(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025677
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ガスクロマトグラフィフロースプリッタのためのピークアライメント方法
(51)【国際特許分類】
G01N 30/10 20060101AFI20240216BHJP
G01N 30/26 20060101ALI20240216BHJP
G01N 30/86 20060101ALI20240216BHJP
G01N 30/72 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G01N30/10
G01N30/26 N
G01N30/86 M
G01N30/72 F
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023119506
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】63/371,139
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592071853
【氏名又は名称】レコ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】LECO CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【弁理士】
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】メリック,マーク ファーマー
(57)【要約】
【課題】ガスクロマトグラフィフロースプリッタのためのピークアライメント方法を提供すること。
【解決手段】方法(800)は、セッション中にガスクロマトグラフ(GC)(12)の第1および第2の検出器(14、16)によって生成され、GCの第1および第2の移送ライン(42、44)から第1および第2の検出器に送達される溶出液(32)の第1および第2の部分のクロマトグラフ特性を表すそれぞれの第1および第2のセットの検出データ(33)を受け取るステップを含む。方法は、セッション中の溶出液の第1および第2の部分の第1および第2の温度ゾーンを特定する温度プロファイル(414)を受け取るステップも含む。第2のセットの検出データは、時間軸に沿った第1のセットに対してアライメント不良である。方法は、アライメントプロファイル(408)を第2のセットに適用して、時間軸に沿って第1および第2のセットをアライメントするステップも含む。アライメントプロファイルは、温度プロファイルに基づく。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理ハードウェア(102)によって実行されるコンピュータ実施方法(800)において、前記方法は、前記データ処理ハードウェア(102)に、
第1のセットの検出データ(33)を受け取るステップであって、前記第1のセットの検出データ(33)は、検出セッション(400)中にガスクロマトグラフ(GC(12))の第1の検出器(14)によって生成され、前記検出セッション(400)中に前記GC(12)の第1の移送ライン(42)から前記第1の検出器(14)に送達される溶出液(32)の第1の部分(32a)のクロマトグラフ特性を表す、ステップ(33)と、
時間軸に沿って前記第1のセットの検出データ(33)に対してアライメント不良の第2のセットの検出データ(33)を受け取るステップであって、前記第2のセットの検出データ(33)は、前記検出セッション(400)中に前記GC(12)の第2の検出器(16)によって生成され、前記検出セッション(400)中に前記GC(12)の第2の移送ライン(44)から前記第2の検出器(16)に送達される前記溶出液(32)の第2の部分(32b)のクロマトグラフ特性を表す、ステップと、
前記検出セッション(400)のための温度プロファイル(414)を受け取るステップであって、前記温度プロファイル(414)が、
前記検出セッション(400)中の前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1の温度ゾーン(414a)、および
前記検出セッション(400)中の前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2の温度ゾーン(414b)を特定する、ステップと、
前記時間軸に沿って前記第1のセットの検出データ(33)および前記第2のセットの検出データ(33)をアライメントするようにアライメントプロファイル(408)を前記第2のセットの検出データ(33)に適用するステップであって、前記アライメントプロファイル(408)は、前記検出セッション(400)のための前記温度プロファイル(414)に基づく、ステップと
を含む動作を実行させる、方法(800)。
【請求項2】
前記第1の温度ゾーン(414a)は、前記第1の移送ライン(42)に沿った前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1の温度を含み、
前記第2の温度ゾーン(414b)は、前記第2の移送ライン(44)に沿った前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2の温度を含む、
請求項1に記載の方法(800)。
【請求項3】
前記アライメントプロファイル(408)は、
前記検出セッション(400)中の前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1のセットのフロー条件(418)、および
前記検出セッション(400)中の前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2のセットのフロー条件(418)
を特定するフロー条件プロファイル(416)にさらに基づく、請求項1または2に記載の方法(800)。
【請求項4】
前記第1のセットのフロー条件(418)は、
前記第1の移送ライン(42)の長さ、
前記第1の移送ライン(42)の直径、および
前記検出セッション(400)中に前記第1の移送ライン(42)を通る前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の平均流速
を含み、
前記第2のセットのフロー条件(418)は、
前記第2の移送ライン(44)の長さ、
前記第2の移送ライン(44)の直径、および
前記検出セッション(400)中に前記第2の移送ライン(44)を通る前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の平均流速
を含む、
請求項3に記載の方法(800)。
【請求項5】
前記第1のセットのフロー条件(418)および前記第2のセットのフロー条件(418)は、前記検出セッション(400)中に同じである、請求項3または4に記載の方法(800)。
【請求項6】
前記第1の温度ゾーン(414a)および前記第2の温度ゾーン(414b)は、前記検出セッション(400)中に同じではない、請求項1から5のいずれかに記載の方法(800)。
【請求項7】
前記第1の移送ライン(42)は、前記GC(12)のフロースプリッタ(26)から前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)を受け取り、
前記第2の移送ライン(44)は、前記フロースプリッタ(26)から前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)を受け取り、
前記フロースプリッタ(26)は、クロマトグラフィカラムの出口端(25、29)から前記溶出液(32)を受け取る、
請求項1から6のいずれかに記載の方法(800)。
【請求項8】
前記GC(12)は、単一のクロマトグラフィカラムを有する一次元GC(12)を備え、
前記フロースプリッタ(26)は、前記単一のクロマトグラフィカラムの前記出口端(25、29)から前記溶出液(32)を受け取る、
請求項7に記載の方法(800)。
【請求項9】
前記GC(12)は、複数のクロマトグラフィカラムを有する多次元GC(12)を備え、
前記フロースプリッタ(26)は、前記複数のクロマトグラフィカラムのうちの最後のクロマトグラフィカラムの前記出口端(25、29)から前記溶出液(32)を受け取る、
請求項7または8に記載の方法(800)。
【請求項10】
前記動作は、較正セッション(500)中に前記第1の検出器(14)および前記第2の検出器(16)によって取得された較正データに基づいて、前記アライメントプロファイル(408)を生成するステップをさらに含み、前記較正データは、前記検出セッション(400)の前記溶出液(32)とは異なる較正溶出液のクロマトグラフ特性を表す、請求項1から9のいずれかに記載の方法(800)。
【請求項11】
前記動作は、前記第2のセットの検出データ(33)が前記時間軸に沿った前記第1のセットの検出データ(33)に対してアライメント不良であると決定するステップをさらに含み、
前記アライメントプロファイル(408)を適用するステップは、前記第2のセットの検出データ(33)が前記時間軸に沿った前記第1のセットの検出データ(33)に対してアライメント不良であると決定するステップに応答する、
請求項1から10のいずれかに記載の方法(800)。
【請求項12】
前記第1のセットの検出データ(33)は、前記溶出液(32)中に存在する化合物に対応する少なくとも1つのピーク(406)を含み、
前記第2のセットの検出データ(33)は、前記溶出液(32)中に存在する前記化合物に対応する少なくとも1つのピーク(406)を含み、
前記第2のセットの検出データ(33)が前記第1のセットの検出データ(33)に対してアライメント不良であると決定するステップは、前記第2のセットの検出データ(33)の前記少なくとも1つのピーク(406)が前記時間軸に沿った前記第1のセットの検出データ(33)の前記少なくとも1つのピーク(406)に対してアライメント不良であると決定するステップを含む、
請求項11に記載の方法(800)。
【請求項13】
ガスクロマトグラフ(GC(12))において、
出口端(25、29)を有するクロマトグラフィカラム、
第1の検出器(14)、
第2の検出器(16)、
前記クロマトグラフィカラムの前記出口端(25、29)から前記第1の検出器(14)へ溶出液(32)の第1の部分(32a)を送達するように構成された第1の移送ライン(42)、および
