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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002584
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/40 20060101AFI20231228BHJP
   B65D 6/18 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B65D6/40
B65D6/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101864
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 実智昭
(72)【発明者】
【氏名】千葉 哲也
(72)【発明者】
【氏名】浅山 幹
(72)【発明者】
【氏名】中井 英嗣
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061AB04
3E061AB09
3E061CA02
3E061DA13
3E061DB11
(57)【要約】
【課題】収容した荷物によって扉部材が受ける負荷に対する強度をアップする。
【解決手段】本開示の容器10は、側面開口W2の下縁部にヒンジ連結された扉部材50に側方ロック部材62と上方ロック部材63とを備える。そして、側方ロック部材62が容器本体10Hにおける扉部材50の側方部分に係合して扉部材50を閉状態にロックすると共に、上方ロック部材63が蓋体90における扉部材50の上方部分に係合して扉部材50を閉状態にロックする。即ち、本開示の容器10の扉部材50は、その下部のヒンジ連結部分を含めると、上部と下部と側部とを容器本体10H及び蓋体90に支持されて閉状態にロックされる。これにより、本開示の容器10では、収容した荷物によって扉部材50が内側から受ける負荷に対する強度がアップする。しかも、側方ロック部材62と上方ロック部材63との間で操作部61Sが共有されているので、ロックの解除操作を容易に行うことができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が箱形をなし、上面開口と側面開口とを有する容器本体と、
前記上面開口を開閉する蓋体と、
前記側面開口の下縁部にヒンジ連結されて、前記側面開口を開閉する扉部材と、
前記扉部材に支持され、前記容器本体における前記扉部材の側方部分に係合して前記扉部材を閉状態にロックするロック位置と、前記係合が解除されるアンロック位置とに移動する側方ロック部材と、
前記扉部材に支持され、前記蓋体における前記扉部材の上方部分に係合して前記扉部材を閉状態にロックするロック位置と、前記係合が解除されるアンロック位置とに移動する上方ロック部材と、
前記側方ロック部材と前記上方ロック部材とに共有され、前記側方ロック部材及び前記上方ロック部材を前記ロック位置から前記アンロック位置に移動操作するための操作部と、を備える容器。
【請求項2】
前記側方ロック部材、前記上方ロック部材及び前記操作部は、一緒に上下に移動し、
前記側方ロック部材、前記上方ロック部材及び前記操作部の各前記ロック位置は、各前記アンロック位置より上方に位置する請求項1に記載の容器。
【請求項3】
《前記上方ロック部材は、前記操作部の操作によって上下に移動し、》
前記扉部材の外面には、その上縁部に沿って横方向に延びる補強リブが備えられ、
前記補強リブには、前記上方ロック部材が貫通する貫通孔が形成されている請求項《1》に記載の容器。
【請求項4】
前記側方ロック部材、前記上方ロック部材及び前記操作部を含む複合ロック部材を前記ロック位置に付勢する付勢手段と、
前記容器本体及び前記蓋体の一方又は両方と前記複合ロック部材とに設けられて、前記扉部材を閉じる過程で互いに摺接し、前記複合ロック部材を前記付勢手段に抗して前記ロック位置から前記アンロック位置に誘導するガイド部と、を備える請求項《1から3の何れか1の》請求項に記載の容器。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記補強リブにおける基端寄り位置に配置されている請求項3に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体が箱形をなし、上面開口と側面開口とを有し、上面開口が蓋体で開閉されると共に、側面開口が扉部材で開閉される容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の容器として、扉部材が側面開口の下縁部にヒンジ連結されたものが知られている。また、この容器では、扉部材に備えた係合部が、側面開口の両側部の開口縁に係合して扉部材が閉状態にロックされるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2004-131108号公報(図1図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の容器では、収容した荷物によって扉部材が内側から負荷を受けて変形するという問題があり、そのような負荷に対する扉部材の強度アップが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本開示の容器は、全体が箱形をなし、上面開口と側面開口とを有する容器本体と、前記上面開口を開閉する蓋体と、前記側面開口の下縁部にヒンジ連結されて、前記側面開口を開閉する扉部材と、前記扉部材に支持され、前記容器本体における前記扉部材の側方部分に係合して前記扉部材を閉状態にロックするロック位置と、前記係合が解除されるアンロック位置とに移動する側方ロック部材と、前記扉部材に支持され、前記蓋体における前記扉部材の上方部分に係合して前記扉部材を閉状態にロックするロック位置と、前記係合が解除されるアンロック位置とに移動する上方ロック部材と、前記側方ロック部材と前記上方ロック部材とに共有され、前記側方ロック部材及び前記上方ロック部材を前記ロック位置から前記アンロック位置に移動操作するための操作部と、を備える容器である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の容器では、側面開口の下縁部にヒンジ連結された扉部材に側方ロック部材と上方ロック部材とが備えられ、側方ロック部材が容器本体における扉部材の側方部分に係合して扉部材を閉状態にロックし、上方ロック部材が蓋体における扉部材の上方部分に係合して扉部材を閉状態にロックする。即ち、本開示の容器の扉部材は、その下部のヒンジ連結部分を含めると、上部と下部と側部とを容器本体及び蓋体に支持される。これにより、本開示の容器では、収容した荷物によって扉部材が内側から受ける負荷に対する強度がアップする。しかも、側方ロック部材と上方ロック部材との間で操作部が共有されているので、ロックの解除操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態の容器の斜視図
図2】折畳状態の容器の斜視図
図3】容器本体の分解斜視図
図4】折畳状態の容器の一部破断の斜視図
図5】蓋体が下端位置に配置された容器の斜視図
図6】蓋体が閉状態の容器の斜視図
