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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002577
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】センサー
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/06 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
G01N27/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101850
(22)【出願日】2022-06-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】516322474
【氏名又は名称】株式会社RECOTEK
(71)【出願人】
【識別番号】506123450
【氏名又は名称】株式会社リモート
(74)【代理人】
【識別番号】100139815
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 忠克
(72)【発明者】
【氏名】梶原 誠二
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA07
2G060AD09
2G060AF07
2G060AF08
2G060AG03
2G060AG11
2G060FA01
2G060HE02
(57)【要約】
【課題】測定精度の向上に寄与する構造のセンサーを提供すること。
【解決手段】牛の体内に挿入されて用いられるセンサー1のケース10と、当該ケース10の外周に配置された電極対500とを備えており、前記電極対500を用いて測定されたデータを、前記ケースに内蔵されたデータ送信手段3を用い、無線通信回線Rwを通じて送信することができるセンサー1であって、前記電極対500を構成する各電極51,51が、それぞれ、電極51の全周に亘って前記ケース1の絶縁材で構成された外面に囲まれている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牛の体内に挿入されて用いられるセンサーのケースと、当該ケースの外周に配置された電極対と、を備えており、
前記電極対を用いて測定されたデータを、前記ケースに内蔵されたデータ送信手段を用い、無線通信回線を通じて送信することができるセンサーであって、
前記電極対を構成する各電極は、それぞれ電極の全周に亘って前記ケースの絶縁材で構成された外面に囲まれている、センサー。
【請求項2】
前記電極対を構成する2つの電極は、当該2つの電極の間に形成された電極間外周面を介して前記センサーの長手方向に並ぶ状態に配置されている、請求項1に記載のセンサー。
【請求項3】
前記ケースの外周には、複数の前記電極対が配置されており、
複数の前記電極間外周面の相互間には電極対間外周面が配置されており、
各電極対間外周面は、前記電極間外周面に隣接している、請求項2に記載のセンサー。
【請求項4】
前記ケースは、体内への挿入時に、前記電極よりも先に挿入される長手方向の一端側の端部に形成された先部外周面を備えており、
前記電極対間外周面は、前記先部外周面に隣接している、請求項3に記載のセンサー。
【請求項5】
前記電極は、前記ケース外側に突出した凸状の電極面を備えている、請求項4に記載のセンサー。
【請求項6】
各電極は、前記ケースの外周に形成された凹部内に配置されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項7】
各電極は、それぞれ、個別の前記凹部内に配置されている、請求項6に記載のセンサー。
【請求項8】
前記電極の外周縁に沿って形成された隅部を備えている、請求項7に記載のセンサー。
【請求項9】
前記電極の外周面に隣接して形成された溝部を備えている、請求項8に記載のセンサー。
【請求項10】
前記凹部内に設置された前記電極の電極面は、少なくともその一部で、前記電極対間外周面に隣接している、請求項8に記載のセンサー。
【請求項11】
前記ケースの前記一端側よりもその反対側である他端側に近い位置に配置された支持部材を備えており、
前記ケースが体内に挿入され、前記支持部材および前記一端側の端部の位置で挿入先の体内面に接する状態に設置されると共に、前記一端側の端部およびその周辺に形成された前記体内面との接触エリアと当該接触エリアの長手方向他方側の非接触エリアとの境界が形成されるように設置されたとき、
前記境界が前記電気対間外周面に位置する状態で、牛の動きに伴って前記体内面に対する前記ケースの動きが生じると、前記境界が前記電極対間外周面に沿って前記長手方向に移動するようになっている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜などの四足哺乳動物の体調管理に用いられる体調測定機器に関し、特に、牛の排卵予測や分娩予測などに用いられる体調測定機器の測定用のセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
牝牛の排卵予測や分娩予測のために用いられるセンサーとしては、例えば、絶縁範囲5を挟んで先端側の電極3と後端側の電極4を備えたゾンデ1(特許文献1参照)や、正確に分娩予知を行おうとする分娩予知通報システムがある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58-169444号公報
