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特開2024-25756グリーンボディ部品及び接合部品の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025756
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】グリーンボディ部品及び接合部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/14 20210101AFI20240216BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20240216BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B22F10/14
B22F1/00 M
B22F1/00 T
B22F1/00 N
B22F1/00 L
B28B1/30
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023130898
(22)【出願日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】63/396,721
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルンクマール、ナタラジャン
(72)【発明者】
【氏名】クォック ポン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム シー.アルバーツ
(72)【発明者】
【氏名】シヴァルバン シヴァナタン
(72)【発明者】
【氏名】エリオット シー.ディルガー
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ エイチ.ウィルソン
【テーマコード(参考)】
4G052
4K018
【Fターム(参考)】
4G052DA02
4G052DC06
4K018AA04
4K018AA06
4K018AA08
4K018AA10
4K018AA15
4K018AA25
4K018AA32
4K018AB01
4K018BA03
4K018BA04
4K018BA08
4K018BA14
4K018BA17
(57)【要約】
【解決手段】グリーンボディ部品(360)は、第1グリーン部分(340a)と、第2グリーン部分(340a)と、前記第1グリーン部分(340a)と前記第2グリーン部分(340a)との間の界面接合部(362)と、前記界面接合部(362)に配置された接合材料(350)と、を含む。前記接合材料(350)は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含む。接合部品(360)の製造方法は、第1グリーン部分(340a)の面(352)に接合材料(350)を塗布し、第2グリーン部分(340b)を前記第1グリーン部分(340a)の面(352)の前記接合材料(350)に接触させて、接合グリーン部品(360)を形成する。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1粒状材料(316a)の第1複数層(314)を含む第1グリーン部分(340a)と、
第2粒状材料(316b)の第2複数層(314)を含む第2グリーン部分(340a)と、
前記第1グリーン部分(340a)と前記第2グリーン部分(340a)との間の界面接合部(362)と、
前記界面接合部(362)に配置された接合材料(350)と、
を含み、
前記接合材料(350)は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含む、
グリーンボディ部品(360)。
【請求項2】
前記粉末が金属粉末を含み、
前記金属粉末が、ニッケル合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム合金、アルミニウム合金、鉄合金、チタン合金、銅合金、銅ニッケル合金、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項3】
前記粉末がセラミック粉末を含み、
前記セラミック粉末が、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および窒化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項4】
前記接合材料(350)がバインダをさらに含み、
前記バインダが複数の反応性モノマーを含む、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項5】
前記バインダが、増粘剤をさらに含み、
前記増粘剤が、ポリスチレン、ポリカーボネート、およびポリビニルピロリドンのうちの少なくとも1つを含む、
請求項4に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項6】
前記増粘剤が、10,000g/mol以上50,000g/mol以下の分子重量を有する、
請求項5に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項7】
前記接合材料の前記粉末と前記バインダとの重量比率が、3:1~8:1である、
請求項4~請求項6のいずれか1項に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項8】
第1粒状材料(316a)の第1複数層(314)を含む第1グリーン部分(340a)と、第2粒状材料(316b)の第2複数層(314)を含む第2グリーン部分(340b)とを提供し、
前記第1グリーン部分(340a)の面(352)に接合材料(350)を塗布し、
前記接合材料(350)は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含み、
前記第2グリーン部分(340b)を前記第1グリーン部分(340a)の面(352)の前記接合材料(350)に接触させて、前記第1グリーン部分(340a)と前記第2グリーン部分(340b)との間に界面接合部(362)を有する接合グリーンボディ部品(360)を形成する、
接合部品(360)の製造方法。
【請求項9】
前記接合材料(350)を硬化させるために、65℃以上140℃以下の温度で前記接合グリーンボディ部品(360)を加熱することをさらに含む、
請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記接合グリーンボディ部品(360)を第1温度より高く加熱して、バインダの少なくとも一部分を除去し、前記粉末の少なくとも一部分を焼結して、前記焼結された粉末が前記第1粒状材料(316a)と前記第2粒状材料(316b)との間にネック領域(366)を形成することで、接合ブラウンボディ部品(370)を形成し、
前記接合ブラウンボディ部品(370)を第2温度より高く加熱して、前記第1粒状材料(316a)と前記第2粒状材料(316b)とを焼結することで、接合された固結部品(380)を形成する、
請求項8または請求項9に記載の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、付加製造に関する。より具体的には、本明細書は、接合材料を含む、付加製造された接合部品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
3次元(3D)プリントとしても知られる付加製造は、物体を形成するために物質が層ごとに構築される方法である。バインダジェットは、3D物体を形成するために粉末の微粒子を接合するためのバインダの使用に基づく付加製造技術である。特に、バインダはビルドボリューム内の粉末の連続する層上にジェットされ、ここで、粉末およびバインダの層は3D物体を形成するために互いに接着する。
【0003】
2つ以上のバインダジェット部分は(例えば、焼結接合を使用して)接合されて、単一の部分をプリントすることによって得ることができなかった比較的複雑な形または大きな寸法を有する物体を形成してもよい。しかしながら、バインダジェット部は、面が凹凸状であるかもしれない。そのため、接合ステップでは、接合インターフェースの気孔が発生し、接合強度が低下するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、継ぎ目のない接合部を有する付加製造された部品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様A1によれば、グリーンボディ部品は第1粒状材料の第1複数層を含む第1グリーン部分と、第2粒状材料の第2複数層を含む第2グリーン部分と、第1グリーン部分と第2グリーン部分との間の界面接合部と、界面接合部内に配置された接合材料とを含むことができ、接合材料は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含む。
【0006】
