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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025731
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20240216BHJP
   G11B 33/02 20060101ALI20240216BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240216BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G06F1/16 312M
G11B33/02
G11B33/02 301G
H05K7/20 H
H05K7/20 G
H05K5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129912
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】202222115214.6
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】馬志華
(72)【発明者】
【氏名】李海泉
【テーマコード(参考)】
4E360
5E322
【Fターム(参考)】
4E360AB03
4E360AB08
4E360AB09
4E360AB33
4E360BD03
4E360BD05
4E360EA03
4E360EA12
4E360EA24
4E360ED17
4E360GA22
4E360GA24
4E360GA53
4E360GB44
4E360GC08
5E322AA01
5E322AB11
5E322BA03
5E322BB03
5E322DB10
5E322EA10
5E322FA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車載環境に適応する構造を備えるとともに、ネットワークカードの円滑な装着を実現するサーバを提供する。
【解決手段】ネットワークカード、スロット220及びネットワークケーブルを含み、ネットワークカードの放熱及び防塵を実現することができるサーバのネットワークカードコンポーネント200であって、上層板、下層板114及び第4の側壁116dを含む複数の側壁を有するハウジングは内部空間を形成し、且つ、仕切り板122は内部空間を第1の空間及び第2の空間に仕切る。ネットワークカードは第1の空間内に位置する。仕切り板270の開口はスロット220を収容する。スロット220は、凹部及び第1の空間開口を含み、且つ、凹部は第1の空間に凹んで凹部空間を形成する。ネットワークケーブルは、ネットワークポート212に接続され、且つ、第1の空間開口及び凹部空間を順に通過して、第2の空間に入る。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を形成するハウジングと、
前記内部空間を第1の空間及び第2の空間に仕切る仕切り板であって、開口を含む仕切り板と、
ネットワークカードコンポーネントであって、
前記第1の空間内に位置するネットワークカードと、
前記開口に収容されるスロットであって、
前記第1の空間に凹んで凹部空間を形成する凹部と、
前記第1の空間及び前記凹部空間に連通する第1の空間開口と、を含むスロットと、
前記ネットワークカードに接続され、且つ前記第1の空間開口及び前記凹部空間を順に通過して、前記第2の空間に入るネットワークケーブルと、を含むネットワークカードコンポーネントと、を含む、ことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記ネットワークカードは前記第1の空間開口に向かうネットワークポートを含み、且つ前記ネットワークケーブルは前記ネットワークポートに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記サーバは前記第1の空間内に設けられるマザーボードをさらに含み、ここで、前記ネットワークケーブルの第1の端部は前記ネットワークカードに接続され、且つ前記ネットワークケーブルの第2の端部は前記マザーボードにカップリングされる、ことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項4】
