(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025720
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ゲートバルブ、バルブを備えたモジュール、及びバルブを備えたバルク材料を搬送するための装置
(51)【国際特許分類】
F16K 3/02 20060101AFI20240216BHJP
F16K 31/122 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
F16K3/02 F
F16K31/122
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023129114
(22)【出願日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】10 2022 002 961.8
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516031196
【氏名又は名称】クラーマー ヴァルター
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター クラーマー
【テーマコード(参考)】
3H053
3H056
【Fターム(参考)】
3H053AA01
3H053AA31
3H053DA06
3H056AA05
3H056BB21
3H056BB41
3H056CA01
3H056CB03
3H056CD04
3H056GG02
3H056GG17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バルク材料を選択された送り部から選択された受け部に確実に搬送できるように、ゲートバルブ、バルブを備えたモジュール、及びバルブを備えたバルク材料を搬送するための装置を提供すること。
【解決手段】ゲートバルブは、搬送ライン(57)を開閉するためのゲート(44)を備え、ゲート(44)は、ピストン(49)と接続されている。ピストン(49)は、ハウジング(43)内の圧力空間(61)を境界付け、圧力空間(61)は、搬送ライン(57)の内部と圧力接続可能である。バルク材料を搬送するための装置の搬送ライン(57)を組み立てるためのモジュールは、管部分を有し、管部分から管形状の横部材が分岐し、横部材には、バルブ(14)が設けられている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ライン(57)を開閉するためのゲート(44)を備えたゲートバルブであって、
前記ゲート(44)は、ハウジング(43)内の圧力空間(61)を境界付けるピストン(49)と接続されており、前記圧力空間(61)は、前記搬送ライン(57)の内部と圧力接続可能である前記ゲートバルブにおいて、
前記搬送ライン(57)と前記圧力空間(61)の間の圧力伝達接続部(56、60)内に切替バルブ(54)が設けられており、前記切替バルブ(54)は、開かれた状態で前記搬送ライン(57)と前記圧力空間(61)の間の圧力接続を解放し、それにより前記ゲート(44)は、前記ピストン(49)を介し、前記ゲート(44)の解放位置に摺動可能であること、
を特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
前記ゲート(44)は、少なくとも1つの接続部材(50)を介し、好ましくはピストンロッドを介し、前記ピストン(49)と接続されていること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項3】
前記圧力空間(61)内には、第1の圧力伝達ライン(60)が接続されている少なくとも1つの開口部(63)が通じており、前記第1の圧力伝達ライン(60)は、前記切替バルブ(54)に接続されていること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記切替バルブ(54)は、バルブハウジング(33)内に配設されていること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記切替バルブ(54)には、前記搬送ライン(57)と接続するために設けられている第2の圧力伝達ライン(56)が接続されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記切替バルブ(54)は、電磁バルブであること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
開位置及び/又は閉位置での前記ゲート(44)のポジションは、終端スイッチ(52、53)により監視されること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項8】
前記ピストン(49)には、前記ゲート(44)の開位置で戻し力が作用すること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項9】
前記圧力空間(61)内には、少なくとも1つの圧力手段(64)、好ましくは圧縮ばね、が収容されており、前記圧力手段(64)は、前記ピストン(49)に対して戻し力を加えること、
を特徴とする、請求項8に記載のゲートバルブ。
【請求項10】
前記ゲート(44)には、少なくとも1つの戻し要素(70)が係合していること、
を特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項11】
前記戻し要素(70)は、弾性的に伸長可能な引張ロープか又は重りを支持する引張ロープであること、
を特徴とする、請求項10に記載のゲートバルブ。
【請求項12】
バルク材料を搬送するための装置の搬送ライン(5~12、57)を組み立てるためのモジュールにおいて、
前記モジュールは、管部分(30)を有し、前記管部分(30)から管形状の横部材(31、32)が分岐し、前記横部材(31、32)には、請求項1~11のいずれか一項に記載のバルブ(14)が設けられていること、
を特徴とするモジュール。
【請求項13】
バルク材料を搬送するための装置であって、
バルク材料を含んだ少なくとも2つの送り部(A~E)と、バルク材料を受け入れる少なくとも1つの受け部(1~3)とを備え、前記送り部(A~E)と前記受け部(1~3)は、搬送ライン(5~12)により互いにライン接続されている前記装置において、
