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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026034
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ガスセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/41 20060101AFI20240220BHJP
   G01N 27/409 20060101ALI20240220BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G01N27/41 325H
G01N27/409 100
G01N27/416 331
G01N27/416 321
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067080
(22)【出願日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】P 2022129173
(32)【優先日】2022-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 英成
(72)【発明者】
【氏名】劉 孫超
(72)【発明者】
【氏名】野村 昌史
【テーマコード(参考)】
2G004
【Fターム(参考)】
2G004BB04
2G004BC02
2G004BH06
2G004ZA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】端子金具のセンサ素子の幅方向へのズレを低減し、端子金具と、センサ素子の電極パッドとを確実に電気的接続することができるガスセンサを提供する。
【解決手段】軸線方向に延び、電極パッド24を有するセンサ素子21と、電極パッドに接触部C1を介して接続される端子金具75と、端子金具の後端側を保持する筒状のセパレータ91と、を備えるガスセンサであって、端子金具は、軸線方向に交差する方向に伸びるストッパ部75pを備え、接触部及びストッパ部がセパレータの内部に収容され、一の電極パッド751と、それに接続される一の端子金具241との組において、センサ素子の幅方向に沿って見たとき、セパレータの一方の内面91siと最も近い一の電極パッドの端部をパッド端とし、パッド端と接触部との距離をDAとし、セパレータの一方の内面とストッパ部の先端との距離をDBとしたとき、DA>DBを満たす。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に延び、後端側外表面に電極パッドを有するセンサ素子と、
前記軸線方向に延び、前記電極パッドに接触部を介して電気的に接続される端子金具と、
前記軸線方向に延び、前記端子金具の後端側を保持する筒状のセパレータと、
を備えるガスセンサであって、
前記端子金具は、、前記軸線方向に交差する方向に伸びるストッパ部を備え、
前記接触部及び前記ストッパ部が前記セパレータの内部に収容され、
一の前記電極パッドと、それに接続される一の前記端子金具との組において、前記センサ素子の幅方向に沿って見たとき、前記セパレータの一方の内面と最も近い前記一の電極パッドの端部をパッド端とし、前記パッド端と前記接触部との距離をDAとし、前記セパレータの前記一方の内面と前記ストッパ部の先端との距離をDBとしたとき、DA>DBを満たすことを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
前記ストッパ部は、前記接触部と異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記端子金具は、棒状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検出ガスの濃度を検出するセンサ素子と端子金具とを備えたガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の排気ガス中の酸素やNOの濃度を検出するガスセンサとして、固体電解質を用いた板状のセンサ素子を有するものが知られている。
この種のガスセンサとして、板状のセンサ素子の対向する主面の後端側に複数の電極パッド(電極端子部)を設け、この電極パッドのそれぞれに棒状(ワイヤ状)の端子金具を電気的に接触させてセンサ素子からのセンサ出力信号を外部に取り出したり、センサ素子に積層されたヒータに給電するものが広く用いられている(特許文献1)。
