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▶ ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026187
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】樹脂変性油展ゴム
(51)【国際特許分類】
   C08L 9/06 20060101AFI20240220BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20240220BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20240220BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C08L9/06
C08L91/00
C08L101/00
B60C1/00 A
B60C1/00 B
B60C1/00 C
B60C1/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023200369
(22)【出願日】2023-11-28
(62)【分割の表示】P 2019166026の分割
【原出願日】2019-09-12
(31)【優先権主張番号】62/730,786
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】ニハット・アリ・イシトマン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・アラン・ウォロジネク
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ジョン・カリグ
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ・マリー・プリンス・ロング
(72)【発明者】
【氏名】マヌエラ・ポンペイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー・ラベ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】硬化剛性(乾燥牽引)及び最終的性質(チップ/チャンク抵抗)を損なうことなく改善された湿潤牽引特性をもたらす、油展された溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物及びタイヤを提供する。
【解決手段】溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、及び少なくとも5phrの樹脂を含む、油展された溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物であって、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレン及び含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、結合ブタジエン反復単位の25%~55%がトランス1,4-微細構造であり、25%~50%がシス-微細構造であり、5%~45%がビニル-微細構造であり、少なくとも800kDaのMz分子量を有し、Mz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも1.58である、油展された溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む、油展された溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物であって、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の25%~55%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも800kDaのMz分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも1.58である、上記の油展された溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
【請求項2】
前記ゴム組成物が、1つのみのガラス転移温度を有するが、但し、油が石油伸展油である場合、前記ゴム組成物に配合添加剤が含まれない、請求項1記載のゴム組成物。
【請求項3】
油が、トリグリセリド油であることを特徴とする、請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
油が、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ(ナタネ)油、トウモロコシ油、ココナツ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、およびサフラワー油からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のゴム組成物。
【請求項5】
樹脂が、炭化水素樹脂であることを特徴とする、請求項1、2、3または4に記載のゴム組成物。
【請求項6】
樹脂が、フェノール/アセチレン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン由来の樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペンポリマー樹脂、およびスチレン/α-メチルスチレン樹脂からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1、2、3、4または5に記載のゴム組成物。
【請求項7】
溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも840kDaのMz分子量を有し、前記溶液スチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも1.62であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5または6に記載のゴム組成物。
【請求項8】
外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであることを特徴とし、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記タイヤ部品の少なくとも1つが、請求項1から7のいずれか一項に記載のゴム組成物を含む、タイヤ。
【請求項9】
前記トレッドが、請求項1から7のいずれか一項に記載のゴム組成物を含むことを特徴とする、請求項8に記載のタイヤ。
【請求項10】
油展された溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物を調製する方法であって、(1)油組成物を溶液スチレン-ブタジエンゴムのセメント中にブレンドすること、ここで前記油組成物が、油および炭化水素樹脂を含む、並びに(2)油展された溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物を前記セメントから回収する工程、を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂変性油展ゴム組成物およびこのような樹脂変性油展ゴム組成物の製造方法に関する。本発明の高度に好ましい実施形態において、樹脂変性油展ゴム組成物は、大豆油またはトウモロコシ油などの植物油を利用して作製される。
【背景技術】
【0002】
1949年、Emert S Pfau、Gilbert H SwartおよびKermit V. Weinstockは、通常の混合技術を使用して処理するのが難し過ぎた高分子量のゴムを、「油展」することによって、混錬手順中に過度に劣化することなく処理することを可能にできたことを発見した。これに応じて油展は、タイヤ、ホース、伝動ベルト、コンベアベルトなどのゴム製品を製造する上で予め処理することができる、より高分子量の合成ゴムの使用を可能にした。このような製品の製造におけるこのような高分子量のゴムを使用する能力は、ヒステリシスの低減などの改善された製品性能特性および製造費の低下をもたらした。1950年、Pfauらは、彼らの発明をカバーする米国特許出願を出願し、これは、最終的に1960年12月13日に米国特許第2,964,083号として発行された。その時以来、油展が広範囲で使用されており、高分子量の合成ゴムの処理を可能にした。
【0003】
油展ゴムは、一般に、費用削減ならびに低温柔軟性および弾性の向上のために25~50%の石油エマルジョンが取り入れられた合成ゴムまたはエラストマーとして定義される。乳化重合または溶液重合によって作製された合成ゴムは、所望の利益を得るように油展することができる。例えば、伸展油を合成した際の溶媒から回収する前に、伸展油を、溶液重合によって作製された合成ゴムのセメントに添加することができる。後続の溶媒の除去の際、伸展油は合成ゴム中に残留し、油展の利益を与える。同様に、乳化重合によって作製された合成ゴムは、凝固する前に、伸展油のエマルジョンをエマルジョンゴムのラテックス中に混合することによって油展され得る。ここでも、伸展油がゴム相中に残留し、合成ゴムを従来の器具および技術を用いてさらに処理可能にする。
【0004】
高分子量の未硬化合成ゴムは、タイヤ、伝動ベルト、ホース、フロントガラスワイパーブレード、靴底などの様々なゴム製品の製造における利用に高度に望ましくする特性を有する。このような高分子量ゴムを、より容易に処理するようにする、または業務用機器で完全に処理できるようにするには、高分子量ゴムを、しばしば、油展する。前述したように、油展ゴムは、混合手順の間に分解の影響を受けにくく、この点も、最終製品の用途においてより良好な特性を与える。いずれの場合も、油展は、より容易に処理できるように(その他のゴムおよびゴム配合材料中に混合できるように)、また、別法では達成できない数々の有益な性質を達成するために、多種多様の用途のための合成ゴムを作製する上で従来から用いられている。
【0005】
1960年代以降、多種多様の合成ゴムが油展され、その処理能力を改善し、タイヤ、伝動ベルト、コンベアベルト、トラック、空気ばね、アスファルト変性ポリマー、接着剤、靴底、フロントガラスワイパーブレード、ボーリング用のボール、ゴルフボール、エネルギー吸収フットパッドなどのゴム製品における最終的な性能を改善してきた。油展は、多種多様の合成ゴムに適用されてきており、特に高分子量ゴム(高ムーニー粘度を有するゴム)において有益である。例としては、油展されてきた合成ゴムのいくつかの代表例としては、高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、エマルジョンスチレンブタジエンゴム、溶液スチレンブタジエンゴム、合成ポリイソプレンゴム、スチレンイソプレン-ブタジエ
ンゴム、およびニトリルゴムが挙げられる。石油系油は、従来油展ゴムの調製に使用され
てきた。これらの石油系油としては、芳香油、ナフテン油、パラフィン系油、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの石油系伸展油は、以下の表に従って高度の芳香族系、芳香族系、ナフテン系、またはパラフィン系としてASTM Designation D2226下で分類する。
【0006】
【表1】
【0007】
近年、米国特許公開第2017/0058112(A1)号で、高分子量溶液スチレンブタジエンゴムの伸展における大豆油などのトリグリセリド油の使用が、石油系伸展油を使用したときと比べて、該ゴムのムーニー粘度を予期せず大幅に低減することが報告されている。これは、該未硬化溶液スチレン/ブタジエンゴム(SSBR)の粘度を有意に低減させる結果となり、これによって、さらに高分子量(さらに高いムーニー粘度)のSSBRの処理が可能になる。このようにして得られた未硬化SSBRの低粘度は、大きな利益であり、ゴム製造設備およびゴム組成物調製設備(タイヤ製造工場など)の両方においてSSBRに好適な処理を可能にするために必須であるようにも思われる。これに応じて、油展高分子量溶液スチレンブタジエンゴム中、石油の代わりに大豆油を利用すると、より良好な処理をもたらし、最終的に製造されるゴム製品のより良好な物理的性質を促進することが報告された。いずれの場合も、タイヤ、伝動ベルト、コンベアベルト、トラック、空気ばね、アスファルト変性ポリマー、接着剤、靴底、フロントガラスワイパーブレード、ボーリング用のボール、ゴルフボール、エネルギー吸収フットパッド、振動止めパッド、シール、ガスケットなどの多様な製品における使用のための油展高分子量溶液スチレンブタジエンゴム中にトリグリセリド油を使用することができる。このような油展溶液スチレンブタジエンゴムは、タイヤトレッドおよびタイヤ側面部の用途のためのゴム配合物を製造する上で特に重要である。
【0008】
米国特許第8,044,188号は、特定の改質天然ゴム格子の油展における、135以上のヨウ素価を有する植物油(亜麻仁油、キリ油、サフラワー油、およびテルペン(α-ピネン、β-ピネン、リモネン、およびテレビン油)など)の使用を開示する。石油系油に代わるこれらの植物油の使用は、再生可能な資源であることから環境上の理由にとって有益であるとして、この特許において推奨されている。
【0009】
歴史的に見て、大豆油およびトウモロコシ油などの植物油は、製造時点でエラストマーの油展の代わりにゴム組成物への遊離油の添加によって、様々なゴム組成物と混合するために使用されてきた。例としては、ゴム組成物中の大豆油の利用は、米国特許第7,919,553号、米国特許第8,100,157号、および米国特許第8,022,136号に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第2,964,083号
【特許文献2】米国特許公開第2017/0058112(A1)号
【特許文献3】米国特許第8,044,188号
【特許文献4】米国特許第7,919,553号
【特許文献5】米国特許第8,100,157号
【特許文献6】米国特許第8,022,136号
【特許文献7】米国特許第6,713,565号
【特許文献8】米国特許第4,983,695号
【特許文献9】カナダ特許第1,284,545号
【特許文献10】米国特許第5,698,643号
【特許文献11】米国特許第5,451,646号
【特許文献12】米国特許第4,260,707号
【特許文献13】米国特許第4,444,903号
【特許文献14】米国特許第4,461,883号
【特許文献15】米国特許第4,533,711号
【特許文献16】米国特許第6,780,948号
【特許文献17】米国特許第6,242,534号
【特許文献18】米国特許第6,207,757号
【特許文献19】米国特許第6,133,364号
【特許文献20】米国特許第6,372,857号
【特許文献21】米国特許第5,395,891号
【特許文献22】米国特許第6,127,488号
【特許文献23】米国特許第5,672,639号
【特許文献24】米国特許第6,608,125号
【特許文献25】米国特許公開第2006/0041063号
【特許文献26】米国特許公開第2003/0130535号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Journal of the American Chemical Society,60巻、304頁(1930年)
【非特許文献2】The Vanderbilt Rubber Handbook(1978年)、344~346頁
【発明の概要】
【0012】
本発明は、炭化水素トラクション樹脂を、油展エマルジョンおよび溶液ゴムの作製に使用される油の中に分散させて、改善された性能特性を達成することができるという予期せぬ知見に基づく。例として、この技術は、従来の混合技術を使用して通常可能であると考えられるレベルよりも高レベルで、炭化水素トラクション樹脂をゴム中に取り入れることを可能にする。これは、タイヤトレッド用コンパウンド中に、硬化剛性(乾燥牽引)および最終的性質(チップ/チャンク抵抗)を損なうことなく、改善された湿潤牽引特性をもたらす。この技術を用いて、油展することによって有益となり得る実質的に全ての合成ゴムに樹脂を取り入れることができる。より具体的には、本発明は、溶液スチレン-ブタジエンゴム(SSBR)、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム(ESBR)、ポリブタジエンゴム、合成ポリイソプレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、イソプレン-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエンゴム、シリコンゴム、ニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴムなどを含む樹脂変性油展ゴムの製造に適用可能である。タイヤトレッド用コンパウンドに使用するために配合される樹脂変性溶液スチレン-ブタジエンゴム(SSBR)、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム(ESBR)、高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、および合成ポリイソプレンゴムを製造する上で特に価値がある。
【0013】
本発明は、より具体的には、樹脂変性油展ゴム組成物の調製方法であって、(1)油組成物をゴムセメント中にブレンドする工程であり、樹脂変性油展ゴム組成物が油および炭化水素樹脂を含む、工程と、(2)ゴムセメントから樹脂変性油展ゴムを回収する工程とを含む、方法を公開する。
【0014】
また、本発明は、樹脂変性エマルジョンゴム組成物の調製方法であって、(1)油組成物をゴムエマルジョン中にブレンドする工程であり、油組成物が油および炭化水素樹脂を含む、工程と、(2)ゴムエマルジョンから樹脂変性ゴムを回収する工程とを含む、方法を開示する。
【0015】
本発明は、さらに、含有量が少なくとも90%のシス微細構造を有する高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物であって、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも5である、高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物を開示する。このような高シス-1,4-ポリブタジエンゴムは、典型的には、フィラー、硬化剤、促進剤、およびその他のゴム配合剤を含まないが、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤などの劣化防止剤は例外である。
【0016】
加えて、本発明は、含有量が少なくとも90%のシス微細構造を有する高シス-ポリイソプレン、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む合成ポリイソプレンゴム組成物であって、高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-イソプレンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも2.7である、ゴム組成物を公開する。このような高シス-ポリイソプレンゴムは、典型的には、フィラー、硬化剤、促進剤、およびその他のゴム配合剤を含まないが、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤などの劣化防止剤は例外である。
【0017】
また、本発明は、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含むエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物であって、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも25,000kDaのM分子量を有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも150である、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物を開示する。このようなエマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、典型的には、フィラー、硬化剤、促進剤、およびその他のゴム配合剤を含まないが、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤などの劣化防止剤は例外である。
【0018】
本発明は、さらに、溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物であって、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の30%~55%が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも
