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特開2024-2612チェックイン支援システムおよびチェックイン支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002612
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】チェックイン支援システムおよびチェックイン支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20231228BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101918
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】399040221
【氏名又は名称】株式会社スーパーホテル
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(74)【代理人】
【識別番号】100221707
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100224915
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 茉友
(72)【発明者】
【氏名】日吉 常樹
(72)【発明者】
【氏名】中 朋大
(72)【発明者】
【氏名】板垣 邦直
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC25
(57)【要約】
【課題】顧客の手間を増やすことなく、顔認証によるチェックイン手続の省力化を実現できるチェックイン支援システムおよびその方法を提供する。
【解決手段】本部システム2は、宿泊予約を管理する予約管理サーバ4と、顧客の顔画像データを記憶する顔画像管理サーバ5と、このサーバ5に記憶された顔画像データから顔認証用の特徴点データを作成する本部側認証用データサーバ6とを有する。店舗システム3は、本部システム2から提供される顔認証用の特徴点データを記憶する店舗側認証用データサーバ7と、顔画像を撮影するカメラを備えたチェックイン装置8と、店舗側認証用データサーバ7が記憶する特徴点データを用いてチェックイン希望者の顔認証を行う顔認証サーバ9とを有してなり、顔認証の結果をチェックイン装置8と共有することで、チェックイン手続の簡略化を支援する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の宿泊施設の宿泊予約を顧客の会員情報と対応付けて管理する予約管理サーバを有する本部システムと、前記宿泊施設にそれぞれ備えられる店舗システムとからなり、
前記本部システムは、前記予約管理サーバと、顧客の顔画像データを前記会員情報と対応付けて記憶する顔画像管理サーバと、前記顔画像管理サーバに記憶された顔画像データから前記店舗システムに提供する顔認証用の特徴点データを作成する本部側認証用データサーバとを有し、
前記店舗システムは、前記本部側認証用データサーバから提供される顔認証用の特徴点データを記憶する店舗側認証用データサーバと、チェックイン希望者の顔画像を撮影する撮像手段を備えたチェックイン装置と、前記店舗側認証用データサーバが記憶する顔認証用の特徴点データを用いて前記チェックイン希望者の顔画像の顔認証を実行する顔認証サーバとを有し、前記顔認証サーバによる顔認証の結果を前記チェックイン装置と共有することでチェックイン希望者のチェックインを支援する
ことを特徴とするチェックイン支援システム。
【請求項2】
前記予約管理サーバは、管理する宿泊予約から宿泊施設ごとの宿泊予定者を抽出し、
前記本部側認証用データサーバは、前記予約管理サーバが抽出した宿泊施設ごとの宿泊予定者について、宿泊施設ごとにそれぞれ対応する顧客の顔認証用の特徴点データを作成し、作成した顔認証用の特徴点データをそれぞれ対応する宿泊施設に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のチェックイン支援システム。
【請求項3】
前記予約管理サーバによる宿泊予定者の抽出は、所定期間単位で行われることを特徴とする請求項2に記載のチェックイン支援システム。
【請求項4】
前記店舗側認証用データサーバは、顔認証用の特徴点データを記憶した顧客が当該宿泊施設をチェックアウトすると、当該顧客について記憶した顔認証用の特徴点データを削除することを特徴とする請求項1または2に記載のチェックイン支援システム。
【請求項5】
複数の宿泊施設の宿泊予約を顧客の会員情報と対応付けて管理する予約管理サーバを有する本部システムと、前記予約管理サーバによって宿泊予約が管理される宿泊施設にそれぞれ備えられる店舗システムとを有するシステムにおいて、
