(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026085
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】フルオロキノロン系抗生物質の眼内投与のための粘膜付着性薬物送達システム
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5383 20060101AFI20240220BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20240220BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240220BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240220BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240220BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20240220BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240220BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61K31/5383
A61K31/55
A61K47/36
A61K47/32
A61K47/24
A61K9/06
A61P31/04
A61P27/02
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193048
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2021503222の分割
【原出願日】2019-04-03
(31)【優先権主張番号】201841012721
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】520387449
【氏名又は名称】ハイデラバード アイ リサーチ ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】520387450
【氏名又は名称】ビルラ インスティテュート オブ テクノロジー アンド サイエンス (ビーアイティーエス) ピラニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガーデ、スディープ、クマール
(72)【発明者】
【氏名】ガルグ、プラシャント
(72)【発明者】
【氏名】ベヌガンティ、ベンカタ、バムシ、クリシュナ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】眼疾患、特に眼の感染症及び/又は眼の炎症状態の治療及び/又は予防、に有用な治療薬の眼への送達のための組成物を提供する。
【解決手段】本開示は、フルオロキノロン抗生物質、キトサン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを含む眼粘膜付着性医薬組成物、それらの使用及びそのような組成物を使用する方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のフルオロキノロン抗生物質、キトサン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを含む医薬組成物。
【請求項2】
フルオロキノロン抗生物質が約0.01~約1%w/vの量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
キトサンが約0.2~約3%w/vの量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ポリビニルアルコールが、約0.2~約8%w/vの量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ポリビニルピロリドンが約0.5~約8%w/vの量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記組成物が、1つ又は複数の透過促進剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
透過促進剤がリゾホスファチジル脂質である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
透過促進剤がリゾホスファチジルコリンである、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
リゾホスファチジルコリンが約0.01~約2%w/vの量で存在する、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記組成物が以下を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
約0.3~約0.6%w/vの量のフルオロキノロン抗生物質;
約0.5~約2%w/vの量のキトサン;
約0.5~約5%w/vの量のポリビニルアルコール;
約0.5~約5%w/vの量のポリビニルピロリドン;及び
約0.05~約0.5%w/vの量のリゾホスファチジルコリン。
【請求項11】
フルオロキノロン抗生物質が、バロフロキサシン、ベシフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、ダノフロキサシン、デラフロキサシン、ジフロフロキサシン、エノキサシン、エンロフロキサシン、フレロキサシン、フルメキン、ガチフロキサシン、ジェミフロキサシン、グレパフロキサシン、イバフロキサシン、JNJ‐Q2、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、マルボフロキサシン、モキシフロキサシン、ナジフロキサシン、ナリジクス酸、ネモノキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、オキシリン酸、パズフロキサシン、ペフロキサシン、ピロミド酸、ピペミド酸、プルリフロキサシン、ロソキサシン、ルフロキサシン、サラフロキサシン、スパルフロキサシン、シタフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、トロバフロキサシン、又はその薬学的に許容される塩又は立体異性体を含む群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
フルオロキノロン抗生物質がベシフロキサシン又はレボフロキサシンである、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
組成物がヒドロゲルである、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
対象の眼の状態を治療する際に使用するための、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
