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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025734
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】連続体ロボットにおける感知
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/04 20060101AFI20240216BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20240216BHJP
【FI】
B25J19/04
G06T7/70 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023129925
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】2211789.9
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】591005785
【氏名又は名称】ロールス・ロイス・ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】ROLLS-ROYCE PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】シン・ドーン
(72)【発明者】
【氏名】アブデルハリック・モハマド
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ケル
(72)【発明者】
【氏名】ドラゴス・エイ・アクシンテ
(72)【発明者】
【氏名】イフア・ファン
【テーマコード(参考)】
3C707
5L096
【Fターム(参考)】
3C707BS20
3C707HT04
3C707JU03
3C707KS06
3C707KS15
3C707KS16
3C707KS17
3C707KS36
3C707KT02
3C707KT05
3C707KT17
3C707KV11
5L096AA06
5L096BA05
5L096CA05
5L096DA02
5L096FA69
(57)【要約】
【課題】ロボットアームの位置を感知及び判定する改良された正確な手段であって、多くの時間のかかる校正を必要としない手段を提供する。
【解決手段】連続体アームロボットのための感知システムであって、連続体ロボットに装着される少なくとも1つのカメラリングシステムを備え、カメラリングシステムが、ロボットの軸に沿って先端の方を向く少なくとも2つの前方に面するカメラを有する、感知システム。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続体アームロボットのための感知システムであって、前記連続体ロボットに装着される少なくとも1つのカメラリングシステムを備え、前記カメラリングシステムが、前記ロボットの軸に沿って先端の方を向く少なくとも2つの前方に面するカメラを有する、感知システム。
【請求項2】
ロボティックアームの前記先端に更なるカメラシステムが装着される、請求項1に記載の感知システム。
【請求項3】
前記連続体アームロボットの周囲に少なくとも2つのカメラリングシステムが装着され、前記カメラリングは、前記カメラリングシステムの後方に面する側に光学マーカを有し、前記光学マーカが前記前方に面するカメラのうちの1つ以上の視野内にある、請求項1に記載の感知システム。
【請求項4】
前記カメラリングシステムのうちの少なくとも1つには、前記連続体アームロボットの本体に沿って延びる軸に対して実質的に垂直に向く少なくとも2つの側方に面するカメラが設けられる、請求項1に記載の感知システム。
【請求項5】
各カメラリングシステムには側方に面するカメラが設けられる、請求項4に記載の感知システム。
【請求項6】
先端カメラが2つある、請求項1に記載の感知システム。
【請求項7】
前記カメラリングシステムが前記ロボットに組み込まれる、請求項1に記載の感知システム。
【請求項8】
前記カメラリングシステムには、連続体ロボットに対して遡及効果的に前記カメラリングシステムを追加できるようにクランプ機構が設けられる、請求項1に記載の感知システム。
【請求項9】
前記カメラリングシステムが2~10mmの厚さを有する、請求項1に記載の感知システム。
【請求項10】
リングシステムごとに2~6個の前方に面するカメラがあり、前記リングシステム上に2~6個の光学マーカがある、請求項1に記載の感知システム。
【請求項11】
