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特開2024-26044ナイオベート化合物を用いた負極活物質または光触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026044
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ナイオベート化合物を用いた負極活物質または光触媒
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/48 20100101AFI20240220BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20240220BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20240220BHJP
   C01B 25/37 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H01M4/48
H01M10/052
H01M10/0562
C01B25/37 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127479
(22)【出願日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2022129243
(32)【優先日】2022-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000128784
【氏名又は名称】株式会社オハラ
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100160864
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 政治
(74)【代理人】
【識別番号】100158698
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 基樹
(72)【発明者】
【氏名】傅 杰
(72)【発明者】
【氏名】嶋村 圭介
【テーマコード(参考)】
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ03
5H029AK01
5H029AL01
5H029AL02
5H029AM12
5H029HJ02
5H050AA08
5H050BA17
5H050CA01
5H050CB01
5H050CB02
5H050HA02
5H050HA17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気伝導率(EC)が向上したナイオベート化合物を用いた負極活物質、またはより優れたナイオベート化合物を用いた光触媒を提供する。
【解決手段】酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb25成分70.0~99.0%、およびモル和(P25+GeO2+V25)1.0~30.0%を含有し、還元状態であるNb4+イオンが存在し、このNb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、25℃における電気伝導率(EC)が1.0×10-8S/cm以上である負極活物質を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、
Nb25成分 70.0~99.0%、および
モル和(P25+GeO2+V25) 1.0~30.0%
を含有し、
還元状態であるNb4+イオンが存在し、前記Nb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、25℃における電気伝導率(EC)が1.0×10-8S/cm以上である、負極活物質。
【請求項2】
結晶相として、PNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項3】
結晶相として、P(1-x-y)GexyNb925-α(α>0、x≧0、y≧0、1>x+y>0)、およびこの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む、請求項1に記載の負極活物質。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の負極活物質を含有する負極材を含む全固体二次電池。
【請求項5】
酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、
Nb25成分 70.0~99.0%、および
モル和(P25+GeO2+V25) 1.0~30.0%
を含有し、
還元状態であるNb4+イオンが存在し、前記Nb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、
結晶相として、PNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む、光触媒。