前記ハウジングは上層板、下層板及び複数の側壁を含み、前記下層板、前記複数の側壁及び前記仕切り板は前記第1の空間を形成し、且つ前記上層板、前記複数の側壁及び前記仕切り板は前記第2の空間を形成し、ここで、前記ネットワークケーブルの前記第2の端部は前記複数の側壁のうちの第1の側壁に接続され、且つ前記マザーボードは前記第1の側壁に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記第1の側壁は前記第1の空間に対応する第1の変換ポート及び前記第2の空間に対応する第2の変換ポートを有し、前記マザーボードは前記第1の変換ポートに接続され、前記ネットワークケーブルの前記第2の端部は前記第2の変換ポートに接続され、ここで、前記サーバは前記ハウジングの外部に位置する変換ケーブルをさらに含み、前記変換ケーブルは前記第1の変換ポート及び前記第2の変換ポートを接続する、ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記複数の側壁は第2の側壁、第3の側壁及び第4の側壁をさらに含み、前記第2の側壁は前記第1の側壁の反対側に位置し、前記第4の側壁は前記第3の側壁の反対側に位置し、ここで、前記第3の側壁、前記下層板及び前記第4の側壁はU字形板構造を形成し、前記第1の側壁は前面板であり、且つ前記第2の側壁は後背板である、ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項7】
前記ネットワークケーブルの前記第2の端部は前記仕切り板を避けて前記第1の空間内において前記マザーボードにカップリングされる、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項8】
前記サーバは中央処理装置及びメモリコンポーネントをさらに含み、且つ前記中央処理装置及び前記メモリコンポーネントは前記マザーボードに取り付けられる、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項9】
前記ネットワークカードはネットワークカード基板をさらに含み、前記ネットワークカードは前記ネットワークカード基板上に取り付けられ、ここで、前記サーバは前記ネットワークカード基板を前記マザーボードの上方に支持するブラケットをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項10】
前記ハウジングは下層板を含み、且つ前記マザーボードは前記下層板上に位置し、前記ブラケットは第1層のブラケット及び第2層のブラケットを含み、ここで、前記第1層のブラケットは前記ネットワークカード基板を前記マザーボードの上方に支持し、前記第2層のブラケットは前記第1層のブラケット上に積層されて前記仕切り板を前記下層板の上方に支持する、ことを特徴とする請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
前記ハウジングは上層板と、下層板と、前記上層板及び前記下層板を接続する複数の側壁とを含み、前記仕切り板は前記上層板と前記下層板との間に位置し、ここで、前記サーバは前記仕切り板と前記下層板との間に位置し、前記複数の側壁のうちの少なくとも1つに引き添う仕切り板ブラケットをさらに含み、前記仕切り板ブラケットは前記仕切り板を支持する、ことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項12】
前記サーバは放熱シートをさらに含み、且つ前記開口は前記放熱シートを収容し、ここで、前記放熱シートの前記第1の空間に向かう表面は前記ネットワークカードに接触して、前記ネットワークカードを放熱し、前記放熱シートの前記第2の空間に向かう表面は放熱構造を有する、ことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項13】
前記ネットワークカードコンポーネントはネットワークポート仕切り板を含み、ここで、前記放熱シート、前記ネットワークポート仕切り板及び前記スロットは順に配列され且つ前記開口内に嵌め込まれ、前記ネットワークポートは前記第1の空間に迎えネットワークポートを含み、且つ前記ネットワークポート仕切り板の位置は前記ネットワークポートの位置に対応する、ことを特徴とする請求項12に記載のサーバ。
【請求項14】
前記ネットワークケーブルは前記ネットワークポートに接続され、ここで、前記スロットと前記ネットワークポートとの間に第1のクッションパッドが設けられ、前記スロットと前記ネットワークポート仕切り板との間に第2のクッションパッドが設けられ、前記ネットワークポート仕切り板と前記放熱シートとの間に第3のクッションパッドが設けられ、且つ前記放熱シートと前記仕切り板との接触領域に第4のクッションパッドが設けられる、ことを特徴とする請求項13に記載のサーバ。
【請求項15】
前記第1のクッションパッド、前記第2のクッションパッド、前記第3のクッションパッド及び前記第4のクッションパッドの材料はゴムである、ことを特徴とする請求項14に記載のサーバ。
【請求項16】
