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特開2024-25838低スペックル照明のための光源と一致したディフューザー
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  • 特開-低スペックル照明のための光源と一致したディフューザー 図1
  • 特開-低スペックル照明のための光源と一致したディフューザー 図2
  • 特開-低スペックル照明のための光源と一致したディフューザー 図3
  • 特開-低スペックル照明のための光源と一致したディフューザー 図4A
  • 特開-低スペックル照明のための光源と一致したディフューザー 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025838
(43)【公開日】2024-02-27
(54)【発明の名称】低スペックル照明のための光源と一致したディフューザー
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20240219BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240219BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240219BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20240219BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240219BHJP
   H01S 5/183 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
G02B5/02 C
G02B3/00 A
F21S2/00 413
F21S2/00 415
F21V5/02 400
F21V5/02 100
F21V5/04 350
F21V5/04 200
H01S5/183
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023125325
(22)【出願日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】63/394,127
(32)【優先日】2022-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】タッソ アール エム セールス
【テーマコード(参考)】
2H042
3K244
5F173
【Fターム(参考)】
2H042BA01
2H042BA03
2H042BA11
2H042BA13
2H042BA18
3K244AA01
3K244AA04
3K244BA08
3K244CA02
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA10
5F173MA10
5F173MC15
5F173MC30
5F173MD64
5F173ME22
5F173ME32
5F173ME44
5F173MF03
5F173MF39
5F173MF40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光源およびディフューザーからなる、スペックルを減らすための静的構成のシステムを提供する。
【解決手段】ディフューザー14はランダム分布したマイクロレンズ16を備えることができ、各マイクロレンズ16は素散乱ユニットのような散乱ユニットを含む。各散乱ユニットは、ディフューザー14の表面(第1表面18、第2表面)全体に異なるスケールでランダムに分布させることができる。各光源12はディフューザー14のマイクロレンズ16に整列させることができる。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディフューザーであって、
各マイクロレンズが散乱ユニットを含む該マイクロレンズのランダム分布を備える、ディフューザー。
【請求項2】
請求項1に記載のディフューザーにおいて、各散乱ユニットは、前記ディフューザーの表面にわたり異なるスケールでランダムに分布している、ディフューザー。
【請求項3】
請求項1に記載のディフューザーにおいて、前記マイクロレンズは、前記ディフューザーの第1表面上にランダムに分布している、ディフューザー。
【請求項4】
請求項1に記載のディフューザーにおいて、前記マイクロレンズは、前記ディフューザーの第2表面上にランダムに分布している、ディフューザー。
【請求項5】
システムであって、
光源と、及び
請求項1に記載のディフューザーと、
を備える、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記光源は複数の光源である、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記複数の光源の各光源は、個別にコヒーレントである、システム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記複数の光源は、相互にインコヒーレントである、システム。
【請求項9】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記光源は、前記ディフューザーのマイクロレンズに整列している、システム。
【請求項10】
請求項6に記載のシステムにおいて、各光源は、前記ディフューザーの各マイクロレンズに対して整列している、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記マイクロレンズは、前記光源の方向を指向いている、前記ディフューザーの第1表面上に存在している、システム。
【請求項12】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記マイクロレンズは、前記光源から離背した方向を向いている、前記ディフューザーの第2表面上に存在している、システム。
【請求項13】
システムを使用する方法であって、
光源から光を放射するステップであり、前記光源はディフューザーのマイクロレンズに整列されているものである、該光を放射するステップと、及び
前記ディフューザーの整列された前記マイクロレンズで放射された光を受光するステップと、
を備え、
前記システムは静的構成になっている、
