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特開2024-25728注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025728
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
A61M5/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023129804
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】102022000017175
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】523304939
【氏名又は名称】ヌオヴァ オムピ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ ウニペルソナーレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パオロ タッキー二
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ トニーニ
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ キネッラート
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト キッロン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体を提供する。
【解決手段】入口マニホルド25及び送達マニホルド45の両方が、それぞれ、入口ポート及び送達ポートの方をそれぞれ向く内部空洞、及び当接面、を備える第1のフランジ、を備える、ポンプ・ヘッド20に接続された第1の管状ボディ26、46、第1の管状ボディの内部空洞の中に挿入されて入口ポート及び送達ポートにそれぞれ液密接続された挿入部分、並びに第2の管状ボディ27、47の径方向内側端部と径方向外側端部との間の位置に設けられた第2のフランジを有し、第1のフランジの当接面に接触するように設置された当接面を備える、第2の管状ボディを備える。第1のクランプ40は、互いに接触させて当接面を押圧するために、入口マニホルドに対して機能する。第2のクランプ60は、互いに接触させて当接面を押圧するために、送達マニホルドに対して機能する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体(10)であって、
回転軸(X)を中心として回転する圧送ボディ(12)に接続された駆動装置を収容するポンプ・ケーシング(11)、
ポンプ・チャンバ(13)であって、コーティング組成物を加圧するために前記圧送ボディ(12)が前記ポンプ・チャンバ(13)の中に作用する、ポンプ・チャンバ(13)、コーティング組成物のための入口ポート(23)、及び、前記コーティング組成物のための送達ポート(24)、を備えるポンプ・ヘッド(20)であって、前記入口ポート(23)及び前記送達ポート(24)が前記ポンプ・チャンバ(13)に流体接続される、ポンプ・ヘッド(20)、
前記コーティング組成物を前記入口ポート(23)の中に入れるための入口マニホルド(25)、及び、前記コーティング組成物を前記送達ポート(24)から外に出すための送達マニホルド(45)、
を備え、
前記入口マニホルド(25)及び前記送達マニホルド(45)の両方が、それぞれ、
前記入口ポート(23)及び前記送達ポート(24)の方をそれぞれ向く内部空洞(28、48)、及び、当接面(30、50)を備える第1のフランジ(29、49)、を備える、前記ポンプ・ヘッド(20)に接続された第1の管状ボディ(26、46)、
第2の管状ボディ(27、47)であって、前記第1の管状ボディ(26、46)の前記内部空洞(28、48)の中に挿入されて前記入口ポート(23)及び前記送達ポート(24)にそれぞれ液密接続された挿入部分(36、56)、並びに、前記第2の管状ボディ(27、47)の径方向内側端部と径方向外側端部との間の位置に設けられた第2のフランジ(33、53)、を有し、前記第1のフランジ(29、49)の前記当接面(30、50)に接触するように設置された当接面(34、54)を備える、第2の管状ボディ(27、47)、
を備え、
前記ポンプ組立体が、前記第1のフランジ(29)の前記当接面(30)に接触させて前記第2のフランジ(33)の前記当接面(34)を押圧するために、前記入口マニホルド(25)の前記第1のフランジ(29)及び前記第2のフランジ(33)に対して機能する第1のクランプ(40)、並びに、前記第1のフランジ(49)の前記当接面(50)に接触させて前記第2のフランジ(53)の前記当接面(54)を押圧するために、前記送達マニホルド(45)の前記第1のフランジ(49)及び前記第2のフランジ(53)に対して機能する第2のクランプ(60)、をさらに備える、ポンプ組立体(10)。
【請求項2】
前記入口マニホルド(25)及び前記送達マニホルド(45)の前記第2の管状ボディ(27、47)の前記挿入部分(36、56)が、前記第1のフランジ(29、49)のそれぞれの前記当接面(30、50)から前記入口ポート(23)のところに及び前記送達ポート(24)のところにそれぞれ位置するガスケット・シール(38、58)まで延在する、請求項1に記載のポンプ組立体(10)。
【請求項3】
前記入口マニホルド(25)の前記第1のフランジ(29)及び前記第2のフランジ(33)が前記当接面(30、34)に対向するそれぞれの円錐面(31、35)を備え、前記第1のクランプ(40)が、第1の円錐接触面(43)、第2の円錐接触面(44)、並びに、前記円錐接触面(43、44)を前記第1のフランジ(29)及び前記第2のフランジ(33)のそれぞれの前記円錐面(31、35)に摺動可能に連結するためのクランプねじ(40a)、を備え、前記送達マニホルド(45)の前記第1のフランジ(49)及び前記第2のフランジ(53)が、前記当接面(50、54)に対向するそれぞれの円錐面(51、55)を備え、前記第2のクランプ(60)が、第1の円錐接触面(63)、第2の円錐接触面(64)、並びに、前記円錐接触面(63、64)を前記第1のフランジ(49)及び前記第2のフランジ(53)のそれぞれの前記円錐面(51、55)に摺動可能に連結するためのクランプねじ(60a)、を備える、請求項1又は2に記載のポンプ組立体(10)。
【請求項4】
前記ポンプ・ヘッド(20)を加熱するように構成された、前記ポンプ・ヘッド(20)内で前記ポンプ・チャンバ(13)のところで機能する第1の電気加熱装置(75)及び第2の電気加熱装置(76)を備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載のポンプ組立体(10)。
【請求項5】
前記ポンプ・ヘッド(20)内の前記ポンプ・チャンバ(13)のところで機能する第3の電気加熱装置(77)及び温度プローブ(79)を備え、前記第3の電気加熱装置(77)が、前記ポンプ・ヘッド(20)を加熱するように構成され、前記温度プローブ(79)が、前記ポンプ・チャンバ(13)のところで前記ポンプ・ヘッド(20)の温度を感知するように構成され、前記第3の電気加熱装置(77)が、円周方向において前記第1の電気加熱装置(75)と前記第2の電気加熱装置(76)との間に挿置され、前記第2の電気加熱装置(76)が、円周方向において前記第3の電気加熱装置(77)と前記温度プローブ(79)との間に挿置され、前記温度プローブ(79)が、円周方向において前記第1の電気加熱装置(75)と前記第2の電気加熱装置(76)との間に挿置される、請求項4に記載のポンプ組立体(10)。
【請求項6】
前記第1の電気加熱装置(75)及び前記第2の電気加熱装置(76)が、円周方向において90°から180°の間に含まれる角度で互いから離間される、請求項4又は5に記載のポンプ組立体(10)。
【請求項7】
第1の電気加熱装置(75)、第2の電気加熱装置(76)、第3の電気加熱装置(77)、及び温度プローブ(79)からなる群から選択された任意の2つの円周方向において隣り合う要素が、円周方向において60°から120°の間に含まれる角度で互いから離間される、請求項5に記載のポンプ組立体(10)。
【請求項8】
前記温度プローブ(79)、前記第1の電気加熱装置(75)、前記第2の電気加熱装置(76)、及び前記第3の電気加熱装置(77)が、制御ユニット(83)と信号通信し、前記制御ユニット(83)が、前記ポンプ・ヘッド(30)の温度を所定の温度範囲内で維持するように構成される、請求項5から7までのいずれか一項に記載のポンプ組立体(10)。