前記サーバは前記ハウジングの前記第2の空間に対応する位置に設けられて、前記第2の空間を放熱するファン群を含む、ことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーバに関し、特に車載サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、自動運転のニーズを実現するために、自動運転車両に意思決定及び制御のための車載サーバを設ける。車両サーバが直面する課題は一般的なサーバとは異なる。自動運転車両に関する技術が複雑であり、設置する必要がある車載サーバには比較的高い処理効率及びネットワーク接続が要求されるため、演算性能が比較的高いプロセッサを用い、適切なネットワークカードと組み合わせる。また、車載環境における振動によるボード又は素子に対する損害を回避するために、サーバ筐体の内部に対応する支持板が設けられて、構造強度を向上させる。サーバ筐体の内部にも適切な放熱シート及び構造が組み合わせられて、ネットワークカードの放熱及び防塵に役立ち、車載サーバのネットワークカードの効率的且つ安定的な動作を保持する。しかしながら、サーバ筐体内の支持板などの構造がサーバ筐体内部の空間を制限することで、ネットワークカードのネットワークケーブルのルーティングが制限され、適用されなくなる。
【0003】
車載環境に適応し、ネットワークカードの円滑な装着を実現するために、適切なサーバをどのように設置するかは、当業者が早急に解決すべき技術的問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は車載環境に適応する構造を備えるとともに、ネットワークカードの円滑な装着を実現することができるサーバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様はサーバを提供し、前記サーバは、
内部空間を形成するハウジングと、
前記内部空間を第1の空間及び第2の空間に仕切る仕切り板であって、開口を含む仕切り板と、
ネットワークカードコンポーネントであって、
前記第1の空間内に位置するネットワークカードと、
前記開口に収容されるスロットであって、
前記第1の空間に凹んで凹部空間を形成する凹部と、
前記第1の空間及び前記凹部空間に連通する第1の空間開口と、を含むスロットと、
前記ネットワークカードに接続され、且つ前記第1の空間開口及び前記凹部空間を順に通過して、前記第2の空間に入るネットワークケーブルと、を含むネットワークカードコンポーネントと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
上記開示に基づき、ネットワークケーブルがサーバのハウジングの第1の空間に位置するネットワークカードに接続され、且つネットワークケーブルがスロットの第1の空間開口及び凹部空間を順に通過して、サーバのハウジングの第2の空間に入るため、ネットワークカードが第1の空間に配置されても、ネットワークケーブルの主要部分はスロットを通過して第2の空間に配置することができ、ネットワークカードとともに第1の空間に配置される必要がない。したがって、ネットワークカードの円滑な装着が実現され、車載環境におけるサーバ構造設計に適応する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面は実施例を例示的に示し、明細書の一部として構成されるものであり、明細書の文字記載とともに実施例の例示的な実施形態を説明するために用いられる。当然のことながら、以下の説明における図面は単に本発明のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力をせず、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。全ての図面において、同一の符号は、必ずしも同一ではないが類似の要素を指す。
図1】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図2】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図3】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図4】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図5】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図6】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図7】本発明の実施例におけるサーバの爆発図である。
図8】本発明の実施例におけるネットワークカードコンポーネント及びそれに関連する素子を設ける爆発図である。
図9】本発明の実施例におけるネットワークカードコンポーネント及びそれに関連する素子の組み立てプロセスにおける構造の模式図である。
図10】本発明の実施例におけるネットワークカードコンポーネント及びそれに関連する素子の組み立てプロセスにおける構造の模式図である。
図11】本発明の実施例におけるネットワークカードコンポーネント及びそれに関連する素子の組み立てプロセスにおける構造の模式図である。