前記本部システムは、
顧客の顔画像データを前記会員情報と対応付けて記憶するステップと、
前記予約管理サーバが管理する宿泊予約から宿泊施設ごとの宿泊予定者を抽出するステップと、
前記抽出した宿泊施設ごとの宿泊予定者について、宿泊施設ごとにそれぞれ対応する顧客の顔画像データから顔認証用の特徴点データを作成して、それぞれ対応する宿泊施設に送信するステップとを有し、
前記店舗システムは、
前記本部システムから送信された顔認証用の特徴点データを記憶するステップと、
この記憶した顔認証用の特徴点データを用いて、撮像手段を備えたチェックイン装置で撮影されたチェックイン希望者の顔画像の顔認証を実行し、顔認証の結果を前記チェックイン装置と共有するステップと、を有する
ことを特徴とするチェックイン支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はチェックイン支援システムおよびチェックイン支援方法に関し、より詳細には、宿泊施設へのチェックインを顔認証技術を使って支援するシステムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホテルなどの宿泊施設では、チェックイン機の導入によるチェックイン手続の機械化が進んでいる。チェックイン手続の機械化は、宿泊施設を提供する店舗側に多くのメリット(たとえば、チェックインカウンターに配置する人員を削減でき、宿泊カードの廃止によるカード保存の手間を削減できるなど)をもたらすが、宿泊施設を利用する顧客側には、宿泊カードへの記帳に代わり、チェックイン機に氏名などの情報を入力しなければならないという新たな手間を生じさせることになる。
【0003】
このような手間を少なくする方法として、出願人は、チェックイン機に顔認証機能を持たせることを検討している。最近では、クラウドサービスで顔認証を利用できるようになっていることから(たとえば、特許文献1参照)、クラウドサービスを使ってチェックイン機に顔認証機能を備えさせることにより、顔認証が済んだ顧客については、入力すべき情報を減らし(たとえば、氏名や住所の入力を省略し)、これによってチェックイン機への情報入力の手間を軽減することが検討される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-126338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、チェックイン機の顔認証にクラウドサービスを利用する構成には以下のような問題があった。
【0006】
すなわち、顔認証にクラウドサービスを利用する場合、チェックイン機を利用する前に、あらかじめクラウドサービス事業者に顔画像や氏名・住所などの個人情報を登録(会員登録)しておかねばならない。そのため、たとえば、インターネットを用いて宿泊予約をする顧客については、宿泊予約のための会員登録と、チェックイン時の顔認証のための会員登録の双方が必要になり、かえって面倒になるおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、顧客の手間を増やすことなく、顔認証によるチェックイン手続の省力化を実現できるチェックイン支援システムおよびその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るチェックイン支援システムは、
複数の宿泊施設の宿泊予約を顧客の会員情報と対応付けて管理する予約管理サーバを有する本部システムと、上記宿泊施設にそれぞれ備えられる店舗システムとからなり、
上記本部システムは、上記予約管理サーバと、顧客の顔画像データを上記会員情報と対応付けて記憶する顔画像管理サーバと、上記顔画像管理サーバに記憶された顔画像データから上記店舗システムに提供する顔認証用の特徴点データを作成する本部側認証用データサーバとを有し、
上記店舗システムは、上記本部側認証用データサーバから提供される顔認証用の特徴点データを記憶する店舗側認証用データサーバと、チェックイン希望者の顔画像を撮影する撮像手段を備えたチェックイン装置と、上記店舗側認証用データサーバが記憶する顔認証用の特徴点データを用いて上記チェックイン希望者の顔画像の顔認証を実行する顔認証サーバとを有し、上記顔認証サーバによる顔認証の結果を上記チェックイン装置と共有することでチェックイン希望者のチェックインを支援する
ことを特徴とする。
【0009】
そして、本発明はその好適な実施態様として、以下の構成を備えている。
(1)上記予約管理サーバは、管理する宿泊予約から宿泊施設ごとの宿泊予定者を抽出し、上記本部側認証用データサーバは、上記予約管理サーバが抽出した宿泊施設ごとの宿泊予定者について、宿泊施設ごとにそれぞれ対応する顧客の顔認証用の特徴点データを作成し、作成した顔認証用の特徴点データをそれぞれ対応する宿泊施設に送信することを特徴とする。
【0010】
