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特開2024-25918ウィッグスタンドおよびウィッグスタンドセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025918
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ウィッグスタンドおよびウィッグスタンドセット
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/14 20060101AFI20240220BHJP
   A41G 3/00 20060101ALI20240220BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20240220BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20240220BHJP
   A61L 101/10 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
A45D44/14 C
A41G3/00 L
A61L2/10
A61L2/20 100
A61L101:10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129295
(22)【出願日】2022-08-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】522323627
【氏名又は名称】株式会社エバーグリーン
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】永野 智子
(72)【発明者】
【氏名】山野井 康友
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB06
4C058BB07
4C058CC07
4C058EE11
4C058JJ14
4C058JJ28
4C058KK02
4C058KK23
(57)【要約】
【課題】ウィッグをより衛生的に保管することができる、ウィッグスタンドおよびウィッグスタンドセットを提供する。
【解決手段】ウィッグを保持する保持部11を有する中空のスタンド本体10と、スタンド本体10の内部に配置され、紫外線光またはオゾンを放射する放射装置15と、を有するウィッグスタンドであって、保持部11には、スタンド本体10の外側と内側とを貫通する複数の孔14が形成されており、放射装置15から放射された紫外線光またはオゾンが、保持部11に形成された複数の孔14を通過して、スタンド本体10の外側へと放射される、ウィッグスタンド。
【選択図】図3


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィッグを保持する保持部を有する中空のスタンド本体と、
前記スタンド本体の内部に配置され、紫外線光またはオゾンを放射する放射装置と、を有し、
前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、
前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、
前記放射装置から放射された紫外線光またはオゾンが、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して、前記スタンド本体の外側へと放射される、ウィッグスタンド。
【請求項2】
前記スタンド本体は、人間の頭部を模した形状を有しており、
前記保持部は、前記スタンド本体のうち前頭部、頭頂部および後頭部に相当する位置に設けられており、
前記放射装置は、紫外線光を放射する紫外線放射装置であって、
前記紫外線放射装置は、前記スタンド本体の中心位置よりも顔側にずれた位置に配置されるとともに、光軸が真上よりも斜め後方に入射される、請求項1に記載のウィッグスタンド。
【請求項3】
ウィッグを保持する保持部を有するスタンド本体と、
前記スタンド本体の内部に配置されたヒーターと、
前記ヒーターにより加熱された空気を送風するファンと、を有するウィッグスタンドであって、
前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、
前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、
前記ヒーターは面状発熱ヒーターであり、
前記ファンにより、前記面状発熱ヒーターで加熱された温風が、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して前記スタンド本体の外側へと送風されることで、前記保持部が保持するウィッグに内側から温風が当てられる、ウィッグスタンド。
【請求項4】
前記内周面と前記外周面とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間が形成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載のウィッグスタンド。
【請求項5】
