(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025883
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】中間搬送装置、媒体処理システム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20240220BHJP
B65H 5/18 20060101ALI20240220BHJP
B65H 9/00 20060101ALI20240220BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G03G15/00 460
B65H5/18
B65H9/00 J
B65H29/58 Z
G03G15/00 440
G03G15/00 445
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129225
(22)【出願日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗田 知一
(72)【発明者】
【氏名】梁川 禎介
(72)【発明者】
【氏名】田中 勝己
(72)【発明者】
【氏名】土井 雷太
【テーマコード(参考)】
2H072
3F053
3F101
3F102
【Fターム(参考)】
2H072CA01
2H072CB01
2H072GA00
2H072JA02
3F053EA01
3F053EB07
3F053LA01
3F053LA13
3F053LA14
3F053LB03
3F101BA07
3F101BB07
3F101LA01
3F101LA13
3F101LA14
3F101LB03
3F102AA01
3F102AB01
3F102BA06
(57)【要約】
【課題】方向を変えて複数の後処理装置へ記録媒体を送り出す構成において、一の後処理装置へ記録媒体を送り出すときに記録媒体が通る送出口の高さと他の後処理装置へ記録媒体を送り出すときに記録媒体が通る送出口の高さとが異なる場合と比して、後処理装置の高さ調整の管理を簡略化することである。
【解決手段】中間搬送装置は、前処理装置から受け取った記録媒体を受取方向に対して一の方向と他の方向へと少なくとも一方の方向を変更して記録媒体を送り出す変更手段と、一の方向へ送り出されて一の後処理装置へ向かう記録媒体が通る送出口と、他の方向へ送り出されて他の後処理装置へ向かう記録媒体が通ると共に送出口の高さと同様の高さとされた他の送出口とが形成された筐体と、を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前処理装置から受け取った記録媒体を受取方向に対して一の方向と他の方向へと少なくとも一方の方向を変更して記録媒体を送り出す変更手段と、
前記一の方向へ送り出されて一の後処理装置へ向かう記録媒体が通る送出口と、前記他の方向へ送り出されて他の後処理装置へ向かう記録媒体が通ると共に前記送出口の高さと同様の高さとされた他の送出口とが形成された筐体と、
を備える中間搬送装置。
【請求項2】
前記筐体には、前記前処理装置から前記変更手段が記録媒体を受け取るときに記録媒体が通る受取口が形成され、
前記受取口の高さと、前記送出口の高さは、同様とされている、
請求項1に記載の中間搬送装置。
【請求項3】
前記変更手段は、鉛直方向を軸方向として記録媒体を回転させて送り出し方向を変更する、
請求項1に記載の中間搬送装置。
【請求項4】
前記変更手段は、受け取る記録媒体の高さを維持した状態で記録媒体を回転させる、
請求項3に記載の中間搬送装置。
【請求項5】
前記変更手段は、記録媒体を受け取る受取ロールと、前記受取ロールと高さ同様とされ、前記送出口を通して記録媒体を送り出す送出ロールとを備える、
請求項1に記載の中間搬送装置。
【請求項6】
前記変更手段は、記録媒体を受け取る受取ロールと、前記受取ロールと高さ同様とされ、前記送出口を通して記録媒体を送り出す送出ロールと、記録媒体の搬送方向において前記受取ロールと前記送出ロールとの間に配置され、前記受取ロール及び前記送出ロールと高さが同様とされた中間ロールとを備える、
請求項1に記載の中間搬送装置。
【請求項7】
前処理装置と、
前記前処理装置から記録媒体を受け取り、後処理装置へ記録媒体を送り出す請求項1~6の何れか1項の中間搬送装置と、
を備える媒体処理システム。
【請求項8】
前記前処理装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置である、
請求項7に記載の媒体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間搬送装置、及び媒体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、媒体シートを受け取り螺旋経路に媒体シートを導き、媒体シートを排出させる媒体シートルータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置等の前処理装置から記録媒体を受け取り、受け取った記録媒体を後処理装置へ送り出す中間搬送装置がある。中間搬送装置から記録媒体を直接受け取る後処理装置が複数ある場合には、中間搬送装置が、受け取った記録媒体の送り出し方向を変えなければならない。
【0005】
従来の中間搬送装置では、方向を変えて一の後処理装置へ向けて記録媒体を送り出す高さと、方向を変えて他の後処理装置へ向けて記録媒体を送り出す高さとが異なっていた。換言すれば、一の後処理装置へ記録媒体を送り出すときに記録媒体が通る送出口の高さと他の後処理装置へ記録媒体を送り出すときに記録媒体が通る送出口の高さとが異なっていた。このため、一の後処理装置と、他の後処理装置とが異なる高さに調整されていたため、後処理装置の高さ調整の管理が煩雑となっていた。
【0006】