【請求項6】
結晶相として、P(1-x-y)GexyNb925-α(α>0、x≧0、y≧0、1>x+y>0)、およびこの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む、請求項5に記載の光触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナイオベート化合物を用いた負極活物質または光触媒、ならびにこの負極活物質を含有する負極材を含む全固体二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車用電源、携帯電話端末用電源などの用途で、エネルギー密度が高く、充放電が可能なリチウムイオン二次電池が広く用いられている。
現在市販されているリチウムイオン二次電池の多くは液体電解質が使用されているが、安全上の観点などから、電解質として固体電解質を用いるとともに、電極層などのその他の構成要素も全て固体で構成された全固体二次電池の開発も進められている。
【0003】
このようなリチウムイオン二次電池に求められる特性としては、高容量および高出力と合わせて、高充放電特性、高サイクル、長寿命、高安全性などが挙げられる。そして、負極材料(負極活物質)に注目すると、代表的なものとしてはグラファイト材およびチタン酸化物(Li4Ti512:LTO)が挙げられる。グラファイト材は、リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化を実現する上で大きな役割を果たしているが、作動電位が低いため高サイクル化が難しく、急速充電時や低温環境下などにおいて過充電状態に晒された際に充放電効率の低下や発熱、発火などの問題が生じる可能性がある。一方、チタン酸化物は、グラファイト材と比較して金属リチウムに対する電位が高く、安定的な急速充放電が可能で、安全性も高いが、容量がグラファイト材の半分程度と低く、リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化の観点から本質な課題がある。したがって、高安全性を担保できる高電位で作動し、LTOよりも高容量な新規負極材料の開発が強く望まれている。
【0004】
最近、高容量、高サイクルなどの特性を有し、且つより安全性の高い負極材料として、ニオブ系酸化物が注目されている。例えば、特許文献1および非特許文献1に開示されたニオブ系酸化物はLTOと同等な電位で作動し、且つLTOよりも高容量を示すことから、高安全性と高エネルギー密度化を両立できる負極材料の一つとして期待できる。しかしながら、これらの材料は絶縁体であるため、高電流密度下での充放電特性(レート特性)が悪いという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-022059号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Advance Science 2021,8,2004855
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、ニオブを含む酸化物(ナイオベート(niobate)化合物)は優れた負極材料(負極活物質)となり得る可能性があるものであるが、全固体二次電池への利用なども鑑みて、充放電特性等に影響する電気伝導率(EC)の向上が強く求められている。
さらに、このナイオベート化合物は優れた光触媒となり得る可能性がある。光触媒は、身の回りの生活のみならず各種産業分野など、様々な局面で利用できる。例えば、光触媒による酸化作用によって有機物や細菌を分解し、超親水性によって外壁等を水で濡らしコーティングすることによって防汚や曇り防止することができる。近年では、光触媒を用いた水素の生成方法が注目を集めており、世界中で研究開発が進められている。そして、当業界においては、より優れた光触媒特性を有する材料が求められている。
【0008】
そこで本発明は、電気伝導率(EC)が向上したナイオベート化合物を用いた負極活物質、またはより優れたナイオベート化合物を用いた光触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb25成分70.0~99.0%、およびモル和(P25+GeO2+V25)1.0~30.0%を含有し、還元状態であるNb4+イオンが存在し、このNb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、25℃における電気伝導率(EC)が1.0×10-8S/cm以上であるナイオベート化合物が、優れた電気伝導率(EC)を備え、負極活物質として有用なものとなることを見出した。さらに、酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb25成分70.0~99.0%、およびモル和(P25+GeO2+V25)1.0~30.0%を含有し、還元状態であるNb4+イオンが存在し、このNb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、結晶相としてPNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含むナイオベート化合物が、光触媒として有用なものとなることも見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は次の<1>~<6>である。
