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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025676
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】二酸化炭素純化システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/62 20060101AFI20240216BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20240216BHJP
   B01D 53/82 20060101ALI20240216BHJP
   B01D 53/70 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B01D53/62 100
C01B32/50
B01D53/82 ZAB
B01D53/70
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116103
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】111130434
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523269797
【氏名又は名称】細胞製氣科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】秘 心吾
(72)【発明者】
【氏名】張 兆綱
(72)【発明者】
【氏名】王 興財
(72)【発明者】
【氏名】杜 長宏
(72)【発明者】
【氏名】郭 子茜
【テーマコード(参考)】
4D002
4G146
【Fターム(参考)】
4D002AA02
4D002AA08
4D002AA12
4D002AA17
4D002AA21
4D002AC10
4D002BA04
4D002BA05
4D002BA20
4D002CA07
4D002DA21
4D002DA25
4D002DA41
4D002DA45
4D002EA01
4D002EA02
4D002EA05
4D002EA07
4D002GA01
4D002GA02
4D002GB02
4D002GB08
4D002HA02
4G146JA02
4G146JB09
4G146JC21
4G146JC24
4G146JC25
4G146JC27
4G146JD01
(57)【要約】
【課題】優れた二酸化炭素純化システムの提供
【解決手段】二酸化炭素ガスと、水蒸気と、一酸化炭素ガス及び細胞に有害の有機汚染物質を含む非二酸化炭素ガスの物質とを含む排ガスを処理するための二酸化炭素純化システムであって、前記排ガス中の水蒸気を減らして、二酸化炭素ガスと、体積濃度が1ppm未満の水蒸気と、一酸化炭素ガスと、細胞に有害の有機汚染物質と、を含む乾燥気体混合物を得る少なくとも1つの乾燥装置11を含む除水ユニット1と、それぞれに第1の吸着剤と第2の吸着剤とが充填されており、互いに直列に設置され且つ連通していて、前記乾燥気体混合物から二酸化炭素ガスに純化して、純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む気体産物を得る複数の変圧吸着装置21を含み、且つ、除水ユニット1の下流側に設置され且つ除水ユニット1と連通している純化ユニット2と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機から生じた、二酸化炭素ガスと、水蒸気と、一酸化炭素ガス及び生体に有害な有機汚染物質を含む非二酸化炭素ガスの物質と、を含む排ガスを処理するための二酸化炭素純化システムであって、
前記発電機からの前記排ガス中の水蒸気を減らして、二酸化炭素ガスと、体積濃度が1ppm未満の水蒸気と、一酸化炭素ガスと、生体に有害な有機汚染物質と、を含む乾燥気体混合物を得る少なくとも1つの乾燥装置を含む除水ユニットと、
前記除水ユニットの下流側に設置され且つ前記除水ユニットと連通しており、且つ、それぞれに第1の吸着剤と第2の吸着剤とが充填されており、互いに直列に設置され且つ連通していて、前記除水ユニットからの前記乾燥気体混合物から二酸化炭素ガスを純化して、純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む気体産物を得る複数の変圧吸着装置を含む純化ユニットと、を備え、
前記各変圧吸着装置において、
前記第1の吸着剤は、分子ふるい炭素と、前記分子ふるい炭素の表面に被覆している第1のめっき層とを有し、
