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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002580
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20231228BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101855
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 祐
(72)【発明者】
【氏名】宮田 亜衣
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】小松 昭太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】バスの到着までの待ち時間をより快適に過ごすことができるバス停の情報を提示する。
【解決手段】情報処理装置は、複数のバス停それぞれについて、位置情報と備えられている設備に関する情報を含む第1の情報を保持する記憶部と、天候に応じた設備を備える第1のバス停を特定する制御部とを備える。制御部は、所定の地点の所定の日時を含む時間帯における天候に関する情報を取得することと、記憶部に保持される第1の情報に基づいて、当該所定の地点を含む所定範囲内に位置する1又は複数のバス停の中から、取得した天候に関する情報によって示される天候に応じた設備を備える第1のバス停を特定することと、第1のバス停について、当該所定の日時における天候に応じた設備を備えていることを示す情報を出力することと、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバス停それぞれについて、位置情報と備えられている設備に関する情報を含む第1の情報を保持する記憶部と、
所定の地点の所定の日時を含む時間帯における天候に関する情報を取得することと、
前記記憶部に保持される前記第1の情報に基づいて、前記所定の地点を含む所定範囲内に位置する1又は複数のバス停の中から、前記天候に関する情報によって示される天候に応じた設備を備える第1のバス停を特定することと、
前記第1のバス停について、前記所定の日時における前記天候に応じた設備を備えていることを示す情報を出力することと、
を実行する制御部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
行先及び行先への到着予想時刻に基づいて、行先での乗客の待機環境を予測し、乗客の待機環境が最適となる車両の走行ルートを決定して車両を配車する配車装置が開示されている(例えば、特許文献1)。待機環境とは、行先としての病院やレストランにおける待ち時間と快適性を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-149145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示の態様の一つは、バスの到着までの待ち時間をより快適に過ごすことができるバス停の情報を提示可能な情報処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
複数のバス停それぞれについて、位置情報と備えられている設備に関する情報を含む第1の情報を保持する記憶部と、
所定の地点の所定の日時を含む時間帯における天候に関する情報を取得することと、
前記記憶部に保持される前記第1の情報に基づいて、前記所定の地点を含む所定範囲内に位置する1又は複数のバス停の中から、前記天候に関する情報によって示される天候に応じた設備を備える第1のバス停を特定することと、
前記第1のバス停について、前記所定の日時における前記天候に応じた設備を備えていることを示す情報を出力することと、
を実行する制御部と、
を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の態様の一つによれば、バスの到着までの待ち時間をより快適に過ごすことができるバス停の情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る乗換案内システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、サーバのハードウェア構成の一例である。
図3図3は、サーバの機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、バス停情報データベースに保持される情報の一例である。
