IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社竹中工務店の特許一覧 ▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

<>
  • 特開-管理システム 図1
  • 特開-管理システム 図2
  • 特開-管理システム 図3
  • 特開-管理システム 図4
  • 特開-管理システム 図5
  • 特開-管理システム 図6
  • 特開-管理システム 図7
  • 特開-管理システム 図8
  • 特開-管理システム 図9
  • 特開-管理システム 図10
  • 特開-管理システム 図11
  • 特開-管理システム 図12
  • 特開-管理システム 図13
  • 特開-管理システム 図14
  • 特開-管理システム 図15
  • 特開-管理システム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025832
(43)【公開日】2024-02-27
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240216BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20240216BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240216BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/02
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127503
(22)【出願日】2022-08-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月19日 ウェブサイトのアドレス https://www.takenaka.co.jp/news/2022/05/04/index.html ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月19日 ウェブサイトのアドレス http://www.tokai-rika.co.jp/topics/2022/220519.pdf ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月19日 ウェブサイトのアドレス http://www.tokai-rika.co.jp/en/news/2022/pdf/220519.pdf ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月19日 ウェブサイトのアドレス https://www.rental.co.jp/newsrelease/pdf/220519_keyless.pdf ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月19日 ウェブサイトのアドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000088570.html ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月19日 ウェブサイトのアドレス https://www.zaikei.co.jp/releases/1668463/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイトの掲載日 2022年6月3日 ウェブサイトのアドレス https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2206/03/news023.html ・ウェブサイトの掲載日 2022年6月2日 ウェブサイトのアドレス http://www.kensetsu-plaza.com/new_products/post/24140
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月19日 ウェブサイトのアドレス https://www.jpubb.com/press/3119765/ ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月19日 ウェブサイトのアドレス https://baues.io/i/b22a314eb2f9415180e42433568884b7 ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月20日 ウェブサイトのアドレス https://kikai-news.net/2022/05/20/%E7%AB%B9%E4%B8%AD%E5%B7%A5%E5%8B%99%E5%BA%97%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%80%81%E9%AB%98%E6%89%80%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E8%BB%8A%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0/ ・ウェブサイトの掲載日 2022年5月30日 ウェブサイトのアドレス https://www.kentsu.co.jp/webnews/html_top/220530590024.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・発行日 2022年5月20日 刊行物 日刊工業新聞 2022年5月20日付朝刊、第8面 ・発行日 2022年5月20日 刊行物 日刊建設工業新聞 2022年5月20日付朝刊、第3面 ・発行日 2022年5月20日 刊行物 建設通信新聞 2022年5月20日付朝刊、第3面 ・発行日 2022年5月20日 刊行物 中部経済新聞 2022年5月20日付朝刊、第2面 ・発行日 2022年5月28日 刊行物 日刊自動車新聞 2022年5月28日付朝刊、第3面 ・展示日 2022年5月25日~同年同月27日 展示会名 CSPI-EXPO 建設・測量生産性向上展
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】福田 優輝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真悟
(72)【発明者】
【氏名】森保 伸也
(72)【発明者】
【氏名】寺島 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】清水 一樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049AA06
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】サーバ装置と対象機器側との直接の通信が不可能な時であっても、対象機器を解錠することが可能となる管理システムを提供すること。
【解決手段】解錠又は施錠される高所作業車4を管理するための管理システム100であって、管理システム100は、サーバ装置2と、サーバ装置2及び高所作業車4側と通信する端末装置1と、を備え、サーバ装置2は、高所作業車4の使用予約の状況を示す使用予約状況情報が格納されている使用予約状況情報格納手段と、使用予約状況情報格納手段の使用予約状況情報に基づいて、高所作業車4を解錠するための鍵情報を端末装置に送信する鍵情報送信手段と、を備え、端末装置1は、サーバ装置2によって送信された鍵情報に基づいて、高所作業車4を解錠するための解錠関連処理を行う解錠手段と、サーバ装置2によって送信された鍵情報を格納する記録部14と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解錠又は施錠される対象機器を管理するための管理システムであって、
前記管理システムは、
サーバ装置と、
前記サーバ装置及び前記対象機器側と通信する端末装置と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記対象機器の使用予約の状況を示す使用予約状況情報が格納されている使用予約状況情報格納手段と、
前記使用予約状況情報格納手段の前記使用予約状況情報に基づいて、前記対象機器を解錠するための鍵情報を前記端末装置に送信する鍵情報送信手段と、を備え、
前記端末装置は、
前記サーバ装置によって送信された前記鍵情報に基づいて、前記対象機器を解錠するための解錠関連処理を行う解錠手段と、
前記サーバ装置によって送信された前記鍵情報を格納する鍵情報格納手段と、を備え、
前記解錠手段は、前記鍵情報格納手段に格納されている前記鍵情報を前記対象機器側に送信する処理を、前記解錠関連処理として行う、
管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、使用予約を行うための使用予約情報であって、前記端末装置から送信された前記使用予約情報に基づいて、前記使用予約状況情報を格納している、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記対象機器を使用するユーザが所属する組織単位での前記対象機器の使用予約の状況を示す情報を、前記使用予約状況情報として格納している、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記対象機器を使用するユーザが所属する組織単位での前記対象機器の使用予約の状況を示す情報を、前記使用予約状況情報として格納しており、
前記鍵情報送信手段は、前記対象機器を使用するユーザ単位で前記鍵情報を前記端末装置に送信する、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場で用いられる高所作業車が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-093912
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子キーシステムの技術を適用して、高所作業車を解錠するシステムが提案されていた。このシステムにおいては、サーバ装置で生成された(又はサーバ装置に格納されている)鍵情報(高所作業車を解錠するための情報)を高所作業車側に直接送信する必要があり、サーバ装置と高所作業車側との直接の通信が可能な環境下で運用する必要があった。
【0005】
しかしながら、高所作業車の運用場面によっては、サーバ装置と高所作業車側との間の直接の通信が不可能となる場合も想定され、サーバ装置と高所作業車側との直接の通信が不可能な場合であっても、鍵情報を用いて高所作業車を解錠するための技術が要望されていた。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、サーバ装置と対象機器側との直接の通信が不可能な時であっても、対象機器を解錠することが可能となる管理システムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の管理システムは、解錠又は施錠される対象機器を管理するための管理システムであって、前記管理システムは、サーバ装置と、前記サーバ装置及び前記対象機器側と通信する端末装置と、を備え、前記サーバ装置は、前記対象機器の使用予約の状況を示す使用予約状況情報が格納されている使用予約状況情報格納手段と、前記使用予約状況情報格納手段の前記使用予約状況情報に基づいて、前記対象機器を解錠するための鍵情報を前記端末装置に送信する鍵情報送信手段と、を備え、前記端末装置は、前記サーバ装置によって送信された前記鍵情報に基づいて、前記対象機器を解錠するための解錠関連処理を行う解錠手段と、前記サーバ装置によって送信された前記鍵情報を格納する鍵情報格納手段と、を備え、前記解錠手段は、前記鍵情報格納手段に格納されている前記鍵情報を前記対象機器側に送信する処理を、前記解錠関連処理として行う。
