(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025729
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】組織表面に投影された高解像度カテーテルの複数の電極の視覚化及びクラスター化
(51)【国際特許分類】
A61B 5/367 20210101AFI20240216BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20240216BHJP
A61B 5/339 20210101ALI20240216BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20240216BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A61B5/367 100
A61B5/33 100
A61B5/339
A61B5/287
A61B18/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023129901
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】17/885,407
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ファディ・マサルワ
(72)【発明者】
【氏名】二ヴ・デレック
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・コーエン
(72)【発明者】
【氏名】アミラン・シェイナー
(72)【発明者】
【氏名】イリヤ・シュティルバーグ
(72)【発明者】
【氏名】メナヘム・シェクター
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127HH11
4C127HH13
4C127LL08
4C160KK03
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】組織に投影された高解像度カテーテルの複数の電極を視覚化するための方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】システムは、ディスプレイ及びプロセッサを含む。プロセッサは、(i)信号に基づいて、器官内に配置された複数のそれぞれの電極によって影響を受ける、器官の表面上の組織の複数の領域を推定することと、(ii)少なくとも電極のサブセットについて、サブセットによって影響を受ける組織の統合領域を計算し、(iii)統合領域を示すマークをディスプレイに表示することと、を行うように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ディスプレイと、
信号を感知するための複数の電極が配置されたカテーテルエンドエフェクタと、
前記ディスプレイ及び前記複数の電極に電気的に接続されたプロセッサであって、
前記信号に基づいて、器官内に配置された複数のそれぞれの電極によって影響を受ける、前記器官の表面上の組織の複数の領域を推定することと、
少なくとも前記電極のサブセットについて、前記サブセットによって影響を受ける前記組織の統合領域を計算することと、
前記統合領域を示すマークを前記ディスプレイに表示することと、を行うように構成されている、プロセッサとを備える、システム。
【請求項2】
前記信号は、前記複数のそれぞれの電極のそれぞれの位置を示す位置信号を含み、前記プロセッサは、前記組織の表面と前記サブセットの前記電極のうちの1つ以上との間の1つ以上の距離をそれぞれ計算するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記統合領域と前記電極の前記サブセットとの間の距離を示すマークを表示するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記位置信号は、前記電極の第1のサブセット及び第2のサブセットの第1の位置及び第2の位置をそれぞれ示す第1の位置信号及び第2の位置信号を含み、前記プロセッサは、前記第1の位置信号及び前記第2の位置信号に基づいて、(i)前記第1のサブセットと第1の統合領域の第1の表面との間の第1の距離、及び(ii)前記第2のサブセットと、前記第1の統合領域の前記第1の表面とは異なる第2の統合領域の第2の表面との間の第2の距離を計算するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の距離は、前記第2の距離とは異なり、前記プロセッサは、(i)前記第1の統合領域の第1のマップ上に、前記第1の距離を示す第1のマークを表示することと、(ii)前記第2の統合領域の第2のマップ上に、前記第1のマークとは異なり、前記第2の距離を示す第2のマークを表示することと、を行うように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、少なくとも前記第1のマップ及び前記第2のマップを囲む多角形を表示するように構成され、前記多角形の輪郭は前記第1のマーク及び前記第2のマークを