(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026225
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】1,2,4-オキサジアゾール化合物を用いてTIGITおよびPD-1のシグナル伝達経路をモジュレートする方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4245 20060101AFI20240220BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240220BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240220BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240220BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240220BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20240220BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240220BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20240220BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20240220BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20240220BHJP
A61P 11/04 20060101ALI20240220BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20240220BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 15/02 20060101ALI20240220BHJP
A61P 5/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20240220BHJP
A61P 5/18 20060101ALI20240220BHJP
A61P 5/38 20060101ALI20240220BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20240220BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240220BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20240220BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240220BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 7/10 20060101ALI20240220BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240220BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240220BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20240220BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61K31/4245
A61P43/00 111
A61P43/00 105
A61P35/00
A61P37/02
A61P37/04
A61P29/00
A61P31/00
A61P37/06
A61P15/00
A61P1/04
A61P11/00
A61P17/00
A61P13/08
A61P13/12
A61P19/08
A61P1/18
A61P11/02
A61P11/04
A61P1/02
A61P25/00
A61P15/02
A61P5/00
A61P5/14
A61P5/18
A61P5/38
A61P13/02
A61P35/02
A61P13/10
A61P1/16
A61P9/00
A61P7/10
A61P31/04
A61P31/12
A61P31/10
A61P33/00
A61P35/04
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202431
(22)【出願日】2023-11-30
(62)【分割の表示】P 2020547393の分割
【原出願日】2019-03-13
(31)【優先権主張番号】201841009306
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】512332149
【氏名又は名称】オーリジーン オンコロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】サシクマル,ポッタイール ゴヴィンダン ナイール
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラ,ムラリドハラ
(72)【発明者】
【氏名】ナルエマッデパルリ,シーサラマイアー セッティー スダルシャン
(72)【発明者】
【氏名】チェンナクリシュナレディー,ガンダーラ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体シグナル伝達経路およびプログラム細胞死-1のシグナル伝達経路をモジュレートするための組成物を提供する。
【解決手段】下式の化合物、その光学異性体、またはその医薬的に許容できる塩を含む組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シ
グナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレート
する方法であって、前記対象を式(I):
【化1】
(式中、
R
1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリ
ール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表し;
R
2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH
2、-COOH、アリール、ヘテ
ロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキル
を表し;
R
aは、水素を表す;またはR
aとR
2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
R
3は、水素または式(I’):
【化2】
により表される基を表し;
-----は、結合の点を表し;
R
bは、水素を表す;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
R
cは、水素、または-OH、-C(O)NH
2、COOH、アリール、もしくはアリ
ール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す)の化合物、または
その立体異性体またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法。
【請求項2】
R1が、水素、または-OH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-
OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、請求項1に記
載の方法。
【請求項3】
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、フェニル、または(p-OH)フェニル
で場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、請求項1~2のいずれか1項
に記載の方法。
【請求項4】
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、または(p-OH)フェニルで場合によ
り置換された-(C1~C6)アルキルを表す、請求項1~3のいずれか1項に記載の方
法。
【請求項5】
R2が、水素、または-OH、-SH、-C(O)NH2、-COOH、フェニル、イ
ミダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)ア
ルキルを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
R2が、水素、または-OH、-SH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしく
は(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表す、請求項1または
5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
R2が、水素、または-OH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-
OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表す、請求項1、5または6の
いずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
RaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成する、請求項1に記
載の方法。
【請求項9】
R
3が、
【化3】
を表し;ここで、
-----が、結合の点を表し;
R
bが、水素を表す;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
R
cが、水素、または-OH、-C(O)NH
2、COOH、フェニル、もしくは(p
-OH)フェニルで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
RbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成する、請求項9に記
載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、式(IA):
【化4】
(式中、R
1、R
2、R
a、R
bおよびR
cは、請求項1に定義された通りである)の化
合物により表される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、フェニル、または(p-OH)フェニル
で場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
R2が、水素、または-OH、-SH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしく
は(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
Raが、水素を表す、またはRaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
Rbが、水素を表す、またはRbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
Rcが、水素、または-OH、-C(O)NH2、-COOH、フェニル、もしくは(
p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、または(p-OH)フェニルで場合によ
り置換された-(C1~C6)アルキルを表し;R2が、水素、または-OH、-COO
H、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C
6)アルキルを表す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が、式(IB):
【化5】
(式中、R
1、R
2およびR
aは、請求項1に定義された通りである)の化合物により表
される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
R1が、-OHまたは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)
アルキルを表し;
R2が、水素、またはフェニルもしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された
-(C1~C6)アルキルを表し;
RaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、
【表1】
またはそれらの医薬的に許容できる塩もしくは立体異性体である、請求項1~15のいず
れか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が、
【表2】
またはそれらの医薬的に許容できる塩もしくは立体異性体である、請求項1~15のいず
れか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記細胞を接触させることが、それを必要とする対象において起こり、それにより前記
対象の免疫応答をモジュレートする、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記細胞を接触させることが、それを必要とする対象において起こり、それにより癌、
免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、および移植片拒絶から選択される疾患
または障害を処置する、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記疾患または障害が、癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
対象における腫瘍細胞の成長および/または転移を阻害するための方法であって、それ
を必要とする前記対象にTIGIT/PD-1二重経路阻害剤を投与することを含む、方
法。
【請求項22】
前記腫瘍細胞が、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱の癌腫(bladder carc
inoma)、原発性胆管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃の癌腫(gastric
carcinoma)、急性骨髄性白血病、および膵臓癌から選択される癌のものである
、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記腫瘍細胞が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨
癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域
の癌、腹膜の癌、胃癌(stomach cancer)、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜
癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、
副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ
腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌(c
ancer of the bladder)、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植
後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫
瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する
異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌
、および環境誘導性の癌から選択される癌のものである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記疾患が、感染性疾患である、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、請
求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記細菌感染が、クラミジア、バシラス、ボルデテラ、ボツリヌス毒素、カンピロバク
ター、バークホルデリア、炭疽、コレラ、クロストリジウム、リステリア、コノコッカス
、コリネバクテリウム、ジフテリア、トレポネーマ、ブルセラ、エンテロコッカス、マイ
コプラズマ、ボレリア、エルウィニア、エシェリヒア、フランシセラ、ヘモフィルス、ヘ
リコバクター(Heliobacter)、クレブシエラ、キサントモナス、レジオネラ
、レプトスピラ、レプトスピローシス、ライム病、メニンゴコッカス、肺炎球菌、マイコ
バクテリウム、ナイセリア、ビブリオ、パスツレラ、ペロバクター、セラチア、疫病、ス
トレプトコッカス、プロテウス、エンテロバクター、シュードモナス、リケッチア、サル
モネラ、シゲラ、スタフィロコッカス・テタヌス、およびエルシニアから選択される少な
くとも1種の細菌により引き起こされる感染である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ウイルス感染が、アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI
型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメ
ガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイ
ルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘ウイルス、B型肝炎、ボカウイルス、パル
ボウイルスB19、アストロウイルス、ノルウォークウイルス、コクサッキーウイルス、
A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重度急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎
、黄熱病、デングウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス
(HIV)、ヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリト
ウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリ
ミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、
軟属腫ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合抱体ウイルス、
ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタ
ウイルス、オルビウイルス、コルティウイルス、ワクシニアウイルス、およびバンナウイ
ルスから選択される少なくとも1種のウイルスにより引き起こされる感染である、請求項
25に記載の方法。
【請求項28】
前記真菌感染が、口腔カンジダ、コクシオイデス・イミティス、ブラストマイセス・デ
ルマティティディス、オトマイコーシス、カンジダ(アルビカンス、クルセイ、グラブラ
タ、トロピカリスなど)、頭部白癬、白癬性毛瘡、体部白癬、股部白癬、黒癬、スポロト
リックス・シェンキイ、接合菌症、クロモブラストマイコーシス、クリプトコッカス(ネ
オホルマンスなど)、ヒストプラズマ・カプスラツム、足白癬、パラコクシジオイデス・
ブラジリエンシス、フェオヒフォミコーシス、黄癬、ムコラレス(ムコル、アブシジア、
リゾファス)、スポロトリコーシス、アスペルギルス(フミガタス、ニガーなど)、ロボ
マイコーシス、マイセトーマ、オニコマイコーシス、ピエドラ・ピティリアシス・ベルセ
コロール(piedra pityriasis versicolor)、およびリノス
ポリジオシスから選択される少なくとも1種の真菌により引き起こされる感染である、請
求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記寄生虫感染が、ヒト回虫、バランチジウム・コリ、エンタモエバ・ヒストリチカ、
ギアルジア・ランブリア、ネグレリア・フォーレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポス
トロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、クリプトスポ
リジウム・ムリス、トリパノソマチダ・ガンビエンス(Trypanosomatida
gambiense)、トリパノソマチダ・ローデシエンス(Trypanosoma
tida rhodesiense)、バベシア・ミクロチ、トリパノソーマ・クルジ、
リーシュマニア・メキシカーナ、リーシュマニア・ブラジリエンシス、リーシュマニア・
トロピカ、リーシュマニア・ドノバニ、ウチェレリア・バンフクロフィ、ドラクンクルス
・メジネンシス、トキソプラズマ・ゴンディ、ファスキオラ・ギガンチカ、ヘテロフィエ
ス・ヘテロフィエス、プラスモジウム・ビバックス、トリパノソーマ・ブルセイ、プラス
モジウム・オバレ、プラスモジウム・マラリア、プラスモジウム・ファルシパルム、ニュ
ーモシスチス・カリニ、トリコモナス・バギナリス、ヒストモナス・メレアグリジス、双
腺綱、トリクリス・トリキウラ、アカントアメーバ、エンテロビウス・ベルミクラリス、
アンキロストーマ・ドーデナーレ、住血吸虫、肝吸虫、腸ジストマ、肺吸虫、スキストソ
ーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニクム、ファ
スキオラ・ヘパチカ、およびパラゴニムス・ウエステルマニから選択される少なくとも1
種の寄生虫により引き起こされる感染である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
対象における免疫応答をモジュレートする方法であって、請求項1~17のいずれか1
項に記載の式(I)の化合物に、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体
(TIGIT)とPD-L1またはPD-L2の少なくとも一方とを過剰発現する前記対
象の生体試料を暴露することを含む、方法。
【請求項31】
対象における免疫応答をモジュレートする方法であって、
a)対象の生体試料がTIGITを過剰発現するか否かを決定すること;および
b)前記生体試料がTIGITを過剰発現すると決定される場合、前記対象を請求項1
~17のいずれか1項に記載の式(I)の化合物と接触させること、
を含む、方法。
【請求項32】
a)前記生体試料がPD-L1またはPD-L2を過剰発現するか否かを決定すること
;および
b)前記生体試料がTIGITおよびPD-L1またはPD-L2のいずれか一方を過
剰発現すると決定される場合、前記対象を請求項1~17のいずれか1項に記載の式(I
)の化合物と接触させること、
をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記生体試料が、全血、血漿、血清、細胞(例えば、腫瘍細胞)、唾液、尿、便および
組織から選択される、請求項30、31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記対象が、癌を有し、かつ、場合により、前記対象の前記生体試料が、前記癌からの
1個または複数の細胞を含む、請求項30~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記対象が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、および寄生虫感染から選択される感
染性疾患を有する、請求項30~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記対照試料が、前記対象が式(I)の化合物を受ける前に得られかつ前記対象試料が
、前記対象が式(I)の化合物を受けた後に得られる、請求項30~35のいずれか1項
に記載の方法。
【請求項37】
請求項1~17のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体または
その医薬的に許容できる塩の治療有効量を投与することを含むTIGITシグナル伝達経
路およびPD-1シグナル伝達経路の両方により介在される疾患または障害を処置する方
法。
【請求項38】
前記疾患または障害が、癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、および
移植片拒絶から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記癌が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵
臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、
腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、
小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性また
は急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リ
ンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リ
ンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、
脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常
な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、お
よび環境誘導性の癌から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、請
求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記感染性疾患が、炭疽、バシラス、ボルデテラ、ボレリア、ボツリヌス毒素、ブルセ
ラ、バークホルデリア、カンピロバクター、クラミジア、コレラ、クロストリジウム、コ
ノコッカス、コリネバクテリウム、ジフテリア、エンテロバクター、エンテロコッカス、
エルウィニア、エシェリヒア、フランシセラ、ヘモフィルス、ヘリコバクター、クレブシ
エラ、レジオネラ、レプトスピラ、レプトスピローシス、リステリア、ライム病、メニン
ゴコッカス、マイコバクテリウム、マイコプラズマ、ナイセリア、パスツレラ、ペロバク
ター、疫病、肺炎球菌、プロテウス、シュードモナス、リケッチア、サルモネラ、セラチ
ア、シゲラ、スタフィロコッカス、ストレプトコッカス、テタヌス、トレポネーマ、ビブ
リオ、エルシニアおよびキサントモナスから選択される少なくとも1種の細菌;アルボウ
イルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状
疱疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス
8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイ
ルス、天然痘ウイルス、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイ
ルス、ノルウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライ
ノウイルス、重度急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デングウイルス、西ナ
イルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ向
性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッ
サウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エ
ボラウイルス、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、おたふく風邪ウ
イルス、パラインフルエンザ、呼吸器合抱体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘン
ドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コル
ティウイルス、ワクシニアウイルス、およびバンナウイルスから選択される少なくとも1
種のウイルス;口腔カンジダ、アスペルギルス(フミガタス、ニガーなど)、ブラストマ
イセス・デルマティティディス、カンジダ(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロ
ピカリスなど)、コクシオイデス・イミティス、クリプトコッカス(ネオホルマンスなど
)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコラレス(ムコル、アブシジア、リゾファス)、
パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス、スポロトリコーシス、スポロトリックス・シ
ェンキイ、接合菌症、クロモブラストマイコーシス、ロボマイコーシス、マイセトーマ、
オニコマイコーシス、ピエドラ・ピティリアシス・ベルセコロール、白癬性毛瘡、頭部白
癬、体部白癬、股部白癬、黄癬、黒癬、足白癬、オトマイコーシス、フェオヒフォミコー
シス、およびリノスポリジオシスから選択される真菌;ならびにアカントアメーバ、バベ
シア・ミクロチ、バランチジウム・コリ、エンタモエバ・ヒストリチカ、ギアルジア・ラ
ンブリア、クリプトスポリジウム・ムリス、トリパノソマチダ・ガンビエンス、トリパノ
ソマチダ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・クルジ、リー
シュマニア・メキシカーナ、リーシュマニア・ブラジリエンシス、リーシュマニア・トロ
ピカ、リーシュマニア・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバッ
クス、プラスモジウム・オバレ、プラスモジウム・マラリア、プラスモジウム・ファルシ
パルム、ニューモシスチス・カリニ、トリコモナス・バギナリス、ヒストモナス・メレア
グリジス、双腺綱、トリクリス・トリキウラ、ヒト回虫、エンテロビウス・ベルミクラリ
ス、アンキロストーマ・ドーデナーレ、ネグレリア・フォーレリ、ネカトル・アメリカヌ
ス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、
ウチェレリア・バンフクロフィ、ドラクンクルス・メジネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸
ジストマ、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキス
トソーマ・ジャポニクム、ファスキオラ・ヘパチカ、ファスキオラ・ギガンチカ、ヘテロ
フィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウエステルマニから選択される少なく
とも1種の寄生虫、から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
対象におけるTIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝達経路の両方によ
り介在される免疫応答をモジュレートすることにおける使用のための、請求項1~17の
いずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
前記免疫応答が、TIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝達経路の両方
により介在される疾患または障害を処置するためにモジュレートされる、請求項42に記
載の化合物。
【請求項44】
TIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝達経路の両方により介在される
疾患または障害の処置における使用のための、請求項1~17のいずれか1項に記載の化
合物。
【請求項45】
前記疾患または障害が、癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、および
移植片拒絶から選択される、請求項43または44に記載の化合物。
【請求項46】
前記癌が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵
臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、
腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、
小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性また
は急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リ
ンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リ
ンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、
脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常
な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、お
よび環境誘導性の癌から選択される、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、請
求項45に記載の化合物。
【請求項48】
前記感染性疾患が、炭疽、バシラス、ボルデテラ、ボレリア、ボツリヌス毒素、ブルセ
ラ、バークホルデリア、カンピロバクター、クラミジア、コレラ、クロストリジウム、コ
ノコッカス、コリネバクテリウム、ジフテリア、エンテロバクター、エンテロコッカス、
エルウィニア、エシェリヒア、フランシセラ、ヘモフィルス、ヘリコバクター、クレブシ
エラ、レジオネラ、レプトスピラ、レプトスピローシス、リステリア、ライム病、メニン
ゴコッカス、マイコバクテリウム、マイコプラズマ、ナイセリア、パスツレラ、ペロバク
ター、疫病、肺炎球菌、プロテウス、シュードモナス、リケッチア、サルモネラ、セラチ
ア、シゲラ、スタフィロコッカス、ストレプトコッカス、テタヌス、トレポネーマ、ビブ
リオ、エルシニアおよびキサントモナスから選択される少なくとも1種の細菌;アルボウ
イルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状
疱疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス
8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイ
ルス、天然痘ウイルス、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイ
ルス、ノルウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライ
ノウイルス、重度急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デングウイルス、西ナ
イルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ向
性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッ
サウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エ
ボラウイルス、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、おたふく風邪ウ
イルス、パラインフルエンザ、呼吸器合抱体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘン
ドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コル
ティウイルス、ワクシニアウイルス、およびバンナウイルスから選択される少なくとも1
種のウイルス;口腔カンジダ、アスペルギルス(フミガタス、ニガーなど)、ブラストマ
イセス・デルマティティディス、カンジダ(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロ
ピカリスなど)、コクシオイデス・イミティス、クリプトコッカス(ネオホルマンスなど
)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコラレス(ムコル、アブシジア、リゾファス)、
パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス、スポロトリコーシス、スポロトリックス・シ
ェンキイ、接合菌症、クロモブラストマイコーシス、ロボマイコーシス、マイセトーマ、
オニコマイコーシス、ピエドラ・ピティリアシス・ベルセコロール、白癬性毛瘡、頭部白
癬、体部白癬、股部白癬、黄癬、黒癬、足白癬、オトマイコーシス、フェオヒフォミコー
シス、およびリノスポリジオシスから選択される真菌;ならびにアカントアメーバ、バベ
シア・ミクロチ、バランチジウム・コリ、エンタモエバ・ヒストリチカ、ギアルジア・ラ
ンブリア、クリプトスポリジウム・ムリス、トリパノソマチダ・ガンビエンス、トリパノ
ソマチダ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・クルジ、リー
シュマニア・メキシカーナ、リーシュマニア・ブラジリエンシス、リーシュマニア・トロ
ピカ、リーシュマニア・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバッ
クス、プラスモジウム・オバレ、プラスモジウム・マラリア、プラスモジウム・ファルシ
パルム、ニューモシスチス・カリニ、トリコモナス・バギナリス、ヒストモナス・メレア
グリジス、双腺綱、トリクリス・トリキウラ、ヒト回虫、エンテロビウス・ベルミクラリ
ス、アンキロストーマ・ドーデナーレ、ネグレリア・フォーレリ、ネカトル・アメリカヌ
ス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、
ウチェレリア・バンフクロフィ、ドラクンクルス・メジネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸
ジストマ、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキス
トソーマ・ジャポニクム、ファスキオラ・ヘパチカ、ファスキオラ・ギガンチカ、ヘテロ
フィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウエステルマニから選択される少なく
とも1種の寄生虫、から選択される、請求項45に記載の化合物。
【請求項49】
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シ
グナル伝達経路をモジュレートする方法であって、前記対象を式(I):
【化6】
(式中、
R
1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリ
ール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表し;
R
2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH
2、-COOH、アリール、ヘテ
ロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキル
を表し;
R
aは、水素を表す;またはR
aとR
2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
R
3は、水素または式(I’):
【化7】
により表される基を表し;
-----は、結合の点を表し;
R
bは、水素を表す;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
R
cは、水素、または-OH、-C(O)NH
2、COOH、アリール、もしくはアリ
ール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す)の化合物、または