前記第2の吸着剤は、アルミノケイ酸塩分子ふるいと、前記アルミノケイ酸塩分子ふるいの表面に被覆している第2のめっき層とを有し、
前記第1の吸着剤と前記第2の吸着剤との充填体積比は、約1:1であることを特徴とする二酸化炭素純化システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの乾燥装置は、熱交換器、ガス圧縮機または冷却凝縮乾燥機から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素純化システム。
【請求項3】
前記除水ユニットは、互いに連接されている3つの前記乾燥装置を含み、
前記3つの乾燥装置は、上流側から下流側へ熱交換器、ガス圧縮機、冷却凝縮乾燥機の順で設置されていることを特徴とする請求項2に記載の二酸化炭素純化システム。
【請求項4】
前記第1のめっき層は、二酸化チタンめっき層、金ナノめっき層または銀ナノめっき層から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素純化システム。
【請求項5】
前記第2のめっき層は、二酸化チタンめっき層、金ナノめっき層または銀ナノめっき層から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素純化システム。
【請求項6】
前記純化ユニットと連通して、前記第1の吸着剤及び前記第2の吸着剤を再活性化する再活性化ユニットを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素純化システム。
【請求項7】
前記再活性化ユニットは、回転翼ポンプと、前記回転翼ポンプと連接しているルーツポンプと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の二酸化炭素純化システム。
【請求項8】
前記純化ユニットの下流側に設置されていて、前記純化ユニットからの二酸化炭素ガスを含む気体産物を受けて、該気体産物中の二酸化炭素ガスを二酸化炭素液体に液化する液化処理ユニットを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素純化システム。
【請求項9】
前記純化ユニットの下流側に設置されていて、前記純化ユニットからの二酸化炭素ガスを含む気体産物を受けて、該気体産物中の二酸化炭素ガスを二酸化炭素固体に固化する固化処理ユニットを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素純化システム。
【請求項10】
前記純化ユニットと連接されていて、前記純化ユニット内に存在している二酸化炭素ガスの純度を測定する測定ユニットを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素純化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体純化システムに関し、特に、二酸化炭素純化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電機が燃料を燃やして電気エネルギーを生成する過程において、一般的に二酸化炭素ガスを含む排ガスが生じる。該排ガスを処理せずに大量排出すると、大気中の温室効果ガス濃度が増えて、世界各地の気候に対して悪影響が生じる。近年、環境保護が更に重要視されているのに伴い、多くの産業において発電機からの二酸化炭素ガスを含む排ガスの処理を始めており、二酸化炭素ガスの排出量を減らして炭素排出を減少する目的を達成することが望まれている。
【0003】
上記の発電機からの二酸化炭素ガスを含む排ガスの処理は、例えば排ガスから二酸化炭素ガスを分離することを含む。
【0004】
特許文献1には、燃焼排ガスから二酸化炭素を製造する方法が開示されており、該方法は、気体送入管を介して燃焼排ガスを予純化ユニットに導入して、燃焼排ガス中の粒子を除去するステップと、気体送入管を介して予純化された燃焼排ガスを圧縮機に導入して、圧縮燃焼排ガスを得るステップと、気体送入管を介して該圧縮燃焼排ガスを純化ユニットに導入して、該圧縮燃焼排ガス内の酸化窒素、酸化硫黄及び水を除去して純化された燃焼排ガスを得るステップと、気体送入管を介して該純化された燃焼排ガスを圧力スイング装置に導入して、二酸化炭素に富むガスを得るステップと、気体送入管を介して該二酸化炭素に富むガスを液化ユニットに導入して、該二酸化炭素に富むガスを液化し、蒸留で揮発性汚染物を除去し、純度が64.41~99.16の二酸化炭素液体を得るステップとを含む。
【0005】