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のマークは、前記多角形の前記輪郭の第1の部分である第1の線を含み、前記第2のマークは、前記多角形の前記輪郭の第2の部分である第2の線を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の線は第1の色を有し、前記第2の線は前記第1の色とは異なる第2の色を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の線は実線を含み、前記第2の線は破線を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記信号は、前記組織のアブレーションの1つ以上のパラメータを示し、前記プロセッサは、(i)前記信号に基づいて、前記統合領域内の前記サブセットによって形成されることが意図された病変のサイズを計算することと、(ii)前記統合領域上に、前記病変の前記サイズを示す前記マークを表示することと、を行うように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
複数の電極からの信号に基づいて、器官内に配置された複数のそれぞれの電極によって影響を受ける、前記器官の表面上の組織の複数の領域を推定することと、
少なくとも前記複数の電極のサブセットについて、前記サブセットによって影響を受ける前記組織の統合領域を計算することと、
前記統合領域を示すマークを表示することとを含む、方法。
【請求項12】
前記信号は、前記複数のそれぞれの電極のそれぞれの位置を示す位置信号を含み、前記統合領域を計算することは、前記組織の表面と前記サブセットの前記電極のうちの1つ以上との間の1つ以上の距離をそれぞれ計算することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記マークは、前記統合領域と前記電極の前記サブセットとの間の距離を示す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記位置信号は、前記電極の第1のサブセット及び第2のサブセットの第1の位置及び第2の位置をそれぞれ示す第1の位置信号及び第2の位置信号を含み、前記第1の位置信号及び前記第2の位置信号に基づいて、前記統合領域を計算することは、(i)前記第1のサブセットと第1の統合領域の第1の表面との間の第1の距離、及び(ii)前記第2のサブセットと、前記第1の統合領域の前記第1の表面とは異なる第2の統合領域の第2の表面との間の第2の距離を計算することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の距離は、前記第2の距離とは異なり、前記マークを表示することは、(i)前記第1の統合領域の第1のマップ上に、前記第1の距離を示す第1のマークを表示すること、及び(ii)前記第2の統合領域の第2のマップ上に、前記第1のマークとは異なり、前記第2の距離を示す第2のマークを表示すること、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のマーク及び前記第2のマークを表示することは、少なくとも前記第1のマップ及び前記第2のマップを囲む多角形を表示することを含み、前記多角形の輪郭は前記第1のマーク及び前記第2のマークを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のマークは、前記多角形の前記輪郭の第1の部分である第1の線を含み、前記第2のマークは、前記多角形の前記輪郭の第2の部分である第2の線を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の線は第1の色を有し、前記第2の線は前記第1の色とは異なる第2の色を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の線は実線を含み、前記第2の線は破線を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記信号は、前記組織のアブレーションの1つ以上のパラメータを示し、(i)前記統合領域を計算することは、前記信号に基づいて、前記統合領域内の前記サブセットによって形成されることが意図された病変のサイズを計算することを含み、(ii)前記マークを表示することは、前記統合領域上に、前記病変の前記サイズを示す前記マークを表示することを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に医療装置に関し、特に、組織に投影された高解像度カテーテルの複数の電極を視覚化するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル及び対象となる組織を視覚化するための様々な技術が公開されている。
【0003】
例えば、米国特許第10,376,320号は、解剖学的構造の解剖学的特徴の位置に関して受信した入力に対応する1つ以上のアンカー部分に対して拘束された解剖学的構造の三次元表面表現を記載している。
【0004】
