IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2024-25841シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置
<>
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図1
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図2
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図3
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図4
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図5
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図6
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図7
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図8
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図9
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図10
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図11
  • -シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025841
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/52 20060101AFI20240220BHJP
   B60N 2/16 20060101ALI20240220BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B60N2/52
B60N2/16
A47C7/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129141
(22)【出願日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】520461602
【氏名又は名称】JAS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096725
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 明▲ひこ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】渡部 英昭
(72)【発明者】
【氏名】藤掛 勤
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA15
3B087BB22
3B087DD03
3B087DD10
3B087DD11
3B087DE04
(57)【要約】
【課題】部品数を減らし、小型化を図ることができるシートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置を提供する。
【解決手段】エアサスペンション装置に取り付けられる位置維持機構は、第三の軸体に下向きに取り付けられたカムプレートが突き出る、前後に伸びる開口を有する、第一連結フレームの下側に固定されるブラケットと、第一の面及び第二の面をもつブラケットに回動自在に取り付けられるカムと、カムプレートに連結され、ブラケット上に開口にそって移動可能にとりつけられ、第一の面に移動可能に接するスライダーと、ブラケットに取り付けられ、エアスプリングに給気する給気弁及びそこから排気する排気弁を有し、カムが回動したとき、第二の面が、給気又は排気のために、排気弁及び前記給気弁のいずれかに接する吸排気弁(52)と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置であって、
車両の床面側に設置される一対のロアフレーム(12a、12b)と、
前記一対のロアフレームの先端同士を連結する第一連結フレーム(12c)と、
前記一対のロアフレームの後端同士を連結する第二連結フレーム(12d)と、
該ロアフレームの上部に配置され、前記車両の車両シートの下部に設けられる一対のアッパーフレーム(13a、13b)と、
前記一対のアッパーフレームの先端同士を連結する第三連結フレームと(13c)、
前記一対のアッパーフレームの後端同士を連結する第四連結フレームと(13d)、
前記ロアフレームと前記アッパーフレームとの間の左右側面にそれぞれ配置され、前記アッパーフレームを上下移動可能に支持してなる、一対のリンク(15a、15b)と、
前記一対のロアフレームの後方側に配置される第一の軸体(21a)と、
前記一対のアッパーフレームの後方側に配置される第二の軸体(21b)と、
前記一対のロアフレームの前方側に配置される第三の軸体(23a)と、
前記一対のアッパーフレームの前方側に配置される第四の軸体(23b)と、