眼の状態が、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、眼内炎、並びに黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌及び緑膿菌などのグラム陽性菌及びグラム陰性菌によって引き起こされる状態を含む群から選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物を対象の眼の標的部位に投与することを含む、対象の眼の状態を治療するための方法。
【請求項18】
眼の状態が、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、眼内炎、並びに黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌及び緑膿菌などのグラム陽性菌及びグラム陰性菌によって引き起こされる状態を含む群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1~14のいずれか一項に記載のヒドロゲル組成物を含む粘膜付着性眼科用薬物送達システム。
【請求項20】
対象の眼組織を通して1つ又は複数の薬理学的に活性な薬剤を送達する方法で使用するための、請求項19に記載の粘膜付着性眼科用薬物送達システム。
【請求項21】
前記眼組織が角膜組織である、請求項20に記載の粘膜付着性眼科用薬物送達システム。
【請求項22】
請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2018年4月3日に出願されたインド仮特許出願番号201841012721に対する優先権の利益を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本明細書に開示される本主題は、一般に、治療薬の眼への送達のための組成物及び方法に関する。特に、主題は、フルオロキノロン抗生物質、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンを含む粘膜付着性医薬組成物、それらの使用及びそのような組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
フルオロキノロン系抗生物質は、角膜炎、眼瞼炎、結膜炎、眼内炎などの眼感染症の治療によく知られている。しかしながら、現在利用可能な眼のキノロン療法の一般的な有効性にもかかわらず、いくつかの制約が眼の薬物送達システムの製剤に関連している。主な課題は、活性部位で適切な期間、薬物の最適濃度を達成して、高い治療効果を備えた眼の送達システムを提供することである。溶液の排出、流涙、涙液動態、涙液希釈、涙液代謝回転、結膜吸収、非生産的吸収、盲管での一時的な滞留時間、及び角膜上皮膜の相対的な不透過性などの生理学的及び解剖学的制約のために、薬物のごく一部(注入された用量のわずか5%以下)しか眼に吸収されない。
【0004】
したがって、当技術分野では、眼薬の生物学的利用能及び治療作用の持続時間を増加させることが継続的に必要とされている。また、主要な眼科病原体に対して既存の抗生物質よりも効果的であり、それらの病原体による耐性の発生の傾向が少ない抗生物質の使用に基づく改善された組成物及び治療方法が必要である。
【0005】
フルオロキノロン抗菌剤を含む粘膜付着性医薬組成物は、上記に開示されたものを含む眼の薬物送達における1つ又は複数の問題に対処するために、本開示に記載されている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、フルオロキノロン抗生物質、キトサン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを含む眼粘膜付着性医薬組成物に関する。組成物は、眼疾患、特に眼の感染症及び/又は眼の炎症状態の治療及び/又は予防に有用である。
【0007】
別の態様では、本開示はまた、本明細書に開示される医薬組成物のいずれかを含むキットを提供する。キットは、眼疾患の治療及び/又は予防に使用するための説明書を含み得る。
【0008】
さらに別の態様では、本開示はまた、それを必要とする対象に、本明細書に記載の治療有効量の医薬組成物を投与することを含む、対象における眼疾患の治療及び/又は予防の方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、遊離薬物溶液及びヒドロゲルに組み込まれたフルオロキノロンからの(a)ベシフロキサシン及び(b)レボフロキサシンのインビトロ放出プロファイルを示す。
【
図2】
図2は、インビトロ粘膜付着試験を示す。(a)ベシフロキサシン及び(b)レボフロキサシン製剤の平均蛍光強度。
【
図3】
図3は、切除されたヒト角膜を越える24時間後の、(a)Besix(登録商標)、ヒドロゲル製剤及び遊離薬物溶液からのベシフロキサシン、及び(b)Levotop(登録商標)、レボフロキサシンヒドロゲル及び遊離薬物溶液からのレボフロキサシンのエクスビボ角膜透過プロファイルを示す。
【
図4】
図4は、0.5時間のインキュベーション後の(a)ベシフロキサシン及び(b)レボフロキサシン製剤のエクスビボ角膜組織濃度を示す。
【
図5】
図5は、1.5時間及び0.5時間のインキュベーション後の黄色ブドウ球菌、ATCC 25923感染角膜に対するベシフロキサシン及びレボフロキサシン製剤の抗菌活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本開示の方法をより詳細に説明する前に、本方法は、説明された特定の実施形態に限定されず、それ自体、もちろん変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、方法の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるため、用語は限定することを意図しないことも理解されたい。
【0011】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限の間の、下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその記載された範囲内の他の記載された値又は介在する値がその方法に含まれると理解される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立してそのより小さな範囲に含まれることができ、また、記載された範囲において特に除外された制限を条件として、方法に含まれる。記載された範囲に制限の一方又は両方が含まれる場合、含まれる制限のいずれか又は両方を除外する範囲も方法に含まれる。
【0012】
本明細書では、特定の範囲が数値で示され、数値の前に「約」という用語が付いている。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、並びにその用語が先行する数に近い又はほぼ等しい数に対する文字通りのサポートを提供するために使用される。数が具体的に列挙された数に近いか又はほぼ等しいかどうかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又は近似する数は、それが提示される文脈において、具体的に列挙された数と実質的に同等である数であり得る。
【0013】
本明細書に開示されるのは、治療有効量のフルオロキノロン抗生物質、及びポリマー(複数)の組み合わせを含む眼粘膜付着性医薬組成物である。本明細書に開示される組成物は、ベシフロキサシン及びレボフロキサシンの角膜粘膜付着及び透過の増強を示し、ベシフロキサシン及びレボフロキサシンの眼への送達のために現在利用可能な点眼薬(Besix(登録商標)及びLevotop(登録商標))よりも有利である。