前記先端にはLED照明システムが更に設けられる、請求項1に記載の感知システム。
【請求項12】
前記カメラリングシステムのうちの少なくとも1つにはLED照明システムが設けられる、請求項1に記載の感知システム。
【請求項13】
前記感知システムは、前記カメラシステムからの画像を処理して前記連続体ロボットの形状及び位置を判定するために使用されるコンピュータに結合される、請求項1に記載の感知システム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の感知システムを有する連続体アームロボット。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の感知システムを有する連続体アームロボットを動作させる方法であって、
前記連続体アームロボットを動作領域に挿入するステップと、
カメラリングシステムのカメラを使用して、前記動作領域内で動作する前記連続体アームロボットの画像を記録するステップと、
前記画像を処理して前記連続体アームロボットの形状を判定するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、連続体ロボットの位置を視覚的に感知する手段に関する。特に、本開示は、連続体ロボットシステムの位置を感知して判定するために使用されるリングカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
連続体アーム又はスネークアームロボットは、多くの用途で関心が高まっている。これは、他のロボティックシステムや人間操縦者が容易に接近し得ない空間内へとロボットを操作できるからである。これは、端部器具を正確且つ簡単に位置設定できるように多くの自由度で本体を操作できる能力に起因する。この位置設定は、アームの各関節を高い位置精度で個別に制御できるようにロボット内の腱を操作するアクチュエータによって制御される。
【0003】
殆どの連続体又はスネークアームロボットは、6以下の自由度を有する。しかしながら、タスクがより高度な器用さを必要とする場合、必要な自由度の数は増大される。そのような場合、自由度の数を7~9に増やす必要がある。この自由度の増大は、例えば、複雑な構造の補修において又は低侵襲手術で用いるために、アームが限られた領域で動作できることを意味する。連続体アームロボットは2つの主な方針に沿って設計される。すなわち、第1に、剛体R/U/S(回転/自在/球)関節又はコンプライアント関節のいずれかによって接続される複数の剛性リンクセクションから成るスネーク型ロボットが存在する。各セクションは、1つ以上の断片で構成され、オンボード作動又は遠隔作動により他のものから独立して制御される。第2に、局所的及び全体的な変形が1つ以上のアクチュエータによって制御されるコンプライアントバックボーンから成る連続体ロボットが存在する。
【0004】
しかしながら、連続体ロボットの使用に伴う問題の1つは、先端位置の検出が難しいことである。これにより、ロボットの部品の位置を知るというロボットの有用性が制限される。これは、限られた空間や繊細な領域又は壊れやすい領域でロボットを使用できるようにするためには、ロボットのアームと側面との間の接触が場合により破損をもたらし得ることから、先端制御が鍵となるからである。従来技術では、ストリングゲージがロボティックアーム上の所定位置に設置されており、この場合、ゲージからの読み取り情報がポイント間の距離の変化を測定するために使用される。これらの測定値から計算を実行し、幾何学を用いてエンドエフェクタの位置を判定できる。他の例では、バイオニックアームの先端がKukaロボットの先端に接続され、共役ロボットの動きを使用することにより、先端の時間領域デカルト位置をKuka Control Software(KSS)から提供することができる。しかしながら、これらは、位置を判定するために校正される必要がある複雑なシステムである。それほど複雑ではない方法は、電磁(EM)位置追跡システムを使用することである。この場合、ロボットアームの遠位先端に追跡コイルが取り付けられ、エンドエフェクタの位置及び方向を検出できる。或いは、視覚ベースの測定システムを使用することもできるが、これらは校正を必要とする又は精度が限られる。したがって、ロボットアームの位置を感知及び判定する改良された正確な手段であって、多くの時間のかかる校正を必要としない手段を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、連続体アームロボットのための感知システムであって、連続体ロボットに装着される少なくとも1つのカメラリングシステムを備え、カメラリングシステムが、ロボットの軸に沿って先端の方を向く少なくとも2つの前方に面するカメラを有する、感知システムが提供される。