【0008】
請求項2に記載の管理システムは、請求項1に記載の管理システムにおいて、前記サーバ装置は、使用予約を行うための使用予約情報であって、前記端末装置から送信された前記使用予約情報に基づいて、前記使用予約状況情報を格納している。
【0009】
請求項3に記載の管理システムは、請求項1又は2に記載の管理システムにおいて、前記サーバ装置は、前記対象機器を使用するユーザが所属する組織単位での前記対象機器の使用予約の状況を示す情報を、前記使用予約状況情報として格納している。
【0010】
請求項4に記載の管理システムは、請求項1又は2に記載の管理システムにおいて、前記サーバ装置は、前記対象機器を使用するユーザが所属する組織単位での前記対象機器の使用予約の状況を示す情報を、前記使用予約状況情報として格納しており、前記鍵情報送信手段は、前記対象機器を使用するユーザ単位で前記鍵情報を前記端末装置に送信する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の管理システムによれば、サーバ装置が鍵情報を端末装置に送信し、端末装置がサーバ装置によって送信された鍵情報に基づいて対象機器を解錠するための解錠関連処理を行うことにより、例えば、対象機器の解錠の際に、サーバ装置と対象機器側との直接の通信が不要となるので、サーバ装置と対象機器側との直接の通信が不可能な時であっても、対象機器を解錠することが可能となる。また、例えば、サーバ装置は、使用予約状況情報に基づいて鍵情報を端末装置に送信することにより、使用予約を行っている適切なユーザの端末装置に対して鍵情報を送信することができるので、対象機器の不正使用(例えば、使用予約を行わずに使用すること等)を防止することが可能となる。また、鍵情報格納手段に格納されている鍵情報を対象機器側に送信する処理を解錠関連処理として行うことにより、例えば、端末装置を用いて対象機器を確実に解錠することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の管理システムによれば、端末装置から送信された使用予約情報に基づいて使用予約状況情報を格納していることにより、例えば、ユーザの意図が反映された使用予約状況情報を格納することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の管理システムによれば、対象機器を使用するユーザが所属する組織単位での対象機器の使用予約の状況を示す情報を使用予約状況情報として格納していることにより、例えば、ユーザ単位での使用予約の状況の管理が不要となり、対象機器に関する使用予約の状況を効率的に管理することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の管理システムによれば、対象機器を使用するユーザ単位で鍵情報を端末装置に送信することにより、例えば、各ユーザの意図に沿って鍵情報を利用して対象機器を解錠することができるので、対象機器の解錠に関する利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態に係る管理システムを示す図である。
図2】管理システムを機能概念的に示すブロック図である。
図3】操作部の正面図である。
図4】ユーザ関連情報を例示した図である。
図5】資機材関連情報を例示した図である。
図6】予約・鍵関連情報を例示した図である。
図7】予約処理のフローチャートである。
図8】予約画面の表示例である。
図9】鍵情報格納処理のフローチャートである。
図10】鍵情報取得画面の表示例である。
図11】第1解錠処理のフローチャートである。
図12】第1解錠画面の表示例である。
図13】第2解錠処理のフローチャートである。
図14】第2解錠画面の表示例である。
図15】解錠施錠管理処理のフローチャートである。
図16】施錠処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る管理システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、管理システムに関する。本発明に係る管理システムは、解錠又は施錠される対象機器を管理するためのシステムである。
【0018】
「対象機器」とは、管理システムによって管理される対象となる機器であり、例えば、建設現場で使用される資材機材又は他の任意の物等を含む概念である。なお、「資機材」とは、例えば、高所作業車、フォークリフト、立馬、又はエレベータ等を含む概念である。
【0019】
そして、以下に示す実施の形態においては、「対象機器」が資機材としての高所作業車である場合について説明する。
【0020】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0021】
(構成)
まず、本実施の形態に係る管理システムについて説明する。図1は、本実施の形態に係る管理システムを示す図であり、図2は、管理システムを機能概念的に示すブロック図である。なお、管理システム100に含まれる各要素の個数は任意であるが、本実施の形態では、図示されている要素について説明する。また、図1の鍵管理装置3の形状及び取付位置は、説明の便宜上の図示である。
【0022】
図1及び図2の管理システム100は、高所作業車4を管理するためのシステムであり、例えば、端末装置1、サーバ装置2、及び鍵管理装置3を備える。
【0023】
(構成‐高所作業車)
高所作業車4は、前述の資機材(つまり、対象機器)であり、例えば、建設現場等で用いられる機器である。この高所作業車4は、例えば、モーター及びバッテリ等を備えた公知の構成を適用することができるので、概略のみ説明する。高所作業車4は、例えば、図1の作業床41、及び操作部42を備える。
【0024】
(構成‐高所作業車‐作業床)
作業床41は、例えば、作業員に対して比較的高所での作業を行わせるためのものであり、一例としては、作業員を載せた状態で上昇又は下降するように構成されている。
【0025】
(構成‐高所作業車‐操作部)
図3は、操作部の正面図である。図1図3の操作部42は、高所作業車4の動作モードを切り替えるための操作手段であり、具体的な、第1モード又は第2モードの切り替えを行うためにユーザによって操作されるものである。
【0026】
「動作モード」とは、高所作業車を動作させるためのモードであり、例えば、第1モード、及び第2モードを含む概念である。「第1モード」とは、高所作業車4の所定動作が可能となるモードであり、本実施の形態では例えば、後述の上部操作モードを示す概念である。「第2モード」とは、高所作業車4の所定動作が不可能となるモードであり、本実施の形態では例えば、後述の下部操作モード及びOFFモードを示す概念である。
【0027】
高所作業車4は、車輪の駆動により自己が水平方向に移動(以下、「水平移動」とも称する)したり、作業床41を垂直方向に移動(以下、「垂直移動」とも称する)させたりすることが可能となるように構成されている。そして、この「水平移動」は、高所作業車4に関する水平方向における動作であるので「水平動作」とも称する。また、「垂直移動」は、高所作業車4における垂直方向に関する動作であるので「垂直動作」とも称する。本実施の形態では、この水平動作又は垂直動作の内の、水平動作が「所定動作」に該当する場合について説明する。
【0028】
操作部42は、図3に示すように例えば、つまみ部421を備える。つまみ部421は、ユーザからの回動力を受けて回動軸(図3の各図でつまみ部421の中心に便宜上図示されている点で示される軸)を基準にして回動可能となっている部材である。つまみ部421は、高所作業車4を上部操作モードに設定する「上部操作」の位置(図3の(a))、高所作業車4をOFFモードに設定する「OFF」の位置(図3の(b))、又は高所作業車4を下部操作モードに設定する「下部操作」の位置(図3の(c))に回動可能となっている。
【0029】
「上部操作モード」とは、前述の第1モードであり、具体的には、水平垂直動作可能モードであり、例えば、高所作業車4を水平移動又は垂直移動の内の両方を可能にするモード(つまり、水平移動である所定動作が可能となるモード)である。上部操作モードに設定されている場合、水平移動ペダル(不図示)を操作することにより、高所作業車4は水平移動し、また、垂直移動レバー又は垂直移動ボタン(不図示)を操作することにより、高所作業車4の作業床41は垂直移動することになる。
【0030】
「下部操作モード」とは、前述の第2モードであり、具体的には、垂直動作可能モードであり、例えば、高所作業車4を水平移動又は垂直移動の内の垂直移動のみを可能にするモード(つまり、水平移動である所定動作が不可能となるモード)である。下部操作モードに設定されている場合、水平移動ペダル(不図示)を操作したとしても、高所作業車4は水平移動せず、垂直移動レバー又は垂直移動ボタン(不図示)を操作することにより、高所作業車4の作業床41は垂直移動することになる。
【0031】
「OFFモード」とは、前述の第2モードであり、具体的には、水平垂直動作不可能モードであり、例えば、高所作業車4を水平移動及び垂直移動の内の両方を不可能にするモード(つまり、水平移動である所定動作が不可能となるモード)である。OFFモードに設定されている場合、水平移動ペダル(不図示)を操作したとしても、高所作業車4は水平移動せず、垂直移動レバー又は垂直移動ボタン(不図示)を操作したとしても、高所作業車4の作業床41は垂直移動しないことになる。
【0032】
(構成‐端末装置)
図1及び図2の端末装置1は、ユーザによって携帯される装置であり、例えば、サーバ装置2及び高所作業車4側(具体的には、高所作業車4に設けられている鍵管理装置3)との間で通信する装置であり、一例としては、タブレット端末又はスマートフォンである。
【0033】
端末装置1は、図2に示すように例えば、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、記録部14、及び制御部15を備える。
【0034】
(構成‐端末装置‐通信部)
図2の通信部11は、他の機器(サーバ装置2及び鍵管理装置3)との間で通信を行う通信手段である。この通信部11の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の無線通信回路等を備えて構成することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、通信部11が、鍵管理装置3との間でブルートゥース(登録商標)に対応する通信規格に基づく無線通信(例えば、10m程度~15m程度等の所定距離内の有効範囲で通信可能な無線通信)を行うように構成されている場合について説明するが、この構成に限定されるものではない。
【0036】
(構成‐端末装置‐タッチパッド)
図2のタッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0037】
(構成‐端末装置‐ディスプレイ)
図2のディスプレイ13は、制御部15の制御に基づいて各種の画像を表示する画像表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド12とディスプレイ13とをタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0038】
(構成‐端末装置‐記録部)
図2の記録部14は、端末装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのフラッシュメモリ(図示省略)を用いて構成されている。ただし、フラッシュメモリに代えてあるいはフラッシュメモリと共に、ハードディスク、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(他の装置の記録部も同様とする)。
【0039】