【0014】
対象となるフルオロキノロン抗生物質には、バロフロキサシン、ベシフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、ダノフロキサシン、デラフロキサシン、ジフロフロキサシン、エノキサシン、エンロフロキサシン、フレロキサシン、フルメキン、ガチフロキサシン、ジェミフロキサシン、グレパフロキサシン、イバフロキサシン、JNJ‐Q2、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、マルボフロキサシン、モキシフロキサシン、ナジフロキサシン、ナリジクス酸、ネモノキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、オキシリン酸、パズフロキサシン、ペフロキサシン、ピロミド酸、ピペミド酸、プルリフロキサシン、ロソキサシン、ルフロキサシン、サラフロキサシン、スパルフロキサシン、シタフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、及びトロバフロキサシン、又は薬学的に許容される塩又はその立体異性体が含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
特定の実施形態において、ポリマーは、キトサン、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルピロリドン(PVP)を含む群から選択される。さらなる実施形態において、医薬組成物は、3つのポリマー:キトサン、PVA及びPVPを含む。
【0016】
組成物は、1つ又は複数の透過促進剤をさらに含み得る。特定の実施形態において、透過促進剤は、リゾホスファチジル脂質(リゾホスファチジルコリン、LPC)、カルシウムキレート剤(EDTA)、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、パルミトイルカルニチン、非イオン性界面活性剤(Brij 35、Brij 78、Brij 98、デオキシコール酸ナトリウム、ポリオキシエチレン‐9‐ラウリルエーテル)、界面活性ヘテログリコシド、及び胆汁酸塩(デオキシコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、及びグリココール酸塩)、及びグリコシド(サポニン、ジギトニン、カプリル酸、カプリン酸)を含む群から選択される。
【0017】
特定の化合物、例えば、レボフロキサシン又はベシフロキサシンが名前で言及される場合、本開示の範囲は、指定された化合物の薬学的に許容される塩、立体異性体、エステル、アミド、又はプロドラッグを包含することが企図される。さらに、指定された化合物がキラル中心を含む場合、本開示の範囲は、2つのエナンチオマーのラセミ混合物を含む組成物、並びに各エナンチオマーを個別に含むが、他のエナンチオマーを実質的に含まない組成物も含む。さらなる実施形態において、指定された化合物が2つ以上のキラル中心を含む場合、本開示の範囲は、様々なジアステレオマーの混合物を含む組成物、並びに各ジアステレオマーを含むが、他のジアステレオマーを実質的に含まない組成物も含む。例えば、市販のフルオロキノロン抗生物質が2つの立体中心を含む場合、本開示の範囲は、4つすべてのジアステレオマーを含む医薬組成物、R、R及びS、S異性体のラセミ混合物を含む医薬組成物、R、S及びS、R異性体のラセミ混合物を含む医薬組成物、R、Rエナンチオマーを含むが、他のジアステレオマーを実質的に含まない医薬組成物、S、Sエナンチオマーを含むが、他のジアステレオマーを実質的に含まない医薬組成物、R、Sエナンチオマーを含むが、他のジアステレオマーを実質的に含まない医薬組成物、及びS、Rエナンチオマーを含むが、他のジアステレオマーを実質的に含まない医薬組成物を含む。
【0018】
特定の実施形態において、Rエナンチオマーを含む組成物は、Sエナンチオマーを実質的に含まないか、又はSエナンチオマーを含む組成物は、Rエナンチオマーを実質的に含まない。この文脈において、「実質的に含まない」とは、組成物が、約20%未満、又は約15%未満、又は約10%未満、又は約5%未満、又は約3%未満、又は約3%未満、又は約1%未満のマイナーなエナンチオマーを含むことを意味する。
【0019】
特定の実施形態において、本開示は、治療有効量のフルオロキノロン抗生物質、キトサン、PVA、PVP及びLPCを含む粘膜付着性医薬組成物を開示する。
【0020】
特定の実施形態において、フルオロキノロン抗生物質は、約0.01~約1重量%の量で存在する。さらなる実施形態において、フルオロキノロン抗生物質は、約0.3~約0.6重量%の量で存在する。
【0021】
特定の実施形態において、キトサンは、約0.2~約3重量%の量で存在する。さらなる実施形態において、キトサンは、約0.5~約2重量%の量で存在する。
【0022】
特定の実施形態では、PVAは、約0.2~約8重量%の量で存在する。さらなる実施形態において、PVAは、約0.5~約5重量%の量で存在する。
【0023】
特定の実施形態では、PVPは、約0.5~約8重量%の量で存在する。さらなる実施形態において、PVPは、約0.5~約5重量%の量で存在する。
【0024】
特定の実施形態では、LPCは、約0.01~約2重量%の量で存在する。さらなる実施形態において、LPCは、約0.05~約1重量%の量で存在する。
【0025】
特定の実施形態では、医薬組成物は以下を含む:
・約0.3~約0.6%w/vの量のフルオロキノロン系抗生物質;
・約0.5~約2%w/vの量のキトサン;
・約0.5~約5%w/vの量のPVA;
・PVPは約0.5~約5%w/vの量である;及び
・約0.05~約0.5%w/vの量のLPC。
【0026】
組成物は、局所溶液、懸濁液、ゲル、乳濁液、軟膏、挿入物、又はフィルムとして製剤化することができる。特定の実施形態において、本明細書に開示される組成物は、点眼薬、眼洗浄剤、眼軟膏、眼クリーム、眼科用ゲルなどの形態で投与され得る。組成物は、単回投与の投与のための単位剤形であり得るか、又はそれは、複数の投与量を含む剤形であり得る。
【0027】
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、治療有効量のフルオロキノロン抗生物質、キトサン、PVA及びPVPを含むヒドロゲル組成物である。ヒドロゲル組成物は、1つ又は複数の透過促進剤をさらに含み得る。
【0028】
フルオロキノロン抗生物質及び透過促進剤は、上記で定義された通りである。特定の実施形態において、フルオロキノロン抗生物質は、ベシフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン及びモキシフロキサシンを含む群から選択される。さらなる実施形態において、フルオロキノロン抗生物質は、ベシフロキサシン又はレボフロキサシン、又はそれらの組み合わせである。
【0029】
特定の実施形態では、ヒドロゲル組成物は、治療有効量のベシフロキサシン、キトサン、PVA、PVP、及び任意選択でLPCを含む。
【0030】
特定の実施形態では、ヒドロゲル組成物は、治療有効量のレボフロキサシン、キトサン、PVA、PVP、及び任意選択でLPCを含む。
【0031】