この端子金具は、電極パッドに接触するバネ接触部と、バネ接触部から折り返されるバネ保持部とを有しており、バネ保持部はセパレータ(絶縁碍子)に保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-116273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、センサ素子の幅方向に見て、例えば棒状の端子金具におけるバネ接触部は電極パッドにほぼ点接触している。このため、ガスセンサの組付け時や使用中の振動等によってバネ接触部が幅方向に振れると、電極パッドとの接続が切断され、電気的接続の信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、端子金具のセンサ素子の幅方向へのズレを低減し、端子金具と、センサ素子の電極パッドとを確実に電気的接続することができるガスセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のガスセンサは、軸線方向に延び、後端側外表面に電極パッドを有するセンサ素子と、前記軸線方向に延び、前記電極パッドに接触部を介して電気的に接続される端子金具と、前記軸線方向に延び、前記端子金具の後端側を保持する筒状のセパレータと、を備えるガスセンサであって、前記端子金具は、、前記軸線方向に交差する方向に伸びるストッパ部を備え、前記接触部及び前記ストッパ部が前記セパレータの内部に収容され、一の前記電極パッドと、それに接続される一の前記端子金具との組において、前記センサ素子の幅方向に沿って見たとき、前記セパレータの一方の内面と最も近い前記一の電極パッドの端部をパッド端とし、前記パッド端と前記接触部との距離をDAとし、前記セパレータの前記一方の内面と前記ストッパ部との距離をDBとしたとき、DA>DBを満たすことを特徴とする。
【0007】
ガスセンサの組付け時や使用中の振動等によってバネ接触部が幅方向に振れると、振れが最大になったときに、ストッパ部がセパレータの内面に当接するが、このときの最大振れ幅がDBとなる。
一方、このガスセンサによれば、パッド端と接触部との距離DAはDBより大きい。このようにすると、仮にバネ接触部の振れが最大になってストッパ部が内面に当接したときでも、依然として接触部はパッド端よりも内側に位置する(つまり、接触部は電極パッドとの接触を維持する)から、端子金具(特に棒状)の電極パッドとの接続が切断されて電気的接続の信頼性が低下することを抑制できる。
【0008】
本発明のガスセンサにおいて、前記径方向に沿って、前記ストッパ部は、前記接触部と異なる位置に設けられていてよい。
このガスセンサによれば、セパレータの内面形状等に応じて、接触部と異なる位置にストッパ部を設けることができ、設計の自由度が増すことになる。
【0009】
本発明のガスセンサにおいて、前記端子金具は、棒状であってもよい。
棒状の端子金具は、センサ素子の幅方向へズレ易いので、本発明を有効に適用できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、端子金具のセンサ素子の幅方向へのズレを低減し、端子金具と、センサ素子の電極パッドとを確実に電気的接続することができるガスセンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態にかかるガスセンサの断面図である。
図2図1のA-A線に沿う断面図である。
図3】端子金具の斜視図である。
図4】端子金具の変形例の斜視図である。
図5】端子金具のストッパ部が、センサ素子の幅方向におけるセパレータの内面のうち遠い側の内面に向かって伸びる例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図1図3に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるガスセンサ1の断面図、図2図1のA-A線に沿う断面図、図3は端子金具75の斜視図である。
【0013】
図1において、ガスセンサ(NOxセンサ)1は、センサ素子21と、軸線O方向に貫通してセンサ素子21を挿通させる貫通孔32を有するホルダ(セラミックホルダ)30と、セラミックホルダ30の径方向周囲を取り囲むハウジング11と、セパレータ91とを備えている。
センサ素子21のうち、検知部22が形成された先端寄り部位が、セラミックホルダ30より先端に突出している。
セラミックホルダ30の貫通孔32の後端側には、貫通孔32に連通する充填用穴30hが形成されており、センサ素子21は、充填用穴30hにシール材(本例では滑石)41を充填することによって、セラミックホルダ30の貫通孔32内に気密に保持されている。
