより、第1電極104から発せられる光を制御してパターンの結像効果を改善することができる。図2において、発光素子10は、基板100と、基板100上の複数のバンプ105a、105bと、バンプ105a、105bによって分離された複数の発光ユニット(例えば発光ユニット10a)とを備える。複数の発光ユニット10aは類似の特徴を有するように図示されているが、これは例示に過ぎず、これらの実施形態を限定するものではない。複数の発光ユニット10aは、所望の機能要件を満たすため、類似の構造又は異なる構造を有し得る。
【0067】
複数の発光ユニット10aは、少なくとも積層有機発光層の厚さが互いに異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、3つの発光ユニット10aは、それぞれ緑色光、赤色光及び青色光を発することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、発光ユニット10aは、少なくとも3つの異なる群に分けられるように構成され、各群が他の群とは異なる色を発する。各積層有機発光層の厚さは、対応する発光ユニット10aによって表示される色に関連し得る。発光ユニット10aの積層有機発光層は、例えば気相成長、液体噴射又はインクジェット印刷の各種処理を介して形成することができる。
【0069】
(2)発光素子の製造方法
図3A図3Iは、一実施形態による発光素子の製造方法を示す。
【0070】
図3Aにおいて、第1面100a及び第1面100aとは反対側の第2面100bを有する基板100を用意する。
【0071】
図3Bにおいて、基板100の第1面100aに複数の遮光層101a、101bを設ける。各遮光層101a、101bは、基板の同じ側に配置される。各遮光層101a、101bは、互いに分離されて互いの間に開口部107を形成し、第1傾斜部分101a1の第1縁部101a2及び第2傾斜部分101b1の第2縁部101b2が幅W1を有する。いくつかの実施形態において、各遮光層101a、101bは、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)及びスピン・オン・ガラス(SOG Spin coating)のいずれかにより、基板100の上に形成される。
【0072】
図3Cにおいて、先に基板100をひっくり返し、基板100の第2面100bに複数の第1電極104(すなわち、導電層であり、図3には1つの第1電極104のみが示されている)を設ける。各第1電極104は、基板100に電気的に接続されるように配置される。画素の配列を考慮して第1電極104のアレイパターンを設計する。第1電極104は、互いに対向する第1側面104a及び第2側面104bを有し、第1電極104の第1側面104aは基板100の第2面100bに接触される。第1電極104は、左右に対向する第1側辺104f及び第2側辺104gを有し得る。本実施例において、第1電極104は、遮光層101a、101b間の開口部107に対応する。本実施例において、遮光層101a、101b間の開口部107の幅W1は、第1電極104の幅W2より大きい。
【0073】
図3Dにおいて、第1電極104に感光層105Lを設ける。いくつかの実施形態において、感光層105Lを第1電極104の第2側面104bにコーティングし、第1電極104の第1側辺104f及び第2側辺104gを覆う。同時に感光層105Lは、隣り合う複数の第1電極104間の隙間を埋める。感光層105Lを所定の温度に加熱した後、指定された波長で露光させる。感光層105Lは、可視光の90%以上を吸収することができる。露光後、感光層105Lを溶液に浸潤させて現象する。
【0074】
図3Eに示すように、感光層105Lの一部を除去し、残りの部分は隣り合う第1電極104間の隙間を部分的に覆う。この断面図において、残った感光層105Lは複数のバンプ105a、105bを形成し、各バンプ105a、105bが第1電極104の第2側面104bの一部の両側に形成され、第1電極104の第1側辺104f及び第2側辺104gを覆う。バンプ105a、105bは、各第1電極104を部分的に覆う。バンプ105a、105bと第1電極104との接触縁部が線分L1、L2によって第1側面104aに垂直に投影される位置は、第1外縁104h及び第2外縁104iを画定することができる。
【0075】
バンプ105a、105bは、異なる形状に形成されてもよい。図3Eにおいて、バンプ105a、105bは曲面を有する。いくつかの実施形態において、バンプ105a、105bの形状は、台形である。バンプ105a、105bを形成した後、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面を洗浄するため、洗浄操作を実行し得る。一実施形態において、洗浄操作の間、脱イオン水を30℃~80℃の間の温度に加熱する。脱イオン水の温度が所定の温度まで上昇した後、脱イオン水をバンプ105a、105b及び第1電極104の露出面に導く。
【0076】
いくつかの実施形態において、洗浄操作の間に超音波を使用する。超音波を洗浄剤(例えば水又はイソプロピルアルコール(IPA)等)に導入する。いくつかの実施形態において、二酸化炭素を洗浄剤に導入する。洗浄操作の後、加熱操作によって洗浄剤を露出面から除去する。加熱操作の間、基板100及びバンプ105a、105bを80℃~110℃の間の温度に加熱し得る。いくつかの実施形態において、加熱しながら残留洗浄剤を除去するのを助けため、圧縮空気を露出面に導く。
【0077】
加熱操作の後、O、N、又はArプラズマで露出面を処理できる。プラズマは、露出面を粗くするために用いられる。いくつかの実施形態において、露出面の表面状態を調整するため、オゾンを使用する。
【0078】
