(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025762
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法および装置
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20240216BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20240216BHJP
G01G 17/08 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A01K29/00 E
A61B5/107 401
G01G17/08
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023131023
(22)【出願日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0100739
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523241601
【氏名又は名称】ピーティーシーエルエイビー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジェウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウォンテ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038HJ10
4C038VA03
4C038VA05
4C038VA09
4C038VB15
(57)【要約】
【課題】重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法および装置を提供する。
【解決手段】一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法は、測定対象である動物の下側に複数の測定部を配置する段階、前記複数の測定部のそれぞれに構成される複数の重量検知センサによって取得したセンサ値を制御部に伝達する段階、前記制御部において、伝達された前記複数の重量検出センサのセンサ値を利用して、前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出する段階、前記複数の測定部の荷重点の位置を利用して、前記動物の体長を算出する段階、および前記動物の体長と総体重を利用して、標準体重と対比される肥満度を算出する段階を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法であって、
測定対象である動物の下側に複数の測定部を配置する段階、
前記複数の測定部のそれぞれに構成される複数の重量検出センサによって取得したセンサ値を制御部に伝達する段階、
前記制御部から伝達された前記複数の重量検出センサのセンサ値を利用して、前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出する段階、
前記複数の測定部の荷重点の位置を利用して、前記動物の体長を算出する段階、および
前記動物の体長と総体重を利用して、標準体重と対比される肥満度を算出する段階
を含む、スマート診断方法。
【請求項2】
前記動物の下側に複数の測定部を配置する段階は、
前記複数の測定部が、平面に配置される互いに隣接する4つの測定部で構成され、前記4つの測定部上に前記動物の各足が配置されるようにすること
を特徴とする、請求項1に記載のスマート診断方法。
【請求項3】
前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出する段階は、
前記制御部において、前記4つの測定部それぞれの個別荷重を検出して前記動物の各足の個別荷重を取得すること
を特徴とする、請求項2に記載のスマート診断方法。
【請求項4】
前記動物の各足の個別荷重による前記動物の各足の荷重比率に基づいて、足関節の健康を分析する段階
をさらに含む、請求項3に記載のスマート診断方法。
【請求項5】
前記複数の重量検知センサによって取得したセンサ値を制御部に伝達する段階は、
四角構造の測定部の各コーナーに計4つの重量検出センサが配置され、各前記重量検出センサは、それぞれの測定された荷重値を前記制御部に伝達すること
を特徴とする、請求項1に記載のスマート診断方法。
【請求項6】
前記複数の重量検知センサは、
4線のフルブリッジ(Full bridge)タイプが使用され、それぞれの重量検出センサの個別測定値を取得すること
を特徴とする、請求項1に記載のスマート診断方法。
【請求項7】
前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出する段階は、
前記制御部において、各測定部の前記複数の重量検出センサから伝達されたセンサ値に基づいて各測定部の荷重点の位置情報を取得すること
を特徴とする、請求項1に記載のスマート診断方法。
【請求項8】
前記動物の体長を算出する段階は、
前記制御部において、各測定部の前記複数の重量検出センサから伝達されたセンサ値に基づいて各測定部の荷重点の位置情報を取得し、前記動物の両前足と両後ろ足に対して長さ方向に最長の前足と後ろ足を選択することにより、前記動物の身体の長さである体長を取得すること
を特徴とする、請求項1に記載のスマート診断方法。
【請求項9】
前記標準体重と対比される肥満度を算出する段階は、
算出された肥満度または前記総体重によって予め設定された肥満段階を区分して使用者に表示すること
を特徴とする、請求項1に記載のスマート診断方法。
【請求項10】
検出された前記動物の総体重と、使用者によって入力された動物の情報である年齢、ダイエットの意志程度、および供給ペットフードのカロリーに基づいて動物に必要な一日の摂取カロリーを算出して、ペットフードの供給量を提案する段階
をさらに含む、請求項1に記載のスマート診断方法。
【請求項11】
重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置であって、
測定対象の下側に配置されて荷重を測定し、複数のセクターに分けられてそれぞれ荷重を測定する複数の測定部、
前記複数の測定部のそれぞれに構成される複数の重量検出センサ、
前記複数の重量検出センサからセンサ値を受け取って前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出し、前記複数の測定部の荷重点の位置を利用して前記動物の体長を算出した後、前記動物の体長と総体重を利用して標準体重と対比される肥満度を算出する制御部
