(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025874
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/26 20060101AFI20240220BHJP
F21V 14/04 20060101ALI20240220BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20240220BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20240220BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240220BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20240220BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240220BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20240220BHJP
F21W 103/60 20180101ALN20240220BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20240220BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240220BHJP
【FI】
B60Q1/26 Z
F21V14/04
F21V7/00 590
F21V9/40 400
F21Y115:10
F21Y115:20
F21Y115:30
F21Y101:00 100
F21W103:60
F21W102:00
F21W103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129211
(22)【出願日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 文彦
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA24
3K339AA43
3K339BA30
3K339CA01
3K339CA12
3K339CA14
3K339CA30
3K339DA01
3K339DA02
3K339DA05
3K339DA06
3K339EA09
3K339EA10
3K339FA20
3K339GB01
3K339GB21
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3K339JA21
3K339KA27
3K339MA01
3K339MA07
3K339MA10
3K339MB05
3K339MC01
3K339MC14
3K339MC35
3K339MC36
3K339MC41
3K339MC43
3K339MC48
3K339MC52
3K339MC53
3K339MC58
3K339MC65
3K339MC68
3K339MC77
3K339MC90
(57)【要約】
【課題】路面に通知表示を光で描画する車両用表示装置において、通知表示を描画すべきときに通知表示を描画する機能と、通知表示を描画する必要がないときに通知表示が描画される煩わしさの低減とを両立すること。
【解決手段】車両10は、路面に通知表示20を光で描画する機能を有する。車両10のシフト位置がPレンジであり、かつ、描画をオフにするスイッチが選択された場合、通知表示20の描画の消灯が許可される。別の条件として、車両10が後退するときに車両10の周辺に接近物がなく、かつ、描画をオフにするスイッチが選択された場合、通知表示20の描画の消灯が許可される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて路面に通知表示を光で描画する路面描画部と、
前記車両のシフト位置がPレンジであり、かつ、描画をオフにするスイッチが選択された場合、又は、前記車両が後退するときに前記車両の周辺に接近物がなく、かつ、描画をオフにするスイッチが選択された場合のいずれかの場合に、描画の消灯を許可する制御部と、
を有することを特徴とする車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載されて路面に通知表示を光で描画する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
路面に通知表示(例えば文字や図形等)を光で描画する車両用表示装置が知られている。路面に通知表示を描画することで、例えば、車両の存在を他の交通利用者(歩行者や他の車両等)に知らせることができる。
【0003】
特許文献1には、運転者が通知表示の描画をオフにする機能を有する車両用表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の車両用表示装置によれば、運転者が通知表示の描画をオフにすることで、通知表示の描画が不要なときに(例えば、通知表示を他の交通利用者に通知する状況にないときや、運転者が通知表示を描画したくないと考えているとき等)、通知表示が描画される煩わしさを解消することができる。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の車両用表示装置では、運転者が通知表示の描画をオフにすると、どのような状況であっても通知表示が描画されなくなる。そのため、車両用表示装置を車両に搭載するメリットが得られないおそれがある。例えば、車両の存在を他の交通利用者に通知する必要がある状況下にて、その通知を行うことができなくなる。
【0007】