(2)上記予約管理サーバによる宿泊予定者の抽出は、所定期間単位で行われることを特徴とする。
【0011】
(3)上記店舗側認証用データサーバは、顔認証用の特徴点データを記憶した顧客が当該宿泊施設をチェックアウトすると、当該顧客について記憶した顔認証用の特徴点データを削除することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るチェックイン支援方法は、
複数の宿泊施設の宿泊予約を顧客の会員情報と対応付けて管理する予約管理サーバを有する本部システムと、上記予約管理サーバによって宿泊予約が管理される宿泊施設にそれぞれ備えられる店舗システムとを有するシステムにおいて、
上記本部システムは、
顧客の顔画像データを上記会員情報と対応付けて記憶するステップと、
上記予約管理サーバが管理する宿泊予約から宿泊施設ごとの宿泊予定者を抽出するステップと、
上記抽出した宿泊施設ごとの宿泊予定者について、宿泊施設ごとにそれぞれ対応する顧客の顔画像データから顔認証用の特徴点データを作成して、それぞれ対応する宿泊施設に送信するステップとを有し、
上記店舗システムは、
上記本部システムから送信された顔認証用の特徴点データを記憶するステップと、
この記憶した顔認証用の特徴点データを用いて、撮像手段を備えたチェックイン装置で撮影されたチェックイン希望者の顔画像の顔認証を実行し、顔認証の結果を上記チェックイン装置と共有するステップと、を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、店舗システムの顔認証サーバによる顔認証の結果がチェックイン装置と共有されるので、たとえば、顔認証の結果が認証許可であった場合、チェックイン装置は顔認証された顧客の会員情報をチェックイン希望者の情報として用いてチェックイン処理を行うことができるので、チェックイン希望者の入力操作の一部(たとえば、氏名や住所、電話番号など)を省略することができ、チェックイン手続を簡略化できる。
【0014】
また、顔認証用の特徴点データの基になる顔画像データは、顧客の会員情報と対応付けられて本部システムの顔画像管理サーバで管理される、すなわち、宿泊予約を管理する予約管理サーバと同一システム内のサーバで管理されるので、本部システム上で1度顔画像データを登録しておけば、当該顔画像データを使って宿泊予約とチェックインの双方で顔認証を利用することができる。そのため、顧客は、チェックイン時の顔認証のためだけに他のシステムに会員登録をする必要がなく、余計な手間を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るチェックイン支援システムの概略構成の一例を示すシステム構成図である。
図2】同チェックイン支援システムにおけるチェックイン装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図3】同チェックイン装置のメニュー画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
【0017】
図1は、本発明に係るチェックイン支援システム1の概略構成を示している。
チェックイン支援システム1は、ホテルや旅館などの宿泊施設における顧客のチェックイン手続を支援するシステムでって、複数の宿泊施設の予約を管理する予約管理サーバ4を有する本部システム2と、宿泊施設にそれぞれ備えられる店舗システム3とを主要部として構成されており、これら本部システム2と店舗システム3とはインターネットNを介して通信接続されている。
【0018】
本部システム2は、複数の宿泊施設を運営する事業主体が管理するコンピュータシステムであって、本部システム2(具体的には、予約管理サーバ4)によって、事業主体が運営する複数の宿泊施設の宿泊予約が一括管理されている。この本部システム2は、たとえば、事業主体の本部(本社)機能を備えた施設やサーバコンピュータを多数配置してなるサーバーセンターなどに配置される。
【0019】
本部システム2は、予約管理サーバ4と、顔画像管理サーバ5と、本部側認証用データサーバ6とを有して構成されており、これらは図示しないネットワーク(たとえば、LAN)によって通信接続されている。
【0020】
予約管理サーバ4は、上述したように複数の宿泊施設の宿泊予約を管理するサーバコンピュータであって、宿泊施設ごとに、宿泊予約に関する情報が記憶・管理される。ここで、宿泊予約に関する情報としては、たとえば、各部屋の空状況(カレンダーと連携して所定期間(たとえば1年先まで)の空き状況)のほか、宿泊予約が入ったときは、その予約番号、部屋番号、宿泊予定日(宿泊日数を含む)、宿泊予定者の情報(氏名・住所・電話番号、顧客IDなど)が例示される。
【0021】
