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特開2024-25750注射医療用デバイスをコーティングするための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025750
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】注射医療用デバイスをコーティングするための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
A61M5/31 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023130721
(22)【出願日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】102022000017178
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】523304939
【氏名又は名称】ヌオヴァ オムピ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ ウニペルソナーレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パオロ タッキー二
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ トニーニ
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ キネッラート
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト キッロン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066EE14
4C066GG15
4C066MM03
4C066PP02
(57)【要約】
【課題】入口タンクへのコーティング物質の導入の前及びその間にコーティング物質を扱う場合の予防策を提供すること。
【解決手段】注射医療用デバイスをコーティングするための装置1であって、コーティング物質で満たされ得る入口タンク10、注射医療用デバイスへ当該コーティング物質を送るように構成される送出ノズル80、並びに当該入口タンク10と当該送出ノズル80との間に挿入され、それらと流体連通し、当該入口タンク10からコーティング物質を取り出すように、及び当該送出ノズル80へそれを供給するように構成される供給アセンブリ20を備える、装置1。供給アセンブリ20は、当該入口タンク10から取り出されるコーティング物質を濾過するように構成される、少なくとも1つの滅菌フィルタ30a、30bを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射医療用デバイスをコーティングするための装置(1)であって、
- コーティング物質で満たされ得る入口タンク(10)
- 注射医療用デバイスへ前記コーティング物質を送るように構成される送出ノズル(80)
- 前記入口タンク(10)と前記送出ノズル(80)との間に挿入され、それらと流体連通し、前記入口タンク(10)から前記コーティング物質を取り出すように、及び前記送出ノズル(80)へそれを供給するように構成される供給アセンブリ(20)
を備え、
前記供給アセンブリ(20)が、前記入口タンク(10)から取り出される前記コーティング物質を濾過するように構成される、少なくとも1つの滅菌フィルタ(30a、30b)を備える、装置(1)。
【請求項2】
前記供給アセンブリ(20)が、第1の滅菌フィルタ(30a)と前記送出ノズル(80)との間に挿入され、それらと流体連通する、第1の貯蔵タンク(40)を備え、前記第1の貯蔵タンク(40)が、前記入口タンク(10)から取り出され、前記送出ノズル(80)へ供給されるよう意図される、前記コーティング物質を受容及び一時的に貯蔵するように構成される、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第1の貯蔵タンク(40)が、
- 前記第1の貯蔵タンク(40)が前記入口タンク(10)から取り出される前記コーティング物質を受容及び貯蔵する、充填状態
- 前記第1の貯蔵タンク(40)に貯蔵される前記コーティング物質が前記第1の貯蔵タンク(40)から取り出されて、前記送出ノズル(80)へ供給される、供給状態
に選択的に設定可能である、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記供給アセンブリ(20)が、第2の滅菌フィルタ(30b)と前記送出ノズル(80)との間に挿入され、それらと流体連通する、第2の貯蔵タンク(50)を備え、前記第2の貯蔵タンク(50)が、前記入口タンク(10)から取り出され、前記送出ノズル(80)へ供給されるよう意図される、前記コーティング物質を受容及び一時的に貯蔵するように構成される、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記第2の貯蔵タンク(50)が、
- 前記第2の貯蔵タンク(50)が前記入口タンク(10)から取り出される前記コーティング物質を受容及び貯蔵する、充填状態
- 前記第2の貯蔵タンク(50)に貯蔵される前記コーティング物質が前記第2の貯蔵タンク(50)から取り出されて、前記送出ノズル(80)へ供給される、供給状態
に選択的に設定可能である、請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記供給アセンブリ(20)が、第1の滅菌フィルタ(30a)と前記送出ノズル(80)との間に挿入され、それらと流体連通する、第1の貯蔵タンク(40)を備え、前記第1の貯蔵タンク(40)が、前記入口タンク(10)から取り出され、前記送出ノズル(80)へ供給されるよう意図される、前記コーティング物質を受容及び一時的に貯蔵するように構成され、
前記供給アセンブリ(20)が、
- 前記第1の貯蔵タンク(40)に貯蔵される前記コーティング物質を加熱するように構成される、少なくとも1つの第1の加熱要素(47)
- 前記第2の貯蔵タンク(50)に貯蔵される前記コーティング物質を加熱するように構成される、少なくとも1つの第2の加熱要素(57)
を備える、請求項4に記載の装置(1)。
【請求項7】
- 前記少なくとも1つの第1の加熱要素(47)が、前記第1の貯蔵タンク(40)の外部に設置される、及び1つ若しくは複数の電気抵抗器が配置される、又は加熱流体が循環する第1の保温ジャケット(48)の内部に配設される
- 前記少なくとも1つの第2の加熱要素(57)が、前記第2の貯蔵タンク(50)の外部に設置される、及び1つ若しくは複数の電気抵抗器が配置される、又は加熱流体が循環する第2の保温ジャケット(58)の内部に配設される、
請求項6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記第1の貯蔵タンク(40)が、前記第1の保温ジャケット(48)から取外し可能であり、前記第2の貯蔵タンク(50)が、前記第2の保温ジャケット(58)から取外し可能である、請求項7に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記第1の貯蔵タンク(40)が、
- 前記第1の貯蔵タンク(40)が前記入口タンク(10)から取り出される前記コーティング物質を受容及び貯蔵する、充填状態
- 前記第1の貯蔵タンク(40)に貯蔵される前記コーティング物質が前記第1の貯蔵タンク(40)から取り出されて、前記送出ノズル(80)へ供給される、供給状態
に選択的に設定可能であり、
前記装置(1)が、前記第1の貯蔵タンク(40)及び第2の貯蔵タンク(50)へ動作可能に接続される制御ユニット(5)をさらに備え、前記制御ユニット(5)が、
- 前記第2の貯蔵タンク(50)が前記充填状態にある場合に、前記第1の貯蔵タンク(40)を前記供給状態に設定する、及び
- 前記第1の貯蔵タンク(40)が前記充填状態にある場合に、前記第2の貯蔵タンク(50)を前記供給状態に設定する
ように構成される、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記供給アセンブリ(20)が、第1の滅菌フィルタ(30a)と前記送出ノズル(80)との間に挿入され、それらと流体連通する、第1の貯蔵タンク(40)を備え、前記第1の貯蔵タンク(40)が、前記入口タンク(10)から取り出され、前記送出ノズル(80)へ供給されるよう意図される、前記コーティング物質を受容及び一時的に貯蔵するように構成され、
前記供給アセンブリ(20)が、
- 前記入口タンク(10)へ連結される第1の端部(23)、前記第1の貯蔵タンク(40)へ連結される第2の端部(42)、及び前記第2の貯蔵タンク(50)へ連結される第3の端部(52)を有する第1の流体回路(22)
- 前記第1の貯蔵タンク(40)へ連結される第1の端部(61)、前記第2の貯蔵タンク(50)へ連結される第2の端部(62)、及び前記送出ノズル(80)へ連結される第3の端部(82)を有する第2の流体回路(60)
を備える、請求項4に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記供給アセンブリ(20)が、前記第2の流体回路(60)の少なくとも部分の周りに取外し可能に設置される、少なくとも1つの保温ジャケット(91)を備える、請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記供給アセンブリ(20)が、前記少なくとも1つの保温ジャケット(91)の内部に配設される、少なくとも1つの第3の加熱要素(90)を備える、請求項11に記載の装置(1)。
【請求項13】
注射医療用デバイスをコーティングするための方法であって、
- 入口タンク(10)へコーティング物質を導入すること
- 前記入口タンク(10)から前記コーティング物質を取り出すこと
- 前記コーティング物質が前記入口タンク(10)から取り出された後に、前記コーティング物質を濾過すること
- 前記コーティング物質が濾過された後に、送出ノズル(80)へ前記コーティング物質を供給すること
- 前記送出ノズル(80)に前記コーティング物質を噴霧すること
- 前記コーティング物質が噴霧された後に、前記送出ノズル(80)によって注射医療用デバイスに前記コーティング物質を送ること
