(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025701
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240216BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240216BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240216BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240216BHJP
H10K 59/129 20230101ALI20240216BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
H10K59/123
H10K59/131
H10K50/844
H10K59/129
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126483
(22)【出願日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0099729
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヘミン
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ヨンワン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ビョンチャン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ユンホ
(72)【発明者】
【氏名】チュン,キュンフン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC43
3K107DD11
3K107DD39
3K107DD90
3K107EE04
3K107EE57
3K107FF15
3K107HH05
5C094AA15
5C094BA01
5C094DA09
5C094DA15
5C094DB01
5C094EA10
(57)【要約】
【課題】スキャン駆動回路を含む表示パネルを提供する。
【解決手段】スキャン駆動回路はターンオン区間にスキャン信号のハイ電圧を出力する第1トランジスタを含む。前記第1トランジスタは、第1入力領域と、第1出力領域と、第1チャネル領域とを含む第1半導体パターンと、前記第1チャネル領域に重畳する第1ゲート電極と、前記第1入力領域に電気的に連結される第2入力領域と、前記第1出力領域に電気的に連結される第2出力領域と、前記第1チャネル領域に重畳する第2チャネル領域とを含む第2半導体パターンと、前記第2チャネル領域に重畳し、前記第1ゲート電極に電気的に連結される第2ゲート電極と、を含む。
【選択図】
図8b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と前記表示領域に隣接して配置される非表示領域とを含むベース層と、
前記ベース層の前記非表示領域の上に配置される複数個の絶縁層と、
前記ベース層の前記表示領域に配置される画素回路と、
前記表示領域に重畳し、前記画素回路に電気的に連結される発光素子と、
前記ベース層の前記非表示領域の上に配置され、ターンオン区間の間にスキャン信号のハイ電圧を出力する第1トランジスタと、を含むスキャン駆動回路と、を含み、
前記第1トランジスタは、
第1入力領域と、第1出力領域と、前記第1入力領域と第1出力領域との間に配置される第1チャネル領域とを含む第1半導体パターンと、
前記第1半導体パターンの上に配置され、前記第1チャネル領域に重畳する第1ゲート電極と、
前記第1入力領域に電気的に連結される第2入力領域と、前記第1出力領域に電気的に連結される第2出力領域と、前記第2入力領域と前記第2出力領域との間に配置され、前記第1チャネル領域に重畳する第2チャネル領域とを含み、前記第1ゲート電極の上に配置される第2半導体パターンと、
前記第2半導体パターンの上に配置され、前記第2チャネル領域に重畳し、前記第1ゲート電極に電気的に連結される第2ゲート電極と、を含む表示パネル。
【請求項2】
前記第1半導体パターンの下側に配置され、前記第1ゲート電極に重畳する遮蔽電極を更に含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記複数個の絶縁層は、
前記第1チャネル領域と前記第1ゲート電極との間に配置される第1絶縁層と、
前記第1ゲート電極と前記第2半導体パターンとの間に配置される第2絶縁層と、
前記第2チャネル領域と前記第2ゲート電極との間に配置される第3絶縁層と、
前記第2ゲート電極をカバーしながら前記第3絶縁層の上に配置される第4絶縁層と、を含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第2入力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第1コンタクト孔を介して前記第1入力領域に連結され、
前記第2出力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第2コンタクト孔を介して前記第1出力領域に連結される請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第4絶縁層を貫通する第3コンタクト孔を介して前記第2入力領域に連結されて前記第1入力領域及び前記第2入力領域にクロック信号を提供する第1導電パターンと、
前記第4絶縁層を貫通する第4コンタクト孔を介して前記第2出力領域に連結されて前記第1トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号の前記ハイ電圧を受信するスキャン信号ラインと、を更に含む請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記スキャン駆動回路は、前記ベース層の前記非表示領域に配置され、ターンオン区間の間に前記スキャン信号のロー電圧を出力する第2トランジスタを更に含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第2トランジスタは、
第3入力領域と、第3出力領域と、前記第3入力領域と第3出力領域との間に配置される第3チャネル領域とを含む第3半導体パターンと、
前記第3半導体パターンの上に配置され、前記第3チャネル領域に重畳する第3ゲート電極と、
前記第3入力領域に電気的に連結される第4入力領域と、前記第3出力領域に電気的に連結される第4出力領域と、前記第4入力領域と前記第4出力領域との間に配置され、前記第3チャネル領域に重畳する第4チャネル領域とを含み、前記第3ゲート電極の上に配置される第4半導体パターンと、
前記第4半導体パターンの上に配置され、前記第4チャネル領域に重畳し、前記第3ゲート電極に電気的に連結される第4ゲート電極と、を含む請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1半導体パターンと前記第3半導体パターンは同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含み、
前記第2半導体パターンと前記第4半導体パターンは同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含む請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第4入力領域に連結されて前記第4入力領域に前記スキャン信号の前記ロー電圧に対応する基準ロー電圧を提供する第2導電パターンと、
前記第4出力領域に連結されて前記第2トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号の前記ロー電圧を受信するスキャン信号ラインと、を更に含む請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記画素回路は、
前記第1半導体パターンと同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含む半導体パターンを含む第1型トランジスタと、
前記第2半導体パターンと同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含む半導体パターンを含む第2型トランジスタと、を含み、
前記第1型トランジスタと前記第2型トランジスタのうちいずれか一つは前記スキャン信号を受信する請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記複数個の絶縁層は、
前記第1チャネル領域と前記第1ゲート電極との間に配置される第1絶縁層と、
前記第1ゲート電極と前記第2半導体パターンとの間に配置される第2絶縁層と、
前記第2半導体パターンと前記第2ゲート電極との間に配置される第3絶縁層と、を含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第2入力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第1コンタクト孔を介して前記第1入力領域に連結され、
前記第2出力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第2コンタクト孔を介して前記第1出力領域に連結される請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第3絶縁層を貫通する第3コンタクト孔を介して前記第2入力領域に連結されて前記第1入力領域及び前記第2入力領域にクロック信号を提供する第1導電パターンと、
前記第3絶縁層を貫通する第4コンタクト孔を介して前記第2出力領域に連結されて前記第1トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号の前記ハイ電圧を受信するスキャン信号ラインと、を更に含む請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第2ゲート電極と前記第1導電パターンは同じ層の上に配置され、同じ物質を含む請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
表示領域と前記表示領域に隣接して配置される非表示領域とを含むベース層と、
前記ベース層の前記非表示領域の上に配置される複数個の絶縁層と、
前記ベース層の前記表示領域に配置される画素回路と、
前記ベース層の前記表示領域に配置され、前記画素回路に電気的に連結される発光素子と、
前記ベース層の前記非表示領域に配置され、ターンオン区間の間にスキャン信号のハイ電圧を出力する第1トランジスタと、ターンオン区間の間に前記スキャン信号のロー電圧を出力する第2トランジスタと、を含むスキャン駆動回路と、を含み、
前記第1トランジスタは、
第1入力領域と、第1出力領域と、前記第1入力領域と第1出力領域との間に配置される第1チャネル領域と、第1-1入力領域と、前記第1-1入力領域と前記第1出力領域との間に配置される第1-1チャネル領域とを含み、第1方向に延長され、前記第1方向と交差する第2方向に並べられる複数個の第1半導体パターンと、
