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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025730
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240216BHJP
   G11B 33/02 20060101ALI20240216BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240216BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
G11B33/02
G11B33/02 301G
H05K7/20 H
H05K7/20 F
B60R16/02 610C
B60R16/02 610D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129908
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】202222115215.0
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】馬志華
(72)【発明者】
【氏名】李海泉
(72)【発明者】
【氏名】欒熙鵬
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB11
5E322BA03
5E322BB03
5E322BC01
5E322EA10
5E322FA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率的な放熱を実現するとともに、防塵及び構造安定性を両立することができるサーバを提供する。
【解決手段】。サーバ100は、ハウジング110、支持コンポーネント120、放熱シートと接触する発熱素子群及び放熱装置140を含む。ハウジングは内部空間を形成し、且つ、支持コンポーネントは、内部空間内に位置する。発熱素子群は中央処理装置及びメモリコンポーネントを含む。放熱装置は、放熱シート142、…、146及びファン群150を含む。放熱シート及び支持コンポーネントは、内部空間を第1の空間と第2の空間とに仕切る。発熱素子群は、第1の空間内に位置する。放熱シートの第1の表面は、発熱素子群に接触して発熱素子群を放熱する。ファン群は、ハウジングの第2の空間に対応する位置に設けられて、第2の空間を放熱する。このサーバは効率的な放熱を実現するとともに、防塵及び構造安定性を両立することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を形成するハウジングと、
前記内部空間内に位置する支持コンポーネントと、
中央処理装置及びメモリコンポーネントを含む発熱素子群と、
放熱装置であって、
前記支持コンポーネントと前記内部空間を第1の空間及び第2の空間に仕切る放熱シートであって、前記発熱素子群は前記第1の空間内に位置し、前記放熱シートは前記第1の空間に向かう第1の表面及び前記第2の空間に向かう第2の表面を有し、且つ前記放熱シートの前記第2の表面は放熱構造を有し、ここで、前記放熱シートの前記第1の表面は前記発熱素子群に接触して、前記発熱素子群を放熱する放熱シートと、
前記ハウジングの前記第2の空間に対応する位置に設けられて、前記第2の空間を放熱するファン群と、を含む放熱装置と、を含む、ことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記支持コンポーネントは開口を有する仕切り板を含み、且つ前記開口は前記放熱シートを収容し、前記ハウジングは上層板、下層板及び複数の側壁を含み、ここで、前記下層板、前記複数の側壁、前記仕切り板及び前記放熱シートは前記第1の空間を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記放熱装置の前記放熱シートは第1の放熱シートであり、且つ前記第1の放熱シートの前記放熱構造は第1の放熱構造であり、ここで前記放熱装置は第2の放熱シートをさらに含み、且つ前記第2の放熱シートは前記第1の空間に向かう第3の表面及び前記第2の空間に向かう第4の表面を有し、そのうち、前記第2の放熱シートの前記第4の表面は第2の放熱構造を有し、且つ前記第2の放熱シートの前記第3の表面は前記発熱素子群に接触して、前記発熱素子群を放熱する、ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記仕切り板の前記開口は第1の開口であり、且つ前記仕切り板は前記第2の放熱シートを収容する第2の開口をさらに含み、ここで、前記下層板、前記複数の側壁、前記仕切り板、前記第1の放熱シート及び前記第2の放熱シートは前記第1の空間を形成する、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記支持コンポーネントは前記仕切り板と前記上層板との間に設けられる第1のブラケットをさらに含み、ここで、前記サーバは電源コンポーネントをさらに含み、前記第1のブラケットは前記電源コンポーネントを支持して、前記電源コンポーネントを前記第1のブラケットと前記上層板との間に設けさせる、ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記放熱装置は前記電源コンポーネントに設けられる第3の放熱シートをさらに含み、前記第2の空間は第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分の前記上層板における投影と前記第2の部分の前記上層板における投影とは重ならず、前記第1の放熱シートは前記第2の空間の前記第1の部分に位置し、前記第2の放熱シート及び前記第3の放熱シートは前記第2の空間の前記第2の部分に位置する、ことを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記ファン群は第1のファン群、第2のファン群及び第3のファン群を含み、前記第1のファン群は前記複数の側壁の第1の側壁に設けられ、前記第2のファン群及び前記第3のファン群は前記複数の側壁の第2の側壁に設けられ、ここで前記第1の側壁は前記第2の側壁に対向する、ことを特徴とする請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記第1のファン群は前記第2の空間の前記第1の部分及び前記第2の部分に対応し、前記第2のファン群は前記第2の空間の前記第1の部分に対応し、且つ前記第3のファン群は前記第2の空間の前記第2の部分に対応する、ことを特徴とする請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記第3のファン群の前記第2の空間における延在距離は前記第2のファン群の前記第2の空間における延在距離より大きい、ことを特徴とする請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記複数の側壁は第3の側壁と、前記第3の側壁に対向する第4の側壁とをさらに含み、ここで、前記第3の側壁、前記下層板及び前記第4の側壁はU字形板構造を形成し、前記第1の側壁は前面板であり、且つ前記第2の側壁は後背板である、ことを特徴とする請求項7に記載のサーバ。
【請求項11】
前記発熱素子群はネットワークカードをさらに含み、且つ前記第2の放熱シートの前記第3の表面は前記ネットワークカードに接触して、前記ネットワークカードを放熱する、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項12】
前記放熱シートの前記第1の表面は前記メモリコンポーネントに接触して、前記メモリコンポーネントを放熱する、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項13】
前記放熱装置はプロセッサ放熱装置をさらに含み、前記プロセッサ放熱装置は熱伝導台座、熱伝導管及び放熱コンポーネントを含み、そのうち、前記放熱コンポーネントは前記第2の空間に設けられ、前記熱伝導台座及び前記熱伝導管は前記第1の空間に設けられ、ここで、前記熱伝導台座は前記中央処理装置に取り付けられ、且つ前記熱伝導管は前記熱伝導台座及び前記放熱コンポーネントを接続する、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項14】
前記放熱コンポーネントは複数の放熱フィンを含み、且つ前記熱伝導管内に熱伝導ゲルが充填される、ことを特徴とする請求項13に記載のサーバ。
【請求項15】
前記プロセッサ放熱装置は前記放熱コンポーネントを載せる放熱コンポーネント底板をさらに含み、前記支持コンポーネントは開口を有する仕切り板を含み、且つ前記開口は前記放熱シート及び前記放熱コンポーネント底板を収容し、前記ハウジングは上層板、下層板及び複数の側壁を含み、ここで、前記下層板、前記複数の側壁、前記仕切り板、前記放熱シート及び前記放熱コンポーネント底板は前記第1の空間を形成する、ことを特徴とする請求項13に記載のサーバ。
【請求項16】
前記サーバはマザーボードをさらに含み、ここで、前記中央処理装置及び前記メモリコンポーネントは前記マザーボードに取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項17】
前記サーバはサブボードをさらに含み、前記発熱素子群は前記サブボードに取り付けられるネットワークカードをさらに含み、ここで、前記支持コンポーネントは前記サブボードを前記マザーボードの上方に支持する第2のブラケットを含む、ことを特徴とする請求項16に記載のサーバ。
【請求項18】
