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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002571
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】検査装置、治具及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/10 20060101AFI20231228BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G01R29/10 E
G01R1/073 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101841
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大島 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】多胡 茂
(72)【発明者】
【氏名】冨桝 勝仁
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA02
2G011AA12
2G011AA15
2G011AB01
2G011AB03
2G011AB04
2G011AB09
2G011AC14
2G011AC32
2G011AE11
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、検査装置を容易に組み立てることができると共に、高い検査精度を有する検査装置、治具及び検査方法を提供することである。
【解決手段】回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えている。検査装置は、第1治具及び第2治具を備えている。第1治具は、支持部材と、支持部材よりZ軸の負方向に位置するように支持部材に固定され、かつ、回路素子正主面に接触する絶縁部材と、を含んでいる。第2治具は、第1治具よりZ軸の負方向に位置し、かつ、1以上の外部電極に接触する1以上の端子を、含んでいる。第1治具は、第2治具に対してZ軸方向に相対的に移動できる構造を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路素子の検査装置であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
前記検査装置は、第1治具及び第2治具を備えており、
前記第1治具は、
支持部材と、
前記支持部材より前記Z軸の負方向に位置するように前記支持部材に固定され、かつ、前記回路素子正主面に接触する絶縁部材と、
を含んでおり、
前記第2治具は、
前記第1治具より前記Z軸の負方向に位置し、かつ、前記1以上の外部電極に接触する1以上の端子を、
含んでおり、
前記第1治具は、前記第2治具に対してZ軸方向に相対的に移動できる構造を有する、
検査装置。
【請求項2】
前記回路素子内を伝送される信号の波長を2πで割った値を基準距離と定義し、
前記絶縁部材が前記回路素子正主面に接している状態で、前記回路素子と前記支持部材との前記Z軸方向の距離は、前記基準距離より長い、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記回路素子内を伝送される信号の波長を2πで割った値を基準距離と定義し、
前記基準距離を半径とし、かつ、前記Z軸方向に見て、前記回路素子の中心を中心とする円を基準円と定義し、
前記絶縁部材が前記回路素子正主面に接している状態で、前記Z軸方向に見て、前記基準円は、前記絶縁部材の外縁内に収まっている、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記回路素子内を伝送される信号の波長を2πで割った値を基準距離と定義し、
前記Z軸方向に見て、前記回路素子の外縁から前記基準距離だけ前記回路素子から離れる方向に位置する線に囲まれた領域を基準領域と定義し、
前記絶縁部材が前記回路素子正主面に接している状態で、前記Z軸方向に見て、前記基準領域は、前記絶縁部材の外縁内に収まっている、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項5】
前記第1治具は、
前記絶縁部材において前記Z軸方向と直交する方向に位置する側面を覆う電磁波吸収部材を、
更に含んでいる、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項6】
前記第1治具は、
前記絶縁部材より前記Z軸の正方向に位置し、かつ、前記Z軸方向に見て、前記絶縁部材と重なる金属箔を、
更に含んでいる、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項7】
前記絶縁部材の材料の比誘電率は、10以下であり、
