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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002578
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ポリウレタンフォーム
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20231228BHJP
   C08G 18/36 20060101ALI20231228BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20231228BHJP
【FI】
C08G18/00 F
C08G18/36
C08G101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101852
(22)【出願日】2022-06-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開者:株式会社イノアックコーポレーション サンプル提供場所(配布場所):株式会社イノアックコーポレーションの子会社である株式会社西日本イノアック(広島県山県郡北広島町壬生1888) サンプル提供日(配布日):令和4年5月23日 公開者:株式会社イノアックコーポレーション サンプル提供場所(配布場所):一般社団法人白馬村観光局(長野県北安曇郡白馬村北城7025) サンプル提供日(配布日):令和4年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 莉緒菜
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034CA05
4J034CB04
4J034CB07
4J034CC09
4J034HA01
4J034HA07
4J034HA08
4J034HC03
4J034HC12
4J034HC13
4J034HC22
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC65
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC17
4J034KD02
4J034KD07
4J034KD12
4J034KE02
4J034QA01
4J034QB01
4J034QB14
4J034QB19
4J034QC01
4J034RA01
4J034RA03
(57)【要約】
【課題】植物由来ポリオールを原料に含みつつ、高反発なポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリウレタンフォームは、ポリオール類及びポリイソシアネート類を含む組成物から得られる。ポリオール類は、植物由来ポリオールを含有する。植物由来ポリオールの水酸基価が、130mgKOH/g以下である。イソシアネートインデックスが、91以上である。JIS K 6400-3に準拠した反発弾性率が、25%以上である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール類及びポリイソシアネート類を含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
前記ポリオール類は、植物由来ポリオールを含有し、
前記植物由来ポリオールの水酸基価が、130mgKOH/g以下であり、
イソシアネートインデックスが、91以上であり、
JIS K 6400-3に準拠した反発弾性率が、25%以上である、ポリウレタンフォーム。
【請求項2】
前記植物由来ポリオールは、ヒマシ油由来のポリオールである、請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
【請求項3】
JIS K 6400-4 4.5.2 A法に準拠した圧縮残留歪が、10%以下である、請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム。
【請求項4】
前記ポリオール類は石油由来ポリオールを含み、
前記石油由来ポリオールと前記植物由来ポリオールの合計を100質量部とした際に、前記植物由来ポリオールが、75質量部以下である、請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム。
【請求項5】
寝具用である、請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリウレタンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、植物由来ポリオールを含む組成物から得られるポリウレタンフォームが開示されている。また、反発弾性率の高いポリウレタンフォームが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-202026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のポリウレタンフォームのように、原料に植物由来ポリオールを含む場合、組成上分子量が小さくなり反発弾性率が低くなりやすい。そこで、植物由来ポリオールを原料に含みつつ、ポリウレタンフォームの反発弾性率を高めることが求められている。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、植物由来ポリオールを原料に含みつつ、高反発なポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔1〕ポリオール類及びポリイソシアネート類を含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