前記メモリコンポーネントは少なくとも1つのメモリチップ及び少なくとも1つのメモリケースを含み、そのうち、メモリチップはメモリケースに覆われ、且つ前記放熱シートの前記第1の表面は前記少なくとも1つのメモリケースに接触して、前記少なくとも1つのメモリケースを放熱する、ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーバに関し、特に車載サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、自動運転のニーズを実現するために、自動運転車両に意思決定及び制御のための車載サーバを設ける。車両サーバが直面する課題は一般的なサーバとは異なる。自動運転車両に関する技術が複雑であり、設置する必要がある車載サーバには比較的高い処理効率が要求されるため、運転中に大量の熱が生じる。従来の単にファンを搭載する放熱手段は、ほこりをサーバに持ち込みやすく、サーバの動作寿命に影響を与える。また、車両の走行中にも大きな振動が生じる。
【0003】
従来の車載サーバ及び自動運転車載サーバの構造はマザーボードをベースとし、各種のボード及び周辺機器を挿着するアーキテクチャを用いる。パーツの大部分はサーバ筐体の四壁を回って組み立てられ、ファンにより筐体内のボードを放熱する。このような設置は車載環境において調和振動、共鳴振動などの現象を生じ、そして、ほこりを蓄積することで、プロセッサ、メモリなど、サーバの比較的精密なハードウェア素子の故障発生を引き起こして、車載サーバの動作が不安定になる。
【0004】
車載サーバを効率的に放熱するとともに、防塵及び構造安定性を両立するために、適切な車載サーバ構造をどのように設置するかは、当業者が早急に解決すべき技術的問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、効率的な放熱を実現するとともに、防塵及び構造安定性を両立することができるサーバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様はサーバを提供し、前記サーバは、
内部空間を形成するハウジングと、
前記内部空間内に位置する支持コンポーネントと、
中央処理装置及びメモリコンポーネントを含む発熱素子群と、
放熱装置であって、
前記支持コンポーネントとともに前記内部空間を第1の空間及び第2の空間に仕切る放熱シートであって、前記発熱素子群は前記第1の空間内に位置し、前記放熱シートは前記第1の空間に向かう第1の表面及び前記第2の空間に向かう第2の表面を有し、且つ前記放熱シートの前記第2の表面は放熱構造を有し、ここで、前記放熱シートの前記第1の表面は前記発熱素子群に接触して、前記発熱素子群を放熱する放熱シートと、
前記ハウジングの前記第2の空間に対応する位置に設けられて、前記第2の空間を放熱するファン群と、を含む放熱装置と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
上記開示に基づき、発熱素子群が動作して生じた熱は放熱シートを介して第2の空間に伝導することができ、ファン群が第2の空間を放熱する時に生じたほこりは第1の空間に位置する発熱素子群に入らない。さらに、支持コンポーネントはサーバ内部の安定的な構造を提供する。したがって、サーバは高効率な放熱を実現するとともに、防塵及び構造安定性を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面は実施例を例示的に示し、明細書の一部として構成されるものであり、明細書の文字記載とともに実施例の例示的な実施形態を説明するために用いられる。当然のことながら、以下の説明における図面は単に本発明のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力をせず、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。全ての図面において、同一の符号は、必ずしも同一ではないが類似の要素を指す。
図1】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図2】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図3】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図4】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図5】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図6】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図7】本発明の実施例におけるサーバの爆発図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、当業者が本発明における技術的解決手段をよく理解できるように、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、実施例の全部ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力をせず得る他の実施例は、いずれも本発明に保護される範囲に属すべきである。
【0010】
