特開 2024-25885 媒体処理システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024025885

(43)【公開日】2024-02-28

(54)【発明の名称】媒体処理システム

(51)【国際特許分類】

   B65H 5/18 20060101AFI20240220BHJP

   B65H 9/00 20060101ALI20240220BHJP

   B65H 29/58 20060101ALI20240220BHJP

【ＦＩ】

B65H5/18

B65H9/00 K

B65H29/58 C

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022129227

(22)【出願日】2022-08-15

(71)【出願人】

【識別番号】000005496

【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001519

【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】栗田 知一

(72)【発明者】

【氏名】梁川 禎介

(72)【発明者】

【氏名】田中 勝己

(72)【発明者】

【氏名】土井 雷太

【テーマコード（参考）】

3F053

3F101

3F102

【Ｆターム（参考）】

3F053CA06

3F053LA01

3F101BA07

3F101BB05

3F101BB07

3F101LA01

3F102AA01

3F102BA06

3F102BB08

3F102EA17

(57)【要約】

【課題】記録媒体を一方側へ送り出す前処理装置に記録媒体を一方側から受け取る後処理装置を用いること、及び記録媒体を他方側へ送り出す前処理装置に記録媒体を他方側から受け取る後処理装置を用いること、の少なくとも一方を可能とすることである。
【解決手段】媒体処理システムは、記録媒体を前処理し、操作側から見て記録媒体を左右の一方側又は他方側へ送り出す前処理装置と、前処理装置から記録媒体を受け取り、平面視で受取方向に対して交差する交差方向の一側へ記録媒体を送り出す送出装置と、送出装置によって送り出された記録媒体を操作側から見て左右の他方側又は一方側から受け取り、記録媒体を後処理する後処理装置と、を備える。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

記録媒体を前処理し、操作側から見て記録媒体を左右の一方側又は他方側へ送り出す前処理装置と、
前記前処理装置から記録媒体を受け取り、平面視で受取方向に対して交差する交差方向の一側へ記録媒体を送り出す送出装置と、
前記送出装置によって送り出された記録媒体を操作側から見て左右の他方側又は一方側から受け取り、記録媒体を後処理する後処理装置と、
を備える媒体処理システム。

【請求項2】

前記送出装置は、前記交差方向の他側へも記録媒体を送り出すことが可能となっている、
請求項１に記載の媒体処理システム。

【請求項3】

前記送出装置においては、前記交差方向の一側へ記録媒体を送り出す方向と前記受取方向との成す角度と、前記交差方向の他側へ記録媒体を送り出す方向と前記受取方向との成す角度とは、同様とされている、
請求項２に記載の媒体処理システム。

【請求項4】

前記送出装置は、送り出す記録媒体が通る送出口を複数有し、
前記送出装置は、鉛直方向を軸方向として受け取った記録媒体を回転させることで、前記受取方向に対して記録媒体を送り出す方向を変える変更手段を備える、
請求項１に記載の媒体処理システム。

【請求項5】

前記変更手段は、回転軸に記録媒体の中心が重なった状態で記録媒体を回転させる、
請求項４に記載の媒体処理システム。

【請求項6】

前記前処理装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置である、
請求項１に記載の媒体処理システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、媒体処理システムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、媒体シートを受け取り螺旋経路に媒体シートを導き、媒体シートを排出させる媒体シートルータが記載されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１６－２２２４６１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

媒体処理システムは、画像形成装置等の前処理装置と、前処理装置が送り出された記録媒体を受け取って裁断する等の後処理装置とを備えている。

【0005】

ここで、前処理装置には、装置の操作側から見て、記録媒体を右側へ送り出す装置と、記録媒体を左側へ送り出す装置とがある。同様に、後処理装置には、装置の操作側から見て、記録媒体を左側から受け取る装置と、記録媒体を右側から受け取る装置とがある。

【0006】

従来、前処理装置及び後処理装置は、壁に沿って設置されており、記録媒体を右側へ送り出す前処理装置には、記録媒体を左側から受け取る後処理装置が用いられた。同様に、記録媒体を左側へ送り出す前処理装置には、記録媒体を右側から受け取る後処理装置が用いられた。

【0007】

本開示の課題は、前処理装置を壁に沿って配置した場合であっても、操作側から見て、記録媒体を一方側へ送り出す前処理装置に記録媒体を一方側から受け取る後処理装置を用いること、及び記録媒体を他方側へ送り出す前処理装置に記録媒体を他方側から受け取る後処理装置を用いること、の少なくとも一方を可能とする構成を得ることである。

【課題を解決するための手段】

【0008】

本開示の第１態様に係る媒体処理システムは、記録媒体を前処理し、操作側から見て記録媒体を左右の一方側又は他方側へ送り出す前処理装置と、前記前処理装置から記録媒体を受け取り、平面視で受取方向に対して交差する交差方向の一側へ記録媒体を送り出す送出装置と、前記送出装置によって送り出された記録媒体を操作側から見て左右の他方側又は一方側から受け取り、記録媒体を後処理する後処理装置とを備えることを特徴とする。

【0009】

本開示の第２態様に係る媒体処理システムは、第１態様に記載の媒体処理システムにおいて、前記送出装置は、前記交差方向の他側へも記録媒体を送り出すことが可能となっていることを特徴とする。

【0010】

本開示の第３態様に係る媒体処理システムは、第２態様に記載の媒体処理システムにおいて、前記送出装置においては、前記交差方向の一側へ記録媒体を送り出す方向と前記受取方向との成す角度と、前記交差方向の他側へ記録媒体を送り出す方向と前記受取方向との成す角度とは、同様とされていることを特徴とする。

