(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025816
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】浄水器
(51)【国際特許分類】
E03C 1/10 20060101AFI20240216BHJP
C02F 1/00 20230101ALI20240216BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20240216BHJP
【FI】
E03C1/10
C02F1/00 B
C02F1/28 R
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211003
(22)【出願日】2023-12-14
(62)【分割の表示】P 2020017841の分割
【原出願日】2020-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】504346204
【氏名又は名称】三菱ケミカル・クリンスイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142309
【弁理士】
【氏名又は名称】君塚 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】河合 由修
(72)【発明者】
【氏名】亘 謙治
(72)【発明者】
【氏名】中山 幹子
(72)【発明者】
【氏名】金光 理晴
(72)【発明者】
【氏名】是行 聖治
(57)【要約】
【課題】浄水器において、カートリッジ寿命が確認しやすく、計量機能の利便性を向上できるようにする。
【解決手段】浄水器100は、原水を濾過するカートリッジ2と、カートリッジ2が装着される本体部1と、カートリッジ2によって濾過された浄水の流量を計測する計測部と、計測部が計測した流量に基づいて、浄水の吐出開始から吐出終了までの間の吐出量と、吐出量を積算した積算流量と、を算出する流量算出部と、流量算出部が算出した積算流量に基づいてカートリッジ2の残寿命を表示する寿命表示モードと、流量算出部が算出した吐出量に基づいて吐出量の情報を表示する計量表示モードと、を有する表示部3と、表示部3における寿命表示モードと、計量表示モードと、を切り替える操作ボタン4と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された原水を濾過して吐出する浄水器であって、
前記原水を濾過する濾過カートリッジと、
前記濾過カートリッジが装着される本体部と、
前記濾過カートリッジに向かう前記原水または前記濾過カートリッジによって濾過された浄水の流量を計測する計測部と、
前記計測部が計測した前記流量に基づいて、前記浄水の吐出開始から吐出終了までの間の吐出量と、前記吐出量を積算した積算流量と、を算出する流量算出部と、
前記流量算出部が算出した前記積算流量に基づいて前記濾過カートリッジの残寿命を表示する寿命表示モードと、前記流量算出部が算出した前記吐出量に基づいて吐出量の情報を表示する計量表示モードと、を有する表示部と、
前記表示部における前記寿命表示モードと、前記計量表示モードと、を切り替える切替操作部と、
を備え、
前記切替操作部が、操作ボタンであり、
前記操作ボタンは、ボタン本体と、スイッチと、を有し、
前記ボタン本体が、前記表示部の手前側に配置されている、浄水器。
【請求項2】
前記操作ボタンの操作荷重が3N以上5N以下である、
請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記切替操作部は、操作の都度、前記寿命表示モードと前記計量表示モードとを切り替える、
請求項1または2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記切替操作部は、前記表示部を前記計量表示モードから前記計量表示モード以外の表示モードに切り替えるとき、前記吐出量をリセットする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項5】
前記積算流量を初期化する初期化操作部を、さらに備える、
請求項1~4のいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項6】
前記表示部と、前記切替操作部と、は、前記本体部の上面部に配置されており、
前記初期化操作部は、前記本体部の下面部に配置されている、
請求項5に記載の浄水器。
【請求項7】
前記寿命表示モードでは、前記濾過カートリッジの濾過可能な総流量から前記積算流量が差し引かれた流量が前記残寿命として表示される、
請求項1~6のいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項8】
前記計量表示モードでは、前記吐出量の情報が、前記吐出量の数値で表示される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項9】
前記計量表示モードでは、前記吐出量の情報が、前記吐出量に対応するシンボル図形で表示される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項10】
前記本体部は、前記浄水を外部に吐出する浄水吐出部を備える、
請求項1~9のいずれか1項に記載の浄水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水(原水)に含まれる塩素などの不純物を除去することを目的とした浄水器が広く普及している。浄水器の中には、原水が濾過されて形成された浄水の吐出量を積算し、液晶部にてカートリッジの寿命の表示を行うものがある。例えば特許文献1には、通水しない場合においてもカートリッジの寿命を確認できる構造の浄水器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような関連技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に開示された浄水器は、常時カートリッジ寿命を表示しているが、計量機能を備えていない。このため、浄水の計量には、例えば、計量カップなどの計量手段が必要になる。
一方、計量機能を備える計量機能付き浄水器も知られている。例えば、原水ストレート、原水シャワー、原水の流路切り替えと、止水と、が可能な切替レバーを有し、切替レバーの動きに連動して、浄水の吐出時の吐出量が表示される計量機能付き浄水器が提案されている。
この場合、カートリッジ寿命は、通常は表示されておらず、浄水の使用中に交換時期が近づいたときに表示される。このため、ユーザが余裕を持ってカートリッジの交換に備えることが難しい。