<1>酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、
Nb25成分 70.0~99.0%、および
モル和(P25+GeO2+V25) 1.0~30.0%
を含有し、
還元状態であるNb4+イオンが存在し、前記Nb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、25℃における電気伝導率(EC)が1.0×10-8S/cm以上である、負極活物質。
<2>結晶相として、PNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む、<1>に記載の負極活物質。
<3>結晶相として、P(1-x-y)GexyNb925-α(α>0、x≧0、y≧0、1>x+y>0)、およびこの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む、<1>または<2>に記載の負極活物質。
<4><1>~<3>のいずれか1つに記載の負極活物質を含有する負極材を含む全固体二次電池。
<5>酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、
Nb25成分 70.0~99.0%、および
モル和(P25+GeO2+V25) 1.0~30.0%
を含有し、
還元状態であるNb4+イオンが存在し、前記Nb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、
結晶相として、PNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む、光触媒。
<6>結晶相として、P(1-x-y)GexyNb925-α(α>0、x≧0、y≧0、1>x+y>0)、およびこの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む、<5>に記載の光触媒。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電気伝導率(EC)が向上したナイオベート化合物を用いた負極活物質、またはより優れたナイオベート化合物を用いた光触媒を提供することができる。そして、この負極活物質を含有する負極材を含む全固体二次電池を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1および比較例1のXRDパターンを示す図である。
図2】実施例1および比較例1のXRDパターン最強線の拡大図である。
図3】実施例1、実施例2、および比較例1の吸収スペクトルを示す図である。
図4】実施例1および比較例1のESRスペクトルを示す図である。
図5】実施例1、実施例2、および比較例1のTG-DTAを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明について説明する。
本発明は、酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb25成分70.0~99.0%、およびモル和(P25+GeO2+V25)1.0~30.0%を含有し、還元状態であるNb4+イオンが存在し、このNb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、25℃における電気伝導率(EC)が1.0×10-8S/cm以上であるナイオベート化合物を用いた負極活物質である。また、もう1つの本発明は、酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb25成分70.0~99.0%、およびモル和(P25+GeO2+V25)1.0~30.0%を含有し、還元状態であるNb4+イオンが存在し、このNb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下であり、結晶相としてPNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含むナイオベート化合物を用いた光触媒である。
以下においては、これらを「本発明のナイオベート化合物」という場合もある。
【0014】
なお、本発明のナイオベート化合物に含まれる構成成分の含有量は、特に断りがない限り全て酸化物換算組成の全物質量に対するモル%で表す。なお、この「酸化物換算組成の全物質量に対するモル%」で表す含有量とは、本発明のナイオベート化合物の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が溶融時に全て分解され酸化物に変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総モル数(全物質量)を100モル%として、本発明のナイオベート化合物中に含まれる各成分の含有量を表記したものである。