方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、さらに、整列された前記マイクロレンズから光を放射するステップであり、前記マイクロレンズから放射された光は、動的構成のシステムと比較して低減されたスペックルを示す、該ステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、スペックルを低減した照明を提供するために、光源アレイと一致したディフューザーに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの光源アレイ、例えば垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)は、ビーム整形ディフューザーと組み合わさったとき、粒状に見える光の分布であるスペックルを生成し、光源が十分にコヒーレントであるときひと際目立つ。この粒状性は用途によっては障害となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スペックルはコヒーレントな照明では避けられないが、スペックルが生成する粒状の見た目は、いくつかのセンシング用途では視覚的に障害となる、または性能を制限するおそれがある。いわゆる完全なスペックルでは、光の分布の中で100%のコントラスト変化が認められ、スペックルパターンが極めて目立つものになる。スペックルの存在が有害ないくつかの用途では、スペックルのコントラストを除去または十分に最小化することが大きな関心事となっている。スペックルは、十分にコヒーレントな光源がビーム整形要素、例えばディフューザー、を照射することで生成されうる。スペックルは粗い表面への光の照射でも認められるが、我々はここではディフューザーがスペックルパターンの主な発生源である場合について注目する。
【0004】
スペックルを低減する効果的な方法は、ディフューザーに対して光源の動きを導入することである。特に、ビームがディフューザーを横切って動くにつれて、スペックルの統計的分布が変化する。もし動きが独立したスペックルパターンを複数生成するのに十分であれば、スペックルコントラストを減少させる平均化効果が起こり、ある適切な積分時間にわたって、画像が均一に見えるようになる。動きを伴う他のアプローチでは、望ましい平均化効果を生み出すために互いに動いている複数のディフューザーを使用することもできる。スペックルコントラストを減少させる助けとなるその他の要素は広域スペクトルの照明であるが、概して動きほど効果的ではない。
【0005】
動きは、スペックルの粒状の見た目を目立たせなくする効果的な方法として使用することができるが、それはまた光学系に複雑さをもたらすだけでなく、それを実装するためにより多くのスペースを必要とする。場合によっては、これは容認できる妥協かもしれないが、ほかの場合は、容認することができない。そのような場合、スペックルコントラストを低減させる選択肢は限られている、もしくは、時には存在しない。基本的なレベルでは、スペックルは、ビームがディフューザーを通過するときの干渉および散乱の結果である。(同様の現象はディフューザーまたは一般的に粗い表面からの反射でも観察できる。)拡散面の詳細および性質はスペックルパターンの統計的特性に影響を与えうるが、光源が十分にコヒーレントである限り、典型的な粒状の見た目は必ず現れる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
必要とされているのは、光源およびディフューザーからなる、スペックルを減らすための静的構成のシステムである。光源は複数の発光素子から構成することができ、これは個々にはコヒーレントであるが、相互にはほぼインコヒーレントである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の特徴は例示的に示され、以下の図に限定されず、同一の参照符号は同一の要素を示す:
図1】本発明の一実施形態による、光源の一部である。
図2】本発明の一実施形態による、ディフューザーの表面の一部である。
図3】本発明の一実施形態による、ディフューザーの境界と一致した光源の説明図である。
図4A図4Aは、本発明の一実施形態による、システムを図示する。
図4B図4Bは、本発明の別の実施形態による、システムを図示する。
【0008】
一実施形態では、ランダムに分布したマイクロレンズからなるディフューザーが開示されて、各マイクロレンズは散乱ユニットを含む。
【0009】
別の実施形態では、光源および前記ディフューザーを含むシステムが開示されている。
【0010】
別の実施形態では、システムを使用する方法であり、この方法は、ディフューザーのマイクロレンズに整列されている光源から光を放射するステップと、及びディフューザーの整列したマイクロレンズで、放射された光を受光するステップと、を備え、前記システムは静的構成になっている。
【0011】
様々な実施形態の追加的な特徴および利点は、部分的には、以下の明細書に記載され、部分的には、明細書から明らかになる、または、様々な実施形態の実施によって知ることができる。様々な実施形態の目的および他の利点は、本明細書の説明で指摘した要素および組み合わせによって実現および達成される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、説明の簡潔さのために、主に実施例を挙げて説明している。以下の説明では、本開示の十分な理解を促すために、いくつもの具体的な詳細を記載する。しかし、本開示はこれらの具体的な詳細に限定されることなく実施することができることは容易に明らかであろう。他には、いくつかの方法や構成は具体的に説明されていないが、それは不必要に本開示を不明瞭にするのを避けるためである。
【0013】
加えて、本開示の範囲から逸脱しない範囲で、添付された図に図示されている要素は、追加的な構成要素を含んでも良く、これらの図に図示されている要素のうちいくつかは、省くまたは/および変更してもよい。さらに、図に図示されている要素は縮尺通りに描かれてない場合があり、従って、要素は図示されたものとは異なるサイズまたは/および構成を有する場合がある。
【0014】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明はどちらも、例示的かつ説明的なものであり、本教示の様々な実施形態の説明を提供することを意図していることを理解されよう。加えて、「上」、「下」、「右」、および/または「左」という表現は、相対的な物理的関係を提供することを意図しており、限定することを意図していない。
【0015】
その広範かつ多様な実施形態において、本明細書に開示されるのは、ディフューザー、光源、並びにディフューザー及び光源を含むシステムである。上記の(静的構成になっている)システムを使用する方法は、(動的構成になっている)システムと比較してスペックルパターンを減少させることができる。
【0016】