また、計量表示のリセット手段が設けられておらず、浄水の流れが停止してから一定時間後に自動的にリセットされてしまう。このため、例えば、計量表示がリセットされるまでは計量をやり直せない、ユーザの都合で計量を一時的に中断したりすることができない、といった問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、カートリッジ寿命が確認しやすく、計量機能の利便性を向上できる浄水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の第1の態様の浄水器は、供給された原水を濾過して吐出する浄水器であって、前記原水を濾過する濾過カートリッジと、前記濾過カートリッジが装着される本体部と、前記濾過カートリッジに向かう前記原水または前記濾過カートリッジによって濾過された浄水の流量を計測する計測部と、前記計測部が計測した前記流量に基づいて、前記浄水の吐出開始から吐出終了までの間の吐出量と、前記吐出量を積算した積算流量と、を算出する流量算出部と、前記流量算出部が算出した前記積算流量に基づいて前記濾過カートリッジの残寿命を表示する寿命表示モードと、前記流量算出部が算出した前記吐出量に基づいて吐出量の情報を表示する計量表示モードと、を有する表示部と、前記表示部における前記寿命表示モードと、前記計量表示モードと、を切り替える切替操作部と、を備え、前記切替操作部が、操作ボタンであり、前記操作ボタンは、ボタン本体と、スイッチと、を有し、前記ボタン本体が、前記表示部の手前側に配置されている。
【0007】
本発明の第2の態様の浄水器によれば、上記第1の態様の浄水器において、前記操作ボタンの操作荷重が3N以上5N以下であってもよい。
【0008】
本発明の第3の態様の浄水器によれば、上記第1または第2の態様の浄水器において、前記切替操作部は、操作の都度、前記寿命表示モードと前記計量表示モードとを切り替えてもよい。
【0009】
本発明の第4の態様の浄水器によれば、上記第1~第3の態様のいずれか1つの浄水器において、前記切替操作部は、前記表示部を前記計量表示モードから前記計量表示モード以外の表示モードに切り替えるとき、前記吐出量をリセットしてもよい。
【0010】
本発明の第5の態様の浄水器によれば、上記第1~第4の態様のいずれか1つの浄水器において、前記積算流量を初期化する初期化操作部を、さらに備えてもよい。
【0011】
本発明の第6の態様の浄水器によれば、上記第5の態様の浄水器において、前記表示部と、前記切替操作部と、は、前記本体部の上面部に配置されており、前記初期化操作部は、前記本体部の下面部に配置されてもよい。
【0012】
本発明の第7の態様の浄水器によれば、上記第1~第6の態様のいずれか1つの浄水器において、前記寿命表示モードでは、前記濾過カートリッジの濾過可能な総流量から前記積算流量が差し引かれた流量が前記残寿命として表示されてもよい。
【0013】
本発明の第8の態様の浄水器によれば、上記第1~第7の態様のいずれか1つの浄水器において、前記計量表示モードでは、前記吐出量の情報が、前記吐出量の数値で表示されてもよい。
【0014】
本発明の第9の態様の浄水器によれば、上記第1~第8の態様のいずれか1つの浄水器において、前記計量表示モードでは、前記吐出量の情報が、前記吐出量に対応するシンボル図形で表示されてもよい。
【0015】
本発明の第10の態様の浄水器によれば、上記第1~第9の態様のいずれか1つの浄水器において、前記本体部は、前記浄水を外部に吐出する浄水吐出部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、カートリッジ寿命が確認しやすく、計量機能の利便性を向上できる浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る浄水器の一例を示す模式的な斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る浄水器の一例を示す模式的な斜視図である。
【
図3】
図1におけるF3-F3線に沿う断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る浄水器における表示画面の構成例を示す模式的な平面図である。
【
図5】
図4におけるF5-F5線に沿う断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る浄水器における制御系のブロック図である。
【
図7】
図1におけるF7-F7線に沿う断面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る浄水器における寿命表示モードにおける表示画面の例を示す模式的な平面図である。
【
図10A】本発明の実施形態に係る浄水器における流量表示モードにおける表示画面の例を示す模式的な平面図である。
【
図10B】本発明の実施形態に係る浄水器における流量表示モードにおける表示画面の例を示す模式的な平面図である。
【
図11】本発明の実施形態の変形例に係る浄水器における流量表示モードにおける表示画面の例を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0019】
本発明の実施形態の浄水器について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る浄水器の一例を示す模式的な斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る浄水器の一例を示す模式的な斜視図である。
図3は、
図1におけるF3-F3線に沿う断面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の浄水器100は、水道の蛇口等に接続される、いわゆる蛇口直結型の浄水器である。
浄水器100は、上部に接続されて図示略の蛇口から、例えば、水道水などの原水W1の供給を受ける。
図2に示すように、浄水器100は、供給された原水W1を浄水器100の下面側から、ストレート状の原水W2、シャワー状の原水W3、および原水W1が濾過された浄水W4のいずれかの態様で吐出することができる。
【0021】
以下では、特に断らない限り、浄水器100が鉛直下向きに延びる蛇口に接続された場合の姿勢に基づいて浄水器100における各部材の構成を説明する。
浄水器100における相対位置を参照する場合に、図中に示すX1方向、X2方向、Y1方向、Y2方向、Z1方向、およびZ2方向を用いる場合がある。X1方向は、浄水器100の正面に立ったとき、左から右に向かう方向である。X2方向は、X1方向と逆の方向である。Y1方向は、浄水器100の背面から正面に向かう方向である。Y2方向は、Y1方向と逆の方向である。Z1方向は、鉛直上向き方向である。Z2方向は、鉛直下向き方向である。X1(Y1、Z1)方向、X2(Y2、Z2)方向の向きを問わない場合または両方向を含む場合には、単に、X(Y、Z)方向と称する。
X方向に法線を持つ平面をYZ平面、Y方向に法線を持つ平面をZX平面、Z方向に法線を持つ平面(水平面)をXY平面と称する。
【0022】
図1に示すように、浄水器100は、本体部1、カートリッジ2(濾過カートリッジ)、切替レバー1D、表示部3、および操作ボタン4(切替操作部)を備える。
【0023】
本体部1は、Z2方向から見ると略L字状の外形を有する。本体部1は、X1方向に延びる前部1Xと、前部1XのX2方向の端部からY2方向に突出する後部1Yと、を有する。前部1Xは、略直方体状である。
図2に示すように、後部1Yは、X1方向から見ると、略円柱状である。
図1、2に示すように、本体部1の外面は、上カバー1A、下カバー1B、およびサイドカバー1S(
図2参照)を含む外装カバーによって覆われている。
上カバー1Aおよび下カバー1Bは、前部1XのZ2方向の端部近くに形成された分割線Lを境にZ方向に分離可能である。
【0024】
上カバー1Aは、前部1Xおよび後部1Yに跨がっており、前部1Xおよび後部1Yにおける上面1a(上面部)を形成している。上面1aは、XY平面に平行な平面状である。