特定の実施形態において、ヒドロゲル組成物は、約0.01~約1%w/vの量のフルオロキノロン抗生物質を含む。さらなる実施形態において、フルオロキノロン抗生物質は、約0.1~約0.8%w/v、例えば、約0.3~約0.6%w/v、例えば、約0.35%w/v、又は約0.4%w/v、又は約0.45%w/v、又は約0.5%w/v、又は約0.55%w/vの量で存在する。場合によっては、フルオロキノロン系抗生物質は、ベシフロキサシン又はレボフロキサシン、又はそれらの組み合わせである。
【0032】
特定の実施形態において、ヒドロゲル組成物は、約0.2~約3%w/vの量のキトサンを含む。さらなる実施形態において、キトサンは、約0.5~約2%w/v、例えば、約0.5~約1.5%w/v、例えば、約0.6%w/v、又は約0.7%w/v、又は0.8%w/v、又は約0.9%w/v、又は約1.0%w/v、又は約1.1%w/v、又は約1.2%w/v、又は約1.3%w/v、又は約1.4%w/vの量で存在する。場合によっては、キトサンは、任意の適切な分子量、例えば、約1~1000kDa、例えば、1~500kDa、例えば、約2kDa、又は約4kDa、又は約5kDa、又は約8kDa、又は約9kDa、又は約10kDa、又は約12kDa、又は約15kDa、又は約20kDa、又は約25kDa、又は約30kDa、又は約40kDa、又は約45kDa、又は約50kDa、又は約55kDa、又は約60kDa、又は約65kDa、又は約70kDa、又は約75kDa、又は約80kDa、又は約85kDa、又は約90kDa、又は約95kDa、又は約100kDa、又は約110kDa、又は約120kDa、又は約130kDa、又は約140kDa、又は約150kDa、又は約160kDa、又は約170kDa、又は約180kDa、又は約190kDa、又は約200kDa、又は約220kDa、又は約240kDa、又は約260kDa、又は約280kDa、又は約300kDa、又は約320kDa、又は約340kDa、又は約360kDa、又は約380kDa、又は約400kDa、又は約420kDa、又は約480kDaを有し得る。特定の実施形態において、ヒドロゲル組成物は、異なる分子量のキトサンポリマーを含み得る。使用されるキトサンは、脱アセチル化キトサンであり得る。特定の実施形態において、脱アセチル化の程度は、約50%以上の脱アセチル化、例えば、50~99%の脱アセチル化、例えば、約50~90%の脱アセチル化、又は約55~85%の脱アセチル化、又は約60~85%の脱アセチル化、又は約70~85%の脱アセチル化、又は約80~85%の脱アセチル化の範囲であり得るが、これらに限定されない。
【0033】
特定の実施形態では、ヒドロゲル組成物は、約0.2~約8%w/vの量のポリビニルアルコール(PVA)を含む。さらなる実施形態において、PVAは、約0.2~約7%w/v、例えば、約0.5~約5%w/v、例えば、約0.6%w/v、又は約0.7%w/v、又は約0.8%w/v、又は約0.9%w/v、又は約1.0%w/v、又は約1.2%w/v、又は約1.4%w/v、又は約1.6%w/v、又は約1.8%w/v、又は約2.0%w/v、又は約2.2%w/v、又は約2.4%w/v、又は約2.6%w/v、又は約2.8%w/v、又は約3.0%w/v、又は約3.2%w/v、又は約3.6%w/v、又は約3.8%w/v、又は約4.0%w/v、又は約4.2%w/v、又は約4.4%w/v、又は約4.6%w/v、又は約4.8%w/vの量で存在する。場合によっては、PVAは、任意の適切な分子量、例えば、約1~1000kDa、例えば、1~500kDa、例えば、約2kDa、又は約3kDa、又は約4kDa、又は約5kDa、又は約8kDa、又は約9kDa、又は約10kDa、又は約12kDa、又は約15kDa、又は約20kDa、又は約25kDa、又は約30kDa、又は約40kDa、又は約45kDa、又は約50kDa、又は約55kDa、又は約60kDa、又は約65kDa、又は約70kDa、又は約75kDa、又は約80kDa、又は約85kDa、又は約90kDa、又は約95kDa、又は約100kDa、又は約110kDa、又は約120kDa、又は約130kDa、又は約140kDa、又は約150kDa、又は約160kDa、又は約170kDa、又は約180kDa、又は約190kDa、又は約200kDa、又は約210kDa、又は約250kDa、又は約300kDa、又は約350kDa、又は約400kDa、又は約450kDaを有し得る。
【0034】
特定の実施形態では、ヒドロゲル組成物は、約0.5~約8%w/vの量のポリビニルピロリドン(PVP)を含む。さらなる実施形態では、PVPは、約0.5~約5%w/vの量で存在する。さらに別の実施形態では、PVPは、約1%w/v、又は約1.5%w/v、又は約2.0%w/v、又は約2.5%w/v、又は約3.0%w/v、又は約3.5%w/v、又は約4.0%w/v、又は約4.5%w/vの量で存在する。場合によっては、PVPは、任意の適切な分子量、例えば、約1~1000kDa、例えば、1~500kDa及び1~250kDa、例えば、約2kDa、又は約4kDa、又は約5kDa、又は約8kDa、又は約9kDa、又は約10kDa、又は約12kDa、又は約15kDa、又は約20kDa、又は約25kDa、又は約30kDa、又は約40kDa、又は約45kDa、又は約50kDa、又は約55kDa、又は約60kDa、又は約65kDa、又は約70kDa、又は約75kDa、又は約80kDa、又は約85kDa、又は約90kDa、又は約95kDa、又は約100kDa、又は約110kDa、又は約120kDa、又は約130kDa、又は約140kDa、又は約150kDa、又は約160kDa、又は約170kDa、又は約180kDa、又は約190kDa、又は約200kDa、又は約210kDa、又は約220kDa、又は約230kDa、又は約240kDaを有し得る。特定の実施形態において、PVPポリマーは、ホモポリマーPVP及びコポリマー酢酸ビニル ビニルピロリドンであり得る。ホモポリマーPVPは、ポビドン(Povidone)、ポリビドン(Polyvidone)、ポリビドナム(Polyvidonum)、ポリビドナム可溶性(Polyvidonum soluble)、及びポリ(1‐ビニル‐2‐ピロリドン)を含む様々な呼称で製薬業界に知られている。共重合体の酢酸ビニル ビニルピロリドンは、製薬業界ではコポリビドン(Copolyvidon)、コポリビドン(Copolyvidone)、及びコポリビドナム(Copolyvidonum)として知られている。
【0035】
特定の実施形態において、ヒドロゲル組成物は、約0.01~約2%w/vの量のLPCを含む。さらなる実施形態では、LPCは、約0.01~約1.5%w/v、例えば、約0.01~約1.0%w/v、例えば、約0.05~約0.5%w/v、例えば、0.1%w/v、又は約0.2%w/v、又は約0.3%w/v、又は約0.4%w/v、又は約0.5%w/v、又は約0.6%w/v、又は約0.7%w/v、又は約0.8%w/v、又は約0.9%w/vの量で存在する。
【0036】
特定の実施形態において、ヒドロゲル組成物は、以下を含む:
・約0.3~約0.6%w/vの量のフルオロキノロン系抗生物質;
・約0.5~約2%w/vの量のキトサン;
・約0.5~約5%w/vの量のPVA;
・PVPは約0.5~約5%w/vの量である;及び
・約0.05~約0.5%w/vの量のLPC。
【0037】