を含む、スマート診断装置。
【請求項12】
前記複数の測定部は、
平面に配置される互いに隣接する4つの測定部で構成され、前記4つの測定部上に前記動物の各足が位置するようにし、前記制御部において、前記4つの測定部それぞれの個別荷重を検出して前記動物の各足の個別荷重を取得すること
を特徴とする、請求項11に記載のスマート診断装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記動物の各足の個別荷重による前記動物の各足の荷重比率に基づいて、足関節の健康を分析すること
を特徴とする、請求項12に記載のスマート診断装置。
【請求項14】
前記制御部は、
各測定部の前記複数の重量検出センサから伝達されたセンサ値に基づいて各測定部の荷重点の位置情報を取得し、前記動物の両前足と両後ろ足に対して長さ方向に最長の前足と後ろ足を選択することにより、前記動物の体長である体長を取得すること
を特徴とする、請求項11に記載のスマート診断装置。
【請求項15】
前記制御部は、
検出された前記動物の総体重と、使用者によって入力された動物の情報である年齢、ダイエットの意志程度、および供給ペットフードのカロリーに基づいて動物に必要な一日の摂取カロリーを算出して、ペットフードの供給量を提案すること
を特徴とする、請求項11に記載のスマート診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、重量測定センサを備えたスマート診断装置とこれを利用したペットの管理技術に関し、より詳細には、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ペット(companion animal)とは、人間が愛玩を目的として家で飼育する動物を意味する用語であって、動物が玩具のような存在ではなく人間と共存する伴侶であるという認識が広まりながら、伴侶動物とも呼ばれるようになった。代表的なペットとしては、犬や猫などが挙げられる。
【0003】
2020年末時点の韓国において、ペットを飼育する「ペット世帯」は604万を超え、全世帯の29.7%を占めるようになった。さらに、飼い主は1448万人と推定されており、「飼い主1500万人時代」が目前まで迫っている状況である。これは、統計庁、農林畜産食品部の動物登録情報現況、20歳以上の男女1000人を対象にしたアンケート結果を基礎資料として推定した数値である。一人世帯の増加や核家族化など韓国の家族構造の変化により、4世帯のうちの1世帯はペットを飼育していると推定されているが、これは社会的/人口統計学的な人口の減少とは正反対に成長しており、ペット関連の産業や文化が急速に拡散しつつある傾向にある。
【0004】
このようなペット文化の増加にともない、ペットを飼育している消費者はペットを家族の一員として認識するようになり、ペットの地位上昇とともに、ペットの生活水準の向上の最も代表的な目安とも言える疾患やケアが主な関心事となった。ここで、小型犬のほとんどは、室内での飼育環境と遺伝的な要因によって膝蓋骨脱臼などの関節疾患を患っていることが報告されている。ペットの病気を事前に予防して管理するために、病気の主な原因となる肥満管理とヘルスケアの管理が可能な、効果的なソリューションの開発が求められている。
【0005】
特許文献1は、このようなペットの肥満度を測定するためのスマート体重装置およびこれを利用したペットの管理方法に関する技術を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2021-0102720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実施形態は、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法および装置に関し、より詳細には、ペットの体重と体長(身長)を測定して肥満度(Body Condition Score:BCS)情報を提供すると同時に、ペットの関節の健康(膝蓋骨脱臼)程度を測定した後、この情報を提供し、これに基づいてペットをスマートに管理できるようにする技術を提供する。
【0008】
実施形態は、複数のセクターに分けられた装置に測定対象であるペットの足をそれぞれ位置させ、複数の重量検知センサを利用して荷重点の位置と荷重値を検出することによって、ペットの体重および体長(身長)はもちろん、肥満度(Body Condition Score:BCS)と関節の健康(膝蓋骨脱臼)程度を測定し、これに基づいてペットを管理できるようにする、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法は、測定対象である動物の下側に複数の測定部を配置する段階、前記複数の測定部のそれぞれに構成される複数の重量検知センサによって取得したセンサ値を制御部に伝達する段階、前記制御部において、伝達された前記複数の重量検出センサのセンサ値を利用して前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出する段階、前記複数の測定部の荷重点の位置を利用して前記動物の体長を算出する段階、および前記動物の体長および総体重を利用して標準体重と対比される肥満度を算出する段階を含んでよい。
【0010】
前記動物の下側に複数の測定部を配置する段階は、前記複数の測定部は平面に配置される互いに隣接する4つの測定部で構成され、前記4つの測定部上に前記動物の各足が位置するようにしてよい。
【0011】
前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出する段階は、前記制御部で前記4つの測定部それぞれの個別荷重を検出することにより、前記動物の各足の個別荷重を取得してよい。
【0012】
前記動物の各足の個別荷重による前記動物の各足の荷重比率に基づいて、足関節の健康を分析する段階をさらに含んでよい。
【0013】
前記複数の重量検出センサによって取得したセンサ値を制御部に伝達する段階は、四角構造の測定部の各コーナーに計4つの重量検出センサが配置され、前記各重量検出センサは、それぞれ測定した荷重値を前記制御部に伝達してよい。
【0014】
前記複数の重量検出センサは、4線のフルブリッジ(Full Bridge)タイプが使用され、それぞれの重量検出センサの個別の測定値を取得してよい。
【0015】
前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出する段階は、前記制御部において、各測定部の前記複数の重量検出センサから伝達されたセンサ値に基づいて各測定部の荷重点の位置情報を取得してよい。