800kDaのM分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも1.58である、溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物を公開する。このような溶液スチレン-ブタジエンゴムは、典型的には、フィラー、硬化剤、促進剤、およびその他のゴム配合剤を含まないが、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤などの劣化防止剤は例外である。
【0019】
また、本発明は、外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが地面に接触されるように適合され、前記タイヤの少なくとも1つのコンポーネントが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物から構成され、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも5である、タイヤを開示する。このようなタイヤのトレッドおよび/または側壁中に高シス-1,4-ポリブタジエンゴムを含むことが特に有利である。
【0020】
本発明は、さらに、外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが地面に接触されるように適合され、前記タイヤの少なくとも1つのコンポーネントが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-ポリイソプレンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む合成ポリイソプレンゴムから構成され、高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-ポリイソプレンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも2.7である、タイヤを開示する。このようなタイヤのトレッドおよび/または側壁中に高シス-ポリイソプレンゴムを含むことが特に有利である。
【0021】
また、本発明は、外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが地面に接触されるように適合され、前記タイヤの少なくとも1つのコンポーネントが、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含むエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも25,000kDaのM分子量を有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも150である、タイヤを開示する。このようなタイヤのトレッドおよび/または側壁中にエマルジョンスチレン-ブタジエンゴムを含むことが特に有利である。
【0022】
本発明は、さらに、外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが地面に接触されるように適合され、前記タイヤの少なくとも1つのコンポーネ
ントが、溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の30%~55%が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも800kDaのM分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも1.58である、タイヤを公開する。このようなタイヤのトレッドおよび/または側壁中に溶液スチレン-ブタジエンゴムを含むことが特に有利である。
【0023】
本発明は、また、圧縮部、張力部、および載荷部を含む伝動ベルトであって、前記伝動ベルトの少なくとも1つのコンポーネントが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物から構成され、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも5である、伝動ベルトを開示する。
【0024】
本発明は、また、圧縮部、張力部、および載荷部を含む伝動ベルトであって、前記伝動ベルトの少なくとも1つのコンポーネントが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-ポリイソプレンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む合成ポリイソプレンゴム組成物から構成され、高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-ポリイソプレンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも2.7である、伝動ベルトを開示する。
【0025】
本発明は、また、圧縮部、張力部、および載荷部を含む伝動ベルトであって、前記伝動ベルトの少なくとも1つのコンポーネントが、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含むエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも25,000kDaのM分子量を有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも150である、伝動ベルトを開示する。
【0026】
本発明は、さらに、圧縮部、張力部、および載荷部を含む伝動ベルトであって、前記伝動ベルトの少なくとも1つのコンポーネントが、溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の30%~55%が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム
中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも800kDaのM分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも1.58である、伝動ベルトを公開する。
【0027】
本発明は、また、キャリーカバー層、補強層、およびプーリーカバー層を含むコンベアベルトであって、前記コンベアベルトの少なくとも1つのコンポーネントが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物から構成され、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも5である、コンベアベルトを開示する。このようなタイヤのトレッドおよび/または側壁中に高シス-1,4-ポリブタジエンゴムを含むことが特に有利である。
【0028】
本発明は、また、キャリーカバー層、補強層、およびプーリーカバー層を含むコンベアベルトであって、前記コンベアベルトの少なくとも1つのコンポーネントが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-ポリイソプレンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む合成ポリイソプレンゴム組成物から構成され、高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-ポリイソプレンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも2.7である、コンベアベルトを開示する。このようなタイヤのトレッドおよび/または側壁中に高シス-ポリイソプレンゴムを含むことが特に有利である。
【0029】
本発明は、また、キャリーカバー層、補強層、およびプーリーカバー層を含むコンベアベルトであって、前記コンベアベルトの少なくとも1つのコンポーネントが、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含むエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも25,000kDaのM分子量を有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも150である、コンベアベルトを開示する。このようなタイヤのトレッドおよび/または側壁中にエマルジョンスチレン-ブタジエンゴムを含むことが特に有利である。
【0030】
本発明は、また、キャリーカバー層、補強層、およびプーリーカバー層を含むコンベアベルトであって、前記コンベアベルトの少なくとも1つのコンポーネントが、溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の30%~55%が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも800kDaのM分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なく
とも1.58である、コンベアベルトを開示する。
【0031】
本発明は、また、ヘッド、本体、ネック部、回転部、および縁部を含むフロントガラスワイパーブレードであって、前記フロントガラスワイパーブレードの少なくとも1つのコンポーネントが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物から構成され、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも5である、フロントガラスワイパーブレードを開示する。例として、高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物は、フロントガラスワイパーブレードのヘッド、本体、ネック部、回転部、および/または縁部に使用することができる。
【0032】
本発明は、また、ヘッド、本体、ネック部、回転部、および縁部を含むフロントガラスワイパーブレードであって、前記フロントガラスワイパーブレードの少なくとも1つのコンポーネントが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-ポリイソプレンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む合成ポリイソプレンゴム組成物から構成され、高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも2.7である、フロントガラスワイパーブレードを開示する。例として、合成ポリイソプレンゴム組成物は、フロントガラスワイパーブレードのヘッド、本体、ネック部、回転部、および/または縁部に使用することができる。
【0033】
本発明は、また、ヘッド、本体、ネック部、回転部、および縁部を含むフロントガラスワイパーブレードであって、前記フロントガラスワイパーブレードの少なくとも1つのコンポーネントが、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油および少なくとも5phrの樹脂を含むエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも25,000kDaのM分子量を有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも150である、フロントガラスワイパーブレードを開示する。例として、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物は、フロントガラスワイパーブレードのヘッド、本体、ネック部、回転部、および/または縁部に使用することができる。
【0034】
本発明は、また、ヘッド、本体、ネック部、回転部、および縁部を含むフロントガラスワイパーブレードであって、前記フロントガラスワイパーブレードの少なくとも1つのコンポーネントが、溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の30%~55%が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも800kDaのM分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平
均分子量に対する比が少なくとも1.58である、フロントガラスワイパーブレードを開示する。例として、溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物は、フロントガラスワイパーブレードのヘッド、本体、ネック部、回転部、および/または縁部に使用することができる。
【0035】
本発明は、また、コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、コアが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物から構成され、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも5である、ゴルフボールを開示する。
【0036】
本発明は、また、コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、コアが、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-ポリイソプレンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む合成ポリイソプレンゴム組成物から構成され、高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-ポリイソプレンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも2.7である、ゴルフボールを開示する。
【0037】
本発明は、また、コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、コアが、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含むエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも25,000kDaのM分子量を有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも150である、ゴルフボールを開示する。
【0038】
本発明は、また、コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、コアが、溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の30%~55%が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも800kDaのM分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも1.58である、ゴルフボールを開示する。
【0039】
本発明のゴム組成物で作製されたコアを有するゴルフボールは、典型的には、過酸化物硬化系を使用して硬化される。使用する過酸化物は、典型的には、過酸化ジクミル、t-ブチルペルオキシベンゾエート、またはジ-t-ブチルペルオキシドなどの有機過酸化物であろう。普通、このようなゴルフボール用のコンパウンド中に過酸化ジクミルを使用することが好ましい。過酸化物は、典型的には、約0.5phr~約3phrの範囲内のレベルでゴルフボールのゴム成分中に存在する。過酸化物は、好ましくは、約1phr~約
2.5phrの範囲内のレベルでゴルフボールのゴム成分中に存在する。
【0040】
ゴルフボールは、米国特許第6,713,565号の教示に従って、本発明の樹脂変性エマルジョンゴムを使用して作製することができる。このような固体ゴルフボールは、一般に、コアおよび樹脂カバーを含む。固体ゴルフボールの設計は、一体成形によって得られるコアを含んでもよいが、コア上に1つまたは複数の層が被覆されている多数個取り設計であってもよい。いずれの場合も、このような固体ゴルフボールは、共架橋剤および過酸化物も含むシス-1,4-ポリブタジエンゴム含有組成物を加硫することによって弾性部を含む。
【0041】
シス-1,4-ポリブタジエンゴムに加えて、ゴルフボールの弾性部は、スチレン-ブタジエンゴム、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、スチレン-イソプレンゴムなどの追加のゴムも含有し得る。ゴルフボールの弾性部に含まれ得るこのような追加のゴムの量は、普通、ゴルフボールの弾性部に含まれるゴムの総量に基づいて、約60phr(ゴムに重量による100部当たりの部)以下である。したがって、ゴルフボールの弾性部は、普通、約40phr~100phrのシス-1,4-ポリブタジエンおよび0phr~約60phrの該追加のゴムを含有する。普通、該追加のゴムは、約30phr以下のレベルで、ゴルフボールの弾性部に存在することが好ましい。普通、該追加のゴムは、約15phr以下のレベルで、ゴルフボールの弾性部に存在することがより好ましい。ゴルフボールの弾性部に使用される共架橋剤は、典型的には、不飽和カルボン酸またはその金属塩である。例えば、共架橋剤は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、またはこれらの混合物であってもよい。共架橋剤は、典型的には、約15phr~約60phrの範囲内のレベルで、ゴルフボールのゴム状成分中に存在する。共架橋剤は、典型的には、約25phr~約40phrの範囲内のレベルで、ゴルフボールの弾性部中に存在する。米国特許第6,713,565号の教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
樹脂変性油展溶液ゴムおよび樹脂変性エマルジョンゴムは両方とも、本発明の方法を利用して作製することができる。溶液ゴムは、適切な有機溶媒中の溶液重合によって作製されたゴム状ポリマーであり、およびエマルジョンゴムは、水性媒体中での乳化重合によって作製されるゴム状ポリマーであることに留意すべきである。いずれの場合も、樹脂変性溶液ゴム組成物は、(1)油組成物をゴムセメント中にブレンドする工程であって、油組成物が油および炭化水素樹脂を含む、工程と、(2)ゴムセメントから樹脂変性油展ゴムを回収する工程とによって、本発明に従って作製することができる。一方、樹脂変性エマルジョンゴム組成物は、(1)油組成物をゴムエマルジョン中にブレンドする工程であって、油組成物が油および炭化水素樹脂を含む、工程と、(2)ゴムエマルジョンから樹脂変性ゴムを回収する工程とによって、本発明に従って作製することができる。
【0043】
ゴムの油展において使用される油組成物は、典型的には、約5phr~100phr(ゴム100重量部当たりの部)の範囲内であるレベルで用いられるであろう。言い換えれば、約5phr~約100phrの油組成物が、ゴムセメント(溶液ポリマーの場合)またはゴムエマルジョン(エマルジョンポリマーの場合)に添加される。ほとんどの場合、油組成物は、6phr~80phrの範囲内であるレベルで添加される。多くの場合、油組成物は、8phr~60phrの範囲内であるレベルで添加される。油組成物は、好ましくは、10phr~40phrの範囲内であるレベルで添加される。
【0044】
典型的には、油組成物は、油中に効果的に分散できるほど多くの樹脂を含有することが望ましい。いずれの場合も、伸展油組成物中の樹脂レベルは、普通、(伸展油組成物中の樹脂および油の総重量に基づき)10重量%~60重量%の範囲内である。ほとんどの場
合、樹脂は、20重量%~55重量%の範囲内であるレベルで伸展油組成物中に含まれる。油は典型的には、高温まで加熱され、油中への樹脂の混合を促進する。多くの場合、混合を促進するために、50℃~130℃の範囲内である温度まで油を加熱することが好都合である。典型的には、樹脂を油中に混合する前に、油を80℃~110℃の範囲内の温度まで加熱することが好都合である。
【0045】
添加される伸展油組成物の量は、典型的には、少なくとも5phrの油および少なくとも5phrの樹脂を含む油展生成物を生成するために十分な量である。添加することができる伸展油組成物の最大総レベルは、約100phrである(油および樹脂の総重量は、普通、100phrを超えない)。ほとんどの場合、伸展油組成物は、約80phr超のレベルで添加されることはない。ほとんどの場合、伸展油組成物は、作製される油展ゴム中に10phr~40phrの油および5phr~30phrの樹脂をもたらすために十分なレベルで添加される。典型的には、伸展油組成物は、作製される油展ゴム中に15phr~35phrの油および8phr~20phrの樹脂をもたらすために十分なレベルで添加されることが好ましい。典型的には、伸展油組成物は、作製される油展ゴム中に20phr~30phrの油および10phr~15phrの樹脂をもたらすために十分なレベルで添加されることがより好ましい。
【0046】