【特許文献2】特開2006-125231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の測定機器の開発では、データ処理技術の向上によって測定精度を向上させるものが多数であり、センサーの構造面については、例えば、引用文献1に開示されているように、単に絶縁範囲を挟んで電極3,4を配置した構造のゾンデ1が存在する程度である。
そして、データ処理技術の向上によって測定精度を向上させるとしても限界がある場合もある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、測定精度の向上に寄与する構造のセンサーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願に係る発明は、牛の体内に挿入されて用いられるセンサーのケースと、当該ケースの外周に配置された電極対と、を備えており、前記電極対を用いて測定されたデータを、前記ケースに内蔵されたデータ送信手段を用い、無線通信回線を通じて送信することができるセンサーであって、前記電極対を構成する各電極は、それぞれ電極の全周に亘って前記ケースの絶縁材で構成された外面に囲まれている。
【0007】
前記電極対を構成する2つの電極は、当該2つの電極の間に形成された電極間外周面を介して前記センサーの長手方向に並ぶ状態に配置されている。
【0008】
そして、前記ケースの外周には、複数の前記電極対が配置されており、複数の前記電極間外周面の相互間には電極対間外周面が配置されており、各電極対間外周面は、前記電極間外周面に隣接している。
【0009】
また、前記ケースは、体内への挿入時に、前記電極よりも先に挿入される長手方向の一端側の端部に形成された先部外周面を備えており、前記電極対間外周面は、前記先部外周面に隣接している。
【0010】
また、前記電極は、前記ケース外側に突出した凸状の電極面を備えている。
そして、各電極は、前記ケースの外周に形成された凹部内に配置されている。
さらに、各電極は、それぞれ、個別の前記凹部内に配置されていることがより好ましい。
【0011】
また、前記電極の外周縁に沿って形成された隅部を備えている。
さらに、前記電極の外周面に隣接して形成された溝部を備えている。
【0012】
そして、前記凹部内に設置された前記電極の電極面は、少なくともその一部で、前記電極対間外周面に隣接していることがより好ましい。
【0013】
また、前記ケースの前記一端側よりもその反対側である他端側に近い位置に配置された支持部材を備えており、前記ケースが体内に挿入され、前記支持部材および前記一端側の端部の位置で挿入先の体内面に接する状態に設置されると共に、前記一端側の端部およびその周辺に形成された前記体内面との接触エリアと当該接触エリアの長手方向他方側の非接触エリアとの境界が形成されるように設置されたとき、前記境界が前記電気対間外周面に位置する状態で、牛の動きに伴って前記体内面に対する前記ケースの動きが生じると、前記境界が前記電極対間外周面に沿って前記長手方向に移動するようになっている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のセンサーを用いれば、牛などの家畜の体内での測定精度をより向上させることができ、家畜の体調管理、特に排卵予測や分娩予測の精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るセンサーの使用状態を示す概念図である。
図2】本発明に係るセンサーの実施例1を示す斜視図である。
図3図2に示されるセンサーの先端部を示す拡大平面図である。
図4図2に示されるセンサー(支持部材を除く)の構造を示す分解平面図である。
図5図3に示されるセンサー先端部のC-C断面を示す分解正面断面図である。
図6図3に示されるセンサー先端部のC-C断面を示す正面断面図である。
図7図3に示されるセンサー先端部のB-B断面を示す側面断面図である。
図8】本発明に係るセンサーの使用状態を説明するための説明図である。
図9】本発明に係るセンサーの実施例2を示す分解正面断面図(実施例1の図5に相当する図)である。
図10図9に示されるセンサー先端部の正面断面図(実施例1の図6に相当する図)である。
【符号の説明】
【0016】
1…センサー(実施例1)、1A…センサー(実施例2)、1x…センサーの長手方向、
2…制御モジュール(センサー制御手段),3…無線通信モジュール(データ送信手段),
4…温度測定モジュール、5…電池モジュール、
10…ケースユニット(ケース、挿入ケース)、
20…後部ケース、20s…後部ケースの外周面、20x…筒部の回転対称軸(中心軸)、
21…筒部、21a…一端側の開口、22…ケース後端部(センサー後端部)、
23…嵌合凸部(他方の接続部)、
30…先部ケース、30x…先部ケース(の筒部)の回転対称軸(中心軸)、
31…筒部、31a…他端側の開口、31s…外周面、31w…外周体(外周部材)、
32…ケース先端部(センサー先端部、一端側の端部)、
32s…ケース先端部の外周面(先部外周面)、33…嵌合凹部(一方の接続部)、
40…端子取付部(取付孔)、40m…マイナス端子用の取付孔(-端子取付孔)、
40p…プラス端子用の取付孔(+端子取付孔)、40x…回転対称軸(中心軸)、
41…大径部、41b…底面、41w…孔内周側面、
42…小径部、42a…外側開口縁、42w…孔内周側面、
