(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025680
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】多光源照明モジュール及びその自動車用灯火器
(51)【国際特許分類】
F21S 41/125 20180101AFI20240216BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20240216BHJP
F21S 41/27 20180101ALI20240216BHJP
F21S 41/663 20180101ALI20240216BHJP
【FI】
F21S41/125
F21S41/143
F21S41/27
F21S41/663
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119673
(22)【出願日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】63/397,711
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514008468
【氏名又は名称】巨鎧精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呉 柏樺
(57)【要約】 (修正有)
【課題】迅速且つ容易に一般的な車に装着可能であり、車の走行時の安全性を向上させる多光源照明モジュール及び当該多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器に関する。
【解決手段】多光源照明モジュール100は、少なくとも1つのレンズユニット110、少なくとも1つの第1光源121及び少なくとも1つの第2光源122を含む。第1光源は、第1色光を発生させて、当該第1色光をレンズユニットに投射するために用いられる。第2光源は、第2色光を発生させて、第2色光をレンズユニットに投射するために用いられる。レンズユニットは、第1色光及び第2色光を多光源照明モジュールの前方に投射することで、第1色光及び第2色光の一部又は全部を重ね合わせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多光源照明モジュールであって、
少なくとも1つのレンズユニット、
第1色光を発生させて、前記第1色光を前記レンズユニットに投射するために用いられる少なくとも1つの第1光源、及び
第2色光を発生させて、前記第2色光を前記レンズユニットに投射するために用いられる少なくとも1つの第2光源、を含み、
前記レンズユニットは、前記第1色光及び前記第2色光を前記多光源照明モジュールの前方に投射することで、前記第1色光及び前記第2色光の一部又は全部を重ね合わせる多光源照明モジュール。
【請求項2】
前記レンズユニットはレンズであり、入光面を有しており、前記第1光源は前記第2光源に密着するとともに、前記レンズの光軸に近接しており、前記第1色光及び前記第2色光は前記入光面における入射位置が異なる請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項3】
前記第1光源と前記第2光源は変色可能発光モジュールをなすよう結合され、且つ、前記第1色光と前記第2色光の投射範囲は重なり合う請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項4】
前記第1光源及び前記第2光源の数は複数であり、且つ光源アレイを形成する請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項5】
前記第1光源と前記第2光源の間には間隔が備わっており、前記レンズユニットは第1レンズユニット及び第2レンズユニットを含み、前記第1レンズユニットは、前記第1光源が発生させた前記第1色光を屈折させるために用いられ、前記第2レンズユニットは、前記第2光源が発生させた前記第2色光を屈折させるために用いられる請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項6】
前記第1レンズユニット及び前記第2レンズユニットは異なる焦点距離を有する請求項5に記載の多光源照明モジュール。
【請求項7】
前記第1レンズユニット及び前記第2レンズユニットは別々に設けられる請求項6に記載の多光源照明モジュール。
【請求項8】
前記第1レンズユニットと前記第2レンズユニットは一体的に成形される請求項6に記載の多光源照明モジュール。
【請求項9】
前記第1色光は白色光であり、前記第2色光は黄色光である請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項10】