【0006】
ロボティックアームの先端に更なるカメラシステムが装着されてもよい。
連続体アームロボットの周囲に少なくとも2つのカメラリングシステムが装着されてもよく、カメラリングは、カメラリングシステムの後方に面する側に光学マーカを有し、これらの光学マーカが前方に面するカメラのうちの1つ以上の視野内にある。
【0007】
カメラリングシステムのうちの少なくとも1つには、連続体アームロボットの本体に沿って延びる軸に対して実質的に垂直に向く少なくとも2つの側方に面するカメラが設けられてもよい。
【0008】
各カメラリングシステムには側方に面するカメラが設けられてもよい。
先端カメラが2つあってもよい。
【0009】
カメラリングシステムがロボットに組み込まれてもよい。
カメラリングシステムには、連続体ロボットに対して遡及効果的にカメラリングシステムを追加できるようにクランプ機構が設けられてもよい。
【0010】
カメラリングシステムが2~10mmの厚さを有してもよい。
リングシステムごとに2~6個の前方に面するカメラがあり、リングシステム上に2~6個の光学マーカがあってもよい。
【0011】
先端にはLED照明システムが更に設けられてもよい。
カメラリングシステムのうちの少なくとも1つにはLED照明システムが設けられてもよい。
【0012】
感知システムは、カメラシステムからの画像を処理して連続体ロボットの形状及び位置を判定するために使用されるコンピュータに結合されてもよい。
カメラシステムからの画像は、コンピュータ用のモニタ出力に表示され得る。
【0013】
本開示の第2の態様によれば、上記の感知システムを有する連続体アームロボットが提供される。
【0014】
本開示の第3の態様によれば、上記の議論に係る感知システムを有する連続体アームロボットを動作させる方法が提供され、この方法は、
連続体アームロボットを動作領域に挿入するステップと、
カメラリングシステムのカメラを使用して、動作領域内で動作する連続体アームロボットの画像を記録するステップと、
画像を処理して連続体アームロボットの形状を判定するステップと、
を含む。
【0015】
当業者であれば分かるように、相互に排他的な場合を除き、上記の態様のいずれか1つに関連して説明した特徴は、任意の他の態様にも準用して適用できる。更に、相互に排他的な場合を除いて、本明細書に記載される任意の特徴は、任意の態様に適用されてもよく、及び/又は本明細書に記載される任意の他の特徴と組み合わされてもよい。
ここで、図を参照して、実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1aは、連続体アームロボットの切取内部図の従来技術の一例を示す図である。図1bは、連続体アームロボットの関節の一例を示す図である。
図2】本開示に係るロボティックシステムの一例を示す図である。
図3】本開示に係る先端カメラシステムの一例を示す図である。
図4】本開示に係るカメラリングシステム内の前方に面するカメラの一例を示す図である。
図5】本開示に係るカメラリングシステム内の側方に面するカメラの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、添付図面を参照して、本開示の態様及び実施形態について説明する。更なる態様及び実施形態は当業者には明らかである。
【0018】
図1aは、連続体アームロボットの切取内部図の従来技術の一例を示す。従来技術の連続体アームロボットは、アクチュエータパック102から取り外し不能に一体化されて延在する連続体アームロボット部分101を備える。アクチュエータパック102は、複数の独立したアクチュエータ103を含む。これらのアクチュエータは、連続体アーム101を通って延びる腱内の張力を調節するために使用される。腱は、アーム内の関節と関連付けられ、これらの関節のそれぞれは、関節と関連付けられる腱の緊張又は弛緩に応答して動くように設計される。したがって、腱のこの緊張又は弛緩は、関節の収縮又は伸張を引き起こし、それにより、連続体アームが曲がることができる。アクチュエータパックは、検査されるべき構成要素付近に位置設定される、レール又は支持体104上に位置設定されるように示される。アクチュエータには、アクチュエータに給電及び対処するために使用される、複数の電力及び信号ケーブル105も設けられる。アクチュエータの範囲全体にわたる個々の信号は、連続体アーム101が指図され得るように、関節の制御をもたらす。アクチュエータにリンクされるコンピューティングデバイスを用いて操縦者が連続体アームの動きを制御するとともに所望のタスクを実行する必要性もあることが図1には示されない。従来技術のアクチュエータに接続されるコンピューティングデバイスは、連続体アームを制御できるようにする、ロボットのための必須のオペレーティングソフトウェア、及び、ジョイスティックなどの制御入力を特徴としてもつ、ラップトップコンピュータなどの任意の適したコンピューティングシステムであってもよい。
