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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025738
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】木造建築物の組物推論装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/27 20200101AFI20240216BHJP
   G06F 30/13 20200101ALI20240216BHJP
【FI】
G06F30/27
G06F30/13
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130088
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】10-2022-0100662
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0086698
(32)【優先日】2023-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】596099882
【氏名又は名称】エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ スン-ジェ
(72)【発明者】
【氏名】コ ジョン-グク
(72)【発明者】
【氏名】イ ス-ウン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨン-シク
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュ-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ダ-ウン
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146DC03
5B146DE13
5B146DE14
(57)【要約】
【課題】木造建築物の組物推論装置および方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施例による木造建築物の組物推論方法は、少なくとも1つの組物イメージから予め学習されたディープラーニングモデルに基づいて組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップと、検出された少なくとも1つの部材オブジェクト情報に基づいて組物の段情報および出目情報を推論するステップと、組物の段情報および出目情報に基づいて組物の構造および部材リストを生成するステップと、を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの組物イメージから予め学習されたディープラーニングモデルに基づいて組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップと、
検出された少なくとも1つの部材オブジェクト情報に基づいて組物の段情報および出目情報を推論するステップと、
組物の段情報および出目情報に基づいて組物の構造および部材リストを生成するステップと、
を行う、木造建築物の組物推論方法。
【請求項2】
組物イメージは、
組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージを含む、
請求項1に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項3】
組物イメージは、
設計図面の場合、組物の立面図および断面図を含み、
実写イメージの場合、組物の正面と、左側面または右側面の少なくとも1つを撮影した実写イメージを含む、
請求項2に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項4】
少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップは、
少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの種類、位置および大きさを検出する、
請求項1に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項5】
少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップは、
少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの長(long)または短(short)の認識対象イメージでの長さ情報を検出する、
請求項4に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項6】
段の高さおよび出目情報を推論するステップは、
XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてY軸基準の段の高さを推論するステップと、
ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてZ軸基準の出目情報を推論するステップと、
を含む、請求項2に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項7】
段の高さを推論するステップは、
XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトのうち小櫨をY軸位置を基準としてグルーピングするステップと、
少なくとも1つのグループに含まれた小櫨のY軸位置の平均を算出して少なくとも1つの段の高さを算出するステップと、
を含む、 請求項6に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項8】
出目情報を推論するステップは、
ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトの少なくとも1つの桁または檐遮のうちZ軸位置を基準としてグルーピングするステップと、
少なくとも1つのグループに含まれた桁または檐遮のZ軸位置を基準として出目情報を算出するステップと、
含む、請求項6に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項9】
組物の構造および部材リストを生成するステップは、
XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから検出された部材オブジェクト認識結果を段の高さを基準として整列するステップと、
段の高さ別にXY平面イメージおよびZY平面イメージをマッチングして組物を構成する部材リストを生成するステップと、
段の高さ別の部材リストに基づいて必要な部材と組立順序を推論するステップと、
を含む、請求項6に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項10】
部材リストを生成するステップは、
組物が左右対称の場合、柱頭は1個と認識するステップと、
組物が左右対称の場合、小櫨はXY平面イメージを基準として最小個数を把握するステップと、
檐遮はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握し、出目情報として区別するステップと、
山彌はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、
梁はZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、
長▲れい▼はXY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、
昌枋はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、
桁はXY平面を基準として個数を把握し、出目情報として区別するステップと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項9に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項11】
少なくとも1つの組物イメージから組物の対称性の有無を判別するステップ
をさらに含み、
組物の構造および部材リストを生成するステップは、
対称性分類結果に基づいて組物の構造および部材リスト情報を生成する、
請求項10に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項12】
組物の構造および部材リストに基づいて組物をモデリングするステップ
をさらに含む、請求項1に記載の木造建築物の組物推論方法。
【請求項13】
少なくとも1つのプログラムが記録されたメモリと、
プログラムを実行するプロセッサと、
を含み、
プログラムは、
組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから予め学習されたディープラーニングモデルに基づいて組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクトを検出し、
検出された少なくとも1つの部材オブジェクト情報に基づいて組物の段情報および出目情報を推論し、
組物の段情報および出目情報に基づいて組物の構造および部材リストを生成する、
木造建築物の組物推論装置。
【請求項14】
プログラムは、
少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するにあたり、少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの種類、位置および大きさとともに、長(long)または短(short)の認識対象イメージでの長さ情報を検出する、
請求項13に記載の木造建築物の組物推論装置。
【請求項15】
プログラムは、
段の高さおよび出目情報を推論するにあたり、XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてY軸基準の段の高さを推論し、
ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてZ軸基準の出目情報を推論する、
請求項14に記載の木造建築物の組物推論装置。
【請求項16】
プログラムは、
組物の構造および部材リスト情報を生成するにあたり、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから検出された部材オブジェクト認識結果を段の高さを基準として整列し、
段の高さ別にXY平面イメージおよびZY平面イメージをマッチングして組物を構成する部材リストを生成し、
段の高さ別の部材リストに基づいて必要な部材と組立順序を推論する、
請求項15に記載の木造建築物の組物推論装置。
【請求項17】
プログラムは、
部材リストを生成するにあたり、組物が左右対称の場合、柱頭は1個と認識するステップと、
組物が左右対称の場合、小櫨はXY平面イメージを基準として最小個数を把握するステップと、
檐遮はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握し、出目情報として区別するステップと、
山彌はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、
梁はZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、
長▲れい▼はXY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、
昌枋はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、
桁はXY平面を基準として個数を把握し、出目情報として区別するステップと、
のうち、少なくとも1つを行う、請求項16に記載の木造建築物の組物推論装置。
【請求項18】
プログラムは、
少なくとも1つの組物イメージから組物の対称性の有無を判別し、