【請求項9】
前記ポンプ・ヘッド(20)と前記ポンプ・ケーシング(11)との間にある接続インターフェース(66)を備え、前記接続インターフェース(66)が、第1の複数のボルト(70)を介して前記ポンプ・ケーシング(11)に機械的に接続され、前記ポンプ・ヘッド(20)が、前記第1の複数のボルト(70)とは異なる第2の複数のボルト(74)を介して前記接続インターフェース(66)に接続される、請求項1から8までのいずれか一項に記載のポンプ組立体(10)。
【請求項10】
前記接続インターフェース(66)が、前記第1の複数のボルト(70)の各ボルト(70)のための貫通スロット(67)を備え、各貫通スロット(67)が、前記ポンプ・ケーシング(11)の上で前記接続インターフェース(66)を軸方向において保持するためにボルト頭部(81)によって接触されるように構成された第1の部分(68)と、前記ボルト頭部(81)によって横断されるように構成された、円周方向において前記第1の部分(68)と隣り合う第2の部分(69)と、を備える、請求項9に記載のポンプ組立体(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動係合によりプランジャを受けるように構成されたガラス・シリンダを備える種類の注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、容器内に摺動係合される密閉プランジャを一般に備える注射デバイスが患者への注射により薬剤を送達するために医療分野で広く使用される。
【0003】
このような注射デバイスは、シリンジ、カートリッジを含むが、薬剤の皮下投与及び/又は静脈内投与のために使用される自己注射器又は自動注射器も含む。
【0004】
この種類のデバイスでは、満たす必要がある第1の必要条件が、例えばシリンジのシリンダなどの注射デバイスのシリンダ内でのプランジャの最適な摺動特性(静止摩擦及び動摩擦に関する)を有することである。
【0005】
特に実感のある追加の要求は、特に薬剤を予め充填されるシリンジなどの注射デバイスの事例において、プランジャの摺動特性を経時的に可能な限り一定に維持することである。
【0006】
実際には、予め充填される注射デバイスを使用することは薬剤投与を大幅に容易にし、扱いに柔軟性をもたらすが、薬剤の安定性及びより長い寿命(保存可能期間)などを保証するためには非常に低い温度でも充填後に非常に長い時間(数週間又は数か月)にわたって注射デバイスを保管しなければならない、ことも意味する。
【0007】
両方の必要条件を満たすために、シリンジ・ボディ及びプランジャの内側表面を被覆するための、通常はシリコーン・オイル・ベースである、コーティング組成物を使用して注射医療デバイスが取り扱われる。
【0008】
シリコーン・オイル・ベースのコーティング組成物は、注射のための医療デバイスを取り扱うためのポンプ組立体による供給を受けるノズルを通して、シリンジの内側表面の上に及び可能性としてプランジャの上に噴射される。
【0009】
具体的には、注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体は、通常、ケーシングと、回転往復ピストンを収容するポンプ・ヘッドと、入口導管と、送達導管と、を有する容積式ポンプを含む。入口導管が、挿置されるガスケット・シールを用いて、ポンプ・ヘッド内に形成された入口ポートの中にねじ込まれた第1のねじ切りされた端部と、コーティング組成物のためのリザーバに接続された導管を受けるように構成された同様にねじ切りされた第2の端部と、を有する。送達導管が、密閉ガスケットを挿置して、ポンプ・ヘッド内に形成された送達ポートの中にねじ込まれた第1のねじ切りされた端部と、コーティング組成物のための1つ又は複数の分配ノズルに接続された導管を受けるように構成された同様にねじ切りされた第2の端部と、を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
出願人は、コーティング層の均質性、コーティング層の潤滑特性、を向上させること、及び、コーティング層を可能な限り薄くすること、の試みのために、現在、種々のシリコーン・オイル・ベースの製剤がコーティング組成物として使用されていることに注目する。
【0011】
出願人は、注射のための医療デバイスの仕様により、デバイスに充填される物質の保管条件、注射速度、又は種類が変わることを理由として、注射のための医療デバイスを被覆するのに多様なシリコーン・オイル製剤が使用される可能性があることに注目する。
【0012】
出願人はさらに、注射医療デバイスの製造ラインにおいて注射医療デバイスの仕様を変える必要がある場合に、使用されることになる新しいコーティング組成物が以前に使用されたコーティング組成物によって汚染されないことを保証されなければならないことに注目する。
【0013】
しかし、出願人は、これにより、注射のための新しい医療デバイスを処理するために別のポンプ組立体を使用することが必要となるか、又は、注射のための新しい医療デバイスを処理するのに、既に使用されているポンプ組立体を完全に分解するか又は洗浄(flushing)することが必要となることに注目する。
【0014】
出願人は、異なるポンプ組立体が使用される事例では、注射医療デバイス(場合によっては1つのみのポンプ組立体しか使用されないが)の取り扱いのために多数のポンプ組立体を有することが必要であり、それにより、注射医療デバイスの取り扱いのためのすぐに使える状態の多数のポンプ組立体を製造して保管するために必要である注射医療デバイスの製造コストが高くなることに注目する。
【0015】
出願人はさらに、既に使用されたポンプ組立体が完全に分解されるか又は洗浄される事例では、完全な分解作業及び洗浄作業のために無視できない程度の停止時間が必要となり、その結果、注射医療デバイスの製造コストが上がることに注目する。
【0016】
実際には、出願人は、例えば、入口導管及び送達導管を再組み立てすることが、入口導管と入口ポートとの間に及び送達導管と送達ポートとの間に位置するそれぞれのガスケットを適切に密閉するのを保証するために、入口導管及び送達導管の第1の端部を慎重に締め付けることを必要とすることに注目する。これらの作業は、無視できない程度の時間に加えて、熟練労働者を採用することを必要とする。
【0017】
出願人は、コーティング組成物に接触することになる構成要素を迅速に分解及び再組み立てするのを可能にする、注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体を提案することにより、注射医療デバイスの製造コストが低減され得ることを認識している。
【0018】
出願人は、それぞれの第1の管状ボディを入口ポート及び送達ボートに安定して接続するように、並びに、入口ポート及び送達ポートを液密接触させるように、それぞれの第2の管状ボディを第1の管状ボディの中に挿入するように、入口導管及び送達導管が配置構成され得ることを見出した。
【0019】
出願人は、第1の管状ボディ及び第2の管状ボディにそれぞれの当接面を装備させることにより、及び、第2の管状ボディを第1の管状ボディのそれぞれの当接面に接触させて保持することにより、単純に第2の管状ボディを第1の管状ボディの中に挿入して互いに接触させて当接面を保持することにより、入口導管及び出口導管を組み立てることが可能となり、当接面を互いから離すように移動させることで単純に第2の管状ボディを第1の管状ボディから脱着することにより、入口導管及び出口導管を分解することが可能となることを見出した。
【0020】
出願人は、これにより、入口導管の管状ボディの当接面と入口ポートとの間の距離を適切に選定することで、可能性として密閉ガスケットを挿置することにより、第2の管状ボディが入口ポートに到達して入口ポート上で液密嵌合されるのを保証することが可能となることを理由として、入口導管を較正しながら入口ポートの中へと締め付けることが回避されるということを見出した。
【0021】
同様に、出願人は、これにより、送達導管の管状ボディの当接面と送達ポートとの間の距離を適切に選定することで、可能性として密閉ガスケットを挿置することにより、第2の管状ボディが送達ポートに到達して送達ポート上で液密嵌合されるのを保証することが可能となることを理由として、送達導管を較正しながら送達ポート内で締め付けることが回避されるということを見出した。
【0022】
こうすることで、コーティング組成物を変えるために必要であるクリーニング作業を実行することを目的とする、入口導管及び送達導管を分解して次いで入口導管及び送達導管を再組み立てする作業が単純化され、停止時間が短縮され、高度な熟練労働者が必要なくなり、医療注射デバイスの製造コストが低減される。