前記搬送ライン(5~12)は、少なくとも1つの受け部集合ライン(26)を有し、前記受け部集合ライン(26)は、上方へ延在するライン部分(10a~12a)を有し、前記ライン部分(10a~12a)には、少なくとも2つの横ライン(13、15~17、13’、15’~17’)が通じており、前記横ライン(13、15~17、13’、15’~17’)には、それぞれ、前記ライン部分(10a~12a)を開閉するための、請求項1~11のいずれか一項に記載のバルブ(14)が設けられていること、
を特徴とする装置。
【請求項14】
前記受け部集合ライン(26)は、請求項12に記載のモジュール(24)から組み立てられていること、
を特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記横ラインの端部には、前記送り部(A~E)から来るラインのための接続部をもたない空吸引モジュール(27)が配設されていること、
を特徴とする、請求項13又は14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のゲートバルブ、請求項12に記載のバルク材料を搬送するための装置の搬送ラインを組み立てるためのモジュール、並びに請求項13の上位概念に記載のバルク材料を搬送するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バルク材料を送り部(搬送元)から受け部(搬送先)に搬送する搬送装置は知られている。この際、搬送は、負圧を用いて行われる。受け部は、それぞれ、搬送ラインを介して少なくとも2つの送り部と接続されることが可能である。搬送ラインから受け部への流出時には、詰まりが発生する可能性があり、これらの詰まりは、搬送時に問題をもたらすことになる。
【0003】
また送り部ラインを分配ステーションに導き、分配ステーションから1つのラインが各受け部に通じることも知られている。送り部から受け部に搬送されるべきバルク材料の選択は、搬送ホースの差し替えにより手動で行われるか、又は搬送ラインの一部分の摺動運動又は回転運動により自動的に行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の基礎を成す課題は、バルク材料を選択された送り部から選択された受け部に確実に搬送できるように、ゲートバルブ、モジュール、及び冒頭に記載した形式の装置を構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、本発明により請求項1の構成を有するゲートバルブにより、本発明により請求項12の構成を有するモジュールにより、並びに本発明により請求項13の特徴的な構成を有する装置により解決される。
【0006】
本発明によるゲートバルブ(スライダバルブ)は、そのゲート(スライダ)が、搬送ライン内をその都度に占める圧力に依存して自動的に位置調節されることにより傑出する。そのためにゲートは、ハウジング内で圧力空間を境界付けるピストンと接続されている。搬送ラインと圧力空間の間の圧力伝達接続部内の切替バルブが、該切替バルブが開いているときには、搬送ラインと圧力空間の間の圧力接続を解放し、それにより搬送ライン内の圧力が圧力空間内も占めることになる。圧力のもとでは、負圧及び正圧と理解することができる。吸引搬送では、圧力空間内に負圧が発生し、該負圧は、ピストンが吸引作用により摺動されることをもたらす。ピストンはゲートと接続されているので、ゲートは、対応的にその閉位置からその開位置に位置調節され、それにより材料は、搬送ラインを通って流れることができる。
【0007】
圧力稼働では、ピストンは、圧力空間内を占める圧力により押しのけられ、それにより同様に、ピストンと接続されているゲートは、閉位置から開位置に達する。
【0008】
ゲートの位置調節は、搬送すべき材料が搬送ラインを通って流れる前に、適時に行われる。それにより材料が妨げられることなく搬送ラインを通って流れていけることが保証されている。
【0009】
ゲートは、有利には、少なくとも1つの接続部材を介してピストンと接続されている。該接続部材は、好ましくは、簡単にピストンに固定することのできるピストンロッドである。ゲートは、接続部材を介し、ピストンに対して十分な間隔を置いて配設されることが可能であり、それによりゲートを問題なく位置調節することができる。
【0010】
好ましい一実施形態において、圧力空間内には、第1の圧力伝達ラインが接続されている少なくとも1つの開口部が通じている。
【0011】
この圧力伝達ラインは、好ましくは、切替バルブに接続されており、該切替バルブを用い、圧力伝達ラインを通る流路を開閉(開く又は閉じる)することができる。
【0012】
好ましい一実施形態において、切替バルブは、バルブハウジング内に設けられている。そこでは、切替バルブを簡単に取り付けることができ、必要に応じ、例えば修理の場合には、簡単に取り外すこともできる。
【0013】
有利には、切替バルブには、搬送ラインと接続するために設けられている第2の圧力伝達ラインが接続されている。第2の圧力伝達ラインは、搬送ラインの内部と接続されており、それにより搬送ライン内をその都度に占める圧力が第2圧力伝達ライン内も占めることになる。
【0014】
1つの搬送サイクルが行われるべき場合には、切替バルブが開かれ、それにより第2の圧力伝達ライン内を占める圧力は、開かれた切替バルブ及び第1の圧力伝達ラインを介して圧力空間内を占めることになる。
【0015】
搬送ラインには、第2の圧力伝達ラインの接続するために、有利には開口部が備えられており、該開口部を介し、搬送ライン内を占める圧力を圧力空間内に伝えることができる。
【0016】
切替バルブは、好ましくは電磁バルブ(ソレノイドバルブ)であり、該電磁バルブは、簡単に駆動制御でき、コンパクトに構成されており、問題なくバルブハウジング内に収容させることができる。
【0017】
ゲートの両方の終端位置を監視することは、有利である。そのために有利な一実施形態では、ゲートがその開位置及び/又はその閉位置をとるときにゲートと協働することのできる終端スイッチ(リミットスイッチ)が設けられている。終端スイッチは、近接スイッチとしてもよい。
【0018】
ゲートに少なくとも1つのストッパ要素を備えることが可能であり、該ストッパ要素は、ゲートのそれぞれの終端位置で対向ストッパに当接することになる。
【0019】
ゲートバルブが搬送システム内で垂直か又はほぼ垂直の位置で取り付けられる場合には、ゲートのその閉位置への戻り運動は、搬送が終了されることにより極めて簡単に行われる。搬送の終了により搬送ライン内にもはや圧力はない。搬送ラインと圧力空間の間の圧力差がなくなり、それによりピストンは、その自重のもと下方に摺動され、それによりゲートは、開位置から閉位置に達する。ゲートはピストンと接続されているので、ゲートの重さもピストンとその戻り摺動運動に作用する。
【0020】
ゲートバルブが傾斜位置か又はそれどころか水平位置に取り付けられる場合には、有利には、ゲートの開位置でピストンに戻し力(復元力)が作用する。