本開示の目的は、路面に通知表示を光で描画する車両用表示装置において、通知表示を描画する必要があるときに通知表示を描画することと、通知表示を描画する必要がないときに通知表示が描画される煩わしさの低減とを両立することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの態様は、車両に搭載されて路面に通知表示を光で描画する路面描画部と、前記車両のシフト位置がPレンジであり、かつ、描画をオフにするスイッチが選択された場合、又は、前記車両が後退するときに前記車両の周辺に接近物がなく、かつ、描画をオフにするスイッチが選択された場合のいずれかの場合に、描画の消灯を許可する制御部と、を有することを特徴とする車両用表示装置である。
【0009】
車両のシフト位置がPレンジである場合、又は、車両が後退するときに車両の周辺に接近物がない場合、通知表示による注意喚起の必要性が低いため、通知表示を描画する必要性は低い。そのため、上記のいずれかの場合に通知表示の描画の消灯を許可することで、通知表示を描画する必要がないときに通知表示が描画される煩わしさを低減することができる。また、描画をオフにするスイッチが選択されただけでは、通知表示の描画は消灯されない。これにより、通知表示を描画する必要があるときに通知表示を描画することができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る車両用表示装置によれば、路面に通知表示を光で描画する車両用表示装置において、通知表示を描画する必要があるときに通知表示を描画することと、通知表示を描画する必要がないときに通知表示が描画される煩わしさの低減とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】車両を上方から見たときの左右四方向の通知表示を示した図である。
【
図3】通知表示を路面に描画する実施例の説明図である。
【
図4】第1消灯条件に従って描画を消灯する実施例の説明図である。
【
図5】通知表示を路面に描画する実施例の説明図である。
【
図6】第2消灯条件に従って描画を消灯する実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照して、実施形態に係る車両用表示装置が搭載された車両について説明する。
図1は、車両を上方から見たときの図である。車両10は、自動車である。
【0013】
車両10の前部には左右一対の前照灯12R,12Lが設けられ、車両10の後部には左右一対のリヤコンビネーションランプ14R,14Lが設けられている。
【0014】
前照灯12Rには、車両用表示装置16FRが設けられている。車両用表示装置16FRは、車両前方の路面又は前方右側の路面に光を照射する装置である。前照灯12Lには、車両用表示装置16FLが設けられている。車両用表示装置16FLは、車両前方の路面又は前方左側の路面に光を照射する装置である。
【0015】
リヤコンビネーションランプ14Rには、車両用表示装置16RRが設けられている。車両用表示装置16RRは、車両後方の路面又は後方右側の路面に光を照射する装置である。リヤコンビネーションランプ14Lには、車両用表示装置16RLが設けられている。車両用表示装置16RLは、車両後方の路面又は後方左側の路面に光を照射する装置である。
【0016】
以下、車両用表示装置16FR,16FL,16RR,16RLを区別する必要がない場合には、これらを「車両用表示装置16」と称する。
【0017】
車両用表示装置16は、路面に光を照射することで通知表示20を路面に描画する。通知表示20は、例えば、一列に配置されたマーク20a,20b,20cによって構成される。マーク20a,20b,20cはそれぞれ、矢印の先端の形状を有している。
図1に示されている各マークの形状は一例に過ぎず、各マークは、図示されている形状以外の形状を有してもよい。また、マークの数も一例に過ぎず、通知表示20は、1又は複数のマークによって構成されていればよい。
【0018】
以下、
図2を参照して、車両用表示装置16の構成について説明する。
図2は、車両用表示装置16の構成を示すブロック図である。
【0019】
車両用表示装置16は、路面描画部22と制御部24とを含む。始動スイッチセンサ26、シフトセンサ28、制動ブレーキセンサ30、操舵角センサ32、速度センサ34、位置情報取得部36、レーダーセンサ38、方向指示器センサ40、撮影部42及び描画オフスイッチ44は、車両10に設けられて、制御部24に信号を出力する。
【0020】
路面描画部22は、光源22aと光偏向装置22bとを含み、光源22aからの光を路面に照射することで通知表示20を路面に描画する。路面描画部22は、照射する光の明るさ、色、形状、照射位置及び照射範囲を変えることができる。
【0021】
光源22aとして、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、EL(Electro Luminescence)素子等の半導体発光素子、電球、ハロゲンランプ又は白熱灯が用いられる。
【0022】
光偏向装置22bは、光源22aからの光を車両用表示装置16の外に出射する。光偏向装置22bとして、例えば、マイクロミラーデバイスの一例であるDMD(Digital Mirror Device)、光MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、ポリゴンミラー又はDLP(登録商標)等が用いられる。
【0023】
路面描画部22は、モータ等によって揺動するように構成されている。車両用表示装置16FR,16FLの路面描画部22は、制御部24によって制御されて、上下左右に傾き、路面への光の照射方向を車両10の前方又は斜め前方に切り替えることができる。車両用表示装置16RR,16RLの路面描画部22は、制御部24によって制御されて、上下左右に傾き、路面への光の照射方向を車両10の後方又は斜め後方に切り替えることができる。