前記クロマトグラフィカラムの前記出口端(25、29)から前記第2の検出器(16)へ前記溶出液(32)の第2の部分(32b)を送達するように構成された第2の移送ライン(44)
を備えるガスクロマトグラフ(GC(12))と、
コントローラ(100)であって、
第1のセットの検出データ(33)を受け取ることであって、前記第1のセットの検出データ(33)は、検出セッション(400)中に前記第1の検出器(14)によって生成され、前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)のクロマトグラフ特性を表す、受け取ること、
時間軸に沿った前記第1のセットの検出データ(33)に対してアライメント不良の第2のセットの検出データ(33)を受け取ることであって、前記第2のセットの検出データ(33)は、前記検出セッション(400)中に前記第2の検出器(16)によって生成され、前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)のクロマトグラフ特性を表す、受け取ること、
前記検出セッション(400)のための温度プロファイル(414)を受け取ることであって、前記温度プロファイル(414)は、
前記検出セッション(400)中の前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1の温度ゾーン(414a)、および
前記検出セッション(400)中の前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2の温度ゾーン(414b)
を特定する、受け取ること、ならびに
前記時間軸に沿って前記第1のセットの検出データ(33)および前記第2のセットの検出データ(33)をアライメントするようにアライメントプロファイル(408)を前記第2のセットの検出データ(33)に適用することであって、前記アライメントプロファイル(408)は、前記検出セッション(400)のための前記温度プロファイル(414)に基づく、適用すること
を含む動作を実行するコントローラ(100)と
を備える、システム(10)。
【請求項14】
前記第1の温度ゾーン(414a)は、前記第1の移送ライン(42)に沿った前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1の温度を含み、
前記第2の温度ゾーン(414b)は、前記第2の移送ライン(44)に沿った前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2の温度を含む、
請求項13に記載のシステム(10)。
【請求項15】
前記アライメントプロファイル(408)は、
前記検出セッション(400)中の前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1のセットのフロー条件(418)、および
前記検出セッション(400)中の前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2のセットのフロー条件(418)
を特定するフロー条件プロファイル(416)にさらに基づく、請求項13または14に記載のシステム(10)。
【請求項16】
前記第1のセットのフロー条件(418)は、
前記第1の移送ライン(42)の長さ、
前記第1の移送ライン(42)の直径、および
前記検出セッション(400)中に前記第1の移送ライン(42)を通る前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の平均流速
を含み、
前記第2のセットのフロー条件(418)は、
前記第2の移送ライン(44)の長さ、
前記第2の移送ライン(44)の直径、および
前記検出セッション(400)中に前記第2の移送ライン(44)を通る前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の平均流速
を含む、
請求項15に記載のシステム(10)。
【請求項17】
前記第1のセットのフロー条件(418)および前記第2のセットのフロー条件(418)は、前記検出セッション(400)中に同じである、請求項15または16に記載のシステム(10)。
【請求項18】
前記第1の温度ゾーン(414a)および前記第2の温度ゾーン(414b)は、前記検出セッション(400)中に同じではない、請求項13から17のいずれかに記載のシステム(10)。
【請求項19】
前記第1の移送ライン(42)は、前記GC(12)のフロースプリッタ(26)から前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)を受け取り、
前記第2の移送ライン(44)は、前記フロースプリッタ(26)から前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)を受け取り、
前記フロースプリッタ(26)は、前記クロマトグラフィカラムの前記出口端(25、29)から前記溶出液(32)を受け取る、
請求項13から18のいずれかに記載のシステム(10)。
【請求項20】
前記GC(12)は、単一のクロマトグラフィカラムを有する一次元GC(12)を備え、
前記フロースプリッタ(26)は、前記単一のクロマトグラフィカラムの前記出口端(25、29)から前記溶出液(32)を受け取る、
請求項19に記載のシステム(10)。
【請求項21】
前記GC(12)は、複数のクロマトグラフィカラムを有する多次元GC(12)を備え、
前記フロースプリッタ(26)は、前記複数のクロマトグラフィカラムのうちの最後のクロマトグラフィカラムの前記出口端(25、29)から前記溶出液(32)を受け取る、
請求項19または20に記載のシステム(10)。
【請求項22】
前記動作は、較正セッション(500)中に前記第1の検出器(14)および前記第2の検出器(16)によって取得された較正データに基づいて、前記アライメントプロファイル(408)を生成するステップをさらに含み、前記較正データは、前記検出セッション(400)の前記溶出液(32)とは異なる較正溶出液のクロマトグラフ特性を表す、請求項13から21のいずれかに記載のシステム(10)。
【請求項23】
前記動作は、前記第2のセットの検出データ(33)が前記時間軸に沿った前記第1のセットの検出データ(33)に対してアライメント不良であると決定することをさらに含み、
前記アライメントプロファイル(408)を適用することは、前記第2のセットの検出データ(33)が前記時間軸に沿った前記第1のセットの検出データ(33)に対してアライメント不良であると決定することに応答する、
請求項13から22のいずれかに記載のシステム(10)。
【請求項24】
前記第1のセットの検出データ(33)は、前記溶出液(32)中に存在する化合物に対応する少なくとも1つのピーク(406)を含み、
前記第2のセットの検出データ(33)は、前記溶出液(32)中に存在する前記化合物に対応する少なくとも1つのピーク(406)を含み、
前記第2のセットの検出データ(33)が前記第1のセットの検出データ(33)に対してアライメント不良であると決定することは、前記第2のセットの検出データ(33)の前記少なくとも1つのピーク(406)が前記時間軸に沿った前記第1のセットの検出データ(33)の前記少なくとも1つのピーク(406)に対してアライメント不良であると決定することを含む、
請求項23に記載のシステム(10)。
【請求項25】
データ処理ハードウェア(102)によって実行されるコンピュータ実施方法(900)において、前記データ処理ハードウェア(102)に、
第1のセットの検出データ(33)を受け取るステップであって、前記第1のセットの検出データ(33)は、較正セッション(500)中にガスクロマトグラフ(GC(12))の第1の検出器(14)によって生成され、前記較正セッション(500)中に前記GC(12)の第1の移送ライン(42)から前記第1の検出器(14)に送達される溶出液(32)の第1の部分(32a)のクロマトグラフ特性を表す第1のセットのピーク(406)を含み、前記第1のセットのピーク(406)の各ピーク(406)は、前記溶出液(32)中に存在する複数の化合物のうちの1つのそれぞれの化合物(510)に対応する、ステップと、
第2のセットの検出データ(33)を受け取るステップであって、前記第2のセットの検出データ(33)は、前記較正セッション(500)中に前記GC(12)の第2の検出器(16)によって生成され、前記較正セッション(500)中に前記GC(12)の第2の移送ライン(44)から前記第2の検出器(16)に送達される前記溶出液(32)の第2の部分(32b)のクロマトグラフ特性を表す第2のセットのピーク(406)を含み、
前記第2のセットのピーク(406)の各ピーク(406)は、前記溶出液(32)中に存在する前記複数の化合物のうちの1つのそれぞれの化合物(510)に対応し、
前記第2のセットのピーク(406)のうちの少なくとも1つのピーク(406)が、時間軸に沿った前記第1のセットのピーク(406)のうちの対応する少なくとも1つのピーク(406)に対してアライメント不良であり、前記第2のセットのピーク(406)のうちの前記少なくとも1つのピーク(406)、および前記第1のセットのピーク(406)のうちの前記対応する少なくとも1つのピーク(406)が、前記溶出液(32)中に存在する前記複数の化合物のうちの同じ1つのそれぞれの化合物(510)に対応する、ステップと、
前記較正セッション(500)のための温度プロファイル(414)を受け取るステップであって、前記温度プロファイル(414)は、
前記較正セッション(500)中の前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1の温度ゾーン(414a)、および
前記較正セッション(500)中の前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2の温度ゾーン(414b)
を特定する、ステップと、
前記温度プロファイル(414)に基づいてアライメントプロファイル(408)を生成するステップであって、前記アライメントプロファイル(408)は、前記第2のセットの検出データ(33)に適用されるときに、前記第2のセットのピーク(406)のうちの前記少なくとも1つのピーク(406)、および前記時間軸に沿った前記第1のセットのピーク(406)のうちの前記対応する少なくとも1つのピーク(406)をアライメントする、ステップと
含む動作を実行させる、方法(900)。