セラミックホルダ30の後端側には、複数の端子金具75、76を保持するセパレータ91が配置されている。セパレータ91は、有底円筒状をなし、後端側が底部91eになっている。
【0014】
図2に示すように、セパレータ91の側壁91sの内側には、端子金具75,76を保持するための保持溝91rが、軸線O方向に沿って複数形成されている。
なお、端子金具75は径方向外側に広がる屈曲部75sを有し、セパレータ91の側壁91sの内側には、屈曲部75sに係止するための斜めに向いた対向壁91pが形成されている。
端子金具75は、センサ素子21の幅方向の両端側にそれぞれ1つずつ配置され、端子金具76は、センサ素子21の幅方向の中央に1つ配置されている。
【0015】
また、セパレータ91の中心部分には、センサ素子21が配置される中心孔91hが形成されており、複数の保持溝91rは、中心孔91hに連通している。そして、端子金具75,76は、保持溝91r及び中心孔91hを介してセンサ素子21の電極パッド24(図1)に接触している。
なお、セパレータ91の底部91eには、端子金具75,76の挿通孔(図示せず)が形成されている。
【0016】
図1に戻り、センサ素子21の後端寄り部位はセラミックホルダ30及びハウジング11より後方に突出しており、その後端寄り部位に形成された各電極パッド24に端子金具75、76が圧接され、電気的に接続されている。
なお、端子金具76は、端子金具75よりも先端側に配置されている。また、端子金具76と接触部C2を介して電気的に接続される電極パッド24も、端子金具75と接触部C1を介して電気的に接続される電極パッド24よりも先端側に配置されている。
一方、端子金具75、76の後端側はリード線71に接続され、リード線71はシール材85を通して外部に引き出されている。
また、電極パッド24を含むセンサ素子21の後端寄り部位は、外筒81でカバーされている。以下、さらに詳細に説明する。
【0017】
センサ素子21は軸線O方向に延びると共に、測定対象に向けられる先端側(図示下側)に、検知用電極等(図示せず)からなり被検出ガス中の特定ガス成分を検出する検知部22を備えた帯板状(板状)をなしている。センサ素子21の横断面は、先後において一定の大きさの長方形(矩形)をなし、セラミック(固体電解質等)を主体として細長いものとして形成されている。
このセンサ素子21自体は、従来公知のものと同じものであり、固体電解質(部材)の先端寄り部位に検知部22をなす一対の検知用電極が配置され、これに連なり後端寄り部位には、検知用出力取り出し用のリード線71接続用の電極パッド24が露出形成されている。
【0018】
また、本例では、センサ素子21のうち、固体電解質(部材)に積層状に形成されたセラミック材の先端寄り部位内部にヒータ(図示せず)が設けられており、後端寄り部位には、このヒータへの電圧印加用のリード線71接続用の電極パッド24が露出形成されている。
図示はしないが、これら電極パッド24は縦長矩形に形成され、例えばセンサ素子21の後端寄り部位において、帯板の幅広面(両面)に3つ又は2つの電極端子が横に並んでいる。
なお、センサ素子21の検知部22に、アルミナ又はスピネル等からなる多孔質の保護層(図示せず)が被覆されている。
【0019】
ハウジング11は、先後において同心異径の筒状をなし、先端側が小径で、後述するプロテクタ51、61を外嵌して固定するための円筒状の円環状部(以下、円筒部ともいう)12を有し、その後方(図示上方)の外周面には、それより大径をなす、エンジンの排気管への固定用のネジ13が設けられている。そして、その後方には、このネジ13によってセンサ1をねじ込むための多角形部14を備えている。また、この多角形部14の後方には、ガスセンサ1の後方をカバーする保護筒(外筒)81を外嵌して溶接する円筒部15が連設され、その後方には外径がそれより小さく薄肉のカシメ用円筒部16を備えている。
なお、このカシメ用円筒部16は、図1では、カシメ後のために内側に曲げられている。
【0020】
一方、ハウジング11は、軸線O方向に貫通する内孔18を有している。内孔18の内周面は後端側から先端側に向かって径方向内側に先細るテーパ状の段部17を有している。
【0021】
ハウジング11の内側には、絶縁性セラミック(例えばアルミナ)からなり、概略短円筒状に形成されたセラミックホルダ30が配置されている。セラミックホルダ30は鍔部31を有し、鍔部31の先端向き面が段部17に係止されつつ、セラミックホルダ30が後端側からシール材42、スリーブ43等を介してカシメ用円筒部16で押圧されている。これにより、ハウジング11内にセラミックホルダ30が位置決めされ、かつ隙間嵌めされている。