圧縮空気の供給源からの給気と、外部への排気とによる圧力変化により前記アッパーフレームを上下に移動させるエアスプリング(18)と、
前記アッパーフレームを予め設定された基準高さ位置に維持する基準高さ位置維持機構(50)と、
を備え、
前記一対のリンクの組になるリンクの下端部のうちの後方に位置する端部が前記第一の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの下端部のうちの前方に位置する端部が前記第三の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの上端部のうちの後方に位置する端部が前記第二の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの上端部のうちの前方に位置する端部が前記第四の軸体に連結され、
前記いずれかの軸体に、該軸体から法線方向に伸張するようにカムプレート(24)が取り付けられ、
前記位置維持機構は、
前記カムプレートが取り付けられた軸体の近傍に位置する前記連結フレームに固定されるブラケット(51)と、
前記ブラケットに回動自在に取り付けられる、第一の面及び第二の面をもつカム(53)と、
前記カムプレートに連結され、前記カムの第一の面に摺動接触しながら前後方向に移動可能に、前記ブラケット上に取り付けられるスライダー(55)と、
前記ブラケット上に取り付けられ、前記エアスプリングに給気する給気弁及びそこから排気する排気弁を有し、前記カムが回動したとき、前記第二の面が、給気又は排気のために、前記排気弁及び前記給気弁のいずれかに接する吸排気弁(52)と、
を備え、
前記アッパーフレームが上下動して前記軸体が回転したとき、前記軸体に取り付けられたカムプレート(24)は前記スライダーを前後方向に移動させ、移動する前記スライダーは、前記カムの第一の面(53e)を介して、前記カムを回動させ、回動するカムにより前記第二の面(53d)は、前記吸排気弁の前記排気弁及び前記給気弁のいずれかと接し、前記エアスプリングへのエアの給気又はそこからの排気により、前記アッパーフレームの位置が維持される、ことを特徴とするオートレベリング機構。
【請求項2】
シートの位置維持機構を有するサスペンション装置であって、
車両の床面側に設置される一対のロアフレーム(12a、12b)と、
前記一対のロアフレームの先端同士を連結する第一連結フレーム(12c)と、
前記一対のロアフレームの後端同士を連結する第二連結フレーム(21d)と、
該ロアフレームの上部に配置され、前記車両の車両シートの下部に設けられる一対のアッパーフレーム(13a、13b)と、
前記一対のアッパーフレームの先端同士を連結する第三連結フレーム(13c)と、
前記一対のアッパーフレームの後端同士を連結する第四連結フレーム(13d)と、
前記ロアフレームと前記アッパーフレームとの間の左右側面にそれぞれ配置され、前記アッパーフレームを上下移動可能に支持してなる、一対のリンク(15a、15b)と、
前記一対のロアフレームの後方側に配置される第一の軸体(21a)と、
前記一対のアッパーフレームの後方側に配置される第二の軸体(21b)と、
前記一対のロアフレームの前方側に配置される第三の軸体(23a)と、
前記一対のアッパーフレームの前方側に配置される第四の軸体(23b)軸体と、
圧縮空気の供給源からの給気と、外部への排気とによる圧力変化により前記アッパーフレームを上下に移動させるエアスプリング(18)と、
前記アッパーフレームを予め設定された基準高さ位置に維持する基準高さ位置維持機構(60)と、
を備え、
前記一対のリンクの組になるリンクの下端部のうちの後方に位置する端部が前記第一の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの下端部のうちの前方に位置する端部が前記第三の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの上端部のうちの後方に位置する端部が前記第二の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの上端部のうちの前方に位置する端部が前記第四の軸体に連結され、
前記いずれかの軸体に、該軸体から法線方向に伸張するようにカムプレート(24)が取り付けられ、
前記位置維持機構は、
前記カムプレートが取り付けられた軸体の近傍に位置する前記連結フレームに固定される、前後方向に伸びる直線状の端部を有するブラケット(61)と、
前記ブラケットの直線状の端部の近傍で、前記ブラケットに回動自在に取り付けられ、前記カムプレートと摺動接触する第一の面、及び第二の面をもつカム(63)と、
前記ブラケット上に取り付けられ、前記エアスプリングに給気する給気弁及びそこから排気する排気弁を有し、前記カムが回動したとき、前記第二の面が、給気又は排気のために、前記排気弁及び前記給気弁のいずれかに接する吸排気弁(62)と、
を備え、 前記アッパーフレームが上下動して前記軸体が回転したとき、前記前記軸体に取り付けられたカムプレートは、前記ブラケットの前記直線状の端部にそって前後方向に移動して、前記カムの第一の面(63e)と摺動接触することで、前記カムを回動させ、回動するカムにより前記第二の面(63d)は、前記吸排気弁の前記排気弁及び前記給気弁のいずれかと接し、前記エアスプリングへのエアの給気又はそこからの排気により、前記アッパーフレームの位置が維持される、ことを特徴とするオートレベリング機構。