を含み、
前記コーティング物質を濾過することが、少なくとも1つの滅菌フィルタ(30a、30b)によって実行される、方法。
【請求項14】
前記入口タンク(10)から取り出される前記コーティング物質を、それが、室温で前記入口タンク(10)を維持しつつ、前記送出ノズル(80)へ供給される場合に、加熱することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の貯蔵タンク(40)又は第2の貯蔵タンク(50)に、前記入口タンク(10)から取り出され、前記送出ノズル(80)へ供給されるよう意図される、前記コーティング物質を選択的に導入することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記送出ノズル(80)へ前記コーティング物質を供給することが、前記第1の貯蔵タンク(40)から又は前記第2の貯蔵タンク(50)から選択的に、前記送出ノズル(80)へ前記コーティング物質を供給することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の貯蔵タンク(40)から又は前記第2の貯蔵タンク(50)から前記送出ノズル(80)へ前記コーティング物質を供給する前に、前記第1の貯蔵タンク(40)又は前記第2の貯蔵タンク(50)を加熱することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の貯蔵タンク(40)から又は前記第2の貯蔵タンク(50)から前記送出ノズル(80)へ前記コーティング物質を供給する前に、前記第1の貯蔵タンク(40)において又は前記第2の貯蔵タンク(50)において、減圧状態を作り出すことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の貯蔵タンク(40)又は前記第2の貯蔵タンク(50)が、前記第1の貯蔵タンク(40)において又は前記第2の貯蔵タンク(50)において前記減圧状態を作り出した後に、加熱される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の貯蔵タンク(40)から又は前記第2の貯蔵タンク(50)から前記送出ノズル(80)へ前記コーティング物質を供給することが、前記第1の貯蔵タンク(40)において又は前記第2の貯蔵タンク(50)において前記減圧状態を作り出した後に、前記第1の貯蔵タンク(40)を加圧することを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射医療用デバイスをコーティングするための装置、及びそのような注射医療用デバイスをコーティングするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、注射医療用デバイスは、医療分野において広く使用される。それらは、一般的に、内面がコーティング層でコーティングされるガラス・シリンダ、及び注射によって患者へ薬剤を送るためにガラス・シリンダ内で摺動係合する封止プランジャを備える。
【0003】
そのような医療用注射デバイスは、シリンジ、カートリッジだけでなく、薬剤の皮下及び/又は静脈内投与のために使用される自動注射器又は自動式の注射器も含む。
【0004】
この種類のデバイスにおいて、注射医療用デバイスのシリンダ、例えばシリンジのシリンダの内部のプランジャの所望の摺動特性を得、シリンジのシリンダ表面の摩耗を防ぐため、及び薬剤とシリンダとの間の保護層を設けるための両方で、シリンジ・シリンダの内面は、典型的には、シリコーン油系である潤滑性コーティング物質でコーティングされる。
【0005】
コーティング物質を塗布するために、コーティング物質で満たされ得る入口タンク、入口タンクへ接続され、コーティング物質を送り、圧縮空気の供給によってコーティング物質を噴霧するように構成される送出ノズル、及び入口タンクと送出ノズルとの間に動作可能に挿入され、送出ノズルに向かってコーティング物質を吸い出すように構成されるポンプから本質的に成る、装置が使用される。
【0006】
注射医療用デバイスに送られるコーティング物質は、必ず無菌、すなわち、生物学的汚染物質のない状態でなければならない。典型的には、予め滅菌されたコーティング物質が、入口タンクに導入される。コーティング物質は、したがって、それが入口タンクに導入される前に、その場で滅菌されるか、又はコーティング物質は、既に予め滅菌されて購入される。
【0007】
本出願人は、入口タンクにコーティング物質を導入する前にコーティング物質を滅菌することにより、操作者への負担が生じることに着目した。さらに、入口タンクにコーティング物質を導入する前に、その滅菌のためにコーティング物質を扱うことにより、結果としてコーティング物質の汚染を伴う、コーティング物質の生物学的汚染物質との接触のリスクが生じる。
【0008】
本出願人はまた、予め滅菌されたコーティング物質を購入することは、費用の増加、及びコーティング物質を供給する供給と、入口タンクへのその導入との間に経過する時間において、コーティング物質の汚染リスクに繋がることを見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願人は、したがって、入口タンクへのコーティング物質の導入の前及びその間にコーティング物質を扱う場合の、予防策を採用する必要性を感じた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願人は、滅菌されていなコーティング物質が入口タンクに導入され、コーティング物質が入口タンクから送出ノズルへ供給されている間に、コーティング物質が滅菌される場合に、滅菌されていないコーティング物質の供給、及び入口タンクへの導入前のコーティング物質の滅菌の両方が、回避され得ることに気付いた。さらに、入口タンクへのコーティング物質の導入中のコーティング物質の汚染のリスクを排除するために採用される必要がある、全ての予防策が、回避され得る。
【0011】
本発明は、したがって、その第1の態様において、注射医療用デバイスをコーティングするための装置であって、
- コーティング物質で満たされ得る入口タンク
- 注射医療用デバイスへ当該コーティング物質を送るように構成される送出ノズル
- 当該入口タンクと当該送出ノズルとの間に挿入され、それらと流体連通し、当該入口タンクからコーティング物質を取り出すように、及び当該送出ノズルへそれを供給するように構成される供給アセンブリ
を備え、
当該供給アセンブリが、当該入口タンクから取り出されるコーティング物質を濾過するように構成される、少なくとも1つの滅菌フィルタを備える、装置に関する。
【0012】
本発明によると、入口タンクは、滅菌されていないコーティング物質で満たされる。入口タンクの充填は、したがって、生物学的汚染物質でコーティング物質を汚染するのを避けるために予防策を採用する必要がないので、簡素化及び高速化される。
【0013】
各滅菌フィルタは、コーティング物質が送出ノズルへ入口タンクによって供給される間、コーティング物質を濾過し、そこから生物学的汚染物質を除去する。したがって、コーティング物質の濾過は、自動的に行われ、入口タンクへのコーティング物質の導入を除いて、操作者によるいかなる追加の操作も必要としない。さらに、供給アセンブリにおける滅菌フィルタの配置は、コーティング物質が滅菌後に外部環境と接触しないことを確実にし、生物学的汚染物質での汚染のあらゆるリスクを排除する。
【0014】
その第2の態様において、本発明は、注射医療用デバイスをコーティングするための方法であって、
- 入口タンクへコーティング物質を導入すること
- 当該入口タンクから当該コーティング物質を取り出すこと
- 当該コーティング物質が当該入口タンクから取り出された後に、当該コーティング物質を濾過すること
- 当該コーティング物質が濾過された後に、送出ノズルへ当該コーティング物質を供給すること
- 当該送出ノズルに当該コーティング物質を噴霧すること
- 当該コーティング物質が噴霧された後に、当該送出ノズルによって注射医療用デバイスに当該コーティング物質を送ること
を含み、
当該コーティング物質を濾過することが、少なくとも1つの滅菌フィルタによって実行される、方法に関する。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲を通して、用語「滅菌フィルタ」は、コーティング物質に存在する細菌の少なくとも99%、好ましくは実質的に100%を遮断及び捕捉するために、十分に微細なメッシュ・サイズを有するフィルタを指示するために使用される。
【0016】
2つ以上の構成要素に対して言及される、語句「流体連通」は、そのような構成要素が液圧的に接続され、その結果、流体が、場合によっては構成要素間に挿入される任意の弁を開放した後に、一方の構成要素から他方へ通過することができることを指示するために使用される。
【0017】
用語「断熱材」は、1W/mKに等しい、又はそれ未満の熱伝導率を有する材料を指示するために使用される。
【0018】
前述の態様の少なくとも1つにおいて、本発明は、個別に用いられる、又は場合により互いに組み合わされる、以下の特徴のうちの1つ又は複数を有し得る。
【0019】
好ましくは、本発明の全体の装置、又は滅菌フィルタの上流にある装置の少なくとも部分は、無菌構成要素の製造に適した環境分類(ISO14644-1規格のクラス5)に適合するように、層流フード内に配設される。
【0020】
好ましくは、入口タンクは、室温で維持される。
【0021】
好ましくは、コーティング物質は、室温で入口タンクに投入される。
【0022】
好ましくは、コーティング物質は、入口タンクにおいて室温で保たれる。
【0023】
好ましくは、入口タンクにおいてコーティング物質を加圧するように構成される、サービス部材が設けられる。
【0024】
好ましくは、サービス部材は、入口タンクにあるコーティング物質に、入口タンクから滅菌フィルタに向かってコーティング物質を移動させるために十分である圧力を与えるように構成される。
【0025】
より好ましくは、サービス部材は、入口タンクから滅菌フィルタを通してコーティング物質を移動させるように構成される。
【0026】
好ましくは、当該コーティング物質は、100cm/s(10000cSt)を超える粘度を有する。
【0027】
より好ましくは、当該コーティング物質は、150cm/s(15000cSt)未満の粘度を有する。
【0028】