【0016】
前記動物の体長を算出する段階は、前記制御部において、各測定部の前記複数の重量検出センサから伝達されたセンサ値に基づいて各測定部の荷重点の位置情報を取得し、前記動物の両前足と両後ろ足に対して長さ方向に最長の前足と後ろ足を選択することによって、前記動物の身長である体長を取得してよい。
【0017】
前記標準体重と対比される肥満度を算出する段階は、算出された肥満度または前記総体重によって予め設定された肥満段階を区分して使用者に表示してよい。
【0018】
検出された前記動物の総体重と、使用者によって入力される動物の情報である年齢、ダイエットの意志程度、および供給ペットフードのカロリーに基づいて動物に必要な一日の摂取カロリーを算出して、ペットフードの供給量を提案する段階をさらに含んでよい。
【0019】
他の実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、測定対象の下側に配置されて荷重を測定し、複数のセクターに分けられてそれぞれ荷重を測定する複数の測定部、前記複数の測定部のそれぞれに構成される複数の重量検知センサ、前記複数の重量検出センサからセンサ値を受け取って前記複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出し、前記複数の測定部の荷重点の位置を利用して前記動物の体長を算出した後、前記動物の体長と総体重を利用して標準体重と対比される肥満度を算出する制御部を含んでよい。
【0020】
前記複数の測定部は、平面に配置される互いに隣接する4つの測定部で構成され、前記4つの測定部上に前記動物の各足が位置するようにし、前記制御部において、前記4つの測定部それぞれの個別荷重を検出して前記動物の各足の個別荷重を取得してよい。
【0021】
前記制御部は、前記動物の各足の個別荷重による前記動物の各足の荷重の比率に基づいて、足関節の健康を分析してよい。
【0022】
前記制御部は、各測定部の前記複数の重量検出センサから受け取ったセンサ値に基づいて各測定部の荷重点の位置情報を取得し、前記動物の両前足と両後ろ足に対して長さ方向に最長の前足と後ろ足を選択することにより、前記動物の身長である体長を取得してよい。
【0023】
前記制御部は、検出された前記動物の総体重と、使用者によって入力される動物の情報である年齢、ダイエットの意志程度、および供給ペットフードカロリーに基づいて動物に必要な一日の摂取カロリーを算出して、ペットフードの供給量を提案してよい。
【発明の効果】
【0024】
実施形態によると、複数のセクターに分けられた装置に測定対象であるペットの各足を位置させ、複数の重量検知センサを利用して荷重点の位置と荷重値を検出することにより、ペットの体重と体長(身長)はもちろん、肥満度(Body Condition Score:BCS)と関節の健康(膝蓋骨脱臼)程度を測定することができ、これによってペットを管理することができる、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法および装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態における、体重検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置を示したブロック図である。
【
図2】一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法を示したフローチャートである。
【
図3】一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置の1つの測定部を示した図である。
【
図4】一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置の一例を示した斜視図である。
【
図5】一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置の一例を示した平面図である。
【
図6】一実施形態における、動物の体長を説明するための図である。
【
図7】一実施形態における、ペットの体長に対する標準体重を示したグラフである。
【
図8】一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置を利用して、ペットの関節健康を診断する方法を説明するための図である。
【
図9】一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置の実施例を示した図である。
【
図10】一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置を含んだシステムを説明するための図である。
【
図11】一実施形態における、ユーザ端末のアプリケーションとして提供されるペット管理システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照しながら、実施形態について説明する。しかし、記述する実施形態は、多様な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下の実施形態によって限定されてはならない。また、多様な実施形態は、当技術分野において通常の知識を有する者に、本発明をより完全に説明するために提供されるものである。図面において、要素の形状や大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることもある。
【0027】
以下の実施形態は、複数の重量測定センサを備えたスマート診断装置とこれを利用したペット管理技術に関し、ペット(例えば、犬や猫など)の体重や体長(身長)はもちろん、肥満度(Body Condition Score:BCS)と関節の健康(膝蓋骨脱臼)程度を測定することができ、これに基づいてペットを管理することができる、スマート診断装置およびこれを利用したペット管理方法に関する。
【0028】
実施形態は、肉眼や触診ではなく、スマート診断装置を利用して数値的に肥満度(BCS)状態を判定することにより、犬や猫などのペットの健康状態を客観的かつ精密に診断することができる。
【0029】
また、実施形態は、スマート診断装置と端末が有線または無線通信しながら、使用者にペットケアに必要な多様な形態の診断情報を提供することにより、ペットの健康を常に効率的に管理することを目的とする。
【0030】