その立体異性体またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法。
【請求項50】
R1が、-OH、-COOH、フェニル、または(p-OH)フェニルで場合により置
換された-(C1~C6)アルキルを表す、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
R1が、-OH、または-COOHで場合により置換された-(C1~C6)アルキル
を表す、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
R2が、水素、または-C(O)NH2、-COOH、フェニル、もしくは(p-OH
)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、請求項49に記載
の方法。
【請求項53】
R2が、水素、または-C(O)NH2、フェニル、もしくは(p-OH)フェニルで
場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、請求項49または52に記載の
方法。
【請求項54】
RbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成する、請求項49に
記載の方法。
【請求項55】
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シ
グナル伝達経路をモジュレートする方法であって、前記対象を化合物19またはその立体
異性体またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法。
【請求項56】
TIGITにより介在される、対象における癌を処置する方法であって、前記対象を化
合物19もしくは20、またはその立体異性体またはその医薬的に許容できる塩と接触さ
せることを含む、方法。
【請求項57】
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シ
グナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレート
することにおける使用のための、式(I):
【化8】
(式中、
R
1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリ
ール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表し;
R
2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH
2、-COOH、アリール、ヘテ
ロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキル
を表し;
R
aは、水素を表す;またはR
aとR
2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
R
3は、水素または式(I’):
【化9】
により表される基を表し;
-----は、結合の点を表し;
R
bは、水素を表す;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン
環を形成し;
R
cは、水素、または-OH、-C(O)NH
2、COOH、アリール、もしくはアリ
ール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す)の化合物またはそ
の立体異性体またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項58】
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シ
グナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレート
することにおける使用のための、式:
【化10】
の化合物(化合物1)またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項59】
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シ
グナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレート
することにおける使用のための、式:
【化11】
の化合物(化合物2)またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項60】
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シ
グナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレート
することにおける使用のための、式:
【化12】
の化合物(化合物3)またはその医薬的に許容できる塩。
【請求項61】
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シ
グナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレート
することにおける使用のための、式:
【化13】
の化合物(化合物19)またはその医薬的に許容できる塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年3月14日出願のインド特許仮出願第201841009306
号の利益を主張するものであり、この仮特許出願の明細書は、全体として参照により本明
細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む、
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)およ
びプログラム細胞死-1(PD-1)のシグナル伝達経路をモジュレートするための方法
に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
腫瘍に対する免疫系の活性を利用する免疫療法は、複数の悪性腫瘍における効果的な治
療的アプローチであることが立証されている。事実、多くの腫瘍は、遺伝子変異の蓄積に
より、特異的腫瘍免疫性を潜在的に誘発し得る抗原を発現する。しかし腫瘍はまた、負の
調節経路およびチェックポイント、例えばPD-1/PD-L1およびCTLA-4を活
性化することによりこれらの応答を抑制し得る。
【0004】
TIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)は、WUCAM
、Vstm3またはVsig9としても知られる、活性化されたT細胞、Tregおよび
NK細胞により発現される阻害性受容体である。TIGITは、免疫グロブリン可変ドメ
インと、膜貫通ドメインと、免疫受容体抑制性チロシンモチーフ(ITIM)とを有し、
PVRタンパク質ファミリーのシグネチャー配列エレメントを含有する。それは、ポリオ
ウイルス受容体(PVR;CD155)およびネクチン2(CD112)と相互作用する
ことが知られている(Stengel et al. (2012) Proc. Nat’
l Acad. Sci.(USA)19:5399)。TIGITは、成熟した免疫調節性
樹状細胞の生成を促進することにより、T細胞活性化を抑制する。TIGITおよび他の
そのような共阻害分子(例えば、CTLA-4、PD-1、Lag3およびBTLA)は
、腫瘍細胞による免疫サーベランスの忌避において役割を担う場合がある。複数の実験は
、PVR/CD155が黒色腫細胞(Inozume et al. (2014) J. I
nvest. Dermatol. 134:S121-Abstract 693)および様
々な他の腫瘍で過剰発現されることを示した。TIGIT/PVR相互作用は、Tおよび
NK細胞の抗腫瘍応答を阻害することにより、そのような腫瘍細胞を免疫介在性の根絶か
ら防御し得る可能性がある(Stanietsky et al. (2009) Proc
. Nat’l Acad. Sci. (USA) 106:17858およびLozano
et al. (2012) J. Immunol. 188:3869)。TIGIT経路は
、CD155/TIGIT相互作用によりヒト(Stanietsky et al. (2
009) Proc. Nat’l Acad. Sci.(USA);106:17858)
またはマウス(Stanietsky et al. (2013) Eur J Immun
ol. 43:2138)のいずれかの初代NK細胞による殺傷を減少させることにより示
される通り、NK細胞機能を負に調節することが知られている。加えて、MDSCによる
NK細胞機能(脱顆粒、IFN-γ産生)の抑制は、TIGIThigh NK細胞によ
り観察される、CD155-TIGIT相互作用およびより大きな機能的抑制に依存する
ことが示された(Sarhan et al. (2016) Cancer Res 201
6;76:5696)。他の実験は、Th1およびTh17応答を選択的に抑制する調節性
T細胞(Treg)のTIGITサブセットを同定し(Joller et al. (20
14) Immunity 40:569)、それによりTIGITブロック剤が抗腫瘍免
疫応答を増進し得る代替的メカニズムを示唆する。
【0005】
TIGITは、CTLA-4、PD-1およびBTLAなどの他の共阻害受容体と同様
に免疫応答を「オフにする」ように作用し得る。CTLA-4(イピリムマブ)およびP
D-1(ニボルマブ、ペムブロリズマブ)を標的とする抗体は、ヒト癌の処置に認可され
ており、この治療的アプローチを確証する。ヒトTIGITに結合する抗体または他の薬
剤もまた、癌の処置に用途を見出し得る。マウスモデルにおいて、PD-L1およびTI
GITの両方の抗体遮断は、CD8<+>T細胞介在性腫瘍拒絶の相乗的増進をもたらす
(Grogan et al. (2014) J. Immunol. 192(1) Sup
pl. 203.15; Johnston et al. (2014) Cancer Ce
ll 26:1-15)。類似の結果が、黒色腫の動物モデルで得られている(Inozu
me et al. (2014) J. Invest. Dermatol. 134:S12
1-Abstract 693)。
【0006】
幾つかの実験は、TIGIT遮断が、PVR/CD155への結合に関してTIGIT
と競合する共活性化受容体DNAM-1/CD226の存在下に限り、抗腫瘍CD8<+
>T細胞応答を増進するのに効果的であることを示唆している(Johnston et
al. (2014) Cancer Cell 26:1-15)。さらなる実験は、TI
GITおよびPD-1二重遮断のために作用するmAb(モノクローナル抗体)が、黒色
腫へのCD8+T細胞応答を増進し、進行した黒色腫の患者のPD-1遮断の臨床有効性
を改善することを説明した(Joe-Marc Chauvin et al.,(2015
), J Clin Invest. May 1; 125(5): 2046-2058)。
【0007】
こうして、癌などの免疫関連疾患を増強する際のPD-1遮断と組み合わせたTIGI
T遮断の利用があまり探求されていないという事実を考慮すれば、TIGITおよびDP
-1シグナル伝達経路の二重阻害を呈する強力な治療薬を開発するためのアンメットニー
ズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の概要
本発明は、1,2,4-オキサジアゾール化合物、またはその立体異性体、またはその
医薬的に許容できる塩を用いて、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体
(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経
路をモジュレートする方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本開示は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞
免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグ
ナル伝達経路をモジュレートする方法であって、対象を、式(I):
【化1】
(式中、
R
1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリールもしくはアリー
ル-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表し;
R
2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH
2、-COOH、アリール、ヘテ
ロアリールもしくはアリール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを
表し;
R
aは、水素を表すか;またはR
aとR
2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
3は、水素または式(I’):
【化2】
により表される基を表し;
-----は、結合点を表し;
R
bは、水素を表すか;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
cは、水素、または-OH、-C(O)NH
2、COOH、アリールもしくはアリー
ル-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す)で示される化合物、
またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法
を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】CT26腫瘍担持マウスにおける化合物19の抗腫瘍効果
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な記載
本発明は、1,2,4-オキサジアゾール化合物、またはその立体異性体、またはその
医薬的に許容できる塩を用いて、TIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝
達経路をモジュレートする方法を提供する。本発明はまた、式(I)の化合物、またはそ
の立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む、TIGITおよ
びPD-1の両方により介在される疾患または障害の処置のための方法を提供する。
【0012】
各実施形態は、本発明の説明として提供され、本発明の限定としてではない。実際に、
本発明の範囲および主旨を逸脱することなく、様々な改良および変更が本発明で施され得
ることは、当業者に明白であろう。例えば一実施形態の一部として例示または記載された
特色を別の実施形態で用いて、さらなる実施形態を生じることができる。こうして、本発
明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれるような改良および変
更に及ぶものとする。本発明の他の目的、特色、および態様は、以下の詳細な記載に開示
されるか、または以下の詳細な記載により明白である。本開示が、例示的実施形態の記載
に過ぎず、本発明のより広い態様の限定と解釈すべきでないことは、当業者に理解されな
ければならない。
【0013】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする方法であって、対象を、式(I):
【化3】
(式中、
R
1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリールもしくはアリー
ル-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表し;
R
2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH
2、-COOH、アリール、ヘテ
ロアリールもしくはアリール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを
表し;
R
aは、水素を表すか;またはR
aとR
2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
3は、水素または式(I’):
【化4】
により表される基を表し;
-----は、結合点を表し;
R
bは、水素を表すか;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
cは、水素、または-OH、-C(O)NH
2、COOH、アリールもしくはアリー
ル-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す)で示される化合物、
またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法
を提供する。
【0014】
特定の実施形態において、R1は、水素、または-OH、-COOH、フェニル、イミ
ダゾリルもしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキ
ルを表す。
【0015】
特定の実施形態において、R1は、-OH、-COOH、イミダゾリル、フェニル、ま
たは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す。
【0016】
特定の実施形態において、R1は、-OH、-COOH、イミダゾリル、または(p-
OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す。
【0017】
特定の実施形態において、R2は、水素、または-OH、-SH、-C(O)NH2、
-COOH、フェニル、イミダゾリルもしくは(p-OH)フェニルで場合により置換さ
れた-(C1~C6)アルキルを表す。
【0018】
特定の実施形態において、R2は、水素、または-C(O)NH2、フェニルもしくは
(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す。
【0019】
特定の実施形態において、R2は、水素、または-OH、-SH、-COOH、フェニ
ル、イミダゾリルもしくは(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキル
を表す。
【0020】
特定の実施形態において、R2は、水素、または-OH、-COOH、フェニル、イミ
ダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表す
。
【0021】
特定の実施形態において、Raは、水素を表す。
【0022】
特定の実施形態において、RaとR2は、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環
を形成している。
【0023】
特定の実施形態において、R
3は、
【化5】
を表し;ここで、
-----は、結合点を表し;
R
bは、水素を表すか;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
cは、水素、または-OH、-C(O)NH
2、COOH、フェニルもしくは(p-
OH)フェニルで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す。
【0024】
特定の実施形態において、RbとRcは、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環
を形成している。
【0025】
特定の実施形態において、本発明に記載された化合物は、式(IA):
【化6】
(式中、R
1、R
2、R
a、R
bおよびR
cは、式(I)の化合物に定義された通りであ
る)で示される化合物により表される。
【0026】
特定の実施形態において、本発明に記載された化合物は、
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、フェニル、または(p-OH)フェニル
で場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
R2が、水素、または-OH、-SH、-COOH、フェニル、イミダゾリルもしくは
(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
Raが、水素を表すか、またはRaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
Rbが、水素を表すか、またはRbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
Rcが、水素、または-OH、-C(O)NH2、-COOH、フェニルもしくは(p
-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、
式(IA)の化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩により表
される。
【0027】
特定の実施形態において、本発明に記載された化合物は、R1が、-OH、-COOH
、イミダゾリル、または(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)
アルキルを表し;R2が、水素、または-OH、-COOH、フェニル、イミダゾリルも
しくは(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表す、式(IA)
の化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩により表される。
【0028】
特定の実施形態において、本発明に記載された化合物は、式(IB):
【化7】
(式中、R
1、R
2およびR
aは、式(I)の化合物に定義された通りである)で示され
る化合物により表される。
【0029】
特定の実施形態において、本発明に記載された化合物は、
R1が、-OHまたは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)
アルキルを表し;
R2が、水素、またはフェニルもしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された
-(C1~C6)アルキルを表し;
RaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成している、
式(IB)の化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩により表
される。
【0030】
特定の実施形態において、用語「アリール」は、フェニルを示す。
【0031】
特定の実施形態において、用語「ヘテロアリール」は、イミダゾールを示す。
【0032】
特定の実施形態において、TIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝達経
路の二重モジュレータが、式(I):
【化8】
(式中、
R
1は、水素、または-OH、COOH、アリール、ヘテロアリールもしくはアリール
-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表し;
R
2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH
2、-COOH、アリール、ヘテ
ロアリールもしくはアリール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを
表し;
R
aは、水素を表すか;またはR
aとR
2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
3は、水素または式(I’):
【化9】
により表される基を表し;
-----は、-N-R
a基への結合点を表し;
R
bは、水素を表すか;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
cは、水素、または-OH、-C(O)NH
2、-COOH、アリールもしくはアリ
ール-OHで置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す)の化合物である。
【0033】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする方法であって、対象を、式(I):
【化10】
(式中、
R
1は、水素、-CH
2-アリール-OH、-CH
2-COOH、-CH
2-イミダゾ
リル、-(CH
2)
2-COOH、-CH(CH
3)
2、-CH
2-アリール、-CH(
CH
3)OH、または-CH
2(CH)(CH
3)
2を表し;
R
2は、水素、-CH(CH
3)OH、-CH
2-アリール-OH、-CH
2-SH、
-CH
2-イミダゾリル、-CH(CH
3)
2、-(CH
2)
2-COOH、-(CH
2
)
2-CONH
2、または-CH
2-アリールを表し;
R
aは、水素を表すか;またはR
aとR
2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
3は、水素または式(I’):
【化11】
により表される基を表し;
-----は、-N-R
a基への結合点を表し;
R
bは、水素を表すか;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
cは、水素、-CH
2-COOH、-CH(CH
3)OH、-CH
2-アリール-O
H、-CH
2-アリール、-(CH
2)
2-CONH
2、または-CH(CH
3)CH
2
CH
3を表す)の化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩と接
触させることを含む、方法を提供する。
【0034】
特定の実施形態において、R1は、水素または-CH(CH3)OHを表す。
【0035】
特定の実施形態において、R2は、-(CH2)2-COOHを表す。
【0036】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする方法であって、対象を、式(I)の化合物、ま
たはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法を
提供し、化合物は、
【表1】
またはそれらの医薬的に許容できる塩もしくは立体異性体である。
【0037】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする方法であって、対象を、式(I)の化合物、ま
たはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法を
提供し、化合物は、
【表2】
またはそれらの医薬的に許容できる塩である。
【0038】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、式(I)の化合物のプロドラッグであっ
てもよく、例えばその場合、親化合物中のヒドロキシルは、エステルとして存在するか、
または親化合物中に存在するカルボナートもしくはカルボン酸は、エステルとして存在す
る。さらなる実施形態において、プロドラッグは、インビボで活性親化合物に代謝される
(例えば、エステルは、対応するヒドロキシルまたはカルボン酸に加水分解される)。
【0039】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、そのような化合物を構成する原子の1種
または複数で原子同位体の不自然な割合を含み得る。例えば本発明は、本明細書に引用さ
れたものと同一である本発明の同位体標識された変異体も包含するが、実際には、化合物
の1種または複数の原子は、原子について自然界に通常見出される主な原子量または質量
数と異なる原子量または質量数を有する原子に置き換えられている。明記された任意の特
別な原子または元素の全ての同位体が、本発明の化合物およびそれらの使用の範囲内で企
図される。本発明の化合物に組み込まれ得る例示的同位体としては、2H(「D」)、3
H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、35S、18
F、36Cl、123Iおよび125Iなど、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フ
ッ素、塩素およびヨウ素の同位体が挙げられる。本発明の同位体標識された化合物は一般
に、本明細書の以下のスキームおよび/または実施例に開示されたものと類似の手順に従
うことにより、非同位体標識試薬の代わりに同位体標識された試薬を使用することにより
、調製され得る。
【0040】
本発明の方法は、それを必要とする対象を処置するのに用いられてもよい。特定の実施
形態において、個体は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物などの哺乳動物である。ヒトなどの動
物に投与される場合、化合物は、好ましくは、例えば本発明の化合物および医薬的に許容
できる担体を含む、医薬組成物として投与される。医薬的に許容できる担体は、当該技術
分野で周知であり、例えば水または生理学的に緩衝された生理食塩水またはグリコール、
グリセロール、オリーブ油などのオイルもしくは注射可能な有機エステルなどの他の溶媒
もしくはビヒクルを含む。好ましい実施形態において、そのような医薬組成物が、ヒトへ
の投与用、特に侵襲性投与経路(即ち、上皮バリアを介する輸送または拡散を回避する注
射または埋め込みなどの経路)用である場合、水性溶液は、パイロジェンフリーまたは実
質的にパイロジェンフリーである。賦形剤は、例えば約剤の遅延放出を実行するように、
または1種もしくは複数の細胞、組織もしくは臓器を選択的に標的化するように、選択さ
れ得る。医薬組成物は、錠剤、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセル
を含む)、顆粒、再構成用の凍結乾燥物、粉末、溶液、シロップ、坐剤、注射などの投与
単位剤形であり得る。組成物はまた、経皮送達システム、例えば皮膚パッチ中に存在し得
る。組成物はまた、点眼剤などの外用投与(topical administrati
on)に適した溶液中に存在し得る。
【0041】
語句「医薬的に許容できる」は、人間および動物の組織と接触する使用に適し、過度の
毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を起こさず、合理的な利益/
リスク比に適う、健全な医学判断の範囲内であるそれらの化合物、材料、組成物および/
または投与剤形を指すために本明細書で用いられる。
【0042】
本明細書で用いられる語句「医薬的に許容できる担体」は、液体もしくは固体充填剤、
希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの医薬的に許容できる材料、組成物また
はビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に有害でないと
いう意味で「許容でき」なければならない。医薬的に許容できる担体として働き得る材料
の幾つかの例としては(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;(2
)コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびそ
の誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8
)ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナツ油、綿実油、ベニバナ
油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油;(10)プロピレングリコー
ルなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチ
レングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルな
どのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムな
どの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張生理食
塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;ならび
に(21)医薬製剤中で用いられる他の非毒性適合性物質が挙げられる。
【0043】
特定の実施形態において、本開示は、先の実施形態のいずれかによる、対象におけるI
gおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路お
よびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路(例えば、PD-1、PD-L1
またはPD-L2)をモジュレートする方法であって、対象を、式(I)の化合物、また
はその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法を提
供する。
【0044】
特定の実施形態において、本開示は、対象を、本明細書に開示された化合物19、また
はその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、Igおよ
びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路をモジュ
レートする方法を提供する。
【0045】
特定の実施形態において、本開示は、対象を、本明細書に開示された化合物20、また
はその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、Igおよ
びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路をモジュ
レートする方法を提供する。
【0046】
前述の実施形態のいずれかによれば、特定の実施形態において、細胞を接触させること
は、それを必要とする対象において起こり、それにより癌、免疫障害、免疫不全症、炎症
性障害、感染性疾患および移植片拒絶から選択される疾患または障害を処置する。
【0047】
特定の実施形態において、疾患または障害は、癌である。
【0048】
特定の実施形態において、本開示は、それを必要とする対象に、治療有効量のTIGI
T/PD-1二重経路阻害剤を投与することを含む、腫瘍細胞の成長および/または転移
を阻害するための方法を提供する。
【0049】
特定の実施形態において、腫瘍細胞は、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱の癌腫(bl
adder carcinoma)、原発性胆管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃の癌
腫(gastric carcinoma)、急性骨髄性白血病、および膵臓癌から選択
される癌由来である。
【0050】
特定の実施形態において、腫瘍細胞は、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、
前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸
癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌(stomach cancer)、精巣癌
、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲
状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固
形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌
、骨髄腫、膀胱癌(cancer of the bladder)、尿管癌、腎盂癌、
肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫
瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮
癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症
候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される癌由来である。
【0051】
特定の実施形態において、本発明は、対象における腫瘍細胞の成長および/または転移
を阻害するための方法であって、それを必要とする対象にTIGIT/PD-1二重経路
阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
【0052】
特定の実施形態において、腫瘍細胞は、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱の癌腫、原発
性胆管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃の癌腫、急性骨髄性白血病、および膵臓癌から
選択される癌のものである。
【0053】
特定の実施形態において、腫瘍細胞は、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、
前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸
癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌
、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫
、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキ
ンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌
、肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、
腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上
皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス
症候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される癌のものである。
【0054】
特定の実施形態において、本発明は、それを必要とする対象に、TIGIT/PD-1
二重経路阻害剤を投与することを含む、癌を処置するための方法を提供する。
【0055】
前述の実施形態のいずれかによれば、特定の実施形態において、TIGIT/PD-1
二重経路阻害剤は、式(I)の化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容
できる塩である。
【0056】
前述の実施形態のいずれかによれば、特定の実施形態において、TIGIT/PD-1
二重経路阻害剤は、式(IA)の化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許
容できる塩である。
【0057】
前述の実施形態のいずれかによれば、特定の実施形態において、TIGIT/PD-1
二重経路阻害剤は、式(IB)の化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許
容できる塩である。
【0058】
特定の実施形態において、本発明は、それを必要とする対象に、化合物19もしくは2
0、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む、T
IGITにより介在される癌を処置するための方法を提供する。
【0059】
特定の実施形態において、本発明は、対象における腫瘍細胞の成長および/または転移
を阻害するための方法であって、それを必要とする対象に、IgおよびITIMドメイン
を有するT細胞免疫受容体(TIGIT)経路およびプログラム細胞死1(PD1)シグ
ナル伝達経路を阻害できる、式(I)の化合物または医薬的に許容できる塩を投与するこ
とを含む、方法を提供する。
【0060】
特定の実施形態において、本発明は、対象における腫瘍細胞の成長および/または転移
を阻害するための方法であって、それを必要とする対象に、IgおよびITIMドメイン
を有するT細胞免疫受容体(TIGIT)経路およびプログラム細胞死1(PD1)シグ
ナル伝達経路を阻害できる、式(IA)の化合物または医薬的に許容できる塩を投与する
ことを含む、方法を提供する。
【0061】
特定の実施形態において、本発明は、対象における腫瘍細胞の成長および/または転移
を阻害するための方法であって、それを必要とする対象に、IgおよびITIMドメイン
を有するT細胞免疫受容体(TIGIT)経路およびプログラム細胞死1(PD1)シグ
ナル伝達経路を阻害できる、式(IB)の化合物または医薬的に許容できる塩を投与する
ことを含む、方法を提供する。
【0062】
活性化の際のCD8+ T細胞上のTIGITの上方制御(Joller et al.