前記保持部に形成された複数の孔を通過させて、前記スタンド本体の外側に送風することで、ウィッグに内側から風を当て、ウィッグに付着する付着物を払い落とす、ファンと、
払い落とされた前記付着物を含む前記スタンド本体の外側の空気を吸引する吸気口と、
前記吸気口から吸引された空気をフィルターし、前記付着物を空気から除去するエアフィルターと、を有し、
前記エアフィルターを通過した空気が、前記ファンにより、前記スタンド本体の外側まで循環して送風される、請求項1ないし3のいずれかに記載のウィッグスタンド。
【請求項6】
請求項5に記載のウィッグスタンドと、
前記ウィッグスタンドを密閉するケースを有し、
前記ケース内における空気を、前記エアフィルターを通して循環する、ウィッグスタンドセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウィッグを衛生的に保管することができるウィッグスタンドおよびウィッグスタンドセットに関する。
【背景技術】
【0002】
ウィッグは使用者の頭皮に装着されるため、使用者の汗や皮脂などが付着し細菌が増殖してしまうなど、ウィッグが汚れてしまう場合がある。そのため、ウィッグを水などで定期的に洗いメンテナンスすることが重要となるが、このようなメンテナンスは手間や時間がかかってしまい頻繁に行うことができないという問題があった。
これに対して、特許文献1では、ウィッグスタンドの胴体部材に光触媒を塗り付けて、その内部に照明装置を取り付けて、照明装置を通じて光を胴体部材に供給することによって、胴体部材の光触媒を活性化させ、据置されているウィッグに侵入した細菌やウイルスなどを滅菌処理するか、または臭いを除去することによって、ウィッグを衛生的に管理して快適に使用できるようにするウィッグスタンドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-178341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ウィッグをウィッグスタンドに据え置いた状態でウィッグを清潔に保つことができる一方、照明装置が胴体部材の内部に配置され、ウィッグが置かれる胴体部材の外側には光が照射放射されないため、光触媒の機能は十分に発揮できず、殺菌や消臭といった機能が十分に果たせない場合があった。
【0005】
本発明は、ウィッグをより衛生的に保管することができる、ウィッグスタンドおよびウィッグスタンドセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るウィッグスタンドは、ウィッグを保持する保持部を有する中空のスタンド本体と、前記スタンド本体の内部に配置され、紫外線光またはオゾンを照射放射する照射放射装置と、を有し、前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、前記照射放射装置から照射放射された紫外線光またはオゾンが、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して、前記スタンド本体の外側へと照射放射される。
上記ウィッグスタンドにおいて、前記スタンド本体は、人間の頭部を模した形状を有しており、前記保持部は、前記スタンド本体のうち前頭部、頭頂部および後頭部に相当する位置に設けられており、前記照射放射装置は、紫外線光を照射放射する紫外線照射放射装置であって、前記紫外線照射放射装置は、前記スタンド本体の中心位置よりも顔側にずれた位置に配置されるとともに、光軸が真上よりも斜め後方に入射される構成とすることができる。
本発明の第2の観点に係るウィッグスタンドは、ウィッグを保持する保持部を有するスタンド本体と、前記スタンド本体の内部に配置されたヒーターと、前記ヒーターにより加熱された空気を送風するファンと、を有するウィッグスタンドであって、前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、前記ヒーターは面状発熱ヒーターであり、前記ファンにより、前記面状発熱ヒーターで加熱された温風が、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して前記スタンド本体の外側へと送風されることで、前記保持部が保持するウィッグに内側から温風が当てられる。
上記ウィッグスタンドにおいて、前記内周面と前記外周面とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間が形成されている構成とすることができる。
上記ウィッグスタンドにおいて、前記保持部に形成された複数の孔を通過させて、前記スタンド本体の外側に送風することで、ウィッグに内側から風を当て、ウィッグに付着する付着物を払い落とす、ファンと、払い落とされた前記付着物を含む前記スタンド本体の外側の空気を吸引する吸気口と、前記吸気口から吸引された空気をフィルターし、前記付着物を空気から除去するエアフィルターと、を有し、前記エアフィルターを通過した空気が、前記ファンにより、前記スタンド本体の外側まで循環して送風される構成とすることができる。