第2態様A2は第1態様A1によるグリーンボディ部品を含み、粉末は金属粉末を含み、金属粉末は、ニッケル合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム合金、アルミニウム合金、鉄合金、チタン合金、銅合金、および銅ニッケル合金のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
第3態様A3は第1態様A1によるグリーンボディ部品を含み、粉末はセラミック粉末を含み、セラミック粉末は、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および窒化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
第4態様A4は第1~第3態様A1~A3のいずれか1つに記載のグリーンボディ部品を含み、接合材料はバインダをさらに含み、バインダは、複数の反応性モノマーを含む。
【0009】
第5態様A5は第1態様A4に記載のグリーンボディ部品を含み、バインダは、増粘剤をさらに含む。
【0010】
第6態様A6は、増粘剤がポリスチレン、ポリカーボネート、およびポリビニルピロリドンのうちの少なくとも1つを含む、第5態様A5に記載のグリーンボディ部品を含む。
【0011】
第7態様A7は第5態様A5または第6態様A6に記載のグリーンボディ部品を含み、増粘剤は、10,000g/mol以上50,000g/mol以下の分子量を有する。
【0012】
第8態様A8は第1~第7態様A1~A7のいずれか1つに記載のグリーンボディ部品を含み、接合材料中の粉末とバインダとの重量比率は、3:1~8:1である。
【0013】
第9態様A9は第1~第8態様A1~A8のいずれか1つに記載のグリーンボディ部品を含み、接合材料は、75重量%以上88重量%以下の粉末と、12重量%以上25重量%以下のバインダとを含む。
【0014】
第10態様A18は第1~第9態様A1~A9のいずれか1つに記載のグリーンボディ部品を含み、接合材料は、100cP以上50,000cP以下の粘度を有する。
【0015】
第11態様A11は、複数の反応性モノマーがエポキシモノマー、アクリレートモノマー、およびビニルエーテルモノマーのうちの少なくとも1つを含む、第1~第10態様A1~A10のいずれか1つに記載のグリーンボディ部品を含む。
【0016】
第12態様A12は、エポキシモノマーが3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジグリシジル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、ジシクロペンタジエンジオキシド、1,2-ブタンジオールジグリシジルエーテル、および1,2-エポキシドデカンのうちの少なくとも1つを含む、第11態様A11によるグリーンボディ部品を含む。
【0017】
第13態様A13は、アクリレートモノマーがシアノアクリレート、アリルシアノアクリレート、アルキルアヤノアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレート(1PH/OH)ジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、およびトリ(プロピレングリコール)ジアクリレートのうちの少なくとも1つを含む、第11態様A11に記載のグリーンボディ部品を含む。
【0018】
第14態様A14は、ビニルエーテルモノマーがシクロヘキシルビニルエーテル、及びジエチレングリコールジビニルエーテルのうちの少なくとも1つを含む、第11態様A11に記載のグリーンボディ部品を含む。
【0019】
第15態様A15は第4~第14態様A4-A14のいずれかに記載のグリーンボディ部分を含み、前記接合材料は0.01重量%以上2重量%以下の熱開始剤をさらに含み、前記熱開始剤は、ブロックされたアンモニウムアンチモンヘキサフルオライド触媒、1,1′-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、(4-ヒドロキシフェニル)メチル(2-メチルベンジル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸エステル、およびベンジル(4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸エステルのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
第16態様A16は、界面接合部が少なくとも1つの湾曲部分を有する、第1~第15態様A1~A15のいずれかに記載のグリーンボディ部品を含む。
【0021】
第17態様A17は第1~第16態様A1~A16のいずれかに記載のグリーンボディ部品を含み、粉末は、第1粒状材料および第2粒状材料のうちの少なくとも1つと同じ要素を含む。
【0022】
第18態様A18は第1~第17態様A1~A17のいずれかに記載のグリーンボディ部品を含み、第1粒状材料および第2粒状材料のうちの少なくとも1つは金属粒状材料を含み、金属粒状材料はニッケル合金、コバルト合金、コバルトクロム合金、チタン合金、アルミニウム系合金、タングステン合金、ステンレス鋼合金、低炭素鋼、および銅のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
第19態様A19は第1~第17態様A1~A17のいずれかに記載のグリーンボディ部品を含み、第1粒状材料および第2粒状材料のうちの少なくとも1つはセラミック材料のうちの少なくとも1つを含み、セラミック材料はアルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および窒化ホウ素を含む。
【0024】
第20態様A20によれば、接合部品を製造する方法は、第1粒状材料の第1複数層と、第2粒状材料の第2複数層を含む第2グリーン部分とを含む第1グリーン部分を提供することと、第1グリーン部分の面上に接合材料を塗布することであって、接合材料が1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含む、塗布することと、第1グリーン部分の面上の接合材料に第2グリーン部分を接触させて、第1グリーン部分と第2グリーン部分との間に界面接合部を有する接合グリーン部分を形成することとを含み得る。
【0025】
第21態様A21は第20態様A20に記載のグリーンボディ部品を含み、粉末は金属粉末を含み、金属粉末は、ニッケル合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム合金、アルミニウム合金、鉄合金、チタン合金、銅合金、および銅ニッケル合金のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
第22態様A22は第20態様A20または第21態様A21によるグリーンボディ部品を含み、接合材料はバインダをさらに含み、バインダは、複数の反応性モノマーを含む。
【0027】
第23態様A23は第20~第22態様A20~A22のいずれかに記載のグリーンボディ部品を含み、方法は接合材料を硬化させるために、接合されたグリーンボディ部品を65℃以上140℃以下の温度で加熱することをさらに含む。
【0028】
第24態様A24は第20~第23態様A20~A23によるグリーンボディ部品を含み、該方法は第1温度を超えて接合グリーンボディ部品を加熱して、バインダの少なくとも一部を除去し、粉末の少なくとも一部を焼結して、焼結された粉末が第1粒状材料と第2粒状材料との間にネック領域を形成し、それによって、接合ブラウンボディ部品を形成することと、第1粒状材料と第2粒状材料とを焼結して、それによって接合された固結部分を形成することとを含む。
【発明の効果】
【0029】
本明細書に開示されるグリーンボディ部品の様々な態様は1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を有する接合材料を含むことによってこれらの必要性を満たし、これは、接合されたグリーン部分の凹凸表面を充填して継ぎ目のない接合部を生成し、それによって、接合された部品の強度を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、第1グリーン部分および第2グリーン部分の概略図である。
図2図1の第1グリーン部分及び第2グリーン部分の拡大図である。
図3】焼結接合プロセスを介して接合された接合グリーンボディ部品の概略図である。
図4】本明細書に示され、説明される1つ以上の態様による、接合されたグリーンボディ部品の概略図である。
図5】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合材料を使用して部品を製造する方法の態様の流れ図である。
図6】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による付加製造機器の構成図である。
図7】本明細書に示され、説明される1つ以上の態様に従って、グリーン部分が製造される粒状材料の層の概略図である。