(2011) J Immunol. 186:1338)を考慮すると、多数の癌の兆
候が、TIGIT遮断薬に応答すると予測される。入手可能なデータもまた、非小細胞肺
癌、結腸癌、および黒色腫のCD8+ TIL(Chauvin et al. (2015
) Clin Investig.125:2046; Johnston et al. (
2014) Cancer Cell. 26:923)、慢性リンパ性白血病(Cata
kovic et al.,(2017) Oncoimmunology 7(1):E1
371399)および濾胞性リンパ腫(Josefsson et al. (2018)
Clin Cancer Res. 24:870)におけるT細胞、ならびに急性骨髄性白
血病(AML)患者の末梢血単核細胞(PBMC)(Kong et al. (2016)
Clin Cancer Res. 22:3057)における高レベルのTIGIT発現
を示している。
【0063】
それらに開示された代表的な腫瘍細胞としては、非限定的に、芽腫(例えば、膠芽腫)
、乳癌(例えば、乳癌腫(breast carcinoma)、原発性乳管癌、トリプ
ルネガティブ乳癌、エストロゲン受容体陽性(ER+)、プロゲステロン受容体陽性(P
R+)、および/またはヒト上皮成長因子受容体2陽性(HER2+))、上皮癌(例え
ば、癌腫)、結腸癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌
、および肺扁平上皮癌)、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、眼内黒色腫、皮膚または眼内悪
性黒色腫、およびリンパ節関連黒色腫)、前立腺癌(例えば、前立腺腺癌)、腎臓癌(r
enal cancer)(例えば、腎臓細胞癌(RCC)および腎臓癌(kidney
cancer))、骨癌(例えば、骨肉腫)、膵臓癌(例えば、膵腺癌)、皮膚癌、頭
部または頸部の癌(例えば、頭頚部扁平上皮癌)、子宮癌、卵巣癌(例えば、卵巣癌腫)
、大腸癌(例えば、高頻度マイクロサテライト不安定性大腸癌および大腸腺癌)、直腸癌
、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌(例えば、胃の癌腫および消化器癌)、精巣癌、卵管の
癌、子宮内膜癌、子宮頸癌(例えば、子宮頸部の癌腫)、膣癌(例えば、膣の癌腫)、外
陰部癌(例えば、外陰部の癌腫)、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌(例えば、甲
状腺の癌)、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫(例えば、軟組織の肉腫およびカポジ肉腫)、尿
道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病(例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、
急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、毛様細胞白血病および慢性骨芽球性白血
病)、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、リンパ球豊富型(LRCHL
)、結節性硬化型(NSHL)、混合細胞型(MCHL)およびリンパ球減少型(LDH
L))、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL))、
非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫、小リン
パ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免
疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL
、巨大腫瘤病変NHL、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫)、エイズ関連リン
パ腫、皮膚性T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症)、ワルデンシュトレームマクログロ
ブリン血症、移植後リンパ増殖症(PTLD)、リンパ球性リンパ腫、原発性CNSリン
パ腫およびT細胞リンパ腫)、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、膀胱
癌(例えば、膀胱の癌腫)、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌(例えば、肝細胞癌、肝臓の癌腫、
ヘパトーマ)、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生
物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁
平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイ
グス症候群、メルケル細胞癌、環境誘導性の癌(アスベストにより誘発されたものを含む
)、およびそれらの組み合わせなどの癌の細胞が挙げられる。
【0064】
他の実施形態において、例えば腫瘍細胞としては、前立腺癌、黒色腫、乳癌、結腸癌、
前立腺癌、肺癌、腎臓癌、膵臓癌、胃の癌腫、膀胱癌、食道癌、中皮腫、甲状腺癌、胸腺
癌腫、肉腫、膠芽腫、慢性または急性白血病、リンパ腫、骨髄腫、メルケル細胞癌、上皮
癌、大腸癌、膣癌、子宮頸癌、卵巣癌および頭頸部癌から選択される癌を挙げることがで
きる。
【0065】
他の実施形態において、例えば腫瘍細胞としては、黒色腫、トリプルネガティブ乳癌、
非小細胞肺癌、腎臓細胞癌、膵臓癌、胃の癌腫、膀胱癌、中皮腫、ホジキンリンパ腫、子
宮頸癌、卵巣癌および頭頸部の扁平上皮癌から選択される癌の細胞を挙げることができる
。他の実施形態において、例えば腫瘍細胞としては、前立腺癌、黒色腫、乳癌、結腸癌、
前立腺癌、肺癌、腎臓癌、膵臓癌、胃の癌腫、膀胱癌、食道癌、中皮腫、甲状腺癌、胸腺
癌腫、肉腫、膠芽腫、慢性または急性白血病、リンパ腫、骨髄腫、メルケル細胞癌、上皮
癌、大腸癌、膣癌、子宮頸癌、卵巣癌および頭頸部癌から選択される癌の細胞を挙げるこ
とができる。
【0066】
他の実施形態において、例えば腫瘍細胞としては、黒色腫、トリプルネガティブ乳癌、
非小細胞肺癌、腎臓細胞癌、膵臓癌、胃の癌腫、膀胱癌、中皮腫、ホジキンリンパ腫、子
宮頸癌、卵巣癌および頭頸部の扁平上皮癌から選択される癌の細胞を挙げることができる
。
【0067】
幾つかの実施形態において、腫瘍細胞および/または対象は、癌免疫療法を受けたこと
がない。癌免疫療法は、対象の免疫系を利用して、癌との戦いを支援する。例えば、癌免
疫療法としては、アテゾリズマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)ア
ベルマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、ブレンツキシマブベドチ
ン(CD30を標的とする抗体-薬物コンジュゲート)、リツキシマブ(CD20を標的
とする抗体)、デュルバルマブ(durvalamab)(PD-L1を標的とするヒト
モノクローナル(monoclonal)抗体)、イピリムマブ(CTLA-4を標的と
するヒトモノクローナル抗体)、ニボルマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナ
ル抗体)、ペムブロリズマブ(ラムブロリズマブとも称される、PD-L1を標的とする
ヒトモノクローナル抗体)、トレメリムマブ(CTLA-4を標的とするヒトモノクロー
ナル抗体)、CT-011(PD-1を標的とする抗体)、MDX-1106(PD-1
を標的とする抗体)、MK-3475(PD-1を標的とする抗体)、YW243.55
.S70(PD-L1を標的とする抗体)、MPDL3280A(PD-L1を標的とす
る抗体)、MDX-1105(PD-L1を標的とする抗体)、およびMEDI4736
(PD-L1を標的とする抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施
形態において、癌免疫療法は、抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体
、抗PD-L2抗体、抗TIGIT抗体(例えば、WO2015/009856に開示さ
れた抗体)から選択される。
【0068】
さらなる実施形態において、本開示は、TIGITシグナル伝達経路およびPD-1シ
グナル伝達経路の遮断による、例えばPD-1(例えば、PD-1、PD-L1、または
PD-L2)およびTIGITにより誘導された免疫抑制シグナルを阻害することによる
感染の処置の方法を提供し、方法は、式(I)の化合物の治療有効量を、それを必要とす
る対象に投与することを含む。
【0069】
幾つかの実施形態において、感染性疾患は、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、また
は寄生虫感染であり、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染の処置のた
めに、式(I)の化合物の治療有効量を投与する方法である。
【0070】
活性化の際のCD8+ T細胞上のTIGITの上方制御(Joller et al.
(2011) J Immunol. 186:1338)を考慮すると、TIGIT遮
断薬は、多数の感染性疾患に効果的であると予測される。TIGITは、LCMV(Jo
hnston et al. (2014) Cancer Cell. 26)およびHIV
(Tauriainen et al. (2017) Sci Rep. 7:40354)
により引き起こされる慢性感染においてCD8+ T細胞枯渇を増強することが報告され
ている。
【0071】
幾つかの実施形態において、例えば細菌感染は、クラミジア、バシラス、ボルデテラ、
ボツリヌス毒素、カンピロバクター、バークホルデリア、炭疽、コレラ、クロストリジウ
ム、リステリア、コノコッカス、コリネバクテリウム、ジフテリア、トレポネーマ、ブル
セラ、エンテロコッカス、マイコプラズマ、ボレリア、エルウィニア、エシェリヒア、フ
ランシセラ、ヘモフィルス、ヘリコバクター(Heliobacter)、クレブシエラ
、キサントモナス、レジオネラ、レプトスピラ、レプトスピローシス、ライム病、メニン
ゴコッカス、肺炎球菌、マイコバクテリウム、ナイセリア、ビブリオ、パスツレラ、ペロ
バクター、セラチア、疫病、ストレプトコッカス、プロテウス、エンテロバクター、シュ
ードモナス、リケッチア、サルモネラ、シゲラ、スタフィロコッカス・テタヌスおよびエ
ルシニアから選択される少なくとも1種の細菌により引き起こされ得る。
【0072】
他の実施形態において、例えばウイルス感染は、アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノ
ウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン
・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、
BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘ウイルス、B型
肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノルウォークウイルス
、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重度急性呼吸器
症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デングウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝
炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV)、イ
ンフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイル
ス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグ
ウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ
、呼吸器合抱体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス
、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルティウイルス、ワクシニアウ
イルス、およびバンナウイルスから選択される少なくとも1種のウイルスにより引き起こ
され得る。
【0073】
他の実施形態において、例えば真菌感染は、口腔カンジダ、コクシオイデス・イミティ
ス、ブラストマイセス・デルマティティディス、オトマイコーシス、カンジダ(アルビカ
ンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリスなど)、頭部白癬、白癬性毛瘡、体部白癬、
股部白癬、黒癬、スポロトリックス・シェンキイ、接合菌症、クロモブラストマイコーシ
ス、クリプトコッカス(ネオホルマンスなど)、ヒストプラズマ・カプスラツム、足白癬
、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス、フェオヒフォミコーシス、黄癬、ムコラレ
ス(ムコル、アブシジア、リゾファス)、スポロトリコーシス、アスペルギルス(フミガ
タス、ニガーなど)、ロボマイコーシス、マイセトーマ、オニコマイコーシス、ピエドラ
・ピティリアシス・ベルセコロール(piedra pityriasis versic
olor)、およびリノスポリジオシスから選択され得る。
【0074】
幾つかの実施形態において、例えば寄生虫感染は、ヒト回虫、バランチジウム・コリ、
エンタモエバ・ヒストリチカ、ギアルジア・ランブリア、ネグレリア・フォーレリ、ネカ
トル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・
ステルコラリス、クリプトスポリジウム・ムリス、トリパノソマチダ・ガンビエンス(T
rypanosomatida gambiense)、トリパノソマチダ・ローデシエ
ンス(Trypanosomatida rhodesiense)、バベシア・ミクロ
チ、トリパノソーマ・クルジ、リーシュマニア・メキシカーナ、リーシュマニア・ブラジ
リエンシス、リーシュマニア・トロピカ、リーシュマニア・ドノバニ、ウチェレリア・バ
ンフクロフィ、ドラクンクルス・メジネンシス、トキソプラズマ・ゴンディ、ファスキオ
ラ・ギガンチカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、プラスモジウム・ビバックス、トリ
パノソーマ・ブルセイ、プラスモジウム・オバレ、プラスモジウム・マラリア、プラスモ
ジウム・ファルシパルム、ニューモシスチス・カリニ、トリコモナス・バギナリス、ヒス
トモナス・メレアグリジス、双腺綱、トリクリス・トリキウラ、アカントアメーバ、エン
テロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・ドーデナーレ、住血吸虫、肝吸虫、腸
ジストマ、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキス
トソーマ・ジャポニクム、ファスキオラ・ヘパチカ、およびパラゴニムス・ウエステルマ
ニから選択される少なくとも1種の寄生虫により引き起こされ得る。
【0075】
特定の実施形態において、本発明は、肺癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、膀胱癌、甲状腺癌
、前立腺癌、骨肉腫およびホジキンリンパ腫から選択される癌を処置するための方法を提
供する。
【0076】
特定の実施形態において、本発明は、対象における免疫応答をモジュレートする方法で
あって、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)とPD-
L1またはPD-L2の少なくとも一方とを過剰発現する対象の生体試料を、式(I)の
化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩に暴露することを含む
、方法を提供する。
【0077】
特定の実施形態において、本発明は、対象における免疫応答をモジュレートする方法で
あって、a)対象の生体試料がTIGITを過剰発現するか否かを決定すること;および
b)試料がTIGITを過剰発現する場合、対象を式(I)の化合物、またはその立体異
性体、またはその医薬的に許容できる塩と接触させること、を含む、方法を提供する。
【0078】
特定の実施形態において、本発明は、対象における免疫応答をモジュレートする方法で
あって、
a)試料がPD-L1またはPD-L2を過剰発現するか否かを決定すること;および
b)試料がTIGITおよびPD-L1またはPD-L2のいずれか一方を過剰発現す
る場合、対象を式(I)の化合物、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容でき
る塩と接触させること、
をさらに含む、方法を提供する。
【0079】
特定の実施形態において、生体試料は、全血、血漿、血清、細胞(例えば、腫瘍細胞)
、唾液、尿、便および組織から選択される。
【0080】
特定の実施形態において、対象は、癌を有し、場合により試料は、その癌からの1個ま
たは複数の細胞を含む。
【0081】
特定の実施形態において、対象は、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、および寄生虫
感染から選択される感染性疾患を有する。
【0082】
特定の実施形態において、対照試料は、対象が式(I)の化合物を受ける前に得られ、
対象試料は、対象が式(I)の化合物を受けた後に得られる。
【0083】
本発明の化合物は、単一薬物として(単一療法)または1種もしくは複数の他の薬剤と
コンジョイントで(conjointly)用いられてもよい(コンジョイントセラピー
(conjoint therapy))。化合物は、そのものとして、または好ましく
は化合物が1種もしくは複数の医薬的に許容できる材料と混合された医薬組成物中で、用
いられてもよい。
【0084】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるTIGITシグナル伝達経路および
PD-1シグナル伝達経路の両方により介在される免疫応答をモジュレートする際の使用
のための化合物を提供する。
【0085】
特定の実施形態において、免疫応答は、TIGITシグナル伝達経路およびPD-1シ
グナル伝達経路の両方により介在される疾患または障害を処置するためにモジュレートさ
れる。
【0086】
特定の実施形態において、本開示による癌は、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒
色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌
、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子
宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌
、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非
ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、
腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新
生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、
扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メ
イグス症候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される。
【0087】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする際の使用のための、式(I):
【化12】
(式中、
R
1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリールもしくはアリー
ル-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表し;
R
2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH
2、-COOH、アリール、ヘテ
ロアリールもしくはアリール-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを
表し;
R
aは、水素を表すか;またはR
aとR
2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
3は、水素または式(I’):
【化13】
により表される基を表し;
-----は、結合点を表し;
R
bは、水素を表すか;またはR
bとR
cが、それらが結合する原子と一緒にピロリジ
ン環を形成しており;
R
cは、水素、または-OH、-C(O)NH
2、COOH、アリールもしくはアリー
ル-OHで場合により置換された-(C
1~C
6)アルキルを表す)の化合物、またはそ
の立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩を提供する。
【0088】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする際の使用のための、式:
【化14】
の化合物(化合物1)、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩を提供
する。
【0089】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする際の使用のための、式:
【化15】
の化合物(化合物2)、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩を提供
する。
【0090】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする際の使用のための、式:
【化16】
の化合物(化合物3)、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩を提供
する。
【0091】
特定の実施形態において、本発明は、対象におけるIgおよびITIMドメインを有す
るT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-
1)シグナル伝達経路をモジュレートする際の使用のための、式:
【化17】
の化合物(化合物19)、またはその立体異性体、またはその医薬的に許容できる塩を提
供する。
【0092】
本明細書に他に断りがなければ、用語「抗体」または「抗体(複数形)」は広範囲には
、抗体の天然由来形態(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE)、ならびに一本鎖抗
体、キメラ抗体、ヒト化抗体および多重特異性抗体などの組換え抗体に加え、少なくとも
1つの抗原結合部位を有する、前述のものの全ての断片および誘導体を包含する。抗体誘
導体は、抗体にコンジュゲートされたタンパク質または化学的部分を含んでいてもよい。
【0093】
本明細書で用いられる用語「抗体」はまた、抗体の「抗原結合部分」(または単に「抗
体部分」)を含む。本明細書で用いられる用語「抗原結合部分」は、抗原(例えば、バイ
オマーカーポリペプチドまたはその断片)に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ
または複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片により実施され得るこ
とが示されている。
【0094】
用語「対照」は、テスト試料中の発現生成物への比較を提供するのに適した任意の参照
標準を指す。特定の実施形態において、対照は、「対照試料」を得て発現生成物レベルを
検出し、テスト試料からの発現生成物レベルに比較することを含む。そのような対照試料
は、非限定的に、既知の転帰を有する対照の対象からの試料(貯蔵された試料または過去
の試料の測定であり得る)、対象から単離された組織もしくは細胞、対象から単離された
初代培養細胞/組織、対象の同一臓器もしくは身体部位から得られた隣接する正常な細胞
/組織、正常対象から単離された組織もしくは細胞試料、または寄託機関から得られた初
代細胞/組織を含む任意の適切な試料を含んでいてもよい。特定の実施形態において、対
照は、非限定的に、ハウスキーピング遺伝子、正常組織からの発現生成物のレベル範囲(
または他の過去に分析された対照試料)、患者群からのテスト試料中の過去に決定された
発現生成物のレベル範囲、または特定の転帰を有する患者もしくは特定の処置を受けた患
者のセットを含む任意の適切な供給源からの参照標準発現生成物レベルを含んでいてもよ
い。そのような対照試料および参照標準発現生成物レベルが、本発明の方法において対照
として組み合わせて用いられ得ることは、当業者に理解されよう。
【0095】
TIGITの「正常な」発現レベルは、免疫応答のモジュレーションを必要としない対
象、例えばヒト患者の細胞中のTIGITの発現レベルである。バイオマーカーの「過剰
発現」または「有意に高い発現レベル」は、発現を評価するのに用いられるアッセイの標
準誤差より大きく、対照試料(例えば、免疫モジュレーションを必要としない健常対象か
らの試料、または同一対象から得られた健常組織試料からの試料)中の発現活性またはT
IGITレベル、好ましくは複数の対照試料中のバイオマーカーの平均発現レベルより、
好ましくは少なくとも約10%高い、より好ましくは約1.2、1.3、1.4、1.5
、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.1、2.2、2.3、2.4
、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6
、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、
14、15、16、17、18、19、20倍またはより高い、テスト試料中の発現レベ
ルを指す。バイオマーカーの「有意に低い発現レベル」は、対照試料(例えば、免疫モジ
ュレーションを必要としない健常対象からの試料)中のバイオマーカーの平均発現レベル
、好ましくは複数の対照試料中のバイオマーカーの平均発現レベルより、少なくとも約1
0%低い、より好ましくは約1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8
、1.9、2.0、2.1、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7
、2.8、2.9、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8
、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、
18、19、20分の1またはより低い、テスト試料中の発現レベルを指す。
【0096】
TIGIT遺伝子の存在またはレベルを検出または決定するのに用いられる用語「試料
」は典型的には、全血、血漿、血清、唾液、尿、便(例えば、糞便)、涙液、および任意
の他の体液(例えば、「体液」の定義で先に記載された)、または小腸、結腸試料もしく
は外科的切除組織などの組織試料である。幾つかの実施形態において、開示された方法は
、TIGIT遺伝子の存在またはレベルを検出または決定する前に対象からの試料を得る
ことをさらに含む。
【0097】
医薬組成物は、経口もしくは吸入経路により、または非経口投与経路により投与されて
よい。例えば組成物は、経口的に、静脈内輸液により、外用で、腹腔内に、膀胱内に、ま
たは髄腔内に投与され得る。非経口投与の例としては、関節内(関節の中)、静脈内、筋
肉内、皮内、腹腔内、および皮下経路が挙げられるが、これらに限定されない。適切な液
体組成物は、水性または非水性の等張滅菌注射溶液であってもよく、抗酸化剤、緩衝剤、
静菌剤、製剤を予定のレシピエントの血液と等張にする溶質、ならびに懸濁剤、可溶化剤
、増粘剤、安定剤および防腐剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液を含有してもよい