図5図5は、提案条件と、提案条件に該当する天候の内容に応じた、バス停に望まれる設備の情報が示されている。
図6図6は、第1実施形態に係るサーバの経路検索処理のフローチャートの一例である。
図7図7は、ユーザ端末における経路検索結果の表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
屋根も壁もないバス停では、例えば、雨が降っているとき、寒いとき、暑いとき、又は、日照が厳しいとき等は、乗客は厳しい環境でバスを待つことになる。乗客の中には、例えば、少し遠回りになっても、屋根や囲いを備えているバス停を利用したいと所望する乗客もいる。そこで、本開示の態様では、バスの到着までの待ち時間をより快適に過ごすことができるバス停を提案する。
【0009】
本開示の態様の一つは、複数のバス停それぞれについて、位置情報と備えられている設備に関する情報を含む第1の情報を保持する記憶部と、当該記憶部に保持される第1の情報に基づいて、天候に応じた設備を備えている第1のバス停を特定する制御部とを備える。より具体的には、当該制御部は、所定の地点の所定の日時を含む時間帯における天候に関する情報を取得することと、記憶部に保持される第1の情報に基づいて、当該所定の地点を含む所定範囲内に位置する1又は複数のバス停の中から、取得した天候に関する情報によって示される天候に応じた設備を備える第1のバス停を特定することと、第1のバス停について、当該所定の日時における天候に応じた設備を備えていることを示す情報を出力することと、を実行する。
【0010】
情報処理装置は、例えば、サーバ、PC(Personal Computer)、スマートフォン、及
び、タブレット端末等である。制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)
等のプロセッサである。バス停の設備には、例えば、屋根、囲い、及び、空調等がある。例えば、屋根のあるバス停では雨、雪、及び日差しをしのぐことができる。囲いのあるバス停では、風を避けることができる。空調のあるバス停では、暑さ又は寒さをしのぐことができる。所定の地点は、例えば、移動を開始する出発地、現在位置、所定の目的地までの経路上の経由地、又は、指定されたバス停等である。所定の日時は、例えば、ユーザによって指定された時刻、現在時刻、所定の目的地までの経路上の経由地を経由する予定時刻等である。第1のバス停について、当該所定の日時における天候に応じた設備を備えていることを示す情報は、例えば、第1のバス停に備えられている設備と当該所定の日時における天候に関する情報であってもよい。
【0011】
本開示の態様の一つによれば、天候に応じた設備を備えるバス停が提案されるので、例えば、悪天候である場合でも、バスの到着までの待ち時間をより快適に過ごすことができる。
【0012】
本開示は、他の態様として、コンピュータが上記情報処理装置の処理を実行する方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、及び、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能で非一時的な記録媒体としても特定可能である。
【0013】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る乗換案内システム100のシステム構成の一例を示す図である。乗換案内システム100は、出発地から目的地までの公共交通機関を用いた経路を検索し、検索の結果得られた複数の経路を提示するサービスを提供するシステムである。乗換案内システム100は、サーバ1とユーザ端末2とを含む。乗換案内システム100は、ユーザ端末2を複数含むが、図1では説明の簡略化のため、サーバ1を1台のみ示している。サーバ1とユーザ端末2とは、ネットワークN1に接続しており、ネットワークN1を通じて通信可能である。ネットワークN1は、例えば、インターネット等の公衆回線網である。
【0015】
ユーザ端末2は、乗換案内システム100を利用するためのアプリケーションプログラムをインストールした端末である。サーバ1は、ユーザ端末2から、経路検索要求を受信すると、出発地から目的地までの公共交通機関を用いた経路を検索する。経路検索要求とともに、例えば、出発地、目的地、及び、出発予定日時又は到着予定日時等も受信される。
【0016】
サーバ1は、出発地から目的地までの公共交通機関を用いる経路の検索の結果、バスを利用する経路がある場合に、当該経路上の乗車予定のバス停を含む所定範囲内の、天候に応じた設備を備えるバス停を検索し、経路の検索結果とともに乗車のバス停の候補として提示する。例えば、乗車予定日時の天気予報が雨であり、検索結果の経路上の乗車予定のバス停#Aに屋根がなく、バス停#Xと同じ路線上の一つ前のバス停#Yに屋根がある場合には、サーバ1は、バス停#Yを乗車予定のバス停の候補として提示する。乗車のバス停の候補を検索する範囲は、例えば、移動元となる地点からの、徒歩による移動時間又は距離で設定される。