図7】蓋体が開状態の容器の斜視図
図8】蓋体が下端位置に配置され、扉部材が折重状態の容器の側面図
図9】蓋体の内面後部の斜視図
図10】容器の後面上部の斜視図
図11】蓋体の上面側の斜視図
図12】開口壁の前面側の斜視図
図13】開口壁の後面側の斜視図
図14】第2側壁本体の外面側の斜視図
図15】第2側壁本体の内面側の斜視図
図16】上側扉部材と下側扉部材の前面側の斜視図
図17】上側扉部材と下側扉部材の後面側の斜視図
図18】折重状態の扉部材の斜視図
図19】折重状態の扉部材の斜視図
図20】折重状態の扉部材の側面図
図21】複合ロック部材の斜視図
図22】(A)閉状態にロックされた第2側壁本体の一部破断の斜視図、(B)そのロックを解除された第2側壁本体の一部破断の斜視図
図23】扉部材が閉状態の第2側壁本体の側断面図
図24】扉部材が開かれる過程の容器の斜視図
図25】段積状態の容器の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1図25を参照して、本開示の一実施形態の容器10について説明する。図1に示すように、本実施形態の容器10は、全体が箱形をなして上面開口W1と側面開口W2とを有する容器本体10Hに、上面開口W1を開閉する蓋体90と、側面開口W2を開閉する扉部材50とが組み付けられた構造をなしている。また、容器10は、図2に示すように折畳可能になっている。なお、本実施形態の容器10の構成部品は、全て樹脂の成形品であるが、金属製の部品を含んでいてもよい。
【0009】
先ずは、容器本体10Hの構造について以下説明する。図3に示すように、容器本体10Hは、平面形状が第1水平方向H1に長い長方形の底壁11と、第1水平方向H1で対向する1対の第1側壁30と、第2水平方向H2で対向する1対の第2側壁40とを有する。1対の第1側壁30は、底壁11から起立する1対の第1側壁土台部31と、それらにヒンジ連結される1対の第1側壁本体32とを有してなり、1対の第2側壁40は、底壁11から起立する1対の第2側壁土台部41と、それらにヒンジ連結される1対の第2側壁本体42とを有してなる。また、各ヒンジ連結部は、第1側壁本体32及び第2側壁本体42が起立状態から外側には回動せず、内側には水平姿勢になるまで回動するように回動範囲を制限している。
【0010】
また、1対の第2側壁土台部41は、1対の第1側壁土台部31より高くなっている。そして、図4に示すように、1対の第1側壁本体32を底壁11の上に重ねるように折り畳んでから、それら1対の第1側壁本体32の上に1対の第2側壁本体42を重ねるように折り畳んで容器本体10Hが折畳状態になり、それとは逆の順番で1対の第2側壁本体42と1対の第1側壁本体32を起こせば組立状態に戻る。以下、特記しない限り、容器本体10Hが組立状態であることを前提に説明する。
【0011】
図5に示すように、各第1側壁本体32は、第2水平方向H2で1対の第2側壁本体42の側縁部の間に挟まれている。また、図3に示すように、各第2側壁本体42には、両側縁部に沿って上下方向に延びかつ第1側壁本体32側に張り出す1対のサイド突壁43が備えられ、それら1対のサイド突壁43が組立状態で各第1側壁本体32の側縁部の外面に重なる。さらに、各サイド突壁43には、複数の貫通孔43Aが上下方向に並べて備えられ、それら貫通孔43Aに凹凸係合する複数の突部32Tが第1側壁本体32の各側縁部の外面に形成されている。
【0012】
図5に示すように、各第1側壁本体32の上端部には、第1側壁本体32を起立姿勢にロックするロック部材34が備えられている。ロック部材34には、センター部材35と、1対のサイドロック部材36とが含まれている。
【0013】
センター部材35は、第1側壁本体32の上端部の外面における横方向の中央に配置されて、第1側壁本体32の外面の補強リブ32Lにより上下にスライド可能に支持され、カバー部材38により外側から覆われている。そして、カバー部材38に形成された操作窓38Wを通してセンター部材35に備えた操作部35Bが外側に臨んでいる。また、センター部材35には、図示しない1対の弾性片が備えられている。そして、それら1対の弾性片が補強リブ32Lに当接してセンター部材35を可動範囲の上端のロック位置に付勢している。
【0014】
1対のサイドロック部材36は、センター部材35の両側方に延びる棒状をなし、補強リブ32Lに形成された貫通孔36Kに通されて第1側壁本体32の横方向にスライド可能に支持されている。また、1対のサイドロック部材36の一端部は、カバー部材38の後側でセンター部材35にカム結合され、センター部材35と連動して1対のセンター部材35が互いに接近するアンロック位置と互いに離れるロック位置との間を移動する。また、図3に示すように、第1側壁本体32の両側部には、ロック位置の1対のサイドロック部材36の先端部と対向する位置に1対の切欠部36Aが形成されている。さらに、1対のサイドロック部材36の先端部には、切欠部36Aとの対向面の反対側に、傾斜ガイド面36Gを備えている。
【0015】
サイドロック部材36は、図13に示された第2側壁本体42の係合突部44と係合して、それぞれ第1側壁本体32を起立姿勢にロックする。具体的には、係合突部44は、第2側壁本体42の内面から突出してサイド突壁43の対面と対向する突片状をなし、サイド突壁43と対向する側に凹部44Sを有する。そして、第1側壁本体32が倒れた状態から起立姿勢になる過程でロック位置のサイドロック部材36の傾斜ガイド面36Gに摺接してサイドロック部材36がアンロック位置に移動され、第1側壁本体32が起立姿勢になると、図1に示すように係合突部44が第1側壁本体32の切欠部36Aに受容され、サイドロック部材36がロック位置に弾性復帰して係合突部44の凹部44Sに収まる。これにより、第1側壁本体32が起立姿勢にロックされる。また、操作部35Bの操作にてサイドロック部材36をアンロック位置に移動すると、第1側壁本体32を内側に倒すことができる。
【0016】
なお、図5に示すように、第1側壁本体32の上面には、突起37が備えられている。突起37は、第1側壁本体32の上面における横方向の中央に配置され、突片状になっている。そして、容器本体10Hが組立状態にされて蓋体90が閉じられると、蓋体90に形成されているスリット形状の係合孔91K(図7参照)に突起37が係合する。
【0017】
以下、蓋体90について説明する。図1に示すように、蓋体90は、1対の第2側壁本体42のうち側面開口W2を有していない側の第2側壁本体42に連結されている。以下、1対の第2側壁本体42を区別する場合には、側面開口W2を有する一方の第2側壁本体42を「前側の第2側壁本体42」といい、他方の第2側壁本体42を「後側の第2側壁本体42」という。また、前側の第2側壁本体42及びその側面開口W2を閉じる扉部材50に関しては、外面を適宜「前面」、内面を「後面」ということとする。さらに、蓋体90に関しては、第1水平方向H1を「横方向」といい、閉状態における第2水平方向H2を「前後方向」といい、閉状態における側面開口W2側を「前側」、「前部」等といい、その反対側を「後側」、「後部」等ということとする。
【0018】