更に、制御回路とスイッチを含み、前記制御回路は、前記第1光源及び前記第2光源のオンを制御するために用いられ、前記スイッチは、トリガ信号を前記制御回路に伝送するために用いられ、前記第1光源が点灯しているとき、前記制御回路は、特定回数の前記トリガ信号の受信を1サイクルとして前記第2光源をオン又はオフにする請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項11】
前記制御回路は、前記第1光源が点灯しているときに特定回数の前記トリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき前記第2光源をオンにするとともに、前記第1光源の点灯を維持する請求項10に記載の多光源照明モジュール。
【請求項12】
前記制御回路は第1駆動装置及び第2駆動装置を含み、前記第1駆動装置は電力を前記第1光源に供給するために用いられ、且つ、前記第2駆動装置は電力を前記第2光源に供給するために用いられる請求項10に記載の多光源照明モジュール。
【請求項13】
前記制御回路は、前記第1光源がオフのときに特定回数の前記トリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき前記第2光源をオンにし、或いは、
前記制御回路は、前記第1光源がオンのときに特定回数の前記トリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき前記第2光源をオンにするとともに、前記第1光源をオフにする請求項10に記載の多光源照明モジュール。
【請求項14】
前記制御回路は駆動装置及び切替装置を含み、前記駆動装置は、電力を前記切替装置に供給し、前記切替装置を経由して電力を前記第1光源又は前記第2光源に出力するために用いられる請求項13に記載の多光源照明モジュール。
【請求項15】
前記第1光源と前記第2光源は、それぞれ発光ダイオードである請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項16】
同一のソケット内に統合される請求項1に記載の複数の多光源照明モジュールを含む自動車用灯火器。
【請求項17】
更に、前記ソケットに統合される少なくとも1つの補助照明モジュールを含む請求項16に記載の自動車用灯火器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車部品に関し、特に、多光源照明モジュール及び当該多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器に関する。
【背景技術】
【0002】
白熱灯と比較して、発光ダイオードは、体積が小さく、輝度が高く、使用寿命が長く、省電力であるとの利点を有する。発光ダイオードを車用ヘッドライト群に応用すれば高輝度の白色光を発生可能となり、一般的な状況では照明効果を確実に達成し得る。しかし、LED車用ヘッドライト群が発生させる白色光は色温度が高く、悪天候の場合には、往々にして期待するような照明効果を達成できない。例えば、雨や雪、或いは霧といった天気では、なおさら運転時の視線に影響を及ぼす場合があり、ひいては走行の安全性にも影響する。
【0003】
よって、悪天候の場合、ユーザーは、走行の安全性を高めるために、しばしばフォグランプをオンにし、LED車用ヘッドライト群の白色光と組み合わせて照明せねばならない。しかし、フォグランプは装着位置が低く、照射距離が近いため、通常は警告的な効果を有するにすぎず、良好な照明効果は提供できない。そのほか、フォグランプの多くは独立して設置され、自動車販売時の標準装備となっていないことすらある。また、別途追加する場合には装着コストも増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のLED車用ヘッドライト群の欠点を改善するために、本発明は、更に、車用灯火器の照明モジュール内に多色光源を設置し、異なる色光を同時に発生可能とすることで、従来のLED車用ヘッドライト群は悪天候での照明効果に劣るとの課題を大幅に改善することを提案する。
【0005】
本発明は、少なくとも1つのレンズユニット、少なくとも1つの第1光源及び少なくとも1つの第2光源を含む多光源照明モジュールを提供する。第1光源は、第1色光を発生させて、第1色光をレンズユニットに投射するために用いられる。第2光源は、第2色光を発生させて、第2色光をレンズユニットに投射するために用いられる。レンズユニットは、第1色光及び第2色光を多光源照明モジュールの前方に投射することで、第1色光及び第2色光の一部又は全部を重ね合わせる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、多光源照明モジュールを提供する。当該モジュールは、少なくとも1つのレンズユニットと、第1色光を発生させて、第1色光をレンズユニットに投射するために用いられる少なくとも1つの第1光源と、第2色光を発生させて、第2色光をレンズユニットに投射するために用いられる少なくとも1つの第2光源、を含む。レンズユニットは、第1色光及び第2色光を多光源照明モジュールの前方に投射することで、第1色光及び第2色光の一部又は全部を重ね合わせる。