【0011】

本開示の第４態様に係る媒体処理システムは、第１態様に記載の媒体処理システムにおいて、前記送出装置は、送り出す記録媒体が通る送出口を複数有し、前記送出装置は、鉛直方向を軸方向として受け取った記録媒体を回転させることで、前記受取方向に対して記録媒体を送り出す方向を変える変更手段を備えることを特徴とする。

【0012】

本開示の第５態様に係る媒体処理システムは、第４態様に記載の媒体処理システムにおいて、前記変更手段は、回転軸に記録媒体の中心が重なった状態で記録媒体を回転させることを特徴とする。

【0013】

本開示の第６態様に係る媒体処理システムは、第１態様に記載の媒体処理システムにおいて、前記前処理装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であることを特徴とする。

【発明の効果】

【0014】

本開示の第１態様に係る媒体処理システムによれば、前処理装置を壁に沿って配置した場合であっても、操作側から見て、記録媒体を一方側へ送り出す前処理装置に記録媒体を一方側から受け取る後処理装置を用いること、及び記録媒体を他方側へ送り出す前処理装置に記録媒体を他方側から受け取る後処理装置を用いること、の少なくとも一方が可能となる。

【0015】

本開示の第２態様に係る媒体処理システムによれば、前処理装置を壁に沿って配置した場合であっても、操作側から見て、記録媒体を一方側へ送り出す前処理装置に記録媒体を一方側から受け取る後処理装置を用いること、及び記録媒体を他方側へ送り出す前処理装置に記録媒体を他方側から受け取る後処理装置を用いること、の両方が可能となる。

【0016】

本開示の第３態様に係る媒体処理システムによれば、交差方向の一側へ記録媒体を送り出す方向と受取方向との成す角度と、交差方向の他側へ記録媒体を送り出す方向と受取方向との成す角度とが異なる場合と比して、送出装置を簡易な構成とすることができる。

【0017】

本開示の第４態様に係る媒体処理システムによれば、記録媒体を受け取る受取方向に対して傾斜する傾斜ロールに巻き付けて螺旋状に搬送することで送り出し方向を変える場合と比して、巻き付き不良によって生じる記録媒体の詰まりを抑制することができる。

【0018】

本開示の第５態様に係る媒体処理システムによれば、記録媒体の中心が回転軸とは異なる位置に配置された状態で記録媒体を回転させる場合と比して、記録媒体が回転するのに必要とされる領域を小さくすることができる。

【0019】

本開示の第６態様に係る媒体処理システムによれば、前処理装置として、画像が形成された記録媒体を内部に積載した前処理スタッカー機を用いる場合と比して、送出装置へ送り出す記録媒体に形成される画像を容易に変更することができる。

【図面の簡単な説明】

【0020】

【図1】本開示の第１実施形態に係る媒体処理システムの配置を示した平面図である。

【図2】本開示の第１実施形態に係る媒体処理システムに設けられた画像形成装置の概略構成図である。

【図3】本開示の第１実施形態に係る媒体処理システムに設けられた画像形成装置の画像形成ユニットを示した概略構成図である。

【図4】本開示の第１実施形態に係る媒体処理システムに設けられた製本機を示した外観図である。

【図5】本開示の第１実施形態に係る媒体処理システムに設けられた中間搬送装置を示した斜視図である。

【図6】（Ａ）（Ｂ）本開示の第１実施形態に係る媒体処理システムに設けられた中間搬送装置を示した側面図、及平面図である。

【図7】（Ａ）（Ｂ）本開示の第１実施形態に係る媒体処理システムに設けられた中間搬送装置を示した動作図である。

【図8】本開示の第２実施形態に係る媒体処理システムの配置を示した平面図である。

【図9】本開示の第２実施形態に係る媒体処理システムに設けられた画像形成装置の概略構成図である。

【図10】本開示の第２実施形態に係る媒体処理システムに設けられた製本機を示した外観図である。

【図11】（Ａ）（Ｂ）本開示の第２実施形態に係る媒体処理システムに設けられた中間搬送装置を示した動作図である。

【図12】本開示の第３実施形態に係る媒体処理システムの配置を示した平面図である。

【発明を実施するための形態】

【0021】

＜第１実施形態＞
本開示の第１実施形態に係る媒体処理システムの一例を図１～図７に従って説明する。なお、各図に示す矢印Ｈは鉛直方向であって上下方向を示し、矢印Ｗは、水平方向であって幅方向を示し、矢印Ｄは、水平方向であって奥行き方向を示す。また、矢印Ｈ、矢印Ｗ、及び矢印Ｄは、互いに直交する。

【0022】

媒体処理システム１００は、図１に示されるように、画像形成装置１０と、中間搬送装置７０と、製本機９０とを備えている。具体的には、中間搬送装置７０は、画像形成装置１０から送り出された記録媒体の一例としてのシート部材Ｐを受け取り、製本機９０へ送り出すようになっている。画像形成装置１０は、前処理装置の一例であって、中間搬送装置７０は、送出装置の一例であって、製本機９０は、後処理装置の一例である。

【0023】

画像形成装置１０は、壁Ｋに沿って配置されており、画像形成装置１０の操作画面１８は、画像形成装置１０において壁Ｋの反対側の部分に設けられている。さらに、中間搬送装置７０は、画像形成装置１０に対して幅方向の一方側で、かつ、壁Ｋに沿って配置されている。製本機９０は、中間搬送装置７０に対して奥行き方向の手前側（壁Ｋに対して反対側）に配置されており、製本機９０の操作画面９８は、製本機９０において幅方向の一方側の部分に設けられている。