本発明に係るウィッグスタンドセットは、上記ウィッグスタンドと、前記ウィッグスタンドを密閉するケースを有し、前記ケース内における空気を、前記エアフィルターを通して循環する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、照射放射装置から照射放射された紫外線光またはオゾンが、保持部に形成された複数の孔を通過してスタンド本体の外側へと照射放射されるため、ウィッグ内面に紫外線光またはオゾンを直接照射放射することができ、ウィッグをより衛生的に保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るウィッグスタンドの斜視図である。
図2】本実施形態に係るウィッグスタンドでウィッグを保持した状態を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係るウィッグスタンドの断面図である。
図4図3のA部分の拡大断面図である。
図5】ウィッグスタンドとケースとを組み合わせたウィッグスタンドセットを示す構成図である。
図6】他の実施形態に係るウィッグスタンドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るウィッグスタンドの実施形態を、図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るウィッグスタンド1の斜視図である。また、図2は、本実施形態に係るウィッグスタンド1でウィッグを保持した状態を示す斜視図である。本実施形態に係るウィッグスタンド1は、使用者が取り外したウィッグを保持するとともに、乾燥、殺菌、消臭、ウィッグに付着した微粒子の除去などを行う装置である。図1に示すように、本実施形態に係るウィッグスタンド1は、人間の頭部に似た形状を有するスタンド本体10を有しており、図2に示すように、スタンド本体10は、ウィッグを被せることでウィッグを保持することができる。
【0010】
また、図3は、ウィッグスタンド1の断面図であり、図4は、図3のA部分の拡大断面図である。なお、図3および図4において、空気の流れを矢印で示している。図3に示すように、スタンド本体10は、内部が中空に形成されている。
【0011】
また、図3に示すように、スタンド本体10は、スタンド本体10を人間の頭部と見立てた場合に、ウィッグが被せられる前頭部、頭頂部および後頭部に相当する領域(以下、これら領域を保持部11という。)において、二重の層構造を有している。具体的に、保持部11では、図3および図4に示すように、内周面12と外周面13とが離れた位置で対向して形成されており、内周面12と外周面13との間に空気を流すための一定の隙間Sが形成されている。また、内周面12および外周面13は、たとえば樹脂で構成することができ、内周面12および外周面13をそれぞれ貫通する複数の孔14が形成されたメッシュ構造を有している。また、保持部11の外周面13は、ウィッグを保持する場合にウィッグが滑り落ちないように、ゴムなどを用いた滑り止め加工を行うことができる。なお、保持部11が、後頭部に相当する位置まで形成されているのは、ロングヘア用のウィッグに対応するためであるが、頭頂部周辺のみに保持部11を形成する構成とすることもできる。
【0012】
また、図3に示すように、スタンド本体10の内部には、オゾン放射装置15、ヒーター16、ファン17、エアフィルター18が配置されている。さらに、スタンド本体10は、吸気口19を有しており、吸気口19を介して、スタンド本体10の内部と外部とが連通している。以下に、各構成について説明する。
【0013】
オゾン放射装置15は、オゾンを発生させて放出する装置である。たとえば、ガラスで構成された誘導体を介して対向する電極間に交流電圧を印加して無声放電を起こし、放電空間内に酸素または空気を通して、酸素を活性化することでオゾンを生成することができる。オゾン放射装置15により放出されたオゾンは、ファン17により送風された空気とともに、保持部11に形成された複数の孔14を通過して、保持部11の外側へと放射される。
【0014】
ヒーター16は、吸気口19から取り込んだ空気を加熱し、温風を発生させるための装置である。本実施形態では、ヒーター16をスタンド本体10の内部に配置するため、ヒーター16として、形状の調整が容易であり、かつ、省スペース化が可能な、シリコンラバーヒーターなどの面状発熱ヒーターを用いることが好ましい。また、ウィッグは高熱に弱いため、ヒーター16は、30~60℃の温風、好ましくは40~50℃の温風を生じるように、空気を加熱することが好ましい。また、ヒーター16には、ヒーター16が異常な高温となっていないかを検出する温度センサーを設けることができ、タイマーにより自動でヒーター16の動作をオフにする機能を設けることもできる。本実施形態では、ヒーター16と後述するファン17の作用により、保持部11に形成された複数の孔14から温風を保持部11の外側に吹き出すことができるため、保持部11に保持されたウィッグを、菌が繁殖しやすく、かつ、乾かしにくい内側から乾燥させることができる。
【0015】