50…端子、50x…回転対称軸(中心軸)、
51…電極部(電極)、51p…+電極(+電極部)、51m…-電極(-電極部)、
51a…電極面、51b…裏面、51e…外周縁、51t…頂上、52…軸部、52a…中空部、
500…電極対(両電極部51,51)、
60…隅部(溝部)、70…支持ユニット(支持部材)、71…装着部、72…脚部、
80…端子(実施例2)、81…電極部(電極)、81a…電極面、81e…外周縁、
800…電極対(両電極部81,81)、
C1…回転対称軸40xと第1円周線との交点、
C2…回転対称軸40xと第2円周線との交点、Cf…牝牛、Cs…体内面、
Da…先端側接触領域(体内面との接触エリア)、
Db…後端側非接触領域(体内面との非接触エリア),Dv…境界(境界領域),
E…中空空間、
H1…電極部51の高さ寸法、H2…大径部41の最短部分の高さ寸法、
H3…大径部41の最長部分の高さ寸法、
L1…電極対間距離、L2…対電極間距離、Lc…外接線、
P…輪郭線、Rw…無線通信回線、R…体液(膣内体液、導電性を有する液体)、
S1…第1直交面、S2…第2直交面、
Sb…電極対間外周面,Si…電極間外周面,Sw…電極対エリア,Vh…横方向(視認方向),
α…劣角(本実施形態では鋭角)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係るセンサーの実施形態について説明する。
センサー1は、図1及び図2に示されるように、牝牛Cfの体内(ここでは膣内)に挿入されて用いられるものであり、導電性を有する体液(膣内体液)Rについての電気抵抗値(あるいは電気伝導率)を測定可能な測定装置の測定端末(測定子機)として使用可能なものである(図1及び図2参照)。また、温度測定モジュールを内蔵するセンサー1では、さらに体内温度(膣内温度)をも測定可能な測定端末として使用可能である。
センサー1を用いる測定装置(不図示)としては、例えば、排卵予測や分娩予測などを行う予測装置(予測システム)を挙げることができる。
【0018】
図2に示されるように、実施例1のセンサー1は、センサー1の外形を構成するケースユニット(挿入ケースまたは、単にケースと称することがある)10を備えている。
ケースユニット10内には、電気抵抗値及び体内温度の測定動作の制御に用いられる制御モジュール2、無線通信モジュール3、温度測定子を含む温度測定モジュール4、そして電源である電池モジュール5など、各種のセンサー構成要素が内蔵される。つまり、センサー1は、無線通信回線Rw(図1参照)を利用して、測定データ等の各種のデータを牛Cfの体外の送受信機(を備える測定装置本体)との間で送受信可能な無線式センサーである。
なお、ケース10内に各モジュール等の構成要素を設置する構成及び設置方法、あるいは設置後の封止構造及び封止方法(モールド方法)などについては周知の方法を用いることが可能であるので図示及び説明を省略し、各モジュール等の間の配線等についても図示を省略した。
また、データ測定制御、無線通信制御及び電池動作制御については、周知の制御技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。つまり、例えば、後述の端子50の電極(電極部)51を用いた電気抵抗値の測定動作、温度測定モジュールを用いた温度の測定動作、測定データをはじめとする各種データの送受信動作など、周知の処理動作で実行可能な各種の動作について、詳細な説明を省略する。
【0019】
ケースユニット10は、中空の後部ケース20と、後部ケース20に対して着脱自在に取り付けられる中空の先部ケース30とを備えている。先部ケース30と後部ケース20が接続されて構成されるケースユニット10(すなわちセンサー1)は、先部ケース30及び後部ケース20の中心軸20x,30xの方向を長手方向1xとする部材である。
また、後部ケース20及び先部ケース30は、いずれも絶縁性を有する樹脂(絶縁材)で構成されている。先部ケース30には、電気抵抗値の測定に用いられる端子50が取り付けられている。端子50は、後述しているように、データ測定時の通電部位であり導電材で構成されている。
【0020】
図4に示されるように、後部ケース20は、中空の筒部21を有し、筒部21の一端側は開口21aになっている。そして、一端側の開口部には、先部ケース30の後述の嵌合凹部(一方の接続部)33との接続に用いられる嵌合凸部(他方の接続部)23が形成されている。他方、筒部21の他端側には、筒部21に一体に連なるケース後端部(以下、センサー後端部と称することがある)22が形成されている。ケース後端部22は、筒部21の長手方向に延びる中心軸20xの他端側に膨出した凸形状の部位であり、後部ケース20の他端側はケース後端部22 によって閉塞されている。
また、先部ケース30は、中空の筒部31を有する部材であり、先部ケース30の筒部31の他端側は開口31aになっている。そして、他端側の開口部には、後部ケース20の嵌合凸部23との接続に用いられる嵌合凹部(一方の接続部)33が形成されている。他方、筒部31の一端側には、筒部31に一体に連なるケース先端部(以下、センサー先端部と称することがある)32が形成されている。ケース先端部32は、筒部31の中心軸30xの他端側に膨出した凸形状の部位であり、先部ケース30の先端側はケース先端部32によって閉塞されている。
【0021】