【請求項3】
前記第一面(53e、63e)は凹状であり、前記第二の面(53d、63d)は凸状である、請求項1または2に記載のエアサスペンション装置。
【請求項4】
前記一対のリンクが、Xリンク、平行リンク又はマルチリンクである、請求項1又は2に記載のエアサスペンション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搭乗者の体型等に応じて設定した基準高さ位置にシートの位置を維持する機構を有するエアサスペンション装置に関し、特に位置維持機構が簡易であり、耐久性に優れたエアサスペンション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の運転を快適かつ安全に行うために、車両シートの高さを搭乗者の体型に適合した所望の位置に設定可能とし、衝撃や振動等を的確に減衰吸収させるエアサスペンション装置が車両シートに使用されている。このエアサスペンション装置は、車両シートの高さ変動に応じた弁制御により、エアスプリングに外部から空気を供給、又はエアスプリングから空気を外部に排気させることで、搭乗者の体重の軽重によらず所定の設定高さの基準位置に調整維持する機能を有するものである。
【0003】
シートの位置を維持するために、エアサスペンションの上下動(伸縮)位置を正確に検知することを特徴とするサスペンション位置検知装置がある(特許文献1)。
【0004】
二つのカムを使用してシートの位置を維持する従前のシートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置がある。この従前の装置が、図1ないし図4に示されている。
【0005】
図1は、従前のエアサスペンション装置の側面図、図2図1のエアサスペンション装置の底面図(位置維持機構は、エアサスペンション装置の裏側に設けられる)、図3図1のエアサスペンション装置を底面からみた斜視図である。図4図1のエアサスペンション装置に設けられる位置維持機構の拡大図である。
【0006】
エアサスペンション装置1は、車両の床面又は床面上のスライドレールに設置されるロアフレーム12と、ロアフレーム12の上部に配置され、車両の車両シート(図示せず)の下部に設けられるアッパーフレーム13を有する。
【0007】
図2、3に示されているように、ロアフレーム12は、左右に一対のロアフレーム12a、12bとそれらの先端同士、後端同士を連結する連結フレーム12c、12dとから構成されている。同様に、アッパーフレーム13も、左右に一対のフレーム13a、13bとそれらの先端同士、後端同士を連結する連結フレーム13c、13dとから構成されている。
【0008】
ロアフレーム12とアッパーフレーム13との間の左右側面にそれぞれ配置され、ロアフレーム12とアッパーフレーム13とに接続してアッパーフレーム13を上下移動可能に支持してなる、X字形状に交差する一対のXリンク15a、15bとを備えている。
【0009】
ロアフレームの12a、12bは、左右の側面側が断面U字形状の部材で、前記断面U字形状の部材の開口部がエアサスペンション装置1の内側に向けられている。
【0010】
アッパーフレーム13a、13bは、左右の側面側が断面U字形状の部材で、前記断面U字形状の部材の開口部がエアサスペンション装置1の内側に向けられている。
【0011】
Xリンク15a、15bは、ロアフレーム12とアッパーフレーム13との間でそれぞれエアサスペンション装置11の左右側面側に配置されており、Xリンク15aは、外側リンク部材16aと内側リンク部材16bとが略中間の位置においてX字形状に交差する形状で、Xリンク15bも同様に外側リンク部材16cと内側リンク部材16dとが略中間の位置においてX字形状に交差する形状となる。
【0012】
アッパーフレーム13の高さ位置の上下変動に伴い、アッパーフレーム13を支持部材であるXリンク15a、15bをそれぞれ構成する2本のリンク部材(16a、16b)、(16c、16d)の一方が時計回り、他方が反時計回りの回動を行うことで交差角度が変動する。
【0013】
ロアフレーム12とアッパーフレーム13との間には、エアの給気と排気とによる圧力調整によりアッパーフレーム13を上下移動させるエアスプリング18がロアフレーム12(12a、12b)に設置されるエアスプリング下部受け部材19a上に配置されている。エアスプリング18の上部には、アッパーフレーム13(13a、13b)に架設されるエアスプリング上部受け部材(図示せず)が取り付けられており、エアスプリング18の圧力変動によりアッパーフレーム13を上下移動させる。
【0014】
また、Xリンク15aの内側リンク部材16bの後端、及びXリンク15bの内側リンク部材16dの後端は軸体21aに連結され、軸体21aの各端部は、各後端を貫通して、ロアフレーム12(12a、12b)に軸支されている。
【0015】
同様に、Xリンク15aの外側リンク部材16aの後端、及びXリンク15bの外側リンク部材16cの後端は、それぞれアッパーフレーム13に軸支される軸体21bに連結され、軸体21bの各後端を貫通して、アッパーフレーム13に軸支されている。
【0016】