特に好ましい実施例において、当該粘度は、110cm/s(11000cSt)~140cm/s(14000cSt)、より好ましくは120cm/s(12000cSt)~130cm/s(13000cSt)に含まれ、例えば約125cm/s(12500cSt)である。
【0029】
本出願人は、注射医療用デバイスに典型的に採用される約10cm/s(1000cSt)の粘度より1桁大きい粘度のコーティング物質を送ることによって、注射医療用デバイスにおいて得られるコーティングが、時間の経過においてより効果的にその潤滑特性を維持し、コーティング物質が注射医療用デバイスに粒子を放出する、したがって、注射医療用デバイスによって注射される医薬製品の特性を変える可能性を低減することを見出した。
【0030】
好ましくは、入口タンクは、少なくとも1つの透明な壁部を備え、透明な壁部を通して、入口タンクの内部のコーティング物質の水準が、入口タンクを開ける必要なく、確認され得る。
【0031】
好ましくは、当該少なくとも1つの滅菌フィルタは、0.50μm未満のメッシュ・サイズを有する。
【0032】
好ましくは、当該少なくとも1つの滅菌フィルタは、0.08μmを超えるメッシュ・サイズを有する。
【0033】
特に好ましい実施例において、当該少なくとも1つの滅菌フィルタのメッシュ・サイズは、0.10μm~0.35μm、より好ましくは0.20μm~0.24μmに含まれ、例えば約0.22μmである。
【0034】
好ましくは、供給アセンブリは、当該少なくとも1つの滅菌フィルタと当該送出ノズルとの間に挿入され、それらと流体連通し、当該送出ノズルに向かって当該コーティング物質を吸い出すように構成される、供給ポンプを備える。
【0035】
好ましくは、供給ポンプは、容積式のポンプである。
【0036】
好ましくは、供給アセンブリは、当該送出ノズルによって送られる前に、当該入口タンクから取り出される当該コーティング物質を加熱するように構成される、複数の加熱要素を備える。実際に、出願人は、加熱される場合に、特に、本発明の好ましい実施例におけるように、高粘度のコーティング物質が使用される場合に、コーティング物質が、本発明の装置の様々な導管及び様々な構成要素を通って、より容易に流れることを見出した。
【0037】
好ましくは、当該供給アセンブリは、第1の滅菌フィルタと当該送出ノズルとの間に挿入され、それらと流体連通する、第1の貯蔵タンクを備え、当該第1の貯蔵タンクは、当該入口タンクから取り出され、送出ノズルへ供給されるよう意図される、コーティング物質を受容及び一時的に貯蔵するように構成される。
【0038】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクは、当該第1の貯蔵タンクが入口タンクから取り出されるコーティング物質を受容及び貯蔵する、充填状態に設定され得る。
【0039】
第1の貯蔵タンクに既に滅菌されたコーティング物質を貯蔵することが可能であることにより、作業が入口タンクで(例えば、清掃又は充填作業)又は第1の滅菌フィルタで(例えば、清掃又は交換作業)行われている間、コーティング物質が送出ノズルへ供給されることが可能になる。
【0040】
好ましくは、第1の貯蔵タンクにおけるコーティング物質の水準を測定するように構成される、第1の充填水準検出器が設けられる。
【0041】
好ましくは、第1の充填水準検出器は、第1の貯蔵タンクにおけるコーティング物質の圧力を測定するように構成される、ロード・セルを備える。
【0042】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクは、第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質が、大気圧未満の圧力で維持される、減圧状態に設定され得る。
【0043】
好ましくは、そのような圧力は、5kPa(50mbar)~40kPa(400mbar)、より好ましくは10kPa(100mbar)~30kPa(300mbar)に含まれ、例えば約20kPa(200mbar)である。
【0044】
ある特定の期間において第1の貯蔵タンクにおけるコーティング物質を減圧することにより、コーティング物質が第1の滅菌フィルタを通過した後に形成される、あらゆる気泡を除去することが可能になる。そのような手段は、特に、気泡の形成をより発生し易くする状況である、コーティング物質が特に高粘度を有する場合に、有用である。
【0045】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクが減圧状態にある場合に、それは、本発明の装置の他の構成要素に対して緊密に封止される。
【0046】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクは、第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質が、100℃以上、好ましくは120℃の温度まで加熱される、加熱状態に設定され得る。
【0047】
第1の貯蔵タンクにおけるコーティング物質を加熱することにより、特にコーティング物質が高粘度を有する場合に、コーティング物質の流動学的特性が改善され、送出ノズルへのその供給が促進される。コーティング物質の流動学的特性の改善は、より均一で正確に送出ノズルからコーティング物質を送ることを可能にし、それによって、医療用デバイスにコーティング物質の均一な薄い層が得られる。
【0048】
好ましくは、当該供給アセンブリは、当該第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質を加熱するように構成される、少なくとも1つの第1の加熱要素を備える。
【0049】
第1の加熱要素は、熱エネルギーを放出するように構成され、第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質と熱交換関係にある、任意の要素であり得る。
【0050】
好ましくは、当該少なくとも1つの第1の加熱要素は、断熱材から少なくとも部分的に製作され、第1の貯蔵タンクの外部に設置される、第1の保温ジャケットの内部に配設される。
【0051】
当該第1の加熱要素は、例えば、1つ若しくは複数の電気抵抗器、或いは第1の保温ジャケットに形成され、又はそれと連係し、加熱流体が循環する、1つ若しくは複数の導管を備え得る。
【0052】
代替的な実施例において、第1の加熱要素は、第1の貯蔵タンクの内部に設置される加熱コイル(例えば、電気抵抗器、又は好適な加熱流体が循環する導管)である。
【0053】
好ましくは、第1の貯蔵タンクは、第1の保温ジャケットから取外し可能である。
【0054】
このようにして、第1の貯蔵タンクでの保守又は清掃作業を容易に実行することが可能である。
【0055】
好ましくは、第1の温度センサが、第1の貯蔵タンクと連係し、その結果、第1の貯蔵タンクの内部のコーティング物質によって達せられる温度が、監視され得る。
【0056】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクは、第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質が第1の貯蔵タンクから取り出されて、送出ノズルへ供給される、供給状態に設定され得る。
【0057】
好ましくは、前述の供給状態において、第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質は、大気圧を超える圧力にされる。
【0058】
好ましくは、そのような圧力は、250kPa(2.5bar)未満、より好ましくは200kPa(2bar)未満である。
【0059】
このようにして、第1の貯蔵タンクからのコーティング物質の排出が、促進され、供給ポンプのキャビテーションのリスクが、低減される。
【0060】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクは、充填状態に、又は供給状態に選択的に設定可能である。
【0061】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクは、充填状態に、又は減圧状態に、又は加熱状態に、又は供給状態に選択的に設定可能である。
【0062】
好ましくは、当該供給アセンブリは、第2の滅菌フィルタと当該送出ノズルとの間に挿入され、それらと流体連通する、第2の貯蔵タンクを備え、当該第2の貯蔵タンクは、当該入口タンクから取り出され、送出ノズルへ供給されるよう意図される、コーティング物質を受容及び一時的に貯蔵するように構成される。
【0063】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクは、当該第2の貯蔵タンクが入口タンクから取り出されるコーティング物質を受容及び貯蔵する、充填状態に設定され得る。
【0064】
第2の貯蔵タンクに既に滅菌されたコーティング物質を貯蔵することが可能であることにより、第1の貯蔵タンクがコーティング物質を受容するために不適な状態に、例えば減圧、加熱又は供給状態にある間、入口タンクから第2の貯蔵タンクへコーティング物質を供給することが可能になる。さらに、第1の貯蔵タンクがさらなるコーティング物質で満たされる間、又は場合により第1の貯蔵タンクの交換中に、又は作業が入口タンクで(例えば、清掃又は充填作業)若しくは第1の滅菌フィルタで(例えば、清掃又は交換作業)実行される間、第2の貯蔵タンクから送出ノズルへコーティング物質を供給することが可能である。
【0065】
2つの貯蔵タンクを設けることにより、したがって、他の前もって満たされた貯蔵タンクが送出ノズルへコーティング物質を供給する及びその逆である間、そのような貯蔵タンクのうちの1つが入口タンクから来るコーティング物質で満たされること、又は清掃又は交換作業がそのような貯蔵タンクで、若しくはそれぞれの滅菌フィルタが各貯蔵タンクの上流に設けられる場合に、それぞれの滅菌フィルタで行われることが可能になり、したがって、送出ノズルへのコーティング物質の実質的に連続した供給が達成される。
【0066】
一部の実施例において、供給アセンブリは、入口タンクの下流及び2つの貯蔵タンクの上流に配設される、単一の滅菌フィルタを備える。
【0067】
好ましくは、第2の貯蔵タンクにおけるコーティング物質の水準を測定するように構成される、第2の充填水準検出器が設けられる。
【0068】
好ましくは、第2の充填水準検出器は、第2の貯蔵タンクにおけるコーティング物質の圧力を測定するように構成される、ロード・セルを備える。
