(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025859
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】マイク状態表示方法及びマイク状態表示装置
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
H04R3/00 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129182
(22)【出願日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大泉 好史
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220BA02
5D220BC08
(57)【要約】
【課題】 マイクロホンがミュートオンの状態になっているため通話相手に聞こえないと話者が勘違いすることを防止出来るマイク状態表示方法を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係るマイク状態表示方法は、複数のマイクロホンそれぞれについてミュートオン又はミュートオフの操作を受け付け、ミュートオフの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第1状態として表示器に表示し、ミュートオンの操作を受け付けたとき、複数のマイクロホンの内の少なくとも1つのマイクロホンがミュートオフの状態である場合、ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第2状態として表示器に表示し、ミュートオンの操作を受け付けたとき、複数のマイクロホンの全てがミュートオンの状態である場合、ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第3状態として表示器に表示する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロホンそれぞれについてミュートオン又はミュートオフの操作を受け付け、
前記ミュートオフの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第1状態として表示器に表示し、
前記ミュートオンの操作を受け付けたとき、前記複数のマイクロホンの内の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態である場合、前記ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第2状態として前記表示器に表示し、
前記ミュートオンの操作を受け付けたとき、前記複数のマイクロホンの全てがミュートオンの状態である場合、前記ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第3状態として前記表示器に表示する、
マイク状態表示方法。
【請求項2】
前記ミュートオンの状態のマイクロホンが取得した第1音信号と前記ミュートオフの状態のマイクロホンが取得した第2音信号とを比較し、
前記第1音信号に含まれている音源の音が前記第2音信号に含まれていない場合に、前記複数のマイクロホンの内の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態である場合でも、前記ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を前記第3状態として前記表示器に表示する、
請求項1に記載のマイク状態表示方法。
【請求項3】
前記比較は、前記第1音信号と前記第2音信号との相互相関に基づいて行う、
請求項2に記載のマイク状態表示方法。
【請求項4】
前記第1状態として表示している第1マイクロホンで前記ミュートオンの操作を受け付けたとき、
前記複数のマイクロホンの内の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態である場合、前記第1マイクロホンの表示を前記第1状態から前記第2状態に遷移させ、
前記複数のマイクロホンの全てが前記ミュートオンの状態である場合、前記第1マイクロホンの表示を前記第1状態から前記第3状態に遷移させる、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイク状態表示方法。
【請求項5】
前記第2状態として表示している第2マイクロホンで前記ミュートオフの操作を受け付けたとき、前記第2マイクロホンの表示を前記第2状態から前記第1状態に遷移させ、
前記複数のマイクロホンの全てが前記ミュートオンの状態となった場合、前記第2マイクロホンの表示を前記第2状態から前記第3状態に遷移させる、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイク状態表示方法。
【請求項6】
前記第3状態として表示している第3マイクロホンで前記ミュートオフの操作を受け付けたとき、前記第3マイクロホンの表示を前記第3状態から前記第1状態に遷移させ、
前記複数のマイクロホンの内、前記第3マイクロホン以外の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態となった場合、前記第3マイクロホンの表示を前記第3状態から前記第2状態に遷移させる、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイク状態表示方法。
【請求項7】
前記複数のマイクロホンそれぞれが、前記表示器を備えている、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイク状態表示方法。
【請求項8】
前記表示器は、LEDを含み、
前記第1状態、前記第2状態及び前記第3状態のそれぞれについて、前記LEDを異なる色又は異なる点滅速度で表示する、
請求項7に記載のマイク状態表示方法。
【請求項9】
前記複数のマイクロホンに接続される第1情報処理装置又は前記第1情報処理装置に接続されている第2情報処理装置が、前記表示器を備えている、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のマイク状態表示方法。
【請求項10】
複数のマイクロホンに接続されるマイク状態表示装置であって、
ミュートオフの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第1状態として表示器に表示する処理と、
ミュートオンの操作を受け付けたとき、前記複数のマイクロホンの内の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態である場合、前記ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第2状態として前記表示器に表示する処理と、