組物の構造および部材リストを生成するにあたり、対称性分類結果に基づいて組物の構造および部材リスト情報を生成する、
請求項13に記載の木造建築物の組物推論装置。
【請求項19】
プログラムは、
組物の構造および部材リストに基づいて組物をモデリングする、
請求項13に記載の木造建築物の組物推論装置。
【請求項20】
組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから予め学習されたディープラーニングモデルに基づいて組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれを検出するステップと、
XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてY軸基準の段の高さを推論するステップと、
ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてZ軸基準の出目情報を推論するステップと、
組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージから組物の対称性の有無を判別するステップと、
XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから検出された部材オブジェクト認識結果を段の高さを基準として整列するステップと、
組物の対称性の有無とともに、段の高さ別にXY平面イメージおよびZY平面イメージをマッチングした結果に基づいて組物を構成する部材リストを生成するステップと、
段の高さ別の部材リストに基づいて必要な部材と組立順序を推論するステップと、
組物の構造および部材リストに基づいて組物をモデリングするステップと、
を含む、木造建築物の組物推論方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載された実施例は、イメージまたは図面イメージに基づいて木造建築物の組物(韓国の「▲きょう▼包」、Bracket Set)を構成する部材および構造を推論する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的な木造建築物は、設計当時の情報を把握する図面情報が不足しており、解体修理前はその内部を把握することが困難である。特に、木造建築物において建物の垂直的拡張と屋根部の荷重を分散する組物はその構造が非常に複雑である。木のねじりと変形により、修理、復元過程で組物の把握は必須であり、今のところ、組物の部材と構造を解体修理する前は把握できないという困難がある。
【0003】
現在、文化財保存の観点から、現状態を記録するために、写真撮影をしたり、3Dスキャナにより精密スキャンを行っている。しかし、このような方式は、単純な記録に近く、実際的な文化財の保存、復元に活用できないままである。
【0004】
構造物とこれを構成する部品の推論に関する研究は、主にポイントクラウド(Point Cloud)ベースで行われてきている。このような研究のために、周辺の事物に対して精密に注釈(Annotation)が生成されたShapeNet、PartNetなどのデータが公開され、これをベースとしたPointNetなどが提案された。
【0005】
最近は、イメージ入力により対象構造物を構成するための部品オブジェクトを推論する方法が提案された。このような技術のためには、予め構造物をなす部品に対してポイントクラウド(Point Cloud)を構成しなければならない。言い換えれば、部品の構成を予め把握し、3Dスキャナでその部品のポイントクラウドを生成しなければならない問題点がある。
【0006】
ところが、伝統的な木造建築物では、予め部品、すなわち部材をすべて把握できず、解体修理前は部品に対するスキャニングなどの作業が不可能である。このような制約によって、伝統的な木造建築物の構造を把握するためには、イメージあるいは既存に作業されていたり、残っている手書き図面などのイメージだけが活用可能である。
【0007】
したがって、伝統的な木造建築物の構造を把握するために、作業者が直接部品を把握し、構造を推論しなければならないので、人件費および作業時間が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
記載された実施例は、取得可能な木造建築物の組物の実写イメージまたは既存に確保された図面イメージに基づいて自動的に組物を推論することで、人件費および作業時間を大幅に減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施例による木造建築物の組物推論方法は、少なくとも1つの組物イメージから予め学習されたディープラーニングモデルに基づいて組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップと、検出された少なくとも1つの部材オブジェクト情報に基づいて組物の段情報および出目情報を推論するステップと、組物の段情報および出目情報に基づいて組物の構造および部材リストを生成するステップと、を含むことができる。
【0010】
組物イメージは、組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージを含むことができる。
【0011】
設計図面の場合、組物の立面図および断面図を含み、実写イメージの場合、組物の正面と、左側面または右側面の少なくとも1つを撮影した実写イメージを含むことができる。
【0012】
少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップは、少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの種類、位置および大きさを検出することができる。
【0013】
少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップは、少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの長(long)または短(short)の認識対象イメージでの長さ情報を検出することができる。
【0014】