前記絶縁部材の材料の誘電体損失角は、0.01以下である、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項8】
前記絶縁部材の材料の比誘電率は、4以下であり、
前記絶縁部材の材料の誘電体損失角は、0.001以下である、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項9】
前記絶縁部材の材料は、ポリスチレンである、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項10】
前記回路素子には、前記外部電極を介して高周波信号が入力される、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項11】
前記回路素子は、アンテナを備えている、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項12】
前記絶縁部材は、前記絶縁部材の内部に空洞が設けられた中空構造を有しており、
前記絶縁部材が前記回路素子に接触する面に、前記空洞に繋がる孔が設けられており、
前記Z軸方向に見て、前記アンテナは、前記孔の外縁内に収まっている、
請求項11に記載の検査装置。
【請求項13】
前記支持部材は、金属部材である、
請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項14】
回路素子の検査装置に用いられる治具であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
前記治具は、
前記回路素子正主面に接触する絶縁部材と、
前記絶縁部材の前記Z軸と直交する方向に位置する側面を覆う第1電磁波吸収部材と、
前記絶縁部材の前記Z軸の正方向に位置する第2電磁波吸収部材と、
を備えている、
治具。
【請求項15】
回路素子の検査方法であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
第1治具は、
支持部材と、
前記支持部材より前記Z軸の負方向に位置するように前記支持部材に固定されている絶縁部材と、
を含んでおり、
第2治具は、
前記第1治具より前記Z軸の負方向に位置している1以上の端子を、
含んでおり、
前記第1治具を前記第2治具に対してZ軸方向に相対的に移動させることにより、前記回路素子正主面に前記絶縁部材を接触させると共に、前記1以上の外部電極に1以上の端子を接触させ、
前記回路素子の電気的特性を測定する、
検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路素子の検査に用いられる検査装置、治具及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の検査装置に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のモジュールソケットが知られている。モジュールソケットは、無線モジュールを保持する。そこで、モジュールソケットは、ベース部、ソケット蓋及びフックを備えている。ベース部は、無線モジュールの下に位置する。ソケット蓋は、無線モジュールの上に位置する。フックは、ベース部とソケット蓋とを固定する。
【0003】
ソケット蓋には、貫通孔が設けられている。無線モジュールが放射した電磁波は、貫通孔から上方向に進行する。これにより、測定器は、電磁波を受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-94741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のモジュールソケットにおいて、モジュールソケットの組み立てを容易にしつつ、無線モジュールの検査精度の向上を図りたいという要望がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、検査装置を容易に組み立てることができると共に、高い検査精度を有する検査装置、治具及び検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る検査装置は、
回路素子の検査装置であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
前記検査装置は、第1治具及び第2治具を備えており、
前記第1治具は、
支持部材と、
前記支持部材より前記Z軸の負方向に位置するように前記支持部材に固定され、かつ、前記回路素子正主面に接触する絶縁部材と、
を含んでおり、
前記第2治具は、
前記第1治具より前記Z軸の負方向に位置し、かつ、前記1以上の外部電極に接触する1以上の端子を、
含んでおり、
前記第1治具は、前記第2治具に対してZ軸方向に相対的に移動できる構造を有する。
【0008】
本発明の一形態に係る治具は、
回路素子の検査装置に用いられる治具であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
前記治具は、