前記複数個の第1半導体パターンの上に配置され、前記複数個の第1半導体パターンそれぞれの前記第1チャネル領域に重畳する第1部分と前記複数個の第1半導体パターンそれぞれの前記第1-1チャネル領域に重畳する第2部分とを含む第1ゲート電極と、
それぞれが前記第1入力領域に電気的に連結される第2入力領域と、前記第1出力領域に電気的に連結される第2出力領域と、前記第2入力領域と前記第2出力領域との間に配置され、前記第1チャネル領域に重畳する第2チャネル領域と、前記第1-1入力領域に電気的に連結される第2-1入力領域と、前記第2-1入力領域と第2出力領域との間に配置され、前記第1-1チャネル領域に重畳する第2-1チャネル領域とを含み、前記複数個の第1半導体パターンに対応するように配置される複数個の第2半導体パターンと、
前記複数個の第2半導体パターンの上に配置され、前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2チャネル領域に重畳する第3部分と、前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの第2-1チャネル領域に重畳する第4部分とを含む第2ゲート電極と、を含む表示パネル。
【請求項16】
前記複数個の絶縁層は、
前記複数個の第1半導体パターンそれぞれの前記第1チャネル領域と前記第1部分との間、及び前記第1-1チャネル領域と前記第2部分との間に配置される第1絶縁層と、
前記第1ゲート電極と前記複数個の第2半導体パターンとの間に配置される第2絶縁層と、
前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2チャネル領域と前記第3部分との間、及び前記第2-1チャネル領域と前記第4部分との間に配置される第3絶縁層と、
前記第2ゲート電極をカバーしながら前記第3絶縁層の上に配置される第4絶縁層と、を含む請求項15に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2入力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第1コンタクト孔を介して前記複数個の第1半導体パターンのうち対応する第1半導体パターンの前記第1入力領域に連結され、
前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2出力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第2コンタクト孔を介して前記対応する第1半導体パターンの前記第1出力領域に連結され、
前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2-1入力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第1-1コンタクト孔を介して前記対応する第1半導体パターンの前記第1-1入力領域に連結される請求項16に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記第4絶縁層を貫通する第3コンタクト孔を介して前記複数個の第2半導体パターンのうち対応する第2半導体パターンの前記第2入力領域に連結されて前記第2入力領域にクロック信号を提供する第1導電パターン部分と、前記第4絶縁層を貫通する第3-1コンタクト孔を介して前記複数個の第2半導体パターンのうち対応する第2半導体パターンの前記第2-1入力領域に連結されて前記第2-1入力領域に前記クロック信号を提供する第2導電パターン部分とを含む第1導電パターンと、
前記第4絶縁層を貫通する第4コンタクト孔を介して前記複数個の第2半導体パターンのうち対応する第2半導体パターンの前記第2出力領域に連結されて前記第1トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号の前記ハイ電圧を受信するスキャン信号ラインと、を更に含む請求項17に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記スキャン信号ラインは前記第1方向内で前記第1導電パターン部分と前記第2導電パターン部分との間に配置される請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
前記第1導電パターン部分の長さは前記第2方向内で前記第2導電パターン部分の長さより小さい請求項18に記載の表示パネル。
【請求項21】
前記第2トランジスタは、
それぞれが第3入力領域と、第3出力領域と、前記第3入力領域と第3出力領域との間に配置される第3チャネル領域とを含む複数個の第3半導体パターンと、
前記複数個の第3半導体パターンの上に配置され、前記複数個の第3半導体パターンそれぞれの前記第3チャネル領域に重畳する第3ゲート電極と、
それぞれが前記第3入力領域に電気的に連結される第4入力領域と、前記第3出力領域に電気的に連結される第4出力領域と、前記第4入力領域と前記第4出力領域との間に配置され、前記第3チャネル領域に重畳する第4チャネル領域とを含み、前記第3ゲート電極の上に配置される複数個の第4半導体パターンと、
前記複数個の第4半導体パターンの上に配置され、前記複数個の第4半導体パターンそれぞれの前記第4チャネル領域に重畳し、前記第3ゲート電極に電気的に連結される第4ゲート電極と、を含む請求項18に記載の表示パネル。
【請求項22】
前記複数個の第1半導体パターンと前記複数個の第3半導体パターンは同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含み、
前記複数個の第2半導体パターンと前記複数個の第4半導体パターンは同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含む請求項21に記載の表示パネル。
【請求項23】
前記第4入力領域に連結され、前記第4入力領域に前記スキャン信号の前記ロー電圧に対応する基準ロー電圧を提供する第2導電パターンを更に含む請求項21に記載の表示パネル。
【請求項24】
前記スキャン信号ラインは、前記第4出力領域に連結されて前記第2トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号のロー電圧を受信する請求項23に記載の表示パネル。
【請求項25】
前記第1ゲート電極の前記第2部分、前記第2ゲート電極の前記第4部分、前記第1導電パターンの前記第2導電パターン部分は前記スキャン信号ラインに沿って延長され、
前記複数個の第3半導体パターンそれぞれは前記第1-1入力領域と、前記第1-1入力領域と前記第3出力領域との間に配置される第1-1チャネル領域とを更に含み、
前記複数個の第4半導体パターンそれぞれは第2-1入力領域と、前記第2-1入力領域と前記第4出力領域との間に配置される第2-1チャネル領域とを更に含み、
前記第1ゲート電極の前記第2部分は前記複数個の第3半導体パターンそれぞれの前記第1-1チャネル領域に重畳し、
前記第2ゲート電極の前記第4部分は前記複数個の第4半導体パターンそれぞれの前記第2-1チャネル領域に重畳し、
前記第1導電パターンの前記第2導電パターン部分は前記複数個の第4半導体パターンそれぞれの前記第2-1入力領域に電気的に連結される請求項23に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示パネルに関し、非表示領域の面積を減少させることができる表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルは表示領域に複数個の画素が配置される。表示パネルは非表示領域に前記複数個の画素を駆動するゲート駆動回路が配置される。ゲート駆動回路は発光駆動回路とスキャン駆動回路を含む。ゲート駆動回路は画素の駆動回路の製造工程によって形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は占有面積が減少されたスキャン駆動回路を含む表示パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施例による表示パネルは、表示領域と前記表示領域に隣接して配置される非表示領域とを含むベース層と、前記非表示領域に重畳して前記ベース層の上に配置される複数個の絶縁層と、前記ベース層の前記表示領域に配置される画素回路と、前記ベース層の前記表示領域に配置され、前記画素回路に電気的に連結される発光素子と、前記ベース層の前記非表示領域に配置され、ターンオン区間の間にスキャン信号のハイ電圧を出力する第1トランジスタと、を含むスキャン駆動回路を含む。前記第1トランジスタは、第1入力領域と、第1出力領域と、前記第1入力領域と第1出力領域との間に配置される第1チャネル領域とを含む第1半導体パターンと、前記第1半導体パターンの上に配置され、前記第1チャネル領域に重畳する第1ゲート電極と、前記第1入力領域に電気的に連結される第2入力領域と、前記第1出力領域に電気的に連結される第2出力領域と、前記第2入力領域と前記第2出力領域との間に配置され、前記第1チャネル領域に重畳する第2チャネル領域とを含み、前記第1ゲート電極の上に配置される第2半導体パターンと、前記第2半導体パターンの上に配置され、前記第2チャネル領域に重畳し、前記第1ゲート電極に電気的に連結される第2ゲート電極と、を含む。
【0005】
前記第1半導体パターンの下側に配置され、前記第1ゲート電極に重畳する遮蔽電極を更に含む。
【0006】
前記複数個の絶縁層は、前記第1チャネル領域と前記第1ゲート電極との間に配置される第1絶縁層と、前記第1ゲート電極と前記第2半導体パターンとの間に配置される第2絶縁層と、前記第2チャネル領域と前記第2ゲート電極との間に配置される第3絶縁層と、前記第2ゲート電極をカバーしながら前記第3絶縁層の上に配置される第4絶縁層と、を含む。
【0007】
前記第2入力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第1コンタクト孔を介して前記第1入力領域に連結され、前記第2出力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第2コンタクト孔を介して前記第1出力領域に連結される。
【0008】
前記第4絶縁層を貫通する第3コンタクト孔を介して前記第2入力領域に連結されて前記第1入力領域及び前記第2入力領域にクロック信号を提供する第1導電パターンと、前記第4絶縁層を貫通する第4コンタクト孔を介して前記第2出力領域に連結されて前記第1トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号の前記ハイ電圧を受信するスキャン信号ラインと、を更に含む。
【0009】
前記スキャン駆動回路は、前記ベース層の前記非表示領域に配置され、ターンオン区間の間に前記スキャン信号のロー電圧を出力する第2トランジスタを更に含む。
【0010】