【0017】
第1実施形態では、出発地から目的地までの経路検索の結果得られた経路上の乗車のバス停の候補として、乗車予定日時における天候に応じた設備を備えるバス停が提示される。これによって、ユーザは、バスに乗車するバス停の選択肢として、乗車予定日時における天候に応じたバス停を認知することができる。また、乗車予定日時における天候に応じたバス停を選択して利用した場合には、天候に応じてバスの到着までの待ち時間をより快適に過ごすことができる。
【0018】
図2は、サーバ1のハードウェア構成の一例である。サーバ1は、例えば、専用又は汎用のコンピュータである。サーバ1は、ハードウェア構成として、CPU 101、メモリ102、補助記憶装置103、及び、通信部104を備える。メモリ102および補助記憶装置103は、それぞれ、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0019】
補助記憶装置103は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してCPU 101が使用するデータを格納する。補助記憶装置103は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、及び、SSD(Solid State Drive)等である。補助記憶装置103に保持されるプログラムには、例えば、OS(Operation System)、及び、乗換案内システム100の制御プログラム等がある。
【0020】
メモリ102は、CPU 101に、補助記憶装置103に格納されているプログラムをロードする記憶領域および作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする記憶装置である。メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random
Access Memory)のような半導体メモリを含む。補助記憶装置103及びメモリ102は、それぞれ、「記憶部」の一例である。
【0021】
CPU 101は、補助記憶装置103に保持されたOS、及び、その他様々なプログラムをメモリ102にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU
101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。CPU 101は「制御部」の一例である。
【0022】
通信部104は、例えば、LAN(Local Area Network)カード、及び、光モジュール等のネットワークケーブルを接続し、信号処理の回路を備えるモジュールである。通信部104は、有線ネットワークへ接続可能な回路に限定されず、WiFi等の無線通信ネットワークの無線信号を処理可能な無線信号処理回路であってもよい。なお、サーバ1のハードウェア構成は、図2に示されるものに限定されない。
【0023】
ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC、及び、ウェアラブル端末等である。ユーザ端末2は、ハードウェア構成として、例えば、CPU、メモリ、補助記憶装置、無線通信部、及び、タッチパネルディスプレイ等を備える。ユーザ端末2の補助記憶装置には、乗換案内システム100を利用するためのアプリケーションプログラムが保持されている。例えば、乗換案内システム100を利用するためのアプリケーションプログラムを通じて、タッチパネルディスプレイ等から経路検索開始のユーザ操作の入力が受け付けられ、サーバ1へ経路検索要求が送信される。
【0024】
図3は、サーバ1の機能構成の一例を示す図である。サーバ1は、機能構成として、通信部11、制御部12、及び、バス停情報DB 13を備える。これらの機能構成要素の処理は、サーバ1のCPU 101が補助記憶装置103に保持される乗換案内システム100の制御プログラムを実行することによって達成される処理である。
【0025】
通信部11は、ネットワークN1とのインタフェースである。通信部11は、ネットワークN1を通じて、第1実施形態では、ユーザ端末2から経路検索要求を受信する。通信部11は、受信した経路検索要求を制御部12へ出力する。また、通信部11は、第1実施形態では、制御部12から経路検索要求に対する検索結果の入力を受け、ネットワークN1を通じてユーザ端末2へ送信する。
