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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025732
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240216BHJP
   G11B 33/02 20060101ALI20240216BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240216BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
G11B33/02
G11B33/02 301G
H05K7/20 H
H05K7/20 R
H05K7/20 G
H05K7/20 F
H01L23/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129916
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】202222116078.2
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】馬志華
(72)【発明者】
【氏名】李海泉
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322BA03
5E322BB03
5E322BC01
5E322DB10
5E322EA10
5E322FA04
5F136CC16
5F136CC22
5F136DA25
5F136DA41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車載に必要な高効率プロセッサに適応し、安定的で効率的な放熱を実現する車載サーバを提供する。
【解決手段】サーバ100は、ハウジング110、プロセッサ、メモリコンポーネント134、放熱装置及びファン群を含む。放熱装置は、放熱台座コンポーネント242、第1の放熱コンポーネント244及び第2の放熱コンポーネント246を含む。放熱台座コンポーネントは、プロセッサに接触する。第1の放熱コンポーネントは、第1のヒートパイプ群244a及び第1の放熱器244bを含み、且つ、第1のヒートパイプ群は、放熱台座コンポーネントと第1の放熱器を接続する。第2の放熱コンポーネントは第2のヒートパイプ群246a及び第2の放熱器246bを含み、且つ、第2のヒートパイプ群は放熱台座コンポーネントと第2の放熱器を接続する。ファン群は、ハウジングの側壁の位置に設けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置するプロセッサと、
前記ハウジング内に位置する放熱装置であって、
前記プロセッサに接触する放熱台座コンポーネントと、
第1のヒートパイプ群及び第1の放熱器を含む第1の放熱コンポーネントであって、前記第1のヒートパイプは前記放熱台座コンポーネントと前記第1の放熱器を接続する第1の放熱コンポーネントと、
第2のヒートパイプ群及び第2の放熱器を含む第2の放熱コンポーネントであって、前記第2のヒートパイプは前記放熱台座コンポーネントと前記第2の放熱器を接続する第2の放熱コンポーネントと、を含む放熱装置と、
前記ハウジングの側壁の位置に設けられて、前記ハウジング内部の熱を前記ハウジングから排出するファン群と、を含む、ことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記ハウジングは上層板、下層板及び複数の側壁を含み、前記複数の側壁は前記上層板と前記下層板を接続し、前記プロセッサは前記下層板に設けられ、且つ前記ファン群は前記複数の側壁の少なくとも1つの位置に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記サーバは前記ハウジングの内部空間を上空間及び下空間に分ける仕切り板をさらに含み、前記下層板、前記複数の側壁及び前記仕切り板は前記下空間を形成し、前記上層板、前記複数の側壁及び前記仕切り板は前記上空間を形成する、ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記放熱装置は第1の放熱器底板及び第2の放熱器底板をさらに含み、前記第1の放熱器底板は前記第1の放熱器を載せ、且つ前記第2の放熱器底板は前記第2の放熱器を載せ、前記仕切り板は前記第1の放熱器底板及び前記第2の放熱器底板を収容する開口を有し、ここで、前記プロセッサは前記下空間に位置し、且つ前記第1の放熱器及び前記第2の放熱器は前記上空間に位置する、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記サーバはメモリコンポーネント及びマザーボードをさらに含み、前記プロセッサ及び前記メモリコンポーネントは前記マザーボード上に取り付けられ、且つ前記メモリコンポーネントは前記プロセッサのそばに設けられ、ここで、前記第1のヒートパイプ群の前記下層板における投影及び前記第2のヒートパイプ群の前記下層板における投影のうち少なくとも一方と前記メモリコンポーネントの前記下層板における投影とは重畳領域を有する、ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記サーバは第1の放熱器ブラケット及び第2の放熱器ブラケットをさらに含み、前記第1の放熱器ブラケットは前記第1の放熱器底板と前記下層板との間に設けられて、前記第1の放熱器を支持し、前記第2の放熱器ブラケットは前記第2の放熱器底板と前記下層板との間に設けられて、前記第2の放熱器を支持する、ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項7】