前記第2トランジスタは、第3入力領域と、第3出力領域と、前記第3入力領域と第3出力領域との間に配置される第3チャネル領域とを含む第3半導体パターンと、前記第3半導体パターンの上に配置され、前記第3チャネル領域に重畳する第3ゲート電極と、前記第3入力領域に電気的に連結される第4入力領域と、前記第3出力領域に電気的に連結される第4出力領域と、前記第4入力領域と前記第4出力領域との間に配置され、前記第3チャネル領域に重畳する第4チャネル領域と、を含み、前記第3ゲート電極の上に配置される第4半導体パターンと、前記第4半導体パターンの上に配置され、前記第4チャネル領域に重畳し、前記第3ゲート電極に電気的に連結される第4ゲート電極と、を含む。
【0011】
前記第1半導体パターンと前記第3半導体パターンは同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含み、前記第2半導体パターンと前記第4半導体パターンは同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含む。
【0012】
前記第4入力領域に連結されて前記第4入力領域に前記スキャン信号の前記ロー電圧に対応する基準ロー電圧を提供する第2導電パターンと、前記第4出力領域に連結されて前記第2トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号の前記ロー電圧を受信するスキャン信号ラインと、を更に含む。
【0013】
前記画素回路は、前記第1半導体パターンと同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含む第1型トランジスタと、前記第2半導体パターンと同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含む第2型トランジスタと、を含む。前記第1型トランジスタと前記第2型トランジスタのうちいずれか一つは前記スキャン信号を受信する。
【0014】
前記複数個の絶縁層は、前記第1チャネル領域と前記第1ゲート電極との間に配置される第1絶縁層と、前記第1ゲート電極と前記第2半導体パターンとの間に配置される第2絶縁層と、前記第2半導体パターンと前記第2ゲート電極との間に配置される第3絶縁層と、を含む。
【0015】
前記第2入力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第1コンタクト孔を介して前記第1入力領域に連結され、前記第2出力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第2コンタクト孔を介して前記第1出力領域に連結される。
【0016】
前記第3絶縁層を貫通する第3コンタクト孔を介して前記第2入力領域に連結されて前記第1入力領域及び前記第2入力領域にクロック信号を提供する第1導電パターンと、前記第3絶縁層を貫通する第4コンタクト孔を介して前記第2出力領域に連結されて前記第1トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号の前記ハイ電圧を受信するスキャン信号ラインと、を更に含む。
【0017】
前記第2ゲート電極と前記第1導電パターンは同じ層の上に配置され、同じ物質を含む。
【0018】
本発明の一実施例による表示パネルは、表示領域と前記表示領域に隣接して配置される非表示領域とを含むベース層と、前記非表示領域に重畳して前記ベース層の上に配置される複数個の絶縁層と、前記ベース層の前記表示領域に配置される画素回路と、前記ベース層の前記表示領域に配置され、前記画素回路に電気的に連結される発光素子と、前記ベース層の前記非表示領域に配置され、ターンオン区間の間にスキャン信号のハイ電圧を出力する第1トランジスタと、ターンオン区間の間に前記スキャン信号のロー電圧を出力する第2トランジスタと、を含むスキャン駆動回路を含む。前記第1トランジスタは、第1入力領域と、第1出力領域と、前記第1入力領域と第1出力領域との間に配置される第1チャネル領域と、第1-1入力領域と、前記第1-1入力領域と前記第1出力領域との間に配置される第1-1チャネル領域とを含み、第1方向に延長され、前記第1方向と交差する第2方向に並べられる複数個の第1半導体パターンと、前記複数個の第1半導体パターンの上に配置され、前記複数個の第1半導体パターンそれぞれの前記第1チャネル領域に重畳する第1部分と前記複数個の第1半導体パターンそれぞれの前記第1-1チャネル領域に重畳する第2部分とを含む第1ゲート電極と、それぞれが前記第1入力領域に電気的に連結される第2入力領域と、前記第1出力領域に電気的に連結される第2出力領域と、前記第2入力領域と前記第2出力領域との間に配置され、前記第1チャネル領域に重畳する第2チャネル領域と、前記第1-1入力領域に電気的に連結される第2-1入力領域と、前記第2-1入力領域と第2出力領域との間に配置され、前記第1-1チャネル領域に重畳する第2-1チャネル領域とを含み、前記複数個の第1半導体パターンに対応するように配置される複数個の第2半導体パターンと、前記複数個の第2半導体パターンの上に配置され、前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2チャネル領域に重畳する第3部分と、前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの第2-1チャネル領域に重畳する第4部分とを含む第2ゲート電極と、を含む。
【0019】
前記複数個の絶縁層は、前記複数個の第1半導体パターンそれぞれの前記第1チャネル領域と前記第1部分との間、及び前記第1-1チャネル領域と前記第2部分との間に配置される第1絶縁層と、前記第1ゲート電極と前記複数個の第2半導体パターンとの間に配置される第2絶縁層と、前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2チャネル領域と前記第3部分との間、及び前記第2-1チャネル領域と前記第4部分との間に配置される第3絶縁層と、前記第2ゲート電極をカバーしながら前記第3絶縁層の上に配置される第4絶縁層と、を含む。
【0020】
前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2入力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第1コンタクト孔を介して前記複数個の第1半導体パターンのうち対応する第1半導体パターンの前記第1入力領域に連結され、前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2出力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第2コンタクト孔を介して前記対応する第1半導体パターンの前記第1出力領域に連結され、前記複数個の第2半導体パターンそれぞれの前記第2-1入力領域は、前記第2絶縁層を貫通する第1-1コンタクト孔を介して前記対応する第1半導体パターンの前記第1-1入力領域に連結される。
【0021】
前記第4絶縁層を貫通する複数個の第3コンタクト孔のうち対応する第3コンタクト孔を介して前記複数個の第2半導体パターンのうち対応する第2半導体パターンの前記第2入力領域に連結されて前記第2入力領域にクロック信号を提供する第1導電パターン部分と、前記第4絶縁層を貫通する複数個の第3-1コンタクト孔のうち対応する第3-1コンタクト孔を介して前記複数個の第2半導体パターンのうち対応する第2半導体パターンの前記第2-1入力領域に連結されて前記第2-1入力領域にクロック信号を提供する第2導電パターン部分とを含む第1導電パターンと、前記第4絶縁層を貫通する複数個の第4コンタクト孔のうち対応する第4コンタクト孔を介して前記複数個の第2半導体パターンのうち対応する第2半導体パターンの前記第2出力領域に連結されて前記第1トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号の前記ハイ電圧を受信するスキャン信号ラインと、を更に含む。
【0022】
前記第1方向内で、前記スキャン信号ラインは前記第1導電パターン部分と前記第2導電パターン部分との間に配置される。
【0023】
前記第2方向内で、前記第1導電パターン部分の長さは前記第2導電パターン部分の長さより小さい。
【0024】
前記第2トランジスタは、それぞれが第3入力領域と、第3出力領域と、前記第3入力領域と第3出力領域との間に配置される第3チャネル領域とを含む複数個の第3半導体パターンと、前記複数個の第3半導体パターンの上に配置され、前記複数個の第3半導体パターンそれぞれの前記第3チャネル領域に重畳する第3ゲート電極と、前記第3入力領域に電気的に連結される第4入力領域と、前記第3出力領域に電気的に連結される第4出力領域と、前記第4入力領域と前記第4出力領域との間に配置され、前記第3チャネル領域に重畳する第4チャネル領域と、を含み、前記第3ゲート電極の上に配置される第4半導体パターンと、前記第4半導体パターンの上に配置され、前記複数個の第4半導体パターンそれぞれの前記第4チャネル領域に重畳し、前記第3ゲート電極に電気的に連結される第4ゲート電極と、を含む。
【0025】
前記第1半導体パターンと前記第3半導体パターンは同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含み、前記第2半導体パターンと前記第4半導体パターンは同じ層の上に配置され、同じ酸化物半導体を含む。
【0026】
前記第4入力領域に連結され、前記第4入力領域に前記スキャン信号の前記ロー電圧に対応する基準ロー電圧を提供する第2導電パターンを更に含む。
【0027】
前記スキャン信号ラインは、前記第4出力領域に連結されて前記第2トランジスタの前記ターンオン区間の間に前記スキャン信号のロー電圧を受信する。
【0028】
前記第1ゲート電極の前記第2部分、前記第2ゲート電極の前記第4部分、前記第1導電パターンの前記第2導電パターン部分は前記スキャン信号ラインに沿って延長され、前記複数個の第3半導体パターンそれぞれは前記第1-1入力領域と、前記第1-1入力領域と前記第3出力領域との間に配置される第1-1チャネル領域とを更に含み、前記複数個の第4半導体パターンそれぞれは第2-1入力領域と、前記第2-1入力領域と前記第4出力領域との間に配置される第2-1チャネル領域とを更に含み、前記第1ゲート電極の前記第2部分は前記複数個の第3半導体パターンそれぞれの前記第1-1チャネル領域に重畳し、前記第2ゲート電極の前記第4部分は前記複数個の第4半導体パターンそれぞれの前記第2-1チャネル領域に重畳し、前記第1導電パターンの前記第2導電パターン部分は前記複数個の第4半導体パターンそれぞれの前記第2-1入力領域に電気的に連結される。
【発明の効果】
【0029】
上述によると、厚さ方向に積層されて配置される第1半導体パターン、第1ゲート電極、第2半導体パターン、及び第2ゲート電極は並列されるトランジスタを定義する。並列連結されるトランジスタはスキャン信号の遅延を抑制する。
【0030】
並列連結されるトランジスタが厚さ方向に積層されることでトランジスタの占有面積が減少される。結果的に非表示領域の面積を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施例による表示装置の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例による表示パネルの断面図である。
【
図3a】本発明の一実施例による表示パネルの平面図である。
【
図3b】本発明の一実施例による表示装置のブロック図である。