記録部14は、例えば、鍵情報(図2)を格納する鍵情報格納手段である。なお、「鍵情報」とは、高所作業車4を解錠するための情報であり、具体的な内容については後述する。
【0040】
(構成‐端末装置‐制御部)
図2の制御部15は、端末装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して端末装置1にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する(他の装置の制御部も同様とする)。
【0041】
制御部15は、例えば、解錠手段として機能する。このような制御部15によって行われる処理については後述する。
【0042】
解錠手段は、例えば、解錠時に高所作業車4の施錠に関する事項を定める複数の解錠モードの内の何れか1個の解錠モードにて、対象機器を解錠するための解錠関連処理を行う手段である。また、解錠手段は、例えば、サーバ装置2によって送信された鍵情報に基づいて、高所作業車4を解錠するための解錠関連処理を行う手段である。また、解錠手段は、例えば、記録部14に格納されている鍵情報を高所作業車4側(本実施の形態では、高所作業車4に設けられている鍵管理装置3)に送信する処理を、解錠関連処理として行う手段である。
【0043】
本実施の形態では、例えば、「複数の解錠モード」として、第1解錠モード及び第2解錠モードが設けられている場合について説明し、バリエーションについては変形例で説明する。「第1解錠モード」とは、高所作業車4の解錠後に当該高所作業車4を施錠するモードであり、例えば、解錠後に所定の条件に合致した場合に施錠するモードであり、本実施の形態では、解錠後に施錠処理(後述)を実行するモードである。「第2解錠モード」とは、高所作業車4を解錠後に当該高所作業車4を施錠しないモードであり、本実施の形態では、解錠後に施錠処理(後述)を実行しないモードである。
【0044】
(構成‐サーバ装置)
図1及び図2のサーバ装置2は、例えば、端末装置1との間で通信する装置であり、一例としては、データセンター等の任意の場所に設けられるサーバコンピュータ又は複数台のコンピュータによって実現されるいわゆるクラウドコンピュータとして構成されるものである。
【0045】
サーバ装置2は、図2に示すように例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0046】
(構成‐サーバ装置‐通信部)
図2の通信部21は、他の機器(端末装置1)との間で通信を行う通信手段である。この通信部21の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の無線通信回路等を備えて構成することができる。
【0047】
(構成‐サーバ装置‐記録部)
図2の記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを格納する格納手段である。また、この記録部22は、例えば、ユーザ関連情報データベース221(以下、データベースを「DB」と称する)、資機材関連情報DB222、及び予約・鍵関連情報DB223を備える。
【0048】
(構成‐サーバ装置‐記録部‐ユーザ関連情報DB)
図2のユーザ関連情報DB221とは、ユーザ関連情報を格納するユーザ関連情報格納手段である。
【0049】
図4は、ユーザ関連情報を例示した図である。「ユーザ関連情報」とは、高所作業車4を使用するユーザに関する情報であり、例えば、図4に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0050】
項目「ユーザID」の情報は、ユーザを一意に識別するユーザ識別情報(識別情報を「ID」とも称する)である(図4では、「UID0001」等)。項目「氏名情報」の情報は、ユーザの氏名を示す氏名情報である(図4では、「AAA1」等)。なお、「AAA1」等は、説明の便宜上の記載であり、氏名を示しているものとする。項目「会社情報」は、ユーザが所属する会社(つまり、組織)を示す会社情報である(図4では、協力会社の会社名である「A建設」等)。
【0051】
そして、例えば図4の最上段の情報については、「UID0001」が識別するユーザの氏名が「AAA1」であり、当該ユーザが所属する会社が「A建設」であることが示されている。
【0052】
なお、このようなユーザ関連情報の格納手法は任意であるが、例えば、サーバ装置2に対して情報を入力することにより格納されることとしてもよい。
【0053】
(構成‐サーバ装置‐記録部‐資機材関連情報DB)
図2の資機材関連情報DB222とは、資機材関連情報を格納する資機材関連情報格納手段である。
【0054】
図5は、資機材関連情報を例示した図である。「資機材関連情報」とは、資機材である高所作業車4に関する情報であり、例えば、図5に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。
【0055】
項目「資機材ID」の情報は、資機材である高所作業車4を一意に識別する資機材IDである(図5では、図1の高所作業車401~403を示す「EID0001」~「EID0003」等)。項目「名称情報」の情報は、高所作業車4の名称を示す名称情報である(図5では、「1号機」等)。項目「種類情報」の情報は、高所作業車4の種類を示す種類情報である(図5では、「9m高所作業車」等)。
【0056】
図5の項目「返却情報」の情報は、高所作業車4の返却に関する情報である返却情報である。本実施形態では、例えば、工事又は建設に関する元請会社が、レンタル会社(高所作業車4を貸し出す会社)から高所作業車4を借り受けて、工事又は建設現場にて、当該高所作業車4を協力会社単位(つまり、下請会社である「A建設」等単位)で使用させる運用となっている場合を例示して説明する。また、協力会社は、元請会社がレンタル会社から借り受けている高所作業車4を、予約して使用する運用になっている。また、元請会社は、自己が借り受けている高所作業車4をレンタル会社に返却する場合、返却する高所作業車4に関して返却処理を行う運用になっている。
【0057】
「返却処理」とは、高所作業車4をレンタル会社に返却するための処理であり、例えば、協力会社による予約の候補から外す処理である。本実施の形態では、例えば、元請会社のユーザが、自己のコンピュータ(例えば、端末装置1等)を介して、返却対象となる高所作業車4を選択し、返却操作(例えば、高所作業車4を管理するアプリケーションにおける返却ボタンを押下する等)を行うことにより、当該高所作業車4が返却対象となり、当該操作以降に協力会社が予約して使用することができなくなることとする。
【0058】
図5の返却情報としては、この返却操作に関する情報が格納されている。例えば、返却操作が未だ行われていないこと(つまり、レンタル会社への返却対象とされていないこと)を示す「未」、及び2022年2月27日に返却操作が行われたことを示す「返却(2022/2/27)」等が格納される。
【0059】
そして、例えば図5の最上段の情報については、「EID0001」が識別する高所作業車401の名称が「1号機」であり、種類が「9m高所作業車」であることが示されている。また、当該高所作業車401に関して返却操作が未だ行われていないことが示されている。
【0060】
なお、このような資機材関連情報の格納手法は任意であるが、例えば、資機材ID、名称情報、及び種類情報については、元請会社が高所作業車4を借り受けた場合に、サーバ装置2に対して情報を入力することにより格納されることとしてもよい。また、返却情報については、初期情報として「未」が格納され、前述の返却操作が行われた場合に、「返却(2022/2/27)」等の情報が格納されることとしてもよい。
【0061】
(構成‐サーバ装置‐記録部‐予約・鍵関連情報DB)
図2の予約・鍵関連情報DB223とは、予約・鍵関連情報を格納する予約・鍵関連情報格納手段である。
【0062】
図6は、予約・鍵関連情報を例示した図である。「予約・鍵関連情報」とは、使用予約状況情報及び鍵情報に関する情報であり、例えば、図6に示す各項目の情報が相互に関連付けられている。なお、「使用予約状況情報」とは、高所作業車4の使用予約の状況を示す情報である。
【0063】
図6の項目「資機材ID」の情報は、図5の同一名称の情報と同様である。図6の「予約日時情報」は、高所作業車4の予約時間帯を示す予約時間帯情報であり、特に、予約日及び予約の時間帯を示す予約日時情報である。図6では、1日を午前の時間帯及び午後の時間帯に分けて、時間帯として当該午前及び午後を用いることとし、3月1日の午前の時間帯を示す「0301-AM」、3月1日の午後の時間帯を示す「0301-PM」等を用いる場合について説明する。図6の項目「予約会社情報」に対応する情報は、高所作業車4を予約している会社を示す予約会社情報である(図6では、「A建設」等)。
【0064】
図6の項目「鍵取得ユーザ情報」は、鍵情報を自己の端末装置1にて取得し格納した(つまり、端末装置1にダウンロードした)ユーザを示す鍵取得ユーザ情報である。本実施の形態では、例えば、ユーザが、自己が所属する会社によって予約されている高所作業車4を解錠するための鍵情報を、サーバ装置2からダウンロードして、当該ダウンロードした鍵情報を利用して高所作業車4を解錠する運用となっている場合について説明する。図6の鍵取得ユーザ情報としては、鍵情報をダウンロードしたユーザのユーザIDが格納されている。
【0065】
なお、例えば、図6の資機材ID、予約日時情報、及び予約会社情報が、「使用予約状況情報」に対応するものと解釈してもよく、予約・鍵関連情報DB223が、「使用予約状況情報格納手段」に対応するものと解釈してもよい。
【0066】
そして、例えば図6の最上段の情報については、「EID0001」が識別する高所作業車401が、「0301-AM」が示す3月1日の午前の予約時間帯に、「A建設」によって予約されていることが示されている。また、「A建設」に所属する「UID0001」が識別するユーザによって、当該予約時間帯に高所作業車401を解錠するための鍵情報がダウンロードされていることが示されている。なお、鍵情報については、会社に所属する複数のユーザが相互に同じ日時に各々ダウンロードすることが可能となっているので、図6の「資機材ID」=「EID0002」に関連付けられている鍵取得ユーザ情報に「UID0001,UID0002」と図示されているように、共通の予約時間帯の鍵取得ユーザ情報として、複数のユーザIDが格納されることもある。
【0067】
なお、このような予約・鍵関連情報の格納手法は任意であるが、例えば、資機材IDについては、図5の資機材関連情報に格納されている資機材IDの内の、「返却情報」=「未」となっている高所作業車4を識別する資機材IDが格納されることとしてもよい。つまり、元請会社が借り受けている高所作業車4の内の、返却操作が未だ行われていない高所作業車4の資機材IDが格納されることとしてもよい。また、予約日時情報については、カレンダーに基づく情報が格納されることとしてもよい。また、予約会社情報及び鍵取得ユーザ情報は、後述する予約処理、及び鍵情報格納処理によって格納される。
【0068】
(構成‐サーバ装置‐制御部)
図2の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、例えば、鍵情報送信手段として機能する。このような制御部23によって行われる処理については後述する。
【0069】
鍵情報送信手段は、使用予約状況情報格納手段の使用予約状況情報に基づいて、高所作業車4を解錠するための鍵情報を端末装置1に送信する手段である。
【0070】
(構成‐鍵管理装置)
鍵管理装置3は、高所作業車4に設けられている装置であり、具体的には、高所作業車4を施錠又は解錠するための装置であり、例えば、施錠動作又は解錠動作を行う操作制御手段である。鍵管理装置3は、図2に示すように例えば、通信部31、記録部32、及び制御部33を備える。
【0071】