【0015】
<構成成分>
まず、本発明のナイオベート化合物を構成する各成分について説明する。
【0016】
Nb25成分は、本発明のナイオベート化合物を構成し、電気伝導率(EC)の向上などに寄与するので、必要な必須成分である。そのため、Nb25成分の含有量は70.0%、好ましくは73.0%、より好ましくは76.0%、さらに好ましくは78.0%、さらに好ましくは80.0%を下限とする。一方で、ニオブと、リン、ゲルマニウム、またはバナジウムと、を含む酸化物結晶相を形成し易くなることから、Nb25成分の含有量は99.0%、好ましくは98.0%、より好ましくは96.0%、さらに好ましくは94.0%、さらに好ましくは92.0%を上限とする。
【0017】
25成分、GeO2成分、およびV25成分はいずれも、本発明のナイオベート化合物において、ニオブと、リン、ゲルマニウム、またはバナジウムと、を含む酸化物結晶相を形成させることが可能な成分である。そして、本発明のナイオベート化合物は、これらからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有し、モル和(P25+GeO2+V25)の下限を1.0%、好ましくは3.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは8.0%とする。また、このモル和の上限を30.0%、好ましくは25.0%、より好ましくは22.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは18.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは12.0%とする。
【0018】
25成分は、本発明のナイオベート化合物においてPNb925-α結晶相(式中のαは酸素欠陥の量を表すものであり、α>0である。以下においても同様である。)などのニオブ-リン酸化物結晶相を形成させることが可能な成分である。この結晶相の形成のし易さという観点から、P25成分の含有量の下限は、好ましくは0%超、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1.0%、さらに好ましくは2.0%、さらに好ましくは3.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは8.0%である。一方、このP25成分の含有量の上限は30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは12.0%である。しかしながら、本発明のナイオベート化合物は、P25成分を実質的に含まない構成であっても構わない。ここで、この「実質的に含まない」とは、本発明のナイオベート化合物における含有量が0.1%未満であることを意味し、0.05%未満であるのが好ましい。以下においても同様である。
【0019】
GeO2成分は、本発明のナイオベート化合物においてGeNb925-α結晶相やGeNb1847-α結晶相(いずれもα>0)などのニオブ-ゲルマニウム酸化物結晶相を形成させることが可能な成分である。さらに、光触媒活性を高めることもできる。この結晶相の形成のし易さなどの観点から、GeO2成分の含有量の下限は、好ましくは0%超、より好ましくは0.5%である。一方、このGeO2成分の含有量の上限は30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%である。しかしながら、本発明のナイオベート化合物は、GeO2成分を実質的に含まない構成であっても構わない。
【0020】
25成分は、本発明のナイオベート化合物においてVNb925-α結晶相(α>0)などのニオブ-バナジウム酸化物結晶相を形成させることが可能な成分である。さらに、光触媒活性を高めることもできる。この結晶相の形成のし易さなどの観点から、V25成分の含有量の下限は、好ましくは0%超、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1.0%である。一方、このV25成分の含有量の上限は30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは2.0%である。しかしながら、本発明のナイオベート化合物は、V25成分を実質的に含まない構成であっても構わない。
【0021】
なお、本発明のナイオベート化合物は、P25成分、GeO2成分、およびV25成分のうち2成分以上を含む構成であってもよい。このような構成であると、固溶体である(P,Ge)Nb925-α、(P,V)Nb925-α、(Ge,V)Nb925-α、(P,Ge,V)Nb925-αなどを形成し易くなる。この場合、P25成分、GeO2成分、およびV25成分からなる群から選ばれる2成分以上の合計量(モル和)は、下限が好ましくは4.0%、より好ましくは6.0%、さらに好ましくは8.0%である。上限は、好ましくは25.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは12.0%である。