本開示の課題は、方向を変えて複数の後処理装置へ記録媒体を夫々送り出す構成において、一の後処理装置へ記録媒体を送り出すときに記録媒体が通る送出口の高さと他の後処理装置へ記録媒体を送り出すときに記録媒体が通る送出口の高さとが異なる場合と比して、後処理装置の高さ調整の管理を簡略化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様に係る中間搬送装置は、前処理装置から受け取った記録媒体を受取方向に対して一の方向と他の方向へと少なくとも一方の方向を変更して記録媒体を送り出す変更手段と、前記一の方向へ送り出されて一の後処理装置へ向かう記録媒体が通る送出口と、前記他の方向へ送り出されて他の後処理装置へ向かう記録媒体が通ると共に前記送出口の高さと同様の高さとされた他の送出口とが形成された筐体と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の第2態様に係る中間搬送装置は、第1態様に記載の中間搬送装置において、前記筐体には、前記前処理装置から前記変更手段が記録媒体を受け取るときに記録媒体が通る受取口が形成され、前記受取口の高さと、前記送出口の高さは、同様とされていることを特徴とする。
【0009】
本開示の第3態様に係る中間搬送装置は、第1態様に記載の中間搬送装置において、前記変更手段は、鉛直方向を軸方向として記録媒体を回転させて送り出し方向を変更することを特徴とする。
【0010】
本開示の第4態様に係る中間搬送装置は、第3態様に記載の中間搬送装置において、前記変更手段は、受け取る記録媒体の高さを維持した状態で記録媒体を回転させることを特徴とする。
【0011】
本開示の第5態様に係る中間搬送装置は、第1態様に記載の中間搬送装置において、前記変更手段は、記録媒体を受け取る受取ロールと、前記受取ロールと高さ同様とされ、前記送出口を通して記録媒体を送り出す送出ロールとを備えることを特徴とする。
【0012】
本開示の第6態様に係る中間搬送装置は、第1態様に記載の中間搬送装置において、前記変更手段は、記録媒体を受け取る受取ロールと、前記受取ロールと高さ同様とされ、前記送出口を通して記録媒体を送り出す送出ロールと、記録媒体の搬送方向において前記受取ロールと前記送出ロールとの間に配置され、前記受取ロール及び前記送出ロールと高さが同様とされた中間ロールとを備えることを特徴とする。
【0013】
本開示の第7態様に係る媒体処理システムは、前処理装置と、前記前処理装置から記録媒体を受け取り、後処理装置へ記録媒体を送り出す第1~第6態様の何れか1態様に記載の中間搬送装置と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本開示の第8態様に係る媒体処理システムは、第7態様に記載の媒体処理システムにおいて、前記前処理装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本開示の第1態様に係る中間搬送装置によれば、方向を変えて複数の後処理装置へ記録媒体を送り出す構成において、一の後処理装置へ記録媒体を送り出すときに記録媒体が通る送出口の高さと他の後処理装置へ記録媒体を送り出すときに記録媒体が通る送出口の高さとが異なる場合と比して、後処理装置の高さ調整の管理を簡略化することができる。
【0016】
本開示の第2態様に係る中間搬送装置によれば、受取口と送出口との高さが異なる場合と比して、前処理装置の高さ調整の管理、及び後処理装置との高さ調整の管理を簡略化することができる。
【0017】
本開示の第3態様に係る中間搬送装置によれば、記録媒体を受け取る受取方向に対して傾斜する傾斜ロールに巻き付けて螺旋状に搬送することで送り出し方向を変える場合と比して、記録媒体の詰まりを抑制することができる。
【0018】
本開示の第4態様に係る中間搬送装置によれば、受け取った記録媒体の高さが変化する場合と比して、高さが変わることによって生じる記録媒体の変形を抑制することができる。
【0019】
本開示の第5態様に係る中間搬送装置によれば、受取ロールの高さと、送出ロールの高さとが異なる場合と比して、記録媒体が受取ロールから送出ロールへ搬送されるときに生じる記録媒体の変形を抑制することができる。
【0020】
本開示の第6態様に係る中間搬送装置によれば、中間ロールの高さが受取ロール及び送出ロールの高さと異なる場合と比して、記録媒体が受取ロール、中間ロール、及び送出ロールによって搬送されるときに生じる記録媒体の変形を抑制することができる。
【0021】
本開示の第7態様に係る媒体処理システムによれば、送出口の高さが異なる中間搬送装置を備える場合と比して、送出口に対向した一の後処理装置と他の送出口に対向した他の後処理装置とを入れ替えるときに、入れ替えに要する時間を短縮することができる。
【0022】
本開示の第8態様に係る媒体処理システムによれば、中間搬送装置へ送り出す記録媒体に形成される画像を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の実施形態に係る媒体処理システムを示した平面図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る媒体処理システムに備えられたカラーモードを有する画像形成装置を示した概略構成図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る媒体処理システムに備えられたカラーモードを有する画像形成装置の画像形成ユニットを示した概略構成図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る媒体処理システムに備えられた白黒モードのみを有する画像形成装置を示した概略構成図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る媒体処理システムに備えられた白黒モードのみを有する画像形成装置の画像形成ユニットを示した概略構成図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る媒体処理システムに備えられた折り機の外観を示した外観図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る媒体処理システムに備えられた切断機の外観を示した外観図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る媒体処理システムに備えられた製本機の外観を示した外観図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る中間搬送装置を示した斜視図である。
【
図10】(A)(B)本開示の実施形態に係る中間搬送装置を示した側断面図、及び平断面図である。