「施錠動作」とは、高所作業車4を施錠する動作を示す概念である。「施錠」とは、ユーザによる図1図3の操作部42の所定操作を不可能にすることを示す概念である。「施錠」とは、例えば、図3のつまみ部421の一部の回動位置(本実施の形態では図3(a)に示す「上部操作」の位置)への回動の規制を有効にして(つまり、ユーザによるつまみ部421の「上部操作」の位置への回動を不可能として)、高所作業車4を上部操作モードに設定することを不可能とすることを示す概念である。なお、「所定操作」とは、例えば、つまみ部421を「OFF」の位置(図3の(b))又は「下部操作」の位置(図3の(c))から、「上部操作」の位置(図3の(a))に回動して上部操作モードに設定する操作に対応する概念である。
【0072】
「解錠動作」とは、高所作業車4を解錠する動作を示す概念である。「解錠」とは、ユーザによる図1図3の操作部42の所定操作を可能にすることを示す概念である。「解錠」とは、例えば、図3のつまみ部421の一部の回動位置(本実施の形態では図3(a)に示す「上部操作」の位置)への回動の規制を解除して(規制を無効にして)(つまり、ユーザによるつまみ部421の「上部操作」の位置への回動を可能として)、高所作業車4を上部操作モードに設定することを可能とすることを示す概念である。
【0073】
なお、本実施の形態では、施錠されているか解錠されているかに関わらず、つまみ部421を「OFF」の位置(図3の(b))又は「下部操作」の位置(図3の(c))に回動させる操作は可能となっている。
【0074】
操作部42の所定操作を不可能又は可能にするための鍵管理装置3の具体的な構成は任意であるが、例えば、施錠する場合に「上部操作」の位置(図3の(a))へのつまみ部421の回動を規制し、解錠する場合に当該回動の規制を解除するストッパ機構を用いて構成してもよい。
【0075】
(構成‐鍵管理装置‐通信部)
図2の通信部31は、他の機器(端末装置1)との間で通信を行う通信手段である。
【0076】
(構成‐鍵管理装置‐記録部)
図2の記録部32は、鍵管理装置3の動作に必要なプログラム及び各種のデータを格納する格納手段である。記録部32には、例えば、鍵管理装置3が実装されている高所作業車4を示す資機材IDが格納されている。
【0077】
本実施の形態では、例えば、高所作業車401に実装されている鍵管理装置3の記録部32には、高所作業車401を示す「EID0001」が格納されている。また、図2では不図示であるが、高所作業車402、403に実装されている鍵管理装置3の記録部32には「EID0002」、「EID0003」が格納されている。
【0078】
(構成‐鍵管理装置‐制御部)
図2の制御部33は、鍵管理装置3を制御する制御手段である。このような制御部33によって行われる処理については後述する。
【0079】
(処理)
次に、本実施の形態に係る管理システム100によって実行される処理について説明する。具体的には、予約処理、鍵情報格納処理、第1解錠処理、第2解錠処理、解錠施錠管理処理、及び施錠処理について説明する。
【0080】
なお、以下の各処理の制御主体は、特記する場合を除いて、各装置の制御部であることとし、制御主体としての「制御部」の記載は適宜省略する。
【0081】
(処理‐予約処理)
まず、予約処理について説明する。「予約処理」とは、高所作業車4を使用するための予約である使用予約を行う処理であり、例えば、図6の予約会社情報を格納するための処理であって、端末装置1及びサーバ装置2によって実行される処理である。図7は、予約処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
【0082】
この予約処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、使用予約を行うユーザが、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、自己のユーザIDをログイン情報として入力し、所定操作を行った場合に起動を開始することとし、起動を開始したところから説明する。
【0083】
ここでは、例えば、図4の最上段の「UID0001」が示すユーザが、高所作業車401の使用予約を行う場合を例示して説明する。
【0084】
===SA1===
図7のSA1において端末装置1は、ログイン情報を送信する。具体的には、予約処理の起動時にユーザに入力されたユーザIDを含むログイン情報を、サーバ装置2に送信する。
【0085】
ここでは、例えば、「AAA1」のユーザが、予約処理の起動時に自己のユーザIDである「UID0001」を入力した場合、端末装置1は、「UID0001」を含むログイン情報を送信する。
【0086】
===SB1===
一方、図7のSB1においてサーバ装置2は、SA1で送信されたログイン情報を受信する。ここでは、例えば、「UID0001」を含むログイン情報を受信する。
【0087】
===SB2===
図7のSB2においてサーバ装置2は、SB1で受信したログイン情報に基づいて、端末装置1のディスプレイ13に予約画面を表示する。
【0088】
==予約画面==
図8は、予約画面の表示例である。「予約画面」とは、使用予約を行うための情報を入力したり、予約状況を表示したりする画面である。予約画面は、図8に示すように例えば、資機材名表示欄51、及び予約ボタン52を備える。
【0089】
資機材名表示欄51は、使用予約の対象となる高所作業車4の名称が表示される欄である。
【0090】
予約ボタン52は、使用予約を行うために操作され、また、現在の予約状況を表示するボタン画像である。予約ボタン52は、図6の各予約日時情報に対応して設けられており、図8の3月1日に関しては、午前及び午後各々の使用予約に関する各予約ボタン52が設けられている。
【0091】
この予約ボタン52は、例えば、図8の「空」、「済」、又は「他」に対応する表示態様にて表示される。
【0092】
「空」は、予約されていない状態を示す表示態様であり、例えば、タップすることにより、対応する高所作業車4に関する日時(日及び時間帯)の使用予約を行う情報(以下、「予約実行情報」とも称する)が入力される表示態様である。
【0093】
「済」は、自社(ログイン情報を入力したユーザが所属する会社)が予約している状態を示す表示態様であり、例えば、タップすることにより、対応する高所作業車4に関する日時の既存の使用予約を解除する情報(以下、「予約解除情報」とも称する)が入力される表示態様である。
【0094】
「他」は、他社(ログイン情報を入力したユーザが所属する会社以外の会社)が予約している状態を示す表示態様であり、例えば、タップしたとしても何らの情報も入力されない表示態様である。
【0095】
なお、「空」、「済」、又は「他」の表示例はこれらの表示態様を相互に区別できる限りにおいて任意であり、例えば、相互に異なる色で表示してもよいし、あるいは、「空」、「済」、又は「他」のテキスト情報を表示してもよい。
【0096】
==処理==
図7のSB2の処理について具体的には、サーバ装置2は、SB1で受信したログイン情報及び図6の予約・鍵関連情報に基づいて、予約画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報を端末装置1に送信することにより、端末装置1のディスプレイ13に予約画面を表示する。詳細には、以下の第1ステップ~第3ステップを行う。
【0097】
=第1ステップ=
第1ステップでは、SB1で受信したログイン情報に含まれるユーザIDを取得し、図4のユーザ関連情報を参照して、取得したユーザIDに関連付けられている会社情報を特定する。
【0098】
<処理例>
ここでは、例えば、ログイン情報に含まれるユーザIDである「UID0001」を取得し、図4のユーザ関連情報を参照して、取得したユーザIDに関連付けられている会社情報である「A建設」を特定する。
【0099】
=第2ステップ=
第2ステップでは、図6の予約・鍵関連情報の予約会社情報を参照して、第1ステップで特定した会社情報と当該参照した予約会社情報とに基づいて、図8の各高所作業車4に関する各日時の予約ボタン52の表示態様を特定する。
【0100】
例えば、図6の予約会社情報に何らの情報も格納されていない場合、「空」を特定する。また、図6の予約会社情報に前述の特定した会社情報と同じ情報が格納されている場合、「済」を特定する。また、図6の予約会社情報に前述の特定した会社情報と異なる情報が格納されている場合、「他」を特定する。
【0101】
<処理例>
ここでは、例えば、図6では不図示であるが、予約・鍵関連情報において、「資機材ID」=「EID0001」の「0301-AM」、「0301-PM」、及び「0302-AM」の予約会社情報としては何らの情報も格納されておらず、「0302-PM」の予約会社情報として図6に図示されている通り「C建設」が格納されている場合について例示する。
【0102】
この場合、高所作業車401に関する予約ボタン52における「0301-AM」、「0301-PM」、「0302-AM」、「0302-PM」の表示態様として、「空」、「空」、「空」、及び「他」を特定する。
【0103】
=第3ステップ=
第3ステップでは、図5の資機材関連情報を参照して、図6の各資機材IDが示す高所作業車4の名称を特定し、特定した高所作業車4の名称が図8の資機材名表示欄51に表示され、且つ、第2ステップで特定した表示態様の予約ボタン52が対応する欄に表示される予約画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、予約画面を表示する。
【0104】
<処理例>
ここでは、例えば、図5の資機材関連情報を参照して、「EID0001」の高所作業車4の名称である「1号機」等を特定し、特定した「1号機」等が表示され、且つ、第2ステップで特定した表示態様の予約ボタン52が対応する欄に表示される予約画面として、図8の予約画面を端末装置1に表示する。
【0105】
===SA2===
一方、図7のSA2において端末装置1は、予約画面を介してユーザによって入力された予約に関する情報である予約関連入力情報を、サーバ装置2に送信する。具体的には、ユーザが、図8の予約ボタン52をタップすることにより入力された予約実行情報又は予約解除情報を送信する。
【0106】
ここでは、例えば、ユーザが、図8の「1号機」に関する3月1日の午前及び午後、及び3月2日の午前の3個の「空」の予約ボタン52をタップした場合、端末装置1は、タップされた予約ボタン52に対応する高所作業車401に関する日時の使用予約を行う予約実行情報を、予約関連入力情報としてサーバ装置2に送信する。
【0107】
なお、例えば、ここで送信される予約実行情報が、使用予約を行うための「使用予約情報」に対応するものと解釈してもよい。
【0108】
===SB3===
一方、図7のSB3においてサーバ装置2は、SA2で送信された予約関連入力情報を受信する。ここでは、例えば、前述の予約実行情報を受信する。
【0109】
===SB4===
図7のSB4においてサーバ装置2は、SB3で受信した予約関連入力情報に基づいて、図6の予約会社情報を格納又は消去する。
【0110】
=SB3で予約実行情報を受信した場合=
具体的には、SB3で予約関連入力情報として予約実行情報を受信した場合、SB1で受信したログイン情報に含まれるユーザIDと、図4のユーザ関連情報とに基づいて、ログイン情報を入力したユーザが所属する会社を特定した上で、図6の予約・鍵関連情報において、SB3で受信した予約実行情報が示す高所作業車4に関する日時に対応する予約会社情報として、当該特定した会社を示す予約会社情報を格納して予約する。
【0111】
ここでは、例えば、SB3で前述の予約実行情報を受信した場合、SB1で受信したログイン情報に含まれるユーザIDである「UID0001」と、図4のユーザ関連情報とに基づいて、ログイン情報を入力したユーザが所属する会社として「A建設」を特定した上で、図6の予約・鍵関連情報において、「資機材ID」=「EID0001」の「0301-AM」、「0301-PM」、及び「0302-AM」の予約会社情報として、図6に図示されている通り、「A建設」を格納する。