【0069】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクは、第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質が、大気圧未満の圧力で維持される、減圧状態に設定され得る。
【0070】
好ましくは、そのような圧力は、5kPa(50mbar)~40kPa(400mbar)に含まれ、より好ましくは10kPa(100mbar)~30kPa(300mbar)に含まれ、例えば約20kPa(200mbar)である。
【0071】
第2の貯蔵タンクにおけるコーティング物質の減圧は、コーティング物質が、2つの貯蔵タンクの上流に設けられ得る、第2の滅菌フィルタを又は単一の滅菌フィルタを通過した後に形成される、気泡の除去を可能にする。
【0072】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクが減圧状態にある場合に、それは、本発明の装置の他の構成要素に対して緊密に封止される。
【0073】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクは、第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質が、100℃以上、好ましくは120℃の温度まで加熱される、加熱状態に設定され得る。
【0074】
第2の貯蔵タンクにおけるコーティング物質を加熱することにより、第1の貯蔵タンクを参照して上記で説明されるように、コーティング物質の流動学的特性が改善される。
【0075】
好ましくは、当該供給アセンブリは、当該第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質を加熱するように構成される、少なくとも1つの第2の加熱要素を含む。
【0076】
第2の加熱要素は、熱エネルギーを放出するように構成され、第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質と熱交換関係にある、任意の要素であり得る。
【0077】
好ましくは、当該少なくとも1つの第2の熱要素は、断熱材から少なくとも部分的に製作され、第2の貯蔵タンクの外部に設置される、第2の保温ジャケットの内部に配設される。
【0078】
当該第2の加熱要素は、例えば、1つ若しくは複数の電気抵抗器、或いは第2の保温ジャケットに形成され、又はそれと連係し、加熱流体が循環する、1つ若しくは複数の導管を備え得る。
【0079】
代替的な実施例において、第2の加熱要素は、第2の貯蔵タンクの内部に設置される加熱コイル(例えば、電気抵抗器、又は好適な加熱流体が循環する導管)である。
【0080】
好ましくは、第2の貯蔵タンクは、第2の保温ジャケットから取外し可能であり、その結果、例えば、保守又は清掃作業が実行され得る。
【0081】
好ましくは、第2の温度センサが、第2の貯蔵タンクと連係し、その結果、第2の貯蔵タンクの内部のコーティング物質によって達せられる温度が、監視され得る。
【0082】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクは、第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質が第2の貯蔵タンクから取り出されて、送出ノズルへ供給される、供給状態に設定され得る。
【0083】
適切に濾過、脱泡及び加熱された、コーティング物質が、したがって、第1の貯蔵タンクが充填、減圧又は加熱状態にある間、第2の貯蔵タンクから送出ノズルへ供給され得る。
【0084】
好ましくは、前述の供給状態において、第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質は、大気圧を超える圧力にされる。
【0085】
好ましくは、そのような圧力は、第2の貯蔵タンクからのコーティング物質の排出を促進し、供給ポンプのキャビテーションのリスクを低減するように、250kPa(2.5bar)未満、より好ましくは200kPa(2bar)未満である。
【0086】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクは、充填状態に、又は供給状態に選択的に設定可能である。
【0087】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクは、充填状態に、又は減圧状態に、又は加熱状態に、又は供給状態に選択的に設定可能である。
【0088】
好ましくは、制御ユニットが、当該第1の貯蔵タンク及び第2の貯蔵タンクへ動作可能に接続される。
【0089】
好ましくは、制御ユニットは、当該第2の貯蔵タンクが充填状態にある場合に、当該第1の貯蔵タンクを当該供給状態に設定するように、構成される。
【0090】
好ましくは、制御ユニットは、当該第2の貯蔵タンクが減圧状態にある場合に、当該第1の貯蔵タンクを当該供給状態に設定するように、構成される。
【0091】
好ましくは、制御ユニットは、当該第2の貯蔵タンクが加熱状態にある場合に、当該第1の貯蔵タンクを当該供給状態に設定するように、構成される。
【0092】
好ましくは、制御ユニットは、当該第1の貯蔵タンクが充填状態にある場合に、当該第2の貯蔵タンクを当該供給状態に設定するように、構成される。
【0093】
好ましくは、制御ユニットは、当該第1の貯蔵タンクが減圧状態にある場合に、当該第2の貯蔵タンクを当該供給状態に設定するように、構成される。
【0094】
好ましくは、制御ユニットは、当該第1の貯蔵タンクが加熱状態にある場合に、当該第2の貯蔵タンクを当該供給状態に設定するように、構成される。
【0095】
好ましくは、制御ユニットは、第1の温度センサから受信される信号に基づいて、第1の加熱要素を制御するように構成される。
【0096】
好ましくは、制御ユニットは、第2の温度センサから受信される信号に基づいて、第2の加熱要素を制御するように構成される。
【0097】
好ましくは、制御ユニットは、第1の温度センサから受信される信号に基づいて、第1の貯蔵タンクを加熱状態から供給状態へ切り替えるように構成される。
【0098】
好ましくは、制御ユニットは、第2の温度センサから受信される信号に基づいて、第2の貯蔵タンクを加熱状態から供給状態へ切り替えるように構成される。
【0099】
好ましくは、制御ユニットは、第1の充填水準検出器から受信される信号に基づいて、第1の貯蔵タンクを充填状態から減圧状態へ切り替えるように構成される。
【0100】
好ましくは、制御ユニットは、第2の充填水準検出器から受信される信号に基づいて、第2の貯蔵タンクを充填状態から減圧状態へ切り替えるように構成される。
【0101】
好ましくは、制御ユニットは、第1の充填水準検出器から受信される信号に基づいて、第1の貯蔵タンクを供給状態から充填状態へ切り替えるように構成される。
【0102】
好ましくは、制御ユニットは、第2の充填水準検出器から受信される信号に基づいて、第2の貯蔵タンクを供給状態から充填状態へ切り替えるように構成される。
【0103】
好ましくは、当該供給アセンブリは、当該入口タンクへ連結される第1の端部、当該第1の貯蔵タンクへ連結される第2の端部、及び当該第2の貯蔵タンクへ連結される第3の端部を有する、第1の流体回路を備える。
【0104】
好ましくは、当該供給アセンブリは、当該第1の貯蔵タンクへ連結される第1の端部、当該第2の貯蔵タンクへ連結される第2の端部、及び当該送出ノズルへ連結される第3の端部を有する、第2の流体回路を備える。
【0105】
好ましくは、当該第1の流体回路は、当該第1の滅菌フィルタへ当該入口タンクを接続する第1の導管、当該第1の貯蔵タンクへ当該第1の滅菌フィルタを接続する第2の導管、当該第2の滅菌フィルタへ当該入口タンクを接続する第3の導管、及び当該第2の貯蔵タンクへ当該第2の滅菌フィルタを接続する第4の導管を備える。
【0106】
好ましくは、第1の導管及び第3の導管は、互いから完全に分離され得る、又は共通の導管分岐部を共有し得る。
【0107】
好ましくは、供給ポンプは、第2の流体回路に属する。
【0108】
好ましくは、第2の流体回路の第1の導管は、当該供給ポンプへ当該第1の貯蔵タンクを接続する。
【0109】
好ましくは、第2の流体回路の第2の導管は、当該供給ポンプへ当該第2の貯蔵タンクを接続する。
【0110】
好ましくは、第2の導管の第3の導管は、当該送出ノズルへ当該供給ポンプを接続する。
【0111】
好ましくは、当該供給アセンブリは、当該第2の流体回路の少なくとも部分の周りに取外し可能に設置される、少なくとも1つの保温ジャケットを備える。
【0112】
保温ジャケットをそれが設置される第2の流体回路の部分から取り外すことが可能であることにより、回路そのような部分の容易な分解が可能になり、そのような分解は、回路のこの部分での定期的な清掃作業を実行することが可能であるために必要である。そのような定期的な清掃は、特に、使用されるコーティング物質が高粘度シリコーンである場合に、必要である。
【0113】
好ましくは、当該供給アセンブリは、当該第2の流体回路の少なくとも部分を加熱するように構成される、少なくとも1つの第3の加熱要素を含む。
【0114】
第3の加熱要素は、コーティング物質の流動学的特性を最適化するように、ある温度で第2の流体回路におけるコーティング物質を保つことを可能にし、第2の流体回路におけるその流れ及び、送出ノズルからの均一な吹付けを促進する。
【0115】
好ましくは、当該少なくとも1つの第3の加熱要素は、当該少なくとも1つの保温ジャケットの内部に配設される。
【0116】
好ましくは、当該少なくとも1つの第3の加熱要素は、電気抵抗器を備える。
【0117】
好ましくは、当該供給アセンブリは、当該保温ジャケットと連係する少なくとも1つの温度センサを備える。
【0118】
好ましくは、当該温度センサは、当該少なくとも1つの保温ジャケットに一体化される。
【0119】
好ましくは、制御ユニットは、それぞれの温度センサによって受信される信号に基づいて、当該少なくとも1つの第3の加熱要素を制御するように構成される。
【0120】
特に好ましい実施例において、第1の保温ジャケットは、第2の流体回路の第1の導管に設けられる。
【0121】
好ましくは、第2の保温ジャケットは、第2の流体回路の第2の導管に設けられる。
【0122】
好ましくは、第3の保温ジャケットは、第2の流体回路の第3の導管に設けられる。
【0123】
