IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハンオン システムズの特許一覧

特開2024-25823圧縮機駆動装置用電気連結部を連結するためのアレンジメント、圧縮機駆動装置、及びアレンジメントの装着方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025823
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】圧縮機駆動装置用電気連結部を連結するためのアレンジメント、圧縮機駆動装置、及びアレンジメントの装着方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/17 20060101AFI20240216BHJP
   H01R 13/187 20060101ALI20240216BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20240216BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20240216BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H01R13/17
H01R13/187 B
H01R13/11 301D
H02K5/22
F04B39/00 106Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211944
(22)【出願日】2023-12-15
(62)【分割の表示】P 2022514737の分割
【原出願日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】102019131791.6
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グンターマン,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ルークス,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ゴーマンズ,オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ゲッゲル,セノル
(57)【要約】
【課題】容易で時間を節約する方式で製造できる蒸気流体の電動圧縮機、特に電気モーターを駆動するための装置のための連結部を信頼でき、安全に電気的に連結するためのアレンジメントを提供する。
【解決手段】1つ以上の電気伝導性連結要素(13)及び軸方向に前連結要素(13)を装着するための、回路基板(12)内に固定された1つ以上の接触装置(15-1、15-2)を有する連結アレンジメント(9)を備える、特にハウジング(2)を通じて圧縮機駆動装置用電気連結部を連結するためのアレンジメントに関する。接触装置(15-1、15-2)は弾性的に変形可能なラメラ接触スプリングを有する1つ以上のスプリング接触要素を備えて、ラメラ接触スプリングは電気伝導性で前記連結要素(13)に接触する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の電気伝導性の連結要素(13)及び軸方向に前記連結要素(13)を装着するための、回路基板(12)内に固定された1つ以上の接触装置(15-1)を有する連結アレンジメント(9)を備えるアレンジメントとして、
前記接触装置(15-1)は弾性的に変形可能なラメラ接触スプリングを有する1つ以上のスプリング接触要素を備えて、前記ラメラ接触スプリングは前記連結要素(13)に電気伝導性を有して接触し、
前記接触装置(15-1)は第1接触要素(15-1a)及び前記第1接触要素(15-1a)と別途に形成される第2接触要素(15-1b)を有し、
中空シリンダー型接触スリーブとして形成される前記第1接触要素(15-1a)は半径方向に前記第2接触要素(15-1b)の外部表面に、前記第2接触要素(15-1b)が完全に囲まれる方式で配置され、
前記第2接触要素(15-1b)は弾性的に変形可能なラメラ接触スプリングを有するスプリング接触要素で形成されて、前記連結要素(13)を囲んで電気的接触を設定するように配置され、
前記第2接触要素(15-1b)は、軸方向に外側を向く端部面で半径方向内側に向かうロック装置(19)を備えて形成されることを特徴とするアレンジメント。
【請求項2】
前記第1接触要素(15-1a)は、それぞれ軸方向に延びてカラー(15a)で互いに連結される第1セクション及び第2セクションを有することを特徴とする請求項1に記載のアレンジメント。
【請求項3】
前記第1セクションは第1端部面から前記カラー(15a)まで延びて、前記第2セクションは第2端部面から前記カラー(15a)まで延びることを特徴とする請求項2に記載のアレンジメント。
【請求項4】
前記カラー(15a)は各セクションの外部表面越しに半径方向に突出するようにそして前記第1接触要素(15-1a)を完全に囲むように形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のアレンジメント。
【請求項5】
前記カラー(15a)は軸方向に配置された前記第1接触要素(15-1a)の縦軸に対して垂直に延びる平面に整列されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のアレンジメント。
【請求項6】
前記スプリング接触要素の前記ラメラ接触スプリングは前記接触装置(15-1)の軸方向にストリップ形状に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のアレンジメント。
【請求項7】
前記ラメラ接触スプリングは互いに向き合って配置された端部で互いに連結されて、連結部はそれぞれ円形リングの形態に形成されることを特徴とする請求項6に記載のアレンジメント。
【請求項8】
構成要素の初期状態で、前記ラメラ接触スプリングは前記端部間の領域から半径方向に内側に、または外側に膨らんで形成されることを特徴とする請求項7に記載のアレンジメント。
【請求項9】
前記連結要素(13)はシリンダー形状のピン型プラグインコネクターに形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のアレンジメント。
【請求項10】
前記連結要素(13)は円形シリンダー形状に形成されたことを特徴とする請求項9に記載のアレンジメント。
【請求項11】
前記接触装置(15-1)及び前記連結要素(13)は互いに同軸に整列されて配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のアレンジメント。
【請求項12】