【0019】
図1bは、連続体アームロボットの関節の一例を示す。アームは、関節ごとに少なくとも2つのケーブルを要する、複数個の関節を備える。例えば、関節ごとに4つの腱をそれぞれが有する、3つの関節を有するシステムは、駆動するための12個のアクチュエータを要することになる。関節の数を増大するためには、アクチュエータの数が増大されることを必要とし、或いは、関節ごとの腱の数が低減されることを必要とする。強調表示される関節106,107,108は、3つの次元において動くように操作され得る。関節は、関節106及び108がアームの中心に対して同じ平面内で屈曲できる一方で、関節107がその中で動くことができる平面が関節106及び108に対して90°だけずらされるように構成される。アームを3つの次元において操作できるようにするのは、徹底して、交互の関節角度であって、それらのそれぞれが、異なる直交平面における動きを結果的に生じさせる、交互の関節角度のこの繰り返す構成である。アーム内の各関節は、それらの関節が屈曲することができる量に対する限度を有し、この限度は、アームの設計、及び、使用される材料により規定される。各関節における屈曲の限度は、最小曲げ半径などのアームの特性、及び、関節内で結果的に生じる変化を引き起こすために必要とされるトルクに関する要件を設定する。関節が動くことを、及び、同じ長さの他のロボティックアームとの比較においてアームの低い剛直性を結果的に生じさせる関節の動きの容易さを可能とするのは、関節における空間の存在である。このことは、スネーク型ロボティックマニピュレータの構造的挙動が、荷重下での片持ち梁の梁にたとえられ得るからであり、このことは、システムが、1つの端部において、作動パックを伴う基部に固定され、アームの残部が、他の接触の点を伴うことなく、環境を通じて進行するために使用されるからである。この状況において、スネーク型ロボットの本体及び/又は先端に印加される、そのスネーク型ロボット自体の重量を含む、あらゆる荷重が、理想的な位置からの著しい撓みを負わせる。アームの端部には、連続体アームが適所にいる時点で1つ以上の機能を果たすように設計される器具又はプローブが位置設定される。器具のための制御ケーブル、電力コネクタは、連続体アーム内の関節の中心を通って延びることができる。このことは、何らかの潜在的な損傷からケーブルを保護するという利益を有する。
【0020】
図2は、本開示の一態様に係る視覚ベースの感知システムを有する連続体アームロボットを示す。カメラベースのシステムの使用は、従来技術に関連する問題を克服する方法である。これは、ロボティック先端の位置を正確にリアルタイムで監視するという問題を克服する手段を提供するためである。このことの更なる利点は、ケーブルベースのシステムで精度の問題を提示し得るロボットの事前校正の要件がないことである。連続体アーム201はアクチュエータ機構202に接続される。アクチュエータ機構は、連続体ロボット内のアクチュエータケーブルを制御するために使用される。連続体アームロボット用の撮像システムは、連続体アームロボットに装着される前方に面するカメラシステム203を備えることができる。前方に面するカメラシステムは、連続体アームロボットの先端に位置設定されるとともに、連続体ロボットの本体の軸に沿う視野を観察する役割を果たす。蛇と同様に、ロボットの先端又は頭部の方向は前方に面していると見なされる。連続体ロボット用の撮像システムは、連続体ロボットに装着される少なくとも1つのカメラリングシステム204を備える。図2は、複数のそのようなカメラリングシステムを有するシステムを示す。カメラリングシステムは、連続体ロボットの本体に沿う視野を担当する。これに加えて、リングカメラシステムがアクチュエータから先端まで連続体ロボットに沿って進む際にリングカメラシステムがその前にあるカメラリングシステムの位置を記録できるように、リングカメラシステムに光学マーカを設けることもできる。この情報は、いつでもロボットの形状を正確に判定するために使用できる。更に、カメラからの情報は、作業環境内で連続体ロボットを検出して位置を特定するのを助けるために使用することもできる。カメラリングシステムには、側方に面するカメラを設けることもできる。
【0021】