前記ポリオール類は、植物由来ポリオールを含有し、
前記植物由来ポリオールの水酸基価が、130mgKOH/g以下であり、
イソシアネートインデックスが、91以上であり、
JIS K 6400-3に準拠した反発弾性率が、25%以上である、ポリウレタンフォーム。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、植物由来ポリオールを原料に含みつつ、高反発なポリウレタンフォームを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここで、本開示の望ましい例を示す。
【0008】
〔2〕前記植物由来ポリオールは、ヒマシ油由来のポリオールである、ポリウレタンフォーム。
〔3〕JIS K 6400-4 4.5.2 A法に準拠した圧縮残留歪が、10%以下である、ポリウレタンフォーム。
〔4〕前記ポリオール類は石油由来ポリオールを含み、前記石油由来ポリオールと前記植物由来ポリオールの合計を100質量部とした際に、前記植物由来ポリオールが、75質量部以下である、ポリウレタンフォーム。
〔5〕寝具用である、ポリウレタンフォーム。
【0009】
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
【0010】
1.ポリウレタンフォーム
ポリウレタンフォームは、ポリオール類及びポリイソシアネート類を含むポリウレタン樹脂組成物(以下単に組成物ともいう)から得られる。ポリオール類は、植物由来ポリオールを含有する。ポリオール類は、石油由来ポリオールを含有することが好ましい。
【0011】
[植物由来ポリオール]
植物由来ポリオールは、ヒマシ油由来のポリオールであることが好ましい。本開示における「ヒマシ油」には、後述する変性ヒマシ油および脱水ヒマシ油が含まれない。本開示における「ヒマシ油」は、未変性ヒマシ油を意味する。未変性ヒマシ油は、トウダイグサ科のトウゴマの種子から抽出し、精製したものであり、後述する二塩基酸等による架橋(変性)処理や脱水処理を施していないものである。脱水ヒマシ油は、ヒマシ油(不乾性油)を脱水し、乾性油としたものである。ヒマシ油は、脂肪酸とグリセリンとのエステルである。ヒマシ油は、リシノレイン酸を主成分とし、その他の成分として、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸などを含有している。
【0012】
植物由来ポリオールは、植物由来油脂を用いた成分として変性植物由来油脂を含み得る。変性植物由来油脂の例として、変性ヒマシ油が挙げられる。植物由来ポリオールは、変性ヒマシ油を含有することが好ましい。
【0013】
変性ヒマシ油のような変性植物由来油脂は、目的とする性状となるよう二塩基酸と植物由来油脂を混合し、脱水縮合反応させたものである。この変性植物由来油脂の合成には、公知の方法を用いることができる。例えば、植物由来油脂を任意の溶媒に溶解させた後、二塩基酸を添加する。この反応液をディーン・スタークトラップにより還流を行い、脱水縮合反応を行いつつ、系外へと反応により生じる水を除去する。反応が完結した後に、溶媒を減圧除去することにより目的とする化合物を得ることができる。
【0014】
二塩基酸としては、例えば脂肪族二塩基酸、脂環族二塩基酸、芳香族二塩基酸、またはこれらの混合物が挙げられる。脂肪族二塩基酸としては、例えばセバシン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、タプシン酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸、テトラコサン二酸、ヘキサコサン二酸、オクタコサン二酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸、ムコン酸、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0015】
脂環族二塩基酸としては、例えばシクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ハイミック酸、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0016】
芳香族二塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ビ安息香酸、トリレンジカルボン酸、キシリンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0017】