図6に示すように、蓋体90は、容器本体10Hの上面開口W1を閉じた閉状態から後側の第2側壁本体42の上端部を中心に図7に示した直立姿勢になるまで回動し、そこから直立姿勢を維持したまま図8に示した下端位置までスライドさせることができる。そのために、図7に示すように、蓋体90の内面における横方向の両端寄り位置には、前後方向に延びる1対のレール部95が備えられている。これら1対のレール部95の互いに反対側を向く側面には、1対の係合溝95Mが設けられている。また、それら係合溝95Mの両端は閉塞されている。そして、蓋体90は、図9に示した1対の第1ヒンジ部材45と1対の第2ヒンジ部材46とを介して後部の第2側壁本体42に組み付けられている。
【0019】
具体的には、第1ヒンジ部材45は、スライド板45Aの一側縁部から突片45Bが突出した形状をなしている。そして、スライド板45Aが係合溝95Mに受容された状態で突片45Bが蓋体90の内面からレール部95より大きく突出している。また、突片45Bの一側面からは円筒部45Cが突出していてレール部95を挟んでスライド板45Aと対向している。そして、横方向に延びるヒンジ孔45Dが、突片45Bと円筒部45Cとを貫通している。
【0020】
第2ヒンジ部材46は、直方体状のブロック46Aの一側面から支持ピン46Bが延びた形状をなし、支持ピン46Bがヒンジ孔45Dを貫通している。また、ブロック46Aには、支持ピン46Bを有する面と隣り合う一側面に突起46T(図10参照)が備えられている。
【0021】
また、図5に示すように、後側の第2側壁本体42の上端部には、横方向の両端寄り位置に1対の切欠部42Kが形成されている。切欠部42Kは、後側の第2側壁本体42の内外面と上面とに開口し、上下方向の途中位置より下側が幅狭になっている。また、図10に示すように、切欠部42Kの下端部の両側の壁部には、横方向に貫通するヒンジ孔46Jが備えられている。さらには、後側の第2側壁本体42の上部における横方向の両端部には、横方向に開放する1対のブロック受容孔46Vが設けられ、ヒンジ孔46Jを介してブロック受容孔46Vと切欠部42Kとが連通している。また、1対のブロック受容孔46Vには、後側の第2側壁本体42の上部後面に設けられた係合孔46Wが連通している。
【0022】
そして、切欠部42Kの下端部に第1ヒンジ部材45の突片45Bが受容された状態で、ブロック受容孔46Vに第2ヒンジ部材46が支持ピン46B側から挿入されて、支持ピン46Bがヒンジ孔45D,46Jに通される。また、突起46Tと係合孔46Wとの係合により、第2ヒンジ部材46がブロック受容孔46Vに抜け止めされる。以上により、蓋体90は、前述の通り、回動しかつスライドする。
【0023】
図11に示すように、蓋体90の上面の四辺の外縁部には、後辺の途中部分を除く全体に上面突部91が形成されている。上面突部91は、蓋体90の上面四隅に配置されたコーナー土手部91Lと、蓋体90の前縁部でコーナー土手部91L同士の間を連絡する前側土手部91Aと、蓋体90の外面の両側部でコーナー土手部91L同士の間を連絡するサイドリブ91Bとからなる。
【0024】
コーナー土手部91Lの平面形状は、蓋体90の四隅の外縁部に沿ったL形をなし、断面形状が略四角形になっていて平坦な上面を有する。また、4つのコーナー土手部91Lの上面は、同一平面内に位置している(即ち、面一になっている)。
【0025】
サイドリブ91Bは、隣り合うコーナー土手部91Lの内側壁を延長してなる。また、サイドリブ91Bより外側には、前述の係合孔91Kが開口していて、その開口縁から上面に補強突部91Cが突出している。
【0026】
前側土手部91Aは、コーナー土手部91Lを僅かに低くした形状をなし、コーナー土手部91Lと前側土手部91Aとの上面同士の間は緩やかに傾斜している。また、前側土手部91Aの中央部には、手掛部92が設けられている。手掛部92は、前側土手部91Aの外側壁から上面壁の外縁部に亘る範囲を除去してなる外側手掛部92Bと、前側土手部91Aの内側壁を、複数の円弧形凹部を有する波形に形成してなる内側手掛部92Aとが含まれている。このように蓋体90の四辺の外縁部のうちの一辺である前縁部のみに手掛部92が備えられ、しかも手掛部92の内側手掛部92Aは指先を沿わせるのに適した波形をなしているので、作業者は蓋体90を開閉操作する際には、前縁部に手をかけるように誘導され、後縁部や側縁部に手をかけて蓋体90を操作されることが防がれる。特に、蓋体90の後縁部では、手掛部92と対向する部分から上面突部91が除去されていているので、蓋体90の回動中心となる後縁部に手を掛けて蓋体90が開操作されることが防がれる。
【0027】
また、図7に示すように、蓋体90の内面の前縁部には、手掛部92が裏側となる位置を除いた略全体に係合溝94が形成されている。これら係合溝94は、コーナー土手部91L及び前側土手部91Aの下面を開放してなる。さらには、図22(A)に示すように、蓋体90の前側の外面のうち外側手掛部92Bの両側部の下端部には、1対のガイド斜面94Gが形成されている。
【0028】
以下、前側の第2側壁本体42について説明する。図1に示すように、前側の第2側壁本体42には、前述した側面開口W2が備えられている。側面開口W2は、第2側壁本体42の側部と下部とを除く範囲に形成されて、全体的には横長の長方形になっている。また、側面開口W2の1対の内側面における第2側壁本体42の内面側の縁部からは1対の開口壁48が張り出している。図12に示すように、各開口壁48は、側面開口W2の上端から下端寄り位置まで一定の幅をなして延び、下端寄り位置から下端に向かって徐々に幅広になる三角リブ部48Aを備える。そして、三角リブ部48Aの下端が側面開口W2の下側内面に接続されている。これにより、側面開口W2のうち1対の開口壁48より内側部分は、長方形の下側両角部をC面取りした形状になっている。
【0029】
開口壁48には、上端から下端寄り位置に向かって順番に第1閉係合部66、受容孔52W、第2閉係合部47、受容孔56Wが間隔を空けて設けられている。第1閉係合部66は、開口壁48の前面の上端部から突出するベース突部66Aと、その先端から垂下する係止突起66Tとを備える。第2閉係合部47は、開口壁48の外面から突出して上下方向で対向する1対の対向壁47Bと、それらの先端部間を連絡する帯板47Cと、1対の対向壁47Bと帯板47Cとに包囲されて側面開口W2の横方向に向かって開放する係合孔47Aとを有する。受容孔52W,56Wは、開口壁48を貫通している。
【0030】
なお、第1閉係合部66及び第2閉係合部47の側部は、側面開口W2の内側面に接続され、第1閉係合部66及び第2閉係合部47の前面は側面開口W2の内側面を形成する縦リブ71Bの先端面と面一になっている。
【0031】
前側の第2側壁本体42の横方向の両端部では、側面開口W2の内側面を形成する前述の縦リブ71Bと、前側の第2側壁本体42の横方向の側面を形成する縦リブ71Aとが第2側壁本体42の上下方向の全体に亘って延びている。そして、それら縦リブ71A,71Bの間に、タグ収容部70が備えられている。
【0032】
具体的には、縦リブ71A,71Bは、上端から下端までの複数位置を横リブ71L2,71L3によって連絡されている。また、下側の複数の横リブ71L3は、縦リブ71A,71Bの先端面と面一の先端面を有し、それら以外の複数の横リブ71L2は、縦リブ71A,71Bの先端面より後方にずれた位置に先端面を有する。そして、縦リブ71A,71Bの間のうち下端寄り位置の横リブ71L3より上側部分がタグ収容部70になっている。
【0033】
また、タグ収容部70には、複数の横リブ71L2の中央部と直交しかつそれら横リブ71L2と面一の先端面を有する縦リブ71L1と、縦リブ71A,71Bの上下方向の複数位置から互いに接近するように突出する複数対の係止突片72とが備えられている。また、複数対の係止突片72の後面は、横リブ71L2及び縦リブ71L1の先端面より僅かに前方に位置している。
【0034】
タグ収容部70には、例えば以下のようにして樹脂製又は紙製のタグが収容される。即ち、タグは、タグ収容部70の最上部の1対の係止突片72と第2側壁本体42の上面の横リブ42Jとの間に斜め前上方から挿入されて、複数対の係止突片72の後側に潜り込んでいく。そして、タグは、全体がタグ収容部70に収容されると、平坦になるように弾性復帰してタグ収容部70内に抜け止めされる。
【0035】
図14に示すように、前側の第2側壁本体42の上面における横方向の両端部からは1対の突起49が突出している。そして、蓋体90が閉じられたときに、突起49が係合溝94と凹凸係合して蓋体90の後方へのスライドが規制される。
【0036】
次に、扉部材50について説明する。扉部材50は、下端部を側面開口W2の下縁部にヒンジ連結され、側面開口W2を閉じた閉位置(図14,15参照)から、図1に示すように側面開口W2の下縁部から下方に垂れた全開位置まで外側に略180度回動する。また、図14に示すように、扉部材50は、上下方向の途中に中間ヒンジ部50Rを備え、その中間ヒンジ部50Rより上側の上側扉部材51と、下側の下側扉部材55とに分割されている。以下、扉部材50の構成部品の説明において、特記しない限り、「扉部材50の閉位置における上側、下側、前面、後面等」を、単に「上側、下側、前面、後面等」ということとする。
【0037】
図16に示すように、上側扉部材51は、横長の略長方形をなし、下側扉部材55は、上側扉部材51に比べて横方向の全長は同じで上下方向の全長が大きな長方形をなしている。また、下側扉部材55の下縁部の2箇所には、前方の下方とに開放するヒンジ凹部59Aが備えられ、それらに対応して、図14に示すように側面開口W2の下縁部の2箇所には、前方と上方と開放するヒンジ凹部59Bが備えられている。そして、1対ずつの上下のヒンジ凹部59A,59Bに亘って1対の中継ヒンジ部材59が受容され、各中継ヒンジ部材59の上部と下部とからそれぞれ両側方に突出するヒンジピン59Cが、上下のヒンジ凹部59A,59Bの両側部にそれぞれ形成された係合孔59D(図12図14図16参照)に係合している。これにより、下側扉部材55は、前述の如く閉位置から全開位置まで外側に略180度回動し、閉位置から内側への回動が規制されている。
【0038】
また、下側扉部材55の両側部が閉位置で開口壁48に重なることと、図15に示すように、下側扉部材55の後面の下縁部から下方に突出する突片55Rが側面開口W2の下縁部の後部に形成された段差凹部42R(図19参照)に係合することによっても、下側扉部材55が閉位置から内側への回動が規制される。
【0039】
図16に示すように、下側扉部材55の上縁部の3箇所には、ヒンジ連結部58Aが備えられている。図17に示すように、各ヒンジ連結部58Aは、下側扉部材55から斜め上の後方に突出して横方向で対向する1対の突片58Tの先端間にヒンジピン58Pを差し渡し、さらに下側扉部材55の上面のうちヒンジピン58Pと対向する部分を陥没させた形状になっている。
【0040】
図16に示すように、上側扉部材51の下縁部の3箇所には、下側扉部材55の3つのヒンジ連結部58Aに対応した3つのヒンジ連結部58Bが備えられている。図17に示すように、各ヒンジ連結部58Bは、上側扉部材51から下方及び後方に張り出す突部に、後方に向かって開放したヒンジ溝58Mを備えた形状になっている。また、各ヒンジピン58Pが各ヒンジ溝58Mに受容されて前述の中間ヒンジ部50R(図15参照)が形成されている。そして、中間ヒンジ部50Rにより、上側扉部材51は、下側扉部材55の同一面内に位置する展開状態(図14,15参照)から、図18図20に示すように上側扉部材51の内面が下側扉部材55の内面に重なる折重状態になるまで下側扉部材55に対して内側に略180度回動する。なお、図14,15に示された扉部材50は、展開状態でありかつ側面開口W2を閉じた閉状態でもある。
【0041】
また、下側扉部材55は、中間ヒンジ部50Rによって展開状態から外側への回動は規制される。さらには、扉部材50の閉状態では、上側扉部材51の両側部は、閉位置で開口壁48に重ること等により、上側扉部材51が下側扉部材55に対して内側に回動することが規制される。
【0042】
図15に示すように、上側扉部材51は、上下方向で上領域X1と下領域X2に分かれていて、それら上下の領域X1,X2によって厚さが異なる。また、下側扉部材55は、上下方向で上領域Y1と中領域Y2と下領域Y3とに分かれていて、それら上中下の領域Y1,Y2,Y3によって厚さが異なる。ここで、上側扉部材51の厚さとは、上側扉部材51のうち容器10の内外を区画する主板壁51H(図16参照)と、その外面から突出する複数の補強リブ51L(図16参照)とを合わせた厚さを意味し、それと同様に、下側扉部材55の厚さも、主板壁55Hと補強リブ55L(図16参照)とを合わせた厚さを意味する。
【0043】
図17に示すように、上側扉部材51においては、上領域X1の主板壁51Hが、下領域X2の主板壁51Hに対して内側に突出している。また、図16に示すように、補強リブ51Lの先端面(前端面)は、全体的に面一でかつ鉛直方向と平行な平坦面になっている。これらにより、上側扉部材51は、上領域X1が下領域X2より厚くなっている。そして、図15に示すように、主板壁51Hの上領域X1と下領域X2との間に、上側扉部材51の横方向の全体に亘って延びる段差部51Dが形成されている。また、段差部51Dは、上側扉部材51の横方向の中間部分で、下方にクランク状に屈曲している。さらには、段差部51Dの段差面は、上下方向に対して傾斜している。
【0044】
図17に示すように、下側扉部材55においては、上領域Y1の主板壁55Hが、中領域Y2の主板壁55Hに対して内側に突出している。また、主板壁55Hの上領域Y1と中領域Y2との間には、下側扉部材55の横方向の全体に亘って延びる段差部55Dが形成されている。さらには、下側扉部材55の横方向の中間部分で、段差部55Dは上方にクランク状に屈曲し、段差部55Dの段差面は、上下方向に対して傾斜している。
【0045】
また、下領域Y3の主板壁55Hは、その上端から上下方向の途中位置までは、中領域Y2の主板壁55Hから下方に離れるに徐々に後方に向かうように傾斜し、途中位置から下端まで鉛直方向と平行になっている。さらには、主板壁55Hの下領域Y3における横方向の両端部には、図17に示すように上端寄り位置から下端までを陥没させて前述した1対の開口壁48の下端部(三角リブ部48A)を受容する1対のコーナー陥没部55Jが形成されている。また、下側扉部材55の補強リブ55Lの先端面(前端面)は、図16に示すように、全体的に面一でかつ鉛直方向と平行は平坦面になっている。これらにより、下側扉部材55は、上領域Y1及び下領域Y3が中領域Y2より厚くなっている。