【請求項26】
前記第1の温度ゾーン(414a)は、前記第1の移送ライン(42)に沿った前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1の温度を含み、
前記第2の温度ゾーン(414b)は、前記第2の移送ライン(44)に沿った前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2の温度を含む
請求項25に記載の方法(900)。
【請求項27】
前記動作は、前記GC(12)のフロー条件プロファイル(416)を受け取るステップをさらに含み、前記フロー条件プロファイル(416)は、
前記較正セッション(500)中の前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の第1のセットのフロー条件(418)、および
前記較正セッション(500)中の前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の第2のセットのフロー条件(418)
を特定し、
前記アライメントプロファイル(408)を生成するステップは、前記フロー条件プロファイル(416)にさらに基づく、
請求項25または26に記載の方法(900)。
【請求項28】
前記第1のセットのフロー条件(418)は、
前記第1の移送ライン(42)の長さ、
前記第1の移送ライン(42)の直径、および
前記較正セッション(500)中の前記第1の移送ライン(42)を通る前記溶出液(32)の前記第1の部分(32a)の平均流速
を含み、
前記第2のセットのフロー条件(418)は、
前記第2の移送ライン(44)の長さ、
前記第2の移送ライン(44)の直径、および
前記較正セッション(500)中の前記第2の移送ライン(44)を通る前記溶出液(32)の前記第2の部分(32b)の平均流速
を含む、
請求項27に記載の方法(900)。
【請求項29】
前記第1のセットのフロー条件(418)および前記第2のセットのフロー条件(418)は、前記較正セッション(500)中に同じである、請求項27または28に記載の方法(900)。
【請求項30】
前記第1の温度ゾーン(414a)および前記第2の温度ゾーン(414b)は、前記較正セッション(500)中に同じではない、請求項25から29のいずれかに記載の方法(900)。
【請求項31】
前記溶出液(32)中に存在する前記複数の化合物は、複数のアルカン化合物を含む、請求項25から30のいずれかに記載の方法(900)。
【請求項32】
前記複数のアルカン化合物は、C8n-アルカンとC40n-アルカンとの間の偶数のn-アルカンを含む、請求項31に記載の方法(900)。
【請求項33】
前記動作は、前記溶出液(32)のための化合物プロファイル(506)を受け取るステップをさらに含み、前記化合物プロファイル(506)は、前記溶出液(32)中に存在する前記複数の化合物の各化合物を特定し、
前記アライメントプロファイル(408)を生成するステップは、前記化合物プロファイル(506)にさらに基づく、
請求項25から32のいずれかに記載の方法(900)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスクロマトグラフィシステムのためのフロースプリッタに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフィ(GC)は、種々の用途においておよびいくつかの分野にわたって、化合物(例えば、揮発性有機化合物(VOC))を分離および分析するために従来から使用されている。伝統的なガスクロマトグラフィは、分析されるべき試料または分析物の混合物とキャリアガス(例えば、ヘリウムまたは水素)とをカラム内で組み合わせて、溶出液を形成することを含み得る。溶出液がカラムを通って移動するにつれて、様々な分析物が、例えば、流れの特性、分析物の質量等などの種々の要因に起因して、互いから分離され得る。カラムを出ると、分離された分析物の信号が、検出および記録され得る。
【0003】
フロースプリッタは、単一のガスクロマトグラフィの流れを、それぞれの検出器によって各々が分析されることになる複数の部分に分離するために使用され得る。典型的には、フロースプリッタと検出器との間の移送ラインのボイド時間が異なるので、それぞれの検出器からの信号のピーク保持時間は同じではない。検出器で検出された同じクロマトグラフピークをリンクさせるために、ピークの保持時間がアライメントされ(aligned)なければならない。
【0004】
この章は、本開示に関連した背景情報を提供し、背景情報は、必ずしも先行技術とは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際出願PCT/US2022/011989
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、データ処理ハードウェアに動作を実行させるデータ処理ハードウェアによって実行されるコンピュータ実施方法を提供する。動作は、第1のセットの検出データを受け取るステップを含む。第1のセットの検出データは、検出セッション中にガスクロマトグラフ(GC)の第1の検出器によって生成され、検出セッション中にGCの第1の移送ラインから第1の検出器に送達される溶出液の第1の部分のクロマトグラフ特性を表す。動作は、第2のセットの検出データを受け取るステップを含む。第2のセットの検出データは、検出セッション中にGCの第2の検出器によって生成され、検出セッション中にGCの第2の移送ラインから第2の検出器に送達される溶出液の第2の部分のクロマトグラフ特性を表す。第2のセットの検出データは、時間軸に沿って第1のセットの検出データに対して正しく整列されていないアライメント不良(misaligned)である。動作は、検出セッションのための温度プロファイルを受け取るステップを含む。温度プロファイルは、(i)検出セッション中の溶出液の第1の部分の第1の温度ゾーン、および(ii)検出セッション中の溶出液の第2の部分の第2の温度ゾーンを特定する。動作は、時間軸に沿って第1のセットの検出データおよび第2のセットの検出データをアライメントするようにアライメントプロファイルを第2のセットの検出データに適用するステップを含む。アライメントプロファイルは、検出セッションのための温度プロファイルに基づく。
【0007】
本開示の実装は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの例では、第1の温度ゾーンは、第1の移送ラインに沿った溶出液の第1の部分の第1の温度を含む。それらの例では、第2の温度ゾーンは、第2の移送ラインに沿った溶出液の第2の部分の第2の温度を含む。
【0008】
いくつかの実装では、アライメントプロファイルは、フロー条件プロファイルにさらに基づく。フロー条件プロファイルは、(i)検出セッション中の溶出液の第1の部分の第1のセットのフロー条件、および(ii)検出セッション中の溶出液の第2の部分の第2のセットのフロー条件を特定する。さらなる実装では、第1のセットのフロー条件は、(i)第1の移送ラインの長さ、(ii)第1の移送ラインの直径、および(iii)検出セッション中に第1の移送ラインを通る溶出液の第1の部分の平均流速を含む。それらのさらなる実装では、第2のセットのフロー条件は、(i)第2の移送ラインの長さ、(ii)第2の移送ラインの直径、および(iii)検出セッション中に移送ラインを通る溶出液の第2の部分の平均流速を含む。いくつかのさらなる実装では、第1のセットのフロー条件および第2のセットのフロー条件は、検出セッション中に同じである。任意選択で、第1の温度ゾーンおよび第2の温度ゾーンは、検出セッション中に同じではない。
【0009】
いくつかの例では、第1の移送ラインは、GCのフロースプリッタから溶出液の第1の部分を受け取り、第2の移送ラインは、フロースプリッタから溶出液の第2の部分を受け取り、フロースプリッタは、クロマトグラフィカラムの出口端から溶出液を受け取る。さらなる例では、GCは、単一のクロマトグラフィカラムを有する一次元GCを含む。それらのさらなる例では、フロースプリッタは、単一のクロマトグラフィカラムの出口端から溶出液を受け取る。他のさらなる例では、GCは、複数のクロマトグラフィカラムを有する多次元GCを含む。それらのさらなる例では、フロースプリッタは、複数のクロマトグラフィカラムのうちの最後のクロマトグラフィカラムの出口端から溶出液を受け取る。
【0010】
任意選択で、動作は、較正セッション中に第1の検出器および第2の検出器によって取得された較正データに基づいて、アライメントプロファイルを生成するステップをさらに含む。較正データは、検出セッションの溶出液とは異なる較正溶出液のクロマトグラフ特性を表す。
【0011】
いくつかの実装では、動作は、第2のセットの検出データが時間軸に沿った第1のセットの検出データに対してアライメント不良であると決定するステップをさらに含む。それらの実装では、アライメントプロファイルを適用するステップは、第2のセットの検出データが時間軸に沿った第1のセットの検出データに対してアライメント不良であると決定するステップに応答する。さらなる実装では、第1のセットの検出データは、溶出液中に存在する化合物に対応する少なくとも1つのピークを含み、第2のセットの検出データは、溶出液中に存在する化合物に対応する少なくとも1つのピークを含む。それらのさらなる実装では、第2のセットの検出データが第1のセットの検出データに対してアライメント不良であると決定するステップは、第2のセットの検出データの少なくとも1つのピークが時間軸に沿った第1のセットの検出データの少なくとも1つのピークに対してアライメント不良であると決定するステップを含む。
【0012】
本開示の別の態様は、ガスクロマトグラフ(GC)を含むシステムを提供する。GCは、(i)出口端を有するクロマトグラフィカラム、(ii)第1の検出器、(iii)第2の検出器、(iv)クロマトグラフィカラムの出口端から第1の検出器へ溶出液の第1の部分を送達するように構成された第1の移送ライン、(v)クロマトグラフィカラムの出口端から第2の検出器へ溶出液の第2の部分を送達するように構成された第2の移送ライン、および(vi)動作を実行するコントローラを含む。動作は、第1のセットの検出データを受け取ることを含む。第1のセットの検出データは、検出セッション中に第1の検出器によって生成され、溶出液の第1の部分のクロマトグラフ特性を表す。動作は、第2のセットの検出データを受け取ることを含む。第2のセットの検出データは、検出セッション中に第2の検出器によって生成され、溶出液の第2の部分のクロマトグラフ特性を表す。第2のセットの検出データは、時間軸に沿った第1のセットの検出データに対してアライメント不良である。動作は、検出セッションのための温度プロファイルを受け取ることを含む。温度プロファイルは、(i)検出セッション中の溶出液の第1の部分の第1の温度ゾーン、および(ii)検出セッション中の溶出液の第2の部分の第2の温度ゾーンを特定する。動作は、時間軸に沿って第1のセットの検出データおよび第2のセットの検出データをアライメントするようにアライメントプロファイルを第2のセットの検出データに適用することを含む。アライメントプロファイルは、検出セッションのための温度プロファイルに基づく。