前記サーバは前記仕切り板と前記下層板との間に設けられて、前記仕切り板を支持する仕切り板ブラケットをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項8】
前記放熱装置は放熱シートをさらに含み、前記仕切り板は前記放熱シートを収容する開口を有し、前記下層板、前記複数の側壁、前記仕切り板及び前記放熱シートは前記下空間を形成し、前記上層板、前記複数の側壁、前記仕切り板及び前記放熱シートは前記上空間を形成し、ここで、前記放熱シートは前記上空間の片側に位置する第1の放熱構造を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項9】
前記複数の側壁は第1の側壁と、前記第1の側壁に対向する第2の側壁とを含み、前記ファン群は第1のファン群及び第2のファン群を含み、前記第1のファン群は前記第1の側壁の位置に設けられ、且つ前記第2のファン群は前記第2の側壁の位置に設けられ、ここで、前記第1のファン群は前記第1の放熱器に向かい、且つ前記第2のファン群は前記第2の放熱器に向かう、ことを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項10】
前記第1のファン群及び前記第2のファン群は前記上空間の位置に対応する、ことを特徴とする請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
前記ファン群は前記下空間内に位置する内部循環ファン群をさらに含み、前記内部循環ファン群は前記下空間における空気流れを推進する、ことを特徴とする請求項9に記載のサーバ。
【請求項12】
前記複数の側壁は第3の側壁と、前記第3の側壁に対向する第4の側壁とをさらに含み、ここで、前記第3の側壁、前記下層板及び前記第4の側壁はU字形板構造を形成し、前記第1の側壁は前記サーバの前面板であり、且つ前記第2の側壁は前記サーバの後背板である、ことを特徴とする請求項9に記載のサーバ。
【請求項13】
前記放熱台座コンポーネントはベース及び上蓋を含み、前記ベースの片側は平面を有し、前記プロセッサに接触し、前記ベースの他方側は溝状構造を有して、前記第1のヒートパイプ群及び前記第2のヒートパイプ群を収容し、ここで、前記上蓋及び前記ベースは前記第1のヒートパイプ群及び前記第2のヒートパイプ群を係止する、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項14】
前記上蓋の前記プロセッサから離れる表面は第2の放熱構造を有する、ことを特徴とする請求項13に記載のサーバ。
【請求項15】
前記第1の放熱器は互いに平行な複数の第1の放熱フィンを含み、前記第2の放熱器は互いに平行な複数の第2の放熱フィンを含み、前記第1のヒートパイプ群は複数の第1のヒートパイプを含み、前記第2のヒートパイプ群は複数の第2のヒートパイプを含み、且つ前記複数の第1のヒートパイプ及び前記複数の第2のヒートパイプに熱伝導ゲルが充填される、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項16】
前記プロセッサは中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)である、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーバに関し、特に車載サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、自動運転のニーズを実現するために、自動運転車両に意思決定及び制御のための車載サーバを設ける。車両サーバが直面する課題は一般的なサーバとは異なる。自動運転車両に関する技術が複雑であり、設置する必要がある車載サーバには比較的高い処理効率が要求されるため、演算性能が比較的高いプロセッサを用いることで、車載サーバが動作中に大量の熱を生じる。従来の車載サーバ及び自動運転車載サーバの構造はマザーボードを基礎とし、様々なボード及び周辺機器が挿着されるアーキテクチャを用い、車載環境における振動によるボード又は素子に対する損害を回避するために、サーバ筐体の内部に対応する支持板が設けられて、構造強度を向上させる。しかしながら、これらの構造がサーバ筐体内部の放熱空間を制限することで、高効率プロセッサの動作により生じる熱が排出しにくくなる。