本明細書に開示される組成物は、薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含むことができる。薬学的に許容される賦形剤の例には、水などの溶媒、水酸化ナトリウム及び塩酸などのpH調整剤、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどの等張調整剤、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)及びPluronic(登録商標)シリーズからのポリマーなどのゲル化剤、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの粘度調整剤、例えば塩化ベンザルコニウム、パラベン、クロロヘキシジン、グルコン酸クロロヘキシジン及び酢酸クロロヘキシジンなどの防腐剤、EDTAなどのキレート剤、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールなどの安定剤/酸化防止剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書に開示される組成物は、医薬(薬剤)として使用することができる。特定の実施形態では、組成物は、眼疾患、特に眼感染症及び/又は眼の炎症状態の治療及び/又は予防に有用である。特定の実施形態において、本明細書に開示される組成物は、角膜炎、眼瞼炎、結膜炎及び眼内炎などの眼科感染症を治療するために有用である。
【0039】
特定の実施形態では、本開示はまた、本明細書に開示される医薬組成物のいずれかを含むキットを提供する。キットは、眼疾患の治療及び/又は予防に使用するための説明書を含み得る。
【0040】
本開示はまた、本明細書に開示されるようなヒドロゲル組成物を含む粘膜付着性ベースの眼科用薬物送達システムを提供する。粘膜付着性薬物送達システムは、対象の眼組織を介して1つ又は複数の薬理学的に活性な薬剤を送達する方法において有用である。特定の実施形態では、眼組織は角膜組織である。特定の実施形態では、この方法は、粘膜付着性薬物送達システムを対象の角膜組織に付着することを含む。
【0041】
本開示はまた、対象における眼疾患又は眼の状態、疾患、又は状態の治療及び/又は予防の方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載されるような治療有効量の医薬組成物を投与することを含む方法を記載する。特定の実施形態では、本開示は、対象の眼の標的部位に本明細書に記載の組成物を投与することを含む、対象の眼の状態、疾患、又は状態を治療するための方法を記載する。眼の状態は、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、眼内炎、及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)などのグラム陽性菌及びグラム陰性菌によって引き起こされる状態を含む群から選択される。
【0042】
組成物は、例えば、本明細書に記載されるように、様々な異なるタイプの対象に投与することができる。対象となる対象には、食肉目(例えば、ネコ及びイヌ)、げっ歯目(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、ウサギ目(例えば、ウサギ)及び霊長目(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む、ヒトと非ヒトの両方の哺乳動物が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、対象(例えば、患者)はヒトである。
【0043】
特定の実施形態において、本明細書に開示される組成物は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)、肺炎球菌(S. pneumoniae)、緑膿菌(P. aeruginosa)、及びインフルエンザ菌(H. influenzae)を含む群から選択される少なくとも1つの病原体の増殖を阻害し得る。
【0044】
特定の実施形態では、ベシフロキサシン及びレボフロキサシンヒドロゲルの粘膜付着は、市販の点眼薬及び遊離薬物溶液と比較して、それぞれ3.5倍及び8倍高かった(p<0.001)。
【0045】
特定の実施形態において、ヒドロゲル製剤の累積角膜透過は、市販のベシフロキサシン及びレボフロキサシン製剤のそれと比較してより高い。
【0046】
特定の実施形態において、本明細書に開示されるヒドロゲル組成物/製剤は、市販の製剤と比較して、ヒト角膜へのフルオロキノロン抗生物質の増強された粘膜付着及び優れた透過を示した。さらなる実施形態において、本明細書に開示されるようなヒドロゲル組成物は、優れた抗菌活性を示した。
【0047】
特定の実施形態において、フルオロキノロン抗生物質のヒドロゲル組成物は、ヒドロゲル組成物が、市販の眼科用製剤及び遊離薬物溶液と比較して、最大100倍高い粘膜付着及び優れた累積角膜透過を示し得るように製剤化される。さらなる実施形態において、本開示のフルオロキノロン抗生物質のヒドロゲル組成物/製剤は、市販の眼科用製剤及び遊離薬物溶液と比較して、約1~50倍、例えば、約1倍、又は約1.5倍、又は約2倍、又は約2.5倍、又は約3倍、又は約3.5倍、又は約4倍、又は約4.5倍、又は約5倍、又は約5.5倍、又は約6倍、又は約6.5倍、又は約7.5倍、又は約8倍、又は約8.5倍、又は約9倍、又は約9.5倍、又は約10倍、又は約10.5倍、又は約11倍、又は約12倍、又は約12.5倍、又は約13倍、又は約13.5倍、又は約14倍、又は、約14.5倍、又は約15倍高い粘膜付着性及び優れた累積角膜透過性を示し得る。
【0048】
特定の実施形態において、市販の眼科用製剤及び遊離薬物溶液と比較して、ベシフロキサシン及びレボフロキサシンのヒドロゲル組成物/製剤は、3.5倍及び8倍高い(p<0.001)粘膜付着及び優れた累積角膜透過を有することが見出された。製剤は、優れたインビトロ抗感染特性を示した。ベシフロキサシン及びレボフロキサシン製剤を、黄色ブドウ球菌に感染した角膜モデルと0.5時間インキュベートすると、市販の点眼薬及び標準溶液と比較して、ヒドロゲル製剤の効力が高くなった。
【0049】
特定の実施形態において、本開示のベシフロキサシン及びレボフロキサシンヒドロゲル製剤/組成物の黄色ブドウ球菌感染角膜との0.5時間のインキュベーションは、市販の点眼薬及び標準溶液と比較してより高い効力を示した。
【0050】
本明細書に開示される組成物は、当技術分野で知られている任意の方法によって調製することができる。特定の実施形態において、開示されるのは、フルオロキノロン抗生物質、キトサン、PVA、PVP、及び任意選択で透過促進剤を含むヒドロゲル組成物を調製するプロセスである。このプロセスは、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンを含む多成分ヒドロゲルを調製すること;及び多成分ヒドロゲルにフルオロキノロン抗生物質を追加することを含む。多成分ヒドロゲルを調製するためのプロセスは、酸を含む水溶液中でキトサンをポリビニルアルコールで処理すること;及びポリビニルピロリドンに続いてリゾホスファチジルコリンを加えることを含む。プロセスに適した任意の酸(有機又は無機)をプロセスに使用することができる。特定の実施形態において、キトサンは、約30~80℃の温度で酢酸溶液中のポリビニルアルコールで処理される。
【0051】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は同じ意味を有し、そのような用語の意味は、その出現ごとに独立しており、本明細書の主題が属する当業者の1人によって一般に理解される。それにもかかわらず、特に明記しない限り、以下の定義が明細書及び特許請求の範囲全体に適用される。