同様の理由から、本発明のナイオベート化合物は、P25成分およびV25成分をいずれも含む構成(P25成分を0%超およびV25成分を0%超含有する構成)であってもよい。そして、このP25成分とV25成分との合計含有量(モル和)は、下限が好ましくは4.0%、より好ましくは6.0%、さらに好ましくは8.0%である。上限は、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは12.0%である。
【0022】
本発明のナイオベート化合物は、上記成分以外に、SiO2成分、B23成分、Al23成分、ZnO成分、Bi23成分、TiO2成分、ZrO2成分、Ta25成分、WO3成分、SnO2成分、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物、遷移金属酸化物、フッ化物などを任意成分として含んでいてもよい。これらの成分は焼結助剤としての役割などを果たし、単独で存在してもよいし、前述した酸化物結晶相に固溶していてもよいし、前述した酸化物結晶相を構成する元素と新たな結晶を形成していてもよい。これらの成分を導入することにより、焼成温度を下げることなどが可能となる。また、これらの成分のうち特にAl23成分、TiO2成分、Fe23成分、CuO成分、SnO2成分、およびMnO2成分は、上記した結晶相に固溶し、電気伝導率(EC)向上に効果があるので含有していても好ましい。また、Ta25成分は、上記した結晶相に固溶し、光触媒活性向上に効果があるので含有していても好ましい。所望の効果を得るためには、合計量として0.001%以上10.0%以下していることが好ましく、0.005%以上8%以下であることがより好ましく、0.008%以上5%以下であることがより好ましく、0.01%以上3%以下であることがさらに好ましい。
なお、本発明のナイオベート化合物は、上記した任意成分をいずれも実質的に含まない構成としても構わない。
【0023】
<Nbイオン>
本発明のナイオベート化合物は、還元状態であるNb4+イオンが存在し、このNb4+イオンのNbイオン全量に対する割合が0.1%以上20.0%以下となっている。
【0024】
Nbイオンは、通常、ほとんどが5価イオン(Nb5+イオン)として存在するが、この還元状態であるNb4+イオンは、後述するように、本発明のナイオベート化合物を製造する工程において真空中または還元雰囲気中での焼成あるいは熱処理を行うことによって一定量以上存在させることができ、これにより電気伝導率(EC)などが向上したものとすることができる。
そして、このNb4+イオンのNbイオン全量に対する割合の下限は、0.3%以上であるのがより好ましく、0.5%以上であるのがさらに好ましく、0.7%以上であるのがさらに好ましく、1.0%以上であるのがさらに好ましく、1.2%以上であるのがさらに好ましく、1.5%以上であるのがさらに好ましい。この上限は、15.0%以下であってよく、12.0%以下であってよく、10.0%以下であってよく、6.0%以下であってよく、4.0%以下であってよい。
【0025】
なお、この「Nb4+イオンのNbイオン全量に対する割合」とは、本発明のナイオベート化合物中に存在するNbイオン全量(Nb3+イオン、Nb4+イオン、およびNb5+イオンの合計の全量)に対する、本発明のナイオベート化合物中に存在するNb4+イオンの割合(例えばモル%)である。
また、このNb4+イオンのNbイオン全量に対する割合は、電子スピン共鳴装置(日本電子社製、JES-RE3X)で測定されるESRスペクトルから特定されるものである。
【0026】
<酸素欠陥>
本発明のナイオベート化合物においては、上記した還元状態であるNb4+イオンを存在させるために酸素欠陥の存在が必要である。つまり、ニオブを含む酸化物の結晶相における酸素欠陥(結晶構造における酸素原子の欠陥)の存在が必要である。また、この酸素欠陥があると、グラファイト材を負極材料として用いた場合に生じているLiイオンの脱挿入に伴う体積変化の問題に対して、体積変化を抑制する効果がある。さらに、この酸素欠陥の形成により、光触媒活性をより優れたものとすることができる。これらの効果を十分に得るためには、全体の酸素に対してこの酸素欠陥の量(前述したα)が0.001以上であることが好ましく、0.003以上であることがより好ましく、0.005以上であることがさらに好ましく、0.008以上であることがさらに好ましい。なお、この酸素欠陥の量はTG-DTA(NETZSCH社製、STA409PC)の測定により特定されるものである。
【0027】
<電気伝導率(EC)>
本発明のナイオベート化合物は、前述したような組成および所定量以上のNb4+イオンの存在によって優れた電気伝導率(EC)を有するものであり、25℃における電気伝導率(EC)が1.0×10-8S/cm以上となっている。さらに、この25℃における電気伝導率(EC)が2.0×10-8S/cm以上、さらには4.0×10-8S/cm以上、さらには3.0×10-7S/cm以上、さらには5.0×10-7S/cm以上、さらには8.0×10-7S/cm以上、さらには1.0×10-6S/cm以上であるものとすることも可能である。
なお、この電気伝導率(EC:Electric Conductivity)は、インピーダンスアナライザー(ソーラトロン社製、SI1260)を用いて室温(25℃)において測定された値である。