また、予約管理サーバ4は、宿泊予約に関して、宿泊予定者を顧客の会員情報と対応付けて管理する。ここで、顧客の会員情報は、たとえば、あらかじめ会員として氏名、住所などを登録(会員登録)させた際などに得られた顧客の個人情報であって、この会員情報には顧客の氏名、住所、電話番号のほか、宿泊施設側で設定した顧客IDなども含まれる。本実施形態では、予約管理サーバ4は、少なくとも宿泊予約と顧客IDとを対応付けて管理するようになっている。なお、顧客の会員情報は、予約管理サーバ4で記憶・管理することも可能であるが、たとえば、予約管理サーバ4以外の専用のサーバ(図示せず)を設け、この専用のサーバによって会員情報を記憶・管理するように構成してもよい。
【0022】
また、予約管理サーバ4は、後述する顔認証用の特徴点データの作成に関連して、管理する宿泊予約から、宿泊施設ごとに宿泊予定者を抽出する機能を備えている。この機能は、所定期間単位(たとえば、1日単位)で、宿泊予定者を宿泊施設ごとに分類して抽出する機能で構成され、抽出された宿泊予定者の情報(たとえば、顧客IDのリスト)は本部側認証用データサーバ6に送信される。たとえば、予約管理サーバ4は、日付が変わる午前零時にその日の宿泊予定者を抽出して、本部側認証用データサーバ6に送信する。なお、本実施形態では、宿泊予定者を1日単位で抽出する場合を示したが、たとえば、2日単位や1週間単位、あるいは半日単位とするなど、抽出する期間については適宜変更可能である。
【0023】
顔画像管理サーバ5は、顧客の顔画像データを記憶・管理するサーバであって、この顔画像管理サーバ5では、顧客の顔画像データを記憶するにあたり、顔画像データと顧客の会員情報(たとえば、顧客ID)とを対応付けて記憶するようになっている。
【0024】
ここで、顔画像管理サーバ5に記憶される顔画像データは適宜更新される。たとえば、顧客が新規に会員登録をした際や、会員登録後に顔画像データを新規に登録あるいは登録済みの顔画像データを新しい顔画像データに置き換える場合などに更新される。顔画像データの登録・更新は、たとえば、顧客が端末装置(スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなど)100を用いて、インターネットN経由で顔画像管理サーバ5に顔画像データをアップロードすることにより行われる。
【0025】
本部側認証用データサーバ6は、顔画像データから顔認証用の特徴点データを作成するサーバであって、顔画像管理サーバ5に記憶された顔画像データから顔認証用の特徴点データを作成するように構成されている。
【0026】
本実施形態では、予約管理サーバ4が宿泊施設ごとの宿泊予定者を抽出するようになっているので、本部側認証用データサーバ6は、宿泊施設ごとに、抽出された宿泊予定者についての顔認証用の特徴点データを作成する。具体的には、本部側認証用データサーバ6は、抽出された宿泊予定者の会員情報(本実施形態では顧客ID)に対応する顔画像データを顔画像管理サーバ5から読み出し、読み出した顔画像データから顔認証用の特徴点データを作成する。そして、作成した顔認証用の特徴点データを、宿泊施設ごとにそれぞれ対応する宿泊施設に提供する。すなわち、作成された顔認証用の特徴点データは、インターネットNを介して、それぞれ対応する宿泊施設の店舗システム3に送信される。なお、特徴点データの送信にあたっては、各特徴点データにそれぞれの会員情報(たとえば、顧客ID)が対応付けられている。
【0027】
店舗システム3は、予約管理サーバ4によって宿泊予約が管理される複数の宿泊施設のそれぞれに設けられるコンピュータシステムであって、店舗側認証用データサーバ7と、チェックイン装置8と、顔認証サーバ9とを主要部として構成されており、これらは図示しないネットワーク(たとえば、LAN)によって通信接続されている。
【0028】
店舗側認証用データサーバ7は、本部側認証用データサーバ6から提供される顔認証用の特徴点データを記憶するサーバコンピュータであって、受信した顔認証用の特徴点データを会員情報(たとえば、顧客ID)と対応付けて記憶する。なお、店舗側認証用データサーバ7は、顔認証用の特徴点データを記憶した顧客が当該宿泊施設をチェックアウトすると、当該顧客について記憶していた顔認証用の特徴点データを削除するようになっている。たとえば、店舗側認証用データサーバ7を、店舗システム3において宿泊客(顧客)のチェックアウトを管理するサーバと連携させておき、当該サーバに顧客のチェックアウトが通知されると、それに連動して当該顧客の特徴点データを自動的に削除する構成が採用される。そのため、本実施形態では、この店舗側認証用データサーバ7には、当日にチェックインする宿泊予定者の顔認証用の特徴点データのみが記憶されている。
【0029】
チェックイン装置8は、宿泊施設へのチェックインを希望する者(チェックイン希望者)がチェックイン手続を行うための装置であって、通常は、1の宿泊施設に対して複数のチェックイン装置8が用意され、これら複数のチェックイン装置8がチェックインカウンターの近傍などに配置されている。