本開示は、図面と併せて、本開示の実施例の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の一実施例による、カテーテルベースの追跡及びアブレーションシステムの概略描写図である。
【
図2】本開示の一実施例による、組織表面に投影された多電極カテーテル及びその電極の概略描写図である。
【
図3】本開示の別の実施例による、クラスター化され、組織表面に投影されたカテーテル電極の概略描写図である。
【
図4】本開示の実施例による、複数の電極のクラスターと患者の心臓の組織の表面との間の距離を視覚化する方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概要
電気生理学(electrophysiology、EP)などの一部の医療処置では、EPシステムの1つ以上の多電極カテーテルを患者の心臓に挿入し、電極を使用して心臓内の不整脈を診断及び/又は治療する必要がある。場合によっては、電極と心臓組織の表面との間の距離をシステムのユーザ(例えば、医師)に表示することが重要である。ただし、一部のカテーテルは、互いに近接してグループ化された多数の電極(例えば、約48個)を有するため、表面からの各電極の距離を表示すると、マークが多すぎる場合があり、これによりユーザが混乱し、処置が妨げられる可能性がある。
【0007】
以下に説明する本開示の実施例は、EP処置中の複数の電極と組織との間の距離など(ただしこれに限定されない)、多電極カテーテルに関連する様々なパラメータをユーザに表示するための改良された技術を提供する。
【0008】
いくつかの実施例では、不整脈を感知し、治療するためのシステムは、複数(例えば、約48個)の隣接する電極を有する高解像度カテーテルを含む。本開示の文脈において、「高解像度カテーテル」という用語は、複数の分岐を有するカテーテルを指し、各分岐は複数の電極を含む。例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)によって製造されたOPTRELL(商標)カテーテルは、その複数の感知電極を使用して患者の心臓内の不整脈をマッピングするように構成されている。カテーテルは、所定のXYZ座標系におけるカテーテルの位置を示す信号を生成するように構成された1つ以上の位置センサを含む。
【0009】
いくつかの実施例では、システムは、ディスプレイと、カテーテルから位置信号及び他の信号を受信するように構成されたプロセッサとを含む。プロセッサは、カテーテルの位置センサからの、少なくとも1つの電極(通常は各電極)の距離を含む情報を保持するように構成される。いくつかの実施例では、プロセッサは、カテーテルから受信した情報及び信号に基づいて、心臓の最も近い表面からの各電極の距離を推定するように構成される。プロセッサは更に、電極を複数の隣接電極グループにクラスター化することと、心臓の解剖学的マップ上に、(i)心臓表面上の各電極の投影及び最も近い表面からの各電極の距離の表示、及び(ii)最も近い表面から同様の距離に位置する隣接する電極のグループ、のうちの1つ又は両方を示すマークを表示することと、を行うように構成されている。
【0010】
一実施例では、カテーテルは、第1のスプライン及び第2のスプラインを含んでもよく、それらの電極は、最も近い心臓表面から互いに異なるそれぞれの第1及び第2の距離に配置される。この実施例では、プロセッサは、第1及び第2の距離を計算することと、心臓の解剖学的(又は電気解剖学的)マップの最も近い表面上に、第1及び第2の距離を示すそれぞれの第1及び第2のマークを表示することと、を行うように構成されている。OPTRELL(商標)カテーテルの実施例では、プロセッサは、カテーテル遠位端の電極で覆われた領域を囲む多角形を表示するように構成されている。多角形の輪郭は、それぞれ第1の線と第2の線として示される第1のマークと第2のマークを含む。本実施例では、第1の距離は第2の距離よりも小さいため、第1の線は第2の線よりも太く、各線の太さは、心臓の最も近い表面からのそれぞれのスプライン電極の距離を示す。
【0011】
他の実施例では、多角形の第1の線と第2の線とは、色、形状、サイズ、又はそれらの任意の組み合わせにおいて互いに異なっていてもよい。更に、多角形に加えて、又は多角形の代わりに、プロセッサは、心臓の最も近い表面からの第1及び第2のグループの電極の第1及び第2の距離をそれぞれ示す、任意の適切なタイプの第1のマーク及び第2のマークを表示するように構成されている。
【0012】
開示された技術は、医療処置中にユーザに表示される、複数(例えば、数十個)の隣接する電極を有する高解像度カテーテルに関連するデータの表示品質を向上させる。
【0013】
システムの説明
図1は、本開示の一実施例による、カテーテルベースの追跡及びアブレーションシステム20の概略描写図である。
【0014】
いくつかの実施例では、システム20は、心臓手術を実施するように構成されたカテーテル22と、制御コンソール24とを含む。本明細書に記載の実施例では、カテーテル22は、電気解剖学的信号を感知すること、及び/又は心臓26内の組織のアブレーションなど、任意の好適な治療目的及び/又は診断目的で使用することができる。本開示の文脈及び特許請求の範囲において、「アブレーション」という用語は、高周波(radiofrequency、RF)アブレーション処置又はRFアブレーションとは異なる不可逆電気穿孔(irreversible electroporation、IRE)処置を指すが、RFアブレーションとIREとの違いは本開示の本質に影響を及ぼさない。カテーテル22の構造及び機能については、以下に詳細に説明する。