【0024】

（画像形成装置１０）
図２には、画像形成装置１０の操作側から見た画像形成装置１０が模式的に示されている。換言すれば、図２には、画像形成装置１０の操作画面１８側から見た画像形成装置１０が模式的に示されている。

【0025】

画像形成装置１０は、図２に示されるように、記録媒体の一例としてのシート部材Ｐが収容される用紙収容部１２と、シート部材Ｐを搬送する搬送部１４と、搬送されるシート部材Ｐに画像形成を行う主動作部１６とを備えている。さらに、画像形成装置１０は、ユーザが操作する操作画面１８と、各部を制御する制御部２０とを備えている。

【0026】

〔用紙収容部１２、搬送部１４〕
用紙収容部１２は、図２に示されるように、サイズの異なるシート部材Ｐを収容可能な第１収容部２２、及び第２収容部２４を備えている。第１収容部２２、及び第２収容部２４には、収容されたシート部材Ｐを一枚ずつ送り出す送出ロール２６と、送り出されたシート部材Ｐを筐体１０ａ内に設けられた搬送経路３０に搬送する搬送ロール２８とが夫々設けられている。

【0027】

搬送部１４は、搬送経路３０に送り出されたシート部材Ｐを搬送する複数の搬送ロール３２と、シート部材Ｐを一端停止させると共に、決められたタイミングで後述する二次転写位置Ｎへ送り出すことで画像転写の位置合せを行う位置合せロール３４とを備えている。これにより、搬送部１４は、画像形成装置１０の操作側から見て幅方向の一方側に形成された送出口１１からシート部材Ｐを筐体１０ａの外部へ送り出すようになっている。

【0028】

〔主動作部１６〕
主動作部１６は、図２に示されるように、トナー画像（現像剤像）を形成する画像形成部４０と、シート部材Ｐ上の現像剤像を定着する定着装置３６とを備えている。

【0029】

－画像形成部４０－
画像形成部４０は、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、及び ブラック（Ｋ）の各トナーに対応して設けられた像保持体４２Ｋ、４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙを有する画像形成ユニット４４Ｋ、４４Ｃ、４４Ｍ、４４Ｙと、帯電した像保持体４２Ｋ、４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙの外周面に向けて露光光Ｌを照射して静電潜像を形成する露光装置４６Ｋ、４６Ｃ、４６Ｍ、４６Ｙと、画像形成ユニット４４Ｋ、４４Ｃ、４４Ｍ、４４Ｙで形成された画像をシート部材Ｐ上に転写する転写ユニット４８と、を備えている。

【0030】

そして、転写ユニット４８に備えられた転写ベルト５６の周回方向（図中矢印Ｃ参照）において、上流側からイエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、及びブラック（Ｋ）の画像形成ユニット４４が、この順番に並んで配置されている。

【0031】

なお、画像形成ユニット４４Ｋ、４４Ｃ、４４Ｍ、４４Ｙは、用いるトナーの色を除いて同様の構成されている。また、Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋを区別する必要がない場合は、Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋの記載を省略する場合がある。

【0032】

画像形成ユニット４４は、図３に示されるように、図中矢印Ｒ方向に回転する像保持体４２と、像保持体４２の外周面を帯電させる帯電器５０と、クリーニングユニット５２と、露光装置４６（図２参照）によって形成された静電潜像をトナー画像に現像する現像器５４とを備えている。

【0033】

転写ユニット４８は、図２に示されるように、画像形成ユニット４４の下方に配置されており、各色の像保持体４２と外周面で接触する転写ベルト５６と、転写ベルト５６を挟んで像保持体４２の反対側に配置され、像保持体４２に形成されたトナー画像を転写ベルト５６に転写する一次転写ロール５８と、転写ベルト５６に転写されたトナー画像をシート部材Ｐに転写する二次転写ロール６０と、複数の巻掛ロール６２とを備えている。

【0034】

具体的には、転写ベルト５６は、複数の巻掛ロール６２に巻き掛けられることで頂点が下方を向く三角形状の姿勢とされており、矢印Ｃ方向に周回するようになっている。二次転写ロール６０は、三角形状の頂部に配置された巻掛ロール６２に対して転写ベルト５６を挟んで反対側に配置されている。そして、転写ベルト５６と二次転写ロール６０との接触部が、二次転写位置Ｎとされている。

【0035】

－定着装置３６－
定着装置３６は、シート部材Ｐの搬送方向において、二次転写ロール６０の下流側に配置されており、熱と圧力によって、シート部材Ｐに転写されたトナー画像をシート部材Ｐに定着するようになっている。

【0036】

この構成において、図３に示す帯電器５０は、回転する像保持体４２の外周面を帯電する。さらに、露光装置４６（図２参照）が、露光光を像保持体４２に照射して像保持体４２の外周面に静電潜像を形成する。また、現像器５４が、像保持体４２の静電潜像をトナー画像に現像する。さらに、一次転写ロール５８は、像保持体４２のトナー画像を転写ベルト５６に転写する。