【0026】
制御部12は、通信部11から、ユーザ端末2からの経路検索要求の入力を受ける。経路検索要求とともに、ユーザ端末2からは、例えば、出発地、目的地、及び、出発予定日時又は到着予定日時のいずれか一方の情報も受信される。また、経路検索要求とともに、1又は複数の経由地に関する情報も受信されてもよい。出発地及び目的地は、例えば、住所、駅名、バス停名、店舗名、及び、施設名のいずれかで指定される。
【0027】
制御部12は、出発地から目的地までの公共交通機関を用いた経路を検索する。公共交通機関を用いた経路検索の手法は、周知の技術のいずれが用いられてもよい。制御部12は、経路検索の結果として、所定数の経路を取得する。取得される経路には、例えば、出発地から目的地までの乗車及び降車する駅名及びバス停名、及び、乗車及び降車する駅又はバス停それぞれにおける出発予定時刻及び到着予定時刻等が含まれる。
【0028】
制御部12は、検索結果の経路にバスによる移動が含まれている場合には、天候に応じた乗車のバス停の候補を検索する処理を行う。まず、制御部12は、検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停の他に、所定の条件を満たす、乗車のバス停の候補となり得るバス停が有るか否かを判定する。乗車のバス停の候補となる条件を、以下、候補条件と称する。候補条件は、例えば、検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停への移動元の地点からの移動時間が、検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停への移動時間+所定の時間長内であり、且つ、検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停を含む路線及び当該路線と同じ方面に向かう路線上にあるバス停である。
【0029】
検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停への移動元の地点は、例えば、該当のバス停が出発地に指定されている場合には該当のバス停である。例えば、検索結果の経路において、電車からバスへの乗り換えにおける乗車のバス停である場合には、当該バス停への移動元の地点は、乗り換え前の電車の降車駅である。
【0030】
検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停への移動元の地点からの移動時間は、例えば、分速80mとした場合の徒歩による移動時間である。また、検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停への移動元の地点からの移動時間+所定の時間長内の“所定の時間長”は、例えば、10分である。ただし、徒歩の移動速度は分速80mに限定されず、“所定の時間長”も10分に限定されない。徒歩の移動速度及び“所定の時間長”は、ユーザによ
って指定されてもよい。また、移動時間に代えて移動距離が用いられてもよい。
【0031】
上記のような候補条件を設定することで、例えば、乗車のバスの候補として、検索結果に含まれる乗車のバス停と同じ路線上の当該乗車のバス停の前後のバス停、及び、検索結果の経路に含まれる乗車のバス停とは異なる路線であるが検索結果の経路に含まれる降車のバス停を通過する路線上のバス停等が挙がってくることになる。なお、候補条件は上記に限定されない。例えば、候補条件は、検索結果に含まれる乗車のバス停と同じ路線上の当該乗車のバス停の前後所定個数までのバス停であってもよい。候補条件を満たすバス停を、以下、候補のバス停、と称する。
【0032】
次に、制御部12は、検索結果の経路上の乗車のバス停を含む地域の、当該バス停の出発予定時刻を含む時間帯における、天候に関する情報を取得する。天候に関する情報は、例えば、提携している気象予報サービス提供者のサーバ、又は、インターネット上で公開されている気象予報サービスのウェブページから取得される。天候に関する情報には、例えば、天気の種類(晴れ、曇り、雨等)、降水確率、気温、湿度、風速、及び、紫外線情報が含まれている。
【0033】
制御部12は、天候に関する情報が所定の条件を満たす場合に、候補のバス停の中に天候に応じた設備を備えるバス停が有るか否かを判定する。所定の条件は、雨、雪、及び、強い日差し等のバスの待ち時間を辛いものにすることを示す天候の条件である。以下、当該条件を、検索結果の経路上の乗車のバス停以外のバス停を乗車のバス停の候補として提案するか否かを判定する条件という意味で、提案条件、と称する。提案条件の詳細は後述される。
【0034】