また、二塩基酸としては、分子中に水酸基を含むヒドロキシ二塩基酸を用いることもできる。ヒドロキシ二塩基酸としては、例えばタルトロン酸、イソリンゴ酸、ヒドロキシメチルマロン酸、ジヒドロキシマロン酸、リンゴ酸、イタマル酸、シトラマル酸、メチルリンゴ酸、エチルリンゴ酸、ジメチルリンゴ酸、トリメチルリンゴ酸、酒石酸、2 , 2- ジヒドロキシ琥珀酸、メチル酒石酸、ジメチル酒石酸、ヒドロキシグルタル酸、ジヒドロキシグルタル酸、トリヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシアジピン酸、ジヒドロキシアジピン酸、ヒドロキシピメリン酸、ジヒドロキシピメリン酸、ヒドロキシスベリン酸、ヒドロキシアゼライン酸、ジヒドロキシアゼライン酸、ヒドロキシセバシン酸、ジヒドロキシセバシン酸、ヒドロキシドデカン二酸、ジヒドロキシドデカン二酸、ヒドロキシブラシル酸、ヒドロキシテトラデカン二酸、ジヒドロキシヘキサデカン二酸、ヒドロキシオクタデカン二酸、ジヒドロキシオクタデカン二酸、フロイオン酸、ヒドロキシエイコサン二酸、ジヒドロキシエイコサン二酸、ジヒドロキシフマル酸、ジヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシシトラコン酸、ヒドロキシムコン酸、ヒドロキシンクロペンタンジカルボン酸、ヒドロキシシクロヘキサンジカルボン酸、ヒドロキシテトラヒドロフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸、ジヒドロキシテレフタル酸、ヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキフタル酸、ジヒドロキシフタル酸、コクシン酸、ヒドロキシナフタレンジカルボン酸、ジヒドロキシナフタレンジカルボン酸、ヒドロキシジフェニルスルホンジカルボン酸、メコン酸またはこれらの混合物が挙げられる。
【0018】
二塩基酸には、セバシン酸が含まれることが好ましい。セバシン酸は、植物由来二塩基酸である。
【0019】
植物由来ポリオールは、ヒマシ油(未変性ヒマシ油)及び変性ヒマシ油の両方を含んでいてもよい。植物由来ポリオールにおける変性ヒマシ油の含有率は、ヒマシ油と変性ヒマシ油の合計を100質量%とした際に、62.5質量%より大きく100質量%以下が好ましく、70質量%以上100質量%以下がより好ましく、80質量%以上100質量%以下が更に好ましい。
【0020】
植物由来ポリオールは、石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした際に、環境対応の観点から、0質量部より大きいことが好ましく、30質量部以上がより好ましく、40質量部以上が更に好ましい。植物由来ポリオールは、石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした際に、強度確保の観点から、75質量部以下が好ましく、65質量部以下がより好ましく、55質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、植物由来ポリオールは、石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした際に、0質量部より大きく75質量部以下が好ましく、30質量部以上65質量部以下がより好ましく、40質量部以上55質量部以下が更に好ましい。
【0021】
植物由来ポリオールの水酸基価は、反応促進の観点から、40mgKOH/g以上が好ましく、60mgKOH/g以上がより好ましく、80mgKOH/g以上が更に好ましい。植物由来ポリオールの水酸基価は、発泡時の発熱抑制の観点から、130mgKOH/g以下であり、115mgKOH/g以下が好ましく、100mgKOH/g以下がより好ましい。これらの観点から、植物由来ポリオールの水酸基価は、40mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、60mgKOH/g以上115mgKOH/g以下が好ましく、80mgKOH/g以上100mgKOH/g以下がより好ましい。なお、2種類以上の植物由来ポリオールを混合した混合品における水酸基価は、混合品全体としての値である。
【0022】
[石油由来ポリオール]
石油由来ポリオールは、特に限定されない。石油由来ポリオールは、石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした際に、強度の確保の観点から、0質量部より大きいことが好ましく、20質量部以上がより好ましく、40質量部以上が更に好ましい。石油由来ポリオールは、石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした際に、環境対応の観点から、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、石油由来ポリオールは、石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした際に、0質量部より大きく80質量部以下が好ましく、20質量部以上70質量部以下がより好ましく、40質量部以上60質量部以下が更に好ましい。
【0023】
石油由来ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエステルポリオール等が例示される。
【0024】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
【0025】
ポリエーテルポリオールは、重量平均分子量500-125000(好ましくは800-6000、より好ましくは1000-3000)、官能基数2-6(好ましくは、2又は3)のポリエーテルポリオールであることが好ましい。
【0026】
ポリマーポリオールとしては、例えば、ベースポリオールとしての官能基数2又は3のポリエーテルポリオール中でアクリロニトリル及びスチレン等のビニルモノマーをグラフト共重合させてなるポリマーポリオールを好適に用いることができる。上記ベースポリオールとしては、例えば、AO単位(アルキレンオキサイド単位)としてPO単位(プロピレンオキサイド単位)とEO単位(エチレンオキサイド単位)を含むポリエーテルポリオールが挙げられる。なお、ポリマーポリオールの数平均分子量として、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した数平均分子量を採用できる。