先部ケース30の嵌合凹部33と後部ケース20の嵌合凸部23は相互に着脱可能な状態で嵌合により接続可能である。接続によって形成されるケースユニット10の内部空間(中空空間、図5参照)Eには、上述した各種のモジュールなど、センサーの構成要素が内蔵される。なお、ケースユニット内については、上述のモジュール等のセンサー構成要素の設置、ケース30への端子50の設置、さらには端子50と制御モジュール等との必要な配線の接続などが行われ、センサー動作可能な状態が確保された後、周知のモールド工程等によって封止することが好ましい。
【0022】
図5に示されるように、先部ケース30の筒部31は、ケースユニット10の内外を区画する所定の肉厚の殻体ともいうべき外周体31wで構成されている。そして、先部ケース30の外周体31w(筒部31)には、測定用の端子50の取付けに用いられる端子取付部(以下、単に、取付孔と称する)40が形成されている。
本実施例では、取付孔40は、外周体31wである先部ケース30を貫通する貫通孔である。
【0023】
取付孔40は、より具体的に説明すると、筒部31(外周体31w)の外側の外周面31sに隣接する大径部41と、外周体31wの内側の中空空間Eに隣接する小径部42とを備えている。大径部41および小径部42は、いずれも、貫通孔を取り囲む円筒形の孔内周側面41w,42wで構成された部位である。
【0024】
大径部41および小径部42は、両者の回転対称軸(中心軸)が同一の中心軸40x上に位置する状態に配置されている。したがって、端子50を取り付ける前の取付孔40をケース外側から見たときに視認できるが、大径部41の底面41bの位置に小径部42の外側開口縁42aが形成されている。
大径部41の底面41bの円形の外周縁および小径部42の円形の外側開口縁42aは、同心円に配置されており、大径部41の底面41bの外周縁は、小径部42の外側開口縁42aを全周に亘って取り囲む配置である。したがって、大径部41の底面41bは、いわゆるドーナツ形状(中空円盤形状)であり、大径部41と小径部42の径の大きさの違いに起因して生じた段差面ということができる。
【0025】
測定用の端子50は、取付孔40に取り付けられるものであり、取付孔40の大径部41に装着される電極部(以下、単に電極と称することがある)51と、取付孔40の小径部42に挿入される軸部52とを備えている。
軸部52は、通電用の配線(不図示)を介して制御モジュール2に接続されており、電極部51の裏面側に一体に形成されている。また、軸部52は、配線の接続等に用いることができる中空部52aを有している。
【0026】
軸部52は円筒形状の部材であり、その直径は取付孔40の小径部42にガタが生じない状態で挿入できる寸法、すなわち小径部42の内径に一致する径である。また、電極部51の裏面51bは、後述しているように、大径部41の底面41bに密着可能な平面である。したがって、取付孔40に端子50を取り付けると、取付孔40は端子50によって塞がれる。大径部41の底面41bと電極部51の裏面51bとが当接することで、電極部51の、取付孔40に対する回転対称軸40xの方向の位置が位置決めされる。なお、端子50のケースへの固定はネジ留めや接着など周知の方法を用いて可能であり、具体的な固定構造について図示を省略した。
また、取り付けられた端子50は図示しない配線によって制御モジュール2に接続される。なお、本実施例では、便宜的に配線の図示を省略した。
【0027】
電極部51は、端子50が取付孔40に取り付けられた状態で、ケースユニット10の外側の外界に面する電極面51a(図6参照)と、軸部52が配置された裏面51bと、外周縁51eとを備える。
電極面51aは、測定対象に接触する接触面であり、中央部が膨出した凸状の面(凸面)である。なお、本実施例における測定対象は、典型的には体液Rである。
外周縁51eは、電極面51aと裏面51bとの間に配置された外周縁面であり、電極面51aの外周縁および裏面51bの外周縁に接しており、電極面51aおよび裏面51bの外周縁ということができる。なお、本実施例において、電極部51(電極面51a)は、外周縁に取り囲まれて中央部が膨出した凸形状の部位である。
電極部51の外周縁51eは、軸部52の外周縁より大径であり、両外周縁は同心円状に配置されている。つまり、電極部51の平面の裏面51bは、いわゆるドーナツ形状である。端子50を取付孔40に取り付けたとき、電極部51の裏面51bは大径部41の平面の底面41bと当接する状態になる。
【0028】
電極部51の外周縁51eは、大径部41の孔内周側面41wと同径である。
図6に示されるように、ケースユニット10の取付孔40に端子50を取り付けたとき、電極部51(すなわち電極面51a)の外周縁51eは、大径部41の孔内周面41wに接する状態であり、大径部41の底面41bの小径部開口42aは端子50によって閉塞されている。したがって、取付孔40に取り付けられた端子50の電極部51は、完成品であるセンサー1に着目すれば、先部ケース30の外周に形成された有底の凹部内に設置されているものであるということができる。
【0029】
また、図3に示されるように、取付孔40に取り付けられた端子50の電極部51(の外周縁51e)は、全周に亘って、先部ケース30(ケースユニット10)の絶縁材で構成された外面に取り囲まれた状態で先部ケース30に取付けられている。
先部ケース30(ケースユニット10)の外面とは、先部ケース30の外周面31sや取付孔40の大径部41の孔内周側面41wなどのうち、センサー1の外界に露出している面のことである。
