(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026035
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、端末及びサーバ
(51)【国際特許分類】
H04N 21/854 20110101AFI20240220BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240220BHJP
【FI】
H04N21/854
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080516
(22)【出願日】2023-05-16
(62)【分割の表示】P 2022129207の分割
【原出願日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【弁理士】
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】羅皓蓉
(72)【発明者】
【氏名】許勝凱
(72)【発明者】
【氏名】楊家宜
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA27
5C164FA29
5C164MC01P
5C164UB83S
5L049BB22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ライブコマースのアーカイブに適した動画編集技術を実現するコンピュータプログラム、端末及びサーバ提供する。
【解決手段】ライブコマースシステム1において、コンピュータプログラム(編集アプリ)は、複数の販売対象に関連付けられたライブ配信のアーカイブを再生することにより得られる動画を表示する第1領域と、動画の現在の再生位置を示すオブジェクトと、ライブ配信に関連付けられた複数の販売対象を選択可能に表示する第2領域と、を有する編集画面をディスプレイに表示させる機能と、編集画面を介して行われた編集の結果と、第2領域において選択された販売対象と、が対応付けられるように、ネットワーク6を介してサーバ4と通信する機能と、を編集端末2に実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の販売対象に関連付けられたライブ配信のアーカイブを再生することにより得られる動画を表示する第1領域と、
前記動画の現在の再生位置を示すオブジェクトと、
前記ライブ配信に関連付けられた前記複数の販売対象を選択可能に表示する第2領域と、を有する編集画面をディスプレイに表示させる機能と、
前記編集画面を介して行われた編集の結果と、前記第2領域において選択された販売対象と、が対応付けられるように、ネットワークを介してサーバと通信する機能と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記編集画面は、
前記オブジェクトに関連付けて表示される第3領域であって、前記ライブ配信に関連するパラメータの時間変化を表示する第3領域を含み、
前記3領域は、前記2領域において販売対象が選択された場合、選択された販売対象に関するパラメータの時間変化を表示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
選択された販売対象に関するパラメータは、前記ライブ配信における選択された販売対象を注文するために行われた動作の数または当該販売対象に関するコメントの数もしくはその両方である請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記第3領域は、前記第2領域において販売対象が選択されていない場合、販売対象に依らないパラメータの時間変化を表示する請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
複数の販売対象に関連付けられたライブ配信のアーカイブを再生することにより得られる動画を表示する第1領域と、
前記動画の現在の再生位置を示すオブジェクトと、
前記ライブ配信に関連付けられた前記複数の販売対象を選択可能に表示する第2領域と、を有する編集画面をディスプレイに表示させる表示制御部と、
前記編集画面を介して行われた編集の結果と、前記第2領域において選択された販売対象と、が対応付けられるように、ネットワークを介してサーバと通信する通信部と、を備える端末。
【請求項6】
複数の販売対象に関連付けられたライブ配信のアーカイブを、ネットワークを介して編集端末に送信する手段と、
前記編集端末における編集の結果と、前記ライブ配信に関連付けられた前記複数の販売対象のなかから選択された販売対象と、を前記編集端末から前記ネットワークを介して受信する手段と、
受信した編集の結果に基づき前記ライブ配信の前記アーカイブを処理する手段と、
処理されたアーカイブに、選択された販売対象を関連付ける手段と、を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータプログラム、端末及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
ライブコマース(Live Commerce)とは、ライブ配信とEC(E-Commerce)とを組み合わせた新しい接客・販売手法である。場所にとらわれず、実店舗で行うような購買体験をユーザに提供することができる(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/106034号パンフレット