本開示では、特に断りのない限り、用語の「複数」は2つ以上を意味する。本開示では、特に断らない限り、用語の「第1」、「第2」などは類似の対象を区別するために使用されるものであり、その位置関係、時系列関係又は重要性関係を定義することを意図するものではない。このように使用される用語は、本明細書に記述される本発明の実施例が本明細書に図示又は記述される形態以外の形態で実施できるように、適切な場合に交換され得ることを理解されたいであろう。
本発明の実施例にて提供されるサーバは自動運転機能を有する、又は運転支援機能を有する車両に適用可能であり、さらに有人運転を必要とする車両にも適用可能であり、本願は適用場面について厳密に限定しない。
【0011】
図1図6は本発明の一実施例におけるサーバ100の組み立てプロセスを示す。図7はサーバ100の爆発図である。図1図6の少なくとも一部及び図7はサーバ100の内部構造及びサーバ100の複数の素子間の関係を示す。
【0012】
図1図5図7を参照すると、本実施例では、サーバ100はハウジング110を含む。ハウジング110は、例えば、上層板112、下層板114及び複数の側壁を含む。これらの側壁は第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c及び第4の側壁116dを含む。第1の側壁116aは第2の側壁116bに対向し、第3の側壁116cは第4の側壁116dに対向する。第1の側壁116aは、例えば、サーバ100の前面板であり、第2の側壁116bは、例えば、前面板の反対側に位置する後背板である。また、第3の側壁116c、下層板114及び第4の側壁116dはU字形板構造を形成する。ただ、実際のニーズに応じて、これらの側壁は他の構造又は機能に設置されてもよく、本発明はこれについて限定しない。
【0013】
本実施例では、ハウジング110は内部空間ISを形成する。内部空間ISは、例えば、上層板112、下層板114、第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c及び第4の側壁116dによって囲まれてなる空間である。サーバ100は内部空間IS内に位置する支持コンポーネント120をさらに含む。支持コンポーネント120は、内部空間ISを第1の空間IS1及び第2の空間IS2に仕切る、開口を有する仕切り板122を含む。第1の空間IS1は下方である下層板114側に位置し、第2の空間IS2は上方である上層板112側に位置する。
【0014】
サーバ100は発熱素子群130、放熱装置140、マザーボード170及びサブボード180をさらに含む。発熱素子群130は第1の空間IS1内に位置し、且つ発熱素子群130は中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)132及びメモリコンポーネント134を含む。中央処理装置132及びメモリコンポーネント134はマザーボード170上に取り付けられる。放熱装置140は放熱シートである第1の放熱シート142を含む。図3を参照すると、第1の放熱シート142は放熱構造である第1の放熱構造142aを有し、第1の空間IS1に位置する発熱素子群130を放熱する。
【0015】
本実施例では、放熱シート(第1の放熱シート142)及び支持コンポーネント120は内部空間ISを第1の空間IS1及び第2の空間IS2に仕切る。具体的には、仕切り板122の開口は第1の開口O1であり、第1の放熱シート142を収容する。第1の放熱シート142が開口O1内に取り付けられると、下層板114、複数の側壁、仕切り板122及び第1の放熱シート142は第1の空間IS1を形成する。第1の空間IS1は、例えば、閉鎖空間である。
【0016】
図3及び図7を参照すると、第1の放熱シート142は第1の空間IS1に向かう第1の表面S1及び第2の空間IS2に向かう第2の表面S2を有し、且つ第1の放熱シート142の第2の表面S2は放熱構造(図3の第1の放熱構造142a)を有する。また、第1の放熱シート142の第1の表面S1は発熱素子群130に接触して、発熱素子群130を放熱する。具体的には、第1の放熱シート142の第1の面S1はメモリコンポーネント134に接触して、メモリコンポーネント134を放熱する。いくつかの実施例では、第1の放熱シート142の第1の表面S1は中央処理装置132又は他の発熱素子群の素子に接触して、これらの素子を放熱することができる。本実施例では、メモリコンポーネント134は少なくとも1つのメモリチップ及び少なくとも1つのメモリケース134a(図1参照)を含む。メモリチップはメモリケース134aに覆われ、且つ第1の放熱シート142の第1の表面S1は少なくとも1つのメモリケース134aに接触して、少なくとも1つのメモリケース134aを放熱する。具体的には、本実施例は8つのメモリケース134aを示し、これらのメモリケース134aは少なくとも1つのメモリチップを覆って、メモリチップの放熱及び防塵を提供することができる。メモリチップから生じる熱はメモリケース134aを介して第1の放熱シート142に伝導され、第2の空間IS2に入ることができる。第1の放熱シート142は、発熱素子群130の他の発熱素子に接触又は近接する場合にも、これらの発熱素子から生じる熱を第2の空間IS2に伝導することができる。
【0017】