【0023】
したがって、本発明は、注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体に関連し、ポンプ組立体が、
回転軸を中心として回転する圧送ボディに接続された駆動装置を収容するポンプ・ケーシング、
ポンプ・チャンバであって、コーティング組成物を加圧するために圧送ボディがポンプ・チャンバの中に作用する、ポンプ・チャンバ、コーティング組成物のための入口ポート、及び、上記コーティング組成物のための送達ポート、を備えるポンプ・ヘッドであって、上記入口ポート及び上記送達ポートが上記ポンプ・チャンバに流体接続される、ポンプ・ヘッド、
上記コーティング組成物を上記入口ポートの中に入れるための入口マニホルド、及び、上記コーティング組成物を上記送達ポートから外に出すための送達マニホルド、
を備え、
入口マニホルド及び送達マニホルドの両方が、それぞれ、
入口ポート及び送達ポートの方をそれぞれ向く内部空洞、及び、当接面を備える第1のフランジ、を備える、ポンプ・ヘッドに接続された第1の管状ボディ、
第2の管状ボディであって、第1の管状ボディの内部空洞の中に挿入されて入口ポート及び送達ポートにそれぞれ液密接続された挿入部分、並びに、第2の管状ボディの径方向内側端部と径方向外側端部との間の位置に設けられた第2のフランジ、を有し、第1のフランジの当接面に接触するように設置された当接面を備える、第2の管状ボディ、
を備え、
ポンプ組立体が、第1のフランジの当接面に接触させて第2のフランジの当接面を押圧するために、入口マニホルドの第1のフランジ及び第2のフランジに対して機能する第1のクランプ、並びに、第1のフランジの当接面に接触させて第2のフランジの当接面を押圧するために、送達マニホルドの第1のフランジ及び第2のフランジに対して機能する第2のクランプ、をさらに備える。
【0024】
「径方向」及び「軸方向」という用語は、それぞれ、圧送ボディの回転軸に平行な方向と、圧送ボディの回転軸に対して垂直であって圧送ボディの回転軸と交差する平面に含まれる方向と、を基準として使用される。
【0025】
「径方向内側」及び「径方向外側」という表現は、圧送ボディの回転軸にそれぞれより近い及びより遠い位置を示す。
【0026】
「円周方向(の)」及び「円周方向に」という用語は、圧送ボディの回転軸を中心として圧送ボディの回転軸に対して垂直である平面に含まれる円形方向を基準として使用される。
【0027】
ポンプ組立体の2つの構成要素に言及するときの「円周方向において隣接する」という表現は、第1の構成要素が円周方向に沿って第2の構成要素の前にあるか又は後ろにあることを示すのに使用される。
【0028】
本発明は、特定の要求に従って所望される場合に互いに組み合わされる以下の好適な特徴のうちの1つ又は複数の特徴を備えることができる。
【0029】
好適には、入口マニホルドの第2の管状ボディの挿入部分が、入口マニホルドの第1の管状ボディの第1のフランジの当接面から入口ポートのところに位置するガスケット・シールまで延在する。
【0030】
好適には、入口ポートのところに位置するガスケット・シールが、入口マニホルドの第2の管状ボディの挿入部分の径方向内側端部のところに設けられたリング溝の中に部分的に挿入される。
【0031】
好適には、入口マニホルドの第1の管状ボディの第1のフランジの当接面と入口ポートとの間の径方向の距離が、挿入部分の長さ及び径方向においてリング溝を越えて延在するガスケット・シールの一部分の長さの合計に実質的に等しい。
【0032】
好適には、挿入部分の長さが、当接面から入口マニホルドの第2の管状ボディの径方向内側端部までで測定される。
【0033】
好適には、リング溝が、入口マニホルドの第2の管状ボディの挿入部分の径方向内側端部のところでガスケット・シールを保持する。
【0034】
好適には、送達マニホルドの第2の管状ボディの挿入部分が、送達マニホルドの第1の管状ボディの第1のフランジの当接面から送達ポートのところに位置するガスケット・シールまで延在する。
【0035】
好適には、送達ポートのところに位置するガスケット・シールが、送達マニホルドの第2の管状ボディの挿入部分の径方向内側端部のところに設けられたリング溝の中に部分的に挿入される。
【0036】
好適には、送達マニホルドの第1の管状ボディの第1のフランジの当接面と送達ポートとの間の径方向の距離が、挿入部分の長さ及び径方向においてリング溝を越えて延在するガスケット・シールの一部分の長さの合計に実質的に等しい。
【0037】
好適には、挿入部分の長さが、当接面から送達マニホルドの第2の管状ボディの径方向内側端部までで測定される。
【0038】
好適には、リング溝が、送達マニホルドの第2の管状ボディの挿入部分の径方向内側端部のところでガスケット・シールを保持する。
【0039】
好適には、入口マニホルドの第1の管状ボディがポンプ・ヘッドと一体である。
【0040】
好適には、送達マニホルドの第1の管状ボディがポンプ・ヘッドと一体である。
【0041】
好適には、入口マニホルドの第1の管状ボディの第1のフランジが、当接面に対向する円錐面を備える。
【0042】
好適には、第1のフランジの当接面が、第1のフランジの円錐面に対して径方向外側にある。
【0043】
好適には、入口マニホルドの第2の管状ボディの第2のフランジが、当接面に対向する円錐面を備える。
【0044】
好適には、第2のフランジの当接面が、第2のフランジの円錐面に対して径方向内側にある。
【0045】
好適には、第1のクランプが、第1の円錐接触面及び第2の円錐接触面を備える。
【0046】
好適には、第1のクランプが、第1の円錐接触面及び第2の円錐接触面を第1のフランジ及び第2のフランジのそれぞれの円錐面に摺動可能に連結するためのクランプねじを備える。
【0047】
クランプねじを締め付けることにより、第1の円錐接触面及び第2の円錐接触面が、第2のフランジに対して第1のフランジを押圧するために第1のフランジ及び第2のフランジの円錐面に沿って摺動する。
【0048】
第1のフランジが第2のフランジに対して押圧されると、第1の管状ボディの当接面及び第2の管状ボディの当接面が互いに対して押圧され、その結果、第1のフランジと第2のフランジとの間での液密を実現する。
【0049】
好適には、第1のクランプの第1の円錐接触面及び第2の円錐接触面が径方向において互いの方を向く。
【0050】
好適には、第1のクランプの第1の円錐接触面が第1のフランジの円錐面に接触する。
【0051】
好適には、第1のクランプの第2の円錐接触面が第2のフランジの円錐面に接触する。
【0052】
好適な実施例では、第1のクランプが、それぞれの第1の端部分のところで径方向に方向付けられたヒンジ軸に沿って互いにヒンジ式に取り付けられた第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分を備える。
【0053】
好適には、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分が、円周方向においてそれぞれの第1の端部分に対向するそれぞれの第2の端部分を備える。
【0054】
好適には、第1の円錐接触面の第1の半体及び第2の円錐接触面の第1の半体が第1のクランプ部分の上に設けられ、第1の円錐接触面の第2の半体及び第2の円錐接触面の第2の半体が第2のクランプ部分の上に設けられる。
【0055】
好適には、クランプねじが、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分の第2の端部分のところで機能する。クランプねじを締め付けることにより、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分の第2の端部分が互いに近づくように移動し、対して、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分がヒンジ軸を中心として回転する。
【0056】
好適な実施例では、クランプねじが、ねじを締めたりねじを緩めたりするための工具を一切必要としない蝶型ねじである。
【0057】
好適には、送達マニホルドの第1の管状ボディの第1のフランジが、当接面に対向する円錐面を備える。
【0058】
好適には、好適には、第1のフランジの当接面が、第1のフランジの円錐面に対して径方向外側にある。
【0059】
好適には、送達マニホルドの第2の管状ボディの第2のフランジが、当接面に対向する円錐面を備える。
【0060】
好適には、第2のフランジの当接面が、第2のフランジの円錐面に対して径方向内側にある。
【0061】
好適には、第2のクランプが、第1の円錐接触面及び第2の円錐接触面を備える。
【0062】