一実施形態によると、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、ペットの体重、四足の個別荷重、ペットの体長を測定する測定部と、測定された値を演算して有効な情報を提供する制御部とを含む。
【0031】
測定部は、4つのセクターに分離された構造で構成され、ペットの四足それぞれの個別荷重を測定してよい。各セクターには4つの重量測定センサが配置され、荷重点の位置情報を取得する。測定部は、計16個の重量測定センサの組み合わせによって構成される。
【0032】
測定部から取得した16個それぞれの重量測定センサ値に基づいて、16個の重量測定値の合計でペットの体重を検出する。
【0033】
測定部から取得した16個それぞれの重量測定センサ値に基づいて、各セクターの4つの重量測定値の比率を利用して脚の荷重点の位置を探索する。測定された4つの荷重点に基づいてペットの体長を推定計算し、その値を検出する。
【0034】
測定部から取得した16個それぞれの重量測定センサ値に基づいて、各セクターの4つの重量測定値の合計によってペットの四足の個別荷重を検出する。ペットの四足それぞれの個別荷重とは、姿勢を維持するための各足の依存度を意味する。
【0035】
制御部は、前記測定されたペットの体重と体長情報に基づいて、前記ペットの肥満度(BCS)情報を計算して提供する。肥満度は、痩身状態、低体重、正常体重、過体重、および肥満の5段階または9段階に区分してそれに関する情報を提供するが、このような肥満度を数値化し、標準状態100を基準にして被測定ペットの肥満度の情報を提供する。
【0036】
制御部は、測定部から取得したペットの四足の個別荷重情報に基づいて、ペットの四足にそれぞれ加わる個別荷重を点数化した後、ペットの関節健康、特に、膝蓋骨脱臼に関する情報を提供してよい。スコアが著しく低い足は、何らかの理由によって問題があり、ペットがその足の使用を拒んだり、関節異常によって依存度が低い足であることを意味する。
【0037】
制御部は、測定部から取得したペットの体重情報と、使用者によって入力される情報であるペットの年齢、中性化情報、ダイエットの意志程度に基づいて、ペットの一日に必要な摂取カロリーとペットフードの供給量を提案してよい。
【0038】
以下、一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法および装置についてより具体的に説明する。
【0039】
図1は、一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置を示したブロック図である。
【0040】
図1を参照すると、一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置100は、複数の測定部110、複数の重量検知センサ120、および制御部130で構成されてよい。
【0041】
複数の測定部110は、測定対象の下側に配置されて荷重を測定し、複数のセクターに分けられてそれぞれ荷重を測定してよい。このとき、複数のセクター、すなわち、測定部は、互いに隣接して構成されてよく、その数は2つ以上で構成されてよい。
【0042】
例えば、複数の測定部110は、平面に配置される互いに隣接する4つの測定部で構成され、4つの測定部上に動物の各足が位置するようにしてよい。これにより、制御部において、4つの測定部それぞれの個別荷重を検出することにより、動物の各足の個別荷重を取得することができる。例えば、ペットの足を4つの測定部にそれぞれ位置させることで、ペットの各足の個別荷重を取得することができる。また、ペットの荷重点の位置および総体重(荷重)を検出することができる。
【0043】
複数の重量検出センサ120は、複数の測定部110のそれぞれに構成されてよい。すなわち、1つの測定部には、複数の重量検出センサ120が構成されてよい。
【0044】
例えば、複数の重量検出センサ120は、四角構造の測定部の各コーナーに計4つの重量検出センサが配置され、各重量検出センサは、それぞれの測定された荷重値を制御部に伝達してよい。
【0045】
好ましくは、測定部が四角構造で構成されて各コーナーに重量検出センサが配置されるものであってよいが、これに限定されてはならない。測定部は、四角構造を含む多角形構造はもちろん、楕円構造や円形構造などの多様な形態で実現されてよく、測定部に複数の重量検出センサ120が互いに離隔して構成されてよい。
【0046】
複数の重量検出センサ120は、4線のフルブリッジ(Full Bridge)タイプが使用され、それぞれの重量検出センサの個別測定値を取得してよい。また、重量検出センサで取得した測定値は、制御部130に送信されてよい。
【0047】
制御部130は、複数の重量検出センサ120からセンサ値を受け取り、複数の測定部110の荷重点の位置と総体重を検出してよい。また、制御部130は、複数の測定部110の荷重点の位置を利用して、動物の体長を算出してよい。さらに、制御部130は、動物の体長と総体重を利用して、標準体重と対比される肥満度を算出してよい。このとき、制御部130は、算出された肥満度と総体重によって予め設定された肥満段階を区分して使用者に表示してよい。
【0048】
制御部130は、各測定部の複数の重量検出センサ120から受け取った荷重値に基づいて、各測定部の荷重点の位置情報を取得してよい。これにより、荷重点の位置情報と座標を表示して使用者に提供してよい。
【0049】
例えば、制御部130は、各測定部の複数の重量検出センサ120から受け取った荷重値による各測定部の荷重点の座標を、一実施形態における、重量検出センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置100の一側に備えられたディスプレイに表示してよい。他の例として、制御部130は、各測定部の複数の重量検知センサ120から受け取った荷重値による各測定部の荷重点の座標を、一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置100と有線または無線通信する端末のディスプレイに表示してよい。例えば、端末は、使用者のスマートフォン(smart phone)を含んでよい。また、端末は、デスクトップPC、ノート型PC(laptop computer)、デジタルTV、デジタル放送用端末機、PDA(personal digital assistants)、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、スレートPC(slate PC)、タブレットPC(tablet PC)、ウルトラブック(ultrabook)などが含まれてよい。また、制御部130は、各測定部の複数の重量検知センサ120から受け取った荷重値による各測定部の荷重点の位置情報を、一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するためのスマート診断装置100の測定部の上側に備えられたディスプレイに表示してよい。例えば、ペットである犬が測定部に乗った場合、それぞれの測定部に各足の荷重点が表示されるようにしてよい。