【0015】
いくつかの実施例では、コンソール24は、カテーテル22を介して信号を受信し、本明細書に記載のシステム20の他の構成要素を制御するための適切なフロントエンド及びインターフェース回路を備えたプロセッサ33、典型的には汎用コンピュータを含む。コンソール24は更に、プロセッサ33から心臓26のマップ27などのグラフィック及び/又はテキスト表示項目を受信し、マップ27を表示するように構成されたユーザディスプレイ35を含む。
【0016】
いくつかの実施例では、マップ27は、任意の適切な技術を使用して生成された任意の適切なタイプの三次元(three-dimensional、3D)解剖学的マップを含むことができる。例えば、解剖学的マップは、適切な医用画像システムを使用することによって生成された解剖学的画像を使用して、又はBiosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)によって製造されたCARTO(商標)システムで利用可能な高速解剖学的マッピング(fast anatomical mapping、FAM)技術を使用して、又は任意の他の適切な技術を使用して、又は上記の任意の適切な組み合わせを使用して、生成されてもよい。
【0017】
いくつかの実施例では、コンソール24は、CARTO(商標)の故障及び/又は特定の電極におけるペーシング不全の場合に記録するように構成された記録ユニット38と、コンソール24とシステム20の複数のエンティティ(例えば、カテーテル22)との間で信号を交換するように構成された患者インターフェースユニット(PIU)44とを含む。
【0018】
次に、挿入
図23を参照する。いくつかの実施例では、アブレーション処置を実施する前に、医師30は、テーブル29上に横たわっている患者28の血管系を通してカテーテル22などの1つ以上のカテーテルを挿入し、心臓26の対象となる組織の電気解剖学的(electro-anatomical、EA)マッピングを実施する。
【0019】
いくつかの実施例では、カテーテル22は、遠位端アセンブリ又はエンドエフェクタ40、本実施例ではOPTRELL(商標)カテーテル(以下の
図2に示される)を含み、このカテーテルは、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)によって製造され、その複数の感知電極を使用して不整脈をマッピングするように構成されている。
図2のカテーテルの様々な構成要素は、米国特許出願公開第2020-0345262(A1)号に示され、説明されており、この出願公開が本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本出願に組み込まれる。各感知電極は、心臓26の組織内の電気生理学的(EP)信号の感知に応答して、感知されたEP信号を示す1つ以上の信号を生成するように構成される。
【0020】
他の実施例では、遠位端アセンブリ又はカテーテルエンドエフェクタ40は、(i)複数のスプラインを有し、各スプラインが複数の感知電極を有するバスケットカテーテル、(ii)バルーンの表面上に配置された複数の感知電極を有するバルーンカテーテル、又は(iii)複数の感知電極を有する焦点カテーテル、を含むことができる。感知電極(組織から信号を受信する)は、(電気信号(RF又はIRE)を組織に送信することによって)組織をアブレーションするように動作できることに留意されたい。
【0021】
いくつかの実施例では、カテーテル22の近位端は、特に、PIU44のインターフェース回路(図示せず)に接続され、これらの信号を感知電極又はアブレーション電極からプロセッサ33に転送して、EAマッピングを実施する。
【0022】
本開示の文脈及び特許請求の範囲において、任意の数値又は範囲について用いられる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書に記載されるその意図された目的のために機能することを可能にする適切な寸法公差を示す。
【0023】
他の実施例では、カテーテル22は、遠位端アセンブリ40に結合された1つ以上のアブレーション電極(図示せず)を含んでもよい。アブレーション電極は、心臓26の対象となる組織のEAマッピングの分析に基づいて決定される心臓26の標的位置で組織をアブレーションするように構成される。アブレーション計画を決定した後、医師30は、例えば、カテーテル22を操作するためのマニピュレータ32を使用して、心臓26内の標的位置にごく近接して遠位端アセンブリ40をナビゲートする。その後、医師30は、(選択されたカテーテルの)アブレーション電極のうちの1つ以上を標的組織と接触させ、組織に1つ以上のアブレーション信号を印加する。更に、又は代替的に、医師30は、前述のアブレーション計画を実施するために、心臓26の組織をアブレーションするための任意の異なる種類の適切なカテーテルを使用することができる。いくつかの実施形態では、マッピング電極又は感知電極からアブレーション電極を分離することができることに留意されたい。そのような場合、別個のアブレーション電極を使用して組織信号を感知することができるが、そのような感知能力における信号対雑音又は分解能が犠牲になる。
