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特開2024-25681多光源照明モジュール及びその自動車用灯火器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025681
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】多光源照明モジュール及びその自動車用灯火器
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/125 20180101AFI20240216BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20240216BHJP
   F21S 41/147 20180101ALI20240216BHJP
   F21S 41/25 20180101ALI20240216BHJP
   F21S 41/32 20180101ALI20240216BHJP
   F21S 41/663 20180101ALI20240216BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240216BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20240216BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20240216BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240216BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20240216BHJP
【FI】
F21S41/125
F21S41/143
F21S41/147
F21S41/25
F21S41/32
F21S41/663
F21V23/00 140
F21V23/04
F21W102:10
F21Y115:10
F21Y113:13
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119677
(22)【出願日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】63/397,711
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514008468
【氏名又は名称】巨鎧精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呉 柏樺
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】迅速且つ容易に一般的な車に装着可能であり、車の走行時の安全性を向上させる多光源照明モジュール及び当該多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器に関する。
【解決手段】多光源照明モジュール100は、少なくとも1つの第1光学調整部材111、少なくとも1つの第1光源121、少なくとも1つの第2光学調整部材112及び少なくとも1つの第2光源122を含む。第1光源は、第1色光を発生させて、第1色光を第1光学調整部材に投射するために用いられる。これにより、第1光学調整部材に第1色光を多光源照明モジュールの前方に投射させる。第2光源は、第2色光を発生させて、第2色光を第2光学調整部材に投射するために用いられる。これにより、第2光学調整部材に第2色光を多光源照明モジュールの前方に投射させる。第1色光及び第2色光は一部又は全部が重なり合う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多光源照明モジュールであって、
少なくとも1つの第1光学調整部材、
第1色光を発生させて、前記第1色光を前記第1光学調整部材に投射するために用いられ、前記第1光学調整部材が前記第1色光を前記多光源照明モジュールの前方に投射するために用いられる少なくとも1つの第1光源、
少なくとも1つの第2光学調整部材、及び
第2色光を発生させて、前記第2色光を前記第2光学調整部材に投射するために用いられ、前記第2光学調整部材が前記第2色光を前記多光源照明モジュールの前方に投射するために用いられる少なくとも1つの第2光源、を含み、
前記第1色光と前記第2色光は一部又は全部が重なり合う多光源照明モジュール。
【請求項2】
前記第1光学調整部材及び前記第2光学調整部材はそれぞれがリフレクターカップ又はレンズである請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項3】
前記第1光学調整部材及び前記第2光学調整部材はそれぞれが前記リフレクターカップであり、且つ、前記第1光学調整部材と前記第2光学調整部材は間隔を空けて並べられる請求項2に記載の多光源照明モジュール。
【請求項4】
前記第1光学調整部材及び前記第2光学調整部材はそれぞれが前記リフレクターカップであり、且つ、前記第1光学調整部材と前記第2光学調整部材は辺縁が互いに接続される請求項2に記載の多光源照明モジュール。
【請求項5】
前記第1光学調整部材と前記第2光学調整部材は接続されて、曲面が連続する単一のリフレクターカップを形成する請求項4に記載の多光源照明モジュール。
【請求項6】
前記第1光学調整部材は前記リフレクターカップであり、前記第2光学調整部材は前記レンズである請求項2に記載の多光源照明モジュール。
【請求項7】