【0024】
制御部24は、路面描画部22による通知表示20の描画を制御する。例えば、制御部24は、始動スイッチセンサ26、シフトセンサ28、制動ブレーキセンサ30、操舵角センサ32、速度センサ34、位置情報取得部36、レーダーセンサ38、方向指示器センサ40及び撮影部42の中の少なくとも1つからの出力に基づいて、通知表示20の描画の要否を判断する。制御部24は、描画が必要な場合、路面描画部22に通知表示20を描画させ、描画が不要な場合、路面描画部22に通知表示20を描画させない。
【0025】
始動スイッチセンサ26は、車両10の始動スイッチ(例えば、イグニッションスイッチやスタートスイッチ)のオンとオフを検出し、その検出結果を制御部24に出力する。
【0026】
シフトセンサ28は、車両10のシフトレバーの位置(シフト位置)が、Dレンジ(ドライブレンジ)の位置(前進の位置)、Rレンジ(リバースレンジ)の位置(後退の位置)、又は、Pレンジ(パーキングレンジ)の位置等のいずれの位置であるのかを検出し、その検出結果を制御部24に出力する。
【0027】
制動ブレーキセンサ30は、車両10の制動ブレーキ(例えば、フットブレーキ、ハンドブレーキ、自動運転システムにおける自動ブレーキ)のオン(制動状態)とオフ(解除状態)を検出し、その検出結果を制御部24に出力する。
【0028】
操舵角センサ32は、車両10の直進、右操舵又は左操舵を検出し、その検出結果を制御部24に出力する。例えば、車両10の直進時におけるハンドルの操舵角を基準として、右折方向の操舵を行った場合の操舵角をプラス角と定め、左折方向の操舵を行った場合の操舵角をマイナス角と定める。操舵角センサ32は、プラスの操舵角を車両10の右操舵として検出し、マイナスの操舵角を車両10の左操舵として検出する。
【0029】
速度センサ34は、車両10の速度を検出し、その検出結果を制御部24に出力する。また、速度センサ34は、車両10の加速度(例えば、加速時の加速G、減速時の減速G)を検出し、その検出結果を制御部24に出力する。
【0030】
位置情報取得部36は、GNSS(Global Navigation Satellite System)やGPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを用いて車両10の位置情報を取得し、その位置情報を制御部24に出力する。
【0031】
レーダーセンサ38は、マイクロ波レーダーセンサやミリ波レーダーセンサ等であり、例えば、車両10の前方、側方及び後方のそれぞれに存在する物体(他の車両、人、動物、その他の障害物)を検出し、その検出結果を制御部24に出力する。
【0032】
方向指示器センサ40は、車両10に搭載されている方向指示器のスイッチのオンとオフを検出し、その検出結果を制御部24に出力する。
【0033】
撮影部42は、車載カメラ42aと画像処理装置42bとを含み、車載カメラ42aによって撮影することで、画像(例えば動画像や静止画像)を生成する。
【0034】
図1に示すように、車載カメラ42aは、例えば、フロントガラス18の上部に設けられて、車両10の前方を撮影する。この配置は一例に過ぎず、車載カメラ42aは、前照灯12R,12Lに内蔵されてもよいし、車両10の天井の上面やボンネットやドアミラー等に設けられてもよい。また、車両10の側方を撮影する車載カメラや、車両10の後方を撮影する車載カメラが、車両10の天井の上面やボンネットやドアミラー等に設けられている。リヤコンビネーションランプ14R,14Lに車載カメラが設けられてもよい。
【0035】
画像処理装置42bは、車載カメラによる撮影によって生成された画像を解析し、その解析結果を制御部24に出力する。例えば、画像処理装置42bは、画像を解析することで、当該画像に表されている物体(他の車両、人、動物、標識、その他の障害物)を検出し、その検出結果を制御部24に出力する。
【0036】
制御部24は、道路監視カメラによる撮影によって生成された画像を、インターネット等の通信経路を介して取得してもよい。
【0037】
描画オフスイッチ44は、路面描画部22による描画の機能をオフにするためのスイッチである。描画オフスイッチ44がオンにされると、描画の機能をオフにする指示が与えられる。描画オフスイッチ44は、車室内に設けられた物理的なスイッチであってもよいし、車室内に設けられたディスプレイに表示されるソフトウェアのスイッチであってもよい。
【0038】
本実施形態では、描画オフスイッチ44がオンにされただけでは、路面描画部22による描画の機能はオフにされない。以下に説明する第1消灯条件又は第2消灯条件のいずれかの条件が満たされた場合に、制御部24は、路面描画部22による描画の消灯を許可する。
【0039】
第1消灯条件は、車両10のシフト位置がPレンジであり、かつ、路面描画部22による描画をオフにするスイッチが選択されたという条件である。つまり、車両10のシフト位置がPレンジであり、かつ、路面描画部22による描画をオフにするスイッチが選択された場合、制御部24は、路面描画部22による描画の消灯を許可する。この場合、制御部24は、消灯の指示を路面描画部22に出力し、路面描画部22は、通知表示20を消灯する。シフト位置がPレンジである場合とは、車両10の状態がパーキングの状態である場合のことである。路面描画部22による描画をオフにするスイッチが選択された場合とは、描画オフスイッチ44がオンにされた場合のことである。
【0040】
第2消灯条件は、車両10が後退するときに車両10の周辺に接近物がなく、かつ、路面描画部22による描画をオフにするスイッチが選択されたという条件である。つまり、車両10が後退するときに車両10の周辺に接近物がなく、かつ、路面描画部22による描画をオフにするスイッチが選択された場合、制御部24は、路面描画部22による描画の消灯を許可する。これにより、路面描画部22は、通知表示20を消灯する。
【0041】