【0021】
その戻し力は、圧力空間内に少なくとも1つの圧力手段が収容されており、該圧力手段がピストンに対して戻し力を加えることにより生成される。圧力手段は、有利には圧縮ばねであり、該圧縮ばねは、ゲートをその開位置に摺動するために、ピストンを搬送ライン内の搬送圧力のもとで摺動することができるように設定されている。
【0022】
その戻し力は、ゲートに係合する少なくとも1つの戻し要素(リターン要素)により生成されることも可能である。
【0023】
そのような戻し要素は、有利には、弾性的に伸長可能な引張ロープか又は重りを支持する引張ロープである。弾性的に伸長可能な引張ロープは、ゲートの開位置で弾性的に伸長され、それにより戻し力がゲートを介してピストンに作用する。引張ロープの引張力は、ピストンが、供給ライン内を占めるその都度の稼働圧力のもとで確実に摺動可能であるように設定されている。このことは、引張ロープに重りが懸架し、該重りがゲートを負荷し、従ってピストンを戻り方向に負荷する場合にも当てはまる。
【0024】
本発明によるモジュールは、バルク材料のための搬送装置の搬送ラインを組み立てるために用いられる。このモジュールは、管部分を有し、該管部分から管形状の横部材(クロスピース)が分岐し、該横部材には、本発明によるゲートバルブが設けられている。搬送ラインを製造するためには、2つ以上のモジュールがそれらの管部分を用いて並べて置かれ、それにより連続する搬送ラインが得られる。横部材は、有利には、管部分から、搬送方向とは反対に斜め上方に向けられており、それにより場合により搬送サイクルの終了後に横部材内にある材料は、下方に管部分内に達することができる。その材料は、そこで次の搬送サイクル時に連行される。それにより搬送ライン内の詰まりが確実に回避される。
【0025】
本発明による装置では、送り部(搬送元)と受け部(搬送先)の間の搬送ラインは、少なくとも1つの受け部集合ラインを有する。受け部集合ラインは、上方へ、例えば垂直に延在するライン部分を有し、該ライン部分には、少なくとも2つの横ラインが通じている。それらの横ラインには、それぞれ、ライン部分を開閉するための本発明によるゲートバルブが設けられている。横ラインは、上方から下方に延在するライン部分に対して所定の鋭角のもとで位置している。それにより搬送すべきバルク材料は、搬送サイクルの終了時に下方にライン部分内へ落下できる。そこでバルク材料は、次の搬送サイクル時に連行され、それぞれの受け部に供給されることが可能である。
【0026】
上方へ延在するライン部分は、有利には、2つ以上の本発明によるモジュールがそれらの管部分を用いて液密に組み立てられることにより達成される。これらの管部分は、組み立てられた状態で受け部集合ラインのライン部分を構成する。
【0027】
モジュールの数は、バルク材料を受け部に供給すべき送り部の所望の数を決定する。
【0028】
好ましくは、横ラインの上側端部には、送り部に対する接続部をもたない空吸引モジュールが配設されている。それにより各搬送サイクル後には、受け部に至るまでの受け部ラインを空吸引して洗浄することができ、このことは、特に材料変更の場合に必要である。
【0029】
本出願の対象は、個々の特許請求項の対象だけから得られるのではなく、図面及び本明細書で開示された全ての記載及び構成によっても得られる。それらは、たとえそれらが請求項の対象でなくても、個別に又は組み合わせとして従来技術に対して新規である限り、本発明に本質的なものとして特許請求される。
【0030】
本発明の更なる構成は、更なる請求項、本明細書、及び図面から明らかである。
【0031】
図面に図示された幾つかの実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】吸引稼働としてバルク材料を搬送するための本発明による装置を概略図として示す図である。
【
図2】圧力稼働としてバルク材料を搬送するための本発明による装置を
図1に対応して示す図である。
【
図3】本発明による装置の更なる一実施形態を
図1に対応して示す図である。
【
図4】本発明による装置の更なる一実施形態を
図2に対応して示す図である。
【
図5】それぞれ本発明によるゲートバルブを備えた本発明によるモジュールの配設構成を拡大図として示す図である。
【
図6】本発明によるゲートバルブを備えた本発明によるモジュールの更なる実施形態を
図5に類似して示す図である。
【
図7】上下に配設され、互いに流れ接続された、本発明による2つの
図6のモジュールを示す図である。
【
図8】本発明による装置の本発明によるゲートバルブを斜視図として示す図である。
【
図11】ゲートバルブが閉位置にある、
図10のA-A線に沿った断面を示す図である。
【
図12】開位置にある、
図11のゲートバルブを示す図である。
【
図13】本発明によるゲートバルブの第2実施形態を
図12に対応して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、バルク材料(ばら荷材料)を搬送するための装置を示している。この装置には、例えば5つの送り部(搬送元)A~Eを有し、これらの送り部A~Eは、例えばサイロとして構成されており、これらのサイロ内にはバルク材料がある。バルク材料のもとでは、ガス状の媒体、特に空気を用いて搬送することのできる、粒状体、粉末などのような、全ての流動可能な材料として理解することができる。
【0034】
図示の実施例において、送り部A、Bは、送り部C~Eよりも小さい収容能力を有する。全ての送り部は、同じ収容能力を有することができるか、又は同じでない収容能力を有することもできる。
【0035】
各送り部A~Eは、例えば、円筒形の外殻部1を有し、外殻部1は、下側端部において下方に先細りする外殻部2に移行する。外殻部2の下側端部には、バルブ4により閉じることのできる出口開口部3がある。このような構成は、バルク材料の圧力搬送において設けられている。
【0036】
真空搬送ないし吸引搬送において、外殻部2は出口開口部をもたなくてもよい。その代わり、外殻部2を通りその内部空間内には、バルク材料を吸引することのできる吸引管が突出している。
【0037】
各送り部A~Eの出口開口部3ないし吸引管には、送り部ライン5~9が接続されている。これらの送り部ライン5~9は、送り部A~E内にあるバルク材料を選択的に受け部(搬送先)1~3に供給するために、受け部ライン10~12と接続されていることが可能である。受け部1~3は、例えば、供給されたバルク材料がそれに対応して処理される処理機上に設けられている。
【0038】
送り部ライン5~9は、受け部ライン10~12と固定的に流れ接続されている。この際、これらのラインは、受け部1~3が様々な送り部A~Eと連結可能であるように互いに連結されている。