【0046】
そして、扉部材50が折重状態になると、図20に示すように上側扉部材51のうち内側に突出して厚くなった上領域X1が、下側扉部材55のうち薄くなって内面側に凹んだ中領域Y2に重なると共に、下側扉部材55のうち内側に突出して厚くなった上領域Y1が、上側扉部材51のうち薄くなって内面側が凹んだ下領域X2に重なる。
【0047】
図16に示すように、下側扉部材55の両側縁部には、それらの上端部を四角形に切除して1対の切欠部55Kが形成されている。また、それら1対の切欠部55Kの下端部は、段差部55Dより僅かに下方に位置している。これに対し、図17に示すように、上側扉部材51の内面には、段差部51Dの両端部に1対の突起52が備えられている。そして、図19に示すように扉部材50が折重状態になったときに、1対の突起52が1対の切欠部55Kの下縁部(図19では、下側扉部材55の上下が逆転しているので切欠部55Kの上部)に重なることで、下側扉部材55に対して上側扉部材51が安定するようになっている。
【0048】
なお、図15及び図23に示すように、扉部材50が閉じられたときには、1対の突起52は、側面開口W2の両側の1対の受容孔52Wに受容され、開口壁48と干渉せずかつ容器10の内側に突出しないようになっている。
【0049】
図16に示すように、下側扉部材55の上領域Y1の横方向の両端部には、1対の補助ロック部材67が組み付けられている。そのために、下側扉部材55は、以下の構造を有する。即ち、下側扉部材55の上領域Y1は補強リブ55Lで包囲されている。その上領域Y1の横方向の両端部には、補強リブ55Lの先端に支持されて、主板壁55Hを前方から覆う四角形の1対のカバー壁67Dが備えられている。また、上領域Y1の横方向の両端寄り位置には、カバー壁67Dから離れる側に膨らむように曲がった1対のアーチ形リブ67Fが上領域Y1の上下の補強リブ55Lの間に差し渡されている。また、各カバー壁67Dには、横方向に延びる係合孔67Eが形成されている。さらに、カバー壁67Dと主板壁55Hとの間の空間は、補強リブ55Lを貫通するスリットによって両横方向に開放している。
【0050】
一方、1対の補助ロック部材67は、横方向に延びる帯板状のロック片67Bの一端部に操作部67Aを備えた構造をなしている。操作部67Aは、ロック片67Bから離れた側に湾曲部を有するD形のリング状をなしている。また、ロック片67Bの前面からは突部67Cが突出している。そして、ロック片67Bがカバー壁67Dと主板壁55Hとの間の空間に対してアーチ形リブ67F側から挿入されて突部67Cが係合孔67Eに受容され、操作部67Aがアーチ形リブ67Fとカバー壁67Dとの間に配置されている。これにより、補助ロック部材67が横方向に対してスライド可能に支持され、突部67Cが係合孔67Eの一端に位置するロック位置では、ロック片67Bが下側扉部材55の切欠部55K内における側面から突出し(図16参照)、突部67Cが係合孔67Eの他端に位置するアンロック位置では、ロック片67Bが下側扉部材55の側面から突出しなくなる(図19参照)。そして、下側扉部材55の閉位置で補助ロック部材67がアンロック位置からロック位置に移動されると、ロック片67Bの先端部が図12に示された前述の第2閉係合部47の係合孔47Aに凹凸係合して下側扉部材55が閉位置にロックされる。また、補助ロック部材67の厚さは、主板壁55Hからの補強リブ55Lの突出量より小さくなっていて、厚さ方向で補助ロック部材67全体が上領域Y1の下側扉部材55内に収まっている。
【0051】
上側扉部材51の上領域X1には、複合ロック部材60が組み付けられている。そのために上側扉部材51は、以下の構造を有する。即ち、図16に示すように、上側扉部材51の両側縁部にも、下側扉部材55と同様に1対の切欠部51Kが形成されている。各切欠部51Kの下端部は、上領域X1の上下方向の中間に位置し、切欠部51Kの下端面の後縁部から保護突片51Mが突出して、その保護突片51Mの上端が切欠部51Kの上下方向の中間に位置している。また、上領域X1は、補強リブ51Lにより包囲されると共に横方向で複数に分割されている。また、上領域X1における複数の補強リブ51Lのうち複数の縦長の補強リブ51Lは、横方向の両端部に偏在すると共に貫通孔51Nを備えている。さらには、上領域X1の上端で上側扉部材51の上面を形成する横長の補強リブ51Lには、横方向の2箇所における後寄り位置に1対の貫通孔63Aが形成されている。なお、上領域X1の下端で横方向に延びる横長の補強リブ51Lには、横方向の中央の先端から下方に垂下する手掛突片61Tが備えられている。
【0052】
一方、複合ロック部材60は、図21に示すように、センター部材61と、センター部材61から両側方に延びる1対の側方ロック部材62とを有し、1対の側方ロック部材62とセンター部材61とは別部品になっている。
【0053】
側方ロック部材62は、前後方向に扁平な断面形状をなして横方向に延びている。側方ロック部材62の基端部には、前後方向に貫通する係止孔62Aが形成され、側方ロック部材62の先端部には、その後面における上下の両端部に1対の傾斜面が形成されている。そして、それら傾斜面のうち上側の傾斜面が、前述の第1閉係合部66(図12参照)と摺接するガイド部62Gになっている。なお、1対の傾斜面を設けて、それらの一方をガイド部62Gとしたことで、1対の側方ロック部材62が同一形状となり、部品の共通化が図られている。
【0054】
センター部材61は、横長で平板状の前面壁61Fの後面にリブ61Lを備えた構造をなしている。センター部材61の横方向の中央には、四角形に開口した操作部61Sが形成されている。センター部材61の横方向の両端部には、1対の連結部61Gが設けられている。各連結部61Gには、1対のリブ61Lに上下から挟まれて横方向に延びる溝部61Mが備えられ、その溝部61Mの一端がセンター部材61の側面に開口している。また、溝部61Mの後面における上下の開口縁からは、互いに接近するように1対の突条61Nが突出している。さらには、前面壁61Fには、溝部61Mと対向する部分の一部を片持ち梁状に切り離して係合アーム61Hが形成されている。また、係合アーム61Hの先端部の後面には係止突起61Jが設けられている。そして、側方ロック部材62の基端部が、溝部61Mにセンター部材61の側面側から挿入されて、側方ロック部材62の係止孔62Aに係止突起61Jが係合することで、各側方ロック部材62がセンター部材61に固定される。
【0055】
センター部材61の下面には、1対の弾性片64が設けられている。それら1対の弾性片64は、センター部材61の下面における横方向の両端部から斜め横下方に向かって互いに接近するように延びている。また、センター部材61の下面は、横方向における中央部分が両端部より下方に張り出している。
【0056】
センター部材61の上面における横方向の両端寄り位置には、1対の上方ロック部材63が設けられている。1対の上方ロック部材63は、厚さ方向が前後方向を向いていて、センター部材61の上面の前後方向における後部に配置されている。また、各上方ロック部材63の先端部は、横方向においては両角部が面取りされ、前後方向においては、先端面と後面との角部のみが面取りされている。そして、その後側の面取り面がガイド部63Gになっている。