図12】本発明の実施例におけるネットワークカードコンポーネント及びそれに関連する素子の組み立てプロセスにおける構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、当業者が本発明における技術的解決手段をよく理解できるように、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、実施例の全部ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力をせず得る他の実施例は、いずれも本発明に保護される範囲に属すべきである。
【0009】
本開示では、特に断りのない限り、用語の「複数」は2つ以上を意味する。本開示では、特に断らない限り、用語の「第1」、「第2」などは類似の対象を区別するために使用されるものであり、その位置関係、時系列関係又は重要性関係を定義することを意図するものではない。このように使用される用語は、本明細書に記述される本発明の実施例が本明細書に図示又は記述される形態以外の形態で実施できるように、適切な場合に交換され得ることを理解されたいであろう。
本発明の実施例にて提供されるサーバは自動運転機能を有する、又は運転支援機能を有する車両に適用可能であり、さらに有人運転を必要とする車両にも適用可能であり、本願は適用場面について厳密に限定しない。
【0010】
図1図6は本発明の一実施例におけるサーバ100の組み立てプロセスを示す。図7はサーバ100の爆発図である。図1図6の少なくとも一部及び図7はサーバ100の内部構造及びサーバ100の複数の素子間の関係を示す。
【0011】
図1図5図7を参照すると、本実施例では、サーバ100はハウジング110を含む。ハウジング110は、例えば、上層板112、下層板114及び複数の側壁を含む。これらの側壁は第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c及び第4の側壁116dを含む。第1の側壁116aは第2の側壁116bに対向し、且つ第3の側壁116cは第4の側壁116dに対向する。第2の側壁116bは第1の側壁116aの反対側に位置し、且つ第4の側壁116dは第3の側壁116cの反対側に位置する。第1の側壁116aは、例えば、サーバ100の前面板であり、第2の側壁116bは、例えば、前面板の反対側に位置する後背板である。また、第3の側壁116c、下層板114及び第4の側壁116dはU字形板構造を形成する。ただ、実際のニーズに応じて、これらの側壁は他の構造又は機能に設置されてもよく、本発明はこれについて限定しない。
【0012】
本実施例では、ハウジング110は内部空間ISを形成する。内部空間ISは、例えば、上層板112と、下層板114と、上層板112及び下層板114を接続する複数の側壁であって、第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c及び第4の側壁116dを含む複数の側壁によって囲まれてなる空間である。サーバ100は内部空間IS内に位置する支持コンポーネント120をさらに含む。支持コンポーネント120は上層板112と下層板11との間に位置する、開口を有する仕切り板122を含む。仕切り板122は内部空間ISを第1の空間IS1及び第2の空間IS2に仕切る。第1の空間IS1は下方である下層板114側に位置し、第2の空間IS2は上方である上層板112側に位置する。具体的には、下層板114、第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c、第4の側壁116d及び仕切り板122は第1の空間IS1を形成し、且つ上層板112、第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c、第4の側壁116d及び仕切り板122は第2の空間IS2を形成する。
【0013】
さらに、サーバ100は発熱素子群130、放熱装置140、マザーボード170をさらに含む。マザーボード170及び発熱素子群130は第1の空間IS1内に位置し、且つ発熱素子群130は中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)132及びメモリコンポーネント134を含む。マザーボード170は下層板114上に位置し、且つ中央処理装置132及びメモリコンポーネント134はマザーボード170上に取り付けられる。放熱装置140は第1の放熱シート142を含む。図3を参照すると、第1の放熱シート142は放熱構造である第1の放熱構造142aを有して、第1の空間IS1に位置する発熱素子群130を放熱する。
【0014】
本実施例では、第1の放熱シート142及び支持コンポーネント120は内部空間ISを第1の空間IS1及び第2の空間IS2に仕切る。具体的には、仕切り板122の第1の開口O1は第1の放熱シート142を収容する。第1の放熱シート142が第1の開口O1内に取り付けられると、下層板114、複数の側壁、仕切り板122及び第1の放熱シート142は第1の空間IS1を形成する。第1の空間IS1は、例えば、閉鎖空間である。
【0015】