前部1Xを覆う上カバー1AのX2方向の端部には、Z2方向から見て円状の開口部が形成されており、内部から、後述する第1構造体11の一部が円柱状に突出している。 上カバー1Aから突出した第1構造体11の中心部には、原水W1を流入させる原水流入口E1が形成されている。同じく第1構造体11の側面部には、固定部1Cが着脱可能に固定されている。固定部1Cは、本体部1を図示略の蛇口を原水流入口E1とZ方向において対向する位置で、蛇口に固定する。
前部1Xを覆う上カバー1Aにおいて、固定部1CのX1方向に隣り合う部位には、後述する表示部3が上側に露出する開口部1fが形成されている。
【0025】
図2に示すように、下カバー1Bは、前部1Xにおいては上面1aに平行な平面部1bと、平面部1bからZ2方向に膨出する段状部1c(下面部)とを備える。下カバー1Bは、後部1Yにおいては、後部1Yの下半を形成する円筒状部1dを備える。
段状部1cの下面には、X1方向に向かって、第1開口部11c1、第2開口部11c2、および第3開口部11c3が形成されている。
第1開口部11c1、第2開口部11c2、および第3開口部11c3には、それぞれ、浄水吐出部20、原水吐出部30、および電池カバー40がこの順に配置されている。 浄水吐出部20には、Z2方向に開口し、浄水W4を吐出する浄水吐出口E13が形成されている。
原水吐出部30には、原水W2を吐出するストレート吐出口E11と、原水W3を吐出するシャワー吐出口E12と、が形成されている。ストレート吐出口E11およびシャワー吐出口E12は、いずれもZ2方向に開口している。
ストレート吐出口E11は、原水吐出部30の中心部においてZ方向に延びる円管状のストレート吐出部31によって形成されている。
シャワー吐出口E12は、ストレート吐出部31の外周部から側方に延びるシャワー吐出板32によって形成される。シャワー吐出板32には、流入した原水W1をシャワー状に吐出する複数の吐出孔が厚さ方向に貫通している。
電池カバー40は、本体部1内に配置される電池41を覆う。電池41は、表示部3等に電力を供給する。例えば、電池41は、ボタン型・コイン型電池が最も一般的であるが、ピン型、ガム型などが用いられてもよい。
【0026】
円筒状部1dの下端には、下側から見て円状領域を囲む壁状のスイッチガード1eがZ2方向に突出している。スイッチガード1eの内側には、有底の円穴が形成されている。円穴の穴底の中心部には、リセットスイッチ1E(初期化操作部)がZ1方向に突出している。
リセットスイッチ1Eは、後述する積算流量の算出値をユーザがリセットするための操作部である。リセットスイッチ1Eの誤操作を防止するため、スイッチガード1eの突出方向の先端面は、穴底からリセットスイッチ1Eと同程度の高さまで突出している。
リセットスイッチ1Eは、後述する制御部6と電気的に接続されている。リセットスイッチ1Eが操作されると、リセットスイッチ1Eは、制御部6にリセット信号を送出する。
【0027】
サイドカバー1Sは、本体部1のX2方向の端部を、上カバー1Aと下カバー1Bとの間で覆う。サイドカバー1Sは、本体部1のX2方向におけるYZ平面に平行な側面を形成している。
【0028】
本体部1の後部1YのX1方向の端部には、カートリッジ2が取り付けられている。カートリッジ2はX1方向に延びる円柱状の外形を有する。
カートリッジ2は、本体部1に流入した原水W1を、原水流入口から流入させて濾過した後、浄水流出口を通して、本体部1に戻す。
カートリッジ2における原水流入口から浄水流出口との間には、原水W1を濾過するため、例えば、中空糸膜、活性炭、ゼオライト、イオン交換繊維、フィルタ、ストレーナー等の濾過材が1種類または2種類以上、収容されている。
例えば、カートリッジ2は、ユーザが交換できないように、本体部1に装着されていてもよい。ただし、本実施形態では、カートリッジ2は、ユーザ操作によって着脱可能である。例えば、カートリッジ2は、本体部1の内部の後述する第2構造体12に、凹凸嵌合によって着脱可能に固定されている。このため、ユーザは、例えば、寿命に到達したカートリッジ2を、未使用のカートリッジ2に交換できる。
【0029】
図3に示すように、本体部1の内部には、第1構造体11、第2構造体12、および第3構造体13が配置されている。
第1構造体11は、固定部1Cの下部からその下方における前部1X内に配置されている。
第1構造体11の上部は、Z1方向に延びる柱状の形状を有する。第1構造体11の上部の中心部には、蛇口の先端を止水する円環状のパッキン16を配置する凹部11aが形成されている。凹部11aの中心には、原水流入口E1が形成されており、原水流入口E1からZ2方向に向かって第1原水流路P1が延びている。第1原水流路P1には、原水W1がZ2方向に流通可能である。
第1構造体11において第1原水流路P1の下側には、Y方向に延びる円筒面状のロータ収容穴11bが形成されている。ロータ収容穴11bのZ1方向側の内周面には、第1原水流路P1の下端が開口している。
【0030】
ロータ収容穴11bのZ2方向側の内周面には、Z2方向に延びるストレート流路P2と、シャワー流路P3と、が開口している。
ストレート流路P2は、原水W1を原水W2としてストレート状に吐出するための流路である。ストレート流路P2は、第1原水流路P1の下方に設けられている。ストレート流路P2は、ロータ収容穴11bのZ2方向側の外周面からZ2方向に延びる管状部11dに囲まれて形成される。管状部11dの下端部は、原水吐出部30のストレート吐出部31に連通している。
【0031】
シャワー流路P3は、原水W1を原水W3としてシャワー状に吐出するための流路である。シャワー流路P3は、ストレート流路P2のX2方向に隣り合う位置に形成されている。シャワー流路P3は、第1構造体11の下端部における、Z1方向から見て円環状の凹所11fに開口している。
凹所11fは、管状部11dと、管状部11dの側方を囲み、第2開口部11c2までZ2方向に延びる管状壁部11eとの間に形成されている。
凹所11fは、第2開口部11c2を閉じる原水吐出部30のシャワー吐出板32によって、下方から覆われている。凹所11fに流入する原水W1は、シャワー吐出板32の複数の吐出孔を通して、シャワー状に吐出される。
【0032】
ロータ収容穴11bのY2方向側の内周面には、カートリッジ流入流路P4が開口している。カートリッジ流入流路P4は、第1構造体11および第2構造体12の内部を通して、カートリッジ2の原水流入口に連通する。
【0033】
ロータ収容穴11bの内部には、切替ロータ14と、ロータ押え板17と、が配置されている。
切替ロータ14は、ロータ収容穴11bの軸方向に沿ってX1方向に延びる円筒状のドラム部14aと、ドラム部14aのX2方向の端面の中心からX2方向に延びる回転軸部14bと、を有する。
切替ロータ14は、ロータ収容穴11bの中心軸線回りに回動可能に配置されている。 回転軸部14bのX2方向の端部は、後述する切替レバー1Dと固定されている。切替ロータ14は、切替レバー1DのYZ平面内の回動に連動する。
ロータ押え板17は、ロータ収容穴11bのX1方向の端部において、ドラム部14aのX1方向の端部と摺動可能に当接し、ドラム部14aのX1方向の端部を押さえる。 ロータ押え板17の側面とロータ収容穴11bの内周面との間には、パッキン17aが配置されている。パッキン17aは、ロータ収容穴11bのX1方向の開口部を液密に封止する。
【0034】
ドラム部14aには、入口連通口E2、ストレート流路連通口E3(二点鎖線参照)、シャワー流路連通口E4、およびカートリッジ流路連通口E5が、ドラム部14aの径方向に貫通している。