【0052】
本明細書で使用される場合、「含む」("comprise")、「含む」(“comprises “)、又は「含む」("comprising")という用語は、一般に、含むという意味で使用され、すなわち、1つ又は複数の追加の(不特定の)特徴又は構成要素の存在を許容する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「含む」("including")という用語、並びに「含む」("include")、「含む」("includes")、及び「含まれる」("included")などの他の形態は、限定的ではない。
【0054】
「薬学的に許容される」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題や合併症なく、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適している、合理的な利益/リスク比に見合った、化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すために本明細書で使用される。
【0055】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示のフルオロキノロン抗生物質と適切な酸又は塩基との反応によって得られる生成物を指す。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、Li、Na、K、Ca、Mg、Fe、Cu、Al、Zn及びMn塩などの適切な無機塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩などの無機酸、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロナート、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、4‐メチルベンゼンスルホン酸塩又はp‐トルエンスルホン酸塩などで形成されるアミノ基の塩である。フルオロキノロン抗生物質はまた、リジン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、又はメトホルミンなどの様々な有機塩基と薬学的に許容される塩を形成し得る。適切な塩基塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛の塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
「薬学的に許容される担体」という句は、当技術分野で認識されており、例えば、任意の対象組成物の一つの器官、又は体の一部から、別の器官、又は体の一部への運搬又は輸送に関与する液体又は固体の充填剤、希釈剤、溶媒又はカプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物又はビヒクルを含む。。各担体は、対象組成物の他の成分と適合性があり、患者に有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。特定の実施形態において、薬学的に許容される担体は、非発熱性である。薬学的に許容される担体として役立つ可能性のある材料のいくつかの例には、以下が含まれる。(1)ラクトース、グルコース、及びスクロースなどの糖;(2)コーンスターチやジャガイモ澱粉などの澱粉;(3)セルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバターと坐剤ワックス;(9)落花生油、綿実油、ひまわり油、ごま油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;及び(21)医薬製剤に使用される他の非毒性適合性物質。
【0057】
「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下で、本発明の治療的に活性な薬剤に変換される化合物を包含することを意図している。プロドラッグを作製するための一般的な方法は、生理学的条件下で加水分解されて所望の分子を明らかにする選択された部分を含めることである。他の実施形態では、プロドラッグは、宿主動物の酵素活性によって変換される。
【0058】
「予防的」又は「予防」又は「治療的」処置という用語は、当技術分野で認識されており、1つ又は複数の対象組成物の宿主への投与を含む。それが望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患又は他の望ましくない状態)の臨床的兆候の前に投与される場合、治療は予防的である、すなわち、それは望ましくない状態の発症から宿主を保護するが、それが望ましくない状態の兆候の後に投与される場合、その処置は治療的である(すなわち、既存の望ましくない状態又はその副作用を軽減、改善、又は安定化することを目的としている)。
【0059】
本明細書で使用される場合、「立体異性体」という用語は、空間におけるそれらの原子の配向のみが異なる、本開示の個々の化合物のすべての異性体に使用される用語である。立体異性体という用語は、本開示の化合物の鏡像異性体(エナンチオマー)、本開示の化合物の鏡像異性体の混合物(ラセミ体、ラセミ混合物)、本発明の化合物の幾何異性体(シス/トランス又はE/Z、R/S)、及び互いに鏡像ではない2つ以上のキラル中心を有する本開示の化合物の異性体(ジアステレオ異性体)を含む。
【0060】
「治療有効量」という句は、当技術分野で認識された用語である。特定の実施形態では、この用語は、任意の医学的処置(治療)に適用可能な合理的な利益/リスク比で何らかの所望の効果を生み出す、本明細書に開示される溶媒和物又は水和物又は組成物の量を指す。特定の実施形態では、この用語は、一定期間の医学的症状を排除又は軽減するために必要又は十分な量を指す。有効量は、治療される疾患又は状態、投与される特定の標的構築物、対象のサイズ、又は疾患又は状態の重症度などの要因に応じて変化し得る。当業者は、過度の実験を必要とせずに、特定の組成物の有効量を経験的に決定することができる。
【0061】
「治療する」(「処置する」)という用語は、当技術分野で認識されており、疾患、障害及び/又は状態が生じやすくなる可能性があるが、まだそれを有すると診断されていない対象において、疾患、障害又は状態が発生するのを防ぐこと;疾患、障害又は状態を阻害する、例えば、その進行を妨げること;及び疾患、障害、又は状態を緩和し、例えば、疾患、障害、及び/又は状態の退行を引き起こすことを含む。疾患又は状態の治療には、角膜炎、眼瞼炎、結膜炎及び眼内炎、及び他の関連疾患又は他の病状の治療など、根底にある病態生理学が影響を受けない場合でも、特定の疾患又は状態の少なくとも1つの症状を改善することが含まれ、当技術分野において十分に理解されているように、組成物を投与されていない対象と比較して、対象における病状の症状の頻度を低減するか、又は発症を遅らせる組成物の投与を含む。
【0062】
本発明は、以下の実施例で説明されているが、これは限定的であると解釈されるべきではない。本発明の他の目的、特徴、利点及び態様は、本記載及び実施例から当業者に明らかになるであろう。しかしながら、記載及び以下の特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示としてのみ与えられていることを理解されたい。開示された発明の精神及び範囲内の様々な変更及び修正は、本開示の記載及び他の部分を読むことから当業者に容易に明らかになるであろう。