【0013】
本開示の実装は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの例では、第1の温度ゾーンは、第1の移送ラインに沿った溶出液の第1の部分の第1の温度を含む。それらの例では、第2の温度ゾーンは、第2の移送ラインに沿った溶出液の第2の部分の第2の温度を含む。
【0014】
いくつかの実装では、アライメントプロファイルは、フロー条件プロファイルにさらに基づく。フロー条件プロファイルは、(i)検出セッション中の溶出液の第1の部分の第1のセットのフロー条件、および(ii)検出セッション中の溶出液の第2の部分の第2のセットのフロー条件を特定する。さらなる実装では、第1のセットのフロー条件は、(i)第1の移送ラインの長さ、(ii)第1の移送ラインの直径、および(iii)検出セッション中に第1の移送ラインを通る溶出液の第1の部分の平均流速を含む。それらのさらなる実装では、第2のセットのフロー条件は、(i)第2の移送ラインの長さ、(ii)第2の移送ラインの直径、および(iii)検出セッション中に第2の移送ラインを通る溶出液の第2の部分の平均流速を含む。いくつかのさらなる実装では、第1のセットのフロー条件および第2のセットのフロー条件は、検出セッション中に同じである。任意選択で、第1の温度ゾーンおよび第2の温度ゾーンは、検出セッション中に同じではない。
【0015】
いくつかの例では、第1の移送ラインは、GCのフロースプリッタから溶出液の第1の部分を受け取り、第2の移送ラインは、フロースプリッタから溶出液の第2の部分を受け取り、フロースプリッタは、クロマトグラフィカラムの出口端から溶出液を受け取る。さらなる例では、GCは、単一のクロマトグラフィカラムを有する一次元GCを含む。それらのさらなる例では、フロースプリッタは、単一のクロマトグラフィカラムの出口端から溶出液を受け取る。他のさらなる例では、GCは、複数のクロマトグラフィカラムを有する多次元GCを含む。それらのさらなる例では、フロースプリッタは、複数のクロマトグラフィカラムのうちの最後のクロマトグラフィカラムの出口端から溶出液を受け取る。
【0016】
任意選択で、動作は、較正セッション中に第1の検出器および第2の検出器によって取得された較正データに基づいて、アライメントプロファイルを生成することをさらに含む。較正データは、検出セッションの溶出液とは異なる較正溶出液のクロマトグラフ特性を表す。
【0017】
いくつかの実装では、動作は、第2のセットの検出データが時間軸に沿った第1のセットの検出データに対してアライメント不良であると決定することをさらに含む。それらの実装では、アライメントプロファイルを適用することは、第2のセットの検出データが時間軸に沿った第1のセットの検出データに対してアライメント不良であると決定することに応答する。さらなる実装では、第1のセットの検出データは、溶出液中に存在する化合物に対応する少なくとも1つのピークを含み、第2のセットの検出データは、溶出液中に存在する化合物に対応する少なくとも1つのピークを含む。それらのさらなる実装では、第2のセットの検出データが第1のセットの検出データに対してアライメント不良であると決定することは、第2のセットの検出データの少なくとも1つのピークが時間軸に沿った第1のセットの検出データの少なくとも1つのピークに対してアライメント不良であると決定することを含む。
【0018】
本開示の別の態様は、データ処理ハードウェアに動作を実行させるデータ処理ハードウェアによって実行されるコンピュータ実施方法を提供する。動作は、第1のセットの検出データを受け取るステップを含む。第1のセットの検出データは、較正セッション中にガスクロマトグラフ(GC)の第1の検出器によって生成され、較正セッション中にGCの第1の移送ラインから第1の検出器に送達される溶出液の第1の部分のクロマトグラフ特性を表す第1のセットのピークを含む。第1のセットのピークの各ピークは、溶出液中に存在する複数の化合物のうちの1つのそれぞれの化合物に対応する。動作は、第2のセットの検出データを受け取るステップを含む。第2のセットの検出データは、較正セッション中にGCの第2の検出器によって生成され、較正セッション中にGCの第2の移送ラインから第2の検出器に送達される溶出液の第2の部分のクロマトグラフ特性を表す第2のセットのピークを含む。第2のセットのピークの各ピークは、溶出液中に存在する複数の化合物のうちの1つのそれぞれの化合物に対応する。第2のセットのピークのうちの少なくとも1つのピークは、時間軸に沿った第1のセットのピークのうちの対応する少なくとも1つのピークに対してアライメント不良である。第2のセットのピークのうちの少なくとも1つのピーク、および第1のセットのピークのうちの対応する少なくとも1つのピークは、溶出液中に存在する複数の化合物のうちの同じ1つのそれぞれの化合物に対応する。動作は、較正セッションのための温度プロファイルを受け取るステップを含む。温度プロファイルは、(i)較正セッション中の溶出液の第1の部分の第1の温度ゾーン、および(ii)較正セッション中の溶出液の第2の部分の第2の温度ゾーンを特定する。動作は、温度プロファイルに基づいて、アライメントプロファイルを生成するステップを含む。アライメントプロファイルは、第2のセットの検出データに適用されるときに、第2のセットのピークのうちの少なくとも1つのピーク、および時間軸に沿った第1のセットのピークのうちの対応する少なくとも1つのピークをアライメントする。
【0019】
本開示の実装は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの例では、第1の温度ゾーンは、第1の移送ラインに沿った溶出液の第1の部分の第1の温度を含む。それらの例では、第2の温度ゾーンは、第2の移送ラインに沿った溶出液の第2の部分の第2の温度を含む。
【0020】
いくつかの実装では、動作は、GCのフロー条件プロファイルを受け取るステップをさらに含む。フロー条件プロファイルは、(i)較正セッション中の溶出液の第1の部分の第1のセットのフロー条件、および(ii)較正セッション中の溶出液の第2の部分の第2のセットのフロー条件を特定する。それらの実装では、アライメントプロファイルを生成するステップは、フロー条件プロファイルにさらに基づく。さらなる実装では、第1のセットのフロー条件は、(i)第1の移送ラインの長さ、(ii)第1の移送ラインの直径、および(iii)較正セッション中の第1の移送ラインを通る溶出液の第1の部分の平均流速を含む。それらのさらなる実装では、第2のセットのフロー条件は、(i)第2の移送ラインの長さ、(ii)第2の移送ラインの直径、および(iii)較正セッション中の第2の移送ラインを通る溶出液の第2の部分の平均流速を含む。いくつかのさらなる実装では、第1のセットのフロー条件および第2のセットのフロー条件は、較正セッション中に同じである。任意選択で、第1の温度ゾーンおよび第2の温度ゾーンは、較正セッション中に同じではない。
【0021】
いくつかの例では、溶出液中に存在する複数の化合物は、複数のアルカン化合物を含む。さらなる例では、複数のアルカン化合物は、C8とC40との間の偶数のn-アルカンを含む。いくつかの実装では、動作は、溶出液のための化合物プロファイルを受け取るステップをさらに含む。化合物プロファイルは、溶出液中に存在する複数の化合物の各化合物を特定する。それらの実装では、アライメントプロファイルを生成するステップは、化合物プロファイルにさらに基づく。
【0022】
本開示の1つまたは複数の実装の詳細は、添付図面および以下の説明に記載されている。他の態様、特徴、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】単一のクロマトグラフィカラムおよびフロースプリッタを有するガスクロマトグラフィシステムを含む分析機器アセンブリの概略図である。
【
図2】一次クロマトグラフィカラム、二次クロマトグラフィカラム、およびフロースプリッタを有するガスクロマトグラフィシステムを含む分析機器アセンブリの概略図である。
【
図3】一次クロマトグラフィカラム、二次クロマトグラフィカラム、三連T字管フローモジュレータ、および三連T字管フロースプリッタを有するガスクロマトグラフィシステムを含む分析機器アセンブリの概略図である。
【
図4】検出セッション中にガスクロマトグラフィシステムによって生成されるアライメント不良の検出データを受け取り、検出セッションの温度プロファイルに基づくアライメントプロファイルをアライメント不良の検出データに適用して、時間軸に沿って検出データのクロマトグラフピークをアライメントするアライメントモジュールの概略図である。
【
図5】較正セッション中にガスクロマトグラフィシステムによって生成されるアライメント不良の較正データを受け取り、較正溶出液の化合物プロファイルに基づいて、ガスクロマトグラフィシステムのためのアライメントプロファイルを決定する較正モジュールの概略図である。
【
図6】アライメントプロファイルをそれぞれの検出セッション中に生成されるアライメント不良の検出データに適用する例示的結果の概略図である。
【
図7】アライメントプロファイルをそれぞれの検出セッション中に生成されるアライメント不良の検出データに適用する例示的結果の概略図である。
【
図8】アライメントプロファイルを使用してアライメント不良の検出データをアライメントする方法についての動作の例示的構成のフローチャートである。
【
図9】較正セッション中のアライメントプロファイルを生成する方法についての動作の例示的構成のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0025】