従って、発電機が燃料を燃やして出る二酸化炭素ガスを含む排ガスから高純度の二酸化炭素ガスを得て、排ガスからの二酸化炭素ガスの応用の可能性を広げ、二酸化炭素ガスの排出を減らすことは、業界の共通目標である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許第202397B号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、排ガスから高純度の二酸化炭素ガスを得る二酸化炭素純化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、発電機から生じた、二酸化炭素ガスと、水蒸気と、一酸化炭素ガス及び生体に有害な有機汚染物質を含む非二酸化炭素ガスの物質と、を含む排ガスを処理するための二酸化炭素純化システムであって、
前記発電機からの前記排ガス中の水蒸気を減らして、二酸化炭素ガスと、体積濃度が1ppm未満の水蒸気と、一酸化炭素ガスと、生体に有害な有機汚染物質と、を含む乾燥気体混合物を得る少なくとも1つの乾燥装置を含む除水ユニットと、
前記除水ユニットの下流側に設置され且つ前記除水ユニットと連通しており、且つ、それぞれに第1の吸着剤と第2の吸着剤とが充填されており、互いに直列に設置され且つ連通していて、前記除水ユニットからの前記乾燥気体混合物から二酸化炭素ガスを純化して、純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む気体産物を得る複数の変圧吸着装置を含む純化ユニットと、を備え、
前記各変圧吸着装置において、
前記第1の吸着剤は、分子ふるい炭素と、前記分子ふるい炭素の表面に被覆している第1のめっき層とを有し、
前記第2の吸着剤は、アルミノケイ酸塩分子ふるいと、前記アルミノケイ酸塩分子ふるいの表面に被覆している第2のめっき層とを有し、
前記第1の吸着剤と前記第2の吸着剤との充填体積比は、約1:1であることを特徴とする二酸化炭素純化システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の二酸化炭素純化システムは、除水ユニット及び純化ユニットの組み合わせで、特に少なくとも1つの乾燥装置により前記排ガス中の水蒸気を体積濃度で1ppm未満になるよう減らし、且つ、一酸化炭素を二酸化炭素に転化する第1の吸着剤と生体に有害な有機汚染物質を除去する第2の吸着剤とが充填されている複数の変圧吸着装置を使用することで、排ガスを純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む気体産物に有効的に純化し、且つ、該気体産物は細胞培養に直接に応用できて、炭素の排出を減少する目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の二酸化炭素純化システムの第1の実施形態を説明する図である。
図2】本発明の二酸化炭素純化システムの第2の実施形態を説明する図である。
図3】本発明の二酸化炭素純化システムの第3の実施形態を説明する図である。
図4】本発明の二酸化炭素純化システムの第4の実施形態を説明する図である。
図5】本発明の二酸化炭素純化システムの第5の実施形態を説明する図である。
図6】本発明の二酸化炭素純化システムの第6の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の明細書及び特許請求の範囲において、用語「生体」は、動物、植物、菌類などの細胞を有する生き物のことを指す。特定の実施形態において、生体はヒトである。
【0012】
図1に示されるように、本発明の二酸化炭素純化システムの第1の実施形態は、発電機9から生じた排ガスを処理するための二酸化炭素純化システムである。該排ガスは、二酸化炭素ガスと、水蒸気と、非二酸化炭素ガスの物質とを含む。
【0013】
前記非二酸化炭素ガスの物質は、一酸化炭素ガス及び生体に有害な有機汚染物質を含む。
【0014】
前記生体に有害な有機汚染物質は、例えばダイオキシン様化合物(dioxin-like compounds)であるがそれに限らない。
【0015】
また、前記非二酸化炭素ガスの物質は、例えば窒素酸化物ガス(N)、硫黄、ハロゲン化合物などの物質を更に含むことができる。
【0016】
前記二酸化炭素純化システムは、図1に示されるように、除水ユニット1と、純化ユニット2と、を備える。
【0017】
除水ユニット1は、互いに連接されていて、発電機9からの排ガスにおける水蒸気を減らす3つの乾燥装置11を含む。
【0018】
前記排ガスが発電機9から排出されて除水ユニット1に進入すると、前記排ガスが順に3つの乾燥装置11を通過することで、発電機9からの前記排ガス中の水蒸気を減らして、二酸化炭素ガスと、体積濃度が1ppm未満の水蒸気と、一酸化炭素ガスと、生体に有害な有機汚染物質と、を含む乾燥気体混合物を得る。