【0024】
いくつかの実施例では、心臓腔内の遠位端アセンブリ40の位置は、磁気位置追跡システムの位置センサ42を使用して測定される。位置センサ42は、米国特許出願公開第2020-0345262(A1)号の
図3の要素42を参照して説明されているような磁気位置センサであってもよい。本実施例では、コンソール24は、テーブル29上に横たわっている患者28の外部の既知の位置、例えば、患者の胴体の下に配置された磁場発生器36を駆動するように構成された駆動回路41を含む。位置センサ42は遠位端に結合されており、磁場発生器36から感知された外部磁場に応答して位置信号を生成するように構成される。位置信号は、位置追跡システムの座標系におけるカテーテル22の遠位端の位置を示す。
【0025】
この位置感知方法は、様々な医療用途、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)によって製造されたCARTO(商標)システムにおいて実施され、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に記載されており、これらの開示はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
いくつかの実施例では、位置追跡システムの座標系は、システム20及びマップ27の座標系と位置合わせされており、その結果、プロセッサ33は、解剖学的マップ又はEAマップ(例えば、マップ27)上に遠位端アセンブリ40の位置を表示するように構成される。
【0027】
いくつかの実施例では、システム20は、患者28の胸部の皮膚に結合された外部パッチ電極51と、通常、患者28の背中の皮膚に結合された1つ以上の追加の不関電極(図示せず)とを含む。電極51は、遠位端アセンブリ40(以下の
図2に詳細に示される)の電極と電極51との間で測定されたインピーダンスを示す信号を感知するように構成される。
【0028】
いくつかの実施例では、プロセッサ33は、DEA40の電極及び外部パッチ電極51から受信した信号に基づいて、上述のXYZ座標系におけるDEA40の各電極の位置を示す追加の位置信号を生成するように構成されている。位置信号は、Advanced Catheter Location(ACL)カテーテル位置追跡方法を使用して生成される。本実施例では、プロセッサ33は、ケーブル37及びPIU44を通る電線を介してパッチ電極51に接続される。
【0029】
いくつかの実施例では、プロセッサ33は、DEA40の各電極とパッチ電極51のそれぞれとの間で測定されたインピーダンスに基づいて、DEA40の各電極の位置座標を決定するように構成されている。システム20を使用する電極位置感知のACL方法は、様々な医療用途、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,California)によって製造されたCARTO(商標)システムにおいて実施され、例えば、米国特許第7,756,576号、同第7,869,865号、及び同第7,848,787号により詳細に記載されている。
【0030】
いくつかの実施例では、プロセッサ33は、典型的には、本明細書に記載の機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされた汎用コンピュータを含む。ソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子形式でコンピュータにダウンロードされてもよく、あるいは、代替的又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、又は電子メモリなどの非一時的な有形媒体に提供及び/又は格納されてもよい。
【0031】
システム20のこの特定の構成は、本開示の実施例によって対処される特定の問題を示し、そのようなシステムの性能を向上させる際のこれらの実施例の応用を実証するために、例として示される。しかしながら、本開示の実施例は、この特定の種類の例示的なシステムに決して限定されるものではなく、本明細書に記載の原理は、他の種類の医療システムにも同様に適用されてもよい。
【0032】
組織表面へのカテーテルの電極の投影
図2は、本開示の一実施例による、複数の電極50を有する遠位端アセンブリ40の概略描写図であり、心臓26の組織表面に投影された電極50をマップ27上に視覚化したものである。
【0033】
いくつかの実施例では、遠位端アセンブリ40は、複数(例えば、約6つ)のスプライン46、46a、及び46bと、スプラインのそれぞれに沿って結合され、心臓26内に配置された複数の電極とを含む。一実施例では、遠位端アセンブリ40の構成(例えば、約48個の電極50)により、心臓26の組織のそれぞれの部分の高解像度マッピング(及び/又はアブレーション)が可能になる。
【0034】