【0028】
<結晶相>
本発明のナイオベート化合物は、結晶相として、PNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、P(1-x-y)GexyNb925-α(α>0、x≧0、y≧0、1>x+y>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含むと、電気伝導率(EC)を含めた高い特性を得易くなるため好適である。また、この群から選ばれる1種または2種以上の合計が主結晶相として含まれる構成であるとより好適である。そして、本発明のナイオベート化合物を光触媒とする場合には、優れた光触媒活性を有するものとするために、前述した構成に加えて、結晶相として、PNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含むことが必要であり、さらに、結晶相として、P(1-x-y)GexyNb925-α(α>0、x≧0、y≧0、1>x+y>0)、およびこの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含むとより好ましい。
さらに、これらは、この結晶相として、PNb925-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含む構成であるとより好適である。特に、PNb925-α(α>0)、およびこの固溶体から選ばれる1種または2種以上を含む構成であるとさらに好適である。
【0029】
ここで、「主結晶相」とは、本発明のナイオベート化合物に含まれる全ての結晶相のうち50モル%超となっている結晶相であることを意味し、これは60モル%以上であるのが好ましく、70モル%以上であるのがより好ましく、80モル%以上であるのがさらに好ましく、90モル%以上であるのがさらに好ましく、95モル%以上であるのがさらに好ましい。さらに、これらの「固溶体」とは、上記したいずれかの結晶相と他の元素とが互いに溶け合い均一な固相となった固体のことを指し、結晶構造中の格子点に存在する原子が別の原子と置換した置換型と、この格子点の間隙に別の原子が侵入した侵入型と、の2種類がある。例えば、PNb925-αにSi成分が固溶した(P,Si)Nb925-α固溶体(α>0)、PNb925-αにTi成分が固溶したP(Nb,Ti)925-α固溶体(α>0)、PNb925-αにGe成分が固溶した(P,Ge)Nb925-α固溶体(α>0)、PNb925-αにV成分が固溶した(P,V)Nb925-α固溶体(α>0)などが例示されるが、これらに限定されない。
また、この結晶相は、X線回折装置(BRUKER、D8 DISCOVERなど)を用いたX-ray Diffraction測定により得られたXRDパターンを解析(例えば、リートベルト法などによる解析)することにより特定されるものである。
【0030】
なお、本発明のナイオベート化合物には、上記した組成等を満たす限りにおいて、副相としてP2.5Nb1850-α(α>0)、NbO2-α(α>0)、Nb25-α(NbO2.5-α、α>0)、Nb1229-α(α>0)、TiNb27-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含んでいてもよい。これらの結晶相を副相として含むことにより、電気伝導率または容量が増加する場合がある。
【0031】
ここで、「副相」とは、本発明のナイオベート化合物に含まれる全ての結晶相のうち50モル%未満となっている結晶相であることを意味し、これは40モル%以下であるのが好ましく、30モル%以下であるのがより好ましく、20モル%以下であるのがさらに好ましく、10モル%以下であるのがさらに好ましく、5モル%以下であるのがさらに好ましい。
【0032】
<その他の物性、形態等>
本発明のナイオベート化合物は、そのまま、あるいは電解質材料などと混合して用い易くなることから、粉末状であるのが好適である。なお、この粉末に含まれる粒子は、使用時に微粉砕などをすればよいため限定はされないが、最大粒子径が30μm以下であり、且つ平均粒子径が10μm以下、さらには5μm以下、さらには1μm以下であると好適である。
ここで、本発明において粒子の「最大粒子径」、および「平均粒子径」とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によって測定される最大粒子径、および体積基準の平均粒子径(D50、体積積算分布50%径)である。
【0033】
以上のような構成である本発明のナイオベート化合物は、上記したような電気伝導率(EC)を有するものであるため、優れた負極活物質となる。特に、この負極活物質を含有する負極材とすると非常に好適である。例えば、負極活物質である本発明のナイオベート化合物と、導電助剤と、無機バインダと、を含む負極材などとすることができる。
【0034】
この導電助剤としては、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブなどの炭素化合物、Ni、Fe、Mn、Co、Mo、Cr、AgおよびCuから選ばれる少なくとも1種からなる金属、これらの合金、チタンやステンレス、アルミニウム等の金属、白金、金、ルテニウム、ロジウム等の貴金属などが例示される。