図8】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様によるグリーン部分の概略図である。
図9】本明細書に示され、説明される1つ以上の態様による、接合材料が塗布されたグリーン部分の概略図である。
図10】本明細書に示され、説明される1つ以上の態様による、接合されたグリーンボディ部品の概略図である。
図11】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたグリーンボディ部品の別の態様の概略図である。
図12】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたグリーンボディ部品の別の態様の概略図である。
図13】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたグリーンボディ部品の別の態様の概略図である。
図14】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたグリーンボディ部品の別の態様の概略図である。
図15】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたグリーンボディ部品の別の態様の概略図である。
図16】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたグリーンボディ部品の別の態様の概略図である。
図17】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたグリーンボディ部品の別の態様の概略図である。
図18】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたグリーンボディ部品の概略図である。
図19】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合されたブラウンボディ部品の概略図である。
図20】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、接合された統合部品の概略図である。
図21】本明細書に示され、説明される1つ以上の態様による第1グリーン部分の写真である。
図22】第2グリーン部分の上に配置された第1グリーン部分を有する制御グリーンボディ部品の写真である。
図23】制御接合部の顕微鏡画像である。
図24】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、例示的な接合部分の顕微鏡画像である。
図25図24の例示的な接合部分の拡大顕微鏡画像である。
図26】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、例示的な接合部分の顕微鏡画像である。
図27図26の例示的な接合部分の拡大顕微鏡画像である。
図28】制御接合部の拡大顕微鏡画像である。
図29】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、例示的な接合部分の拡大顕微鏡画像である。
図30】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、別の例示的な接合部分の拡大顕微鏡画像である。
図31】本明細書に示され、説明される、本開示の1つまたは複数の態様による、制御接合部品の概略図である。
図32】3点ビーム曲げ実験を行った後の制御接合部の写真である。
図33】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による例示的な接合部品の概略図である。
図34】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の態様による、3点ビーム曲げ実験に供された後の例示的な接合部分の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書に開示される態様のさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明に記載され、一部はその説明から当業者に容易に明らかになるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付の図面を含む、本明細書に記載されるような開示される態様を実施することによって認識される。
【0032】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は様々な態様を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概要またはフレームワークを提供することが意図されることを理解されたい。添付の図面は、様々な態様のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は本明細書で説明される様々な態様を示し、説明と共に、特許請求される主題の原理および動作を説明するのに役立つ。
【0033】
付加製造された部品を含む接合材料の様々な態様について詳細に言及する。特に、グリーンボディ部品の様々な態様は第1粒状材料の第1複数層を含む第1グリーン部分と、第2粒状材料の第2複数層を含む第2グリーン部分と、第1グリーン部分と第2グリーン部分との間の界面または界面接合部と、界面接合部内に配置された接合材料とを含み、接合材料は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含む。本明細書では、添付の図面を具体的に参照して、グリーンボディ部品の様々な態様を参照する。
【0034】
範囲は本明細書では「約」1つの特定の値から、または「約」別の特定の値までとして表すことができる。そのような範囲が表される場合、別の態様は1つの特定の値から、または他の特定の値までを含む。また、「略」や「およそ」等の用語の後に数値が記載される場合、そのような用語を除いた数値で考えることも意味している。範囲の始点及び終点はそれぞれ他方の点(終点及び始点)との関連において重要な意味を持ち、且つ、当該他方の点とは独立した意味を有している。
【0035】
本明細書で使用される方向用語-例えば、上、下、右、左、前、後、上方、下方-は描かれた図を参照するだけであり、絶対的な向きを意味することを意図しない。
【0036】
特に明示的に記載されない限り、本明細書に記載される任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図されない。したがって、方法クレームが実際にそのステップに従うべき順序を列挙していない場合、または任意の装置クレームが実際に個々の構成要素に対する順序または向きを列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていないことが、特許請求の範囲または説明において別段具体的に述べられていない場合、順序または向きがいかなる点においても推論されることは決して意図されていない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理の問題、文法的編成または句読点から導出される平易な意味、および本明細書に記載される態様の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的基礎に当てはまる。
【0037】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの」などは文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「1つの」構成要素への言及は文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0038】
「粒径分布」という用語は、本明細書で使用される場合、粒径分布D50または粒径分布のメジアン径を指す。
【0039】
本明細書で使用するとき、語句「グリーン部分」及び「接合グリーンボディ部品」は、プリントバインダを除去するために熱処理を受ける前の部分又は部品を指す。
【0040】
本明細書で使用するとき、語句「接合ブラウンボディ部品」は、プリントバインダの少なくとも一部を除去するために脱バインダ熱処理を受けた部分を指す。
【0041】
本明細書で使用するとき、「脱バインダ」という語は、接合グリーンボディ部品を加熱して、プリントバインダの少なくとも一部を除去して、接合ブラウンボディ部品を形成することを指す。
【0042】
「熱可塑性ポリマー」という語句は本明細書で使用される場合、それぞれの熱可塑性ポリマーのストランドを互いに連結、または別様に結合する弱い非共有力(例えば、相互作用、結合)を介して互いに相互作用し得る官能基を有する1つまたは複数のポリマーストランドを有するポリマーを指す。
【0043】
本明細書で使用される「熱硬化性ポリマー」という語句は、架橋ポリマーネットワークを指す。
【0044】