いくつかの実施例では、プロセッサ33は、例えば、位置追跡システムから受信した信号に基づいて、各電極50と心臓26の表面との間の距離を推定するように構成されている。より具体的には、プロセッサ33は、(i)位置信号、(ii)組織の解剖学的マッピング、及び(iii)位置センサ42と所与の電極50との間の距離、に基づいて、位置センサ42からの各電極の距離を含む情報を保持する。(i)位置センサ42及び上記の
図1で説明したACLシステムから受信した位置信号、(ii)解剖学的マッピング26、及び(iii)位置センサ42と所与の電極50との間の距離、に基づいて、プロセッサ33は、所与の電極50と心臓26の幾何学的マッピングとの間の距離を推定するように構成されている。
【0035】
本開示の文脈では、幾何学的マッピングという用語は、心臓26の表面の三次元(3D)マッピングを指す。本実施例では、心臓表面の部分は、それぞれの電極50にごく近接して、又は接触して位置する。
【0036】
DEA40の実施例では、スプライン46、46a、及び46bは可撓性であり、したがって、各電極50と心臓26の最も近い表面との間の距離は、電極50間で異なり得ることに留意されたい。例えば、スプライン46aがスプライン46bよりも心臓26の表面に向かって曲がっている場合、スプライン46aのそれぞれの電極50は、スプライン46bの電極50と比較して心臓26の表面により近くなると予想される。いくつかの実施例では、プロセッサ33は、位置センサ42から受信した位置信号に基づいてDEA40の位置を推定することができる。しかしながら、位置センサ42の信号に加えて、各電極50とパッチ電極51との間で測定されたインピーダンスを示すACLシステムからの信号に基づいて、プロセッサ33は、XYZ座標系における約48個の電極50のそれぞれの位置を推定するように構成される。心臓26の幾何学的マッピング、及びXYZ座標系における各電極50の位置に基づいて、プロセッサ33は、各電極50と心臓26の最も近い表面との間の距離を推定するように構成される。
【0037】
いくつかの実施例では、プロセッサ33は、各電極50と心臓26の表面との間の距離を示すマークを、例えば、マップ27上に表示するように構成される。
図2の実施例では、プロセッサ33は、心臓26の組織の表面上のスプライン46bの電極50の投影を示す複数のマークのアレイ49を表示するように構成される。本実施例では、マークは様々な直径を有する円の形であってもよく、直径が小さいほど円の中心にある電極が心臓組織に近いことを示し、直径が大きいほど電極が心臓組織から遠いことを示す。このようなマークの例については、以下の
図3でより詳細に説明する。
【0038】
更に、又は代替的に、少なくとも上述の信号に基づいて、プロセッサ33は、マップ27上に、遠位端アセンブリ40のそれぞれの電極50の影響を受ける、心臓26の表面上の組織の複数の領域を表示するように構成される。例えば、それぞれの電極によって影響を受ける領域を表すアレイ49(又は任意の他のマークのアレイ)は、各電極50によって心臓26の組織表面上のそれぞれの領域に加えられることが意図された接触力及びエネルギー量を示すことができる。
【0039】
本実施例では、遠位端アセンブリ40のスプラインのうち、スプライン46aは、心臓26の組織の表面に最も近接して配置されている。プロセッサ33は、心臓26の表面に投影されたスプライン46、及び46aのそれぞれの電極50を示すマークのアレイ48を表示するように構成されている。
【0040】
組織表面に投影されたカテーテルの電極のクラスター化
図3は、本開示の別の実施例による、マップ27上の電極50の投影及びクラスター化を示す概略描写図である。
【0041】
いくつかの実施例では、プロセッサ33は、遠位端アセンブリ40(上記の
図2に示される)のすべてのスプラインの電極50の投影をマップ27上に表示するように構成される。
図3の実施例では、プロセッサ33は、心臓26の組織の表面に対するそれぞれの電極50の近接を示すマーク55のアレイ66を表示する。より具体的には、マーク55a、55b、及び55cは、組織表面からのそれぞれの電極50の距離を示す。
【0042】
いくつかの実施例では、電極50の数が多い(例えば、約48個)ため、アレイ66のいくつかのマーク55(例えば、マーク55a及び55b)が互いに重なり合う可能性がある。
図2に示される重なりは、医師30及びシステム20の他のユーザを混乱させる可能性のある視覚的ノイズを生み出す可能性がある。
【0043】
次に、マーク55a及び55cをそれぞれ示す挿入
図56及び58を参照する。いくつかの実施例では、マーク55aは外側の円60と内側の円62aを含み、マーク55bは外側の円60と内側の円62bを含む。
【0044】
一実施例では、内側の円62は、それぞれの電極50の位置と、心臓26の表面上のその投影の中心とを示す。したがって、内側の円62は通常、すべてのマーク55に対して一定のサイズを有する。外側の円60a及び60bは、それぞれの電極50によって影響を受ける心臓26の表面上のそれぞれの領域を示す。
【0045】