前記第2光学調整部材に接続される第3光学調整部材を含み、前記第3光学調整部材は前記第1色光の光学経路上に設けられ、これにより、前記第1光学調整部材で反射された前記第1色光を前記第3光学調整部材に投射し、前記第3光学調整部材を経由して前記第1色光を前記多光源照明モジュールの前方に投射する請求項6に記載の多光源照明モジュール。
【請求項8】
前記第1光学調整部材及び前記第2光学調整部材はそれぞれがレンズであり、前記第1光学調整部材と前記第2光学調整部材は間隔を空けて並べられる請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項9】
前記第1色光は白色光であり、前記第2色光は黄色光である請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項10】
前記第1光源と前記第2光源は変色可能発光モジュールをなすよう結合され、且つ、前記第1色光と前記第2色光の投射範囲は重なり合う請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項11】
更に、制御回路とスイッチを含み、前記制御回路は、前記第1光源及び前記第2光源のオンを制御するために用いられ、前記スイッチは、トリガ信号を前記制御回路に伝送するために用いられ、前記第1光源が点灯しているとき、前記制御回路は、特定回数の前記トリガ信号の受信を1サイクルとして前記第2光源をオン又はオフにする請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項12】
前記制御回路は、前記第1光源が点灯しているときに特定回数の前記トリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき前記第2光源をオンにするとともに、前記第1光源の点灯を維持する請求項11に記載の多光源照明モジュール。
【請求項13】
前記制御回路は第1駆動装置及び第2駆動装置を含み、前記第1駆動装置は電力を前記第1光源に供給するために用いられ、且つ、前記第2駆動装置は電力を前記第2光源に供給するために用いられる請求項12に記載の多光源照明モジュール。
【請求項14】
前記制御回路は、前記第1光源がオフのときに特定回数の前記トリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき前記第2光源をオンにし、或いは、
前記制御回路は、前記第1光源がオンのときに特定回数の前記トリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき前記第2光源をオンにするとともに、前記第1光源をオフにする請求項11に記載の多光源照明モジュール。
【請求項15】
前記制御回路は駆動装置及び切替装置を含み、前記駆動装置は、電力を前記切替装置に供給し、前記切替装置を経由して電力を前記第1光源又は前記第2光源に出力するために用いられる請求項14に記載の多光源照明モジュール。
【請求項16】
前記第1光源と前記第2光源は、それぞれ発光ダイオードである請求項1に記載の多光源照明モジュール。
【請求項17】
同一のソケット内に統合される請求項1に記載の複数の多光源照明モジュールを含む自動車用灯火器。
【請求項18】
更に、前記ソケットに統合される少なくとも1つの補助照明モジュールを含む請求項17に記載の自動車用灯火器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車部品に関し、特に、多光源照明モジュール及び当該多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器に関する。
【背景技術】
【0002】
白熱灯と比較して、発光ダイオードは、体積が小さく、輝度が高く、使用寿命が長く、省電力であるとの利点を有する。発光ダイオードを車用ヘッドライト群に応用すれば高輝度の白色光を発生可能となり、一般的な状況では照明効果を確実に達成し得る。しかし、LED車用ヘッドライト群が発生させる白色光は色温度が高く、悪天候の場合には、往々にして期待するような照明効果を達成できない。例えば、雨や雪、或いは霧といった天気では、なおさら運転時の視線に影響を及ぼす場合があり、ひいては走行の安全性にも影響する。
【0003】
よって、悪天候の場合、ユーザーは、走行の安全性を高めるために、しばしばフォグランプをオンにし、LED車用ヘッドライト群の白色光と組み合わせて照明せねばならない。しかし、フォグランプは装着位置が低く、照射距離が近いため、通常は警告的な効果を有するにすぎず、良好な照明効果は提供できない。そのほか、フォグランプの多くは独立して設置され、自動車販売時の標準装備となっていないことすらある。また、別途追加する場合には装着コストも増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のLED車用ヘッドライト群の欠点を改善するために、本発明は、更に、車用灯火器の照明モジュール内に多色光源を設置し、異なる色光を同時に発生可能とすることで、従来のLED車用ヘッドライト群は悪天候での照明効果に劣るとの課題を大幅に改善することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、多光源照明モジュールを提供する。当該モジュールは、少なくとも1つの第1光学調整部材と、第1色光を発生させて、第1色光を第1光学調整部材に投射するために用いられ、第1光学調整部材が第1色光を多光源照明モジュールの前方に投射するために用いられる少なくとも1つの第1光源と、少なくとも1つの第2光学調整部材と、第2色光を発生させて、第2色光を第2光学調整部材に投射するために用いられ、第2光学調整部材が第2色光を多光源照明モジュールの前方に投射するために用いられる少なくとも1つの第2光源、を含む。第1色光と第2色光は一部又は全部が重なり合う。
【0006】