前記回路素子正主面に接触する絶縁部材と、
前記絶縁部材の前記Z軸と直交する方向に位置する側面を覆う第1電磁波吸収部材と、
前記絶縁部材の前記Z軸の正方向に位置する第2電磁波吸収部材と、
を備えている。
【0009】
本発明の一形態に係る検査方法は、
回路素子の検査方法であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
第1治具は、
支持部材と、
前記支持部材より前記Z軸の負方向に位置するように前記支持部材に固定されている絶縁部材と、
を含んでおり、
第2治具は、
前記第1治具より前記Z軸の負方向に位置している1以上の端子を、
含んでおり、
前記第1治具を前記第2治具に対してZ軸方向に相対的に移動させることにより、前記回路素子正主面に前記絶縁部材を接触させると共に、前記1以上の外部電極に1以上の端子を接触させ、
前記回路素子の電気的特性を測定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る検査用コネクタによれば、検査装置を容易に組み立てることができると共に、検査精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、検査装置10の正面図である。
図2図2は、絶縁部材16及び電磁波吸収部材17の斜視図である。
図3図3は、絶縁部材16の斜視図である。
図4図4は、回路素子50及び第2治具14の断面図である。
図5図5は、マザー回路素子50Mの上面図、回路素子50の上面図及び回路素子50の下面図である。
図6図6は、絶縁部材16及びマザー回路素子50Mの上面図である。
図7図7は、検査装置10aの絶縁部材16及び電磁波吸収部材17の斜視図である。
図8図8は、回路素子50及び第2治具14の断面図である。
図9図9は、絶縁部材16及びマザー回路素子50Mの上面図である。
図10図10は、検査装置10bの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
[検査装置の構造]
以下に、本発明の実施形態に係る検査装置10について図面を参照しながら説明する。図1は、検査装置10の正面図である。なお、図1では、支持部材18のみ断面を示した。図2は、絶縁部材16及び電磁波吸収部材17の斜視図である。図3は、絶縁部材16の斜視図である。図4は、回路素子50及び第2治具14の断面図である。図5は、マザー回路素子50Mの上面図、回路素子50の上面図及び回路素子50の下面図である。図6は、絶縁部材16及びマザー回路素子50Mの上面図である。
【0013】
以下では、回路素子50の上主面S1(回路素子正主面)及び下主面S2(回路素子負主面)が並ぶ方向を上下方向と定義する。上方向は、Z軸の正方向と一致する。下方向は、Z軸の負方向と一致する。また、上下方向に直交する方向を前後方向及び左右方向と定義する。前後方向は、左右方向と直交する。ただし、上下方向、左右方向及び前後方向は、説明の便宜上定義した方向である。従って、上下方向、左右方向及び前後方向は、検査装置10の使用時の上下方向、左右方向及び前後方向と一致していなくてもよい。
【0014】
検査装置10は、回路素子50の検査を行う。具体的には、検査装置10は、回路素子50に高周波信号を入力させて、回路素子50の動作確認を行う。高周波信号の周波数は、例えば、20GHz以上である。検査装置10は、図1に示すように、第1治具12及び第2治具14を備えている。
【0015】
第1治具12は、絶縁部材16、電磁波吸収部材17,20、支持部材18及び金属箔22を含んでいる。支持部材18は、金属部材である。本実施形態では、支持部材18は、上主面及び下主面を有する金属板である。ただし、支持部材18の下主面には、窪みGが設けられている。支持部材18の材料は、例えば、SUS(Steel Use Stainless)である。
【0016】
絶縁部材16は、支持部材18より下(Z軸の負方向)に位置するように支持部材18に固定されている。また、絶縁部材16は、回路素子50の上主面S1(回路素子正主面)に接触する。
【0017】
より詳細には、絶縁部材16は、図2及び図3に示すように、平板部16a、円柱部16b及び突起部16cを含んでいる。平板部16aは、上主面及び下主面を有する板形状を有している。平板部16aは、上下方向に見て、長方形状を有している。平板部16aは、支持部材18の下主面に固定される。このとき、平板部16aは、窪みGと重なっている。
【0018】
円柱部16bは、上下方向に延びる中心軸線を有する円柱形状を有している。円柱部16bは、平板部16aの下主面の中央から下方向に突出している。また、円柱部16bは、上下方向に見て、窪みGと重なっている。
【0019】
突起部16cは、円柱部16bの下面から下方向に突出している。突起部16cは、四角錘台形状を有している。これにより、突起部16cの下端は、平面である。また、突起部16cの下面には、複数の位置マークMが設けられている。
【0020】