本開示の文脈及び特許請求の範囲において、「影響を受ける」という用語は、遠位端アセンブリ40を使用して実施される医療処置の1つ以上のパラメータを指し、これらは心臓26のそれぞれの組織に関連する。本明細書で使用される場合、「それぞれの電極によって影響を受ける」という用語は、それぞれの電極50が、ECGを記録するため、又は組織にエネルギーを送達するために、心臓組織と接触しているか、又は心臓組織にごく近接していることを意味する。例えば、外側の円60a及び60bのサイズ(例えば、直径)は、所与の電極50と、心臓組織が所与の電極50によって「影響を受ける」心臓26の組織表面との間の近接度を示す。本実施例では、投影がマーク55cで示される電極は、投影がマーク55aで示される電極と比較して、心臓26の表面により近いように見える。上記の
図2で説明したように、遠位端アセンブリ40のスプラインのうち、スプライン46aは、心臓26の組織の表面に最も近接して配置されている。そのような実施例では、プロセッサ33は、マーク55cにおいて円62と同じ直径を有する円60aを表示するように構成され、一方、マーク55bにおいて、円60bは円62の直径と比較してより大きな直径を有する。より一般的に言えば、所与のマーク55の内側の円62と外側の円60との間の直径の差は、それぞれの電極50と心臓26の表面との間の距離を示す。
【0046】
他の実施例では、マーク55は、円60及び62の代わりに、又はそれらに加えて、楕円、長方形、又は正方形などの他の任意の適切な形状を含んでもよい。例えば、マーク55は、円と正方形を含んでもよく、あるいは円は、異なる太さ、及び/又は異なる色、及び/又は異なるテクスチャ(例えば、実線と破線)を有してもよい。
【0047】
代替の実施例では、マーク55の外側の円60は、それぞれの電極50が心臓26の表面に近づくとより大きく見える場合がある。
【0048】
次に、上記の
図2の全体図を再び参照する。
図2の実施例では、アレイ49のマーク55はアレイ48のマーク55から離れているように見えるが、両方のアレイは遠位端アセンブリ40のマーク55の投影である。次に、
図3の全体図を再び参照する。いくつかの実施例では、プロセッサ33は、遠位端アセンブリ40のすべてのマーク55を単一のアレイ(例えば、アレイ66)にクラスター化するように構成される。しかしながら、隣接する電極50間の近接度(例えば、OPTRELL(商標)カテーテルでは約3mm未満)により、2つ以上の隣接するマーク55間に重なりが生じる可能性がある。
図3に示されるように、マーク55の円の重なり及び混合は医師30を混乱させる可能性があり、したがってマーク55の誤った解釈を引き起こす可能性がある。
【0049】
いくつかの実施例では、プロセッサ33は、少なくともアレイ66のサブセットについて、心臓26の表面からそれぞれ異なる第1及び第2の距離に位置するそれぞれの第1及び第2のアレイ電極50を示すマーク55の第1及び第2のクラスターを計算するように構成される。
図3の実施例では、プロセッサ33は、心臓26の表面へのそれぞれの電極50の投影及び近接レベルを示すマーク55を囲む多角形99を表示するように構成される。
【0050】
本実施例では、多角形99は線77及び88を含み、それぞれがアレイ66の異なるセクションを表す。線88は、マーク55を示し、そのそれぞれの電極50が、線77によって表される電極50と比較して、心臓26の表面により近い。
図3の実施例では、線88は、線77よりも太く見える。太さが大きいほど、電極50のそれぞれのクラスターが心臓26の表面により近接していることを示す。例えば、マーク55cは、マーク55aによって表される第2の電極と比較して、心臓26の表面により近い位置にある第1の電極50を示す。したがって、プロセッサ33は、マーク55cの近くに(太い)線88を表示し、マーク55a及び55bの近くに(細い)線77を表示するように構成され、また、追加の線、例えば、島状又は半島状の線(図示せず)を多角形99によって囲まれた領域内に表示することもできる。島又は半島は、心臓26の表面からある距離に位置する追加の電極50のクラスターを示す可能性があり、これは、線77及び88の近くの電極50のクラスターとは異なる。医師30(又はシステム20の任意の他のユーザ)は、プロセッサ33に、(i)マーク55と多角形99の線の両方を同時に表示させるか(
図3に示されるように)、(ii)線77及び88の一方のみ若しくは両方を表示させるか、又は(iii)マーク55の一部のみ若しくは全部を表示させるか否かを選択できることに留意されたい。更に、システム20のユーザは、医療処置中に上記のオプションを切り替えることができる。
【0051】
他の実施例では、多角形99の線77と線88(及び/又は他のマーク)との間の太さの差の代わりに、又はそれに加えて、プロセッサ33は、それぞれの電極50と心臓26の表面との間の近接度を示す他の任意の適切な線又はマークを表示するように構成される。例えば、(i)破線と実線、(ii)異なる色の線、及び(iii)それらの任意の適切な組み合わせ、が挙げられる。
【0052】