また、この負極材には、本発明のナイオベート化合物以外の負極活物質を含ませることも可能である。この負極活物質としては、NASICON型、オリビン型、スピネル型の結晶を含む酸化物、ルチル型酸化物、アナターゼ型酸化物、非晶質金属酸化物、金属合金などが例示される。しかしながら、この負極材に含まれる負極活物質が本発明のナイオベート化合物からなる構成であってもよい。
【0035】
そして、本発明のナイオベート化合物を負極活物質として含有する負極材を用いて、全固体二次電池(全固体リチウム二次電池)を形成すると好適である。例えば、この負極材と、正極活物質を含む正極材と、固体電解質材と、インターコネクタ層などと、を一体成形させて全固体二次電池を形成してもよい。本発明のナイオベート化合物を負極活物質として含有する負極材を用いることによって、一体成形などにおける焼結温度を比較的低くすることができるため、得られる全固体二次電池における活物質の分解や放電容量低下を抑制し易くなり、充放電特性等も含めてより優れたものとなる。
なお、正極材に含まれる正極活物質としては、NASICON型のLiV2(PO43、オリビン型のLixyMtPO4(但し、JはAl、Mg、Wから選ばれる少なくとも1種以上、MtはNi、Co、Fe、Mnから選ばれる1種以上であり、xは0.9≦x≦1.5、yは0≦y≦0.2を満たす)、層状酸化物、スピネル型酸化物などが例示される。
【0036】
さらに、本発明のナイオベート化合物は、優れた光触媒(光吸収によって電子と正孔を生じ、これらと対象物質との化学反応を誘起する材料)となるものでもある。例えば、PNb925-α(α>0)、GeNb925-α(α>0)、GeNb1847-α(α>0)、VNb925-α(α>0)、およびこれらの固溶体からなる群から選ばれる1種または2種以上の結晶相が含まれる本発明のナイオベート化合物を、用途に応じて、そのまま、あるいは任意の形状に加工して光触媒として用いることができる。ここで、この光触媒の形状は、板状等のバルク状態、膜状、粉粒状、繊維状、多孔質体等を採用することができ、特段限定されない。例えば、ガラスビーズやガラス繊維(ガラスファイバー)の形態を採用すると、光触媒結晶の露出面積が増えるため、光触媒活性をより高めることができる。この光触媒は、例えば光触媒材料、光触媒部材(例えば水の浄化材、空気浄化材等)、親水性材料、親水性部材(例えば窓、ミラー、パネル、タイル等)等として利用できる。
【0037】
<製造方法>
次に、本発明のナイオベート化合物の製造方法について詳細に説明する。
まず、本発明のナイオベート化合物を構成する各成分の原料を準備する。各成分の原料としては、特に限定されず、上記した各成分の酸化物や複合酸化物、または焼成によりこれら酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、フッ化物、有機金属化合物などから適宜選択して用いることができる。
【0038】
次に、準備した原料を、所定の量論比となるように秤量して混合し、原料混合物を得る。混合する方法としては、例えば、ボールミルを用いて行う湿式混合や、乾式ミキサーを用いて行う乾式混合が挙げられる。
【0039】
得られた原料混合物は、バインダ樹脂を添加し造粒して造粒物としてもよいし、バインダ樹脂や溶剤とともにペースト化してスラリーとしてもよい。また、造粒物やスラリーとする前に、原料混合物を仮焼成してもよい。
【0040】
造粒物やスラリーを成形する方法としては特に制限されず、シート法、印刷法、乾式成形、湿式成形、押出成形などが挙げられる。例えば乾式成形を採用した場合、造粒物を金型に充填して圧縮加圧(プレス)することにより成形する。成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜決定すればよい。
【0041】
さらに、常圧焼結、ホットプレス焼結、熱間静水圧加圧焼結、放電プラズマ焼結、マイクロ波焼結などの方法で焼成(本焼成)することにより、本発明のナイオベート化合物を得ることができる。焼成条件は、焼成方法および組成等に応じて適宜決定すればよいが、好ましい焼成温度は500℃~1400℃、好ましい保持時間は数分(3~10分)から24時間である。
【0042】
そして、本発明のナイオベート化合物中に所定量以上のNb4+イオンおよび酸素欠陥を存在させるためには、真空中または還元雰囲気中での焼成あるいは熱処理を行うことが必要である。この還元雰囲気は、水素や窒素、アルゴンあるいはこれらの混成ガスによりつくることができ、この条件での処理温度は500℃~1200℃の範囲、処理時間は0.5~24時間の範囲であることがより好ましい。特に、Nb4+イオンの割合をより高め易くなることから、処理温度を上記した範囲内において1050℃以上に設定するか、または処理時間を上記した範囲内において4時間以上に設定するのがより好ましい。また、還元雰囲気を上記混成ガスによりつくる場合には、50ccm(cubic centimetre per minute)以上、さらには100ccm以上、さらには150ccm以上の流量で雰囲気置換を行うのがより好ましい。