【
図11】(A)(B)本開示の実施形態に係る中間搬送装置の動作を示した動作図である。
【
図12】(A)(B)本開示の実施形態に係る中間搬送装置の動作を示した動作図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の実施形態に係る中間搬送装置、及び中間搬送装置を備えた媒体処理システムの一例を
図1~
図12に従って説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向であって上下方向を示し、矢印Wは、水平方向であって幅方向を示し、矢印Dは、水平方向であって奥行き方向を示す。また、矢印H、矢印W、及び矢印Dは、互いに直交する。
【0025】
媒体処理システム200は、
図1に示されるように、カラーモードを有する画像形成装置10と、白黒モードのみを有する画像形成装置110と、中間搬送装置70と、切断機80と、製本機90と、折り機180とを備えている。画像形成装置10、及び画像形成装置110は、前処理装置の一例であって、切断機80、製本機90は、一の後処理装置の一例であって、折り機180は、他の後処理装置の一例である。
【0026】
画像形成装置10は、画像形成装置10の操作画面18が奥行き方向の手前側となるように配置されている。中間搬送装置70は、画像形成装置10に対して幅方向の一方側に配置されている。
【0027】
画像形成装置110は、中間搬送装置70に対して奥行き方向の奥側で、かつ、画像形成装置110の操作画面118が幅方向の他方側となるように配置されている。折り機180は、中間搬送装置70に対して奥行き方向の手前側で、かつ、折り機180の操作画面188が幅方向の他方側となるように配置されている。
【0028】
切断機80は、中間搬送装置70に対して幅方向の一方側で、かつ、切断機80の操作画面88が奥行き方向の手前側となるように配置されている。さらに、製本機90は、切断機80に対して幅方向の一方側で、かつ、製本機90の操作画面98が奥行き方向の手前側となるように配置されている。
【0029】
(画像形成装置10)
図2には、画像形成装置10の操作側から見た画像形成装置10が模式的に示されている。換言すれば、
図2には、画像形成装置10の操作画面18側から見た画像形成装置10が模式的に示されている。
【0030】
画像形成装置10は、
図2に示されるように、記録媒体の一例としてのシート部材Pが収容される用紙収容部12と、シート部材Pを搬送する搬送部14と、搬送されるシート部材Pに画像形成を行う主動作部16とを備えている。さらに、画像形成装置10は、ユーザが操作する操作画面18と、各部を制御する制御部20とを備えている。
【0031】
〔用紙収容部12、搬送部14〕
用紙収容部12は、
図2に示されるように、サイズの異なるシート部材Pを収容可能な第1収容部22、及び第2収容部24を備えている。第1収容部22、及び第2収容部24には、収容されたシート部材Pを一枚ずつ送り出す送出ロール26と、送り出されたシート部材Pを筐体10a内に設けられた搬送経路30へ向けて搬送する搬送ロール28とが夫々設けられている。
【0032】
搬送部14は、搬送経路30に送り出されたシート部材Pを搬送する複数の搬送ロール32と、シート部材Pを一端停止させると共に、決められたタイミングで後述する二次転写位置Nへ送り出すことで画像転写の位置合せを行う位置合せロール34とを備えている。これにより、搬送部14は、画像形成装置10の操作側から見て幅方向の一方側に形成された送出口11からシート部材Pを筐体10aの外部へ送り出すようになっている。
【0033】
〔主動作部16〕
主動作部16は、
図2に示されるように、トナー画像(現像剤像)を形成する画像形成部40と、シート部材P上のトナー画像を定着する定着装置36とを備えている。
【0034】
-画像形成部40-
画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び ブラック(K)の各トナーに対応して設けられた像保持体42K、42C、42M、42Yを有する画像形成ユニット44K、44C、44M、44Yと、帯電した像保持体42K、42C、42M、42Yの外周面に向けて露光光Lを照射して静電潜像を形成する露光装置46K、46C、46M、46Yと、画像形成ユニット44K、44C、44M、44Yで形成された画像をシート部材P上に転写する転写ユニット48と、を備えている。
【0035】
そして、転写ユニット48に備えられた転写ベルト56の周回方向(図中矢印C参照)において、上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の画像形成ユニット44が、この順番に並んで配置されている。
【0036】
なお、画像形成ユニット44K、44C、44M、44Yは、用いるトナーの色を除いて同様の構成されている。また、Y、M、C、Kを区別する必要がない場合は、Y、M、C、Kの記載を省略する場合がある。
【0037】
画像形成ユニット44は、
図3に示されるように、図中矢印R方向に回転する像保持体42と、像保持体42の外周面を帯電させる帯電器50と、クリーニングユニット52と、露光装置46(
図2参照)によって形成された静電潜像をトナー画像に現像する現像器54とを備えている。
【0038】
転写ユニット48は、
図2に示されるように、画像形成ユニット44の下方に配置されており、各色の像保持体42と外周面で接触する転写ベルト56と、転写ベルト56を挟んで像保持体42の反対側に配置され、像保持体42に形成されたトナー画像を転写ベルト56に転写する一次転写ロール58と、転写ベルト56に転写されたトナー画像をシート部材Pに転写する二次転写ロール60と、複数の巻掛ロール62とを備えている。
【0039】
具体的には、転写ベルト56は、複数の巻掛ロール62に巻き掛けられることで頂点が下方を向く三角形状の姿勢とされており、矢印C方向に周回するようになっている。二次転写ロール60は、三角形状の頂部に配置された巻掛ロール62に対して転写ベルト56を挟んで反対側に配置されている。そして、転写ベルト56と二次転写ロール60との接触部が、二次転写位置Nとされている。
【0040】
-定着装置36-