【0039】
以下、送り部ライン5~9と受け部ライン10~12の間の流れ接続について一例を記載する。しかしこの実施例は、限定として理解されるべきものではない。
【0040】
送り部ライン5は、受け部ライン12に接続されている。送り部ライン5からは、横ライン(クロスライン)13が分岐し、横ライン13は、送り部ライン5を受け部ライン10と接続させる。送り部ライン5及び横ライン13には、送り部ライン5及び横ライン13を開閉することのできるゲートバルブ14(以下、バルブ14と称する)が設けられている。
【0041】
送り部ライン6は、受け部ライン12に接続されている。送り部ライン6は、横ライン15、16を介して受け部ライン11、10とも接続されている。送り部ライン6及び横ライン15、16には、それぞれバルブ14が設けられている。
【0042】
送り部ライン7は、受け部ライン11に接続されている。送り部ライン7には、バルブ14が設けられている。
【0043】
送り部ライン8は、受け部ライン11に接続され、また横ライン17を介して受け部ライン10に接続されている。横ライン17及び送り部ライン8には、それぞれバルブ14が設けられている。
【0044】
最後に、送り部ライン9は、受け部ライン10に接続され、送り部ライン9には、バルブ14が設けられている。
【0045】
バルブ14を用いることにより、送り部A~Eからそれぞれ所望のバルク材料を受け部1~3に充填することが容易に可能である。
【0046】
図示の例の場合において、受け部1は、送り部A、B、D、Eに割り当てられている。送り部Aから、バルク材料は、バルブ14が開いている場合に送り部ライン9及び受け部ライン10を介して供給されることが可能である。送り部B内のバルク材料は、送り部ライン8及び横ライン17を介し、バルブ14が開いている場合に受け部ライン10内に搬送され、そこから受け部1に搬送されることが可能である。この場合には、当然のことながら、送り部ライン9内に設けられたバルブ14は閉じられている。
【0047】
送り部Dからのバルク材料は、送り部ライン6及び横ライン16を介して受け部1に供給されることが可能である。この際、横ライン16内に設けられたバルブ14は開かれている。
【0048】
送り部Eからのバルク材料は、送り部ライン5及び横ライン13を介して受け部ライン10内に搬送され、そこから受け部1に搬送されることが可能であり、この際、横ライン13内に設けられたバルブ14は開かれている。
【0049】
送り部から受け部への搬送に関与しない全てのラインは、バルブ14により遮断され、それによりそれぞれの受け部1~3には、それぞれ1種類だけのバルク材料が達することができる。
【0050】
受け部2は、送り部B、C、Dに割り当てられている。
【0051】
送り部B内のバルク材料は、送り部ライン8を介して受け部ライン11内に達し、そこから受け部2内に達することができる。この際、送り部ライン8内に設けられたバルブ14は開かれている。
【0052】
送り部C内のバルク材料は、送り部ライン7を介し、バルブ14が開いている場合には、同様に受け部ライン11を介して受け部2に供給されることが可能である。
【0053】
送り部Dは、送り部ライン6及び横ライン15を介し、同様に受け部ライン11と流れ接続され、従って受け部2と流れ接続されることが可能である。
【0054】
受け部3は、送り部D及び送り部Eに割り当てられている。送り部Dからのバルク材料は、送り部ライン6及び受け部ライン12を介して受け部3に供給されることが可能である。
【0055】
送り部Eは、送り部ライン5及び受け部ライン12を介し、同様に受け部3と接続されている。
【0056】
本装置の搬送機能は、単純である。つまり受け部1~3には、それぞれ対応の送り部A~Eが、対応のバルブ14を開くことにより割り当てられる。
【0057】
受け部1~3には、それぞれ吸引ライン18~20が接続されており、これらの吸引ライン18~20は、吸引源21と接続されている。吸引ライン18~20内には、それぞれバルブ14が設けられており、それにより受け部1~3を選択的に吸引源21から分離することができる。
【0058】
吸引源21の前(上流側)にはバルブ14’が接続されており、バルブ14’を用い、閉位置において、吸引源21と全ての受け部1~3との間の吸引接続を分離することができる。吸引源21の前(上流側)には、少なくとも1つのフィルタ22が接続されていることが可能である。
【0059】
少なくとも1つの吸引源21を用いることで、バルク材料は、それぞれの送り部A~Eから吸引され、それぞれの受け部1~3に供給される。各吸引サイクル時には、対応の割り当てられたバルブ14が開かれる。
【0060】
生産終了後に受け部1~3が他のバルク材料を受け取るべきであるならば、対応のバルブ14が、所望の送り部A~Eから他の材料が対応の受け部1~3に供給され得るように切り替えられる。
【0061】
送り部A~Eから受け部1~3への各搬送過程後に、空気流は、既知の方式で遮断される。
【0062】
受け部1~3に対し、送り部A~Eから異なる材料が割り当てられるために、それぞれの受け部ライン10~12内には少なくとも2つの入口部が設けられている。受け部ライン10~12は、送り部ラインないし横ラインが接続する領域において、上方に延在し、本実施例では垂直に延在し(受け部集合ライン10a~12a)、それによりバルク材料は、この領域において上方から下方に搬送される。
【0063】
垂直に延在する受け部集合ライン10a~12aは、複数のモジュールから構成されており、これらのモジュールは、それぞれ、垂直に延在する管部材と、該管部材に接続されて横方向に延在する管部材と、横方向に延在する該管部材内に配設されているバルブ14とを有する。これらのモジュールについては、後続段落で詳しく説明される。
【0064】
受け部集合ライン10a~12aは、斜めに延在することもでき、それに応じ、垂直方向に対して所定の角度で配設されていることも可能である。
【0065】
それらのモジュールの数は、送り部A~Eの材料が受け部1~3に割り当てられるべきである送り部A~Eの所望の数を決定する。
【0066】
図2の装置は、受け部1~3と送り部A~Eの関連付けについては、
図1の装置と同様に構成されている。しかし
図2の装置は、吸引源21の代わりに圧力源23が使用される圧力搬送システムに関するものである。圧力源23は、送り部A~Eからのバルク材料を圧力下で対応のラインを通って受け部1~3まで搬送する。
【0067】
図1の装置では、バルク材料が負圧を用いて送り部A~Eから受け部1~3に搬送されるのに対し、
図2の装置では、搬送は、正圧により行われる。
【0068】