前記ミュートオンの操作を受け付けたとき、前記複数のマイクロホンの全てがミュートオンの状態である場合、前記ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第3状態として前記表示器に表示する処理と、
を行うプロセッサを備えている、
マイク状態表示装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記ミュートオンの状態のマイクロホンが取得した第1音信号と前記ミュートオフの状態のマイクロホンが取得した第2音信号とを比較し、
前記第1音信号に含まれている音源の音が前記第2音信号に含まれていない場合に、前記複数のマイクロホンの内の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態である場合でも、前記ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を前記第3状態として前記表示器に表示する、
請求項10に記載のマイク状態表示装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記第1音信号と前記第2音信号との相互相関に基づいて前記比較を行う、
請求項11に記載のマイク状態表示装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記第1状態として表示している第1マイクロホンで前記ミュートオンの操作を受け付けたとき、
前記複数のマイクロホンの内の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態である場合、前記第1マイクロホンの表示を前記第1状態から前記第2状態に遷移させ、
前記複数のマイクロホンの全てが前記ミュートオンの状態である場合、前記第1マイクロホンの表示を前記第1状態から前記第3状態に遷移させる、
請求項10から請求項12のいずれかに記載のマイク状態表示装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記第2状態として表示している第2マイクロホンで前記ミュートオフの操作を受け付けたとき、前記第2マイクロホンの表示を前記第2状態から前記第1状態に遷移させ、
前記複数のマイクロホンの全てが前記ミュートオンの状態となった場合、前記第2マイクロホンの表示を前記第2状態から前記第3状態に遷移させる、
請求項10から請求項12のいずれかに記載のマイク状態表示装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記第3状態として表示している第3マイクロホンで前記ミュートオフの操作を受け付けたとき、前記第3マイクロホンの表示を前記第3状態から前記第1状態に遷移させ、
前記複数のマイクロホンの内、前記第3マイクロホン以外の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態となった場合、前記第3マイクロホンの表示を前記第3状態から前記第2状態に遷移させる、
請求項10から請求項12のいずれかに記載のマイク状態表示装置。
【請求項16】
前記複数のマイクロホンそれぞれが、前記表示器を備えている、
請求項10から請求項12のいずれかに記載のマイク状態表示装置。
【請求項17】
前記表示器は、LEDを含み、
前記プロセッサは、前記第1状態、前記第2状態及び前記第3状態のそれぞれについて、前記LEDを異なる色又は異なる点滅速度で表示させる、
請求項16に記載のマイク状態表示装置。
【請求項18】
前記マイク状態表示装置又は前記マイク状態表示装置に接続されている情報処理装置が、前記表示器を備えている、
請求項10から請求項12のいずれかに記載のマイク状態表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明に係る一実施形態は、マイクロホンのミュートオン又はミュートオフの状態を表示するマイク状態表示方法及びマイク状態表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のマイクロホンが接続されているラップトップPCが記載されている。ラップトップPCは、CPUを備えている。ラップトップPCは、複数のマイクロホンそれぞれに対応するデバイスIDを登録している制御テーブルを記憶している。CPUは、制御テーブルに登録されているデバイスIDに対応するマイクロホンを、単一の操作で同一のミュート状態にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のマイクロホンを備えているマイクシステムにおいて、ある話者(以下、話者Aと称す)は、自身のマイクロホンをミュートオンしたとき、自身の声が通話相手に届いていないと思い込み、通話相手に聞かれたくない会話を行う場合がある。このとき、話者Aと同じ空間にある別のマイクロホンがミュートオフされている可能性がある。この場合、別のマイクロホンが、話者Aの会話を収音する。結果、別のマイクロホンによって、話者Aの会話が、通話相手に聞こえる虞がある。
【0005】
本発明の一実施形態は、マイクロホンがミュートオンの状態になっているため通話相手に聞こえないと話者が勘違いすることを防止出来るマイク状態表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るマイク状態表示方法は、
複数のマイクロホンそれぞれについてミュートオン又はミュートオフの操作を受け付け、
前記ミュートオフの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第1状態として表示器に表示し、
前記ミュートオンの操作を受け付けたとき、前記複数のマイクロホンの内の少なくとも1つのマイクロホンが前記ミュートオフの状態である場合、前記ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第2状態として前記表示器に表示し、