【0022】
一方、センサ素子21の先端部位は、本形態では、2層構造からなり、共にそれぞれ通気孔(穴)を有する有底円筒状のプロテクタ(保護カバー)51,61で覆われている。プロテクタ51,61の後端は、ハウジング11の円筒部12に外嵌され、溶接されている。
【0023】
又、図1に示すように、センサ素子21の後端寄り部位に形成された各電極パッド24には、外部にシール材85を通して引き出された各リード線71の先端に設けられた各端子金具75、76がそのバネ性により圧接され、電気的に接続されている。そして、この圧接部を含む各端子金具75、76は、本例ガスセンサ1では、外筒81内に配置された絶縁性のセパレータ91内に設けられた各保持溝91r内(図2)に設けられている。なお、セパレータ91は、外筒81内に配置された皿ばね82に係止されている。
【0024】
一方、外筒81の後端側の外面には保護外筒83が嵌合されており、保護外筒83の内側にシール材(例えばゴム)85が配置されている。さらに、外筒81と保護外筒83との間には撥水性の通気フィルタ95が介装されている。
また、リード線71は外筒81の後端部の内側に配置されたシール材85を通されて外部に引き出されており、保護外筒83を縮径カシメしてこのシール材85を圧縮することにより、この部位の気密が保持されている。
【0025】
次に、図2図3を参照し、端子金具75について説明する。
本例では端子金具75は、断面が円又はアスペクト比が1:1.0から1:1.2である多角形の棒状端子(本例では断面が円形)であり、金属の線材から形成されている。但し、端子金具75は棒状に限定されず、例えば金属板を切り抜いてプレス等した板状でもよい。
また、端子金具75は、軸線O方向に延びる本体部75aと、本体部75aの先端をセンサ素子21側に折り返したバネ接触部75bとを一体に有している。そして、本体部75aに対してバネ接触部75bが径方向に弾性的に撓むことで、バネ接触部75bが電極パッド24に接するようになっている。
一方、本体部75aの後端側が圧着端子を介してリード線71に接続されている。
【0026】
ここで、図2図3に示すように、端子金具75は、軸線O方向に交差する方向(図2ではセンサ素子21の主面に沿う方向)に伸びるストッパ部75pを備えている。具体的には、ストッパ部75pは、バネ接触部75bの開放端をなす先端部をセンサ素子21の主面に沿う方向にL字形に屈曲させて形成させている。
端子金具75の接触部C1及びストッパ部75pはセパレータ91の内部に収容されている。
なお、ストッパ部75pが「軸線O方向に交差する方向に伸びる」と規定した理由は、仮にストッパ部75pが軸線O方向に伸びている場合、後述するようにストッパ部75pがセパレータ91の一方の内面91siに当接できないので、ストッパ部75p(端子金具75)のセンサ素子21の幅方向へのズレを低減することができなくなるからである。
【0027】
ここで、一の電極パッド241と、それに接続される一の端子金具751との組を考える。電極パッド241は、センサ素子21の一方の主面(図2の上面側)の3つの電極パッド24のうち、最も左側に位置する。また、端子金具751は、2つ端子金具75のうち、左側に位置する。
そして上記した電極パッド241及び端子金具751の組において、センサ素子21の幅方向に沿って見たとき、セパレータ91の一方の内面91si(側壁91sの内面)と最も近い電極パッド241の端部をパッド端とし、パッド端と接触部C1との距離をDAとし、一方の内面91siと端子金具751のストッパ部751pとの距離をDBとしたとき、DA>DBを満たす。ここで、一方の内面91siは、センサ素子21の幅方向におけるセパレータ91の2つの内面のうち、左側の内面であり、電極パッド241及び端子金具751に近い側の内面である。
【0028】
このようにすると、ガスセンサ1の組付け時や使用中の振動等によってバネ接触部75bが幅方向に振れると、振れが最大になったときに、ストッパ部751pが内面91siに当接するが、このときの最大振れ幅がDBとなる。
一方、パッド端と接触部C1との距離DAはDBより大きい。したがって、仮にバネ接触部75bの振れが最大になってストッパ部751pが内面91siに当接したときでも、依然として接触部C1はパッド端よりも内側に位置する(つまり、接触部C1は電極パッド241との接触を維持する)から、端子金具751(特に棒状)の電極パッド241との接続が切断されて電気的接続の信頼性が低下することを抑制できる。
【0029】