【0003】
車載サーバの構造設計に適応するように、適切なサーバをどのように設置するかは、当業者が早急に解決すべき技術的問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は車載に必要な高効率プロセッサに適応し、安定的で効率的な放熱を提供することができるサーバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様はサーバを提供し、前記サーバは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置するプロセッサと、
前記ハウジング内に位置する放熱装置であって、
前記プロセッサに接触する放熱台座コンポーネントと、
第1のヒートパイプ群及び第1の放熱器を含む第1の放熱コンポーネントであって、前記第1のヒートパイプは前記放熱台座コンポーネントと前記第1の放熱器を接続する第1の放熱コンポーネントと、
第2のヒートパイプ群及び第2の放熱器を含む第2の放熱コンポーネントであって、前記第2のヒートパイプは前記放熱台座コンポーネントと前記第2の放熱器を接続する第2の放熱コンポーネントと、を含む放熱装置と、
前記ハウジングの側壁の位置に設けられて、前記ハウジング内部の熱を前記ハウジングから排出するファン群と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
上記開示に基づき、プロセッサの動作により生じる熱は同時にプロセッサに接触する放熱台座コンポーネント、第1の放熱器及び第2の放熱器を介してハウジングに伝達することができる。また、ファン群はハウジング内部の熱をハウジングから排出する。したがって、サーバは車載に必要な高効率プロセッサに適応し、安定的で効率的な放熱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面は実施例を例示的に示し、明細書の一部として構成されるものであり、明細書の文字記載とともに実施例の例示的な実施形態を説明するために用いられる。当然のことながら、以下の説明における図面は単に本発明のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力をせず、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。全ての図面において、同一の符号は、必ずしも同一ではないが類似の要素を指す。
図1】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図2】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図3】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図4】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図5】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図6】本発明の実施例におけるサーバの組み立てプロセスにおける構造の模式図である(一部の素子が図示されない)。
図7】本発明の実施例におけるサーバの爆発図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、当業者が本発明における技術的解決手段をよく理解できるように、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、実施例の全部ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力をせず得る他の実施例は、いずれも本発明に保護される範囲に属すべきである。
【0009】
本開示では、特に断りのない限り、用語の「複数」は2つ以上を意味する。本開示では、特に断らない限り、用語の「第1」、「第2」などは類似の対象を区別するために使用されるものであり、その位置関係、時系列関係又は重要性関係を定義することを意図するものではない。このように使用される用語は、本明細書に記述される本発明の実施例が本明細書に図示又は記述される形態以外の形態で実施できるように、適切な場合に交換され得ることを理解されたいであろう。
本発明の実施例にて提供されるサーバは自動運転機能を有する、又は運転支援機能を有する車両に適用可能であり、さらに有人運転を必要とする車両にも適用可能であり、本願は適用場面について厳密に限定しない。
【0010】
図1図6は本発明の一実施例におけるサーバ100の組み立てプロセスを示す。図7はサーバ100の爆発図である。図1図6の少なくとも一部及び図7はサーバ100の内部構造及びサーバ100の複数の素子間の関係を示す。
【0011】