他の実施例では、マーク55、線77及び88、並びに他のタイプのマークを使用して、電極50によって影響を受ける心臓26の組織の領域を視覚化することができる。例えば、組織内の心電図(electrocardiogram、ECG)信号を感知する場合、所与の電極50と組織との間の距離は、所与の電極50が心臓26内のECG信号の感知に応答して生成する信号の特性に影響を与える。更に、電極50が組織にアブレーションパルスを印加するように構成される場合、アブレーションされた組織に形成された病変の特性は、前述のマーク及び線によって視覚化できる様々なパラメータに依存する。例えば、組織に加えられる電極-組織の接触力とエネルギー量(例えば、アブレーションパルスの出力と持続時間)は、形成された病変のサイズに影響を与える可能性がある。本実施例では、多角形99の線の太さ及び/又は色及び/又はテクスチャは、多角形99によって囲まれた領域内のそれぞれのセグメント又はセクションにおける病変のサイズを示し得る。換言すれば、プロセッサ33は、少なくとも電極50のサブセットについて(通常は多角形99によって囲まれた領域内の異なるセクションに対して)、電極50のサブセットによって影響を受ける心臓26の組織の統合領域を計算するように構成される。本開示の文脈及び特許請求の範囲において、「統合領域」という用語は、複数のそれぞれの電極50によって影響を受ける領域の境界を定める外周曲線を指す。線77及び88の実施例では、線88は、マーク55を示し、そのそれぞれの電極50が、線77によって表される電極50と比較して、心臓26の表面により近い。更に、プロセッサ33は、マップ27上にマーク及び/又は線を表示して、心臓26の組織に対する、電極50のそれぞれの1つ以上のサブセットを使用して実施される操作の効果の定量的メトリックを視覚化するように構成される。
【0053】
図4は、本開示の実施例による、複数の電極のクラスターと心臓26の組織の表面との間の距離を視覚化する方法を概略的に示すフローチャートである。
【0054】
この方法は、カテーテル挿入ステップ100で始まり、上記の
図1~
図3で詳細に説明したように、医師30は(カテーテル22の)遠位端アセンブリ40及びその電極50を心臓26に挿入し、電極50を心臓26の表面近くに配置する。
【0055】
信号受信及び推定ステップ102において、プロセッサ33は、カテーテル22から、限定されないが電極50のうちの1つ以上の位置を示す信号などの信号を受信し、その位置は、(例えば、上記の
図1で説明した位置追跡システムのXYZ座標系における)絶対位置、又は、上記の
図1及び
図2で説明したように、心臓26の表面に対する電極50の位置であってもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ33は、受信した信号に基づいて、電極50の1つ以上のサブセットと、心臓26の表面上の組織の1つ以上のそれぞれの領域との間の距離を推定するように構成される。
【0056】
他の実施例では、アブレーション処置において、信号は、(i)電極50と心臓26の表面上の組織のそれぞれの領域との間の接触力、(ii)組織に印加されることが意図されたアブレーションパルスのエネルギー(例えば、出力及び持続時間)、及び(iii)アブレーション処置に関連する任意の他のパラメータ、のうちの少なくとも1つを示すことができる。そのような実施例では、プロセッサ33は、信号に基づいて、心臓26内に配置された電極50の1つ以上のそれぞれのサブセットによって影響を受ける心臓組織の複数の領域を推定するように構成される。
【0057】
計算ステップ104において、プロセッサ33は、上記の
図3で詳細に説明したように、電極50の各サブセットについて、電極50のサブセットと組織の統合領域との間の距離を計算するように構成される。更に、又は代替的に、プロセッサ33は、電極50のサブセットによって影響を受ける心臓26の組織の統合領域を計算するように構成される。
【0058】
この方法を終了する表示ステップ106において、上記のステップ104の計算に基づいて、プロセッサ33は、例えばディスプレイ35上に、(i)サブセットの電極50と心臓26のそれぞれの領域の組織表面との間の距離、及び(ii)心臓26の組織のそれぞれの統合領域に対する、電極50のサブセットを使用して実施される操作の効果、の一方又は両方を示す1つ以上のマーク(例えばマーク55)及び/又は線(例えば線77及び88)を表示するように構成される。
【0059】
本明細書に記載の実施例は主に患者の心臓内で実施される電気生理学的処置に対処するものであるが、本明細書に記載の方法及びシステムは、患者の心臓又は任意の他の標的器官に挿入される多電極カテーテル又はプローブを使用する任意のカテーテル挿入処置など、他の用途においても使用することができる。
【実施例0060】
信号を感知するための複数の電極を有するカテーテルエンドエフェクタ(40)を備えたディスプレイ(35)と、ディスプレイ及びエンドエフェクタの電極に接続されプロセッサであって、(i)信号に基づいて、器官(26)内に配置された複数のそれぞれの電極(50)によって影響を受ける、器官(26)の表面上の組織の複数の領域(55a、55b、55c)を推定することと、(ii)少なくとも電極(50)のサブセットについて、サブセットによって影響を受ける組織の統合領域(99)を計算することと、(iii)統合領域(99)を示すマーク(77、88)をディスプレイ(35)に表示することと、を行うように構成された、プロセッサ(33)とを備える、システム(20)。
信号は、複数のそれぞれの電極のそれぞれの位置を示す位置信号を含み、プロセッサは、組織の表面とサブセットの電極のうちの1つ以上との間の1つ以上の距離をそれぞれ計算するように構成されている、実施例1に記載のシステム。