送り部ライン5~9は、それぞれ、好ましくは圧縮空気源である圧力源23に接続されている。各送り部ライン5~9内には、それぞれバルブ14が設けられており、該バルブ14を用い、各送り部ライン5~9を圧力源23から分離することができる。これらのバルブ14は、送り部A~Eのそれぞれの出口開口部3と、圧力源23との間の領域にある。受け部1~3に対する送り部A~Eの割り当てに関しては、
図1の装置についての説明が参照される。
【0069】
図3の装置及び
図4の装置は、基本的に
図1の装置及び
図2の装置と同様に構成されている。
図3の装置は吸引搬送装置であり、
図4の装置は圧力搬送装置である。
【0070】
図3では、鎖線を用いて1つのモジュール24が特徴付けられており、モジュール24については、後続段落で
図6及び
図7に基づき、詳細に説明される。これらのモジュール24は、装置の組み立て時に流密に差し込んで組み立てられる。
【0071】
前の実施形態におけるように、
図3の装置及び
図4の装置は、例えば、受け部1には送り部A、B、D、Eが割り当てられ、受け部2には送り部B、C、Dが割り当てられ、受け部3には送り部D、Eが割り当てられるように構成されている。
【0072】
図1及び
図2による実施形態と異なり、バルブ14は、横ライン13、15~17の斜めに延在する部分にある。
【0073】
横ライン13、15~17は、それぞれ、送り部ライン5~9と平行に延在するライン部分13’、15’~17’を有し、ライン部分13’、15’~17’は、該ライン部分に対して直角に延在するライン部分を介し、斜め下方に延在し且つバブル14を有すライン部分13a、15a~17aに移行する。
【0074】
送り部ライン9は、横ライン17の付属のライン部分17’と共に、下方から上方に向けられた送り部分配ライン25を構成し、送り部分配ライン25は、
図3では一点鎖線により表わされている。全ての他の送り部ライン5、6、8は、横ライン13、15、16のライン部分13’、15’、16’と共に、それぞれ、下方から上方に向けられた更なる送り部分配ラインを構成する。
【0075】
受け部ライン10~12は、バルブ14を有し且つ受け部ライン10~12に接続する斜めのライン部分とともに、それぞれ、受け部集合ライン26を構成し、この際、受け部ライン10に接続された斜めのライン部分を有し、受け部ライン10のために設けられた受け部集合ライン26が、一点鎖線により示されている。本実施例では、3つの受け部ライン10~12が設けられているので、それに応じて3つの受け部集合ラインも存在する。
【0076】
受け部ライン10~12には、自由端部において、それぞれ空吸引モジュール27が備えられている。各空吸引モジュール27は、それぞれバルブ14を有し、該バルブ14は、空吸引過程のために開かれることが可能であり、送り部ライン5~9には接続されていない。
【0077】
図4の圧力搬送装置では、同様に送り部分配ライン25と受け部集合ライン26が設けられている。前の実施形態におけるように、これらについては、それぞれ1つの分配ラインないし集合ラインだけが一点鎖線により示されている。
【0078】
図2の実施例におけるように、受け部1~3からは、それぞれ、排気を排出することのできる排気ライン28が外方に通じている。
【0079】
有利には、排気ライン28は、共通の集合ライン29に接続されている。
【0080】
排気ライン28、29には、これらのラインを必要に応じて閉じることができるために、場合によりバルブ又はスイング逆止弁を設けることができる。
【0081】
送り部A~Eと受け部1~3との間の接続は、
図3の装置におけるものと実質的に同様に設けられている。
図4の装置は、圧力搬送装置であるので、
図3の吸引搬送装置と異なり、空吸引モジュールは設けられていない。
図3の装置では、送り部A~E内にあるバルク材料は、吸引源21により吸引され、受け部1~3に供給されるのに対し、
図4の実施形態では、バルク材料は、圧力媒体により受け部1~3に供給される。
【0082】
各搬送サイクル後には、
図1及び
図3の実施形態に応じ、まだ送り部分配ライン25内にある材料は、下方に落下する。受け部集合ライン26内にある材料も下方に落下する。この残留材料は、次の搬送サイクル時に搬送される。それによりそのような残留材料が搬送ライン内で所謂栓(コルク)を形成し、これらの栓が状況により配送ラインの詰まりをもたらしてしまうことが防止される。
【0083】
受け部集合ライン26の最上点で、送り部A~Eの1つに対する接続部をもたない空吸引モジュール27が取り付けられる場合には、
図3の吸引搬送装置では、各吸引過程(搬送サイクル)後に、受け部ライン10~12を、受け部1~3の分離器に至るまで空吸引し、従って洗浄することができる。このことは、とりわけ材料変更の際に必要である。
【0084】
これらの利点は、
図4の圧力搬送装置においても与えられている。空気流は、
図3の吸引搬送装置と同じようにライン5~12を通って流れる。圧力搬送装置においても、上方に、好ましくは垂直に延在する送り部分配ライン25と受け部集合ライン26により、各搬送サイクル後にこれらのライン内にまだある材料が下方に落下し、次の搬送サイクル時に再び捕らえられてこれらのラインから搬出されることが保証されている。
【0085】
図1~
図4に従って説明された全ての実施形態において、受け部集合ライン26内のバルク材料は、上方から下方に向かって搬送される。上方から下方に向かう搬送のもとでは、垂直方向の搬送と、垂直方向に対して所定の角度で斜めに行われる搬送との両方を含めて理解することができる。それにより搬送過程の終了時にまだライン内に残っている残りのバルク材料が次の搬送サイクル時に連行されることが達成される。このようにして搬送サイクルの完了後に残された残留材料による対応のラインの詰まりが回避される。
【0086】
図5は、例としてモジュール24の第1実施形態を示している。モジュール24は、管部分30を有し、管部分30から横部材(クロスピース)31が斜め上方に分岐している。横部材31は、自由端部において、管部分30に対して直角に延在する端部分32に移行し、端部分32内にバルブ14が配設されている。
【0087】
図5に例示されているように、管部分30を用い、2つのモジュール24を差し込んで組み立てることができる。管部分30は、装置において受け部集合ライン26の部分を構成する。
【0088】
図6及び
図7のモジュール24は、同様に取り付け位置で垂直に延在する管部分30を有し、管部分30からは、斜め上方に横部材31が分岐している。この横部材31の自由端部にバルブ14がある。この種類のモジュールは、
図3の装置及び
図4の装置において使用される。管部分30を用い、モジュール24は、互いに差し込まれ(
図7)、これらのモジュール24は、受け部集合ライン26(