図3Fに示すように、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面にキャリア注入層106L1を設ける。キャリア注入層106L1は、露出面に沿って連続的にライニング(lining)する。より具体的に第1電極104のバンプ105a、105bに接触されていない表面下の領域は、発光ユニット(すなわち、画素)の有効発光領域104cとして構成され、バンプ105a、105bで覆われた領域が非有効発光領域104d、104eである。この実施形態において、全ての発光ユニットは、キャリア注入層106L1を使用する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、正孔注入に用いられる。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、電子注入に用いられる。キャリア注入層106L1は、複数のバンプ105a、105b及び第1電極104の露出面を連続的に覆う。任意選択的に、キャリア注入層106L1は、バンプ105a、105bと接触する。一実施形態において、キャリア注入層106L1は、第1電極104と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、有機物である。
【0079】
図3Gに示すように、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面にキャリア輸送層106L2を設ける。キャリア注入層106L1は、キャリア輸送層106L2の下に設けられる。キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1に沿って連続的にライニングする。この実施形態において、全ての発光ユニットは、キャリア輸送層106L2を使用する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、正孔注入に用いられる。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、電子注入に用いられる。キャリア輸送層106L2は、複数のバンプ105a、105b及び第1電極104の上を連続的に覆う。任意選択的に、キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、有機物である。
【0080】
図3Hにおいて、有機発射層106L3は、バンプ105a、105b及び第1電極104の露出面に設けられる。有機発射層106L3は、キャリア輸送層106L2を覆う。有機発射層106L3は、露出したキャリア輸送層106L2を完全に覆う。有機発射層106L3は、第1の色を発光するよう構成される。
【0081】
図3Iに示すように、有機発射層106L3に有機キャリア輸送層106L4を設ける。有機キャリア輸送層106L4は、正孔又は電子輸送層であり得る。いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層106L4及びキャリア輸送層106L2は、それぞれ相反する原子価状態で構成される。
【0082】
図2に示すように、有機キャリア輸送層106L4に第2電極106Dを設ける。第2電極106Dは、有機キャリア輸送層106L4を覆う。第2電極106Dは、金属材料、例えば銀(Ag)、マグネシウム(Mg)等であり得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、酸化インジウムスズ(ITO)又は酸化インジウム亜鉛(IZO)を含む。いくつかの実施形態において、断面図から見て各発光ユニット(すなわち、画素)は、独立した第2電極106Dを有する。
【0083】
図3A~3I及び図2に示す操作を繰り返して異なる色の発光ユニット10aを形成することができる。
【0084】
図2に示すように、発光ユニット10aによって生成された光(例えば第1の光S1a及び第2の光S2a)は、基板100に向けて外側に発することができる。いくつかの実施形態において、光の一部が第2電極106Dに向けて外側に発する。第2の電極106Dに向かう光が第2電極106Dに当たると、第2電極106D内の異なる材料により異なる反射光が生成される場合がある。反射光は、発光ユニット10aが基板100に向けて発する光(例えば第1の光S1a及び第2の光S2a)と干渉するため、ハレーション及び光学的なクロストーク等の問題を引き起こし、有機ELディスプレイの光学効果は期待通りにいかない。本開示の遮光層101a、101bによれば、適切な構成(例えば上述のように周囲光を遮蔽できるものを用いる)を経て、光(例えば第1の光S1a及び第2の光S2a)に対する反射光L2rの干渉を大幅に低減することができることで、ハレーション及び光学的なクロストーク等の問題を解決し、発光ユニットのコントラストを向上させることができる。
【実施例0085】
図4Aを参照すると、本出願の実施例2による発光素子の上面図である。いくつかの実施形態において、遮光層101は、上面の角度から見て十字形輪郭を有する凹部500を有し得る。十字形輪郭を有する凹部500は、発光ユニット10aから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、十字形輪郭を有する凹部500は、単一の発光ユニット10aから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、十字形輪郭を有する凹部500は、複数の発光ユニット10aから発せられた光を透過させることができる。本実施例において、十字形輪郭を有する凹部500は、発光ユニット10aの第1電極104の有効発光領域104c及び非有効発光領域104d、104eを少なくとも露出させる。本実施例において、第1電極104の第1側辺104f及び第2側辺104gは、バンプ105a、105bの縁部にそれぞれ接触される。十字形輪郭を有する凹部500は、非有効発光領域104d、104eのバンプ105a、105bに近い部分を少なくとも露出させる。図から分かるように、線分L1、L2(破線で示す)内の領域は、第1電極104の有効発光領域104cであり、十字形輪郭を呈し、第1電極104における線分L1、L2外の領域が非有効発光領域104d、104eである。非有効発光領域104d、104eは、有効発光領域104cを取り囲む。バンプ105a、105bは、第1電極104の有効発光領域104c及び非有効発光領域104d、104eを取り囲む。
【実施例0086】