【0057】
複合ロック部材60は、センター部材61が、上領域X1の中央部で補強リブ51Lに包囲された部分に収容されてから、1対の側方ロック部材62が、上側扉部材51の両側面から貫通孔51Nに通されてセンター部材61の1対の連結部61Gの溝部61Mに差し込まれる。これにより、複合ロック部材60が上側扉部材51に組み付けられて上下方向にスライド可能に支持される。また、この状態で、上側扉部材51の厚さ方向で、複合ロック部材60全体が、上領域X1の上側扉部材51内に収まる。
【0058】
複合ロック部材60は、通常は、1対の弾性片64の弾発力により可動範囲の上端のロック位置に配置される。そして、図22(A)に示すように、1対の上方ロック部材63が1対の貫通孔63Aを介して上側扉部材51から上方に突出し、図16に示すように、1対の側方ロック部材62の先端部が、保護突片51Mより上方に突出する。また、複合ロック部材60は、可動範囲の下端のアンロック位置に移動すると、図22(B)に示すように、1対の上方ロック部材63は上側扉部材51から上方に突出しなくなり、1対の側方ロック部材62の先端部の保護突片51Mから上方への突出量が小さくなる。
【0059】
扉部材50は、以下のようにして複合ロック部材60により閉位置にロックされる。例えば、蓋体90が上面開口W1を閉じた状態で、開いている扉部材50を閉位置に移動すると、その過程で側方ロック部材62のガイド部62G(図21参照)が、第1閉係合部66の係止突起66Tにおける下端の斜面66G(図12参照)に重なると共に、上方ロック部材63のガイド部63G(図22(A)参照)が蓋体90のガイド斜面94Gに重なる。そして、扉部材50が閉位置に押し込まれると、上述した重なり面同士の摺接により、複合ロック部材60がロック位置からアンロック位置に移動する(図22(B)参照)。そして、扉部材50が閉位置に至ると弾性片64の弾発力により複合ロック部材60がロック位置に復帰し、図23に示すように、側方ロック部材62が係止突起66Tに後側から係合すると共に、図22(A)に示すように、上方ロック部材63が蓋体90の係合溝94に係合して、扉部材50が閉位置にロックされる。また、操作部61Sの操作により複合ロック部材60をアンロック位置に保持して扉部材50を閉じてから操作部61Sの操作を止めても、扉部材50が同様に閉位置にロックされる。
【0060】
なお、本実施形態では、図22(B)に示すように貫通孔63Aが前述の通り上側扉部材51の上面の補強リブ51Lにおける後側に配置されて貫通孔63Aの前側に補強リブ51Lの壁肉が多く残され、その補強リブ51Lの壁肉と貫通孔63Aの後側の主板壁51Hとにより、上方ロック部材63が前後からバランスよく支持されるので、上方ロック部材63によるロックの強度が高くなる。
【0061】
図17に示すように、下側扉部材55の後面には、複合ロック部材60により扉部材50を折重状態にロックするための1対の折重係合部56が設けられている。各折重係合部56は、下側扉部材55の中領域Y2における横方向の端部の下部に配置されて、下側扉部材55の後面から突出する支持突部56Aと、支持突部56Aの先端から上方に突出する係止突起56Tとを有する。また、係止突起56Tのうち下側扉部材55とは反対側の面は上下方向に対して傾斜する傾斜面56Gになっている。なお、図15及び図23に示すように、扉部材50が閉じられたときには、1対の折重係合部56は、側面開口W2の両側の1対の受容孔56Wに受容され、開口壁48と干渉せずかつ容器10の内側に突出しないようになっている。
【0062】
扉部材50は、以下のようにして、複合ロック部材60と折重係合部56とにより折重状態にロックされる。即ち、図24に示すように、扉部材50を開きながら下側扉部材55に対して上側扉部材51を折り畳み、下側扉部材55の内面に上側扉部材51の内面を重ねると、その過程で側方ロック部材62のガイド部62Gが折重係合部56の傾斜面56Gに摺接して、複合ロック部材60がロック位置からアンロック位置に移動する。そして、扉部材50が折重状態になると、弾性片64の弾発力により複合ロック部材60がロック位置に復帰し、図20に示すように、側方ロック部材62が折重係合部56の係止突起56Tに係合して、扉部材50が折重状態にロックされる。なお、操作部61Sの操作により複合ロック部材60をアンロック位置に保持して扉部材50を折重状態にしてから操作部61Sの操作を止めても、扉部材50が同様に折重状態にロックされる。
【0063】
なお、図4に示すように、底壁11には、下面のうち外縁部を除く全体から下面突部11Tが突出し、図25に示すように、複数の容器10を段積状態にした際に下段側の容器10の上面突部91の内側に上段側の容器10の下面突部11Tが嵌合するようになっている。また、蓋体90が開かれた状態の容器10の上に容器10を段積みした場合に、上段側の容器10の下面突部11Tは下段側の容器10の上面開口W1内に嵌合される。さらには、図3に示すように、前側の第2側壁土台部41の上面には、前述した1対の上方ロック部材63の真下となる位置に1対の突起11Kが備えられている。そして、図4に示すように、容器10を折畳状態にしたときに、1対の突起11Kが蓋体90の係合溝94に凹凸係合して蓋体90の後方へのスライドが規制される。
【0064】
本実施形態の容器10の構造に関する説明は以上である。次に、この容器10の作用効果について説明する。容器10は、例えば、工場から出荷される商品を搬送するための搬送容器として使用されると共に、販売店で商品を陳列する陳列ケース(又は、商品を展示する展示ケース)としても使用される。具体的には、容器10は、商品を出荷する工場にて図5に示すように組立状態にされると共に、扉部材50は閉じられる一方、蓋体90は開かれる。そして、荷物として複数の商品が上面開口W1から容器10に収容されてから図6に示すように蓋体90を閉じられる。
【0065】
すると、図7に示された容器本体10Hの上面の突起37,49が蓋体90の係合孔91K又は係合溝94と係合し、蓋体90の容器本体10Hに対するスライド移動が規制される。そして、図22(A)に示すように、蓋体90の係合溝94に対し、扉部材50の上面の上方ロック部材63が係合することで上部を支持される。このとき扉部材50は、図14に示すように、1対の側方ロック部材62と1対の第1閉係合部66との係合によって側部も支持されている。即ち、扉部材50は、下部のヒンジ連結部分を含めると、上部と側部と下部とを容器本体10H及び蓋体90に支持されて閉状態にロックされる。これにより、扉部材50の閉状態における支持強度がアップし、収容した荷物によって扉部材50が内側から押されることに対する耐久性が向上する。しかも、1対の側方ロック部材62及び上方ロック部材63は、扉部材50の補強リブ51Lの貫通孔51N,63Aに通されて扉部材50に対する前後の移動を規制されているので、扉部材50が受ける負荷が側方ロック部材62及び上方ロック部材63に確実に伝達され、支持強度が向上する。さらには、扉部材50には1対の補助ロック部材67が備えられ、それらをロック位置に移動すれば1対の第2閉係合部47との係合により、扉部材50の各側部が2箇所で支持され、閉状態における扉部材50の支持強度をさらに高くすることができる。
【0066】