前記ミュートオンの操作を受け付けたとき、前記複数のマイクロホンの全てがミュートオンの状態である場合、前記ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第3状態として前記表示器に表示する。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態に係るマイク状態表示方法によれば、マイクロホンがミュートオンの状態になっているため通話相手に聞こえないと話者が勘違いすることを防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、管理装置10と、マイクロホン20,21,22と、PC30と、の接続の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、管理装置10の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、マイクロホン20の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、少なくとも1つのマイクロホンでミュートオンの操作を受け付けたときの、プロセッサ105の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、少なくとも1つのマイクロホンでミュートオフの操作を受け付けたときの、プロセッサ105の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、マイクロホン20の状態遷移を示す図である。
【
図7】
図7は、変形例1に係る管理装置10aの備えるプロセッサ105aの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例2に係る管理装置10bの構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、変形例3に係る管理装置10cの処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、LCD300に表示されたメニュー画面MN1の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、管理装置10dが撮影用カメラから取得した画像CA1の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、管理装置10dが生成した画像CA2の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るマイク状態表示方法を実行する管理装置10について図を参照して説明する。
図1は、管理装置10と、マイクロホン20,21,22と、PC30と、の接続の一例を示すブロック図である。
図2は、管理装置10の構成を示すブロック図である。
【0010】
管理装置10は、例えば、遠隔会話に用いられる。
図1に示すように、管理装置10は、複数のマイクロホン20,21,22を接続している。複数のマイクロホン20,21,22のそれぞれは、話者U20,U21,U22の音声に係る音信号を取得し、管理装置10へ送信する。管理装置10は、取得した音信号に種々の信号処理を行い、PC30へ送信する。PC30は、受信した音信号を遠端側のPC等の情報処理装置(図示せず)に通信回線を介して送信する。また、PC30は、遠端側のPC等の情報処理装置から通信回線を介して音信号を受信する。PC30は、遠端側の当該情報処理装置から受信した音信号を管理装置10へ送信する。管理装置10は、スピーカ(図示せず)を接続している。当該スピーカは、管理装置10を介してPC30から受信した音信号に基づいて遠端側の話者の音声を出力する。これにより、話者U20,U21,U22は、遠端側の話者と会話を行うことが出来る。管理装置10は、マイク状態表示装置の一例である。管理装置10は、複数のマイクロホン20,21,22に接続される第1情報処理装置の一例である。
【0011】
なお、PC30は、インターネット又はLAN(Local Area Network)等の通信回線を介して、遠端側のPC等の情報処理装置と通信を行う。PC30は、無線又は有線によって遠端側のPC等の情報処理装置と通信を行う。
【0012】
なお、
図1に示す例では、管理装置10に3個のマイクロホン20,21,22が接続されているが、管理装置10に接続されるマイクロホンの数は、必ずしも3個でなくてよい。管理装置10には、2個のマイクロホンが接続されていてもよいし、4個以上のマイクロホンが接続されていてもよい。
【0013】
なお、必ずしも、管理装置10が、スピーカを接続していなくてもよい。例えば、PC30が、スピーカ(図示せず)を接続してもよい。この場合、PC30に接続されているスピーカが、遠端側のPC等の情報処理装置から受信した音信号に基づいて出力を行う。
【0014】
管理装置10は、
図2に示すように、第1通信インタフェース100と、第2通信インタフェース101と、ユーザインタフェース102と、フラッシュメモリ103と、RAM(Random Access Memory)104と、プロセッサ105と、を備えている。プロセッサ105は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。
【0015】
第1通信インタフェース100は、LANケーブル等の信号線を介して、マイクロホン20,21,22と通信を行う。第1通信インタフェース100は、マイクロホン20,21,22のそれぞれから話者U20,U21,U22の音声に係る音信号を受信する。
【0016】
第2通信インタフェース101は、USB(Universal Serial Bus)等の規格に基づくインタフェースである。第2通信インタフェース101は、信号線を介して、PC30と通信を行う。プロセッサ105は、マイクロホン20,21,22から取得した音信号をミキシングし、ミキシングした音信号をPC30へ送信する。
【0017】
なお、管理装置10は、必ずしも、有線によってマイクロホン20,21,22と通信を行わなくてもよい。管理装置10は、Bluetooth(登録商標)等の規格に基づいて無線によってマイクロホン20,21,22と通信を行ってもよい。
【0018】
ユーザインタフェース102は、管理装置10の使用者から、管理装置10に対する操作を受け付ける。ユーザインタフェース102は、管理装置10の音量調節用のボタン等である。
【0019】
フラッシュメモリ103は、種々のプログラムを記憶する。種々のプログラムとは、例えば、管理装置10を動作させるプログラム、又は、該マイク状態表示方法に係る処理を実行するためのプログラム等である。また、フラッシュメモリ103は、管理装置10に接続されているマイクロホン20,21,22のそれぞれがミュートオフの状態かミュートオンの状態かを示すデータ(以下、状態データと称す)を記憶している。例えば、フラッシュメモリ103は、「マイクロホン20:ミュートオフ、マイクロホン21:ミュートオン、マイクロホン22:ミュートオフ」という状態データを記憶している。
【0020】
なお、フラッシュメモリ103が、必ずしも、種々のプログラムを記憶しなくてよい。種々のプログラムは、例えば、サーバ等の他装置に記憶されていてもよい。この場合、管理装置10は、サーバ等の他装置から種々のプログラムを受信する。
【0021】
プロセッサ105は、フラッシュメモリ103に記憶されたプログラムをRAM104に読み出すことによって各種の動作を実行する。プロセッサ105は、例えば、管理装置10とマイクロホン20,21,22との通信に係る処理、又は、管理装置10とPC30との通信に係る処理を行う。