制御部12は、天候に応じた設備を備えるバス停を、後述のバス停情報DB 13を参照して検索する。天候に応じた設備を備えるバス停が候補のバス停の中にある場合には、通信部11は、検索結果の経路に加えて、より快適に待ち時間を過ごせるバス停として当該バス停を紹介するメッセージを生成して、通信部11へ出力し、通信部11を通じてユーザ端末2へ送信する。天候に応じた設備を備えるバス停が候補のバス停の中に複数ある場合には、該当する全てのバス停を紹介してもよい。または、各バス停を設備と天候とに応じてスコア化し、スコアの高い上位所定数のバス停を紹介するようにしてもよい。
【0035】
バス停情報DB 13は、サーバ1の補助記憶装置103の記憶領域内に作成される。バス停情報DB 13は、例えば、乗換案内システム100がサービスを提供する対象の地理的範囲内に設置されているバス停に関する情報を保持する。バス停情報DB 13に保持される情報の詳細は、後述される。なお、サーバ1の機能構成は図3に示されるものに限定されない。
【0036】
図4は、バス停情報DB 13に保持される情報の一例である。バス停情報DB 13には、1つのバス停につき1つのレコードが保持される。バス停情報DB 13の1レコードには、バス停ID、位置、路線ID、及び、設備のフィールドが含まれている。バス停IDのフィールドには、バス停を識別する識別情報が格納されている。位置のフィールドには、当該バス停の位置情報が格納されている。バス停の位置情報は、例えば、緯度及び経度、又は、住所のいずれであってもよい。路線IDのフィールドには、当該バス停が含まれる路線の識別情報が格納されている。当該バス停が複数の路線に含まれる場合には、その全ての路線の識別情報が路線IDのフィールドに格納される。なお、バス停及び路線の識別情報は、乗換案内システム100において独自に付与したものであってもよいし、他の組織やシステム等で用いられているものを流用してもよい。
【0037】
設備のフィールドには、屋根、囲い、及び、空調のサブフィールドが含まれる。屋根、
囲い、及び、空調のサブフィールドそれぞれには、各設備が当該バス停に備えられているか否かを示す情報が格納されている。各設備が当該バス停に備えられているか否かを示す情報は、例えば、フラグ、コード、又は、キーワードである。図4に示される例では、便宜上、「有」又は「なし」というキーワードが用いられている。なお、バス停情報DB 13に保持される情報は図4に示される例に限定されず、例えば、設備のフィールドには、屋根、囲い、及び、空調以外の設備についてのサブフィールドが含まれてもよい。なお、バス停情報DB 13に保持される情報は、予め乗換案内システム100の管理者によって設定されている。バス停情報DB 13に保持される情報は、「第1の情報」の一例である。
【0038】
図5は、提案条件と、提案条件に該当する天候の内容に応じた、バス停に望まれる設備の情報が示されている。図5に示される例において、「天候」の欄が提案条件に対応する。屋根、囲い、及び、空調がバス停に望まれる設備に対応する。
【0039】
図5では、天候が「雨」又は「雪」である場合には、例えば、雨や雪を避けるため、屋根を備えるバス停が望ましいことが示されている。天候が「雨」又は「雪」であることは、例えば、天候に関する情報に含まれる天気の種類が「雨」又は「雪」に関するものであること、又は/及び、降水確率が所定値よりも高いこと等によって判定される。
【0040】
図5では、天候が「日照が強い」場合には、例えば、日陰の方が過ごしやすいので、屋根を備えるバス停が望ましいことが示されている。天候が「日照が強い」ことは、例えば、天候に関する情報に含まれる紫外線情報に基づいて判定される。例えば、紫外線情報が、所定値以上のUV指数を示す場合に、「日照が強い」ことが示される。
【0041】
図5では、体感温度が閾値1未満である場合、及び、体感温度が閾値2より高い場合に、空調を備えるバス停が望ましいことが示されている。体感温度は、例えば、気温、湿度、及び、風速等を用いて、周知のアルゴリズムのいずれかを利用して取得される。閾値1は、例えば、暖房を要するほど寒いと感じる体感温度に設定される。閾値2は、例えば、冷房を要するほど暑いと感じる体感温度に設定される。なお、空調が備えられているバス停には、屋根と囲いも備えられていることがほとんどであるため、図5では、体感温度が閾値1未満である場合、及び、体感温度が閾値2より高い場合について、特に、屋根と囲いについては言及していない。図5では、風速が閾値3以上である場合に、例えば、風を避けるため、囲いを備えるバス停が望ましいことが示されている。
【0042】