したがって、供給ポンプへ第1の貯槽タンク及び第2の貯蔵タンクを、及び送出ノズルへ後者を接続する、全ての導管は、分解され、そのような導管の各々にそれぞれの取外し可能な保温ジャケットを設けることにより清掃された後で、場合により交換又は再び組み立てられ得る。
【0124】
好ましくは、第2の流体回路の第1の導管及び第2の導管は、等しい長さを有する。
【0125】
好ましくは、第2の流体回路の第1の導管及び第2の導管は、等しい流体通路断面を有する。
【0126】
好ましくは、第2の流体回路の第1の導管及び第2の導管は、それらに沿って一定の流体通路断面を有する。
【0127】
このようにして、第1の貯蔵タンク又は第2の貯蔵タンクから送出ノズルへ供給されるコーティング物質の特性は、変化しない。
【0128】
好ましくは、当該コーティング物質が当該入口タンクに投入される場合に、入口タンクは大気圧にある。
【0129】
好ましくは、当該入口タンクから当該コーティング物質を取り出すことは、当該入口タンクを加圧することを含む。
【0130】
好ましくは、当該コーティング物質が当該入口タンクから取り出された後にそれを濾過することは、入口タンクの加圧により当該コーティング物質に滅菌フィルタを通過させることを含む。
【0131】
好ましくは、入口タンクから取り出されるコーティング物質は、それが、室温で入口タンクを維持しつつ、送出ノズルへ供給される場合に、加熱される。
【0132】
好ましくは、入口タンクから取り出されるコーティング物質は、室温でそれを維持しつつ、濾過され、その後、加熱される。
【0133】
好ましくは、入口タンクから取り出され、送出ノズルへ供給されるよう意図されるコーティング物質は、第1の貯蔵タンク又は第2の貯蔵タンクに選択的に導入される。
【0134】
好ましくは、第1の貯蔵タンク又は第2の貯蔵タンクへのコーティング物質の選択的投入は、入口タンクの減圧により行われる。
【0135】
好ましくは、第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質は、当該コーティング物質が第1の貯蔵タンクから送出ノズルへ供給される場合に、250kPa(2.5bar)未満、より好ましくは200kPa(2bar)未満の値で保たれる。
【0136】
好ましくは、第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質の圧力は、当該コーティング物質が第1の貯蔵タンクから送出ノズルへ供給される場合に、大気圧を超える値で維持される。
【0137】
好ましくは、第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質の圧力は、当該コーティング物質が第2の貯蔵タンクから送出ノズルへ供給される場合に、250kPa(2.5bar)未満、より好ましくは200kPa(2bar)未満で保たれる。
【0138】
好ましくは、第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質の圧力は、当該コーティング物質が第2の貯蔵タンクから送出ノズルへ供給される場合に、大気圧を超える値で維持される。
【0139】
好ましくは、送出ノズルへコーティング物質を供給することは、第1の貯蔵タンクから、又は第2の貯蔵タンクから、選択的に送出ノズルへコーティング物質を供給することを含む。
【0140】
好ましくは、第1の貯蔵タンクから送出ノズルへコーティング物質を供給する前に、減圧状態が、当該第1の貯蔵タンクにおいて作り出される。
【0141】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクにおいて減圧状態を作り出ことは、第1の貯蔵タンクにおけるコーティング物質の圧力を、好ましくは5kPa(50mbar)~40kPa(400mbar)に含まれ、さらにより好ましくは10kPa(100mbar)~30kPa(300mbar)に含まれ、例えば約20kPa(200mbar)である、大気圧未満の値にすることを含む。
【0142】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクにおける減圧状態は、5~30分間に含まれる時間維持される。
【0143】
好ましくは、単一の減圧サイクルが、当該第1の貯蔵タンクにおいて行われ、その場合に、減圧状態は、20分間の最短時間維持される。
【0144】
代替的に、いくつかの減圧サイクル(例えば、3~4サイクル)が、当該第1の貯蔵タンクにおいて行われ得、その場合に、当該減圧サイクルの各々において、加圧状態は約5分間維持される。
【0145】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクにおいて当該減圧状態を作り出す前に、当該第1の貯蔵タンクは、入口タンクから、及び送出ノズルから緊密に封止される。
【0146】
好ましくは、第2の貯蔵タンクから送出ノズルへコーティング物質を供給する前に、減圧状態が、当該第2の貯蔵タンクにおいて作り出される。
【0147】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクにおいて減圧状態を作り出ことは、第2の貯蔵タンクにおけるコーティング物質の圧力を、好ましくは5kPa(50mbar)~40kPa(400mbar)に含まれ、さらにより好ましくは10kPa(100mbar)~30kPa(300mbar)に含まれ、例えば約20kPa(200mbar)である、大気圧未満の値にすることを含む。
【0148】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクにおける減圧状態は、5~30分間に含まれる時間維持される。
【0149】
好ましくは、単一の減圧サイクルが、当該第2の貯蔵タンクにおいて行われ、その場合に、減圧状態は、最短20分間で維持される。
【0150】
代替的に、いくつかの減圧サイクル(例えば、3~4サイクル)が、当該第2の貯蔵タンクにおいて行われ得、その場合に、当該減圧サイクルの各々において、加圧状態は約5分間維持される。
【0151】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクにおいて当該減圧状態を作り出す前に、当該第2の貯蔵タンクは、入口タンクから、及び送出ノズルから緊密に封止される。
【0152】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクは、第1の貯蔵タンクから送出ノズルへコーティング物質を供給する前に、加熱される。
【0153】
好ましくは、第1の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質は、第1の貯蔵タンクから送出ノズルへコーティング物質を供給する前に、100℃以上、より好ましくは120℃の温度へ加熱される。
【0154】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクは、第2の貯蔵タンクから送出ノズルへコーティング物質を供給する前に、加熱される。
【0155】
好ましくは、第2の貯蔵タンクに貯蔵されるコーティング物質は、第2の貯蔵タンクから送出ノズルへコーティング物質を供給する前に、100℃以上、より好ましくは120℃の温度へ加熱される。
【0156】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクは、当該第1の貯蔵タンクにおいて当該減圧状態を作り出した後に、加熱される。
【0157】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクは、当該第2の貯蔵タンクにおいて当該減圧状態を作り出した後に、加熱される。
【0158】
好ましくは、当該第1の貯蔵タンクから送出ノズルへ当該コーティング物質を供給することは、当該第1の貯蔵タンクにおいて当該減圧状態を作り出した後に、当該第1の貯蔵タンクを加圧することを含む。
【0159】
好ましくは、当該第2の貯蔵タンクから送出ノズルへ当該コーティング物質を供給することは、当該第2の貯蔵タンクにおいて当該減圧状態を作り出した後に、当該第2の貯蔵タンクを加圧することを含む。
【0160】
本発明の特徴及び利点が、非限定的な実例のみによって提供される、そのいくつかの実例としての実施例の以下の詳細な説明からもたらされ、そのような説明は、添付の図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
図1】本発明の実施例による、注射医療用デバイスをコーティングするための装置の概略図である。
図2図1の装置の第1の詳細の概略図である。
図3図1の装置の第2の詳細の概略図である。
図4図1の装置の第3の詳細の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0162】
本発明の主題である、注射医療用デバイスをコーティングするための装置が、図1に概略的に示され、参照符号1によって指示される。
【0163】
装置1は、操作者によってコーティング物質で満たされ得る、入口タンク10を備える。
【0164】
入口タンク10は、アクセス・スリーブ11を備え、アクセス・スリーブ11を通して、コーティング物質が投入され得る。
【0165】
アクセス・スリーブ11は、例えば示されない特別な弁の閉鎖によって、入口タンク10の緊密に封止された遮断を可能にするように構成される。
【0166】
装置1、又は少なくとも入口タンク10及びアクセス・スリーブ11は、層流フードの内部に配設される。
【0167】
入口タンク10は、好ましくは円筒形の、側壁10aを備える。側壁10aの少なくとも部分は、少なくとも部分的に透明な材料、例えばガラスから製作され、その結果、操作者が、入口タンク10を開ける必要なく、入口タンク10の内部のコーティング物質の水準を確認することができる。側壁10aは、入口タンク10の内部のコーティング物質の量が測定されることを可能にするように適合される、目盛尺を有する。
【0168】
入口タンク10は、好ましくはステンレス鋼から製作される、下壁10b及び上壁10cをさらに備える。側壁10aは、下壁10bと上壁10cとの間に延在する。
【0169】
入口タンク10は、コーティング物質を徐々に放出するように構成される。入口タンク10は、室温で保たれる。コーティング物質は、室温でそこに投入され、室温で維持される。
【0170】