好適には、第2のクランプが、第1の円錐接触面及び第2の円錐接触面を第1のフランジ及び第2のフランジのそれぞれの円錐面に摺動可能に連結するためのクランプねじを備える。
【0063】
クランプねじを締め付けることにより、第1の円錐接触面及び第2の円錐接触面が、第2のフランジに対して第1のフランジを押圧するために第1のフランジ及び第2のフランジの円錐面に沿って摺動する。
【0064】
第1のフランジが第2のフランジに対して押圧されると、第1の管状ボディの当接面及び第2の管状ボディの当接面が互いに対して押圧され、その結果、第1のフランジと第2のフランジとの間での液密を実現する。
【0065】
好適には、第2のクランプの第1の円錐接触面及び第2の円錐接触面が径方向において互いの方を向く。
【0066】
好適には、第2のクランプの第1の円錐接触面が第1のフランジの円錐面に接触する。
【0067】
好適には、第2のクランプの第2の円錐接触面が第2のフランジの円錐面に接触する。
【0068】
好適な実施例では、第2のクランプが、それぞれの第1の端部分のところで径方向に方向付けられたヒンジ軸に沿って互いにヒンジ式に取り付けられた第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分を備える。
【0069】
好適には、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分が、円周方向においてそれぞれの第1の端部分に対向するそれぞれの第2の端部分を備える。
【0070】
好適には、第1の円錐接触面の第1の半体及び第2の円錐接触面の第1の半体が第1のクランプ部分の上に設けられ、第1の円錐接触面の第2の半体及び第2の円錐接触面の第2の半体が第2のクランプ部分の上に設けられる。
【0071】
好適には、クランプねじが、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分の第2の端部分のところで機能する。クランプねじを締め付けることにより、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分の第2の端部分が互いに近づくように移動し、対して、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分がヒンジ軸を中心として回転する。
【0072】
好適な実施例では、クランプねじが、ねじを締めたりねじを緩めたりするための工具を一切必要としない蝶型ねじである。
【0073】
好適には、ポンプ組立体が、ポンプ・ヘッドを加熱するように構成された、ポンプ・ヘッド内でポンプ・チャンバのところで機能する第1の電気加熱装置及び第2の電気加熱装置を備える。
【0074】
これに関して、出願人は、コーティング組成物として適する多様なシリコーン・オイル・ベースの製剤が、性質の中でもとりわけ、非常に低い値(約1000cSt)から高い値(約1000cSt以上)の範囲となり得る、室温での多様な動粘性率値を有することができることに注目する。
【0075】
出願人は、注射のための医療デバイスの上にコーティング組成物を噴射するノズルまでポンプ組立体により十分に送達されるために、室温で多様な動粘性率値を有するシリコーン・オイル・ベースの製剤が多様な温度又は温度範囲まで加熱される必要があることに注目する。
【0076】
具体的には、出願人は、室温で高い動粘性率値を有するシリコーン・オイル・ベースの製剤が、低い動粘性率値を有するシリコーン・オイル・ベースの製剤より高い温度まで加熱されなければならないことに注目する。
【0077】
実際には、出願人は、シリンジの内側表面及び可能性としてプランジャの上にコーティング組成物を均等に広めることを目的として、ノズルがエアロゾル(エアロゾルでは気体状態(例えば、空気)の物質の粒子がコーティング組成物中に懸濁する)を作ることにより潤滑物質を噴霧化することが必要であることに注目する。このようなエアロゾルを十分に作り出すのを保証するためには、コーティング組成物が所定の温度まで加熱されなければならないか又は所定の温度範囲内で維持されなければならない。
【0078】
出願人は、ポンプ・ヘッド内のポンプ・チャンバのところで機能する少なくとも第1の電気加熱装置及び第2の電気加熱装置を備えるポンプ組立体を提供することにより、同じポンプ組立体を使用して、室温で多様な動粘性率値を有するシリコーン・オイル・ベースの製剤を使用することが可能となることを認識している。
【0079】
出願人は、実際には、多様な仕様を有する注射医療デバイスを処理するために、ポンプ組立体が取り外されて、クリーニングされて、再設置されると、ポンプ・ヘッド及びポンプ・チャンバが多様な温度又は温度範囲まで加熱され得、それにより室温で多様な動粘性率値を有するシリコーン・オイル・ベースの製剤を使用することが可能となることを認識している。
【0080】
電気加熱装置は、ポンプ・ヘッド及びポンプ・ヘッド内に設けられたポンプ・チャンバを所定の温度範囲で維持するのを可能にする。
【0081】
出願人は、2つの電気加熱装置を提供することにより、ポンプ・ヘッド内の温度の均等分布を改善することができることを見出した。
【0082】
好適な実施例では、第1の電気加熱装置及び第2の電気加熱装置が、円周方向において90°から180°の間に含まれる角度で互いから離間される。
【0083】
好適には、第1の電気加熱装置及び第2の電気加熱装置が、円周方向において約180°の角度で離間される。
【0084】
第1の電気加熱装置と第2の電気加熱装置との間の円周方向の間隔がポンプ・ヘッドを均等に加熱するのに寄与する。
【0085】
好適には、ポンプ組立体が、ポンプ・ヘッド内のポンプ・チャンバのところで機能する第3の電気加熱装置を備える。
【0086】
好適には、第3の電気加熱装置が、ポンプ・ヘッドを均等に加熱することにおいて、第1の電気加熱装置及び第2の電気加熱装置と協働して上記ポンプ・ヘッドを加熱するように構成される。
【0087】
好適には、ポンプ組立体が、ポンプ・ヘッド内のポンプ・チャンバのところで機能する温度プローブを備える。
【0088】
好適には、上記温度プローブが、ポンプ・チャンバのところでポンプ・ヘッドの温度を感知するように構成される。
【0089】
好適には、上記第3の電気加熱装置が、円周方向において上記第1の電気加熱装置と第2の電気加熱装置との間に挿置される。
【0090】
好適には、上記第2の電気加熱装置が、円周方向において上記第3の電気加熱装置と上記温度プローブとの間に挿置される。
【0091】
好適には、上記温度プローブが、円周方向において上記第1の電気加熱装置と第2の電気加熱装置との間に挿置される。
【0092】
したがって、好適な実施例では、第1の電気加熱装置、第2の電気加熱装置、第3の電気加熱装置、及び温度プローブが、ヘッド・ポンプの上に配置され、その結果、円周方向に沿って進むとすると、第3の電気加熱装置が第1の電気加熱装置の後にあり、第2の電気加熱装置が第3の電気加熱装置の後にあり、温度プローブが第2の電気加熱装置の後にあり、第1の電気加熱装置が温度プローブの後にある。
【0093】
ポンプ・ヘッド内での及びポンプ・チャンバ内での温度の均等分布を最大限にするために、好適には、第1の電気加熱装置、第2の電気加熱装置、第3の電気加熱装置、及び温度プローブからなる群から選択された任意の2つの円周方向において隣り合う要素が、円周方向において60°から120°の間に含まれる角度で互いから離間される。
【0094】
好適な実施例では、第1の電気加熱装置及び第3の電気加熱装置が、円周方向において約60°の角度で離間される。
【0095】
好適には、第3の電気加熱装置及び第2の電気加熱装置が円周方向において約120°の角度で離間される。
【0096】
好適には、第2の電気加熱装置及び温度プローブが円周方向において約60°の角度で離間される。
【0097】
好適には、温度プローブ及び第1の電気加熱装置が円周方向において約120°の角度で離間される。
【0098】
好適には、第1の電気加熱装置及び第2の電気加熱装置が保持リングを通る定位置で保持される。
【0099】
第3の電気加熱装置及び温度プローブを備える好適な実施例では、第3の電気加熱装置及び温度プローブも保持リングを通る定位置で保持される。
【0100】
好適には、上記保持リングが、軸方向においてポンプ・ケーシングに対向する位置でポンプ・ヘッドに機械的に接続される。
【0101】
好適には、上記保持リングが、ねじを締めたりねじを緩めたりするための工具を一切必要としない蝶型ねじによりポンプ・ヘッドに機械的に接続される。
【0102】
蝶型ねじを締め付けることにより、第1の電気加熱装置、第2の電気加熱装置、第3の電気加熱装置、及び温度プローブを共に保持リングがヘッド・ポンプから同時に取り外され得る。