【0007】
本発明は、更に、同一のソケット内に統合される上記の多光源照明モジュールを含む自動車用灯火器を提供する。
【0008】
本発明の少なくとも1つの実施例において、レンズユニットはレンズであり、入光面を有している。第1光源は第2光源に密着するとともに、レンズの光軸に近接している。第1色光及び第2色光は入光面における入射位置が異なる。
【0009】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光源と第2光源は変色可能発光モジュールをなすよう結合される。且つ、第1色光と第2色光の投射範囲は重なり合う。
【0010】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光源及び第2光源の数は複数であり、且つ光源アレイを形成する。
【0011】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光源と第2光源の間には間隔が備わっている。レンズユニットは第1レンズユニット及び第2レンズユニットを含む。第1レンズユニットは、第1光源が発生させた第1色光を屈折させるために用いられ、第2レンズユニットは、第2光源が発生させた第2色光を屈折させるために用いられる。
【0012】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1レンズユニット及び第2レンズユニットは異なる焦点距離を有する。
【0013】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1レンズユニット及び第2レンズユニットは別々に設けられる。
【0014】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1レンズユニットと第2レンズユニットは一体的に成形される。
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1色光は白色光であり、第2色光は黄色光である。
【0016】
本発明の少なくとも1つの実施例において、多光源照明モジュールは制御回路及びスイッチを更に含む。制御回路は、第1光源及び第2光源のオン又はオフを制御するために用いられる。スイッチは、トリガ信号を制御回路に伝送するために用いられる。第1光源が点灯しているとき、制御回路は、特定回数のトリガ信号の受信を1サイクルとして第2光源をオン又はオフにする。
【0017】
本発明の少なくとも1つの実施例において、制御回路は、第1光源が点灯しているときに特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源をオンにするとともに、第1光源の点灯を維持する。
【0018】
本発明の少なくとも1つの実施例において、制御回路は第1駆動装置及び第2駆動装置を含む。第1駆動装置は電力を第1光源に供給するために用いられ、且つ、第2駆動装置は電力を第2光源に供給するために用いられる。
【0019】
本発明の少なくとも1つの実施例において、制御回路は、第1光源がオフのときに特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源をオンにする。或いは、制御回路は、第1光源がオンのときに特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源をオンにするとともに、第1光源をオフにする。
【0020】
本発明の少なくとも1つの実施例において、制御回路は駆動装置及び切替装置を含む。駆動装置は、電力を切替装置に供給し、切替装置を経由して電力を第1光源又は第2光源に出力するために用いられる。
【0021】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光源と第2光源はそれぞれ発光ダイオードである。
【0022】
本発明の少なくとも1つの実施例において、自動車用灯火器は、更に、ソケットに統合される少なくとも1つの補助照明モジュールを含む。
【発明の効果】
【0023】
実際の応用時には、一般的な車の車用ヘッドライト群を本発明で記載する多光源照明モジュールに直接交換可能であり、車内の車用灯火器制御レバーを調整することで、車に悪天候時の照明光源を発生させられる。換言すると、本発明で記載する車用ヘッドライト群は、迅速且つ容易に一般的な車に装着可能であり、車の走行時の安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明における多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器の一実施例の概略構造図である。
【
図2】
図2は、本発明における多光源照明モジュールの一実施例の概略断面図である。
【
図3】