【特許文献2】特開2019-109785号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「ライブコマースとは」、HandsUP、URL:https://handsup.17.live/live-commerce/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等は独自の検討によりライブコマースについて以下の課題を見出した。
ライブコマースではライブ配信中に視聴者が商品や役務を購入するだけでなく、後日そのライブ配信のアーカイブを視た視聴者も商品や役務を購入する。アーカイブを介した商品や役務の販売量は比較的多いので、アーカイブはライブコマースを行う者にとって重要な商材のひとつとなっている。したがって、ライブコマースのアーカイブに適した動画編集技術の登場が望まれている。
【0006】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライブコマースのアーカイブに適した動画編集技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、コンピュータプログラムに関する。このコンピュータプログラムは、複数の販売対象に関連付けられたライブ配信のアーカイブを再生することにより得られる動画を表示する第1領域と、動画の現在の再生位置を示すオブジェクトと、ライブ配信に関連付けられた複数の販売対象を選択可能に表示する第2領域と、を有する編集画面をディスプレイに表示させる機能と、編集画面を介して行われた編集の結果と、第2領域において選択された販売対象と、が対応付けられるように、ネットワークを介してサーバと通信する機能と、を端末に実現させる。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、サーバである。このサーバは、複数の販売対象に関連付けられたライブ配信のアーカイブを、ネットワークを介して編集端末に送信する手段と、編集端末における編集の結果と、ライブ配信に関連付けられた複数の販売対象のなかから選択された販売対象と、を編集端末からネットワークを介して受信する手段と、受信した編集の結果に基づきライブ配信のアーカイブを処理する手段と、処理されたアーカイブに、選択された販売対象を関連付ける手段と、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態に係るライブコマースシステムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1の編集端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のLCサーバの機能および構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のアーカイブDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図5】
図3の時系列データDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図6】LCライブ配信のアーカイブを編集するときのライブコマースシステムにおける処理の流れを示すチャートである。
【
図7】編集端末のディスプレイに表示される、販売対象が選択されていない状態の編集画面の代表画面図である。
【
図8】編集端末のディスプレイに表示される、販売対象が選択された状態の編集画面の代表画面図である。
【
図9】編集端末のディスプレイに表示される、クリップ区間が選択された状態の編集画面の代表画面図である。
【
図10】LCサーバにクリップ動画の一覧を要求したユーザ端末のディスプレイに表示されるクリップ動画選択画面の代表画面図である。
【
図11】ユーザ端末のディスプレイに表示されるクリップ動画再生画面の代表画面図である。
【
図12】本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
実施の形態に係るライブコマースシステムでは、販売対象の商品および/または役務(以下、単に販売対象と称す)の販売を目的として行われたライブ配信(以下、LCライブ配信と称す)のアーカイブを編集する際、編集者に、当該LCライブ配信で扱われた販売対象のなかから所望の販売対象を選択させる。販売対象が選択されると、編集者の編集端末に表示される編集画面において、アーカイブの現在の再生位置を示すプログレスバーに対応する形で、選択された販売対象に関するパラメータの時間変化が表示される。これにより、編集者は、複数の販売対象を扱ったLCライブ配信のアーカイブを編集する際に、各販売対象と編集済動画とをより容易に対応付けることができる。また、編集者は、パラメータの時間変化を見ることで、アーカイブ全体のなかから選択した販売対象に関する部分をより早く見つけ出すことができる。
【0013】