定着装置36は、シート部材Pの搬送方向において、二次転写ロール60の下流側に配置されており、熱と圧力によって、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着するようになっている。
【0041】
この構成において、
図3に示す帯電器50は、回転する像保持体42の外周面を帯電する。さらに、露光装置46(
図2参照)が、露光光を像保持体42に照射して像保持体42の外周面に静電潜像を形成する。また、現像器54が、像保持体42の静電潜像をトナー画像に現像する。さらに、一次転写ロール58は、像保持体42のトナー画像を転写ベルト56に転写する。
【0042】
転写ベルト56に転写された各色のトナー画像は、周回する転写ベルト56によって搬送され、
図2に示す二次転写ロール60が、転写ベルト56上のトナー画像を搬送されるシート部材Pに転写する。さらに、定着装置36は、搬送されるシート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する。そして、画像形成装置10は、トナー画像が定着したシート部材Pを、筐体10aに形成された送出口11から筐体10aの外部へ送り出す。具体的には、画像形成装置10は、画像形成装置10を操作側から見て、シート部材Pを、幅方向の一方側である右側から外部へ送り出す。
【0043】
(画像形成装置110)
図4には、画像形成装置110の操作側から見た画像形成装置110が模式的に示されている。換言すれば、
図4には、画像形成装置110の操作画面118側から見た画像形成装置110が模式的に示されている。
【0044】
画像形成装置110は、
図4に示されるように、シート部材Pが収容される用紙収容部112と、シート部材Pを搬送する搬送部114と、搬送されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部116とを備えている。さらに、画像形成装置110は、ユーザが操作する操作画面118と、各部を制御する制御120とを備えている。
【0045】
〔用紙収容部112、搬送部114〕
用紙収容部112は、
図4に示されるように、シート部材Pを収容可能な収容部122を備えている。収容部122には、収容されたシート部材Pを一枚ずつ送り出す送出ロール126と、送り出されたシート部材Pを筐体110a内に設けられた搬送経路130に向けて搬送する搬送ロール128とが設けられている。
【0046】
搬送部114は、搬送経路130に送り出されたシート部材Pを搬送する複数の搬送ロール132と、シート部材Pを一端停止させると共に、決められたタイミングで後述する二次転写位置Nへ送り出すことで画像転写の位置合せを行う位置合せロール134とを備えている。
【0047】
〔画像形成部116〕
画像形成部116は、
図4に示されるように、ブラック(K)トナーに対応して設けられた像保持体142を有する画像形成ユニット144と、帯電した像保持体142の外周面に向けて露光光Lを照射して静電潜像を形成する露光装置146と、画像形成ユニット44で形成された画像をシート部材P上に転写する転写ロール148とを備えている。さらに、画像形成部116は、シート部材P上のトナー画像を定着する定着装置136を備えている。
【0048】
画像形成ユニット144は、
図5に示されるように、図中矢印R方向に回転する像保持体142と、像保持体142の外周面を帯電させる帯電器150と、クリーニングブレード152と、露光装置146(
図4参照)によって形成された静電潜像をトナー画像に現像する現像器154とを備えている。また、転写ロール148は、搬送経路130を挟んで像保持体142の反対側に配置されている。
【0049】
定着装置136は、
図4に示されるように、シート部材Pの搬送方向において、転写ロール148の下流側に配置されており、熱と圧力によって、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着するようになっている。
【0050】
この構成において、
図5に示す帯電器150は、回転する像保持体142の外周面を帯電する。さらに、露光装置146(
図4参照)が、露光光を像保持体142に照射して像保持体142の外周面に静電潜像を形成する。また、現像器154が、像保持体142の静電潜像をトナー画像に現像する。
【0051】
さらに、
図4に示す転写ロール148が、像保持体142上のトナー画像を搬送されるシート部材Pに転写する。また、定着装置136は、搬送されるシート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する。そして、画像形成装置110は、トナー画像が定着したシート部材Pを、筐体110aに形成された送出口111から筐体110aの外部へ送り出す。具体的には、画像形成装置110は、画像形成装置110を操作側から見て、シート部材Pを、奥行き方向の手前側である右側から外部へ送り出す。
【0052】
ここで、画像形成装置110が設置される床面からの送出口111の高さは、画像形成装置10の送出口11の高さと同様とされている。
【0053】
(折り機180)
図6には、折り機180の操作側から見た折り機180が模式的に示されている。換言すれば、
図6には、折り機180の操作画面188側から見た折り機180が模式的に示されている。
【0054】
折り機180は、既知の折り機であって、シート部材Pを受け取り、定められた折り加工を受け取ったシート部材Pに施すようになっている。
【0055】
折り機180の筐体180aには、
図6に示されるように、シート部材Pを受け取る受取口184aと、折り加工を施したシート部材Pを送り出す送出口184bとが形成されている。具体的には、折り機180の操作側から見て、奥行き方向の奥側に受取口184aが形成され、奥行き方向の手前側に送出口184bが形成されている。換言すれば、折り機180の操作側から見て、左側に受取口184aが形成され、右側に送出口184bが形成されている。
【0056】
そして、折り機180が設置される床面からの受取口184aの高さは、画像形成装置10の送出口11の高さと同様とされている。
【0057】
この構成において、折り機180は、折り機180の操作側から見て、