本発明は、更に、同一のソケット内に統合される複数の上記多光源照明モジュールを含む自動車用灯火器を提供する。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光学調整部材及び第2光学調整部材はリフレクターカップ又はレンズである。
【0008】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光学調整部材及び第2光学調整部材はそれぞれがリフレクターカップであり、且つ、第1光学調整部材と第2光学調整部材は間隔を空けて並べられる。
【0009】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光学調整部材及び第2光学調整部材はそれぞれがリフレクターカップであり、且つ、第1光学調整部材と第2光学調整部材は辺縁が互いに接続される。
【0010】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光学調整部材と第2光学調整部材は接続されて、曲面が連続するリフレクターカップを形成する。
【0011】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光学調整部材はリフレクターカップであり、第2光学調整部材はレンズである。
【0012】
本発明の少なくとも1つの実施例において、多光源照明モジュールは、更に、第2光学調整部材に接続される第3光学調整部材を含む。第3光学調整部材は第1色光の光学経路上に設けられる。これにより、第1光学調整部材で反射された第1色光を第3光学調整部材に投射し、第3光学調整部材を経由して第1色光を多光源照明モジュールの前方に投射する。
【0013】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光学調整部材及び第2光学調整部材はそれぞれがレンズであり、第1光学調整部材と第2光学調整部材は間隔を空けて並べられる。
【0014】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1色光は白色光であり、第2色光は黄色光である。
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光源と第2光源は変色可能発光モジュールをなすよう結合され、且つ、第1色光と第2色光の投射範囲は重なり合う。
【0016】
本発明の少なくとも1つの実施例において、多光源照明モジュールは、更に、制御回路とスイッチを含む。制御回路は、第1光源及び第2光源のオンを制御するために用いられる。スイッチは、トリガ信号を制御回路に伝送するために用いられる。第1光源が点灯しているとき、制御回路は、特定回数のトリガ信号の受信を1サイクルとして第2光源をオン又はオフにする。
【0017】
本発明の少なくとも1つの実施例において、制御回路は、第1光源が点灯しているときに特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源をオンにするとともに、第1光源の点灯を維持する。
【0018】
本発明の少なくとも1つの実施例において、制御回路は第1駆動装置及び第2駆動装置を含む。第1駆動装置は電力を第1光源に供給するために用いられ、且つ、第2駆動装置は電力を第2光源に供給するために用いられる。
【0019】
本発明の少なくとも1つの実施例において、制御回路は、第1光源がオフのときに特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源をオンにする。或いは、制御回路は、第1光源がオンのときに特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源をオンにするとともに、第1光源をオフにする。
【0020】
本発明の少なくとも1つの実施例において、制御回路は駆動装置及び切替装置を含む。駆動装置は、電力を切替装置に供給し、切替装置を経由して電力を第1光源又は第2光源に出力するために用いられる。
【0021】
本発明の少なくとも1つの実施例において、第1光源と第2光源はそれぞれ発光ダイオードである。
【0022】
本発明の少なくとも1つの実施例において、自動車用灯火器は、更に、ソケットに統合される少なくとも1つの補助照明モジュールを含む。
【発明の効果】
【0023】
実際の応用時には、一般的な車の車用ヘッドライト群を本発明における上記の多光源照明モジュールに直接交換可能であり、車内の車用灯火器制御レバーを調整することで、車に悪天候時の照明光源を発生させられる。換言すると、本発明における上記の車用ヘッドライト群は、迅速且つ容易に一般的な車に装着可能であり、車の走行時の安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明における多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器の一実施例の概略構造図である。
図2図2は、本発明における多光源照明モジュールの一実施例の概略断面図である。
図3図3は、本発明における多光源照明モジュールの更なる実施例の概略断面図である。
図4図4は、本発明における多光源照明モジュールの更なる実施例の概略断面図である。
図5図5は、本発明における多光源照明モジュールの更なる実施例の平面視の概略断面図である。
図6図6は、本発明における多光源照明モジュールの更なる実施例の側面視の概略断面図である。
図7図7は、本発明における多光源照明モジュールの一実施例の概略斜視図である。
図8図8は、本発明における多光源照明モジュールの更なる実施例の概略斜視図である。
図9図9は、本発明における多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器の更なる実施例の概略構造図である。