図3及び図7を参照すると、第1の放熱シート142は第1の空間IS1に向かう第1の表面S1及び第2の空間IS2に向かう第2の表面S2を有し、且つ第1の放熱シート142の第2の表面S2は第1の放熱構造142aを有する。また、第1の放熱シート142の第1の表面S1は発熱素子群130に接触して、発熱素子群130を放熱する。具体的には、第1の放熱シート142の第1の面S1はメモリコンポーネント134に接触して、メモリコンポーネント134を放熱する。いくつかの実施例では、第1の放熱シート142の第1の表面S1は中央処理装置132又は他の発熱素子群の素子に接触して、これらの素子を放熱することができる。本実施例では、メモリコンポーネント134は少なくとも1つのメモリチップ及び少なくとも1つのメモリケース134a(図1参照)を含む。メモリチップはメモリケース134aに覆われ、且つ第1の放熱シート142の第1の表面S1は少なくとも1つのメモリケース134aに接触して、少なくとも1つのメモリケース134aを放熱する。具体的には、本実施例は8つのメモリケース134aを示し、これらのメモリケース134aは少なくとも1つのメモリチップを覆って、メモリチップの放熱及び防塵を提供することができる。メモリチップから生じる熱はメモリケース134aを介して第1の放熱シート142に伝導され、第2の空間IS2に入ることができる。第1の放熱シート142は、発熱素子群130の他の発熱素子に接触又は近接する場合にも、これらの発熱素子から生じる熱を第2の空間IS2に伝導することができる。
【0016】
図2及び図7を参照すると、本実施例では、放熱装置140はプロセッサ放熱装置148をさらに含む。プロセッサ放熱装置148は熱伝導台座148a、熱伝導管148b及び放熱コンポーネント148cを含む。放熱コンポーネント148cは第2の空間IS2に設置され、熱伝導台座148a及び熱伝導管148bは第1の空間IS1に設置される。具体的には、熱伝導台座148aは中央処理装置132に取り付けられ、且つ熱伝導管148bは熱伝導台座148a及び放熱コンポーネント148cを接続する。熱伝導台座148aは中央処理装置132に接触したベース及び上蓋を含んでもよい。熱伝導管148bの数は1つ以上であってもよく、且つ熱伝導台座148aのベース及び上蓋は熱伝導管148bを挟んで固定し、それにより、中央処理装置132から生じる熱は熱伝導管148bに伝導される。熱伝導管148bには熱伝導ゲル又は熱伝導液が充填されて、熱を放熱コンポーネント148cに伝導する。放熱コンポーネント148cは複数の放熱フィンを含んで、熱を第2の空間IS2に排出する。本実施例では、放熱コンポーネント148cの数は、例えば、図示のように、2つである。ただ、熱伝導管148bの数及び放熱コンポーネント148cの数は実際のニーズに応じて適切に配置することができる。
【0017】
図2及び図7を参照すると、本実施例では、プロセッサ放熱装置148は放熱コンポーネント底板148dをさらに含み、且つ放熱コンポーネント底板148dは放熱コンポーネント148cを載せる。仕切り板122の第1の開口O1は第1の放熱シート142及び放熱コンポーネント底板148dを収容する。具体的には、本実施例では、放熱コンポーネント148cの数は2つであり、放熱コンポーネント底板148dの数も2つである。各放熱コンポーネント底板148dは1つの放熱コンポーネント148cを載せる。第1の開口O1は第1の放熱シート142及びこの2つの放熱コンポーネント底板148dを同時に収容する。具体的には、下層板114、複数の側壁、仕切り板122、第1の放熱シート142及び放熱コンポーネント底板148dは第1の空間IS1を形成する。
【0018】
図4図5図7を参照すると、サーバ100はネットワークカードコンポーネント200をさらに含む。ネットワークカードコンポーネント200は第1の空間IS1内に位置するネットワークカード210及びネットワークカード基板240を含み、且つネットワークカード210はネットワークカード基板240上に取り付けられる。具体的には、ネットワークカード210は発熱素子に属し、上記発熱素子群130にも含まれる。支持コンポーネント120は第1のブラケット124をさらに含み、且つサーバ100はブラケットである第2のブラケット250をさらに含む。第1のブラケット124は仕切り板122と上層板112との間に設置される。第2のブラケット250は仕切り板122と下層板114との間に設置され、且つ第2のブラケット250はネットワークカード基板240をマザーボード170の上方に支持する。
【0019】