【0103】
好適には、上記蝶型ねじがヘッド・ポンプの中にねじ込まれる。
【0104】
好適には、円周方向において約180°の角度で離間される2つの蝶型ねじが設けられる。
【0105】
好適な実施例では、一方の蝶型ねじが、円周方向において第2の電気加熱装置と第3の電気加熱装置との間に挿置され、もう一方の蝶型ねじが、円周方向において温度プローブと第1の電気加熱装置との間に挿置される。
【0106】
好適には、上記温度プローブ、上記第1の電気加熱装置、上記第2の電気加熱装置、及び上記第3の電気加熱装置が、制御ユニットと信号通信する。
【0107】
好適には、上記制御ユニットが、ポンプ・ヘッドの温度を所定の温度範囲内で維持するように構成される。
【0108】
好適には、上記制御ユニットが、安定した温度又は安定した温度範囲を表す第1の入力データを受信するように、並びに、上記第1の電気加熱装置、上記第2の電気加熱装置、及び上記第3の電気加熱装置(存在する場合)を起動するのに適する第2の入力データを生成するように、構成される。
【0109】
好適には、上記第1の入力データが、使用者によって操作されるように構成されたユーザー・インターフェースによって生成される。
【0110】
好適には、上記制御ユニットが、温度プローブによって感知される温度を表す、上記温度プローブからの第3の入力データを受信するように構成される。
【0111】
好適には、上記制御ユニットが、上記第1の入力データ及び上記第3の入力データを比較するように、及び、感知される温度が安定した温度未満であるか又は安定した温度範囲の最小値未満である場合に上記第2の入力データを生成するように、構成される。
【0112】
好適には、上記制御ユニットが、上記第1の入力データ及び上記第3の入力データを比較するように、及び、感知される温度が安定した温度より高いか又は安定した温度範囲の最大値より高い場合に第4の入力データを生成するように、構成される。
【0113】
好適には、上記第4の入力データが、上記第1の電気加熱装置、上記第2の電気加熱装置、及び上記第3の電気加熱装置(存在する場合)を停止するのに適する。
【0114】
好適な実施例では、ポンプ組立体が、上記ポンプ・ヘッドと上記ポンプ・ケーシングとの間に配置された接続インターフェースを備える。
【0115】
好適には、上記接続インターフェースが、第1の複数のボルトを介して上記ポンプ・ケーシングに機械的に接続され、上記ポンプ・ヘッドが、上記第1の複数のボルトとは異なる第2の複数のボルトを介して上記接続インターフェースに接続される。
【0116】
接続インターフェースが、接続インターフェースをポンプ・ケーシングから機械的に接続解除することによりヘッド・ポンプをポンプ・ケーシングから取り外すのを可能にする。出願人は、これにより、設置作業中及び取り外し作業中に第1の複数のボルトを容易にアクセス可能にするように接続インターフェースを構成することが可能となることを認識している。実際には、この作業中、ポンプ・ヘッドが接続インターフェースに機械的に接続された状態を維持することができる。さらに、第1の複数のボルトが接続インターフェースとポンプ・ケーシングとの間でのみ機能し、接続インターフェースが、ヘッド・ポンプ(ポンプ・チャンバ、入口ポート、送達ポートを含むように、入口マニホルドを入口ポートに接続するように、及び、送達マニホルドを送達ポートに接続するように、設計されなければならない)に影響するようなすべての設計制限の影響を受けず、その結果、ポンプ・ヘッドの設置作業中及び取り外し作業中に第1の複数のボルトを実際に容易にアクセス可能にすることが可能となる。
【0117】
これに関して、好適には、上記接続インターフェースが、上記第1の複数のボルトの各ボルトのための貫通スロットを備え、上記貫通スロットが、ポンプ・ケーシングの上で接続インターフェースを軸方向において保持するためにボルト頭部によって接触されるように構成された第1の部分と、ボルト頭部によって横断されるように構成された、円周方向において第1の部分と隣り合う第2の部分と、を備える。
【0118】
したがって、接続インターフェースが、第1の複数のボルトを緩めて(第1の複数のボルトを完全に脱着する必要がない)、ボルト頭部を貫通スロットの第2の部分に位置合わせするためにヘッド・ポンプと共に接続インターフェースを回転させて、第1の複数のボルトをポンプ・ケーシングの中に部分的にねじ込んだままにしてヘッド・ポンプと共に接続インターフェースを引き抜くことにより、ポンプ・ケーシングから取り外され得る。
【0119】
好適には、ポンプ・チャンバが、軸方向端部において、ヘッド・ポンプ内に設けられた窓によって閉じられ、その結果、ポンプ組立体の機能中にポンプ・チャンバの内部を見ることが可能となる。
【0120】
好適には、ポンプ・チャンバ及び圧送ボディが容積ポンプを画定する。
【0121】
好適には、このような容積ポンプが回転往復ピストン・ポンプである。
【0122】
好適な実施例では、圧送ボディが、ポンプ・チャンバ内で上記回転軸を中心として回転し、ポンプ・チャンバ内で往復運動する、ピストンである。
【0123】
添付図面を参照する好適な実施例の以下の説明から本発明の別の特徴及び利点が明らかとなる。図面に概略的なものであり、例示及び非限定の目的のために作られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0124】
図1】本発明による注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体を示す斜視図である。
図2図1のポンプ組立体を示す側面図である。
図3】他の構成要素をより良好に例示するためにいくつかの構成要素を取り除いた、図2のポンプ組立体の平面III-IIIに沿う断面図である。
図4】本発明によるポンプ組立体の入口マニホルド及び送達マニホルドを示す、図3の断面図に従う断面図である。
図5】本発明によるポンプ組立体の入口マニホルド及び送達マニホルドを示す、図3の断面図に従う断面図である。
図6】他の構成要素をより良好に例示するためにいくつかの構成要素を取り除いた、図1のポンプ組立体を示す正面図である。
図7】他の構成要素をより良好に例示するためにいくつかの構成要素を取り除いた、図1のポンプ組立体を示す別の斜視図である。
図8】他の構成要素をより良好に例示するためにいくつかの構成要素を取り除いた、図1のポンプ組立体を示す部分分解斜視図である。
図9】本発明によるポンプ組立体のいくつかの構成要素を示す概図である。
【発明を実施するための形態】
【0125】
本発明の好適な実施例による注射医療デバイスの取り扱いのためのポンプ組立体が図1では参照符号10で示される。
【0126】
ポンプ組立体10が、例えば電気モータなどの駆動装置(図示せず)及び駆動装置を作動させるための関連デバイス、を含むポンプ・ケーシング11を備える。
【0127】
駆動装置が、ポンプ・チャンバ13内で圧送ボディ12(図3に概略的に示される)を作動させるように構成される。駆動装置及び圧送ボディ12が、ポンプ・シャフト14(図3に概略的に示される)により互いに接続される。
【0128】
本発明の好適な実施例では、圧送ボディ12が、ポンプ・チャンバ13内で回転軸Xを中心として回転し、ポンプ・チャンバ13内で回転軸Xに沿って往復運動する、ピストンである。ポンプ・チャンバ13及び圧送ボディ12がバルブレスの単一の可逆容積式ポンプを具現化し、特に回転往復ピストン・ポンプを具現化する。
【0129】
ポンプ・ケーシング11が、ポンプ組立体10を製造ラインのフレームの上に設置するための接続プレート15を備える。ポンプ・ケーシング11が、ポンプ・ケーシング11の軸方向端部のところに配置されたインスペクション(inspection)・ボルト16及びインスペクション・ケーシング17をさらに備える。インスペクション・ケーシング17が軸方向において接続プレート15を基準として駆動装置に対向するように配置される。インスペクション・ケーシング17が、ポンプ・シャフト14が横断するところであるインスペクション空洞18を画定する。インスペクション・ボルト16が、インスペクション・ケーシング17のインスペクション・アパーチャ19内でねじを締められたりねじを緩められたりするように構成される(図7)。インスペクション・ボルト16を締め付けることにより、インスペクション空洞18がアクセスされ得、ポンプ・シャフト14が保守管理及びクリーニング作業のためにアクセスされ得る。
【0130】
ポンプ組立体10が、ポンプ・ケーシング11に動作可能に接続されたポンプ・ヘッド20を備える。
【0131】