候補のバス停の中から複数のバス停が天候に応じた設備を備えているバス停として選択される場合には、例えば、選択された複数のバス停間で優先度が付与されてもよい。バス停の優先度は、例えば、屋根又は囲いのいずれかを備えるバス停<屋根及び囲いを備えるバス停<空調を備えるバス停の順で設定されてもよい。
【0043】
天候に関する情報が複数の提案条件に該当する場合には、例えば、該当する全ての提案条件に該当する天候に応じた設備を備えていなくとも、少なくとも一つの提案条件に該当する天候に応じたバス停であれば、天候に応じた設備を備えているバス停として選択されてもよい。例えば、「雨」で且つ「体感温度が閾値1未満」であり、候補のバス停の中に、空調を備えるバス停は含まれておらず、屋根を備えるバス停#Mが含まれている場合には、バス停#Mは、「体感温度が閾値1未満」に応じた設備を備えていないが、「雨」に応じた設備は備えているので、天候に応じた設備を備えているバス停として判定される。ただし、これに限定されず、天候に関する情報が複数の提案条件に該当する場合には、例えば、該当する全ての提案条件に該当する天候に応じた設備を備えるバス停が選択されてもよい。
【0044】
また、移動元からの移動時間又は距離等とバス停に備えられる設備等を考慮して、バス停のスコアを算出し、スコアに基づいて、優先順位が付けられてもよい。
【0045】
なお、図5に示される提案条件の天候と、各提案条件の天候に応じた設備は一例であって、これに限定されない。また、図5に示される提案条件の天候と、各提案条件の天候に応じた設備の情報は、例えば、補助記憶装置103の記憶領域に保持されており、乗換案内システム100によって設定される。
【0046】
図6は、第1実施形態に係るサーバ1の経路検索処理のフローチャートの一例である。図6に示される処理は、例えば、所定の周期で繰り返し実行される。図6に示される処理の実行主体は、サーバ1のCPU 101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。
【0047】
OP101では、制御部12は、ユーザ端末2から経路検索要求が受信されたか否かを判定する。通信部11を通じて、ユーザ端末2からの経路検索要求が受信された場合に(OP101:YES)、処理がOP102へ進む。ユーザ端末2から経路検索要求が受信されていない場合には(OP101:NO)、図6に示される処理が終了する。
【0048】
OP102では、制御部12は、所定のアルゴリズムに従って、出発予定日時に出発するように又は到着予定日時に到着するように、出発地から目的地までの公共交通機関を用いた経路を検索する。図6における以下の処理の説明では、OP102では、1つの経路が取得されるとする。
【0049】
OP103では、制御部12は、検索結果の経路にバスによる移動が含まれるか否かを判定する。検索結果の経路にバスによる移動が含まれている場合には(OP103:YES)、処理がOP104へ進む。検索結果の経路にバスによる移動が含まれていない場合には(OP103:NO)、処理がOP110へ進む。OP110では、制御部12は、検索結果の経路をそのままユーザ端末2へ送信する。
【0050】
OP104では、制御部12は、候補条件を満たす候補のバス停が有るか否かを判定する。候補条件は、例えば、検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停への移動元の地点からの移動時間が、検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停への移動時間+所定の時間長内であり、且つ、検索結果の経路上に含まれる乗車のバス停を含む路線及び当該路線と同じ方面に向かう路線上にあるバス停である。OP104の判定は、例えば、バス停情報DB 13を参照して行われる。ただし、これに限定されず、路線図や地図が参照されてもよい。
【0051】
候補条件を満たす候補のバス停がある場合には(OP104:YES)、処理がOP105へ進む。候補条件を満たす候補のバス停がない場合には(OP104:NO)、検索結果の経路上の乗車のバス停以外に提案できるバス停がないので、処理がOP110へ進み、検索結果の経路がそのままユーザ端末2へ送信される。
【0052】
OP105では、制御部12は、検索結果の経路上の乗車のバス停を含む地域における、検索結果の経路において乗車のバス停からの出発予定時刻を含む時間帯の天候に関する情報を取得する。OP106では、制御部12は、OP105において取得した天候に関する情報が提案条件(例えば図5)のいずれかに該当するか否かを判定する。天候に関する情報が提案条件のいずれかに該当する場合には(OP106:YES)、処理がOP107へ進む。天候に関する情報が提案条件のいずれかに該当しない場合には(OP106:NO)、特別な設備がなくとも検索結果の経路上の乗車のバス停で快適に待ち時間を過ごすことができる天候である、すなわち、ユーザにとって厳しい天候ではないことが示さ