ファン17は、吸気口19から吸引した空気を、保持部11に形成された複数の孔14を通過させて、保持部11の外側まで送風する。これにより、スタンド本体10の保持部11でウィッグを保持しながら、保持したウィッグの内側に風を当てることができるため、ウィッグを迅速に乾燥させ雑菌やウイルスの繁殖を抑えることができる。特に、ヒーター16と併用することで、温風をウィッグに当てることができ、より迅速な乾燥が可能となる。また、ウィッグは、通気性の高いメッシュ状の生地をベースとしており、ウィッグ内側に風を当てると、ウィッグ外側へと風を通過させることができる。そのため、ファン17により保持部11に形成された複数の孔14を通過させてウィッグに風を当てることで、ウィッグ外側に付着する埃、花粉、細菌などの付着物を風で払い落すこともできる。本実施形態において、ファン17は、回転速度を調整可能であり、使用者がスイッチなどを押すことで、あるいは、予め定めたプログラムなどの設定に基づいて、たとえば強風、中風、弱風、微風などのように段階的に変更することができる。たとえば、通常は、ファン17の回転速度を微風または弱風とすることで、ウィッグを傷めないようにウィッグをケアすることができる。また、電源がオンにされ送風が開始されてから一定時間が経過するまでは、ファン17の回転速度を強風または中風とすることで、ウィッグに付着した埃、花粉、細菌などの微粒子や、臭いの原因物質などを除去する構成とすることもできる。
【0016】
エアフィルター18は、吸気口19から吸引した空気からゴミなどの不純物を除去するためのフィルターであり、取り替えが可能となっている。エアフィルター18は、特に限定されないが、たとえばHEPAフィルター、銅メッシュが組み込まれた銅フィルター、活性炭が組み込まれた活性炭フィルターなどを単独で、あるいは組み合わせて用いることで、吸気口19から吸引した空気から、埃などの微粒子だけではなく、臭いの原因物質なども除去することができる。特に、本実施形態に係るウィッグスタンド1では、図3に示すように、ファン17によりウィッグに風を当てることで、ウィッグに付着した埃、花粉、細菌などの微粒子や、臭いの原因物質などを払い落し、払い落とした微粒子や臭いの原因物質を含む空気を吸気口19から吸引し、吸引した空気をエアフィルター18に通すことで、ウィッグをより衛生的に保管することが可能となる。さらに、本実施形態において、スタンド本体10には、アロマオイルなどの添加するための添加口が設けられており、添加口からアロマオイルを添加するとエアフィルター18にアロマオイルを染み込ませることで、ウィッグスタンド1をデフューザーとして用いることもできる。
【0017】
吸気口19は外気を吸引するための口であり、吸気口19を介して、スタンド本体10の内部と外部とが連通されている。本実施形態では、ファン17の動作により、吸気口19から吸引された外部の空気は、ヒーター16で加熱され、エアフィルター18を通過した後に、スタンド本体10の内部から、保持部11に形成された複数の孔14を通過して、スタンド本体10の外側へと送風される。
【0018】
以上のように、本実施形態に係るウィッグスタンド1は、ウィッグを被せることでウィッグを保持する保持部11を有する中空のスタンド本体10と、スタンド本体10の内部に配置され、オゾンを放射するオゾン放射装置15と、を有し、保持部11には、スタンド本体10の外側と内側とを貫通する複数の孔14が形成されており、オゾン放射装置15から放射されたオゾンが、保持部11に形成された複数の孔14を通過して、スタンド本体10の外側へと放射される。これにより、保持部11に被せたウィッグの内面に、オゾンを直接放射することが可能となり、殺菌効果を高めることが可能となる。
【0019】
さらに、本実施形態では、スタンド本体10の内部に、ヒーター16と、ファン17とが配置され、ヒーター16により加熱された温風をファン17で送風することで、ウィッグを迅速に乾燥させることができる。特に、本実施形態では、ヒーター16として、面状発熱ヒーターを用いることで、スタンド本体10の内部にヒーター16を設置する場合でも、内部スペースの形状に合わせてヒーター16の形状を調整することができるとともに、省スペース化を図ることができ、さらに、面状発熱ヒーターで40~50℃の温風を送風することができるため、ウィッグを高温で傷めることなく乾燥させることができる。
【0020】
加えて、本実施形態に係るウィッグスタンド1では、スタンド本体10の保持部11が、内周面12と外周面13の二層構造を有しており、内周面12および外周面13には、スタンド本体10の外側と内側とを貫通する複数の孔14がそれぞれ形成されている。また、内周面12と外周面13とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間Sが形成されている。これにより、図4に示すように、ウィッグに触れる空気が隙間Sを流動することができ、ウィッグにより多くの空気が触れることができるため、ウィッグの乾燥や殺菌、消臭、および、ほこりなどの付着物の除去をより効果的に行うことができる。
【0021】