図6に示されるように、奥行き方向の奥側からシート部材Pを受け取り、奥行き方向の手前側へ折り加工を施したシート部材Pを送り出す。換言すれば、折り機180は、折り機180の操作側から見て、左側からシート部材Pを受け取り、右側へ折り加工を施したシート部材Pを送り出す。
【0058】
(切断機80)
図7には、切断機80の操作側から見た切断機80が模式的に示されている。換言すれば、
図7には、切断機80の操作画面88側から見た切断機80が模式的に示されている。
【0059】
切断機80は、既知の切断機であって、シート部材Pを受け取り、定められた切断加工を受け取ったシート部材Pに施すようになっている。
【0060】
切断機80の筐体80aには、
図7に示されるように、シート部材Pを受け取る受取口84aと、切断加工を施したシート部材Pを送り出す送出口84bとが形成されている。具体的には、切断機80の操作側から見て、幅方向の他方側に受取口84aが形成され、幅方向の一方側に送出口84bが形成されている。換言すれば、切断機80の操作側から見て、左側に受取口84aが形成され、右側に送出口84bが形成されている。
【0061】
そして、切断機80が設置される床面からの受取口84aの高さは、画像形成装置10の送出口11の高さと同様とされている。さらに、切断機80が設置される床面からの送出口84bの高さは、画像形成装置10の送出口11の高さと同様とされている。
【0062】
この構成において、切断機80は、切断機80の操作側から見て、
図7に示されるように、幅方向の他方側からシート部材Pを受け取り、幅方向の一方側へ切断加工を施したシート部材Pを送り出す。換言すれば、切断機80は、切断機80の操作側から見て、左側からシート部材Pを受け取り、右側へ切断加工を施したシート部材Pを送り出す。
【0063】
(製本機90)
図8には、製本機90の操作側から見た製本機90が模式的に示されている。換言すれば、
図8には、製本機90の操作画面98側から見た製本機90が模式的に示されている。
【0064】
製本機90は、既知の製本機であって、シート部材Pを複数枚受け取り、一冊の本にまとめる機械であって、本実施形態では、製本機90が予め決められた枚数のシート部材Pを受け取る毎に、製本機90は、複数枚のシート部材Pに製本加工を施して本を作成するようになっている。
【0065】
製本機90の筐体90aには、
図8に示されるように、シート部材Pを受け取る受取口94aと、作成した本を送り出す送出口94bとが形成されている。具体的には、製本機90の操作側から見て、幅方向の他方側に受取口94aが形成され、幅方向の一方側に送出口94bが形成されている。換言すれば、製本機90の操作側から見て、左側に受取口94aが形成され、右側に送出口94bが形成されている。
【0066】
そして、製本機90が設置される床面からの受取口94aの高さは、画像形成装置10の送出口11の高さと同様とされている。
【0067】
この構成において、製本機90は、製本機90の操作側から見て、
図8に示されるように、幅方向の他方側から切断機80によって切断加工を施されたシート部材Pを受け取り、幅方向の一方側へ作成した本を送り出す。換言すれば、製本機90は、製本機90の操作側から見て、左側からシート部材Pを受け取り、右側へ作成した本を送り出す。
【0068】
〔中間搬送装置70〕
中間搬送装置70は、
図9に示されるように、直方体状で平面視において四角形状の筐体72を有し、筐体72の4個の側壁72aには、開口74が夫々形成されている。本実施形態では、幅方向の他方側を向いた側壁72aに形成された開口74、及び奥行き方向の奥側を向いた側壁72aに形成された開口74は、シート部材Pを受け取る受取口74aである。また、幅方向の一方側を向いた側壁72aに形成された開口74、及び奥行き方向の手前側を向いた側壁72aに形成された開口74は、シート部材Pを送り出す送出口74bである。
【0069】
ここで、中間搬送装置70が設置される床面からの開口74の高さは、画像形成装置10の送出口11の高さ、及び画像形成装置110の送出口111の高さと同様とされている。つまり、中間搬送装置70が設置される床面からの開口74の高さは、折り機180の受取口184aの高さ、及び切断機80の受取口84aの高さと同様とされている。
【0070】
また、本実施形態で、「・・口の高さ」とは、ロールに挟み込まれて搬送されて・・口を通っている状態のシート部材Pの高さである。また、「同様」とは、一方が、他方の±5%以内で、かつ、他方が一方の±5%以内のことである。
【0071】
中間搬送装置70は、
図10(A)(B)に示されるように、筐体72の内部にシート部材Pの送り出し方向を変更することができる変更部76を筐体72の内部に備えている。ここで、「シート部材Pの送り出し方向を変更」とは、シート部材Pの先端縁が向く方向を変更し、シート部材Pの先端縁からシート部材Pを送り出すことである。変更部76は、変更手段の一例である。
【0072】
変更部76は、受取口74aを通してシート部材Pを受け取る受取ロール76aと、送出口74bを通してシート部材Pを外部へ送り出す送出ロール76bと、受取ロール76aと送出ロール76bとの間に配置された中間ロール76cとを備えている。さらに、変更部76は、受け取ったシート部材Pが載せられる板状の受取台76dを備えている。これらのロールについては、図示せぬ駆動部から回転力が伝達されるようになっている。
【0073】
ここで、床面からの受取ロール76aの高さ、送出ロール76bの高さ、及び中間ロール76cの高さは、開口74の高さと同様とされている。また、ロールの高さとは、ロールによってシート部材Pが挟み込まれる部分の高さである。さらに、受取台76dにおいて、シート部材Pが載せられる板面の高さは、受取ロール76aの高さ、送出ロール76bの高さ、及び中間ロール76cの高さと同様とされている。
【0074】
さらに、受取台76dは、上方から見て受取ロール76a及び送出ロール76bが配置される部分が切りかかれた円状とされ、受取ロール76aと送出ロール76bとの間に配置されている。また、受取台76dの中央部分には、中間ロール76cが配置される貫通孔が形成されている。そして、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、一体となって回転するように、図示せぬブラケット等を介して互いに連結されている。
【0075】