【
図4a】本発明の一実施例による画素の等価回路図である。
【
図4b】
図4aに示した画素を駆動するための駆動信号の波形図である。
【
図5a】本発明の一実施例によるゲート駆動回路のブロック図である。
【
図5b】本発明の一実施例によるスキャン駆動回路のブロック図である。
【
図5c】
図5bに示した第1スケージの回路図である。
【
図6】本発明の一実施例によるスキャン駆動回路のレイアウトを示す平面図である。
【
図7】第1バッファトランジスタの等価回路図である。
【
図8a】
図6の第1領域を拡大して示す平面図である。
【
図8b】
図8aのI-I’に対応する断面図である。
【
図8c】
図6の第2領域を拡大して示す平面図である。
【
図8d】
図8cのII-II’に対応する断面図である。
【
図8e】
図6の第3領域を拡大して示す平面図である。
【
図9a】
図8aの一部領域を基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
【
図9b】
図8aの一部領域を基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
【
図9c】
図8aの一部領域を基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
【
図9d】
図8aの一部領域を基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
【
図9e】
図8aの一部領域を基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
【
図9f】
図8aの一部領域を基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
【
図9g】
図8aの一部領域を基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
【
図9h】
図8aの一部領域を基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
【
図10】本発明の一実施例による画素の断面図である。
【
図11】本発明の一実施例によるスキャン駆動回路の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書において、ある構成要素(または領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、「結合される」、または「結合される」と言及されれば、それは他の構成要素の上に直接配置・連結・結合され得るか、またはそれらの間に第3の構成要素が配置され得ることを意味する。
【0033】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。「及び/または」は、関連する構成要素が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0034】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0035】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示した構成要素の連関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念であって、図面に示した方向を基準に説明される。
【0036】
「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたもの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0037】
異なるように定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書で定義された用語のような用語は、関連技術の脈絡で有する意味と一致する意味を有すると解釈すべきであって、ここで明示的に定義されない限り、過度に理想的であるか形式的な意味で解釈してはならない。
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0039】
図1は、本発明の一実施例による表示装置DDの斜視図である。
図2は、本発明の一実施例による表示パネルDPの断面図である。
【0040】
図1を参照すると、表示装置DDは電気的信号によって活性化される装置である。表示装置DDはテレビのような大型電子装置をはじめ、モニタ、ノートパソコン、携帯電話のような中小型電子装置などに使用されてもよい。本実施例において、表示装置DDはスマートフォンとして例示的に示されている。
【0041】
表示装置DDは互いに直交する第1方向DR1及び第2方向DR2が定義する平面と平行する表示面ISを介して映像を表示する。本実施例では表示面ISの法線方向である第3方向DR3を基準に各部材の前面(または上面)と背面(または下面)が定義される。後述する部材の上面(前面)と後面(背面)は第3方向DR3によって区分される。しかし、第1乃至第3方向DR1、DR2、DR3が指示する方向は
図1の定義とは異なる方向に変換されてもよい。
【0042】
表示装置DDは表示パネルDPと駆動回路ユニットDCとを含む。図示していないが、表示装置DDは表示パネルDPの上に配置される入力センサを更に含む。
【0043】
図2を参照すると、表示パネルDPは、ベース層BLと、回路層DP-CLと、表示素子層DP-OLEDと、封止層TFEとを含む。
【0044】
ベース層BLは合成樹脂層を含む。合成樹脂層はポリイミド系樹脂層であってもよいが、その材料は特に限らない。ベース層BLは順次に積層される第1合成樹脂層と、無機層と、第2合成樹脂層とを含む。
【0045】
回路層DP-CLはベース層BLの上に配置される。回路層DP-CLは少なくとも一つの絶縁層と回路素子とを含む。回路素子は信号ライン、画素の駆動回路(以下、画素回路)などを含む。コーティング、蒸着などによる絶縁層、半導体層、及び導電層の形成工程をフォトリソグラフィ工程による前記絶縁層、前記半導体層、及び前記導電層のパターニング工程によって回路層DP-CLが形成される。
【0046】
表示素子層DP-OLEDは発光素子と画素定義膜とを含む。封止層TFEは表示素子層DP-OLEDを密封する。封止層TFEは少なくとも一つの有機膜と少なくとも一つの無機膜とを含む。無機膜は水分/酸素から表示素子層DP-OLEDを保護する。無機膜は、窒化ケイ素層、酸窒化ケイ素層、酸化ケイ素層、酸化チタン層、または酸化アルミニウム層などを含んでもよいが、特にこれに限らない。
【0047】
図1及び
図2を参照すると、表示面ISは、映像が表示される表示領域AAと、映像が表示されない非表示領域NAAとを含む。表示領域AAには画素が配置され、非表示領域NAAにはゲート駆動回路が配置される。
【0048】
図1を参照すると、駆動回路ユニットDCは表示パネルDPと電気的に連結される。駆動回路ユニットDCは、メイン回路基板MBと、フレキシブル回路基板FCBと、駆動チップDICとを含む。
【0049】
メイン回路基板MBは、表示パネルDPを駆動するための各種駆動回路や電源を供給するためのコネクタなどを含む。フレキシブル回路基板FCBは、メイン回路基板MBと表示パネルDPを電気的に連結する。駆動チップDICはデータ駆動回路を含む。本実施例において、駆動チップDICはフレキシブル回路基板FCBに実装されているが、これに限らず、駆動チップDICは表示パネルDPに実装されてもよい。
【0050】
図3aは、本発明の一実施例による表示パネルDPの平面図である。
図3bは、本発明の一実施例による表示装置DDのブロック図である。
【0051】
図3a及び
図3bを参照すると、表示パネルDPは、映像が表示される表示領域AAと、表示領域AAの外側に配置される非表示領域NAAとを含む。表示領域AAには複数個の画素PXが配置される。非表示領域NAAには複数個の画素PXを駆動するためのゲート駆動回路GDCが配置される。
【0052】
ゲート駆動回路GDCはフォトリソグラフィ工程によってベース層BL(
図2を参照)の上に直接形成される。ゲート駆動回路GDCは複数個の画素PXの画素回路を形成する工程によって形成される。表示パネルDPの非表示領域NAAに配置される複数個のパッドPDがフレキシブル回路基板FCBと連結される。
【0053】
図3bを参照すると、表示装置DDは表示パネルDPと、ゲート駆動回路GDCと、データ駆動回路DDCと、制御回路TCとを含む。
【0054】
制御回路TCはゲート駆動回路GDC及びデータ駆動回路DDCの駆動を制御する。制御回路TCは、データ駆動回路DDCとのインタフェース仕様に合わせて入力映像信号のデータフォーマットを変換して映像データRGBを生成する。制御回路TCは映像データRGB及び各種制御信号DCS、GCSを出力する。
【0055】
ゲート駆動回路GDCは制御回路TCから第1制御信号GCSを受信する。第1制御信号GCSは、ゲート駆動回路GDCの動作を開始する垂直開始信号と、信号の出力時期を決定するクロック信号などを含む。ゲート駆動回路GDCは複数個のスキャン信号を後述する複数個のスキャンラインGWL1~GWLn、GRL1~GRLn、GIL1~GILnに出力する。また、ゲート駆動回路GDCは複数個の発光制御信号を生成し、複数個の発光信号ラインEL1~ELnに出力する。
【0056】
データ駆動回路DDCは制御回路TCから第2制御信号DCS及び映像データRGBを受信する。データ駆動回路DDCは映像データRGBをデータ信号に変換し、データ信号を後述する複数個のデータラインDL1~DLmに出力する。データ信号は映像データRGBの階調値に対応するアナログ電圧である。データ駆動回路DDCは
図1に示した駆動チップDICを構成する。
【0057】
表示パネルDPは、複数個のスキャンラインGWL1~GWLn、GRL1~GRLn、GIL1~GILnと、複数個発光信号ラインEL1~ELnと、複数個のデータラインDL1~DLmと、複数個の画素PXとを含む。複数個のスキャンラインGWL1~GWLn、GRL1~GRLn、GIL1~GILnは第1方向DR1に延長され、第1方向DR1に直交する第2方向DR2に並べられる。複数個の発光信号ラインEL1~ELnそれぞれは複数個のスキャンラインGWL1~GWLn、GRL1~GRLn、GIL1~GILnのうち対応するスキャンラインに並んで配列される。複数個のデータラインDL1~DLmは複数個のスキャンラインGWL1~GWLn、GRL1~GRLn、GIL1~GILnと絶縁するように交差する。
【0058】
複数個の画素PXそれぞれは、複数個のスキャンラインGWL1~GWLn、GRL1~GRLn、GIL1~GILnのうち対応するスキャンライン、複数個の発光信号ラインEL1~ELnのうち対応する発光信号ライン、及び複数個のデータラインDL1~DLmのうち対応するデータラインに接続される。
【0059】
表示パネルDPは第1電源電圧ELVDDと第2電源電圧ELVSSとを受信する。第1電源電圧ELVDDは第1電源ラインPL1を介して複数個の画素PXに提供される。第2電源電圧ELVSSは表示パネルDPに形成される第2電源ライン(図示せず)を介して複数個の画素PXに提供される。
【0060】
表示パネルDPは初期化電圧Vintと基準電圧Vrefとを受信する。初期化電圧Vint及び基準電圧Vrefは電圧ラインVLを介して複数個の画素PXに提供される。