図1は、本開示の実施の形態に係るライブコマースシステム1の構成を示す模式図である。ライブコマースシステム1は、編集者8が使用する編集端末2と、ライブコマース(LC)サーバ4と、を備える。LCサーバ4は、インターネットなどのネットワーク6に接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。編集端末2は例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。LCサーバ4および編集端末2は、ネットワーク6により互いに通信可能に接続される。
【0014】
LCサーバ4は、編集者8または他の配信者により配信されるLCライブ配信をホストする。LCサーバ4は、過去に行われたLCライブ配信の動画データをアーカイブとして保持する。編集者8は編集端末2を操作してLCサーバ4にアクセスし、アーカイブを編集することで編集済動画を作成する。編集済動画は例えばアーカイブの一部を切り取ることで生成されるクリップ動画や、アーカイブにチャプター情報を付加してチャプターごとの再生を可能とするチャプター付き動画である。以下、編集済動画がクリップ動画である場合を説明するが、本実施の形態の技術的思想はチャプター付き動画や他のタイプの編集済動画にも適用できることは、本明細書に触れた当業者には理解される。
【0015】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者のユーザ端末で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者のユーザ端末で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者がコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者が所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者と視聴者とのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。
【0016】
本明細書において「動画データ」は、ユーザ端末の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、ユーザ端末の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、ユーザ端末で再生されることで、ユーザによるコンテンツの視聴を可能とする。
【0017】
図2は、
図1の編集端末2の機能および構成を示すブロック図である。
図2および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0018】
編集者8は、ダウンロードサイトからネットワーク6を介して、本実施の形態に係る編集アプリケーションプログラム(以下、編集アプリという)を編集端末2にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、編集アプリは編集端末2にプリインストールされていてもよい。編集アプリが編集端末2により実行されることにより、編集端末2はネットワーク6を介してLCサーバ4と通信し、各種機能を実現する。以下、編集端末2(のCPUなどのプロセッサ)が編集アプリを実行することにより実現する機能を編集端末2の機能として説明する。それらの機能は実際は編集アプリが編集端末2に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、LCサーバ4から編集端末2のウェブブラウザにネットワーク6を介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。
【0019】
編集端末2は、表示制御部102と、通信部104と、入力受付部106と、を含む。表示制御部102は、各種画面を生成し、編集端末2のディスプレイに表示させる。表示制御部102は、ディスプレイに表示されている画面の表示内容を更新する。通信部104は、ネットワーク6を介してLCサーバ4と通信する。通信部104は、各種処理要求や信号を生成し、ネットワーク6を介してLCサーバ4に送信する。通信部104は、LCサーバ4により送信された編集端末2宛の要求や信号をネットワーク6を介して受信する。通信部104は、自身が送信した要求や信号に対するLCサーバ4からの応答をネットワーク6を介して受信する。入力受付部106は、マウスやキーボードやタッチパネルなどの入力手段を介して、編集者8による入力を受け付ける。
【0020】
図3は、
図1のLCサーバ4の機能および構成を示すブロック図である。LCサーバ4は、LC処理部202と、時系列データ生成部204と、編集内容取得部206と、編集処理部208と、編集済動画提供部210と、アーカイブDB212と、時系列データDB214と、編集済動画DB215と、を含む。
【0021】
LC処理部202は、LCライブ配信をホストするための処理を行う。LC処理部202におけるLCライブ配信のホスティングは、例えば特許文献1や特許文献2や非特許文献1に記載される公知の技術を用いて実現されてもよい。本明細書においてLCライブ配信はライブ配信の一形態である。LCライブ配信では、ライブ配信のデータに販売対象のデータが結合されるか、関連付けられる。例えば、LCライブ配信では、配信者は先に販売対象を指定した上でLCライブ配信を開始する。LCライブ配信の画面には、販売対象をカートに入れるためのオブジェクトが含められる。
【0022】