なお、本例では端子金具75およびバネ接触部75bは、断面が円形の棒状であり、バネ接触部75bは電極パッド24にほぼ点接触するので、接触部C1は1点に定まる。一方、端子金具75が断面が多角形の棒状や板状である場合、接触部C1がセンサ素子21の主面に沿う方向(幅方向)に一定の範囲の領域を有することがある。この場合は、その領域の幅方向の中点を接触部C1とみなす。
また、接触部C1は、軸線O方向からガスセンサ1のCT画像を取得し、図2のような断面図からバネ接触部75bと電極パッド24との接点付近の画像を見て判定する。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0031】
例えば、上記の実施形態では、ストッパ部75pは、バネ接触部75bの先端部をL字形に屈曲させて形成させ、その結果、径方向に見てストッパ部75pと接触部C1が同一直線上に位置した。
但し、例えば図4に示すように、端子金具175の径方向に沿って、ストッパ部175pが接触部C1と異なる位置に設けられていてもよい。なお、図4の例では、具体的には、ストッパ部175pは、バネ接触部175bの開放端をなす先端部をセンサ素子21の主面に沿う方向にL字形に屈曲させるとともに、バネ接触部175bのうちストッパ部175pよりも先端部分を電極パッド24側に膨出させ、この膨出部を接触部C1とさせている。
なお、図2の本体部75a、屈曲部75sを、本体部175a、屈曲部175sと読み替える。
【0032】
ただし、ストッパ部75p、175pは、端子金具75,175のうち、本体部75aとバネ接触部75bとの間の折り返し部よりも先端側(バネ接触部75b側)に配置されている必要がある。折り返し部よりも先端側が撓んでセンサ素子21の幅方向へズレ易いからである。
【0033】
また、本例では、センサ素子21の幅方向の両端側に配置された端子金具75に対し、ストッパ部75pを設けた。これは、センサ素子21の端部の端子金具75の方が、中央の端子金具76よりも振れ易いからである。ただし、これに限らず、センサ素子21の幅方向の中央側の端子金具76にストッパ部を設けてもよい。
【0034】
さらに、図5に示すように、端子金具752のストッパ部752pが、センサ素子21の幅方向におけるセパレータ91の2つの内面のうち遠い側の内面91siに向かって伸びていてもよい。
具体的には、図5において、一の電極パッド242と、それに接続される一の端子金具752との組を考える。電極パッド242は、センサ素子21の一方の主面(図2の上面側)の3つの電極パッド24のうち、最も右側に位置する。また、端子金具752は、2つ端子金具75のうち、右側に位置する。
そして上記した電極パッド242及び端子金具752の組において、センサ素子21の幅方向に沿って見たとき、セパレータ91の一方の内面91si(側壁91sの内面)と最も近い電極パッド242の端部をパッド端とし、パッド端と接触部C1との距離をDAとし、一方の内面91siと端子金具752のストッパ部752pとの距離をDBとしたとき、DA>DBを満たす。ここで、一方の内面91siは、センサ素子21の幅方向におけるセパレータ91の2つの内面のうち、左側の内面であり、電極パッド242及び端子金具752に遠い側の内面である。
【0035】
図5の例においても、パッド端と接触部C1との距離DAはDBより大きいので、端子金具752の電極パッド242との接続が切断されて電気的接続の信頼性が低下することを抑制できる。
なお、図5の端子金具752は、そのストッパ部752pが他の端子金具75,76よりも後端側でセンサ素子21の幅方向に伸びた形態である。
【0036】
端子金具が棒状の場合、例えば円又は又はアスペクト比が1:1.0から1:1.2である多角形の断面のものを用いることができる。
【0037】
また、本発明を適用するガスセンサは、酸素センサに限られることはなく、端子金具を備えるガスセンサであれば、NOxセンサや水素センサなど他の種類のガスを検出するガスセンサであってもよい。
センサ素子も板型に限らず、筒型素子であってもよい。
また、本例では、ストッパ部は、端子金具と一体であり、端子金具の一部を屈曲させて形成したが、例えば端子金具の所定の位置に板状で別体のストッパ部を溶接等で結合した形態でもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 ガスセンサ
21 センサ素子
24 電極パッド
241、242 一の電極パッド
75,175 端子金具
751、752 一の端子金具
75p,175p ストッパ部
91 セパレータ
91si セパレータの内面
C1 接触部
O 軸線
図1
図2
図3
図4
図5