【0019】
乾燥装置11の数は、3つに限らなく、1つ、2つ、3つを超えてもよく、前記排ガス中の水蒸気を体積濃度が1ppm未満になるよう大幅に減らすことができれば、乾燥装置11の数を任意に調整できる。
【0020】
乾燥装置11は、例えば熱交換器、ガス圧縮機または冷却凝縮乾燥機であり得るが、それらに限らない。
【0021】
本発明の一部の実施形態において、乾燥装置11は、それぞれ熱交換器、ガス圧縮機または冷却凝縮乾燥機から選ばれたものである。
【0022】
乾燥装置11の数が3つ以上であって、且つ、熱交換器、ガス圧縮機及び冷却凝縮乾燥機の組み合わせを含む場合、図1に示されるように、上流側から下流側へ熱交換器111、ガス圧縮機112、冷却凝縮乾燥機113の特定の順で設置されている。
【0023】
より具体的に説明すると、熱交換器111は、発電機9からの前記排ガスを受けるためのもので、前記排ガスを降温することにより前記排ガス中の一部の水蒸気を液体水に液化して排出することで、二酸化炭素ガスと、水蒸気と、一酸化炭素ガスと、生体に有害な有機汚染物質とを含む第1の気体混合物を得る。
【0024】
ガス圧縮機112は、熱交換器111からの前記第1の気体混合物を受けるためのもので、前記第1の気体混合物を降温し且つ加圧することにより前記第1の気体混合物中の一部の水蒸気を液体水に液化して排出することで、二酸化炭素ガスと、水蒸気と、一酸化炭素ガスと、生体に有害な有機汚染物質とを含む第2の気体混合物を得る。
【0025】
冷却凝縮乾燥機113は、ガス圧縮機112からの前記第2の気体混合物を受けるためのもので、前記第2の気体混合物を冷却することにより前記第2の気体混合物中の一部の水蒸気を液体水に液化して排出することで、二酸化炭素ガスと、体積濃度が1ppm未満の水蒸気と、一酸化炭素ガスと、生体に有害な有機汚染物質とを含む乾燥気体混合物を得る。
【0026】
この第1の実施形態において、熱交換器111をガス圧縮機112の上流側に設置することにより、前記排ガスの温度が下げられて、ガス圧縮機112が前記排ガスを高温のまま受けることが防がれ、ガス圧縮機112を保護して使用寿命を延ばす効果が得られる。
ガス圧縮機112を冷却凝縮乾燥機113の上流側に設置することにより、前記第1の気体混合物の温度が更に下げられて温度が低い第2の気体混合物として冷却凝縮乾燥機113に送出し、冷却凝縮乾燥機113が温度が低い前記第2の気体混合物を受けた後、前記第2の気体混合物をより早く予定温度に冷却することができて、前記第2の気体混合物内の水蒸気をより効率的に液体水に凝縮することができる。
【0027】
純化ユニット2は、除水ユニット1の下流側に設置され且つ除水ユニット1と連通している。
【0028】
また、純化ユニット2は、それぞれに第1の吸着剤と第2の吸着剤とが充填されており、互いに直列に設置され且つ連通していて、除水ユニット1からの前記乾燥気体混合物から二酸化炭素ガスを純化して、純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む気体産物を得る2つの変圧吸着装置21を含む。
【0029】
純化ユニット2が含む変圧吸着装置21の数は、2つに限らなく、必要に応じて変圧吸着装置21の数を任意に調整できる。
【0030】
各変圧吸着装置21において、前記第1の吸着剤と前記第2の吸着剤との充填体積比は、約1:1である。
【0031】
前記第1の吸着剤は、炭素分子ふるい(carbon molecular sieve)と、前記炭素分子ふるいの表面に被覆している第1のめっき層とを有する。
【0032】
前記炭素分子ふるいは、例えばヤシ殻系炭素分子ふるいであり得るが、それらに限らない。
【0033】
本発明の一部の実施形態において、前記炭素分子ふるいが前記乾燥気体混合物と接触する総表面積を増やして二酸化炭素ガスの分離効果を向上させるために、前記炭素分子ふるいは、ヤシ殻系炭素分子ふるいである。
【0034】
前記第1のめっき層は、例えば二酸化チタンめっき層、金ナノめっき層(ナノめっき層は、厚さがナノメートルオーダーのめっき層を指す)または銀ナノめっき層などから選ばれたものであり得るが、それらに限らない。
【0035】
本発明の一部の実施形態において、前記第1のめっき層は、二酸化チタンめっき層、金ナノめっき層または銀ナノめっき層から選ばれたものである。
【0036】
前記第1の吸着剤は、前記乾燥気体混合物中の一酸化炭素ガスを吸着できると共に、触媒として、前記乾燥気体混合物中の一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに転化して二酸化炭素ガスの純度を上げることができる。
【0037】