図10図10は、本発明における多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器の更なる実施例の概略構造図である。
図11図11は、本発明における多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器の更なる実施例の概略構造図である。
図12図12は、本発明における多光源照明モジュールの更なる実施例の概略分解斜視図である。
図13図13は、本発明の多光源照明モジュールにおける光源、制御回路及びスイッチの一実施例の概略接続図である。
図14図14は、本発明の多光源照明モジュールにおける光源及び制御回路の一実施例の概略接続図である。
図15図15は、本発明の多光源照明モジュールにおける光源及び制御回路の更なる実施例の概略接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明における多光源照明モジュールを備えた自動車用灯火器の一実施例の概略構造図を示している。自動車用灯火器1は、少なくとも1つの多光源照明モジュール100を含む。多光源照明モジュール100はソケット1a内に設けられる。例えば、自動車用灯火器1は自動車のヘッドライト群としてもよい。実際の応用時には、一般的な自動車のヘッドライト群を本発明の自動車用灯火器1に交換可能である。これにより、自動車の照明効果を向上させられる。
【0026】
具体的実施例において、本発明の上記自動車用灯火器1は、更に、補助照明モジュール100aを含む。且つ、多光源照明モジュール100及び補助照明モジュール100aはソケット1a内に統合される。本発明の一実施例では、多光源照明モジュール100をロービームモジュールとし、補助照明モジュール100aをハイビームモジュールとしてもよい。また、本発明の別の実施例では、多光源照明モジュール100をハイビームモジュールとし、補助照明モジュール100aをロービームモジュールとしてもよい。
【0027】
図1に示すように、多光源照明モジュール100は、少なくとも1つの第1光学調整部材111、少なくとも1つの第1光源121、少なくとも1つの第2光学調整部材112及び少なくとも1つの第2光源122を含む。
【0028】
図1に示すように、第1光源121は、第1色光L1を発生させて、第1色光L1を第1光学調整部材111に投射するために用いられる。これにより、第1光学調整部材111に第1色光L1を多光源照明モジュール100の前方に投射させる。また、第2光源122は、第2色光L2を発生させて、第2色光L2を第2光学調整部材112に投射するために用いられる。これにより、第2光学調整部材112に第2色光L2を多光源照明モジュール100の前方に投射させる。第1色光L1と第2色光L2は一部又は全部が重なり合う。
【0029】
第1光源121及び第2光源122は、それぞれ、第1色光L1及び第2色光L2を発生させるために用いられる。第1色光L1及び第2色光L2は、異なる波長、色又は色温度の光源を有する。例えば、第1色光L1は白色光であり、第2色光L2は黄色光である。具体的実施例において、第1光源121及び前記第2光源122は発光ダイオード(LED)である。しかし、第1光源121及び第2光源122が発光ダイオードであることは本発明の一実施例にすぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。第1光源121及び第2光源122はその他の種類の光源であってもよい。
【0030】
本発明における上記の第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112は、リフレクターカップ又はレンズとしてもよい。
【0031】
図1に示すように、第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112はリフレクターカップであり、ソケット1aに設けられる。第1光学調整部材111と第2光学調整部材112は間隔を空けて並べられる。また、第1光源121及び第2光源122もソケット1aに設けられる。第1光源121及び第2光源122は、それぞれ、発生させた第1色光L1及び第2色光L2を第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112に投射する。第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112は、それぞれ、第1色光L1及び第2色光L2を反射して、第1色光L1及び第2色光L2を多光源照明モジュール100の前方に投射するために用いられる。第1色光L1と第2色光L2は部分的又は完全に重なり合う。図1に示す第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112は、各々を別の部材としてソケット1aにそれぞれ配設してもよい。
【0032】
図2及び図3に示すように、別の実施例において、第1光学調整部材111及び前記第2光学調整部材112はそれぞれがリフレクターカップであり、辺縁が互いに接続されて単一の部材をなすよう結合される。単一の部材をなすよう結合された第1光学調整部材111と第2光学調整部材112は同時にソケット1aに装着可能なため、生産及び配設に有利である。図2図3の違いは次の通りである。図2の実施例において、隣接するリフレクターカップは間隔を保持する必要があるため、互いの間の辺縁水平延伸部を介して接続される。一方、図3の実施例において、隣接するリフレクターカップは連続して配置されるため、辺縁で直接接続される。
【0033】