さらに、変更部76は、受取台76dを支持すると共に受取台76d等を回転させる回転軸となる軸部76eと、軸部76eを回転させる駆動部76fとを備えている。軸部76eの軸方向は、上下方向(鉛直方向)とされ、軸部76eの上方部分が水平方向に分かれ、分かれた上端部で受取台76dの裏面と接続されている。そして、駆動部76fが軸部76eを回転させることで、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dが、円状の受取台76dの中心を回転中心として回転するようになっている。
【0076】
この構成において、画像形成装置10から受け取ったシート部材Pを折り機180(
図1参照)へ送り出す場合は、
図11(A)に示されるように、受取ロール76aが、幅方向の他方側の受取口74aを通してシート部材Pを受け取り、受取ロール76a、及び中間ロール76cが、受け取ったシート部材Pを受取台76dの規定の位置へ搬送する。具体的には、シート部材Pの形状の情報を図示せぬ制御部が受け取り、シート部材Pの先端を検知するセンサの検知タイミングに基づき各ロールの回転数を制御することで、シート部材Pの中心が円状の受取台76dの中心に重なる位置に、シート部材Pを搬送する。そして、シート部材Pの中心が円状の受取台76dの中心に重なると各ロールが停止する。
【0077】
そして、
図10(A)に示す駆動部76fが軸部76eを回転させる。具体的には、シート部材Pの中心が回転軸と重なった状態で、駆動部76fが軸部76eを回転させる。
【0078】
これにより、
図11(B)に示されるように、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、一体となって回転する。このように、変更部76は、受取口74aを通して受け取るシート部材Pの高さを維持した状態でシート部材Pを回転させる。具体的には、受取ロール76aが受け取ったときのシート部材Pの高さが維持された状態で、受取ロール76a、送出ロール76b、及び中間ロール76cがシート部材Pを搬送し、かつ、この高さを維持した状態でシート部材Pを回転させる。
【0079】
具体的には、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、時計回りに90度回転する。そして、図示せぬ制御部が駆動部76fを制御し、送出ロール76bと奥行き方向の手前側の送出口74bとが対向した状態で受取台76dが停止し、この状態で、各ロールが回転し、送出ロール76bが、送出口74bを通してシート部材Pを折り機180(
図1参照)へ送り出す。
【0080】
一方、画像形成装置10から受け取ったシート部材Pを切断機80(
図1参照)へ送り出す場合は、
図11(A)に示されるように、受取ロール76aが幅方向の他方側の受取口74aを通してシート部材Pを受け取り、時計回り又は反時計回りに回転することなく、送出ロール76bが、幅方向の一方側の送出口74bを通してシート部材Pを折り機180(
図1参照)へ送り出す。
【0081】
なお、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、時計回りに90度、又は反時計回りに90度回転する。これにより、中間搬送装置70は、シート部材Pを受け取る受取方向に対して交差する交差方向の一側と他側とにシート部材Pを送り出すことができる。
【0082】
(作用)
次に、中間搬送装置70、及び媒体処理システム200の作用について説明する。先ず、カラー画像が形成されたシート部材Pを三つ折りしてパンフレットを作成する場合について説明し、次に、カラー頁と白黒頁とを有する本を作成する場合について説明する。なお、以下の作用については、図示せぬ制御部が各部を制御することで実行される。
【0083】
〔パンフレットの作成〕
図1に示す画像形成装置10は、カラー画像が形成されたシート部材Pを、幅方向の一方側の送出口11から送り出す。
【0084】
さらに、中間搬送装置70は、幅方向の他方側の受取口74aを通して画像形成装置10から送り出されたシート部材Pを受け取る。なお、中間搬送装置70については、受取ロール76aが幅方向の他方側の受取口74aと対向した状態となっている。
【0085】
具体的には、
図11(A)に示されるように、中間搬送装置70の受取ロール76aが、受取口74aを通してシート部材Pを受け取り、受取ロール76a、中間ロール76c、及び送出ロール76bが、受け取ったシート部材Pを受取台76dの規定の位置へ搬送する。また、
図10(A)に示す駆動部76fが軸部76eを回転させることで、
図11(B)に示されるように、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、一体となって時計回りに回転する。
【0086】
そして、送出ロール76bと奥行き方向の手前側の送出口74bとが対向した状態で受取台76dが停止し、この状態で、各ロールが回転し、送出ロール76bが、送出口74bを通してシート部材Pを奥行き方向の手前側の折り機180(
図1参照)へ送り出す。シート部材Pを折り機180へ送り出すと、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、一体となって反時計回りに回転し、受取ロール76aが幅方向の他方側の受取口74aと対向する。
【0087】
折り機180は、
図6に示す奥行き方向の奥側の受取口184aを通してシート部材Pを受け取り、三つ折りに折り加工を施したシート部材Pをパンフレットとして、奥行き方向の手前側の送出口184bから送り出す。
【0088】
以上の工程が繰り返されることで、複数のパンフレットが、媒体処理システム200によって作成される。
【0089】
〔本の作成〕
例えば、最初と最後の頁がカラーであって他が白黒頁である本を作成する場合には、
図1に示す画像形成装置10は、カラー画像が形成されたシート部材Pを、幅方向の一方側の送出口11を通して送り出す。
【0090】
さらに、中間搬送装置70は、幅方向の他方側の受取口74aを通して画像形成装置10から送り出されたシート部材Pを受け取る。なお、中間搬送装置70については、受取ロール76aが幅方向の他方側の受取口74aと対向した状態となっている。
【0091】
具体的には、