光源12は、アレイのような複数の光源とすることができる。各光源12は個別にコヒーレントなものとすることができる。複数の光源12は、相互にはほぼインコヒーレントなものとすることができる。ある態様では、光源12は、個々の素子はコヒーレントなレーザー照明をもたらす数百個の発光素子からなるVCSELアレイとすることができ、複数の発光素子は相互にインコヒーレントなものとすることができる。例えば、アレイの一番目の光源12aは、ディフューザー14を通って伝搬して一番目のスペックルパターンを生成し、この一番目のスペックルパターンは、ディフューザー14を通って伝搬し二番目のスペックルパターンを生成するアレイの二番目の光源12bから統計的に独立している。一番目のスペックルパターンおよび二番目のスペックルパターンは、複素振幅ではなく、強度で足し合わされる。
【0017】
光源は基板上に取り付けることができる。
【0018】
図1は、VCSELアレイの一部を図示しており、それぞれの黒いドットは個々の光源12を表している。各光源12は、直径Dによって特徴づけられる。光源12のアレイは、その周期性を指定する他のパラメータによって特徴づけられる。複数の光源12は、六角形の配置またはランダムな配置のように、様々な構成で配列することができる。図1に図示されている六角形の構成は、周期性パラメータΛおよびΛによって定義することができる。
【0019】
コヒーレントな照明がスペックルにつながる主な理由は、光源12がディフューザー14内の複数の散乱ユニットを照射できるビーム22を放射するからである。ディフューザー14は、特殊な方法で振幅および位相を変化させることで光を拡散させる散乱ユニットを含むことができる。例えば、複数の散乱ユニットからの複素振幅は、連合してスペックルパターンで観測される強い変調を生じさせることができる。必ずしもマイクロレンズで構成されていない、他タイプのディフューザーも使用できることに留意されたい。
【0020】
ディフューザー14はランダム分布したマイクロレンズ16を備えることができ、各マイクロレンズ16は素散乱ユニットのような散乱ユニットを含む。各散乱ユニットは、ディフューザー14の表面(第1表面18、第2表面20)全体に異なるスケールでランダムに分布させることができる。図2は、ディフューザー14の表面の輪郭モデルを示している。例示的な散乱ユニットが白い円内に示されている。
【0021】
システム10は、光源12およびディフューザー14を含むことができる。各光源12は、ディフューザー14の単一のマイクロレンズ16と関連付けることができる。このようにして、複数のマイクロレンズ16の照射が要因となる干渉効果は除去または十分に減少させることができる。図3は、ここでは黒いドットで示されている各光源12を囲む多角形の線によって、各マイクロレンズ16が図示されている。一般的に、各マイクロレンズ16の境界は多角形の曲線で画定する必要はなく、代わりに、曲がった/直線のセグメントおよび/または、連続の/不連続の形状からなる、一般的な形態を想定することもできる。光源12アレイは、図1で示された同じ六角形のグリッドとすることができる。各マイクロレンズ16の領域内では、関連する光源12からの光ビームをマイクロレンズ16から離れる方向に広げる勾配によって特徴づけられる表面プロファイルが画定される。各光源12はほぼ単一のマイクロレンズ16に関連付けることができるため、複数のマイクロレンズ12からの干渉は存在しないとみなすことができ、スペックルコントラストは最小となり得る。任意の光源12と関連する境界形状は、様々な形態をとることができる。任意の2つの光源12に関連する境界形状は、異なるものとすることができる。さらに、マイクロレンズ16の前述した境界形状内のサグプロファイルもまた、異なり得る。境界形状およびサグプロファイルの全体的なランダム分布は、モアレフリンジのような画像アーチファクトの発生を避けるための周期的な配置に使用することができる。
【0022】
光システム10において、ディフューザー14は光源12からの光であるビーム22に対して一致(例えば整列)させなければならない。光源12とディフューザー14の第1表面18との間における距離は調整可能である。光源12から放射された光22が、ディフューザー14におけるほぼ1つのマイクロレンズ16を照射するようほとんど制約された状態のままであれば、距離におけるいくらかの調整は許容できる。距離が大きくなれば、複数のマイクロレンズ16が単一の光源12によって照射され、スペックルコントラストが増大するおそれがある。
【0023】
図4Aは、複数の光源のような光源12およびディフューザー14を含む光システム10を図示する。ディフューザー14は、複数のマイクロレンズのようなマイクロレンズ16を有する。各光源12はディフューザー14のマイクロレンズ16に整列させることができる。光源12は、光ビーム22を整列したマイクロレンズに照射することができる。図4に示されているように、ディフューザー14のマイクロレンズ16は第1表面18上に存在することができ、その第1表面18は、光システム10の光源12に指向するものとすることができる。図4Bに示されているように、ディフューザー14のマイクロレンズ16は第2表面20上に存在することができ、その第2表面20は、光システム10の光源12から離背した方向に指向するものとすることができる。
【0024】
以上の説明から、当業者は、本教示は様々な形態で実施することができることを、理解することができる。従って、これらの教示は特定の実施形態および実施例に関連して説明されているが、本教示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。これらの教示の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができる。
【0025】
この範囲開示は広く解釈されるべきである。本開示は、ここで開示された装置、活動、および機械的作用を実現するための等価物、手段、システムおよび方法を開示することを意図している。開示された各装置、物品、方法、機械的要素または機構について、この開示は、ここに開示された多くの態様、機構および装置を実施するための等価物、手段、機構および手段についても開示し、教示することを包含することを意図している。本出願の特許請求の範囲も同様に広く解釈される。本発明の多くの実施形態における発明の説明は、その性質上、単なる例示であり、したがって、本発明の要旨を逸脱しない変形は、本発明の範囲内であることが意図される。そのような変形は、本発明の趣旨および範囲から逸脱したものとはみなされない。
【符号の説明】
【0026】
10 光システム
12 光源
14 ディフューザー
16 マイクロレンズ
18 第1表面
20 第2表面
22 光ビーム


図1
図2
図3
図4A
図4B
【外国語明細書】