装置1は、入口タンク10からコーティング物質を取り出すように構成される、供給アセンブリ20を備える。
【0171】
サービス部材21は、入口タンク10と連係する。
【0172】
サービス部材21は、コーティング物質を供給アセンブリ20に流出させるように、入口タンク10においてコーティング物質を加圧するように構成される。
【0173】
サービス部材21は、例えば、圧力ポンプ、又は圧縮器へ接続される圧縮空気管を備える。
【0174】
供給アセンブリ20は、入口タンク10から流出するコーティング物質を受容するための、入口タンク10と流体連通する、第1の流体回路22を備える。特に、第1の流体回路22は、第1の端部23を備え、第1の端部23で、第1の流体回路22が入口タンク10へ接続される。
【0175】
供給アセンブリ20は、入口タンク10から取り出されるコーティング物質を濾過するように構成される、第1の滅菌フィルタ30aをさらに備える。第1の滅菌フィルタ30aは、好ましくは完全に、コーティング物質から生物学的汚染物質を除去するように構成される。
【0176】
好ましい実施例において、第1の滅菌フィルタ30aは、0.22μm(マイクロメートル)のメッシュ・サイズを有する。
【0177】
第1の滅菌フィルタ30aは、入口タンク10から第1の接合部33に延在する第1の導管分岐部31、及び第1の接合部33から第1の滅菌フィルタ30aに延在する第2の導管分岐部32aを有する第1の導管を通して、入口タンク10と流体連通して、第1の流体回路22に設置される。
【0178】
第1の導管分岐部31及び第2の導管分岐部32aは、好ましくは、ステンレス鋼から、又は耐熱プラスチック材料、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン:polytetrafluoroethylene)又はFEP(フッ化エチレンプロピレン:fluorinated ethylene propylene)から製作される。
【0179】
サービス部材21は、コーティング物質に所定の流量を有する第1の滅菌フィルタ30aを通過させるために十分である圧力を有する、コーティング物質を提供するように構成される。
【0180】
供給アセンブリ20は、図2に概略的に示され、好ましくはステンレス鋼から製作される、第1の貯蔵タンク40をさらに備える。
【0181】
第1の貯蔵タンク40は、第1の滅菌フィルタ30aの下流に設置され、第1の滅菌フィルタ30aを通して入口タンク10と流体連通し、その結果、第1の貯蔵タンク40は、入口タンク10から取り出され、第1の滅菌フィルタ30aによって濾過された、コーティング物質を一時的に貯蔵することができる。
【0182】
第1の流体回路22は、第1の滅菌フィルタ30aを第1の貯蔵タンク40と流体連通させるための、第1の滅菌フィルタ30aから第1の貯蔵タンク40へ延在する、第2の導管41を備える。第1の流体回路22は、第2の端部42をさらに備え、第2の端部で、第1の流体回路22が第1の貯蔵タンク40へ接続され、第2の端部を通して、コーティング物質が第1の貯蔵タンク40に投入される。
【0183】
第2の導管41は、好ましくは、ステンレス鋼から、又は耐熱プラスチック材料、例えばPTFE若しくはFEPから製作される。
【0184】
サービス部材21によってコーティング物質へ与えられる圧力は、コーティング物質が、それが第1の貯蔵タンク40に到達するまで、入口タンク10から第1の導管分岐部31、第2の導管分岐部32a、第1の滅菌フィルタ30a及び第2の導管41を通って流れることを可能にする。
【0185】
第1の加圧部材44、例えば圧力ポンプ又は圧縮器と流体連通する圧縮空気管は、第1の貯蔵タンク40と連係して、選択的な及び制御された方式で第1の貯蔵タンク40に貯蔵されるコーティング物質を加圧する。特に、第1の加圧部材44は、大気圧を超える、及び250kPa(2.5bar)未満、より好ましくは200kPa(2bar)未満の圧力へ、第1の貯蔵タンク40におけるコーティング物質を加圧するように構成される。
【0186】
第1の減圧部材45、例えば真空ポンプは、第1の貯蔵タンク40と連係して、選択的な及び制御された方式で第1の貯蔵タンク40に貯蔵されるコーティング物質を減圧する。
【0187】
特に、第1の減圧部材45は、コーティング物質を、好ましくは5kPa(50mbar)~40kPa(400mbar)に含まれ、より好ましくは10kPa(100mbar)~30kPa(300mbar)に含まれ、例えば約20kPa(200mbar)である、大気圧未満の圧力にするために、第1の貯蔵タンク40におけるコーティング物質を減圧するように構成される。
【0188】
第1の貯蔵タンク40は、第1の貯蔵タンク40の充填水準を検出するように構成される、第1の充填水準検出器46を備える。第1の充填水準検出器46は、例えば、第1の貯蔵タンク40におけるコーティング物質の圧力を測定するように構成される、ロード・セルを備え得る。
【0189】
第1の加熱要素47は、第1の貯蔵タンク40と連係して、選択的な及び制御された方式で第1の貯蔵タンク40及びその中に包含されるコーティング物質を加熱する。第1の加圧要素47は、第1の貯蔵タンク40に、好ましくは第1の貯蔵タンク40の外部に取外し可能に搭載される。
【0190】
好ましい実施例において、第1の加熱要素47は、断熱材から少なくとも部分的に製作され、第1の貯蔵タンク40の外部に設置される、第1の保温ジャケット48に一体化される。第1の加熱要素47は、例えば、電気抵抗器、又は加熱流体が循環する加熱導管(コイル)を備え得る。
【0191】
第1の保温ジャケット48は、第1の加熱要素47によって与えられる熱を散逸させないように、第1の貯蔵タンク40を断熱するように構成される。第1の貯蔵タンク40は、例えば保守又は清掃作業を行うために、第1の保温ジャケット48から取り外され得る。
【0192】
第1の温度センサ49aが、第1の保温ジャケット48及び、したがって、第1の貯蔵タンク40と連係して、第1の保温ジャケット48の、並びに、したがって、第1の貯蔵タンク40の、及び第1の貯蔵タンク40に含有されるコーティング物質の温度を監視する。好ましくは、第1の温度センサ49aは、第1の貯蔵タンク40に含有されるコーティング物質の温度が120℃に達したことを確認するための、第1の保温ジャケット48の内部に設置される温度センサを備える。
【0193】
供給アセンブリ20は、第2の滅菌フィルタ30b、及び第2の滅菌フィルタ30bの下流に設置される第2の貯蔵タンク50をさらに備える。第2の滅菌フィルタ30b及び第2の貯蔵タンク50は、図3に概略的に示され、それぞれ、第1の滅菌フィルタ30a及び第1の貯蔵タンク40と類似する。
【0194】
第2の滅菌フィルタ30bは、入口タンク10から取り出され、第2の貯蔵タンク50へ供給される、コーティング物質を濾過するように構成される。
【0195】
第1の滅菌フィルタ30aと同様に、第2の滅菌フィルタ30bもまた、好ましくは完全に、コーティング物質から生物学的汚染物質を排除するように構成され、0.22μmのメッシュ・サイズを有する。
【0196】
第2の滅菌フィルタ30bは、入口タンク10から第1の接合部33に延在する第1の導管分岐部31、及び第1の接合部33から第2の滅菌フィルタ30bに延在する第3の導管分岐部32bを備える第3の導管を通して、入口タンク10と流体連通して、第1の流体回路22に設置される。
【0197】
第3の導管分岐部32bはまた、好ましくは、ステンレス鋼から、又は耐熱プラスチック材料、例えばPTFE若しくはFEPから製作される。
【0198】
サービス部材21は、コーティング物質に所定の流量を有する第2の滅菌フィルタ30bを通過させるために十分である圧力を有する、コーティング物質を提供するように構成される。
【0199】
第2の貯蔵タンク50は、第2の滅菌フィルタ30bを通して入口タンク10と流体連通して、設置される。第2の貯蔵タンク50は、入口タンク10から取り出され、第2の滅菌フィルタ30bによって濾過される、コーティング物質を一時的に貯蔵するように構成される。
【0200】
好ましい実施例において、第2の貯蔵タンク50は、ステンレス鋼から製作される。
【0201】
第1の流体回路22は、第2の滅菌フィルタ30bを第2の貯蔵タンク50と流体連通させるための、第2の滅菌フィルタ30bから第2の貯蔵タンク50へ延在する、第4の導管51を備える。
【0202】
第2の流体回路22は、第3の端部52をさらに備え、第3の端部52で、第1の流体回路22が第2の貯蔵タンク50へ接続され、第3の端部52を通して、コーティング物質が第2の貯蔵タンク50に投入される。
【0203】
第4の導管51は、好ましくは、ステンレス鋼から、又は耐熱プラスチック材料、例えばPTFE若しくはFEPから製作される。
【0204】
コーティング物質は、入口タンク10から第2の貯蔵タンク50へ運ばれ得る。サービス部材21によってコーティング物質へ与えられる圧力は、コーティング物質が、それが第2の貯蔵タンク50に到達するまで、入口タンク10から第1の導管分岐部31、第3の導管分岐部32b、第2の滅菌フィルタ30b及び第4の導管51を通って流れることを可能にする。
【0205】
示されない実施例において、装置1は、当該の2つの滅菌フィルタ30a、30bの代わりに、単一の滅菌フィルタを備える。そのような単一の滅菌フィルタは、第1の導管分岐部31に配設され、第1の接合部33が、前述の単一の滅菌フィルタと第1の貯蔵タンク40と第2の貯蔵タンク50との間に設置され得る。代替的に、前述の単一の滅菌フィルタは、第1の接合部33に設置され得る。両方の場合において、第2の導管分岐部32a及び第2の導管41は、単一の導管を画定する。
【0206】
第1の接合部33を通して、コーティング物質は、第1の導管分岐部31、第2の導管分岐部32a、第1の滅菌フィルタ30a及び第2の導管41を通して、入口タンク10から第1の貯蔵タンク40へ、又は第1の導管分岐部31、第3の導管分岐部32b、第2の滅菌フィルタ30b及び第4の導管51を通して、入口タンク10から第2の貯蔵タンク50へ、二者択一的に及び制御された方式で方向付けられ得る。
【0207】
図1に示されるように、第1の流体回路22は、例えば接合部33に設置され、制御された方式で第1の流体回路22から第1の貯蔵タンク40又は第2の貯蔵タンク50のいずれかを隔離するように構成される、入口弁43を備える。
【0208】
入口弁43は、入口タンク10から第1の貯蔵タンク40又は第2の貯蔵タンク50へ、コーティング物質を選択的に方向付けるように制御される。