電磁波吸収部材17は、図2に示すように、円柱部16bの側面を覆っている。すなわち、電磁波吸収部材17(第1電磁波吸収部材)は、絶縁部材16において上下方向(Z軸方向)と直交する方向に位置する側面を覆っている。電磁波吸収部材20は、図1に示すように、平板部16a(図2参照)の上主面に固定されている。従って、電磁波吸収部材20は、窪みG内に位置している。これにより、電磁波吸収部材20(第2電磁波吸収部材)は、絶縁部材16の上に位置している。電磁波吸収部材17,20の材料は、例えば、発泡ポリエチレン又は発泡ポリウレタンである。
【0021】
金属箔22は、図1に示すように、絶縁部材16より上(Z軸の正方向)に位置し、かつ、上下方向(Z軸方向)に見て、絶縁部材16と重なっている。本実施形態では、金属箔22は、電磁波吸収部材20の上主面に貼り付けられている。これにより、金属箔22は、窪みG内に位置している。金属箔22の材料は、アルミニウムである。
【0022】
第2治具14は、図1に示すように、保持部材24、端子25b~25f及び治具基板26を含んでいる。保持部材24は、図4に示すように、上主面及び下主面を有する金属板である。ただし、保持部材24には、上下方向に貫通する複数の貫通孔hが設けられている。保持部材24の材料は、例えば、SUS(Steel Use Stainless)である。このような保持部材24は、グランド電位に接続される。
【0023】
端子25b~25fは、図1に示すように、第1治具12より下(Z軸の負方向)に位置している。端子25b~25fは、上下方向に見て、突起部16cと重なっている。端子25b,25e,25c,25d,25fは、左から右へとこの順に並んでいる。また、端子25b~25fは、保持部材24の貫通孔hを上下方向に貫通している。これにより、端子25b~25fは、保持部材24により支持されている。以下に、端子25b~25fの構造について説明する。
【0024】
端子25bは、筒部250、下ピン252、上ピン254及びスプリング256を含んでいる。筒部250は、上下方向に延びる筒形状を有している。本実施形態では、筒部250は、上下方向に延びる中心軸線を有する円筒形状を有している。筒部250の上端及び下端は、開口している。筒部250の上端部及び下端部の直径は、筒部250の残余の部分の直径より小さい。すなわち、筒部250は、筒部250の上端部及び下端部が少し絞られた形状を有している。
【0025】
下ピン252は、上下方向に延びる棒状部材である。下ピン252の上部は、筒部250の内部に位置している。下ピン252の下部は、筒部250から下方向に突出している。ただし、下ピン252の上部の直径は、下ピン252の下部の直径より大きい。これにより、下ピン252は、筒部250の下端の開口を下方向に通過することができない。
【0026】
上ピン254は、上下方向に延びる棒状部材である。上ピン254の下部は、筒部250の内部に位置している。上ピン254の上部は、筒部250から上方向に突出している。ただし、上ピン254の下部の直径は、上ピン254の上部の直径より大きい。これにより、上ピン254は、筒部250の上端の開口を上方向に通過することができない。
【0027】
スプリング256は、筒部250内に位置している。スプリング256の下端は、下ピン252の上端に接触している。スプリング256の上端は、上ピン254の下端に接触している。これにより、スプリング256は、下ピン252を下方向に押す共に、上ピン254を上方向に押している。以上の構造を有する端子25bは、スプリング256が上下方向に伸縮することにより、上下方向に伸縮することができる。具体的には、上ピン254が下方向に押される、又は、下ピン252が上方向に押されることにより、スプリング256が縮む。これにより、上ピン254が下方向に移動する、又は、下ピン252が上方向に移動する。その結果、端子25bが縮む。以上のような端子25bは、例えば、ベリリウム銅により作製されている。
【0028】
端子25bは、貫通孔h内に位置している。筒部250の外周面は、貫通孔hの内周面に接触している。これにより、端子25bは、グランド電位に接続されている。また、下ピン252の下端部は、貫通孔hから下方向に突出している。上ピン254の上端部は、貫通孔hから上方向に突出している。なお、端子25c,25dの構造は、端子25bと同じであるので説明を省略する。
【0029】
端子25fは、筒部260、下ピン262、上ピン264、スプリング266、バレル268、下絶縁部材270及び上絶縁部材272を含んでいる。
【0030】
バレル268は、上下方向に延びる筒形状を有している。本実施形態では、バレル268は、上下方向に延びる中心軸線を有する円筒形状を有している。バレル268の上端及び下端は、開口している。バレル268の上端部及び下端部の直径は、バレル268の残余の部分の直径より小さい。すなわち、バレル268は、バレル268の上端部及び下端部が少し絞られた形状を有している。バレル268には、グランド電位が接続される。
【0031】
下絶縁部材270は、上下方向に延びる中心軸線を有する円筒形状を有している。下絶縁部材270は、バレル268内に位置している。下絶縁部材270は、バレル268の下端部に位置している。