【0061】
図4aは、本発明の一実施例による画素PXijの等価回路図である。
図4bは、
図4aに示した画素PXijを駆動するための駆動信号の波形図である。
【0062】
図4aは、第1グループのスキャンラインGWL1乃至GWLn(
図3を参照)のうち第1グループのi番目のスキャンラインGWLiに連結され、複数のデータラインDL1乃至DLm(
図3bを参照)のうちj番目のデータラインDLjに連結される画素PXijを代表的に示している。画素PXijは第2グループのスキャンラインのうちi番目のスキャンラインGRLiに連結され、第3グループのスキャンラインのうちi番目のスキャンラインGILiに連結される。
【0063】
本実施例において、画素回路(または画素駆動回路)は、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5と、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2とを含む。画素PXijは画素回路とそれに電気的に連結される発光素子OLEDとを含む。本実施例において、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5はN型と説明される。但し、これに限らず、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5のうち少なくとも一つ以上はP型のトランジスタであってもよい。また、本発明の実施例において、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5のうち少なくとも一つは省略されるか、追加のトランジスタが画素PXijに更に含まれてもよい。
【0064】
本実施例において、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5それぞれは2つのゲートを含むと図示したが、少なくともいずれか一つのトランジスタは一つのゲートのみを含む。第2乃至第5トランジスタT2乃至T5それぞれの上部ゲートG2-1、G3-1、G4-1、G5-1と下部ゲートG2-2、G3-2、G4-2、G5-2は互いに電気的に連結されているように示したが、これに限らない。第2乃至第5トランジスタT2乃至T5それぞれの下部ゲートG2-2、G3-2、G4-2、G5-2はフローティング状態の電極であってもよい。
【0065】
本実施例において、第1トランジスタT1は駆動トランジスタであり、第2トランジスタT2はスイッチングトランジスタである。第1トランジスタT1の第1上部ゲートG1-1が連結されるノードは第1ノードND1と定義され、第1トランジスタT1のソースS1が連結されるノードは第2ノードND2と定義される。
【0066】
発光素子OLEDは、第2ノードND2に電気的に接続される第1電極と、第1電源電圧ELVSSを受信する第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置される発光層とを含む。発光素子OLEDに関する具体的な説明は後述する。
【0067】
第1トランジスタT1は第2電源電圧ELVDDを受信する第1電源ラインPL1と第2ノードND2との間に電気的に接続される。第1トランジスタT1は、第2ノードND2に接続されるソースS1(以下、第1ソース)と、ドレインD1(以下、第1ドレイン)と、半導体領域と、第2ノードND2に電気的に連結される第1上部ゲートG1-1とを含む。第1トランジスタT1は第2ノードND2に連結される第1下部ゲートG1-2を更に含む。
【0068】
第2トランジスタT2はj番目のデータラインDLjと第1ノードND1との間に電気的に接続される。第2トランジスタT2は、第1ノードND1に接続されるソースS2(以下、第2ソース)と、j番目のドレインDLjに接続されるドレイン(以下、第2レイン)と、半導体領域と、第1グループのi番目のスキャンラインGWLiに連結されるゲートG2-1(以下、第2上部ゲート)とを含む。第2トランジスタT2は第2上部ゲートG2-1に電気的に連結されるゲートG2-2(以下、第2下部ゲート)を更に含む。後述する第3乃至第5トランジスタT3乃至T5は、第2上部ゲートG2-1と第2下部ゲートG2-2に対応する上部ゲートG3-1、G4-1、G5-1と下部ゲートG3-2、G4-2、G5-2とを含む。
【0069】
第3トランジスタT3は第1ノードND1と基準電圧Vrefを受信する第1電圧ラインVL1との間に電気的に連結される。第3トランジスタT3は、第1ノードND1に接続されるドレインD3(以下、第3ドレイン)と、第1電圧ラインVL1に接続されるソースS3(以下、第3ソース)と、半導体領域と、第2グループのi番目のスキャンラインGRLiに連結される第3上部ゲートG3-1とを含む。
【0070】
第4トランジスタT4は初期化電圧Vintを受信する第2電圧ラインVL2と第2ノードND2との間に電気的に接続される。第4トランジスタT4は、第2ノードND2に接続されるドレイン(以下、第4ドレイン)と、第2電圧ラインVL2に接続されるソースS4(以下、第4ソース)と、半導体領域と、第3グループのi番目のスキャンラインGILiに連結される第4上部ゲートG4-2とを含む。
【0071】
第5トランジスタT5は第1電源ラインPL1と第1ドレインD1または第1ソースS1との間に電気的に接続される。本実施例において、第5トランジスタT5は、第1電源ラインPL1に接続されるドレインD5(以下、第5ドレイン)と、第1ドレインD1に接続されるソースS5(以下、第5ソース)と、半導体領域と、i番目の発光信号ラインELiに連結される第5上部ゲートG5-1とを含む。
【0072】
第1キャパシタC1は第1ノードND1と第2ノードND2との間に電気的に接続される。第1キャパシタC1は、第1ノードND1に接続する第1電極E1-1と第2ノードND2に接続する第2電極E1-2とを含む。
【0073】
第2キャパシタC2は第1電源ラインPL1と第2ノードND2との間に電気的に接続される。第2キャパシタC2は、第1電源ラインPL1に接続する第1電極E2-1と第2ノードND2に接続する第2電極E2-2とを含む。
【0074】
図4a及び
図4bを参照して画素PXijの動作をより詳細に説明する。表示装置DD(
図3a、
図3bを参照)はフレーム区間ごとに映像を表示する。第1グループのスキャンライン、第2グループのスキャンライン、第3グループのスキャンライン、及び発光信号ラインそれぞれはフレーム区間の間にスキャン信号または制御信号を順次に受信する。
図4bはフレーム区間のうち一部を示している。
【0075】
図4a及び
図4bを参照すると、スキャン信号EMi、GRi、GWi、GIiそれぞれは一部区間の間にハイ電圧(V-HIGHまたはハイレベル)を有し、一部区間の間にロー電圧(V-LOWまたはローレベル)を有する。上述したN型の第1乃至第5トランジスタT1乃至T5は対応するスキャン信号がハイ電圧V-HIGHを有する際にターンオンされる。
【0076】
初期化区間IPの間、第3トランジスタT3と第4トランジスタT4がターンオンされる。第1ノードND1は基準電圧Vrefに初期化される。第2ノードND2は初期化電圧Vintに初期化される。第1キャパシタC1は基準電圧Vrefと初期化電圧Vintとの差に当たる値に初期化される。第2キャパシタC2が第2電源電圧ELVDDと初期化電圧Vintとの差に当たる値に初期化される。
【0077】
補償区間CPの間、第3トランジスタT3と第5トランジスタT5がターンオンされる。第1キャパシタC1には第1トランジスタT1の閾値に当たる電圧が補償される。
【0078】
書込区間WPの間、第2トランジスタT2がターンオンされる。第2トランジスタT2はデータ信号DSに対応する電圧を出力する。結果的に第1キャパシタC1にはデータ信号DSに対応する電圧値が充電される。第1キャパシタC1には第1トランジスタT1の閾値が補償されたデータ信号DSが充電される。画素PX(
図3bを参照)ごとに駆動トランジスタの閾値が異なるが、
図4a及び
図4bに示した画素PXijは駆動トランジスタの閾値の偏差にかかわらずにデータ信号DSに比例する大きさの電流を発光素子OLEDに供給する。
【0079】
次に、発光区間の間、第5トランジスタT5がターンオンされる。第1トランジスタT1は第1キャパシタC1に保存されている電圧値に対応する電流を発光素子OLEDに提供する。発光素子OLEDはデータ信号DSに対応する輝度で発光される。
【0080】
図5aは、本発明の一実施例によるゲート駆動回路GDCのブロック図である。
図5bは、本発明の一実施例によるスキャン駆動回路GWDのブロック図である。
図5cは、
図5bに示した第1スケージST1の回路図である。
【0081】
図5aに示したように、ゲート駆動回路GDCは、発光制御回路EMDと、第1スキャン駆動回路GWDと、第2スキャン駆動回路GRDと、第3スキャン駆動回路GIDとを含む。発光制御回路EMD、第1スキャン駆動回路GWD、第2スキャン駆動回路GRD、及び第3スキャン駆動回路GIDは非表示領域NAAに配置される。
図5aに示した第1方向DR1内での発光制御回路EMD、第1スキャン駆動回路GWD、第2スキャン駆動回路GRD、及び第3スキャン駆動回路GIDの配置順序は一例にすぎず、特に制限されない。
【0082】
発光制御回路EMDは発光信号ラインEL1~ELn(
図3bを参照)と連結されるが、
図5aにはi番目の発光信号ラインELiが例示的に示されている。
図5aには第1スキャン駆動回路GWDに連結される第1グループのi番目のスキャンラインGWLi、第2スキャン駆動回路GRDに連結される第2グループのi番目のスキャンラインGRLi、及び第3スキャン駆動回路GIDに連結される第3グループのi番目のスキャンラインGILiが例示的に示されている。また、第1グループのi番目のスキャンGWLiに連結され、j番目のデータラインDLjに連結される画素PXijが例示的に示されている。
【0083】
図5bを参照すると、第1スキャン駆動回路GWDが例示的に示されている。第1スキャン駆動回路GWDは互いに連結される複数個のステージST1~ST4を含む。ステージST1~ST4は実質的に同じ回路構成を有する。
図5bは4つのステージST1~ST4を例示的に示しているが、第1スキャン駆動回路GWDは
図3bに示した第1グループのスキャンラインGWL1乃至GWLnにそれぞれ対応するステージを含む。
【0084】
ステージST1~ST4それぞれは、第1入力端子IN1と、第2入力端子IN2と、第1制御端子CT1と、第2制御端子ST2と、第1出力端子OT1と、第2出力端子OT2とを含む。また、ステージST1~ST4それぞれは第1乃至第3電圧端子VT1乃至VT3を含む。
【0085】
第1入力端子IN1は以前のステージの第1出力端子OT1から出力されたスキャン信号または開始信号FLMを受信する。開始信号FLMは最初のステージST1以前のダミーステージから出力される。第2入力端子IN2は次のステージの第2出力端子OT2から出力されたキャリー信号を受信する。
【0086】