【0035】
入口連通口E2は、第1原水流路P1から原水W1を流入させる。入口連通口E2は、ドラム部14aの軸方向において、第1原水流路P1の下端側の開口部と対向可能な位置に形成されている。
入口連通口E2は、径方向に一定の長さを有する長孔である。入口連通口E2の短手幅は、第1原水流路P1と内径と同程度である。
【0036】
ストレート流路連通口E3は、入口連通口E2の長手方向の中心軸線が延びる円周上において、
図3の紙面手前側に位置する。ストレート流路連通口E3は、ドラム部14aの中心軸線を挟んで、入口連通口E2と対向する位置に形成されている。ストレート流路連通口E3は、ストレート流路P2の上端の内径と同程度の内径を有する円孔である。
図3に示す状態では、ストレート流路連通口E3と、ストレート流路P2のロータ収容穴11bの内周面における開口部と、は互いに対向していない。ただし、ドラム部14aが回転されて、ストレート流路連通口E3とストレート流路P2の開口部とが互いに対向されると、第1原水流路P1とシャワー流路P3とが、入口連通口E2とストレート流路連通口E3とを通して連通する。
【0037】
シャワー流路連通口E4は、シャワー流路P3のロータ収容穴11bの内周面における開口部と対向可能な位置に形成されている。シャワー流路連通口E4は、シャワー流路P3の上端の内径と同程度の内径を有する円孔である。
図示のように、ストレート流路連通口E3とストレート流路P2の開口部とが互いに対向された状態では、入口連通口E2は、第1原水流路P1の下端の開口部に対向している。
このため、第1原水流路P1とシャワー流路P3とは、入口連通口E2とシャワー流路連通口E4とを通して連通する。
【0038】
カートリッジ流路連通口E5は、カートリッジ流入流路P4のロータ収容穴11bの内周面における開口部と互いに対向可能な位置に形成されている。カートリッジ流路連通口E5は、カートリッジ流入流路P4のロータ収容穴11bの内周面における開口部の内径と同程度の内径を有する円孔である。
図3に示す状態では、カートリッジ流路連通口E5と、カートリッジ流入流路P4のロータ収容穴11bの内周面における開口部と、は互いに対向していない。ただし、ドラム部14aが回転されて、カートリッジ流路連通口E5とカートリッジ流入流路P4の開口部とが互いに対向されると、第1原水流路P1とカートリッジ流入流路P4とは、入口連通口E2とカートリッジ流路連通口E5とを通して連通する。
【0039】
ストレート流路連通口E3、シャワー流路連通口E4、およびカートリッジ流路連通口E5の周方向の位置と、入口連通口E2の周方向の長さとは、第1原水流路P1に入口連通口E2がと対向しているときに、第1原水流路P1が、ストレート流路P2、シャワー流路P3、およびカートリッジ流入流路P4のうちの1つのみと連通可能であるように設定されている。
第1原水流路P1が、ストレート流路P2、シャワー流路P3、およびカートリッジ流入流路P4とそれぞれ連通する、切替ロータ14の3位置に対応して、第1構造体11のX2方向の側面に3つの係合穴11gが形成されている。
【0040】
第1構造体11において、浄水吐出部20の上方には、Z1方向に延びる浄水吐出流路P6と、浄水吐出流路P6の上端からY2方向に延びる浄水流路P5と、が形成されている。
浄水流路P5および浄水吐出流路P6は、カートリッジ2によって濾過され、浄水流出口から流出する浄水W4を浄水吐出口E13に導く。
【0041】
第2構造体12は、後部1Yおよび前部1Xの内側に配置されている。第2構造体12は、前部1X内では、第1構造体11のX2方向において第1構造体11と隣り合っている。
後部1Y内の第2構造体12のX1方向側には、カートリッジ2を着脱可能に接続する接続部が設けられている。
接続部には、カートリッジ2のX2方向の端部に形成された原水流入口と浄水流出口と、それぞれ連通可能に接続する原水供給口と浄水流入口とが形成されている。
接続部の原水供給口は、第1構造体11のカートリッジ流路連通口E5と連通するカートリッジ流入流路P4の開口によって形成されている。
接続部の浄水流入口は、第1構造体11から延びる上述の浄水流路P5のY2方向における端部開口によって形成されている。浄水流路P5は、第2構造体12から第1構造体11に向かってY1方向に延びており、Y1方向の端部は、第1構造体11における浄水吐出部20の上方に位置する。
浄水流路P5のY1方向の端部は、第1構造体11内でZ2方向に延びる浄水吐出流路P6に連通している。
接続部は、カートリッジ2を新しいカートリッジ2にしたときに、新しいカートリッジ2の種別を検出する種別検出センサ(図示略)を備えている。種別検出センサが検出した種別は、後述する制御部6に送出される。
【0042】
浄水流路P5の内部には、浄水流路P5内を流れる浄水W4によって回転する羽根車15が配置されている。羽根車15は、浄水W4の流量を計測する流量計10(計測部)の一部である。
流量計10は、さらに羽根車15の回転数を検出する図示略の回転検出部を備える。回転検出部の構成は、羽根車15の回転数が検出できれば特に限定されない。例えば、回転検出部として、羽根車15に配置された磁石と、磁石の回転数を検出するリードスイッチ等の磁気検出センサと、が用いられてもよい。
流量計10は、羽根車15の回転数を流量に換算した計測信号を後述する制御部6に送出する。
【0043】
第3構造体13は、前部1Xの内部において、第1構造体11のX1方向側に配置されている。
第3構造体13は、後述する表示部3の下部を支持する支持部13aと、支持部13aの下方において電池41を保持する電池ホルダ部13bと、を備える。
電池ホルダ部13bは、下方に開口する穴部である。電池ホルダ部13bの内周面には、電池カバー40を螺合する雌ネジ13cが形成されている。
電池ホルダ部13bの内部には、電池41との導通を取る正電極および負電極(図示略)が配置されている。電池カバー40が雌ネジ13cに螺合され、第3開口部11c3が電池カバー40によって閉じられると、正電極および負電極がそれぞれ電池41の正極および負極に当接する。正電極および負電極は、図示略の配線を通して、後述する回路基板3bに電気的に接続されている。
【0044】
切替レバー1Dは、浄水器100内に原水の流路を切り換えて、浄水器100内からの吐出モードを、「浄水モード」と、「ストレートモード」と、「シャワーモード」との間で切り換えるための切り換え手段を構成している。
「浄水モード」は、原水流入口E1に流入した原水W1をカートリッジ2で濾過して吐出させるモードである。
「ストレートモード」は、原水流入口E1に流入した原水W1を、濾過されない原水W2として、Z2方向にストレート状に吐出させるモードである。
「シャワーモード」は、原水流入口E1に流入した原水W1を、濾過されない原水W3として、下方にシャワー状に吐出させるモードである。
【0045】
切替レバー1Dは、切替ロータ14の回転軸部14bに固定されている。切替レバー1DのX1方向の側面には、X1方向に付勢された係合ロッド1Daが配置されている。第1構造体11には、係合ロッド1Daが係合している係合穴11gを検知する切替検知センサ(図示略)が配置されている。
切替検知センサの検出信号は、後述する制御部6に送出される。
【0046】
図1に示すように、表示部3は、本体部1の前部1Xの上部に配置されている。表示部3の表示画面は、開口部1f上に配置された表面シート18に形成された矩形状の表示窓3Aを通して見えるようになっている。