【0022】
以下、マイクロホン20,21,22の構成について図を参照しながら説明する。
図3は、マイクロホン20の構成を示すブロック図である。マイクロホン21,22の構成は、マイクロホン20と同じである。以下、マイクロホン20の構成を例に説明し、マイクロホン21,22の構成についての説明を省略する。
【0023】
マイクロホン20は、
図3に示すように、マイクロホンユニット200、ユーザインタフェース201、通信インタフェース202、フラッシュメモリ203、RAM204、プロセッサ205及び表示器206を備えている。プロセッサ205は、例えば、CPUである。表示器206は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。
【0024】
マイクロホンユニット200は、音を電気信号である音信号に変換する。
図1に示す例では、マイクロホンユニット200は、話者U20の音声を取得し、取得した話者U20の音声を音信号に変換する。マイクロホンユニット200は、変換によって得られた音信号を通信インタフェース202へ出力する。
【0025】
ユーザインタフェース201は、マイクロホン20のミュートオン又はミュートオフの操作を、話者U20から受け付ける。ユーザインタフェース201は、例えば、切換ボタンである。話者U20は、切換ボタンを操作することによって、マイクロホン20のミュートオン又はミュートオフを切り替える。
【0026】
通信インタフェース202は、LANケーブル等の信号線を介して、管理装置10と通信を行う。通信インタフェース202は、マイクロホンユニット200で取得した音信号を管理装置10へ送信する。通信インタフェース202は、ユーザインタフェース201でミュートオンの操作を受け付けた場合、音信号を管理装置10へ送信しない。通信インタフェース202は、ユーザインタフェース201でミュートオフの操作を受け付けた場合、音信号を管理装置10へ送信する。
【0027】
なお、管理装置10が、ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホン20,21,22から受信した音信号をPC30へ出力しないことによってミュートオンの機能を実現してもよい。
【0028】
フラッシュメモリ203は、種々のプログラムを記憶する。種々のプログラムとは、マイクロホン20を動作させるプログラム等である。マイクロホン20を動作させるプログラムとは、管理装置10とマイクロホン20との通信に係るプログラム、又は、表示器206の表示に係るプログラム等である。
【0029】
プロセッサ205は、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムをRAM204に読み出すことによって各種の動作を実行する。
【0030】
本実施形態において、表示器206は、例えば、緑色LED、橙色LED及び赤色LEDの3つのLEDによって構成される。表示器206は、プロセッサ205の制御に基づいて、緑色LED、橙色LED又は赤色LEDを点灯させる。具体的には、プロセッサ205は、緑色LED、橙色LED又は赤色LEDのいずれかを点灯又は消灯させる命令をプロセッサ105から受信する。プロセッサ205は、プロセッサ105から受信した命令に基づいて緑色LED、橙色LED又は赤色LEDの点灯又は消灯を制御する。
【0031】
プロセッサ105は、マイクロホン20,21,22からミュートオン又はミュートオフの操作を受け付けたときに、マイクロホン20,21,22の表示器206の表示を変化させる処理(以下、処理Pと称す)を実行する。以下、処理Pについて図を参照しながら詳細に説明する。
図4は、少なくとも1つのマイクロホンでミュートオンの操作を受け付けたときの、プロセッサ105の処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、少なくとも1つのマイクロホンでミュートオフの操作を受け付けたときの、プロセッサ105の処理の一例を示すフローチャートである。
【0032】
プロセッサ105は、例えば、管理装置10の電源をオンしたときに、処理Pを開始する(
図4又は
図5:START)。
【0033】
処理Pの開始後(
図4:START)、プロセッサ105は、マイクロホン20,21,22の内の少なくとも1つのマイクロホンでミュートオンの操作を受け付けたか否かを判定する(
図4:ステップS11)。例えば、マイクロホン20のユーザインタフェース201が、ミュートオンに切り替える操作を話者U20から受け付ける。このとき、マイクロホン20のプロセッサ205は、マイクロホン20でミュートオンの操作を受け付けたことを示す信号をプロセッサ105へ送信する。プロセッサ105は、当該信号を受信したときに、マイクロホン20でミュートオンの操作を受け付けたと判定する。このとき、プロセッサ105は、例えば、状態データにおけるマイクロホン20に係る情報を「マイクロホン20:ミュートオン」と更新する。
【0034】
ステップS11において、プロセッサ105は、マイクロホン20,21,22の内の少なくとも1つのマイクロホンでミュートオンの操作を受け付けたと判定した場合(
図4:ステップS11 Yes)、マイクロホン20,21,22の全てがミュートオンの状態か否かを判定する(
図4:ステップS12)。プロセッサ105は、フラッシュメモリ103に記憶されている状態データを参照することによってマイクロホン20,21,22の全てがミュートオンの状態か又はミュートオフの状態かを判定する。
【0035】
プロセッサ105は、マイクロホン20,21,22の全てがミュートオンの状態であると判定した場合(
図4:ステップS12 Yes)、マイクロホン20,21,22の全ての状態を第3状態として表示器206に表示させる命令を出力する(
図4:ステップS13)。
【0036】
例えば、
図1において、マイクロホン20がミュートオフであるとき、且つ、マイクロホン21,22がミュートオンであるとき、マイクロホン20がミュートオンの操作を受け付ける。この場合、マイクロホン20,21,22の全てが、ミュートオンの状態となる。プロセッサ105は、マイクロホン20の状態を第3状態として表示する命令をマイクロホン20へ出力する。本実施形態において、プロセッサ105は、第3状態としてマイクロホン20の赤色LEDを点灯させる命令を出力する。マイクロホン20のプロセッサ205は、当該命令に基づいて赤色LEDを点灯させる。同様にして、プロセッサ105は、マイクロホン21,22の状態を第3状態として表示する命令をマイクロホン21,22それぞれへ出力する。マイクロホン21,22のプロセッサ205は、当該命令に基づいて赤色LEDを点灯させる。
【0037】
ステップS12において、プロセッサ105は、少なくとも1つのマイクロホンがミュートオフの状態であると判定した場合(