【0037】

転写ベルト５６に転写された各色のトナー画像は、周回する転写ベルト５６によって搬送され、図２に示す二次転写ロール６０が、転写ベルト５６上のトナー画像を搬送されるシート部材Ｐに転写する。さらに、定着装置３６は、搬送されるシート部材Ｐに転写されたトナー画像をシート部材Ｐに定着する。そして、画像形成装置１０は、トナー画像が定着したシート部材Ｐを、筐体１０ａに形成された送出口１１から筐体１０ａの外部へ送り出す。具体的には、画像形成装置１０は、画像形成装置１０を操作側から見て、シート部材Ｐを、幅方向の一方側である右側から外部へ送り出す。

【0038】

（製本機９０）
図４には、操作側から見た製本機９０が模式的に示されている。換言すれば、図４には、製本機９０の操作画面９８側から見た製本機９０が模式的に示されている。

【0039】

製本機９０は、既知の製本機であって、シート部材Ｐを複数枚受け取り、一冊の本にまとめる機械であって、本実施形態では、製本機９０が予め決められた枚数のシート部材Ｐを受け取る毎に、製本機９０は、複数枚のシート部材Ｐに製本加工を施して本を作成するようになっている。

【0040】

製本機９０の筐体９２には、図４に示されるように、シート部材Ｐを受け取る受取口９４ａと、作成した本を送り出す送出口９４ｂとが形成されている。具体的には、製本機９０の操作側から見て、奥行き方向の奥側に受取口９４ａが形成され、奥行き方向の手前側に送出口９４ｂが形成されている。換言すれば、製本機９０の操作側から見て、右側に受取口９４ａが形成され、左側に送出口９４ｂが形成されている。

【0041】

そして、製本機９０が設置される床面からの受取口９４ａの高さは、画像形成装置１０の送出口１１の高さと同様とされている。

【0042】

この構成において、製本機９０は、製本機９０の操作側から見て、図４に示されるように、奥行き方向の奥側からシート部材Ｐを受け取り、奥行き方向の手前側へ作成した本を送り出す。換言すれば、製本機９０は、製本機９０の操作側から見て、右側からシート部材Ｐを受け取り、左側へ作成した本を送り出す。

【0043】

（中間搬送装置７０）
中間搬送装置７０は、図５に示されるように、直方体状で平面視において四角形状の筐体７２を有し、筐体７２の４個の側壁７２ａには、開口７４が夫々形成されている。本実施形態では、幅方向の他方側を向いた側壁７２ａに形成された開口７４は、シート部材Ｐを受け取る受取口７４ａであって、他の側壁７２ａに形成された開口７４は、シート部材Ｐを送り出す送出口７４ｂである。

【0044】

ここで、中間搬送装置７０が設置される床面からの４個の開口７４の高さは、画像形成装置１０の送出口１１の高さと同様とされている。つまり、中間搬送装置７０が設置される床面からの４個の開口７４の高さは、製本機９０の受取口９４ａの高さと同様とされている。

【0045】

また、本実施形態で、「・・口の高さ」とは、ロールに挟み込まれて搬送されて・・口を通っている状態のシート部材Ｐの高さである。また、「同様」とは、一方が、他方の±５％以内で、かつ、他方が一方の±５％以内のことである。

【0046】

中間搬送装置７０は、図６（Ａ）（Ｂ）に示されるように、筐体７２の内部にシート部材Ｐの送り出し方向を変更することができる変更部７６を備えている。ここで、「シート部材Ｐの送り出し方向を変更」とは、シート部材Ｐの先端縁が向く方向を変更し、シート部材Ｐの先端縁からシート部材Ｐを送り出すことである。変更部７６は、変更手段の一例である。

【0047】

変更部７６は、受取口７４ａを通してシート部材Ｐを受け取る受取ロール７６ａと、送出口７４ｂを通してシート部材Ｐを外部へ送り出す送出ロール７６ｂと、受取ロール７６ａと送出ロール７６ｂとの間に配置された中間ロール７６ｃとを備えている。さらに、変更部７６は、受け取ったシート部材Ｐが載せられる板状の受取台７６ｄを備えている。これらのロールについては、図示せぬ駆動部から回転力が伝達されるようになっている。

【0048】

ここで、床面からの受取ロール７６ａの高さ、送出ロール７６ｂの高さ、及び中間ロール７６ｃの高さは、開口７４の高さと同様とされている。ロールの高さとは、ロールによってシート部材Ｐが挟み込まれる部分の高さである。さらに、受取台７６ｄにおいて、シート部材Ｐが載せられる板面の高さは、受取ロール７６ａの高さ、送出ロール７６ｂの高さ、及び中間ロール７６ｃの高さと同様とされている。

【0049】

また、受取台７６ｄは、上方から見て受取ロール７６ａ及び送出ロール７６ｂが配置される部分が切りかかれた円状とされ、受取ロール７６ａと送出ロール７６ｂとの間に配置されている。また、受取台７６ｄの中央部分には、中間ロール７６ｃが配置される貫通孔が形成されている。そして、受取ロール７６ａ、送出ロール７６ｂ、中間ロール７６ｃ、及び受取台７６ｄは、一体となって回転するように、図示せぬブラケット等を介して互いに連結されている。

【0050】

さらに、変更部７６は、受取台７６ｄを支持すると共に受取台７６ｄ等を回転させる回転軸となる軸部７６ｅと、軸部７６ｅを回転させる駆動部７６ｆとを備えている。軸部７６ｅの軸方向は、上下方向（鉛直方向）とされ、軸部７６ｅの上方部分が水平方向に分かれ、分かれた上端部で受取台７６ｄの裏面と接続されている。そして、駆動部７６ｆが軸部７６ｅを回転させることで、受取ロール７６ａ、送出ロール７６ｂ、中間ロール７６ｃ、及び受取台７６ｄが、円状の受取台７６ｄの中心を回転中心として回転するようになっている。