樹脂変性油展ゴムの製造に使用される油は、石油系油、例えば高度な芳香油、芳香油、ナフテン油、パラフィン系油、またはこれらの混合物であってもよい。利用される石油系油は、ASTM Designation D2226で詳述された101型、102型、103型、もしくは104型、またはこれらの混合物であってもよい。MES、TDAE、および重質ナフテン系油などの低PCA油も使用できる。好適な低PCA油としては、これらに限定されないが、軽度抽出溶媒和物(mild extraction solvate: MES)、処理残留芳香族抽出物(TDAE)、および重質ナフテン系油が、当該技術分野において公知であるものとして挙げられ、米国特許第5,504,135号、米国特許第6,103,808号、米国特許第6,399,697号、米国特許第6,410,816号、米国特許第6,248,929号、米国特許第6,146,520号、米国特許公開第2001/00023307号、米国特許公開第2002/0000280号、米国特許公開第2002/0045697号、米国特許公開第2001/0007049号、欧州特許第0839891号、日本特許第2002097369号、およびES2122917号にさらに記載されており、これらは、好適な油を開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。一般に、好適な油としては、約-40℃~約-80℃の範囲のガラス転移温度Tgを有するものを含めた低PCA油、約-57℃~約-63℃の範囲のTgを一般に有するMES油、約-44℃~約-50℃の範囲のTgを一般に有するTDAE油、約-42℃~約-48℃の範囲のTgを一般に有する重質ナフテン系油が挙げられる。TDAE油のTgの好適な測定は、ASTM E1356に準拠したDSC、またはその同等物である。
【0047】
好適な低PCA油には、IP346法によって決定された含有量が3%未満の多環芳香族を有するものが含まれる。IP346法の手順は、Institute of Petroleumによって刊行されたStandard Method for Analysis & Testing of Petroleum and Related Products and British Standard 2000 Parts,2003,62編に記載されている。一実施形態において、低PCA油は、MES、TDAE、または以下の表で識別される特性を有する重質ナフテン型であってもよい。
【0048】
【表2】
【0049】
一実施形態において、低PCA油は、(1)重質石油蒸留物の溶媒抽出、または(2)触媒の存在下で水素を用いて重質石油蒸留物を処理した後の溶剤脱蝋によって得られるC20~C50の範囲の飽和炭化水素から主に構成される複合的な組み合わせであるMES型であってもよい。一実施形態において、低PCA油は、1mg/kg以下のベンゾ(a)ピレン、および合計10mg/kg以下の多環式芳香族炭化水素(ベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(e)ピレン、ベンゾ(a)アントラセン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(j)フルオランテン、ベンゾ(k)フルオランテン、ジベンゾ(a,h)アントラセン、およびクリセン)を含有する。好適なTDAE油は、Klaus Dahleke KGからのTudalen SX500、H&R GroupからのVivaTec400およびVivaTec500、ならびにBPからのEnerthene 1849、ならびにRepsolからのExtensoil 1996として入手可能である。油は、油単体で、または伸展エラストマーの形態のエラストマーと一緒に入手可能であり得る。
【0050】
本発明の実施に際して、油は、植物油などのトリグリセリド油であることが好ましい。以下の表は、利用可能なトリグリセリド油の数を列挙し、これらの植物油(トリグリセリド油)の飽和、モノ不飽和およびポリ不飽和含有量を示す。使用する植物油は、135未満、好ましくは130未満のヨウ素価を有することが好ましい。
植物油 飽和 モノ不飽和 ポリ不飽和
大豆 16% 45% 40%
キャノーラ(ナタネ) 7% 63% 28%
トウモロコシ 13% 28% 55%
ココナツ 87% 6% 2%
綿実 26% 18% 52%
オリーブ 14% 73% 11%
パーム 49% 37% 9%
ピーナッツ 17% 46% 32%
サフラワー 10% 45% 40%
一般に遺伝子修飾大豆を、本発明の実施に際して用いられる大豆油の供給源として使用することもできる。このような大豆油は、より多くのオレイン酸含有量を有し、場合によ
り、高オレイン酸大豆油(HOSBO)と呼ばれる。いずれの場合も、HOSBOは、典型的には、約74.5%のオレイン酸を含有する。
【0051】
油展エマルジョンポリマーが作製される場合では、油は、普通、水中油型エマルジョンに乳化される。水中油型エマルジョンの作製に使用される水は、好ましくは、低含有量しか溶解鉱物を有さないイオン交換水または蒸留水などである。エマルジョンの作製に使用される界面活性剤は、油および水と良好な相溶性を有するべきである。いずれの場合も、トリグリセリド油などの油に対する高い親和性を理由に、非イオン性界面活性剤を利用することが好ましい。非イオン性界面活性剤の中でも、これらのいくつかは、曇り点を有し、凝固し易さの観点から、比較的低い曇り点を有する非イオン性界面活性剤が好ましい。本明細書では、曇り点は、非イオン性界面活性剤が水に不溶性になる温度として見なされ、この時の温度は、溶液が白濁に変化するため、曇り点と呼ばれる。
【0052】
本発明において使用される非イオン性界面活性剤は、親水性部分(A)および親油性部分(B)を有する。親水性部分(A)に関しては、植物油などの油に対する親和性が高い観点から、(-CH-CH-O-)のオキシエチレン鎖の繰り返し単位を有するポリオキシエチレン化合物が使用される。親水性部分(A)中のオキシエチレン鎖の繰り返し単位の数nは、好ましくは、2以上、より好ましくは4以上、さらにより好ましくは5以上である。親水性部分(A)のnが2未満であるとき、化合物は水に溶解しない傾向がある。親水性部分(A)の数nは、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、さらにより好ましくは20以下である。親水性部分(A)のnが40超であるとき、乳化能力は低下し、安定性のエマルジョンが調製できない傾向がある。
【0053】
親油性部分(B)は、好ましくは、油、特に植物油との親和性が高い観点から、アルキルエーテルおよび/またはアルケニルエーテルが好ましい。アルキルエーテルの例としては、ラウリルエーテル、セチルエーテル、およびステアリルエーテルがあり、本発明において使用できるアルキルエーテルは、これらの例のみに限定されない。加えて、炭素原子の数が異なるアルキルビニルエーテルをブレンドしてもよい。アルケニルエーテルの例としては、オレイルエーテルがある。上記の条件を満たす界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレン水素化ヒマシ油があり、これらの界面活性剤は、単独で使用してもよいが、これらの少なくとも2種類を組み合わせて使用してもよい。上記の界面活性剤の中でも、ソルビタン脂肪酸エステルの例としては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、およびポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエートがある。
【0054】
エマルジョンの安定性を強化するために、アニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤を、非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用してもよい。アニオン性界面活性剤の例としては、例えば、硫酸アルキル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホネート、脂肪酸塩、およびホルマリンとナフタレンスルホネートとの縮合体がある。特定のタイプのアニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤との組み合わせは、意図して使用する油のタイプと共に適宜に選択してもよい。これらの比も、使用する油の種類および界面活性剤系のタイプに応じて適宜に選択してよい。
【0055】
油、水および界面活性剤を含むエマルジョン中の界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上である。界面活性剤の含有量が0.1
重量%未満のとき、エマルジョンの安定性は不十分になる傾向がある。界面活性剤の含有量は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは8重量%以下である。界面活性剤の含有量が10重量%超のとき、界面活性剤は容易にゴム中に残留し、さらに吸水性がゴムに付与されてゴムの物理的性質を低減し、その費用が上がる傾向がある。
【0056】
水中油型エマルジョンは、当該技術分野において公知の標準の設備および従来技術を利用して作製することができる。より具体的には、油、界面活性剤および水は、典型的には、ホモジナイザーなどの高速攪拌装置で混合し、水中に微粒子径の油を分散させ、したがって水中油型エマルジョンを調製することができる。高速攪拌装置の回転数は、好ましくは1000rpm以上、より好ましくは2000rpm以上である。高速攪拌装置の回転数が1000rpm未満のとき、十分に微細な粒径の油滴を得ることができない傾向がある。
【0057】
高速攪拌装置による混合時間は、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。高速攪拌装置による混合時間が3分未満のとき、十分に安定性のエマルジョンを得ることができない傾向がある。高速攪拌装置による混合時間は、好ましくは5時間以下、より好ましくは3時間以下である。高速攪拌装置による混合時間が5時間超のとき、攪拌を継続することによっては効果を得ることができず、したがって、生産性が低くなる傾向がある。
【0058】
本発明の実施に際して使用される樹脂は、典型的には、30℃超のTgを有する。樹脂は、炭化水素樹脂、フェノール/アセチレン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン由来樹脂およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。代表的な炭化水素樹脂としては、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、テルペンポリマー、アルファメチルスチレン樹脂およびこれらの混合物が挙げられる。クマロンインデン樹脂は、10~160℃の範囲の融点(環球法によって測定する)を有する多くの形態で市販されている。好ましくは、融点は、30℃~100℃の範囲内である。クマロンインデン樹脂は、多量のポリインデンを含む。しかし、クマロンインデン樹脂は、典型的には、メチルインデン、クマロン、メチルクマロン、スチレンおよびメチルスチレンに由来するランダムポリマー単位を含有する。
【0059】
石油樹脂は、10℃~120℃の範囲の軟化点で市販されている。好ましくは、石油樹脂の軟化点は、30℃~100℃の範囲内である。好適な石油樹脂は、芳香族および非芳香族の両タイプを含む。いくつかのタイプの石油樹脂が入手可能である。一部の樹脂は、不飽和度が低く、芳香族含有量が多いが、一方で一部は、不飽和度が高く、さらに一部は、芳香族構造を一切含まない。樹脂の違いは、樹脂が誘導される供給原料中のオレフィンが主因である。このような樹脂の従来の誘導体としては、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、これらの二量体およびジオレフィン、例えばイソプレンおよびピペリレンが挙げられる。
【0060】
テルペンポリマーは、典型的には、ミネラルスピリット中のアルファ-ピネンおよびベータ-ピネンの混合物を重合することによって市販用に製造されている。樹脂は、通常、10℃~135℃の範囲の様々な融点で供給される。フェノール/アセチレン樹脂も使用することができる。フェノール/アセチレン樹脂は、ナフテン酸亜鉛の存在下でアセチレンをブチルフェノールに添加することによって誘導してよい。追加の例は、アルキルフェノールおよびアセチレンから誘導される。
【0061】
テルペンフェノール樹脂も使用することができる。テルペンフェノール樹脂は、フェノール性モノマーとテルペン、リモネンおよびピネンとを共重合させることによって誘導することができる。ロジンおよび誘導体から誘導される樹脂を、本発明において使用しても
よい。ゴムおよびウッドロジンは、ほぼ同じ組成を有するが、種々の異性体の量は様々であり得る。これらは、典型的には、約10重量%の中性物質、53重量%の2つの二重結合を含む樹脂酸、13重量%の1つの二重結合を含む樹脂酸、16重量%の完全に飽和した樹脂酸および2%の芳香環を含むが不飽和を有さないデヒドロアビエチン酸を含有する。また、約6%の酸化酸も存在する。ジ不飽和酸の代表例としては、アビエチン酸、レボピマル酸およびネオアビエチン酸が挙げられる。モノ不飽和酸の代表例としては、デキストロプルマリス酸(dextroplmaris acid)およびジヒドロアビエチン酸が挙げられる。代表的な飽和ロジン酸は、テトラヒドロアビエチン酸である。
【0062】
一実施形態において、樹脂は、スチレンおよびアルファ-メチルスチレンに由来する。一態様では、その分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)と組み合わせたそのガラス転移温度(Tg)特性は、ゴム組成物中における樹脂の好適な相溶性をもたらすと考えられ、相溶性の程度は、ゴム組成物の性質に直接関連する。スチレン/アルファ-メチルスチレン樹脂と、スチレン-ブタジエンエラストマーの存在を含有するゴムブレンドとの存在は、本明細書において有利であると考えられるが、それは、トレッドゴム組成物の観察される粘弾性特性、例えば、以下で大まかに記述するような異なる温度/周波数/歪みにおける複素弾性率および貯蔵弾性率、損失弾性率タンデルタおよび損失コンプライアンスが理由である。複素弾性率および貯蔵弾性率、損失弾性率タンデルタおよび損失コンプライアンスの特性は、一般に、当業者に周知であると理解される。これらは以下で大まかに記述する。
【0063】
樹脂の分子量分布は、樹脂の分子量平均値(Mw)と分子量数平均値(Mn)との比として視覚化され、本明細書では、約1.5/l~約2.5/lの範囲であると考えられ、これは比較的狭い範囲であると考えられる。これは有利であると考えられるが、それは、ポリマーマトリクスとの選択的相溶性、ならびに広範囲にわたる温度での湿潤および乾燥条件下のタイヤの企図された使用が理由である。
【0064】
コポリマー樹脂のガラス転移温度Tgは、本明細書において、幾分か、特定の樹脂変性油展ゴムの意図された使用に応じて、約20℃~約100℃の範囲、あるいは約30℃~約80℃の範囲であると考えられる。樹脂のTgの好適な測定法は、ASTM D6604に準拠したDSCまたは同等物である。
【0065】
スチレン/アルファ-メチルスチレン樹脂は、本明細書において、スチレンとアルファ-メチルスチレンとの比較的短鎖のコポリマーであり、スチレン/アルファ-メチルスチレンのモル比が約0.40~約1.50の範囲であると考えられる。一態様において、このような樹脂は、例えば、炭化水素溶剤中でスチレンとアルファ-メチルスチレンとをカチオン共重合させることによって、適宜に調製することができる。したがって、企図されるスチレン/アルファ-メチルスチレン樹脂は、例えば、その化学構造、すなわち、そのスチレンおよびアルファ-メチルスチレンの含有量ならびに軟化点によって、また、必要に応じて、そのガラス転移温度、分子量および分子量分布によって、特徴付けることができる。
【0066】
一実施形態において、スチレン/アルファ-メチルスチレン樹脂は、約40~約70%のスチレン由来単位、および、それに応じて、約60~約30%のアルファ-メチルスチレン由来単位で構成される。一実施形態において、スチレン/アルファ-メチルスチレン樹脂は、ASTM No.E-28による、約80℃~約145℃の範囲の軟化点を有する。好適なスチレン/アルファ-メチルスチレン樹脂は、EastmanからResin2336として、またはArizona ChemicalからSylvares SA85として市販されている。
【0067】
実質的にいずれのタイプの高分子量の合成ゴムも、本発明に従って油展および樹脂変性することができる。例えば、溶液スチレン-ブタジエンゴム(SSBR)、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム(ESBR)、ポリブタジエンゴム、合成ポリイソプレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、イソプレン-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエンゴム、シリコンゴム、ニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴムなどは、樹脂変性することができ、同時に本発明の方法に従って油展することができる。樹脂変性溶液スチレン-ブタジエンゴム(SSBR)、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム(ESBR)、高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、および合成ポリイソプレンゴムを製造する上で特に価値が高く、これらは、タイヤトレッド用コンパウンド中に使用するために配合される。
【0068】
本発明に従って樹脂変性および油展された高シス-1,4-ポリブタジエンゴムは、米国特許第4,983,695号の教示に従ってニッケルベースの触媒系を用いて合成することができる。この方法は、(1)有機ニッケル化合物と、(2)有機アルミニウム化合物と、(3)フッ化水素ならびにケトン、エステル、エーテル、アルコール、フェノールおよび水でフッ化水素を錯化することによって調製されるフッ化水素複合体からなる群から選択されるフッ素含有化合物との混合物を触媒系として用いて、脂肪族および/または脂環式溶媒系の溶液中で1,3-ブタジエンを重合することを要し、前記重合は、少量のαオレフィン(エチレンまたはプロピレンなど)の存在下で実施する。この技術は、より具体的には、(1)カルボン酸のニッケル塩と、(2)トリアルキルアルミニウム化合物と、(3)エーテルでフッ化水素を錯化することによって調製されるフッ素含有化合物との混合物を触媒系として用いて、脂肪族および/または脂環式溶媒系の溶液中で1,3-ブタジエンを重合することによって、高シス-1,4-ポリブタジエンを合成することを要し、前記トリアルキルアルミニウム化合物と前記カルボン酸のニッケル塩とのモル比は、約0.3/l~約300/lの範囲であり、前記フッ素含有化合物と前記カルボン酸のニッケル塩とのモル比は、約0.5/l~約500/lの範囲であり、フッ素含有化合物とトリアルキルアルミニウム化合物とのモル比は、約0.4/l~約15/lの範囲であり、前記重合は、0.73~4.57phmのプロピレンの存在下で実施される。高シス-1,4-ポリブタジエンゴムの合成において使用できるニッケルベースの触媒系のより詳細な説明は、カナダ特許第1,284,545号に記載されている。カナダ特許第1,284,545号の教示は、該ニッケルベースの触媒系を開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
高シス-1,4-ポリブタジエンはまた、米国特許第5,698,643号に記載の方法を利用して合成できる。この方法は、(1)オクタン酸ニッケルと、(2)トリイソブチルアルミニウムと、(3)ジブチルエーテルでフッ化水素を錯化することによって調製されるフッ化水素複合体との混合物を触媒系として用いて、約65℃の温度のヘキサン溶液中で1,3-ブタジエンモノマーを重合することを含み、前記トリイソブチルアルミニウムと前記オクタン酸ニッケルとのモル比は約40:1であり、フッ化水素複合体と前記オクタン酸ニッケルとのモル比は約105:1であり、フッ化水素複合体とトリイソブチルアルミニウムとのモル比は約2.6:1であり、前記重合は、分子量調整剤として作用して高シス-1,4-ポリブタジエンの分子量を減少させる2~15phmのイソブテンの存在下で実施される。
【0070】
高シス-1,4-ポリブタジエンはまた、米国特許第5,451,646号の教示に従って合成することができる。この方法は、(a)有機ニッケル化合物と、(b)有機アルミニウム化合物と、(c)フッ素含有化合物と、(d)パラ-スチレン化ジフェニルアミンとの存在下で1,3-ブタジエンを重合することを含み、有機アルミニウム化合物およびフッ素含有化合物は、パラ-スチレン化ジフェニルアミンの存在下で合わせる。米国特許第4,983,695号、米国特許第5,698,643号および米国特許第5,45
1,646号の教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