「弱い非共有結合力」という語句は、本明細書で使用する場合、1kcal/mol以上7kcal/mol以下の結合力または力強度を有する水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力などを指す。
【0045】
本明細書で使用される「熱開始剤」という語句は熱に曝露されると反応種(すなわち、フリーラジカル、カチオン、またはアニオン)を生成する化合物を指す。
【0046】
顕微鏡画像は本開示の非限定的な例示的態様を含み、Zeiss光学顕微鏡を使用して100倍の倍率で収集された。
【0047】
バインダジェットプリントは、プリントされる部品の複雑な構成又はプリンタの大きさによって制限され得る。比較的複雑な形または大きな大きさを有する部品を形成するために、付加製造業者は2つ以上の部品をバインダジェットプリントし、焼結接合などの接合ステップを利用することができる。
【0048】
ここで図1および図2を参照すると、従来のバインダジェットによって得られた第1グリーン部分102および第2グリーン部分104は、山106および谷108を含む凹凸面を有する。したがって、図3に示すように、焼結接合ステップを介してグリーン部分102、104を接合すると、界面接合部112に空隙110が存在する。界面接合部112におけるこの多孔性は、部品の接合強度および全体的な強度を低下させ、機械的故障または接合故障をもたらし得る。
【0049】
図4を参照して説明するように、本明細書に記載のグリーンボディ部品200は、第1グリーン部分202と、第2グリーン部分204と、第1グリーン部分202と第2グリーン部分204との間の界面接合部212と、界面接合部212内に配置された接合材料214とを含む。接合材料214は第1および第2グリーン部分202、204の粒状材料と比較して比較的小さい粒径分布を有する粉末を含み、それによって、界面接合部212における山および谷が充填され、継ぎ目のない接合部を形成し、それによって、部品の接合強度および全体的な強度を改善する。本明細書で使用するとき、用語「比較的小さい粒径分布」は、50μm以下の粒径分布を意味する。
【0050】
いくつかの態様では、接合材料の粉末が1μm以上50μm以下の粒径分布を有することができ、その結果、粉末はグリーン部分の凹凸表面を充填して、継ぎ目のない接合部(すなわち、限定された、またはボイドがない)を有する部品を生成する。態様において、粉末は、1μm以上、5μm以上、10μm以上、又は更には15μm以上の粒径分布を有し得る。態様において、粉末は、50μm以下、25μm以下、又は更には20μm以下の粒径分布を有し得る。態様では、粉末が1μm以上50μm以下、1μm以上25μm以下、1μm以上20μm以下、5μm以上50μm以下、5μm以上25μm以下、5μm以上20μm以下、10μm以上50μm以下、10μm以上25μm以下、10μm以上20μm以下、15μm以上50μm以下、15μm以上25μm以下、または、15μm以上20μm以下、あるいは、これらの端点のいずれかから形成される任意のおよびすべての部分範囲の粒度分布を有することができる。
【0051】
いくつかの態様では、接合材料の粉末が金属粉末を含むことができる。態様では、金属粉末がニッケル合金(例えば、Inconel 625、Rene’ 108、Rene’ 80)、ステンレス鋼合金(例えば、316L、17-4PH)、コバルトクロム合金、アルミニウム合金(例えば、Al6061)、鉄合金、チタン合金(例えば、Ti64)、銅合金、および銅ニッケル合金(例えば、C18000)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。他の態様では、接合材料の粉末がセラミック粉末を含むことができる。いくつかの態様では、セラミック粉末がアルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および窒化ホウ素のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0052】
いくつかの態様では、接合材料が接合されたグリーンボディ部品の強度を向上させるのに役立つバインダをさらに含むことができる。いくつかの態様では、バインダが複数の反応性モノマーを含むことができる。反応性モノマーの重合によって形成される熱可塑性または熱硬化性ポリマーは、グリーン部分を結合することによって、結合されたグリーン部分に強度を付与する。いくつかの態様では、形成された熱可塑性ポリマーが酸素の存在を必要とせずに、一般に小さなオリゴマー、二酸化炭素、および水に分解する熱可塑性ポリマーのクラスから選択される。したがって、態様では、得られた熱可塑性ポリマーを接合材料の硬化中にきれいにかつ容易に除去することができる。熱可塑性ポリマーが望ましい態様では、複数の反応性モノマーが単官能性モノマーを含むことができる。クリーンな燃焼が必要とされず、チャーが存在し得る態様では、複数の反応性モノマーが熱硬化性ポリマーを生成するために二官能性モノマーを含み得る。
【0053】
態様において、複数の反応性モノマーは、エポキシモノマー、アクリレートモノマー、およびビニルエーテルモノマーの少なくとも1つを含んでもよい。
【0054】
態様において、エポキシモノマーは3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジグリシジル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,2,7,8-ジエポキシオクタン(例えば、1,2,7,8-ジエポキシオクタン97%)、ジシクロペンタジエンジオキシド(例えば、エンド異性体とエキソ異性体との混合物97%)、1,2-ブタンジオールジグリシジルエーテル(例えば、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル工業グレード、60%または≧95%)、および1,2-エポキシドデカン(例えば、1,2-エポキシドデカン90%)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0055】
態様において、アクリレートモノマーはシアノアクリレート(例えば、Permabond 919、Permabond 922)、アリルアルテドアクリレート、アルキルアナアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレート(1PH/OH)ジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートおよびトリ(プロピレングリコール)ジアクリレートの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの態様ではアクリレートモノマーが界面接合表面上に存在する水分により触媒架橋された水分により架橋し得るので、アクリレートモノマーは硬化のための開始剤を必要としない場合がある。
【0056】
いくつかの態様では、ビニルエーテルモノマーがシクロヘキシルビニルエーテルおよびジエチレングリコールジビニルエーテルのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0057】
態様において、バインダは、増粘剤をさらに含んでもよい。複数の反応性モノマーが単官能性モノマーを含む態様では、バインダがその粘性を高めるために増粘剤を含むことができる。態様において、増粘剤は、ポリスチレン、ポリカーボネート、およびポリビニルピロリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの態様では、増粘剤が10,000g/mol以上かつ50,000g/mol以下の分子量を有することができる。
【0058】
態様では、接合材料中の粉末とバインダとの重量比率が3:1~8:1、3.5:1~8:1、4:1~8:1、3:1~7:1、3.5:1~7:1、4:1~7:1、3:1~6:1、3.5:1~6:1、又は更には4:1~6:1、又はこれらの端点のいずれかから形成される任意の及び全ての部分範囲である。
【0059】
いくつかの態様では、接合材料が75重量%(重量%)以上88重量%以下の粉末と、12重量%~25重量%のバインダとを含むことができる。態様では、接合材料が、75重量%以上88重量%以下、75重量%以上86重量%以下、75重量%以上84重量%以下、77重量%以上88重量%以下、77重量%以上86重量%以下、77重量%以上84重量%以下、80重量%以上88重量%以下、80重量%以上86重量%以下、80重量%以上86重量%以下、80重量%以上84重量%以下、またはこれらの端点のいずれかから形成される任意のおよび全ての部分範囲の粉末、及び、12重量%以上25重量%以下、12重量%以上23重量%以下、12重量%以上20重量%以下、14重量%以上25重量%以下、14重量%以上23重量%以下、14重量%以上20重量%以下、16重量%以上25重量%以下、16重量%以上23重量%以下、16重量%以上20重量%以下、またはこれらの端点のいずれかから形成されるいずれかおよび全ての部分範囲のバインダを含んでもよい。
【0060】