図3に示すように、本発明の1又は複数の実施例において、第1光源121と第2光源122は隣接して配置される。複数の第1光源121及び複数の第2光源122は光源アレイをなすよう緊密に並んでいる。各第1光源121及び各第2光源122は、第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112としてのリフレクターカップに対応してそれぞれ配置され、異なる角度範囲に相応の色光を投射してもよい。
【0034】
また、図3に示すように、第1光源121と第2光源122は密接して設けてもよい。例えば、複数の第1光源121及び複数の第2光源122を光源アレイ120となるよう緊密に並べてもよい。各第1光源121及び各第2光源122は、第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112としてのリフレクターカップに対応してそれぞれ配置してもよい。第1光学調整部材111は、主として、第1光源121が発生させた第1色光L1を反射するために用いられ、第2光学調整部材112は、主として、第2光源122が発生させた第2色光L2を反射するために用いられる。実際の応用時には、第1光学調整部材111が第2色光L2の一部を反射し得る一方、第2光学調整部材112は第1色光L1の一部を反射し得る。反射された第1色光L1及び第2色光L2は多光源照明モジュール100の前方に投射される。また、第1色光L1と第2色光L2は部分的又は完全に重なり合う。
【0035】
図4に示すように、第1光源121と第2光源122は、単一の変色可能発光モジュール12をなすよう結合されてもよい。変色可能発光モジュール12は、第1色光L1及び第2色光L2を発生させるために使用可能である。例えば、変色可能発光モジュール12は、2つのチップが封入された発光ダイオード装置としてもよく、異なる色の色光を発生させるために使用可能である。第1色光L1と第2色光L2の投射範囲は重なり合う。例えば、第1色光L1及び第2色光L2はいずれも第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112に進入可能であり、近接する光学経路を経由して多光源照明モジュール100の前方に投射される。また、第1色光L1と第2色光L2は重なり合う。
【0036】
図5及び図6を参照する。図5は多光源照明モジュール100の平面断面図であり、図6は多光源照明モジュール100の側面断面図である。第1光学調整部材111と第2光学調整部材112は、曲面が連続する単一のリフレクターカップ110をなすよう結合されるとともに、第1光源121及び第2光源122をリフレクターカップ110内に設けてもよい。具体的には、第1光学調整部材111及び前記第2光学調整部材112としてのリフレクターカップは、単一の光学カップを2つの部分に切断することで取得可能である。図6では、第2光源122が第1光源121に遮られているため、図6には第1光源121のみが示されている。
【0037】
図7に示すように、別の実施例では、第1光学調整部材111をリフレクターカップとし、第2光学調整部材112をレンズとしてもよい。第1光源121は第1光学調整部材111に面しており、第1光源121が発生させた第1色光L1を第1光学調整部材111により反射する。また、第2光源122が発生させた第2色光L2は、第2光学調整部材112により屈折する。これにより、反射した第1色光L1及び屈折した第2色光L2を部分的又は完全に重ね合わせる。
【0038】
図8に示すように、第1色光L1の光学経路上に第3光学調整部材113を設けてもよい。これにより、第1光学調整部材111で反射された第1色光L1を第3光学調整部材113に投射し、第3光学調整部材113を経由して第1色光L1を多光源照明モジュール100の前方に投射する。例えば、第3光学調整部材113は投射レンズとしてもよい。
【0039】
また、第3光学調整部材113は、第2光学調整部材112に接続されて、第2光学調整部材112の延長をなしてもよい。例えば、第1光源121が第2光源122の両側に位置し、第3光学調整部材113が第2光学調整部材112の両側に位置してもよい。
【0040】
本発明の一実施例において、図9及び図10に示すように、第1光学調整部材111と第2光学調整部材112は、2つの独立したレンズユニットとして、間隔を空けるか密接して並べてもよい。
【0041】
図11に示すように、自動車用灯火器1は、多光源照明モジュール100及び補助照明モジュール100aを含み、それらをソケット1aに統合してもよい。多光源照明モジュール100は、第1光学調整部材111、第1光源121、第2光学調整部材112及び第2光源122を含む。例えば、多光源照明モジュール100はロービームであり、補助照明モジュール100aはハイビームである。
【0042】
本発明の一実施例において、第1光学調整部材111及び第1光源121と、第2光学調整部材112及び第2光源122は、2つの独立した照明ユニットとしてもよい。また、本発明の別の実施例では、第2光学調整部材112及び第2光源122を補助照明モジュール100a内に統合してもよい。
【0043】
図12に示すように、多光源照明モジュール100は、第1光学調整部材111、第1光源121、2つの第2光学調整部材112及び2つの第2光源122を含む。第1光学調整部材111及び第2光学調整部材112は、単一光軸のレンズに限定しない。第1光学調整部材111は、単一光軸のレンズであってもよく、第1光源121が発生させる第1色光L1の光学経路上に設けられる。また、第2光学調整部材112は、例えば拡散シートのような拡散機能を有する光学拡散部材であってもよい。第2光学調整部材112の表面には、凹凸のある拡散面を形成してもよい。第2光学調整部材112は、第2光源122が発生させる第2色光L2の光学経路上に設けられる。また、第2光学調整部材112が反射式の拡散部材であることも排除しない。この場合、第2光源122が発生させる第2色光L2は、第2光学調整部材112に投射されたあと、第2光学調整部材112により所定の方向又は領域に反射される。