【0051】

この構成において、図７（Ａ）に示されるように、受取ロール７６ａが、受取口７４ａを通してシート部材Ｐを受け取り、受取ロール７６ａ、及び中間ロール７６ｃが、受け取ったシート部材Ｐを受取台７６ｄの規定の位置へ搬送する。具体的には、シート部材Ｐの形状の情報を図示せぬ制御部が受け取り、シート部材Ｐの先端を検知するセンサの検知タイミングに基づき各ロールの回転数を制御することで、シート部材Ｐの中心が円状の受取台７６ｄの中心に重なる位置に、シート部材Ｐを搬送する。そして、シート部材Ｐの中心が円状の受取台７６ｄの中心に重なると各ロールが停止する。

【0052】

そして、図６（Ａ）に示す駆動部７６ｆが軸部７６ｅを回転させる。具体的には、シート部材Ｐの中心が回転軸と重なった状態で、駆動部７６ｆが軸部７６ｅを回転させる。

【0053】

これにより、図７（Ｂ）に示されるように、受取ロール７６ａ、送出ロール７６ｂ、中間ロール７６ｃ、及び受取台７６ｄは、一体となって回転する。

【0054】

具体的には、受取ロール７６ａ、送出ロール７６ｂ、中間ロール７６ｃ、及び受取台７６ｄは、時計回りに９０度回転する。そして、送出ロール７６ｂと奥行き方向の手前側の送出口７４ｂとが対向した状態で受取台７６ｄが停止し、この状態で、各ロールが回転し、送出ロール７６ｂが、送出口７４ｂを通してシート部材Ｐを製本機９０（図４参照）へ送り出す。このように、中間搬送装置７０は、シート部材Ｐを受け取り、受け取ったシート部材Ｐの高さを維持した状態で回転させて、平面視で受取方向に対して交差する交差方向の一側へシート部材Ｐを送り出す。

【0055】

なお、前述したように、中間搬送装置７０については、受取ロール７６ａ、送出ロール７６ｂ、中間ロール７６ｃ、及び受取台７６ｄは、図示せぬ制御部が駆動部７６ｆを制御し、時計回りに９０度回転してシート部材Ｐを送り出すが、反時計回りに９０度回転してシート部材Ｐを送り出すことも可能である。つまり、中間搬送装置７０は、シート部材Ｐを受け取る受取方向に対して交差する交差方向の一側と他側とにシート部材Ｐを送り出すことができる。この場合に、交差方向の一側へシート部材Ｐを送り出す方向と受取方向との成す角度と、交差方向の他側へシート部材Ｐを送り出す方向と受取方向との成す角度とは、同様とされる。

【0056】

（作用）
次に、媒体処理システム１００の作用について説明する。なお、以下の作用については、図示せぬ制御部が各部を制御することで実行される。

【0057】

図１に示されるように、壁Ｋに沿って配置され、操作画面１８が壁Ｋの反対側の部分に設けられた画像形成装置１０は、シート部材Ｐに画像を形成する。さらに、画像形成装置１０は、画像が形成されたシート部材Ｐを、画像形成装置１０の送出口１１から幅方向の一方側へ送り出す。換言すれば、画像形成装置１０は、画像形成装置１０の操作側から見て、シート部材Ｐを右側へ送り出す。

【0058】

さらに、図７（Ａ）に示されるように、中間搬送装置７０の受取ロール７６ａが、受取口７４ａを通してシート部材Ｐを幅方向の他方側から受け取り、受取ロール７６ａ、及び中間ロール７６ｃが、受け取ったシート部材Ｐを受取台７６ｄの規定の位置へ搬送する。また、図６（Ａ）に示す駆動部７６ｆが軸部７６ｅを回転させることで、図７（Ｂ）に示されるように、受取ロール７６ａ、送出ロール７６ｂ、中間ロール７６ｃ、及び受取台７６ｄは、一体となって時計回りに回転する。

【0059】

そして、送出ロール７６ｂと奥行き方向の手前側の送出口７４ｂとが対向した状態で受取台７６ｄが停止し、この状態で、各ロールが回転し、送出ロール７６ｂが、送出口７４ｂを通してシート部材Ｐを奥行き方向の手前側の製本機９０へ送り出す。このように、中間搬送装置７０は、シート部材Ｐを時計回りに９０度回転させて、シート部材Ｐを製本機９０に送り出す。

【0060】

製本機９０は、図４に示されるように、製本機９０の操作側から見て、奥行き方向の奥側からシート部材Ｐを順次受け取り、複数枚のシート部材Ｐに製本加工を施して奥行き方向の手前側へ作成した本を送り出す。換言すれば、製本機９０は、製本機９０の操作側から見て、右側からシート部材Ｐを受け取り、左側へ作成した本を送り出す。

【0061】

（まとめ）
以上説明したように、媒体処理システム１００においては、中間搬送装置７０は、画像形成装置１０からシート部材Ｐを幅方向の他方側から受け取り、受け取ったシート部材Ｐを奥行き方向の手前側へ送り出す。換言すれば、中間搬送装置７０は、シート部材Ｐを受け取り、平面視で受取方向に対して交差する交差方向の一側へシート部材Ｐを送り出す。

【0062】

この中間搬送装置７０を用いることで、媒体処理システム１００では、操作側から見てシート部材Ｐを右側へ送り出す画像形成装置１０に対して、操作側から見てシート部材Ｐを右側から受け取る製本機９０を用いることができる。