LCライブ配信であると言うためには、単にライブ配信内で配信者が特定の商品や役務を紹介するだけでは足りず、ライブ配信をホストしているサーバかライブ配信プラットフォームにおいてライブ配信のデータと販売対象のデータとが関連付けられていることを必要とする。したがって、LCライブ配信のアーカイブには販売対象の情報が自動的に付与されることとなる。
【0023】
LC処理部202は、ホストしたLCライブ配信のアーカイブを、当該LCライブ配信において行われたコメントやいいねや販売対象のカートイン情報と共にアーカイブDB212に登録する。
【0024】
図4は、
図3のアーカイブDB212の一例を示すデータ構造図である。アーカイブDB212は、過去に行われたLCライブ配信のアーカイブおよびそれに関連する情報を保持する。アーカイブDB212は、アーカイブを特定するアーカイブIDと、アーカイブされたLCライブ配信を特定するストリームIDと、アーカイブされたLCライブ配信の開始時刻および長さと、アーカイブされたLCライブ配信に関連付けられた販売対象を特定する販売対象IDと、アーカイブの動画データと、アーカイブされたLCライブ配信で視聴者や配信者により入力されたコメントのデータと、アーカイブされたLCライブ配信で視聴者により行われたいいねのデータと、アーカイブされたLCライブ配信の視聴者のデータと、アーカイブされたLCライブ配信における販売対象のカートインのデータと、を対応付けて保持する。カートインのデータは、LCライブ配信において視聴者がいつ、どの販売対象を、いくつ、カートに入れたかを示すデータである。
図4の例では、LCライブ配信「ST01」において、13:06に販売対象「PD001」1つがカートに入れられたこと、および13:14に販売対象「PD001」2つがカートに入れられたこと、を示すカートインデータが保持されている。
【0025】
図3に戻り、時系列データ生成部204は、過去に行われたLCライブ配信のコメントデータ、いいねデータ、視聴者データおよびカートインデータを処理することで、それぞれの時系列データを生成する。時系列データ生成部204は、生成された時系列データを時系列データDB214に登録する。
【0026】
図5は、
図3の時系列データDB214の一例を示すデータ構造図である。時系列データDB214は、アーカイブを特定するアーカイブIDと、アーカイブされたLCライブ配信におけるコメント数の時系列データと、アーカイブされたLCライブ配信におけるいいね数の時系列データと、アーカイブされたLCライブ配信における視聴者数の時系列データと、販売対象ごとの時系列データと、を対応付けて保持する。コメント数の時系列データは、アーカイブを所定時間(例えば3分)の区間に分割し、各区間におけるコメントの数をカウントすることにより生成される。
図5の例では、アーカイブ「AR01」について、開始(0分)から3分までの区間におけるコメント数「1」、3分~6分の区間におけるコメント数「0」、6分~9分の区間におけるコメント数「3」、というコメント数の時系列データが保持されている。いいね数の時系列データおよび視聴者数の時系列データも同様に各区間におけるいいね数、視聴者数をそれぞれカウントすることにより生成される。
【0027】
販売対象ごとの時系列データは、アーカイブされたLCライブ配信に関連付けられている販売対象のそれぞれについて、その販売対象の販売対象IDと、アーカイブされたLCライブ配信における当該販売対象のカートイン数の時系列データと、アーカイブされたLCライブ配信における当該販売対象に関する関連コメント数の時系列データと、を含む。販売対象のカートイン数は、カートに入れられた当該販売対象の個数を表す。販売対象のカートイン数の時系列データは、アーカイブを所定時間(例えば3分)の区間に分割し、各区間における当該販売対象のカートイン数をカウントすることにより生成される。
図5の例では、アーカイブ「AR01」の販売対象「PD001」について、開始(0分)から3分までの区間におけるカートイン数「0」、3分~6分の区間におけるカートイン数「0」、6分~9分の区間におけるカートイン数「1」、というカートイン数の時系列データが保持されている。
【0028】
時系列データ生成部204は、アーカイブされたLCライブ配信における各コメントを解析することで、それがどの販売対象に関するコメントなのか、もしくはどの販売対象にも関しないコメントなのか、を判定する。例えば、時系列データ生成部204は、販売対象ごとにその販売対象を特徴付けるキーワードを設定する。キーワードは例えば販売対象の名称、機能、効能、種類、属性などを表す語であってもよい。時系列データ生成部204は、販売対象のキーワードと各コメントとのマッチ度を算出する。時系列データ生成部204は、いずれの販売対象についても、算出されたマッチ度がしきい値以下であればそのコメントはどの販売対象にも関連しないと判定する。時系列データ生成部204は、いずれかの販売対象について、算出されたマッチ度がしきい値を上回る場合、マッチ度が最大となる販売対象を特定する。時系列データ生成部204は、そのコメントを、特定された販売対象に関する関連コメントとして決定する。
【0029】
販売対象に関する関連コメント数の時系列データは、アーカイブを所定時間(例えば3分)の区間に分割し、各区間における当該販売対象に関する関連コメントの数をカウントすることにより生成される。
図5の例では、アーカイブ「AR01」の販売対象「PD001」について、開始(0分)から3分までの区間における関連コメント数「1」、3分~6分の区間における関連コメント数「0」、6分~9分の区間における関連コメント数「1」、という関連コメント数の時系列データが保持されている。