段の高さおよび出目情報を推論するステップは、XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてY軸基準の段の高さを推論するステップと、ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてZ軸基準の出目情報を推論するステップと、を含むことができる。
【0015】
段の高さを推論するステップは、XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトのうち小櫨をY軸位置を基準としてグルーピングするステップと、少なくとも1つのグループに含まれた小櫨のY軸位置の平均を算出して少なくとも1つの段の高さを算出するステップと、を含むことができる。
【0016】
出目情報を推論するステップは、ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトの少なくとも1つの桁または檐遮のうちZ軸位置を基準としてグルーピングするステップと、少なくとも1つのグループに含まれた桁または檐遮のZ軸位置を基準として出目情報を算出するステップと、を含むことができる。
【0017】
組物の構造および部材リストを生成するステップは、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから検出された部材オブジェクト認識結果を段の高さを基準として整列するステップと、段の高さ別にXY平面イメージおよびZY平面イメージをマッチングして組物を構成する部材リストを生成するステップと、段の高さ別の部材リストに基づいて必要な部材と組立順序を推論するステップと、を含むことができる。
【0018】
部材リストを生成するステップは、組物が左右対称の場合、柱頭は1個と認識するステップと、組物が左右対称の場合、小櫨はXY平面イメージを基準として最小個数を把握するステップと、檐遮はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握し、出目情報として区別するステップと、山彌はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、梁はZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、長▲れい▼はXY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、昌枋はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、桁はXY平面を基準として個数を把握し、出目情報として区別するステップと、のうち、少なくとも1つを含むことができる。
【0019】
少なくとも1つの組物イメージから組物の対称性の有無を判別するステップをさらに行い、組物の構造および部材リストを生成するステップは、対称性分類結果に基づいて組物の構造および部材リスト情報を生成することができる。
【0020】
組物の構造および部材リストに基づいて組物をモデリングするステップをさらに含むことができる。
【0021】
実施例による木造建築物の組物推論装置は、少なくとも1つのプログラムが記録されたメモリと、プログラムを実行するプロセッサと、を含み、プログラムは、組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから予め学習されたディープラーニングモデルに基づいて組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクトを検出し、検出された少なくとも1つの部材オブジェクト情報に基づいて組物の段情報および出目情報を推論し、組物の段情報および出目情報に基づいて組物の構造および部材リストを生成することができる。
【0022】
プログラムは、少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するにあたり、少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの種類、位置および大きさとともに、長(long)または短(short)の認識対象イメージでの長さ情報を検出することができる。
【0023】
プログラムは、段の高さおよび出目情報を推論するにあたり、XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてY軸基準の段の高さを推論し、ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてZ軸基準の出目情報を推論することができる。
【0024】
プログラムは、組物の構造および部材リスト情報を生成するにあたり、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから検出された部材オブジェクト認識結果を段の高さを基準として整列し、段の高さ別にXY平面イメージおよびZY平面イメージをマッチングして組物を構成する部材リストを生成し、段の高さ別の部材リストに基づいて必要な部材と3次元組立可能な順序で推論することができる。
【0025】
プログラムは、部材リストを生成するにあたり、組物が左右対称の場合、柱頭は1個と認識するステップと、組物が左右対称の場合、小櫨はXY平面イメージを基準として最小個数を把握するステップと、檐遮はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握し、出目情報として区別するステップと、山彌はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、梁はZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、長▲れい▼はXY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、昌枋はXY平面イメージまたはZY平面イメージを基準として個数を把握するステップと、桁はXY平面を基準として個数を把握し、出目情報として区別するステップと、のうち、少なくとも1つを行うことができる。