。経口投与、非経口投与、非下投与および静脈内投与が、好ましい投与方法である。
【0098】
本発明の化合物の投与量は、患者の年齢、体重もしくは症状、ならびに化合物の効能も
しくは治療効果、投与レジメンおよび/または処置時間に応じて変動する。一般に適切な
投与経路としては、例えば経口、点眼、直腸、経粘膜、外用または腸内投与;筋肉内、皮
下、髄内注射に加え、髄腔内、直接心室内、静脈内、腹腔内、鼻内または眼内注射を含む
、非経口送達を挙げることができる。本発明の化合物は、投与レジメンあたり0.5mg
または1mg、最大500mg、1gまたは2gの量で投与されてよい。投与量は、週1
回、3日に1回、2日に1回、1日1回、1日2回、1日3回、またはより多く投与され
てよい。別の実施形態において、特定の成人において、化合物は、医師により設計された
期間の静脈内投与により連続投与され得る。投与量は、様々な条件により影響を受けるた
め、特定の例で、企図される投与範囲より少量または多量で実行される場合がある。医師
は、治療的処置を受ける患者に適した投与量を即座に決定することができる。
【0099】
併用療法
本開示の化合物は、(1)式(I)の化合物の影響を補足および/もしくは強化する1
種もしくは複数の他の薬物、(2)式(I)の化合物の薬物動態をモジュレートする、吸
収を改善する、もしくは投与量を低減する1種もしくは複数の他の薬物、および/または
(3)式(I)の化合物の副作用を低減もしくは改良する1種もしくは複数の他の薬物と
組み合わせて投与されてもよい。本明細書で用いられる語句「コンジョイント投与」は、
過去に投与された治療化合物が体内で依然として有効である間に第二の化合物が投与され
るような、2種以上の異なる治療化合物の任意の投与形態を指す(例えば、この2種の化
合物は、患者の体内で同時に効果的であり、2種の化合物の相乗効果を含んでいてもよい
)。例えば異なる治療化合物は、同一製剤中でまたは別の製剤中でのいずれかで、同時に
または逐次にのいずれかで投与できる。特定の実施形態において、異なる治療化合物は、
互いに1時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、72時
間以内、または1週間以内に投与され得る。こうして、そのような処置を受ける個体は、
異なる治療化合物の組み合わせた効果から利益を享受できる。各化合物は、同じまたは異
なる経路により、および同じまたは異なる方法により投与されてもよい。幾つかの実施形
態において、コンジョイントセラピーの組み合わせ効果は、免疫効果を通して検出可能で
ある。
【0100】
他の薬物の投与量は、臨床で用いられてきた投与量であり得るか、または本開示の化合
物と組み合わせて投与された場合に投与量が効果的であるような別の投与量であってもよ
い。本開示の化合物と他の薬物との比は、投与される対象の年齢および体重、投与方法、
投与時間、処置される障害、症状およびそれらの組み合わせに応じて変動し得る。例えば
他の薬物は、本開示の化合物の1重量部を基にして、0.01~100重量部の量で用い
られてよい。
【0101】
コンジョイントセラピーは、本明細書で議論された任意の疾患を処置するのに用いられ
得る。特定の実施形態において、本開示の式(I)の化合物を、別の治療薬、例えば抗癌
剤、抗ウイルス薬、サイトカインまたは免疫アゴニストとコンジョイントで投与しもよい
。幾つかの実施形態において、他の治療薬は、CTLA-4アンタゴニスト、PD-1ア
ンタゴニスト、PD-L1アンタゴニスト、またはPD-L2アンタゴニスト、およびE
GFRアンタゴニストから選択される。
【0102】
TIGIT拮抗剤は、TIGITに介在される抑制からNK細胞機能を救済すると予測
される。NK細胞は、抗体依存性細胞障害作用(ADCC)を通して癌細胞表面タンパク
質を標的とする抗体(HER2、EGFR、CD38およびCD20抗体など)の多くの
有効性に寄与するため、TIGIT剤は、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗CD38
抗体および抗CD20抗体などの抗癌性抗体の多くとの組み合わせで相乗的に働くと予測
される。
【0103】
併用療法のための薬剤
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、別の治療薬、例えば以下のものとコン
ジョイントで投与され得る:
1)アルドステロン合成酵素阻害剤;
2)ALK阻害剤;アポトーシス誘導物質;
3)アロマターゼ阻害剤;
4)CART細胞(例えば、CD19を標的とするCART細胞);
5)BCR-ABL阻害剤;
6)BRAF阻害剤;
7)CDK4/6阻害剤;
8)CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3および/または-5)阻害剤;
9)c-KIT阻害剤;
10)c-MET阻害剤;
10)cRAP阻害剤;
11)CTLA4阻害剤;
12)チトクロームP450阻害剤(例えば、CYP17阻害剤);
13)EGF阻害剤;
14)ERK1/2 ATP阻害剤;
15)FGF阻害剤(例えば、FGFR2またはFGFR4阻害剤);
16)Flt3阻害剤(例えば、FLK2/STK1);
17)P-糖タンパク質1阻害剤;
18)HDAC阻害剤;
19)HDM2阻害剤;
20)HER3阻害剤;
21)ヒスタミン放出阻害剤;
22)HSP90阻害剤;
23)IAP阻害剤;
24)IDH阻害剤;
25)IDO阻害剤
26)IGF-1R阻害剤;
27)鉄キレート剤;
28)Janus阻害剤;
29)LAG-3阻害剤;
30)M-CSF阻害剤;
31)MEK阻害剤;
32)mTOR阻害剤;
33)p53阻害剤(例えば、p53/Mdm2相互作用の阻害剤);
34)PDGFRβ阻害剤;
35)PKC阻害剤;
36)PI3K阻害剤;
37)PIM阻害剤;
38)PRLR阻害剤;
39)RafキナーゼC阻害剤;
40)スムーズンド(SMO)受容体阻害剤;
41)ソマトスタチンアゴニストおよび/または成長ホルモン放出阻害剤;
42)形質導入モジュレータ(transduction modulator)および
/または血管新生阻害剤;
43)VEGFR-2阻害剤(例えば、FLK-1/KDR);
44)チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、CSF-1Rチロシンキナーゼ);
45)Wntシグナル伝達阻害剤;
46)Bcl-2阻害剤;
47)Mcl-1阻害剤;
48)BTK阻害剤;
49)CUDC-907(二重PI3K/HDAC阻害剤)などの二重活性分子;ならび
に
50)BETブロモドメイン阻害剤。
【0104】
本明細書に開示された化合物および組成物とのコンジョイント投与に適した追加の治療
薬は、例えば、以下の発行物に記載されている:WO2016/100882;WO20
16/054555;WO2016/040892;WO2015/097536;WO
2015/088847;WO2015/069770;WO2015/026634;
WO2015/009856;欧州特許第1377609号B1;Antonia et
al.,Clin.Cancer Res.2014 20:6258-6268;および
Melero,et al.,Nature Reviews Cancer2015 15
:457-472。各発行物は、全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0105】
例えば、癌の処置に向けられる本開示の方法において、本開示の化合物は、単一の医薬
組成物として、または異なる医薬組成物の組み合わせとして別の化学療法剤とコンジョイ
ントで使用され得る。化学療法剤の非限定的例としては、アルキル化剤、ニトロソ尿素剤
、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤、ホル
モン薬、ホルモンアンタゴニスト、白血球減少症(好中球減少症)処置薬、血小板減少症
処置薬、制吐剤、アロマターゼ阻害剤、P-糖タンパク質阻害剤、白金錯体誘導体、他の
免疫療法剤および他の抗癌剤が挙げられる。
【0106】
コンジョイントで投与され得る例示的細胞障害剤としては、抗微小管剤、トポイソメラ
ーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、分裂抑制剤、アルキル化剤、アントラサイクリン、ビンカアル
カロイド、挿入剤、シグナル伝達経路を妨害し得る薬剤、アポトーシス促進剤、プロテオ
ソーム阻害剤、および放射線(例えば、局所または全身照射)が挙げられる。
【0107】
追加の治療薬の非限定的な例としては、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タ
ンパク質、核酸分子、低分子、模倣剤、合成薬、無機分子、および有機分子が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0108】
コンジョイントセラピーは、他の適合性のある薬剤、例えば化学療法剤、サイトカイン
療法、インターフェロン療法(例えば、インターフェロン-α、β、またはγ;インター
フェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-m;インターフェ
ロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;およびインターフェロンγ-Ib)、インタ
ーロイキン療法(例えば、IL-1、IL-2、IL-2Rβ、IL-2Rγ、IL-3
、IL-7、IL7Rα、IL-11、IL-12、IL-15、およびIL-21)、
分化クラスター(CD)タンパク質(例えば、CD2、CD4、CD7、CD8α、CD
8β、CD11a/CD18、CD11b、CD11c、CD11d、CD18、CD1
9、CD19a、CD20、CD27、CD28、CD29、CD30、CD40、CD
40L、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD84、CD96、CD1
00、CD103、CD137、CD160、CD226、CD229、CD278)共
刺激調節因子、例えば、MHCクラスI分子のアゴニスト(例えば、アゴニスト抗体もし
くはその抗原結合断片、または可溶性融合体)、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリ
ン様タンパク質、Tollリガンド受容体、CD83リガンド、サイトカイン受容体、イ
ンテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、活性化NK細胞
受容体、抗体療法、ウイルス療法、遺伝子療法またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0109】
本開示の化合物とコンジョイントで投与され得る化学療法剤および他の治療薬としては
、アビラテロン、Abraxane、アセグラトン、アシビシン、アクラシノマイシン、
アクチミド、アクチノマイシン、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アルドホスファ
ミドグリコシド、アレクチニブ、アレンドロネート、アリトレチノイン、アルトレタミン
、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アミノプテリン、アムサクリン、アナストロ
ゾール、アンシタビン、アンギオスタチン、アンギオザイム(angiozyme)、ア
ングイジン、アンサマイトシン、アントラマイシン、アンチトロンビンIII、アパチニ
ブ、アラビノシド、アルボプラチン、アスパラギナーゼ、オースラマイシン(authr
amycin)、アキシチニブ、アザシチジン、アザセリン、アゼテパ、アゾトマイシン
、6-アザウリジン、バリシチニブ、バチマスタット、ベンダムスチン、ベニメチニブ、
ベンゾドーパ、ベストラブシル、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマ
イシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレキナール、ブリバニブ、ブリオスタチン、ブロ
ピリミン、ブラタシン、ブラタシノン、ブセレリン、ブスルファン、カクチノマイシン、
カリケアマイシン、カリスタチン、カルステロン、カルミノマイシン、カンポテシン、カ
ペシタビン、カラビシン、カルボプラチン、カルボキノン、カルフィルゾミブ、カルモフ
ール、カルムスチン、カルビシン、カルゼレシン、カルジノフィリン、セデフィンゴール
、セジラニブ、クロマファジン、クロラムブシル、クロロキン、クロロゾトシン、クロロ
ホスファミド、クロモマイシン、シロレマイシン、シスプラチン、シスジクロロジアミン
白金(II)、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コビメチニブ、コルヒチ
ン、クリスナトール、クリゾチニブ、クリプトフィシン1、クリプトフィシン8、シクロ
ホスファミド、シプロテロン、シタラビン、サイトカラシンB、シトシンアラビノシド、
ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダノプレビル、ダサチニブ、ジアジ
クオン、ジブロモマンニトール、ダウノルビシン、デシタビン、デフォファミン(def
ofamine)、デガレリクス、1-デヒドロテストステロン、デランゾミブ、デメコ
ルシン、デメトキシビリジン、デニロイキン、デネニコキン、デノプテリン、デサセチル
ラビドマイシン、デトルビシン、デキサメタゾン、デキソルマプラチン、デザグアニン、
ジアジクオン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ジクロロアセタート、ジデ
オキシウリジン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ジフチトクス、ジフ
ルオロメチロミチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ジナシクリブ、ドセタキセル、
ドラスタチン、ドビチニブ、ドキシフルリジン、ドキソルユビシン、ドキシサイクリン、
ドロロキシフェン、ドロモスタノロン、デュアゾマイシン、デュオカルマイシン、ジネミ
シン、エダトレキサート、エフロミチン、酢酸エリプチニウム、エレウテロビン、エメチ
ン、エムシロムス、エンコラフェニブ、エンロプラチン、エノシタビン、Enproma
te、エピプロピジン、エピルビシン、エピチロン、エピチオスタノール、エルブロゾー
ル、エリスモデギブ、エルロチニブ、エソルビシン、エスペラミシン、エストラジオール
、エストラムスチン、エタニダゾール、臭化エチジウム、2-エチルヒドラジド、エチド
ロネート、エトグルシド、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール
、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン
、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルロシタビン、フ
ルタミド、フォレチニブ、フォルメスタン、ホスキドン、フォテムスチン、フロリン酸、
ガシトシン、硝酸ガリウム、ガルニセルチブ、ガンドチニブ、ゲフィチニブ、ゲルダナマ
イシン、ゲムシタビン、ゲニステイン、グルココルチコイド、ゴセレリン、グラミシジン
D、ハービマイシン、ヒルトノール、4-ヒドロキシタモキシフェン、ヒドロキシウレア
、イバンドロネート、イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、イマチニブ、イミ
キモド、インプロスルファン、インドキシモド、インターフェロン、イプロプラチン、イ
リノテカン、イロノテカン(ironotecan)、イキサゾミブ、ケオキシフェン、
ラハーパレプベック、ラメオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レスタウルチニブ、レト
ロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、レンチナン、レバミゾール、リアロゾール、リ
ドカイン、リニファニブ、ロメテレキソ(lometrexo)、ロムスチン、ロニダミ
ン、ロソキサントロン、マルセロマイシン、マリゾミブ、マシチニブ、マソプロコール、
メイタンシン、メイタンシノール、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、マ
ンノムスチン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メレンゲストロール、メノ
ガリル、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メトホルミン、メ
トトレキサート、メトプリン、メツレドーパ、ミトラマイシン、ミトブロニトール、ミト
グアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロン
、モメロチニブ、モンタニド、モピダモール、モテサニブ、モトリモド、ミコフェノール
酸、マイロターグ、nab-パクリタキセル、ナベルビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニ
ルタミド、ニムスチン、ニトラクリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、ノバントロン、
ノベンビチン(novembichin)、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オリボマ
イシン、オナプリストン、オルマプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリ
チニブ、パルボシクリブ、パミドロネート、パンクラチスタチン、パノビノスタット、パ
ゾパニブ、ペガプタニブ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェ
ロンα-2b、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、N4-ペントキシカルボ
ニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、ペプロマイシン、ペリフォシン、フェナメ
ット、フェネステリン、ピマセルチブ、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、
プリカマイシン、ポドフィリン酸、ポリフェプロサン、ポマリドミド、ポルフィマー、ポ
ルフロマイシン、ポトフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカイン、プロカルバジン
、プロプラノロール、プテロプテリン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ラルチトレキ
セド、ラロキシフェン、ラニムスチン、ラパマイシン、ラビドマイシン、ラゾキサン、レ
ゴラフェニブ、リセドロネート、レシキモド、リツキシマブ、ロドルビシン、ログレチミ
ド、ロリジン、ルキソリチニブ、サフィンゴール、サルコジクチン、セルメチニブ、セマ
キサニブ、セムスチン、セマピモド(simapimod)、シムトラゼン、シロリムス
、シゾフィラン、ソラフェニブ、スパルホサート、スパルソマイシン、スピロゲルマニウ
ム、スピロムスチン、スピロプラチン、スポンギスタチン、ストレプトニグリン、ストレ
プトゾシン、スロフェヌル、スニチニブ、スラミン、タリソマイシン、タモキシフェン、
タリモジーン、タソシチニブ、タキソール、テガフール、テラチニブ、テロキサントロン
、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テヌアゾン酸、テロキ
シロン、テストラクトン、テストステロン、テトラカイン、テザシチビン、サリドマイド
、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チルドロネート、チラパザミ
ン、チタノセン、チボザニブ、トセラニブ、トファシチニブ、トポイソメラーゼ阻害剤R
FS2000、トポテカン、トレミフェン、トザセルチブ、トラメチニブ、トラスツズマ
ブ、トリアジクオン、トレチノイン、2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン、
トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、ト
リロスタン、トリメチロールメラミン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロホス
ファミド、ツベルシジン、ツビザニブ(tuvizanib)、ウラシルマスタード、ウ
ベニメクス、ウレドーパ(uredopa)、ウレタン、バンデタニブ、バプレオチド、
Vargatef、バタラニブ、ベムラフェニブ、ベルラクリン、ベルテポルフィン、ビ
ンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネピジン、ビングリシナート、ビンロイ
ロシン、ビノレルビン、ビンロシジン、ビンゾリジン、ボロゾール、ビスモデギブ、ゼロ
ーダ、ザクティマ、ゼニプラチン、ジノスタチン、Ziv-アフィリベルセプト、ゾレド
ロネートおよびゾルビシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
特定の実施形態において、例示的化学療法剤としては、ABT-869、ACP-19
6、ADXS11-001、ADXS31-142、AEE788、AG-490、AM
0010、AMN-107、AMP-224、AMP-514、AP24534、ARR
Y-142886、AST-6、AZD1480、AZD4547、AZD6094、A
ZD6244、AZD8055、AZD9291、B7-H3、BAFFR、4-1BB
、BEZ235、BGT 226、BHG712、BIBF 1120、BIBW2992
、BIX 02188、BJG398、BKM-120、BMS-599626、BMS
-690154、BMS-777607、BMS-911543、BMS-936558
、BMS-936559、BMS-986016、BRAF V600E、BTLA、B
UW078、BYL719、CAL-101、CAL-263、CBI-TMI、CC-
1065、CC-4047、CC-5013、CDS、CDX-1127、CEACAM
1、CEP-701、CEP-11981、CGM097、Chi Lob 7/4、CI
-1040、CO-1686、CP-673451、CP-870,893、CpG 7
909、CPT-11、CRTAM、CT-011、CTL019、CTLA-4、CU
DC-101、CYC116、CYT 387、DCC-2036、DNAM1、E62
01、E7080、EGF816、FOLFOX6、G02443714、G-3896
3、GADS、GC1008、G-CSF、GDC-0032、GDC-0973、GD
C-0980、GITR、GM CSF、GR-MD-02、GSK1059615、G
VAX、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM-1、ICOS、IMC-TR1
、IMP321、INC280、INC424、INCB18424、INCB0243
60、INCB028050、IPH2012、IPI926、IRX-2、ISA 5
1VG、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、
ITGAX、ITGB1、ITGB2、ITGB7、JNJ-26483327、Ki8
751、KIRDS2、KU-0063794、KW-289LAT、LBH589、L
CL161、LGH447、LTBR、LDK378、LEE011、LGX818、L
IGHT、LJM716、LY117018、LY2157299、LY294002、
LY2940680、M-CSF、MARTI、MDX-1105、MDX-1106、
MEDI0562、MEDI4736、MEDI4737、MEDI6383、MEDI
6469、MEK162、MG-132、MGCD265、MK-3475、MK 41
66、MM-121、MOXR0916、MP470、MPDL3280A、MSB-0
010718C、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NK
p80(KLRF1)、NY-ESO-1、ODC-0879、ODC-0980、ON
X-0912、ODC-0941、OSI-027、OSI-930、OSK-1120
212、OSK 2118436、OSK 2126458、OX40、P529、PAG
/Cbp、PD153035、PD173074、PD0325901、PF-2998
04、PF-02341066、PF-04217903、PF-046915032、
PF-05082566、PD98059、Poly(I:C)、PKI-587、PL
X4032、PLX4720、PSGL1、PSK、PX-886、Rad-001、R
AF265、rHIgM12B7、R07204、RO4987655、RO68958
82、RO7009789、SAR 245408、SAR 245409、SB-131
7、SB-1518、SB-1578、SELPLG、SF1126、SGX523、S
LAM、SLAMF4、SLAMF6、SLAMF7、SLAML_BLAME、SLP
-76、SU 5402、T2毒素、TEW 7197、TGN1412、TNFR2、T
RANCE/RANKL、TriMix―DC、TRP-2、TRX518、TSU-6
8、VLA1、VLA-6、WYE-354、WZ3146、WZ4002、WZ804
0、XL-147、XL-184、XL-228、XL-281、XL-647、XL-
756、XL-765、XL-880、イットリウム90/MX-DTPA、およびYW
243.55.S70などのサイトカインが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
本明細書に開示された化合物とコンジョイントで使用され得る例示的パクリタキセル剤
としては、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(Abraxis Bioscien
ceにより販売されるABRAXANE)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(D
HA-パクリタキセル、Protargaにより販売されるTaxoprexin)、ポ
リグルタマート結合パクリタキセル(PG-パクリタキセル、Cell Therape
uticにより販売されるパクリタキセルポリグルメックス、CT-2103、XYOT
AX)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)、ANG105(ImmunoGenにより
販売される3分子のパクリタキセルに結合したAngiopep-2)、パクリタキセル
-EC-1(erbB2認識ペプチドEC-1に結合したパクリタキセル;Li et a
l.,Biopolymers(2007)87:225-230参照)、およびグルコ
ースがコンジュゲートされたパクリタキセル(例えば、2’-パクリタキセルメチル2-
グルコピラノシルスクシナート、Liu et al.,Bioorganic&Medi
cinal Chemistry Letters(2007)17:617-620参照
)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
特定の実施形態において、例示的化学療法剤としては、以下のものが挙げられるが、こ
れらに限定されない:
1)(S)-N-((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(4-(4-フル
オロベンゾイル)チアゾール-2-イル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル)
)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド;
2)((1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24
E,26E,28E,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-12-{(
1R)-2-[(1S,3R,4R)-4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メトキシ
シクロヘキシル]-1-メチルエチル}-19,30-ジメトキシ-15,17,21,
23,29,35-ヘキサメチル-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.