図3に示すように、表示部3は、表示パネル3a、回路基板3b、および表示部カバー3cを備える。
【0047】
表示パネル3aは、表示モードとして、「寿命表示モード」と、「計量表示モード」と、を有する。
寿命表示モードは、表示パネル3aがカートリッジ2によって濾過された浄水W4の積算流量に基づくカートリッジ2の残寿命(以下、単に残寿命と称する)を表示するモードである。
計量表示モードは、表示パネル3aが浄水W4の吐出開始から吐出終了までの間の吐出量の情報(以下、単に吐出量と称する)を表示するモードである。ここで、吐出量は、吐出開始時から表示時までの積算流量である。
残寿命の算出に用いる浄水W4の積算流量は、残寿命の計測開始以後の吐出量の総和である。以下では、特に断らない限り、残寿命の計測開始以後の吐出量の総和を単に「積算流量」と称する。
表示パネル3aの構成は、残寿命および吐出量を切り替え可能に表示できれば特に限定されない。例えば、表示パネル3aとしては、液晶パネル、有機ELパネル、LEDパネルなどが用いられてもよい。
吐出量および積算流量は、後述する制御部6によって算出される。
【0048】
ここで、表示部3における表示画面の構成例について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る浄水器における表示画面の構成例を示す模式的な平面図である。
図5は、
図4におけるF5-F5線に沿う断面図である。
【0049】
表示パネル3aの表示領域は、表示窓3Aの範囲にあればよいが、本実施形態では
図4に破線で示すように、表示窓3Aよりも広い。具体的には、表示領域のX2方向およびY2方向の端縁が、それぞれ表示窓3Aの同方向の端縁よりもX2方向およびY2方向に延びている。これに対して、表示領域のX1方向およびY1方向の端縁は、それぞれ表示窓3Aの同方向における直線状の端縁と略同じ位置に配置されている。
これは、浄水器100の使用時に、ユーザに表示パネル3aの表示領域よりも外側の内部構造を見せないようにするためである。ユーザの視線は、Y2方向に向かうにつれてX2方向に傾斜する方向において表示窓3Aを上から下に見下ろす方向になる。例えば、
図5に示すように、表示窓3AのX2方向の端縁では、ユーザの視線V1は、X2方向に向かうにつれてZ2方向に傾斜する斜め方向になる。このため、視線V2で示すようにZ2方向に見下ろす場合とは異なり、ユーザには、表示窓3Aの端縁よりもX2方向の内部構造が見える。本実施形態によれば、表示パネル3aの表示領域が表示窓3AよりもX2方向に延びているので、ユーザには、表示領域のみが見える。表示パネル3aの端縁が表示窓3Aの端縁と同様の位置であると、視線V1から見た時、表示パネル3aの端部と、端部よりも外側の表示部3の内部構造、例えば、回路基板3bなどが見えてしまうので、美観が損なわれるおそれがある。Y2方向の端縁においても同様である。
【0050】
これに対して、X1方向およびY1方向における表示パネル3aの表示領域の端縁は、Z方向において表示窓3Aの端縁と重なっている。これは、通常の使用方法のユーザの立ち位置では、ユーザがX1方向およびY1方向における表示パネル3aの表示領域の端縁を斜め方向にのぞき込む可能性が低いことを考慮している。
このような配置により、表示パネル3aの表示領域を狭めることができるので、浄水器100の小型化を図ることができる。
【0051】
本実施形態では、
図4に示すように、表示パネル3aは、少なくとも、寿命表示モードと、計量表示モードと、に関連して、表示窓3Aの内側に、第1表示部D1、第2表示部D2、第3表示部D3、第4表示部D4、および第5表示部D5を必要に応じて表示することができる。
【0052】
第1表示部D1は、表示窓3AにおけるX1方向の端部を除くX2方向側に形成されている。第1表示部D1は、積算流量または吐出量の数値を3桁以内で表示する。
図4に示す例では、各桁の数字は、7セグメント表示によって表示される。
第2表示部D2、第3表示部D3、および第4表示部D4は、表示窓3Aにおいて第1表示部D1よりもX1方向に形成され、Z2方向においてこの順に配列されている。
第2表示部D2は、積算流量の単位を表示する。本実施形態では第2表示部D2は、「L(リットル)」を表示する。
第3表示部D3は、吐出量の単位を表示する。本実施形態では第3表示部D3は、「cc」を表示する。
【0053】
第4表示部D4は、「最適流量マーク」を表示する。「最適流量マーク」は、浄水W4の瞬間流量が予め決められた最適範囲にある場合に表示される。例えば、最適範囲は、0.5L/min以上、3.0L/min以下であってもよい。
瞬間流量が最適範囲にあると、「最適流量マーク」が表示される。瞬間流量が、最適範囲よりも低い(例えば、0.5L/min未満)場合、「最適流量マーク」は表示されない。瞬間流量が、最適範囲よりも高い(例えば、3.0L/min超)場合、「最適流量マーク」が点滅表示される。
「最適流量マーク」の形状は特に限定されない。例えば、
図4に示す例では、「最適流量マーク」は、水滴シンボルである。
【0054】
第5表示部D5は、電池残量の低下を示す「電池マーク」を表示する。例えば、電池残量は、後述する制御部6が検知する電池41の電圧から算出される。電池残量は、ユーザに注意を喚起する第1レベルと、第1レベルよりも残量が少なく、ユーザに交換を促すための第2レベルと、とが設定されている。
電池残量が第1レベルに達すると、「電池マーク」が表示される。電池残量が第2レベルに達すると、「電池マーク」が点滅表示される。
【0055】
第1表示部D1、第2表示部D2、第3表示部D3、第4表示部D4、および第5表示部D5では、各表示形状に応じて形成された表示画素がオン/オフされてもよいし、各表示形状よりも細かい複数の表示画素がオン/オフ制御されて各表示形状が形成されてもよい。
【0056】
以上、表示パネル3aにおいて、寿命表示モードおよび計量表示モードに関連する表示部の例を説明した。ただし、表示パネル3aは、これらの表示部に代えてまたはこれらの表示部に加えて、他の表示が可能な表示部を有していてもよい。他の表示部は、寿命表示モードおよび計量表示モードに関連する表示とともに切り替え可能に設けられてもよいし、寿命表示モードおよび計量表示モードを通じて表示され続けてもよい。
他の表示部の例としては、例えば、時計、カレンダ、日付等が挙げられる。
【0057】
図3に示すように、回路基板3bは、上面に表示パネル3aを実装する基板であり、第3構造体13における支持部13a上に固定されている。
図6は、本発明の実施形態に係る浄水器における制御系のブロック図である。
図6に示すように、回路基板3bは、制御部6(流量算出部)、および記憶部7を、さらに備える。
【0058】
制御部6は、は、流量計10、切替検知センサ、種別検出センサ、リセットスイッチ1E、スイッチ4e、および電池41と電気的に接続されている。制御部6は、切替検知センサ、種別検出センサ、リセットスイッチ1E、およびスイッチ4eからの出力信号と、電池41から取得される電池41の電圧情報と、を受信して、それぞれに応じた演算処理と、表示パネル3aの制御と、を行う。
例えば、制御部6は、流量計10からの計測信号に基づく流量の算出と、流量の算出値に基づいた表示パネル3aの表示制御と、を行う。例えば、制御部6は、流量計10から送出される計測信号に基づいて、浄水W4の吐出開始から吐出終了までの間の吐出量と、吐出量を積算した積算流量とを、算出する。積算流量は、記憶部7に記憶された最近の積算流量に、計測中の吐出量を加算することによって求められる。