【0044】
図13に示すように、多光源照明モジュール100は、更に、制御回路130及びスイッチ140を含む。制御回路130は、第1光源121及び第2光源122のオン又はオフを制御するために用いられる。例えば、制御回路130は多段式切替装置としてもよい。スイッチ140は、車のハイビーム切替スイッチ又はパッシング切替スイッチとしてもよい。スイッチ140は、トリガ信号を制御回路130に伝送するために用いられる。
【0045】
第1光源121が点灯しているとき、制御回路130は、特定回数のトリガ信号の受信を1サイクルとして第2光源122をオン又はオフにする。例えば、スイッチ140が3回トリガするごとに第2光源122オンにする。そして、再びトリガされると、スイッチ140が次に3回トリガして第2光源122を再びオンにするまで第2光源122をオフにする。
【0046】
具体的に、本発明の多光源照明モジュール100は3種類の動作モードを有してもよい。そのうち、第1動作モードは第1光源121及び第2光源122がいずれも発光せず、通常は昼間又は照明が十分な走行環境に利用される。
【0047】
第2動作モードでは、多光源照明モジュール100の第1光源121及び第2光源122が同時に発光可能である。まず、第1光源121がオンとなって第1色光L1を発生させるが、第2光源122は発光しない。制御回路130は、第1光源121がオンのとき特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源122をオンにして第2色光L2を発生させるとともに、第1光源121の点灯を維持して第1色光L1を発生させる。これにより、多光源照明モジュール100に第1色光L1と第2色光L2を同時に発生させる。通常、これは夜間又は照明が不足した走行環境に利用される。
【0048】
図14に示すように、第1光源121と第2光源122は同時にオンとなる場合がある(例えば、第2動作モードにおいて)。そのため、制御回路130は、第1駆動装置131及び第2駆動装置132を含んでもよい。第1駆動装置131は、電力を第1光源121に供給するために用いられ、第2駆動装置132は、電力を第2光源122に供給するために用いられる。2つの駆動装置によって、十分な電力を第1光源121及び第2光源122に供給可能となる。これにより、単一の駆動装置で出力可能な電流が低すぎるために第1色光L1と第2色光L2の輝度が不足するとの事態が回避される。
【0049】
図14は、第1駆動装置131及び第2駆動装置132を制御回路130の内部に統合する場合を示しているが、これは本発明の一実施例にすぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。別の実施例では、第1駆動装置131及び第2駆動装置132を制御回路130に外付けにしてもよい。例えば、第1駆動装置131は制御回路130と第1光源121の間に位置し、第2駆動装置132は制御回路130と第2光源122の間に位置する。
【0050】
第3動作モードでは、多光源照明モジュール100の第1光源121及び第2光源122の一方のみがオンとなる。この場合、第1光源121がオフのとき、制御回路130は特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源122をオンにする。また、第1光源121がオンであり、且つロービームモジュールがオンの場合、制御回路130は特定回数のトリガ信号を受信すると、そのサイクルに基づき第2光源122をオンにするとともに、第1光源121をオフにする。
【0051】
図15に示すように、第1光源121と第2光源122が同時にオンとなり得ない場合には、光源をオンにして十分な照度を維持するのに必要な総電力は小さくなる。この場合、制御回路130は駆動装置133及び切替装置134のみを含む。駆動装置133は、電力を切替装置134に供給し、切替装置134を経由して電力を第1光源121又は第2光源122に出力するために用いられる。
【0052】
図15は、駆動装置133を制御回路130の内部に統合することを示しているが、これは本発明の一実施例にすぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。別の実施例では、駆動装置133を制御回路130に外付けにしてもよい。
【0053】
実際の応用時には、一般的な車の車用ヘッドライト群を本発明における上記の多光源照明モジュール100に直接交換可能であり、車内の車用灯火器制御レバーを調整することで、車に悪天候時の照明光源を発生させられる。換言すると、本発明における上記の車用ヘッドライト群は、迅速且つ容易に一般的な車に装着可能であり、車の走行時の安全性を向上させる。
【0054】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲で記載する形状、構造、特徴及び精神に基づいてなされる均等な変形及び補足は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 自動車用灯火器
1a ソケット
100 多光源照明モジュール
100a 補助照明モジュール
110 リフレクターカップ
111 第1光学調整部材
112 第2光学調整部材
113 第3光学調整部材
12 変色可能発光モジュール
120 光源アレイ
121 第1光源
122 第2光源
130 制御回路
131 第1駆動装置
132 第2駆動装置
133 駆動装置
134 切替装置
140 スイッチ
L1 第1色光
L2 第2色光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15