ポンプ・ヘッド20が、円筒形状を有し、圧送ボディ12を受ける、ポンプ・チャンバ13を備える。ポンプ・チャンバ13がポンプ・ケーシング11の方を向く軸方向端部のところで開いており、反対の軸方向端部においてキャップ21によって閉じている(図3の分解図に示される)。キャップ21はポンプ・ヘッド20の一部であり、ポンプ・チャンバ13の方を向く窓22を備える。キャップ21が、徹底的なクリーニング中にポンプ・チャンバ13にアクセスすることができるように、ポンプ・チャンバ13から取り外され得る。
【0132】
ポンプ・チャンバ13が入口ポート23及び送達ポート24を備える。入口ポート23が、加圧されることになるコーティング組成物がポンプ・チャンバ13の中にアクセスするのを可能にし、送達ポート24が、加圧されたコーティング組成物がポンプ・チャンバ13から外に出るのを可能にする。入口ポート23及び送達ポート24が、ポンプ・チャンバ13上の反対の円周位置に設けられる。入口ポート23及び送達ポート24が円周方向において約180°離間される。
【0133】
コーティング組成物が入口ポート23に到達するのを可能にするために、ポンプ・ヘッド20が、入口ポート23に流体連通され、入口パイプ100(図1及び2に部分的に示される)を通してリザーバ(図示せず)に流体接続され得る、入口マニホルド25を備える。
【0134】
入口マニホルド25が2つの取り外し可能である部品で実質的に具現化される。特に、入口マニホルド25が、第1の管状ボディ26及び第2の管状ボディ27を備える。
【0135】
第1の管状ボディ26が、好適には永久的にポンプ・ヘッド20に接続される。好適な実施例では、第1の管状ボディ26がポンプ・ヘッド20と一体である。第1の管状ボディ26が、第1の管状ボディ26の全体に沿って延在し、入口ポート23に流体連通された、内部空洞28を備える。
【0136】
第1の管状ボディ26の外側径方向端部のところに、当接面30を有する第1のフランジ29が設けられる。第1のフランジ29が第1の管状ボディ26と一体である。当接面30が環状形状の平坦表面である。当接面30のところで内部空洞28が径方向外側の方向に開いている。第1のフランジ29が、径方向において当接面30の反対側に円錐面31をさらに備える。第1のフランジ29が、当接面30を第1の管状ボディの側壁に繋ぐために円錐面31のところで先細形状になっている。第1のフランジ29が、当接面30に向かう方向である径方向においてその横断面を漸進的に増大させるように円錐面31のところで先細形状になっている。当接面30が第1のフランジ29の円錐面31に対して径方向外側にある。第1のフランジ29の円錐面31が、径方向において入口ポート23と当接面30との間に挿置される。
【0137】
第2の管状ボディ27が、径方向内側端部から径方向外側端部まで第2の管状ボディ27の全体に沿って延在する内部空洞32を備える。第2の管状ボディ27の径方向外側端部が、例えば圧縮継手101により、入口パイプ100を通してリザーバ(図示せず)に流体接続され得る。
【0138】
第2の管状ボディ27が、当接面34を有する第2のフランジ33を備える。第2のフランジ33が第2の管状ボディ27と一体である。第2のフランジ33が、第2の管状ボディ27の径方向内側端部と径方向外側端部との間の位置で第2の管状ボディ27に沿って設けられる。当接面34が環状形状の平坦表面であり、第1のフランジ29の当接面30と同じ寸法を呈する。当接面34が第1のフランジ29の当接面30に対向する形状である。当接面34と共に第2のフランジ33には内部空洞32が横断する。第2のフランジ33が、径方向において当接面34の反対側に円錐面35をさらに備える。第2のフランジ33が、当接面34を第2の管状ボディの側壁に繋ぐために円錐面35のところで先細形状になっている。第2のフランジ33が、当接面34に向かう方向である径方向においてその横断面を漸進的に増大させるように円錐面35のところで先細形状になっている。当接面34が第2のフランジ33の円錐面35に対して径方向内側にある。当接面34が、径方向において入口ポート23と第2のフランジ33の円錐面35との間に挿置される。
【0139】
第2のフランジ33の当接面34が第1のフランジ29の当接面30に連結される。
【0140】
第2の管状ボディが、第1の管状ボディ26の内部空洞28の中に摺動可能に挿入されて入口ポート23に液密接続された挿入部分36を備える。挿入部分36が、第1の管状ボディ26の内部空洞28の横方向寸法よりわずかに小さい横方向寸法(つまり、挿入部分36の径方向延在方向に対して垂直である平面に沿う寸法)を有する。
【0141】
挿入部分36が実質的に当接面34から入口ポート23まで延在する。特に、ガスケット・シール38が、内部空洞32を入口ポート23に流体的に連結するために挿入部分36と入口ポート23との間に挿置される。ガスケット・シール38が、挿入部分36の径方向内側端部に一致する第2の管状ボディ27の径方向内側端部のところに設けられたリング溝39(図4)の中に部分的に挿入される。リング溝39がガスケット・シール38を第2の管状ボディ27に対して保持する。
【0142】
図4に概略的に示されるように、第1のフランジ29の当接面30と入口ポート23との間の径方向の距離L1が、挿入部分36の長さL2及び径方向においてリング溝39を越えて延在するガスケット・シール38の一部分の長さL3の合計に実質的に等しい。挿入部分36の長さL2が、第2のフランジ33の当接面34から挿入部分36の内側端部までで測定される。
【0143】
第1のフランジ29の当接面30と第2のフランジ33の当接面34との間の液密連結及びひいては第1の管状ボディ26の内部空洞28と第2の管状ボディ27の内部空洞32との間の液密連結を保証するために、第1のフランジ29の当接面30及び第2のフランジ33の当接面34が互いに対して押圧される。
【0144】
これに関連して、ポンプ組立体10が、第1のフランジ29に対して及び第2のフランジ33に対して機能する第1のクランプ40を備える。
【0145】
第1のクランプ40が、径方向に方向付けられたヒンジ軸に沿って互いにヒンジ式に取り付けられた第1のクランプ部分41及び第2のクランプ部分42を備える。第1のクランプ40が、第1の円錐接触面43及び第2の円錐接触面44を備える。
【0146】
第1の円錐接触面43が第1のクランプ部分41及び第2のクランプ部分42の両方の上を延在し、さらには、第2の円錐接触面44が第1のクランプ部分41及び第2のクランプ部分42の両方の上を延在する。言い換えると、第1のクランプ部分41が、第1の円錐接触面43及び第2の円錐接触面44の第1の部分を備え、第2のクランプ部分42が、第1の円錐接触面43及び第2の円錐接触面44の第2の部分を備える。
【0147】
第1のクランプ40が、第1の管状ボディ26を第2の管状ボディ27に連結するために第1のフランジ29及び第2のフランジ33を互いに対して挟扼するように構成される。
【0148】
この目的のため、第1の円錐接触面43が第1のフランジ29の円錐面31の方を向き、第2の円錐接触面44が第2のフランジ33の円錐面35の方を向く。第1の円錐接触面43が第1のフランジ29の円錐面31に対向する形状であり、第2の円錐接触面44が第2のフランジ33の円錐面35に対向する形状である。
【0149】
第1のクランプ部分41及び第2のクランプ部分42が、それぞれの端部分(ヒンジ軸を基準として対向する)を互いに近づけるように移動させるためにヒンジ軸を中心として回転することができる。
【0150】
第1のクランプ40が、第1のクランプ部分41及び第2のクランプ部分42の端部分を互いに近づけるように移動させるために第1のクランプ部分41及び第2のクランプ部分42の両方に対して機能するクランプねじ40aを備える。
【0151】
第1のクランプ40を第1のフランジ29及び第2のフランジ33の上に置くことにより並びにクランプねじ40aをねじ込むことにより、第1の円錐接触面43及び第2の円錐接触面44が第1のフランジ29の円錐面31及び第2のフランジ33の円錐面35の上を摺動し、第1のフランジ29の円錐面31及び第2のフランジ33の円錐面35の上に力を作用させる。この力は、第2のフランジ33の当接面34に接触させて第1のフランジ29の当接面30を押圧する径方向成分を有する。
【0152】
クランプねじ40aを緩めることにより、第1のフランジ29が第2のフランジ33から切り離され得、第2の管状ボディ27の挿入部分36が第1の管状ボディ26の内部空洞28から引き抜かれ得る。
【0153】
好適な実施例では、クランプねじ40aが蝶型ねじである。
【0154】
ポンプ・チャンバ13内で加圧されたコーティング組成物がノズル(図示せず)に到達するのを可能にするために、ポンプ・ヘッド20が、送達ポート24に流体連通され、送達パイプ102(図1及び2に部分的に示される)に流体接続され得る、送達マニホルド45を備える。