図8及び図11を参照すると、本実施例では、仕切り板122は開口(第2の開口O2)をさらに含み、且つネットワークカードコンポーネント200はスロット220及びネットワークケーブル(図示せず)をさらに含む。第2の開口O2はスロット220を収容する。スロット220は凹部222及び第1の空間開口224を含む。凹部222は第1の空間IS1に凹んで凹部空間222aを形成し、且つ第1の空間開口224は第1の空間IS1及び凹部空間222aに連通する。また、スロット220は凹部空間222及び第2の空間IS2に連通する第2の空間開口226をさらに含む。ネットワークケーブルはネットワークカード210に接続される。具体的には、ネットワークカード210は第1の空間開口224に向かうネットワークポート212を含み、且つネットワークケーブルはネットワークポート212に接続される。ネットワークケーブルは第1の空間開口224及び凹部空間222aを順に通過して、第2の空間IS2に入る。本実施例では、ネットワークケーブルの第1の端部はネットワークカード210に接続され、且つネットワークケーブルの第2の端部はマザーボード170にカップリングされる。ネットワークケーブルの第2の端部は複数の側壁のうちの第1の側壁116aに接続され、且つマザーボード170は第1の側壁116aに接続される。
【0020】
図6を参照すると、第1の側壁116aはサーバ100の前面板として、例えば、第1の空間IS1に対応する第1の変換ポート232及び第2の空間IS2に対応する第2の変換ポート234を有する。ネットワークケーブルの第2の端部は第2の変換ポート234に接続され、且つマザーボード170は第1の変換ポート232に接続される。本実施例では、サーバ100は第1の変換ポート232及び第2の変換ポート234を接続して、ネットワークカードとマザーボードとの間のカップリング関係を実現する、ハウジングの外部に位置する変換ケーブルをさらに含む。ただ、いくつかの実施例では、ネットワークカードは第1の側壁116aを介してマザーボード170に接続されなくてもよい。ネットワークカードは第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c、第4の側壁116d及び上層板112のうち少なくとも一方を介してマザーボード170にカップリングされてもよい。又は、ネットワークケーブルの第2の端部は仕切り板122を直接通過しない他の方法を用い、仕切り板122を避けて第1の空間IS1においてマザーボード170に接続されてもよく、本発明はこれについて限定しない。
【0021】
図8図10を参照すると、本実施例では、第2のブラケット250は第1層のブラケット252及び第2層のブラケット254を含む。第1層のブラケット252はネットワークカード基板240を前記マザーボード170の上方に支持し、且つ第2層のブラケット254は第1層のブラケット242に積層されて仕切り板122を下層板114の上方に支持する。また、サーバ100は仕切り板122と下層板114との間に位置し、複数の側壁のうちの少なくとも1つに引き添う仕切り板ブラケット260をさらに含み、且つ仕切り板ブラケット260は仕切り板122を支持する。具体的には、仕切り板ブラケット260は第4の側壁116dに引き添う細長い部分と、仕切り板122の形状に合わせて設計された板状部分とを含む。細長い部分は下層板114及び第4の側壁116によって形成される角部に引き添い、且つ板状部分は仕切り板122と細長い部分との間に接続される。第2層のブラケット254は、例えば、仕切り板122と第1層のブラケット242との間に接続されるものであってもよく、且つ第2層のブラケット254は、仕切り板122又はサーバ100のハウジング110の他の構造の設計において片持ちとなるという問題を減少させるように仕切り板122の中央寄りの部分に設けられるブロック体の形式であってもよい。
【0022】
図3図7及び図8を参照すると、放熱装置140は放熱シート(すなわち第2の放熱シート144)をさらに含み、仕切り板122の第2の開口02は第2の放熱シート144を収容する。第2の放熱シート144が第2の開口O2内に取り付けられると、下層板114、複数の側壁、仕切り板122、第1の放熱シート142及び第1の放熱シート144は第1の空間IS1を形成する。いくつかの実施例では、発熱素子群130はマザーボード170又は第1の空間IS1内に位置する他のボードに取り付けられるグラフィック・プロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)又は複数枚の拡張カードをさらに含んでもよい。
【0023】
本実施例では、第2の放熱シート144は第1の空間IS1に向かう第3の表面S3及び第2の空間IS2に向かう第4の表面S2を有し、且つ第2の放熱シート144の第4の表面S2は放熱構造(すなわち第2の放熱構造144a)を有する。また、第2の放熱シート144の第3の表面S3はネットワークカード210に接触して、ネットワークカード210を放熱する。第2の放熱シート144はネットワークカード210から生じる熱を空間IS2に伝導することができる。本実施例では、第2の放熱構造144aは第1の放熱構造142aとは異なるが、実際のニーズに応じて、第2の放熱構造144aは第1の放熱構造142aと同じ構造を備えてもよい。
【0024】