また、スタンド本体10の内部にエアフィルター18を有し、当該エアフィルター18をHEPAフィルター、銅イオンフィルターまたは活性炭フィルターで構成することで、ウィッグに付着している埃や細菌などの微粒子だけではなく、臭いの原因物質なども除去することができる。特に、図5に示すように、アクリルやポリエチレンビニールアセテートなどの樹脂製のケース2にウィッグスタンド1に入れ、ケース2内の密閉空間で空気を循環させることで、ウィッグに付着した微粒子や臭いの原因物質をエアフィルター18でより効率的に除去することができる。特に、本実施形態では、ウィッグの内側から外側に向かって風を当てることで、ウィッグの外側に付着した埃や花粉、細菌などの微粒子や臭いの原因物質をウィッグから払い落し、払い落とした微粒子や臭いの原因物質を含む空気を吸気口19から吸引し、エアフィルター18で捕捉することが可能である。また、この場合、図5に示すように、エアーモニター3などの温度、湿度、浮遊粒子などを検知するセンサーをケース2内にさらに配置し、当該センサーによりケース内の空気の状況を監視させ、無線通信などにより使用者が使用する情報端末に送信することで、ウィッグの乾き具合、埃や細菌などの微粒子の除去状態を使用者に把握させる構成とすることもできる。さらに、ウィッグを保持部11で保持していない場合でも、エアフィルター18により室内の空気を清浄することができるため、ウィッグスタンド1を空気清浄機として用いることもできる。なお、図5は、ウィッグスタンド1とケース2とを組み合わせたウィッグスタンドセットを示す構成図である。ケース2の大きさは、ウィッグスタンド1を内包できれば特に限定されないが、一例として、高さ40cmとすることができ、またロングヘア用では高さ80cmとすることができる。
【0022】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0023】
たとえば、上述した実施形態では、オゾン放射装置15によりオゾンを放射する構成を例示したが、この構成に変えて、紫外線光を放射する紫外線放射装置を、スタンド本体10内に設置する構成とすることができる。紫外線放射装置は、紫外線光を放射するLEDなどの光源を有する装置であり、殺菌作用の高い深紫外線光(UV-C)を放射することが好ましく、UV-Cの中でも波長200~230nmの紫外線光を放射することが好ましい。なお、紫外線放射装置の光源は、LEDに限定されず、たとえば、高圧水銀型ランプ、メタルハライド型ランプ、低圧水銀型ランプなどを光源に用いることもできる。
【0024】
また、紫外線放射装置を用いる場合、紫外線放射装置により放射された紫外線光が、スタンド本体10の保持部11、すなわち、スタンド本体10の頭部形状のうち前頭部、頭頂部および後頭部に相当する領域に放射されるように、紫外線放射装置を配置することが好ましい。具体的には、紫外線放射装置は、図3に示すように、スタンド本体10の中央よりも前方(顔側)にずらして配置されるとともに、紫外線放射装置の紫外線光の光軸Lが真上よりも斜め後方に入射されるように設置される。また、紫外線放射装置は、保持部11全体をむらなく放射できるように、120°以上、より好ましくは130°以上の照射放射角度を有するように構成されることが好ましい。このように紫外線放射装置を配置することで、紫外線放射装置で、保持部11の全体に紫外線光をむらなく放射することができ、保持部11で保持されたウィッグ全体(特に、細菌などが繁殖しやすいウィッグ内側全体)を殺菌することができる。
【0025】
上述した実施形態では、スタンド本体10の土台部分の高さを比較的低い(たとえば2~10cm程度の)平板状とする構成を例示したが、より長い髪のウィッグに対応するために、土台部分の高さをより高く(たとえば10~50cm程度と)する構成とすることができる。
【0026】
また、上述した実施形態に加えて、プラズマ放電を行うことによりイオンを発生させるイオン発生装置を、スタンド本体10内部に配置する構成とすることもできる。この場合、プラズマ放電により大気中に含まれる酸素や窒素をイオン化させ、酸素イオンや窒素イオンを含むイオン風をウィッグに当てることで臭いの原因物質を分解することや、イオンが水粒子と結びついてウィッグの毛髪に付着、浸透しやすくすることでウィッグの毛髪につやや潤いを与えることができる。
【符号の説明】
【0027】
1…ウィッグスタンド
10…スタンド本体
11…保持部
12…内周面
13…外周面
14…孔
15…オゾン放射装置
16…ヒーター
17…ファン
18…エアフィルター
19…吸気口

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィッグを保持する保持部を有する中空のスタンド本体と、
前記スタンド本体の内部に配置され、紫外線光またはオゾンを放射する放射装置と、を有し、
前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、
前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、
前記放射装置から放射された紫外線光またはオゾンが、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して、前記スタンド本体の外側へと放射され
前記内周面と前記外周面とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間が形成されている、ウィッグスタンド。
【請求項2】
前記スタンド本体は、人間の頭部を模した形状を有しており、
前記保持部は、前記スタンド本体のうち前頭部、頭頂部および後頭部に相当する位置に設けられており、
前記放射装置は、紫外線光を放射する紫外線放射装置であって、
前記紫外線放射装置は、前記スタンド本体の中心位置よりも顔側にずれた位置に配置されるとともに、光軸が真上よりも斜め後方に入射される、請求項1に記載のウィッグスタンド。