図11(A)に示されるように、中間搬送装置70の受取ロール76aが、受取口74aを通してシート部材Pを受け取る。そして、受取ロール76a、中間ロール76c、及び送出ロール76bが、受け取ったシート部材Pを受取台76dに載せながら搬送し、幅方向の一方側の送出口74bからシート部材Pを送り出す。シート部材Pを切断機80へ送り出すと、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、一体となって時計回りに回転し、受取ロール76aが奥行き向の奥側の受取口74aと対向すると停止する。
【0092】
また、切断機80は、
図7に示す幅方向の他方側の受取口84aを通してシート部材Pを受け取り、切断加工を施したシート部材Pを幅方向の一方側の送出口84bから送り出す。
【0093】
さらに、製本機90は、
図8に示す幅方向の他方側の受取口94aを通してシート部材Pを受け取り、製本機90の筐体90aの内部にシート部材Pを受け入れる。
【0094】
また、画像形成装置110は、白黒画像が形成されたシート部材Pを、
図4に示す奥行き方向の手前側の送出口111を通して送り出す。
【0095】
さらに、中間搬送装置70は、奥行き向の奥側の受取口74aを通して画像形成装置110から送り出されたシート部材Pを受け取る。
【0096】
具体的には、
図12(A)に示されるように、中間搬送装置70の受取ロール76aが、受取口74aを通してシート部材Pを受け取り、受取ロール76a、中間ロール76c、及び送出ロール76bが、受け取ったシート部材Pを受取台76dの規定の位置へ搬送する。また、
図10(A)に示す駆動部76fが軸部76eを回転させることで、
図12(B)に示されるように、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、一体となって反時計回りに回転する。
【0097】
そして、送出ロール76bと幅方向の一方側の送出口74bとが対向した状態で受取台76dが停止し、この状態で、各ロールが回転し、送出ロール76bが、送出口74bを通してシート部材Pを幅方向の一方側の切断機80へ送り出す。シート部材Pを切断機80へ送り出すと、受取ロール76a、送出ロール76b、中間ロール76c、及び受取台76dは、一体となって時計回りに回転し、受取ロール76aが奥行き向の奥側の受取口74aと対向すると停止する。
【0098】
また、切断機80は、
図7に示す幅方向の他方側の受取口84aを通してシート部材Pを受け取り、切断加工を施したシート部材Pを幅方向の一方側の送出口84bから送り出す。
【0099】
さらに、製本機90は、
図8に示す幅方向の他方側の受取口94aを通してシート部材Pを受け取り、製本機90の筐体90aの内部にシート部材Pを受け入れる。
【0100】
そして、画像形成装置10によって形成されたカラー画像の一対のシート部材Pが、画像形成装置110によって形成された白黒画像の複数のシート部材Pを挟むように筐体90aの内部に積み重ねられる。さらに、製本機90は、複数枚のシート部材Pに製本加工を施して本を作成し、作成した本を幅方向の一方側の送出口94bから送り出す。
【0101】
以上の工程が繰り返されることで、複数の本が、媒体処理システム200によって作成される。
【0102】
(まとめ)
以上説明したように、中間搬送装置70においては、中間搬送装置70から後処理装置としての切断機80へ送り出されるときに通る送出口74bと、中間搬送装置70から後処理装置としての折り機180へ送り出されるときに通る送出口74bとは同様の高さとされている。これにより、方向を変えて複数の後処理装置へシート部材Pを送り出す構成において、折り機へシート部材Pを送り出すときにシート部材Pが通る送出口の高さと切断機へシート部材Pを送り出すときにシート部材Pが通る送出口の高さとが異なる場合と比して、後処理装置の高さ調整の管理が簡略化される。
【0103】
また、中間搬送装置70においては、受取口74aの高さは、送出口74bの高さと同様とされている。これにより、受取口と送出口との高さが異なる場合と比して、前処理装置としての画像形成装置10、110の高さ調整の管理、及び後処理装置としての折り機180及び切断機80の高さ調整の管理が簡略化される。
【0104】
また、中間搬送装置70においては、変更部76は、鉛直方向を回転軸方向としてシート部材Pを回転させることでシート部材Pの送り出し方向を変える。これにより、シート部材Pを受け取る受取方向に対して傾斜する傾斜ロールに巻き付けて螺旋状に搬送することで送り出し方向を変える場合と比して、シート部材Pの剛性の違いによって生じる巻き付け不良によって、搬送されるシート部材Pが詰まってしまうのが抑制される。
【0105】
また、中間搬送装置70においては、シート部材Pを受け取り、受け取るシート部材Pの高さを維持した状態で回転させてシート部材Pを送り出す。このため、受け取ったシート部材Pの高さが変化する場合と比して、高さが変わることによって生じるシート部材Pの変形が抑制される。
【0106】
また、中間搬送装置70においては、受取ロール76aの高さと、送出ロール76bの高さとは、同様とされている。これにより、受取ロール76aの高さと、送出ロール76bの高さとが異なる場合と比して、シート部材Pが受取ロール76aから送出ロール76bへ搬送されるときに生じるシート部材Pの変形が抑制される。
【0107】
また、中間搬送装置70においては、受取ロール76aと送出ロール76bとの間に配置されている中間ロール76cの高さは、受取ロール76a及び送出ロール76bの高さと同様である。これにより、中間ロールの高さが受取ロール及び送出ロールの高さと異なる場合と比して、シート部材Pが受取ロール76a、中間ロール76c及び送出ロール76bによって搬送されるときに生じるシート部材Pの変形が抑制される。
【0108】
また、媒体処理システム200においては、送出口の高さが異なる中間搬送装置を備える場合と比して、送出口に対向した一の後処理装置と他の送出口に対向した他の後処理装置とを入れ替えるときに、入れ替えに要する時間が短縮される。
【0109】
また、媒体処理システム200においては、前処理装置には、画像形成装置10、110が用いられている。これにより、中間搬送装置70へ送り出すシート部材Pに形成される画像が容易に変更される。
【0110】
なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示は本開示の範囲にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、前処理装置として、画像形成装置10、110を例にとって説明したが、印刷されたシート部材Pが内部に積載された前処理スタッカー機でもよく、インクジェットの画像形成装置等であってもよい。この場合には、前処理装置として、画像形成装置を用いることで奏する作用は奏しない。
【0111】
また、上記実施形態は、後処理装置として、折り機180、切断機80、及び製本機90を例にとって説明したが、中綴じ機、バインダー機、ステープル機、スリット機、プレス機、又は後処理スタッカー機等であってもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、中間搬送装置70は、平面視で四角形状であって、各側面に受取口又は送出口が設けられていた。しかし、平面視で三角形状、五角形状、又は六角形状等の他の多角形状で、各側面に受取口又は送出口が設けられてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、特に記載しなかったが、画像形成装置と中間搬送装置との間に、シート部材Pを除電する除電装置、画像を検査する検査装置、及びシート部材Pを一時的に貯めて後段装置に送り出すバッファー装置等が設けられてもよい。このような場合には、シート部材Pの処理方向において、中間搬送装置に対して上流側に配置された複数の装置が1個の前処理装置となる。
【0114】
また、上記実施形態では、中間搬送装置70が受け取ったシート部材Pを回転させることでシート部材Pの送り出し方向を変えたが、シート部材Pを受取方向に対して傾斜する傾斜ロールに巻き付けて螺旋状に搬送することでシート部材Pの送り出し方向を変えてもよい。しかし、この場合には、シート部材Pを回転させてシート部材Pの送り出し方向を変えることで奏する作用は奏しない。
【0115】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、シート部材Pを受取方向に対して傾斜する傾斜ロールに巻き付けて螺旋状に搬送することでシート部材Pの送り出し方向を変える場合には、複数の傾斜ロールを用いることで、複数の送出口の高さを互いに同様としてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、変更部76は、回転軸にシート部材Pの中心が重なった状態でシート部材Pを回転させたが、重なっていない状態でシート部材Pを回転させてもよい。しかし、この場合には、回転軸にシート部材Pの中心が重なった状態でシート部材Pを回転させることで奏する作用は奏しない。
【0117】
また、上記実施形態では、受取ロール76a、送出ロール76b、及び中間ロール76cの高さが同様とされたが、異なっていてもよい。しかし、この場合には高さが同様であることで奏する作用は奏しない。
【0118】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、例えば、一の後処理装置としての切断機80と、他の後処理装置としての折り機180とを入れ替えると、折り機が、一の後処理装置となり、切断機が、他の後処理装置となる。
【0119】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、媒体処理システム200は、中間搬送装置70と画像形成装置10、110とを接続する接続部材、中間搬送装置70と切断機80とを接続する部材、及び中間搬送装置70と折り機180とを接続する部材を備えている。
【0120】
(((1)))
前処理装置から受け取った記録媒体を受取方向に対して一の方向と他の方向へと少なくとも一方の方向を変更して記録媒体を送り出す変更手段と、
前記一の方向へ送り出されて一の後処理装置へ向かう記録媒体が通る送出口と、前記他の方向へ送り出されて他の後処理装置へ向かう記録媒体が通ると共に前記送出口の高さと同様の高さとされた他の送出口とが形成された筐体と、
を備える中間搬送装置。
【0121】
(((2)))
前記筐体には、前記前処理装置から前記変更手段が記録媒体を受け取るときに記録媒体が通る受取口が形成され、
前記受取口の高さと、前記送出口の高さは、同様とされている、
(((1)))に記載の中間搬送装置。
【0122】
(((3)))
前記変更手段は、鉛直方向を軸方向として記録媒体を回転させて送り出し方向を変更する、
(((1)))に記載の中間搬送装置。
【0123】
(((4)))
前記変更手段は、受け取る記録媒体の高さを維持した状態で記録媒体を回転させる、
(((3)))に記載の中間搬送装置。
【0124】
(((5)))
前記変更手段は、記録媒体を受け取る受取ロールと、前記受取ロールと高さ同様とされ、前記送出口を通して記録媒体を送り出す送出ロールとを備える、
(((1)))~(((4)))の何れか1に記載の中間搬送装置。
【0125】
(((6)))
前記変更手段は、記録媒体を受け取る受取ロールと、前記受取ロールと高さ同様とされ、前記送出口を通して記録媒体を送り出す送出ロールと、記録媒体の搬送方向において前記受取ロールと前記送出ロールとの間に配置され、前記受取ロール及び前記送出ロールと高さが同様とされた中間ロールとを備える、
(((1)))~(((4)))の何れか1に記載の中間搬送装置。
【0126】
(((7)))
前処理装置と、
前記前処理装置から記録媒体を受け取り、後処理装置へ記録媒体を送り出す(((1)))~(((6)))の何れか1の中間搬送装置と、
を備える媒体処理システム。
【0127】
(((8)))
前記前処理装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置である、
(((7)))に記載の媒体処理システム。
【符号の説明】
【0128】
10 画像形成装置(前処理機の一例)
11 送出口
70 中間搬送装置
72 筐体
74a 受取口
74b 送出口
76 変更部(変更手段の一例)
76a 受取ロール
76b 送出ロール
76c 中間ロール
80 切断機(一の後処理装置の一例)
90 製本機(一の後処理装置の一例)
110 画像形成装置(前処理機の一例)
180 折り機(他の後処理装置の一例)
200 媒体処理システム