図8及び図12を参照すると、本実施例では、ネットワークカードコンポーネント200はネットワークポート仕切り板270を含み、且つ第2の放熱シート144、ネットワークポート仕切り板270及びスロット220は順に配列され且つ第2の開口02内に嵌め込まれる。具体的には、第2の放熱シート144の位置はネットワークカード210の位置に対応して、ネットワークカード210を放熱する。ネットワークポート仕切り板270の位置はネットワークポート212の位置に対応してネットワークポート212を遮る。スロット220は第1の空間IS1に凹んで、ネットワークケーブルを収容するとともに、ネットワークケーブルが第1の空間IS1から第2の空間IS2に入る通路を提供する。また、図8を参照すると、スロット220とネットワークポート212との間に第1のクッションパッド282が設けられる。スロット220とネットワークポート仕切り板270との間に第2のクッションパッド284が設けられる。ネットワークポート仕切り板270と第2の放熱シート144との間に第3のクッションパッド286が設けられる。第2の放熱シート144と仕切り板122との接触領域に第4のクッションパッド288が設けられる。本実施例では、第1のクッションパッド282、第2のクッションパッド284、第3のクッションパッド286及び第4のクッションパッド288の材料はゴム又は他のクッション材料である。第1のクッションパッド282はスロット220に接触し且つネットワークポート212に接触し、第2のクッションパッド284はスロット220に接触し且つネットワークポート仕切り板270に接触し、第3のクッションパッド286はネットワークポート仕切り板270に接触し且つ第2の放熱シート144に接触し、第4のクッションパッド288は第2の放熱シート144に接触し且つ仕切り板122に接触する。上記接触によって形成される接触領域では、微小な空隙がこれらのクッションパッドに封止されることにより、防塵が実現される。
【0025】
図9から図12は本発明の実施例におけるネットワークカードコンポーネント200及びそれに関連する素子の組み立てプロセスを図示する。まず、図9を参照して、マザーボード170上に第1層のブラケット252、第2層のブラケット254及び仕切り板ブラケット260の細長い部分を取り付ける。次に、図10を参照して、ネットワークカード基板240及びネットワークカード210を取り付ける。その後、図11を参照して、仕切り板ブラケット260の板状部分、仕切り板122及び第4のクッションパッド288を取り付ける。その後、図12を参照して、第1のクッションパッド282、スロット220、第2のクッションパッド284、ネットワークポート仕切り板270、第3のクッションパッド286及び第2の放熱シート144を取り付ける。図示されていないネットワークケーブルはネットワークカード210のネットワークポート212に接続し、スロット220を通過して上層の第2の空間IS2に入ることができる。
【0026】
図4図5及び図7を参照すると、本実施例では、サーバ100に安定的な直流電源を提供するように、サーバ100は電源コンポーネント160をさらに含む。第1のブラケット124は電源コンポーネント160を支持して、電源コンポーネント160を第1のブラケット124と上層板112との間に設けさせる。放熱装置140は電源コンポーネント160に設けられる第3の放熱シート146をさらに含む。具体的には、電源コンポーネント160及び第3の放熱シート146はネットワークカード210を放熱する第2の放熱シート144の上方に積層され、第1の放熱シート142は第2の空間IS2の他方側に配置される。ハウジング110の上層空間である第2の空間IS2は第1の部分IS21及び第2の部分IS22を含む(図3参照)。上層板112における第1の部分IS21の投影と上層板112における第2の部分IS22の投影とは重ならない。第1の放熱シート142は第2の空間IS2の第1の部分IS21に位置し、第2の放熱シート144及び第3の放熱シート146は第2の空間IS2の第2の部分IS22に位置する。
【0027】
引き続き図4図5及び図7を参照すると、サーバ100はハウジング110の第2の空間IS2に対応する位置に設けられて、第2の空間IS2を放熱するファン群150をさらに含む。ファン群150は第1のファン群152、第2のファン群154及び第3のファン群156を含む。第1のファン群152は複数の側壁の第1の側壁116aに設けられ、第2のファン群154及び第3のファン群156は複数の側壁の第2の側壁116bに設けられる。図3及び図4を参照すると、第1のファン群152は第2の空間IS2の第1の部分IS21及び第2の部分IS22に対応する。図3及び図5を参照すると、第2のファン群154は第2の空間IS2の第1の部分IS21に対応し、且つ第3のファン群156は第2の空間IS2の第2の部分IS22に対応する。
【0028】