【0155】
送達マニホルド45が入口マニホルド25と実質的に同じである。
【0156】
送達マニホルド45が2つの取り外し可能である部品で実質的に具現化される。特に、送達マニホルド45が、第1の管状ボディ46及び第2の管状ボディ47を備える。
【0157】
第1の管状ボディ46が、好適には永久的にポンプ・ヘッド20に接続される。好適な実施例では、第1の管状ボディ46がポンプ・ヘッド20と一体である。第1の管状ボディ46が、第1の管状ボディ46の全体に沿って延在し、送達ポート24に流体連通された、内部空洞48を備える。
【0158】
第1の管状ボディ46の外側径方向端部のところに、当接面50を有する第1のフランジ49が設けられる。第1のフランジ49が第1の管状ボディ46と一体である。当接面50が環状形状の平坦表面である。当接面50のところで内部空洞48が径方向外側の方向に開いている。第1のフランジ49が、径方向において当接面50の反対側に円錐面51をさらに備える。第1のフランジ49が、当接面50を第1の管状ボディの側壁に繋ぐために円錐面51のところで先細形状になっている。第1のフランジ49が、当接面50に向かう方向である径方向においてその横断面を漸進的に増大させるように円錐面51のところで先細形状になっている。当接面50が第1のフランジ49の円錐面51に対して径方向外側にある。第1のフランジ49の円錐面51が、径方向において送達ポート24と当接面50との間に挿置される。
【0159】
第2の管状ボディ47が、径方向内側端部から径方向外側端部まで第2の管状ボディ47の全体に沿って延在する内部空洞52を備える。第2の管状ボディ47の径方向外側端部が、例えば圧縮継手103により、送達パイプ102に流体接続され得る。
【0160】
第2の管状ボディ47が、当接面54を有する第2のフランジ53を備える。第2のフランジ53が第2の管状ボディ47と一体である。第2のフランジ53が、第2の管状ボディ47の径方向内側端部と径方向外側端部との間の位置で第2の管状ボディ47に沿って設けられる。当接面54が環状形状の平坦表面であり、第1のフランジ49の当接面50と同じ寸法を呈する。当接面54が第1のフランジ49の当接面50に対向する形状である。当接面54と共に第2のフランジ53には内部空洞52が横断する。第2のフランジ53が、径方向において当接面54の反対側に円錐面55をさらに備える。第2のフランジ53が、当接面54を第2の管状ボディの側壁に繋ぐために円錐面55のところで先細形状になっている。第2のフランジ53が、当接面54に向かう方向である径方向においてその横断面を漸進的に増大させるように円錐面55のところで先細形状になっている。当接面54が第2のフランジ53の円錐面55に対して径方向内側にある。当接面54が、径方向において送達ポート24と第2のフランジ53の円錐面55との間に挿置される。
【0161】
第2のフランジ33の当接面34が第1のフランジ29の当接面30に連結される。
【0162】
第2の管状ボディ47が、第1の管状ボディ46の内部空洞48の中に摺動可能に挿入されて送達ポート24に液密接続された挿入部分56を備える。挿入部分56が、第1の管状ボディ46の内部空洞48の横方向寸法よりわずかに小さい横方向寸法(つまり、挿入部分56の径方向延在方向に対して垂直である平面に沿う寸法)を有する。
【0163】
挿入部分56が実質的に当接面54から送達ポート24まで延在する。特に、ガスケット・シール58が、内部空洞52を送達ポート24に流体的に連結するために挿入部分56と送達ポート24との間に挿置される。ガスケット・シール58が、挿入部分56の径方向内側端部に一致する第2の管状ボディ47の径方向内側端部のところに設けられたリング溝59(図5)の中に部分的に挿入される。リング溝59がガスケット・シール58を第2の管状ボディ47に対して保持する。
【0164】
図5に概略的に示されるように、第1のフランジ49の当接面50と送達ポート24との間の径方向の距離L4が、挿入部分56の長さL5及び径方向においてリング溝59を越えて延在するガスケット・シール58の一部分の長さL6の合計に実質的に等しい。挿入部分56の長さL5が、第2のフランジ53の当接面54から挿入部分56の内側端部までで測定される。
【0165】
第1のフランジ49の当接面50と第2のフランジ53の当接面54との間の液密連結及びひいては第1の管状ボディ46の内部空洞48と第2の管状ボディ47の内部空洞52との間の液密連結を保証するために、第1のフランジ49の当接面50及び第2のフランジ53の当接面54が互いに対して押圧される。
【0166】
これに関連して、ポンプ組立体10が、第1のフランジ49に対して及び第2のフランジ53に対して機能する第2のクランプ60を備える。
【0167】
第2のクランプ60が、径方向に方向付けられたヒンジ軸に沿って互いにヒンジ式に取り付けられた第1のクランプ部分61及び第2のクランプ部分62を備える。第2のクランプ60が、第1の円錐接触面63及び第2の円錐接触面64を備える。
【0168】
第1の円錐接触面63が第1のクランプ部分61及び第2のクランプ部分62の両方の上を延在し、さらには、第2の円錐接触面64が第1のクランプ部分61及び第2のクランプ部分62の両方の上を延在する。言い換えると、第1のクランプ部分61が、第1の円錐接触面63及び第2の円錐接触面64の第1の部分を備え、第2のクランプ部分62が、第1の円錐接触面63及び第2の円錐接触面64の第2の部分を備える。
【0169】
第2のクランプ60が、第1の管状ボディ46を第2の管状ボディ47に連結するために第1のフランジ49及び第2のフランジ53を互いに対して挟扼するように構成される。
【0170】
この目的のため、第1の円錐接触面63が第1のフランジ49の円錐面51の方を向き、第2の円錐接触面64が第2のフランジ53の円錐面55の方を向く。第1の円錐接触面63が第1のフランジ49の円錐面51に対向する形状であり、第2の円錐接触面64が第2のフランジ53の円錐面55に対向する形状である。
【0171】
第1のクランプ部分61及び第2のクランプ部分62が、それぞれの端部分(ヒンジ軸を基準として対向する)を互いに近づけるように移動させるためにヒンジ軸を中心として回転することができる。
【0172】
第2のクランプ60が、第1のクランプ部分61及び第2のクランプ部分62の端部分を互いに近づけるように移動させるために第1のクランプ部分61及び第2のクランプ部分62の両方に対して機能するクランプねじ60aを備える。
【0173】
第2のクランプ60を第1のフランジ49及び第2のフランジ53の上に置くことにより及びクランプねじ60aをねじ込むことにより、第1の円錐接触面63及び第2の円錐接触面64が第1のフランジ49の円錐面51及び第2のフランジ53の円錐面55の上を摺動し、第1のフランジ49の円錐面51及び第2のフランジ53の円錐面55の上に力を作用させる。この力は、第2のフランジ53の当接面54に接触させて第1のフランジ49の当接面50を押圧する径方向成分を有する。
【0174】
クランプねじ60aを緩めることにより、第1のフランジ49が第2のフランジ53から切り離され得、第2の管状ボディ47の挿入部分56が第1の管状ボディ46の内部空洞48から引き抜かれ得る。
【0175】
好適な実施例では、クランプねじ60aが蝶型ねじである。
【0176】
ポンプ組立体10が、ポンプ・ヘッド20をポンプ・ケーシング11に迅速に設置したり取り外したりするのを可能にするための接続インターフェース66を備える。
【0177】
接続インターフェース66が、軸方向においてポンプ・ヘッド22とインスペクション・ケーシング17との間に挿置される。
【0178】
接続インターフェース66が複数の貫通スロット67を備え、各貫通スロット67が円周方向に延在する弓形形状を呈する。各貫通スロット67が第1の部分68及び第2の部分69を備える。第1の部分68が、第2の部分69の径方向の延在範囲より小さい径方向の延在範囲を有する。第1の部分68及び第2の部分69が円周方向において隣り合う。
【0179】