図4:ステップS12 No)、ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第2状態として表示器206に表示させる命令を出力する(
図4:ステップS14)。
【0038】
例えば、
図1において、マイクロホン20,21がミュートオフであるとき、且つ、マイクロホン22がミュートオンであるとき、マイクロホン20がミュートオンの操作を受け付ける。この場合、マイクロホン21はミュートオフの状態である。従って、プロセッサ105は、マイクロホン20の状態を第2状態として表示する命令をマイクロホン20へ出力する。本実施形態において、プロセッサ105は、第2状態としてマイクロホン20の橙色LEDを点灯させる命令を出力する。マイクロホン20のプロセッサ205は、当該命令に基づいて橙色LEDを点灯させる。
【0039】
プロセッサ105は、少なくとも1つのマイクロホンでミュートオンの操作を受け付けていないと判定した処理(
図4:ステップS11 No)、ステップS13の処理、又は、ステップS14の処理を実行したときに処理Pを終了する(
図4:END)。
【0040】
また、処理Pの開始後(
図5:START)、プロセッサ105は、少なくとも1つのマイクロホンでミュートオフの操作を受け付けたか否かを判定する(
図5:ステップS21)。例えば、プロセッサ105は、マイクロホン20のユーザインタフェース201でミュートオフの操作を受け付けた場合、マイクロホン20でミュートオフの操作を受け付けたと判定する。
【0041】
プロセッサ105は、少なくとも1つのマイクロホンでミュートオフの操作を受け付けたと判定した場合(
図5:ステップS21 Yes)、ミュートオフの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第1状態として表示器206に表示させる命令を出力する(
図5:ステップS22)。
【0042】
例えば、マイクロホン20が、ミュートオフの操作を受け付ける。プロセッサ105は、マイクロホン20の状態を第1状態として表示する命令をマイクロホン20へ出力する。本実施形態では、プロセッサ105は、第1状態としてマイクロホン20の緑色LEDを点灯させる命令を出力する。マイクロホン20のプロセッサ205は、当該命令に基づいて緑色LEDを点灯させる。
【0043】
ステップS22の後、プロセッサ105は、フラッシュメモリ103に記憶されている状態データを参照することによって、マイクロホン20,21,22のいずれかにミュートオンの状態のマイクロホンがあるか否かを判定する(
図5:ステップS23)。
【0044】
ステップS23において、プロセッサ105が、マイクロホン20,21,22のいずれかにミュートオンのマイクロホンがあると判定した場合(
図5:ステップS23 Yes)、当該ミュートオンのマイクロホンの状態を第2状態として表示させる命令を、当該ミュートオンのマイクロホンへ出力する(
図5:ステップS24)。
【0045】
例えば、
図1において、マイクロホン20,21,22の全てがミュートオンの状態であるときに、マイクロホン20が、ミュートオフの操作を受け付ける。この場合、マイクロホン21,22は、ミュートオンの状態である。従って、プロセッサ105は、マイクロホン21,22の状態を第2状態としてマイクロホン21,22の表示器206に表示させる命令をマイクロホン21,22へ出力する。マイクロホン21,22のプロセッサ205は、当該命令に基づいて橙色LEDを点灯させる。
【0046】
プロセッサ105は、少なくとも1つのマイクロホンでミュートオフの操作を受け付けていないと判定した処理(
図5:ステップS21 No)、ミュートオンの状態のマイクロホンがないと判定した処理(
図5:ステップS23 No)、又は、ステップS24の処理を実行したときに処理Pを終了する(
図5:END)。
【0047】
なお、プロセッサ105は、必ずしも、管理装置10の電源をオンしたときに、処理Pを開始しなくてもよい。プロセッサ105は、例えば、処理Pに係るアプリケーションプログラムの実行を開始する操作を受け付けた場合に、処理Pを開始してもよい。この場合、管理装置10は、例えば、処理Pの開始を受け付けるボタン等をユーザインタフェース201として有している。
【0048】
上述の処理Pによって、マイクロホン20,21,22のそれぞれは、第1状態、第2状態及び第3状態を遷移する。以下、マイクロホン20,21,22における状態の遷移について図を参照しながら説明する。
図6は、マイクロホン20の状態遷移を示す図である。マイクロホン21,22の状態遷移は、マイクロホン20の状態遷移と同じである。以下、マイクロホン20の状態遷移を例に説明し、マイクロホン21,22の状態遷移については説明を省略する。
【0049】
図6に示すように、第1状態として表示しているマイクロホン20(第1マイクロホン)は、第2状態又は第3状態に遷移する。
【0050】
第1状態として表示しているマイクロホン20でミュートオンの操作を受け付けたとき、マイクロホン21,22の内の少なくとも1つのマイクロホンがミュートオフの状態である場合(
図6に示す条件Tr1を満たす場合)、マイクロホン20の表示は、第1状態から第2状態に遷移する。
【0051】
第1状態として表示しているマイクロホン20でミュートオンの操作を受け付けたとき、マイクロホン20,21,22の全てがミュートオンの状態である場合(
図6に示す条件Tr2を満たす場合)、マイクロホン20の表示は、第1状態から第3状態に遷移する。
【0052】
図6に示すように、第2状態として表示しているマイクロホン20(第2マイクロホン)は、第1状態又は第3状態に遷移する。
【0053】
第2状態として表示しているマイクロホン20でミュートオフの操作を受け付けたとき(
図6に示す条件Tr3を満たす場合)、マイクロホン20の表示は、第2状態から第1状態に遷移する。
【0054】
マイクロホン20,21,22の全てがミュートオンの状態となった場合(
図6に示す条件Tr4を満たす場合)、第2状態として表示しているマイクロホン20の表示は、第2状態から第3状態に遷移する。
【0055】
図6に示すように、第3状態として表示しているマイクロホン20(第3マイクロホン)は、第1状態又は第2状態に遷移する。
【0056】
第3状態として表示しているマイクロホン20でミュートオフの操作を受け付けたとき(
図6に示す条件Tr5を満たす場合)、マイクロホン20の表示は、第3状態から第1状態に遷移する。
【0057】
マイクロホン20,21,22の内、マイクロホン20以外の少なくとも1つのマイクロホン(マイクロホン21又はマイクロホン22)がミュートオフの状態となった場合(
図6に示す条件Tr6を満たす場合)、マイクロホン20の表示は、第3状態から第2状態に遷移する。
【0058】
なお、表示器206は、必ずしも、緑、橙及び赤のLEDで構成されていなくてもよく、緑、橙及び赤以外の色のLEDで構成されていてもよい。
【0059】