つまり、本実施例のセンサー1では、電極部51は、先部ケース30の筒部31を構成する外周体31wに取り囲まれた状態であり、先部ケース30の外面の一部である外周面31sに取り囲まれた状態ということもできる。
【0030】
また、図7に示されるように、凸状の電極部51(すなわち電極面51a)は、取付孔40の中心軸40xのケース外側に向けて凸の状態に設置されている。
【0031】
図6に示されるように、凸形状の電極部51の頂上(頂上稜線)51tは、先部ケース30の外側に露出している(取付孔40の中心軸方向外側の外界に面している)。
したがって、後述しているように、センサー1を使用するとき、電極面51aと体液Rとの接触が確実されており、しかも流動性が確保される。
【0032】
図2から図7に示されるように、取付孔40は、先部ケース30に複数形成されている。具体的には、先部ケース30の筒部31には、プラス端子用の取付孔40p(以下、+端子取付孔と称する)およびマイナス端子用の取付孔40m(以下、-端子取付孔)がそれぞれ複数形成されている(図5参照)。
本実施例では、+端子取付孔40pは-端子取付孔40mよりもケース先端側に配置されている。なお、-端子取付孔40mが+端子取付孔40pよりもケース先端側に配置される構成でもよい。
【0033】
ここで、構成の説明の都合上、便宜的に、先部ケース30の中心軸30xに直交する直交面S1,S2(図6参照)を想定する。
このとき、各+端子取付孔40p(図5参照)は、その回転対称軸40xがいずれも、同一の直交面(以下、第1直交面)S1に沿って延在する状態に配置されている(図6参照)。
そして、複数(本実施例では4つ)の+端子取付孔40pは、先部ケース30の外周面31sに、間隔距離(電極対間距離)L1を空けて周方向に沿って並ぶ状態に配置されているということができる(図7参照)。
また、本実施例のセンサー1では、同じ形状の4つの+端子取付孔40pは周方向に等間隔に配置されている。つまり、複数の+端子取付孔40pは、隣接する+端子取付孔40p,40pの回転対称軸40xが直交する状態に配置されている。
同様に、各-端子取付孔40mは、その回転対称軸40xがいずれも、同一の直交面(以下、第2直交面)S2に沿って延在する状態に配置されている(図6参照)。
そして、複数(本実施例では4つ)の-端子取付孔40mは、先部ケース30の外周面31sに、間隔距離L1を空けて周方向に沿って並ぶ状態に配置されているということができる。また、同じ形状の4つの-端子取付孔40mは周方向に等間隔に配置されている。つまり、複数の-端子取付孔40mは、隣接する-端子取付孔40m,40mの回転対称軸40xが直交する状態に配置されている。
【0034】
+端子取付部孔40pと-端子取付孔40mの数は同数(4か所)であり、4つの+端子取付孔40p及び-端子取付孔40mは、4組の端子取付孔40p,40mの組を構成している。そして、各組の+端子取付孔40p及び-端子取付孔40mは、ケース長手方向X1に並ぶ状態で、間隔を空けて配置されている。
【0035】
つまり、先部ケース30の筒部31の外周面31sに一致する円筒面を想定すると、図6に示されるように、この円筒面と所定の組の+端子取付孔40pの中心軸40xとの交点C1を想定でき、同様に、この円筒面と-端子取付孔40mの中心軸40xとの交点C2を想定できる。
そして、+端子取付孔40p及び-端子取付孔40mは、両交点C1,C2が外周面31sに沿って長手方向X1に延びる直線上に位置するように配置されている。
各組を構成する+端子取付孔40pと-端子取付孔40mとの離間距離は、いずれも同じであり、後述の電極対500を構成する両電極部51,51の間の離間距離(対電極間距離、図3参照)L2と同じである。
なお、以下の説明では、+端子取付孔40pに取り付けられて用いられる電極(電極部)51を+電極51pと称することがあり、-端子取付孔40mに取り付けられて用いられる電極(電極部)51を-電極51mと称することがある。
【0036】
次に、図3に示されるように、各組の+端子取付孔40p及び-端子取付孔40mに取り付けられた両端子50,50の両電極部51,51(以下、電極対500と称することがある)の外周縁51eに基づいて、先部ケース30の外周面上に規定される2つの円形の輪郭線P(平面図である図3では電極部51の外周縁51eと同じ)を規定する。
なお、本実施例において、輪郭線Pは、端子取付部40の大径部41(孔内周側面41w)の開口端縁でもある。
また、2つの輪郭線P,Pの両方に外接する直線である外接線Lc,Lcを規定する。
【0037】
そして、両輪郭線Pのうち、相互に近接している側に位置する内側輪郭線と、両外接線Lc,Lcとに囲まれた外周面31sの領域(以下、電極間外周面Si)を、複数の電極対500について画定する。
具体的には、電極間外周面Siとは、図3において便宜的にクロス斜線が付されたクロス斜線領域である。
つまり、電極間外周面Si(図3参照)は、先部ケース30の外周面31sのうち、組を構成する両取付孔40p,40mの間、すなわち電極対500を構成する2つの電極(電極部)51,51の間に存在する部分である。
したがって、各電極対500を構成する2つの電極51,51間に通電したとき、通電された電流は主に両電極51,51間の電極間外周面Siに付着又は隣接した体液Rを導電することになり、測定される電気抵抗値は、主に、電極間外周面Siに付着又は隣接した体液Rについて測定された値ということができることになる。
【0038】
また、両輪郭線Pのうち、相互に離間した側である外側輪郭線と、両外接線Lc,Lcとに囲まれた領域(以下、電極対エリアSw)を、各電極対500について確定する。