外側リンク部材16aの前端及び外側リンク部材16cの前端は軸体23aに固定されている。この軸体23aの両端部は、ロアフレーム12に前後移動可能に取り付けられている。
【0017】
内側リンク部材16bの前端及び内側リンク部材16dの前端は軸体(図示せず。図7の23bを参照)に固定されている。この軸体の各端部は、ロアフレーム12に前後移動可能に取り付けられている。
【0018】
ショックアブソーバ29により、Xリンク15a、15bの回動運動及びアッパーフレーム13の上下運動が減衰する(図2図3)。
【0019】
図2図3に示されているように、従前の位置維持機構40が、ロアフレーム12の底部に配置されている。
【0020】
位置維持機構40は、連結フレーム12cに水平に固定されたブラケット41を有する。ブラケット41には、エアスプリング18にエアを供給するための供給弁とそこからエアを排気する排気弁を有する給排気弁42が取り付けられている。
【0021】
給排気弁42に隣接して第一のカム43が回動自在に取り付けられている。カム43が回動すると、カム43の外側の面43bが給排気弁42から突き出た吸気弁を開閉させる突起および排気弁を開閉させる突起のいずれかを押圧し、エアスプリング18へのエアの供給またはそこからの排気が行われる。
【0022】
さらに、ブラケット41には、先端(ローラ)がカム43の内側の面43aに摺動可能に接することができる第二のカム44が回動自在に設けられている。このカム44のほぼ中央に矩形の窓44aを有する(図4)。
【0023】
ブラケット41には前後に伸張する開口41aが設けられ、軸体23aに外向き(底面図からみて上向き)に設けられたカムプレート24がその軸体に対して法線方向に突き出ている。このカムプレート24はさらに、カム44の窓44aからも突き出ている。
【0024】
アッパーフレーム13が上下動したとき、軸体23は回転しながら前記ロアフレームを移動し、軸体に取り付けられたカムプレートは開口41aにそって移動するが、窓44aからも突き出ているので、カム44を回動させる。
【0025】
回動するカム44の先端はカム43の内側の面43aに接しながら、カム43を回動させる。この回動により、カム43の外側の面43bは給排気弁42から突き出た吸気弁を開閉させる突起および排気弁を開閉させる突起のいずれかを押圧し、エアスプリング18へのエアの供給またはそこからの排気を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開平8-276777号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
従前のエアサスペンション装置では、一つの給排気弁を使用することができるが、二つの回動するカム43、44を必要とする。このことは装置の大型化に結び付く。
【0028】
また、軸体が回転しながら移動するために、カムプレート24は円弧上に軌跡を描く一方、カム44が回動するために、窓44aの側面を斜めに擦る。このために、カム44の耐久性が低下する。
【0029】
さらに、擦る距離を短くするには、カム44の回動中心と窓44aとの距離が長くせざるを得ないが、このことはカム44の先端とカム43の内側の面との接触距離が短くなり、給気弁と排気弁の稼働に必要なカム43の回動が難しくなる。
【0030】
本発明は、部品数を減らし、小型化を図ることができるシートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置を提供することを目的とする。
【0031】
さらに、本発明の目的は、シートの位置維持機構が一つの給排気弁を使用することができるエアサスペンション装置を提供することである。
【0032】
さらにまた、本発明の目的は、給排気弁を稼働する一つのカムを使用することができるエアサスペンション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上記目的を達成するために本発明が提供するのは、シートの位置維持機構を有するエアサスペンション装置であって、
車両の床面側に設置される一対のロアフレーム(12a、12b)と、
前記一対のロアフレームの先端同士を連結する第一連結フレーム(12c)と、
前記一対のロアフレームの後端同士を連結する第二連結フレーム(12d)と、
該ロアフレームの上部に配置され、前記車両の車両シートの下部に設けられる一対のアッパーフレーム(13a、13b)と、
前記一対のアッパーフレームの先端同士を連結する第三連結フレームと(13c)、
前記一対のアッパーフレームの後端同士を連結する第四連結フレームと(13d)、
前記ロアフレームと前記アッパーフレームとの間の左右側面にそれぞれ配置され、前記アッパーフレームを上下移動可能に支持してなる、一対のXリンク(15a、15b)と、
前記一対のロアフレームの後方側に配置される第一の軸体(21a)と、
前記一対のアッパーフレームの後方側に配置される第二の軸体(21b)と、
前記一対のロアフレームの前方側に配置される第三の軸体(23a)と、
前記一対のアッパーフレームの前方側に配置連結される第四の軸体(23b)と、
圧縮空気の供給源からの給気と、外部への排気とによる圧力変化により前記アッパーフレームを上下に移動させるエアスプリング(18)と、
前記アッパーフレームを予め設定された基準高さ位置に維持する基準高さ位置維持機構(50)と、
を備え、