【0030】
図3に戻り、編集内容取得部206は、編集端末2からネットワーク6を介してアーカイブの編集要求を受信する。編集要求は、編集者8によって指定された編集対象のアーカイブのアーカイブIDを含む。編集内容取得部206は、受信した編集要求で指定されたアーカイブのデータと、ライブ配信開始時刻と、長さと、販売対象IDと、をアーカイブDB212から取得する。編集内容取得部206は、受信した編集要求で指定されたアーカイブのコメント数時系列データと、いいね数時系列データと、視聴者数時系列データと、販売対象ごとの時系列データと、を時系列データDB214から取得する。販売対象ごとの時系列データは、販売対象IDと、カートイン数時系列データと、関連コメント数時系列データと、を含む。編集内容取得部206は、取得されたデータを、ネットワーク6を介して要求元の編集端末2に送信する。編集内容取得部206は、編集端末2における編集の結果と、複数の販売対象のなかから選択された販売対象と、を編集端末2からネットワーク6を介して受信する。
【0031】
編集処理部208は、編集内容取得部206が受信した編集の結果に基づきアーカイブを処理する。クリップ動画を生成するための編集である場合、編集の結果は開始時刻と終了時刻とタイトルとを含む。編集処理部208は、アーカイブから、開始時刻と終了時刻とで挟まれる区間を切り出す。編集処理部208は、切り出された部分にタイトルを関連付けることでクリップ動画を生成する。
【0032】
編集処理部208は、処理されたアーカイブに、選択された販売対象を関連付ける。編集処理部208は、編集の結果に基づき処理され、販売対象が関連付けられたアーカイブを編集済動画として編集済動画DB215に登録する。上記のクリップ動画の例では、編集処理部208は、生成されたクリップ動画に選択された販売対象のアイコンが重畳表示されるようにクリップ動画のデータを処理することで編集済クリップ動画を生成する。
【0033】
編集済動画提供部210は、任意のユーザのユーザ端末から編集済動画の視聴要求を受信すると、要求された編集済動画を編集済動画DB215から読み出し、要求元のユーザ端末にネットワーク6を介して送信する。
【0034】
以上の構成によるライブコマースシステム1の動作を説明する。
図6は、LCライブ配信のアーカイブを編集するときのライブコマースシステム1における処理の流れを示すチャートである。編集端末2の入力受付部106は、編集者8から、編集対象のアーカイブの指定を受け付ける(S202)。入力受付部106は、表示制御部102によってディスプレイに表示されている複数のアーカイブのサムネイルのなかから、編集者8が入力手段により指定したサムネイルに対応するアーカイブを、編集対象のアーカイブとして取得する。通信部104は、ステップS202で指定されたアーカイブのアーカイブIDを含む編集要求を生成し、ネットワーク6を介してLCサーバ4に送信する(S204)。
【0035】
LCサーバ4の編集内容取得部206は、ステップS204で送信された編集要求を受信すると、編集要求に含まれるアーカイブIDに対応するアーカイブデータと、販売対象IDと、時系列データと、その他の情報と、をアーカイブDB212、時系列データDB214から取得する(S206)。編集内容取得部206はステップS206で取得されたデータを含む編集用データを、ネットワーク6を介して要求元の編集端末2に送信する(S208)。
【0036】
編集端末2の表示制御部102は、受信した編集用データに基づいて後述の編集画面を生成し、ディスプレイに表示させる(S210)。入力受付部106は、表示されている編集画面において、編集者8による販売対象の選択を受け付ける(S212)。入力受付部106は、表示されている編集画面に対して編集者8が行った入力を受け付けることで、編集の結果を取得する(S214)。通信部104は、ステップS214で編集画面を介して行われた編集の結果と、ステップS212で選択された販売対象と、が対応付けられるように、ネットワーク6を介してLCサーバ4と通信する(S216)。通信部104は、ステップS214で取得された編集の結果と、ステップS212で選択された販売対象の販売対象IDと、を対応付けて保持する編集結果データを生成し、ネットワーク6を介してLCサーバ4に送信する。
【0037】
LCサーバ4の編集処理部208は、ステップS216で送信された編集結果データを受信すると、当該編集結果データに含まれる編集の結果に基づいてアーカイブの編集処理を行う(S218)。編集処理部208は、ステップS218で編集処理されたアーカイブに、編集結果データに含まれる販売対象IDを関連付けることで、編集済動画を生成する(S220)。編集処理部208は、生成された編集済動画を編集済動画DB215に格納する。
【0038】
図7は、編集端末2のディスプレイに表示される、販売対象が選択されていない状態の編集画面600の代表画面図である。編集画面600は、複数の販売対象に関連付けられたLCライブ配信のアーカイブを再生することにより得られる動画を表示するアーカイブ再生領域602と、アーカイブ再生領域602で再生されている動画の現在の再生位置を示すプログレスバー608と、LCライブ配信に関連付けられた複数の販売対象を選択可能に表示する商品選択領域610と、プログレスバー608に関連付けて表示される第1時間変化表示領域616および第2時間変化表示領域617と、編集済動画に関する情報の入力を受け付ける情報入力領域618と、編集完了ボタン620と、を有する。第1時間変化表示領域616および第2時間変化表示領域617はそれぞれLCライブ配信に関連するパラメータの時間変化を表示する。