具体的には、電極対エリアSwとは、図3において便宜的に斜線が付された斜線領域とその間のクロス斜線領域の全体領域である。
つまり、電極対エリアSwは、電極対を構成する2つの電極部51,51の電極面51a,51aとその間に位置する電極間外周面Siとを取り囲んだケース表面領域である。
【0039】
複数の電極対500は、相互に間隔(電極対間距離)L1を空けて配置されている(図7参照)。なお、その間隔L1は等間隔である。
つまり、各電極対500は、隣接する別の電極対500との間に、先部ケース30の外周面31sが存する状態に配置されている。
ここでは、隣接する電極対500,500の相互間に配置された外周面31sを、特に、電極対間外周面Sbと称する(図3参照)。
つまり、電極対間外周面Sbは、隣接する電極対エリアSw(の外接線Lc)に挟まれた外周面の部分である。
そして、相互に隣接している電極間外周面Siと電極対間外周面Sbは、相互に連なっているということができる。
さらに、電極対間外周面Sbは、電極対エリアSwに隣接しており、電極対エリアSw内の電極対500を構成する各電極51,51に隣接していると共に電極対500を構成する各電極51の電極面51aに隣接する共に連なっており、両電極51,51間の電極間外周面Siに隣接していると共に連なっている。
【0040】
各電極対間外周面Sbは、その先端側(一端側)で、電極対500(より具体的には先端側の+電極51p)の位置よりも長手方向X1の先端側に存在する外周面31sに隣接していると共に連なっており、さらに、ケース先端部32の外周面32sに連なっている。また、各電極対間外周面Sbは、その後端側(他端側)で、電極対500(より具体的には後端側の-電極51m)の位置よりも長手方向X1の後端側にある外周面31sに連なっており、後部ケース20の外周面20sに連なっている。
そうすると、電極間外周面Siは、外周面の周方向の両側で隣接する電極対間外周面Sb,Sbに連なっており、各電極対間外周面Sbを介して、先部ケース30の外周面31sに連なり、さらにはケース先端部32の外周面32sに連なっている。
【0041】
なお、本実施例のセンサー1では、+端子取付孔40pと-端子取付孔40mとの離間距離すなわち各電極対500を構成する+電極51pと-電極51mとの離間距離L2(図3参照)は、隣接する+電極51p,51p(-電極51m,51m)同士の離間距離L1(図7参照)よりも短い。
つまり、電極対間外周面Sbの周方向の幅寸法L1は、電極間外周面Siの長手方向X1の最短距離L2の長さ寸法より長い(幅広である)。
【0042】
図2に示されるように、センサー1は、後部ケース20に着脱自在に取り付け可能な支持ユニット(支持部材)70を備えている。
支持ユニット70は、後部ケース20への取付に用いられる装着部71と、装着部71に設けられた脚部72とを備えている。
装着部71は、後部ケース20に外挿可能な中空部を備える環状の部材である。この中空部を後部ケース20に外挿することで、ケースユニット10に支持ユニット70を着脱自在に取り付けることができる。
支持ユニット70は、ケースユニット10の後端側(他端側)に近い位置に配置されるように取り付けられる。なお、固定構造については、周知の構造を採用可能であるので、説明及び図示を省略した。
脚部72は、装着部71の外周から放射方向の外側に延びる棒状の部材である。装着部71には等間隔に配置された3本の脚部72が一体に形成されている。
なお、支持ユニット70は、センサーの安定した設置状態を確保するものであり、安定した設置状態を確保できれば、脚部の本数は3本に限れない。例えば、2本以上6本以下の構成を挙げることができる。
【0043】
次に、本実施例のセンサー1の使用状態について説明する。
【0044】
図2に模式的に示したように、支持ユニット70が取り付けられたセンサー1は、牝牛Cfの体内(ここでは膣内)に挿入されて用いられる。体内とは、主に、腸管内や膣内などチューブ状の内臓内である。
【0045】
センサー1は、4つの電極対500を備えており、いずれか1つ以上の電極対500がセンサー1の鉛直下方側に配置され、いずれか1つ以上の電極対500がセンサー1の鉛直上方側に配置される。
【0046】
そして、センサー1の各電極対500を構成する2つの電極51,51間に通電し、各電極対500について両電極間51,51の(体液Rの)電気抵抗値を測定する。
本実施例では、4つの電極対500のそれぞれについて、同時期に電気抵抗値が測定する。測定間隔は、連続測定と、所定の時間間隔を空けて測定する間欠測定とを挙げることができる。本実施例の測定間隔は10分間隔であった。
測定により得られた電気抵抗値データは、その後、その他の関連データと共に、送受信モジュール3によって無線通信回線Rwを利用して、体外の測定装置(不図示)に送信される。
電気抵抗値データ等のデータは、牝牛Cfの排卵や分娩など体調変化の検知に用いられる。
測定データの利用については、種々の利用方法が考えらえる。本実施例では、同時に測定した4か所の電気抵抗値のうちの最小値を採用して、牝牛Cfの排卵や分娩など体調変化を検知した。
【0047】
ところで、生体である牝牛Cfの体液Rの分泌量は変動するものである。
そこで、測定値の安定性確保の観点で鋭意研究したところ、従来のセンサーにおいて、電極間の実際の体液量や体液Rの状態は必ずしも安定しておらず、体液量について不十分な状況が生じる可能性があることを見出した。