前記中空シリンダー型接触スリーブで形成される前記第1接触要素(15-1a)は前記第2接触要素(15-1b)を装着するために第1端部面から第2端部面に延びる開口を有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載のアレンジメント。
【請求項13】
前記ラメラ接触スプリングは互いに向き合って配置された端部で互いに連結されて、連結部はそれぞれ円形リングの形態を有し、前記円形リングはスロット型開口(18)を有するように形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載のアレンジメント。
【請求項14】
前記第2接触要素(15-1b)の初期状態で、前記ラメラ接触スプリングは半径方向に外側に膨らんで形成されて、前記第2接触要素(15-1b)は前記ラメラ接触スプリングで生成されたセクションにおいて中空シリンダー型接触スリーブで形成された前記第1接触要素(15-1a)の内径より大きい最大外径を有し、そして前記アレンジメントが組み立てられる時、前記ラメラ接触スプリングはそれぞれ弾性的に変形されて外部表面を通じて前記第1接触要素(15-1a)の内部表面に接触することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載のアレンジメント。
【請求項15】
前記中空シリンダー型接触スリーブで形成された前記第1接触要素(15-1a)の前記第1セクションは前記回路基板(12)内に形成された貫通開口に挿入されて、その後、前記回路基板(12)にハンダ付けされることを特徴とする請求項2乃至請求項14のいずれか一項に記載のアレンジメント。
【請求項16】
共通縦軸に沿って配置される回転子(8)と固定子(7)及びハウジング(2)を含む蒸気流体圧縮機を駆動するための装置として、
前記固定子(7)の軸方向に整列された第1端部面に、1つ以上の連結要素(13)を装着するための装着要素を有する支持要素及び請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の電気連結部を連結するためのアレンジメントが形成されることを特徴とする圧縮機駆動装置。
【請求項17】
下記段階を含む、請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の圧縮機を駆動するための装置の電気連結部を連結されるためのアレンジメントの装着方法として、
-1つ以上の接触装置(15-1)を回路基板(12)に連結して、前記接触装置(15-1)は前記接触装置(15-1)がカラー(15a)と共に前記回路基板(12)に接触する時まで常に第1端部面を先頭にして前記回路基板(12)内に形成された貫通開口を通じて挿入されて、
-前記接触装置(15-1)を前記回路基板(12)とハンダ付けして、
-前記接触装置(15-1)の弾性変形可能なラメラ接触スプリングを有するスプリング接触要素を連結要素(13)に付着することによって、前記スプリング接触要素を有する前記接触装置(15-1)が前記連結要素(13)に電気伝導性で接触して、前記回路基板(12)と前記連結要素(13)間に電気的連結が設定されることを特徴とするアレンジメントの装着方法。
【請求項18】
前記接触装置(15-1)の1つ以上の第1接触要素(15-1a)が前記回路基板(12)に連結されて、1つ以上の第2接触要素(15-1b)が前記連結要素(13)に付着されて、そして前記第2接触要素(15-1b)が前記第1接触要素(15-1a)内部に配置されるように、前記回路基板(12)に堅固に連結された1つ以上の前記第1接触要素(15-1a)を有する前記回路基板(12)は前記連結要素(13)であるプラグインコネクター(13)上に付着された1つ以上の前記第2接触要素(15-1b)を有する前記プラグインコネクター(13)上に押さえられることを特徴とする請求項17に記載のアレンジメントの装着方法。
【請求項19】
前記第2接触要素(15-1b)を前記第1接触要素(15-1a)の開口に挿入する時、前記接触装置(15-1)の接触要素(15-1a、15-1b)間で電気的連結が設定されるように、前記スプリング接触要素の個別ラメラ接触スプリングは前記第1接触要素(15-1a)の内部表面に接して弾性的に変形されることを特徴とする請求項18に記載のアレンジメントの装着方法。
【請求項20】
自動車空気調和システムの冷媒回路で冷媒の圧縮機のための請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載のアレンジメントを装着した蒸気流体を圧縮するための圧縮機駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機駆動装置用電気連結部を連結するためのアレンジメントに関する。本発明はまた、前記アレンジメントの装着方法及び蒸気流体、特に冷媒を圧縮するための圧縮機、特に電気モーターの駆動装置に関する。前記圧縮機は自動車空気調和システムの冷媒回路に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
冷媒圧縮機とも称される、冷媒回路を通じて冷媒を移送させるための従来技術で公知となった移動性アプリケーション、特に自動車空気調和システム用圧縮機は可変行程体積を有するピストン圧縮機またはスクロール圧縮機として形成される場合が多い。前記圧縮機はプーリ(pulley)を通じて駆動されるか電気的に駆動される。
【0003】
電動圧縮機は適切な圧縮機構を駆動するための電気モーターの他に前記電気モーターを駆動するためのインバータを備える。前記インバータは車両バッテリーの直流を交流に変換するために用いられ、前記交流は電気連結部により電気モーターに供給される。
【0004】
インバータは、電気モーターの連結部に電気的に連結するために、そしてそれによりインバータから電気モーターに電力を伝達するために、ピン(pin)で形成されたプラグインコネクター用プラグ連結部を有する。インバータの連結部は回路基板(PCB)に配置されることができる。
【0005】
通常的に、ガラス-金属グランド(gland)がハウジングを通じてプラグインコネクターを連結するのに用いられる。前記ガラス-金属グランドを製造する時、連結される全ての構成要素の公差が合算される。電気モーター及びインバータの連結部との電気的連結のためのプラグインコネクターの整列における大きい偏差が高い柔軟性と高い正確度を通じて補償されなければならない。
【0006】
現在使用可能な連結構成要素は公差発生を十分に補償せず、回路基板組立中に、特にプラグインコネクターを回路基板に連結する時発生する致命的な機械的張力により、プラグインコネクターはインバータの回路基板に直接連結されることができない。結果的に、プラグインコネクターは間接的に、例えばバスバー、ハンダ付けされた(soldered)、穿孔されて折り曲げられた部品、堅固なまたは柔軟な圧入要素またはクランプ、ねじ型円形アイレット(eyelet)、プラグフィット(plug-fit)システムまたは沿線を通じて回路基板に連結されなければならない。