【0112】
=SB3で予約解除情報を受信した場合=
一方、SB3で予約関連入力情報として予約解除情報を受信した場合、SB3で受信した予約解除情報が示す高所作業車4に関する日時に対応する予約会社情報として格納されている情報を消去して予約を解除する。これにて、予約処理を終了する。
【0113】
(処理‐鍵情報格納処理)
次に、鍵情報格納処理について説明する。「鍵情報格納処理」とは、端末装置1に鍵情報をダウンロードして格納する処理であり、例えば、端末装置1及びサーバ装置2によって実行される処理である。図9は、鍵情報格納処理のフローチャートである。
【0114】
この鍵情報格納処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、鍵情報をダウンロードするユーザが、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、自己のユーザIDをログイン情報として入力し、所定操作を行った場合に起動を開始することとし、起動を開始したところから説明する。
【0115】
ここでは、例えば、図4の最上段の「UID0001」が示すユーザが、鍵情報をダウンロードする場合を例示して説明する。
【0116】
===SC1===
図9のSC1において端末装置1は、ログイン情報及び日時情報を送信する。具体的には、ユーザが、自己が高所作業車4の使用を希望する日時(図6の予約日時情報に対応する日及び時間帯)を示す日時情報を、タッチパッド12を介して入力することとする。この場合、端末装置1は、鍵情報格納処理の起動時にユーザに入力されたユーザIDを含むログイン情報、及び前述の入力された日時情報を、サーバ装置2に送信する。
【0117】
ここでは、例えば、「AAA1」のユーザが、予約処理の起動時に自己のユーザIDである「UID0001」を入力し、また、SC1にて「3/1AM」(3月1日の午前を示す日時情報)を入力した場合、端末装置1は、「UID0001」を含むログイン情報、及び「3/1AM」を送信する。
【0118】
===SD1===
一方、図9のSD1においてサーバ装置2は、SC1で送信されたログイン情報及び日時情報を受信する。ここでは、例えば、「UID0001」を含むログイン情報及び「3/1AM」を受信する。
【0119】
===SD2===
図9のSD2においてサーバ装置2は、SD1で受信したログイン情報及び日時情報に基づいて、端末装置1のディスプレイ13に鍵情報取得画面を表示する。
【0120】
==鍵情報取得画面==
図10は、鍵情報取得画面の表示例である。「鍵情報取得画面」とは、鍵情報をユーザに取得させるための情報を表示する画面である。鍵情報取得画面は、図10に示すように例えば、日時選択欄61、及び鍵情報表示画像62を備える。
【0121】
日時選択欄61は、鍵情報取得画面の表示後に高所作業車4の使用を希望する日時を選択して入力させるための欄であり、また、現在選択されている日時を表示する欄である。図10では、現在選択されている日時である3/1AM(3月1日の午前)にハッチングが付されているが、実際には、当該日時については任意の態様で強調表示してもよい。
【0122】
鍵情報表示画像62は、ログイン情報を入力したユーザ(以下、「ログインユーザ」とも称する)が所属する会社によって予約されている高所作業車4を解錠するための鍵情報に関する情報を表示する画像である。鍵情報表示画像62は、ユーザによって選択された日時に関して、対応する高所作業車4単位で表示される画像であり、例えば、情報表示欄621、及び操作ボタン622を備える。
【0123】
情報表示欄621は、各鍵情報に関する各種情報を表示する欄であり、例えば、ダウンロードの有無を示す情報として、ログインユーザによって未だダウンロードされていないことを示す「未ダウンロード」、又はログインユーザによって既にダウンロードされたことを示す「デジタルキーを使用可能」のテキスト情報等が表示される欄である。
【0124】
操作ボタン622は、各種操作を行う場合にタップされるボタン画像である。
【0125】
==処理==
図9のSD2の処理について具体的には、サーバ装置2は、SD1で受信したログイン情報、日時情報、及び図6の予約・鍵関連情報に基づいて、鍵情報取得画面を表示するための画面情報を生成し、生成した画面情報を端末装置1に送信することにより、端末装置1のディスプレイ13に鍵情報取得画面を表示する。詳細には、以下の第1ステップ~第4ステップを行う。
【0126】
=第1ステップ=
第1ステップでは、SD1で受信したログイン情報に含まれるユーザIDを取得し、図4のユーザ関連情報を参照して、取得したユーザIDに関連付けられている会社情報を特定する。
【0127】
<処理例>
ここでは、例えば、ログイン情報に含まれるユーザIDである「UID0001」を取得し、図4のユーザ関連情報を参照して、取得したユーザIDに関連付けられている会社情報である「A建設」を特定する。
【0128】
=第2ステップ=
第2ステップでは、図6の予約・鍵関連情報の資機材ID、予約日時情報、及び予約会社情報を参照して、SD1で受信した日時情報が示す日時に、第1ステップで特定した会社情報が示す会社が予約している高所作業車4を特定し、図6の予約・鍵関連情報の鍵取得ユーザ情報を参照して、当該特定した各高所作業車4に関して、ログインユーザが鍵情報をダウンロードしたか否かを特定する。
【0129】
<処理例>
ここでは、例えば、図6の「資機材ID」=「EID0001」の「0301-AM」に関連付けられている鍵取得ユーザ情報として、何等の情報も格納されていない場合(つまり、ログインユーザに未だ鍵情報がダウンロードされておらず「UID0001」が格納されていない場合)を例示して説明する。
【0130】
この場合、SD1で受信した「3/1AM」が示す日時である「3月1日の午前」に、第1ステップで特定した会社情報が示す会社である「A建設」が予約している高所作業車4として、「EID0001」及び「EID0002」が示す高所作業車401、402等を特定する。次に、図6の「E1D0001」及び「0301-AM」に関連付けられている鍵取得ユーザ情報として、(前述のように、未だ「UID0001」が格納されていない場合)ログインユーザのユーザID(つまり、SD1で受信したログイン情報に含まれるユーザID)と同じ「UID0001」が格納されていないので、高所作業車401に関してログインユーザが鍵情報をダウンロードしていないものと特定する。一方、図6の「EID0002」及び「0301-AM」に関連付けられている鍵取得ユーザ情報として、ログインユーザのユーザIDと同じ「UID0001」が格納されているので、高所作業車402に関してログインユーザが鍵情報をダウンロードしたものと特定する。
【0131】
=第3ステップ=
第3ステップでは、第2ステップで特定した高所作業車4(つまり、ログインユーザが選択した日時に当該ログインユーザが所属する会社によって予約されている高所作業車4)に関する鍵情報表示画像62を含む鍵情報取得画面を表示するための画面情報を生成する。
【0132】
詳細には、第2ステップで、ログインユーザが鍵情報をダウンロードしていないものと特定した高所作業車4に関する鍵情報表示画像62においては、情報表示欄621に「未ダウンロード」と表示し、操作ボタン622に「デジタルキーダウンロード」と表示するための画面情報を生成する。一方、第2ステップで、ログインユーザが鍵情報をダウンロードしたものと特定した高所作業車4に関する鍵情報表示画像62においては、情報表示欄621に「デジタルキー使用可能」と表示し、操作ボタン622に「キー解錠」と表示するための画面情報を生成する。
【0133】
また、当該鍵情報取得画面の日時選択欄61において、ログインユーザによって選択された日時を示す情報(つまり、現在表示されている鍵情報表示画像62に対応する日時)を強調表示し、また、当該日時の前後の日時を示す情報を含む鍵情報取得画面を表示するための画面情報を生成することとする。
【0134】
<処理例>
ここでは、例えば、第2ステップで特定した高所作業車401、402に関する鍵情報表示画像62を含む鍵情報取得画面を表示するための画面情報を生成する。詳細には、第2ステップで、高所作業車401に関しては、鍵情報をダウンロードしていないものと特定したので、図10の図面左側の鍵情報表示画像62を表示し、且つ、高所作業車402に関しては、鍵情報をダウンロードしたものと特定したので、図10の図面右側の鍵情報表示画像62を表示するための画面情報を生成する。なお、実際には、図10に示すように、鍵情報表示画像62には、「1号機」及び「2号機」等の、鍵情報表示画像62に対応する高所作業車4の名称を示す情報も表示されるが、この表示に関しては、図5の資機材関連情報を参照して名称を特定して表示することとする。
【0135】
=第4ステップ=
第4ステップでは、第3ステップで生成した画面情報を端末装置1に送信することにより、鍵情報取得画面を表示する。ここでは、例えば、図10の鍵情報取得画面を表示する。
【0136】
なお、この後、ユーザが日時選択欄61の他の日時をタップして選択した場合、このタップした日時に関して前述の各処理と同様な処理を行い、当該他の日時に関する各種情報を表示する鍵情報取得画面が表示されることになる。
【0137】
===SC2===
一方、図9のSC2において端末装置1は、鍵情報(詳細には第1鍵情報)を要求するための情報である要求情報をサーバ装置2に送信する。具体的には、ユーザが、ディスプレイ13に表示されている図10の鍵情報取得画面において、鍵情報のダウンロードを希望する高所作業車4に対応する操作ボタン622をタップする。この場合、端末装置1は、タップされた操作ボタン622に対応する日時に対応する高所作業車4を解錠するための第1鍵情報を要求する要求情報を送信する。
【0138】
ここでは、例えば、ユーザが、鍵情報取得画面を視認して鍵情報のダウンロード状態を確認した上で、図10の「1号機」に対応する鍵情報表示画像62((図面左側)の操作ボタン622をタップした場合、高所作業車401に関して3月1日の午前に解錠する第1鍵情報を要求する要求情報を送信する。
【0139】
===SD3===
一方、図9のSD3においてサーバ装置2は、SC2で送信された要求情報を受信する。ここでは、例えば、前述の要求情報を受信する。
【0140】
===SD4===
図9のSD4においてサーバ装置2は、SD3で受信した要求情報が示す要求に対応する第1鍵情報を生成して端末装置1に送信する。
【0141】
「第1鍵情報」とは、第1解錠モードで高所作業車4を解錠するための鍵情報である。この第1鍵情報の具体的な内容は任意であり、例えば、解錠対象となる高所作業車4の資機材ID、及び解錠可能とする日時を示す情報である解錠可能日時情報(例えば、前述のタップされた操作ボタン622に対応する日時であって、一例としては、3月1日の午前等の予約単位に対応する日時を示す情報)を含む場合について説明する。また、第1鍵情報に関しては、図1及び図2の鍵管理装置3にて解読可能な任意の暗号化方式の情報を採用してもよい(後述の第2鍵情報も同様)。
【0142】
ここでは、例えば、サーバ装置2は、高所作業車401の資機材IDである「EID0001」及び解錠可能日時情報である「3/1AM」(つまり、図10のユーザによって操作ボタン622がタップされた図10の図面左側の鍵情報表示画像62に対応する予約の日時を示す情報)を含む第1鍵情報を生成して送信する。
【0143】
なお、前述のSD2では、図6の予約・鍵関連情報に基づいて、図10の鍵情報取得画面を表示し、SD4では、当該画面に表示される鍵情報表示画像62に対応する第1鍵情報を表示するので、サーバ装置2は、図6の予約・鍵関連情報(つまり、使用予約状況情報)に基づいて、第1鍵情報を端末装置1に送信することになるものと解釈してもよい。
【0144】
===SD5===