図1図5図7を参照すると、本実施例では、サーバ100はハウジング110を含む。ハウジング110は、例えば、上層板112、下層板114及び複数の側壁を含み、且つこれらの側壁は上層板と下層板を接続する。これらの側壁は第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c及び第4の側壁116dを含む。第1の側壁116aは第2の側壁116bに対向し、第3の側壁116cは第4の側壁116dに対向する。第1の側壁116aは、例えば、サーバ100の前面板であり、第2の側壁116bは、例えば、前面板の反対側に位置するサーバ100の後背板である。また、第3の側壁116c、下層板114及び第4の側壁116dはU字形板構造を形成する。ただ、実際のニーズに応じて、これらの側壁は他の構造又は機能に設置されてもよく、本発明はこれについて限定しない。
【0012】
本実施例では、ハウジング110は内部空間ISを形成する。内部空間ISは、例えば、上層板112、下層板114、第1の側壁116a、第2の側壁116b、第3の側壁116c及び第4の側壁116dによって囲まれてなる空間である。サーバ100は内部空間IS内に位置する支持コンポーネント120をさらに含む。支持コンポーネント120は、内部空間ISを上空間(すなわち図示される第2の空間IS2)及び下空間(すなわち図示される第1の空間IS1)に仕切る、開口を有する仕切り板122を含む。第1の空間IS1は下方である下層板114側に位置し、第2の空間IS2は上方である上層板112側に位置する。具体的には、下層板114、複数の側壁及び仕切り板122は下空間を形成し、前記上層板112、複数の側壁及び仕切り板122は上空間を形成する。
【0013】
サーバ100は発熱素子群130、放熱装置200、マザーボード170及びサブボード180をさらに含む。発熱素子群130はプロセッサ132及びメモリコンポーネント134を含み、且つプロセッサ132及びメモリコンポーネント134はいずれもハウジング110内に位置する。プロセッサ132、メモリコンポーネント134及びマザーボード170はいずれも下層板114上に設けられる。具体的には、プロセッサ132及びメモリコンポーネント134はマザーボード170上に取り付けられ、且つメモリコンポーネント134はプロセッサ132のそばに設けられる。具体的には、プロセッサ132及びメモリコンポーネント134は第1の空間IS1内に位置する。プロセッサ132は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)である。ただ、いくつかの実施例では、プロセッサ132はグラフィック・プロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)であってもよい。放熱装置200は放熱シートである第1の放熱シート210を含む。図3を参照すると、第1の放熱シート210は上空間(第2の空間IS2)の片側に位置する放熱構造210a(第1の放熱構造)を有して、例えば、プロセッサ132及びメモリコンポーネント134のような、下空間(第1の空間IS1)に位置する発熱素子群130を放熱する。
【0014】
本実施例では、放熱シート(第1の放熱シート210)及び支持コンポーネント120は内部空間ISを第1の空間IS1及び第2の空間IS2に仕切る。具体的には、仕切り板122の開口は第1の開口O1であり、第1の放熱シート210を収容する。第2の放熱シート210が第1の開口O1内に取り付けられると、下層板114、複数の側壁、仕切り板122及び第1の放熱シート210は下空間(第1の空間IS1)を形成し、上層板112、複数の側壁、仕切り板122及び第1の放熱シート210は上空間(第2の空間IS2)を形成する。第1の空間IS1は、例えば、閉鎖空間である。
【0015】
図3及び図7を参照すると、第1の放熱シート210は第1の空間IS1に向かう第1の表面S1及び第2の空間IS2に向かう第2の表面S2を有し、且つ第1の放熱シート210の第2の表面S2は放熱構造(図3の放熱構造210a)を有する。また、第1の放熱シート210の第1の表面S1は、例えば、発熱素子群130に接触して、発熱素子群130を放熱する。具体的には、第1の放熱シート210の第1の面S1はメモリコンポーネント134に接触して、メモリコンポーネント134を放熱する。いくつかの実施例では、第1の放熱シート210の第1の表面S1はプロセッサ132又は他の発熱素子群の素子に接触して、これらの素子を放熱することができる。本実施例では、メモリコンポーネント134は少なくとも1つのメモリチップ及び少なくとも1つのメモリケース134a(図1参照)を含む。メモリチップはメモリケース134aに覆われ、且つ第1の放熱シート210の第1の表面S1は少なくとも1つのメモリケース134aに接触して、少なくとも1つのメモリケース134aを放熱する。具体的には、本実施例は8つのメモリケース134aを示し、これらのメモリケース134aは少なくとも1つのメモリチップを覆って、メモリチップの放熱及び防塵を提供することができる。メモリチップから生じる熱はメモリケース134aを介して第1の放熱シート210に伝導され、第2の空間IS2に入ることができる。第1の放熱シート210は、発熱素子群130の他の発熱素子に接触又は近接する場合にも、これらの発熱素子から生じる熱を第2の空間IS2に伝導することができる。
【0016】