第1の複数のボルト70(図8)、特に各貫通スロット67のためのボルト70が提供される。各ボルト70が、インスペクション・ケーシング17内に設けられたねじ孔(図示せず)の中にねじ込まれる。各ボルト70が、第1の部分68の径方向の径方向延在範囲より大きく対応する貫通スロット67の第2の部分69の径方向の径方向延在範囲より小さい径方向の延在範囲を有するボルト頭部71を備える。接続インターフェース66が、軸方向において、各ボルト70のボルト頭部71を対応する貫通スロット67の第1の部分68又は第2の部分69に同時に位置合わせするために、回転軸Xを中心として回転させられ得る。ボルト頭部71が貫通スロット67の第2の部分69に位置合わせされると、接続インターフェース66が軸方向においてインスペクション・ケーシング17に対して移動させられ得、ポンプ・ケーシング11から取り外され得る。ボルト頭部71が貫通スロット67の第1の部分69に位置合わせされると、接続インターフェース66が軸方向においてインスペクション・ケーシング17に対して移動させられ得ず、ボルト70を締め付けることにより、接続インターフェース66がインスペクション・ケーシング17に安定して連結され得、それによりさらに回転軸Xを中心とした接続インターフェース66の回転を一切防止する。
【0180】
接続インターフェース66が、ヘッド・ポンプ20の方を向く複数のねじ孔72(図8)をさらに備える。ヘッド・ポンプ20が、軸方向において複数のねじ孔72に位置合わせされた複数の貫通孔73を備える。第2の複数のボルト74が貫通孔73に係合されて複数のねじ孔72の中にねじ込まれ、それによりポンプ・ヘッド20を接続インターフェース66に安定して接続する。
【0181】
ボルトをその着座位置から完全に緩めることを一切することなく、ヘッド・ポンプ66がポンプ・ケーシング11にこのように設置されたり取り外されたりされ得る。
【0182】
本発明の好適な実施例では、接続インターフェース66が、高い温度に耐えるために及びその回転中にインスペクション・ケーシング17との摩擦を低減するために、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から完全に作られる。
【0183】
ポンプ組立体10が、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、及び第3の電気加熱装置77を備える。
【0184】
すべての電気加熱装置75、76、77がカートリッジ式の加熱装置となり得る。すべての電気加熱装置75、76、77が円筒形容器内に封入されるか又は円筒形形状を有する。第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、及び第3の電気加熱装置77が、ポンプ・チャンバ13の近傍でポンプ・ヘッド22の中に対して機能する。
【0185】
この目的のため、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、及び第3の電気加熱装置77が、ポンプ・ヘッド20内に設けられた受け孔78(図7に概略的に示される)の中に挿入される。受け孔78が軸方向に方向付けられる。
【0186】
ポンプ組立体10が、少なくともポンプ・チャンバ13の近くでポンプ・ヘッド20の温度を感知するためにポンプ・ヘッド20内で機能する温度プローブ79をさらに備える。
【0187】
温度プローブ79がサーミスタとなり得る。温度プローブ79が円筒形容器内に封入されるか又は円筒形形状を有する。ポンプ・ヘッド20が、同様に、温度プローブ79のための受け孔78を備える。
【0188】
ポンプ組立体10が、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、第3の電気加熱装置77、及び温度プローブ79をポンプ・ヘッド20に安定して接続するための保持リング80を備える。
【0189】
保持リング80が、軸方向においてポンプ・ケーシング11に対向する位置においてポンプ・ヘッド20に機械的に接続される。保持リング80が、ヘッド・ポンプ20内に設けられたねじ孔(図示せず)の中にねじ込まれた2つの蝶型ねじ(図7)を介してポンプ・ヘッド20に機械的に接続される。2つの蝶型ねじ81が軸方向に沿って機能し、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、第3の電気加熱装置77、及び温度プローブ79に実質的に平行である。
【0190】
保持リング80が貫通孔82を備え、貫通孔82の各々が、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、第3の電気加熱装置77、及び温度プローブ79のうちの1つによって安定して係合される。
【0191】
蝶型ねじ82を緩めることにより、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、第3の電気加熱装置77、及び温度プローブ79と共に、保持リング80が、ヘッド・ポンプ20から同時に取り外され得る。
【0192】
図6に概略的に示されるように、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、第3の電気加熱装置77、及び温度プローブ79が、ポンプ・ヘッド20上で回転軸Xの周りに円周方向に配置される。蝶型ねじ82が、同様に、ポンプ・ヘッド20上で回転軸Xの周りに円周方向に配置される。
【0193】
好適な実施例では、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、第3の電気加熱装置77、及び温度プローブ79が、円周方向において約60°又は約120°の個別の角度で離間される。
【0194】
特に、第3の電気加熱装置77及び第2の電気加熱装置76が円周方向において約120°の角度A1で離間され、第2の電気加熱装置76及び温度プローブ79が円周方向において約60°の角度A2で離間され、温度プローブ79及び第1の電気加熱装置75が円周方向において約120°の角度A3で離間され、第1の電気加熱装置75及び第3の電気加熱装置77が円周方向において約60°の角度A4で離間される。
【0195】
蝶型ねじ82が、それぞれ、円周方向において、第2の電気加熱装置76と第3の電気加熱装置77との間に、及び温度プローブ79と第1の電気加熱装置75との間に、挿置される。特に、第2の電気加熱装置76と第3の電気加熱装置77との間に挿置された蝶型ねじ82が、円周方向において、第2の電気加熱装置76から約60°の角度で離間される。第1の電気加熱装置75と温度プローブ79との間に挿置された蝶型ねじ82が、円周方向において、第1の電気加熱装置75から約60°の角度で離間される。結果として、蝶型ねじ82、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、第3の電気加熱装置77、及び温度プローブ79が、ポンプ・ヘッド20上で円周方向において均等に分布する。
【0196】
第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、第3の電気加熱装置77、及び温度プローブ79が、制御ユニット83(図9に概略的に示される)と信号通信する。
【0197】
可能な実施例では、制御ユニット83が、安定した温度又は安定した温度範囲を表す第1の入力データD1を受信するように構成される。第1の入力データD1がユーザー・インターフェース84によって生成され得、ユーザー・インターフェース84で使用者が温度又は温度範囲を設定する。
【0198】
制御ユニット83が、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、及び第3の電気加熱装置77、のうちの1つ又は複数を起動するのに適する第2の入力データD2を生成するように構成される。
【0199】
制御ユニット83が、温度プローブ79によって感知される温度を表す、温度プローブ79からの第3の入力データD3を受信するように構成される。
【0200】
制御ユニット83が、第1の入力データD1及び第3の入力データD3を比較するように構成される。第3の入力データD3が第1の入力データD1未満である場合、制御ユニット83が、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、及び第3の電気加熱装置77のうちの1つ又は複数を起動するための第2の入力データD2を生成する。第3の入力データD3が第1の入力データD1より高い場合、制御ユニット83が、第1の電気加熱装置75、第2の電気加熱装置76、及び第3の電気加熱装置77のうちの1つ又は複数を停止するのに適する第4の入力データD4を生成する。
【0201】
ポンプ・ヘッド20、入口マニホルド26、及び送達マニホルド45が、ステンレス鋼で作られる。インスペクション・ケーシング17及び好適にはポンプ・ケーシング11の全体が、ステンレス鋼で作られる。ポンプ・チャンバがステンレス鋼で作られる。接続インターフェース66及び保持リング80が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で作られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】