ステージST1~ST4それぞれは第1及び第2制御端子CT1、CT2を介して第1及び第2クロック信号CLK1、CLK2を受信する。ステージST1~ST4のうち奇数番目のステージST1、ST3の第1制御端子CT1は第1クロック信号CLK1を受信し、第2制御端子CT2は第2クロック信号CLK2を受信する。それに対し、偶数番目のステージST2、ST4の第1制御端子CT1は第2クロック信号CLK2を受信し、第2制御端子CT2は第1クロック信号CLK1を受信する。第1クロック信号CLK1及び第2CLK2は同じ周期を有し、互いに異なる位相を有する。一例として、第2クロック信号CLK2は第1クロック信号CLK1とは反転する位置を有する。
【0087】
第1電圧端子VT1、第2電圧端子VT2、及び第3電圧端子VT3はハイ電圧VGH、第1ロー電圧VGL1、第2ロー電圧VGL2をそれぞれ供給される。ハイ電圧VGH、第1ロー電圧VGL1、第2ロー電圧VGL2それぞれは直流電圧レベルを有する。
【0088】
ハイ電圧VGHはスキャン信号のハイレベル、つまりゲートオン電圧と設定され、第1ロー電圧VGL1はスキャン信号のローレベル、つまりゲートオフ電圧と設定される。第2ロー電圧VGL2は第1ロー電圧VGL1とは異なるレベルを有するバイアス電圧である。ステージST1~ST4は第1グループのスキャンラインGWL1乃至GWL4に順次にスキャン信号を出力する。
【0089】
以下、
図5cを参照して、ステージST1~ST4のうち第1ステージST1の回路構成を説明する。ステージST1~ST4それぞれは互いに同じ回路構成を有するため、残りのステージST2~ST4の回路構成を関する説明は省略する。
【0090】
図5cを参照すると、第1ステージST1は第1出力部OPC1と、第2出力部OPC2と、制御部CRCとを含む。第1出力部OPC1は、第1バッファトランジスタBT1と、第2バッファトランジスタBT2と、第1キャパシタC10とを含む。第2出力部OPC2は、第1キャリートランジスタCBT1と、第2キャリートランジスタCBT2と、第2キャパシタC20とを含む。制御部CRCは第1乃至第6制御トランジスタDT1乃至DT6を含む。
【0091】
3つの水平区間H0、H1、H2を基準に第1ステージST1の動作について説明する。該当水平区間H1の間に第1ステージST1は該当スキャン信号GW1と該当キャリー信号C-GW1を出力する。
【0092】
以前の水平区間H0の間、開始信号FLMが第1入力端子IN1に印加されて第1制御トランジスタDT1がターンオンされる。第1電圧端子VT1に印加されたハイ電圧VGHが第1ノードQに提供される。以前の水平区間H0の間、ハイレベルを有する第1クロック信号CLK1によって第4制御トランジスタDT4がターンオンされる。第1電圧端子VT1に印加されたハイ電圧VGHが第2ノードQBに提供される。第4制御トランジスタDT4と第2キャリートランジスタCBT2がターンオンされる。この際、以前の水平区間H0の間にローレベルを有する第2クロック信号CLK2によって第2制御トランジスタDT2がターンオフされるため、第2キャパシタC20はハイ電圧VGHと第2ロー電圧VGL2との差に対応する電圧を充電する。以前の水平区間H0の間、第1バッファトランジスタBT1、第2バッファトランジスタBT2、第1キャリートランジスタCBT1、及び第2キャリートランジスタCBT2はターンオンされ、第1出力端子OT1及び第2出力端子OT2には第1ロー電圧VGL1及び第2ロー電圧VGL2がそれぞれ提供される。
【0093】
第2キャパシタC20は該当水平区間H1まで第1ノードQの電位を維持する。よって、該当水平区間H1の間、第1バッファトランジスタBT1と第1キャリートランジスタCBT1はターンオンされる。該当水平区間H1は第1バッファトランジスタBT1と第1キャリートランジスタCBT1のターンオン区間である。第1出力端子OT及び第2出力端子OT2には第2クロック信号CLK2のハイ電圧が提供される。第2クロック信号CLK2のハイ電圧は
図4bを参照して説明したスキャン信号GWiのハイ電圧V-HIGHと同じである。
【0094】
次の水平区間H2の間に開始信号FLMはローレベルを有するため、第1制御トランジスタDT1がターンオフされる。次の水平区間H2の間にハイレベルを有する第1クロック信号CLK1によって第4制御トランジスタDT4がターンオンされる。第1電圧端子VT1に印加されたハイ電圧VGHが第2ノードQBに提供される。この際、第2バッファトランジスタBT2及び第2キャリートランジスタCBT2はターンオンされる。次の水平区間H2は第2バッファトランジスタBT2及び第2キャリートランジスタCBT2のターンオン区間である。
【0095】
第1出力端子OT1及び第2出力端子OT2には第1ロー電圧VGL1及び第2ロー電圧VGL2がそれぞれ提供される。第1出力端子OT1に提供された第1ロー電圧VGL1は
図4bを参照して説明したスキャン信号GWiのロー電圧V-LOWと同じである。
【0096】
また、2番目のステージST2(
図5bを参照)からキャリー信号C-GW2を受信した第6制御トランジスタDT6がターンオンされる。第6制御トランジスタDT6は第1ノードQに第2ロー電圧VGL2を提供する。第1バッファトランジスタBT1と第1キャリートランジスタCBT1がターンオフされる。
【0097】
図6は、本発明の一実施例によるスキャン駆動回路GWDのレイアウトを示す平面図である。
図7は、第1バッファトランジスタBT1の等価回路図である。
図8aは、
図6の第1領域G-10を拡大して示す平面図である。
図8bは、
図8aのI-I’に対応する断面図である。
図8cは、
図6の第2領域G-20を拡大して示す平面図である。
図8dは、
図8cのII-II’に対応する断面図である。
図8eは、
図6の第3領域G-30を拡大して示す平面図である。
【0098】
図6は
図5bのブロック図と
図5cの等価回路図を有するスキャン駆動回路GWDのレイアウトを示している。第1領域AR1にはスキャン駆動回路GWDにクロック信号CLK1、CLK2を提供する信号ラインが配置される。第2領域AR2には、
図5cを参照して説明した第2出力部OPC2の第1キャリートランジスタCBT1、第2キャリートランジスタCBT2、及び第2キャパシタC20と制御部CRCの第1乃至第6制御トランジスタDT1乃至DT6が配置される。第3領域AR3には
図5cを参照して説明した第1出力部OPC1の第1バッファトランジスタBT1と第2バッファトランジスタBT2が配置される。より詳しくは、第3-1領域AR3-1に第1バッファトランジスタBT1が配置され、第3-2領域AR3-2に第2バッファトランジスタBT2が配置される。
【0099】
図6を参照すると、スキャン駆動回路GWDが占める面積のうち第1出力部OPC1の占有面積が非常に大きいことが分かる。これは第1バッファトランジスタBT1と第2バッファトランジスタBT2が複数個のユニットトランジスタUTを含むためである。複数個のユニットトランジスタUTは第1バッファトランジスタBT1と第2バッファトランジスタBT2のチャネル幅を増加させ、鋭い立ち上がりエッジと鋭い立ち下がりエッジを有するスキャン信号GWi(
図4bを参照)を生成する。複数個のユニットトランジスタUTが増加することはチャネル幅が増加することと同じであるため、第1バッファトランジスタBT1と第2バッファトランジスタBT2の出力特性を確保するために広い領域に複数個のユニットトランジスタUTを形成する。
【0100】
図7は、第1バッファトランジスタBT1を構成する並列連結された複数個のユニットトランジスタUTを示している。複数個のユニットトランジスタUTは第1ユニットトランジスタUT1と第2ユニットトランジスタUT2を含み、一つの第1ユニットトランジスタUT1と一つの第2バッファトランジスタUT2は一対をなす。
【0101】
図8a乃至
図8eは、第1バッファトランジスタBT1と第2バッファトランジスタBT2の構造を説明するためにスキャン駆動回路GWDの互いに異なる領域G-10、G-20、G-30を拡大して示している。
図8aには第2制御トランジスタDT2、第5制御トランジスタDT5、及び第2キャパシタC20が第1バッファトランジスタBT1と共に示されている。第2制御トランジスタDT2、第5制御トランジスタDT5、第2キャパシタC20、及び第1バッファトランジスタBT1の連結関係は
図5cの等価回路と同じである。
【0102】
図8aは
図5cの等価回路のうち第2制御トランジスタDT2、第5制御トランジスタDT5、第2キャパシタC20、及び第1バッファトランジスタBT1に対応するレイアウトを示している。第2制御トランジスタDT2のゲートと第1バッファトランジスタBT1のドレインは第2クロック信号CLK2を受信する。第2キャパシタC20と第5制御トランジスタDT5は第2出力端子OT2に連結される。第2キャパシタC20と第2制御トランジスタDT2は第1ノードQに連結される。第5制御トランジスタDT5のゲートは第2ノードQBに連結される。第1バッファトランジスタBT1はスキャンラインGWL1に連結される。以下、
図8a及び
図8eを参照して第1バッファトランジスタBT1の構造について詳細に説明する。
【0103】
図8aを参照すると、第1バッファトランジスタBT1は、複数個の第1半導体パターンOSL1(または複数個の第1半導体パターン層)と、第1ゲート電極GE1と、複数個の第2半導体パターンOSL2(または複数個の第2半導体パターン層)と、第2ゲート電極GE2とを含む。
図8aにおいて、複数個の第1半導体パターンOSL1は複数個の第2半導体パターンOSL2に1対1に重畳するように示されている。第1半導体パターンOSL1と第2半導体パターンOSL2を区別するために第1半導体パターンOSL1は第2半導体パターンOSL2より大きく示されているが、これに限らず、第1半導体パターンOSL1と第2半導体パターンOSL2は同じ面積を有してもよい。また、第1ゲート電極GE1は第2ゲート電極GE2に重畳する。第1ゲート電極GE1と第2ゲート電極GE2を区別するために、第2ゲート電極GE2がより大きい面積を有するように示されている。第1ゲート電極GE1の下側には遮蔽電極BMLが配置される。遮蔽電極BMLは第1ゲート電極GE1重畳し、第1ゲート電極GE1に対応する形状を有する。
【0104】
複数個の第1半導体パターンOSL1と複数個の第2半導体パターンOSL2は第2方向DR20に延長され、第2方向DR20と交差する第1方向DR10に並べられる。第2方向DR20は
図1の第2方向DR2と平行してもよいが、必ずしも平行するとは限らない。
【0105】
第1ゲート電極GE1と第2ゲート電極GE2は第1コンタクト孔CNT-1を介して電気的に連結される。第1ゲート電極GE1は第1方向DR10に延長され、第2方向DR20に離隔される第1部分GP1と第2部分GP2を含む。第2ゲート電極GE2は第1方向DR10に延長され、第2方向DR20に離隔される第3部分GP3と第4部分GPを含む。第1部分GP1と第3部分GP3が重畳し、第2部分GP2と第4部分GP4が重畳する。
【0106】
第1ゲート電極GE1の第1部分GP1と第2部分GP2は第2キャパシタC20の下部電極C20-Lを介して連結される。第2ゲート電極GE2の第3部分GP3と第4部分GP4は第2キャパシタC20の上部電極C20-Uを介して連結される。第1バッファトランジスタBT1は第1連結電極CNE1を介して第2クロック信号CLK2を受信する。
【0107】
第1バッファトランジスタBT1並列連結された複数個のユニットトランジスタUTを含む。ユニットトランジスタUTそれぞれは、