図2及び図7を参照すると、本実施例では、放熱装置140はプロセッサ放熱装置148をさらに含む。プロセッサ放熱装置148は熱伝導台座148a、熱伝導管148b及び放熱コンポーネント148cを含む。放熱コンポーネント148cは第2の空間IS2に設置され、熱伝導台座148a及び熱伝導管148bは第1の空間IS1に設置される。具体的には、熱伝導台座148aは中央処理装置132に取り付けられ、且つ熱伝導管148bは熱伝導台座148a及び放熱コンポーネント148cを接続する。熱伝導台座148aは中央処理装置132に接触したベース及び上蓋を含んでもよい。熱伝導管148bの数は1つ以上であってもよく、且つ熱伝導台座148aのベース及び上蓋は熱伝導管148bを挟んで固定し、それにより、中央処理装置132から生じる熱は熱伝導管148bに伝導される。熱伝導管148bには熱伝導ゲル又は熱伝導液が充填されて、熱を放熱コンポーネント148cに伝導する。放熱コンポーネント148cは複数の放熱フィンを含んで、熱を第2の空間IS2に排出する。本実施例では、放熱コンポーネント148cの数は、例えば、図示のように、2つである。ただ、熱伝導管148bの数及び放熱コンポーネント148cの数は実際のニーズに応じて適切に配置することができる。
【0018】
図2及び図7を参照すると、本実施例では、プロセッサ放熱装置148は放熱コンポーネント底板148dをさらに含み、且つ放熱コンポーネント底板148dは放熱コンポーネント148cを載せる。仕切り板122の開口(第1の開口O1)は第1の放熱シート142及び放熱コンポーネント底板148dを収容する。具体的には、本実施例では、放熱コンポーネント148cの数は2つであり、放熱コンポーネント底板148dの数も2つである。各放熱コンポーネント底板148dは1つの放熱コンポーネント148cを載せる。第1の開口O1は第1の放熱シート142及びこの2つの放熱コンポーネント底板148dを同時に収容する。具体的には、下層板114、複数の側壁、仕切り板122、第1の放熱シート142及び放熱コンポーネント底板148dは第1の空間IS1を形成する。
【0019】
図4図5及び図7を参照すると、支持コンポーネント120は第1のブラケット124及び第2のブラケット126をさらに含む。第1のブラケット124は仕切り板122と上層板112との間に設置され、第2のブラケット126は仕切り板122と下層板114との間に設置される。発熱素子群130はサブボード180に取り付けられるネットワークカード136をさらに含み、第2のブラケット126はサブボード180をマザーボード170の上方に支持する。図3及び図7を参照すると、放熱装置140は第2の放熱シート144をさらに含み、仕切り板122は第2の放熱シート144を収容する第2の開口O2をさらに含む。第2の放熱シート144が第2の開口O2内に取り付けられると、下層板114、複数の側壁、仕切り板122、第1の放熱シート142及び第2の放熱シート144は第1の空間IS1を形成する。いくつかの実施例では、発熱素子群130はマザーボード170又は第1の空間IS1内に位置する他のボードに取り付けられるグラフィック・プロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)又は複数枚の拡張カードをさらに含んでもよい。
【0020】
本実施例では、第2の放熱シート144は第1の空間IS1に向かう第3の表面S3及び第2の空間IS2に向かう第4の表面S4を有する。第2の放熱シート144の第4の表面S4は第2の放熱構造144aを有し、且つ第2の放熱シート144の第3の表面S3は発熱素子群130に接触して、発熱素子群130を放熱する。具体的には、第2の放熱シート144の第3の表面S3はネットワークカード136に接触して、ネットワークカード136を放熱する。第2の放熱シート144はネットワークカード136から生じる熱を空間IS2に伝導することができる。本実施例では、第2の放熱構造144aは第1の放熱構造142aとは異なるが、実際のニーズに応じて、第2の放熱構造144aは第1の放熱構造142aと同じ構造を備えてもよい。
【0021】
図4図5及び図7を参照すると、本実施例では、サーバ100に安定的な直流電源を提供するように、サーバ100は電源コンポーネント160をさらに含む。第1のブラケット124は電源コンポーネント160を支持して、電源コンポーネント160を第1のブラケット124と上層板112との間に設けさせる。放熱装置140は電源コンポーネント160に設けられる第3の放熱シート146をさらに含む。具体的には、電源コンポーネント160及び第3の放熱シート146はネットワークカード136を放熱する第2の放熱シート144の上方に積層され、第1の放熱シート142は第2の空間IS2の他方側に配置される。ハウジング110の上層空間である第2の空間IS2は第1の部分IS21及び第2の部分IS22を含む(図3参照)。上層板112における第1の部分IS21の投影と上層板112における第2の部分IS22の投影とは重ならない。第1の放熱シート142は第2の空間IS2の第1の部分IS21に位置し、第2の放熱シート144及び第3の放熱シート146は第2の空間IS2の第2の部分IS22に位置する。
【0022】