【請求項3】
ウィッグを保持する保持部を有するスタンド本体と、
前記スタンド本体の内部に配置されたヒーターと、
前記ヒーターにより加熱された空気を送風するファンと、を有するウィッグスタンドであって、
前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、
前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、
前記ヒーターは面状発熱ヒーターであり、
前記ファンにより、前記面状発熱ヒーターで加熱された温風が、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して前記スタンド本体の外側へと送風されることで、前記保持部が保持するウィッグに内側から温風が当てられる、ウィッグスタンド。
【請求項4】
前記保持部に形成された複数の孔を通過させて、前記スタンド本体の外側に送風することで、ウィッグに内側から風を当て、ウィッグに付着する付着物を払い落とす、ファンと、
払い落とされた前記付着物を含む前記スタンド本体の外側の空気を吸引する吸気口と、
前記吸気口から吸引された空気をフィルターし、前記付着物を空気から除去するエアフィルターと、を有し、
前記エアフィルターを通過した空気が、前記ファンにより、前記スタンド本体の外側まで循環して送風される、請求項1ないし3のいずれかに記載のウィッグスタンド。
【請求項5】
請求項に記載のウィッグスタンドと、
前記ウィッグスタンドを密閉するケースを有し、
前記ケース内における空気を、前記エアフィルターを通して循環する、ウィッグスタンドセット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1の観点に係るウィッグスタンドは、ウィッグを保持する保持部を有する中空のスタンド本体と、前記スタンド本体の内部に配置され、紫外線光またはオゾンを放射する放射装置と、を有し、前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、前記放射装置から放射された紫外線光またはオゾンが、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して、前記スタンド本体の外側へと放射され、前記内周面と前記外周面とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間が形成されている。
上記ウィッグスタンドにおいて、前記スタンド本体は、人間の頭部を模した形状を有しており、前記保持部は、前記スタンド本体のうち前頭部、頭頂部および後頭部に相当する位置に設けられており、前記放射装置は、紫外線光を放射する紫外線放射装置であって、前記紫外線放射装置は、前記スタンド本体の中心位置よりも顔側にずれた位置に配置されるとともに、光軸が真上よりも斜め後方に入射される構成とすることができる。
本発明の第2の観点に係るウィッグスタンドは、ウィッグを保持する保持部を有するスタンド本体と、前記スタンド本体の内部に配置されたヒーターと、前記ヒーターにより加熱された空気を送風するファンと、を有するウィッグスタンドであって、前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、前記ヒーターは面状発熱ヒーターであり、前記ファンにより、前記面状発熱ヒーターで加熱された温風が、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して前記スタンド本体の外側へと送風されることで、前記保持部が保持するウィッグに内側から温風が当てられる
記ウィッグスタンドにおいて、前記保持部に形成された複数の孔を通過させて、前記スタンド本体の外側に送風することで、ウィッグに内側から風を当て、ウィッグに付着する付着物を払い落とす、ファンと、払い落とされた前記付着物を含む前記スタンド本体の外側の空気を吸引する吸気口と、前記吸気口から吸引された空気をフィルターし、前記付着物を空気から除去するエアフィルターと、を有し、前記エアフィルターを通過した空気が、前記ファンにより、前記スタンド本体の外側まで循環して送風される構成とすることができる。
本発明に係るウィッグスタンドセットは、上記ウィッグスタンドと、前記ウィッグスタンドを密閉するケースを有し、前記ケース内における空気を、前記エアフィルターを通して循環する。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィッグを保持する保持部を有する中空のスタンド本体と、
前記スタンド本体の内部に配置され、紫外線光またはオゾンを放射する放射装置と、を有し、
前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、
前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、
前記放射装置から放射された紫外線光またはオゾンが、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して、前記スタンド本体の外側へと放射され、