【0063】

また、媒体処理システム１００においては、中間搬送装置７０の変更部７６が、鉛直方向を軸方向とした軸部７６ｅを回転させることで、シート部材Ｐを受け取る受取方向に対してシート部材Ｐを送り出す送り出し方向を変える。このため、シート部材Ｐの受取方向に対して傾斜する傾斜ロールに巻き付けて送り出し方向を変える場合と比して、シート部材Ｐの剛性の違いによって生じる巻き付け不良によって、搬送されるシート部材Ｐが詰まってしまうのが抑制される。

【0064】

また、媒体処理システム１００においては、中間搬送装置７０の変更部７６は、シート部材Ｐの中心が回転軸と重なった状態で、軸部７６ｅを回転させる。このため、シート部材Ｐの中心が回転軸とは異なる位置に配置された状態で、シート部材Ｐを回転させる場合と比して、シート部材Ｐが回転するのに必要とされる領域が小さくなる。

【0065】

また、媒体処理システム１００においては、前処理装置として画像形成装置１０を用いている。これにより、画像が形成されたシート部材Ｐを内部に積載した前処理スタッカー機を前処理装置として用いる場合と比して、中間搬送装置７０へ送り出すシート部材Ｐに形成される画像が容易に変更される。

【0066】

＜第２実施形態＞
本開示の第２実施形態に係る媒体処理システムの一例を図８～図１１に従って説明する。なお、第２実施形態については、第１実施形態と異なる部分を主に説明する。

【0067】

第２実施形態に係る媒体処理システム２００は、図８に示されるように、画像形成装置１１０と、中間搬送装置７０と、製本機１９０とを備えている。具体的には、中間搬送装置７０は、画像形成装置１１０から送り出されたシート部材Ｐを受け取り、製本機１９０へ送り出すようになっている。画像形成装置１１０は、前処理装置の一例であって、製本機１９０は、後処理装置の一例である。

【0068】

画像形成装置１１０は、壁Ｋに沿って配置されており、画像形成装置１１０の操作画面１１８は、画像形成装置１１０において壁Ｋの反対側の部分に設けられている。さらに、中間搬送装置７０は、画像形成装置１１０に対して幅方向の他方側で、かつ、壁Ｋに沿って配置されている。そして、中間搬送装置７０は、受取口７４ａが幅方向の一方側に向くように配置されている。製本機１９０は、中間搬送装置７０に対して奥行き方向の手前側（壁Ｋに対して反対側）に配置されており、製本機１９０の操作画面１９８は、製本機１９０において幅方向の他方側の部分に設けられている。

【0069】

（画像形成装置１１０）
図９には、画像形成装置１１０の操作側から見た画像形成装置１１０が模式的に示されている。換言すれば、図９には、画像形成装置１１０の操作画面１１８側から見た画像形成装置１１０が模式的に示されている。

【0070】

画像形成装置１１０は、図９に示されるように、図２に示す第１実施形態に係る画像形成装置１０に対して幅方向の中央部を基準に対称構造とされている。そして、画像形成装置１１０は、用紙収容部１１２と、搬送部１１４と、主動作部１１６と、制御部１２０とを備えている。

【0071】

用紙収容部１１２は、第１収容部１２２、及び第２収容部１２４を備えている。第１収容部１２２、及び第２収容部１２４には、送出ロール１２６と、搬送ロール１２８とが夫々設けられている。また、搬送部１１４は、搬送ロール１３２と、位置合せロール１３４とを備えている。

【0072】

主動作部１１６は、画像形成部１４０と、定着装置１３６とを備えている。画像形成部１４０は、像保持体１４２Ｋ、１４２Ｃ、１４２Ｍ、１４２Ｙを有する画像形成ユニット１４４Ｋ、１４４Ｃ、１４４Ｍ、１４４Ｙと、帯電した像保持体１４２Ｋ、１４２Ｃ、１４２Ｍ、１４２Ｙの外周面に向けて露光光Ｌを照射する露光装置１４６Ｋ、１４６Ｃ、１４６Ｍ、１４６Ｙと、転写ユニット１４８と、を備えている。

【0073】

画像形成ユニット１４４は、像保持体１４２と、帯電器１５０と、クリーニングユニット１５２と、現像器１５４とを備えている。転写ユニット１４８は、転写ベルト１５６と、一次転写ロール１５８と、二次転写ロール１６０と、複数の巻掛ロール１６２とを備えている。

【0074】

この構成において、画像形成装置１１０は、トナー画像が定着したシート部材Ｐを、筐体１１０ａに形成された送出口１１１から筐体１１０ａの外部へ送り出す。具体的には、画像形成装置１１０は、画像形成装置１１０を操作側から見て、シート部材Ｐを、幅方向の他方側である左側から外部へ送り出す。

【0075】

〔製本機１９０〕
図１０には、製本機１９０の操作側から見た製本機１９０が模式的に示されている。換言すれば、図１０には、製本機１９０の操作画面１９８側から見た製本機１９０が模式的に示されている。

【0076】

製本機１９０の筐体１９２には、受取口１９４ａと、作成した本を送り出す送出口１９４ｂとが形成されている。具体的には、製本機１９０の操作側から見て、奥行き方向の奥側に受取口１９４ａが形成され、奥行き方向の手前側に送出口１９４ｂが形成されている。換言すれば、製本機１９０の操作側から見て、左側に受取口９４ａが形成され、右側に送出口９４ｂが形成されている。