3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-2,3
,10,14,20-ペンタオン);
3)(S)-1-(4-クロロフェニル)-7-イソプロポキシ-6-メトキシ-2-(
4-{メチル-[4-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)-トランス)-
シクロヘキシルメチル]-アミノ}フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン
-3オン;
4)N-(4-((1R,3S,5S)-3-アミノ-5-メチルシクロヘキシル)ピリ
ジン-3-イル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロピコリンアミド
;
5)米国特許第8,735,551号に記載された通りの、配列番号141のVHおよび
配列番号140のVLを含む、抗HER3モノクローナル抗体またはその抗原結合断片;
6)(E)-N-ヒドロキシ-3-(4-(((2-(2-メチル-1H-インドール-
3-イル)エチル)アミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド;
7)(3R)-3-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミ
ジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]プロパンニトリル;および/または
8)8-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-キノキサリン-5-
カルボン酸(4-ジメチルアミノメチル-1H-イミダゾール-2-イル)-アミド。
【0113】
他の実施形態において、例示的化学療法剤としては、以下のものが挙げられるが、これ
らに限定されない:
1)3-(1H-インドール-3-イル)-4-[2-(4-メチル-1-ピペラジニル
)-4-キナゾリニル]-1H-ピロール-2,5-ジエン;
2)5-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)-N-エチル-4-(4
-(モルホリノメチル)フェニル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
3)2-メチル-2-(4-(3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-
2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)フェニル)プロ
パンニトリル(ダクトリシブ);
4)化合物D(CYP17阻害剤);
5)4-[3,5-ビス(2-ヒドロキシフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール
-1-イル]-安息香酸(デフェラシロックス(defeasirox));
6)4,4’-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチレン)ビス-ベンゾニ
トリル(レトロゾール);
7)(4S,5R)-3-(2’-アミノ-2-モルホリノ-4’-(トリフルオロメチ
ル)-[4,5’-ビピリミジン]-6-イル)-4-(ヒドロキシメチル)-5-メチ
ルオキサゾリジン-2-オン;
8)(S)-5-(5-クロロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-
3-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-(2,4-ジメトキシピリミジン-5)
-イル)-1-イソプロピル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-d]イミダゾール-4
(1H)-オン;
9)4-[(4-メチル-1-ピペラジニル)メチル]-N-[4-メチル-3-[[4
-(3-ピリジニル)-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-メタンスルホナート-
ベンズアミド;
10)4-[(R)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-5
-イル]-3-フルオロベンゾニトリル(オシロドロスタット);
11)N-[6-[(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-モルホリニル]-3-ピリ
ジニル]-2-メチル-4’(トリフルオロメトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-3
-カルボキサミド、二リン酸塩(ソニデギブリン酸塩);
12)(R)-2-(5-(4-(6-ベンジル-4,5-ジメチルピリダジン-3-イ
ル)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピラジン-2-イル)プロパン-2-オール;
13)化合物M(PRLRに対するヒトモノクローナル抗体);
14)2-(2’,3-ジメチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)-N-(5-
(ピラジン-2-イル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
15)7-シクロペンチル-N,N-ジメチル-2-((5-((1R,6S)-9-メ
チル-4-オキソ-3,9-ジアザビシクロ[4.2.1]ノナン-3-イル)ピリジン
-2-イル)アミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-カルボキサミド;
16)化合物P(FGFR2および/またはFGFR4抗体薬物コンジュゲート、mAb
12425);
17)化合物Q(M-CSFに対するFabのモノクローナル抗体);
18)N-[(9S,10R,11R,13R)-2,3,10,11,12,13-ヘ
キサヒドロ-10-メトキシ-9-メチル-1-オキソ-9,13-エポキシ-1H,9
H-ジインドロ[1,2,3m]ピロロ[3,4-j][1,7]ベンゾジアゾニン-1
1-イル]-N-メチル-ベンズアミド(ミドスタウリン);
19)1-メチル-5-((2-(5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-
2-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル
)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン;
20)シクロ((4R)-4-(2-アミノエチルカルバモイルオキシ)-L-プロリル
-L-フェニルグリシル-D-トリプトフィル-L-リシル-4-0-ベンジル-L-チ
ロシル-L-フェニルアラニル-)(パシレオチド二アスパラギン酸塩);
21)1-アミノ-5-フルオロ-3-[6-(4-メチル-1-ピペラジニル)-1H
-ベンゾイミダゾール-2-イル]-2(1H)-キノリノン(ドビチニブ);
22)8-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(4-ピペラジン
-1-イル-3-トリフルオロメチル-フェニル)-1,3-ジヒドロ-イミダゾ[4,
5-c]キノリン-2-オン;
23)N6-(2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-メチルピペリジン-4-イ
ル)フェニル)-N4-(2-(イソプロピルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾロ
[3,4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン;
24)3-(4-(4-((5-クロロ-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-
イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-5-フルオロ-2-メチルフェニル)
ピペリジン-1-イル1)チエタン 1,1-ジオキシド;
25)5-クロロ-N2-(2-フルオロ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2
H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)フェニル)-N4-(5-メチル-1H
)-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
26)5-クロロ-N2-(4-(1-エチルピペリジン-4-イル)-2-フルオロ-
5-メチルフェニル)-N4-(5-メチル-1Hピラゾール-3-イル)ピリミジン-
2,4-ジアミン;
27)6-[(2S,4R,6E)-4-メチル-2-(メチルアミノ)-3-オキソ-
6-オクテン酸]シクロスポリンD。Amdray。PSC833。[3’-デスオキシ
-3’-オキソ-MeBmt]1-[Val]2-シクロスポリン(Valspodar
);
28)N-(4-クロロフェニル)-4-(4-ピリジニルメチル)-1-フタラジンア
ミンスクシナート(コハク酸バタラニブ);
29)化合物CC(IDH阻害剤);
30)(R)-N-(4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル)-6-(3-ヒドロ
キシピロリジン-1-イル)-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ニコチンアミド;
31)化合物EE(cRAF阻害剤);
32)化合物FF(ERK1/2ATP競合阻害剤);および
33)4-((2-(((1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベン
ゾ[d]チアゾール-6-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミド。例えば、全体と
して参照により本明細書に組み入れられるWO2016/100882参照。
【0114】
特定の実施形態において、コンジョイント投与のための例示的治療薬は、モノクローナ
ル抗体またはその断片である(例えば、Bolliger(1993)Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Poljak(1994)
Structure 2:1121-1123参照)。これらの治療用モノクローナル抗
体および/またはその断片としては、抗LAG-3モノクローナル抗体、抗PD-1抗体
、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体、抗TIM-3抗体、抗CTLA-4抗体、抗T
IGIT抗体、抗OX40抗体、抗GITR抗体、アダリムマブ、アファチニブ、アフツ
ズマブ、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アキシチニブ、バシリキシマブ
、バビツキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブ、カナキヌマブ、セル
トリズマブ、セツキシマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、デュルバルマブ、エクリズマブ
、エファリズマブ、エロツズマブ、フォスタマチニブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴ
リムマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、ランブロリ
ズマブ、ラパチニブ、レンバチニブ、リリルマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ムブ
リチニブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ
、パリビズマブ、パニツムマブ、ペガプタニブ(pegaptani)、ペムブロリズマ
ブ、ペルツズマブ、ピジリズマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、リロツムマブ、リツ
キシマブ、トシリズマブ、トシツモマブ-I-13、トラスツズマブ、トレメリムマブ、
ウレルマブ、ウステキヌマブ、およびバルリルマブが挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0115】
併用療法はまた、二重特異性抗体の投与を含み得る。二重特異性抗体は、2つの別々の
抗原を標的とするために用いられ得る。例えば、抗Fc受容体/抗腫瘍抗原(例えば、H
er-2/neu)二重特異性抗体は、マクロファージを腫瘍部位に向けるために使用さ
れてきた。この標的化は、腫瘍特異性応答をより効果的に活性化し得る。これらの応答の
T細胞アームは、PD-1遮断の使用によって増強されるであろう。あるいは、抗原が、
腫瘍抗原と樹状細胞特異的細胞表面マーカーに結合する二重特異性抗体の使用によりDC
に直接送達され得る。
【0116】
宿主の免疫応答性を活性化するために使用され得る他の抗体は、本明細書に記載された
併用療法と組み合わせて使用され得る。これらは、樹状細胞の表面上で、DC機能および
抗原提示を活性化する分子を含む。抗CD40抗体は、効果的にT細胞ヘルパー活性に置
き換えることができ(Ridge,J.et al.(1998)Nature 393:
474-478)、かつPD-1抗体と組み合わせて使用され得る(Ito,N.et
al.(2000)Immunobiology 201(5)527-40)。CTL
A-4(例えば、米国特許第5,811,097号)、OX-40(Weinberg,
A.et al.,(2000)Immunol164:2160-2169)、4-1
BB(Melero,I et al.(1997)Nature Medicine 3:
682-685(1997)、およびICOS(Hutloff,A.et al.(1
999)Nature 397:262-266)などのT細胞共刺激分子に対する抗体
もまた、T細胞活性化のレベル上昇を提供し得る。
【0117】
本明細書に記載された組成物およびコンジョイント法における使用に適した免疫調節剤
および治療としては、抗T細胞受容体抗体、例えば、抗CD3抗体(例えば、Nuvio
n(Protein Design Labs)、OKT3(Johnson&Johns
on)、または抗CD20抗体リツキサン(IDEC))、抗CD52抗体(例えば、C
AMPATH 1H(Ilex))、抗CD11a抗体(例えば、Xanelim(Ge
nentech));抗サイトカインまたは抗サイトカイン受容体抗体、ならびにアンタ
ゴニスト、例えば、抗IL-2受容体抗体(Zenapax(Protein Desi
gn Labs))、抗IL-6受容体抗体(例えば、MRA(Chugai))、およ
び抗IL-12抗体(CNT01275(Janssen))、抗TNFアルファ抗体(
Remicade(Janssen))またはTNF受容体アンタゴニスト(Enbre
l(Immunex))、抗IL-6抗体(BE8(Diaclone)およびシルツキ
シマブ(CNT032(Centocor))、および腫瘍関連抗原に免疫特異的に結合
する抗体(例えば、トラスツジマブ(Genentech))が挙げられるが、これらに
限定されない。
【0118】
本明細書に開示された併用療法は、癌性細胞、精製腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプ
チド、および炭水化物分子を含む)、細胞、および免疫刺激サイトカインをコードする遺
伝子でトランスフェクトされた細胞などの免疫原性因子とさらに組み合わせられ得る(H
e et al.,(2004)J.Immunol.173:4919-28)。用いら
れ得る腫瘍ワクチンの非限定的な例としては、黒色腫抗原のペプチド、例えば、gp10
0のペプチド、MAGE抗原、Trp-2、MARTIおよび/もしくはチロシナーゼ、
またはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞が挙
げられる。
【0119】
本明細書中に開示された化合物を、腫瘍において発現される組換えタンパク質および/
またはペプチドの収集物と共に使用して、これらのタンパク質に対する免疫応答を生じさ
せることができる。これらのタンパク質は通常、免疫系によって自己抗原と見なされ、し
たがってそれらに対して寛容である。腫瘍抗原はまたタンパク質テロメラーゼも含み、そ
れは染色体のテロメアの合成に必要とされ、85%を超えるヒト癌において、および限ら
れた数の体細胞組織においてのみ発現される(Kim,Net al.,(1994)S
cience 266:2011-2013)。(これらの体組織は、様々な手段で免疫
攻撃から保護され得る)。腫瘍抗原はまた、タンパク質配列を変化させるか、または2つ
の無関係な配列間の融合タンパク質(即ち、フィラデルフィア染色体におけるbcr-a
bl)もしくはB細胞腫瘍由来のイディオタイプを生み出す体細胞変異のため、癌細胞に
おいて発現される「ネオ抗原」であってもよい。
【0120】
本明細書に開示された化合物は、ワクチン接種プロトコルと組み合わされ得る。腫瘍に
対するワクチン接種のための多くの実験的戦略が考案されてきた(Rosenberg,
S.,2000,Development of Cancer Vaccines,AS
CO Educational Book Spring:60-62;Logothet
is,C.,2000,ASCO Educational Book Spring:3
00-302;Khayat,D.2000,ASCO Educational Boo
k Spring:414-428;Foon,K.2000,ASCO Educati
onal Book Spring:730-738参照;同じくRestifo,N.
and Sznol,M.,Cancer Vaccines,Ch.61,pp.302
3-3043 in DeVita,V.et al.(eds.),1997,Canc
er:Principles and Practice of Oncology,Fif
th Edition参照)。これらの戦略の1つにおいて、ワクチンは、自家または同
種の腫瘍細胞を用いて調製される。これらの細胞ワクチンは、腫瘍細胞がGM-CSFを
発現するように形質導入された場合に、最も効果的であることが示されている。GM-C
SFは、腫瘍ワクチン接種のための抗原提示の強力な活性化因子であることが示されてい
る(Dranoff et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.90:3539-43)。幾つかの実施形態において、悪性形質細胞によっ
て産生される免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種が、利用される。他の治
療用ワクチンとしては、sipuleucel-T、gp100ワクチン、HPV-16
ワクチン接種、およびGVAX膵臓ワクチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
他の腫瘍ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBVおよ
びHCV)、カポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)および黒色腫優先発現抗原(Pr
eferentially Expressed Antigen In Melanoma
)(PRAME)など、ヒト癌に関与するウイルス由来のタンパク質を含んでもよい。特
定の実施形態において、ワクチンは、ウイルスベクターワクチン、細菌ワクチン、細胞を
基にしたワクチン、DNAワクチン、RNAワクチン、ペプチドワクチン、またはタンパ
ク質ワクチンから選択される。例えば、Jeffrey Schlom、’’Thera
peutic Cancer Vaccines:Current Status and
Moving Forward’’,J Natl Cancer Inst;104:59
9-613(2012)を参照されたい。PD-1遮断と組み合わせて使用され得る腫瘍
特異的抗原の別の形態は、腫瘍組織自体から単離される精製ヒートショックタンパク質(
HSP)である。これらのヒートショックタンパク質は、腫瘍細胞由来のタンパク質の断
片を含有し、これらのHSPは、腫瘍免疫を誘発するための抗原提示細胞への送達におい
て非常に効率的である(Suot,R&Srivastava,P(1995)Scie
nce 269:1585-1588;Tamura,Y. et al.(1997)S
cience 278:117-120)。
【0122】
本明細書に開示された化合物とコンジョイントで投与され得る例示的薬剤としては、治
療用癌ワクチンまたは養子T細胞療法が挙げられる。特定の実施形態において、治療用癌
ワクチンは、樹状細胞ワクチンである。樹状細胞ワクチンは、自家樹状細胞および/また
は同種樹状細胞で構成され得る。特定の実施形態において、自家または同種樹状細胞は、
対象への投与前に癌抗原を負荷される。特定の実施形態において、自家または同種樹状細
胞は、腫瘍への直接投与を通して癌抗原を負荷される。特定の実施形態において、養子T
細胞療法は、自家および/または同種T細胞を含む。特定の実施形態において、自家およ
び/または同種T細胞は、腫瘍抗原に対して標的化される。
【0123】
特定の実施形態において、癌ワクチンの非限定的例としては、腫瘍細胞ワクチン、抗原
ワクチン、樹状細胞ワクチン、DNAワクチン、およびベクターを基にしたワクチンが挙
げられる。抗原ワクチンは、ペプチドなどの1種または複数の抗原を使用することにより
免疫系をブーストする。各腫瘍タイプは、特異的抗原プロファイルによって同定され得る
ため、抗原ワクチンは、特定のタイプの癌に特異的であり得る。樹状細胞ワクチンは多く
の場合、自家ワクチンであり、多くの場合、各対象のために個別に作製されなければなら
ない。樹状ワクチンの非限定的な例は、Sipuleucel-TおよびDCvaxであ
る。DNAワクチンを調製するために、ベクターは、対象に注射され得る特異的DNAを
含有するように設計され得、それは細胞によりこのDNAが取り込まれるようにする。細
胞がDNAを取り込むと、DNAは、特異的抗原を作るよう細胞をプログラムし、それは
その後、所望の免疫応答を引き起こし得る。
【0124】
膵臓癌
膵臓癌の処置のために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで使用され得る例
示的薬剤としては、TAXOL、アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤(例えば
、ABRAXANE)またはリポソームパクリタキセル製剤;ゲムシタビン(例えば、ゲ
ムシタビン単独、またはAXP107-11との組み合わせ);他の化学療法剤、例えば
、オキサリプラチン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ルビテカン、エピルビシン
塩酸塩、NC-6004、シスプラチン、ドセタキセル(例えば、TAXOTERE)、
マイトマイシンC、イホスファミド;インターフェロン;チロシンキナーゼ阻害剤(例え
ば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマ
ブ);HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ);二重キナーゼ阻害剤
(例えば、ボスチニブ、サラカチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ);マルチキナーゼ阻
害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、XL184、パゾパニブ);VEGF阻害剤
(例えば、ベバシズマブ、AV-951、ブリバニブ);放射免疫療法(例えば、XR3
03);癌ワクチン(例えば、GVAX、サバイビンペプチド);COX-2阻害剤(例
えば、セレコキシブ);IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG479、MK-064
6);mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);IL-6阻害剤(例
えば、CNTO328);サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、P276-00、
UCN-01);改変エネルギー代謝指向(Altered Energy Metabo
lism-Directed)(AEMD)化合物(例えば、CPI-613);HDA
C阻害剤(例えば、ボリノスタット);TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例
えば、コナツムマブ);MEK阻害剤(例えば、AS703026、セルメチニブ、GS
K1120212);Raf/MEK二重キナーゼ阻害剤(例えば、R05126766
);Notchシグナル伝達阻害剤(例えば、MK0752);モノクローナル抗体-抗
体融合タンパク質(例えば、L19IL2);クルクミン;HSP90阻害剤(例えば、
タネスピマイシン、STA-9090);riL-2;デニロイキンジフチトクス;トポ
イソメラーゼ1阻害剤(例えば、イリノテカン、PEP02);スタチン(例えば、シン
バスタチン);第VIIa因子阻害剤(例えば、PCI-27483);AKT阻害剤(
例えば、RX-0201);低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH-302);メト
ホルミン塩酸塩、ガンマ-セクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097);リボヌ
クレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP);免疫毒素(例えば、HuC242
-DM4);PARP阻害剤(例えば、KU-0059436、ベリパリブ);CTLA
-4阻害剤(例えば、CP-675,206、イピリムマブ);AdVtk療法;プロテ
アソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);チア
ゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン);NPC-1C;オーロラキナーゼ阻害剤(
例えば、R763/AS703569)、CTGF阻害剤(例えば、FG-3019);
siG 12D LODER;および放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線、陽
子線治療)、外科手術、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0125】
小細胞肺癌
小細胞肺癌を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで使用され
得る例示的薬剤としては、エトポシド、カルボプラチン、シスプラチン、イリノテカン、
トポテカン、ゲムシタビン、リポソームSN-38、ベンダムスチン、テモゾロミド、ベ
ロテカン、NK012、FR901228、フラボピリドール);チロシンキナーゼ阻害
剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パ
ニツムマブ);マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ);VEGF
阻害剤(例えば、ベバシズマブ、バンデタニブ);癌ワクチン(例えば、GVAX);B
cl-2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム、ABT-263);プロテアソー
ム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052)、パクリタキ
セルまたはパクリタキセル剤;ドセタキセル;IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG
479);HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102、MK-0646);クロロキン
;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237);放射免疫療法(例えば、TF2
);HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090);mTOR阻害
剤(例えば、エベロリムス);Ep-CAM-/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT
110);CK-2阻害剤(例えば、CX-4945);HDAC阻害剤(例えば、ベリ
ノスタット);SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923);ペプチド癌ワク
チン、および放射線療法(例えば、強度変調放射線療法(IMRT)、少分割放射線療法
、低酸素誘導放射線療法)、外科手術、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これ
らに限定されない。
【0126】
非小細胞肺癌
非小細胞肺癌を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで使用さ
れ得る例示的薬剤としては、ビノレルビン、シスプラチン、ドセタキセル、ペメトレキセ
ド二ナトリウム、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチン、リポソームSN-38、