【0026】
プログラムは、少なくとも1つの組物イメージから組物の対称性の有無を判別し、組物の構造および部材リストを生成するにあたり、対称性分類結果に基づいて組物の構造および部材リスト情報を生成することができる。
【0027】
プログラムは、組物の構造および部材リストに基づいて組物の組立を視覚化することができる。
【0028】
実施例による木造建築物の組物推論方法は、組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから予め学習されたディープラーニングモデルに基づいて組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれを検出するステップと、XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてY軸基準の段の高さを推論するステップと、ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてZ軸基準の出目情報を推論するステップと、組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージから組物の対称性の有無を判別するステップと、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから検出された部材オブジェクト認識結果を段の高さを基準として整列するステップと、組物の対称性の有無とともに、段の高さ別にXY平面イメージおよびZY平面イメージをマッチングした結果に基づいて組物を構成する部材リストを生成するステップと、段の高さ別の部材リストに基づいて必要な部材と組立順序を推論するステップと、組物の構造および部材リストに基づいて組物をモデリングするステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
記載された実施例により、取得可能な木造建築物の組物の実写イメージまたは既存に確保された図面イメージに基づいて自動的に組物を推論することで、人件費および作業時間を大幅に減少させることができる。
【0030】
記載された実施例により、伝統的な木造建築物の実写イメージまたは設計図面イメージに基づいて組物を構成する部材および部材が連結された構造を推論することで、実際に伝統的な木造建築物のように解体不可能な文化財を対象に内部構造を理解し、原型の保存、修理の段階で事前モデリングなどを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施例による木造建築物の組物推論方法を説明するためのフローチャートである。
図2】実施例による組物のXY平面イメージ認識結果の例示図である。
図3】実施例による組物のZY平面イメージ認識結果の例示図である。
図4】実施例による組物の部材認識結果の座標系表示の例示図である。
図5】実施例による段の高さおよび出目情報を推論するステップを詳しく説明するためのフローチャートである。
図6】実施例による段の高さ推論の例示図である。
図7】実施例による出目情報推論の例示図である。
図8】鬼包の実写イメージの例示図である。
図9】主包の実写イメージの例示図である。
図10】実施例による段の高さおよび出目情報を推論するステップを詳しく説明するためのフローチャートである。
図11】実施例によるXY平面イメージに段の高さを基準として整列される部材オブジェクト認識結果表示の例示図である。
図12】実施例によるZY平面イメージに段の高さを基準として整列される部材オブジェクト認識結果表示の例示図である。
図13】実施例により推論された組物の構造および組立形状の例示図である。
図14】実施例によるコンピュータシステムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面とともに詳細に後述する実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、単に本実施例は本発明の開示が完全となるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指す。
【0033】
「第1」または「第2」などが多様な構成要素を述べるために使われるが、このような構成要素は前記のような用語によって限定されない。前記のような用語は単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使われる。したがって、以下に言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0034】
本明細書で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文言で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」または「含む(comprising)」は、言及された構成要素または段階が1つ以上の他の構成要素または段階の存在または追加を排除しないという意味を含む。
【0035】
他に断りがなければ、本明細書で使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解できる意味で解釈できる。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は、明らかに特別に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0036】
以下、図1図14を参照して、実施例による木造建築物の組物推論装置および方法が詳細に説明される。
【0037】
図1は、実施例による木造建築物の組物推論方法を説明するためのフローチャートである。
【0038】
図1を参照すれば、実施例による木造建築物の組物推論方法は、少なくとも1つの組物(韓国の「▲きょう▼包」)イメージから予め学習されたディープラーニングモデルに基づいて組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクト(Object)を検出するステップS105~S110と、検出された少なくとも1つの部材オブジェクト情報に基づいて組物の段情報および出目情報を推論するステップS120と、組物の段情報および出目情報に基づいて組物の構造および部材リストを生成するステップS130と、を行うことができる。