【0007】
プラグインコネクターを回路基板に直接連結するために用いられ、従来技術で公知となった接触要素は圧入のために非常に精密な貫通開口の形成を必要とするか、追加工程段階として選択的にハンダ付けされる必要があるが、何れの場合でも費用が非常に高く、時間がかかる。
【0008】
WO 2015 146677 A1号には、圧縮アレンジメントを備える電気駆動式圧縮機、このような圧縮アレンジメントを駆動するための電気モーター及び電気モーターに電流を供給するためのインバータが開示される。前記電気モーターは回転子、固定子コアの端部に配置された電気絶縁性ボビンと前記ボビンに配置されたコイルを有する固定子、そしてプラグインコネクターとして形成されたピンを通じて前記コイルをインバータに電気的に連結するための連結部を有するコネクターハウジングを備える。インバータ側に整列されたプラグインコネクターの端部はジャッキ連結を通じてインバータに連結されている。
【0009】
結果的に、従来技術では多数の構成要素及び電気的転換点(transitionpoint)を有する非常に複雑なシステムが公知となっている。また、ねじまたはボルトのような要素がシステムから分離される危険がある。公知となったプレッシング技術である選択的ハンダ付け及びねじ連結は組立及び製造時追加的な時間を多く必要とする工程段階が必要である。また、組立中に、または作動中に、たびたび公差の構造的または熱的補償が保障されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、容易で時間を節約する方式で製造できる蒸気流体の電動圧縮機、特に電気モーターを駆動するための装置のための連結部を信頼でき、安全に電気的に連結するためのアレンジメントを提供することである。前記アレンジメントは製造費用を最小化するために、できるだけ少ない数の個別構成要素を備えて、また構造的に簡単に具現できなければならない。特に、前記アレンジメント及びそれによる前記装置の設計複雑性が最小化し、不正確性が除去されなければならない。また、前記アレンジメントはシステムの安全で最適の電気的連結が保障されるように形成されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題は独立項の特徴を有する対象により解決される。改善例は従属項に記載されている。
【0012】
前記課題は、特にハウジングまたはハウジングの壁を通じて圧縮機を駆動するのに用いられる装置の電気連結部を連結するための本発明によるアレンジメントにより解決される。前記アレンジメントは1つ以上の電気伝導性の連結要素及び軸方向に前記連結要素を装着するために回路基板内に固定された1つ以上の接触装置を有する連結アレンジメントとして形成される。
【0013】
本発明の概念によれば、前記接触装置は、前記連結要素と電気伝導性接触をする、好ましくはそれを完全に囲む、弾性的に変形可能なラメラ接触スプリングを有する1つ以上のスプリング接触要素を備える。それにより前記回路基板に電気接続された前記接触装置と前記連結要素間に電気的接触が行われる。
【0014】
前記連結要素は好ましくは圧縮機を駆動するのに用いられる装置の固定子に配置された支持要素内に設置される電気連結部をハウジング外部に配置された、特にインバータの電気連結部に連結する役割を果たす。前記支持要素は好ましくはコネクターハウジングを装着するための固定子の電気連結部を有するように生成される装着要素を備えて形成されることができる。前記連結要素はコネクターハウジングとこのようなハウジング内部に配置された電気連結部に挿入されることができる。
【0015】
前記接触装置及び前記連結要素は両方とも好ましくは電気伝導性材料、特に金属で製造されている。
【0016】
本発明の追加例によれば、前記接触装置は中空シリンダー型接触スリーブとして形成された1つ以上の構成要素を備える。少なくともシリンダーの端部面で閉鎖できる形態、また中空シリンダー型と理解されるべきである。
【0017】
前記中空シリンダー型接触スリーブの形態を有する前記接触装置の構成要素は好ましくは軸方向に延びて、カラー(collar)で互いに連結される第1セグメント及び第2セグメントを有するように形成される。前記第1セグメントは好ましくは第1端部面から前記カラーまで延び、そして前記第2セグメントは第2端部面から前記カラーまで延びる。前記カラーは好ましくは半径方向に各セグメントの外部表面越しに半径方向に突出するように、そして前記構成要素を完全に囲むように形成される。前記セグメントの外部表面の直径は好ましくは一定である。
【0018】
前記カラーは好ましくは軸方向に配置された前記構成要素の縦軸に対して垂直に延びる平面に整列されている。
【0019】
本発明の好ましい一実施例によれば、中空シリンダー型接触スリーブの形態を有する前記接触装置の構成要素の一セグメントは前記カラーまで前記回路基板内に形成された貫通開口に挿入、特に圧入された後、前記回路基板にハンダ付けされる。
【0020】
本発明の他の長所は、前記スプリング接触要素の前記ラメラ接触スプリングが前記接触装置の軸方向にストリップ形態に形成されているということである。前記ラメラ接触スプリングは好ましくは互いに向き合って配置された端部で互いに連結されている。前記ラメラ接触スプリングの連結部は前記中空シリンダー型構成要素の端部面または端部領域でそれぞれ円形リングの形態に形成されている。
【0021】
構成要素の初期状態で、前記ラメラ接触スプリングは前記端部間の領域で半径方向に、特に長さにわたって均一に外側に、または内側に膨らんで形成されている。初期状態はアレンジメントまたは装置が組み立てられていない状態と理解すべきである。
【0022】
本発明の好ましい一実施例によれば、前記連結要素は円筒形のピン型プラグインコネクターで形成されて、好ましくは直線ピン形状を有する。前記連結要素は少なくとも接触装置との連結領域で実質的に一定の外径を有する円形シリンダー形状を有することができる。
【0023】
前記接触装置と前記連結要素は好ましくは互いに同軸に整列されている。
【0024】
本発明の代案的な第1実施例によれば、前記接触装置は第1接触要素だけではなく前記第1接触要素と別途に形成される第2接触要素を有する。前記第2接触要素が完全に囲まれて、結果的に前記第2接触要素が完全に前記第1接触要素内部に位置して、そして前記接触要素が互いに同軸に整列されて配置されるように、特に閉鎖端部面を有する、中空シリンダー型接触スリーブとして形成された第1接触要素は第2接触要素の外部面で半径方向に配列されることが有利である。
【0025】