【0032】
上絶縁部材272は、上下方向に延びる中心軸線を有する円筒形状を有している。上絶縁部材272は、バレル268内に位置している。上絶縁部材272は、バレル268の上端部に位置している。下絶縁部材270及び上絶縁部材272の材料は、例えば、樹脂である。
【0033】
筒部260、下ピン262、上ピン264及びスプリング266の構造のそれぞれは、筒部250、下ピン252、上ピン254及びスプリング256の構造と同じであるので説明を省略する。筒部260、下ピン262、上ピン264及びスプリング266は、バレル268を上下方向に貫通している。ただし、下ピン262及び筒部260は、下絶縁部材270に支持されている。上ピン264及び筒部260は、上絶縁部材272に支持されている。これにより、筒部260、下ピン262、上ピン264及びスプリング266は、バレル268と絶縁されている。
【0034】
端子25eは、貫通孔h内に位置している。バレル268の外周面は、貫通孔hの内周面に接触している。これにより、端子25eは、グランド電位に接続されている。また、下ピン262の下端部は、貫通孔hから下方向に突出している。上ピン264の上端部は、貫通孔hから上方向に突出している。なお、端子25eの構造は、端子25fと同じであるので説明を省略する。
【0035】
なお、第2治具14は、端子25b~25f以外にも複数の端子を備えている。ただし、複数の端子の構造は、端子25b~25fと同じであるので説明を省略する。
【0036】
治具基板26は、端子25b~25f及び保持部材24より下に位置している。治具基板26は、基板本体26a及び外部電極26b~26fを含んでいる。基板本体26aは、上下方向に並ぶ上主面及び下主面を有する板形状を有している。外部電極26b~26fは、基板本体26aの上主面に位置している。外部電極26b~26fのそれぞれは、端子25b~25fの下端に接触している。外部電極26b~26dには、グランド電位が接続される。外部電極26e,26fから、高周波信号が出力される。
【0037】
次に、回路素子50について説明する。回路素子50は、図1に示すように、下方向(Z軸の負方向)に向かってこの順に並ぶ上主面S1(回路素子正主面)及び下主面S2(回路素子負主面)を有している。回路素子50は、図5に示すように、本体50a、外部電極50b~50f及びアンテナ50h,50gを備えている。
【0038】
本体50aは、複数の絶縁体層が上下方向に積層された構造を有している。絶縁体層の材料は、例えば、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂は、例えば、液晶ポリマである。
【0039】
アンテナ50h,50gは、上下方向に見て、長方形状を有している。アンテナ50h,50gは、本体50a内に位置している。アンテナ50h,50gは、高周波信号の電磁波を放射又は受信する。
【0040】
外部電極50b~50fは、回路素子50の下主面S2(回路素子負主面)に位置している。外部電極50b,50e,50c,50d,50fは、左から右へとこの順に並んでいる。端子25b~25fの上端のそれぞれは、図4に示すように、外部電極50b~50fに接触する。これにより、外部電極50b~50dは、グランド電位に接続される。外部電極50e,50fには、高周波信号が入力される。その結果、回路素子50には、外部電極50e,50fを介して高周波信号が入力される。
【0041】
なお、回路素子50は、外部電極50b~50e以外にも外部電極を備えている。ただし、外部電極50b~50e以外の外部電極の構造は、外部電極50b~50fと同じであるので説明を省略する。
【0042】
マザー回路素子50Mは、図5に示すように、複数の回路素子50を備えている。複数の回路素子50は、上下方向に見て、マトリクス状に配列される。
【0043】
以上のような検査装置10は、複数の回路素子50を連続して検査する。具体的には、第1治具12は、第2治具14に対して上下方向(Z軸方向)に相対的に移動できる構造を有する。まず、第1治具12を、端子25b~25fに対して上下方向(Z軸方向)に移動させる。第1治具12が下降して、絶縁部材16の突起部16cを回路素子50の上主面(正主面)に接触させる。このとき、上下方向に見て、アンテナ50g,50hは、突起部16cの外縁内に収まっている。そして、外部電極26b~26fに端子25b~25fを接触させる。これにより、端子25b~25fは、外部電極50b~50fに押し付けられる。この後、回路素子50の電気的特性を測定する。具体的には、図示しない高周波信号発生装置は、高周波信号を発生する。この高周波信号は、外部電極26e,26f、端子25e,25fを介して、外部電極50e,50fに入力される。そして、アンテナ50h,50gは、高周波信号の電磁波を上方向に放射する。高周波発生装置は、このときの回路素子50の伝送特性を測定する。
【0044】