【0039】
実施例による木造建築物の組物推論方法は、少なくとも1つの組物イメージから組物の対称性の有無を判別するステップS140をさらに行い、組物の構造および部材リストを生成するステップS130は、対称性分類結果に基づいて組物の構造および部材リスト情報を生成することができる。
【0040】
実施例による木造建築物の組物推論方法は、組物の構造および部材リストに基づいて組物をモデリングするステップS150をさらに含むことができる。
【0041】
ステップS105において、入力される少なくとも1つの組物イメージは、組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージを含むことができる。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する。
【0042】
例えば、組物イメージは、設計図面の場合、XY平面イメージとして組物の立面図およびZY平面イメージとして組物の断面図を含むことができる。
【0043】
また、実写イメージの場合、XY平面イメージとして組物の正面を撮影した実写イメージ、ZY平面イメージとして組物の左側面または右側面の少なくとも1つを撮影した実写イメージを含むことができる。
【0044】
すると、少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップS110において、組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージは、予め学習されたディープラーニングモデルに入力され、ディープラーニングモデルは、組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれに含まれた少なくとも1つの部材オブジェクトの個数と、部材オブジェクトそれぞれの種類、位置および大きさを検出することができる。
【0045】
ここで、部材オブジェクトは、ディープラーニングモデルによってXY平面イメージまたはZY平面イメージから組物を構成する部材として推定されるオブジェクトであってもよい。このように推定された少なくとも1つの部材オブジェクトの中から、後のS130で最終的に組物を構成する部材が決定される。
【0046】
少なくとも1つの部材オブジェクトを検出するステップS110は、少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの長(long)または短(short)のXY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれでの長さ情報を検出することができる。
【0047】
すなわち、同一の1つの部材オブジェクトが撮影された方向によって長く見えるか、または短く見える。したがって、実施例では、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれにおいて長いか短く見える同一の部材オブジェクトの名称に長(long)または短(short)という長さ情報を追加する。
【0048】
ディープラーニングモデルを学習させるために、予め組物を構成する少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれが定義され、収集された実写イメージまたは設計図面イメージを対象に学習データが構成されなければならない。
【0049】
前述のように、部材オブジェクトの撮影方向による長さ情報を認識するために、同一の部材オブジェクトでも長(long)または短(short)という長さ情報が追加された異なる名称が付与された学習データが用意される。したがって、ディープラーニングモデルは、同一の部材オブジェクトでも長さ情報の異なる名称が付与された学習データで学習される。
【0050】
また、ディープラーニングモデルは、XY平面イメージ推論モデルおよびZY平面イメージ推論モデルを含む少なくとも2つ以上のモデルがそれぞれ別途に学習されてもよい。
【0051】
検出情報の少なくとも1つは、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれに表示されて出力される。
【0052】
図2は、実施例による組物のXY平面イメージ認識結果の例示図であり、図3は、実施例による組物のZY平面イメージ認識結果の例示図である。
【0053】
図2および図3に示されるように、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれに検出されたオブジェクトそれぞれにバウンディングボックス(Bounding Box)が表示され、バウンディングボックスの所定領域1にオブジェクトの種類、すなわち、名称が記載される。ただし、図2および図3は、本発明の理解のための一例に過ぎず、本発明はこれに限定されない。すなわち、他の構造および部材を有する他の組物にも、本発明の木造建築物の組物推論方法が適用可能であることを明らかにする。
【0054】
例えば、桁10-1、10-2、昌枋長▲れい▼20-1、20-2、20-3、20-4、山彌30-1、30-2、梁40、檐遮50-1、50-2、柱頭60、堀立(hut)檐遮70および小櫨80-1、...、80-9、80-10のような検出された部材オブジェクトそれぞれの名称が記載される。
【0055】
ここで、桁は、垂木(rafter)の真下に長く置かれた部材であってもよい。
【0056】
昌枋は、柱頭を左右に連結する部材であり、長▲れい▼は、桁の下に置かれる桁の支え部材で、桁に比べて幅が狭く、桁とともに垂木(rafter)の荷重を分担することができる。
【0057】
柱頭は、組物の最下部に置かれた部材で、組物に沿って下る荷重を柱に伝達する役割をする。
【0058】
小櫨は、柱頭と形状は同じであるものの、サイズが小さいが、山彌と山彌との間に置かれて、上部の荷重を下に伝達する役割をする。
【0059】