いくつかの態様では、接合材料が100センチポアズ(cP)以上50,000cP以下の粘度を有することができる。いくつかの態様では、接合材料が100cP以上、200cP以上、500cP以上、またはさらには1000cP以上の粘度を有することができる。いくつかの態様では、接合材料が50,000cP以下、10,000cP以下、2,000cP以下、またはさらには1,000cP以下の粘度を有することができる。いくつかの態様では、接合材料が100cP以上50,000cP以下、100cP以上10,000cP以下、100cP以上2,000cP以下、100cP以上1,000cP以下、200cP以上50,000cP以下、200cP以上10,000cP以下、200cP以上2,000cP以下、200cP以上1,000cP以下、500cP以上50,000cP以下、500cP以上10,000cP以下、500cP以上2,000cP以下、500cP以上1,000cP以下、1,000cP以上50,000cP以下、1,000cP以上10,000cP以下、さらに、1,000cP以上2,000cP以下、又はこれらの端点のいずれかから形成されるいずれか及び全ての部分範囲の粘度を有し得る。
【0061】
接合材料の粘度は、接合材料がグリーン部分にどのように塗布されているかに応じて調整することができる。例えば、接合材料を塗布するためにディップコーティングプロセスが使用される態様では、接合材料が100cP以上1,000cP以下の粘度を有することができる。接合材料がグリーン部分に直接塗布される他の態様では、接合材料が1,000cP以上2,000cP以下の粘度を有し得る。
【0062】
いくつかの態様では、接合材料が接合材料の硬化を開始するための熱開始剤をさらに含むことができる。いくつかの態様では、接合材料が0.01重量%以上2重量%以下の熱開始剤を含むことができる。いくつかの態様では、接合材料が0.1重量%以上、0.2重量%以上、0.3重量%以上、0.4重量%以上、またはさらに0.5重量%以上の熱開始剤を含むことができる。いくつかの態様では、接合材料が2重量%以下、1.5重量%以下、または1重量%以下の熱開始剤を含むことができる。態様では、接合材料が0.1重量%以上2重量%以下、0.1重量%以上1.5重量%以下、0.1重量%以上1重量%以下、0.2重量%以上2重量%以下、0.2重量%以上1.5重量%以下、0.2重量%以上1重量%以下、0.3重量%以上2重量%以下、0.3重量%以上1.5重量%以下、0.3重量%以上1重量%以下、0.4重量%以上2重量%以下、0.4重量%以上1.5重量%以下、0.4重量%以上1重量%以下、0.5重量%以上2重量%以下、0.5重量%以上1.5重量%以下、または0.5重量%以上1重量%以下、またはこれらの端点のいずれかから形成されるいずれかおよび全ての部分範囲の熱開始剤を含み得る。
【0063】
いくつかの態様では、熱開始剤がブロック化六フッ化アンモニウムアンチモン触媒(例えば、K-PURE CXC-1612)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、(4-ヒドロキシフェニル)メチル(2-メチルベンジル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、およびベンジル(4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0064】
いくつかの態様では、熱開始剤が40℃以上150℃以下の熱分解温度を有することができる。いくつかの態様では、熱開始剤が65℃以上100℃以下の熱分解温度を有する。いくつかの態様では、熱開始剤の熱分解温度が40℃以上、50℃以上、60℃以上、さらには65℃以上であってもよい。いくつかの態様では、熱開始剤の熱分解温度が150℃以下、125℃以下、またはさらには100℃以下であってもよい。ある態様では、熱開始剤が40℃以上150℃以下、40℃以上125℃以下、40℃以上100℃以下、50℃以上150℃以下、50℃以上125℃以下、50℃以上100℃以下、60℃以上125℃以下、60℃以上150℃以下、65℃以上125℃以下、または65℃以上100℃以下、またはこれらの端点から形成されるすべての部分範囲であり得る。
【0065】
ここで図5を参照すると、本明細書に記載の態様による接合材料を使用して、付加製造を介して接合部品を製造するためのシステムが、300で示されている。方法300の態様の説明を容易にするために、方法300を実行するために使用され得る付加製造機器320の態様を示す構成図を含む図6および7についても言及する。この方法は、ブロック302において、第1グリーン部分および第2グリーン部分を提供することから始まる。第1および第2グリーン部分は、当業者に知られている任意の方法によって提供され得る。
【0066】
例えば、グリーン部分を提供するステップ302はブロック302aにおいて、図7に示すように、粒状材料316(すなわち、第1粒状材料または第2粒状材料)の層314を作業面上に堆積させることから開始することができる。態様では、層314が10ミクロン(μm)以上200μm以下の厚さ318を有することができる。部品をプリントするために使用される粒状材料316は、部品のタイプおよび部品の最終用途に応じて変化し得る。いくつかの態様では、接合材料の粉末が第1粒状材料および第2粒状材料のうちの少なくとも1つと同じ要素を含むことができる。
【0067】
詳細には、粒状材料316は、ニッケル合金(例えば、Inconel 625、Inconel 718、Rene’108、Rene’80、Rene’142、Rene’195、およびRene’M2、Marm-247)、コバルト合金(例えば、Hans 188、L605、X40、X45、FSX414)、コバルトクロム合金、チタン合金、アルミニウム合金、タングステン合金、ステンレス鋼合金(例えば、SS316L、SS304、Alloy Steel 8620、Alloy Steel 4140、Alloy 17-4PH、ステンレス鋼300シリーズ、ステンレス鋼400シリーズ)、低炭素鋼(例えば、0.05%~0.3%炭素を含有する鋼)及び銅を含み得る。態様では、金属粒状材料が1ミクロン(μm)以上75μm以下の粒径分布を有する粒子を含んでもよい。そのような粒状材料は、限定ではなく例として、燃料チップ、燃料ノズル、シュラウド、マイクロミキサー、またはタービンブレードを含む金属物品をプリントするために使用され得る。
【0068】
いくつかの態様では、粒状材料316がアルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および窒化ホウ素のうちの少なくとも1つなどのセラミック粒状材料を含むことができる。いくつかの態様では、セラミック粒状材料が0.1μm以上100μm以下の粒径分布を有する粒子を含むことができる。そのような粒状材料は、限定ではなく例として、医療および輸送産業で使用するためのセラミック物品をプリントするために使用することができる。
【0069】
図5を再び参照すると、ステップ302bにおいて、粒状材料316の堆積に続いて、ステップ302は、パターンに従って、プリントバインダを選択的に層314の一部に堆積させるステップに続く。例えば、プリントバインダは、プリントされる圧密部品の層の表現を含むCADデザインに基づいて制御装置によって操作されるプリントヘッドを使用して、粒状材料316の層314に選択的にプリントされてもよい。
【0070】
例えば、図6に示すように、付加製造機器320は、302b(図5)の動作に従って、バインダを選択的に層314に堆積させるバインダジェットプリンタであってもよい。いくつかの態様では、付加製造機器320が粒状材料316の層314を支持する作業面322と、プリントバインダ326を格納するリザーバ324と、リザーバ324に流体連結されたプリンタヘッド328とを含むことができる。プリンタヘッド328は、プリントバインダ326を粒状材料316の層314に選択的に堆積させて、プリントバインダ326を、プリントされている圧密部分の層を表すパターンで層314にプリントする。いくつかの態様では、付加製造機器320が付加製造機器320の動作を制御するための制御系330を含むことができる。制御システム330は、完全にまたは部分的に自動化された分散制御システム(DCS)または任意のコンピュータベースのワークステーションを含むことができる。態様では、制御システムが汎用コンピュータまたは特定用途向けデバイスを使用する任意の好適なデバイスであってよく、汎用コンピュータまたは特定用途向けデバイスは一般に、付加製造機器320の動作を制御するための1つまたは複数の命令を記憶するメモリ回路332と、プロセッサとを含み得る。メモリ回路332は、プリントされる統合された部品の構造を表すCADデザインを記憶することができる。プロセッサは1つまたは複数の処理デバイス(たとえば、マイクロプロセッサ334)を含むことができ、メモリ回路332は、本明細書で説明する動作を制御するためにプロセッサによって実行可能な命令を集合的に記憶する1つまたは複数の有形非一時的機械可読媒体を含むことができる。
【0071】
堆積後、プリントバインダ326は粒状材料316の外面を少なくとも部分的に被覆し、それによってバインダ被覆粒子を生成する。
【0072】