回路素子50の伝送特性の測定が完了すると、第1治具12が上昇して、絶縁部材16の突起部16cが回路素子50から離れる。更に、端子25b~25fも外部電極50b~50fから離れる。そして、図示しない搬送機構は、マザー回路素子50Mを前後方向又は左右方向に移動させる。この後、検査装置10は、伝送特性を測定した回路素子50の隣の回路素子50の伝送特性を測定する。
【0045】
ところで、回路素子50が実際に使用されるときには、回路素子50は、空気中に高周波信号の電磁波を放射する。従って、回路素子50の伝送特性の測定時の環境は、回路素子50が空気中に高周波信号電磁波を放射する環境に近いことが好ましい。ただし、回路素子50の伝送特性を測定するためには、回路素子50を端子25b~25fに押し付ける必要がある。そのため、絶縁部材16が、回路素子50の上主面に接触する。
【0046】
そこで、絶縁部材16の比誘電率は、空気の比誘電率(1)に近いことが好ましい。絶縁部材16の材料の比誘電率は、例えば、10以下である。ただし、絶縁部材16の材料の比誘電率は、4以下であることが好ましい。これにより、回路素子50の伝送特性の測定時の環境は、回路素子50が空気中に高周波信号電磁波を放射する環境に近くなる。そして、回路素子50が放射した高周波信号の電磁波は、絶縁部材16により反射されにくくなる。
【0047】
また、高周波信号の電磁波は、絶縁部材16内を通過するときに、絶縁部材16に吸収されないことが望ましい。そこで、絶縁部材16の材料の誘電体損失角は、例えば、0.01以下である。ただし、絶縁部材16の材料の誘電体損失角は、0.001以下であることが好ましい。
【0048】
また、絶縁部材16は、回路素子50に強く接触する。そのため、絶縁部材16は、回路素子50に接触した際に、大きく変形しない硬さを有する。従って、絶縁部材16の材料のヤング率は、例えば、3GPaである。以上の条件を満たす絶縁部材16の材料は、例えば、ポリスチレンである。
【0049】
更に、検査装置10では、回路素子50が放射した高周波信号の電磁波が支持部材18において反射する場合がある。このような反射波が回路素子50に入力すると、回路素子50の検査精度が低下する。そこで、検査装置10では、以下に説明する構造を備えている。
【0050】
まず、回路素子50内を伝送される信号の波長を2πで割った値を基準距離Dと定義する。電磁波の発生源から基準距離Dより近くに位置する領域を近傍界と呼ぶ。電磁波の発生源から基準距離Dより遠くに位置する領域を遠方界と呼ぶ。
【0051】
電磁波の振幅は、近傍界において急激に変動し、遠方界では大きく変動しない。従って、支持部材18が近傍界に位置していると、大きな振幅を有する反射波が回路素子50に入力する可能性がある。この場合、回路素子50の検査精度が低下しやすい。
【0052】
そこで、検査装置10では、支持部材18は、遠方界に位置している。具体的には、図1に示すように、絶縁部材16が回路素子50の上主面S1(回路素子正主面)に接している状態で、回路素子50と支持部材18との上下方向(Z軸方向)の距離Lは、基準距離Dより長い。これにより、大きな振幅を有する反射波が回路素子50に入力する可能性が低減される。よって、回路素子50の検査精度が向上する。
【0053】
更に、図6に示すように、基準距離Dを半径とし、かつ、上下方向(Z軸方向)に見て、回路素子50の中心C0を中心とする円を基準円C1と定義する。絶縁部材16が回路素子50の上主面S1(回路素子正主面)に接している状態で、上下方向(Z軸方向)に見て、基準円C1は、絶縁部材16の外縁内に収まっている。本実施形態では、図6に示すように、絶縁部材16が回路素子50の上主面S1(回路素子正主面)に接している状態で、上下方向(Z軸方向)に見て、基準円C1は、絶縁部材16の円柱部16bの外縁内に収まっている。そして、電磁波吸収部材17は、円柱部16bの側面を覆っている。これにより、電磁波吸収部材17は、遠方界に位置している。そのため、遠方界における電磁波の吸収に適した材料が電磁波吸収部材17に採用されることにより、電磁波吸収部材17は、遠方界において、円柱部16bの外部に漏れ出る電磁波を効果的に吸収するようになる。その結果、高周波信号の電磁波が支持部材18により反射されにくくなる。以上より、回路素子50の検査精度が向上する。
【0054】
なお、上下方向(Z軸方向)に見て、回路素子50の外縁から基準距離Dだけ回路素子50から離れる方向に位置する線に囲まれた領域を基準領域A2と定義する。絶縁部材16が回路素子50の上主面S1(回路素子正主面)に接している状態で、上下方向(Z軸方向)に見て、基準領域A2は、絶縁部材16の外縁内に収まっている。本実施形態では、絶縁部材16が回路素子50の上主面S1(回路素子正主面)に接している状態で、上下方向(Z軸方向)に見て、基準領域A2は、絶縁部材16の円柱部16bの外縁内に収まっている。これにより、電磁波吸収部材17は、円柱部16bの外部に漏れ出る電磁波をより効果的に吸収するようになる。その結果、高周波信号の電磁波が支持部材18により反射されにくくなる。以上より、回路素子50の検査精度が向上する。
【0055】