檐遮は、桁方向に置かれた部材で、位置によって柱心檐遮および出目檐遮などに区分される。また、柱頭から梁方向に半分の檐遮が抜け出て、1出目檐遮を支える部材が堀立(hut)檐遮と呼ばれる。
【0060】
山彌は、檐遮と直交して梁方向にかかる組物部材を通称して呼ぶ名称である。
【0061】
ところが、同一の部材オブジェクトが、XY平面イメージおよびZY平面イメージのうちの1つでは長く(long)認識され、他の1つでは短く(short)認識される。したがって、検出情報は、長(long)または短(short)の当該平面での長さ情報をさらに含むことができる。
【0062】
例えば、図2に示されたXY平面イメージでは、「桁_長(long)」10-1、10-2として名称と長さ情報が併記され、図3に示されたZY平面イメージでは、「桁_短(short)」10-1、10-2として名称と長さ情報が併記される。
【0063】
また、検出情報は、少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの検出情報が座標系での数値情報として出力される。
【0064】
図4は、実施例による組物の部材認識結果の座標系表示の例示図である。
【0065】
図4を参照すれば、検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置が座標系上に表示される。そして、部材オブジェクトそれぞれの種類(Class)、座標系上での中心座標(X、Y)および大きさ(W(Width)、H(Height))を含む部材オブジェクト情報が別途にメモリに格納される。
【0066】
図5は、実施例による段の高さおよび出目情報を推論するステップを詳しく説明するためのフローチャートであり、図6は、実施例による段の高さ推論の例示図であり、図7は、実施例による出目情報推論の例示図である。
【0067】
図5を参照すれば、実施例による段の高さおよび出目情報を推論するステップS120は、XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてY軸基準の段の高さを推論するステップS121~S122と、ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトそれぞれの位置情報に基づいてZ軸基準の出目情報を推論するステップS123~S124と、を含むことができる。
【0068】
段の高さを推論するステップS121~S122は、XY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトのうち小櫨をY軸位置を基準としてグルーピングするステップS121と、少なくとも1つのグループそれぞれに含まれた小櫨のY軸位置の平均を算出して少なくとも1つの段の高さを算出するステップS122と、を含むことができる。
【0069】
すなわち、段情報を推論するためには、認識された部材オブジェクト対象のうち小櫨を対象に前の段の小櫨の高さが次の段の小櫨の高さより大きくてはならないという事実に基づいて閾値(Threshold Value)を定め、組物の段の高さ値を定義することができる。
【0070】
例えば、図6を参照すれば、小櫨80-1のY軸上の高さに基づいて0段の高さを決定し、複数の小櫨80-2、80-3、80-4のY軸上の高さの平均値に基づいて1段の高さを決定し、複数の小櫨80-5、80-6、80-7、80-8、80-9のY軸上の高さの平均値に基づいて2段の高さを決定することができる。
【0071】
その後、ZY平面イメージを段の高さに合わせてXY平面にマッチングさせることができる。例えば、図6を参照すれば、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれにおいて小櫨80-1のY軸上の高さに基づいて0段をマッチングさせ、複数の小櫨80-2、80-3、80-4のY軸上の高さに基づいて1段をマッチングさせ、複数の小櫨80-5、80-6、80-7、80-8、80-9のY軸上の高さに基づいて2段をマッチングさせることができる。
【0072】
出目情報を推論するステップS123~S124は、ZY平面イメージから検出された少なくとも1つの部材オブジェクトの少なくとも1つの桁または檐遮のうちZ軸位置を基準としてグルーピングするステップS123と、少なくとも1つのグループに含まれた桁または檐遮のZ軸の位置を基準として出目情報を算出するステップS124と、を含むことができる。
【0073】
出目は、檐下を支持するために柱外に部材を配置したもので、図7に示されるように、ZY平面で定義されて、桁または檐遮の断面を基準として出目が確認される。
【0074】
すなわち、段の高さと類似して、同一の出目の桁と檐遮のZ軸上の位置の値が、次のステップの出目のZ軸上の位置の値より大きくてはならないという原理を利用して、出目情報を推論する。
【0075】
例えば、図7を参照すれば、桁10-1および檐遮50-1のZ軸上の位置である柱心出目と、桁10-2および檐遮50-2のZ軸上の位置である外出目と、で出目情報が推論される。
【0076】
このように推論された段の高さおよび出目情報を用いて、後のS130で組物の構造および部材リストを生成する。この時、S110で検出された部材オブジェクト検出情報の重複または誤認識が訂正されてもよい。
【0077】
入力された実写イメージあるいは図面イメージは、最終的な部材の種類、個数を把握し、構造を出力するために、組物の対称性を判別する必要がある。
【0078】
一般的に、木造建築物の組物は、建物の前後中心の主包と、木造建築物の外角隅部分である鬼包と、に分けられる。
【0079】
図8は、鬼包の実写イメージの例示図であり、図9は、主包の実写イメージの例示図である。
【0080】
すなわち、図8は、鬼包部分で対称構造でないことを示し、図9は、主包で対称構造を有することを示す。
【0081】
このような対称性の有無は、組物の構造および部材リストの推論結果に差を発生させることができる。したがって、組物の構造および部材リストの推論のための事前情報として対称性有無情報が必要でありうる。
【0082】
したがって、実施例では、少なくとも1つの組物イメージから組物の対称性の有無を判別するステップS140を行うことができる。