図9のSD5においてサーバ装置2は、図6の予約・鍵関連情報において、SD4で送信した第1鍵情報に対応する鍵取得ユーザ情報として、ログインユーザのユーザIDを格納する。ここでは、例えば、図6の最上段に示すように、「UID0001」を格納する。
【0145】
===SC3===
一方、図9のSC3において端末装置1は、SD4で送信された第1鍵情報を受信して、記録部14に格納する。ここでは、例えば、「EID0001」及び「3/1AM」を含む第1鍵情報を格納する。これにて、鍵情報格納処理を終了する。
【0146】
(処理‐第1解錠処理)
次に、第1解錠処理について説明する。「第1解錠処理」とは、第1解錠モードで高所作業車4を解錠するために行われる処理であり、例えば、使用予約されている高所作業車4を、作業目的で使用可能にするための処理である。第1解錠処理は、例えば、端末装置1によって実行される処理である。図11は、第1解錠処理のフローチャートである。
【0147】
この第1解錠処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、ユーザが、自己の端末装置1のタッチパッド12を介して、所定操作を行った場合に起動を開始することとし、起動を開始したところから説明する(後述の第2解錠処理も同様とする)。
【0148】
ここでは、例えば、端末装置1の記録部14に、「EID0001」及び「3/1AM」を含む第1鍵情報が格納されている場合を例示して説明する。
【0149】
===SE1===
図11のSE1において端末装置1は、記録部14に格納されている第1鍵情報に基づいて、ディスプレイ13に第1解錠画面を表示する。
【0150】
==第1解錠画面==
図12は、第1解錠画面の表示例である。「第1解錠画面」とは、鍵管理装置3に送信する鍵情報をユーザに選択させるための画面であり、図12に示すように例えば、日時表示欄71、及び鍵情報表示欄72を備える。
【0151】
日時表示欄71は、高所作業車4の使用するために解錠を希望するものとして、ユーザによって選択された日時を表示する欄である。図12では、3/1の午前が選択されて表示されている状態が図示されている。
【0152】
鍵情報表示欄72は、ユーザが保持する端末装置1にダウンロードされて格納されている第1鍵情報に関する各種情報が表示される欄であり、例えば、日時表示欄71に表示された日時に対応する解錠可能日時情報を含む第1鍵情報に関する情報が表示される欄である。鍵情報表示欄72は、例えば、資機材名表示欄721、解錠可能時間表示欄722、及び解錠ボタン723を備える。
【0153】
資機材名表示欄721は、第1鍵情報で解錠対象となっている高所作業車4の名称を示す情報が表示される欄であり、図12では高所作業車401を示す「1号機」が図示されている。解錠可能時間表示欄722は、第1鍵情報の解錠可能日時情報が示す日時の内の時間帯(午前又は午後)を示す時間が表示される欄であり、図12では午前の時間を示す「0:00-11:59」が図示されている。解錠ボタン723は、第1解錠信号を送信する際にタップされるボタン画像である。なお、「第1解錠信号」とは、第1解錠モードで高所作業車4を解錠するための信号であり、例えば、第1鍵情報を含む信号である。
【0154】
==処理==
図11のSE1の処理について具体的には、端末装置1は、まず、記録部14の第1鍵情報を取得し、取得した各第1鍵情報の解錠可能日時情報が示す日時を特定し、特定した各日時をディスプレイ13に表示する。この後、ユーザが、この表示された日時の中から、解錠を希望する日時を選択してタッチパッド12を介して、当該日時を入力する。
【0155】
次に、端末装置1は、当該入力された日時に基づいて、第1解錠画面を表示する。詳細には、入力された日時を示す情報を日時表示欄71に表示する。次に、記録部14に格納されている各第1鍵情報の解錠可能日時情報を参照して、入力された日時に対応する解錠可能日時情報を含む第1鍵情報を特定し、特定した第1鍵情報で解錠する対象となる高所作業車4の名称を特定し、特定した名称を資機材名表示欄721に表示し、また、特定した第1鍵情報に含まれる解錠可能日時情報が示す日時の内の時間帯を解錠可能時間表示欄722に表示し、また、特定した第1鍵情報を含む第1解錠信号を送信するための解錠ボタン723を表示する。
【0156】
なお、第1鍵情報で解錠する対象となる高所作業車4の名称を特定する手法は任意であるが、例えば、端末装置1の記録部14に対して、図5の資機材ID及び名称情報が相互に関連付けられた情報が格納されており、当該情報及び第1鍵情報に含まれる資機材IDに基づいて特定してもよい。あるいは、例えば、解錠する対象となる高所作業車4の名称情報も第1鍵情報に含まれていることとし、この名称情報に基づいて特定してもよい。
【0157】
ここでは、例えば、「EID0001」及び「3/1AM」を含む第1鍵情報に関して、図12の各情報が表示される第1解錠画面を表示する。
【0158】
===SE2===
図11のSE2において端末装置1は、第1解錠信号を送信するか否かを判定する。具体的には、図12の解錠ボタン723がユーザによってタップされたか否かに基づいて判定する。そして、解錠ボタン723がタップされていない場合、第1解錠信号を送信しないものと判定し(SE2のNO)、再度SA2を実行する。一方、解錠ボタン723がタップされた場合、第1解錠信号を送信するものと判定し(SE2のYES)、SE3に移行する。
【0159】
ここでは、例えば、端末装置1を保持するユーザが、図2の高所作業車401の周辺位置(例えば、1m~2m程度離れた位置であって、端末装置1及び高所作業車401の鍵管理装置3が通信可能な位置等)で、図12の解錠ボタン723をタップした場合、第1解錠信号を送信するものと判定する。
【0160】
===SE3===
図11のSE3において端末装置1は、第1解錠信号を送信する。具体的には、SE2でタップした解錠ボタン723に対応する第1鍵情報を含む第1解錠信号を生成して、生成した第1解錠信号を、鍵管理装置3に送信する。
【0161】
ここでは、例えば、端末装置1は、「EID0001」及び「3/1AM」を有する第1鍵情報を含む第1解錠信号を生成して送信し、当該第1解錠信号は、端末装置1の周辺に配置されている高所作業車401の鍵管理装置3に到達することになる。
【0162】
このように、第1解錠処理においては、端末装置1に第1鍵情報が格納されているので、サーバ装置2との通信を行えない環境であっても、高所作業車4側に第1解錠信号を送信することが可能となる。
【0163】
なお、例えば、端末装置1が第1解錠信号を送信する処理が「第1解錠関連処理」に対応するものと解釈してもよい。これにて、第1解錠処理を終了する。
【0164】
(処理‐第2解錠処理)
次に、第2解錠処理について説明する。「第2解錠処理」とは、第2解錠モードで高所作業車4を解錠するために行われる処理であり、例えば、返却処理が行われた高所作業車4をレンタル会社に返却する目的で、当該高所作業車4を使用可能にするための処理である。第2解錠処理は、例えば、端末装置1及びサーバ装置2によって実行される処理である。図13は、第2解錠処理のフローチャートである。
【0165】
===SG1===
図13のSG1においてサーバ装置2は、図5の資機材関連情報に基づいて、第2解錠処理を起動する際に所定操作が行われた端末装置1のディスプレイ13に、第2解錠画面を表示する。
【0166】
==第2解錠画面==
図14は、第2解錠画面の表示例である。「第2解錠画面」とは、解錠する対象となる高所作業車4を選択させるための画面であり、図14に示すように例えば、資機材情報表示欄81を備える。
【0167】
資機材情報表示欄81は、返却処理が行われた高所作業車4を示す情報が表示される欄であり、例えば、資機材名表示欄811、返却操作日表示欄812、及び解錠ボタン813を備える。
【0168】
資機材名表示欄811は、返却処理が行われた高所作業車4の名称を示す情報が表示される欄であり、図14では「3号機」が図示されている。返却操作日表示欄812は、返却操作が行われた日を示す情報が表示される欄であり、図14では「2022/2/27」が図示されている。解錠ボタン813は、第2解錠信号を送信する際にタップされるボタン画像である。
【0169】
なお、「第2解錠信号」とは、第2解錠モードで高所作業車4を解錠するための信号であり、例えば、第2鍵情報を含む信号である。「第2鍵情報」とは、第2解錠モードで高所作業車4を解錠するための鍵情報である。この第2鍵情報の具体的な内容は任意であり、例えば、解錠対象となる高所作業車4の資機材IDを含む場合について説明する。特に、第2解錠モードについては、使用予約とは無関係となっているので、第2鍵情報については、前述の第1鍵情報に含まれる解錠可能日時情報は含まれていないことになる。
【0170】
==処理==
図13のSG1の処理について具体的には、図5の資機材関連情報を参照して、返却情報として「返却」が格納されている高所作業車4(つまり、返却処理の対象となった高所作業車4)を特定し、特定した高所作業車4の返却操作が行われた日を特定し、また、特定した高所作業車4の名称を特定する。次に、特定した名称を示す情報が図14の資機材名表示欄811に表示され、且つ、特定した返却操作が行われた日を示す情報が返却操作日表示欄812に表示され、且つ、対応する解錠ボタン813が表示される第2解錠画面を表示するための画面情報を生成して端末装置1に送信することにより、第2解錠画面を表示する。
【0171】
<処理例>
ここでは、例えば、図5の資機材関連情報を参照して、返却情報として「返却」が格納されている高所作業車4として高所作業車403(つまり、「EID0003」の高所作業車403)を特定し、返却操作が行われた日として「2022/2/27」を特定し、また、「3号機」を特定する。次に、図14に示す第2解錠画面を表示するための画面情報を生成して送信することにより、端末装置1に第2解錠画面を表示する。
【0172】
===SF1===
図13のSF1において端末装置1は、鍵情報(詳細には第2鍵情報)を要求するための情報である要求情報をサーバ装置2に送信する。具体的には、ユーザが、ディスプレイ13に表示されている図14の第2解錠画面において、鍵情報のダウンロードを希望する高所作業車4に対応する解錠ボタン813をタップする。この場合、端末装置1は、タップされた解錠ボタン813に対応する高所作業車4を解錠するための第2鍵情報を要求する要求情報を送信する。
【0173】
ここでは、例えば、端末装置1を保持するユーザが、図2の高所作業車403の周辺位置(例えば、1m~2m程度離れた位置等)で、図14の「3号機」に対応する解錠ボタン813をタップした場合、高所作業車403を解錠する第2鍵情報を要求する要求情報を送信する。
【0174】
===SG2===
一方、図13のSG2においてサーバ装置2は、SF1で送信された要求情報を受信する。ここでは、例えば、前述の要求情報を受信する。
【0175】
===SG3===
図13のSG3においてサーバ装置2は、SG2で受信した要求情報が示す要求に対応する第2鍵情報を生成して端末装置1に送信する。ここでは、例えば、サーバ装置2は、高所作業車403の資機材IDである「EID0003」を含む第2鍵情報を生成して送信する。
【0176】
===SF2===
一方、図13のSF2において端末装置1は、SG3で送信された第2鍵情報を受信する。ここでは、例えば、「EID0003」を含む第2鍵情報を受信する。
【0177】
===SF3===
図13のSF3において端末装置1は、第2解錠信号を送信する。具体的には、SF2で受信した第2鍵情報を含む第2解錠信号を生成して、生成した第2解錠信号を、鍵管理装置3に送信する。
【0178】
ここでは、例えば、端末装置1は、「EID0003」を有する第2鍵情報を含む第2解錠信号を生成して送信し、当該第2解錠信号は、端末装置1の周辺に配置されている高所作業車403の鍵管理装置3(不図示)に到達することになる。
【0179】
このように、第2解錠処理においては、基本的には端末装置1とサーバ装置2との間の通信を行える環境において実行されることになる。