【0030】
本実施形態では、チェックイン装置8は、チェックイン希望者が起立した状態でチェックイン手続を行えるように構成されたチェックイン機であって、起立姿勢にある顧客の正面に相当する位置に、表示手段と入力手段とを兼ねたタッチパネル81が配置されるとともに、タッチパネル81の近傍に、チェックイン希望者の顔画像を撮影するカメラ(撮像手段)82が備えられている。そのため、チェックイン希望者は、チェックイン装置8に立ち寄ったそのままの姿勢(起立姿勢のまま)でタッチパネル81の操作と顔画像の撮影を行うことができるようになっている。
【0031】
タッチパネル81およびカメラ82は、いずれも制御部83によって制御されている。そのため、たとえば、カメラ82で顔画像を撮影する際に、タッチパネル81を操作することでカメラ82のズームを調整することができる。また、制御部83は店舗側認証用データサーバ7および顔認証サーバ9と通信接続されるので、タッチパネル81で入力した事項を他のサーバに送信したり、あるいはカメラ82で撮影した顔画像データを顔認証サーバ9に取り込むことなどが可能である。なお、図2において、84はクレジットカード読み取り用のカードリーダ、85はQRコード(登録商標)読み取り用のコード読取手段をそれぞれ示している。
【0032】
顔認証サーバ9は、顔認証用の特徴点データを用いて顔認証を行うサーバコンピュータであって、カメラ82で顔画像が撮影されると、店舗側認証用データサーバ7に記憶された顔認証用の特徴点データを用いて、撮影された顔画像の顔認証を実行するように構成されており、本実施形態では、顔認証サーバ9による顔認証の結果がチェックイン装置8と共有されるようになっている(詳細は後述する)。
【0033】
次に、このように構成されたチェックイン支援システム1を用いたチェックイン手続について説明する。
【0034】
A.顔画像データの登録
本発明に係るチェックイン支援システム1では、同システムを利用する顧客は、あらかじめ本部システム2の顔画像管理サーバ5に自身の顔画像データを登録しておく。顔画像データの登録は、会員登録時または会員登録後のプロフィール変更時などに、顔画像管理サーバ5にログインして顔画像データをアップロードすることにより行われる。
【0035】
B.宿泊予約
宿泊予約は予約管理サーバ4が管理する。宿泊予約の設定手順は本発明と直接関係がないので詳細な説明は省略するが、たとえば、会員登録済みの顧客であれば、端末装置100からインターネットNを介して予約管理サーバ4にログインすることで、宿泊予約の設定を行うことができる。
【0036】
C.チェックイン手続
宿泊施設へのチェックイン手続はチェックイン装置8で行うことができる。
図3は、チェックイン装置8のメニュー画面の一例を示している。この図3に示すメニュー画面では、上段に言語を選択する言語選択ボタン(図示例では、「日本語」、「English」などのボタン)が表示され、下段にオプションを選択するボタン(図示例では、「両替」と「キャッシュバック」のボタン)が表示されている。そして、中段に大きく「お名前から照会」、「QRコードから照会」、「顔認証から照会」の3つのボタン(照会ボタン)が表示されている。
【0037】
これら照会ボタンは、チェックイン希望者(顧客)を会員情報に照会する方法を選択するボタンであって、「お名前から照会」は、名前(氏名)を使って照会するボタンであって、このボタンを選択した場合、チェックイン希望者はタッチパネル81を使って名前を入力して会員情報に照会する。「QRコードから照会」は、QRコード(二次元バーコード)を使って照会するボタンであって、このボタンを選択した場合、チェックイン希望者は端末装置100に表示される自身のQRコードをチェックイン装置8に読み取らせて会員情報に照会する。そして、「顔認証から照会」は、顔認証サーバ9による顔認証機能を使って照会するボタンであって、このボタンを選択した場合、チェックイン希望者はカメラ82で顔画像を撮影して会員情報に照会する。
【0038】
ここで、「顔認証から照会」について詳しく説明する。
「顔認証から照会」のボタンが選択されると、チェックイン装置8の制御部83はカメラ82を起動して撮影可能な状態にする。このとき、制御部83は、カメラ82で撮影している画像をタッチパネル81に表示する。その際、たとえば、タッチパネル81の画面中に撮影の目安となる人型枠を表示することで、顔認証に適したサイズの顔画像データを確実に得ることができる。
【0039】
このようにして制御部83が顔画像データを取得すると、制御部83は取得した顔画像データを顔認証サーバ9に送信する。顔認証サーバ9は、チェックイン装置8から送信された顔画像データを受け付けると、店舗側認証用データサーバ7から顔認証用の特徴点データを読み出し、読み出した特徴点データを用いて撮影された顔画像データの顔認証を行う。
【0040】