【0039】
表示制御部102は、LCサーバ4から受信した編集用データに含まれるアーカイブを再生し、得られた動画をアーカイブ再生領域602に表示させる。併せて表示制御部102は、当該動画の現在の再生位置を示すようプログレスバー608の表示を更新する。プログレスバー608はつまみオブジェクト604とバーオブジェクト606とを有する。バーオブジェクト606はその全長が動画の長さ全体を表す。バーオブジェクト606におけるつまみオブジェクト604の位置が現在の再生位置を示す。
【0040】
商品選択領域610は、編集用データに含まれる複数の販売対象IDで特定される複数の販売対象のそれぞれについて、その販売対象の商品アイコン612と、名称と、チェックボックス614と、を対応付けて表示する。
図7の例では、XX産りんごとYY産バナナとZZ産ぶどうの3つの販売対象がLCライブ配信に関連付けられており、それぞれの商品アイコンと名称とチェックボックスが表示されている。商品選択領域610のチェックボックス614をクリックするかタップすることにより、対応する販売対象を選択することができる。入力受付部106は、商品選択領域610のチェックボックス614に対するクリックかタップを検出すると、対応する販売対象を選択された販売対象として特定する。
図7では商品選択領域610においてどの販売対象も選択されていない。
【0041】
第1時間変化表示領域616の全長はプログレスバー608の全長に対応または一致している。プログレスバー608のバーオブジェクト606は第1時間変化表示領域616の時間軸に相当する。第2時間変化表示領域617の全長はプログレスバー608の全長に対応または一致している。プログレスバー608のバーオブジェクト606は第2時間変化表示領域617の時間軸に相当する。
【0042】
第1時間変化表示領域616は、販売対象に依らないパラメータの時間変化を表示する。第1時間変化表示領域616は、編集用データに含まれるコメント数時系列データに基づくコメント数の時間変化を折れ線グラフまたは棒グラフの形式で表示する。第1時間変化表示領域616は、編集用データに含まれるいいね数時系列データに基づくいいね数の時間変化を折れ線グラフまたは棒グラフの形式で表示する。第1時間変化表示領域616は、編集用データに含まれる視聴者数時系列データに基づく視聴者数の時間変化を折れ線グラフまたは棒グラフの形式で表示する。第1時間変化表示領域616は、コメント数、いいね数、視聴者数をそれぞれ異なる表示形式で重ねて表示する。第1時間変化表示領域616は、商品選択領域610において販売対象が選択されていない場合(
図7の状態)でも、商品選択領域610において販売対象が選択されている場合(
図8の状態)でも、コメント数、いいね数、視聴者数の時間変化を表示する。商品選択領域610における選択の有無は第1時間変化表示領域616の表示内容に影響を与えない。
【0043】
第2時間変化表示領域617は、商品選択領域610で選択された販売対象に関するパラメータの時間変化を表示する。第2時間変化表示領域617の表示内容は、商品選択領域610で選択された販売対象が異なると異なる。
図7では商品選択領域610で販売対象が選択されていないので、第2時間変化表示領域617には何も表示されない。
【0044】
情報入力領域618は、編集済動画のタイトルの入力を受け付ける領域と、開始時刻の入力を受け付ける開始時刻入力領域と、終了時刻の入力を受け付ける終了時刻入力領域と、を有する。
【0045】
図8は、編集端末2のディスプレイに表示される、販売対象が選択された状態の編集画面600の代表画面図である。
図7の編集画面600において、編集者8が商品選択領域610の「YY産バナナ」に対応するチェックボックスをクリックすると、
図8の編集画面600が表示される。入力受付部106は、商品選択領域610において「YY産バナナ」に対応するチェックボックスへのクリックを検出すると、「YY産バナナ」を選択された販売対象として特定する。表示制御部102は、特定された販売対象「YY産バナナ」のカートイン数時系列データおよび関連コメント数時系列データを編集用データから取得する。表示制御部102は、取得されたカートイン数時系列データに基づく販売対象「YY産バナナ」のカートイン数の時間変化を折れ線グラフまたは棒グラフの形式で第2時間変化表示領域617に表示させる。表示制御部102は、取得された関連コメント数時系列データに基づく販売対象「YY産バナナ」の関連コメント数の時間変化を折れ線グラフまたは棒グラフの形式で第2時間変化表示領域617に表示させる。このように、第2時間変化表示領域617は、商品選択領域610において販売対象が選択された場合、選択された販売対象に関するパラメータの時間変化を表示する。
【0046】
図8の例では、黒い棒グラフが関連コメント数を表し、ハッチングの棒グラフがカートイン数を表す。