高シス-1,4-ポリブタジエンはまた、希土類金属触媒系を利用して合成することができる。例として、1,3-ブタジエンモノマーの高シス-1,4-ポリブタジエンへの立体規則性重合のための有機金属混合触媒系の成分としての希土類金属化合物の使用は、米国特許第4,260,707号によって開示される。米国特許第4,260,707号で開示される触媒系は、(a)希土類カルボキシレートおよびと、アルミニウムに結合した1~20個の炭素原子を有する3つの炭化水素残基があるアルミニウム化合物とを反応させることによって生成される反応混合物と、(b)トリアルキルアルミニウムおよび/または水素化ジアルキルアルミニウムと、(c)ルイス酸とを含む。高含有量の1,4-シス単位および高い直鎖性を有する共役ジオレフィンポリマーまたはコポリマーの改善された調製方法が、米国特許第4,444,903号に開示されている。このプロセスでは、触媒系は、(a)希土類元素の少なくとも1つのカルボキシレートまたはアルコラートと、(b)三級有機ハロゲン化合物と、(c)式RAlR(式中、RおよびRはアルキル残基であり、Rは水素原子またはアルキル基である)のハロゲン化合物イオンを含まない有機金属アルミニウム化合物とから調製される。共役ジエンポリマーを製造するための希土類化合物を含有する有機金属混合触媒系の別の使用例が、米国特許第4,461,883号に開示されている。このプロセスは、(A)AlR(式中、R、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、水素またはアルキル置換基を表すが、R、RおよびRは全てが水素原子にはなり得ない)で表される、ルイス塩基とランタン系列の希土類元素のカルボキシレートとの反応生成物と、(C)アルキルアルミニウムと、(D)任意選択の共役ジエンとからなる触媒を用いた少なくとも1種の共役ジエンの重合によって特徴付けられる。ランタンベースの触媒系も、(1)ランタン系列の希土類金属の化合物と、(2)有機アルミニウム化合物と、(3)ハロゲン含有化合物とから構成されてもよい。ランタン系列の希土類金属の化合物としては、セリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジムおよびガドリニウムなどの57~約71の範囲内の原子数を有する元素のカルボキシレート、アルコキシド、チオアルコキシド、ハロゲン化合物、アミドなどが挙げられる。供給源のいくつかの代表例には、カルボキシレート、アルコキシドまたはチオアルコキシドオクタン酸、2-エチル-ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、2-エチル-ヘキシルアルコール、オレイルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、チオフェノールなどがある。いずれの場合も、希土類金属は、単独で使用してもよいが、2つ以上の追加の希土類金属の組み合わせで使用してもよい。ランタン系列の希土類元素の化合物を重合触媒系中に可溶化するために、この化合物を、必要に応じて、ルイス塩基および/またはルイス酸との混合物または反応生成物として使用してもよい。典型的には、ルイス塩基の使用が好ましい。利用可能なルイス塩基のいくつかの代表例としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N’-ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、一価または二価アルコールなどが挙げられる。有機アルミニウム化合物は、典型的には、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物である。これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムおよびトリヘキシルアルミニウムなどである。ハロゲン含有化合物は、典型的には、三フッ化ホウ素、フッ素水素をジアルキルエーテルで錯化することによって調製されるフッ化水素複合体、またはハロゲン化アルミニウム化合物などのフッ素または塩素含有化合物である。該触媒系は、米国特許第4,533,711号でより詳細に記述され、その教示は、有用な触媒系を開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
いずれの場合も、本発明に従って樹脂変性および油展された高シス-1,4-ポリブタジエンゴムは、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂から構成
され、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも5であることによって特徴付けることができる。高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物は、典型的には、少なくとも1,000,000DaのM分子量を有し、より典型的には、少なくとも1,500,000DaのM分子量を有する。
【0073】
高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物は、より典型的には、M分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも5.5であり、より典型的には、M分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも6である。高シス-1,4-ポリイソプレンゴムは、M分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも6.1であってもよく、M分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも6.2でもよい。
【0074】
高シス-1,4-ポリブタジエンゴムは、より典型的には、含有量が少なくとも94%のシス-微細構造を有し、より頻繁には、含有量が少なくとも95%のシス-微細構造を有する。多くの場合、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムは、含有量が少なくとも96%、少なくとも97%、またはさらには少なくとも98%と同等のシス-微細構造を有する。多くの場合、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムは、少なくとも2.3の多分散性を有し、少なくとも2.4の多分散性を有し得る。
【0075】
本発明に従って作製された樹脂変性油展合成ポリイソプレンゴム組成物は、含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-ポリイソプレンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂から構成され、高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-ポリイソプレンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも2.7であることによって特徴付けることができる。高シス-ポリイソプレンゴムは、頻繁には、少なくとも1,000,000DaのM分子量を有し、典型的には、少なくとも1,200,000DaのM分子量を有する。多くの場合、高シス-ポリイソプレンゴムは、少なくとも1,400,000DaのM分子量を有し、少なくとも1,500,000DaのM分子量を有し得る。
【0076】
高シス-ポリイソプレンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比は、典型的には、少なくとも2.8または2.9である。多くの場合、高シス-ポリイソプレンゴムは、M分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも3.0であり、頻繁には、M分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも3.1である。高シス-1,4-ポリイソプレンゴムは、典型的には、少なくとも1.8、より一般的には少なくとも1.85の多分散性を有する。多くの場合、高シス-1,4-ポリイソプレンゴムは、少なくとも1.9の多分散性を有する。
【0077】
高シス-ポリイソプレンゴムは、含有量が少なくとも95%または少なくとも96%のシス-微細構造を有するネオジムポリイソプレンゴムであってもよい。多くの場合、ネオジムポリイソプレンゴムは、含有量が96%~98%の範囲内のシス-微細構造、含有量が0.5%未満のトランス-微細構造、および含有量が2%~4%の範囲内の3,4-微細構造を有する。ネオジムポリイソプレンゴムは、(1)有機アルミニウム化合物と、(2)有機ネオジム化合物と、(3)少なくとも1つの不安定ハロゲン化合物イオンを含む少なくとも1種の化合物とを含む三成分触媒系の触媒系を用いて合成することができる。このようなネオジム触媒系は、米国特許第6,780,948号に記載されており、その教示は、参照により本明細書に組み込まれる。この特許は、ネオジム触媒系の存在下でイソプレンモノマーを重合させることを含む、ポリイソプレンゴムの合成方法を記載しており、ネオジム触媒系は、(1)イソプレンの存在下で、約10分~約30分の間、ネオジムカルボキシレートを有機アルミニウム化合物と反応させてネオジム-アルミニウム触媒
成分を生成することと、(2)後続して、少なくとも30分間、ネオジム-アルミニウム触媒成分を塩化ジアルキルアルミニウムと反応させてネオジム触媒系を生成することとによって調製される。
【0078】
また、合成ポリイソプレンゴムは、含有量が少なくとも96%または97%のシス-微細構造を有するチタンポリイソプレンゴムであってもよい。例としては、チタンポリイソプレンゴムは、含有量が97%~99%の範囲内のシス-微細構造および含有量が1%~3%の範囲内のトランス-微細構造を有してもよい。いくつかの場合では、チタンポリイソプレンゴムは、含有量が0.2%~0.8%の範囲内の3,4-微細構造を有する。
【0079】
また、合成ポリイソプレンゴムは、含有量が少なくとも86%のシス-微細構造を有するリチウムポリイソプレンゴムであってもよい。多くの場合、リチウムポリイソプレンゴムは、含有量が88%~92%の範囲内のシス-微細構造、含有量が5%~8%の範囲内のトランス-微細構造、および含有量が3%~4%の範囲内の3,4-微細構造を有する。
【0080】
本発明に従って作製された樹脂変性油展エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物は、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂からなり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも25,000kDaのM分子量を有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも150であることによって特徴付けることができる。
【0081】
エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、典型的には、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する。エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、より典型的には、含有量が24%~32重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が68重量%~76重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する。エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、より典型的には、含有量が27%~30重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が70重量%~73重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する。典型的には、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の62%~68%は、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の15%~21%は、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の14%~20%は、ビニル-微細構造である。より典型的には、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の63%~67%は、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の16%~20%は、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の15%~19%は、ビニル-微細構造である。多くの場合、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の64%~66%は、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の17%~19%は、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の16%~18%は、ビニル-微細構造である。
【0082】
エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、典型的には、少なくとも30,000kDaのM分子量を有する。より典型的には、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、少なくとも34,000kDaまたは少なくとも36,000kDaのM分子量を有する。いくつかの場合では、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、少なくとも38,000kDaのM分子量を有する。エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比は、普通、少なくとも175である。多くの場合、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比は、少なくとも180、少なくとも190、少なくとも200、少なくとも210、または少なくとも215である。エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、典型的には、少なくとも40の多分散性を有する。多くの場合、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムは、少なくとも45またはさらには少なくとも50の多分散性を有する。
【0083】
本発明に従って作製された樹脂変性油展溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物は、溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の25%~55%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも800kDaのM分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも1.58であることによって特徴付けることができる。
【0084】
溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物は、典型的には、含有量が24%~32重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が68重量%~76重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する。溶液スチレン-ブタジエンゴムは、頻繁には、含有量が27%~30重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が70重量%~73重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する。典型的には、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の38%~52%が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の28%~48%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の6%~30%が、ビニル-微細構造である。より典型的には、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の40%~50%は、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の30%~46%は、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の8%~28%は、ビニル-微細構造である。
【0085】
溶液スチレン-ブタジエンゴムは、典型的には、少なくとも810kDaのM分子量を有する。溶液スチレン-ブタジエンゴムは、より典型的には、少なくとも820kDaのM分子量、多くの場合、少なくとも830kDaのM分子量を有する。多くの場合では、溶液スチレン-ブタジエンゴムは、少なくとも835kDaのM分子量を有する。溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも840kDaのM分子量を有すること
が場合により好ましい。溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比は、典型的には、少なくとも1.60である。多くの場合では、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比は、少なくとも1.62である。溶液スチレン-ブタジエンゴムは、典型的には、少なくとも1.30の多分散性を有する。多くの場合では、溶液スチレン-ブタジエンゴムは、少なくとも1.31の多分散性を有する。溶液スチレン-ブタジエンゴムは、頻繁には、少なくとも1.32の多分散性を有する。
【0086】
次いで、樹脂変性油展ゴムを、従来のゴム配合材料および助剤と配合することができる。一般的に用いられるケイ質顔料を、ゴムコンパウンドに使用してもよく、従来の焼成および沈降ケイ質顔料(シリカ)が挙げられるが、沈降シリカが好ましい。本発明において用いられることが好ましい、従来のケイ質顔料は、沈降シリカ、例えば、可溶性ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムの酸性化によって得られるものなどがある。
【0087】
このような従来のシリカは、例えば、好ましくは約40~約600の範囲、より一般的には約50~約300平方メートル/グラムの範囲の窒素ガスを使用して測定したBET表面積を有することによって特徴付けることができる。表面積を測定するBET法は、Journal of the American Chemical Society,60巻、304頁(1930年)に記載されている。また、従来のシリカは、典型的には、約100~約400、より一般的には約150~約300の範囲のフタル酸ジブチル(DBP)吸収値を有することによって特徴付けることもできる。従来のシリカは、例えば、電子顕微鏡によって決定される0.01~0.05ミクロンの範囲の平均究極粒径を有することが期待され得るが、シリカ粒子は、さらにサイズが小さい可能性がある、または場合によってはサイズが大きい場合がある。
【0088】
様々な市販のシリカ、例えば、本明細書における例に過ぎず、これらに限定されないが、PPG IndustriesからHi-Sil商標の名称210、243などで市販されるシリカ;Rhodiaから、例えば名称Z1165MPおよびZ165GRで市販されているシリカ;ならびにDegussa AGから、例えば、名称VN2およびVN3で市販されているシリカなどを使用してもよい。
【0089】
加硫可能なゴム組成物は、約5~約50phrのカーボンブラックを含んでもよい。一般的用いられるカーボンブラックを、従来のフィラーとして使用することができる。このようなカーボンブラックの代表例としては、N110、N121、N134、N220、N231、N234、N242、N293、N299、5315、N326、N330、M332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N683、N754、N762、N765、N774、N787、N907、N908、N990およびN991が挙げられる。これらのカーボンブラックは、9~145g/kgの範囲のヨウ素吸収および34~150cm.sup.3/100gの範囲のDBP数を有する。
【0090】