前記中空シリンダー型接触スリーブとして形成された前記第1接触要素は、第1端部面から特に前記第2接触要素を装着するために閉鎖された端部面として形成された第2端部面まで延びる、好ましくは長さにわたって一定の内径を有する開口を有する。
【0026】
前記第2接触要素は好ましくは弾性的に変形可能なラメラ接触スプリングを有するスプリング接触要素として形成されて、前記連結要素を好ましくは完全に囲んで電気的接触を設定するように配置される。前記第2接触要素は各端部面の領域でプラグインコネクターの外径より実質的に若干小さな内径を有し、それによりアレンジメントが組み立てられる時、それぞれのラメラ接触スプリングの内部表面がプラグインコネクターの外部表面とスプリング接触する。前記ラメラ接触スプリングは互いに向き合って配置された端部で互いに連結されて、ここで連結部はそれぞれ好ましくは円形リングの形態に形成される。前記円形リングは好ましくは特に軸方向に延びるスロット型開口を有するように形成されることによって前記円形リングの直径は変わることができる。
【0027】
また、前記第2接触要素の初期状態で、またはアレンジメントが組み立てられていない状態で前記ラメラ接触スプリングは半径方向に外側に膨らんで形成されて、前記第2接触要素は前記ラメラ接触スプリングを有する領域で最大外径を有することが特に有利である。前記ラメラ接触スプリングで形成されたセクションで前記最大外径は中空シリンダー型接触スリーブとして形成された前記第1接触要素の内径より大きく、その結果、アレンジメントが組み立てられる時、前記ラメラ接触スプリングはそれぞれ弾性的に変形されて外部表面を通じて前記第1接触要素の内部表面に接する。
【0028】
前記第2接触要素は軸方向に外部を向かう端部面で好ましくは半径方向内部を向かうロック装置を備えて形成されている。前記ロック装置はプラグインコネクターに第2接触要素を配置する時、ストッパーの役割を果たす。
【0029】
本発明の改善例によれば、中空シリンダー型接触スリーブとして形成された接触装置の前記第1接触要素は、それぞれ軸方向に延びてカラーで互いに連結される第1セクション及び第2セクションを有する。前記第1セクションは第1端部面から前記カラーまで延び、特に第2端部面から前記カラーまで延びる第2セクションより軸方向に長い長さを有する。
【0030】
第1接触要素の好ましくは前記カラーまでの第1セクションは、好ましくは回路基板内に形成された貫通開口に挿入、特に圧入されて、以後回路基板にハンダ付けされる。
【0031】
本発明の代案的な第2実施例によれば、接触装置は第1接触領域及び第2接触領域と共に一体型部品に形成される。円形中空シリンダー型スリーブとして形成された接触領域は、接触装置の第1端部面から第2端部面に延びて連結要素を装着するための開口、特に貫通開口を有する。
【0032】
第2接触領域は好ましくは弾性的に変形可能な前記ラメラ接触スプリングを有するスプリング接触要素として形成されて、好ましくは前記連結要素を完全に囲んで電気的接触を設定するように配置される。前記接触装置の初期状態で、前記ラメラ接触スプリングは半径方向に内側に膨らんで形成されており、前記接触装置は前記ラメラ接触スプリングを有する前記第2接触領域で最小直径を有する。前記最小直径は連結要素の外径より小さく、前記アレンジメントが組み立てられる時、それぞれの前記ラメラ接触スプリングの内部表面が前記連結要素の外部表面と接触する。
【0033】
本発明の改善例によれば、円形中空シリンダー型スリーブとして形成された前記接触領域はそれぞれ軸方向に延びてカラーで互いに連結されている。前記第1接触領域は第1端部面から前記カラーまで延びて、特に第2端部面から前記カラーまで延びる第2接触領域より軸方向に短い長さを有する。
【0034】
前記接触装置の特に前記カラーまでの前記第1接触領域は、好ましくは前記回路基板内に形成された貫通開口に挿入、特に圧入されて、以後前記回路基板とハンダ付けされる。
【0035】
本発明の好ましい追加実施例によれば、連結アレンジメントは1つ以上の電気伝導性連結要素及び1つの装着要素を備えて形成されており、この場合、前記連結要素がそれぞれ第1領域及び第2領域を有するリテーニング要素を越えて突出するように、前記装着要素により完全に囲まれる前記連結要素は構造的要素を通じてリテーニング要素と堅固で流体気密に配置されて連結される。連結要素の第1領域は圧縮機を駆動するのに用いられる装置に連結されるように配置されることができる。
【0036】
装着要素は好ましくは互いに向き合って配置された表面及び1つ以上の連結要素を装着するための1つ以上の貫通開口を有する板形に形成されて、この場合、連結要素の第1領域及び第2領域は互いに向き合って配置された装着要素の表面を越えて突出して、連結要素の第3領域が貫通開口内に配置される。連結要素の領域は共通軸、特に縦軸に沿って整列される。
【0037】
本発明のもう1つの長所は連結要素、特に連結要素の第3領域と装着要素間、特に連結要素と貫通開口を囲む装着要素の壁間に形成されたスロットが構造的要素により満たされるという点である。前記構造的要素は好ましくはガラス構造的要素として形成される。
【0038】
本発明の課題はまた蒸気流体の圧縮機を駆動するのに用いられる本発明による装置、特に電気モーターにより解決される。前記装置は共通縦軸に沿って延びる回転子と固定された固定子、そしてハウジングを含む。
【0039】
前記固定子は好ましくは前記回転子の外部面から半径方向に位置して、前記回転子を囲む。
【0040】
本発明の概念によれば、1つ以上の連結要素を装着するための装着要素を有する支持要素及び電気連結部を連結するためのアレンジメントが軸方向に整列された固定子の第1端部面に形成されている。
【0041】
ここで「軸方向」という用語は固定子の縦軸方向と理解すべきであり、これはまた回転子の縦軸及び回転軸に相応する。軸方向に整列された端部面は前記縦軸に対して垂直に延びる平面に配置されている。
【0042】
本発明の課題はまた圧縮機を駆動するのに用いられる装置の電気連結部を連結すれるためのアレンジメントを装着するための本発明による方法によって解決される。前記方法は下記の段階を含む:
-1つ以上の接触装置を回路基板に連結して、この場合、前記接触装置は前記接触装置がカラーと共に前記回路基板に接触する時まで常に第1端部面を先頭にして前記回路基板の貫通開口を通じて挿入されて、
-前記接触装置を前記回路基板とハンダ付けして、
-前記接触装置の弾性変形可能なラメラ接触スプリングを有するスプリング接触要素を連結要素に付着することによって、前記スプリング接触要素を有する前記接触装置が前記連結要素に電気伝導性で接触して、前記回路基板と前記連結要素間に電気的連結が行われる。
【0043】
本発明の代案的な第1実施例によれば、前記接触装置の1つ以上の第1接触要素が前記回路基板に連結されて、1つ以上の第2接触要素が前記連結要素上に付着される。また、自体的に回路基板に堅固に連結された前記1つ以上の第1接触要素を有する前記回路基板は、前記プラグインコネクターを有する前記第2接触要素が前記第1接触要素内部に配置されるように、前記プラグインコネクター上に自体的に付着された前記1つ以上の第2接触要素を有するプラグインコネクター上に押さえられる。