また、前記非二酸化炭素ガスの物質内に、窒素酸化物ガス(N)を含む場合、前記第1の吸着剤は、前記乾燥気体混合物中の窒素酸化物ガス(N)を吸着することもできると共に、触媒として、例えば二酸化窒素ガスの窒素酸化物ガスを一酸化窒素ガス及び酸素に転化することにより、純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む前記気体産物に対して例えば凝縮処理を含む処理を行う際に、二酸化窒素ガスが二酸化炭素ガスと共に液化して、液体中の二酸化炭素の純度に影響することを防止できる。
【0038】
前記第2の吸着剤は、アルミノケイ酸塩分子ふるい(aluminosilicate molecular sieve)と、前記アルミノケイ酸塩分子ふるいの表面に被覆している第2のめっき層とを有する。
【0039】
前記第2のめっき層は、例えば二酸化チタンめっき層、金ナノめっき層または銀ナノめっき層から選ばれたものであり得るが、それらに限らない。
【0040】
本発明の一部の実施形態において、前記第2のめっき層は、二酸化チタンめっき層、金ナノめっき層または銀ナノめっき層から選ばれたものである。
【0041】
前記第2の吸着剤は、前記乾燥気体混合物中の生体に有害な有機汚染物質(例えばダイオキシン様化合物)を吸着できると共に、触媒として、前記乾燥気体混合物中の生体に有害な有機汚染物質をクラッキング(cracking)させることにより、前記乾燥気体混合物中の細胞に有害の有機汚染物質を有効的に除去する目的を達成できる。
【0042】
また、前記非二酸化炭素ガスの物質内に、硫黄及びハロゲン化合物を含む場合、前記第2の吸着剤は、前記乾燥気体混合物中の硫黄及びハロゲン化合物を吸着することもできて、前記乾燥気体混合物中の前記非二酸化炭素ガスの物質を更に有効的に除去する。
【0043】
前記乾燥気体混合物中の前記非二酸化炭素ガスの物質を有効的に除去し、前記乾燥気体混合物から高純度の二酸化炭素ガスを得るために、本発明において、各変圧吸着装置21中の前記第1の吸着剤と前記第2の吸着剤との充填体積比は、約1:1に制御する。
【0044】
本発明の第1の実施形態において、複数の乾燥装置11(即ち、順に設置されている熱交換器111、ガス圧縮機112、冷却凝縮乾燥機113)と、前記第1の吸着剤と前記第2の吸着剤が充填されている複数の変圧吸着装置21との組み合わせで、発電機9からの排ガスを順に複数の乾燥装置11を通過させて水蒸気を大幅に除去することにより、変圧吸着装置21が前記乾燥気体混合物から二酸化炭素ガスを純化する効率の向上に役立って、純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む気体産物を得ることができる。
【0045】
また、前記気体産物においては、二酸化炭素ガスの純度が細胞を培養できるレベル(即ち二酸化炭素ガスの純度が99.5%以上)に達したので、純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む前記気体産物を直接に細胞培養製造システムに送入して細胞培養用の気体として使用できる。
【0046】
また、本発明の二酸化炭素純化システムは、排ガスから高純度の二酸化炭素ガスを純化し、該高純度の二酸化炭素ガスを細胞の培養に直接に応用できて、炭素の排出を減少する目的を達成することができるので、環境にやさしい利点がある。
【0047】
本発明の二酸化炭素純化システムの第2の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0048】
図2に示されるように、本発明の二酸化炭素純化システムの第2の実施形態は、それぞれが除水ユニット1と連通する2つの純化ユニット2を更に含む。
【0049】
また、純化ユニット2の数は、複数である場合、2つに限らず、必要に応じて数を任意に調整できる。
【0050】
本発明の二酸化炭素純化システムの第3の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0051】
図3に示されるように、本発明の二酸化炭素純化システムの第3の実施形態は、純化ユニット2と連通して、前記第1の吸着剤及び前記第2の吸着剤を再活性化する再活性化ユニット3を更に備える。
【0052】
再活性化ユニット3は、回転翼(rotary vane pump)ポンプ31と、回転翼ポンプ31と連接しているルーツポンプ(roots pump)32と、を含む。
【0053】
回転翼ポンプ31は、各変圧吸着装置21内の圧力を760torrから1torrに減らすものである。
【0054】
ルーツポンプ32は、補助ポンプとして使用されて、各変圧吸着装置21内の圧力を1torrから0.001torrに更に減らすものである。
【0055】