図2及び図7を参照すると、本実施例では、放熱装置200はハウジング110内に位置する。放熱装置200は放熱台座コンポーネント242、第1の放熱コンポーネント244及び第2の放熱コンポーネント246を含む。放熱台座コンポーネント242は、例えば、プロセッサ132上に取り付けられる。放熱台座コンポーネント242はベース242a及び上蓋242bを含み、且つベース242aの片側は平面を有し、プロセッサ132に接触する。第1の放熱コンポーネント244は第1のヒートパイプ群244a及び第1の放熱器244bを含み、且つ第1のヒートパイプ群244aは放熱台座コンポーネント242と第1の放熱器244bを接続する。第2の放熱コンポーネント246は第2のヒートパイプ群246a及び第2の放熱器246bを含み、且つ第2のヒートパイプ群246aは放熱台座コンポーネント242と第2の放熱器246bを接続する。具体的には、放熱台座コンポーネント242のベース242aは上記平面の他方側に溝状構造242cを有して、第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aを収容する。上蓋242b及びベース242aは第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aを係止することで、プロセッサ132から生じる熱はベース242aを介して第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aに伝導される。また、上蓋242bのプロセッサ132から離れる表面は放熱構造242d(第2の放熱構造)を有して、プロセッサ132の第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aに伝導されていない熱の少なくとも一部を第1の空間IS1に逃がして、プロセッサ132を放熱する。
【0017】
引き続き図2を参照すると、第2のヒートパイプ群244aは複数の第1のヒートパイプを含み、第2のヒートパイプ群246aは複数の第2のヒートパイプを含み、且つ複数の第1のヒートパイプ及び複数の第2のヒートパイプに熱伝導ゲル又は熱伝導液が充填されて、熱を第1の放熱器244b及び第2の放熱器246bに伝導する。しかしながら、いくつかの実施例では、第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aは、実際のニーズに応じて、1つのみのヒートパイプ又は他の数のヒートパイプを設けてもよい。
【0018】
本実施例では、上記放熱台座コンポーネント242、第2のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aは第1の空間IS1(下空間)に設けられ、第1の放熱器244b及び第2の放熱器246bは第2の空間IS2(上空間)に設けられる。第1の放熱器244bは互いに平行な複数の第1の放熱フィンを含み、且つ第2の放熱器246bは互いに平行な複数の第2の放熱フィンを含む。これらの第1の放熱フィン及びこれらの第2の放熱フィンは第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aからの熱を第2の空間IS2に排出できる。実際のニーズに応じて、第1の放熱フィン及び第2の放熱フィンの数は適切に設定することができ、本発明はこれについて限定しない。
【0019】
図2及び図7を参照すると、本実施例では、放熱装置200は第1の放熱器底板244c及び第2の放熱器底板246cをさらに含む。第1の放熱器底板244cは第1の放熱器244bを載せ、且つ第2の放熱器底板246cは第2の放熱器246bを載せる。仕切り板122の開口(第1の開口O1)は第1の放熱器底板244c及び第2の放熱器底板246cを収容する。また、第1のヒートパイプ群244aは、例えば、第1の空間IS1から上方に延び、第1の放熱器底板244cを通過して第2の空間IS2に入り、第1の放熱器244bの複数の第1の放熱フィンを通過する。第2のヒートパイプ群246aも、例えば、第1の空間IS1から上方に延び、第2の放熱器底板246cを通過して第2の空間IS2に入り、第2の放熱器246bの複数の第2の放熱フィンを通過する。具体的には、第1のヒートパイプ群244aの下層板114における投影及び第2のヒートパイプ群246aの下層板114における投影のうち少なくとも一方とメモリコンポーネント134の下層板114における投影とは重畳領域を有する。一般的に、第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aは一定の体積及び限られた曲げラジアンを有するため、サーバは小さく設計されることができず、そうでなければ、第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aはメモリコンポーネント134を干渉する。しかしながら、本実施例では、第1の放熱器244b及び第2の放熱器246bが上空間に設けられるため、第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aは上方に曲がっている空間を有する。これらの下層板114における投影とメモリコンポーネント134の下層板114における投影とは重畳領域を有しても、第1のヒートパイプ群244a及び第2のヒートパイプ群246aはメモリコンポーネント134を干渉することがなく、それにより、本実施例のサーバ100の構造は、車載の用途に有利となるように、小さく設計されることができる。