図3は、本開示に係る先端監視システムの拡大例を示す。ロボットアーム301は展開機構302から延びる。先端セクション303はカメラシステム304を特徴とする。カメラシステムは1つ以上のカメラを備え得る。カメラは、任意の適切なイメージセンサシステムとなり得る。例えば、これは電荷結合素子チップ又はアクティブピクセルセンサであってもよく、これらのいずれかが関連する回路とレンズシステムとを有する。或いは、それが光ファイバベースのカメラシステムの一部であってもよい。或いは、カメラがLiDAR又は赤外線センサであってもよい。カメラは、アームの軸に沿って向いているように位置設定されてもよい。或いは、カメラは、連続体アームの軸に対してある角度を成して向くように位置設定されてもよい。カメラシステムの一部として複数のカメラが使用される場合、これらのカメラが同じ方向を向くことができる。或いは、カメラシステムは、カメラのうちの1つがロボットアームの軸に沿って向き、カメラのうちの1つが軸に対して角度を成すように構成されてもよい。カメラが軸に対して角度を成す場合、これは任意の適切な角度で行なうことができる。例えば、これは軸に対して60~120°であってもよい。先端カメラシステムは、調査/作業されるべきワークピースの領域上のマーカと連動して動作し得る。これに加えて又は代えて、ワークスペース内の既知の基準点と共にマーカを使用することができる。これらのマーカ又は既知の点の存在は、操縦者及び/又はコンピュータプログラムによって先端の位置を正確に判定できるように使用される。カメラシステムで複数のカメラが使用される場合、立体撮像などの技術を使用して、作業空間内の既知の点に対する先端の位置及び距離を判定することができる。
【0022】
図4は、本開示に係るロボットのアームセクションの前方に面する視覚システムの一例を示す。カメラリングシステム401はリングシステムの一部として形成され、これは、ロボットの構築時に装置に組み込むことができる。或いは、カメラリングシステムをロボットアームに遡って追加することもできる。遡及的な追加は、カメラリングを連続体アームロボットの外面にその長さに沿った適切なポイントで固定することによって実現できる。遡及的な追加は、ロボットとリングとの連動機能を使用して行なうことができる。或いは、遡及的追加は、ロボット本体に対するリング本体による摩擦又は圧縮によって実行されてもよい。圧縮又は摩擦嵌合は、クランプ機構を使用して実現されてもよい。クランプ機構は、カム式クランプ又はネジクランプを使用する機械的なものであってもよい。或いは、クランプ機構が磁気的なものであってもよい。リングシステムは、任意の適切な位置に位置設定されてもよい。例えば、これはアクティブセクションの開始点やアクティブセクションの途中にあってもよい。或いは、これをアクティブセクションの開始点におき、アクティブセクションの途中に第2のカメラリングを設けるとともに、アクティブセクションの先端付近に第3のカメラリングを設けることができる。リングの位置は、使用するカメラリングの数、アクティブセクションの長さ、及び正確な動作のためにシステムにより達成される必要がある所要の精度によって決まる。カメラリングの数が増えると、システムの位置情報の精度が向上する。これは、ロボティックアームの屈曲/曲がりをより正確に判定できるからである。前方に面するカメラリングには、2つ以上のカメラ402が装着されてもよい。より好ましくは、各カメラリングには2~6個のカメラがある。カメラは、任意の適切なイメージセンサシステムとなり得る。例えば、これは、電荷結合素子チップ又はアクティブピクセルセンサであってもよく、これらのいずれもそれらの関連する回路及びレンズシステムを有する。或いは、カメラが光ファイバベースのカメラシステムの一部であってもよい。或いは、カメラがLiDAR又は赤外線センサであってもよい。カメラはリングからの突出部内に装着される。カメラに対するリングの反対側には、光学マーカ403がある。アームの先端/アクチュエータ端に最も近いリングは、カメラを有さなくてもよいが、アクチュエータにより近いカメラリングで見えるようにその上に光学マーカを有してもよい。
【0023】
図5は、本開示の一例に係る側方に面するカメラシステムの一例を示す。側方に面するカメラ504は、前方に面するカメラ502と同じリング内に含まれる。リング上に2つ以上の側方に面するカメラが装着されてもよい。側方に面するカメラは、ロボットアームの周囲を撮像するために使用される。側方に面するカメラは、リング本体の周りに対称的に配置され得る。カメラの存在により、ロボットの操縦者はロボットが動作している領域を明確に見ることができ、これにより、ロボットが作業空間の側面に触れることを防止することができ、或いは、操縦者が潜在的な障壁の周囲でロボットを操縦し又は所望のタスクを実行するためにロボットを正確に位置設定するのを助けることができる。