TLK286、テモゾロミド、トポテカン、ペメトレキセド二ナトリウム、アザシチジン
、イリノテカン、テガフルギメラシル-オテラシルカリウム、サパシタビン);チロシン
キナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツ
キシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、PF-00299804、ニモツズマブ、R0
5083945)、MET阻害剤(例えば、PF-02341066、ARQ197)、
PI3Kキナーゼ阻害剤(例えば、XL147、GDC-0941)、Raf/MEK二
重キナーゼ阻害剤(例えば、R05126766)、PI3K/mTOR二重キナーゼ阻
害剤(例えば、XL765)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、二重阻害剤(例え
ば、BIBW2992、GSK1363089、ZD6474、AZD0530、AG-
013736、ラパチニブ、MEHD7945A、リニファニブ)、マルチキナーゼ阻害
剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、AMG706、XL184、MG
CD265、BMS-690514、R935788)、VEGF阻害剤(例えば、エン
ドスター、エンドスタチン、ベバシズマブ、セジラニブ、BIBF1120、アキシチニ
ブ、チボザニブ、AZD2171)、癌ワクチン(例えば、BLP25リポソームワクチ
ン、GVAX、組換えDNAおよびL523Sタンパク質を発現するアデノウイルス)、
Bcl-2阻害剤(例えば、オブリメルセン、ナトリウム)、プロテアソーム阻害剤(例
えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、NPI-0052、イクサゾミド)、パクリタ
キセルまたはパクリタキセル剤、ドセタキセル、IGF-1受容体阻害剤(例えば、シク
ツムマブ、MK-0646、OSI906、CP-751,871、BIIB022)、
ヒドロキシクロロキン、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-909
0、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリ
ムス、リダフォロリムス)、Ep-CAM-/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT1
10)、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、HDAC阻害剤(例えば、MS2
75、LBH589、ボリノスタット、バルプロ酸、FR901228)、DHFR阻害
剤(例えば、プララトレキサート)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、トレチノイン
)、抗体-薬物コンジュゲート(例えば、SGN-15)、ビスホスホナート(例えば、
ゾレドロン酸)、癌ワクチン(例えば、ベラゲンプマツセル-L)、低分子量ヘパリン(
LMWH)(例えば、チンザパリン、エノキサパリン)、GSK1572932A、メラ
トニン、タラクトフェリン、ジメスナ、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、アムルビシン
、エトポシド、カレニテシン)、ネルフィナビル、シレンギチド、ErbB3阻害剤(例
えば、MM-121、U3-1287)、サバイビン阻害剤(例えば、YM155、LY
2181308)、メシル酸エリブリン、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、
ペグフィルグラスチム、ポロ様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、TRAIL
受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、CS-1008)、CNGRCペプチド-T
NFアルファコンジュゲート、ジクロロ酢酸(DCA)、HGF阻害剤(例えば、SCH
900105)、SAR240550、PPAR-ガンマアゴニスト(例えば、CS-
7017)、ガンマ-セクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097)、エピジェネ
ティック療法(例えば、5-アザシチジン)、ニトログリセリン、MEK阻害剤(例えば
、AZD6244)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、コレ
ステロール-Fus1、抗チューブリン剤(例えば、E7389)、ファルネシル-OH
トランスフェラーゼ阻害剤(例えば、ロナファルニブ)、免疫毒素(例えば、BB-10
901、SS1(dsFv)PE38)、フォンダパリヌクス、血管破壊剤(例えば、A
VE8062)、PD-L1阻害剤(例えば、MDX-1105、MDX-1106)、
ベータ-グルカン、NGR-hTNF、EMD521873、MEK阻害剤(例えば、G
SK1120212)、エポチロン類似体(例えば、イクサベピロン)、キネシン-スピ
ンドル阻害剤(例えば、4SC-205)、テロメア標的薬(例えば、KML-001)
、P70経路阻害剤(例えば、LY2584702)、AKT阻害剤(例えば、MK-2
206)、血管新生阻害剤(例えば、レナリドミド)、Notchシグナル伝達阻害剤(
例えば、OMP-21M18)、放射線療法、外科手術、およびそれらの組み合わせが挙
げられるが、これらに限定されない。
【0127】
卵巣癌
卵巣癌を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで使用され得る
例示的薬剤としては、化学療法剤(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤;ド
セタキセル;カルボプラチン;ゲムシタビン;ドキソルビシン;トポテカン;シスプラチ
ン;イリノテカン、TLK286、イホスファミド、オラパリブ、オキサリプラチン、メ
ルファラン、ペメトレキセド二ナトリウム、SJG-136、シクロホスファミド、エト
ポシド、デシタビン);グレリンアンタゴニスト(例えば、AEZS-130)、免疫療
法(例えば、APC8024、オレゴボマブ、OPT-821)、チロシンキナーゼ阻害
剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、二重阻害剤(例えば、E708
0)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AZD0530、JI-101、ソラフェニブ、
スニチニブ、パゾパニブ)、ON 01910.Na)、VEGF阻害剤(例えば、ベバ
シズマブ)、BIBF1120、セジラニブ、AZD2171)、PDGFR阻害剤(例
えば、IMC-303)、パクリタキセル、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カレニテ
シン、イリノテカン)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸塩、ボリノスタット)、葉
酸受容体阻害剤(例えば、ファレツズマブ)、アンジオポエチン阻害剤(例えば、AMG
386)、エポチロン類似体(例えば、イクサベピロン)、プロテアソーム阻害剤(例え
ば、カルフィルゾミブ)、IGF-1受容体阻害剤(例えば、OSI906、AMG47
9)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ、AG014699、イニパリブ、MK-4
827)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、ENMD-2076)、
血管新生阻害剤(例えば、レナリドミド)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサー
ト)、放射免疫療法剤(例えば、Hu3S193)、スタチン(例えば、ロバスタチン)
、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、NKTR-102)、癌ワクチン(例えば、p5
3合成長鎖ペプチドワクチン、自家OC-DCワクチン)、mTOR阻害剤(例えば、テ
ムシロリムス、エベロリムス)、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ)、ET-
A受容体アンタゴニスト(例えば、ZD4054)、TRAIL受容体2(TR-2)ア
ゴニスト(例えば、CS-1008)、HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102)、
EGEN-001、ポロ様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、ガンマセクレタ
ーゼ阻害剤(例えば、R04929097)、Wee-1阻害剤(例えば、MK-177
5)、抗チューブリン剤(例えば、ビノレルビン、E7389)、免疫毒素(例えば、デ
ニロイキンジフチトックス)、SB-485232、血管破壊剤(例えば、AVE806
2)、インテグリン阻害剤(例えば、EMD525797)、キネシン-スピンドル阻害
剤(例えば、4SC-205)、レブリミド、HER2阻害剤(例えば、MGAH22)
、ErrB3阻害剤(例えば、MM-121)、放射線療法;およびそれらの組み合わせ
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
骨髄腫
骨髄腫を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで投与され得る
例示的薬剤としては、サリドマイド類似体(例えば、レナリドミド)、HSCT(Coo
k、R.(2008)J Manag Care Pharm.14(7 Suppl):1
9-25)、抗TIM-3抗体(Hallett、WHD et al.(2011)J
of American Society for Blood and Marrow Tr
ansplantaion 17(8):1133-145)、腫瘍抗原パルス樹状細胞
、腫瘍細胞と樹状細胞との融合(例えば、電気融合)、または悪性形質細胞によって産生
される免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種(Yi,Q.(2009)Ca
ncer J.15(6):502-10で論評される)が挙げられるが、これらに限定
されない。
【0129】
腎臓細胞癌
腎臓細胞癌を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで投与され
得る例示的薬剤としては、インターロイキン-2またはインターフェロン-α、標的薬剤
(例えば、VEGFに対するモノクローナル抗体などのVEGF阻害剤、例えば、ベバシ
ズマブ(Rini、B.I.et al.(2010)J.Clin.Oncol.28
(13):2137-2143));スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブおよびパ
ゾパニブなどのVEGFチロシンキナーゼ阻害剤(Pal S.K.et al.(201
4)Clin.Advances in Hematology&Oncology12(
2):90-99に論評されている);RNAi阻害剤)、またはVEGFシグナル伝達
の下流メディエータの阻害剤、例えば、ラパマイシンの哺乳動物ターゲット(mTOR)
の阻害剤、例えば、エベロリムスおよびテムシロリムス(Hudes、G.et al.
(2007)N.Engl.J.Med.356(22):2271-2281,Mot
zer,R.J.et al.(2008)Lancet372:449-456)が挙
げられるが、これらに限定されない。
【0130】
慢性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病(CML)を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョ
イントで投与され得る例示的薬剤としては、化学療法剤(例えば、シタラビン、ヒドロキ
シウレア、クロファラビン、メルファラン、チオテパ、フルダラビン、ブスルファン、エ
トポシド、コルジセピン、ペントスタチン、カペシタビン、アザシチジン、シクロホスフ
ァミド、クラドリビン、トポテカン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/AB
L阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、二重阻害剤(例えば、ダサチニブ、ボス
チニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、DCC-2036、ポナチニブ、ソラフェニ
ブ、スニチニブ、RGB-286638))、インターフェロンアルファ、ステロイド、
アポトーシス剤(例えば、オマセタキシンメペスシナート(omacetaxine m
epesuccinat)、免疫療法(例えば、同種CD4+記憶Th1様T細胞/微粒
子結合抗CD3/抗CD28、自家サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN-1
2)、CD52標的薬(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、タネス
ピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば
、エベロリムス)、SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923)、リボヌクレ
オチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB
018424)、ヒドロキシクロロキン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、サイ
クリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、HDAC阻害剤(例えば、ベリ
ノスタット、ボリノスタット、JNJ-26481585)、PARP阻害剤(例えば、
ベリパリブ)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、オーロラBキ
ナーゼ阻害剤(例えば、TAK-901)、放射免疫療法(例えば、アクチニウム-22
5標識抗CD33抗体HuM195)、ヘッジホッグ阻害剤(例えば、PF-04449
913)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、KB0004、癌ワクチ
ン(例えば、AG858)、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、およびそれらの組み合
わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
慢性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病(CLL)を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジ
ョイントで投与され得る例示的薬剤としては、化学療法剤(例えば、フルダラビン、シク
ロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、クロラムブシル、ベンダムスチン、
クロラムブシル、ブスルファン、ゲムシタビン、メルファラン、ペントスタチン、ミトキ
サントロン、5-アザシチジン、ペメトレキセド二ナトリウム)、チロシンキナーゼ阻害
剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、BTK阻害剤(例えば、PCI
-32765)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、MGCD265、RGB-28663
8)、CD-20標的薬(例えば、リツキシマブ、オフアツムマブ、R05072759
、LFB-R603)、CD52標的薬(例えば、アレムツズマブ)、プレドニゾロン、
ダルベポエチンアルファ、レナリドミド、Bcl-2阻害剤(例えば、ABT-263)
、免疫療法(例えば、同種CD4+記憶Th1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD2
8、自家サイトカイン誘導キラー細胞(CIK))、HDAC阻害剤(例えば、ボリノス
タット、バルプロ酸、LBH589、JNJ-26481585、AR-42)、XIA
P阻害剤(例えば、AEG35156)、CD-74標的薬(例えば、ミラツズマブ)、
mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、AT-101、免疫毒素(例えば、CAT-
8015、抗Tac(Fv)-PE38(LMB-2))、CD37標的薬(例えば、T
RU-5016)、放射免疫療法(例えば、131-トシツモマブ)、ヒドロキシクロロ
キン、ペリフォシン、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、サリドマイド、PI3Kデ
ルタ阻害剤(例えば、CAL-101)、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、MD
M2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、プレリキサホル、オーロラキナー
ゼ阻害剤(例えば、MLN8237、TAK-901)、プロテアソーム阻害剤(例えば
、ボルテゾミブ)、CD-19標的薬(例えば、MEDI-551、MOR208)、M
EK阻害剤(例えば、ABT-348)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB0184
24)、低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH-302)、パクリタキセルまたはパ
クリタキセル剤、HSP90阻害剤、AKT阻害剤(例えば、MK2206)、HMG-
CoA阻害剤(例えば、シンバスタチン)、GNKG186、放射線療法、骨髄移植、幹
細胞移植、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
急性リンパ性白血病
急性リンパ性白血病(ALL)を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジ
ョイントで投与され得る例示的薬剤としては、化学療法剤(例えば、プレドニゾロン、デ
キサメタゾン、ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、シクロホスファミ
ド、シタラビン、エトポシド、チオグアニン、メルカプトプリン、クロファラビン、リポ
ソーム性アナマイシン、ブスルファン、エトポシド、カペシタビン、デシタビン、アザシ
チジン、トポテカン、テモゾロミド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/AB
L阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON 01910.Na、マルチキナー
ゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ))、CD-20標的薬(例えば、リツキシマブ)、C
D52標的薬(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-909
0)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン)、JAK-2阻害剤(例
えば、INCB018424)、HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマ
ブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、メトトレキサート、アスパラギ
ナーゼ、CD-22標的薬(例えば、エプラツズマブ、イノツズマブ)、免疫療法(例え
ば、自家サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN-12)、ブリナツモマブ、サ
イクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、CD45標的薬(例えば、B
C8)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、免疫毒素(例えば、
CAT-8015、DT2219ARL)、HDAC阻害剤(例えば、JNJ-2648
1585)、JVRS-100、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、STAT3阻
害剤(例えば、OPB-31121)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、EZN
-2285、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、およびそれらの組み合わせが挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0133】
急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病(AML)を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョ
イントで投与され得る例示的薬剤としては、化学療法剤(例えば、シタラビン、ダウノル
ビシン、イダルビシン、クロファラビン、デシタビン、ボサロキシン、アザシチジン、ク
ロファラビン、リバビリン、CPX-351、トレオスルファン、エラシタラビン、アザ
シチジン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチ
ニブ、ニロチニブ)、ON 01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ミドス
タウリン、SU11248、キザルチニブ、ソラフィニブ))、免疫毒素(例えば、ゲム
ツズマブオゾガマイシン)、DT388IL3融合タンパク質、HDAC阻害剤(例えば
、ボリノスタット、LBH589)、プレリキサホル、mTOR阻害剤(例えば、エベロ
リムス)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-
9090)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、B
I 811283)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、ポロ様キナ
ーゼ阻害剤(例えば、BI6727)、セネルセン、CD45標的薬(例えば、BC8)
、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、MDM2アンタゴニスト
(例えば、R05045337)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、LY57
3636-ナトリウム、ZRx-101、MLN4924、レナリドミド、免疫療法(例
えば、AHN-12)、ヒスタミン二塩酸塩、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、およ
びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで投与さ
れ得る例示的薬剤としては、化学療法剤(例えば、メルファラン、アミホスチン、シクロ
ホスファミド、ドキソルビシン、クロファラビン、ベンダムスチン、フルダラビン、アド
リアマイシン、SyB L-0501)、サリドマイド、レナリドミド、デキサメタゾン
、プレドニゾン、ポマリドミド、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフ
ィルゾミブ、イクサゾミド)、癌ワクチン(例えば、GVAX)、CD-40標的薬(例
えば、SGN-40、CHIR-12.12)、ペリフォシン、ゾレドロン酸、免疫療法
(例えば、MAGE-A3、NY-ES0-1、HuMax-CD38)、HDAC阻害
剤(例えば、ボリノスタット、LBH589、AR-42)、アプリジン、サイクリン依
存性キナーゼ阻害剤(例えば、PD-0332991、ジナシクリブ)、三酸化ヒ素、C
B3304、HSP90阻害剤(例えば、KW-2478)、チロシンキナーゼ阻害剤(
例えば、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、A
T9283))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、プレリキサホル、MEK阻
害剤(例えば、AZD6244)、IPH2101、アトルバスタチン、免疫毒素(例え
ば、BB-10901)、NPI-0052、放射免疫療法剤(例えば、イットリウムY
90イブリツモマブチウキセタン)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)
、MLN4924、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、ENMD-2076)、IMGN
901、ACE-041、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、骨髄移植、幹細
胞移植、放射線療法、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない
。
【0135】
前立腺癌
前立腺癌を処置するために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで投与され得
る例示的薬剤としては、化学療法剤(例えば、ドセタキセル、カルボプラチン、フルダラ
ビン)、アビラテロン、ホルモン療法(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド
、酢酸シプロテロン、ケトコナゾール、アミノグルテチミド、アバレリクス、デガレリク
ス、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン)、チロシンキナーゼ阻害
剤(例えば、二重キナーゼ阻害剤(例えば、ラパタニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例え
ば、ソラフェニブ、スニチニブ))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、TAK
-700、癌ワクチン(例えば、BPX-101、PEP223)、レナリドミド、TO
K-001、IGF-1受容体阻害剤(例えば、シクツムマブ)、TRC105、オーロ
ラAキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボル
テゾミブ)、OGX-011、放射免疫療法(例えば、HuJ591-GS)、HDAC
阻害剤(例えば、バルプロ酸、SB939、LBH589)、ヒドロキシクロロキン、m
TOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、ドビチニブ乳酸塩、ジインドリルメタン、エフ
ァビレンツ、OGX-427、ゲニステイン、IMC-303、バフェチニブ、CP-6
75,206、放射線療法、外科手術、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これ
らに限定されない。
【0136】
ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫の処置のために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで使用
され得る例示的薬剤としては、化学療法剤、例えば、ドキソルビシン(アドリアマイシン
)、ブレオマイシン(Blenoxane)、ビンブラスチン(Velban、Vels
ar)、ダカルバジン、エトポシド(Toposar、VePesid)、シクロホスフ
ァミド(Cytoxan、Neosar)、ビンクリスチン(Vincasar PFS
、Oncovin)、プロカルバジン(Matulane)、プレドニゾン、イホスファ
ミド(Ifex)、カルボプラチン(Paraplatin)、メクロレタミン、クロラ
ムブシル、メチルプレドニゾロン(Solu-Medrol)、シタラビン(Cytos
ar-U)、シスプラチン(Platinol)、ゲムシタビン(Gemzar)、ビノ
レルビン(Navelbine)、オキサリプラチン(Eloxatin)、ロムスチン
、ミトキサントロン、カルムスチン、メルファラン、ベンダムスチン、レナリドミド、お
よびビノレルビン;単独または組み合わせのいずれか;ブレンツキシマブベドチン(Ad
cetris-CD30抗体薬物コンジュゲート);ヨウ素131-CHT25抗体コン
ジュゲート;HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);m-TOR阻害剤(例えば、
エベロリムス、テムシロリムス);PI3K阻害剤(例えば、CAL-101、BAY8
0-6946、TGR-1202、BKM-120、AMG-319);JAK/STA
T経路阻害剤;Bcl-2阻害剤(例えば、ベネトクラクス);Mcl-1阻害剤;マル
チキナーゼ阻害剤、例えば、BAY43-9006(ソラフェニブ);プロテアソーム阻