【0050】
一方、複数の測定部110のうちで最も荷重がかかった測定部の荷重点の位置情報と座標が表示されるようにしてもよい。例えば、ペットである犬が測定部に乗った場合、4つの測定部のうちで最も負荷がかかった特定の測定部に負荷点が表示されるようにしてよい。
【0051】
制御部130は、動物の各足の個別負荷による動物の各足の負荷比率に基づいて足関節の健康を分析してよい。
【0052】
また、制御部130は、各測定部の複数の重量検出センサ120から受け取った荷重値によって各測定部の荷重点の位置情報を取得し、両前足と両後ろ足に対して長さ方向に最も長い前足と後ろ足を選択することにより、動物の足跡距離を取得してよい。これらの足跡距離によってペットの体長を認知することができる。ここで、体長とは、動物の体の長さを意味する。
【0053】
また、制御部130は、検出された動物の総体重と、使用者によって入力される動物の情報である年齢、ダイエットの意志程度、および供給ペットフードのカロリーに基づいて動物に必要な一日の摂取カロリーを算出して、ペットフードの供給量を提案してよい。
【0054】
実施形態における、体重検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、端末との有線または無線通信のための通信モジュールをさらに含んでよい。また、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、測定したデータ、算術式、測定対象に関する情報などを保存するためのデータベースをさらに含んでよい。
【0055】
一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、低価格の重量検知センサを利用することにより、従来の高価な位置センサ(FSRパッドやカメラなど)を利用する装置よりも原価を大幅に削減することができる。
【0056】
このような、一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、負荷の位置検出が必要な多様な分野への応用が可能である。
【0057】
例えば、人間が正しい姿勢で装置上に立ったときに、体重値と、体重の中心が左右に偏る程度を確認することができる。
【0058】
他の例として、装置の測定平面上で、ある物体が移動するときに、その物体の重量と移動経路を追跡することができる。
【0059】
また他の例として、4つの装置を利用して四足動物が装置上に立ったときに、各足の荷重と位置を検出することができる。例えば、ペットなどの動物のバランスを測定することができる。
【0060】
また他の例として、装置の中心点に固定された物体または器具を設置したとき、側面からこの物体に何らかの力が加えられた場合、側面荷重点の方向とその強度を検出することができる。例えば、装置の中心点に固定された物体または器具に特定の方向から風の力が加えられた場合、風向と風速を確認することができる。
【0061】
さらに他の例として、動く構造物の脚(または足)に装置を装着する場合、荷重の偏心程度を測定し、重心維持のための動作情報を提供することができる。例えば、ロボットの脚のバランスを維持する装置を提供することができる。
【0062】
図2は、一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法を示したフローチャートである。
【0063】
図2を参照すると、一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法は、測定対象である動物の下側に複数の測定部を配置する段階110、複数の測定部のそれぞれに構成される複数の重量感知センサによって取得したセンサ値を制御部に伝達する段階120、制御部から伝達された複数の重量検出センサのセンサ値を利用して複数の測定部の荷重点の位置と総体重を検出する段階130、複数の測定部の荷重点の位置を利用して動物の体長を算出する段階140、および動物の体長と総体重を利用して標準体重と対比される肥満度を算出する段階150を含んでよい。
【0064】
また、動物の各足の個別荷重による動物の各足の荷重比率に基づいて、足関節の健康を分析する段階160をさらに含んでよい。
【0065】
また、検出された動物の総体重と、使用者によって入力される動物の情報である年齢、ダイエットの意志程度、および供給ペットフードのカロリーに基づいて動物に必要な一日の摂取カロリーを算出して、ペットフードの供給量を提案する段階170をさらに含んでよい。
【0066】
重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法は、図に示した順に発生しなくてもよく、段階の一部が省略されたり追加の過程がさらに含まれてもよい。
【0067】
一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断方法は、例えば、一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置100によって実行されてよい。これは、
図1を参照しながら説明した内容と重複するため、簡単に説明する。
【0068】
段階110で、測定対象である動物の下側に複数の測定部110を配置してよい。例えば、測定対象である動物は、犬や猫などのペットであってよい。複数の測定部110は複数のセクターに分割され、それぞれ荷重を測定してよい。
【0069】
段階120で、複数の測定部110のそれぞれに構成される複数の重量検知センサ120によって取得したセンサ値を制御部130に伝達してよい。
【0070】
段階130で、制御部130から伝達された複数の重量検出センサ120のセンサ値を利用して、複数の測定部110の荷重点の位置と総重量を検出してよい。
【0071】
段階140で、複数の測定部110の荷重点の位置を利用して、動物の体長を算出してよい。
【0072】
段階150で、動物の体長と総体重を利用して、標準体重と対比される肥満度を算出してよい。
【0073】
段階160で、動物の各足の個別荷重による動物の各足の荷重比率に基づいて、足関節の健康を分析してよい。
【0074】