具体的に、再活性化ユニット3は、回転翼ポンプ31とルーツポンプ32との組み合わせで、各変圧吸着装置21内の圧力を減らすことにより、前記第1の吸着剤及び前記第2の吸着剤に吸着されている非二酸化炭素ガスの物質を前記第1の吸着剤及び前記第2の吸着剤から脱落させ、そして、再活性化ユニット3は、各変圧吸着装置21からの前記非二酸化炭素ガスの物質を受けて、前記非二酸化炭素ガスの物質を後の処理装置に排出して処理し、前記第1の吸着剤及び前記第2の吸着剤を再活性化する目的を達成する。
【0056】
本発明の二酸化炭素純化システムの第4の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0057】
図4に示されるように、本発明の二酸化炭素純化システムの第4の実施形態は、純化ユニット2と連接されていて、純化ユニット2内に存在している二酸化炭素ガスの純度を測定する測定ユニット4を更に備える。
【0058】
具体的に、測定ユニット4は、各変圧吸着装置21の間に輸送されている純化され且つ二酸化炭素ガスを含む気体混合物または純化ユニット2からの二酸化炭素ガスを含む前記気体産物を受けて、前記気体混合物または前記気体産物中の二酸化炭素ガスの純度を測定することにより、前記気体産物中の二酸化炭素ガスの純度が99.5%以上であることを確認する。
【0059】
測定ユニット4は、例えば質量分析計などであるが、それに限らない。
【0060】
本発明の二酸化炭素純化システムの第5の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0061】
図5に示されるように、本発明の二酸化炭素純化システムの第5の実施形態は、純化ユニット2の下流側に設置されている液化処理ユニット5を更に備える。液化処理ユニット5は、純化ユニット2からの二酸化炭素ガスを含む前記気体産物を受けて、前記気体産物中の二酸化炭素ガスを二酸化炭素液体に液化する。液化処理ユニット5は、例えば、低温冷却装置(例えば、米Telemark社製の型番がCryochiller 3600である低温冷却装置)及び空気圧縮機(例えば、台湾TONG CHENG IRON WORKS CO., LTD.社製の型番がSKR-04Cである空気圧縮機)を含んで、冷却且つ加圧により二酸化炭素ガスを二酸化炭素液体に液化することができるが、それに限らない。
【0062】
液化処理ユニット5により、二酸化炭素ガスを二酸化炭素液体に液化して、保存することができて、単一の貯蔵装置が貯蔵できる二酸化炭素の量を上げることができ、そして、二酸化炭素液体を、二酸化炭素ガスの純化に更に使用することができる。
【0063】
本発明の二酸化炭素純化システムの第6の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0064】
図6に示されるように、本発明の二酸化炭素純化システムの第6の実施形態は、純化ユニット2の下流側に設置されている固化処理ユニット6を更に備える。
【0065】
固化処理ユニット6は、純化ユニット2からの二酸化炭素ガスを含む気体産物を受けて、該気体産物中の二酸化炭素ガスを二酸化炭素固体に固化する。固化処理ユニット6は、例えば、上記の低温冷却装置及び空気圧縮機を含んで、冷却且つ加圧により二酸化炭素ガスを二酸化炭素固体に固化することができるが、それに限らない。
【0066】
固化処理ユニット6により、二酸化炭素ガスを二酸化炭素固体(即ち、ドライアイス)に固化して、他の応用または産業に提供することができる。
【0067】
上記の内容によれば、本発明の二酸化炭素純化システムは、除水ユニット1と純化ユニット2との組み合わせにより、特に各乾燥装置11で前記排ガス中の水蒸気の体積濃度を1ppm未満に減少し、且つ、第1の吸着剤と第2の吸着剤とが充填されている変圧吸着装置21を使用することで、前記排ガスから純度が99.5%以上の二酸化炭素ガスを含む前記気体産物を有効的に浄化することができる。
【0068】
また、前記気体産物中の二酸化炭素ガスの純度が細胞培養に使用できるレベルに達したので、該気体産物は細胞の培養に直接に応用できて、炭素の排出を減少するすることができて、本発明の目的を達成することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の二酸化炭素純化システムは、排ガス中の二酸化炭素を純化することにに適用できる。
【符号の説明】
【0071】
1 除水ユニット
11 乾燥装置
111 熱交換器
112 ガス圧縮機
113 冷却凝縮乾燥機
2 純化ユニット
21 変圧吸着装置
3 再活性化ユニット
31 回転翼ポンプ
32 ルーツポンプ
4 測定ユニット
5 液化処理ユニット
6 固化処理ユニット
9 発電機
図1
図2
図3
図4
図5
図6