具体的には、第1のファン群152、第2のファン群154及び第3のファン群156は第2の空間IS2に対応するように設けられて、第2の空間IS2の空気を流れさせ、さらに、第2の空間IS2の熱をサーバ100から排出する。本実施例では、第2のファン群154は中央処理装置132及びメモリコンポーネント134の上方の第1の放熱シート142に近づいて、第1の放熱シート142を放熱する。第3のファン群156はネットワークカード210の上方の第2の放熱シート144及び電源コンポーネント160の上方の第3の放熱シート146に近づいて、第2の放熱シート144及び第3の放熱シート146を放熱する。本実施例では、第2の側壁116bと第3の放熱シート146との間に一定の距離があるため、第3のファン群156の放熱効率を向上させるために、第3のファン群156は第2のファン群154と異なる構造設計を用いることができる。第3のファン群156の第2の空間IS2における延在距離は第2のファン群154の第2の空間IS2における延在距離より大きい。このように、第3のファン群156は第3の放熱シート146に近接し、第2の放熱シート144にも近接し、より優れた放熱効果を実現することができる。ただ、実際のニーズに応じて、第3のファン群156の第2の空間IS2における延在距離が第2のファン群154の第2の空間IS2における延在距離以下であるように設定してもよく、本発明はこれについて限定しない。また、実際のニーズに応じて、第1のファン群152、第2のファン群154及び第3のファン群156のファン数を設定してもよく、且つ、より良好な放熱効果を実現するように、サーバ100の他の位置により多くのファンを設置してもよい。
【0029】
本実施例では、放熱シート(例えば、第1の放熱シート142及び第2の放熱シート144)及び支持コンポーネント120は内部空間ISを第1の空間IS1及び第2の空間IS2に仕切り、且つ発熱素子群130は、例えば、中央処理装置132及びメモリコンポーネント134が挙げられ、閉鎖した第1の空間IS1内に位置する。放熱シートは発熱素子群130に接触して、発熱素子群130を放熱する。このため、発熱素子群130の動作により生じる熱は放熱シートを介して第2空間IS2に伝導することができ、この熱は第2の空間IS2を放熱するファン群150によりサーバ100から排出することができる。発熱素子群130は、例えば、中央処理装置132及びメモリコンポーネント134が挙げられ、閉鎖した第1の空間IS1内に位置し、且つ仕切り板122のような支持コンポーネント120に遮断されるため、ファン群150が第2の空間IS2を放熱する時に生じるほこりは第1の空間IS1に位置する発熱素子群130内に入ることがない。これにより、サーバ100は、車載動作環境で、効率的に放熱するとともに、ほこりが発熱素子群130に入ることを回避して、サーバ100のより安定的な動作を実現することができる。
【0030】
本実施例では、支持コンポーネント120の仕切り板122はサーバ100の全体構造の安定性を提供する。第1のブラケット124はサーバ100全体のハウジング122を支持し、電源コンポーネント160をも支持する。第2のブラケット250はネットワークカード基板240をマザーボード170の上方に支持する。具体的には、マザーボード170にも、上方の素子及び板材を支持し、素子の配置が片持ちになる状況を低減するために、多くの支持機構が配置される。本実施例では、ハウジング110及び支持コンポーネント120は様々な構造設計を提供し、それにより、車載振動環境で、サーバ100の調和振動、共鳴振動の状況が大幅に低下することで、車載動作環境で、サーバ100がより耐震になり、それにより、サーバ100のより安定的な動作を実現する。
【0031】
また、本実施例では、ネットワークケーブルがサーバ100のハウジング110の第1の空間IS1に位置するネットワークカード210に接続され、且つネットワークケーブルがスロット220の第1の空間開口224及び凹部空間222aを順に通過して、サーバ100のハウジング110の第2の空間IS2に入るため、ネットワークカード210が第1の空間IS1に配置されても、ネットワークケーブルの主要部分はスロット220を通過して第2の空間IS2に配置することができ、ネットワークカード210とともに第1の空間IS1に配置される必要がない。したがって、ネットワークカード210の円滑な装着が実現され、車載環境におけるサーバ構造設計に適応する。
【0032】
図面を参照して本開示の例示的な実施例又は例を説明したが、上記の例示的な記述は網羅的であり、又は本発明を開示された具体的な形式に限定することを意図しないことを理解されたい。上記教示内容に基づいて、多くの修正及び変形が可能である。したがって、開示される主題は、本明細書に記載される実施例又は例のいずれか1つに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の広さ及び範囲に応じて解釈されるべきである。
図1
図2
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図5
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図12