加硫可能なゴム組成物は、合わせた濃度が約50~約150phrで、シリカとカーボンブラックの任意の重量比にて、シリカおよびカーボンブラックの両方を含んでもよい。一実施形態において、加硫可能なゴム組成物は、ほぼ同じ重量の量で、すなわち、約1:1の重量比で、シリカおよびカーボンブラックの両方を含む。その他のフィラー、例えば超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を含めた微粒子フィラー、米国特許第6,242,534号、米国特許第6,207,757号、米国特許第6,133,364号、米国特許第6,372,857号、米国特許第5,395,891号、または米国特許第6,127,488号で開示されるものなどの微粒高分子ゲル、および米国特許第5,672,639号で開示されるものなどの可塑化デンプン複合フィラーを、樹脂変性油展ゴム組成物に使用してもよい。米国特許第6,242,534号、米国特許第6,207,757号、米国特許第6,133,364号、米国特許第6,372,857号、米国特許第5,395,891号、米国特許第6,127,488号、および米国特許第5,672,639号の教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
本発明の樹脂変性油展ゴム組成物は、追加で、従来の含硫有機ケイ素化合物を含有してもよい。本発明に従って使用することができる好適な含硫有機ケイ素化合物の例としては、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(トリ
エトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、2,2’-ビス(トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3’-ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)ヘキサスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3,3’-ビス(トリオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(トリ-2’’-エチルヘキソキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3’-ビス(トリイソオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリ-t-ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、2,2’-ビス(メトキシジエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、2,2’-ビス(トリプロポキシシリルエチル)ペンタスルフィド、3,3’-ビス(トリシクロネキソキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリシクロペントキシシリルプロピル)トリスルフィド、2,2’-ビス(トリ-2’’-メチルシクロヘキソキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルメチル)テトラスルフィド、3-メトキシエトキシプロポキシシリル3’
-ジエトキシブトキシ-シリルプロピルテトラスルフィド、2,2’-ビス(ジメチルメトキシシリルエチル)ジスルフィド、2,2’-ビス(ジメチルsec.ブトキシシリルエチル)トリスルフィド、3,3’-ビス(メチルブチルエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(ジt-ブチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、2,2’-ビス(フェニルメチルメトキシシリルエチル)トリスルフィド、3,3’-ビス(ジフェニルイソプロポキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(ジフェニルシクロヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(ジメチルエチルメルカプレイヤートシリルプロピル)テトラスルフィド(3,3'-bis(dimethyl ethylmercap layertosilylpropyl)tetrasulfide)、2,2’-ビス(メチルジメトキシ
シリルエチル)トリスルフィド、2,2’-ビス(メチルエトキシプロポキシシリルエチル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(ジエチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(エチルジ-sec.ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(プロピルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(ブチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3’-ビス(フェニルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-フェニルエトキシブトキシシリル3’-トリメトキシシリルプロピルテトラスルフィド、4,4’-ビス(トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、6,6’-ビス(トリエトキシシリルヘキシル)テトラスルフィド、12,12’-ビス(トリイソプロポキシシリルドデシル)ジスルフィド、18,18’-ビス(トリメトキシシリルオクタデシル)テトラスルフィド、18,18’-ビス(トリプロポキシシリルオクタデセニル)テトラスルフィド、4,4’-ビス(トリメトキシシリル-ブテン-2-イル)テトラスルフィド、4,4’-ビス(トリメトキシシリルシクロヘキシレン)テトラスルフィド、5,5’-ビス(ジメトキシメチルシリルペンチル)トリスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリル-2-メチルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(ジメトキシフェニルシリル-2-メチルプロピル)ジスルフィドが挙げられる。
【0092】
好ましい含硫有機ケイ素化合物は、3,3’-ビス(トリメトキシまたはトリエトキシシリルプロピル)スルフィドである。最も好ましい化合物は、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドおよび3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドである。別の実施形態では、好適な含硫有機ケイ素化合物は、米国特許第6,608,125号に開示される化合物を含む。一実施形態において、含硫有機ケイ素化合物は、Momentive Performance MaterialsからNXT-Z(商標)で市販されている、3-(オクタノイルチオ)-1-プロピルトリエ
トキシシラン、CH(CHC(=O)-S-CHCHCHSi(OCHCHを含む。
【0093】
別の実施形態では、好適な含硫有機ケイ素化合物は、米国特許公開第2006/0041063号に開示されている。一実施形態において、含硫有機ケイ素化合物は、炭化水素ベースのジオール(例えば、2-メチル-1,3-プロパンジオール)とS-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]チオオクタノエートとの反応生成物を含む。一実施形態において、含硫有機ケイ素化合物は、Momentive Performance Materials製のNXT-Z(商標)である。別の実施形態では、含硫有機ケイ素化合物は、米国特許公開第2003/0130535号で開示されるものを含む。一実施形態において、含硫有機ケイ素化合物は、Degussa製のSi-363である。
【0094】
様々な硫黄加硫可能な成分のゴムを、例えば、硫黄供与体、活性剤および抑制剤および処理添加剤などの硬化助剤、フィラー、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤ならびに素練り促進剤などの様々な一般的に使用される添加剤と混合するような、ゴム配合技術において一般的に公知の方法によってゴム組成物が配合されると考えられることは、当業者は容易に理解することである。当業者に公知のように、硫黄加硫可能な材料および硫黄加硫した材料(ゴム)の使用目的に応じて、上記の添加剤を選択し、一般的に従来の量で使用する。硫黄供与体の代表例としては、元素硫黄(遊離硫黄)、アミンジスルフィド、高分子ポリスルフィド、および硫黄-オレフィン付加物が挙げられる。好ましくは、硫黄加硫剤は、元素硫黄である。硫黄加硫剤は、0.5~8phrの範囲の量で使用してもよく、1.5~6phrの範囲が好ましい。酸化防止剤の典型的な量は、約1~約5phrを占める。代表的な酸化防止剤は、例えば、ジフェニル-p-フェニレンジアミンおよびその他、例えば、The Vanderbilt Rubber Handbook(1978年)、344~346頁で開示されるものなどがあり得る。オゾン劣化防止剤の典型的な量は、約1~5phrを占める。使用する場合、ステアリン酸を含むことができる脂肪酸の典型的な量は、約0.5~約3phrを占める。酸化亜鉛の典型的な量は、約2~約5phrを占める。ワックスの典型的な量は、約1~約5phrを占める。多くの場合、微結晶ワックスを使用する。ペプタイザーの典型的な量は、約0.1~約1phrを占める。典型的なペプタイザーは、例えば、ペンタクロロチオフェノールおよびジベンズアミドジフェニルジスルフィドであってもよい。
【0095】
加硫に要する時間および/または温度を制御し、加硫物の特性を改善するために、促進剤が使用される。一実施形態において、単一の促進剤系、すなわち、一次促進剤を使用してもよい。一次促進剤は、約0.5~約4、好ましくは約0.8~約1.5phrの範囲の総量で使用してもよい。別の実施形態では、活性化し、加硫物の特性を改善するために、一次および二次促進剤の組み合わせを使用してもよく、二次促進剤を約0.05~約3phrなどの少量で使用する。これらの促進剤の組み合わせは、最終特性に相乗効果をもたらすことが予測でき、いずれか単独の促進剤を使用して生成したものより幾分か優れている。加えて、普通の処理温度では影響されないが、通常の加硫温度で満足の行く硬化をもたらす遅延作用促進剤を使用してもよい。加硫抑制剤も使用してもよい。本発明で使用可能な好適なタイプの促進剤は、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバマート、およびキサントゲン酸塩である。好ましくは、一次促進剤はスルフェンアミドである。二次促進剤を使用する場合、二次促進剤は、好ましくは、グアニジン、ジチオカルバマートまたはチウラム化合物である。
【0096】
ゴム組成物の混合は、ゴム混合技術分野における当業者に公知の方法によって実現することができる。例えば、成分は、典型的には、少なくとも2段階で、すなわち、少なくとも1回の非生産的段階の後に生産的混合段階を続けて混合される。硫黄加硫剤を含む最終
的硬化剤を、典型的には、混合が、先の非生産的混合段階の混合温度より低い温度または最終温度で典型的に行われる「生産的」混合段階と通常呼ばれる最終段階で混合する。用語「非生産的」および「生産的」混合段階は、ゴム混合技術分野における当業者に周知である。ゴム組成物は、熱機械混合工程を経てもよい。熱機械混合工程は、一般的に、140℃~190℃の間のゴム温度をもたらすために適した時間の間の、混合機または押出機における機械加工を含む。熱機械加工の適当な継続時間は、動作条件、ならびに成分の容量および性質に応じて変動する。例えば、熱機械加工は、1~20分であってもよい。
【0097】
本発明の樹脂変性油展ゴムは、タイヤ、伝動ベルト、コンベアベルト、トラック、空気ばね、アスファルト変性ポリマー、接着剤、靴底、フロントガラスワイパーブレード、ボーリング用のボール、ゴルフボール、エネルギー吸収フットパッドなどの多種多様の製品の製造において利用可能である。これらの樹脂変性ゴムは、数多くのタイヤコンポーネントに取り入れることができる。例えば、本発明の樹脂変性油展ゴムは、タイヤトレッド(トレッド外キャップ層およびトレッド内キャップ層を含む)およびタイヤ側壁に利用することができる。これは、タイヤエイペックス、チェーファー、側壁インサート、ワイヤーコートおよびインナーライナー配合物にも用いることができる。
【0098】
本発明の空気式タイヤは、レース用タイヤ、乗用車用タイヤ、航空機用タイヤ、農業用タイヤ、土木機械用タイヤ、オフロード用タイヤ、トラック用タイヤなどであってもよい。一般的には、タイヤは、乗用車用またはトラック用のタイヤである。また、タイヤは、ラジアルであってもバイアスであってもよいが、ラジアルが好ましい。
【0099】
本発明の空気式タイヤの加硫は、一般的には、約100℃~200℃の範囲の通常の温度で実施される。好ましくは、加硫は、約110℃~180℃の範囲の温度で行われる。通常の加硫プロセスのいずれか、例えばプレスまたは金型中での加熱、過熱蒸気または熱風による加熱を使用してもよい。このようなタイヤは、当業者に公知であり容易に理解される様々な方法によって建造、形成、成形および硬化することができる。
【0100】
例示目的のために以下の実施例を提示するが、これらは、本発明の範囲を限定するものではない。別段、特別な指定が無い限り、全ての部は、重量部である。
【0101】
[実施例1]
この一連の実験において、本発明の手順による「湿式混合」技術ならびに油展ポリマーおよび樹脂を混合機に別々に添加する「乾式混合」技術を利用して、ネオジムポリブタジエンゴム(シス-ポリブタジエンゴム)を配合した。使用した手順において、「湿式混合物」を作製する上で使用される樹脂/油伸展剤は、100℃の温度で1部の樹脂を2部の大豆油に溶解することによって調製した。この混合は、約30分間、激しく混合することによって実施した。次いで大豆油/樹脂混合物を、室温で約30分間、37.5phrのレベルで、ネオジムポリブタジエンゴムセメント中にブレンドした。次いでセメントをドラム乾燥して、樹脂変性ネオジムポリブタジエンゴムを回収した。
【0102】
また、乾式混合物は、まず、ネオジムポリブタジエンゴムセメントを25phrの大豆油で油展することによって調製した。次いで大豆油展ネオジムポリブタジエンゴムをドラム乾燥によって回収した。次いで乾燥した大豆油展ネオジムポリブタジエンゴムを1分間、70ccブラベンダー混合機中で60℃、60rpmにて混合した。次いで、12.5phrのポリテルペン樹脂を混合機に添加し、混合を5分間継続して、乾式混合した樹脂変性ポリブタジエンゴムを調製した。
【0103】
次いで「湿式混合」および「乾式混合」ゴムは、非対称流れ場流動分別によって特徴付け、数平均、重量平均およびz平均分子量を決定した。「湿式混合」および「乾式混合」
ゴムの両方について3回の分子量測定を行い、平均を以下の表に記録した。
【0104】
【表3】
【0105】
見てわかるように、Mz分子量とMn分子量の比は、湿式混合手順を用いた場合にずっと高くなった。これは、本発明の「湿式混合」手順によって作製されたゴムの場合のポリマー分解が少ないことおよび高分子量分率の保持を示す。その結果として、これは、タイヤトレッド配合物などの最終製品においてより優れた特性となる。
【0106】
[実施例2]
この一連の実験において、本発明の手順による「湿式混合」技術ならびに油展ポリマーおよび樹脂を混合機に別々に添加する「乾式混合」技術を利用して、ネオジムポリイソプレンゴム(シス-ポリブタジエンゴム)を配合した。使用した手順において、「湿式混合物」を作製する上で使用される樹脂/油伸展剤は、100℃の温度で1部の樹脂を2部の大豆油に溶解することによって調製した。この混合は、約30分間、激しく混合することによって実施した。次いで大豆油/樹脂混合物を、室温で約30分間、37.5phrのレベルで、ネオジムポリイソプレンゴムセメント中にブレンドした。次いでセメントをドラム乾燥して、樹脂変性ネオジムポリイソプレンゴムを回収した。
【0107】
また、乾式混合物は、まず、ネオジムポリイソプレンゴムセメントを25phrの大豆油で油展することによって調製した。次いで大豆油展ネオジムポリイソプレンゴムをドラム乾燥によって回収した。次いで乾燥した大豆油展ネオジムポリイソプレンゴムを1分間、70ccブラベンダー混合機中で60℃、60rpmにて混合した。次いで、12.5phrのポリテルペン樹脂を混合機に添加し、混合を5分間継続して、乾式混合した樹脂変性ポリイソプレンゴムを調製した。
【0108】
次いで「湿式混合」および「乾式混合」ゴムは、非対称流れ場流動分別によって特徴付け、数平均、重量平均およびz平均分子量を決定した。「湿式混合」および「乾式混合」ゴムの両方について3回の分子量測定を行い、平均を以下の表に記録した。
【0109】
【表4】
【0110】
見てわかるように、Mz分子量とMn分子量の比は、湿式混合手順を用いた場合にずっと高くなった。これは、本発明の「湿式混合」手順によって作製されたゴムの場合のポリマー分解が少ないことおよび高分子量分率の保持を示す。その結果として、これは、タイヤトレッド配合物などの最終製品においてより優れた特性となる。
【0111】
[実施例3]
この一連の実験において、本発明の手順による「湿式混合」技術ならびに油展ポリマーおよび樹脂を混合機に別々に添加する「乾式混合」技術を利用して、溶液スチレン-ブタジエンゴムを配合した。使用した手順において、「湿式混合物」を作製する上で使用される樹脂/油伸展剤は、100℃の温度で1部の樹脂を2部の大豆油に溶解することによって調製した。この混合は、約30分間、激しく混合することによって実施した。次いで大豆油/樹脂混合物を、室温で約30分間、37.5phrのレベルで、溶液スチレン-ブタジエンゴムセメント中にブレンドした。次いでセメントをドラム乾燥して、樹脂変性溶液スチレン-ブタジエンゴムを回収した。
【0112】
また、乾式混合物は、まず、溶液スチレン-ブタジエンゴムセメントを25phrの大豆油で油展することによって調製した。次いで大豆油展した溶液スチレン-ブタジエンゴムをドラム乾燥によって回収した。次いで乾燥した大豆油展溶液スチレン-ブタジエンゴムを1分間、70ccブラベンダー混合機中で60℃、60rpmにて混合した。次いで、12.5phrのポリテルペン樹脂を混合機に添加し、混合を5分間継続して、乾式混合した樹脂変性溶液スチレン-ブタジエンゴムを調製した。
【0113】
次いで「湿式混合」および「乾式混合」ゴムは、非対称流れ場流動分別によって特徴付け、数平均、重量平均およびz平均分子量を決定した。「湿式混合」および「乾式混合」ゴムの両方について2回の分子量測定を行い、平均を以下の表に記録した。
【0114】
【表5】
【0115】
見てわかるように、Mz分子量とMn分子量の比は、湿式混合手順を用いた場合に高くなった。これは、本発明の「湿式混合」手順によって作製されたゴムの場合のポリマー分解が少ないことおよび高分子量分率の保持を示す。その結果として、これは、タイヤトレッド配合物などの最終製品においてより優れた特性となる。
【0116】
[実施例4]
この一連の実験において、本発明の手順による「湿式混合」技術ならびに油展ポリマーおよび樹脂を混合機に別々に添加する「乾式混合」技術を利用して、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムを配合した。使用した手順において、「湿式混合物」を作製する上で使用される樹脂/油伸展剤は、100℃の温度で1部の樹脂を2部の大豆油に溶解することによって調製した。この混合は、約30分間、激しく混合することによって実施した。大豆油/樹脂混合物を、ロジン酸/脂肪酸せっけん混合物を用いて、60℃(140°F)の温度で乳化した。次いで乳化した大豆油/樹脂混合物を、室温で約10分間、37.5phrのレベルで、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムラテックス中に添加した。次いでラテックスを、塩/酸凝固剤を用いて凝固させ、樹脂変性エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムを回収した。次いでこれを、60℃(140°F)の温度でオーブン乾燥した。
【0117】
また、乾燥混合物は、まず、湿式混合手順で利用したものと同じ手順を用いて、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムラテックスを25phrの大豆油で油展することによって調製した。次いで大豆油展したエマルジョンスチレン-ブタジエンゴムを、ラテックスの凝固によって回収した。次いで乾燥した大豆油展エマルジョンスチレン-ブタジエンゴ
ムを1分間、70ccブラベンダー混合機中で60℃、60rpmにて混合した。次いで、12.5phrのポリテルペン樹脂を混合機に添加し、混合を5分間継続して、乾式混合した樹脂変性エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムを調製した。
【0118】
次いで「湿式混合」および「乾式混合」ゴムは、非対称流れ場流動分別によって特徴付け、数平均、重量平均およびz平均分子量を決定した。「湿式混合」および「乾式混合」ゴムの両方について2回の分子量測定を行い、平均を以下の表に記録した。
【0119】
【表6】
【0120】
見てわかるように、Mz分子量とMn分子量の比は、湿式混合手順を用いた場合にずっと高くなった。これは、本発明の「湿式混合」手順によって作製されたゴムの場合のポリマー分解が少ないことおよび高分子量分率の保持を示す。その結果として、これは、タイヤトレッド配合物などの最終製品においてより優れた特性となる。