【0083】
一実施例により、S140で組物のXY平面イメージおよびZY平面イメージから鬼包と主包とを区別する分類器を構成して簡単に分類することができる。
【0084】
このような分類器を予め学習するために別のデータが要求されることがある。設計図面イメージの場合、XY平面イメージである立面図を基準として中心線に対して対称の有無を判別しても可能であるが、実写イメージの場合、撮影者が中心線を考慮しない場合、比較が難しいことがあり、簡単な分類器(classifier)を学習して使用することが好ましい。
【0085】
図10は、実施例による組物の構造および部材リストを生成するステップを詳しく説明するためのフローチャートであり、図11は、実施例によるXY平面イメージに段の高さを基準として整列される部材オブジェクト認識結果表示の例示図であり、図12は、実施例によるZY平面イメージに段の高さを基準として整列される部材オブジェクト認識結果表示の例示図であり、図13は、実施例により推論された組物の構造および組立形状の例示図である。
【0086】
図10を参照すれば、組物の構造および部材リストを生成するステップS130は、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから検出された部材オブジェクト認識結果を段の高さを基準として整列するステップS131と、段の高さ別にXY平面イメージおよびZY平面イメージをマッチングして組物を構成する部材リストを生成するステップS132と、段の高さ別の部材リストに基づいて必要な部材と組立順序を推論するステップS133と、を含むことができる。
【0087】
例えば、S131において、図11および図12に示されるように、XY平面イメージおよびZY平面イメージそれぞれから検出された部材オブジェクトが段の高さを基準として整列される。
【0088】
この時、設計図面の場合、XY平面イメージである立面図およびZY平面イメージである断面図の部材認識結果を整列し、実写イメージ場合、XY平面イメージである正面イメージ、ZY平面イメージである左側面イメージおよび右側面イメージの部材認識結果を整列することができる。この時、対称性がある場合、左側イメージまたは右側面イメージの部材結果のみを活用することができる。
【0089】
一方、部材リストを生成するステップS132は、整列された図11のXY平面イメージと図12のZY平面イメージにおいて同一の段に位置する部材オブジェクトをマッチングして部材の種類および種類別の個数を含む部材リストを生成することができる。例えば、同一の種類の部材オブジェクトがXY平面イメージおよびZY平面イメージの同一の段の高さでそれぞれ「桁_長(long)」10-1および「桁_短(short)」10-1と認識された部材オブジェクトが1個ずつ存在することが検出された場合、組物の当該段の高さに1個の桁が存在するものとして部材リストに記録される。
【0090】
部材リストを生成するステップS132は、詳しくは、次の<表1>のような規則の少なくとも1つに基づいて行われる。ただし、<表1>は、本発明の一実施例に過ぎず、本発明はこれに限定されない。すなわち、他の構造および部材を有する他の組物を推論する時にも、実施例によるS131~S134ステップが適用されて部材オブジェクトリストおよび構造が推論できることを明らかにする。
【0091】
【表1】
【0092】
前述のようなS131~S133を組物を構成する下段から上段まで繰り返し(S134)行って部材を順に推論して構成部品をリスト化して提供することができる。図11および図12に示されるように、実施例により対称性のある主包に対して段の高さに応じて組物をなす部材をまとめることができ、これに基づいて段によって構成される部材と構造を推論することができる。
【0093】
例えば、0段では、図11に示されたXY平面イメージにおいて柱頭、小櫨および昌枋長▲れい▼がそれぞれ1個と認識され、図12に示されたZY平面イメージでは、柱頭、小櫨および堀立(hut)檐遮がそれぞれ1個と認識されたという情報を基準として、結論的に、0段では、柱頭、小櫨、昌枋長▲れい▼および堀立(hut)檐遮が1個ずつ構成されることを推論することができる。
【0094】
したがって、実施例による組物の構造および部材リストに基づいて組物をモデリングするステップS150において、前述のように抽出された部材リストおよび構造情報に基づいて、図13に示されるように、組物の部材が組立てられて3次元構造でモデリングされる。
【0095】
この時、部材リストに含まれた部材それぞれに対するユーザの選択信号(例えば、マウスクリック)が入力されることにより、ディスプレイ画面に当該部材それぞれが3次元構造で視覚化されてもよい。
【0096】
図14は、実施例によるコンピュータシステムの構成を示す図である。
【0097】
実施例による木造建築物の組物推論装置は、コンピュータ可読記録媒体のようなコンピュータシステム1000で実現できる。
【0098】
コンピュータシステム1000は、バス1020を介して互いに通信する1つ以上のプロセッサ1010と、メモリ1030と、ユーザインターフェース入力装置1040と、ユーザインターフェース出力装置1050と、ストレージ1060と、を含むことができる。また、コンピュータシステム1000は、ネットワーク1080に連結されるネットワークインターフェース1070をさらに含むことができる。プロセッサ1010は、中央処理装置またはメモリ1030やストレージ1060に格納されたプログラムまたは処理命令を実行する半導体装置であってもよい。メモリ1030およびストレージ1060は、揮発性媒体、不揮発性媒体、分離型媒体、非分離型媒体、通信媒体、または情報伝達媒体の少なくとも1つ以上を含む記憶媒体であってもよい。例えば、メモリ1030は、ROM1031やRAM1032を含むことができる。
【0099】
以上、添付した図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。そのため、以上に述べた実施例はすべての面で例示的であり、限定的ではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14