吐出が終了し、吐出量が確定すると、制御部6は、記憶部7の積算流量を最新の積算量に更新する。
例えば、制御部6は、リセットスイッチ1Eからリセット信号が送出されると、積算流量を、後述する寿命判定値にリセットする。
【0059】
制御部6が行う表示部3の表示制御としては、表示部3に寿命表示モードの画面を表示させる制御と、表示部3に計量表示モードの画面を表示させる制御と、が挙げられる。本実施形態では、制御部6は、寿命表示モードと、計量表示モードとを、操作ボタン4の操作に応じて、切り替える。
制御部6における流量算出および表示制御の詳細と、制御部6が行う他の制御と、は、浄水器100の動作とともに後述する。
【0060】
例えば、制御部6は、CPU、メモリ、入出力インターフェースなどを含むコンピュータを備えている。制御部6による制御および演算処理は、メモリに格納された制御プログラムおよび演算処理プログラムがCPUによって実行されることによって実現される。
【0061】
記憶部7は、制御部6が算出した吐出量と、積算流量とを書き換え可能に記憶する。さらに、記憶部7には、制御部6の演算処理および制御に必要な定数、算出式の情報などのデータが記憶されている。例えば、記憶部7には、複数のカートリッジ2の種別に応じた寿命を規定する複数の寿命判定値と、各寿命判定値に近づいたことを警告するための残寿命警告値と、が記憶されている。寿命判定値は、カートリッジの濾過可能な総流量(本実施形態では、浄水W4の総体積)を表す。
【0062】
図3に示すように、表示部カバー3cは、表面シート18と表示パネル3aとの間に配置されている。例えば、表示部カバー3cは、熱可塑性の透明樹脂材料で形成される。 表示部カバー3cは、下方に開口する箱状であり、表示パネル3aを上方から覆っている。表示部カバー3cの上面部には、上カバー1Aの開口部1f内側に嵌合する凸部がZ1方向に突出している。凸部の上面には、表面シート18が貼り付けられている。
表示部カバー3cの下端部は、第3構造体13において支持部13aよりも上側に形成された枠状のカバー保持部13dの端部と、液密に固定されている。
表示部カバー3cと、カバー保持部13dと、の固定方法は、液密に固定できれば特に限定されない。
【0063】
操作ボタン4は、寿命表示モードと、計量表示モードと、を切り替える。
図7は、
図1におけるF7-F7線に沿う断面図である。
図8は、
図7におけるA部の拡大図である。
図7に示すように、操作ボタン4は、ボタン本体4a(押しボタン)と、スイッチ4e(スイッチ本体)と、を有する。
【0064】
ボタン本体4aは、表示窓3AのY1方向側に配置されている。ボタン本体4aは、Z2方向から見ると、X方向に長い矩形状であり、表示部カバー3cの上面に貫通された開口部3eの内部に挿入されている。
ボタン本体4aの下面の中心部には、Z2方向に突出する棒状の押圧ロッド4bが形成されている。押圧ロッド4bは、ボタン本体4aの押下によって、後述するスイッチ4eを押下可能な長さを有する。
ボタン本体4aの下面側の外周部には、外周部の全周から側方に延びる板状のパッキン4cが設けられている。パッキン4cは、例えば、エラストマーなどの軟性材料で形成されている。パッキン4cは、押圧ロッド4bの外周部を液密に封止するとともに、ボタン本体4aをZ方向において弾性的に支持する。
【0065】
図8に示すように、パッキン4cの外縁部4dは、開口部3eの内縁を囲んでZ2方向側に形成された穴部3fに収容されている。外縁部4dは、表示部カバー3cと、開口部3eと略同形の開口を有する板状のパッキン押え5と、の間に挟持されている。
【0066】
外縁部4dは、穴部3fの穴底面において、表示部カバー3cと溶着されている。外縁部4dと表示部カバー3cとの溶着部M1は、Z1方向から見ると、開口部3eに沿う閉ループ状に形成されている。
パッキン押え5は、熱可塑性樹脂によって形成されており、穴部3fよりも外周側の表示部カバー3cのZ2方向の表面と溶着されている。パッキン押え5と表示部カバー3cとの溶着部M2は、Z1方向から見ると、穴部3fに沿う閉ループ状に形成されている。 溶着部M1、M2は、例えば、熱溶着、溶着剤などによって形成される。
パッキン4cの外縁部4dおよびパッキン押え5が表示部カバー3cと、溶着部M1、M2によって溶着されていることにより、開口部3eは、液密に封止されている。
【0067】
図7に示すように、スイッチ4eは、操作ボタン4の押圧ロッド4bの下方の回路基板3b上に配置されている。
スイッチ4eは、押下されるごとに、スイッチング信号を発生する押しボタンスイッチである。
操作ボタン4の操作荷重は3N以上5N以下が望ましい。5Nを超過すると操作ボタン4をユーザが固いと感じ、取り扱い性に難が生じる。また、取り付けた蛇口への負荷が大きくなり、接続部から水漏れ等が生じる原因となる。一方、操作荷重が3N未満であると、クリック感が低下し、操作感が損なわれる。
なお、表示の切替は上述の操作ボタン4に限定されない。タッチパネル式としてもよいし、ボタン押下時に操作音がなる仕様としてもよい。磁気センサを制御部に備えることによって、モーションセンシング(非接触)での切換を行ってもよい。
【0068】
次に、浄水器100の動作について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る浄水器における寿命表示モードにおける表示画面の例を示す模式的な平面図である。
図10A、10Bは、本発明の実施形態に係る浄水器における流量表示モードにおける表示画面の例を示す模式的な平面図である。
【0069】
浄水器100にカートリッジ2が装着されると、種別検出センサがカートリッジ2の種別を検出し、制御部6に種別に対応する出力信号を送出する。制御部6は、例えば、記憶部7から種別に応じた寿命判定値と残寿命警告値とを読み出す。さらに、制御部6は、記憶部7における吐出量と、積算流量と、の記憶値をそれぞれ0にリセットする。以下では、寿命判定値が900L、残寿命警告値が99Lの場合の例で説明する。
【0070】
浄水器100の最初の電源投入時および新しいカートリッジ2を装着した時(以下、合わせて初期状態と称する)では、表示パネル3aは、制御部6によって寿命表示モードに設定される。例えば、初期状態では、制御部6は、
図9に示すように、第1表示部D1に「900」を表示させ、第2表示部D2に「L」を表示させる。第3表示部D3および第4表示部D4は、初期状態では表示されない。
制御部6は、適宜のサンプリング間隔で、電池41の電圧を検出し、電池残量を監視する。電池残量が第1レベルよりも少ないと、制御部6は、第5表示部D5に電池マークを表示させる。電池残量が第2レベルよりも少ないと、制御部6は、第5表示部D5において電池マークを点滅表示させる。
【0071】
ユーザは、切替レバー1Dを回動させて、切替ロータ14の回動位置を変更することによって、浄水器100における吐出モードを、浄水モードと、ストレートモードと、シャワーモードと、の間で切り替えることができる。
例えば、浄水吐出口E13を開通させる位置に切替レバー1Dが回動されると係合ロッド1Daが、カートリッジ流路連通口E5がカートリッジ流入流路P4に連通する切替ロータ14に対応する係合穴11gと係合する。これにより、切替検知センサは、切替レバー1Dの位置が浄水モードの位置であることを検知し、制御部6に検知信号を送出する。制御部6は、浄水モードの検知信号を受信すると、浄水モードが継続する間は、スイッチ4eのスイッチング信号による割り込みを許可する。