ステップ302はブロック302aおよび302bの動作を繰り返して、所望の数の層314(すなわち、第1複数層または第2複数層)がプリントされるまで、層ごとに部品をビルドし続けることができる。
【0073】
図8に示されるように、図5のブロック302aおよび302bに示されるように、層314の堆積およびプリントバインダ326のプリントに続いて、方法300はブロック302cに進み、プリントバインダ326を硬化させて、グリーン部分340(すなわち、第1グリーン部分340aまたは第2グリーン部分340b)を形成する。例えば、プリントバインダ326は、溶剤(溶媒)を含んでもよい。プリントバインダ326内の溶剤の一部はプリントバインダ326の堆積(例えば、プリント)中に蒸発させることができるが、ある程度の溶剤は粒状材料316の層314内に残ることができる。したがって、プリントバインダ326は、プリント層314に残存する溶剤を蒸発させ、プリント層314を効率的に接着させるのに適した温度で熱硬化されて、グリーン部分340を形成することができる。
【0074】
熱はIRランプまたは加熱プレート(例えば、オンマシン)を使用してプリント部品に加えられてもよく、または、プリント部品をオーブン(例えば、オフマシン)に置くことによって実行されてもよい。いくつかの態様では、プリントバインダ326をオンマシンで硬化させることはプリント層314を、25℃以上100℃以下、30℃以上90℃以下、35℃以上80℃以下、さらには40℃以上70℃以下、またはこれらの端点のいずれかから形成される任意のおよびすべての部分範囲で加熱することを含む。態様では、プリント層314をオンマシンで加熱するための温度範囲がオフマシン温度範囲とは異なり得る。
【0075】
粒状材料層からの未結合粒子(例えば、プリントバインダ326によって結合されていない粒状材料316)は、硬化後に除去されて、浸漬、硬化、脱バインダ、および焼結などの後プリントステップのためのグリーン部分340を調製することができる。
【0076】
硬化後、グリーン部分340は、任意の乾燥ステップ(図示せず)を受けて、グリーン部分340内に残存し得る任意の残留溶剤または他の揮発性材料を除去することができる。例えば、グリーン部分340は真空下、不活性雰囲気下(例えば、窒素(N2)、またはアルゴン(Ar))、または空気中、わずかに高温または室温で乾燥させることができる。
【0077】
付加製造機器320の1つの特定の態様が本明細書に記載されているが、本明細書に記載の接合材料は他の付加製造装置と併せて使用することができることが企図される。したがって、本明細書に記載される態様は、必ずしも本明細書に記載されるグリーン部分を作製する方法に限定されない。
【0078】
図5および図9図10を参照すると、第1グリーン部分340aおよび第2グリーン部分340bを提供した後、方法300はブロック304に進み、第1グリーン部分340aの面352上に接合材料350を塗布する。接合材料350、第1グリーン部分340aの面352は、当業者に知られている任意の方法を使用して、接合材料350で浸漬または被覆され得る。接合材料350は、本明細書に記載の1つまたは複数の態様による接合材料であってもよい。
【0079】
図5の方法300はブロック306に進み、図10に示すように、第1グリーン部分340aと第2グリーン部分340bとの間に界面接合部362を有する接合グリーンボディ部品360を形成するために、第1グリーン部分340aの面352上の接合材料350に第2グリーン部分340bを接触させる。本明細書に記載されるように、接合材料350は、界面接合部362における山部および谷部が充填され、継ぎ目のない接合部を形成するように、比較的小さい粒径分布(例えば、1μm以上50μm以下)を有する粉末を含み、それによって、部品の接合強度および全体的強度を改善する。
【0080】
図10に示すように、界面接合部362は、少なくとも1つの湾曲部分364を有することができる。少なくとも1つの湾曲部分364は、第1グリーン部分340aおよび第2グリーン部分340bの自己整合を可能にし得る。少なくとも1つの湾曲部分364は亀裂の伝播を防止し、界面接合部362内の接合材料の流れを制御することもできる。ここで図11図17を参照すると、少なくとも1つの例示的な湾曲部分を有する界面接合部362のさらなる態様が示されている。他の態様では、界面接合部は、接合されたグリーンボディ部品の法線に対して角度を付けられてもよい。
【0081】
図5の方法300はブロック308に進み、接合材料を硬化させるために、接合グリーンボディ部品をある温度で加熱する。硬化中、接合材料中に存在する任意の溶剤を蒸発させることができ、接合材料中に存在する任意のモノマーを架橋させることができ、それによって、接合グリーンボディ部品に強度を付与することができる。
【0082】
いくつかの態様では、熱はIRランプまたは加熱プレート(例えば、オンマシン)を使用して接合グリーンボディ部品360に印加されるか、または硬化は接合グリーンボディ部品360をオーブン(例えば、オフマシン)内に配置することによって実行され得る。いくつかの態様では接合材料を硬化させるために、接合グリーンボディ部品は65℃以上140℃以下、65℃以上125℃以下、65℃以上110℃以下、80℃以上140℃以下、80℃以上125℃以下、または80℃以上110℃以下の温度、またはこれらの端点のいずれかから形成される任意のおよびすべての部分範囲で加熱されてもよい。
【0083】
図5の方法300はブロック310に進み、図18に示すように、接合グリーンボディ部品360を第1温度より高く加熱して、接合材料350の粉末の少なくとも一部分を焼結して、焼結された粉末が第1粒状材料316aと第2粒状材料316bとの間にネック領域366を形成し、それによって、図19に示すように、接合されたブラウンボディ部品370を形成する。ネック領域366は第1粒状材料316aと第2粒状材料316bとを架橋し、それによって、粒状材料316a、316bの圧密(すなわち、焼結)の前に、接合されたブラウンボディ部品370のブラウン強度を増加させる。第1高温で加熱する間、第1粒状材料316a、第2粒状材料316b、または接合材料350中に存在するバインダの少なくとも一部が除去される(すなわち、脱バインダ)。
【0084】
いくつかの態様では、第1温度が60℃以上700℃以下、70℃以上600℃以下、75℃以上500℃以下、または80℃以上400℃以下、またはこれらの端点のいずれかから形成される任意のおよびすべての部分範囲である。
【0085】
いくつかの態様では、接合グリーンボディ部品360を第1温度より高く加熱することは接合グリーンボディ部品を無酸素環境(例えば、真空チャンバ内/不活性雰囲気下)または空気中で加熱することを含むことができる。
【0086】
図5の方法300はブロック312において、第2温度を超えて接合されたブラウンボディ部品370を加熱して、第1粒状材料316aおよび第2粒状材料316を焼結し、それによって接合された圧密(固結)部分380を形成することで終了する。態様では、第2温度が第1粒状材料316aおよび第2粒状材料316bが焼結する温度以上である。このように、接合されたブラウンボディ部品370を第2温度以上に加熱することによって、粒状材料316a、316bはネック領域366と焼結し(図19)、それによって、図20に示されるように、焼結された粒状材料316a、316bおよび接合材料350の焼結粉末の焼結相382を形成する。
【0087】
いくつかの態様では、第2温度が75℃以上1500℃以下、75℃以上1450℃以下、75℃以上1400℃以下、100℃以上1500℃以下、100℃以上1450℃以下、100℃以上1400℃以下、200℃以上1500℃以下、200℃以上1450℃以下、200℃以上1400℃以下、300℃以上1500℃以下、300℃以上1450℃以下、300℃以上1400℃以下、400℃以上1500℃以下、400℃以上1450℃以下、400℃以上1400℃以下、またはこれらのいずれかの端点から形成されるすべての部分範囲である。
【0088】
いくつかの態様では、接合されたブラウンボディ部品370を第2温度より高く加熱することは接合されたブラウンボディ部品を無酸素環境(例えば、真空チャンバ/不活性雰囲気)で加熱することを含むことができる。
【0089】
態様ではブロック308、310、および312のうちの少なくとも2つは単一のステップ(たとえば、オーブン内の接合された未焼成部品の場所)で行われ得る。
【0090】
本明細書で説明される様々な態様が方法300を参照して説明されるが、本明細書で説明される接合の態様は当業者によって知られ、使用される様々な方法とともに使用され得ることを理解されたい。特に、グリーン部分部品を形成することは、多くの異なる方法で、多くの異なるステップで、及び多くの異なる場所で達成され得る。
〔例〕
態様は、以下の実施例によってさらに明らかにされる。これらの実施例は、上記の態様に限定されないことを理解されたい。
【0091】
接合材料例
制御接合部JPC1:
図21および図22を参照して、316Lステンレス鋼で形成された第2グリーン部分GP2を、316Lステンレス鋼で形成された第1グリーン部分GP1の上に配置した。ここで図23を参照すると、組み立てられた部分は制御接合部品JPC1を製造するために、1390℃の炉内で6時間加熱された。図23に示されるように、接合材料を使用せずに第1グリーン部分と第2グリーン部分とを接合すると、第1グリーン部分と第2グリーン部分との間に破壊された分離した微細構造が生じた。
【0092】
例示的接合部品JPE1およびJPE2:
ここで図24~27を参照すると、例示的接合部品JPE1およびJPE2は、制御接合部品JPC1を製造するために使用されるものと同様の手法を使用して製造された。しかし、図21に戻って参照すると、第1グリーン部分GP1の上に第2グリーン部分GP2を配置する前に、約25μmの粒度分布を有する316Lステンレス鋼粉末0.5gを第1グリーン部分GP1AのグルーブGに均一に塗布した。
【0093】
ここで表1を参照すると、微小硬度試験を、界面接合部に沿った5点でウィルソンVH3300オートマチック硬度試験機を用いて実施し、例示的な接合部JPE1およびJPE2のバルク材を、500gの荷重力を用いてビッカーススケールで測定した。接合部品JPE1およびJPE2の接合部はそれぞれ76および72の平均硬度を有し、これらは、接合部品JPE1およびJPE2のバルクの平均硬度である74及び73とほぼ同様であった。この同様の硬度は、接合部品JPE1およびJPE2がほとんどまたは全く多孔性を有していないことを示す。
【0094】
図25及び図27に示すように、そして表1に示すように、316Lのステンレス鋼粉末を用いた場合、接合材料として約25μmの粒度分布を有し、第1グリーン部分と第2グリーン部分との間に継ぎ目のないきれいな微細構造が得られた。
【0095】
「表1」
【表1】
【0096】
制御接合部品JPC2および例示接合部品JPE3~JPE8を参照する。図28~30を参照すると、制御接合部品JPC2および例示接合部品JPE3~JPE8は、制御接合部品JPC1を製造するために使用されるものと同様の手法を使用して製造された。しかしながら、図21に戻って参照すると、第1グリーン部分GP1の上に第2グリーン部分GP2を配置する前に、316Lのステンレス鋼粉末とパーマボンド922バインダとからなる接合材料6gを第1グリーン部分GP1Aの溝部Gに均一に塗布した。制御接合部品JPC2については、1.67:1の316Lステンレス鋼粉末対パーマボンド922バインダの重量比を適用した。例えば、接合部JPE3、JPE4、およびJPE5に、パーマボンド922バインダ対16Lステンレス鋼粉末の3.33:1の重量比を適用した。例えば、接合部JPE6、JPE7、およびJPE8に、316Lステンレス鋼対パーマボンド922バインダの5:1の重量比率を適用した。
【0097】
図28に示されるように、粉末対バインダの充分な比率(すなわち、3:1~8:1)を欠く接合材料を用いて第1グリーン部分と第2グリーン部分とを接合すると、第1グリーン部分と第2グリーン部分との間に破壊され、分離された微細構造が生じた。
【0098】
ここで、表2を参照して、界面接合部に沿った5箇所と、例示的接合部品JPE3~JPE8のバルク材とで、微小硬度の評価を行った。
【0099】
「表2」
【表2】
【0100】
「表2(続き)」
【表3】
【0101】
図29及び図30に示すように、そして表2に示すように、3.33:1の重量比及び5:1の重量比の316Lステンレス鋼及びパーマボンド922バインダを接合材料として使用すると、第1及び第2グリーン部分の間に継ぎ目のないきれいな微細構造が得られた。
【0102】
例示的接合部品JPE9~JPE11:
ここで、表3を参照して、粉末と表3に示されるバインダ重量比率を有する接合材料を用いて2つの単一クーポンを接合し、接合部をアルキメデス密度試験に供することによって、密度評価を行った。単一クーポンのアルキメデス密度は98.23%であった。パーツJPE9、JPE10、およびJPE11のアルキメデス密度は、それぞれ98.84%、98.83%、および98.86%であった。したがって、表3に示されるように、部品を接合するために本明細書に記載されるような接合材料を使用すると、単一部品と同様の密度を有する接合部品が得られる。
【0103】
「表3」
【表4】
【0104】
接合設計例
ここで図31図34を参照すると、制御接合部品JPC3および例示的接合部品JPE9はRene’108ニッケル合金粉末から形成された第1および第2グリーン部分を提供し、パーマボンド922バインダを第1グリーン部分に塗布し、第1および第2グリーン部分に接触させることによって製造された。組み立てられた部分を1300℃のオーブン中で12時間加熱して、接合された部分を製造した。図31および図33に示されるように、制御接合部JPC3の界面接合部は角度が付けられておらず、例示的接合部JPE9の界面接合部は角度が付けられていた。
【0105】
ここで図32および図34を参照すると、3点ビーム曲げ実験が行われた。24.4kgの破壊荷重で、制御接合部JPC3が接合部で破壊された。接合部JPE9は同様の破壊荷重23.8kgで破壊されたが、継ぎ目では破壊しなかった。図31図34によって示されるように、界面接合部が、界面接合部における破壊を防止するように角度付けられることが有益であり得る。
【0106】
本明細書に記載されるように、グリーンボディ部品の様々な態様は1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含む接合材料を含み、継ぎ目のない界面接合、ならびに接合部および部品全体の改善された強度をもたらす。
【0107】
本開示のさらなる態様は、以下の主題によって提供される:
【0108】
1. 第1粒状材料の第1複数層を含む第1グリーン部分と、
第2粒状材料の第2複数層を含む第2グリーン部分と、
前記第1グリーン部分と前記第2グリーン部分との間の界面接合部と、
前記界面接合部内に配置された接合材料と、
を含み、
前記接合材料は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含む、
グリーンボディ部品。
【0109】
2. 前記粉末が金属粉末を含み、
前記金属粉末が、ニッケル合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム合金、アルミニウム合金、鉄合金、チタン合金、銅合金、および銅ニッケル合金のうちの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0110】
3. 前記粉末がセラミック粉末を含み、
前記セラミック粉末が、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および窒化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0111】
4. 前記接合材料がバインダをさらに含み、
前記バインダが複数の反応性モノマーを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0112】
5. 前記バインダが、増粘剤をさらに含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0113】
6. 前記増粘剤が、ポリスチレン、ポリカーボネート、およびポリビニルピロリドンのうちの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0114】
7. 前記増粘剤が、10,000g/mol以上50,000g/mol以下の分子重量を有する、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0115】
8. 前記接合材料中の粉末とバインダとの重量比率が、3:1~8:1である、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0116】
9. 前記接合材料が、75重量%以上88重量%以下の粉末と、12重量%以上25重量%以下のバインダとを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0117】
10. 前記接合材料が、100cP以上50,000cP以下の粘度を有する、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0118】
11. 前記複数の反応性モノマーが、エポキシモノマー、アクリレートモノマー、およびビニルエーテルモノマーの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0119】
12. 前記エポキシモノマーが、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジグリシジル 1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、ジシクロペンタジエンジオキシド、1,2-ブタンジオールジグリシジルエーテル、および1,2-エポキシドデカンのうちの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0120】