害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);二重PI3K/
HDAC標的阻害剤(例えば、CUDC-907);NF-kB阻害剤;抗PD-1抗体
(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ)、抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマ
ブ);抗CD-20抗体(例えば、リツキシマブ);抗CD40抗体;抗CD80抗体;
および放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線療法、陽子線療法)、外科手術、
およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
非ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫の処置のために本明細書に開示された化合物とコンジョイントで使用
され得る例示的薬剤としては、化学療法剤、例えば、ドキソルビシン(アドリアマイシン
)、ブレオマイシン(Blenoxane)、ビンブラスチン(Velban、Vels
ar)、ダカルバジン、エトポシド(Toposar、VePesid)、シクロホスフ
ァミド(Cytoxan、Neosar)、ビンクリスチン(Vincasar PFS
、Oncovin)、プロカルバジン(Matulane)、プレドニゾン、イホスファ
ミド(Ifex)、カルボプラチン(パラプラチン)、メクロレタミン、クロラムブシル
、メチルプレドニゾロン(Solu-Medrol)、シタラビン(Cytosar-U
)、シスプラチン(Platinol)、ゲムシタビン(Gemzar)、ビノレルビン
(Navelbine)、オキサリプラチン(Eloxatin)、ロムスチン、ミトキ
サントロン、メトトレキサート、カルムスチン、メルファラン、ベンダムスチン、レナリ
ドミド、およびビノレルビン;単独または組み合わせのいずれか;チロシンキナーゼ阻害
剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニ
モツズマブ);HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);IRAK-4阻害剤;HS
P90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090、CUDC-305);m
-TOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);PI3K阻害剤(例えば、
CAL-101、BAY80-6946、TGR-1202、BKM-120、AMG-
319);JAK/STAT経路阻害剤;AKT阻害剤(例えば、RX-0201);B
cl-2阻害剤(例えば、ベネトクラクス);Mcl-1阻害剤;マルチキナーゼ阻害剤
、例えば、BAY43-9006(ソラフェニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボ
ルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);二重PI3K/HDAC標的阻害
剤(例えば、CUDC-907);NF-kB阻害剤;BTK阻害剤(例えば、イブルチ
ニブ);BETブロモドメイン阻害剤;抗PD-1抗体(例えば、ニボルマブ、ペンブロ
リズマブ);抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ);抗CD-20抗体(例えば
、リツキシマブ);抗CD40抗体;抗CD80抗体;および放射線療法(例えば、トモ
セラピー、定位放射線療法、陽子線療法)、外科手術、およびそれらの組み合わせが挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0138】
特定の実施形態において、本開示の式(I)の化合物は、非化学的な癌処置方法とコン
ジョイントで投与されてもよい。さらなる実施形態において、本開示の式(I)の化合物
は、放射線療法とコンジョイントで投与されてもよい。さらなる実施形態において、本開
示の式(I)の化合物は、外科手術、熱切除、集束超音波療法、寒冷療法、またはこれら
の任意の組み合わせとコンジョイントで投与されてもよい。
【0139】
特定の実施形態において、本開示の異なる化合物は、本開示の1種または複数の他の化
合物とコンジョイントで投与されてもよい。さらに、そのような組み合わせは、癌、免疫
学的疾患または神経学的疾患の処置に適した他の剤、例えば、先に同定された薬剤などの
他の治療薬とコンジョイントで投与されてもよい。特定の実施形態において、1種または
複数の追加の化学療法剤を本開示の式(I)の化合物とコンジョイントで投与することは
、相乗効果をもたらす。特定の実施形態において、1種または複数の追加の化学療法剤を
コンジョイントで投与することは、相加効果をもたらす。
【0140】
医薬組成物
特定の実施形態において、本開示は、場合により医薬的に許容できる担体または希釈剤
と混和される、本明細書に開示された式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0141】
本開示はまた、医薬投与のための開示された式(I)の化合物を配合するための方法を
提供する。
【0142】
本開示の組成物および方法は、それを必要とする個体を処置するために用いられてよい
。特定の実施形態において、個体は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物などの哺乳動物である。
ヒトなどの動物に投与される場合、組成物または化合物は好ましくは、例えば本開示の式
(I)の化合物および医薬的に許容できる担体を含む、医薬組成物として投与される。医
薬的に許容できる担体は、当該技術分野において周知であり、例えば、水もしくは生理学
的に緩衝された生理食塩水などの水性溶液、またはグリコール、グリセロール、オリーブ
油などの油もしくは注射可能な有機エステルなどの他の溶媒もしくはビヒクルを含む。好
ましい実施形態において、そのような医薬組成物が、ヒトへの投与用、特に侵襲性投与経
路(即ち、上皮バリアを通した輸送または拡散を回避する注射または移植などの経路)用
である場合、水性溶液は、パイロジェンフリーであるか、または実質的にパイロジェンフ
リーである。賦形剤は、例えば、薬剤の遅延放出を実行するように、または1種もしくは
複数の細胞、組織もしくは器官を選択的に標的化するように、選択され得る。医薬組成物
は、錠剤、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含む)、顆粒、再
構成用の凍結乾燥物、粉末、溶液、シロップ、坐剤、注射などの投与単位剤形であり得る
。組成物はまた、経皮送達システム、例えば皮膚パッチ中に存在し得る。組成物はまた、
点眼剤などの外用投与に適した溶液中に存在し得る。
【0143】
医薬的に許容できる担体は、例えば、本開示の式(I)の化合物などの化合物を安定化
するように、化合物の溶解度を上昇させるように、または吸収を増加させるように作用す
る、生理学的に許容できる薬剤を含有し得る。そのような生理学的に許容できる薬剤とし
ては、例えば、グルコース、スクロースもしくはデキストランなどの炭水化物、アスコル
ビン酸もしくはグルタチオンなどの抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質、または
他の安定剤もしくは賦形剤が挙げられる。生理学的に許容できる薬剤を含む、医薬的に許
容できる担体の選択は、例えば、その組成物の投与経路に依存する。医薬組成物の調製は
、自己乳化薬物送達系または自己マイクロ乳化薬物送達系であり得る。医薬組成物(調製
物)はまたリポソームまたは他のポリマーマトリックスであってよく、それは、例えば本
開示の式(I)の化合物を組み込んでいる。例えばリン脂質または他の脂質を含む、リポ
ソームは、作製および投与が比較的簡単である、非毒性の、生理学的に許容され、かつ代
謝可能な担体である。
【0144】
語句「医薬的に許容できる」は、人間および動物の組織と接触する使用に適し、過度の
毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を起こさず、合理的な利益/
リスク比に適う、健全な医学判断の範囲内である、それらの化合物、材料、組成物および
/または投与剤形を指すために本明細書で用いられる。
【0145】
本明細書で用いられる語句「医薬的に許容できる担体」は、液体もしくは固体充填剤、
希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの、医薬的に許容できる材料、組成物ま
たはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に有害でない
という意味で「許容でき」なければならない。医薬的に許容できる担体として働き得る材
料の幾つかの例としては(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;(
2)コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチル
セルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよび
その誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(
8)ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナツ油、綿実油、ベニバ
ナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油;(10)プロピレングリコ
ールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエ
チレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル
などのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム
などの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張生理
食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;なら
びに(21)医薬製剤中で用いられる他の非毒性適合性物質が挙げられる。
【0146】
医薬組成物(調製物)は、任意の多数の投与経路により、例えば、経口的に(例えば、
水性もしくは非水性の溶液または懸濁液のような飲薬、錠剤、カプセル(スプリンクルカ
プセルおよびゼラチンカプセルを含む)、ボーラス、粉末、顆粒剤、舌に塗布するための
ペースト);口腔粘膜を通しての吸収(例えば、舌下);肛門、直腸または膣内(例えば
、ペッサリー、クリームまたは泡状物として);非経口的(筋肉内、静脈内、皮下または
髄腔内など、例えば、滅菌溶液または懸濁液として);鼻腔内;腹腔内;皮下;経皮的(
例えば、皮膚に塗布されるパッチとして)により;および外用として(例えば、皮膚に塗
布されるクリーム、軟膏もしくはスプレーとして、または点眼剤として)対象に投与され
得る。化合物はまた、吸入用に配合され得る。特定の実施形態において、化合物は、単に
滅菌水に溶解または懸濁されてもよい。適切な投与経路およびそれに適した組成物の詳細
は、例えば、米国特許第6,110,973号、同第5,763,493号、同第5,7
31,000号、同第5,541,231号、同第5,427,798号、同第5,35
8,970号および同第4,172,896号、ならびにそれらに引用された特許に見出
され得る。
【0147】
製剤は、簡便には単位投与剤形で提供されてよく、調剤の技術分野で周知の任意方法に
よって調製されてよい。単一投与剤形を生成するために担体材料と組み合わせられ得る有
効成分の量は、処置される宿主、特定の投与方法に応じて変動するであろう。単一投与剤
形を生成するために担体材料と組み合わされ得る有効成分の量は、一般に治療効果をもた
らす化合物の量であろう。一般に、100パーセントのうち、この量は、有効成分の約1
パーセント~約99パーセント、好ましくは約5パーセント~約70パーセント、最も好
ましくは約10パーセント~約30パーセントの範囲であろう。
【0148】
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本開示の式(I)の化合物などの活性化
合物を担体、および場合により1種または複数の補助成分と会合させるステップを含む。
一般に製剤は、本開示の化合物を液体担体、もしくは微粉化固体担体、またはその両方と
均一かつ密接に会合させ、その後、必要に応じて生成物を成形することによって調製され
る。
【0149】
経口投与に適した本開示の製剤は、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカ
プセルを含む)、カシェ剤、丸薬、錠剤、ロゼンジ(香味のある基剤、通常は、スクロー
スおよびアラビアゴムまたはトラガカントを使用)、凍結乾燥物、粉末、顆粒の形態であ
っても、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型
もしくは油中水型の液体エマルジョンとして、またはエリキシルもしくはシロップとして
、またはトローチとして(不活性基剤、例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスク
ロースおよびアラビアゴムを使用)、および/または洗口剤などとして存在して、各々が
有効成分として本開示の化合物の所定量を含有するものであってもよい。組成物または化
合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与されてもよい。
【0150】
経口投与用の固体投与剤形(カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセル
を含む)、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒など)を調製するために、有効成分は、1種
または複数の医薬的に許容できる担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カル
シウム、および/または以下のいずれかと混合される:(1)デンプン、ラクトース、ス
クロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの充填剤または増量剤
;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピ
ロリドン、スクロースおよび/またはアラビアゴムなどの結合剤;(3)グリセロールな
どの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン
、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィン
などの溶解遅延剤;(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、
セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;(8)カオリンお
よびベントナイトクレイなどの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそ
れらの混合物などの滑沢剤;(10)修飾および非修飾シクロデキストリンなどの錯化剤
;ならびに(11)着色剤。カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを
含む)、錠剤および丸薬の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。類似のタイ
プの固体組成物が、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤、および高分子量ポリエチレン
グリコールなどを使用する軟および硬ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられてもよ
い。
【0151】
錠剤は、場合により1種または複数の補助成分と共に、圧縮または成形することにより
作製され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチル
セルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸
ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散
剤を用いて調製されてもよい。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で加湿された粉末化合物の
混合物を適切な機械で成形することによって作製されてよい。
【0152】
錠剤、ならびに糖衣錠、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含
む)、丸薬および顆粒などの医薬組成物の他の固体投与剤形は、場合により刻み目を入れ
られ、または製剤学の技術分野で周知の腸溶コーティングおよび他のコーティングなどの
コーティングおよびシェルを用いて調製されてよい。それらはまた、例えば、所望の放出
プロファイルを提供するための様々な割合でのヒドロキシプロピルメチルセルロース、他
のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを使用して、その中
の有効成分の徐放または制御放出を提供するように配合されてもよい。それらは、例えば
、細菌保持フィルターを通す濾過により、または使用直前に滅菌水もしくは幾つかの他の
滅菌注射可能媒体に溶解され得る滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことにより、
滅菌されてもよい。これらの組成物はまた、場合により乳白剤を含有してもよく、それら
が、場合により遅延させる様式で、消化管の特定の部分において、有効成分(複数可)の
みを、または有効成分(複数可)を優先的に放出する組成物であってもよい。使用され得
る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。有効成分はまた
、適切ならば1種または複数の上記賦形剤を含む、マイクロカプセル化形態であり得る。
【0153】
経口投与に有用な液体投与剤形としては、医薬的に許容できるエマルジョン、再構成用
の凍結乾燥物、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げ
られる。有効成分に加えて、液体投与剤形は、例えば、水または他の溶媒、シクロデキス
トリンおよびそれらの誘導体などの当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、可
溶化剤、ならびに乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチ
ル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,
3-ブチレングリコール、油(特に綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、
ひまし油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレ
ングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含有しても
よい。
【0154】
不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤および
懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤および防腐剤も含み得る。
【0155】
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリ
オキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウ
ムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物
としての、懸濁剤を含有してもよい。
【0156】
直腸投与、膣内投与、または尿道投与用の医薬組成物の製剤は、坐剤として提供されて
よく、坐剤は、1種または複数の活性化合物を、1種または複数の適切な非刺激性の賦形
剤、または例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスもしくはサリ
チル酸塩を含む担体と混合することによって調製されてよく、室温では固体であるが体温
では液体であり、それゆえ直腸または膣腔内で融解し、活性化合物を放出する。
【0157】
口に投与するための医薬組成物の製剤は、洗口剤、または経口スプレー、または経口軟
膏として提供されてもよい。
【0158】
代わりにまたは追加として、組成物は、カテーテル、ステント、ワイヤー、または他の
管腔内デバイスを介した送達用に配合され得る。このようなデバイスによる送達は、膀胱
、尿道、尿管、直腸、または腸への送達に特に有用であり得る。
【0159】
膣内投与に適した製剤としては、適切であることが当該技術分野で知られるような担体
を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー
製剤も挙げられる。
【0160】
外用または経皮投与のための投与剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、ク
リーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物は、滅
菌条件下で医薬的に許容できる担体と混合されても、そして必要とされ得る任意の防腐剤
、緩衝剤、または噴射剤と混合されてもよい。
【0161】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、活性化合物に加えて、賦形剤、例えば動物性
および植物性脂肪、オイル、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロー
ス誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび
酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含有してもよい。
【0162】
粉末およびスプレーは、活性化合物に加えて、賦形剤、例えばラクトース、タルク、ケ
イ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物
質の混合物を含有し得る。スプレーは、追加としてクロロフルオロヒドロカーボンなどの
慣用の噴射剤、ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素を含有し得る
。
【0163】
経皮パッチは、身体への本開示の化合物の制御送達を提供するという追加的利点を有す
る。そのような投与剤形は、活性化合物を適当な媒体に溶解または分散させることにより
作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を横切る化合物の流動を増大させるために使用さ
れ得る。そのような流動の速度は、速度制御膜を提供するか、または化合物をポリマーマ
トリックスもしくはゲルに分散させることによって制御され得る。
【0164】
眼科用製剤、眼軟膏、粉末、液剤などもまた、本開示の範囲内にあることが企図される
。例示的眼科用製剤は、米国特許出願公開第2005/0080056号、同第2005
/0059744号、同第2005/0031697号および同第2005/00407
4号および米国特許第6,583,124号に記載されており、その内容は全体として参
照により本明細書に組み入れられる。所望なら、液体眼科用製剤は、涙液、房水もしくは
硝子体液と類似の特性を有するか、またはそのような液体と適合性がある。好ましい投与
経路は、局所投与(例えば、点眼剤のような外用投与、またはインプラントを介した投与
)である。
【0165】
坐剤もまた、本開示の範囲内にあることが企図される。
【0166】
本明細書で使用される語句「非経口投与」および「非経口的に投与された」は、通常は
注射による、経腸および外用投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄
腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、
くも膜下、脊髄内および胸骨内注射および輸液を含むが、これらに限定されない。
【0167】
非経口投与に適した医薬組成物は、1種または複数の医薬的に許容できる滅菌等張水性
溶液または非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または使用直前に滅菌注
射可能溶液もしくは分散液に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて1種または複数の活
性化合物を含み、これは、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を予定のレシピエントの血液
と等張にさせる溶質、または懸濁もしくは増粘剤を含有してよい。
【0168】
本開示の医薬組成物中で使用され得る適切な水性および非水性担体の例としては、水、
エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなど)、およびそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸
エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適当な流動性は、例えば、レシチン
などのコーティング材料の使用により、分散液の場合には必要な粒径の維持により、およ
び界面活性剤の使用により、維持され得る。
【0169】
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含
有してよい。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、ク
ロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実にされてよい。糖
類、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることも望ましい場合がある。加えて、
モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤を含めること
により、注射可能な医薬形態の長期吸収をもたらしてもよい。
【0170】
場合により、薬物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸
収を緩徐にすることが望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶または非晶質材料の懸濁液
を使用することにより達成されてもよい。その場合、薬物の吸収速度は、その溶解速度に
依存し、溶解速度は、今度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経
口投与された薬物形態の吸収の遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させること
により達成される。
【0171】
注射可能なデポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に
対象化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成させることにより作製される。ポリ
マーに対する薬物の比、および使用される個々のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度
が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポ
リ(酸無水物)が挙げられる。デポー注射可能製剤はまた、体組織と適合性のあるリポソ
ームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を封入することにより調製される。
【0172】
本開示の方法における使用のために、活性化合物は、そのものとして、または例えば、
医薬的に許容できる担体と組み合わせて0.1~99.5%(より好ましくは0.5~9
0%)の有効成分を含有する医薬組成物として与えられ得る。
【0173】
導入方法はまた、再充填可能または生分解性デバイスによって提供されてもよい。タン
パク質性バイオ医薬品を含む、様々な徐放性ポリマーデバイスが、薬物の制御送達のため
に近年開発され、インビボで試験されている。生分解性ポリマーおよび非分解性ポリマー
の両方を含む、種々の生体適合性ポリマー(ヒドロゲルを含む)を使用して、個々の標的
部位に化合物を持続放出させるためのインプラントを形成できる。
【0174】
医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、個々の患者、組成物、および投与様
式に対して所望の治療応答を実現するのに効果的で、患者に有毒とならない有効成分量を
得るように改変されてよい。
【0175】
選択される投与量レベルは、使用される個々の化合物もしくは化合物の組み合わせ、ま
たはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用されている個々
の化合物(複数可)の排泄速度、処置期間、使用されている個々の化合物(複数可)と組
み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または材料、処置されている患者の年齢