図3は、本発明における多光源照明モジュールの更なる実施例の概略断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の多光源照明モジュールにおける光源アレイの一実施例の概略構造図である。
【
図5】
図5は、本発明の多光源照明モジュールにおける光源、制御回路及びスイッチの一実施例の概略接続図である。
【
図6】
図6は、本発明の多光源照明モジュールにおける光源及び制御回路の一実施例の概略接続図である。
【
図7】
図7は、本発明の多光源照明モジュールにおける光源及び制御回路の更なる実施例の概略接続図である。
【
図8】
図8は、本発明における多光源照明モジュールの更なる実施例の概略断面図である。
【
図9】
図9は、本発明における多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器の更なる実施例の概略構造図である。
【
図10】
図10は、本発明における多光源照明モジュールのレンズユニットの一実施例の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明における多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器の一実施例の概略構造図を示している。自動車用灯火器1は、複数の多光源照明モジュール100を含む。複数の多光源照明モジュール100は同一のソケット1a内に統合される。具体的実施例において、自動車用灯火器1は自動車のヘッドライト群としてもよい。実際の応用時には、一般的な自動車のヘッドライト群を本発明の自動車用灯火器1に交換可能である。これにより、自動車の照明効果を向上させられる。
【0026】
具体的実施例において、本発明の上記自動車用灯火器1は、更に、補助照明モジュール100aを含む。且つ、多光源照明モジュール100及び補助照明モジュール100aはソケット1a内に統合される。本発明の一実施例では、多光源照明モジュール100をロービームモジュールとし、補助照明モジュール100aをハイビームモジュールとしてもよい。また、本発明の別の実施例では、多光源照明モジュール100をハイビームモジュールとし、補助照明モジュール100aをロービームモジュールとしてもよい。
【0027】
図1及び
図2に示すように、多光源照明モジュール100は、少なくとも1つのレンズユニット110、少なくとも1つの第1光源121及び少なくとも1つの第2光源122を含む。
【0028】
図1及び
図2に示すように、第1光源121及び第2光源122は、それぞれ、第1色光L1及び第2色光L2を発生させるために用いられる。第1色光L1及び第2色光L2は、異なる波長、色又は色温度を有する。例えば、第1色光L1は白色光であり、第2色光L2は黄色光である。具体的実施例において、第1光源121及び前記第2光源122は発光ダイオード(LED)である。しかし、第1光源121及び第2光源122が発光ダイオードであることは本発明の一実施例にすぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。第1光源121及び第2光源122は、その他の種類の光源であってもよい。
【0029】
図1及び
図2に示すように、第1光源121は第1色光L1をレンズユニット110に投射するために用いられ、第2光源122は第2色光L2をレンズユニット110に投射するために用いられる。第1色光L1及び第2色光L2は、レンズユニット110における入射位置が異なる。第1色光L1及び第2色光L2はレンズユニット110により屈折し、多光源照明モジュール100の前方に投射される。これにより、第1色光L1及び第2色光L2の一部又は全部が重なり合う。
【0030】
図1及び
図2に示すように、具体的実施例において、レンズユニット110は単レンズであり、入光面110aを有している。第1光源121及び第2光源122が発生させた第1色光L1及び第2色光L2は、入光面110aからレンズユニット110に進入する。第1色光L1及び第2色光L2は、入光面110aの異なる領域からレンズユニット110に進入可能であり、レンズユニット110を通過して屈折したあと、レンズユニット110の前方に投射される。前記第1色光L1及び第2色光L2は、前記入光面110aにおける入射位置が異なるため、屈折後は異なる角度区間を目指す。
【0031】
図3に示すように、別の実施例において、レンズユニット110はやはり単レンズであるが、第1光源121と第2光源122は単一の変色可能発光モジュール12をなすよう結合される。変色可能発光モジュール12は、第1色光L1及び第2色光L2を発生させるために使用可能である。例えば、変色可能発光モジュール12は、2つのチップが封入された発光ダイオード装置としてもよく、少なくとも2種類の異なる色の色光を発生させるために使用可能である。第1色光L1と第2色光L2の投射範囲は重なり合う。例えば、第1色光L1及び第2色光L2は、入光面110aの同じ又は近接する領域からレンズユニット110に進入可能であり、近接する光学経路を経由してレンズユニット110の前方に投射される。且つ、第1色光L1及び第2色光L2は、屈折後にほぼ重なり合った角度区間を目指す。