図8の例では、LCライブ配信において「YY産バナナ」の紹介が始まると、まずは視聴者によるYY産バナナに関する関連コメントの数が増え、次いでYY産バナナのカートイン数が増えるという傾向が表されている。編集者8は、第2時間変化表示領域617を見ることにより、LCライブ配信のどの辺りでYY産バナナの紹介が始まり、どの辺りで盛り上がり、どの辺りで紹介が終わったのかをより早く容易に知ることができる。また、編集者8は、第2時間変化表示領域617を見ることで、YY産バナナ用のクリップ動画の開始時刻および終了時刻の「あたり」をつけることができる。その結果、編集作業の効率化が実現される。
【0047】
図8の例では商品選択領域610において「YY産バナナ」のみが選択されている場合を説明しているが、さらに別の販売対象が選択されてもよい。その場合、第2時間変化表示領域617は、選択された複数の販売対象のそれぞれに関するパラメータの時間変化を表す。第2時間変化表示領域617において、ある販売対象の時間変化の表示態様は、他の販売対象の時間変化の表示態様とは異なる。例えば、
図8の編集画面600の商品選択領域610においてさらに「ZZ産ぶどう」に対応するチェックボックスが指定された場合、第2時間変化表示領域617は、販売対象「ZZ産ぶどう」のカートイン数の時間変化を、販売対象「YY産バナナ」のカートイン数の時間変化と同時に表示するが、それらの表示態様(色やハッチング等)は異なる。これにより、編集者8は複数の販売対象に関するパラメータの時間変化を同時に確認できる。さらに、複数の販売対象の間でカートイン数や関連コメント数の多さや推移を比較することができる。
【0048】
図9は、編集端末2のディスプレイに表示される、クリップ区間が選択された状態の編集画面600の代表画面図である。
図8の編集画面600において、編集者8がクリップ動画の開始時刻を情報入力領域618の入力領域に入力するか、つまみオブジェクト604を用いて指定し、同様に終了時刻を指定すると、
図9の編集画面600が表示される。
【0049】
バーオブジェクト606上に示される開始時刻つまみオブジェクト624は、編集の結果生成されるクリップ動画の開始時刻の位置を示す。開始時刻つまみオブジェクト624の位置に対応する開始時刻は、情報入力領域618の開始時刻入力領域に表示される。編集者8は、開始時刻つまみオブジェクト624をスライドさせることで、または情報入力領域618の開始時刻入力領域に所望の時刻を直接入力することで、開始時刻を調整することができる。開始時刻つまみオブジェクト624は第1時間変化表示領域616および第2時間変化表示領域617に延びるバーオブジェクト625を有する。このバーオブジェクト625は、第1時間変化表示領域616および第2時間変化表示領域617における開始時刻の位置を示す。
【0050】
バーオブジェクト606上に示される終了時刻つまみオブジェクト626は、編集の結果生成されるクリップ動画の終了時刻の位置を示す。終了時刻つまみオブジェクト626の位置に対応する終了時刻は、情報入力領域618の終了時刻入力領域に表示される。編集者8は、終了時刻つまみオブジェクト626をスライドさせることで、または情報入力領域618の終了時刻入力領域に所望の時刻を直接入力することで、終了時刻を調整することができる。終了時刻つまみオブジェクト626は第1時間変化表示領域616および第2時間変化表示領域617に延びるバーオブジェクト627を有する。このバーオブジェクト627は、第1時間変化表示領域616および第2時間変化表示領域617における終了時刻の位置を示す。
【0051】
入力受付部106は、編集完了ボタン620に対するクリックまたはタップを検出すると、編集結果データの生成を開始する。通信部104は、情報入力領域618に入力されているタイトルと開始時刻と終了時刻とを編集結果データに含める。通信部104は、商品選択領域610で選択されている販売対象の販売対象IDを編集結果データに含める。通信部104は、生成された編集結果データをLCサーバ4にネットワーク6を介して送信する。LCサーバ4では、編集結果データに含まれるタイトルと開始時刻と終了時刻とからクリップ動画が生成され、同じく編集結果データに含まれる販売対象IDで特定される販売対象が当該クリップ動画に対応付けられる。
【0052】
図10は、LCサーバ4にクリップ動画の一覧を要求したユーザ端末のディスプレイに表示されるクリップ動画選択画面630の代表画面図である。編集済動画提供部210は、ユーザ端末からネットワーク6を介して要求を受け付けると、編集済動画DB215を参照して提供可能な編集済クリップ動画のリストを生成する。編集済動画提供部210は、生成されたリストを要求元のユーザ端末にネットワーク6を介して送信する。ユーザ端末は受信したリストに基づいてクリップ動画選択画面630を生成し、ディスプレイに表示させる。
【0053】
クリップ動画選択画面630は、受信したリストに含まれる編集済クリップ動画のそれぞれについて、カバー画像632と、再生ボタン634と、当該編集済クリップ動画に関連付けられている販売対象のアイコン636と、を有する。ユーザは、クリップ動画選択画面630において、見たい編集済クリップ動画のカバー画像632をタップする。ユーザ端末は、タップされたカバー画像632に対応する編集済クリップ動画を特定する情報を含む視聴要求を生成し、ネットワーク6を介してLCサーバ4に送信する。編集済動画提供部210は、受信した視聴要求に含まれる情報で特定される編集済クリップ動画のデータを編集済動画DB215から取得し、ネットワーク6を介して要求元のユーザ端末に送信する。ユーザ端末は、受信したデータを再生することで編集済クリップ動画をディスプレイに表示させる。
【0054】