側方に面するカメラが全てのカメラリングシステムに設けられてもよい。或いは、側方に面するカメラが代替カメラリングシステム上にのみ存在してもよい。カメラは、任意の適切なイメージセンサシステムとなり得る。例えば、これは、電荷結合素子チップ又はアクティブピクセルセンサであってもよく、これらのいずれもそれらの関連する回路及びレンズシステムを有する。或いは、カメラがLiDAR又は赤外線センサであってもよい。前方に面するカメラ及び側方に面するカメラの両方が存在する場合、ボディリング上の正面視プローブカメラは、このセクションのベース面に対する各セクションの先端位置に関するフィードバックを提供する。ボディリング上の側視カメラは各先端の位置を特定する一方で、作業環境内でロボットの位置を特定するために使用される。これらの2つの測定値は相互に補正され、それぞれのセクションごとに先端位置に関する連続測定値が得られる。
【0024】
カメラシステムは、カメラからの画像を処理できるコンピュータシステムにリンクされ得る。コンピュータシステムは、連続体アームロボットを制御するためにアクチュエータパックに接続されるシステムと同じであってもよい。カメラからの画像は、ロボットアームの外側又は内側に沿って延びることができるケーブルを介して送信されてもよい。或いは、信号が無線信号を使用してコンピュータに送信されてもよい。コンピュータには、スネークアームに装着されたカメラから信号を受信するためのハードウェアが設けられていてもよい。コンピュータには、カメラからコンピュータに送信される信号を処理できるコンピュータプログラムが装備されていてもよい。ソフトウェアは、光学マーカとカメラとの間の距離を処理できてもよい。カメラと光学マーカとの間のこれらの判定された距離及び変位を使用して、プログラムはロボットのアームの曲率と屈曲とを計算することができる。ロボットアームの曲率及び屈曲を用いて、制御された入力と、所望の位置内でのタスクの実行とのいずれかを行なうことができる。したがって、アームは、既知のプログラムされた一連の動きに従うことができ、それにより、作業空間に入って、そのタスクを実行するべくそれ自体を位置設定できる。位置的な屈曲を使用して、屈曲が所与のタスクに必要な屈曲よりも大きい場合にアラームをトリガーすることもできる。コンピュータプログラムにより、操縦者はまたカメラ信号をリアルタイムで確認できるようになる。確認はカメラごとに行なうことができ、或いは操縦者が1つ以上のカメラ画像フィードを選択して確認することもできる。
【0025】
カメラリング感知システムの設計は、ロボットのアームの形状を監視する手段を提供すると同時に、先端位置に関する情報を提供する。位置の知識を使用して、制御アルゴリズムで使用される理論モデルやランダムな不確実性から生じる誤差を補償できる。ボディカメラリング及び先端カメラは、より正確な測定のために相互に補正することもできる。スネークロボットの外径から10mm未満突出し得るカメラリングを伴うコンパクトなオンボディ構造により、スネークが連続体ロボットで限られた空間にアクセスし、アームに沿うリアルタイムのインプロセス形状/位置情報を提供することが可能になる。更に、ファイバブラッググレーティングシステムセンサなどの他の高解像度セルフセンシングソリューションと比較して、プローブカメラは比較的経済的なソリューションである。
【0026】
上記の例では、システムが連続体ロボットであるが、同じ原理をボアスコープ又は他の操作可能なコンプライアントアームロボティックシステムに適用することができる。
【0027】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本明細書に記載の概念から逸脱することなく様々な変更及び改良を加えることができることが理解される。相互に排他的な場合を除き、いずれの特徴も個別に、又は任意の他の特徴と組み合わせて使用することができ、本開示は、本明細書に記載される1つ以上の特徴の全ての組み合わせ及びサブコンビネーションにまで及び、それらを含む。
【符号の説明】
【0028】
101 連続体アームロボット部分、連続体アーム
102 アクチュエータパック
103 アクチュエータ
104 レール又は支持体
105 電力及び信号ケーブル
106,107,108 関節
201 連続体アーム
202 アクチュエータ機構
203 前方に面するカメラシステム
204 カメラリングシステム
301 ロボットアーム
302 展開機構
303 先端セクション
304 カメラシステム
401 カメラリングシステム
402 カメラ
403 光学マーカ
502,504 カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】