引き続き図4図5及び図7を参照すると、サーバ100はハウジング110の第2の空間IS2に対応する位置に設けられて、第2の空間IS2を放熱するファン群150をさらに含む。ファン群150は第1のファン群152、第2のファン群154及び第3のファン群156を含む。第1のファン群152は複数の側壁の第1の側壁116aに設けられ、第2のファン群154及び第3のファン群156は複数の側壁の第2の側壁116bに設けられる。図3及び図4を参照すると、第1のファン群152は第2の空間IS2の第1の部分IS21及び第2の部分IS22に対応する。図3及び図5を参照すると、第2のファン群154は第2の空間IS2の第1の部分IS21に対応し、且つ第3のファン群156は第2の空間IS2の第2の部分IS22に対応する。
【0023】
具体的には、第1のファン群152、第2のファン群154及び第3のファン群156は第2の空間IS2に対応するように設けられて、第2の空間IS2の空気を流れさせ、さらに、第2の空間IS2の熱をサーバ100から排出する。本実施例では、第2のファン群154は中央処理装置132及びメモリコンポーネント134の上方の第1の放熱シート142に近づいて、第1の放熱シート142を放熱する。第3のファン群156はネットワークカード136の上方の第2の放熱シート144及び電源コンポーネント160の上方の第3の放熱シート146に近づいて、第2の放熱シート144及び第3の放熱シート146を放熱する。本実施例では、第2の側壁116bと第3の放熱シート146との間に一定の距離があるため、第3のファン群156の放熱効率を向上させるために、第3のファン群156は第2のファン群154と異なる構造設計を用いることができる。第3のファン群156の第2の空間IS2における延在距離は第2のファン群154の第2の空間IS2における延在距離より大きい。このように、第3のファン群156は第3の放熱シート146に近接し、第2の放熱シート144にも近接し、より優れた放熱効果を実現することができる。ただ、実際のニーズに応じて、第3のファン群156の第2の空間IS2における延在距離が第2のファン群154の第2の空間IS2における延在距離以下であるように設定してもよく、本発明はこれについて限定しない。また、第1のファン群152、第2のファン群154及び第3のファン群156のファン数は実際のニーズに応じて設定してもよく、且つ、より良好な放熱効果を実現するように、サーバ100の他の位置により多くのファンを設置してもよい。
【0024】
本実施例では、放熱シート(例えば、第1の放熱シート142及び第2の放熱シート144)及び支持コンポーネント120は内部空間ISを第1の空間IS1及び第2の空間IS2に仕切り、且つ発熱素子群130は、例えば、中央処理装置132及びメモリコンポーネント134が挙げられ、閉鎖した第1の空間IS1内に位置する。放熱シートは発熱素子群130に接触して、発熱素子群130を放熱する。このため、発熱素子群130の動作により生じる熱は放熱シートを介して第2の空間IS2に伝導することができ、この熱は第2の空間IS2を放熱するファン群150によりサーバ100から排出することができる。発熱素子群130は、例えば、中央処理装置132及びメモリコンポーネント134が挙げられ、閉鎖した第1の空間IS1内に位置し、且つ仕切り板122のような支持コンポーネント120に遮断されるため、ファン群150が第2の空間IS2を放熱する時に生じるほこりは第1の空間IS1に位置する発熱素子群130内に入ることがない。これにより、サーバ100は、車載動作環境で、効率的に放熱するとともに、ほこりが発熱素子群130に入ることを回避して、サーバ100のより安定的な動作を実現することができる。
【0025】
本実施例では、支持コンポーネント120の仕切り板122はサーバ100の全体構造の安定性を提供する。第1のブラケット124はサーバ100全体のハウジング122を支持し、電源コンポーネント160をも支持する。第2のブラケット126はサブボード180をマザーボード170の上方に支持する。具体的には、マザーボード170にも、上方の素子及び板材を支持し、素子の配置が片持ちになる状況を低減するために、多くの支持機構が配置される。本実施例では、ハウジング110及び支持コンポーネント120は様々な構造設計を提供し、それにより、車載振動環境で、サーバ100の調和振動、共鳴振動の状況が大幅に低下することで、車載動作環境で、サーバ100がより耐震になり、それにより、サーバ100のより安定的な動作を実現する。
【0026】
図面を参照して本開示の例示的な実施例又は例を説明したが、上記の例示的な記述は網羅的であり、又は本発明を開示された具体的な形式に限定することを意図しないことを理解されたい。上記教示内容に基づいて、多くの修正及び変形が可能である。したがって、開示される主題は、本明細書に記載される実施例又は例のいずれか1つに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の広さ及び範囲に応じて解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7