前記一対のリンクの組になるリンクの下端部のうちの後方に位置する端部が前記第一の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの下端部のうちの前方に位置する端部が前記第三の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの上端部のうちの後方に位置する端部が前記第二の軸体に連結され、
前記一対のリンクの組になるリンクの上端部のうちの前方に位置する端部が前記第四の軸体に連結され、
前記いずれかの軸体に、該軸体から法線方向に伸張するようにカムプレート(24)が取り付けられ、
前記位置維持機構は、
前記カムプレートが取り付けられた軸体の近傍に位置する前記連結フレームに固定されるブラケット(51)と、
前記ブラケットに回動自在に取り付けられる、第一の面及び第二の面をもつカム(53)と、
前記カムプレートに連結され、前記カムの第一の面に摺動接触しながら前後方向に移動可能に、前記ブラケット上に取り付けられるスライダー(55)と、
前記ブラケット上に取り付けられ、前記エアスプリングに給気する給気弁及びそこから排気する排気弁を有し、前記カムが回動したとき、前記第二の面が、給気又は排気のために、前記排気弁及び前記給気弁のいずれかに接する吸排気弁(52)と、
を備える。
【0034】
前記アッパーフレームが上下動して前記軸体が回転したとき、前記軸体に取り付けられたカムプレート(24)は前記スライダーを前後方向に移動させ、移動する前記スライダーは、前記カムの第一の面(53e)を介して、前記カムを回動させ、回動するカムにより前記第二の面(53d)は、前記吸排気弁の前記排気弁及び前記給気弁のいずれかと接し、前記エアスプリングへのエアの給気又はそこからの排気により、前記アッパーフレームの位置が維持される。
【0035】
上記位置維持機構に代え、
前記カムプレートが取り付けられた軸体の近傍に位置する前記連結フレームに固定される、前後方向に伸びる直線状の端部を有する、ブラケット(61)と、
前記ブラケットの直線状の端部の近傍で、前記ブラケットに回動自在に取り付けられ、前記カムプレートと摺動接触する第一の面、及び第二の面をもつカム(63)と、
前記ブラケット上に取り付けられ、前記エアスプリングに給気する給気弁及びそこから排気する排気弁を有し、前記カムが回動したとき、前記第二の面が、給気又は排気のために、前記排気弁及び前記給気弁のいずれかに接する吸排気弁(62)と、
を備えた位置維持機構としてもよい。
【0036】
この位置維持機構を備えたエアスプリングにおいて、前記アッパーフレームが上下動して前記軸体が回転したとき、前記軸体に取り付けられたカムプレートは、前記ブラケットの前記直線状の端部にそって前後方向に移動して、前記カムの第一の面(63e)と摺動接触することで、前記カムを回動させ、回動するカムにより前記第二の面(63d)は、前記吸排気弁の前記排気弁及び前記給気弁のいずれかと接し、前記エアスプリングへのエアの給気又はそこからの排気により、前記アッパーフレームの位置が維持される。
【0037】
エアサスペンション装置の一対のリンクは、Xリンク、平行リンク、又はマルチリンクとすることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、エアサスペンション装置が取り付けられる、シートの位置を維持する位置維持機構が、給排気弁が一つとし、また給排気弁を稼働するカムも一つとして、部品数を減らし、小型化を図ることができる。
【0039】
位置維持機構が一体として構成することで、機構の軽量化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は従前の車両シート用のエアサスペンション装置の側面図である。
図2図2図1のエアサスペンション装置の底面図である。
図3図3図1のエアサスペンション装置を下方からみた斜視図である。
図4図4図1のエアサスペンション装置に備えられる位置維持機構の拡大図である。
図5図5は本発明の一つの実施例のシート用のエアサスペンション装置の側面図である。
図6図6図5のエアサスペンション装置の底面図である。
図7図7図5のエアサスペンション装置を下方からみた斜視図である。
図8図8図5のエアサスペンション装置に備えられる位置維持機構の拡大図である。
図9図9図5のエアサスペンション装置に備えられる位置維持機構の分解図である。
図10図10は本発明の他の実施例のシート用のエアサスペンション装置の側面図である。
図11図11図10のエアサスペンション装置の底面図である。
図12図12図10のエアサスペンション装置に備えられる位置維持機構の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の一実施例のエアサスペンション装置が図5ないし図7に示されている。この装置に組み込まれる位置維持機構の拡大図が図8に、その分解図が図9に示されている。
【0042】
位置維持機構以外のエアサスペンション装置の構成は、従前のエアサスペンション装置の構成と同様であるため、対応する部材については同じ名称、同じ符号が付されている。すなわち図5図1に、図6図2に、図7図3に対応する。
【0043】
したがって、本発明にかかる位置維持機構を除くエアサスペンション装置50の説明は、従前のエアサスペンション装置の構成の説明にそって行う。