なお、表示器206は、色が変化する1つのLEDによって構成されていてもよい。例えば、当該1つのLEDは、緑色、橙色、赤色のいずれかの色に変化する。プロセッサ105は、当該1つのLEDの色を変化させる命令をプロセッサ205に出力する。
【0060】
なお、本実施形態において、プロセッサ205は、LEDを異なる色で表示させる代わりに、第1状態、第2状態及び第3状態のそれぞれについて、1つのLEDを異なる点滅速度で表示してもよい。例えば、プロセッサ105は、マイクロホン20が第1状態である場合、LEDを常に点灯させる。例えば、プロセッサ205は、マイクロホン20が第2状態である場合、1秒間に一回の間隔でLEDを点滅させる。例えば、プロセッサ205は、マイクロホン20が第3状態である場合、第2状態よりも早い速度で(例えば、0.5秒間に1回の間隔で)LEDを点灯させる。これにより、話者U20は、色に依らずにマイクロホン20の状態を認識することが出来る。
【0061】
なお、表示器206は、必ずしもLEDでなくてよい。表示器206は、例えば、有機ELディスプレイ等のスクリーンであってもよい。この場合、表示器206は、マイクロホン20の状態を示すテキストメッセージ(例えば、「マイクロホン20は、第1状態です」というテキストメッセージ)等を表示する。これにより、話者U20は、色に依らずに、マイクロホン20の状態を認識することが出来る。
【0062】
(第1実施形態の効果)
管理装置10によれば、例えば、マイクロホン20がミュートオンの状態になっているため通話相手に聞こえないと話者U20が勘違いすることを防止出来る。例えば、話者U20がマイクロホン20をミュートオンする。このとき、管理装置10は、マイクロホン21,22の内の少なくとも1つのマイクロホンでミュートオフされている場合、マイクロホン20の状態を第2状態としてマイクロホン20の表示器206に表示する。話者U20は、マイクロホン20の表示器206を見ることによって、マイクロホン21,22のどちらかがミュートオフの状態であるため自身の声が通話相手に聞こえる可能性があると知ることが出来る。つまり、話者U20は、自身の声が通話相手に聞こえないと勘違いしない。これにより、話者U20は、不用意に通話相手に聞かれたくない会話をすることがなく、円滑に通話を行えるという顧客体験を享受出来る。
【0063】
(変形例1)
以下、変形例1に係る管理装置10aと管理装置10aの備えるプロセッサ105a(図示せず)について図を参照しながら説明する。
図7は、変形例1に係る管理装置10aの備えるプロセッサ105aの処理の一例を示すフローチャートである。なお、管理装置10aにおけるプロセッサ105a以外の構成は管理装置10の構成と同じであるため、管理装置10aの図示を省略している。
【0064】
管理装置10aは、あるマイクロホンで取得した音声が、他のマイクロホンに回り込んで取得されているか否かを判定する処理(以下、処理Qと称す)を実行する点で、管理装置10と異なる。管理装置10aは、例えば、管理装置10aの電源をオンしたとき、又は、処理Qに係るアプリケーションプログラムの実行を開始する操作を受け付けたとき、処理Qを開始する(
図7:START)。
【0065】
処理Qの開始後、プロセッサ105aは、全てのマイクロホンがミュートオンの状態か否かを判定する(
図7:ステップS31)。
【0066】
プロセッサ105aは、少なくとも1つのマイクロホンがミュートオフの状態であると判定した場合(
図7:ステップS31 No)、ミュートオンの状態のマイクロホンが取得した音信号(以下、第1音信号と称す)とミュートオフの状態のマイクロホンが取得した音信号(以下、第2音信号と称す)とを比較する(
図7:ステップS33)。プロセッサ105aは、当該比較の結果に基づいて、第2音信号が第1音信号に含まれている音源の音を含んでいるか否かを判定する(
図7:ステップS34)。
【0067】
例えば、マイクロホン20が、話者U20の音声を取得する。このとき、話者U20の音声が、同一空間内に存在するマイクロホン21に回り込み、マイクロホン21で取得される場合がある。この場合、マイクロホン21で取得した第2音信号は、マイクロホン20で取得した第1音信号に含まれている話者U20の音声を含んでいる。このとき、プロセッサ105aは、「第2音信号は、第1音信号に含まれている音源の音を含んでいる」と判定する。プロセッサ105aは、ミュートオフの状態の全てのマイクロホンそれぞれで音声の回り込みが発生しているか否かを判定する。
【0068】
本変形例において、プロセッサ105aは、第1音信号と第2音信号との相互相関に基づいて当該比較を行う。具体的には、プロセッサ105aは、第1音信号及び第2音信号の相互相関のピーク値を算出する。当該プロセッサ105aは、当該ピーク値が高い場合(当該ピーク値が、所定の閾値以上である場合)に、第2音信号は、第1音信号に含まれている音源の音を含んでいると判定する。
【0069】
プロセッサ105aが、「第2音信号は、第1音信号に含まれている音源の音を含んでいる」と判定した場合(
図7:ステップS34 Yes)、ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第2状態として表示器206に表示させる命令を出力する(
図7:ステップS35)。例えば、マイクロホン21又はマイクロホン22で取得した第2音信号が、マイクロホン20で取得した第1音信号に含まれている話者U20の音声を含んでいる場合、話者U20の音声がマイクロホン21又はマイクロホン22を介して通話相手に聞こえる。そこで、プロセッサ105aは、マイクロホン20の状態を第2状態としてマイクロホン20の表示器206に表示させる。話者U20は、マイクロホン20の表示を見ることによって、自身の声がマイクロホン21又はマイクロホン22に回り込んで取得されていることを事前に(通話相手に聞かれたくない会話をする前に)知ることが出来る。これにより、話者U20は、不用意に通話相手に聞かれたくない会話をすることがなく、円滑に通話を行えるという顧客体験を享受出来る。
【0070】
プロセッサ105aが、「第2音信号は、第1音信号に含まれている音源の音を含んでいない」と判定した場合(
図7:ステップS34 No)、複数のマイクロホン20,21,22の内の少なくとも1つのマイクロホンがミュートオフの状態である場合でも、ミュートオンの操作を受け付けたマイクロホンの状態を第3状態として表示器206に表示させる命令を出力する(
図7:ステップS36)。
【0071】
例えば、マイクロホン21及びマイクロホン22で取得した第2音信号が、マイクロホン20で取得した第1音信号に含まれている話者U20の音声を含んでいない場合、話者U20の音声は、マイクロホン21及びマイクロホン22に回り込んで取得されていない。従って、話者U20の音声が、マイクロホン21,22を介して通話相手に聞こえない。そこで、プロセッサ105aは、マイクロホン20の状態を第3状態としてマイクロホン20の表示器206に表示させる。話者U20は、マイクロホン20の表示を見ることによって、通話相手に自身の会話が聞こえているか又は聞こえていないかを判断しやすくなり、結果、円滑に通話を行えるという顧客体験を享受出来る。