【0209】
好ましくは、入口弁43は、三方弁である。
【0210】
代替的に、例えば第2の端部42に設置される第1の入口弁、及び例えば第3の端部52に設置される第2の入口弁が、制御された方式で第1の流体回路22から第1の貯蔵タンク40又は第2の貯蔵タンク50をそれぞれ隔離するために、設けられ得る。
【0211】
第2の加圧部材54、例えば圧力ポンプ又は圧縮器と流体連通する圧縮空気管は、第2の貯蔵タンク50と連係して、選択的な及び制御された方式で第2の貯蔵タンク50に貯蔵されるコーティング物質を加圧する。第2の加圧部材54は、大気圧を超える、及び250kPa(2.5bar)未満、より好ましくは200kPa(2bar)未満の圧力へ、第2の貯蔵タンク50におけるコーティング物質を加圧するように構成される。
【0212】
第2の減圧部材55、例えば真空ポンプは、第2の貯蔵タンク50と連係して、選択的な及び制御された方式で第2の貯蔵タンク50に貯蔵されるコーティング物質を減圧する。第2の減圧部材55は、コーティング物質を、好ましくは5kPa(50mbar)~40kPa(400mbar)に含まれ、さらにより好ましくは10kPa(100mbar)~30kPa(300mbar)に含まれ、例えば約20kPa(200mbar)である、大気圧未満の圧力にするために、第22の貯蔵タンク50におけるコーティング物質を減圧するように構成される。
【0213】
第2の貯蔵タンク50は、第2の貯蔵タンク50の充填水準を検出するように構成される、第2の充填水準検出器56を備える。第2の充填水準検出器56は、例えば、第2の貯蔵タンク50におけるコーティング物質の圧力を測定するように構成される、ロード・セルを備え得る。
【0214】
第2の加熱要素57は、第2の貯蔵タンク50と連係して、制御された方式でその中に包含されるコーティング物質を加熱する。第2の加圧要素57は、第2の貯蔵タンク50に、好ましくは第2の貯蔵タンク50の外部に取外し可能に搭載される。
【0215】
好ましい実施例において、第2の加熱要素57は、断熱材から少なくとも部分的に製作され、第2の貯蔵タンク50の外部に設置される、第2の保温ジャケット58に一体化される。第2の加熱要素57は、例えば、電気抵抗器、又は加熱流体が循環する加熱導管(コイル)を備え得る。
【0216】
第2の保温ジャケット58は、第2の加熱要素57によって与えられる熱を散逸させないように、第2の貯蔵タンク50を断熱するように構成される。第2の貯蔵タンク50は、例えば保守又は清掃作業を実行するために、第2の保温ジャケット58から取り外され得る。
【0217】
第2の温度センサ59aが、第2の保温ジャケット58及び、したがって、第2の貯蔵タンク50と連係して、第2の保温ジャケット58の、並びに、したがって、第2の貯蔵タンク50の、及びその中に含有されるコーティング物質の温度を監視する。好ましくは、第2の温度センサ59aは、第2の貯蔵タンク50に含有されるコーティング物質の温度が120℃に達したことを確認するための、第2の保温ジャケット59aの内部に設置される温度センサを備える。
【0218】
供給アセンブリ20は、第1の貯蔵タンク40と、及び第2の貯蔵タンク50と流体連通する、第2の流体回路60をさらに備える。
【0219】
第2の流体回路60は、第1の貯蔵タンク40へ接続される第1の端部61、及び第2の貯蔵タンク50へ接続される第2の端部62を備える。
【0220】
図2及び図3に示されるように、第1の入口弁64は、例えば第1の端部61に配設され、制御された方式で第2の流体回路60から第1の貯蔵タンク40を隔離するように構成される。同様に、第2の出口弁65は、例えば第2の端部62に配設され、制御された方式で第2の流体回路60から第2の貯蔵タンク50を隔離するように構成される。
【0221】
図1に示されるように、供給アセンブリ20はまた、第1の貯蔵タンク40と、及び第2の貯蔵タンク50と流体連通する、供給ポンプ70を備える。供給ポンプ70は、第2の流体回路60に配設され、好ましくは、容積ポンプである。
【0222】
好ましい実施例において、供給ポンプ70は、ポンプ内でコーティング物質を加熱するように構成される、それぞれの加熱要素70aを備える。例えば、加熱要素70aは、供給ポンプ70の筐体に適用される、又はそれに一体化される、1つ又は複数の電気抵抗器を備え得る。
【0223】
第2の流体回路60は、供給ポンプ70へ第1の貯蔵タンク40を接続する第1の導管71、及び供給ポンプ70の吸引ヘッドへ第2の貯蔵タンク50を接続する第2の導管72を備える。
【0224】
第1の導管71及び第2の導管72は、好ましくは、ステンレス鋼から、又は耐熱プラスチック材料、例えばPTFE若しくはFEPから製作される。
【0225】
第1の導管71及び第2の導管72は、第1の貯蔵タンク40と、第2の貯蔵タンク50と、供給ポンプ70との間に設置される、第2の接合部73において合流する。第1の導管71及び第2の導管72は、図1に示されるように、第2の接合部73と供給ポンプ70との間の共通区画を備え得る。
【0226】
好ましくは、第1の導管71及び第2の導管72は、等しい長さ及び流体通路断面を有する。さらに、第1の導管71及び第2の導管72は、それらに沿って一定の流体通路断面を有する。
【0227】
コーティング物質は、選択的に及び制御された方式で、第1の貯蔵タンク40から第1の導管71を通して、又は第2の貯蔵タンク50から第2の導管72を通して、供給ポンプ70へ供給され得る。
【0228】
第1の出口弁64及び第2の出口弁65は、コーティング物質が第1の貯蔵タンク40から、又は第2の貯蔵タンク50から交替で供給されることを可能にするように、制御され得る。
【0229】
装置1は、コーティング物質を送るように構成され、供給アセンブリ20と流体連通する、少なくとも1つの送出ノズル80を備える。
【0230】
第2の流体回路60は、供給ポンプ70を送出ノズル80と流体連通させるための、供給ポンプ70から、特に供給ポンプ70の送出ヘッドから送出ノズル80へ延在する、第3の導管81を備える。第2の流体回路60は、第3の端部82をさらに備え、第2の端部82で、第2の流体回路60が送出ノズル80へ接続され、第3の端部82を通して、コーティング物質が送出ノズル80へ供給される。
【0231】
第3の導管81は、好ましくは、ステンレス鋼から、又は耐熱プラスチック材料、例えばPTFE若しくはFEPから製作される。
【0232】
複数の第3の加熱要素90は、第2の流体回路60と連係して、その中に流れるコーティング物質を加熱する。第3の加熱要素90のうちの1つが、図4に概略的に示される。
【0233】
好ましい実施例において、第3の加熱要素は、断熱材から製作され、第2の流体回路60のそれぞれの部分に取外し可能に取り付けられる、それぞれの保温ジャケット91に一体化される。
【0234】
第3の加熱要素90は、例えば、電気抵抗器、又は加熱流体が循環する加熱導管を備え得る。
【0235】
図4に示されるように、各保温ジャケット91は、それぞれの第3の加熱要素90が動作する第2の流体回路60の部分の温度を測定するように構成される、温度センサ92をさらに備える。
【0236】
図1に示される実施例において、複数の保温ジャケット91のうちの第1の保温ジャケット91a及び連係する加熱要素90は、第1の端部61から第2の接合部73へ延在する第1の導管71の区画に適用され、複数の保温ジャケット91のうちの第2の保温ジャケット91b及び連係する第3の加熱要素90は、第2の端部62から第2の接合部73へ延在する第2の導管72の区画に適用され、複数の保温ジャケット91のうちの第3の保温ジャケット91d及び連係する第3の加熱要素90は、第2の接合部73から供給ポンプ70へ延在する第1の導管71及び第2の導管72の共通区画に適用され、複数の保温ジャケット91のうちの第4の保温ジャケット91c及び連係する第3の加熱要素90は、供給ポンプ70から送出ノズル80へ延在する第3の導管81に適用される。
【0237】
その好ましい実施例において、装置1は、複数の送出ノズル80及び対応する複数の第3の導管81を備え、各々が、それぞれの第4の保温ジャケット91c及びそれぞれの第3の加熱要素90を備える。
【0238】
各送出ノズル80は、それぞれの注射医療用デバイスにコーティング物質を吹き付けるように構成される。
【0239】
各送出ノズル80は、送られるコーティング物質を加熱するように構成される、それぞれの加熱要素85を設けられ得る。例えば、そのような加熱要素は、送出ノズル80へ適用される、又は送出ノズル80に一体化される、電気抵抗器であり得る。
【0240】
各送出ノズル80は、好適な送出ガス、例えば圧縮空気のソース100から来る加圧されたガスを供給することによって、コーティング物質を噴霧するように構成される。ソース100は、5psi(34kPa(0.34bar))~150psi(1.034MPa(10.34bar))に含まれ、好ましくは約30psi(207kPa(2.07bar))である圧力で、ガスを送るように構成される。
【0241】
ソース100は、それぞれの導管101によって各送出ノズル80と連係する。
【0242】
装置1は、複数の注射医療用デバイス、特にそれぞれのシリンジのシリンダを支持するように構成される、可動式支持フレームを備える。
【0243】
送出ノズル80及びシリンジ・シリンダ支持フレームは、それぞれのシリンダにおいて各送出ノズル80を挿入する/取り外すために、互いに対して移動可能である。
【0244】
好ましい実施例において、送出ノズル80とシリンジ・シリンダ支持フレームとの相対的移動は、後者を固定される送出ノズル80に対して移動させることによって、行われる。
【0245】
第1の貯蔵タンク40は、それが入口タンク10から取り出されるコーティング物質を受容及び貯蔵する、充填状態に設定され得る。充填状態において、入口弁43は、第2の導管分岐部32aに向かって開き、第3の導管分岐部32bに向かって閉じられる。
【0246】
第1の貯蔵タンク40はまた、その中に存在するコーティング物質があらゆる気泡を除去するために減圧される、減圧状態に設定され得る。減圧状態において、入口弁43は、第2の導管分岐部32aに向かって閉じられ、第1の出口弁64が閉じられ、第1の減圧部材45が作動される。
【0247】
第1の貯蔵タンク40はまた、その中に存在するコーティング物質が加熱される、加熱状態に設定され得る。加熱状態において、入口弁43は、第2の導管分岐部32aに向かって閉じられ、第1の出口弁64が閉じられ、第1の加熱要素47が作動される。