【0044】
なお、上述した従来のエアサスペンション装置(図1ないし4)においてXリンクが利用されていることに対応して本発明のエアサスペンション装置でもXリンクが使用されているが、Xリンクに限定されず、平行リンクやマルチリンクも利用できることは言うまでもない。
【0045】
エアサスペンション装置50は、車両の床面又は床面上のスライドレールに設置されるロアフレーム12と、ロアフレーム12の上部に配置され、車両の車両シート(図示せず)の下部に設けられるアッパーフレーム13を有する。
【0046】
図6、7に示されているように、ロアフレーム12は、左右に一対のロアフレーム12a、12bとそれらの先端同士、後端同士を連結する連結フレーム12c、12dとから構成されている。同様に、アッパーフレーム13も、左右に一対のフレーム13a、13bとそれらの先端同士、後端同士を連結する連結フレーム13c、13dとから構成されている。
【0047】
ロアフレーム12とアッパーフレーム13との間の左右側面にそれぞれ配置され、ロアフレーム12とアッパーフレーム13とに接続してアッパーフレーム13を上下移動可能に支持してなる、X字形状に交差する一対のXリンク15a、15bとを備えている。
【0048】
ロアフレームの12a、12bは、左右の側面側が断面U字形状の部材で、該断面U字形状の部材の開口部がエアサスペンション装置2の内側に向けられている。
【0049】
アッパーフレーム13a、13bは、左右の側面側が断面U字形状の部材で、該断面U字形状の部材の開口部がエアサスペンション装置11の内側に向けられている。
【0050】
Xリンク15a、15bは、ロアフレーム12とアッパーフレーム13との間でそれぞれエアサスペンション装置2の左右側面側に配置されており、Xリンク15aは、外側リンク部材16aと内側リンク部材16bとが略中間の位置においてX字形状に交差する形状で、Xリンク15bも同様に外側リンク部材16cと内側リンク部材16dとが略中間の位置においてX字形状に交差する形状となる。
【0051】
アッパーフレーム13の高さ位置の上下変動に伴い、アッパーフレーム13を支持部材であるXリンク15a、15bをそれぞれ構成する2本のリンク部材(16a、16b)、(16c、16d)の一方が時計回り、他方が反時計回りの回動を行うことで交差角度が変動する。
【0052】
ロアフレーム12とアッパーフレーム13との間には、空気の給気と排気とによる圧力調整によりアッパーフレーム13を上下移動させるエアスプリング18がロア―フレーム12(12a、12b)に設置されるエアスプリング下部受け部材19a上に配置されている。エアスプリング18の上部には、アッパーフレーム13(13a、13b)に架設されるエアスプリング上部受け部材(図示せず)が取り付けられており、エアスプリング18の圧力変動によりアッパーフレーム13を上下移動させる。
【0053】
また、Xリンク15aの内側リンク部材16bの後端、及びXリンク15bの内側リンク部材16dの後端は軸体21aに連結され、軸体21aの各端部は、各後端を貫通して、ロアフレーム12(12a、12b)に軸支されている。
【0054】
同様に、Xリンク15aの外側リンク部材16aの後端、及びXリンク15bの外側リンク部材16cの後端は、それぞれアッパーフレーム13に軸支される軸体21bに連結され、軸体21bの各後端を貫通して、アッパーフレーム13に軸支されている。
【0055】
外側リンク部材16aの前端及び外側リンク部材16cの前端は軸体23aに固定されている。この軸体23aの両端部は、ロアフレーム12に前後移動可能に取り付けられている。
【0056】
内側リンク部材16bの前端及び内側リンク部材16dの前端は軸体23bに固定されている。この軸体23bの各端部は、ロアフレーム12に前後移動可能に取り付けられている。
【0057】
エアスプリング下部受け部材19aに固定されたブラケットと、軸体23bに固定されたブラケットとの間にそれぞれボルトとナットで締結されたショックアブソーバ29がアッパーフレームの上下動に連動して伸長、圧縮して、Xリンク15a、15bの回動運動及びアッパーフレーム13の上下運動を減衰する(図6図7)。
【0058】
図6図7に示されているように、本発明の位置維持機構50が、ロアフレーム12の底部に配置されている。
【0059】
位置維持機構50は、連結フレーム12cに水平に固定されたブラケット51を有する。ブラケット51には、エアスプリング18にエアを供給するための給気弁とそこからエアを排気する排気弁を有する給排気弁52が、ボルト52aにより取り付けられている。
【0060】
図9によく示されているとおり、給排気弁52に隣接して、好適に樹脂製のカム53が、ブラケット51に溶接された段付きスタッドボルト53aと、ワッシャ53bとナット53cにより、回動自在に取り付けられている。
【0061】
カム53が回動すると、カム53の外側の面53dが給排気弁52から突き出た給気弁を開閉させる突起および排気弁を開閉させる突起のいずれかを押圧し、エアスプリング18へのエアの供給またはそこからの排気が行われる。
【0062】
ブラケット51には前後に伸張する開口51aが設けられ、軸体23aにその法線方向(底面図からみて上向き)に設けられたカムプレート24が突き出ている。
【0063】