【0121】
[実施例5~11]
この一連の実験において、本発明の技術による樹脂変性油展ゴムを硬化し、ゴムの状態で作られた硬化ゴムの特性を、従来技術を用いて作製したゴムの特性と比較した。使用した手順において、第1の非生産的混合段階で硫黄硬化剤以外の成分を内部ゴム混合機中で約4分間、160℃の温度でブレンドすることによって、ゴム試料を調製した。後続して、第2の非生産的混合段階で、約140℃の温度まで、第2の結果として得られた混合物を個別に混合した。後続して、生産的混合段階において、約2分間、約115℃の温度まで、ゴム組成物を、硫黄および硫黄硬化促進剤を含む硫黄硬化剤と混合した。各混合工程の後、ゴム組成物をそれぞれ、内部混合機から取り出し、個別の非生産的混合段階それぞれの間と最終の生産的混合段階の前で、40℃未満に冷却した。
【0122】
【表7-1】
【0123】
【表7-2】
【0124】
0℃でのタンデルタ(周波数10Hzでの3%の歪み)は、タイヤトレッド配合物の湿潤牽引特性の優れた指標であり、高いタンデルタ値は、良好な牽引特性に関連することに留意されたい。-20℃でのG’(周波数10Hzでの3%の歪み)は、スタッドレスタイヤ性能の優れた指標であり、低い値は、より良好なスタッドレスタイヤ性能特性に関連する。また、良好なタイヤ転がり抵抗には、100℃での高いリバウンドおよび100℃での低いタンデルタ値(周波数1Hzで10%の歪み)を有することが望ましいことも留意されたい。グロッシェホイール研磨性試験は、タイヤ研磨特性の良好な予測因子であり、低い値がより望ましい。
【0125】
実施例5~11(E5~E11)で得られた結果を見直して分かるように、本発明に従って作製された樹脂変性油展ゴムで作られた硬化ゴム試料(E8およびE11)は、タイヤトレッドゴム配合物の製造に使用するのに、他のゴムより望ましい組み合わせの特性を有していた。より具体的には、これらの樹脂変性油展ゴムは、引っ張り強さ、0℃でのタンデルタ、100℃でのリバウンド、100℃でのタンデルタ、およびグロッシェホイール研磨性の優れた組み合わせを示した。これに応じて、これらの樹脂変性油展ゴムは、優れた引張特性、摩耗抵抗特性、予測湿式タイヤ性能特性、および低レベルの予測タイヤ転がり抵抗(より良好な燃費を示す)を有していた。
【0126】
本発明を例示する目的で特定の代表的な実施形態および詳細を示してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことが可能であることは、当業者に明らかである。
[本発明の実施形態]
1. 含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-1,4-ポリブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物であって、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比の比が、少なくとも5である、高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
2. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも1,000,000DaのM分子量を有する、1に規定した高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
3. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも1,500,000DaのM分子量を有する、1に規定した高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
4. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも5.5である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
5. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも6である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
6. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも6.1である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
7. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも6.2である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
8. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、含有量が少なくとも94%のシス-微細構造を有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
9. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、含有量が少なくとも95%のシス-微細構造を有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
10. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、含有量が少なくとも96%のシス-微細構造を有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
11. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、含有量が少なくとも97%のシス-微細構造を有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
12. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、含有量が少なくとも98%のシス-微細構造を有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
13. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、5phr~100phrの油を含有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
14. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、5phr~100phrの樹脂を含有する、13に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
15. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、10phr~80phrの油を含有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
16. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、6phr~80phrの樹脂を含有する、15に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
17. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、15phr~60phrの油を含有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
18. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、8phr~60phrの樹脂を含有する、17に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
19. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、20phr~40phrの油を含有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
20. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、10phr~35phrの樹脂を含有する、19に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
21. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、20phr~30phrの油を含有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
22. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、10phr~15phrの樹脂を含有する、21に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
23. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、22phr~28phrの油を含有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
24. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、10phr~14phrの樹脂を含有する、23に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
25. 油が、高度に芳香族の石油、芳香族石油、ナフテン系石油、およびパラフィン系石油からなる群から選択される石油伸展油である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
26. 油がトリグリセリド油である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
27. 油が植物油である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
28. 油が、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ(ナタネ)油、トウモロコシ油、ココナツ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、およびサフラワー油からなる群から選択されるトリグリセリド油である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
29. トリグリセリド油が大豆油である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
30. トリグリセリド油がトウモロコシ油である、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
31. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも2.3の多分散性を有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
32. 高シス-1,4-ポリブタジエンゴムが、少なくとも2.4の多分散性を有する、1に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
33. 含有量が少なくとも90%のシス-微細構造を有する高シス-ポリイソプレンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む合成ポリイソプレンゴム組成物であって、高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも750,000DaのM分子量を有し、高シス-ポリイソプレンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも2.5である、合成ポリイソプレンゴム組成物。
34. 高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも1,000,000DaのM分子量を有する、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
35. 高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも1,200,000DaのM分子
量を有する、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
36. 高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも1,400,000DaのM分子量を有する、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
37. 高シス-ポリイソプレンゴムが、少なくとも1,500,000DaのM分子量を有する、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
38. 高シス-ポリイソプレンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも2.8である、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
39. 高シス-ポリイソプレンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも2.9である、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
40. 高シス-ポリイソプレンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも3.0である、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
41. 高シス-ポリイソプレンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも3.1である、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
42. 高シス-ポリイソプレンゴムがネオジムポリイソプレンゴムである、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
43. ネオジムポリイソプレンゴムが、含有量が少なくとも95%のシス-微細構造を有する、42に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
44. ネオジムポリイソプレンゴムが、含有量が少なくとも96%のシス-微細構造を有する、42に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
45. ネオジムポリイソプレンゴムが、含有量が96%~98%の範囲内のシス-微細構造を有する、42に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
46. ネオジムポリイソプレンゴムが、含有量が0.5%未満のトランス-微細構造を有する、45に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
47. ネオジムポリイソプレンゴムが、含有量が2%~4%の範囲内の3,4-微細構造を有する、45に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
48. 高シス-ポリイソプレンゴムが、チタンポリイソプレンゴムである、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
49. チタンポリイソプレンゴムが、含有量が少なくとも96%のシス-微細構造を有する、48に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
50. チタンポリイソプレンゴムが、含有量が少なくとも97%のシス-微細構造を有する、48に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
51. チタンポリイソプレンゴムが、含有量が97%~99%の範囲内のシス-微細構造を有する、48に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
52. チタンポリイソプレンゴムが、含有量が1%~3%の範囲内のトランス-微細構造を有する、51に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
53. チタンポリイソプレンゴムが、含有量が0.2~0.8%の範囲内の3,4-微細構造を有する、52に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
54. 高シス-ポリイソプレンゴムが、リチウムポリイソプレンゴムである、33に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
55. リチウムポリイソプレンゴムが、含有量が少なくとも86%のシス-微細構造を有する、54に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
56. リチウムポリイソプレンゴムが、含有量が88%~92%の範囲内のシス-微細構造を有する、55に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
57. リチウムポリイソプレンゴムが、含有量が5%~8%の範囲内のトランス-微細構造を有する、56に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
58. リチウムポリイソプレンゴムが、含有量が3%~4%の範囲内の3,4-微細構造を有する、57に規定の合成ポリイソプレンゴム組成物。
59. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、5phr~100phrの油を含有する、33に規定の高シス-ポリイソプレンゴム組成物。
60. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、5phr~100phrの
樹脂を含有する、59に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
61. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、10phr~80phrの油を含有する、33に規定の高シス-ポリイソプレンゴム組成物。
62. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、6phr~80phrの樹脂を含有する、61に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
63. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、15phr~60phrの油を含有する、62に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
64. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、8phr~60phrの樹脂を含有する、33に規定の高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物。
65. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、20phr~40phrの油を含有する、64に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
66. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、10phr~35phrの樹脂を含有する、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
67. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、20phr~30phrの油を含有する、66に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
68. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、10phr~15phrの樹脂を含有する、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
69. 前記高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物が、22phr~28phrの油を含有する、68に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