販売店では、複数の容器10が、全て側面開口W2が同じ方向を向くようにして段積みされ、扉部材50が開かれる。扉部材50を開くには、1対の補助ロック部材67を互いに近づけるように操作してアンロック位置に移動しておく。そして、例えば、複合ロック部材60の操作部61Sとその下方の手掛突片61Tとに親指と人差し指とを掛け、複合ロック部材60を手掛突片61T側に近づけるように押し下げて複合ロック部材60をアンロック位置に移動すると、側方ロック部材62による扉部材50のロックと、上方ロック部材63による扉部材50のロックとが共に解除される。そして、扉部材50を開いて上側扉部材51と下側扉部材55とを重ね合わせると、前述の通り1対の側方ロック部材62と1対の折重係合部56との係合により扉部材50が折重状態にロックされる(図20参照)。これにより、容器10が陳列ケース(展示ケース)となり、商品の購入者は側面開口W2から容器10内の商品を取り出すことができる。
【0067】
商品が空になった容器10は、上述した手順と逆の手順で扉部材50が閉状態に戻されて複合ロック部材60と補助ロック部材67によりロックされる。そして、図2に示すように容器10は折畳状態にされて商品の工場に戻される。
【0068】
以上説明したように本実施形態の容器10は、側面開口W2の下縁部にヒンジ連結された扉部材50に側方ロック部材62と上方ロック部材63とを備えるので、扉部材50は、閉状態で上部と下部と側部とを容器本体10H及び蓋体90に支持されて、収容した荷物によって扉部材50が内側から受ける負荷に対する強度がアップする。しかも、側方ロック部材62と上方ロック部材63との間で操作部61Sが共有されているので、ロックの解除操作を容易に行うことができる。
【0069】
[他の実施形態]
(1)前記実施形態では複合ロック部材60が、全体的に上下方向にスライドする構成であったが、扉部材50を閉状態及び折重状態にロックできればどのような構造でもよい。具体的には、複合ロック部材60は、操作部61Sの操作に伴って、1対の側方ロック部材62は横方向に移動する一方、上方ロック部材63が上下方向に移動するものであってもよい。また、操作部61Sは、スライド操作されるものでも、回動操作されるものであってもよい。
【0070】
(2)前記実施形態ではセンター部材61と側方ロック部材62とが別部品になっているが、一体的に形成された同一部品であってもよい。また、センター部材61と上方ロック部材63とは、一体的に形成された同一部品であるが、別部品であってもよい。
【0071】
(3)前記実施形態では、扉部材50に対する上方ロック部材63の数は2つであったが1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、上方ロック部材63は、補強リブ51Lの貫通孔63Aを貫通していて補強リブ51Lに前後左右から支持されていたが、例えば補強リブ51Lに貫通孔63Aの代わりに切り欠きを設け、上方ロック部材63が補強リブ51Lによって支持されていない構成としてもよい。
【0072】
(4)前記実施形態では、複合ロック部材60の第1閉係合部66及び折重係合部56に対するロック位置が、何れも複合ロック部材60の可動範囲における同じ位置であるが、それらが異なっていてもよい。しかしながら、同じ位置であれば、第1閉係合部66及び折重係合部56に対して、複合ロック部材60の係合操作又は係合解除操作が同じになり、操作性が良くなる。なお、複合ロック部材60の第1閉係合部66及び折重係合部56に対するロック位置が異なる構成とするには、例えば、前述の折重係合部56における係止突起56Tの突出方向を上下逆とし、複合ロック部材60から弾性片64を解除して可動範囲の一端に付勢されないようにすると共に、複合ロック部材60が可動範囲の一端と他端とに係止される構成とすればよい。
【0073】
(5)前記実施形態では、扉部材50を折重状態にロックする複合ロック部材60及び折重係合部56の複合ロック部材60が上側扉部材51に配置される一方、折重係合部56が下側扉部材55に配置されていたが、その逆であってもよい。例えば、下側扉部材55に備えられている前述の1対の補助ロック部材67を折重状態にロックするためのロック部材として利用し、それに対応して上側扉部材51の内面外縁部から突出して1対の補助ロック部材67と係合する1対の折重係合部を設けてもよい。但し、本実施形態のように、複合ロック部材60が、上側扉部材51に設けられ、折重係合部56が、下側扉部材55に設けられている構成とすれば、複合ロック部材60を折重係合部56に係合及び係合解除する操作が容易であると共に、折重係合部56と複合ロック部材60との係合の目視確認が容易になる。
【0074】
(6)前記実施形態の容器10では、扉部材50は閉状態から外側のみに回動するようになっていたが、扉部材50が内側にも回動するようにしてもよい。また、上側扉部材51は、下側扉部材55に対して内側のみに回動するようになっていたが、上側扉部材51が下側扉部材55に対して外側にも回動するようになっていてもよい。具体的には、下側扉部材55を補助ロック部材67にて閉状態にロックした状態で、上側扉部材51を外側又は内側に回動して側面開口W2を半開き状態にすることができるようにしてもよい。
【0075】
(7)前記実施形態の容器10では、扉部材50が閉位置から略180度外側に回動する構成であったが、扉部材50が閉位置から外側に180°未満の角度(例えば、90°や120°)までしか回動しないものにおいて、扉部材50が折重状態にロックされるようにしてもよい。
【0076】
(8)蓋体90は、容器本体10Hの上面開口W1を閉じた閉状態から後側の第2側壁本体42の上端部を中心に直立姿勢になるまで回動し、そこから直立姿勢を維持したまま下端位置までスライドさせることができる構造であるが、例えば、回動しない構造やスライドしない構造でもよいし、容器本体10Hに対して着脱自在な蓋体90としてもよい。また、容器本体10Hの上面開口W1を閉塞するための蓋体90は、複数(例えば、第1蓋体及び第2蓋体の2つ)により構成される構造でもよい。
【0077】
(9)前記実施形態の容器10は、蓋体90を備えているが、蓋体90を備えずに上述の扉部材50を備えた構成としてもよい。
【0078】
(10)前記実施形態の容器10は、折り畳み可能であるが、折り畳み不能な容器に側面開口及び扉部材を備えてもよい。
【0079】
(11)前記実施形態の容器10の平面形状は、長方形であるが正方形でもよく、平面形状が長方形である場合には、扉部材50が長辺側又は短辺側の何れに配置されていてもよい。また、扉部材50を2つ以上の側壁に設けてもよい。
【0080】
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成の符号を括弧書きで示すが、これら特徴群は、この括弧書きで示した符号の構成に限定されるものではない。
【0081】
[特徴1]