れ、処理がOP110へ進む。
【0053】
OP107では、制御部12は、検索結果の経路上の乗車のバス停は天候に応じた設備を備えているか否かを判定する。OP107の判定は、バス停情報DB 13を参照して行われる。OP105において取得した天候に関する情報が複数の提案条件の天候に該当する場合には、例えば、検索結果の経路上の乗車のバス停が、当該複数の提案条件の全ての天候に応じた設備を備えていれば、OP107は肯定判定となる。例えば、検索結果の経路上の乗車のバス停が、当該複数の提案条件のいずれか一つ天候に応じた設備を備えていなければ、OP107は否定判定となる。
【0054】
検索結果の経路上の乗車のバス停が天候に応じた設備を備えている場合には(OP107:YES)、検索結果の経路上の乗車のバス停で快適に待ち時間を過ごせるため、所有がOP110へ進み、検索結果の経路がそのままユーザ端末2へ送信される。検索結果の経路上の乗車のバス停が天候に応じた設備を備えていない場合には(OP107:NO)、処理がOP108へ進む。
【0055】
OP108では、制御部12は、候補のバス停の中に、天候に応じた設備を備えるバス停があるか否かを判定する。OP108の判定は、バス停情報DB 13を参照して行われる。候補のバス停の中に、天候に応じた設備を備えるバス停がある場合には(OP108:YES)、処理がOP109へ進む。
【0056】
OP109では、制御部12は、天候に応じた設備を備える他のバス停に関する情報を生成し、検索結果の経路の情報とともに、ユーザ端末2へ送信する。乗車予定日時を含む時間帯における乗車のバス停を含む地域の天候に関する情報もユーザ端末2へ送信されてもよい。天候に応じた設備を備える他のバス停に関する情報には、例えば、該当のバス停の路線の名称、当該バス停の名称、当該バス停の位置情報、当該バス停に備えられる設備の種類、検索結果の経路に含まれる乗車のバス停への移動元から該当のバス停への移動時間又は距離、及び、検索結果の経路に含まれる乗車のバス停を利用した場合とのバス料金の差額等が含まれる。天候に関する情報には、例えば、予想される天気の種類、降水確率、気温、湿度、風速、及び、日差しの強さ(例えば、UV指数)等が含まれる。なお、天候に関する情報に含まれる上記の情報は一例であって、これに限定されない。
【0057】
その後、図6に示される処理が終了する。天候に応じた設備を備えるバス停が複数存在する場合には、その全てのバス停についてユーザに紹介されてもよいし、優先度の高い所定数のバス停についてユーザに紹介されてもよい。
【0058】
候補のバス停の中に、天候に応じた設備を備えるバス停がない場合には(OP108:NO)、処理がOP110へ進み、制御部12は、検索結果の経路の情報を、ユーザ端末2へ送信する。その後、図6に示される処理が終了する。
【0059】
なお、一つの経路情報に、乗車のバス停が複数含まれている場合には、各乗車のバス停について、OP103からOP108の処理が繰り返し実行され、当該経路上の全乗車のバス停について天候に応じた設備を備える他の候補のバス停の情報がまとめて送信されてもよい。また、OP102における経路検索の結果、複数の経路が取得された場合には、各経路について、OP103からOP110の処理が繰り返し実行される。なお、図6に示されるサーバ1の経路検索処理は一例であって、サーバ1の経路検索処理は図6に示されるものに限定されない。例えば、OP104の候補のバス停の有無の判定の処理と、OP105及びOP106の天候に関する情報を取得し、提案条件に該当するかを判定する処理と、は、実行の順が逆であってもよい。
【0060】
図7は、ユーザ端末2における経路検索結果の表示画面の一例である。ユーザ端末2は、サーバ1から経路検索要求に対する応答を受信すると、経路検索結果を、例えば、タッチパネルディスプレイに表示する。サーバ1から受信される経路検索要求に対する応答には、例えば、検索結果の所定数の経路情報が含まれる。また、検索結果の経路の中に、バス移動が含まれる経路で且つ天候に応じた他の候補のバス停がある経路が含まれる場合には、該当の経路それぞれについて、当該候補のバス停に関する情報と当該経路上の乗車のバス停を含む地域における当該乗車のバス停の出発予定時刻を含む時間帯における天候に関する情報と、が含まれる。
【0061】
ユーザ端末2の経路検索結果の表示画面には、例えば、検索条件となる、出発地、目的地、移動予定日、出発又は到着予定時間の情報、各経由地における到着予定時刻及び出発予定時刻、及び、検索結果の経路に関する情報が含まれる。検索結果の経路の中に、バス移動が含まれる経路で且つ天候に応じた他の候補のバス停がある経路が含まれる場合には、当該他の候補のバス停に関する情報及び天候に関する情報が表示される。