70. 前記高シス-1,4-ポリブタジエンゴム組成物が、10phr~14phrの樹脂を含有する、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
71. 油が、高度に芳香族の石油、芳香族石油、ナフテン系石油、およびパラフィン系石油からなる群から選択される石油伸展油である、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
72. 油がトリグリセリド油である、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
73. 油が植物油である、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。74. 油が、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ(ナタネ)油、トウモロコシ油、ココナツ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、およびサフラワー油からなる群から選択されるトリグリセリド油である、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
75. トリグリセリド油が大豆油である、72に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
76. トリグリセリド油がトウモロコシ油である、72に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
77. 高シス-1,4-ポリイソプレンゴムが、少なくとも1.8の多分散性を有する、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
78. 高シス-1,4-ポリイソプレンゴムが、少なくとも1.85の多分散性を有する、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
79. 高シス-1,4-ポリイソプレンゴムが、少なくとも1.9の多分散性を有する、33に規定の高シス-1,4-ポリイソプレンゴム組成物。
80. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含むエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物であって、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも10,000kDaのM分子量を
有し、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも150である、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
81. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が23%~32重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が68重量%~77重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
82. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が27%~30重量%の範囲内の結合ブタジエンおよび含有量が70重量%~73重量%の範囲内の結合スチレンを有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
83. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の62%~68%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の15%~21%の結合ブタジエン反復単位が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の14%~20%の結合ブタジエン反復単位が、ビニル-微細構造である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
84. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の63%~67%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の16%~20%の結合ブタジエン反復単位が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の15%~19%の結合ブタジエン反復単位が、ビニル-微細構造である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
85. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の64%~66%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の17%~19%の結合ブタジエン反復単位が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の16%~18%の結合ブタジエン反復単位が、ビニル-微細構造である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
86. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも30,000kDaのMz分子量を有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
87. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも34,000kDaのMz分子量を有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
88. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも36,000kDaのMz分子量を有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
89. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも38,000kDaのMz分子量を有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
90. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも175である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
91. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも180である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
92. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも190である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
93. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも200である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
94. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも210である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
95. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも215である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
96. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、5phr~100phr
の油を含有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
97. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、5phr~100phrの樹脂を含有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
98. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、10phr~80phrの油を含有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
99. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、6phr~80phrの樹脂を含有する、98に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
100. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、15phr~60phrの油を含有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
101. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、8phr~60phrの樹脂を含有する、100に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
102. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、20phr~40phrの油を含有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
103. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、10phr~35phrの樹脂を含有する、102に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
104. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、20phr~30phrの油を含有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
105. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、10phr~15phrの樹脂を含有する、104に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
106. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、22phr~28phrの油を含有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
107. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、10phr~14hrの樹脂を含有する、106に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
108. 油が、高度に芳香族の石油、芳香族石油、ナフテン系石油、およびパラフィン系石油からなる群から選択される石油伸展油である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
109. 油がトリグリセリド油である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
110. 油が植物油である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
111. 油が、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ(ナタネ)油、トウモロコシ油、ココナツ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、およびサフラワー油からなる群から選択されるトリグリセリド油である、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
112. トリグリセリド油が大豆油である、109に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
113. トリグリセリド油がトウモロコシ油である、109に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
114. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも40の多分散性を有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
115. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも45の多分散性を有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
116. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも50の多分散性を有する、80に規定のエマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物。
117. (1)ゴム状ポリマー、(2)炭化水素樹脂、および(3)油を含むゴム組成物であって、前記ゴム組成物が、1つのみのガラス転移温度を有し、前記ゴム組成物に、配合添加剤が含まれない、ゴム組成物。
118. 油が、少なくとも5phrのレベルで存在する、117に規定のゴム組成物。119. 樹脂が、少なくとも5phrのレベルで存在する、117に規定のゴム組成物。
120. ゴム状ポリマーが、ポリジエンゴムである、117に規定のゴム組成物。
121. ゴム状ポリマーが、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、およびスチレン-イソプレン-ブタジエンゴムからなる群から選択される、117に規定のゴム組成物。
122. 油が、トリグリセリド油である、117に規定のゴム組成物。
123. トリグリセリド油が植物油である、122に規定のゴム組成物。
124. トリグリセリド油が大豆油である、122に規定のゴム組成物。
125. 配合添加剤が、フィラー、硬化剤、可塑剤、および硬化促進剤を含む、117に規定のゴム組成物。
126. (1)ゴム状ポリマー、(2)炭化水素樹脂、および(3)トリグリセリド油を含むゴム組成物であって、1つのみのガラス転移温度を有する、ゴム組成物。
127. 油が、少なくとも5phrのレベルで存在する、126に規定のゴム組成物。128. 樹脂が、少なくとも5phrのレベルで存在する、127に規定のゴム組成物。
129. ゴム状ポリマーが、ポリジエンゴムである、126に規定のゴム組成物。
130. さらに補強フィラーを含む、127に規定のゴム組成物。
130. ゴム組成物が硬化される、127に規定のゴム組成物。
131. ゴム組成物が硫黄で硬化される、130に規定のゴム組成物。
132. 油が、トリグリセリド油である、126に規定のゴム組成物。
133. トリグリセリド油が植物油である、132に規定のゴム組成物。
134. 植物油が大豆油である、133に規定のゴム組成物。
135. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記タイヤの少なくとも1つのコンポーネントが、前述のいずれかに規定したゴム組成物を含む、タイヤ。
136. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記トレッドが、1から134のいずれかに規定したゴム組成物を含む、タイヤ。
137. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記側壁が、1から134のいずれかに規定したゴム組成物を含む、タイヤ。
138. 樹脂変性油展ゴム組成物の調製方法であって、(1)油組成物をゴムセメント中にブレンドする工程であり、樹脂変性油展ゴム組成物が、油および炭化水素樹脂を含む、工程と、(2)樹脂変性油展ゴムをゴムセメントから回収する工程とを含む、方法。
139. 有機溶媒を除去することによって、樹脂変性油展ゴムをゴムセメントから回収する、138の方法。
140. 沈降によって樹脂変性油展ゴムをゴムセメントから回収する、139の方法。141. 水蒸気蒸留によって樹脂変性油展ゴムをゴムセメントから回収する、139の方法。
142. 濾過によって樹脂変性油展ゴムをゴムセメントから回収する、139の方法。143. 遠心分離によって樹脂変性油展ゴムをゴムセメントから回収する、139の方法。
144. 乾燥によって樹脂変性油展ゴムをゴムセメントから回収する、139の方法。145. 油がトリグリセリド油である、138の方法。
146. 約5phr~約60phrのトリグリセリド油をゴムセメント中にブレンドす
る、138の方法。
147. ゴムが、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムである、138の方法。
148. ゴムが、高シス-1,4-ポリブタジエンゴムである、138の方法。
149. ゴムが、高シス-1,4-ポリイソプレンゴムである、138の方法。
150. 高シス-1,4-ポリイソプレンゴムが、ネオジムポリイソプレンゴムである、149の方法。
151. 高シス-1,4-ポリイソプレンゴムが、チタンポリイソプレンゴムである、149の方法。
152. 高シス-1,4-ポリイソプレンゴムが、リチウムポリイソプレンゴムである、149の方法。
153. 約10phr~約40phrのトリグリセリド油をエマルジョンスチレン-ブタジエンゴムセメント中にブレンドする、147の方法。
154. 油に、石油が含まれない、138の方法。
155. トリグリセリド油が、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ(ナタネ)油、トウモロコシ油、ココナツ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、およびサフラワー油からなる群から選択される、145の方法。
156. トリグリセリド油が大豆油である、145の方法。
157. トリグリセリド油がトウモロコシ油である、145の方法。
158. 138から157のいずれかに規定の方法によって作製される樹脂変性ゴム組成物。
159. 158のゴム組成物を含むコンポーネントを有するタイヤ。
160. 樹脂変性エマルジョンゴム組成物の調製方法であって、(1)油組成物をゴムエマルジョン中にブレンドする工程であり、油組成物が、油および炭化水素樹脂を含む、工程と、(2)樹脂変性ゴムをゴムエマルジョンから回収する工程とを含む、方法。
161. 樹脂変性ゴムが、凝固によってゴムエマルジョンから回収される、160の方法。
162. 油がトリグリセリド油である、160の方法。
163. 油が植物油である、160の方法。
164. 約5phr~約60phrのトリグリセリド油をゴムエマルジョン中にブレンドする、162の方法。
165. ゴムが、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムである、160の方法。
166. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する、165の方法。
167. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の60%~70%が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の13%~23%が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の12%~22%が、ビニル-微細構造である、166の方法。
168. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が24%~32重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が68重量%~76重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する、167の方法。
169. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の62%~68%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の15%~21%の結合ブタジエン反復単位が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の14%~20%の結合ブタジエン反復単位が、ビニル-微細構造である、168の方法。
170. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴムが、含有量が22%~30重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が70重量%~78重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する、169の方法。
171. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の63%~67%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の16%~20%の結合ブタジエン反復単位が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の15%~19%の結合ブタジエン反復単位が、ビニル-微細構造である、170の方法。
172. エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の64%~66%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の17%~19%の結合ブタジエン反復単位が、シス-微細構造であり、エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム中の16%~18%の結合ブタジエン反復単位が、ビニル-微細構造である、170の方法。
173. 約10phr~約40phrのトリグリセリド油をスチレン-ブタジエンゴムエマルジョン中にブレンドする、162の方法。
174. 樹脂変性スチレン-ブタジエンゴムに石油が含まれない、160の方法。
175. トリグリセリド油が、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ(ナタネ)油、トウモロコシ油、ココナツ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、およびサフラワー油からなる群から選択される、162の方法。
176. トリグリセリド油が大豆油である、162の方法。
177. トリグリセリド油がトウモロコシ油である、162の方法。
178. 樹脂は、炭化水素樹脂である、138から177のいずれかの方法。
179. 樹脂が、フェノール/アセチレン樹脂である、138から177のいずれかの方法。
180. 樹脂が、テルペンフェノール樹脂である、138から177のいずれかの方法。
181. 樹脂が、ロジン由来の樹脂である、138から177のいずれかの方法。
182. 樹脂が、クマロンインデン樹脂である、138から177のいずれかの方法。183. 樹脂が、石油樹脂である、138から177のいずれかの方法。
184. 樹脂が、テルペンポリマー樹脂である、138から177のいずれかの方法。185. 樹脂が、スチレン/α-メチルスチレン樹脂である、138から177のいずれかの方法。
186. 160から185のいずれかに規定の方法によって作製された樹脂変性ゴム組成物。
187. 160から185のいずれかに規定の樹脂変性ゴム組成物を含むコンポーネントを有するタイヤ。
188. 樹脂が、炭化水素樹脂である、1から134のいずれかに規定のゴム組成物。189. 樹脂が、フェノール/アセチレン樹脂である、1から134のいずれかに規定のゴム組成物。
190. 樹脂が、テルペンフェノール樹脂である、1から134のいずれかに規定のゴム組成物。
191. 樹脂が、ロジン由来の樹脂である、1から134のいずれかに規定のゴム組成物。
192. 樹脂が、クマロンインデン樹脂である、1から134のいずれかに規定のゴム組成物。
193. 樹脂が、石油樹脂である、1から134のいずれかに規定のゴム組成物。
194. 樹脂が、テルペンポリマー樹脂である、1から134のいずれかに規定のゴム組成物。
195. 樹脂が、スチレン/α-メチルスチレン樹脂である、1から134のいずれかに規定のゴム組成物。
196. 溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物であって、溶液スチレン-ブタジエンゴムは、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が4
0重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~55%は、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%は、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%は、ビニル微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムは、少なくとも800kDaのM分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比は、少なくとも1.58である、溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
197. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が24%~32重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が68重量%~76重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
198. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が27%~30重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が70重量%~73重量%の範囲内の結合ブタジエンを有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
199. 溶液スチレン-ブタジエンゴム中の30%~52%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の25%~48%の結合ブタジエン反復単位が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の6%~45%の結合ブタジエン反復単位が、ビニル-微細構造である、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
200. 溶液スチレン-ブタジエンゴム中の40%~50%の結合ブタジエン反復単位が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の30%~46%の結合ブタジエン反復単位が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の8%~28%の結合ブタジエン反復単位が、ビニル-微細構造である、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
201. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも810kDaのMz分子量を有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
202. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも820kDaのMz分子量を有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
203. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも830kDaのMz分子量を有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
204. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも835kDaのMz分子量を有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
206. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも840kDaのMz分子量を有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
207. 溶液スチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも1.60である、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
208. 溶液スチレン-ブタジエンゴムのMz分子量の数平均分子量に対する比が、少なくとも1.62である、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
209. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、5phr~100phrの油を含有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
210. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、5phr~100phrの樹脂を含有する、209に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
211. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、10phr~80phrの油を含有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
212. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、6phr~80phrの樹脂を含有する、211に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
213. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、15phr~60phrの油を含有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
214. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、8phr~60phrの樹脂を含有する、213に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
215. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、20phr~40phrの油を
含有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
216. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、10phr~35phrの樹脂を含有する、215に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
217. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、20phr~30phrの油を含有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
219. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、10phr~15phrの樹脂を含有する、217に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
220. 前記溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物が、22phr~28phrの油を含有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
221. 前記エマルジョンスチレン-ブタジエンゴム組成物が、10phr~14phrの樹脂を含有する、220に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
222. 油が、高度に芳香族の石油、芳香族石油、ナフテン系石油、およびパラフィン系石油からなる群から選択される石油伸展油である、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
223. 油がトリグリセリド油である、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
224. 油が植物油である、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
225. 油が、大豆油、ヒマワリ油、キャノーラ(ナタネ)油、トウモロコシ油、ココナツ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、およびサフラワー油からなる群から選択されるトリグリセリド油である、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
226. トリグリセリド油が大豆油である、223に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
227. トリグリセリド油がトウモロコシ油である、223に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
228. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも1.30の多分散性を有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
229. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも1.31の多分散性を有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
230. 溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも1.32の多分散性を有する、196に規定の溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物。
231. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記タイヤの少なくとも1つのコンポーネントが、196から230のいずれかに規定したゴム組成物を含む、タイヤ。
232. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記トレッドが、196から230のいずれかに規定したゴム組成物を含む、タイヤ。
233. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記側壁が、196から230のいずれかに規定したゴム組成物を含む、タイヤ。
234. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記インナーライナーが、1から134または19
6から230のいずれかに規定したゴム組成物を含む、タイヤ。
235. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが、地面に接触されるように適合され、前記インナーライナーが、1から134または196から230のいずれかに規定したゴム組成物を含む、タイヤ。
236. 圧縮部、張力部、および載荷部を含む伝動ベルトであって、圧縮部、張力部、および/または載荷部が、1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含む、伝動ベルト。
237. キャリーカバー層、補強層、およびプーリーカバー層を含むコンベアベルトであって、キャリーカバー層および/またはプーリーカバー層が、1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含む、コンベアベルト。
238. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含むトラック。
239. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含む空気ばね。
240. アスファルトと、1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物とを含む、アスファルト組成物。
241. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含む接着剤組成物。
242. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含む靴底。
243. ヘッド、本体、ネック部、回転部、および縁部を含むフロントガラスワイパーブレードであって、ヘッド、本体、ネック部、回転部および/または縁部が、1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含む、フロントガラスワイパーブレード。
244. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含むボーリング用のボール。
245. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含むエネルギー吸収パッド。
246. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含む振動止めパッド。
247. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含むシール。
248. 1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含むガスケット。
249. コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、コアが、1から134または196から230のいずれかに規定のゴム組成物を含む、ゴルフボール。
250. 外周トレッド、2つの側壁、2つの離間したビード、ビードからビードに延伸する少なくとも1つのプライ、および前記トレッドから前記ビードへ放射状に延伸し接続する側壁を有する全体的にトロイド形のカーカスを含むタイヤであって、前記トレッドが地面に接触されるように適合され、前記タイヤの少なくとも1つのコンポーネントが、溶液スチレン-ブタジエンゴム、少なくとも5phrの油、および少なくとも5phrの樹脂を含む溶液スチレン-ブタジエンゴム組成物から構成され、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、含有量が10%~60重量%の範囲内の結合スチレンおよび含有量が40重量%~90重量%の範囲内の結合ブタジエンを有し、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の30%~55%が、トランス1,4-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の25%~50%が、シス-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴム中の結合ブタジエン反復単位の5%~45%が、ビニル-微細構造であり、溶液スチレン-ブタジエンゴムが、少なくとも800kDaのM
分子量を有し、溶液スチレン-ブタジエンゴムのM分子量の数平均分子量に対する比が少なくとも1.58である、タイヤ。
251. ゴムが、ニッケルベースの触媒系を利用して作製される高シス-1,4-ポリブタジエンである、138の方法。
252. ゴムが、希土類金属ベースの触媒系を利用して作製される高シス-1,4-ポリブタジエンである、138の方法。
253. ゴムが、ランタンベースの触媒系を利用して作製される高シス-1,4-ポリブタジエンである、138の方法。
254. ランタンが、セリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジムおよびガドリニウムからなる群から選択される金属である、253の方法。
255. ゴムが、アニオン開始剤を利用して作製されるポリブタジエンである、138の方法。
256. ゴムが、リチウム開始剤を利用して作製されるポリブタジエンである、138の方法。
257. リチウム開始剤が、アルキルリチウム化合物である、256の方法。
258. ゴム組成物が、過酸化物硬化系を用いて硬化される、249に規定のゴルフボール。
【外国語明細書】