次に、添付の図面を参照して、例示的構成をより十分に説明する。例示的構成は、本開示が徹底的であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。特定の構成要素、デバイス、および方法の一例などの特定の詳細は、本開示の構成の徹底的な理解を与えるために記載されている。特定の詳細は使用される必要がなく、例示的構成は多くの異なる形態で具現化されてもよく、ならびに特定の詳細および例示的構成は本開示の範囲を限定すると解釈されるべきでないことは、当業者に明らかであろう。
【0026】
図1~
図3は、ガスクロマトグラフ(GC)システム10とも呼ばれる分析機器アセンブリ10の実装を示す。アセンブリ(またはGCシステム)10は、GCデバイス12を含むことができ、GCデバイス12は、
図1に示されるように、GC12、12aであってもよく、または
図2および
図3に示されるように、包括的な二次元(多次元)ガスクロマトグラフ(GC×GC)12、12bであってもよい。明らかになるように、本開示の原理は、GC12a、GC×GC12b、および/または気液クロマトグラフィ(GLC)、気固クロマトグラフィ(GSC)などを含むが、これらに限定されない任意の他の適切なガスクロマトグラフィデバイスに当てはまり得る。以下にさらに説明されるように、分析デバイス10およびガスクロマトグラフ12は、2022年1月11日に出願された国際特許出願第PCT-US2022-011989号(代理人整理番号223322-503198)に記載されたシステムの特徴を利用することができ、これは、その全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
アセンブリ10は、ガスクロマトグラフィデバイス12に結合された第1の検出器14(例えば、質量分析計(MS)14)と、ガスクロマトグラフィデバイス12に結合された第2の検出器16(例えば、水素炎イオン化検出器(FID)16)と、空気圧制御モジュール(PCM)18とを含むことができる。アセンブリ10は、MS14を第1の検出器として含むとともに、FID16を第2の検出器として含むものとして説明されているが、第1および第2の検出器14、16は、熱伝導度検出器(TCD)、アルカリ炎検出器(AFD)、触媒燃焼検出器(CCD)、放電イオン化検出器(DID)、ポリアークリアクタ、炎光光度検出器(FPD)、原子放出検出器(AED)、電子捕獲検出器(ECD)、窒素リン検出器(NPD)、乾式電解伝導度検出器(DELCD)、真空紫外線(VUV)、ホール電解伝導度検出器(ElCD)、ヘリウムイオン化検出器(HID)、赤外線検出器(IRD)、光イオン化検出器(PID)、パルス放電イオン化検出器(PDD)、熱イオン化検出器(TID)などの任意の適切な検出器を含み得ることを理解されたい。前述の検出器のいずれも、任意の適切な組合せで配置されてもよいことをさらに理解されたい。
【0028】
引き続き
図1~
図3を参照すると、ガスクロマトグラフィデバイス12は、主オーブン20と、入口22と、一次カラム24と、フロースプリッタ26とを含む。二次カラム28およびモジュレータ30を含むGC×GC12bを除いて、
図2および
図3に示されるように、および以下により詳細に説明されるように、構成要素およびそれらの機能を含むGC12aおよびGC×GC12bは、ほぼ同様または同じであり得る。したがって、以下の説明は、GC×GC12bのみに当てはまる二次カラム28およびモジュレータ30を除いて、GC12aとGC×GC12bの両方に当てはまることを理解されたい。分析機器アセンブリ10が一次元GC12aを含むとき、スプリッタ26は、一次カラム24の出口端25に結合され、分析機器アセンブリ10が二次元GC×GC12bを含むとき、スプリッタは、二次カラム28の出口端29に結合される。さらに、分析機器アセンブリ10は、最後のクロマトグラフィカラムの出口端に結合されたフロースプリッタ26を有する任意の適切な個数のクロマトグラフィカラムを有するガスクロマトグラフィデバイスを含むことができる。
【0029】
主オーブン20は、少なくとも入口22、一次カラム24、フロースプリッタ26、二次カラム28、およびモジュレータ30を収容するまたは受け取ることができる。入口22は、試料34(すなわち、溶出物)、およびキャリアガスの第1の部分またはストリーム36a(すなわち、溶離剤)を含む溶出液32を作り出すように構成され得る。試料34は、注入デバイス、例えば、シリンジ、自動注入デバイス、または任意の他の適切な手段などを介して入口22に注入されてもよく、任意の適切な試料または分析物、例えば、石油、フレグランス、薬物関連の液体等などであってもよい。キャリアガスの第1の部分36aは、タンク内に収容されてもよく、任意の適切なガス、例えば、ヘリウムなどの不活性ガス、窒素などの非反応性ガス等などであってもよい。キャリアガスの第1の部分36aは、一定のストリーム内の入口22に供給されてもよく、試料34は、アリコートとして入口に供給されてもよい。入口22は、試料34とキャリアガスの第1の部分36aとを混合して溶出液32を形成することができ、入口22は、溶出液32を一次カラム24に注入することができる。
【0030】
一次カラム24および二次カラム28(および多次元ガスクロマトグラフィデバイスの任意の追加のカラム)は、概して円形の構成でそれぞれ巻かれてもよく、または任意の適切な構成をそれぞれ有してもよい。GC12aについては、一次カラム24は、入口22からフロースプリッタ26における出口端25まで延びることができる。GC×GC12bについては、一次カラム24は、入口22からモジュレータ30まで延びることができ、二次カラム28は、モジュレータ30からフロースプリッタ26における出口端29まで延びることができる。いくつかの実装では、一次カラム24および二次カラム28は、互いに異なる特性を有する。一例では、一次カラム24は、二次カラム28よりも長くてもよく、より大きな直径を有してもよく、および/または異なる固定相を含んでもよい。別の例では、一次カラム24は、二次カラム28よりも小さい直径を有する。
【0031】
GC×GC12bについては、モジュレータ30は、一次カラム24から溶出液32を受け取り、モジュレーションピリオドと呼ばれる期間にわたって溶出液32に対してモジュレーションを実行するように構成され得る。モジュレーションプロセスは、溶出液32をサンプリングするステップと、溶出液32の全部または一部を二次カラム28に注入するステップとを少なくとも含み得る。いくつかの実装では、モジュレーションプロセスは、溶離物34を二次カラム28に注入する前に溶離物34を集める追加のステップを含む。モジュレーションピリオドは、モジュレータ30が前述のステップを含むモジュレーションプロセスを完了するのにかかる時間である。
【0032】
(GC12aについては)一次カラム24の出口端25から、または(GC×GC12bについては)二次カラム28の出口端29から、溶出液32は、フロースプリッタ26で受け取られる。PCM18は、フロー制御毛細管38および補給/排気流毛細管40を介してフロースプリッタ26に結合され得る。フロー制御毛細管38は、キャリアガスの第2の部分36bをフロースプリッタ26に送達するように構成され、補給/排気流毛細管40は、キャリアガスの第3の部分(または補給流)36cをフロースプリッタ26に送達する、またはフロースプリッタ26から排気流37を送達するように構成されている。
【0033】
フロースプリッタ26は、溶出液32を分割または分離または分配し、溶出液32の第1の流れまたは第1の部分32aを第1の検出器14に与え、溶出液32の第2の流れまたは第2の部分32bを第2の検出器16に与える。第1の検出器14は、第1の移送ライン42を介してフロースプリッタ26に結合されてもよく、第2の検出器16は、第2の移送ライン44を介してフロースプリッタ26に結合されてもよい。任意選択で、第1の移送ライン42および第2の移送ライン44は、フロースプリッタ26とそれぞれの検出器との間に1つまたは複数の制限器を含む。1つまたは複数の制限器は、移送ラインの様々な長さおよび内径を与えるように移送ラインのセグメントまたは部分を定める。したがって、第1の移送ライン42および第2の移送ライン44は、それぞれの移送ラインに沿って異なる流れの特性(例えば、平均流速)を与えることができる。図示のように、第1の検出器14は、第1の移送ライン42まで延びるまたは第1の移送ライン42を通って延びる質量分析計(MS)制限器46などの第1の制限器46を介してフロースプリッタ26に結合されている。第2の検出器16は、第2の移送ライン44まで延びるまたは第2の移送ライン44を通って延びる水素炎イオン化検出器(FID)制限器48などの第2の制限器48を介してフロースプリッタ26に結合され得る。
【0034】
図3に示されるように、フロースプリッタ26は、第1のT字管50が第2のカラム28の出口端29、PCM18、およびフロースプリッタ26の第2のT字管52と連通する三連T字管フロースプリッタ26である。第2のT字管52は、第1のT字管50、(第2の移送ライン44を介して)第2の検出器16、およびフロースプリッタ26の第3のT字管54と連通する。第3のT字管54は、第2のT字管52、PCM18、および(第1の移送ライン42および制限器46を介して)第1の検出器14と連通している。したがって、三連T字管フロースプリッタ26は、第1のT字管50で溶出液32を受け取り、溶出液32を分離または分割し、溶出液の第1の部分32aを第3のT字管54を介して第1の検出器14に与え、溶出液の第2の部分32bを第2のT字管52を介して第2の検出器16に与える。
【0035】
示された例では、モジュレータ30は、第1のT字管56が第1のカラム24の出口端25、第2のT字管58、および三連T字管モジュレータ30の第3のT字管60と連通する三連T字管モジュレータ30を含む。第3のT字管60は、第2のカラム28およびPCM18とも連通する。いくつかの例では、第2のT字管58は、溶出液32と混合するために、または溶出液32を第2のカラム28に向けてパージするために、PCM18からキャリアガス36を受け取る。第2のT字管58は、PCM18に排気37の流れを与え、PCM18からキャリアガス36を受け取る。したがって、三連T字管モジュレータ30は、第1のT字管56で第1のカラム24からの溶出液32を受け取り、第3のT字管60を介して溶出液32を第2のカラム28に与え、第2のT字管58を介して排気37を与え、第3のT字管60を介してPCM18からのキャリアガス36を受け取る。第2のT字管58および第3のT字管60は、三方電磁弁62を介してPCM18と連通し得る。いくつかの実装では、第2のT字管58によって与えられる排気37は、化学トラップ64を通してフィルタ処理される。
【0036】