図7を参照して説明した第1ユニットトランジスタUT1と第2ユニットトランジスタUT2を含む。
【0108】
図8aに示したように、複数個のユニットトランジスタUTは第1行と第2行を成す。第1ゲート電極GE1の第1部分GP1に対応するように第1行のユニットトランジスタUTが配置され、第1ゲート電極GE1の第2部分GP2に対応するように第2行のユニットトランジスタUTが配置される。第1行のユニットトランジスタUTと第2行のユニットトランジスタUTとの間にスキャンラインGWL1が配置されるため、第1行のユニットトランジスタUTと第2行のユニットトランジスタUTは第1方向DR10に対して対称の構造を有する。つまり、第1行のユニットトランジスタUTのドレイン(または入力領域)とソース(または出力領域)の配置は、第2行のユニットトランジスタUTのドレイン(または入力領域)とソース(または出力領域)の配置と第1方向DR10に対して対称である。
図8a乃至
図8eを参照すると、第2行より短い第1行を含む複数個のユニットトランジスタUTを例示的に示している。
【0109】
以下、
図8bを参照して一つのユニットトランジスタUTについて詳細に説明する。ベース層BLの上面にバリア層BRLが配置される。バリア層BRLの上に遮蔽電極BMLが配置される。バリア層BRLの上に遮蔽電極BMLをカバーするバッファ層BFLが配置される。バリア層BRLまたはバッファ層BFLは酸化ケイ素層及び窒化ケイ素層を含む。酸化ケイ素層及び窒化ケイ素層は交互に積層される。
【0110】
バッファ層BFLの上に第1半導体パターンOSL1が配置される。第1半導体パターンOSL1はバッファ層BFLの上に配置される半導体層の複数個のパターンのうち一つに当たる。第1半導体パターンOSL1は金属酸化物を含む。金属酸化物半導体は結晶質または非晶質酸化物半導体を含む。例えば、酸化物半導体は、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、チタン(Ti)などの金属酸化物、または亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、チタン(Ti)などの金属とこれらの酸化物の混合部物を含む。酸化物半導体は、インジウム-錫酸化物(ITO)、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(IGZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛-インジウム酸化物(ZIO)、インジウム酸化物(InO)、チタン酸化物(TiO)、インジウム-亜鉛-錫酸化物(IZTO)、亜鉛-錫酸化物(ZTO)などを含む。
【0111】
第1半導体パターンOSL1は、金属酸化物が還元されたのか否かによって区分される複数個の領域を含む。金属酸化物が還元された領域(以下、還元領域)はそうではない領域(以下、非還元領域)に比べ大きい伝導性を有する。還元領域は実質的にトランジスタのソース/ドレインまたは信号ラインの役割を有する。非還元領域は実質的にトランジスタの半導体領域(またはチャネル)に当たる。言い換えれば、半導体パターンの一部分はトランジスタの半導体領域であり、他の一部分はトランジスタのソース/ドレインであり、また他の一部分は信号伝達領域である。
【0112】
第1半導体パターンOSL1は、第1入力領域IA1(またはドレイン領域)と、第1チャネル領域CA1(または半導体領域)と、第1出力領域OA1(またはソース領域)とを含む。第1チャネル領域CA1は第1入力領域IA1と第1出力領域OA1との間に配置される。第1半導体パターンOSL1の第1入力領域IA1は第1バッファトランジスタBT1のドレインに当たり、第1出力領域OA1は第1バッファトランジスタBT1のソースに当たる。
【0113】
第1半導体パターンOSL1の上に第1絶縁層10が配置される。第1絶縁層10は第1チャネル領域CA1に重畳する。本実施例において、第1絶縁層10はベース層BLに全面的に形成されず、後述する特定の導電パターンにのみ重畳する。但し、これに限らず、本発明の一実施例において、第1絶縁層10はベース層BLに全面的に重畳してもよい。
【0114】
第1絶縁層10の上に第1ゲート電極GE1が配置される。バッファ層BFLの上に第1半導体パターンOSL1が配置され、第1ゲート電極GE1を覆う第2絶縁層20が第1半導体パターンOSL1上に配置される。第2半導体パターンOSL2は平面上で第2絶縁層20の上に配置される半導体層の複数個のパターンのうち一つに当たる。第2半導体パターンOSL2は金属酸化物を含む。第2半導体パターンOSL2は第1半導体パターンOSL1の上述した金属酸化物半導体物質のうちいずれか一つを含む。第2半導体パターンOSL2は第1半導体パターンOSL1と同じ金属酸化物を含むか、異なる金属酸化物を含む。
【0115】
第2半導体パターンOSL2は、第2入力領域IA2(またはドレイン領域)と、第2チャネル領域CA2(または半導体領域)と、第2出力領域OA2(またはソース領域)とを含む。第2半導体パターンOSL2の第2入力領域IA2は第2絶縁層20を貫通する第2コンタクト孔CNT-2を介して第1半導体パターンOSL1の第1入力領域IA1に電気的に連結される。第2半導体パターンOSL2の第2出力領域OA2は第2絶縁層20を貫通する第3コンタクト孔CNT-3を介して第1半導体パターンOSL1の第1出力領域OA1に電気的に連結される。
【0116】
第2半導体パターンOSL2の上に第3絶縁層30が配置される。第3絶縁層30は第2半導体パターンOSL2の第2チャネル領域CA2に重畳する。本実施例において、第3絶縁層30はベース層BLに全面的に形成されず、後述する特定の導電パターンにのみ重畳する。第3絶縁層30はベース層BLに全面的に重畳してもよい。第3絶縁層30は第1絶縁層10より多少小さく示されているが、これに限らない。
図8bの断面上において、第3絶縁層30は第1絶縁層10と同じ長さを有してもよい。
【0117】
第3絶縁層30の上に第2ゲート電極GE2が配置される。第2絶縁層20の上に第2半導体パターンOSL2及び第2ゲート電極GE2をカバーする第4絶縁層40が配置される。第4絶縁層40の上に第1連結電極CNE1とスキャンラインGWL1が配置される。第1連結電極CNE1とスキャンラインGWL1は第4絶縁層40の上に配置される導電層から形成される互いに異なる導電パターンに当たる。例えば、第1連結電極CNE1が第1導電パターンと定義され、スキャンラインGWL1は第2導電パターンと定義される。第1連結電極CNE1は第4絶縁層40を貫通する第4コンタクト孔CNT-4を介して第2半導体パターンOSL2の第2入力領域IA2に電気的に連結される。スキャンラインGWL1は第4絶縁層40を貫通する第5コンタクト孔CNT-5を介して第2半導体パターンOSL2の第2出力領域OA2に電気的に連結される。図示していないが、第4絶縁層40の上には第1連結電極CNE1とスキャンラインGWL1をカバーする絶縁層が更に配置されてもよい。
【0118】
図8bを参照すると、第1半導体パターンOSL1と第1ゲート電極GE1は
図7の第1ユニットトランジスタUT1を定義し、第2半導体パターンOSL2と第2ゲート電極GE2は
図7の第2ユニットトランジスタUT2を定義する。第1ユニットトランジスタUT1の第1入力領域IA1、第2ユニットトランジスタUT2の第2入力領域IA2、及び第1連結電極CNE1が互いに電気的に連結され、第1ユニットトランジスタUT1の第1出力領域OA1、第2ユニットトランジスタUT2の第2出力領域OA2、及びスキャンラインGWL1が互いに電気的に連結される。
【0119】
図8cを参照すると、第1バッファトランジスタBT1の第1行のユニットトランジスタUTは第1キャパシタC10に隣接する領域で断絶される。第1バッファトランジスタBT1の第2行のユニットトランジスタUTは第1キャパシタC10に隣接する領域を通って延長される。第1バッファトランジスタBT1の第1ゲート電極GE1の第1部分GP1は第1キャパシタC10に隣接して断絶される。
図8aに示した第1連結電極CNE1も、同じく第1ゲート電極GE1の第1部分GP1に対応するように第1キャパシタC10に隣接して断絶される。第1バッファトランジスタBT1の第1ゲート電極GE1の第1部分GP1は第2部分GP2よりも短い長さを有する。
【0120】
第1キャパシタC10に隣接する領域に第2バッファトランジスタBT2の第1行のユニットトランジスタUT0が配置される。第2バッファトランジスタBT2の第1行のユニットトランジスタUT0は第1バッファトランジスタBT1の第1行のユニットトランジスタUTと同じ行に配置される。第2バッファトランジスタBT2の第1行のユニットトランジスタUT0と第1バッファトランジスタBT1の第1行のユニットトランジスタUTとの間に第1キャパシタC10が配置される。第1ゲート電極GE10(または第3ゲート電極)は第1キャパシタC10の下部電極C10-Lに連結され、第2ゲート電極GE20(または第4ゲート電極)は第1キャパシタC10の上部電極C10-Uに連結される。第2バッファトランジスタBT2は第2連結電極CNE2を介して第1キャパシタC10に連結される。
【0121】
第2バッファトランジスタBT2は第1バッファトランジスタBT1の第1部分GP1に対応する第1ゲート電極GE10を含み、第1バッファトランジスタBT1の第2部分GP2に対応する第2ゲート電極GE2を含む。第1ゲート電極GE10と第2ゲート電極GE2は第10コンタクト孔CNT-10を介して電気的に連結される。
【0122】
実質的に第2バッファトランジスタBT2の第1行のユニットトランジスタUT0は第1バッファトランジスタBT1の第1行のユニットトランジスタUTと同じ構造を有する。
図8dを参照すると、第2バッファトランジスタBT2の第1行のユニットトランジスタUT0は
図8cに示した第1バッファトランジスタBT1の第1行のユニットトランジスタUTと同じ積層構造を有する。
【0123】
第1半導体パターンOSL10の半分は第2バッファトランジスタBT2のユニットトランジスタUT0を定義し、第1半導体パターンOSL10の残りの半分は第1バッファトランジスタBT1のユニットトランジスタUTを定義する。第2半導体パターンOSL20の半分は第2バッファトランジスタBT2のユニットトランジスタUT0を定義し、第2半導体パターンOSL20の残りの半分は第1バッファトランジスタBT1のユニットトランジスタUTを定義する。
【0124】
図8dを参照すると、第2バッファトランジスタBT2の第1行のユニットトランジスタUT0は第1ユニットトランジスタUT0と第2ユニットトランジスタUT20を含む。
図8dの第1半導体パターンOSL10(または第3半導体パターン)は
図8bの第1半導体パターンOSL1に対応し、
図8dの第1ゲート電極GE10は第8bの第1ゲート電極GE1に対応し、
図8dの第2半導体パターンOSL20(または第4半導体パターン)は
図8bの第2半導体パターンOSL2に対応し、
図8dの第2ゲート電極GE20は
図8bの第2ゲート電極GE2に対応する。
図8b及び
図8dの対応する構成は同じ工程によって形成され、同じ物質を含む。
【0125】