【0020】
また、サーバ100は第1の放熱器ブラケット244d及び第2の放熱器ブラケット246dをさらに含む。第1の放熱器ブラケット244dは第1の放熱器底板244cと下層板114との間に設けられて、第1の放熱器244bを支持する。第2の放熱器ブラケット246dは第2の放熱器底板246cと下層板114との間に設けられて、第2の放熱器246bを支持する。
【0021】
図4図5及び図7を参照すると、支持コンポーネント120は第1のブラケット124及び第2のブラケット126をさらに含む。第1のブラケット124は仕切り板122と上層板112との間に設置され、第2のブラケット126は仕切り板122と下層板114との間に設置される。発熱素子群130はサブボード180に取り付けられるネットワークカード136をさらに含み、第2のブラケット126はサブボード180をマザーボード170の上方に支持する。図3及び図7を参照すると、放熱装置200は第2の放熱シート220をさらに含み、仕切り板122は第2の放熱シート220を収容する第2の開口O2をさらに含む。第2の放熱シート220が第2の開口O2内に取り付けられると、下層板114、複数の側壁、仕切り板122、第1の放熱シート210及び第1の放熱シート220は第1の空間IS1を形成する。また、サーバ100の支持コンポーネントは仕切り板122と下層板114との間に設けられて、仕切り板122を支持する仕切り板ブラケット128をさらに含む。いくつかの実施例では、発熱素子群130はマザーボード170又は第1の空間IS1内に位置する他のボードに取り付けられる複数枚の拡張カードをさらに含んでもよい。
【0022】
本実施例では、第2の放熱シート220は第1の空間IS1に向かう第3の表面S3及び第2の空間IS2に向かう第4の表面S4を有する。第2の放熱シート220の第4の表面S4は放熱構造220aを有し、且つ第2の放熱シート220の第3の表面S3は発熱素子群130に接触して、発熱素子群130を放熱する。具体的には、第2の放熱シート220の第3の表面S3はネットワークカード136に接触して、ネットワークカード136を放熱する。第2の放熱シート220はネットワークカード136から生じる熱を第2の空間IS2に伝導することができる。本実施例では、放熱構造220aは放熱構造210aとは異なるが、実際のニーズに応じて、第2の放熱構造220aは放熱構造210aと同じ構造を備えてもよい。
【0023】
図4図5及び図7を参照すると、本実施例では、サーバ100に安定的な直流電源を提供するように、サーバ100は電源コンポーネント160をさらに含む。第1のブラケット124は電源コンポーネント160を支持して、電源コンポーネント160を第1のブラケット124と上層板112との間に設けさせる。放熱装置200は電源コンポーネント160に設けられる第3の放熱シート230をさらに含む。具体的には、電源コンポーネント160及び第3の放熱シート230はネットワークカード136を放熱する第2の放熱シート220の上方に積層され、第1の放熱シート210は第2の空間IS2の他方側に配置される。ハウジング110の上層空間である第2の空間IS2は第1の部分IS21及び第2の部分IS22を含む(図3参照)。上層板112における第1の部分IS21の投影と上層板112における第2の部分IS22の投影とは重ならない。第1の放熱シート210は第2の空間IS2の第1の部分IS21に位置し、第2の放熱シート220及び第3の放熱シート230は第2の空間IS2の第2の部分IS22に位置する。
【0024】
引き続き図4図5及び図7を参照すると、サーバ100はハウジング110の第2の空間IS2に対応する位置に設けられて、第2の空間IS2を放熱するファン群150をさらに含む。具体的には、ファン群150はハウジング110の側壁の位置に設けられて、ハウジング110内部の熱をハウジング110から排出する。ファン群150は上記複数の側壁のうち少なくとも1つの位置に設けられる。ファン群150は第1のファン群152及び第2のファン群154を含む。第1のファン群152は複数の側壁の第1の側壁116aの位置に設けられ、第2のファン群154は複数の側壁の第2の側壁116bの位置に設けられる。第1のファン群152は第1の放熱器244bに向かい、且つ第2のファン群154は第2の放熱器246bに向かう。ファン群150は複数の側壁の第2の側壁116bの位置に設けられる第3のファン群156をさらに含む。図3及び図4を参照すると、本実施例では、第1のファン群152は第2の空間IS2の第1の部分IS21及び第2の部分IS22に対応する。また、図3及び図5を参照すると、第2のファン群154は第2の空間IS2の第1の部分IS21に対応し、且つ第3のファン群156は第2の空間IS2の第2の部分IS22に対応する。