アッパーフレーム13が上下動したとき、軸体23は回転しながら前記ロアフレームにそって移動し、軸体に取り付けられたカムプレート24は開口51aにそって移動することになる。
【0064】
開口51aに近接してカムプレート24と平行に、カム53と向かいあうようにスライダーベース54がボルト54aによりブラケット51に取り付けられている。このスライダーベース54に、好適には樹脂製のスライダー55が前後移動可能取り付けられている。
【0065】
スライダー55には好適に樹脂製にローラ55aが取り付けられ、カム53の内側の(凹状)面53eと円滑に接触できる。さらに、突起55b(図9)が、カムプレート24の先端の設けられた穴24aから突き出るよう伸長している。
【0066】
アッパーフレーム13の上下動に伴って軸体23aは、ロアフレーム12を回転しながら前後に移動するが、この回転移動するカムプレート24の先端は、緩やかな円弧を描きながら開口51a内を前後移動する。穴24aを縦に長い長穴とすることで、カムプレート24の前後移動とともに、スライダー55はスライダーベース54にそって滑らかに前後に移動できる。
【0067】
次に、上記位置維持機構50により、シート(図示せず)が取り付けられるアッパーフレーム13の位置が所定の位置に維持されることを説明する。
【0068】
アッパーフレーム13が所定の位置にあるとき、カム53の外側の(凸状)面53dは、給排気弁52から突き出た吸気弁を開閉させる突起および排気弁を開閉させる突起のいずれとも接触しない。そのため、エアスプリング18へのエアの供給もそこからの排気もなく、したがって、アッパーフレーム13はその位置に留まる。
【0069】
シートに搭乗者が座ると、アッパーフレーム13は下降し(ショックアブソーバ29が急激な下降を緩和する)、Xリンク15a、15bが回動する。それに伴って軸体23aが回転しながら、ロアフレーム12にそって前方に移動し、カムプレート24も、開口51aにそって前方に移動する。
【0070】
カムプレート24に取り付けられているスライダー55が、スライダーベース54にそって前方に移動し、スライダー55のローラ55aも、カム53の内側の面53eにそって移動し、カム53を回動させる(図において反時計回り)。
【0071】
カム53が回動すると、カム53の外側の面53dが、給排気弁52の給気弁を開閉する突起を押して開き、空気源からのエアがエアスプリング18に供給され、アッパーフレーム13が上昇に転じる。
【0072】
アッパーフレーム13が上昇すると、軸体23aが後方に移動し、スライダー55が後方に移動し、外側の面53dが給排気弁のいずれの突起と接しなくなるまで、カム53を回動させる(図では時計回り)。このとき、アッパーフレーム13が所定の位置に位置する。
【0073】
搭乗者が下りたときなどで、アッパーフレーム13が所定の位置以上に上昇したとき(ショックアブソーバ29が急激な上昇を緩和する)、Xリンクが回動して、軸体23aはロアフレーム12に沿って後方に移動し、スライダー55も後方に移動する。
【0074】
スライダー55のローラ55aがカム53の内側の面53eと接し、カム53を回動させる(時計回り)。カム53の外側の面53dは、給排気弁52の排気弁を開閉する突起を押圧し、エアスプリング18からのエアを排気する。エアスプリング18は収縮し、アッパーフレーム13は下降する。
【0075】
アッパーフレーム13が下降すると、軸体23aが前方に移動し、スライダー55が前方に移動し、外側の面53dが給排気弁のいずれの突起と接しなくなるまで、カム53を回動させる(図では反時計回り)。このとき、アッパーフレーム13が所定の位置に位置する。
【0076】
位置維持機構が上記の動作を行うことで、アッパーフレーム13は搭乗者の体重や、乗降などにより位置が変化しても、所定の位置に維持される。
【0077】
この実施例では、カムは一つであり、一つの給排気弁の使用が可能となり、部品数が減るとともに、位置維持機構が一体化させることができる。
【0078】
上述した実施例では、ブラケット51が連結フレーム12cに取り付けられているが、他の連結フレームに取り付けることができる。他の連結フレームにブラケットを取り付けるときは、カムアーム24は、その連結フレームの近傍にある軸体に設けられる。
【0079】
また、スライダーやエアスプリングがブラケット51の下面(床面側に向いた面)に設けられているが、これに限らず、反対側の面に設けることもできる。この場合、開口51aは不要となる。
【0080】
さらに、開口51aが、カムアーム24から突き出ることができるように設けられているが、開口に限定されない。ブラケット51に設けられた直線状の縁にそって、カムプレート24が前後方向に移動可能となるように構成してもよい。
【0081】
本エアサスペンション装置に取り付けられた位置維持機構の他の実施例が、図10図11に示され、分解図が12に示されている。
【0082】
位置維持機構が備えられエアサスペンション装置の構成は、上記実施例と同じ構成をもつことから、部材の名称、符号は同一のものが使用されている。また、構成は説明の簡単化のため、概要の説明としている。
【0083】
図10は、他の実施例の位置維持機構60が取り付けられたエアサスペンション装置3の側面図であり、Xリンクによりアッパーフレーム13が昇降する。
【0084】