【0063】
本開示で使用されるすべての材料、試薬、及び化合物の供給源は以下の通りである。
ベシフロキサシンHClは、研究の無条件のサポートとして、インドのR.V.Northland Instituteから提供された。レボフロキサシン、ポリ(N‐ビニルピロリドン)(PVP K‐30、MW:40kDa)、キトサン(80~85%脱アセチル化、MW:100~300kDa)、ポリビニルアルコール(PVA、MW:140kDa)、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リゾホスファチジルコリン、塩化ナトリウム、塩化カリウムは、インドのSigma Aldrichから入手した。Milli‐Q(Millipore、USA)水をすべての実験に使用した。ベシフロキサシン(Besix(登録商標))及びレボフロキサシン(Levotop(登録商標))の市販製剤を対照製剤として使用した。切除されたヒトの角膜は、インドのハイデラバードにあるRamayamma International Eye Bank, L V Prasad Eye Instituteから入手した。角膜はダルベッコのミディアムイーグル(Dulbecco’s Medium Eagle)培地で輸送され、-20℃で保存された。
【実施例0064】
例
ヒドロゲル製剤の調製:
ステップA:キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンポリマーを含む多成分ヒドロゲル製剤の調製。
最初のステップでは、キトサン(0.5~1%w/w)を氷酢酸(0.5%v/v)を含む脱イオン水に継続的に攪拌しながら添加した。上記の溶液に、ポリビニルアルコール(1~3%w/w)をゆっくりと加えた。PVAを溶解するために、調製物の温度を55℃に維持した。ポリビニルピロリドン(0.5~1%w/w)をこの溶液に加えた。最終ステップでリゾホスファチジルコリン(0.05%w/w)を添加した。
ステップB:フルオロキノロン含有ヒドロゲルの調製のために、0.4%w/vのベシフロキサシン又はレボフロキサシンを連続的に攪拌しながらブランクヒドロゲルに添加した。表1に製剤の最終組成を示す。
【0065】
ヒドロゲルは、表1に記載されている成分を使用して、従来の攪拌法によって調製された。ポリマーの濃度は、ベシフロキサシンの場合、5%(3%PVA:1%PVP:1%キトサン)、レボフロキサシンの場合、2%(1%PVA:0.5%PVP:0.5%キトサン)にそれぞれ最適化された。ベシフロキサシン及びレボフロキサシンヒドロゲルのpH値は、LPCを添加した場合と添加しない場合で、それぞれ6.29±0.001、6.14±0.002及び5.78±0.005、5.75±0.002であった。ヒドロゲルの粘度は、ベシフロキサシン及びレボフロキサシン製剤で、それぞれ139.93±1.70、142.80±4.25及び21.41±0.52、22.09±1.79であった。ヒドロゲルの透明度は、ベシフロキサシンで>95%、レボフロキサシン製剤で>98%であった。
【0066】
ヒドロゲル製剤の特性評価:
ヒドロゲルは、それらの物理化学的特性について特徴づけられた。pHは、デジタルpHメーター(Elico Ltd.、インド)を使用して測定した。サンプル調製物の粘度は、25±1℃で様々なせん断速度をかけた後、カップアンドボブレオメーター(Brookfield Inc.、USA)を使用して測定した。ヒドロゲルの透過率は、紫外可視分光光度計(Jasco Instruments、USA)を使用して400~700nmの波長で記録された。薬物含有率は、20μlの薬物負荷ヒドロゲルを980μlの蒸留水に溶解することによって評価され、濃度は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して決定された。
【0067】
HPLC法
HPLC分析は、C18カラム(Shimpack GISTカラム、5μm、4.6×250mm)を備えたShimadzu Prominence UFLC、LC‐20システム(島津、日本)を使用して実施した。ベシフロキサシン分析に使用される移動相は、0.5%トリエチルアミン溶液(10%オルトリン酸でpHを3.0に調整)とアセトニトリル(ACN)の混合物(74:26、v/v)(Costa et al、2014)で構成されている。レボフロキサシン分析には、1.0mlのトリエチルアミン溶液(10%オルトリン酸でpHを2.5に調整)とアセトニトリル(77:23、v/v)を含む20mMリン酸二水素カリウム(KH2PO4)を使用した(Dabhi et al、2013)。注入量は、すべての標準液とテスト溶液で50μlであった。流速とカラム温度は、それぞれ1.0ml/minと25℃に維持された。ベシフロキサシンとレボフロキサシンは、それぞれλmax(ベシフロキサシン)=295とλmax(レボフロキサシン)=294で検出された。薬物放出の量は、それぞれの標準検量線を使用して決定された。
ヒドロゲル製剤の組成及び物理化学的特性を以下の表1に示した。
【0068】
【0069】
インビトロ薬物放出研究
薬物のインビトロ放出は、フランツ拡散セル装置(Permegear Inc.、米国)を使用して実施された。拡散セルのドナーコンパートメントとレセプターコンパートメントの間に、透析膜(分子量カットオフ2.5~3.0kDa、Himedia、インド)を配置した。レセプター培地としてリン酸緩衝生理食塩水(100mM、pH7.4)を使用し、加熱水サーキュレーターを使用して温度を33±1℃に維持した。ドナーコンパートメントには、高分子ヒドロゲル又は標準的な薬物溶液又は市販の製剤を含む2mgの薬物がロードされた。サンプル(300μl)は、0.5、1、2、4、6、12、24時間の所定の時間間隔でサンプリングポートから取り出され、新しい培地で置き換えた。サンプルを上述のHPLC法を用いて分析した。
【0070】
ベシフロキサシンとレボフロキサシンのインビトロ放出
図1は、遊離薬物の拡散とヒドロゲルからの薬物放出を示す。遊離ベシフロキサシンは10時間以内に膜を横切って完全に拡散した。一方、ヒドロゲル製剤からのベシフロキサシンの100%放出は、24時間で達成された(
図1a)。ヒドロゲル製剤からのベシフロキサシン放出は、最初は遊離薬物と比較して高かった(最大2時間まで)。レボフロキサシンの場合、薬物濃度の100%が、遊離薬物及び薬物負荷ヒドロゲルでそれぞれ2時間及び24時間以内に拡散した(
図1b)。
【0071】
粘膜付着試験
ヒドロゲルの粘膜への付着強度は、当技術分野で知られている方法を使用して定性的に調べられた(Choy et.al、2008)。透析膜(PVDF膜、孔径0.45μm)をムチン水溶液(ブタ胃からの0.1%ムチン、シアル酸と結合したタイプII)に2時間浸した。ローダミンB(50μg/ml)を含むヒドロゲル(20μl)をメンブレンの中央に1滴ずつ塗布した。次に、膜を直ちにPBSで5分間洗浄した。残りの粒子の数は、蛍光顕微鏡と分光蛍光光度計を使用して測定された。
【0072】
インビトロ粘膜付着試験
ベシフロキサシン及びレボフロキサシン製剤の粘膜付着は、眼の表面をシミュレートするためにサリチル酸結合ムチンに浸された透析膜を使用してインビトロで調査された。ムチン表面をPBSで洗浄して涙液分泌をシミュレートした。