【0072】
浄水モードでは、第1原水流路P1、カートリッジ流入流路P4、カートリッジ2、浄水流路P5、および浄水吐出流路P6が連通し、これらによって、原水流入口E1から浄水吐出口E13までの流路が形成される。
ユーザが蛇口を開けると、原水流入口E1から、原水W1が流入し、カートリッジ2を通して濾過された浄水W4が、浄水流路P5に流れる。
流量計10は、浄水流路P5における浄水W4の流量を計測し、計測信号を制御部6に送出する。
制御部6は、計測信号に対応する瞬間流量を適宜のサンプリング間隔で積分し、記憶部7の吐出量のデータを更新する。これと並行して、吐出量のデータは、記憶部7の積算流量に加算され、積算流量が更新される。
さらに制御部6は、寿命判定値から、積算流量を引いた数値を算出し、残寿命として、記憶部7に記憶させる。
【0073】
表示パネル3aの表示モードが寿命表示モードの場合、例えば、
図9に示すように、制御部6は、残寿命を第1表示部D1に表示させる。
制御部6は、残寿命と残寿命警告値とを比較して、残寿命が残寿命警告値を下回った場合には、例えば、第1表示部D1を点滅表示させる。
このようにして、浄水W4の吐出が進むにつれて、第1表示部D1の数値が吐出量に対応してカウントダウン表示される。
例えば、寿命表示モードにおいて蛇口が閉じられると、瞬間流量が0になる。この場合、第1表示部D1には、最後に記憶された積算流量が表示され続ける。このため、寿命表示モードでは、通水されない状態でも、残寿命が表示される。
【0074】
浄水モードでは、ユーザは、操作ボタン4を押下することによって、寿命表示モードと計量表示モードと、を切り替えることができる。
例えば、ユーザの指等によって操作ボタン4が押下されると、押圧ロッド4bによってスイッチ4eが押される。ユーザの指等が操作ボタン4から離れると、操作ボタン4は、パッキン4cの弾性によって上昇し、押圧ロッド4bがスイッチ4eから離れる。
スイッチ4eは、1回押されるごとに、スイッチング信号を制御部6に送出する。
制御部6は、スイッチング信号を受信するごとに、寿命表示モードを計量表示モードに、または、計量表示モードを寿命表示モードに切り替える。
【0075】
例えば、寿命表示モードが計量表示モードに切り替えられると、制御部6は、記憶部7の吐出量を0ccにリセットする。制御部6は、第2表示部D2の表示を消灯して、第3表示部D3に「cc」を表示させ、算出した最新の吐出量を第1表示部D1に表示させる(
図10A参照)。
計量表示モードにおいては、浄水W4の吐出が進むにつれて、第1表示部D1の数値が切替時以後の吐出量に対応してカウントアップ表示される。例えば、
図10Bには、吐出量が900ccの表示画面を示す。
図10Bでは、瞬間流量が最適範囲なので、第4表示部D4には、最適流量マークが表示されている。
ユーザが蛇口を閉じると、浄水W4の吐出が停止するので、第1表示部D1の数値も最後の吐出量を表示する。例えば、
図10Bの状態で、蛇口を閉じると、計測される瞬間流量が0になるので、第4表示部D4の最適流量マークは消灯される。
この状態からユーザが蛇口を開ければ、吐出量に応じて吐出量のカウントアップ表示が再開される。
このようにして、ユーザは、表示パネル3aの表示に基づく浄水W4の計量が可能である。
本実施形態は、第1表示部D1が3桁なので、吐出量が999ccを超えると、0ccの表示に戻ってカウントアップされる。
【0076】
計量表示モードでは、制御部6は、計量中に積算流量が残寿命警告値または寿命判定値を超えた場合には、第1表示部D1を点滅させる。
このように、本実施形態における計量表示モードでは、残寿命は数値では表示されないが、第1表示部D1が点滅することによって、ユーザは、残寿命が少なくなったことを知ることができる。残寿命の数値を調べるには、寿命表示モードに切り替えればよい。
また、残寿命警告値または寿命判定値を超えた場合の通知手段は第1表示部D1の点滅に限定されない。例えば、計量表示モードにおける通知手段は、表示部3を所望の色に発光させる、表示部3にカートリッジ交換マークを表示する等の機能によって実現されてもよい。
例えば、表示部3を含む本体部1にスピーカー、ブザー等が備えられてもよい。この場合、スピーカー、ブザー等から音声や通知音を発生させることによって、残寿命警告値または寿命判定値を超えたことを通知してもよい。
【0077】
吐出量の表示をリセットするには、ユーザは、計量表示モードにおいて操作ボタン4を2回押す。
1回目の押下によって、計量表示モードが寿命表示モードに切り替えられる。このとき、記憶部7の吐出量のデータは、0ccにリセットされる。
2回目の押下によって、寿命表示モードが計量表示モードに切り替えられる。このとき、上述したように、記憶部7の吐出量のデータは0ccにリセットされるので、2回目の操作ボタン4の押下時を0ccとした吐出量が第1表示部D1に表示される。
このような吐出量の表示リセットを行うと、例えば、計量をやり直したり、1000cc以上を計量したりすることができる。
例えば、第1表示部D1の表示範囲を超える1500ccを計量する場合、蛇口を閉じてから計量モードに切り替えた後、蛇口を開き、999cc未満の量(例えば800cc)を計量して蛇口を閉じる。この後、操作ボタン4を2回押して、第1表示部D1の表示を0ccにリセットする。この後、蛇口を開き、合計吐出量が1500ccになる量(例えば、700cc)になったら、蛇口を閉じる。
【0078】
本実施形態では、ストレートモードおよびシャワーモードでは、制御部6は、表示パネル3aを寿命表示モードにする。このため、ユーザは、原水W2、W3の吐出時にも、常にカートリッジ2の残寿命を知ることができる。
ただし、浄水W4が流れないストレートモードおよびシャワーモードでは流量計10による計量は行われないので、操作ボタン4を押しても計量表示モードに切り替わらないように、制御部6はスイッチ4eのスイッチング信号による割り込み許可しない。
【0079】
ユーザが、リセットスイッチ1Eを押すと、制御部6にリセット信号が送出される。制御部6は、リセット信号を受信すると、記憶部7の積算流量を0Lに初期化する。
例えば、リセットスイッチ1Eは、カートリッジ交換の場合に、初期化できるため有用である。
本実施形態では、リセットスイッチ1Eが操作ボタン4から離れた後部1Yの裏側に配置されているので、ユーザが操作ボタン4と間違えて操作することが防止される。さらに、リセットスイッチ1Eは、スイッチガード1eに囲まれているので、ユーザの手や食器などが裏側から当たってもスイッチガード1eで防護される。このため、ユーザの指がスイッチガード1e内にリセットスイッチ1Eを押し込む意図的な動作がなければ、積算流量はリセットされない。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の浄水器100によれば、切替レバー1Dの操作によって、浄水モード、ストレートモード、およびシャワーモードを切り替えて、浄水W4、原水W2、W3を選択的に吐出できる。その際、寿命表示モードの浄水モードと、ストレートモードおよびシャワーモードと、では、表示パネル3aに残寿命の数値が表示される。
このため、ユーザは、浄水W4を通水しているときでも、通水していないときでも、残寿命を容易に確認することができる。この結果、カートリッジ2が寿命に達する前に、ユーザが交換用のカートリッジ2を用意する余裕が生じる。
【0081】