【0180】
なお、例えば、端末装置1が第2解錠信号を送信する処理が「第2解錠関連処理」に対応するものと解釈してもよい。これにて、第2解錠処理を終了する。
【0181】
(処理‐解錠施錠管理処理)
次に、解錠施錠管理処理について説明する。「解錠施錠管理処理」とは、高所作業車4の解錠又は施錠を管理する処理であり、例えば、鍵管理装置3によって実行される処理である。図15は、解錠施錠管理処理のフローチャートである。
【0182】
この解錠施錠管理処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、鍵管理装置3が第1解錠信号又は第2解錠信号を受信した場合に起動を開始することとし、起動を開始したところから説明する。
【0183】
===SH1===
図15のSH1において鍵管理装置3は、解錠施錠管理処理の起動時に第1解錠信号を受信したか否かを判定する。具体的には、信号自体の種類又は信号に含まれる情報の種類に基づいて判定してもよい。そして、第1解錠信号を受信していないものと判定した場合(つまり、第2解錠信号を受信したものと判定した場合)(SH1のNO)、SH5に移行する。また、第1解錠信号を受信したものと判定した場合(SH1のYES)、SH2に移行する。
【0184】
===SH2===
図15のSH2において鍵管理装置3は、第1解錠モードで解錠するか否かを判定する。具体的には、まず、鍵管理装置3の記録部32の資機材IDを取得し、また、任意の特定手法(例えば、鍵管理装置3にタイマ等の計時手段が設けられていることとし、この計時手段の計時結果に基づいて特定する手法等)で現在の日時を特定する。次に、解錠施錠管理処理の起動時に受信した第1解錠信号に含まれる第1鍵情報を取得する。次に、取得した第1鍵情報に含まれる資機材IDと前述の取得した資機材ID(つまり、記録部32の資機材ID)とを相互に比較し、また、取得した第1鍵情報に含まれる解錠可能日時情報が示す日時と前述の特定した現在の日時とを相互に比較する。
【0185】
そして、比較した資機材IDが相互に一致し、且つ、現在の日時が解錠可能日時情報が示す日時(日及び午前又は午後の時間帯)内である場合、鍵管理装置3が実装されている高所作業車4を現在の日時に第1解錠モードで解錠するための第1解錠信号を受信したものと判断した上で、解錠するものと判定し(SH2のYES)、SH3に移行する。
【0186】
一方、比較した資機材IDが相互に一致せず異なっている場合、又は、現在の日時が解錠可能日時情報が示す日時外(つまり、現在の日時が解錠可能日時情報が示す日時に含まれない)である場合、鍵管理装置3が実装されている高所作業車4を現在の日時に第1解錠モードで解錠するための第1解錠信号を受信したわけではないものと判断した上で、解錠しないものと判定し(SH2のNO)、処理を終了する。
【0187】
ここでは、例えば、3月1日の午前中の時間に、図11のSE3で端末装置1が送信した第1解錠信号(EID0001」及び「3/1AM」を含む第1解錠信号)を、高所作業車401に設けられている鍵管理装置3が受信した場合、当該鍵管理装置3に「EID0001」が格納されており、また、現在の日時が「3/1AM」が示す日時内であるので、解錠するものと判定する。
【0188】
===SH3===
図15のSH3において鍵管理装置3は、自己が搭載されている高所作業車4を、第1解錠モードで解錠する(つまり、解錠動作を行う)。詳細には、例えば、「上部操作」の位置(図3の(a))へのつまみ部421の回動のストッパ機構による規制を解除して(つまり、当該規制を無効にして)、「上部操作」の位置(図3の(a))へのつまみ部421の回動を可能にすることにより、高所作業車4の上部操作モードへの切り替えを可能にする。この場合、施錠又は解錠に関わらず、つまみ部421は図3の(b)~(c)に示すように「OFF」の位置又は「下部操作」の位置に回動可能となっているが、SH3で解錠することにより、「上部操作」の位置へも回動可能となる。すなわち、図3の(a)~(c)に示すように、つまみ部421を自由に回動させることが可能となり、ユーザは、作業を行うために、高所作業車4を上部操作モード、OFFモード、又は下部操作モードに適宜切り替えて使用することが可能となる。
【0189】
なお、図15の解錠施錠管理処理が複数回実行されることにより、同じ鍵管理装置3に関して、高所作業車4を施錠する前に、SH3が複数回実行されることも想定され、すなわち、解錠された状態の高所作業車4に対して再度解錠する処理が実行されることも想定される。この場合も前述の処理と同様な処理を行うことになり、結果としては、第1モードで解錠された状態が維持されることになる。
【0190】
===SH4===
図15のSH4において鍵管理装置3は、施錠処理を開始した後、解錠施錠管理処理を終了する。なお、施錠処理については、後述する。
【0191】
===SH5===
一方、図15のSH1において第1解錠信号を受信していないものと判定した後(つまり、第2解錠信号を受信したものと判定した後)(SH1のNO)のSH5において、鍵管理装置3は、第2解錠モードで解錠するか否かを判定する。具体的には、まず、鍵管理装置3の記録部32の資機材IDを取得し、解錠施錠管理処理の起動時に受信した第2解錠信号に含まれる第2鍵情報を取得する。次に、取得した第2鍵情報に含まれる資機材IDと前述の取得した資機材ID(つまり、記録部32の資機材ID)とを相互に比較する。
【0192】
そして、比較した資機材IDが相互に一致した場合、鍵管理装置3が実装されている高所作業車4を第2解錠モードで解錠するための第2解錠信号を受信したものと判断した上で、解錠するものと判定し(SH5のYES)、SH6に移行する。
【0193】
一方、比較した資機材IDが相互に一致せず異なっている場合、鍵管理装置3が実装されている高所作業車4を第2解錠モードで解錠するための第2解錠信号を受信したわけではないものと判断した上で、解錠しないものと判定し(SH5のNO)、処理を終了する。
【0194】
ここでは、例えば、図13のSF3で端末装置1が送信した第2解錠信号(「EID0003」を含む第2解錠信号)を、高所作業車403に設けられている鍵管理装置3(不図示)が受信した場合、当該鍵管理装置3に「EID0003」が格納されているので、解錠するものと判定する。
【0195】
===SH6===
図15のSH6において鍵管理装置3は、自己が搭載されている高所作業車4を、第2解錠モードで解錠する(つまり、解錠動作を行う)。詳細には、SH3の処理と同様な処理を行う。
【0196】
===SH7===
図15のSH4において鍵管理装置3は、後述の施錠処理が実行されている場合は、当該施錠処理を終了した後、解錠施錠管理処理を終了する。これにて、解錠施錠管理処理を終了する。
【0197】
(処理‐施錠処理)
次に、施錠処理について説明する。「施錠処理」とは、高所作業車4を施錠するための処理であり、例えば、鍵管理装置3によって実行される処理である。図16は、施錠処理のフローチャートである。
【0198】
この施錠処理は、図15のSH4で起動されて開始する処理である。つまり、図15のSH3において、第1解錠モードで高所作業車4が解錠された後は実行されるが、SH6において、第2解錠モードで高所作業車4が解錠された後は実行されない処理である。
【0199】
===SI1===
図16のSI1において鍵管理装置3は、施錠処理を終了するか否かを判定する。具体的には、図15のSH7の処理が実行されたか否かに基づいて判定する。そして、図15のSH7の処理が実行された場合、施錠処理を終了するものと判定し(SI1のYES)、処理を終了する。一方、図15のSH7の処理が実行されていない場合、施錠処理を終了しないものと判定し(SI1のNO)、SI2に移行する。
【0200】
ここでは、例えば、高所作業車4を第1解錠モードで解錠し、図15のSH4で施錠処理が開始された後、高所作業車4を未だ第2解錠モードで解錠していない場合、図15のSH7が実行されていないので、施錠処理を終了しないものと判定する。また、例えば、高所作業車4を第1解錠モードで解錠し、図15のSH4で施錠処理が開始された後、高所作業車4を第2解錠モードで解錠した場合、図15のSH7が実行されるので、施錠処理を終了するものと判定する。
【0201】
===SI2===
図16のSI2において鍵管理装置3は、高所作業車4を施錠するか否かを判定する。具体的には、施錠するための要件である施錠要件が予め定められており、この施錠要件を満たすか否かに基づいて判定する。
【0202】
施錠要件は任意であるが、本実施の形態では、例えば、解錠動作を行った後に所定時間(例えば、30秒~60秒等)以上継続してOFFモードが設定されていることが施錠要件として定められていることとする。
【0203】
例えば、鍵管理装置3に対して、つまみ部421の位置を確認する(図3の(a)~(c)の何れの位置であるかを確認する)ための確認部が設けられていることとし、この確認部の確認結果に基づいて判定してもよい。確認部の具体的な構成は任意であり、例えば、各種センサ(一例としては、近接センサ等)を用いる構成を採用してもよいし、つまみ部421が図3の(a)~(c)の各位置に設けられていることを確認するためのスイッチを用いる構成を採用してもよいし、つまみ部421の回動角度に基づいて確認する構成を採用してもよい。
【0204】
そして、図15のSH3で解錠(つまり、第1解錠モードでの解錠動作)を行った後、つまみ部421が「OFF」の位置に所定時間以上継続して設けられている場合、解錠動作を行った後に所定時間以上継続して高所作業車4にOFFモードが設定されているものと判断した上で(つまり、施錠要件を満たすものと判断した上で)、鍵管理装置3が実装されている高所作業車4を施錠するものと判定(SI2のYES)し、SI3に移行する。一方、図15の15のSH3で解錠(つまり、第1解錠モードでの解錠動作)を行った後、つまみ部421が「OFF」の位置に所定時間以上継続して設けられているわけではない場合(つまり、つまみ部421が「OFF」の位置に回動されていない場合、あるいは、「OFF」の位置に回動されてから所定時間未満(例えば、10秒等)のみしか経過していない場合等)、解錠動作を行った後に所定時間以上継続して高所作業車4にOFFモードが設定されているわけではないものと判断した上で(つまり、施錠要件を満たさないものと判断した上で)、鍵管理装置3が実装されている高所作業車4を施錠しないものと判定(SI2のNO)し、SI1を再度実行する。
【0205】
ここでは、例えば、解錠動作の後に、つまみ部421が「上部操作」又は「下部操作」の位置に回動され、この後、「上部操作」又は「下部操作」の位置から「OFF」の位置に切り替えられて所定時間が経過した場合、及び、解錠動作の後に、つまみ部421が「OFF」の位置のまま維持されて所定時間が経過した場合等に、高所作業車4を施錠するものと判定することになる。
【0206】
===SI3===
図16のSI3において鍵管理装置3は、自己が搭載されている高所作業車4を、施錠する(つまり、施錠動作を行う)。詳細には、例えば、「上部操作」の位置(図3の(a))へのつまみ部421の回動のストッパ機構による規制を有効にして、高所作業車4の上部操作モードへの切り替えを不可能にし、処理を終了する。この場合、施錠又は解錠に関わらず、つまみ部421は図3の(b)~(c)に示すように「OFF」の位置又は「下部操作」の位置に回動可能となっているので、SI3で施錠することにより、「上部操作」の位置へのつまみ部421の回動は不可能となり、「OFF」の位置又は「下部操作」の位置への回動のみ可能となる。これにて、施錠処理を終了する。
【0207】
(利用例)
次に、管理システム100の代表的な利用例について説明する。ここでは、例えば、元請会社がレンタル会社から借り受けている高所作業車4を、協力会社のユーザが予約して使用する場合の例(以下、「第1の例」)、元請会社が借り受けている高所作業車4をレンタル会社へ返却する場合の例(以下、「第2の例」)、及びレンタル会社への高所作業車4の返却予定を変更した後、当該高所作業車を、協力会社のユーザが予約して使用する場合の例(以下、「第3の例」)について説明する。