【0072】
ステップS31において、プロセッサ105aは、全てのマイクロホンがミュートオンの状態であると判定した場合(
図7:ステップS31 Yes)、全てのマイクロホンの状態を第3状態として表示器206に表示させる命令を出力する(
図7:ステップS32)。
【0073】
プロセッサ105aは、ステップS32の処理、ステップS35の処理、又は、ステップS36の処理を実行したときに、処理Pを終了する(
図7:END)。
【0074】
なお、プロセッサ105aは、処理Qを繰り返して実行してもよい。この場合、プロセッサ105aは、例えば、管理装置10aの電源をオフしたとき、又は、処理Qに係るアプリケーションプログラムを終了する操作を受け付けたとき、処理Qを終了する。
【0075】
なお、プロセッサ105aは、処理P及び処理Qの両方を並行して実行してもよい。
【0076】
(変形例2)
以下、変形例2に係る管理装置10bについて図を参照して説明する。
図8は、変形例2に係る管理装置10bの構成を示すブロック図である。なお、管理装置10bにおいて、管理装置10と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0077】
図8に示すように、管理装置10bは、表示器106bを備えている点で、管理装置10と異なる。表示器106bは、例えば、マイクロホン20の表示器206と同様にして、LEDである。管理装置10bのプロセッサ105は、マイクロホン20,21,22におけるミュートオン又はミュートオフの操作を受け付けたときに、表示器106bの表示を変化させる処理を実行する。
【0078】
本変形例の様に管理装置10bが表示器106bを備えている場合、管理装置10bに接続されるマイクロホン20~22のそれぞれは、必ずしも、表示器206を備えていなくてもよい。
【0079】
この様な管理装置10bは、管理装置10と同様の効果を奏する。
【0080】
(変形例3)
以下、変形例3に係る管理装置10cについて図を参照しながら説明する。
図9は、変形例3に係る管理装置10cの処理の一例を示す図である。
図10は、LCD300に表示されたメニュー画面MN1の一例を示す図である。なお、管理装置10cの構成は管理装置10の構成と同じであるため、管理装置10cの図示を省略している。
【0081】
管理装置10cは、PC30(第2情報処理装置)に備わるLCD(Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ等の表示器に、マイクロホン20~22の状態を表示させる点で、管理装置10と異なる。例えば、管理装置10cは、
図9に示すように、PC30に備わるLCD300(表示器)にマイクロホン20~22の状態を表示させる命令を、PC30へ出力する。PC30は、例えば、当該命令に基づいてマイクロホン20~22の状態をOSD(On Screen Display)で表示する。OSDとは、機器の設定等に係るメニュー画面を表示器に表示する機能である。例えば、PC30は、
図9に示すように、OSDによってマイクロホン20~22の状態を表示するメニュー画面MN1をLCD300に表示する。PC30は、例えば、メニュー画面MN1に、「マイクロホン20:ミュートON、マイクロホン21:ミュートOFF、マイクロホン22:ミュートON」というテキストメッセージを表示する。本変形例において、PC30は、管理装置10c(マイク状態表示装置)に接続されている情報処理装置の一例である。
【0082】
なお、PC30は、必ずしも、テキストメッセージをメニュー画面MN1に表示することによってマイクロホン20,21,22の状態を示さなくてもよい。例えば、PC30は、マイクロホン20,21,22のそれぞれを模した画像Ca20,Ca21,Ca22をメニュー画面MN1に表示し、画像Ca20,Ca21,Ca22の色を変更することによってマイクロホン20,21,22の状態を示してもよい(
図10参照)。例えば、PC30は、マイクロホン20がミュートオフの状態のとき、画像Ca20の色を緑色に変更する。話者U20,U21,U22は、画像Ca20の色が緑であると認識することによって、マイクロホン20がミュートオフの状態であると知ることが出来る。これにより、話者U20,U21,U22は、管理装置10と同様の顧客体験を享受することが出来る。
【0083】
(変形例3の効果)
管理装置10cは、管理装置10cに接続されている全てのマイクロホン(マイクロホン20,21,22)の状態をメニュー画面MN1に表示させる。話者U20は、メニュー画面MN1を見ることによって、自身の使用しているマイクロホン20の状態だけでなく、マイクロホン21,22それぞれの状態も知ることが出来る。このため、話者U20は、自身の近傍にミュートオフになっているマイクロホンが存在するか否かを判断出来る。従って、話者U20は、不用意に通話相手に聞かれたくない会話をすることがなく、円滑に通話を行えるという顧客体験を享受出来る。同様にして、話者U21,U22も、話者U21,U22それぞれの近傍にミュートオフになっているマイクロホンが存在するか否かを判断出来る。
【0084】
なお、本変形例において、必ずしも、PC30が、マイクロホン20~22の状態を表示しなくてもよい。管理装置10cには、例えば、PC30と同様の機能を有するスマートホン(マイク状態表示装置に接続されている情報処理装置の一例)が接続されており、当該スマートホンに備わる表示器が、マイクロホン20~22の状態を表示してもよい。
【0085】
(変形例4)
以下、変形例4に係る管理装置10dについて説明する。なお、管理装置10dにおけるプロセッサ105d以外の構成は管理装置10の構成と同じであるため、管理装置10dの図示を省略している。
【0086】
管理装置10dは、カメラ(以下、撮影用カメラと称す)で取得した画像に基づいて、表示器206の表示を変化させる点で、管理装置10と異なる。本変形例において、撮影用カメラは、管理装置10dに接続されている。
【0087】
撮影用カメラは、例えば、撮影用カメラが配置されている空間を撮影することによって画像を取得する。例えば、撮影用カメラは、話者U20が遠隔通話を行う空間内(会議室内等)に配置される。当該空間内には、話者U20が通話をするために用いるマイクロホン20が配置されている。
【0088】
管理装置10dに備わるプロセッサ105d(図示せず)は、撮影用カメラから画像を受信する。プロセッサ105dは、受信した画像を解析処理することによって、当該画像にマイクロホン20以外のマイクロホンが撮像されているか否かを判定する。換言すれば、プロセッサ105dは、話者U20の居る空間内に話者U20の使用するマイクロホン20以外のマイクロホンが存在するか否かを判定する。なお、当該解析処理とは、例えば、ニューラルネットワーク(例えば、DNN(Deep Neural Network))等の人工知能による解析処理、又は、テンプレートデータを用いたパターンマッチングによる解析処理である。