残寿命は、カートリッジ2の寿命に相当する寿命判定値からカウントダウンされるので、残寿命の間に通水可能な体積が分かりやすい。このため、カートリッジ2の寿命を覚えていなくても、交換時期を直観的に予測しやすい。
【0082】
さらに、浄水器100によれば、浄水モードにおいて、単一の操作ボタン4を押下することで、寿命表示モードと計量表示モードとを切り替えることができる。このため、浄水器100における操作部の占有面積を低減できるので、浄水器100の小型化、または表示部3の表示画面の大型化が可能になる。
計量表示モードで表示される吐出量は、意図的にリセットされるまで表示パネル3aに表示され続けるので、ユーザが吐出量をメモする等の手間が省ける。さらに、必要に応じて蛇口を開閉することで、計量を複数回に分けて行ったり、ユーザの都合によって計量を一時的に中断したりすることができる。
このため、例えば、計測後の所定時間後に、吐出量が自動的にリセットされる場合に比べて、計量機能の利便性が向上する。
【0083】
吐出量は、0ccからカウントアップ表示されるので、予め計量値を決めずに、計量を開始しても、必要な量を計量することができる。
【0084】
[変形例]
次に、実施形態の表示画面と変形例について説明する。
図11は、本発明の実施形態の変形例に係る浄水器における流量表示モードにおける表示画面の例を示す模式的な平面図である。
【0085】
図1に示す本変形例の浄水器100Aは、表示部3における表示画面の構成のみが異なる。
図11に示すように、本変形例における計量表示モードでは、吐出量は図形G(シンボル図形)によって表示される。図形Gは、コップに溜まる水量のイメージを表示する。 図形Gは、下底よりも上底が長い等脚台形状の枠である。
図形Gの内部は、下底から上底に向かって複数の帯状の表示領域に区画されている。例えば、
図11に示す例では、下底側から表示領域g1、g2、g3、g4が設けられている。
吐出量が0ccから増えるにつれて、表示領域g1、g2、g3、g4が順次点灯される。
図11には、表示領域g1、g2が点灯され、表示領域g3、g4が消灯されている状態が示されている。
例えば、図形G全体は、1つのカップに吐出可能な一定の吐出量、例えば、8oz(約240mL)を表す。各表示領域g1~g4は、それぞれ全体の1/4の吐出量、例えば、4oz(約60mL)を表す。
このため、表示領域g1、g2が点灯された状態では、吐出量が4oz以上6oz以下であること、および吐出量が半カップであること、を示す。
【0086】
このような図形Gによれば、吐出量に応じて、コップを模した図形G内の点灯領域が増大するので、吐出量を直観的に把握しやすい。例えば、浄水W4の必要量が、単位量の倍数で表される場合、吐出量の数値を単位量の倍数に換算しなくてもよいので、より利便性が向上する。
図形G全体が表す吐出量の定義は、8ozには限定されない。例えば、図形G全体が表す吐出量は、計量カップの1カップ(200mL)でもよいし、米3合を研ぐための水量(例えば、600mL)でもよいし、スパゲッティ1人前をゆでるための水量(例えば、1000mL)でもよい。
図形Gの定義は、適宜の操作ボタンによって切り替え可能とされてもよい。あるいは、複数の異なる定義を有する図形Gが、一定の時間をおいて切り替えて表示されてもよい。 図形Gの定義が異なる場合、図形Gの横に、定義を表す文字、記号、図形が表示されることがより好ましい。
【0087】
図形Gは、表示パネル3aにおいて、同時に複数個が表示可能であってもよい。
例えば、定義が異なる複数の図形Gが並列して同時に表示されてもよい。
例えば、同じ定義の図形Gが吐出量に比例して表示されてもよい。例えば、図形Gが計量カップの1カップ(200mL)を表す場合、500mLは、表示領域g1~g4が点灯された2つの図形G(2カップ)と、表示領域g1、g2が点灯された図形G(半カップ)と、が表示されてもよい。
【0088】
表示パネル3aにおいて、図形Gは、第1表示部D1、第2表示部D2、および第3表示部D3に代えて、第4表示部D4および第5表示部D5を除く表示領域全体に表示されてもよいし、実施形態の表示画面に加えて表示されてもよい。
実施形態の表示画面に加えて、図形Gが表示される場合には、計量表示モードにおいて、吐出量の数値表示と、図形表示と、が並列表示されてもよい。この場合、吐出量の数値的な把握と、直観的な把握と、が可能になるので、より利便性が向上する。
【0089】
図形Gの形状は、カップ状には限定されない。例えば、棒グラフ状、網点状、円・環状グラフなどであってもよい。また、図形Gにおける表示領域の区画数は、4には限定されない。例えば、2以上の適宜の整数の区画が可能である。
【0090】
なお、上記実施形態および変形例では、原水W2、W3を吐出するストレートモードおよびシャワーモードでは、表示パネル3aに寿命表示モードと同様の表示画面が形成されるとして説明した。しかし、表示画面の一部に、残寿命が表示されていれば、寿命表示モードの表示以外の情報が表示されてもよい。
【0091】
上記実施形態および変形例では、流量計10が、浄水W4の流路に設けられた例で説明した。しかし、流量計10は、カートリッジ2の上流側、例えば、カートリッジ流入流路P4に配置されてもよい。この場合、原水W1中の異物による計測精度の低下を防止するため、流量計10の上流側に金網などのストレーナーを設けることがより好ましい。
【0092】
上記実施形態および変形例では、計量表示モードにおいて残寿命警告値または寿命判定値を超えた場合に、表示部3においてユーザへの通知が行われるとして説明した。しかし、例えば、計量表示モードの使用頻度が少ない、多量の計量があまり行われない、といった用途の場合には、計量表示モードにおいてユーザへの通知が行われない構成としてもよい。
【0093】
上記実施形態および変形例では、浄水W4の流量を計測する流量計10と、浄水W4を外部に吐出する浄水吐出部20と、が本体部1に設けられた例で説明した。しかし、計測部と、浄水吐出部の配置位置は、これには限定されない。例えば、浄水吐出部は、浄水器のいずれの部位に設けられていてもよく、例えば、濾過カートリッジに設けられていてもよい。
例えば、計測部は、浄水の吐出量が計測できれば浄水器のいずれの部位に設けられていてもよい。例えば、計測部は、上記実施形態のように、カートリッジ2で濾過された浄水W4の流量を計測してもよいが、浄水の吐出量は原水の流入量と等しいので、計測部は透過カートリッジに向かう原水の流量を計測してもよい。このため、浄水器内の計測部は、濾過カートリッジの上流に配置されてもよいし、下流に配置されてもよい。
【0094】
以上、本発明の好ましい実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの実施形態および変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0095】
1 本体部
1a 上面(上面部)
1D 切替レバー
1E リセットスイッチ(初期化操作部)
2 カートリッジ(濾過カートリッジ)
3 表示部
3a 表示パネル
3A 表示窓
3b 回路基板
3c 表示部カバー
4 操作ボタン(切替操作部)
4a ボタン本体(押しボタン)
4b 押圧ロッド
4c パッキン
4d 外縁部
4e スイッチ(スイッチ本体)
5 パッキン押え
6 制御部(流量算出部)
7 記憶部
10 流量計(計測部)
20 浄水吐出部
30 原水吐出部
31 ストレート吐出部
32 シャワー吐出板
100、100A 浄水器
G 図形(シンボル図形)
M1、M2 溶着部
W1、W2、W3 原水
W4 浄水