したがって、分析機器アセンブリ10は、第1のクロマトグラフィカラム24(および任意選択で、第2のクロマトグラフィカラム28)を少なくとも含むガスクロマトグラフ12a、12bと、第1のカラム24の出口端25(または第2のカラム28の出口端29)から溶出液32を受け取り、溶出液32の第1の部分32aを第1の検出器14に与えるとともに、溶出液の第2の部分32bを第2の検出器16に与えるフロースプリッタ26とを含む。第1の移送ライン42は、溶出液32の第1の部分32aを第1の検出器14に送達し、第2の移送ライン44は、溶出液の第2の部分32bを第2の検出器16に送達する。
【0037】
図1、
図2、および
図4を参照すると、第1の検出器14および第2の検出器16は、試料34を含む溶出液32のそれぞれの第1の部分32aまたは第2の部分32bを受け取り、例えば、保持時間、信号(または強度)などを含む第1の部分32aおよび第2の部分32b内の試料34についての複数の生データ33、33a、33bを検出または収集または生成するように構成されている。すなわち、検出セッションまたは検出プログラム400中、第1の検出器14は、第1の部分32aのクロマトグラフ特性を表す第1のセットの生検出データ33aを生成し、第2の検出器16は、第2の部分32bのクロマトグラフ特性を表す第2のセットの生検出データ33bを生成する。本明細書中では溶出液32の保持時間を表すものとして説明されるが、検出データ33は、溶出液32の任意の適切なクロマトグラフ特性を表し得ることを理解されたい。検出セッション400は、溶出液32がガスクロマトグラフ12を通過し、溶出液32に関する検出データ33が収集される期間を表す。以下にさらに説明されるように、代替として、溶出液32は、較正セッション500中にガスクロマトグラフ12を通過してもよい。
【0038】
第1の検出器14および第2の検出器16は、生データ33を(無線または有線通信などを介して)コンピューティングデバイスまたはコントローラ100に通信する。コンピューティングデバイス100は、例えば、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン等などの任意の適切なデバイスであり得る。コンピューティングデバイス100は、PCM18、モジュレータ30などを含むアセンブリ10の任意の適切な構成要素をプログラムまたは制御するために使用され得る。図示のように、コントローラ100は、データ処理ハードウェア102(例えば、データプロセッサ)と、このデータ処理ハードウェア102と通信するメモリハードウェア104とを含む。メモリハードウェア104は、データ処理ハードウェア102上で実行される命令を記憶することができる。さらに、メモリハードウェア104は、コンピューティングデバイス100で受け取られた生データ33と、以下にさらに説明されるように、アライメントされたデータ、および/またはデータ処理ハードウェア102によって生成されるクロマトグラムとを記憶する。コントローラ100は、セッション中に継続的に生データ33を受け取り、分析し、および/または処理することができ、あるいはコントローラ100は、セッションが終了した後に生データ33を受け取ることができる。例えば、コントローラ100は、メモリ104から、以前の時点における過去のセッションを表す生データ33を受け取る。
【0039】
図4を参照すると、検出セッション400中に取り込まれた第1のセットの生検出データ33aおよび第2のセットの生検出データ33bは、データ処理ハードウェア100によって生成されたクロマトグラム404、404aによって表され得る。例えば、クロマトグラム404は、溶出液のピーク保持時間を視覚的に表すことができ、Y軸は、検出プログラム400中に時間軸A
Tに沿って第1の検出器14および第2の検出器16によって測定された検出信号(すなわち、ピーク406)を示す。しかしながら、生の検出データ33に基づいて生成されたクロマトグラム404(すなわち、生データクロマトグラム404a)では、ピーク406は、時間軸A
Tに沿ってアライメント不良である。すなわち、第1の検出器14によって検出される溶出液32の第1の部分32aのクロマトグラフ特性を表す1つまたは複数の第1のピーク406、406aは、第2の検出器16によって検出される溶出液32の第2の部分32bのクロマトグラフ特性を表す1つまたは複数の第2のピーク406、406bに対してアライメント不良である。
【0040】
検出データ33は、検出セッション400中に同時にガスクロマトグラフ12からフロースプリッタ26に溶離する溶出液32の異なる部分を表すので、ピーク406のアライメント不良は、第1の移送ライン42を通る溶出液32の第1の部分32aおよび第2の移送ライン44を通る溶出液32の第2の部分32bの移動時間の差に起因する。すなわち、2つ以上の検出器14、16に分けられた単一のガスクロマトグラフィの流れ(すなわち、溶出液32)のピーク保持時間(すなわち、ピーク406)は、それぞれの移送ライン42、44のボイド時間が異なるので、取り込まれた生データ33a、33bについて同じではない。したがって、第1の検出器14によって取り込まれた生検出データ33aに対応するピーク406は、第2の検出器16によって取り込まれた生検出データ33bに対応するピーク406と比較して、時間差Δtだけ時間軸ATに沿ってシフトされる。検出器14、16で検出された対応するクロマトグラフピーク406をリンクさせるために、保持時間(すなわち、時間軸ATに沿ったピーク406の位置)が、アライメントされなければならない。
【0041】
第1の移送ライン42および第2の移送ライン44に沿った溶出液32のボイド時間は、例えば、移送ライン42、44の寸法(例えば、長さ、内径、制限器の個数および構成など)、移送ライン42、44における入口圧力および出口圧力、ならびに移送ライン42、44に沿って溶出液32に適用される温度に基づいて計算され得る。しかしながら、これらの計算は、必要とされる入力の個数および不正確さにより、正確でなく、実用的ではない。したがって、以下にさらに説明されるように、コントローラ100は、データ処理ハードウェア102上で動作するアライメントモジュール402などを介して、アライメントプロファイル408を生検出データ33a、33bの一方または両方のセット(例えば、第2のセットの生検出データ33b)に適用して、検出データをアライメントし、生検出データ33をアライメントされた検出データ433に変換する。任意選択で、まず、コントローラ100は、第1のセットの生検出データ33aおよび第2のセットの生検出データ33bが時間軸ATに沿ってアライメント不良であると決定し、アライメント不良の決定に応答して、アライメントプロファイル408を適用する。アライメントされた検出データ433は、ピーク406が時間軸ATに沿ってアライメントされるアライメントされたデータクロマトグラム404、404bを生成するために使用され得る。したがって、アライメントされたデータクロマトグラム404bは、生データクロマトグラム404aよりも比較および解釈することがより容易である溶出液32のクロマトグラフ特性の視覚的表現を与えることができる。アライメントされた検出データ433および/またはアライメントされたデータクロマトグラム404aは、データ処理ハードウェア102による次の取り出しのために、またはユーザへの表示のために、ユーザに通信されてもよく、またはデータストレージ104に記憶されてもよい。
【0042】
較正セッション500は、較正セッション500と同じ第1の移送ライン42および第2の移送ライン44の構成、較正セッション500と同じ移送ライン42、44に適用される温度、ならびに較正セッション500と同じスプリッタ26から移送ライン42、44への溶出液32の圧力を有する任意の検出セッション400中に取り込まれた生検出データ33のセットに適用するためのアライメントプロファイル408を生成する。すなわち、スプリッタ26は、検出セッション400中にそれぞれの第1の検出器14および第2の検出器16への溶出液の第1の部分32aおよび第2の部分32bの流れを調整または制御するように構成されているので、アライメントモジュール402は、異なるカラム寸法、異なるカラム流量、および異なる温度プログラムなどの異なるクロマトグラフィ条件、ならびに移送ライン42、44に沿った同じ条件を有する別々の検出セッション中に生成された生検出データ33のセットに同じアライメントプロファイル408を適用する。言い換えれば、固定された制限器46、48、ならびにフロースプリッタ26からの溶出液32の第1の部分32aおよび第2の部分32bの同じ制限器フロー条件を用いて、アライメントプロファイル408は、ある範囲のクロマトグラフィ条件下で取り込まれた検出データ33に適用される。
【0043】
フロースプリッタ26は、第1の検出器14および第2の検出器16への溶出液32の第1の部分32aおよび第2の部分32bのフロー条件を標準化するが、アライメントプロファイル408は、検出セッション400に対応する温度プロファイル412に基づいて生検出データ33を調節するために温度関数410を含む。すなわち、アライメントプロファイル408は、スプリッタ26、第1の移送ライン42、および第2の移送ライン44によって与えられるフロー条件に基づき、検出セッション400の温度関数410および温度プロファイル412に従って生検出データ33をアライメントする。言い換えれば、アライメントプロファイル408は、第1のセットの生検出データ33aと第2のセットの生検出データ33bとの間の保持時間差が、検出セッション400中の移送ライン42、44に沿った溶出液32の温度の関数である温度関数410を含む。検出セッション400に対応する温度プロファイル412は一定ではなく、必ずしも線形ではないので、ピーク406間の時間差Δtは一定ではない場合があり、したがって、アライメントは、スプリッタ26に対応する較正されたアライメントプロファイル408およびスプリッタ26からのフロー条件を使用する変換を必要とする。所与の検出セッション400の間に、第1の移送ライン42および第2の移送ライン44に沿って溶出液32が受ける温度は、経時的に変化し、移送ライン42、44の長さに沿って変化する可能性があり、したがって、第1の検出器14および第2の検出器16によって検出されるピーク406の保持時間に影響を及ぼす。
【0044】