全体が箱形をなし、上面開口(W1)と側面開口(W2)とを有する容器本体(10H)と、前記上面開口(W1)を開閉する蓋体(90)と、前記側面開口(W2)の下縁部にヒンジ連結されて、前記側面開口(W2)を開閉する扉部材(50)と、前記扉部材(50)に支持され、前記容器本体(10H)における前記扉部材(50)の側方部分に係合して前記扉部材(50)を閉状態にロックするロック位置と、前記係合が解除されるアンロック位置とに移動する側方ロック部材(62)と、前記扉部材(50)に支持され、前記蓋体(90)における前記扉部材(50)の上方部分に係合して前記扉部材(50)を閉状態にロックするロック位置と、前記係合が解除されるアンロック位置とに移動する上方ロック部材(63)と、前記側方ロック部材(62)と前記上方ロック部材(63)とに共有され、前記側方ロック部材(62)及び前記上方ロック部材(63)を前記ロック位置から前記アンロック位置に移動操作するための操作部(61S)と、を備える容器(10)。
【0082】
[特徴2]
前記側方ロック部材(62)、前記上方ロック部材(63)及び前記操作部(61S)は、一緒に上下に移動し、前記側方ロック部材(62)、前記上方ロック部材(63)及び前記操作部(61S)の各前記ロック位置は、各前記アンロック位置より上方に位置する特徴1に記載の容器(10)。
【0083】
[特徴3]
前記上方ロック部材(63)は、前記操作部(61S)の操作によって上下に移動し、前記扉部材(50)の外面には、その上縁部に沿って横方向に延びる補強リブ(51L)が備えられ、前記補強リブ(51L)には、前記上方ロック部材(63)が貫通する貫通孔(63A)が形成されている特徴1又は2に記載の容器(10)。
【0084】
[特徴4]
前記側方ロック部材(62)、前記上方ロック部材(63)及び前記操作部(61S)を含む複合ロック部材(60)を前記ロック位置に付勢する付勢手段(64)と、前記容器本体(10H)及び前記蓋体(90)の一方又は両方と前記複合ロック部材(60)とに設けられて、前記扉部材(50)を閉じる過程で互いに摺接し、前記複合ロック部材(60)を前記付勢手段(64)に抗して前記ロック位置から前記アンロック位置に誘導するガイド部(62G,63G)と、を備える特徴1から3の何れか1の特徴に記載の容器(10)。
【0085】
[特徴5]
前記貫通孔(63A)は、前記補強リブ(51L)における基端寄り位置に配置されている特徴3又は4に記載の容器(10)。
【0086】
特徴1の容器(10)は、側面開口(W2)の下縁部にヒンジ連結された扉部材(50)に側方ロック部材(62)と上方ロック部材(63)とを備える。そして、側方ロック部材(62)が容器本体(10H)における扉部材(50)の側方部分に係合して扉部材(50)を閉状態にロックすると共に、上方ロック部材(63)が蓋体(90)における扉部材(50)の上方部分に係合して扉部材(50)を閉状態にロックする。即ち、本開示の容器(10)の扉部材(50)は、その下部のヒンジ連結部分を含めると、上部と下部と側部とを容器本体(10H)及び蓋体(90)に支持されて閉状態にロックされる。これにより、本開示の容器(10)では、収容した荷物によって扉部材(50)が内側から受ける負荷に対する強度がアップする。しかも、側方ロック部材(62)と上方ロック部材(63)との間で操作部(61S)が共有されているので、ロックの解除操作を容易に行うことができる。
【0087】
なお、扉部材(50)は、内側に回動しても外側に回動してもよい。また、側方ロック部材(62)の移動方向と、上方ロック部材(63)の移動方向は、異なっていてもよいが、特徴2の容器(10)のように同じであれば、構造の簡素化が図られる。また、特徴3の容器(10)のように、扉部材(50)の上面の補強リブ(51L)に形成される貫通孔(63A)を上方ロック部材(63)が貫通する構成とすれば、その貫通孔(63A)の開口縁に上方ロック部材(63)が支持されることで、ロックの強度が向上する。その強度の向上のためには、貫通孔(63A)は、補強リブ(51L)における基端寄り位置に配置されていることが好ましい。
【0088】
また、特徴4の構成によれば、側方ロック部材(62)、上方ロック部材(63)及び操作部(61S)を含む複合ロック部材(60)は、付勢手段(64)によりロック位置に付勢されている。そして、扉部材(50)が開いた状態から閉位置へと押し込まれると、複合ロック部材(60)とに設けられたガイド部(62G,63G)と、容器本体(10H)及び蓋体(90)の一方又は両方との摺接により、複合ロック部材(60)が付勢手段(64)に抗してロック位置からアンロック位置にガイドされ、扉部材(50)が閉位置に至ると複合ロック部材(60)がロック位置に戻り、扉部材(50)が閉位置にロックされる。
【0089】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0090】
10 容器
10H 容器本体
50 扉部材
51L 補強リブ
60 複合ロック部材
61S 操作部
62 側方ロック部材
62G,63B ガイド部
63 上方ロック部材
63A 貫通孔
90 蓋体
W1 上面開口
W2 側面開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
図12
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図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2022-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が箱形をなし、上面開口と側面開口とを有する容器本体と、
前記上面開口を開閉する蓋体と、
前記側面開口の下縁部にヒンジ連結されて、前記側面開口を開閉する扉部材と、
前記扉部材に支持され、前記容器本体における前記扉部材の側方部分に係合して前記扉部材を閉状態にロックするロック位置と、前記係合が解除されるアンロック位置とに移動する側方ロック部材と、
前記扉部材に支持され、前記蓋体における前記扉部材の上方部分に係合して前記扉部材を閉状態にロックするロック位置と、前記係合が解除されるアンロック位置とに移動する上方ロック部材と、
前記側方ロック部材と前記上方ロック部材とに共有され、前記側方ロック部材及び前記上方ロック部材を前記ロック位置から前記アンロック位置に移動操作するための操作部と、を備える容器。
【請求項2】
前記側方ロック部材、前記上方ロック部材及び前記操作部は、一緒に上下に移動し、
前記側方ロック部材、前記上方ロック部材及び前記操作部の各前記ロック位置は、各前記アンロック位置より上方に位置する請求項1に記載の容器。
【請求項3】
記上方ロック部材は、前記操作部の操作によって上下に移動し
前記扉部材の外面には、その上縁部に沿って横方向に延びる補強リブが備えられ、
前記補強リブには、前記上方ロック部材が貫通する貫通孔が形成されている請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記側方ロック部材、前記上方ロック部材及び前記操作部を含む複合ロック部材を前記ロック位置に付勢する付勢手段と、
前記容器本体及び前記蓋体の一方又は両方と前記複合ロック部材とに設けられて、前記扉部材を閉じる過程で互いに摺接し、前記複合ロック部材を前記付勢手段に抗して前記ロック位置から前記アンロック位置に誘導するガイド部と、を備える請求項1から3の何れか1の請求項に記載の容器。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記補強リブにおける基端寄り位置に配置されている請求項3に記載の容器。