【0248】
第1の貯蔵タンク40はまた、その中に存在するコーティング物質が取り出されて、送出ノズル80へ供給される、供給状態に設定され得る。供給状態において、入口弁43は、第2の導管分岐部32aに向かって閉じられ、第1の出口弁64が開き、第1の加圧要素44が作動される。
【0249】
同様に、第2の貯蔵タンク50は、それが入口タンク10から取り出されるコーティング物質を受容及び貯蔵する、充填状態に設定され得る。充填状態において、入口弁43は、第3の導管分岐部32bに向かって開き、第1の導管分岐部32aに向かって閉じられる。
【0250】
第2の貯蔵タンク50はまた、その中に貯蔵されるコーティング物質があらゆる気泡を除去するために減圧される、減圧状態に設定され得る。減圧状態において、入口弁43は、第3の導管分岐部32bに向かって閉じられ、第2の出口弁65が閉じられ、第2の減圧部材55が作動される。
【0251】
第2の貯蔵タンク50はまた、その中に貯蔵されるコーティング物質が加熱される、加熱状態に設定され得る。加熱状態において、入口弁43は、第3の導管分岐部32bに向かって閉じられ、第2の出口弁65が閉じられ、第2の加熱要素57が作動される。
【0252】
第2の貯蔵タンク50はまた、その中に貯蔵されるコーティング物質が取り出されて、送出ノズル80へ供給される、供給状態に設定され得る。供給状態において、入口弁43は、第3の導管分岐部32bに向かって閉じられ、第2の出口弁65が開き、第2の加圧部材54が作動される。
【0253】
装置1は、少なくとも入口弁43、第1の出口弁64、第2の出口弁65、第1の加圧部材44、第1の減圧部材45、第1の加熱要素47、第2の加圧部材54、第2の減圧部材55及び第2の加熱要素57へ動作可能に接続される、制御ユニット5をさらに備える。
【0254】
制御ユニット5は、供給状態へ第1の貯蔵タンク40及び第2の貯蔵タンク50を交替で設定するように、及び初期の過渡状態の後に、前述の供給状態で第1の貯蔵タンク40又は第2の貯蔵タンク50を交替で維持するように構成される。
【0255】
第1の貯蔵タンク40と第2の貯蔵タンク50の一方が供給状態にある場合に、制御ユニット5は、第1の貯蔵タンク40と第2の貯蔵タンク50の他方を充填状態に、その後、減圧状態に、その後、加熱状態に設定する。特に、制御ユニット5は、5~30分間に含まれる時間、減圧状態を維持するように構成される。
【0256】
コーティング物質で注射医療用デバイスをコーティングするために、コーティング物質は、入口タンク10に投入される。好ましくは、コーティング物質は、シリコーン系油を含む。好ましくは、注入されるコーティング物質は、110cm/s(11000cSt)~140cm/s(14000cSt)、さらにより好ましくは120cm/s(12000cSt)~130cm/s(13000cSt)に含まれ、例えば約125cm/s(12500cSt)である、100cm/s(10000cSt)を超える粘度を有する。好ましくは、コーティング物質は、予め滅菌されていない。好ましくは、コーティング物質及び入口タンクは、室温である。
【0257】
その後、コーティング物質は、サービス部材21によって入口タンク10おけるコーティング物質を加圧する、入口タンク10から取り出される。コーティング物質は、したがって、入口タンク10から排出し、第1の導管分岐部31に、及び第1の接合部33及び入口弁43を通って第2の導管分岐部32aに流れる。そのような場合において、入口弁43は、第2の導管分岐部32aに向かって開き、第3の導管分岐部32bに向かって閉じられる。
【0258】
次に、コーティング物質は、第1の滅菌フィルタ30aによって濾過され、第2の導管41を通して第1の貯蔵タンク40に投入される。
【0259】
このようにして、コーティング物質は、第1の貯蔵タンク40に貯蔵される。
【0260】
その後、第2の導管分岐部32aは、第1の貯蔵タンク40に貯蔵されるコーティング物質を隔離するために、入口弁43によって閉じられる。
【0261】
次に、第1の貯蔵タンク40に貯蔵されたコーティング物質は、減圧される。そのような減圧は、第1の減圧部材45によって実行される。第1の貯蔵タンク40におけるコーティング物質の圧力は、あらゆる気泡を除去するために、5~30分間に含まれる時間、好ましくは5kPa(50mbar)~40kPa(400mbar)に含まれ、さらにより好ましくは10kPa(100mbar)~30kPa(300mbar)に含まれ、例えば約20kPa(200mbar)である、大気圧未満の値にされる。
【0262】
第1の貯蔵タンク40に貯蔵されたコーティング物質を減圧した後に、そのようなコーティング物質は、第1の加熱要素47によって加熱される。特に、コーティング物質は、100℃以上、より好ましくは120℃の温度に到達するまで、加熱される。代替的に、コーティング物質は、第1の貯蔵タンク40における減圧の前、又はその間に、加熱され得る。
【0263】
第1の貯蔵タンク40にコーティング物質を入れた後に、入口弁43は、第2の導管分岐部32aを閉じ、第3の導管分岐部32bを開く。それによって、コーティング物質は、第2の滅菌フィルタ30bを通して、入口タンク10から第2の貯蔵タンク50へ投入され得る。
【0264】
コーティング物質は、したがって、第2の貯蔵タンク50に貯蔵される。
【0265】
次に、第3の導管分岐部32bは、第2の貯蔵タンク50に貯蔵されるコーティング物質を隔離するために、入口弁43によって閉じられる。
【0266】
次に、第2の貯蔵タンク50に貯蔵されたコーティング物質は、減圧される。そのような減圧は、第2の減圧部材55によって実行される。第2の貯蔵タンク50におけるコーティング物質の圧力は、あらゆる気泡を除去するために、5~30分間に含まれる時間、好ましくは5kPa(50mbar)~40kPa(400mbar)に含まれ、さらにより好ましくは10kPa(100mbar)~30kPa(300mbar)に含まれ、例えば約20kPa(200mbar)である、大気圧未満の値にされる。
【0267】
第2の貯蔵タンク50に貯蔵されたコーティング物質を減圧した後に、そのようなコーティング物質は、第2の加熱要素57によって加熱される。特に、コーティング物質は、100℃以上、より好ましくは120℃の温度に到達するまで、加熱される。代替的に、コーティング物質は、第2の貯蔵タンク50における減圧の前又はその間に、加熱され得る。
【0268】
その後、コーティング物質は、供給ポンプ70を操作し、第2の出口弁65を閉じた状態で保ちつつ、第1の出口弁64を開き、第1の加圧部材44によって第1の貯蔵タンク40におけるコーティング物質を加圧することによって、第1の貯蔵タンク40から送出ノズル80へ供給される。第1の貯蔵タンク40におけるコーティング物質の圧力は、大気圧を超える、及び250kPa(2.5bar)未満、より好ましくは200kPa(2bar)未満の値へ上昇される。
【0269】
コーティング物質は、したがって、それが送出ノズル80に到達するまで、第1の貯蔵タンク40から第1の導管71、供給ポンプ70及び第3の導管81を通って流れる。
【0270】
コーティング物質が第1の貯蔵タンク40から送出ノズル80へ供給される間、コーティング物質は、特に第3の加熱要素90によって、さらに加熱される。
【0271】
コーティング物質が第1の貯蔵タンク40から送出ノズル80へ供給される間、入口タンク10から来るさらなるコーティング物質は、上記の通りに、第2の貯蔵タンク50において投入され、貯蔵され、減圧され、加熱される。
【0272】
第1の貯蔵タンク40におけるコーティング物質が所定の最低水準を割る又は下回る場合に、第1の貯蔵タンク40から送出ノズル80へのコーティング物質の供給は、特に第1の出口弁64を閉じることによって、中断される。次に、コーティング物質は、第2の貯蔵タンク50から送出ノズル80へ供給される。それによって、送出ノズル80へのコーティング物質の供給は、中断されない。
【0273】
第2の貯蔵タンク50から送出ノズル80へコーティング物質を供給するために、第2の出口弁64は、第1の出口弁65を閉じた状態で保ちつつ、開かれ、コーティング物質は、特に第2の加圧部材54によって、第2の貯蔵タンク50において加圧される。第2の貯蔵タンク50におけるコーティング物質の圧力は、大気圧を超える、及び250kPa(2.5bar)未満、より好ましくは200kPa(2bar)未満の圧力へ上昇される。
【0274】
コーティング物質は、したがって、それが送出ノズル80に到達するまで、第2の貯蔵タンク50から第2の導管72、供給ポンプ70及び第3の導管81を通って流れる。
【0275】
コーティング物質が第2の貯蔵タンク50から送出ノズル80へ供給される間、コーティング物質は、特に第3の加熱要素90によって、さらに加熱される。
【0276】
コーティング物質が第2の貯蔵タンク50から送出ノズル80へ供給される間、入口タンク10からのさらなるコーティング物質は、上記の通りに、第1の貯蔵タンク40において投入され、貯蔵され、減圧され、加熱される。
【0277】
第2の貯蔵タンク50におけるコーティング物質が所定の最低水準を割る又は下回る場合に、第2の貯蔵タンク50から送出ノズル80へのコーティング物質の供給は、特に第2の出口弁65を閉じることによって、中断される。その後、サイクルは、第1の貯蔵タンク40から送出ノズル80へコーティング物質を供給することによって、再始動される。
【0278】
送出ノズル80へ供給されるコーティング物質は、ソース100から加圧されたガスを供給することによって、送出ノズル80において噴霧される。
【0279】
噴霧されたコーティング物質は、その後、光リフレクトメトリによって測定され、100~200nmに含まれ、50nm以下、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下、及びさらにより好ましくは20nm以下の厚さの標準偏差を有する、平均厚さを注射医療用デバイスにおいて得るように、送出ノズル80から注射医療用デバイスに送られる。
【0280】
当然のことながら、特定の及び不確定な要求を満たすために、当業者は、上記で説明された本発明へ多数の改変及び変形を行うことが可能であるが、それにもかかわらず、その全てが、以下の特許請求の範囲によって規定される保護範囲に適合する。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】