そこで、さらに研究をすすめたところ、電極51と体液Rとの接触状態など、センサー1およびその周辺における物理的な測定条件の変動をできるだけ防止することが好ましいことを見出した。物理的測定条件が変動しやすい状態であると、電気抵抗値などの測定データの変化が牝牛Cfの体調変化に起因するものか否か、判断が難しくなるからであると考えられる。したがって、センサー1の構造として測定安定性に優れていることが好ましい。
【0048】
この点に関して、本実施例のセンサー1の各電極51は、全周に亘って絶縁材で構成された外面に囲まれた、ボタン型とも称することが可能な電極であり、センサー1の電極対500を構成する2つの電極51,51は、両電極間の電極間外周面Siを介して長手方向X1に並ぶ状態に配置されており、しかも測定領域に相当する電極間外周面Siは、その両側の電極対間外周面Sb,Sbに挟まれた所定幅の領域であるので、電極51と体液Rとの接触状態の安定性に優れ、測定安定性に優れている。
そして、電極51はケース10外側に突出した凸状の電極面51aを備えており、この点でも電極51と体液Rとの接触状態の安定性に優れ、測定安定性に優れている。
【0049】
また、体液Rの分泌量変動との関連で、電気抵抗値の測定値の正確性確保の観点で更に研究したところ、従来のセンサーでは、電極間の体液Rの循環や流動は必ずしも安定しておらず、体液Rの循環や流動が不十分な状況が生じる可能性があることを見出した。体液Rの電気抵抗値に基づいて牝牛Cfの体調の変化を敏感に検知するためには、できるだけフレッシュな体液Rについて電気抵抗値を測定できる構成であることが好ましいということができる。
【0050】
この点に関して、本実施例のセンサー1は、ケース外周に複数の電極対500が配置されていたり、複数の電極間外周面Siの相互間に絶縁材で構成された電極対間外周面Sbが配置されていたり、各電極間外周面Siが隣接する電極対間外周面Sbに連なっていると共に電極対間外周面Sbがケース先端部32の外周面32sに連なっていたり、凹部内に設置された電極51の電極面51aは少なくともその一部で、電極対間外周面Sbに隣接すると共に連なっていたりする構造であるので、体液Rの循環性や流動性に優れており、測定精度を向上させるのに優れている。
【0051】
また、センサーの設置先は牝牛などの生体の体内であり、センサーの体液との接触状態は必ずしも一定でないことに着目し、測定安定性について鋭意検討を行った。図8は、センサー1の設置状態を便宜的に示した模式図である。
【0052】
図8に示されるセンサー1のケース先端部32の外周面32s(図8参照)は、体内面Csの表面に体液Rが存在するとき、体液Rを介して体内面Csに接する状態であり、直接的には体液Rに接する状態である。
センサー1の外面のうち、ケース先端部32やその周辺には、体液Rを介して体内面Csに接する状態の先端側接触領域Daが生じている。
他方、センサー1の外周の後端側は、支持ユニット70が設置されており、相対的には、体内面Csに接触していない後端側非接触領域Dbが生ずる。
そうすると、先端側接触領域Daと後端側非接触領域Dbとの境界Dv(以下、境界領域と称することがある)が生じる。
境界領域Dvがセンサー1の外周に生じているセンサー設置状態は、センサー1の外周における体液Rの保持や循環あるいは移動が促されやすい状況ということができる。例えば、境界領域Dvは、いわゆる表面張力が作用しやすい領域ということができ、あるいは、表面張力の作用の変化が大きい領域ということができる。
さらに、このような特性を有する境界領域Dvは、牝牛Cfの動きなどに起因して移動するという特徴を有する。
このような設置状態の本実施例のセンサー1は、電極対間外周面Sbにおける体液Rの循環性や流動性に優れた構成である。
【0053】
次に、本発明に係る別実施例(実施例2)のセンサー1Aについて説明する。
【0054】
この別実施例のセンサー1Aは、上述したセンサー1の端子50の構成とは、端子80の構成が異なる(図9参照)。
そこで、ここでは、主に、センサー1Aの電極対800を構成する端子80の構成やこれらに関連する構成について説明する。
また、ここでのセンサー1Aの説明において、上述したセンサー1と共通する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
【0055】
図9に示されるように、本実施例のセンサー1Aの端子80は、その電極面が凸状面である点で端子50と共通であるが、端子80の電極面81aは球面であり、その点で実施例1の端子50の電極面51aとは構成が異なる。なお、端子80の電極面81aは、球面に限られず、双曲面や楕円面などの曲面(湾曲面)であってもよい。
【0056】
図9に示されるように、凸状の電極部81(すなわち電極面81a)は、取付孔40の中心軸40xのケース外側に向けて凸の状態に設置されており、先部ケース30の外側に露出している(取付孔40の中心軸方向外側の外界に面している)。
電極部81および軸部52は、いずれも回転軸対称形状ということができ、電極部81および軸部52の回転対称軸(中心軸)が同一の中心軸50x上に位置するように配置されている。
【0057】
図10に示されるように、電極面81a(の外周縁81e)に隣接して、電極面81aと孔内周側面41wとに挟まれた隅部(溝部)60が形成されている。
隅部60を構成する電極面81aおよび孔内周側面41wは、電極面81aの外周縁の位置で劣角α(図10参照。本実施形態では鋭角)を形成する状態で接しており、また、先部ケース30の径方向外側の外界に向けて広がった断面V字形状である。本実施例のように電極面81aと孔内周側面41wとが鋭角を形成する状態で接している場合、形成される隅部は、断面V字形状の溝部60ということができる形状である。