【0025】
具体的には、第1のファン群152、第2のファン群154及び第3のファン群156は上空間(第2の空間IS2)の位置に対応して、第2の空間IS2の空気を流れさせ、さらに、第2の空間IS2の熱をサーバ100から排出する。本実施例では、第2のファン群154はプロセッサ132及びメモリコンポーネント134の上方の第1の放熱シート210に近づいて、第1の放熱シート210を放熱する。第3のファン群156はネットワークカード136の上方の第2の放熱シート220及び電源コンポーネント160の上方の第3の放熱シート230に近づいて、第2の放熱シート220及び第3の放熱シート230を放熱する。本実施例では、第2の側壁116bと第3の放熱シート230との間に一定の距離があるため、第3のファン群156の放熱効率を向上させるために、第3のファン群156は第2のファン群154と異なる構造設計を用いることができる。第3のファン群156の第2の空間IS2における延在距離は第2のファン群154の第2の空間IS2における延在距離より大きい。このように、第3のファン群156は第3の放熱シート230に近接し、第2の放熱シート220にも近接し、より優れた放熱効果を実現することができる。ただ、実際のニーズに応じて、第3のファン群156の第2の空間IS2における延在距離が第2のファン群154の第2の空間IS2における延在距離以下であるように設定してもよく、本発明はこれについて限定しない。実際のニーズに応じて、第1のファン群152、第2のファン群154及び第3のファン群156のファン数を設定してもよく、且つ、より良好な放熱効果を実現するように、サーバ100の他の位置により多くのファンを設置してもよい。また、図1及び図7を参照すると、本実施例では、ファン群150は下空間(第1の空間IS1)内に設けられる内部循環ファン群158をさらに含む。内部循環ファン群158は下空間における空気の流れを推進して、サーバ100全体の放熱効果をさらに向上させる。
【0026】
本実施例では、放熱シート(例えば、第1の放熱シート210及び第2の放熱シート220)及び支持コンポーネント120は内部空間ISを第1の空間IS1及び第2の空間IS2に仕切り、且つ発熱素子群130は、例えば、プロセッサ132及びメモリコンポーネント134が挙げられ、閉鎖した第1の空間IS1内に位置する。また、放熱シートは発熱素子群130に接触して、発熱素子群130を放熱する。このため、発熱素子群130の動作により生じる熱は放熱シートを介して第2空間IS2に伝導することができ、この熱は第2の空間IS2を放熱するファン群150によりサーバ100から排出することができる。発熱素子群130は、例えば、プロセッサ132及びメモリコンポーネント134が挙げられ、閉鎖した第1の空間IS1内に位置し、且つ仕切り板122のような支持コンポーネント120に遮断されるため、ファン群150が第2の空間IS2を放熱する時に生じるほこりは第1の空間IS1に位置する発熱素子群130内に入ることがない。これにより、サーバ100は、車載動作環境で、効率的に放熱するとともに、ほこりが発熱素子群130に入ることを回避して、サーバ100のより安定的な動作を実現することができる。
【0027】
本実施例では、支持コンポーネント120の仕切り板122はサーバ100の全体構造の安定性を提供する。第1のブラケット124はサーバ100全体のハウジング122を支持し、電源コンポーネント160をも支持する。第2のブラケット126はサブボード180をマザーボード170の上方に支持する。具体的には、マザーボード170にも、上方の素子及び板材を支持し、素子の配置が片持ちになる状況を低減するために、多くの支持機構が配置される。本実施例では、ハウジング110及び支持コンポーネント120は様々な構造設計を提供し、それにより、車載振動環境で、サーバ100の調和振動、共鳴振動の状況が大幅に低下することで、車載動作環境で、サーバ100がより耐震になり、それにより、サーバ100のより安定的な動作を実現する。
【0028】
このほか、本実施例では、プロセッサ132の動作により生じる熱は同時にプロセッサ132に接触する放熱台座コンポーネント242、第1の放熱器244b及び第2の放熱器246bを介してハウジング110に伝達することができる。また、ファン群150はハウジング110内部の熱をハウジング110から排出する。したがって、サーバ110は車載に必要な高効率プロセッサに適応し、安定的で効率的な放熱を提供することができる。
【0029】
図面を参照して本開示の例示的な実施例又は例を説明したが、上記の例示的な記述は網羅的であり、又は本発明を開示された具体的な形式に限定することを意図しないことを理解されたい。上記教示内容に基づいて、多くの修正及び変形が可能である。したがって、開示される主題は、本明細書に記載される実施例又は例のいずれか1つに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の広さ及び範囲に応じて解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7