【0077】

この構成において、図１１（Ａ）に示されるように、受取ロール７６ａが、幅方向の一方側の受取口７４ａを通してシート部材Ｐを受け取り、受取ロール７６ａ、及び中間ロール７６ｃが、受け取ったシート部材Ｐを受取台７６ｄの規定の位置へ搬送する。そして、シート部材Ｐの中心が回転軸と重なった状態で、駆動部７６ｆが軸部７６ｅを回転させる。

【0078】

これにより、図１１（Ｂ）に示されるように、受取ロール７６ａ、送出ロール７６ｂ、中間ロール７６ｃ、及び受取台７６ｄは、一体となって回転する。そして、送出ロール７６ｂと奥行き方向の手前側の送出口７４ｂとが対向した状態で受取台７６ｄが停止し、この状態で、各ロールが回転し、送出ロール７６ｂが、送出口７４ｂを通してシート部材Ｐを製本機１９０（図１０参照）へ送り出す。

【0079】

（作用）
次に、媒体処理システム２００の作用について説明する。

【0080】

図８に示されるように、壁Ｋに沿って配置され、操作画面１１８が壁Ｋの反対側の部分に設けられた画像形成装置１１０は、シート部材Ｐに画像を形成する。さらに、画像形成装置１１０は、画像が形成されたシート部材Ｐを、画像形成装置１１０の送出口１１１から幅方向の他方側へ送り出す。換言すれば、画像形成装置１１０は、画像形成装置１１０の操作側から見て、シート部材Ｐを左側へ送り出す。

【0081】

さらに、図１１（Ａ）に示されるように、中間搬送装置７０の受取ロール７６ａが、受取口７４ａを通してシート部材Ｐを受け取り、受取ロール７６ａ、及び中間ロール７６ｃが、受け取ったシート部材Ｐを受取台７６ｄの規定の位置へ搬送する。また、駆動部７６ｆ（図６（Ｂ）参照）が軸部７６ｅを回転させることで、図１１（Ｂ）に示されるように、受取ロール７６ａ、送出ロール７６ｂ、中間ロール７６ｃ、及び受取台７６ｄは、一体となって反時計回りに９０度回転する。

【0082】

そして、送出ロール７６ｂと奥行き方向の手前側の送出口７４ｂとが対向した状態で受取台７６ｄが停止し、この状態で、各ロールが回転し、送出ロール７６ｂが、送出口７４ｂを通してシート部材Ｐを奥行き方向の手前側の製本機１９０（図８参照）へ送り出す。このように、中間搬送装置７０は、シート部材Ｐを反時計回りに９０度回転させて、シート部材Ｐを製本機１９０に送り出す。

【0083】

製本機１９０は、製本機１９０の操作側から見て、図１０に示されるように、奥行き方向の奥側からシート部材Ｐを受け取り、奥行き方向の手前側へ作成した本を送り出す。換言すれば、製本機１９０は、製本機１９０の操作側から見て、左側からシート部材Ｐを受け取り、右側へ作成した本を送り出す。

【0084】

（まとめ）
以上説明したように、媒体処理システム２００においては、中間搬送装置７０を用いることで、操作側から見てシート部材Ｐを左側へ送り出す画像形成装置１１０に対して、操作側から見てシート部材Ｐを左側から受け取る製本機９０を用いることができる。

【0085】

また、媒体処理システム２００においては、シート部材Ｐを時計回りに９０度回転させてシート部材Ｐを送り出すことができる中間搬送装置７０が、シート部材Ｐを反時計回りに９０度回転させて、シート部材Ｐを製本機９０に送り出す。換言すれば、中間搬送装置７０は、シート部材Ｐを受け取る受取方向に対して交差する交差方向の一側と他側とにシート部材Ｐを送り出すことができる。そして、交差方向の一側へシート部材Ｐを送り出す方向と受取方向との成す角度と、交差方向の他側へシート部材Ｐを送り出す方向と受取方向との成す角度とは、同様とされている。このため、交差方向の一側へシート部材Ｐを送り出す方向と受取方向との成す角度と、交差方向の他側へシート部材Ｐを送り出す方向と受取方向との成す角度とが異なる場合と比して、簡易な構成となる。

【0086】

他の作用については、第１実施形態に係る媒体処理システム１００の作用と同様である。

【0087】

＜第３実施形態＞
本開示の第３実施形態に係る媒体処理システムの一例を図１２に従って説明する。なお、第３実施形態については、第１実施形態と異なる部分を主に説明する。

【0088】

（構成）
第３実施形態に係る媒体処理システム３００は、図１２に示されるように、画像形成装置１０と、中間搬送装置７０と、２個の製本機９０と、製本機１９０（図１０参照）とを備えている。

【0089】

中間搬送装置７０は、画像形成装置１０に対して幅方向の一方側に配置されている。また、一方の製本機９０（以下「製本機９０ａ」と称する）は、中間搬送装置７０に対して奥行き方向の手前側に配置されており、他方の製本機９０（以下「製本機９０ｂ」と称する）は、中間搬送装置７０に対して奥行き方向の奥側に配置されている。さらに、製本機１９０は、中間搬送装置７０に対して幅方向の一方側に配置されている。

【0090】

（作用）
画像形成装置１０は、画像形成装置１０を操作側から見て、シート部材Ｐを、幅方向の一方側である右側から外部へ送り出す。そして、中間搬送装置７０は、シート部材Ｐを、製本機９０ａ、製本機９０ｂ、又は製本機１９０へ送り出す。