【0208】
(利用例-第1の例)
第1の例においては、ユーザは、端末装置1とサーバ装置2とが相互に通信可能な環境(以下、「オンライン環境」と称する)にて、図8の予約画面において、「空」の予約ボタン52をタップすることにより、使用予約を行う。次に、ユーザは、オンライン環境にて、図10の鍵情報取得画面において、操作ボタン622をタップすることにより、自己の端末装置1に第1鍵情報を格納する。
【0209】
次に、ユーザは、高所作業車4の周辺(つまり、端末装置1と鍵管理装置3とが通信可能となっている位置)で、図12の第1解錠画面において、解錠ボタン723をタップすることにより、第1解錠信号を高所作業車4の鍵管理装置3に送信する。なお、ここでは、端末装置1とサーバ装置2との間の通信は行われないので、端末装置1及びサーバ装置2が相互に通信不可能な環境(以下、「オフライン環境」と称する)又はオンライン環境の何れであっても、第1解錠信号を鍵管理装置3に送信することが可能となる。
【0210】
この場合、鍵管理装置3は、図15のSH1及びSH2を実行し、SH2のYESの後のSH3において、使用する対象となる高所作業車4を第1解錠モードで解錠する。この直後、SH4の実行により、図16の施錠処理を開始する。
【0211】
この後、ユーザは、高所作業車4の動作モードを適宜切り替えつつ作業を行う。そして、作業終了後に、ユーザは、高所作業車4のつまみ部421を「OFF」の位置(図3の(b))に回動して、高所作業車4から離れる。この場合、つまみ部421を「OFF」の位置に回動してから、所定時間が経過した時に、図16のSI2で施錠するものと判定され、SI3で高所作業車4が自動的に施錠されることになる。
【0212】
(利用例-第2の例)
第2の例においては、ユーザは、オンライン環境にて、図14の第2解錠画面において、解錠ボタン813をタップすることにより、第2解錠信号を高所作業車4の鍵管理装置3に送信する。この場合、鍵管理装置3は、図15のSH1及びSH5を実行し、SH5のYESの後のSH6において、返却する対象となる高所作業車4を第2解錠モードで解錠する。この場合、図16の施錠処理が開始されず、また、仮に、当該施錠処理が既に開始されている場合はSH7で終了されるので、施錠処理は実行されないことになる。
【0213】
すなわち、高所作業車4は自動的には施錠されないので、例えば、レンタル会社側が高所作業車4を引き取る場合に、引き取り用のトラックのドライバーが、任意のタイミングに高所作業車4の動作モードを適宜切り替えつつ移動させてトラックに積み込み、レンタル会社に運送することが容易となる。
【0214】
(利用例-第3の例)
第3の例においては、ユーザは、第2の例の場合と同様にして、返却する対象となる高所作業車4を第2解錠モードで解錠した後、自己のコンピュータを介して、返却を取り辞めるための操作を行うことにより、図5の返却情報を「返却」から「未」に更新する。なお、図5の返却情報を「返却」から「未」に更新するための操作を行うユーザは、図14の第2解錠画面において解錠ボタン813をタップしたユーザに限らず、他のユーザであってもよい。次に、第1の例の場合と同様にして、ユーザは、使用予約を行い、高所作業車4を第1解錠モードで解錠することにより、返却予定を変更して、当該高所作業車4を、作業のために使用することが可能となる。
【0215】
なお、この場合、図13のSF3で端末装置1が鍵管理装置3に第2解錠信号を送信することにより、図15のSH6にて第2解錠モードで解錠し、この後、図11のSE3で端末装置1が鍵管理装置3に第1解錠信号を送信することにより、図15のSH3にて第1解錠モードで解錠することになる。そして、この後、図15のSH4で図16の施錠処理が開始されることになる。
【0216】
すなわち、第3の例において、鍵管理装置3は、端末装置1が第2解錠信号を送信した場合、解錠動作を行った後、少なくとも端末装置1が第1解錠信号を送信するまでの間は、施錠動作を行わないことになる。
【0217】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、サーバ装置2が鍵情報を端末装置1に送信し、端末装置1がサーバ装置2によって送信された鍵情報に基づいて高所作業車4を解錠するための解錠関連処理を行うことにより、例えば、高所作業車4の解錠の際に、サーバ装置2と高所作業車4側との直接の通信が不要となるので、サーバ装置2と高所作業車4側との直接の通信が不可能な時であっても、高所作業車4を解錠することが可能となる。また、例えば、サーバ装置2は、使用予約状況情報に基づいて鍵情報を端末装置に送信することにより、使用予約を行っている適切なユーザの端末装置1に対して鍵情報を送信することができるので、対象機器の不正使用(例えば、使用予約を行わずに使用すること等)を防止することが可能となる。また、記録部14に格納されている鍵情報を高所作業車4側に送信する処理を解錠関連処理として行うことにより、例えば、端末装置1を用いて対象機器を確実に解錠することが可能となる。
【0218】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0219】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0220】
(分散や統合について)
また、上述した各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、図1の鍵管理装置3については、高所作業車4とは別体として形成した上で、高所作業車4に対して後付けするように構成してもよいし、あるいは、高所作業車4と一体的に形成してもよい。
【0221】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0222】
(解錠信号の送信について)
図13の第2解錠処理については、オンライン環境で実行することを前提として説明したが、これに限らない。例えば、第1解錠信号の場合と同様にして、第2鍵情報を端末装置1に格納しておき、この格納した第2鍵情報に基づいて第2解錠信号を生成して送信するように構成することにより、オフライン環境でも第2解錠信号を送信できるように構成してもよい。
【0223】
(施錠処理の終了について)
図16のSI1の処理を省略し、仮に図16の施錠処理の実行中に、図15のSH6が実行された場合に、実行中の施錠処理に割り込みをかけて終了するように構成してもよい。
【0224】
(施錠の判定について)
図16のSI2において、つまみ部421の位置を確認して処理する場合について説明したが、これに限らない。例えば、高所作業車4に自己の現在の動作モードを示すモード情報を出力する機能を設けて、当該機能により出力されたモード情報に基づいて処理してもよい。例えば、モード情報に基づいて、高所作業車4に対してOFFモードが所定時間以上継続して設定されていることが確認された場合に、施錠要件を満たすものとして、高所作業車4を施錠するように構成してもよい。
【0225】
(解錠モードについて)
実施の形態で説明した第1及び第2解錠モードに加えて、第3解錠モードを設けてもよい。「第3解錠モード」は、いかなる会社の予約であっても、第1鍵情報をダウンロードできるマスター権限保有者用モードである。例えば、元請会社や、定期点検者などが、緊急時に利用することを目的とし、マスター権限を与えることとし、当該マスター権限を有するユーザが第1鍵情報をダウンロードして、第1鍵情報に基づく第1解錠信号によって解錠することが可能となる。
【0226】
(使用予約及び鍵情報のダウンロードについて)
実施の形態では、図6の予約・鍵関連情報の予約会社情報に示されるように、会社単位で高所作業車4を予約し、同図の鍵取得ユーザ情報に示されるように、ユーザ単位で鍵情報を端末装置1にダウンロードするように構成されている場合について説明したが、これに限らない。例えば、ユーザ単位、又は、会社内の複数のユーザから成るグループ単位で高所作業車4を予約するように構成してもよいし、会社単位又はグループ単位で鍵情報をダウンロードするように構成してもよい。
【0227】
(他の特徴について)
その他に以下の特徴を組み合わせてもよい。例えば、端末装置1が自己に格納されている第1鍵情報に基づいて、高所作業車4を施錠するための施錠信号を生成して送信し、鍵管理装置3が当該施錠信号を受信した場合に施錠するように構成してもよい。
【0228】
鍵管理装置3が、任意の時刻(例えば、予約時間が終了した時刻、あるいは、予め定められている時刻等)に、つまみ部421を自動的に「OFF」の位置に戻して、施錠するように構成してもよい。
【0229】
端末装置1が一定時間間隔で第1解錠信号を送信するように構成した上で、鍵管理装置3がこの第1解錠信号を一定時間間隔で受信している際中は解錠し、この第1解錠信号の受信が途絶えた場合に施錠するように構成してもよい。
【0230】
鍵管理装置3が、施錠又は解錠の履歴情報を端末装置1に送信し、端末装置1が、任意のタイミングにサーバ装置2に当該履歴情報を送信し、サーバ装置2に当該履歴情報を格納するように構成してもよい。
【0231】
(端末装置について)
端末装置1の各種機能に関して任意の手法で実現してもよい。例えば、高所作業車4の予約等に関する処理を行うためのアプリケーション(以下、「予約アプリ」とも称する)と、鍵情報に関する処理を行うためのアプリケーション(以下、「鍵アプリ」とも称する)とを組み合わせて実現されたアプリケーションを端末装置1にインストールし、インストールした当該アプリケーションを用いて実現してもよい。このように構成する場合、概略的には、鍵情報に関する処理以外の処理は予約アプリが実行し、鍵情報に関する処理は予約アプリが鍵アプリを呼出して、呼出した当該鍵アプリに実行させてもよい。
【0232】
端末装置1の記録部14の鍵情報が記録される領域(以下、「鍵情報記録用領域」とも称する)は、鍵アプリによって生成されていることし、以下の処理を行うように構成してもよい。例えば、図9のSC2において、図10の鍵情報取得画面において、ユーザが操作ボタン622をタップした場合、予約アプリが鍵アプリを呼び出して、呼び出された鍵アプリが要求情報を送信し、この後、図9のSC3において、鍵アプリが、第1鍵情報を受信して記録部14の鍵情報記録用領域に、当該第1鍵情報を格納するように構成してもよい。また、例えば、図11のSE3、及び図13のSF1~SF3についても、予約アプリが鍵アプリを呼び出して、呼び出された鍵アプリが各処理を実行するように構成してもよい。なお、端末装置1が実行する他の処理については、予約アプリが実行するように構成してもよい。
【0233】
なお、ここで説明した実現手法は一例であり、この実現手法に限らず、他の任意の実現手法を用いて端末装置1の各種機能を実現してもよい。
【符号の説明】
【0234】
1 端末装置
2 サーバ装置
3 鍵管理装置
4 高所作業車
11 通信部
12 タッチパッド
13 ディスプレイ
14 記録部
15 制御部
21 通信部
22 記録部
23 制御部
31 通信部
32 記録部
33 制御部
41 作業床
42 操作部
51 資機材名表示欄
52 予約ボタン
61 日時選択欄
62 鍵情報表示画像
71 日時表示欄
72 鍵情報表示欄
81 資機材情報表示欄
100 管理システム
221 ユーザ関連情報DB
222 資機材関連情報DB
223 予約・鍵関連情報DB
401 高所作業車
402 高所作業車
403 高所作業車
421 つまみ部
621 情報表示欄
622 操作ボタン
721 資機材名表示欄
722 解錠可能時間表示欄
723 解錠ボタン
811 資機材名表示欄
812 返却操作日表示欄
813 解錠ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16