図2に示すように、ベシフロキサシンヒドロゲルの粘膜付着は、市販の点眼薬と比較して3.5倍高く、レボフロキサシンヒドロゲルは8倍高かった(p<0.001)。蛍光顕微鏡写真は、遊離色素と比較して、角膜へのヒドロゲル製剤のより大きな付着を示す。
【0073】
抗生物質のエクスビボ角膜透過
角膜の厚さは、デジタルマイクロメーター(Baker gauges India Pvt. Ltd.、インド)を使用して測定した。角膜抵抗(R)は、DC電源ユニットを使用して角膜に直流(I、1mA)を印加することによって測定し、電圧降下(V)はデジタルマルチメーター(Fluke Corporation、USA)を使用して測定した。抵抗(R)は、オームの法則(V=IR)を使用して計算された。
【0074】
ベシフロキサシン及びレボフロキサシンのエクスビボ角膜透過は、フランツ拡散セル装置(PearmGear Corp.、米国)を使用して実施された。切除されたヒト角膜をPBSで洗浄し、上皮側がドナーチャンバーに面するようにドナーとレセプターコンパートメントの間に取り付けた。レセプター培地には、温水サーキュレーターユニットを使用して37±1℃の温度に維持されたPBSが含まれていた。ドナーコンパートメントは、ポリマーヒドロゲル、標準薬物溶液、又は市販の製剤を含む薬物の0.4%で満たされた。サンプル(300μl)は、0.5、1、2、4、6、12、及び24時間を含む所定の時間間隔でレセプターチャンバーから取り出された。サンプルは、上記のHPLC法によって分析された。透過した薬物の量は、それぞれの標準(0.1、1、5、10、50、及び100μg/ml)を使用して決定され、ベシフロキサシンのR
2は0.999、レボフロキサシンのR2は0.997であった。角膜透過パラメーターは、透過した薬物の累積量対時間プロファイルから計算された。フラックス(J)は、透過した累積量対時間プロファイルの線形部分の傾きから計算された。遅延時間(t
lag)は、曲線の線形部分を時間軸に外挿することによって計算された。透過係数(Kp)は式1を使用して計算された。
【数1】
【0075】
ベシフロキサシン及びレボフロキサシン製剤のインビトロ角膜透過
インビトロ研究に使用されたヒトの角膜の平均厚さは597.3±40.8μmであることがわかった。無傷の角膜の平均経上皮電気抵抗(TEER)は2.6±0.4kΩであった。表2は、様々な製剤を適用した後の角膜TEER値を示す。表3は、ベシフロキサシンとレボフロキサシンの様々な製剤の透過パラメーターを示す。一般に、ヒドロゲルを塗布すると、市販の製品と比較して遅延時間が大幅に短縮された。Besix(登録商標)とLevotop(登録商標)の遅延時間は、それぞれ1.25±0.09時間と1.42±0.04時間であった。ベシフロキサシンとレボフロキサシンのヒドロゲル製剤は、遅延時間をそれぞれ0.92±0.16時間と0.56±0.01時間に短縮した。ベシフロキサシン及びレボフロキサシンヒドロゲル製剤は、Besix(登録商標)(1.86±0.74μg/cm
2/h)及びLevotop(登録商標)(7.85±1.14μg/cm
2/h)と比較して、それぞれ84.08±13.50及び77.02±3.71μg/cm
2/hの有意に(p<0.05)大きなフラックスを示した。)。リゾホスホチジルコリンの添加により、ベシフロキサシンで最大10%、レボフロキサシンヒドロゲルで最大20%のフラックスが改善されることがわかった。
図3は、ヒドロゲル製剤からのベシフロキサシンとレボフロキサシンの累積角膜透過を示す。ヒドロゲル製剤、Besix(登録商標)及び遊離薬物溶液を使用した適用後の角膜を通過するベシフロキサシン透過の累積量は、24時間後にそれぞれ1747±95、55±12及び1267±38μgであることがわかった。同様に、角膜組織濃度は、ヒドロゲル製剤、Besix(登録商標)及び遊離薬物溶液の場合、組織1グラムあたり、258±37、16±1、及び398±50μgであることがわかった。
【0076】
レボフロキサシンの場合、ヒドロゲル製剤、Levotop(登録商標)及び遊離薬物溶液からの累積角膜透過は、それぞれ1369±98、259±13、及び1019±144μgであることがわかった。角膜組織濃度は、ヒドロゲル製剤、Levotop(登録商標)及び遊離薬物溶液で、組織1グラムあたり、それぞれ305±38、130±17、及び251±13μgであることがわかった。さらに、ヒドロゲル製剤は、市販の製品と比較して、有意に(p<0.05)高い拡散係数及び透過係数を有することが見出された。
【0077】
【0078】
【0079】
エクスビボ角膜感染モデルにおける抗菌活性の評価
ヒト角膜を抗生物質を含まないDMEM培地で37°Cで一晩インキュベートした。翌日、角膜を滅菌PBSで3回洗浄し、黄色ブドウ球菌の108個の細胞を(26ゲージの針を使用して)間質内に注射した。37°Cで24時間インキュベートした後、感染した角膜を再度PBSで洗浄し、さらなる研究に使用した。感染のない角膜を対照として使用した(Pinnock、et.al、2017)。
【0080】
感染した角膜を洗浄し、角膜強膜ボタンに金属リングを配置して、水密シールを作成した。薬物製剤(0.4%)をリングの中心に加え、37°Cで0.5時間及び1.5時間インキュベートした。その後、角膜をPBSで完全に洗浄して過剰な製剤を除去し、37°Cで24時間インキュベートした。次に、角膜を均質化し、得られた懸濁液を段階的に希釈した。コロニー数を数えるために、10μlのサンプルを10
-5、10
-6、10
-7、10
-8希釈で寒天プレートにスポットした。コロニーを視覚的にカウントし、式2を使用してコロニー形成単位(CFU)で表した。
【数2】
すべての結果は、平均±標準偏差として表される。分散分析(ANOVA)(Graphpad Prism、V5)を使用して統計分析を実行し、p<0.05を最小レベルの有意性と見なした。
【0081】
ベシフロキサシン及びレボフロキサシンヒドロゲル製剤の抗菌活性
ヒドロゲル製剤にロードされた薬物の抗菌活性は、黄色ブドウ球菌(ATCC 25923)に感染したヒト角膜(n=3)に対して評価された。
図5及び表4は、感染した角膜を薬剤製剤と30分間インキュベートした後の、細菌増殖の濃度依存性阻害を示す。ベシフロキサシンとレボフロキサシンの両方のヒドロゲル製剤は、抗菌活性に有効であり、Besix(登録商標)及びLevotop(登録商標)とのインキュベーション後のそれぞれ8.0×10
9及び2.8×10
9CFU/mlと比較した場合、0.1×10
9CFU/mlのみが記録された。
【0082】
【0083】
各実施形態は、本発明の限定としてではなく、本発明の説明として提供される。実際、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本明細書に記載の化合物、組成物、及び方法に対して様々な修正及び変形を行うことができることは当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として説明又は記載された特徴を別の実施形態に適用して、さらに別の実施形態を生成することができる。したがって、本開示は、そのような修正及び変形、並びにそれらの均等物を含むことが意図されている。本発明の他の目的、特徴及び態様は、以下の詳細な説明に開示されているか、又はそれから明らかである。本議論は例示的な実施形態の説明にすぎず、本開示のより広い態様を限定するものとして解釈されるべきではないことは、当業者によって理解されるべきである。