【0027】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール、アジペート系ポリエステルポリオール等を用いることができる。ポリカプロラクトン系ポリエステルポリオールとしては、例えば、ε-カプロラクトン等のラクトン類を開環付加重合させて得たポリエステルポリオールが挙げられる。アジペート系ポリエステルポリオールとしては、例えば、多官能カルボン酸と多官能ヒドロキシ化合物との重縮合によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオールは、ポリウレタンフォームのセルを微細化及び均一化する作用も有している。
【0028】
[その他のポリオール]
また、ポリオール類として、上記のポリオール以外のその他のポリオールを含有してもよい。その他のポリオールとしては、ポリウレタンフォームに一般に用いられるポリオールであれば特に限定されることなく用いることができる。
【0029】
本開示において、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子量の多価アルコールが用いられる場合には、これらの多価アルコールについてもポリオール類に含まれるものとする。
【0030】
[ポリイソシアネート類]
ポリイソシアネート類は、イソシアネート基を複数有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族イソシアネート類、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族イソシアネート類、又はこれらとポリオールとの反応による遊離イソシアネートプレポリマー類、カルボジイミド変性イソシアネート類等の変性イソシアネート類を用いることができる。また、これらのポリイソシアネート類は、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されていてもよい。
【0031】
ポリイソシアネート類としては、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れのイソシアネートでもよく、また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネートであっても、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。例えば、2官能のイソシアネートとしては、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、m-フェニレンジイソシネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系のもの、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族系のものを挙げることができる。また、2官能以上のイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(ポリメリックMDI)を挙げることができる。3官能以上のイソシアネートとしては、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4"-トリイソシアネート、等を挙げることができる。また、イソシアネートは、それぞれ一種類に限られず二種類以上であってもよい。例えば、脂肪族系イソシアネートの一種類と芳香族系イソシアネートの二種類を併用してもよい。
【0032】
イソシアネートインデックスは、ポリオール類におけるイソシアネートと反応し得る水酸基等の反応基に対するポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量比である。従って、その値が100未満の場合には水酸基等の反応基がイソシアネート基より過剰であることを意味し、100を越える場合にはイソシアネート基が水酸基等の反応基より過剰であることを意味する。ポリイソシアネート類のイソシアネートインデックス(INDEX)は、反応安定性の観点から、91以上であり、93以上が好ましく、95以上がより好ましい。ポリイソシアネート類のイソシアネートインデックス(INDEX)は、発泡時の発熱抑制の観点から、125以下であり、115以下が好ましく、110以下がより好ましい。これらの観点から、ポリイソシアネート類のイソシアネートインデックス(INDEX)は、91以上125以下であり、93以上115以下が好ましく、95以上110以下がより好ましい。
【0033】
[触媒]
組成物は、触媒を含んでいることが好ましい。触媒は主としてポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応を促進するためのものである。触媒としては、ポリウレタンフォームに通常使用される公知の触媒、例えば、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルアミノエタノール、6-ジメチルアミノ-1-ヘキサノール、N,N´,N´-トリメチルアミノエチルピペラジン等の第3級アミン、スタナスオクトエート、オクチル酸第一錫等の有機金属化合物、酢酸塩、アルカリ金属アルコラートを用いることができる。
【0034】
組成物中における触媒の含有量は、石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした場合に、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。この含有量が0.1質量部以上であれば、ウレタン化反応を十分に促進できる。5.0質量部以下であれば、ウレタン化反応が過剰に促進されることに起因してセル構造の形成が不均一となることを抑制できる。