図4Bを参照すると、実施例3による遮光層の上面図である。いくつかの実施形態において、遮光層201は、第1凹部502と、第2凹部504、506、508、510とを含む。第1凹部502は、十字形輪郭を有し、第2凹部504、506、508、510は第1凹部502の四隅に位置し、L字形輪郭を有することで、第1凹部502と第2凹部504、506、508、510とが共にレチクルパターンを形成する。レチクルパターンは、発光ユニット(例えば10b)から発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、第1凹部502は、単一の発光ユニットの有効発光領域204cと重なり、単一の発光ユニットから発せられた光を透過させ、非有効発光領域204d、204eを露出させる。いくつかの実施形態において、第1凹部502は、バンプ205a、205bの非有効発光領域204d、204eに近い部分をさらに露出させることができる。バンプ205a、205bは、第1電極204の有効発光領域204c及び非有効発光領域204d、204eを取り囲む。いくつかの実施形態において、第1凹部502は、複数の発光ユニットの有効発光面積と重なり、複数の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、第2凹部504、506、508、510の各々は、単一の発光ユニットの有効発光面積と重なり、各々は単一の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、第2凹部504、506、508、510の各々は、複数の発光ユニットの有効発光面積と重なり、複数の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。
【実施例0087】
図4Cを参照すると、実施例4による発光素子の上面図である。本実施例において、発光ユニット10cの遮光層201は、第1凹部512を含み得る。第1凹部512は、十字形輪郭を有する。第1凹部512の十字形輪郭は、第1電極304の有効発光領域304c及び非有効発光領域304d、304eを露出させる。本実施例において、第1凹部512の十字形輪郭は、非有効発光領域304d、304eの近くにあるバンプを露出しない。
【実施例0088】
(3)光透過層を有する発光素子
図5を参照すると、本出願の実施例5による発光素子10dの断面図である。本実施例において、発光素子10dは、基板100の第1面100aに設けられ、前記遮光層101a、101bを覆う光透過層108をさらに備える。本実施例において、光透過層108は、反対側にある第1面108a及び第2面108bを有する。本実施例において、基板100の屈折率n1は、光透過層108の屈折率n3とは異なる。いくつかの実施形態において、基板100の屈折率n1は、光透過層108の屈折率n3より大きい。第1の光S1aが基板100から光透過層108に入射する時、光透過層108の屈折率n3の方が小さいため、第1の光S1aの入射角度θ1は出射角度θ2よりも小さくなる。第1の光S1bが光透過層108から外気に出射する時、光透過層108の第2面108bでの第1の光S1bの出射角度θ5は、出射角度θ6よりも小さくなることで、第1の光S1cを外側に拡散させて光の視野角を広げる。
【0089】
本実施例において、同様に第2の光S2aが基板100から光透過層108に入射する時、光透過層108の屈折率n3の方が小さいため、第2の光S2aの入射角度θ3は出射角度θ4よりも小さくなる。第2の光S2bが光透過層108から外気に出射する時、光透過層108の第2面108bでの第2の光S2bの出射角度θ7は、出射角度θ8よりも小さくなることで、第2の光S2cを外側に拡散させて光の視野角を広げる。
【0090】
前述の概要は、いくつかの実施形態の特徴を概説したため、当業者が本開示の各態様をよりよく理解できる。本開示に基づいて他の製造工程及び構造を設計又は潤色して容易に本出願に記載された実施形態と同じ目的を達成し、及び/又は同じ利点を達成できることは当業者には明白になるであろう。当業者はまた、この均等な構造が本開示の精神及び範囲から逸脱せず、多種多様な変化、置換及び代替を行うことができるが、本開示の精神及び範囲に収まることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0091】
100 基板
100a 第1面
100b 第2面
10 発光素子
10a 発光ユニット
10b 発光ユニット
10c 発光ユニット
10d 発光素子
101a 遮光層
101a1 第1傾斜部分
101a2 第1縁部
101b 遮光層
101b1 第2傾斜部分
101b2 第2縁部
101I 厚さ
104 第1電極
104a 第1側面
104b 第2側面
104c 有効発光領域
104d 非有効発光領域
104e 非有効発光領域
104f 第1側辺
104g 第2側辺
104h 第1外縁
104i 第2外縁
104T 厚さ
105a バンプ
105b バンプ
105L 感光層
106L1 キャリア注入層
106L2 キャリア輸送層
106L3 有機発射層
106L4 有機キャリア輸送層
106D 第2電極
107 開口部
108 光透過層
108a 第1面
108b 第2面
11 発光素子
12 発光素子
20 発光層
201 遮光層
21 スペーサ
304c 有効発光領域
304d 非有効発光領域
304e 非有効発光領域
40 被覆層
500 凹部
502 第1凹部
504 第2凹部
506 第2凹部
508 第2凹部
510 第2凹部
512 第1凹部
D1 第1の距離
D2 第2の距離
L 厚さ
L1 線分
L2 線分
S1a 第1の光
S1b 第1の光
S1c 第1の光
S2a 第2の光
S2b 第2の光
S2c 第2の光
W1 幅
W2 幅
W3 幅
W4 幅
W5 幅
X 横方向
Y 縦方向
θ1 入射角度
θ2 出射角度
θ3 入射角度
θ4 出射角度
θ5 出射角度
θ6 出射角度
θ7 入射角度
θ8 出射角度
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4A
図4B
図4C
図5