【0044】
前記第2接触要素を前記第1接触要素の開口に挿入する時、前記スプリング接触要素の個別ラメラ接触スプリングは、前記接触装置の接触要素間で電気的接続が行われるように、前記第1接触要素の内部表面に接触して弾性的に変形される。
【0045】
本発明の代案的な第2実施例によれば、前記1つ以上の接触装置が第1接触領域で前記回路基板に連結されている。また、自体的に回路基板に堅固に連結された前記接触装置を有する前記回路基板は、前記プラグインコネクターが少なくても前記接触装置の第2接触領域内に配置されるように、第2接触領域を有する前記プラグインコネクター上に押さえられる。
【0046】
前記第2接触領域を有する接触装置を前記プラグインコネクター上に押さえる時、好ましくは前記スプリング接触要素の個別ラメラ接触スプリングが、前記接触装置とプラグインコネクター間に電気的接続が行われるように、前記プラグインコネクターの外部表面と接触して、弾性的に変形される。
【0047】
本発明の好ましい実施例は自動車空気調和システムの冷媒回路で冷媒の圧縮機のための蒸気流体を圧縮するための圧縮機駆動装置、特に電気モーターの使用を可能にする。
【発明の効果】
【0048】
まとめると、電気連結部を連結するための本発明によるアレンジメントまたは前記アレンジメントを備える蒸気流体の圧縮機を駆動するための本発明による装置はさらに多様な長所を有する:
-大きい公差の補償が保障されるために、例えば構造的要素内にある連結要素の機械的及び熱応力に対する正確度及び公差と関連して少ない要求事項と共に最小構成要素の数、従って、また
-インバータの低い空間要求事項及び広くて使用可能な構成空間;
-特に選択的または手動ハンダ付けと関連してバスバーを使用せず回路基板に対する連結要素の直接的な電気接触を通じてたアレンジメントの簡単な設置、例えば最小限の結合力で他の電子部品と共に回路基板の自動組立が可能であるためであり、この場合、接触装置が軸方向ハンダ付け面としても用いられる軸方向ロック装置を備えて、事前錫メッキされた接触装置は回路基板に直接ハンダ付けされることができ、回路基板の個別接触要素を圧入するか、ねじ結合するか、選択的ハンダ付けを要しないだけではなく、リフロー(reflow)方法を使用したウェーブハンダ付けが可能である;
-直列に配置される最小数の電気接点で、特に熱伝導性プラグインコネクターによる最大熱放出と同時に最小限の電気損失発生、そして
-最小製造費用。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明の実施例の追加的な細部事項、特徴及び長所は添付図面を参照して行われる実施例の下記説明に示す。図面部において
図1a】圧縮機構を駆動するための装置、特に電気モーター及びインバータアレンジメントを備える電動圧縮機の断面図である。
図1b】スイッチング素子及び連結アレンジメントを備える従来技術で公知となったインバータの回路基板の斜視図である。
図1c】接触スリーブが圧入された図1bの回路基板の平面図である。
図2a】連結要素、装着要素及び電気モーターの電気連結部とインバータの電気連結部を電気的に連結するための第1及び第2接触要素を有する第1接触装置を備える連結アレンジメントの斜視図である。
図2b図2aの第1接触装置を有する連結アレンジメントをインバータが回路基板に装着された状態で示すインバータの斜視図である。
図2c図2aの第1接触装置を有する連結アレンジメントをインバータが回路基板に装着された状態で示すインバータの断面図である。
図2d図2aの第1接触装置を有する連結アレンジメントをインバータが回路基板に装着された状態で示す斜視図である。
図2e図2a乃至2dの第1接触装置の第2接触要素を示す全体斜視図である。
図2f図2a乃至2dの第1接触装置の第2接触要素を示す詳細図である。
図2g図2a乃至2dの第1接触装置の第2接触要素を示す全体斜視図である。
図2h図2a乃至2dの第1接触装置の第2接触要素を示す詳細図である。
図3a】第2接触装置を有する連結アレンジメントの連結要素をインバータが回路基板に装着された状態で示す斜視図である。
図3b】第2接触装置を有する連結アレンジメントの連結要素をインバータが回路基板に装着された状態で示す断面図である。
図3c】第1接触領域と第2接触領域を有する第2接触装置の側面図である。
図3d】第1接触領域と第2接触領域を有する第2接触装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1aに、圧縮機構(4)を駆動するための装置として、ハウジング(2)内に配置された電気モーター(3)とインバータ(5)のアレンジメントを備える、冷媒回路を通じて冷媒を移送させるための自動車空気調和システム用蒸気流体電動圧縮機(1)を断面図で示す。電気モーター(3)はインバータ(5)のスイッチング装置(6)を通じて電気エネルギーの供給を受ける。
【0051】
電気モーター(3)は実質的に中空シリンダー形状の固定子コア及び前記固定子コア上に巻き取られたコイルを有する固定子(7)及び固定子(7)内部に配置された回転子(8)を備える。回転子(8)は、連結アレンジメント(9)を通じて固定子(7)のコイルに電気エネルギーが供給される時、回転運動が設定される。連結アレンジメント(9)は固定子(7)の端部面に形成されており、多数の電気連結部を有する。
【0052】
回転子(8)は固定子(7)内部に同軸に配置されて回転軸を中心に回転されることができる。駆動シャフト(10)は回転子(8)と一体にまたは別途の要素として形成されることができる。
【0053】
電気モーター(3)そして固定式及び旋回式スパイラルを有するスクロール圧縮機で形成された圧縮機構(4)はハウジング(2)により囲まれた体積内に配置されて、この場合、ハウジング(2)は電気モーター(3)を装着するための第1ハウジング要素と圧縮機構(4)を装着するための第2ハウジング要素で構成され、好ましくは金属、特にアルミニウムで形成される。
【0054】
その内部で蒸気流体、特に冷媒が圧縮される圧縮機構(4)の旋回式スパイラルは電気モーター(3)の回転子(8)に連結された駆動シャフト(10)を通じて駆動される。図示しない一実施形態によれば、圧縮機構は、また、例えば、斜板(wobble plate)を備えて形成されることができる。
【0055】
電気モーター(3)の動作を制御するためのスイッチング装置(6)は多様なスイッチング素子(11)を備えて形成された回路基板(PCB)(12)を有する。相違する制御回路と構成要素が回路基板(12)上に装着されて電気的に連結されて、外部電源から電気エネルギーの供給を受ける。
【0056】