エアスプリング18の膨張・収縮によりアッパーフレーム13が昇降する。ショックアブソーバ29により、アッパーフレーム13の急激な昇降が緩和される。
【0085】
この実施例の位置維持機構60の構成は、図12の分解図によく示されている。略L字のブラケット61が連結フレーム12cに水平に固定され、その上に、エアスプリング18にエアを供給するための供給弁とそこからエアを排気する排気弁を有する給排気弁62が取り付けられている。給排気弁62に隣接して第一のカム63が回動自在に取り付けられている。カム63が回動すると、カム63の外側の(凸状)面63dが給排気弁62から突き出た吸気弁を開閉させる突起および排気弁を開閉させる突起のいずれかを押圧し、エアスプリング18へのエアの供給またはそこからの排気が行われる。
【0086】
給排気弁62に隣接して、好適に樹脂製のカム63が、ブラケット61に溶接された段付きスタッドボルト63aと、ワッシャ63bとナット63cにより、回動自在に取り付けられている。
【0087】
カム63が回動すると、カム63の外側の面63dが給排気弁62から突き出た給気弁を開閉させる突起および排気弁を開閉させる突起のいずれかを押圧し、エアスプリング18へのエアの供給またはそこからのエアの排気が行われる。
【0088】
ブラケット61は、前後方向にそって縁Eを有する。この縁Eにそって、軸体23aに外向き(底面図からみて上向き)に設けられたカムプレート24が、軸体23aの回転移動にそって前後に移動可能になっているが、カムプレート24の先端に好適に樹脂製のキャップ24aが嵌め込まれ、キャップ24aはカム63の内側の(凸状)面63dと円滑に接触する。
【0089】
上記位置維持機構60により、シート(図示せず)が取り付けられるアッパーフレーム13の位置が所定の位置に維持されることを説明する。
【0090】
アッパーフレーム13が所定の位置にあるとき、カム63の外側に面63dは、給排気弁62から突き出た吸気弁を開閉させる突起および排気弁を開閉させる突起のいずれとも接触しない。そのため、エアスプリング18へのエアの供給もそこからの排気もなく、したがって、アッパーフレーム13はその位置に留まっている。
【0091】
シートに搭乗者が座ると、アッパーフレーム13は下降し(ショックアブソーバ29が急激な下降を緩和する)、Xリンク15a、15bが回動する。それに伴って軸体23aが回転しながら、ロアフレーム12にそって前方に移動し、カムプレート24も、縁Eにそって前方に移動する。
【0092】
カムプレート24に取り付けられているキャップ24aは、カム63の内側の面63eにそって移動し、カム63を回動させる(図において反時計回り)。
【0093】
カム63が回動すると、カム63の外側の面63dが、給排気弁62の給気弁を開閉する突起を押して開き、空気源からのエアがエアスプリング18に供給され、アッパーフレーム13が上昇に転じる。
【0094】
アッパーフレーム13が上昇すると、軸体23aが後方に移動し、カムプレート24は後方に移動し、キャップ24aが外側の面53dが給排気弁のいずれの突起と接しなくなるまで、カム63を回動させる(図では時計回り)。このとき、アッパーフレーム13が所定の位置に位置する。
【0095】
搭乗者が下りたときなどで、アッパーフレーム13が所定の位置以上に上昇したとき(ショックアブソーバ29が急激な上昇を緩和する)、Xリンクが回動して、軸体23aはロアフレーム12に沿って後方に移動し、カムプレート24も後方に移動する。
【0096】
カムプレート24のキャップ24aがカム63の内側の面63eと接し、カム63を回動させる(時計回り)。カム63の外側の面63dは、給排気弁62の排気弁を開閉する突起を押圧し、エアスプリング18からのエアを排気する。エアスプリング18は収縮し、アッパーフレーム13は下降する。
【0097】
アッパーフレーム13が下降すると、軸体23aが前方に移動し、カムプレート24が前方に移動し、外側の面63dが給排気弁のいずれの突起と接しなくなるまで、カム63を回動させる(図では反時計回り)。このとき、アッパーフレーム13が所定の位置に位置する。
【0098】
この実施例の位置維持機構もまた上記の動作を行うことで、アッパーフレーム13は搭乗者の体重や、乗降などにより位置が変化しても、所定の位置に維持される。
【0099】
この実施例では、スライダーベースやスライダーといった部品をなくし、より構造の単純化・小型化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明にかかるエアサスペンション装置は、搭乗者の体型等に応じて設定した基準高さ位置にシートの位置を維持することが必要なシート座席に利用することができる。
【符号の説明】
【0101】
11 車両シート用のエアサスペンション装置
12 ロアフレーム
13 アッパーフレーム
15a、15b Xリンク
16a、16c 外側リンク部材
16b、16d 外側リンク部材
18 エアスプリング
21a、21b 軸体
23a、23b 軸体
24 カムプレート
50 位置維持機構
51 ブラケット
51a 開口
52 給排気弁
53 カム
54 スライダーベース
55 スライダー
55a ローラ
60 他の実施例の位置維持機構
61 ブラケット
E 縁
62 給排気弁
63 カム
24a キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12