検出セッション400中の溶出液32の温度を最もよく表すために、温度プロファイル412は、検出セッション400中にガスクロマトグラフ12a、12bに存在する温度を特定し、溶出液32の第1の部分32a(すなわち、第1の温度ゾーン414a)および溶出液32の第2の部分32b(すなわち、第2の温度ゾーン414b)が受ける温度ゾーン414、414a、414bを表す。例えば、温度ゾーン414は、それぞれの第1の移送ライン42および第2の移送ライン44に沿って移動している間、検出セッション400中の第1の移送ライン42および第2の移送ライン44のそれぞれの温度、または溶出液32の第1の部分32aおよび第2の部分32bの温度を含む。
【0045】
溶出液32およびガスクロマトグラフ12の部分の温度は、検出セッション400の過程にわたって変わるので、温度ゾーン414は、検出セッション400中経時的にガスクロマトグラフ12a、12bの複数の部分における温度を定める。例えば、第1の移送ライン42および第2の移送ライン44のそれぞれの部分は、オーブン20内に配設され、したがって、検出セッション400中にガスクロマトグラフ12に適用される可変温度プログラムにさらされる。一方、第1の移送ライン42および第2の移送ライン44の他の部分は、第1の検出器14および第2の検出器16内など、オーブンの外側に配設され、したがって、検出器に存在する温度にさらされる。したがって、温度プロファイル412は、一次カラム24、二次カラム28、第1の制限器46、第2の制限器48、第1の検出器14、第2の検出器16、オーブン20、第1および第2の移送ライン42、44の異なるセグメントなどに沿った溶出液32のためのそれぞれの温度ゾーンを含むことができる。温度ゾーン414は、ガスクロマトグラフ12a、12bにおける1つまたは複数の温度センサなどによって検出セッション400中に検出および追跡され得る。任意選択で、温度プロファイル412は、検出セッション400中にガスクロマトグラフ12a、12bに適用されるプログラムから得られ、メモリ104から取り出される。したがって、第1の温度ゾーン414aおよび第2の温度ゾーン414bが検出セッション400中に同じではない場合、アライメントプロファイル408は、それに応じて検出データ33を調節または変換して、温度が変化するにつれてピーク406をアライメントする。
【0046】
いくつかの実装では、アライメントモジュール400は、検出セッション400のためのフロー条件プロファイル416を受け取り、フロー条件プロファイル416は、フロースプリッタ26から第1の検出器14および第2の検出器16への溶出液32の第1の部分32aおよび第2の部分32bのフロー条件を特定する。したがって、スプリッタ26が異なる移送ラインに接続されている場合など、第1の移送ライン42および第2の移送ライン44の条件が検出セッション400間で変わる場合、アライメントプロファイル408は、それに応じて更新される。例えば、アライメントプロファイル408は、検出セッション400のための温度プロファイル412およびフロープロファイル416に対応する較正セッション500中に生成されたアライメントプロファイル408を反映するように更新される。ここで、フロー条件プロファイル416は、検出セッション400中の第1の移送ライン42に沿った溶出液32の第1の部分32aに対応する第1のセットのフロー条件418、418aと、第2の移送ライン44に沿った溶出液32の第2の部分32bに対応する第2のセットのフロー条件418、418bとを含む。第1のセットのフロー条件418aおよび第2のセットのフロー条件418bは、それぞれ、それぞれの第1の移送ライン42または第2の移送ライン44を通る溶出液32のそれぞれの第1の部分32aまたは第2の部分32bの長さ、直径、および平均流速を含む。第1のセットのフロー条件および第2のセットのフロー条件は、検出セッション400中にセンサを介して検出されてもよく、または検出セッション400中にガスクロマトグラフ12a、12bに適用され、メモリ104から取り出されるプログラムから得られてもよい。
【0047】
図5を参照すると、アライメントプロファイル408および温度関数410は、較正セッション500中に生成される。較正セッション500は、溶出液32が動作の温度範囲にわたる溶離温度(すなわち、ピーク406)を有する知られている基準化合物508のセットを含むことを除いて、検出セッション400と同様のやり方でガスクロマトグラフ12を用いる。基準化合物508のセットは、典型的な条件で(例えば、スプリッタ26についての一定のフロー条件を用いて)クロマトグラフィを受け、基準化合物508のセットの各化合物の溶離温度は、較正セッション500の保持時間および温度プロファイル412に基づいて決定される。ここで、溶出液32中に存在する基準化合物508は、C
8~C
40の偶数のn-アルカンを含む。したがって、アライメントプロファイル408および温度関数410は、較正セッション500中に生成され、較正セッション500とは異なるまたはそれと同じである温度プロファイル412を有する検出セッション400中に生成される検出データ33をアライメントするために使用され得る。
【0048】
示されるように、コントローラ100上で動作する較正モジュール502は、較正セッション500中に溶出液32の第1の部分32aおよび溶出液32の第2の部分32bをそれぞれ表す第1のセットの検出データ33aおよび第2のセットの検出データ33bを受け取る。第1のセットの検出データ33aは、第1のセットのピーク406a、406a1-nを含み、各第1のピーク406aは、基準化合物508のセットの化合物510に対応する。同様に、第2のセットの検出データ33bは、第2のセットのピーク406b、406b1-nを含み、各第2のピーク406bは、基準化合物508のセットの化合物510に対応する。第1のセットのピーク406aのピーク406および第2のセットのピーク406bのピーク406は、時間軸ATに沿ってアライメントされるときに、同じ化合物に一致するまたは対応するはずである。しかしながら、生検出データ33として最初に受け取られるとき、第1のセットのピーク406aの少なくとも1つのピーク406および第2のセットのピーク406bの少なくとも1つの対応するピーク406は、第1の移送ライン42および第2の移送ライン44のボイド時間が異なるとき、時間軸ATに沿ってアライメントしない。温度プロファイル414は、較正セッション500中に第1の移送ライン42および第2の移送ライン44に沿って一定でない温度または不均一な温度または非線形の温度を特定するので、溶出液32の第1の部分32aおよび第2の部分32b中に存在する異なる化合物510の検出信号間の時間差Δtは、同じではない場合がある。
【0049】
アライメントプロファイル生成器504は、アライメント不良の生検出データ33、較正セッション500に対応する温度プロファイル412、および溶出液32の化合物プロファイル506を受け取る。化合物プロファイル506は、較正セッション500中に溶出液32の基準化合物508のセット中に存在する各化合物510、510a~nを特定する。温度プロファイル412および化合物プロファイル506に基づいて、アライメントプロファイル生成器504は、生検出データ33に適用されるときに、アライメントプロファイル408が第1のセットの検出データ33aのピーク406aおよび第2のセットの検出データ33bのピーク406bをアライメントするようにアライメントプロファイル408および温度関数410を生成する。化合物プロファイル506は、ユーザによって入力されてもよく、または例えば、メモリ104に記憶された定義済み較正プロトコルに基づいて、メモリ104から取り出されてもよい。任意選択で、アライメントプロファイル408は、対応するピークのアライメント不良が最小であり、したがって同じ化合物510に対応するピークが互いに対して隣接している(またはそうでなければわざと間隔をおいて配置されている)と仮定することができる場合などに、化合物プロファイル506を使用することなく生成され得る。いくつかの実装では、アライメントプロファイル生成器504は、温度関数410の精度をさらに改善するために、較正セッション500に対応する受け取られたフロープロファイル416に基づいて、アライメントプロファイル408を生成する。
【0050】
示されるように、アライメントプロファイル生成器504は、温度プロファイル412および化合物プロファイル506を使用して、化合物510ごとに溶離温度を決定し、化合物510ごとの検出信号(すなわち、ピーク406)間の時間差Δtを決定する。時間差Δtは、時間差プロット512を生成するために化合物510ごとの溶離温度に対してプロットされる。温度関数410は、時間差プロット512に基づいて決定される。例えば、時間差プロット512は、時間差プロット512に最良フィットのラインを適用することなどによって温度関数410を決定するように温度関数生成器514によって処理される。次いで、アライメントプロファイル408および温度関数410は、検出セッション400中に次の使用のためにメモリ104に記憶される。したがって、温度関数410を使用して、未知の化合物のピーク406a、406b間の時間差Δtを決定して、時間軸ATに沿ってピーク406a、406bをアライメントすることができる。
【0051】
較正セッション500を実行することの重要性を示すために、
図5に示された時間差プロット512は、第1の移送ライン42および第2の移送ライン44の公称寸法(例えば、移送ラインの長さおよび内径)に基づいて計算された第1のプロット512aと、較正セッション500中に決定された時間差Δtに基づいて生成された第2のプロット512bとを含む。示されるように、第1のプロット512aおよび第2のプロット512bは、同じ全体的形状を共有するが、かなりオフセットされている。したがって、較正セッション500は、公称計算よりもかなり大きくアライメントを改善する。
【0052】
検出セッション400中に生成されるアライメント不良の検出データ33をアライメントされたデータ433に変換する例示的な方法が、本明細書中で説明される。まず、それぞれのピーク406に対応する時間値は、検出セッション400の温度プロファイル412に基づく対応する温度値に一致している。すなわち、それぞれのピーク406の時間値は、検出セッション400中のその時点での溶出液の温度に一致している。温度プロファイル412およびフロー条件プロファイル416に基づいて、アライメントモジュール402は、検出データ33の第1のセット33aおよび第2のセット33bについての時間差Δt値を決定する。例えば、時間差Δt値は、第1のセット33aに対して第2のセット33bをシフトするために、検出データ33の第2のセット33bについてだけ決定され、時間差値Δtの値は、検出データ33のそれぞれのピーク406a、406bに特有である。アライメントモジュール402は、温度関数410に基づいてアライメントプロファイル408を適用して、アライメントされた検出データ433を生成する。