検査装置10では、回路素子50の検査時に、絶縁部材16が回路素子50の上主面に上から接触し、端子25b~25fが外部電極50b~50fに下から接触する。従って、絶縁部材16、端子25b~25f及び回路素子50をフックにより固定する必要がない。従って、検査装置10を容易に組み立てることができる。
【0056】
検査装置10では、金属箔22は、絶縁部材16より上に位置し、かつ、上下方向に見て、絶縁部材16と重なっている。これにより、高周波信号の電磁波が、金属箔22より上にノイズとして放射されにくくなる。
【0057】
(第1変形例)
以下に、第1変形例に係る検査装置10aについて図面を参照しながら説明する。図7は、検査装置10aの絶縁部材16及び電磁波吸収部材17の斜視図である。図8は、回路素子50及び第2治具14の断面図である。図9は、絶縁部材16及びマザー回路素子50Mの上面図である。
【0058】
検査装置10aは、図7及び図8に示すように、絶縁部材16が、絶縁部材16の内部に空洞Spが設けられた中空構造を有している点において検査装置10と相違する。そして、絶縁部材16が回路素子50に接触する面に、空洞Spに繋がる孔H0が設けられている。このような検査装置10aでは、図9に示すように、上下方向(Z軸方向)に見て、アンテナ50g,50hは、孔H0の外縁内に収まっている。すなわち、上下方向に見て、突起部16cの外縁は、アンテナ50g,50hを囲むように回路素子50に接触する。これにより、アンテナ50g,50hが放射した電磁波は、空洞Sp内を上方向に伝搬される。その結果、アンテナ50g,50hが放射した電磁波が、反射により回路素子50に入力することが抑制される。更に、突起部16cがアンテナ50g,50hの周囲に接触するので、回路素子50に反りが発生しにくい。その結果、端子25b~25fが外部電極50b~50fに接触しやすくなる。検査装置10aのその他の構造は、検査装置10と同じであるので説明を省略する。
【0059】
(第2変形例)
以下に、第2変形例に係る検査装置10bについて図面を参照しながら説明する。図10は、検査装置10bの正面図である。
【0060】
検査装置10bは、第1治具12が複数の絶縁部材16を備えている点において検査装置10と相違する。これにより、検査装置10bは、第1治具12を移動させずに複数の回路素子50を検査できる。検査装置10bのその他の構造は、検査装置10と同じであるので説明を省略する。
【0061】
(その他の実施形態)
本発明に係る検査装置は、検査装置10,10a,10bに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。また、検査装置10,10a,10bの構造を任意に組わせてもよい。
【0062】
なお、絶縁部材16の材料は、ポリスチレンに限らない。絶縁部材16の材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂であってもよいし、石英であってもよい。
【0063】
なお、高周波信号の周波数は、20GHzであるとした。しかしながら、高周波信号の周波数は、20GHzより低くてもよい。高周波信号の周波数は、5GHzであってもよい。ただし、検査装置10,10a,10bは、20GHz以上の高周波信号の回路素子50の検査に適している。
【0064】
なお、回路素子50は、アンテナ50g,50hを備えている。しかしながら、回路素子50は、アンテナ50g,50hを備えていなくてもよい。
【0065】
なお、検査装置10,10a,10bは、1以上の端子を備えていればよい。また、回路素子50は、1以上の外部電極を備えていればよい。
【0066】
なお、第1治具12が第2治具14に対して上下方向に相対的に移動すればよいので、第1治具12が上下動する代わりに、第2治具14が上下動してもよい。
【0067】
なお、絶縁部材16は、突起部16cを含んでいなくてもよい。この場合、円柱部16bの下端が回路素子50の上主面に接触する。
【0068】
なお、第1治具12は、第2治具14より下に位置していてもよい。
【0069】
なお、支持部材18の材料は、金属以外であってもよい。支持部材18は、例えば、セラミックや硬質樹脂であってもよい。セラミック硬質樹脂も、金属と同様に、電磁波を反射する。ただし、支持部材18の材料は、金属であることが好ましい。
【0070】
本発明は、以下の構造を備える。
【0071】
(1)
回路素子の検査装置であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
前記検査装置は、第1治具及び第2治具を備えており、
前記第1治具は、
支持部材と、
前記支持部材より前記Z軸の負方向に位置するように前記支持部材に固定され、かつ、前記回路素子正主面に接触する絶縁部材と、
を含んでおり、
前記第2治具は、
前記第1治具より前記Z軸の負方向に位置し、かつ、前記1以上の外部電極に接触する1以上の端子を、
含んでおり、
前記第1治具は、前記第2治具に対してZ軸方向に相対的に移動できる構造を有する、