13. 前記アクリレートモノマーが、シアノアクリレート、アリルシアノアクリレート、アルキルアヤノアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレート(1PH/OH)ジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、およびトリ(プロピレングリコール)ジアクリレートのうちの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0121】
14. 前記ビニルエーテルモノマーが、シクロヘキシルビニルエーテルおよびジエチレングリコールジビニルエーテルの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0122】
15. 接合材料が0.01重量%以上2重量%以下の熱開始剤をさらに含み、
前記熱開始剤が、ブロック化六フッ化アンモニウムアンチモン触媒、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、(4-ヒドロキシフェニル)メチル(2-メチルベンジル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、およびベンジル(4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートのうちの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0123】
16. 前記界面接合部は、少なくとも1つの湾曲部分を有する、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0124】
17. 前記粉末が、前記第1粒状材料および前記第2粒状材料のうちの少なくとも1つと同じ要素を含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0125】
18. 前記第1粒状材料および前記第2粒状材料のうちの少なくとも1つが、金属粒状材料の少なくとも1つを含み、
前記金属粒状材料が、ニッケル合金、コバルト合金、コバルト-クロム合金、チタン合金、アルミニウム系合金、タングステン合金、ステンレス鋼合金、低炭素鋼、および銅を含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0126】
19. 前記第1粒状材料および前記第2粒状材料のうちの少なくとも1つがセラミック材料を含み、
前記セラミック材料が、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および窒化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載のグリーンボディ部品。
【0127】
20. 第1粒状材料の第1複数層を含む第1グリーン部分と、第2粒状材料の第2複数層を含む第2グリーン部分とを提供し、
前記第1グリーン部分の面上に接合材料を塗布し、
前記接合材料は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含み、
前記第2グリーン部分を前記第1グリーン部分の面上の前記接合材料に接触させて、前記第1グリーン部分と前記第2グリーン部分との間に界面接合部を有する接合グリーンボディ部品を形成する、
接合部品の製造方法。
【0128】
21. 前記粉末が金属粉末を含み、
前記金属粉末が、ニッケル合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム合金、アルミニウム合金、鉄合金、チタン合金、銅合金、および銅ニッケル合金のうちの少なくとも1つを含む、
上記いずれかに記載の方法。
【0129】
22. 前記接合材料がバインダをさらに含み、
前記バインダが複数の反応性モノマーを含む、
上記いずれかに記載の方法。
【0130】
23. 前記接合材料を硬化させるために、65℃以上140℃以下の温度で前記接合グリーンボディ部品を加熱することをさらに含む、
上記いずれかに記載の方法。
【0131】
24. 前記接合グリーンボディ部品を第1温度より高く加熱して、前記バインダの少なくとも一部分を除去し、前記粉末の少なくとも一部分を焼結して、前記焼結された粉末が前記第1粒状材料と前記第2粒状材料との間にネック領域を形成することで、接合ブラウンボディ部品を形成し、
前記接合ブラウンボディ部品を第2温度より高く加熱して、前記第1粒状材料と前記第2粒状材料とを焼結することで、接合された固結部品を形成する、
上記いずれかに記載の方法。
【0132】
上記態様、および上記態様の特徴は例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱することなく、単独で、または本明細書で提供される他の態様の任意の1つまたは複数の特徴との任意の組合せで提供され得る。
【0133】
本開示の思想および範囲から逸脱することなく、本開示に様々な修正および変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入る限り、本開示の修正形態および変形形態を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1粒状材料(316a)の第1複数層(314)を含む第1グリーン部分(340a)と、
第2粒状材料(316b)の第2複数層(314)を含む第2グリーン部分(340a)と、
前記第1グリーン部分(340a)と前記第2グリーン部分(340a)との間の界面接合部(362)と、
前記界面接合部(362)に配置された接合材料(350)と、
を含み、
前記接合材料(350)は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含む、
グリーンボディ部品(360)。
【請求項2】
前記粉末が金属粉末を含み、
前記金属粉末が、ニッケル合金、ステンレス鋼合金、コバルト-クロム合金、アルミニウム合金、鉄合金、チタン合金、銅合金、銅ニッケル合金、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項3】
前記粉末がセラミック粉末を含み、
前記セラミック粉末が、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および窒化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項4】
前記接合材料(350)がバインダをさらに含み、
前記バインダが複数の反応性モノマーを含む、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項5】
前記バインダが、増粘剤をさらに含み、
前記増粘剤が、ポリスチレン、ポリカーボネート、およびポリビニルピロリドンのうちの少なくとも1つを含む、
請求項4に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項6】
前記増粘剤が、10,000g/mol以上50,000g/mol以下の分子重量を有する、
請求項5に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項7】
前記接合材料(350)の前記粉末と前記バインダとの重量比率が、3:1~8:1である、
請求項4に記載のグリーンボディ部品(360)。
【請求項8】
第1粒状材料(316a)の第1複数層(314)を含む第1グリーン部分(340a)と、第2粒状材料(316b)の第2複数層(314)を含む第2グリーン部分(340b)とを提供し、
前記第1グリーン部分(340a)の面(352)に接合材料(350)を塗布し、
前記接合材料(350)は、1μm以上50μm以下の粒径分布を有する粉末を含み、
前記第2グリーン部分(340b)を前記第1グリーン部分(340a)の面(352)の前記接合材料(350)に接触させて、前記第1グリーン部分(340a)と前記第2グリーン部分(340b)との間に界面接合部(362)を有する接合グリーンボディ部品(360)を形成する、
接合部品(360)の製造方法。
【請求項9】
前記接合材料(350)を硬化させるために、65℃以上140℃以下の温度で前記接合グリーンボディ部品(360)を加熱することをさらに含む、
請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記接合グリーンボディ部品(360)を第1温度より高く加熱して、バインダの少なくとも一部分を除去し、前記粉末の少なくとも一部分を焼結して、前記焼結された粉末が前記第1粒状材料(316a)と前記第2粒状材料(316b)との間にネック領域(366)を形成することで、接合ブラウンボディ部品(370)を形成し、
前記接合ブラウンボディ部品(370)を第2温度より高く加熱して、前記第1粒状材料(316a)と前記第2粒状材料(316b)とを焼結することで、接合された固結部品(380)を形成する、
請求項8または請求項9に記載の製造方法。

【外国語明細書】