連結端子を有するコネクターハウジング用連結通路がある装着要素を有する支持要素が固定子(7)の端部面に配置される。コネクターハウジングの連結端子は電気モーターのコイルとインバータ、特に電気伝導性ピン型連結要素間の電気的連結の構成要素役割をし、前記連結要素は支持要素の装着要素の連結通路を通過して挿入されてコネクターハウジングの連結端子に差し込まれる。
【0057】
図1bに、インバータの回路基板(12’)が従来技術で公知となったスイッチング素子(11)、及び回路基板(12’)に圧入された接触スリーブ(15’)を有する連結アレンジメント(9’)と共に斜視図で示す。図1cには図1bの回路基板(12’)を回路基板(12’)に圧入された接触スリーブ(15’)と共に平面図で示す。
【0058】
ここに図示しない電気モーターの電気連結部に対する連結を意味する連結アレンジメント(9’)の電気伝導性ピン型連結要素(13’)は回路基板(12’)に圧入された接触スリーブ(15’)を通じてインバータに連結される。プラグインコネクターとも称される連結要素(13’)は装着要素(14’)内部で互いに平行するように固定される。接触スリーブ(15’)はまた互いに平行してプラグインコネクター(13’)を装着するための連結アレンジメント(9’)のプラグインコネクター(13’)と同じ間隔で配置される。接触スリーブ(15’)は回路基板(12’)内に直接圧入される。
【0059】
個別構成要素を互いに電気的に連結するために、バスバー(16)は選択的に回路基板(12’)上にハンダ付けされる。例えば、それぞれの接触スリーブ(15’)はバスバー(16)の一端部でバスバー(16)に電気的に、そして機械的に連結される。
【0060】
アレンジメントが組み立てられる時、プラグインコネクター(13’)はそれぞれ接触スリーブ(15’)に挿入される。プラグインコネクター(13’)と接触スリーブ(15’)は、それぞれのプラグインコネクター(13’)の電気的接触が設定される方式で外部表面により中空シリンダー型の接触スリーブ(15’)の内部表面と接触するように形成される。
【0061】
バスバー(16)により生成された間接接触の目的は電気連結部の個別構成要素の配置時に発生する公差を補償することである。また、このような間接接触は比較的長くて柔軟なバスバー(16)と結合してこそ具現できる。
【0062】
図2aに、電気モーターのコネクターハウジング内に配置された連結部とインバータの連結部を電気的に連結するための連結要素(13)、装着要素(14)、そして構造的要素(17)と、第1接触要素(15-1a)及び第2接触要素(15-1b)を有する第1接触装置(15-1)を有する連結アレンジメント(9)、特にガラス-金属グランド(gland)の斜視図を示す。
【0063】
連結要素(13)は板形装着要素(14)を通じて挿入される。下記でプラグインコネクター(13)とも称される直線ピンの形態を有するそれぞれの連結部材(13)は共通軸、特に縦軸に沿って整列される3つの相違する領域を形成するように配置される。第1領域及び第2領域はそれぞれ互いに向き合って配置された板形装着要素(14)の表面越しに突出する。プラグインコネクター(13)の第3領域はそれぞれの場合に装着要素(14)内部に配置される。
【0064】
好ましくは全長にわたって一定の直径を有する直線円形シリンダーとして形成されたプラグ-コネクター(13)はそれぞれ第3領域と共に装着要素(14)内に意図された貫通開口内部に配置される。前記貫通開口の内径は、貫通開口内部にプラグインコネクター(13)を装着及び固定するための間隙に加えてプラグインコネクター(13)の外径に相応する。プラグインコネクター(13)と装着要素(14)を囲む壁間に形成されたスロットは構造的要素(17)、特にガラス構造的要素により満たされる。前記スロットを満たして好ましくはガラスで製造された構造的要素(17)は、一方では貫通開口内で、装着要素(14)にプラグインコネクター(13)を固定する役割をし、他方では装着要素(14)から電気伝導性プラグインコネクター(13)を隔離させる役割をし、この場合、構造的要素(17)は装着要素(14)の相応する平面越しにプラグインコネクター(13)方向に突出する。構造的要素(17)の突出部のそれぞれは実質的に円錐または截頭円錘形の形状を有する。
【0065】
設定及び生産が困難であって、特に製造時に全ての工具の公差が加わるので、装着要素(14)内部のプラグインコネクター(13)のアレンジメントは製造公差がある。このような偏差は高い柔軟性、また高い正確度で補償されなければならない。
【0066】
発生する公差を補償しながら安全な電気的連結のために、接触装置(15-1)の第1実施例は、互いに同軸に配置されて接触装置(15-1)が組み立てられる時、共通縦軸に沿って延びる2つの接触要素(15-1a、15-1b)を有する。閉鎖端部面を有する実質的に中空シリンダー型接触スリーブとして形成された第1接触要素(15-1a)は、第2接触要素(15-1b)を完全に囲む方式で第2接触要素(15-1b)の外部表面に半径方向に位置し、この場合、第2接触要素(15-1b)はスプリング接触要素として、特に弾性変形可能なラメラ接触スプリングを備えて形成される。
【0067】
図2aには、装着要素(14)越しに突出するプラグ-コネクター(13)の領域に押される接触装置(15-1)の第2接触要素(15-1b)及び接触装置(15-1)の第1接触要素(15-1a)を図示する。第2接触要素(15-1b)は第1接触要素(15-1a)内に完全に配置されて、それにより第1接触要素(15-1a)により隠蔽される。
【0068】
第1接触要素(15-1a)は実質的に第1セクション及び第2セクションを有する、閉鎖端部面を備える円形中空シリンダー型スリーブの形状を有し、これらセクションはそれぞれスリーブの軸方向に延びて、カラー(15a)、具体的にシートまたはフランジとして形成されたセクションを通じて互いに連結される。カラー(15a)はスリーブの全体外部表面周囲に形成される。
【0069】
従って、第1セクションはスリーブの第1端部面からカラー(15a)まで延びて、軸方向に第2セクションより大きい長さに形成されており、この時、前記第2セクションはスリーブの第2閉鎖端部面からカラー(15a)まで延びる。
【0070】
また、スリーブは、スリーブの第1端部面から第2閉鎖端部面に延びて、特に塞がったホールとして形成された、好ましくは長さにわたって一定の内径を有する、第2接触要素(15-1b)を装着するための開口を有する。第1接触要素(15-1a)の閉鎖端部面は、接触装置(15-1)を装着する時、第2接触要素(15-1b)に対して、そしてプラグインコネクター(13)と第1接触要素(15-1a)間に第2接触要素(15-1b)を固定させるためのストッパーとしての役割をし、この場合、第1接触要素(15-1a)の閉鎖端部面はプラグインコネクター(13)に沿って第2接触要素(15-1b)の所望としない変位を防止する。