段階170で、検出された動物の総体重と、使用者によって入力される動物の情報である年齢、ダイエットの意志程度、および供給ペットフードのカロリーに基づいて動物に必要な一日の摂取カロリーを算出して、ペットフードの供給量を提案してよい。
【0075】
実施形態に係るスマート診断装置は、ペットの体重はもちろん、体長も測定することができ、この情報を提供することでペットを管理することができるようにする。
【0076】
また、実施形態に係るスマート診断装置は、測定されたペットの体重と体長に基づいた肥満度(BCS)程度の情報を提供することにより、ペットを管理することができるようにする。
【0077】
また、実施形態に係るスマート診断装置は、備えられた16個の重量測定センサを利用してペットの体重を測定するときに、各足の個別荷重を測定し、測定された値を点数化して依存度が低い足を探索し、この情報を提供することにより、ペットの足関節の健康(膝蓋骨脱臼)程度を診断することができる。
【0078】
また、実施形態に係るスマート診断装置は、体重と関節の健康(膝蓋骨脱臼)程度を測定し、測定された情報に基づいて体重に対する関節健康(膝蓋骨脱臼)に対する影響を分析し、分析された情報に基づいて飼い主がペットの体重を容易に管理することができる上に、関節健康(膝蓋骨脱臼)も容易に管理することができるようにする。
【0079】
さらに、実施形態に係るスマート診断装置は、複数の重量測定センサを利用するだけで、ペットの体重と体長(身長)、肥満度(BCS)、関節の健康(膝蓋骨脱臼)状態をすべて測定し、これに関する情報を提供する体重計タイプの装置であって、ペット、すなわち、犬や猫がこの装置の上に立つだけで上述したすべての情報を一度に提供することができる。
【0080】
図3は、一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置の1つの測定部を示した図である。
【0081】
図3を参照すると、一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、4つの重量検知センサ320を利用して荷重点330の位置を検出するものであって、特定の測定範囲の平面上に加わる荷重をそれぞれの重量検知センサ320がその測定値を取得し、この情報を制御部に伝達して荷重点330の位置と荷重値を検出する。
【0082】
一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するためのスマート診断装置は、被測定対象を測定する測定部310、4つの重量検知センサ320、および測定された値を演算して有効な情報を提供する制御部を含む。
【0083】
四角平面構造の測定部310の各コーナーには4つの重量検出センサ320が構成され、4つの重量検出センサ320は、それぞれの測定された荷重値を有する。4つの重量検出センサ320それぞれの測定された値は、荷重点330の位置によって測定点に近いほどその値は増加し、離隔するほどその値は減少する。4つのそれぞれの重量測定値は制御部に伝達され、負荷点330の位置情報が得られる。このとき、4つのそれぞれの重量測定値の合計は、被測定対象の体重となる。
【0084】
4つの重量検出センサ320を利用して荷重点の位置を探索する装置の測定装置は、基本的に4つのロードセル(重量測定装置)と、測定平面で構成される測定部で構成される。4つのロードセルは、測定平面板の下の4つのコーナーポイントにそれぞれ配置される。ロードセルは、一般的な体重計に使用される3線のHalf bridgeタイプではなく、4線のFull bridgeタイプが使用され、それぞれのロードセルの個別測定値が得られなければならない。Half bridgeタイプの重量検出センサ320が4つで構成された一般的な体重計の場合は、4つの測定値を合わせて提供する方式であり、実施形態の測定方式と同じではない。
【0085】
図3に示すように、x、y地点に荷重が加わったときに各ロードセルの値は制御部に伝達され、以下のような方法によって荷重点330の位置と総荷重値を得ることができる。
【0086】
重量を測定する測定平面板上の特定の位置に荷重が作用されると、荷重点330に近い重量検知センサ320であるほど大きな値を有するようになるため、次のような計算式によって荷重点330の位置を探索することができる。
【0087】
[数式1]
x = L x {((#3 + #4) / (#1 + #2 + #3 + #4)}
【0088】
[数式2]
y = W x {(#2 + #4) / (#1 + #2 + #3 + #4)}
【0089】
ここで、#1は第1ロードセルのセンサ値、#2は第2ロードセルのセンサ値、#3は第3ロードセルのセンサ値、#4は第4ロードセルのセンサ値である。また、xは第1ロードセルから測定された荷重点330までの横方向の長さを示し、Lは第1ロードセルから第3ロードセルまでの横方向の長さを示す。yは第1ロードセルから測定された荷重点330までの縦方向の長さを示し、Wは第1ロードセルから第2ロードセルまでの縦方向の長さを示す。このとき、それぞれの第1~第4ロードセルの中心が、長さ(距離)を測定する基準となってよい。
【0090】
例えば、重量感知センサ320の間隔が、L=200mm、W=100mmであり、ペットの一足が一地点に位置することで測定されたそれぞれの重量感知センサ320の値が#1=200g、#2=250g、#3=290g、#4=310gである場合、ペットの足の位置は次のように計算されてよい。
【0091】
[数式3]
x = 200 x {(290 + 310) / (200 + 250 + 290 + 310)} = 114.3mm
【0092】
[数式4]
y = 100 x {(250 + 310) / (200 + 250 + 290 + 310)} = 53.3mm
【0093】
このとき、荷重値は、4つの重量感知センサ320の和である1050gとなる。
【0094】
図4は、一実施に形態における、体重検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置の一例を示した斜視図であり、
図5は、一実施形態における、体重検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置の一例を示した平面図であり、
図6は、一実施形態における、動物の体長を説明するための図である。
【0095】
図4~