図11は、ユーザ端末のディスプレイに表示されるクリップ動画再生画面640の代表画面図である。クリップ動画再生画面640は、LCサーバ4から受信したデータを再生することで得られる編集済クリップ動画を表示するクリップ動画表示領域642と、当該編集済クリップ動画に関連付けられている販売対象のアイコン644と、を有する。ユーザ端末は、販売対象のアイコン644に対するクリックやタップを検出すると、そのアイコン644に対応する販売対象をカートに入れるための処理を行う(カートイン)。
【0055】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0056】
本実施の形態に係るライブコマースシステム1によると、編集者8は編集画面600の商品選択領域610で所望の販売対象を選択することで、選択された販売対象用の編集済動画をアーカイブから生成することができる。編集済動画には選択された販売対象が関連付けられる。これにより、複数の販売対象を有するLCライブ配信のアーカイブから、所望の販売対象の編集済動画をより容易かつ直感的に生成することができる。その結果、編集者8が感じる利便性が向上する。
【0057】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、編集者8が編集画面600の商品選択領域610で所望の販売対象を選択すると、LCライブ配信における選択された販売対象に関するパラメータの時間変化が第2時間変化表示領域617に表示される。これにより、編集者8は表示された時間変化の情報を参照しながらより効率的に切り出したい部分を特定することができる。
【0058】
図12を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図12は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるLCサーバ4および編集端末2のそれぞれを実現しうる。
【0059】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、およびRAM(Random Access Memory)903を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。また、情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0060】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0061】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0062】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0063】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0064】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0065】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0066】
通信装置929は、例えば、ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0067】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0068】
以上、実施の形態に係るライブコマースシステム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0069】
実施の形態では、商品選択領域610で選択された販売対象に関するパラメータとしてカートイン数と関連コメント数とを採用する場合を説明したが、これに限られず、商品選択領域610で選択された販売対象に関するパラメータは、LCライブ配信における選択された販売対象を注文するために行われた動作の数または当該販売対象に関するコメントの数もしくはその両方であってもよい。例えば、パラメータは、LCライブ配信における選択された販売対象の販売数であってもよい。あるいはまた、商品選択領域610で選択された販売対象に関するパラメータは、LCライブ配信に代えてまたは加えて、そのアーカイブにおける選択された販売対象を注文するために行われた動作の数または当該販売対象に関するコメントの数もしくはその両方であってもよい。例えば、LCライブ配信中に行われたカートインの数と、そのアーカイブの再生中に行われたカートインの数と、を合算してもよい。
【0070】
実施の形態では、LCライブ配信中に販売対象がカートに入れられたときに生成される、いつ、何が、何個カートに入れられたかを示すカートインデータからカートイン数の時系列データを生成する場合を説明したが、これに限られず、例えばLCサーバ4がLCライブ配信中に周期的にカートにアクセスし、何が何個入っているかのデータを取得するようにしてもよい。
【0071】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0072】
LCサーバ4により実現される機能の少なくとも一部は、LCサーバ4以外の装置、例えば編集端末2により実現されてもよい。編集端末2により実現される機能の少なくとも一部は、編集端末2以外の装置、例えば、LCサーバ4により実現されてもよい。