【0071】
第1セクション及び第2セクションの両方で、中空シリンダー型第1接触要素(15-1a)は実質的に一定の壁厚さに形成される。カラー(15a)は、第1接触要素(15-1a)の縦軸に垂直に延びる平面に整列されて、カラー(15a)の領域で第1接触要素(15-1a)がより大きい壁厚さに形成されるように半径方向にセグメントの外部表面越しに突出する。
【0072】
具体的に塞がったホールとして形成された第1接触要素(15-1a)の開口の軸方向の第1接触要素(15-1a)の延長は、好ましくは実質的に装着要素(14)または構造的要素(17)越しに突出するプラグインコネクター(13)の領域の最大長さに相応する。
【0073】
図2b乃至2dには、図2aの接触装置(15-1)を有する連結アレンジメント(9)がインバータ(12)の側面図、断面図そして斜視図で前記インバータが回路基板(12)に装着された状態で開示される。
【0074】
第1接触要素(15-1a)は回路基板(12)内に直接配置されて回路基板(12)にハンダ付けされて、この場合、接触スリーブはフランジ型または突出型(bulge-like)のカラー(15a)が回路基板(12)の表面に接触する時まで常に第1端部面を先頭にして回路基板(12)内の貫通開口を通じて挿入される。従って、カラー(15a)は装着時に軸方向ストッパー及び支持部としての役割をする。一方、第1接触要素(15-1a)はこれの第1セクション及び回路基板(12)の第1表面上のカラー(15a)と共に回路基板(12)越しに突出する。他方で、第1接触要素(15-1a)は回路基板(12)の第2表面の第1セクションの一部と共に回路基板(12)越しに突出する。
【0075】
回路基板(12)内に生成される貫通開口の直径は実質的に構成要素を装着及びハンダ付けするための間隙に加えて第1接触要素(15-1a)の第1セクションの外径に相応する。リフロー(reflow)ハンダ付けの場合、例えば、金属で形成された第1接触要素(15-1a)の表面は加工、特にコーティングされるが、特に錫メッキされる。
【0076】
第1接触要素(15-1a)の形態及びデザインは回路基板(12)の自動組立に適する。回路基板(12)の貫通開口に第1接触要素(15-1a)を自動配置した後、第1接触要素(15-1a)は軟ろう付けにより回路基板(12)に連結される。また、軸方向ストッパーとして形成されたカラー(15a)はハンダ付け工程の間、十分なハンダ付けスロットを提供して装着及び作動中に全ての荷重を受ける。
【0077】
装着工程の間、特に弾性的に変形可能なラメラ接触スプリングを有するスリーブ型スプリング接触要素でも形成される第2接触要素(15-1b)は装着要素(14)を通じて結合される連結アレンジメント(9)のプラグインコネクター(13)のうち1つに付着される。第2接触要素(15-1b)の壁は端部面の領域で円形リング形態に形成されて、ラメラ接触スプリングの領域から半径方向に均一に外側に膨らんで形成される。ストリップ形態に形成されるラメラ接触スプリングは端部面で互いに連結される。図2e乃至2hには第1接触装置(15-1)の第2接触要素(15-1b)を詳細図だけではなく部分図及び全体斜視図で図示する。
【0078】
第2接触要素(15-1b)は各端部面の領域でプラグインコネクター(13)の外径より若干小さな内径を有し、そしてアレンジメントが組み立てられる時、ラメラ接触スプリングのそれぞれの内部表面はプラグインコネクター(13)に対する電気的接触が設定されるようにプラグインコネクター(13)の外部表面と接触する。装着時、そしてアレンジメントが組み立てられる時、スプリング力を適用できるように、円形リングは好ましくは第2接触要素(15-1b)の壁の端部面の領域でスロット型開口(18)と共に形成されて、特に軸方向に完全にスロットされている。開口(18)は必要なスプリング力を発生できるように、円形リングの直径の少なくとも若干の拡大を許容する。
【0079】
第2接触要素(15-1b)は、ラメラ接触スプリングにより生成された領域で、第1接触要素(15-1a)の内径より大きい最大外径を有する。第2接触要素(15-1b)を第1接触要素(15-1a)の開口内に挿入する時、個別ラメラ接点は、接触装置(15-1)の接触要素(15-1a、15b)間に電気的連結が設定される方式で第1接触要素(15-1a)の内部表面と接触して弾性的に変形される。
【0080】
装着順序によって、第2接触要素(15-1b)は、プラグインコネクター(13)の端部面の領域内で、または第1接触要素(15-1a)内のラメラ接触スプリングの領域内で、それぞれ遺失しないように、弾性変形により固定される。
【0081】
アレンジメントが組み立てられる時、回路基板(12)に堅固に連結された第1接触要素(15-1a)を有する回路基板(12)は、第2接触要素(15-1b)がプラグインコネクター(13)と共に第1接触要素(15-1a)内に配置される方式で、プラグコネクター(13)に連結された第2接触要素(15-1b)と共に連結アレンジメント(9)のプラグインコネクター(13)に付着される。
【0082】
アレンジメントが組み立てられた状態で、第2接触要素(15-1b)はそれぞれプラグインコネクター(13)の1つの外部表面と第1接触要素(15-1a)の内部表面間にスロットで、特に実質的に円形スロットで形成された間隙内に固定される。
【0083】
第2接触要素(15-1b)は半径方向内側を向かうロック装置(19)と共に軸方向に外側を向かう側の環形端部面のうち1つに形成されて、ロック装置(19)はプラグインコネクター(13)上に装着時にストッパーとしての役割をし、第1接触要素(15-1a)とプラグインコネクター(13)間に第2接触要素(15-1b)を固定する。ロック装置(19)は第2接触要素(15-1b)が特定位置までのみプラグインコネクター(13)上に連結されて、自分の位置に固定されることを保障する。ロック装置(19)は例えば、図2e及び2fにおいて半径方向内側を向かう完全に囲むカラーとして、または図2g及び2hにおいてフック(hook)またはフィンガー(finger)形態の単一要素として形成されることができる。また、好ましくは互いに向き合って配置された2つ以上の単一要素を有するロック装置の実施例も考慮できる。
【0084】
装着される時、第1接触要素(15-1a)、第2接触要素(15-1b)及びプラグインコネクター(13)は、発生する公差が十分に補償されて極限の公差条件でもプラグインコネクター(13)を装着して回路基板(12)とプラグインコネクター(13)間の電気接続を設定できるように、整列及び配置される。
【0085】
図3a及び3bには、連結アレンジメント(9)のプラグインコネクター(13)がそれぞれ第2接触装置(15-2)と共にインバータが回路基板(12)に装着された状態で斜視図及び断面図で図示されている。図3c及び3dには第1接触領域(15-2a)及び第2接触領域(15-2b)を有する第2接触装置(15-2)が側面図及び詳細斜視図で図示されている。