図3及び
図4)を構成する。
【0089】
バルブ(ゲートバルブ)14について、
図8~
図12に基づき、詳細に説明する。バルブ14は、互いに平行に位置する側壁部34、35を備えたハウジング33を有する。側壁部34、35は、図面内の上側端部において上壁部36により互いに接続されている。
【0090】
側壁部34、35は、反対側の端部において、これらの側壁部34、35が、同じ高さで且つ上壁部36と平行に並びに側壁部34、35に対して直角に位置する底部分37、38に移行するように折り曲げられている。底部分37、38は、直角に下方に延在し且つ間隔を置いて互いに平行に延在する保持部39、40に移行する。
【0091】
側壁部34、35と、底部分37、38と、保持部39、40を形成するためには、有利には、上述したように曲げられる2つの金属板が使用される。この構成は、特に
図8及び
図9から見てとれる。
【0092】
上壁部36は、特殊な構成部材として、有利には側壁部34、35と接続される。上壁部36は、有利にはU字形状に曲げられ、その脚部41、42を用い、側壁部34、35の内面部に接して側壁部34、35と固定的に接続され、例えばねじ固定される。
【0093】
上壁部36には、駆動部43が固定されており、駆動部43を用い、対応の搬送ライン57を開閉するためのプレート形状のゲート(スライダ)44を位置調節することができる。ゲート44は、通流開口部44aを有し、通流開口部44aの直径は、ライン57の内径に対応する。
【0094】
駆動部43は、上壁部36を通ってハウジング33内に突出するハウジング45を有する。円筒形のハウジング45は、環状フランジ46を用い、上壁部36の外面部に固定され、好ましくはねじ固定されている。環状フランジ46は、上壁部36における開口部48(
図11)を通ってハウジング33内に突出する保持スリーブ47の一部分である。保持スリーブ47は、ハウジング45の外面部に固定されている
【0095】
円筒形のハウジング45内には、ピストン49が摺動可能に備えられている(
図11)。ゲート44は、接続部材50を介してピストン49と固定的に接続されている。接続部材50からは、横方向にアーム51が張り出し、アーム51は、ハウジング33の側壁部34の近くまで突出し、側壁部34の内面部に設けられている2つの終端スイッチ52、53と協働する。
【0096】
終端スイッチ52、53は、図示の実施例と異なり、例えばハウジング33の側壁部35に配設されているプリント基板73(
図8及び
図9)に配設されることも可能である。
【0097】
バルブ14のハウジング33内には、電磁バルブ(ソレノイドバルブ)54が収容されており、電磁バルブ54は、例えば底部分37に適切な方式で固定されている。
【0098】
ハウジング33の側壁部35の外面部には、電磁バルブ54を操作するためのインタフェース55がある。
【0099】
電磁バルブ54は、圧力伝達ラインとしての接続ホース56により、
図8~
図12において符号57で示されているそれぞれの搬送ラインと接続されている。
【0100】
接続ホース56は、搬送ライン57の内部と流れ接続されており、搬送ライン57は、接続ホース56が接続されている開口部58(
図11)を有する。接続ホース56は、例えばクランプ59を用いて搬送ライン57上に保持されている(
図11)。
【0101】
電磁バルブ54は、圧力伝達ラインとしての更なる接続ホース60を介し、ハウジング45内のシリンダ空間61と流れ接続されている。シリンダ空間61は、ピストン49と、シリンダ空間61を気密に閉鎖する蓋部62との間の領域内にある。蓋部62の下面部の近くには空気入口部63がある(
図11)。
【0102】
またピストン49は、シリンダ空間61をほぼ気密に閉鎖し、それによりピストン49は、問題なく下方に運動することができる。
【0103】
図示の実施形態において、シリンダ空間61内には、少なくとも1つの圧縮ばね64が収容されており、圧縮ばね64は、ピストン49をゲート44の閉位置の方向に負荷し、また蓋部62に支持されている。圧縮ばね64又は対応の他の圧力手段は、バルブ14の機能にとって、バルブ14が垂直位置か又はほぼ垂直位置に取り付けられる場合には必要ない。その際には、ピストン49は、自らの重さに基づき、並びにピストン49と接続された接続部材50及びゲート44の重さに基づき、下方に向かい、
図11で図示された終端位置に達し、該終端位置においてゲート44は、搬送ライン57を通るバルク材料の通流を閉鎖する。
【0104】
密閉のために、ゲート44の両側には、リング形状の密閉要素65、66が接しており、密閉要素65、66は、例えばOリングにより構成され、ゲート44のための搬送ライン57内の流路を気密に密閉する。密閉要素65、66は、保持部39、40の間で、保持部39、40の間にある管部分57a、57bの端部に接している。
【0105】
互いに反対側を向いた保持部39、40の外面部には、それぞれ管部分57a、57bが固定されている。
【0106】
電磁バルブ54が閉じている場合には、ゲート44は、自重に基づき(追加的に接続部材50及びピストン49の自重に基づき)、
図11に図示された閉位置に留まる。それに応じ、ピストン49は、その下側の位置をとる。接続部材50のアーム51は、下側の終端スイッチ53のところにある(
図11)。
【0107】
ゲート44には、下側端部において、ゲート44を横方向に通るストッパ67が備えられている(
図11)。ストッパ67は、例えばピン形状に形成されており、両方の保持部39、40に設けられている長手スリット68、69内に突出している。保持部39、40は、ゲート44の両側に間隔を置いて位置し、それによりゲート44の摺動運動が保持部39、40により妨げられることはない。
【0108】
ゲート44が閉位置にある場合には、ストッパ67は、長手スリット68、69の下側の終端部に当接している(
図8及び
図11)。
【0109】
所定の搬送装置制御部により電磁バルブ54が開かれ、搬送ライン57内に負圧が構成されると、搬送過程がスタートする。接続ホース56、60を介し、駆動部43のシリンダ空間61内には、同様に負圧が生じ、この負圧は、ピストン49が圧縮ばね64の力に反して上方に引き寄せられることをもたらす。それによりゲート44は、上方に向かい、その開位置に摺動され(
図12)、該開位置では、通流開口部44aが搬送ライン57を通る流路を解放する。
【0110】
ゲート44は、材料搬送が始まる前に既に引き上げられる。搬送ライン57からシリンダ空間61への接続ライン56、54、60内には、搬送過程中に実質的に空気流はなく、その理由は、搬送ライン57内の負圧が、説明した流れ接続の結果、シリンダ空間61内の負圧と同じであるためである。
【0111】