【0089】
マイクロホン21,22がミュートオフされていても、話者U20の居る空間にマイクロホン21,22(話者U20の使用するマイクロホン20以外のマイクロホン)が存在しない場合、話者U20の音声が、マイクロホン21,22によって収音されない。従って、マイクロホン20以外のマイクロホンによって、話者U20が通話相手に聞かれたくないと考えている会話が、通話相手に聞こえる虞がない。従って、本変形例において、プロセッサ105dは、話者U20の居る空間内にマイクロホン20以外のマイクロホンが存在しないと判定した場合、マイクロホン20の状態を第3状態として表示器206に表示させる。話者U20は、マイクロホン20の表示を見ることによって、通話相手に自身の会話が聞こえていないと知ることが出来、結果、円滑に通話を行えるという顧客体験を享受出来る。
【0090】
一方、プロセッサ105dは、話者U20の居る空間内にマイクロホン20以外のマイクロホンが存在すると判定した場合、プロセッサ105と同様の処理(ステップS11~S14又はステップS21~S24の処理)を行う。
【0091】
なお、管理装置10dの代わりに、PC30に撮影用カメラが接続されていてもよい。この場合、管理装置10dは、PC30に接続されているカメラで取得した画像に基づいてマイクロホン20,21,22の状態を表示器206に表示させる。
【0092】
[管理装置10dの応用例1]
以下、管理装置10dの応用例1について説明する。本応用例において、管理装置10dは、撮影用カメラで取得した画像に、マイクロホン20,21,22の状態を示す画像を重畳する処理(スーパーインポーズ)を行う。例えば、撮影用カメラは、話者U20の顔を撮影し、話者U20の顔が撮像されている画像を取得する。管理装置10dは、話者U20の顔が撮像された画像に、マイクロホン20の状態を示す画像を重畳することによって、話者U20とマイクロホン20の状態とを対応付ける画像(以下、第1画像と称す)を生成する。話者U20,U21,U22が使用しているPCのそれぞれは、管理装置10dから第1画像を受信し、第1画像を表示する。話者U20,U21,U22は、それぞれのPCに表示された第1画像を見ることによって、話者U20が使用しているマイクロホン20の状態を知ることが出来る。これにより、話者U20,U21,U22は、マイクロホン20がミュートオフのときに不用意に通話相手に聞かれたくない会話をすることがなく、円滑に通話を行えるという顧客体験を享受出来る。
【0093】
[管理装置10dの応用例2]
以下、管理装置10dの応用例2について図面を参照しながら説明する。
図11は、管理装置10dが撮影用カメラから取得した画像CA1の一例を示す図である。
図12は、管理装置10dが生成した画像CA2の一例を示す図である。
【0094】
本応用例において、管理装置10dは、撮影用カメラで撮像した画像を取得する。そして、取得した画像を解析処理(人工知能による解析処理、又は、テンプレートデータを用いたパターンマッチング等)することによって、当該画像にマイクロホン20,21,22が撮像されているか否かを判定する。管理装置10dは、当該画像にマイクロホン20,21,22が撮像されていると判定した場合、当該画像においてマイクロホン20,21,22が撮像されている部分を特定する。そして、管理装置10dは、当該画像において、マイクロホン20,21,22が撮像されている部分の色をマイクロホン20,21,22の状態に応じて変化させることによって、マイクロホン20,21,22の状態を示す画像CA2を生成する。
【0095】
例えば、
図11に示すように、管理装置10dは、撮影用カメラから画像CA1を受信し、画像CA1を解析処理する。
図11に示す画像CA1には、マイクロホン20,21が撮像されている。従って、管理装置10dは、「画像CA1には、マイクロホン20,21が撮像されている」と判定する。管理装置10dは、画像CA1においてマイクロホン20,21が撮像されている部分(例えば、100×100ピクセルの領域)を特定する。
【0096】
管理装置10dは、例えば、マイクロホン20がミュートオフの状態のときであって、マイクロホン21がミュートオンの状態のとき、画像CA1においてマイクロホン20が撮像されている部分の色を緑色に変更し、且つ、画像CA1においてマイクロホン21が撮像されている部分の色を橙色に変更することによって、マイクロホン20,21の状態を示す画像CA2を生成する(
図12参照)。管理装置10dは、画像CA2をPC30等に備わる表示器に表示させる。話者U20,U21は、画像CA2を見ることによって、通話相手に自身の会話が聞こえる可能性があるか否かを判断出来る。これにより、話者U20,U21は、管理装置10と同様の顧客体験を享受することが出来る。
【0097】
なお、
図11に示す例において、撮影用カメラは、例えば、室内において、机上に配置されている。しかし、室内において、撮影用カメラは、必ずしも、机上に配置されていなくてもよい。撮影用カメラは、例えば、室内における壁又は天井に配置されていてもよい。
【0098】
なお、管理装置10dは、画像CA1に基づいて室内及びマイクロホン20,21を模した簡易的な画像(以下、第2画像と称す)を生成し、第2画像をPC30等に備わる表示器に表示させてもよい。
【0099】
なお、管理装置10dは、必ずしも、画像CA1を解析処理することによって、マイクロホン20,21が撮像されている部分を特定しなくてもよい。例えば、管理装置10dのフラッシュメモリ203が、マイクロホン20,21が配置されている位置に係る情報(以下、位置情報と称す)を予め記憶する。そして、管理装置10dは、位置情報に基づいて画像CA2を生成してもよい。
【0100】
上述の実施形態及び変形例の説明は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態又は変形例ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0101】
管理装置10,10a~10dの構成を任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0102】
10,10a,10b,10c,10d:管理装置
100:第1通信インタフェース
101:第2通信インタフェース
102:ユーザインタフェース
103:フラッシュメモリ
104:RAM
105,105a:プロセッサ
20,21,22:マイクロホン
200:マイクロホンユニット
201:ユーザインタフェース
202:通信インタフェース
203:フラッシュメモリ
204:RAM
205:プロセッサ
206:表示器