顔認証の結果、チェックイン装置8で撮影した顔画像データと符合する顔認証用の特徴点データがあったとき(顔認証で認証許可となったとき)は、顔認証サーバ9は、その認証結果をチェックイン装置8と共有する。具体的には、顔認証サーバ9は、認証許可という結果とともに、顔画像データと符合した特徴点データに対応付けられた会員情報(本実施形態では顧客ID)もチェックイン装置8と共有する。
【0041】
ここで、本実施形態では、店舗側認証用データサーバ7には、当日に宿泊予約が入っている宿泊予定者の特徴点データのみが記憶されているので、顔認証の結果が認証許可であるということは、当日の宿泊予約があることを意味しており、それはすなわち、チェックインを受け付けてよい状態(チェックインが許可された状態)であることをチェックイン装置8(制御部83)と共有することを意味する。したがって、顔認証の結果が認証許可であった場合には、チェックイン装置8は、チェックイン手続を進行させる。
【0042】
また、顔画像データと符合した特徴点データには会員情報が対応付けられているので、チェックイン装置8(制御部83)は、特徴点データに対応付けられた会員情報を使ってチェックイン手続に必要な情報を取得することができる(顧客IDが判明すれば、それを用いて会員情報を管理するサーバから情報を引き出すことができる)。そして、会員情報から取得した情報をチェックイン手続に反映させることで、チェックイン装置8に入力すべき事項(たとえば、チェックイン希望者の氏名や住所、電話番号など)を省略させることができるようになり、これによりチェックイン希望者の情報入力の手間を省力化できる。
【0043】
なお、顔認証の結果、チェックイン装置8で撮影した顔画像データと符合する顔認証用の特徴点データがないとき(顔認証で認証不許可となったとき)も、顔認証サーバ9は、その認証結果をチェックイン装置8と共有する。この場合、チェックイン装置8は、顔認証を通じてチェックイン希望者の会員情報を取得することができないので、たとえば、図3のメニュー画面に戻るなどして、他の方法による会員情報の照会を選択させる。
【0044】
このように、本発明に係るチェックイン支援システム1によれば、本部システム2が、顧客の顔画像データを会員情報と対応付けて記憶するステップと、予約管理サーバ4が管理する宿泊予約から宿泊施設ごとの宿泊予定者を抽出するステップと、抽出した宿泊施設ごとの宿泊予定者について、宿泊施設ごとにそれぞれ対応する顧客の顔画像データから顔認証用の特徴点データを作成して、それぞれ対応する宿泊施設に送信するステップとを有し、かつ、店舗システム3は、本部システム2から送信された顔認証用の特徴点データを記憶するステップと、この記憶した顔認証用の特徴点データを用いて、チェックイン装置8で撮影されたチェックイン希望者の顔画像の顔認証を実行し、顔認証の結果をチェックイン装置8と共有するステップとを有しているので、たとえば、顔認証の結果が認証許可であった場合、チェックイン装置8は顔認証された顧客の会員情報をチェックイン希望者の情報として用いてチェックイン処理を行うことができる。その結果、チェックイン希望者の入力操作の一部を省略することができ、チェックイン手続を簡略化することができる。
【0045】
また、本発明に係るチェックイン支援システム1では、顔認証用の特徴点データの基になる顔画像データは、顧客の会員情報と対応付けられて本部システム2の顔画像管理サーバ5で管理されるので、顧客は、本部システム2上で1度顔画像データを登録しておけば、チェックインに際して改めて顔画像データを登録しなくてよい。そのため、チェックイン時の顔認証のためだけに他のシステムに会員登録をする手間がなく、余計な手間を省略することができる。
【0046】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0047】
たとえば、上述した実施形態では、顔画像データや顔画像データから作成される顔認証用の特徴点データと対応付けられる会員情報として、顧客IDを用いた場合を示したが、たとえば、顧客IDに代えて、または顧客IDに加えて、顧客の氏名、住所などの会員情報を用いることも可能である。
【0048】
また、上述した実施形態では、チェックイン装置8のメニュー画面において、会員情報の照会方法を選択するボタンとして、「お名前から照会」、「QRコードから照会」、「顔認証から照会」の3つのボタンを例示したが、少なくとも「顔認証から照会」のボタンがあれば、他の照会方法と組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 チェックイン支援システム
2 本部システム
3 店舗システム
4 予約管理サーバ
5 顔画像管理サーバ
6 本部側認証用データサーバ
7 店舗側認証用データサーバ
8 チェックイン装置
9 顔認証サーバ
81 タッチパネル
82 カメラ
100 端末装置
N インターネット
図1
図2
図3