【0058】
そして、図10に示されるように、端子80の頂上51tを横方向Vh(図7参照)から視認したときに電極部81(すなわち電極面81a)を視認できる状態で、端子80は先部ケース30に取り付けられている。つまり、電極面81aは、横方向(視認方向)に露出した状態で取り付けられているということができる。
なお、ここでいう視認方向である横方向Vhとは、端子80の装着先である取付孔40の中心軸40xと直交し、しかもケース長手方向1xとも直交する方向である。
また、電極部81(の底面51bから頂上51tまで)の高さ寸法H1が、大径部41の(底面41bから上端開口までの)高さ寸法の最短部分の長さ寸法H2(図7参照)より長いということができる。
なお、電極部81の高さ寸法H1は、大径部41の高さ寸法の最長部分の寸法H3(図10参照)の長さ以下である。本実施例のように、電極部81の高さ寸法H1と、大径部41の最長部分の高さ寸法H3とが同じ場合、電極面81aは、横方向Vhから視認でき、横方向に露出した状態ということができる。
このような構成のセンサー1では、使用時、電極面81aと体液Rとの接触が確実に確保され、しかも流動性が確保される。
【0059】
本発明に係るセンサーは、実施形態で説明したものに限られるものではない。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変されたセンサーは、本発明の範囲に含まれる。
【0060】
たとえば、センサー1を用いる対象は、牝牛Cfに限られず、家畜などの四足哺乳動物においても用いることができる。
【0061】
また、ケースユニット10の材質は、本実施例ではポリプロピレン樹脂であるが、これに限られず、例えば、絶縁性を有するPVC(塩ビ)、PMMA(アクリル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)などの樹脂素材を用いることができる。
そして、端子50の素材は、本実施例では、ステンレスであるが、これに限られず、電極用の素材として周知のアルミニウムやアルミニウム合金などの導電材を用いることができる。
【0062】
また、電極対500,800は、本実施例では4組であるが、複数組であればよい。
【0063】
また、センサー1は、支持部材70を備えていない構成でもよい。センサー1は、支持部材70を備えていると否とにかかわらず、上述したように、センサー1の周辺の体液の循環性に優れている。
支持部材70を備えるセンサー1は、センサー先端部32の位置で体内面Csに接触する状態に設置されることとなり、センサー先端部32の位置の体液Rを循環させることについて優れている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牛の体内に挿入されて用いられるセンサーのケースと、当該ケースの外周に配置された電極対と、を備えており、
前記電極対を用いて測定されたデータを、前記ケースに内蔵されたデータ送信手段を用い、無線通信回線を通じて送信することができるセンサーであって、
前記電極対を構成する各電極は、それぞれ電極の全周に亘って前記ケースの絶縁材で構成された外面に囲まれており、
前記ケースは、筒形状の筒部を備えていると共に、体内への挿入時に、前記電極対よりも先に挿入される、当該ケースの長手方向の一端側の端部に形成されたケース先端部を備えており、
前記ケースの前記一端側よりもその反対側である他端側に近い位置に配置された支持部材を備えており、
前記ケースは、前記体内に挿入されたとき、前記支持部材および前記ケース先端部の位置で挿入先の体内面に接すると共に、前記ケース先端部およびその周辺に形成された前記体内面との接触エリアと当該接触エリアの長手方向他方側の非接触エリアとの境界が形成されるように設置されるものであり、
前記電極対を構成する2つの電極は、前記長手方向に並ぶ状態で、前記筒部の外周面に配置されており、
当該筒部外周面は、凸形状の前記ケース先端部の外周面である先部外周面に連なっており、
前記電極対を構成する2つの電極は、当該2つの電極の間に形成された電極間外周面を介して配置されており、
前記筒部外周面には、複数の前記電極対が配置されており、
隣接する前記電極対の間には電極対間外周面が配置されており、
各電極対間外周面は、前記電極間外周面に隣接する状態に配置されており、
複数ある前記電極対の間に配置された前記電極対間外周面は、前記筒部外周面に配置されており、しかも前記他端側とは反対側である前記一端側に形成された前記先部外周面に隣接して配置されている、センサー。
【請求項2】
前記電極間外周面は、隣接する前記電極対間外周面に連なっており、
前記電極対間外周面は、隣接する先細の前記先部外周面に連なっており、
前記電極対間外周面の間に配置された前記電極対は、前記先部外周面に隣接する位置に配置されており、
前記ケースの前記体内への挿入時、前記電極対及び前記電極対間外周面が配置された前記筒部外周面に前記境界が形成される、請求項1に記載のセンサー。
【請求項3】
前記電極対を構成する2つの電極の配列方向である前記長手方向は、前記接触エリア側から前記非接触エリア側に延在する方向である、請求項2に記載のセンサー。
【請求項4】
前記電極対を構成する2つの電極の離間距離は、複数ある前記電極対相互間の離間距離より短い、請求項2又は請求項3に記載のセンサー。