【0043】
上記において説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、上記において説明した成分、結晶相等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0044】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでもなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
【実施例0045】
以下の工程で、各種ナイオベート化合物(実施例1~6、比較例1)を作製し、評価を行った。
【0046】
<ナイオベート化合物の作製>
(1-1)ボールミルでの混合
まず、原料であるNH42PO4、Nb25、GeO2、V25を下記表1の組成(量論比)となるように秤量および混合し、直径5mmおよび10mmのジルコニアボールと共にポリ容器に充填し、さらにエタノールを加えた。その後、ボールミルにかけて、12時間混合を行った。
【0047】
(1-2)還元雰囲気での焼成
上記の混合後のバッチを乾燥してから、石英製のボートに入れ、100~200ccm(cubic centimetre per minute)の流量で水素(10v/v%)-窒素(90v/v%)混成ガスを流し雰囲気置換された管状炉中で1000~1200℃、2~6時間の還元雰囲気焼成を行った(下記表1の焼成条件を参照)。なお、比較例1については、還元雰囲気を用いずに大気中(大気雰囲気)で焼成を行った。
【0048】
(1-3)ペレット成型
上記で得られた試料を所定量量り取り、金属金型に充填し、20MPa、1minの加圧条件にて二軸プレスしペレット状に加圧成型した。二軸成形された各ペレットについて、さらにCIP装置(冷間静水圧加圧装置)を用い200MPa、2min等方加圧を行い、電気伝導率の測定に供するバルクサンプルを作製した。
【0049】
<ナイオベート化合物の評価>
大気雰囲気中で作製した比較例1および還元雰囲気中で作製した実施例1~6について吸収スペクトル、TG-DTA、ESRスペクトル、XRDパターン、および電気伝導率(EC)の測定を行った。
なお、吸収スペクトルは紫外可視分光光度計(日本分光社製、V-650)により測定した。また、TG-DTAはSTA409PC(NETZSCH社製)により測定した。さらに、ESRスペクトルは電子スピン共鳴装置(日本電子社製、JES-RE3X)により測定した。そして、XRDパターンは、X線回折装置(BRUKER、D8 DISCOVER)を用いて、2θ=10~60°の範囲で測定した。さらに、電気伝導率(EC)は、インピーダンスアナライザー(ソーラトロン社製、SI1260)を用いて、室温(25℃)において測定した。
【0050】
図1に例として実施例1および比較例1のXRDパターンを、図2にはこれらの最強線の拡大図を示す。図1に示すように、実施例1、比較例1ともにPNb925に帰属される回折ピークが観察されたが、実施例1については図2に見られるように回折ピークが明確に低角度側へシフトしていることから、Nb4+イオンの存在が示唆された。
【0051】
また、図3に例として実施例1、実施例2、および比較例1の吸収スペクトルを示す。可視光領域において、比較例1ではNb4+イオンによる吸収が観察されないのに対して、実施例1および実施例2ではこれが明確に観察された。このことから、実施例1および実施例2には還元状態であるNb4+イオンが存在していることが明らかとなった。他の実施例についても同様である。
【0052】
さらに、図4に例として実施例1および比較例1のESRスペクトルを示す。実施例1ではNb4+イオンに帰属できるg値が1.83であるシグナルが観察されたのに対して、比較例1ではこれが観察されていない。なお、この結果より算出された実施例1のNb4+イオンの割合(Nb4+/Nb)は1.6%であった。他の実施例についても同じg値が観測され、算出されたNb4+イオンの割合を下記表1に示した。
【0053】
また、図5に例として実施例1、実施例2、および比較例1のTG-DTAを示す。比較例1については重量変化がほとんどなく概ね一定であるのに対し、実施例1および実施例2については約200℃付近からNb4+がNb5+に酸化されることによって生じる重量増加が見られた。この結果から、比較例1には酸素欠陥がほとんど存在しないが、実施例1~6には酸素欠陥が明確に存在していることが明らかとなった。なお、この酸素重量の増加より算出された酸素欠陥の量(前述のα)はいずれの実施例においても0.01以上であった。
【0054】
【表1】
【0055】
さらに、上記表1の電気伝導率(EC)結果から、実施例1~6に示されるナイオベート化合物は、所定の組成において還元状態であるNb4+イオンが存在することによって、Nb4+イオンを含まない比較例1よりも優れた電気伝導率(EC)を有することが示された。つまり、還元状態であるNb4+イオンが存在して電気伝導率(EC)が向上したものとなっていることが示された。また、Nb4+イオンの割合の増加とともに電気伝導率(EC)がより向上することも示された。
図1
図2
図3
図4
図5