【0053】
図6および
図7は、例示的な検出セッション600、700を示しており、アライメントプロファイル408は、アライメントされた検出データ433を生成するためにアライメント不良の生検出データ33に適用されており、溶出液32の第1の部分32aおよび溶出液32の第2の部分32bを表すそれぞれのピーク406a、406bは、時間軸A
Tに沿ってアライメントされている。
図6に示されるように、アライメントされたクロマトグラム404bは、第1の溶離温度を有する早期溶離化合物510a、第1の溶離温度よりも高い第2の溶離温度を有する第1の中間溶離化合物510b、第2の溶離温度よりも高い第3の溶離温度を有する第2の中間化合物510c、および第3の溶離温度よりも高い第4の溶離温度を有する遅い溶離化合物510dに対応するアライメントされたピーク406a、406bを含む。
図6のアライメントされたクロマトグラム404bをもたらすアライメント不良の検出データ33は、較正セッション500中に使用されたものとは異なるクロマトグラフィの流れ(例えば、0.5/30mL/分の一次および二次カラムフロー)で、および較正セッション500中に使用されたものと同じ加熱速度(すなわち、同じ温度プロファイル412)(例えば、毎分摂氏6度)で収集された。アライメントモジュール402によって生成されたアライメントされたデータ433およびアライメントされたデータクロマトグラム404bは、メモリ104に記憶される。
【0054】
同様に、
図7に示されるように、アライメントされたクロマトグラム404bは、第5の溶離温度を有する別の早期溶離化合物510e、第5の溶離温度よりも高い第6の溶離温度を有する別の中間溶離化合物510f、および第6の溶離温度よりも高い第7の溶離温度を有する別の後期の溶離化合物510gに対応するアライメントされたピーク406a、406bを含む。
図7のアライメントされたクロマトグラム404bをもたらすアライメント不良の検出データ33は、較正セッション500中に使用されたものと同じフロープロファイル416で、および較正セッション500中に使用されたもの(例えば、毎分摂氏6度)とは異なる加熱速度(すなわち、異なる温度プロファイル412)(例えば、毎分摂氏8度)で収集された。アライメントされたモジュール402によって生成されるアライメントされたデータ433およびアライメントされたデータクロマトグラム404bは、メモリ104に記憶される。
【0055】
図8は、アライメント不良のクロマトグラフデータをアライメントする方法800についての動作の例示的構成のフローチャートである。コントローラ100のデータ処理ハードウェア102は、データ処理ハードウェア102に動作を実行させるコントローラ100のメモリハードウェア104に記憶された命令を実行することができる。動作802において、方法800は、検出セッション400中にガスクロマトグラフ12a、12bの第1の検出器14によって生成され、検出セッション400中に第1の移送ライン42から第1の検出器14に送達された溶出液32の第1の部分32aのクロマトグラフ特性を表す第1のセットの生検出データ33aを受け取ることを含む。動作802は、検出セッション400中にガスクロマトグラフ12a、12bの第2の検出器16によって生成され、検出セッション400中に第2の移送ライン44から第2の検出器16に送達された溶出液32の第2の部分32bのクロマトグラフ特性を表す第2のセットの生検出データ33bを受け取ることをさらに含む。動作804において、方法800は、検出セッション400のための温度プロファイル412を受け取ることを含む。温度プロファイル412は、検出セッション400中の溶出液32の第1の部分32aの第1の温度ゾーン414aと、検出セッション400中の第2の部分32bの第2の温度ゾーン414bとを特定する。任意選択で、動作806において、方法800は、第2のセットの検出データ33bが時間軸A
Tに沿って第1のセットの検出データ33aに対してアライメント不良であると決定することを含む。方法800は、動作808において、時間軸A
Tに沿って第1のセットの検出データ33aおよび第2のセットの検出データ33bをアライメントするために、アライメントプロファイル408を第2のセットの検出データ33bに適用することを含み、アライメントプロファイル408は、検出セッション400のための温度プロファイル412に基づく。
【0056】
図9は、較正セッション500中のアライメント不良のクロマトグラフデータをアライメントするためのアライメントプロファイルを生成する方法900についての動作の例示的構成のフローチャートである。コントローラ100のデータ処理ハードウェア102は、データ処理ハードウェア102に動作を実行させるコントローラ100のメモリハードウェア104に記憶された命令を実行することができる。動作902において、方法900は、第1のセットの検出データ33aを受け取ることを含む。第1のセットの検出データ33aは、較正セッション500中にガスクロマトグラフ12a、12bの第1の検出器14によって生成され、較正セッション500中にガスクロマトグラフ12a、12bの第1の移送ライン42から第1の検出器14に送達された溶出液32の第1の部分32aのクロマトグラフ特性を表すピーク406の第1のセット406a
n-1を含む。第1のセットのピーク406aの各ピーク406は、溶出液32中に存在する複数の化合物のうちの1つのそれぞれの化合物510に対応する。動作902は、第2のセットの検出データ33bを受け取ることをさらに含む。第2のセットの検出データ33bは、較正セッション500中にガスクロマトグラフ12a、12bの第2の検出器16によって生成され、較正セッション500中にガスクロマトグラフ12a、12bの第2の移送ライン44から第2の検出器16に送達される溶出液32の第2の部分32bのクロマトグラフ特性を表すピーク406の第2のセット406b
n-1を含む。第2のセットのピーク406bの各ピーク406は、溶出液32中に存在する複数の化合物のうちの1つのそれぞれの化合物510に対応する。第2のセットのピーク406bの少なくとも1つのピーク406は、時間軸A
Tに沿って第1のセットのピーク406aの対応する少なくとも1つのピーク406に対してアライメント不良である。第2のセットのピーク406bの少なくとも1つのピーク406、および第1のセットのピーク406aの対応する少なくとも1つのピーク406は、溶出液32中に存在する複数の化合物のうちの同じ1つのそれぞれの化合物510に対応する。動作904において、方法900は、較正セッション500のための温度プロファイル412を受け取ることを含む。温度プロファイル412は、較正セッション500中の溶出液32の第1の部分32aの第1の温度ゾーン414aと、較正セッション500中の第2の部分32bの第2の温度ゾーン414bとを特定する。任意選択的に、動作906において、方法900は、溶出液32のための化合物プロファイル506を受け取ることを含み、化合物プロファイル506は、溶出液32中に存在する複数の化合物の各化合物510を特定する。動作908において、方法900は、温度プロファイル412および任意選択で化合物プロファイル506に基づいてアライメントプロファイル408を生成することを含む。アライメントプロファイル408は、第2のセットの検出データ33bに適用されるときに、第2のセットのピーク406bの少なくとも1つのピーク406と、第1のセットのピーク406aの対応する少なくとも1つのピーク406とを時間軸A
Tに沿ってアライメントする。
【0057】
本明細書中で使用される専門語は、特定の例示的な構成を説明するためのものに過ぎず、限定であることは意図されていない。本明細書中で使用されるとき、単数形の冠詞「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段明確に示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、包括的であり、したがって、特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しない。本明細書中で説明される方法のステップ、プロセス、および動作は、実行の順番として具体的に特定されない限り、それらの実行を説明または図示された特定の順番で必ず必要とすると解釈されるべきではない。追加または代替のステップが用いられてもよい。
【0058】
要素または層が、別の要素または層「の上にある」、「に係合される」、「に接続される」、「に取り付けられる」、または「に結合される」と言及されるとき、それは、他の要素または層の上に直接あってもよく、他の要素または層に直接係合されてもよく、直接接続されてよく、直接取り付けられてもよく、または直接結合されてもよく、あるいは介在要素または層が存在してもよい。対照的に、要素が、別の要素または層「の上に直接ある」、「に直接係合される」、「に直接接続される」、「に直接取り付けられる」、または「に直接結合される」と言及されるとき、介在要素または層が存在しなくてもよい。要素間の関係を説明するために使用される他の単語(例えば、「の間に」と「の直接間に」、「隣接する」と「直接隣接する」など)は、同じように解釈されるべきである。本明細書中で使用されるとき、用語「および/または」は、関連した列挙項目のうちの1つまたは複数のいずれかおよび全部の組合せを含む。
【0059】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションを説明するために本明細書中で使用され得る。これらの要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層またはセクションから区別するため使用され得るものに過ぎない。「第1の」、「第2の」、および他の数に関する用語などの用語は、文脈によって明確に示されない限り、順序または順番を示唆しない。したがって、以下に説明される第1の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ばれてもよい。
【0060】
いくつかの実装について説明してきた。それにもかかわらず、様々な修正が、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなくなされてもよいことが理解されよう。したがって、他の実装は、添付の特許請求の範囲内である。
【外国語明細書】