バルブ14が圧力搬送において使用される場合(
図2及び
図4)には、その機能は、説明した吸引搬送の場合と同じである。ただバルブ14は、
図1と
図2ないし
図3と
図4の比較からわかるように、逆の位置に取り付けられる。吸引搬送(
図1及び
図3)の場合には、バルブ14は、それぞれのラインから上方に延在する。圧力搬送(
図2及び
図4)の場合には、バルブ14は、それぞれのラインから下方に延在する。圧力搬送の場合には、説明した接続ライン56、60を介してシリンダ空間61内に作用する搬送ライン57内の圧力が、ゲート44がその開位置をとるようにピストン49が摺動されることをもたらす。
【0112】
しかしこの場合、通流開口部44aは、ゲート44が搬送ライン57を解放又は閉鎖し得るために、ゲート44において他の位置にある。つまり通流開口部44aは、吸引搬送時の使用では、ピストン49とは反対側のゲート44の領域に設けられているのに対し、通流開口部44aは、圧力搬送時のバルブ14の使用では、ピストン49に隣接するゲート44の領域にある。
【0113】
ゲート44の両方の終端位置は、ストッパ67が長手スリット68、69の両方の終端部にそれぞれ当接することにより簡単に保証される。
【0114】
接続部材50から横方向に突出するアーム51は、開位置並びに閉位置においてそれぞれの終端スイッチ52、53と協働する。終端スイッチ52、53は、有利には、バルブ14が開いているか又は閉じているかを監視することのできる近接スイッチとして構成されている。ゲート44のそれぞれの終端位置では、終端スイッチ52、53を介し、対応の切替信号が提供され、該切替信号に基づき、ゲート44がその開ポジションないし閉ポジションをとることを確実に確定することができる。
【0115】
圧縮ばね64は、バルブ14が垂直に取り付けられている場合には必要なく、その理由は、ゲート44は、電磁バルブ54が開いていない場合には、説明した自重に基づき常にその閉位置に達するためである。圧縮ばね64は、ゲート44の開位置において押し縮められているので(
図12)、ゲート44は、ゲート44がその閉位置に位置調節されるべき場合には、ピストン49の下方運動を援助する。
【0116】
しかしバルブ14が装置内で例えば斜めに取り付けられる場合には、圧縮ばね64は、ゲート44をその開位置から閉位置に摺動させるために、ピストン49が確実に摺動されることを保証する。特にバルブ14が水平に取り付けられるべきであろう場合には、圧縮ばね64は必要である。
【0117】
有利には、圧縮ばね64は、ゲート44が搬送ライン57を閉じるポジションにピストン49があるときに、わずかに予張力が加えられている。そのばね力は、ゲート44がその閉位置に摺動されなくてはならない場合にピストン49を必ず摺動させることができるように設定されている。
【0118】
圧縮ばね64に代わり、あらゆる他の適切な圧力手段を使用することもでき、例えば気体手段を使用することもできる。
【0119】
電磁バルブ54を用い、バルブ14を簡単に操作することができ、それによりバルク材料をそれぞれの送り部A~Eからそれぞれの受け部1~3に搬送することができる。電磁バルブ54の操作により、必要なバルブ14を上述の方式で開くことができる。選択された送り部A~Eから選択された受け部1~3にバルク材料を搬送するために必要となるバルブ14だけが開かれる。このようにして、特に送り部及び/又は受け部及び/又はバルク材料種類の変更も簡単に可能である。
【0120】
バルブ14は、簡単な構造上の構成を有し、安価に製造することができる。接続ホース56、60を用い、電磁バルブ54が開いている場合にシリンダ空間61と搬送ライン57の間の簡単であるが確実な流れ接続が保証されている。
【0121】
図13は、バルブ14の他の一実施例を示している。このバルブ14は、前の実施例の圧縮ばね64のような圧力手段を使用せず、斜めに又は水平にもそれぞれの搬送ラインに取り付けることができるように構成されている。
【0122】
ゲート44は、少なくとも1つの戻し要素(リターン要素)70と接続されており、戻し要素70は、本実施例では、方向変更ローラ71を介して方向変更される引張ロープである。戻し要素70には、例えば(非図示の)重りが備えられており、該重りを用い、ゲート44が
図13に図示されたその開位置にある場合に、戻し力がゲート44に加えられる。
【0123】
戻し力は、戻し要素70が、ゲート44の開位置において張力下にあるゴムロープなどであることによっても生成されることが可能である。
【0124】
方向変更ローラ71は、支持体72上に回転可能に備えられており、支持体72は、保持部39、40の下側の自由端部に固定されている。
【0125】
因みにバルブ14は、前の実施形態と同様に構成されている。
【0126】
図13は、ピストン49をハウジング45内のその上側位置において示している。搬送ライン57は、ゲート44により解放されており、それによりバルク材料を搬送することができる。図示の実施例においてバルク材料は、吸引搬送過程により輸送される。ピストン49は、上述の方式で、搬送ライン57内の負圧に基づき、
図13に図示された上側の位置に摺動される。接続ホース56、60を介し、シリンダ空間61には、吸引搬送の場合に負圧である、搬送ライン57内と同じ圧力が作用する。その負圧は、上述の方式で、ピストン49が上側の位置に摺動されることをもたらす。
【0127】
戻し要素70を介してゲート44に作用する戻し力、従って戻し要素70を介してピストン49に作用する戻し力は、ピストン49が負圧作用により摺動可能であるように設定されている。
【0128】
搬送過程の終了時にピストン49は、その自重のもと、接続部材50とゲート44の重さにより支援され、再び下方に摺動され、それによりゲート44は、その閉位置に達する。
【0129】
バルブ14が斜めに又は水平に取り付けられている場合には、戻し要素70は、ピストン49が押し戻され且つゲート44がその閉位置に達することを確実にもたらしてくれる。
【符号の説明】
【0130】
A~E 送り部(搬送元)
1~3 受け部(搬送先)
1 円筒形の外殻部
2 先細りの外殻部
3 出口開口部
4 バルブ
5~9 送り部ライン
10~12 受け部ライン
10a~12a 受け部集合ライン
13 横ライン
13’ ライン部分
13a ライン部分
14、14’ ゲートバルブ
15~17 横ライン
15’~17’ ライン部分
15a~17a ライン部分
18~20 吸引ライン
21 吸引源
22 フィルタ
23 圧力源
24 モジュール
25 送り部分配ライン
26 受け部集合ライン
27 空吸引モジュール
28 排気ライン
29 集合ライン
30 管部分
31 横部材
32 端部分
33 ハウジング
34、35 側壁部