車両10の周辺とは、車両10の位置から予め定められた距離以下の範囲のことである。制御部24は、レーダーセンサ38の検出結果や画像処理装置42bの検出結果に基づいて、車両10の周辺に接近物が存在するか否かを判断する。接近物は、車両10の周囲にて車両10に接近する歩行者や車両等である。
【0042】
第1消灯条件又は第2消灯条件が満たされる状況は、通知表示20を描画する必要のない状況に相当する。例えば、シフト位置がPレンジである場合、車両10は停止しているため、通知表示20を描画する必要性は低い。そのため、第1消灯条件が満たされる場合、制御部24は、通知表示20の消灯を許可する。また、車両10が後退するときに車両10の周囲に接近物がない場合、注意喚起の必要性が低いため、通知表示20を描画する必要性は低い。そのため、第2消灯条件が満たされる場合、制御部24は、通知表示20の消灯を許可する。
【0043】
第1消灯条件及び第2消灯条件のいずれも満たされない場合において、ターンシグナルスイッチやハザードスイッチが押されたときに、又は、リバースレンジが選択されたとき等に、制御部24は、路面描画部22に通知表示を描画させる。
【0044】
以下、
図3及び
図4を参照して、第1消灯条件に従った描画の制御について説明する。
図3は、通知表示を路面に描画する実施例の説明図である。
図4は、第1消灯条件に従って描画を消灯する実施例の説明図である。
【0045】
図3に示す例では、描画オフスイッチ44がオンにされている。例えば、運転者が描画オフスイッチ44をオンにする。また、シフト位置はDレンジである。描画オフスイッチ44がオンにされても、シフト位置がDレンジである場合、第1消灯条件を満たさない。この場合、制御部24は、路面描画部22による描画の消灯を許可しない。
【0046】
例えば、制御部24は、始動スイッチセンサ26、シフトセンサ28、制動ブレーキセンサ30、操舵角センサ32、速度センサ34、位置情報取得部36、レーダーセンサ38、方向指示器センサ40及び撮影部42の中の少なくとも1つからの出力に基づいて、通知表示20の描画の要否を判断し、その判断結果に従って、路面描画部22による通知表示20の描画を制御する。例えば、ターンシグナルスイッチ、ハザードスイッチ又はリバースレンジ等が運転者によって選択された場合、制御部24は、通知表示20の描画が必要であると判断し、路面描画部22に通知表示20を描画させる。
【0047】
図4に示す例では、描画オフスイッチ44がオンにされて、かつ、シフト位置はPレンジである。第1消灯条件を満たしているため、制御部24は、路面描画部22による通知表示20の描画を消灯する。なお、
図4に示す例では、ハザードランプ46が点灯している。
【0048】
以下、
図5及び
図6を参照して、第2消灯条件に従った描画の制御について説明する。
図5は、通知表示を路面に描画する実施例の説明図である。
図6は、第2消灯条件に従って描画を消灯する実施例の説明図である。
【0049】
図5に示す例では、描画オフスイッチ44がオンにされており、車両10は後退している。また、車両10の周辺にいる接近物(例えば車両10に接近する歩行者48)が検出されている。この場合、描画オフスイッチ44がオンにされていても、第2消灯条件を満たさないため、制御部24は、路面描画部22による描画の消灯を許可しない。
図5に示す例では、制御部24は、通知表示20の描画が必要であると判断し、路面描画部22に通知表示20を描画させている。
【0050】
図6に示す例では、描画オフスイッチ44がオンにされて、かつ、車両10の周辺に接近物が存在していない。第2消灯条件を満たしているため、制御部24は、路面描画部22による通知表示20の描画を消灯する。
【0051】
本実施形態に係る車両用表示装置16によれば、描画オフスイッチ44がオンにされている場合であっても、第1消灯条件及び第2消灯条件のいずれも満たされていない場合、通知表示20の描画の消灯は許可されない。それ故、注意喚起が必要なとき等のように通知表示20を描画すべきときに、通知表示20を描画することができる。また、第1消灯条件又は第2消灯条件のいずれかが満たされる場合、通知表示20を描画する必要性が低いため、通知表示20の消灯が許可される。これにより、通知表示20を描画する必要がないときに通知表示20が描画される煩わしさを低減することができる。
【0052】
車両10は、自動運転技術が搭載された車両であってもよい。自動運転技術は、運転者による運転を支援する技術、部分的に運転を自動化する技術、条件付きで運転を自動化する技術、又は、完全に運転を自動化する技術等である。
【0053】
例えば、自動運転の機能がオフにされた場合において(つまり、車両10の運転モードが非自動運転モードである場合において)、第1消灯条件又は第2消灯条件のいずれかが満たされた場合、通知表示20の消灯が許可される。
【0054】
制御部24は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源を利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。制御部24は、コンピュータによって実現されてもよい。つまり、コンピュータが備えるCPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェア資源と、CPU等の動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により、制御部24の全部又は一部が実現されてもよい。別の例として、制御部24は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 車両、12R,12L 前照灯、14R.14L リヤコンビネーションランプ、16FR,16FL,16RR,16RL 車両用表示装置、20 通知表示、22 路面描画部、24 制御部。