【0032】
本発明における上記のレンズユニット110は、単一のレンズであってもよいし、複数のレンズからなるレンズ群であってもよい。また、各レンズは、球面レンズであってもよいし、非球面レンズであってもよい。
【0033】
一実施例において、レンズユニット110はレンズであり、入光面110aを有している。第1色光L1及び第2色光L2は、入光面110aにおける入射位置が異なる。第1光源121は第2光源122に密接しており、且つ、双方ともにレンズの光軸Y又は焦点に近接している。例えば、第1光源121と第2光源122は密着して設けられ、且つ、双方ともに当該レンズの光軸Yに近接している。第1光源121及び第2光源122は、発生させた第1色光L1及び第2色光L2を同時にレンズに投射可能であるが、異なる位置から入射させる。レンズは、第1色光L1及び第2色光L2を屈折させて、第1色光L1及び第2色光L2を多光源照明モジュール100の前方に投射する。これにより、第1色光L1及び第2色光L2の一部が重なり合って、悪天候時の照明光源を形成する。
【0034】
本発明の一実施例において、第2色光L2の投射高さ/角度は、第1色光L1よりも低くなるよう設定される。これにより、第2色光L2(特に、黄色光を使用する場合)が対向車に影響を及ぼすとの事態が回避されるとともに、近い箇所の地面に対し十分な照明を発生させることも可能となる。
【0035】
図1、
図2及び
図4に示す多光源照明モジュール100において、第1光源121と第2光源122は隣接している。例えば、複数の第1光源121及び複数の第2光源122を光源アレイ120となるよう緊密に並べてもよい。
【0036】
図4に示すように、光源アレイ120は9つの発光ダイオードを含んでもよい。例えば、3つの第1光源121と6つの第2光源122を含み、3つの第1光源121の両側に第2光源122が設けられる。
【0037】
図4の光源アレイ120は一例にすぎず、実際の応用時には、ライトタイプや照度のニーズに応じてアレイの大きさを調整するとともに、光源アレイ120の第1光源121及び第2光源122の数と位置を調整する。これにより、多光源照明モジュール100が発生させる第1色光L1、第2色光L2及び悪天候時の照明光源のライトタイプを関連法規の規定に適合させる。
【0038】
図5に示すように、多光源照明モジュール100は、更に、制御回路130及びスイッチ140を含む。制御回路130は、第1光源121及び第2光源122のオン又はオフを制御するために用いられる。例えば、制御回路130は多段式切替装置としてもよい。スイッチ140は、車のハイビーム切替スイッチ又はパッシング切替スイッチとしてもよい。スイッチ140は、トリガ信号を制御回路130に伝送するために用いられる。これにより、制御回路130は、トリガ信号に基づいて第1光源121及び第2光源122のオン又はオフを切り替える。
【0039】
第1光源121が点灯しているとき、制御回路130は、特定回数のトリガ信号の受信を1サイクルとして第2光源122をオン又はオフにする。例えば、スイッチ140が3回トリガするごとに第2光源122をオンにする。そして、再びトリガされると、スイッチ140が次に3回トリガして第2光源122を再びオンにするまで第2光源122をオフにする。
【0040】
具体的に、本発明の多光源照明モジュール100は3種類の動作モードを有してもよい。そのうち、第1動作モードは第1光源121及び第2光源122がいずれも発光せず、通常は昼間又は照明が十分な走行環境に利用される。
【0041】
第2動作モードでは、多光源照明モジュール100の第1光源121及び第2光源122が同時に発光可能である。まず、第1光源121がオンとなって第1色光L1を発生させるが、第2光源122は発光しない。制御回路130は、第1光源121がオンのとき特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源122をオンにして第2色光L2を発生させるとともに、第1光源121の点灯を維持して第1色光L1を発生させる。これにより、多光源照明モジュール100に第1色光L1と第2色光L2を同時に発生させる。通常、第2動作モードは、夜間又は照明が不足した走行環境に利用される。
【0042】
図6に示すように、第1光源121と第2光源122は同時にオンとなる場合がある(例えば、第2動作モードにおいて)。そのため、制御回路130は、第1駆動装置131及び第2駆動装置132を含んでもよい。第1駆動装置131は、電力を第1光源121に供給するために用いられ、第2駆動装置132は、電力を第2光源122に供給するために用いられる。2つの駆動装置によって、十分な電力を第1光源121及び第2光源122に供給可能となる。これにより、単一の駆動装置で出力可能な電流が低すぎるために第1色光L1と第2色光L2の輝度が不足するとの事態が回避される。