第2半導体パターンOSL20の第2入力領域IA20(または第4入力領域)は第2絶縁層20を貫通する第2コンタクト孔CNT-2を介して第1半導体パターンOSL10の第1入力領域IA10(または第3入力領域)に電気的に連結される。第2半導体パターンOSL20第2出力領域OA20(または第4出力領域)は第2絶縁層20を貫通する第3コンタクト孔CNT-3を介して第1半導体パターンOSL10の第1出力領域OA10(または第3出力領域)に電気的に連結される。第2半導体パターンOSL20の第2チャネル領域CA20(または第4チャネル領域)は第1半導体パターンOSL10の第1チャネル領域CA10(または第3チャネル領域)に重畳する。一方、
図8dの第1半導体パターンOSL10は
図8bの第1半導体パターンOSL1と実質的に同じであり、
図8dの第2半導体パターンOSL20は
図8bの第2半導体パターンOSL2と実質的に同じである。
【0126】
図8eを参照すると、電圧ラインG-VLは第1ロー電圧VGL1を受信する。第2連結電極CNE2は第20コンタクト孔CNT-20を介して電圧ラインG-VLに電気的に連結される。電圧ラインG-VLは表示パネルの断面上で第2連結電極CNE2より上側に配置され、第20コンタクト孔CNT-20は電圧ラインG-VLと第2連結電極CNE2との間に配置される絶縁層を貫通する。例えば、電圧ラインG-VLは
図8bに示した第4絶縁層40より上側に配置される。電圧ラインG-VLは後述する
図10に示した
図5絶縁層50または第6絶縁層60の上に配置される導電パターンである。
【0127】
図9a乃至
図9hは、
図8aの一部領域PAAを基準にスキャン駆動回路の製造工程を示す平面図である。
図9a乃至
図9hの各ステップごとにフォトリソグラフィ工程が行われる。
図8bのバリア層BRL、バッファ層BFL、及び絶縁層10、20、30、40の形成工程に関する詳細な説明は省略する。以下、
図8a及び
図8bで説明した構成と同じ構成に関する詳細な説明は
図8a及び
図8bを参照する。
【0128】
図9aを参照すると、遮蔽電極BMLを形成する。遮蔽電極BMLは第2方向DR20に離隔され、それぞれが第1方向DR10に延長される第1部分BML-1と第2部分BML-2を含む。
【0129】
図9bを参照すると、遮蔽電極BMLの上に複数個の第1半導体パターンOSL1を形成する。複数個の第1半導体パターンOSL1は第2方向DR20に延長され、複数個の第1半導体パターンOSL1それぞれは第1部分BML-1と第2部分BML-2に重畳する。
【0130】
図9cを参照すると、複数個の第1半導体パターンOSL1の上に第1ゲート電極GE1を形成する。遮蔽電極BMLの第1部分BML-1と第2部分BML-2にそれぞれ重畳するように第1ゲート電極GE1の第1部分GP1と第2部分GP2を形成する。
【0131】
図9dを参照すると、第2絶縁層20(
図8bを参照)を貫通する第2コンタクト孔CNT-2、第2-1コンタクト孔CNT-20、及び第3コンタクト孔CNT-3を形成する。第2絶縁層20が形成されることで第2絶縁層20の水素が第1半導体パターンOSL1の第1ゲート電極GE1から露出された領域に拡散され、第1半導体パターンOSL1の還元反応が発生する。それによって第1半導体パターンOSL1は伝導性が異なる領域に区分される。
図9dは第1半導体パターンOSL1の互いに異なる領域を示している。
【0132】
第1半導体パターンOSL1それぞれは、第1入力領域IA1と、第1出力領域OA1と、第1入力領域IA1と第1出力領域OA1との間に配置される第1チャネル領域CA1と、第1-1入力領域IA1-1と、第1-1入力領域IA1-1と第1出力領域OA1との間に配置される第1-1チャネル領域CA1-1と、を含む。本発明の一実施例において、第1ゲート電極GE1が第1部分GP1のみ含めば第1-1入力領域IA1-1及び第1-1チャネル領域CA1-1は省略される。
【0133】
図9eを参照すると、第2絶縁層20の上に第1半導体パターンOSL1と重畳するように第2半導体パターンOSL2を形成する。第2半導体パターンOSL2それぞれは第2コンタクト孔CNT-2、第2-1コンタクト孔CNT-20、及び第3コンタクト孔CNT-3を介して第1半導体パターンOSL1のうち対応する第1半導体パターンOSL1に連結される。
【0134】
図9fを参照すると、複数個の第2半導体パターンOSL2の上に第2ゲート電極GE2を形成する。第1ゲート電極GE1の第1部分GP1と第2部分GP2にそれぞれ重畳するように第2ゲート電極GE2の第3部分GP3と第4部分GP4を形成する。
図9gを参照すると、第4絶縁層40(
図8bを参照)を貫通する第4コンタクト孔CNT-4、第4-1コンタクト孔CNT-40、及び第5コンタクト孔CNT-5を形成する。第4絶縁層40が形成される工程において、第2半導体パターンOSL2は伝導性が異なる領域に区分される。
図9gは第2半導体パターンOSL2の互いに異なる領域を示している。
【0135】
第2半導体パターンOSL2それぞれは、第2入力領域IA2と、第2出力領域OA2と、第2入力領域IA2と第2出力領域OA2との間に配置される第2チャネル領域CA2と、第2-1入力領域IA2-1と、第2-1入力領域IA2-1と第2出力領域OA2との間に配置される第2-1チャネル領域CA2-1と、を含む。本発明の一実施例において、第2ゲート電極GE2が第3部分GP3のみ含めば第2-1入力領域IA2-1及び第2-1チャネル領域CA2-1は省略される。
【0136】
図9hを参照すると、第4絶縁層40の上に第1連結電極CNE1とスキャンラインGWL1を形成する。第1連結電極CNE1は第4コンタクト孔CNT-4及び第4-1コンタクト孔CNT-40を介して第2半導体パターンOSL2それぞれの第2入力領域IA1と第2-1入力領域IA2-1に連結される。スキャンラインGWL1は第5コンタクト孔CNT-5を介して第2半導体パターンOSL2それぞれの第2出力領域OA2に連結される。
【0137】
第1連結電極CNE1は第2入力領域IA2に対応する部分CNE1-P1と第2-1入力領域IA2-1に対応する部分を含む。第2入力領域IA2に対応する部分CNE1-P2が第1導電パターン部分CNE1-P1と定義され、第2-1入力領域IA2-1に対応する部分CNE1-P2が第2導電パターン部分と定義される。
図8aを参照すると、第1導電パターン部分と第2導電パターン部分は一体の形状を有する。
【0138】
図10は、本発明の一実施例による画素の断面図である。
図10には
図8bに示したバリア層BRL、バッファ層BFL、及び絶縁層10、20、30、40が同じく示されており、これらに関する詳細な説明は
図8bを参照する。
【0139】
図10を参照すると、画素PXは画素回路PCと発光素子OLEDとを含む。
図10は、画素回路PCとして第1型トランジスタTP1と第2型トランジスタTP2を示している。
図4aに示した第1乃至第5トランジスタT1乃至T5は第1型トランジスタTP1及び第2型トランジスタTP2のうちいずれか一つのトランジスタと同じ積層構造を有する。第1乃至第5トランジスタT1乃至T5のうち少なくともいずれか一つは第1型トランジスタTP1と同じ積層構造を有し、少なくともいずれか一つは第2型トランジスタTP2と同じ積層構造を有する。
【0140】
第1型トランジスタTP1は
図8bの遮蔽電極BMLと同じ層の上に配置される第1下部ゲート電極TG1-2、及び
図8bの第1半導体パターンOSL1と同じ層の上に配置される半導体パターンOSL-1を含む。半導体パターンOSL-1は、出力領域TS1(またはソース領域)と、チャネル領域TA1と、入力領域TD1(またはドレイン領域)とを含む。第1型トランジスタTP1は
図8bの第1ゲート電極GE1と同じ層の上に配置される第1上部ゲート電極TG1-1を含む。
【0141】
第2型トランジスタTP2は、
図8bの第1ゲート電極GE1と同じ層の上に配置される第2下部ゲート電極TG2-2と、
図8bの第2半導体パターンOSL2と同じ層の上に配置される半導体パターンOSL-2とを含む。半導体パターンOSL-2は、出力領域TS2(またはソース領域)と、チャネル領域TA2と、入力領域TD2(またはドレイン領域)とを含む。第2型トランジスタTP2は
図8bの第2ゲート電極GE2と同じ層の上に配置される第2上部ゲート電極TG2-1を含む。
【0142】
第4絶縁層40の上に第5絶縁層50、第6絶縁層70、及び第7絶縁層70が配置される。第5絶縁層50の上に配置される連結電極TCNE1、TCNE2を例示的に示している。連結電極TCNE1、TCNE2のうち一つの連結電極TCNE1は第5絶縁層50を貫通するコンタクト孔117を介して第1半導体パターンOSL1の出力領域TS1に連結され、連結電極TCNE1、TCNE2のうち他の一つの連結電極TCNE2は第5絶縁層50を貫通するコンタクト孔118を介して第2半導体パターンOSL2の入力領域TD2に連結される。第6絶縁層60に配置される連結電極TCNE3は第6絶縁層60を貫通するコンタクト孔119を介して他の一つの連結電極TCNE2に連結される。
【0143】
第7絶縁層70の上に発光素子OLEDが配置される。発光素子OLEDの第1電極AEが第7絶縁層70の上に配置される。第1電極AEはアノードである。第7絶縁層70の上に画素定義膜PDLが配置される。画素定義膜PDLの開口部は第1電極AEの少なくとも一部分を露出させる。第1電極AEの上に正孔制御層HCL、発光層EML、電子制御層ECL、及び第2電極CEが配置される。正孔制御層HCLは正孔輸送層及び正孔注入層を含む。電子制御層ECLは電子輸送層及び電子注入層を含む。第2電極CEの上に薄膜封止層TFEが配置される。
【0144】
図11は、本発明の一実施例によるスキャン駆動回路の断面図である。
図11は
図8bに対応する断面を示している。
図8bのスキャン駆動回路との差を中心に説明する。
図11を参照すると、
図8bの第3絶縁層30が省略される。第4絶縁層40が第2半導体パターンOSL2を直接カバーする。第2ゲート電極GE2は第4絶縁層40の上に配置され、第1ゲート電極GE1に重畳する。第2ゲート電極GE2は第1連結電極CNE1及びスキャンラインGWL1と同じ工程によって形成され、同じ物質を含む。
第4絶縁層40の形成工程において、第2半導体パターンOSL2が還元されないように第4絶縁層40は相対的に水素濃度が低い無機物質を含む。第2ゲート電極GE2が形成された後、水素注入工程によって第2半導体パターンOSL2にドーパントを注入する。
【0145】
これまで本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者または該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。
【0146】
よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載されている内容に限らず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0147】
BL:ベース層 AA、NAA:表示領域、非表示領域
10-40:絶縁層(第1乃至第4絶縁層)
PC:画素回路 OLED:発光素子
BT1:第1バッファトランジスタ
GWD:第1スキャン駆動回路 OSL1:第1半導体パターン
GE1:第1ゲート電極 OSL2:第2半導体パターン
GE2:第2ゲート電極 CNE1:第1連結電極
GWL1:第1グループのスキャンライン
CLK2:第2クロック信号 BT2:第2バッファトランジスタ