【0086】
プラグインコネクター(13)と回路基板(12)間で発生する公差を補償しながら安全な電気的連結のために実質的に中空シリンダー型接触スリーブにも形成される第2接触装置(15-2)は、第1接触領域(15-2a)及び第2接触領域(15-2b)を有し、これら接触領域は共通縦軸に沿って延びる。接触装置(15-2)は接触領域(15-2a、15-2b)と共に一体型構成要素で形成される。
【0087】
第1接触領域(15-2a)と第2接触領域(15-2b)はカラー(15a)、特にシートまたはフランジとして形成されたセクションを通じて互いに連結されている。カラー(15a)はスリーブの全体外部表面周囲に形成される。従って、第1接触領域(15-2a)はスリーブの第1端部面からカラー(15a)まで延びて、スリーブの第2端部面からカラー(15a)まで延びる第2接触領域(15-2b)より軸方向により短い長さに形成される。また、スリーブはプラグインコネクター(13)を装着するための開口、特に貫通開口を有し、それによりスリーブ開口の第1端部面から第2端部面まで延びる。
【0088】
第1接触領域(15-2a)で、中空シリンダー型接触装置(15-2)は実質的に一定の壁厚さを有する。カラー(15a)は中空シリンダー型第1接触領域(15-2a)の縦軸に対して垂直に延びる平面に整列されて接触領域(15-2a、15-2b)の外部表面越しに半径方向に突出することによって、接触装置(15-2)はカラー(15a)の領域でより大きい壁厚さに形成される。
【0089】
第1接触領域(15-2a)は回路基板(12)内に直接配置されて回路基板(12)にハンダ付けされて、この場合、接触スリーブは回路基板(12)内に形成された貫通開口を通じて常に第1端部面を先頭にして挿入されて、軸方向ストッパー及び支持部として提供されたフランジ型または突出型(bulge-like)のカラー(15a)と共に回路基板(12)の表面に接触する。接触装置(15-2)は特に回路基板(12)の表面上で第2接触領域(15-2b)及びカラー(15a)と共に回路基板(12)越しに突出する。第1接触領域(15-2a)は少なくともメーン部分と共に回路基板(12)の貫通開口内部に配置される。
【0090】
回路基板(12)内に生成される貫通開口の直径は、構成要素の装着及びハンダ付けのための間隙に加えて実質的に第1接触領域(15-2a)の外径に相応する。金属で形成された接触装置(15-2)の表面は、例えばリフロー(reflow)ハンダ付けのために加工、特にコーティングされるが、特殊には錫メッキされる。
【0091】
回路基板(12)の貫通開口に接触装置(15-2)を好ましくは自動挿入した後、接触装置(15-2)はハンダ付けにより回路基板(12)に連結される。また、軸方向ストッパーとして形成されたカラー(15a)はハンダ付け工程の間、十分なハンダ付けスロットを提供して装着及び作動中に全ての荷重を受ける。
【0092】
組み立ての間、特に弾性的に変形可能なラメラ接触スプリングを有するスプリング接触要素として形成された第2接触領域(15-2b)を備える接触装置(15-2)はプラグインコネクター(13)に連結される。第2接触領域(15-2b)の壁は端部面の領域で円形リング形態に形成されて、ラメラ接触スプリングの領域で均一に半径方向に内側に膨らんで形成される。ストリップ形態に生成されるラメラ接触スプリングは端部面で互いに連結されて、一方、また第2接触領域(15-2b)の一端部面はカラー(15a)に連結される。
【0093】
ラメラ接触スプリングは接触装置(15-2)の必須部分である。前記ラメラ接触スプリングはシリンダー型スリーブの元来の形態で生成されて、この場合、第2接触領域(15-2b)でスリーブの壁は軸方向または縦軸方向に数回スロットされる。このように形成された、円周方向に一定に、好ましくは同じ幅及び軸方向に同じ長さのストリップがスリーブの内部表面を向かって曲がり、ラメラ接触スプリングが発生する。ラメラ接触スプリングは円形に配置される。
【0094】
軸方向に第2接触領域(15-2b)の長さは好ましくは回路基板(12)越しに突出するプラグインコネクター(13)の領域の最大長さに実質的に相応する。
【0095】
接触装置(15-2)は、装置が組み立てられる時、内部表面がプラグインコネクター(13)の内部表面に接触して、それによりプラグインコネクター(13)に対する電気的連結を設定するために、全体第1接触領域(15-2a)及び第2接触領域(15-2b)の各端部の何れかにおいてプラグインコネクター(13)の外径に相応する内径を有するか、プラグインコネクター(13)の外径より大きい内径を有する。
【0096】
接触装置(15-2)の半径方向から偏向されたラメラ接触スプリングを有する第2接触領域(15-2b)はプラグインコネクター(13)の外径より小さな最小内径を有する。プラグインコネクター(13)を接触装置(15-2)の開口内に挿入する時、個別ラメラ接点は、プラグインコネクター(13)と接触装置(15-2)間に電気的連結が設定される方式で、プラグインコネクター(13)の外部表面と接触して弾性的に変形される。
【0097】
アレンジメントが組み立てられる時、回路基板(12)は、プラグインコネクター(13)が接触装置(15-2)内に配置されるように、回路基板(12)内に配置されて回路基板(12)に堅固に固定されるプラグインコネクター(13)に連結される。プラグインコネクター(13)のそれぞれは接触装置(15-2)により完全に囲まれる。
【0098】
組み立てられた状態で、接触装置(15-2)及びプラグインコネクター(13)は、発生する公差が十分に補償されて極限の公差条件でもプラグインコネクター(13)を装着でき、回路基板(12)とプラグインコネクター(13)間の電気的連結を設定できるように、整列及び配置される。
【符号の説明】
【0099】
1 圧縮機
2 ハウジング
3 装置、電気モーター
4 圧縮機構
5 インバータ
6 スイッチング装置
7 固定子
8 回転子
9、9’ 連結アレンジメント
10 駆動シャフト
11 スイッチング素子
12、12’ 回路基板
13、13’ 連結要素、プラグインコネクター
14、14’ 装着要素
15、15’ :接触スリーブ
15-1、15-2 接触装置
15-1a 接触装置(15-1)の第1接触要素
15-1b 接触装置(15-1)の第2接触要素
15-2a 接触装置(15-2)の第1接触領域
15-2b 接触装置(15-2)の第2接触領域
15a カラー
16 バスバー
17 構造的要素
18 開口
19 ロック装置

図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図3a
図3b
図3c
図3d