【0035】
[整泡剤]
組成物は、整泡剤を含んでいることが好ましい。整泡剤は、特に限定されない。整泡剤は、例えば、オルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体、ポリオキシアルキレン側鎖を有するポリアルケニルシロキサン、シリコーン-グリース共重合体等のシリコーン系化合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリエーテルシロキサン、フェノール系化合物等が好ましい。これらの整泡剤は単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。整泡剤の配合量は、特に限定されない。整泡剤の配合量は、石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした場合に、0.03質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
【0036】
[発泡剤]
組成物は、発泡剤を含んでいることが好ましい。発泡剤は、特に限定されない。発泡剤としては、例えば、水、炭酸ガス、ハイドロハロオレフィン等が好適に用いられる。発泡剤が水の場合、添加量はポリウレタン発泡体において目的とする密度や良好な発泡状態が得られる範囲に決定され、通常は石油由来ポリオールと植物由来ポリオールの合計を100質量部とした場合に、1質量部以上10質量部以下が好ましい。ハイドロハロオレフィンとしては、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)を用いることが好ましい。
【0037】
[その他の成分]
組成物は必要に応じて上記以外のその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、可塑剤、抗菌剤、及び着色剤が挙げられる。なお、酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、及びヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられるが、揮発性有機化合物含量の低減という観点から、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることが特に好ましい。増粘剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムが挙げられる。
【0038】
2.反発弾性率に関する要件
ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-3準拠の反発試験に基づく反発弾性率は、25%以上が好ましく、28%以上がより好ましく、30%以上が更に好ましく、32%以上が特に好ましい。ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-3準拠の反発試験に基づく反発弾性率は、通常は、90%以下である。
【0039】
3.圧縮残留歪に関する要件
ポリウレタンフォームにおいて、JIS K 6400-4 4.5.2 A法準拠の圧縮残留歪は、10%以下が好ましく、8%未満がより好ましく、5%未満が更に好ましい。ポリウレタンフォームにおいて、JIS K 6400-4 4.5.2 A法準拠の圧縮残留歪は、通常は、0.5%以上である。
【0040】
4.伸びに関する要件
ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-5 5準拠の伸びは、50%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、100%以上が更に好ましい。ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-5 5準拠の伸びは、通常は、500%以下である。
【0041】
5.密度に関する要件
ポリウレタンフォームにおいて、JIS K 7222準拠の密度は、15kg/m以上が好ましく、25kg/m以上がより好ましく、30kg/m以上が更に好ましい。ポリウレタンフォームにおいて、JIS K 7222準拠の密度は、70kg/m以下が好ましく、50kg/m以下がより好ましく、45kg/m以下が更に好ましい。したがって、ポリウレタンフォームにおいて、JIS K 7222準拠の密度は、15kg/m以上70kg/m以下が好ましく、25kg/m以上50kg/m以下がより好ましく、30kg/m以上45kg/m以下が更に好ましい。
【0042】
6.硬さに関する要件
ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-2 6.7 D法準拠の硬さは、20N以上が好ましく、40N以上がより好ましく、60N以上が更に好ましい。ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-2 6.7 D法準拠の硬さは、300N以下が好ましく、200N以下がより好ましく、150N以下が更に好ましい。これらの観点から、ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-2 6.7 D法準拠の硬さは、20N以上300N以下が好ましく、40N以上200N以下がより好ましく、60N以上150N以下が更に好ましい。
【0043】
7.通気量に関する要件
ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-7準拠の通気量は、1L/min以上が好ましく、25L/min以上がより好ましく、50L/min以上が更に好ましい。ポリウレタンフォームにおいて、JIS K6400-7準拠の通気量は、通常は、300L/min以下である。
【0044】
8.原材料の配合割合に基づくバイオマス度に関する要件
ポリウレタンフォームにおける原材料の配合割合に基づくバイオマス度(以下、原材料のバイオマス度とも言う)は、以下の式(1)を用いて算出する。式(1)中、「植物由来ポリオールの添加部数」とは、複数種類の植物由来ポリオールを用いる場合には、全ての植物由来ポリオールの合計の添加部数である。式(1)中、「植物由来ポリオールの添加部数」には、未変性ヒマシ油、変性ヒマシ油、および脱水ヒマシ油のいずれの材料の添加部数も含める。なお、「植物由来ポリオールの添加部数」において、植物由来ポリオールの植物化度が100%未満の場合には、その植物由来ポリオールの添加部数に植物化度を乗じる。ここで、植物化度とは、原材料のうち植物由来の材料が占める割合である。式(1)中、「ポリウレタン樹脂組成物の全添加部数」とは、ポリウレタン樹脂組成物に含まれる全ての原料の合計の添加部数である。全ての原料とは、植物由来ポリオール、石油由来ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤、ポリイソシアネート類、その他の原料(架橋剤、抗菌剤、顔料、難燃剤等)である。式(1)中のガスロスは、発泡剤として水を使用した場合に以下の式(2)を用いて算出する。式(2)中、「18」は水の分子量であり、「44」は二酸化炭素の分子量である。「植物由来ポリオールの添加部数」「ポリウレタン樹脂組成物の全添加部数」の単位は、質量部である。
【0045】
【数1】
【0046】
【数2】
【0047】
ポリウレタンフォームにおいて、原材料のバイオマス度は、20%以上が好ましく、25%以上がより好ましく、30%以上が更に好ましく、40%以上が特に好ましい。
【0048】
9.AMS法によるバイオマス度に関する要件
ポリウレタンフォームのバイオマス度は、ASTM D6866-21に基づき、加速器質量分析法(AMS法)によって測定した値でも求める。1950年の大気中の炭素14濃度の標準物質とポリウレタンフォームの炭素14濃度測定を行い、その比をもってバイオマス度とする。但し、現在の大気中の炭素14濃度は年々増加しているため、補正のために炭素14濃度の値に係数をかける。ASTM D6866-21に従ったバイオマス度の算出により、2021年の大気補正係数であるREF(pMC)=100.0を用いてバイオマス度を算出する。
【0049】
ASTM D6866-21に基づきAMS法によって測定したポリウレタンフォームのバイオマス度(以下、AMS法によるバイオマス度とも言う)は、20%以上が好ましく、25%以上がより好ましく、30%以上が更に好ましく、40%以上が特に好ましい。
【0050】
10.ポリウレタンフォームの製造方法
ポリウレタンフォームは、ポリウレタン樹脂組成物を攪拌混合してポリオールとポリイソシアネートを反応させる公知の発泡方法によって製造することができる。発泡方法には、スラブ発泡とモールド発泡等とがあり、いずれの成形方法でもよい。スラブ発泡は、混合したポリウレタン樹脂組成物をベルトコンベア上に吐出し、大気圧下、常温で発泡させる方法である。他方、モールド発泡は、混合したポリウレタン樹脂組成物をモールド(成形型)に充填してモールド内で発泡させる方法である。
【0051】
11.ポリウレタンフォームの適用
ポリウレタンフォームは、寝具に好適である。例えば、ポリウレタンフォームは、マットレス、掛け布団、敷き布団、枕などに用いることができる。また、例えば、ポリウレタンフォームは、椅子に用いるクッション、ソファ、緩衝材、吸音材、台所用スポンジ、植物の水耕栽培用培地などに用いることができる。
【0052】
12.本実施形態の作用及び効果
本実施形態では、反発弾性率が比較的高いポリウレタンフォームを提供できる。
本実施形態のポリウレタンフォームでは、発泡性が良好である。
本実施形態のポリウレタンフォームでは、バイオマス度を高めることができる。
本実施形態のポリウレタンフォームでは、圧縮残留歪を小さくできる。
本実施形態のポリウレタンフォームでは、伸びを大きくできる。
【実施例0053】
次に、実施例及び比較例を挙げて上記実施形態を更に具体的に説明する。
1.ポリウレタンフォームの製造
表1-3の割合で配合したポリウレタン樹脂組成物を調製し、スラブ発泡により、実施例及び比較例のポリウレタンフォームを製造した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
表1-3中におけるインデックスを除く単位の記載の無い各成分の数値は、質量部を表す。
石油由来ポリオール1-7、および植物由来ポリオール1,2に関する各種情報を下記表4に示す。
植物由来ポリオール2は、植物由来ポリオール1:セバシン酸=2mol:1molからなる植物化度100%のヒマシ油由来のポリオールである。なお、セバシン酸は、ヒマシ油の誘導体であり、植物化度100%である。植物由来ポリオール2は、攪拌機、温調機などを装備したガラス製反応器に、100重量部の植物由来ポリオール1と、10.9重量部のセバシン酸とを仕込み、所定の時間、所定の温度で撹拌しながら反応させ生成した合成物である。
実施例1-19では、植物由来ポリオールにおける変性ヒマシ油の含有率は、ヒマシ油と変性ヒマシ油の合計を100質量%とした際に、100質量%である。