図6を参照すると、一実施形態に係る4×4個の重量検知センサ420を利用して、ペットの足跡距離(足跡長さ)の値を取得してよい。一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置400は、4つの重量検知センサ420を1つのセクター410として計4つのセクターで構成し、ペット、例えば、犬または猫の四足をそれぞれのセクター410に位置させて測定することにより、ペットの四足の位置、すなわち、四足の荷重点430をすべて追跡することができる。ここで、セクター410とは、上述した測定部を意味してよい。各セクター410から取得したペットの四足の位置値のうちで長さ方向が最も離れている距離を採択することでペットの足跡距離(最大値)を得ることができる。これは、次の数式のように示されてよい。
【0096】
[数式5]
x_FL = L_F x {(#3FL + #4FL) / (#1FL + #2FL + #3FL + #4FL)}
【0097】
[数式6]
x_FR = L_F x {(#3FR + #4FR) / (#1FR + #2FR + #3FR + #4FR)}
【0098】
[数式7]
x _RL = L_R x {(#3RL + #4RL) / (#1RL + #2RL + #3RL + #4RL)}
【0099】
[数式8]
x _RR = L_R x {(#3RR + #4RR) / (#1RR + #2RR + #3RR + #4RR)}
【0100】
ここで、ペットの各足は、4つのセクター410に1足ずつ位置されるようにし、ペットの左前足が位置する第1セクター(FL)、右前足が位置する第2セクター(FR)、左後ろ足が位置する第3セクター(RL)、および右後ろ足が位置する第4セクター(RR)に区分されてよい。第1セクター(FL)は4つのロードセル、すなわち、#1FL、#2FL、#3FL、#4FLを含み、第2セクター(FR)は#1FR、#2FR、#3FR、#4FRを含み、第3セクター(RL)は#1RL、#2RL、#3RL、#4RLを含み、第4セクター(RR)は#1RR、#2RR、#3RR、#4RRを含む。
【0101】
ペットの最も離れた足跡距離を取得するために、x_FLとx_RRの値を採択し、x_FRとx_RRの値は捨てる。すなわち、例えば、x_FLとx_FRのうちで長さがより長いx_FLの値を採択し、x_RLとx_RRのうちで長さがより長いx_RRの値を採択する。
【0102】
これにより、最も離れた足跡距離を有する体長値Lは、次の数式のように示されてよい。
【0103】
[数式9]
L = x_FL + L_B + x_RR
【0104】
この相関式は、動物の種類(例えば、犬種)によって、さらに実験的経験値によって補正されてよい。ここで、L_Bは、隣接するセクターのロードセルの間隔、すなわち、x_FLとx_RRの距離を示す。
【0105】
例えば、装置の設定された固定値がL_F=205mm、L_B=38mm、L_R=205mmであり、ペットが装置に乗って測定された16個の重量検知センサ420の値がそれぞれ#1FL=210g、#2FL=180g、#3FL=330g、#4FL=300g、#1FR=170g、#2FR=240g、#3FR=320g、#4FR=150g、#2RL=140g、#3RL=180g、#4RL=190g、#1RR=200g、#2RR=190g、#3RR=270g、#4RR=250gの場合、ペットの体長は次のように計算されてよい。
【0106】
[数式10]
x_FL = 205 x {(330 + 300) / (210 + 180 + 330 + 300)} = 126.6 mm
【0107】
[数式11]
x_FR = 205 x {(320 + 300) / (170 + 240 + 320 + 300)} = 123.4mm
【0108】
[数式12]
x _RL = 205 x {(180 + 190) / (150 + 140 + 180 + 190)} = 114.9mm
【0109】
[数式13]
x _RR = 205 x {(270 + 250) / (200 + 190 + 270 + 250)} = 117.1mm
【0110】
ペットの最も離れた足跡距離を取得するために、x_FLとx_RR値を採択し、x_FRとx_RL値は捨てる。これにより、体長値は次のように計算されてよい。
【0111】
[数式14]
L = 126.6 + 38 117.1 = 281.7mm (28.2cm)
【0112】
このとき、ペットの体重は、16個の重量感知センサ420の和である3620gとなる。
【0113】
以下では、ペットとして犬を例に挙げ、体重と体長値を利用して肥満度(BCS)値を取得する技術について説明する。
【0114】
一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、ペットの体重と体長を測定し、この情報に基づいてペットの肥満度(BCS)を定量化された数値で提供してよい。
【0115】
図7は、一実施形態における、ペットの体長による標準体重を示したグラフである。
【0116】
まず、
図7に示すように、ペットの肥満度を定義するためには、体長による標準体重を定義する必要がある。標準体重は、多数のペット集団から実際の測定値の分布に基づいてその相関式を得てから求めることができる。
【0117】
これは、動物病院で60匹の不特定の犬から測定された体長による体重値の分布であり、これから得られた標準体重の相関式は、次のように示されてよい。
【0118】
[数式15]
標準体重 (SW) = 0.004 x (L)2 - 0.003 x (L)
【0119】
このとき、標本数が多いほどより正確な標準体重の相関式を得ることができ、体形が異なる犬種によって相関式を区分して特定してもよい。
【0120】
肥満度は、標準体重を基準にして5~9段階で表示してよい。なお、肥満度は、実施形態に応じて多様な段階に区分されてよい。
【0121】
以下は、体長による標準体重を基準にして肥満度を5段階で表示する方法を示した一例である。
【実施例0122】
被測定ペットの体長がL=28.8cmであり、体重がW=3.62kgである場合、標準体重は次のとおりとなる。
【0123】
[数式16]
SW = 0.004 x (28.8)2 - 0.003 x (28.8) = 3.23kg
【0124】
標準体重3.23kgを百分位点数100に設定するとき、被測定ペットの肥満指数は次のように示されてよい。
【0125】
[数式17]
k = W / SW x 100 = 3.62 / 3.23 x 100 = 112.1
【0126】
体長が28.8cmであるペットの肥満指数を、求められた標準体重3.23kgを100として5段階に区分すれば、次のように示されてよい。
【0127】
【0128】
すなわち、体長が28.8cmである被測定ペットは、肥満指数112.1として過体重の初期段階に該当する。