【0043】
図6は、第1駆動装置131及び第2駆動装置132を制御回路130の内部に統合する場合を示しているが、これは本発明の一実施例にすぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。別の実施例では、第1駆動装置131及び第2駆動装置132を制御回路130に外付けにしてもよい。例えば、第1駆動装置131は制御回路130と第1光源121の間に位置し、第2駆動装置132は制御回路130と第2光源122の間に位置する。
【0044】
第3動作モードでは、多光源照明モジュール100の第1光源121及び第2光源122の一方のみがオンとなる。この場合、第1光源121がオフのとき、制御回路130は特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源122をオンにする。また、第1光源121がオンであり、且つロービームモジュールがオンの場合、制御回路130は特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源122をオンにするとともに、第1光源121をオフにする。
【0045】
図7に示すように、第1光源121と第2光源122が同時にオンとなり得ない場合には、光源をオンにして十分な照度を維持するのに必要な総電力は小さくなる。この場合、制御回路130は駆動装置133及び切替装置134のみを含む。駆動装置133は、電力を切替装置134に供給し、切替装置134を経由して電力を第1光源121又は第2光源122に出力するために用いられる。
【0046】
図7は、駆動装置133を制御回路130の内部に統合することを示しているが、これは本発明の一実施例にすぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。別の実施例では、駆動装置133を制御回路130に外付けにしてもよい。
【0047】
本発明の別の実施例では、
図8に示すように、第1光源121と第2光源122の間に間隔が備わっている。レンズユニット110は、第1レンズユニット111及び第2レンズユニット112を含む。第1レンズユニット111及び第2レンズユニット112は、異なる焦点距離、焦点及び/又は曲率等を有している。
【0048】
第1光源121は第1レンズユニット111に面しており、発生させた第1色光L1を第1レンズユニット111に投射する。第1レンズユニット111は、第1光源121が発生させた第1色光L1を屈折させるために用いられる。第2光源122は第2レンズユニット112に面しており、発生させた第2色光L2を第2レンズユニット112に投射する。第2レンズユニット112は、第2光源122が発生させた第2色光L2を屈折させるために用いられる。
【0049】
図8の実施例において、第1レンズユニット111及び第2レンズユニット112は、別々に設けて第1光源121及び第2光源122にそれぞれ対応させてもよい。例えば、第1レンズユニット111及び第2レンズユニット112は独立した2つのレンズである。なお、
図8には側面図のみを示している。実際には、紙面の方向に沿って、第1レンズユニット111又は第2レンズユニット112を2つ以上並べて設けてもよい。
【0050】
図9及び
図10の実施例では、第1レンズユニット111と第2レンズユニット112を統合して一体的に成形された部材としている。例えば、
図9の実施例において、第1レンズユニット111の辺縁は第2レンズユニット112に接続されている。また、
図10の実施例では、第1レンズユニット111及び第2レンズユニット112を透光基板114上に設け、第1光源121及び第2光源122を覆うために用いている。
【0051】
実際の応用時には、一般的な車の車用ヘッドライト群を本発明における上記の多光源照明モジュール100に直接交換可能であり、車内の車用灯火器制御レバーを調整することで、車に悪天候時の照明光源を発生させられる。換言すると、本発明における上記の車用ヘッドライト群は、迅速且つ容易に一般的な車に装着可能であり、車の走行時の安全性を向上させる。
【0052】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲で記載する形状、構造、特徴及び精神に基づいてなされる均等な変形及び補足は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 自動車用灯火器
1a ソケット
100 多光源照明モジュール
100a 補助照明モジュール
110 レンズユニット
110a 入光面
111 第1レンズユニット
112 第2レンズユニット
114 透光基板
12 変色可能発光モジュール
120 光源アレイ
121 第1光源
122 第2光源
130 制御回路
131 第1駆動装置
132 第2駆動装置
133 駆動装置
134 切替装置
140 スイッチ
L1 第1色光
L2 第2色光
Y 光軸