前記内周面と前記外周面とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間が形成されている、ウィッグスタンド。
【請求項2】
前記スタンド本体は、人間の頭部を模した形状を有しており、
前記保持部は、前記スタンド本体のうち前頭部、頭頂部および後頭部に相当する位置に設けられており、
前記放射装置は、紫外線光を放射する紫外線放射装置であって、
前記紫外線放射装置は、前記スタンド本体の中心位置よりも顔側にずれた位置に配置されるとともに、光軸が真上よりも斜め後方に入射される、請求項1に記載のウィッグスタンド。
【請求項3】
ウィッグを保持する保持部を有するスタンド本体と、
前記スタンド本体の内部に配置されたヒーターと、
前記ヒーターにより加熱された空気を送風するファンと、を有するウィッグスタンドであって、
前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、前記二層構造において、前記内周面と前記外周面とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間が形成されており、
前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、
前記ヒーターは面状発熱ヒーターであり、
前記ファンにより、前記面状発熱ヒーターで加熱された温風が、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して前記スタンド本体の外側へと送風されることで、前記保持部が保持するウィッグに内側から温風が当てられる、ウィッグスタンド。
【請求項4】
前記保持部に形成された複数の孔を通過させて、前記スタンド本体の外側に送風することで、ウィッグに内側から風を当て、ウィッグに付着する付着物を払い落とす、ファンと、
払い落とされた前記付着物を含む前記スタンド本体の外側の空気を吸引する吸気口と、
前記吸気口から吸引された空気をフィルターし、前記付着物を空気から除去するエアフィルターと、を有し、
前記エアフィルターを通過した空気が、前記ファンにより、前記スタンド本体の外側まで循環して送風される、請求項1ないし3のいずれかに記載のウィッグスタンド。
【請求項5】
請求項4に記載のウィッグスタンドと、
前記ウィッグスタンドを密閉するケースを有し、
前記ケース内における空気を、前記エアフィルターを通して循環する、ウィッグスタンドセット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1の観点に係るウィッグスタンドは、ウィッグを保持する保持部を有する中空のスタンド本体と、前記スタンド本体の内部に配置され、紫外線光またはオゾンを放射する放射装置と、を有し、前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、前記放射装置から放射された紫外線光またはオゾンが、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して、前記スタンド本体の外側へと放射され、前記内周面と前記外周面とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間が形成されている。
上記ウィッグスタンドにおいて、前記スタンド本体は、人間の頭部を模した形状を有しており、前記保持部は、前記スタンド本体のうち前頭部、頭頂部および後頭部に相当する位置に設けられており、前記放射装置は、紫外線光を放射する紫外線放射装置であって、前記紫外線放射装置は、前記スタンド本体の中心位置よりも顔側にずれた位置に配置されるとともに、光軸が真上よりも斜め後方に入射される構成とすることができる。
本発明の第2の観点に係るウィッグスタンドは、ウィッグを保持する保持部を有するスタンド本体と、前記スタンド本体の内部に配置されたヒーターと、前記ヒーターにより加熱された空気を送風するファンと、を有するウィッグスタンドであって、前記スタンド本体の前記保持部は、内周面と外周面との二層構造を有しており、前記二層構造において、前記内周面と前記外周面とは離れた位置で対向して配置され、間に隙間が形成されており、前記内周面および前記外周面には、前記スタンド本体の外側と内側とを貫通する複数の孔がそれぞれ形成されており、前記ヒーターは面状発熱ヒーターであり、前記ファンにより、前記面状発熱ヒーターで加熱された温風が、前記保持部に形成された前記複数の孔を通過して前記スタンド本体の外側へと送風されることで、前記保持部が保持するウィッグに内側から温風が当てられる。
上記ウィッグスタンドにおいて、前記保持部に形成された複数の孔を通過させて、前記スタンド本体の外側に送風することで、ウィッグに内側から風を当て、ウィッグに付着する付着物を払い落とす、ファンと、払い落とされた前記付着物を含む前記スタンド本体の外側の空気を吸引する吸気口と、前記吸気口から吸引された空気をフィルターし、前記付着物を空気から除去するエアフィルターと、を有し、前記エアフィルターを通過した空気が、前記ファンにより、前記スタンド本体の外側まで循環して送風される構成とすることができる。
本発明に係るウィッグスタンドセットは、上記ウィッグスタンドと、前記ウィッグスタンドを密閉するケースを有し、前記ケース内における空気を、前記エアフィルターを通して循環する。