検査装置。
【0072】
(2)
前記回路素子内を伝送される信号の波長を2πで割った値を基準距離と定義し、
前記絶縁部材が前記回路素子正主面に接している状態で、前記回路素子と前記支持部材との前記Z軸方向の距離は、前記基準距離より長い、
(1)に記載の検査装置。
【0073】
(3)
前記回路素子内を伝送される信号の波長を2πで割った値を基準距離と定義し、
前記基準距離を半径とし、かつ、前記Z軸方向に見て、前記回路素子の中心を中心とする円を基準円と定義し、
前記絶縁部材が前記回路素子正主面に接している状態で、前記Z軸方向に見て、前記基準円は、前記絶縁部材の外縁内に収まっている、
(1)又は(2)に記載の検査装置。
【0074】
(4)
前記回路素子内を伝送される信号の波長を2πで割った値を基準距離と定義し、
前記Z軸方向に見て、前記回路素子の外縁から前記基準距離だけ前記回路素子から離れる方向に位置する線に囲まれた領域を基準領域と定義し、
前記絶縁部材が前記回路素子正主面に接している状態で、前記Z軸方向に見て、前記基準領域は、前記絶縁部材の外縁内に収まっている、
(1)ないし(3)のいずれかに記載の検査装置。
【0075】
(5)
前記第1治具は、
前記絶縁部材において前記Z軸方向と直交する方向に位置する側面を覆う電磁波吸収部材を、
更に含んでいる、
(1)ないし(4)のいずれかに記載の検査装置。
【0076】
(6)
前記第1治具は、
前記絶縁部材より前記Z軸の正方向に位置し、かつ、前記Z軸方向に見て、前記絶縁部材と重なる金属箔を、
更に含んでいる、
(1)ないし(5)のいずれかに記載の検査装置。
【0077】
(7)
前記絶縁部材の材料の比誘電率は、10以下であり、
前記絶縁部材の材料の誘電体損失角は、0.01以下である、
(1)ないし(6)のいずれかに記載の検査装置。
【0078】
(8)
前記絶縁部材の材料の比誘電率は、4以下であり、
前記絶縁部材の材料の誘電体損失角は、0.001以下である、
(1)ないし(7)のいずれかに記載の検査装置。
【0079】
(9)
前記絶縁部材の材料は、ポリスチレンである、
(1)ないし(8)のいずれかに記載の検査装置。
【0080】
(10)
前記回路素子には、前記外部電極を介して高周波信号が入力される、
(1)ないし(9)のいずれかに記載の検査装置。
【0081】
(11)
前記回路素子は、アンテナを備えている、
(1)ないし(10)のいずれかに記載の検査装置。
【0082】
(12)
前記絶縁部材は、前記絶縁部材の内部に空洞が設けられた中空構造を有しており、
前記絶縁部材が前記回路素子に接触する面に、前記空洞に繋がる孔が設けられており、
前記Z軸方向に見て、前記アンテナは、前記孔の外縁内に収まっている、
(11)のいずれかに記載の検査装置。
【0083】
(13)
前記支持部材は、金属部材である、
(1)ないし(12)のいずれかに記載の検査装置。
【0084】
(14)
回路素子の検査装置に用いられる治具であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
前記治具は、
前記回路素子正主面に接触する絶縁部材と、
前記絶縁部材の前記Z軸と直交する方向に位置する側面を覆う第1電磁波吸収部材と、
前記絶縁部材の前記Z軸の正方向に位置する第2電磁波吸収部材と、
を備えている、
治具。
【0085】
(15)
回路素子の検査方法であって、
前記回路素子は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ回路素子正主面及び回路素子負主面を有し、かつ、前記回路素子負主面に位置する1以上の外部電極を備えており、
第1治具は、
支持部材と、
前記支持部材より前記Z軸の負方向に位置するように前記支持部材に固定されている絶縁部材と、
を含んでおり、
第2治具は、
前記第1治具より前記Z軸の負方向に位置している1以上の端子を、
含んでおり、
前記第1治具を前記第2治具に対してZ軸方向に相対的に移動させることにより、前記回路素子正主面に前記絶縁部材を接触させると共に、前記1以上の外部電極に1以上の端子を接触させ、
前記回路素子の電気的特性を測定する、
検査方法。
【符号の説明】
【0086】
10,10a,10b:検査装置
12:第1治具
14:第2治具
16:絶縁部材
16a:平板部
16b:円柱部
16c:突起部
17,20:電磁波吸収部材
18:支持部材
22:金属箔
24:保持部材
25b~25f:端子
26:治具基板
26a:基板本体
26b~26f,50b~50f:外部電極
50:回路素子
50M:マザー回路素子
50a:本体
50g,50h:アンテナ
250,260:筒部
252,262:下ピン
254,264:上ピン
256,266:スプリング
268:バレル
270:下絶縁部材
272:上絶縁部材
A2:基準領域
C0:中心
C1:基準円
G:窪み
h:貫通孔
H0:孔
M:位置マーク
S1:上主面
S2:下主面
Sp:空洞
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10