【0091】

製本機９０ａ、９０ｂは、製本機９０ａ、９０ｂの操作側から見て、右側からシート部材Ｐを受け取り、作成された本を左側へ送り出す。さらに、製本機１９０は、製本機１９０の操作側から見て、左側からシート部材Ｐを受け取り、作成された本を右側へ送り出す。

【0092】

（まとめ）
以上説明したように、中間搬送装置７０を用いることで、操作側から見てシート部材Ｐを右側へ送り出す画像形成装置１０に対して、操作側から見てシート部材Ｐを右側から受け取る製本機９０、及び操作側から見てシート部材Ｐを左側から受け取る製本機１９０を用いることができる。

【0093】

他の作用については、第１実施形態に係る媒体処理システム１００の作用と同様である。

【0094】

なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示は本開示の範囲にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、前処理装置として、カラー画像を出力可能な画像形成装置１０を例にとって説明したが、印刷されたシート部材Ｐが内部に積載された前処理スタッカー機でもよく、インクジェットの画像形成装置等であってもよい。この場合には、前処理装置として、画像形成装置を用いることで奏する作用は奏しない。

【0095】

また、上記実施形態は、後処理装置として、製本機９０を例にとって説明したが、中綴じ機、バインダー機、ステープル機、切断機、スリット機、プレス機、折り機、又は後処理スタッカー機等であってもよい。

【0096】

また、上記実施形態では、中間搬送装置７０が受け取ったシート部材Ｐの姿勢を維持した状態でシート部材Ｐを回転させることでシート部材Ｐの送り出し方向を変えたが、シート部材Ｐを受取方向に対して傾斜する傾斜ロールに巻き付けることでシート部材Ｐの送り出し方向を変えてもよい。しかし、この場合には、シート部材Ｐの姿勢を維持した状態でシート部材Ｐを回転させてシート部材Ｐの送り出し方向を変えることで奏する作用は奏しない。

【0097】

また、上記実施形態では、中間搬送装置７０は、平面視で四角形状であって、各側面に受取口又は送出口が設けられていた。しかし、平面視で三角形状、五角形状、又は六角形状等の他の多角形状で、各側面に受取口又は送出口が設けられてもよい。

【0098】

また、上記実施形態では、特に記載しなかったが、画像形成装置と中間搬送装置との間に、シート部材Ｐを除電する除電装置、画像を検査する検査装置、及びシート部材Ｐを一時的に貯めて後段装置に送り出すバッファー装置等が設けられてもよい。このような場合には、シート部材Ｐの処理方向において、中間搬送装置に対して上流側に配置された複数の装置が１個の前処理装置となる。

【0099】

また、上記実施形態では、変更部７６は、回転軸にシート部材Ｐの中心が重なった状態でシート部材Ｐを回転させたが、重なっていない状態でシート部材Ｐを回転させてもよい。しかし、この場合には、回転軸にシート部材Ｐの中心が重なった状態でシート部材Ｐを回転させることで奏する作用は奏しない。

【0100】

また、上記実施形態では、交差方向の一側へシート部材Ｐを送り出す方向と受取方向との成す角度と、交差方向の他側へシート部材Ｐを送り出す方向と受取方向との成す角度とは、同様とされたが、異なっていてもよい。しかし、異なる場合には、同様とされることで奏する作用は奏しない。

【0101】

また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、媒体処理システム２００は、中間搬送装置７０と画像形成装置１０、１１０とを接続する接続部材、中間搬送装置７０と切断機８０とを接続する部材、及び中間搬送装置７０と折り機１８０とを接続する部材を備えている。

【0102】

（（（１）））
記録媒体を前処理し、操作側から見て記録媒体を左右の一方側又は他方側へ送り出す前処理装置と、
前記前処理装置から記録媒体を受け取り、平面視で受取方向に対して交差する交差方向の一側へ記録媒体を送り出す送出装置と、
前記送出装置によって送り出された記録媒体を操作側から見て左右の他方側又は一方側から受け取り、記録媒体を後処理する後処理装置と、
を備える媒体処理システム。

【0103】

（（（２）））
前記送出装置は、前記交差方向の他側へも記録媒体を送り出すことが可能となっている、
（（（１）））に記載の媒体処理システム。

【0104】

（（（３）））
前記送出装置においては、前記交差方向の一側へ記録媒体を送り出す方向と前記受取方向との成す角度と、前記交差方向の他側へ記録媒体を送り出す方向と前記受取方向との成す角度とは、同様とされている、
（（（２）））に記載の媒体処理システム。

【0105】

（（（４）））
前記送出装置は、送り出す記録媒体が通る送出口を複数有し、
前記送出装置は、鉛直方向を軸方向として受け取った記録媒体を回転させることで、前記受取方向に対して記録媒体を送り出す方向を変える変更手段を備える、
（（（１）））～（（（３）））の何れか１に記載の媒体処理システム。

【0106】

（（（５）））
前記変更手段は、回転軸に記録媒体の中心が重なった状態で記録媒体を回転させる、
（（（４）））に記載の媒体処理システム。

【0107】

（（（６）））
前記前処理装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置である、
（（（１）））～（（（５）））の何れか１に記載の媒体処理システム。

【符号の説明】

【0108】

１０ 画像形成装置（前処理装置の一例）
７０ 中間搬送装置（送出装置の一例）
７６ 変更部（変更手段の一例）
９０ 製本機（後処理装置の一例）
１００ 媒体処理システム
１１０ 画像形成装置（前処理装置の一例）
１９０ 製本機（後処理装置の一例）
２００ 媒体処理システム
３００ 媒体処理システム

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】