実施例1および2で示したように、体重は同じであるが体長が異なる場合には肥満度が異なるように測定されることを確認することができる。これは、肉眼や触診だけで主観的に肥満を判定する現行のペット肥満度測定結果と比較すると、その結果を数値的に確認することができることから、客観的かつ精密な結果を表すものである。
一実施形態における、重量検知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、構造的に4つの個別の体重計、すなわち、測定部で構成されている。被測定ペットの四足をそれぞれ4つの個別の測定部に位置させることで、被測定ペットの各足の個別荷重を検出することができる。ペットの四足それぞれの個別荷重は、姿勢を維持するための各足の依存度を意味するため、これを点数化し、関節異常、特に、膝蓋骨脱臼に関して有意な診断を行うことができる。
例えば、ペットの四足が、4つの個別の測定部により、FL=1020g、FR=1030g、RL=660g、RR=910gと測定された場合、次のように示されてよい。
また、上述した荷重比率値は、各足の点数を100点を基準として点数化してよく、次のように示されてよい。すなわち、足それぞれの荷重比率が25%である場合に100点となる。
上述したような結果分析を基準にして前記被測定ペットの状態を分析すると、上述した被測定ペットは、左後ろ足(RL)に関節疾患の疑いがある状態であると診断される。点数が著しく低い足は、何らかの理由によって問題があり、ペットがその足の使用を拒否しているか、関節異常によって依存度が低い足であることを意味する。ここで、求められた関節健康判定に対する点数基準は、実験および累積結果に基づいて調整されてよい。
以下では、ペットの体重の他に、使用者によって入力される情報(ペットの年齢、ダイエットの意志程度、ペットフードのカロリーなど)を利用して、一日のペットフードの給与量を計算することについて説明する。
一実施形態における、重量感知センサを利用してペットの肥満度と足関節の健康尺度を測定するスマート診断装置は、取得した体重情報に加え、使用者によって入力される情報であるペットの年齢、ダイエットの意志程度、ペットフードのカロリーに基づいて、ペットに必要な一日の摂取カロリーとペットフードの給与量を提案する。
例えば、1歳以上の中性化ありの成犬である被測対象のペットが、スマート診断装置で体重3.62kgと測定され、ダイエットを始めようとする場合、このペットに必要な一日の摂取カロリーcは、次のように計算されてよい。
使用者がペットに供給しているペットフードのカロリーが380kcal/100g(3.8kcal/日)である場合、ペットに供給するペットフードの量は次のように示されてよい。このとき、ペットフードのカロリーは、ペットフードのラベルから確認することが可能である。
以上のように、実施形態によると、複数のセクターに分けられた装置に測定対象のペットの各足を位置させ、複数の重量検出センサを利用して各足の個別荷重、体重、および荷重点の位置を検出することにより、ペットの体重および体長(身長)はもちろん、肥満度(BCS)と関節の健康(膝蓋骨脱臼)程度を測定することができ、これに基づいてペットを管理することができるようにする。なお、実施形態は、ペットだけでなく、他の動物や人間にも適用可能であるし、ロボットや事物、建築物などにも適用可能である。
以上、ある構成要素が他の構成要素に「連結して」いたり「接続して」いると記述されるときには、その他の構成要素に直接連結していたり接続している場合もあるが、中間に他の構成要素が存在する場合もあるものと解釈されなければならない。この半面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結して」いたり「直接接続して」いると記述されるときには、中間に他の構成要素が存在しないものと解釈されなければならない。
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上で明らかに異なる意味が記されていない限り、複数の表現を含む。本明細書において「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つまたは複数の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性をあらかじめ排除するものではないと解釈されなければならない。
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するために使用されるものであるが、このような構成要素が上述したような用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的として使用されるものに過ぎない。
また、明細書に記載される「・・・部」や「・・・モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味するものであり、ハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現されてよい。
また、各図面を参照しながら説明する実施形態の構成要素は、該当の実施形態だけに限定的に適用されるものではなく、本発明の技術的思想が維持される範囲内で他の実施形態にも含まれるように実現されてよく、また、個別の説明を省略したとしても、複数の実施形態を統合した1つの実施形態として再実現が可能であることは当然である。
また、添付の図面を参照した説明は、図面符号に関係なく、同一の構成要素には同一あるいは関連する参照符号を付与したし、これに関して重複する説明は省略した。本発明を説明するにあたり、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明確にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略した。
以上のように、実施形態を限定された実施例と図面によって説明したが、当技術分野において通常の知識を有する者であれば、上述の記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明した技術が説明した方法とは異なる順序で実行されたり、および/または説明したシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明した方法とは異なる形態で結合または組み合わせられたり、他の構成要素または均等物に代替または置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。