【0062】
図7に示される例では、バス停#Cが経路上の乗車のバス停である。バス停#Cには、天候に応じた他の候補のバス停として、バス停#G及びバス停#Hが検出されている。図7に示される例では、バス停#G及びバス停#Hそれぞれに関する情報が表示されている。例えば、バス停#Gについては、屋根が有り、当該経路でバス停#Cへの移動元となる出発地#Aからの移動時間が徒歩8分であること、及び、バス停#Cを利用する場合とのバス料金の差額はないことが表示されている。例えば、バス停#Hについては、屋根が有り、出発地#Aからの移動時間が徒歩10分であること、及び、バス停#Cを利用する場合とのバス料金の差額は30円であることが表示されている。
【0063】
また、図7に示される例では、バス停#Cを含む地域のバス停#Cからの出発予定時刻を含む時間帯の天候に関する情報として、予想天気が雨であること、降水確率が80%であることが表示されている。また、図7に示される例では、経路上の乗車のバス停であるバス停#Cに屋根がないことも表示されている。
【0064】
例えば、ユーザ端末2のユーザが図7に示される経路検索結果表示画面を見た場合、バス停#Cへ向かうよりも移動時間が3分長くなっても屋根のあるバス停#Gで待ち時間を過ごしたいと思う場合には、ユーザ端末2のユーザはバス停#Gを利用することを決定することができる。なお、経路検索の結果の表示画面に表示される情報は、図7に示される例に限定されない。例えば、図7において、バス停#Gはバス停#Cの一つ手前のバス停である等の、バス停#Cとバス停#G及びバス停#Hそれぞれとの位置関係をサーバ1からユーザ端末2へ送信して、経路検索の結果の表示画面に表示させるようにしてもよい。また、サーバ1は、バス停#G及びバス停#Hそれぞれについて、乗車のバス停として選択した場合の到着予定時刻及び出発予定時刻等の情報をユーザ端末2へ送信して、ユーザ端末2は経路検索の結果の表示画面に表示してもよい。また、表示画面において、それぞれのバス停について、位置を示す地図のウェブページにリンクが張られてもよい。
【0065】
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態によれば、バスを利用する場合に、天候に応じた設備を備えるバス停の情報が提供される。ユーザは、天候に応じた設備を備えるバス停を利用することで、例えば、天候が悪い場合でも、バス停における待ち時間をより快適に過ごすことができる。
【0066】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0067】
第1実施形態では、天候に応じた設備を備える候補のバス停の情報を提供することが、公共交通機関を用いる場合の経路検索サービスに適用される場合について説明された。これに限られず、天候に応じた設備を備える候補のバス停の情報を提供することは、以下のようなサービスにも応用して適用することができる。例えば、単に、乗車を希望するバス停におけるバスの時刻表を検索するサービスに適用して、ユーザが希望するバス停の周辺にある、天候に応じた設備を備えるバス停の情報を提供するようにしてもよい。例えば、地図サービスに適用して、現在位置の周囲のバス停が検索される場合に、各バス停について現在の天候に応じた設備を備えるか否かの情報も提供するようにしてもよい。
【0068】
また、第1実施形態では、乗車のバス停について、他に天候に応じた設備を備えるバス停が有るか否か検索されるが、これに限定されず、降車のバス停について他に天候に応じた設備を備えるバス停が有るか否か検索されてもよい。また、バス停情報DB 13において、各バス停の近くに喫茶店等のバスを待つ時間を過ごせる施設の情報を保持し、当該施設をバス停の設備の一つとして扱ってもよい。
【0069】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0070】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0071】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0072】
1・・サーバ
2・・ユーザ端末
11・・通信部
12・・制御部
13・・バス停情報データベース
100・・乗換案内システム
101・・CPU
102・・メモリ
103・・補助記憶装置
104・・通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7