36 上壁部
37、38 底部分
39、40 保持部
41、42 脚部
43 駆動部
44 ゲート
44a 通流開口部
45 ハウジング
46 環状フランジ
47 保持スリーブ
48 開口部
49 ピストン
50 接続部材
51 アーム
52、53 終端スイッチ
54 電磁バルブ
55 インタフェース
56 接続ホース
57 搬送ライン
57a、57b 管部分
58 開口部
59 クランプ
60 接続ホース
61 シリンダ空間
62 蓋部
63 空気入口部
64 圧縮ばね
65、66 密閉要素
67 ストッパ
68、69 長手スリット
70 戻し要素
71 方向変更ローラ
72 支持体
73 プリント基板
【手続補正書】
【提出日】2023-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のゲートバルブ、請求項14に記載のバルク材料を搬送するための装置の搬送ラインを組み立てるためのモジュール、並びに請求項15の上位概念に記載のバルク材料を搬送するための装置に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
前記課題は、本発明により請求項1の構成を有するゲートバルブにより、本発明により請求項14の構成を有するモジュールにより、並びに本発明により請求項15の特徴的な構成を有する装置により解決される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ライン(57)を開閉するためのゲート(44)を備えたゲートバルブであって、
前記ゲート(44)は、ハウジング(43)内の圧力空間(61)を境界付けるピストン(49)と接続されており、前記圧力空間(61)は、前記搬送ライン(57)の内部と圧力接続可能である前記ゲートバルブにおいて、
前記搬送ライン(57)と前記圧力空間(61)の間の圧力伝達接続部(56、60)内に切替バルブ(54)が設けられており、前記切替バルブ(54)は、開かれた状態で前記搬送ライン(57)と前記圧力空間(61)の間の圧力接続を解放し、それにより前記ゲート(44)は、前記ピストン(49)を介し、前記ゲート(44)の解放位置に摺動可能であること、
を特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
前記ゲート(44)は、少なくとも1つの接続部材(50)を介し、前記ピストン(49)と接続されていること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項3】
前記接続部材(50)は、ピストンロッドであること、
を特徴とする、請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記圧力空間(61)内には、第1の圧力伝達ライン(60)が接続されている少なくとも1つの開口部(63)が通じており、前記第1の圧力伝達ライン(60)は、前記切替バルブ(54)に接続されていること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記切替バルブ(54)は、バルブハウジング(33)内に配設されていること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記切替バルブ(54)には、前記搬送ライン(57)と接続するために設けられている第2の圧力伝達ライン(56)が接続されていること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
前記切替バルブ(54)は、電磁バルブであること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項8】
開位置及び/又は閉位置での前記ゲート(44)のポジションは、終端スイッチ(52、53)により監視されること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項9】
前記ピストン(49)には、前記ゲート(44)の開位置で戻し力が作用すること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項10】
前記圧力空間(61)内には、少なくとも1つの圧力手段(64)が収容されており、前記圧力手段(64)は、前記ピストン(49)に対して戻し力を加えること、
を特徴とする、請求項9に記載のゲートバルブ。
【請求項11】
前記圧力手段(64)は、圧縮ばねであること、
を特徴とする、請求項10に記載のゲートバルブ。
【請求項12】
前記ゲート(44)には、少なくとも1つの戻し要素(70)が係合していること、
を特徴とする、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項13】
前記戻し要素(70)は、弾性的に伸長可能な引張ロープか又は重りを支持する引張ロープであること、
を特徴とする、請求項12に記載のゲートバルブ。
【請求項14】
バルク材料を搬送するための装置の搬送ライン(5~12、57)を組み立てるためのモジュールにおいて、
前記モジュールは、管部分(30)を有し、前記管部分(30)から管形状の横部材(31、32)が分岐し、前記横部材(31、32)には、請求項1~13のいずれか一項に記載のバルブ(14)が設けられていること、
を特徴とするモジュール。
【請求項15】
バルク材料を搬送するための装置であって、
バルク材料を含んだ少なくとも2つの送り部(A~E)と、バルク材料を受け入れる少なくとも1つの受け部(1~3)とを備え、前記送り部(A~E)と前記受け部(1~3)は、搬送ライン(5~12)により互いにライン接続されている前記装置において、
前記搬送ライン(5~12)は、少なくとも1つの受け部集合ライン(26)を有し、前記受け部集合ライン(26)は、上方へ延在するライン部分(10a~12a)を有し、前記ライン部分(10a~12a)には、少なくとも2つの横ライン(13、15~17、13’、15’~17’)が通じており、前記横ライン(13、15~17、13’、15’~17’)には、それぞれ、前記ライン部分(10a~12a)を開閉するための、請求項1~13のいずれか一項に記載のバルブ(14)が設けられていること、
を特徴とする装置。
【請求項16】
前記受け部集合ライン(26)は、請求項14に記載のモジュール(24)から組み立てられていること、
を特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記横ラインの端部には、前記送り部(A~E)から来るラインのための接続部をもたない空吸引モジュール(27)が配設されていること、
を特徴とする、請求項15に記載の装置。
【外国語明細書】