表4中の「OHV」の欄は、水酸基価を示している。「Mw」は、重量平均分子量を示している。「Mn」は、数平均分子量を示している。
【0058】
【表4】
【0059】
表1-3における、触媒、整泡剤、発泡剤、ポリイソシアネートの具体的内容を以下に示す。
触媒1:脂肪族三級アミン(エボニック・ジャパン社製、DABCO 33LSI)
触媒2:N,N-ジメチルアミノエタノール(日本乳化剤社製、アミノアルコール 2Mabs)
触媒3:6-ジメチルアミノ-1-へキサノール(花王社製、カオーライザーNo.25)
触媒4:オクチル酸第一錫(城北化学工業社製 、MRH-110)
整泡剤:有機物含有シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、SZ-1136)
ポリイソシアネート:トルエンジイソシアネート(TDI) 2,4/2,6異性体の混合比率が80/20(東ソー社製、コロネート T-80)
【0060】
2.評価
次に、得られた各実施例及び各比較例のポリウレタンフォームについて、以下のような評価をした。
【0061】
[原材料の配合割合に基づくバイオマス度]
原材料の配合割合に基づくバイオマス度は、上記式(1)(2)を用いて算出した。算出結果を、表1-3の「原材料のバイオマス度」の欄に示す。
【0062】
[AMS法によるバイオマス度]
AMS法によるバイオマス度は、ASTM D6866-21に基づき、加速器質量分析法(AMS法)による測定で求めた。2021年の大気補正係数であるREF(pMC)=100.0を用いてバイオマス度を算出した。算出結果を、表1-3の「AMS法によるバイオマス度」の欄に示す。
【0063】
[発泡性]
ポリウレタンフォームの発泡性の評価は、以下の基準とした。
「B」:発泡が良好である。
「C」:発泡が不良である。
【0064】
[密度]
ポリウレタンフォームの密度は、JIS K 7222準拠の測定方法で求めた。測定結果を、表1-3の「密度」の欄に示す。
ポリウレタンフォームの密度の評価は、以下の基準とした。
「B」:25kg/m以下
「C」:25kg/mより大きい
【0065】
[伸び]
ポリウレタンフォームの伸びは、JIS K 6400-5 5準拠の測定方法で求めた。測定結果を、表1-3の「伸び」の欄に示す。
ポリウレタンフォームの伸びの評価は、以下の基準とした。
「A」:100%以上
「B」:50%以上100%未満
「C」:50%未満
【0066】
[反発弾性率]
ポリウレタンフォームの反発弾性率は、JIS K 6400-3準拠の測定方法で求めた。測定結果を、表1-3の「反発弾性率」の欄に示す。
ポリウレタンフォームの反発弾性率の評価は、以下の基準とした。
「A」:30%以上
「B」:25%以上30%未満
「C」:25%未満
【0067】
[硬さ]
ポリウレタンフォームの硬さは、JIS K 6400-2 6.7 D法準拠の測定方法で求めた。測定結果を、表1-3の「硬さ」の欄に示す。
ポリウレタンフォームの硬さの評価は、以下の基準とした。
「B」:20N以上300N以下
「C」:20N未満または300Nより大きい
【0068】
[通気量]
ポリウレタンフォームの通気量は、JIS K 6400-7準拠の測定方法で求めた。測定結果を、表1-3の「通気量」の欄に示す。
ポリウレタンフォームの通気量の評価は、以下の基準とした。
「A」:50L/min以上
「B」:1L/min以上50L/min未満
「C」:1L/min未満
【0069】
[圧縮残留歪]
ポリウレタンフォームの圧縮残留歪は、JIS K 6400-4 4.5.2 A法準拠の測定方法で求めた。測定結果を、表1-3の「圧縮残留歪」の欄に示す。
ポリウレタンフォームの圧縮残留歪の評価は、以下の基準とした。
「A」:5%未満
「B」:5%以上10%以下
「C」:10%より大きい
【0070】
[総合評価]
「A」:「発泡性の評価」「密度の評価」「伸びの評価」「反発弾性率の評価」「硬さの評価」「通気量の評価」「圧縮残留歪の評価」のいずれも「C」ではない
「B」:「発泡性の評価」「密度の評価」「伸びの評価」「反発弾性率の評価」「硬さの評価」「通気量の評価」「圧縮残留歪の評価」のいずれかが「C」である
【0071】
3.結果
【0072】
実施例1-19は、「反発弾性率の評価」が「A」又は「B」であった。比較例1-3は、「反発弾性率の評価」が「C」又は測定不可であった。実施例1-19は、ポリウレタン樹脂組成物に植物由来ポリオールを含みつつ、反発弾性率が25%以上の高い値であった。
【0073】
実施例1-19は、下記要件(a)-(c)の全てを満たしている。比較例1は、下記要件(a)(c)を満たしていない。比較例2は、下記要件(a)(c)を満たしていない。比較例3は、下記要件(b)(c)を満たしていない。
・要件(a):植物由来ポリオールの水酸基価が、130mgKOH/g以下である
・要件(b):イソシアネートインデックスが、91以上である
・要件(c):JIS K 6400-3に準拠した反発弾性率が、25%以上である
実施例1-19は、「総合評価」がいずれも「A」であった。実施例1-19では、上記要件(a)-(c)を満たすことで、発泡性、反発弾性率、伸び、及び圧縮残留歪を、バランスよく良好にできた。
【0074】
4.実施例の効果
以上の実施例によれば、発泡性が良好であり、反発弾性率の高いポリウレタンフォームを生成できる。
ポリウレタンフォームのバイオマス度を高めることができた。
ポリウレタンフォームの伸びを大きくできた。
ポリウレタンフォームの圧縮残留歪を小さくできた。
【0075】
本開示は上記で詳述した実施形態に限定されず、本開示の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。