、性別、体重、状態、一般的健康状態および過去の病歴、ならびに医療の技術分野で周知
の類似の因子を含む種々の因子に依存するであろう。
【0176】
当業者である医師または獣医師は、必要とされる医薬組成物の治療有効量を即座に決定
および処方し得る。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を実現するために必要
なレベルより低いレベルで、医薬組成物または化合物の投与を開始し、所望の効果が実現
されるまで投与量を徐々に増加させることができる。「治療有効量」とは、所望の治療効
果を引き出すのに充分な化合物の濃度を意味する。化合物の有効量が対象の体重、性別、
年齢、および病歴に応じて変動することは、一般に理解されよう。有効量に影響を与える
他の因子としては、患者の状態の重症度、処置される障害、化合物の安定性、そして所望
なら本開示の式(I)の化合物と共に投与される別のタイプの治療薬を挙げることができ
るが、これらに限定されない。より大きな総用量は、薬剤の反復投与によって送達され得
る。有効性および投与量を決定する方法は、当業者に公知である(参照により本明細書に
組み入れられる、Isselbacher et al.(1996)Harrison’
s Principles of Internal Medicine 13ed.,18
14-1882)。
【0177】
一般に、本開示の組成物および方法において使用される活性化合物の適切な日用量は、
治療効果を生じるのに効果的な最低用量である、化合物量であろう。そのような有効用量
は、一般に上記の因子に依存するであろう。
【0178】
所望なら、活性化合物の有効日用量は、場合により単位投与剤形で、1日を通して適切
な間隔で別々に投与される1、2、3、4、5、6つまたはより多くの分割用量として投
与されてよい。本開示の特定の実施形態において、活性化合物は、1日2回または3回投
与されてよい。好ましい実施形態において、活性化合物は、1日1回投与されよう。
【0179】
この処置を受けている患者は、霊長類、特にヒト、および他の哺乳動物、例えばウマ、
ウシ、ブタ、およびヒツジ;ならびに一般に家禽およびペットを含む、必要とする任意の
動物である。
【0180】
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグ
ネシウムに加え、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、防腐
剤および抗酸化剤も、組成物中に存在し得る。
【0181】
医薬的に許容できる抗酸化剤の例としては、(1)水溶性抗酸化剤、例えば、アスコル
ビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウ
ムなど;(2)脂溶性抗酸化剤、例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシ
アニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プ
ロピル、アルファ-トコフェロールなど;および(3)金属キレート剤、例えばクエン酸
、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などが挙げられ
る。
【0182】
定義および略語
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本明
細書の主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有し、そ
のような用語の意味は、出現ごとに独立している。それにもかかわらず、他に述べられな
い場合を除き、以下の定義が、本明細書および特許請求の範囲を通して適用される。化学
名、一般名および化学構造が、同じ構造を記載するために互換的に用いられ得る。化学的
化合物が、化学構造および化学名の両方を利用して参照され、構造と名称の間にあいまい
さが存在する場合、構造が優先される。他に断りが無ければ、用語が単独で用いられるか
、または他の用語と組み合わせて用いられるかにかかわらず、これらの定義が適用される
。こうして「アルキル」の定義は、「アルキル」に加えて、「ヒドロアルキル」、「ハロ
アルキル」、「--O-アルキル」などの「アルキル」部分に適用される。
【0183】
用語「本発明の化合物(複数可)」は、他に具体的に示されない限り、式(I)もしく
は式(IA)もしくは式(IB)の化合物、またはその医薬的に許容できる塩および立体
異性体を含む。
【0184】
本明細書で用いられる用語「任意の」または「場合により」は、続いて記載された事象
または状況が起こっても、または起こらなくてもよいこと、およびその記載が、その事象
または状況が起こる場合および起こらない場合を含むこと、を意味する。例えば「場合に
より置換されたアルキル」は、アルキルが置換される事象または状況と、アルキルが置換
されない事象または状況とを指す。
【0185】
置換基が具体的に述べられない限り、用語「置換された」は、骨格の1つまたは複数の
炭素上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「~で置換された
」が、そのような置換が置換された原子の許容された原子価に従うこと、および置換が例
えば転位、環化、除去などによる転換を自然に受けない、安定な化合物をもたらすこと、
という暗黙の条件を含むことは、理解されよう。本明細書で用いられる用語「置換された
」は、有機化合物の全ての許される置換を含むことが企図される。広範囲の態様において
、この許される置換は、有機化合物の非環式および環式、分枝状および非分枝状、炭素環
式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基を含む。許される置換基は、1つまたは
複数であり得、適当な有機化合物について同じであるまたは異なり得る。本発明の目的で
は、窒素などのヘテロ原子が、水素置換基、および/またはヘテロ原子の原子価を満たす
本明細書に記載された有機化合物の任意の許される置換基を有していてもよい。置換基は
、本明細書に記載された任意の置換基、例えばハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カ
ルボキシルなど、アルコキシル、オキソ、アミノ、アミド、アミジン、ニトロ、アジド、
ヘテロアリール、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含し得る。適
切ならば、置換基自体が置換され得ることは、当業者に理解されよう。
【0186】
本明細書で用いられる用語「アルキル」は、非限定的に、C1~C10直鎖アルキル基
またはC3~C10分枝鎖アルキル基を含む、飽和脂肪族基を指す。好ましくは「アルキ
ル」基は、C1~C6直鎖アルキル基またはC3~C6分枝鎖アルキル基を指す。最も好
ましくは「アルキル」基は、C1~C4直鎖アルキル基またはC3~C8分枝鎖アルキル
基を指す。「アルキル」基の例としては、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル
、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-
ペンチル、neo-ペンチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、1-ヘプチ
ル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、1-オクチル、2-オクチル、3-オ
クチル、および4-オクチルが挙げられるが、これらに限定されない。「アルキル」基は
、場合により置換されていてもよい。
【0187】
本明細書で用いられる用語「アリール」は、環の各原子が炭素である、置換または非置
換単環式芳香族基を包含する。好ましくは環は、5~7員環、より好ましくは6員環であ
る。特に用語「アリール」は、フェニルを包含する。
【0188】
本明細書で用いられる表現「(p-OH)アリール」は、アリール基が先に定義された
通りである、ヒドロキシル(-OH)基でパラ置換されたアリール基を意味する。
【0189】
用語「ヘテロアリール」は、5~7員環、より好ましくは5~6員環の置換または非置
換芳香族単環構造を包含し、環構造は、少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4
個のヘテロ原子、より好ましくは1または2個のヘテロ原子を含む。特に用語「ヘテロア
リール」は、イミダゾールを包含する。ヘテロアリール基は、原子価に許されるならば、
1つまたは複数の位置が本明細書に記載されたいずれかの任意置換基で置換されていても
よい。
【0190】
本明細書で用いられる用語「アラルキル」は、1個または複数のヘテロ原子(複数可)
を置き換えることによりアルキルラジカル(複数可)で置換されたアリール基を包含する
。
【0191】
本明細書で用いられる用語「アリールオキシ」は、アリール基が先に定義された通りで
ある、基-O-アリールを指す。
【0192】
本明細書で用いられる用語「ヘテロアリールアルキル」は、「アルキル」および「ヘテ
ロアリール」基が先に定義された通りである、ヘテロアリール基に結合されたアルキルを
指す。
【0193】
本明細書で用いられる、障害または病気を「予防する」治療薬は、統計サンプルにおい
て、非処置対照試料に比較して処置試料における障害もしくは病気の出現を低減する化合
物、または非処置対照試料に比較して、障害もしくは病気の1つもしくは複数の発病を遅
延させる、もしくは症状の重症度を低減する化合物を指す。
【0194】
用語「処置すること」は、防御的および/または治療的処置を包含する。用語「防御的
または治療的」処置は、当該技術分野で認識されており、対象組成物の1種または複数の
宿主への投与を包含する。それが、望まない病気(例えば、宿主動物の疾患または他の望
まない状態)の臨床発現の前に投与される場合、その処置は防御的であり(即ちそれは、
望まない病気の発症に対して宿主を防護する)、それが、望まない病気の発現後に投与さ
れる場合、その処置は治療的である(即ちそれは、既存の望まない病気またはその副作用
を軽減、改良または安定化することを意図する)。
【0195】
用語「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、本発明の治療活性剤(例えば、式(I)
の化合物)に変換される化合物を包含するものとする。プロドラッグを作製するための一
般的方法は、生理学的条件下で加水分解されて所望の分子を露出する、1種または複数の
選択された部分を含めることである。他の実施形態において、プロドラッグは、宿主動物
の酵素活性により変換される。例えばエステルまたはカルボナート(例えば、アルコール
またはカルボン酸のエステルまたはカルボナート)が、本発明の好ましいプロドラッグで
ある。特定の実施形態において、先に表された製剤中の式(I)の化合物の幾つかまたは
全てを、対応する適切なプロドラッグで置き換えることができ、例えばその場合、親化合
物中のヒドロキシルが、エステルとして提供されるか、または親化合物中に存在するカル
ボナートもしくはカルボン酸が、エステルとして提供される。
【0196】
本明細書で用いられる用語「含む」または「含むこと」は一般に、包含する、即ち、1
つまたは複数の追加的(未指定の)特色または成分の存在を許すという意味で用いられる
。
【0197】
本明細書で用いられる用語「包含すること」に加え、「包含する(include)」
、「包含する(includes)」および「包含された」などの他の形態は、限定的で
ない。
【0198】
本明細書および特許請求の範囲を通して、本発明の化合物中に構造で言及される「L-
トレオニン残基」および/またはその調製物は、以下の式の任意の1つにより表され得る
。この表現は、類似の構造モチーフを有する他の化合物と解釈されてもよい。
【化18】
【0199】
本発明は、本発明の化合物の医薬的に許容できる塩、ならびに本発明の組成物および方
法におけるそれらの使用を包含する。特定の実施形態において、企図される本発明の塩と
しては、アルキル、ジアルキル、トリアルキルまたはテトラアルキルアンモニウム塩が挙
げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、企図される本発明の塩と
しては、L-アルギニン、ベネンタミン(benenthamine)、ベンザチン、ベ
タイン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン
、2-(ジエチルアミノ)エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチ
ルグルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、リチウム、L-リジン、マグネシウ
ム、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、ピペラジン、カリウム、1-(2-ヒド
ロキシエチル)ピロリジン、ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび亜
鉛の塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、企図される本
発明の塩としては、Na、Ca、K、Mg、Znまたは他の金属の塩が挙げられるが、こ
れらに限定されない。
【0200】
医薬的に許容できる酸付加塩もまた、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムア
ミドなどとの様々な溶媒和物として存在し得る。そのような溶媒和物の混合物もまた、調
製され得る。そのような溶媒和物の供給源は、結晶化の溶媒のもの、調製もしくは結晶化
の溶媒として本来備わるもの、またはそのような溶媒にとって外来的なものであり得る。
【0201】
用語「立体異性体」は、本発明の化合物などの任意の鏡像異性体、ジアステレオ異性体
または幾何異性体を指す。本発明の化合物が、キラルである場合、それらは、ラセミ体ま
たは光学活性形態で存在し得る。本発明による化合物のラセミ体または立体異性体の医薬
活性は、異なり得るため、鏡像異性体の1種に富む化合物を使用することが望ましいであ
ろう。これらの場合、目的生成物またはさらに中間体が、当業者に知られる化学的または
物理的手順により分離され得るか、またはそのようなものとして合成で用いられ得る。ラ
セミ体アミンの場合、ジアステレオマーが、光学活性分割剤との反応により混合物から形
成される。適切な分割剤の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マン
デル酸、リンゴ酸、乳酸、適切なN-保護アミノ酸(例えば、N-ベンゾイルプロリンま
たはN-ベンゼンスルホニルプロリン)または様々な光学活性カンファースルホン酸のR
およびS形態などの光学活性酸である。また有利であるのは、光学活性分割剤(例えば、
シリカゲル上に固定された、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースも
しくは他の炭水化物誘導体、またはキラル誘導体化メタクリル酸塩ポリマー)の補助によ
るクロマトグラフィーでの鏡像異性体分割である。
【0202】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、ラセミ体であってもよい。特定の実施形
態において、本発明の化合物は、1種の鏡像異性体に富んでいてもよい。例えば本発明の
化合物は、30%ee、40%ee、50%ee、60%ee、70%ee、80%ee
、90%eeもしくはさらに95%eeを超える、またはより大きなeeを有していても
よい。特定の実施形態において、本発明の化合物は、1つよりも多くの立体中心を有して
いてもよい。特定のそのような実施形態において、本発明の化合物は、1種または複数の
ジアステレオマーに富んでいてもよい。例えば本発明の化合物は、30%de、40%d
e、50%de、60%de、70%de、80%de、90%deもしくは95%de
を超える、またはより大きなdeを有していてもよい。
【0203】
用語「対象」は、哺乳動物(特にヒト)および他の動物、例えば飼育動物(例えば、ネ
コおよびイヌなどの家庭用ペット)および非飼育動物(野生動物など)を包含する。
【0204】
本明細書全体で用いられる略語を、個々の意味と共に本明細書の以下に要約できる。
【0205】
℃(摂氏度);%(パーセント値);ブライン(NaCl溶液);BOC(tert-
ブチルオキシカルボニル);DIC:N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド;DIP
EA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン);DMF(ジメチルホルムアミド);Et
OH(エタノール);EtOAc(酢酸エチル);Fmoc(9-フルオレニルメチルオ
キシカルボニル);gまたはgr(グラム);HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール);hまたはhr(時間);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);LCMS(
液体クロマトグラフィー・質量分析);mmol(ミリモル);M(モラー);μl(マ
イクロリットル);mL(ミリリットル);mg(ミリグラム);min(分);NaH
CO3(重炭酸ナトリウム);NMM(N-メチルモルホリン);Na2SO4(硫酸ナ
トリウム);NH2OH.HCl(ヒドロキシルアミン塩酸塩);prep-HPLC/
分取HPLC(分取高速液体クロマトグラフィー);TEA/Et3N(トリエチルアミ
ン);TLC(薄層クロマトグラフィー);THF(テトラヒドロフラン);TIPS(
トリイソプロピルシラン);tR(保持時間)など。
【0206】
実験
分析HPLC法:
方法1:Hilic法
カラム:ZIC-HILLIC(Sequant)、C18(4.6×250mm、5μ
m)200Å
流速:1.0mL/分;カラム温度:25.0℃
移動相:A=5mM酢酸アンモニウム pH4.0(酢酸)、B=ACN
勾配(時間/%B):0/85、2/85、20/40、20.1/85、30/85。
方法2:DiBoc法
カラム:PhenomenexAerisペプチドC18(2) 100A(250×4
.6mm、3.6μ)
流速:1.0mL/分;カラム温度:25℃
移動相:A=0.1%TFA(Aq)、B=ACN
勾配(時間/%B):0/2、2/2、15/70、20/95、25/100、30/
100、32/2、42/2
【0207】
分取HPLC法:
分取HPLCを、SeQuant ZIC HILIC 200Åカラム (10mm×2
50mm、5μm)、流速:5.0mL/分で実施した。用いた溶出条件は、以下の通り
である:緩衝液A:5mmol酢酸アンモニウム(酢酸でpH4に調整)、緩衝液B:ア
セトニトリル、90%緩衝液Bでのカラムの平衡化、および20分間の90%-40%緩
衝液Bの勾配による溶出。
【0208】
Mercury MSカラムを用いるAgilent 1100シリーズHPLCおよ
びG1315 B DADを備えたAP1 2000 LC/MS/MSトリプル四重極(A
pplied biosystems)により、またはMercury MSカラムを用
いるAgilent 1100シリーズHPLCおよびG1315 B DADを備えたA
gilent LC/MSD VLシングル四重極を用いて、またはProminence
UFLCシステムおよびSPD-20 A DADを備えたShimadzu LCMS
2020シングル四重極を用いて、LCMSを実施した。
【0209】
実施例1:((S)-2-(3-((S)-1-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル
)エチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピロリジン-1-カルボニル)
-L-アスパラギン酸(化合物1)
【化19】
【0210】
ステップ1A:化合物1bの合成
【化20】
クロロギ酸エチル(4.8g、44.4mmol)およびNMM(4.5g、44.4
mmol)を、THF(120mL)中の化合物1a(10.0g、29.63mmol
)の溶液に添加し、-20℃で20分間撹拌した。20分後に、25%水性アンモニア(
30mL)をこの活性混合酸無水物に添加し、0~5℃で30分間撹拌した。反応の完了
を、TLC分析により確認した。揮発物を減圧蒸発させ、水と酢酸エチルに分配した。有
機層をNaHCO
3溶液で洗浄した後、クエン酸溶液およびブライン溶液で洗浄した。分
離した有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し減圧蒸発させて、8.9 gの化合物1b
を生じた。LCMS: 337.4[M+H]
+。
【0211】
ステップ1b:化合物1cの合成
【化21】
無水トリフルオロ酢酸(TFAA)(14.2g、67.77mmol)を、ピリジン
(9.92mL、112.96mmol)中の化合物1b(7.6g、22.59mmo
l) の溶液に添加し、室温で2時間撹拌した。反応の完了を、TLC分析により確認し
た。揮発物を減圧蒸発させ、水と酢酸エチルに分配した。有機層をNaHCO
3溶液で洗
浄し、その後、クエン酸およびブライン溶液で洗浄した。分離した有機層をNa
2SO
4
で脱水し、濾過し減圧蒸発させて、5.5gの化合物1cを生じ、これを直接次のステッ
プで使用した。
【0212】
ステップ1c:化合物1dの合成
【化22】
ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.62g、23.56mmol)、水(9.4mL)お
よび炭酸カリウム(2.17g、15.7mmol)を、EtOH(28mL)中の化合
物1c(2.5g、7.8mmol)の溶液に添加し、86℃で4時間撹拌した。反応の
完了を、TLC分析により確認した。揮発物を減圧蒸発させ、水と酢酸エチルに分配した
。有機層をブライン溶液で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し減圧蒸発させて、2.
4 gの化合物1dを生じた。LCMS: 351.8[M+H]
+。
【0213】
ステップ1d:化合物1eの合成
【化23】
DMF(20mL)中のFmoc-Pro-OH(1.5g、4.5mmolの溶液に
、HOBt(1.92g、14.23mmol)およびDIC(1.8g、14.23m
mol)を0℃で添加し、15分間撹拌した。その後、化合物1d(2g、5.7mmo
l)を同じ温度で添加して、1時間、 その後、室温で2時間撹拌し続けた。反応の完了
を、TLC分析により確認した。反応混合物を氷水でクエンチし、沈殿した白色固体を濾
過し、水(150mL)で洗浄し、高減圧下で乾燥させた。固体をジエチルエーテル(2
50mL)で15分間撹拌し、濾過し乾燥させて、3.2gの化合物1eを生じた。LC
MS:671.1[M+H]
+。
【0214】
ステップ1e:化合物1fの合成
【化24】
アセトニトリル(30 ml)中の化合物1e(3.2g、4.7mmol)の溶液に
、酢酸(3.2mL)を室温で添加し、90℃で12時間還流した。反応の完了を、TL
C分析により確認した。揮発物を減圧蒸発させて、粗製の半固体を得て、これを水および
酢酸エチルで希釈した。有機層をNaHCO
3溶液で洗浄し、その後、クエン酸およびブ
ライン溶液で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し減圧蒸発させて、粗製の
固体を得て、これをヘキサン(50ml)中の10%アセトニトリルで希釈し、2時間撹
拌して、白色固体を与えた。得られた白色固体を濾過し、p-ペンタン(50mL)で洗
浄し乾燥させて、0.9gの化合物1fを生じた。LCMS: 653.4[M+H]
+。
【0215】
ステップ1f:化合物1gの合成
【化25】
DCM(15mL)中の20%ピペリジンの溶液に、化合物1f(1.2g、1.83
mmol)を0℃で添加し、同じ温度で1時間撹拌した。反応の完了を、TLC分析によ
り確認した。反応混合物を減圧濃縮し、ヘキサンで希釈し、撹拌し濾過した。濾過された
固体をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO
3溶液、ブライン溶液で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し蒸発させて、0.65gの化合物1gを生じた。LCMS 431.
1[M+H]
+。
【0216】
ステップ1g:化合物1iの合成
【化26】
DIPEA(0.19g、1.5mmol)をEtOH(10mL)中の化合物1h(
0.74g、1.81mmol、以下に示された手順により調製)および化合物1g(0
.65g、1.5mmol)の溶液に添加し、室温で3時間撹拌した。揮発物を蒸発させ
、酢酸エチルと水に分配した。有機層を飽和NaHCO
3、10%クエン酸、ブライン溶
液で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し減圧濃縮した。粗製の化合物を、ヘキサン中の25%
酢酸エチルを用いる中性アルミナでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.7
5gの化合物1iを生じた。LCMS: 702.4[M+H]
+。
【0217】
ステップ1h:化合物1の合成
【化27】
化合物1i(0.75g、1.06mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸:TIPS
:水(95:2.5:2.5)のカクテル混合物7.5mLを添加し、室温で2時間撹拌
した。得られた反応混合物を減圧蒸発させ、ジエチルエーテルで希釈し濾過して、0.4
gの粗製の化合物1を生じた。粗製の固形材料を、実験条件に記載された分取HPLC法
により精製した。LCMS: 434.3[M+H]
+。HPLC RT(分): 11.1
【0218】
化合物1hの合成:
【化28】
CH
2Cl
2(20mL)中のH-Asp(O
tBu)-O
tBu(1.0g、3.5
4mmol)の溶液に、ピリジン(0.55g、7.08mmol)を添加し、その溶液
を室温で10分間撹拌した。この混合物に、CH
2Cl
2(20mL)中の4-クロロギ
酸ニトロフェニル(0.86g、4.25mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を
室温で1時間撹拌した。反応の完了後に(TLCにより確認)それをCH
2Cl
2(50
mL)で希釈し、1.0M重硫酸ナトリウム溶液で洗浄し(50mL×2)、その後、1
.0M炭酸ナトリウム溶液で洗浄した(50mL×2)。有機層をNa
2SO
4で脱水し
、濾過して減圧蒸発させて、粗製の化合物1hを生じ、これをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶離液:ヘキサン中の0-20%酢酸エチル)により精製し、0.75gの
化合物を生じた。
【0219】
以下の化合物を、実施例1(化合物1)に記載されたものと類似の手順で、反応体、試
薬量、溶媒および反応条件を適当に変化させて調製した。化合物の特徴づけデータを、以
下の表に要約する。
【表3】
【0220】
実施例2:4-((S)-2-アミノ-2-(5-((S)-ピロリジン-2-イル)-
1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)エチル)フェノール(化合物14)
【化29】
【0221】
ステップ2a:化合物2aの合成
【化30】
化合物2aを、Boc-Tyr(
tBu)-OHを用いることにより、実施例1(化合
物1)のステップ1a~1cに記載されたものと類似の手順で合成した。
【0222】
ステップ2b:化合物2bの合成
【化31】
DMF(20mL)中のBoc-Pro-OH(0.86g、3.41mmol)の溶
液に、HOBt(1.4g、10.6mmol)およびDIC(1.7mL、10.6m
mol)を0℃で添加し、30分間撹拌した。その後、化合物2a(1.8g、5.12
mmol)を同じ温度で添加し、10分間、その後、室温で1時間撹拌し続けた。反応の
完了を、TLC分析により確認した。反応混合物を氷水でクエンチし、沈殿した白色固体
を濾過し、水で洗浄し、高減圧下で乾燥させた。固体をジエチルエーテル(50mL)と
共に15分間撹拌し、濾過し乾燥させて、1.8gの化合物2bを生じた。LCMS: 5
49.5[M+H]
+。
【0223】
ステップ2c:化合物2cの合成
【化32】
アセトニトリル(35mL)中の化合物2b(1.8g、3.3mmol)の溶液に、
酢酸(1.8mL)を室温で添加し、85℃で12時間還流した。反応の完了を、TLC
分析により確認した。揮発物を減圧蒸発させ、粗製の半固形を得て、これを水および酢酸
エチルで希釈した。有機層をNaHCO
3溶液で洗浄し、その後、クエン酸溶液およびブ
ライン溶液で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過して減圧蒸発させて、粗製
物を得た。粗製の化合物を、ヘキサン中の20%酢酸エチルを用いるシリカゲルのカラム
クロマトグラフィーにより精製して、0.5gの化合物2cを生じた。LCMS: 531
.3[M+H]
+。
【0224】
ステップ2d:化合物14の合成
【化33】
化合物2c(0.5g、0.94mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸:TIPS:
水(95: 2.5:2.5)のカクテル混合物5mLを添加し、室温で2時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧蒸発させ、ジエチルエーテルで希釈して濾過して、0.45g
の粗製の化合物14を生じた。その粗製の固形材料を、実験条件に記載された分取HPL
C法により精製した。HPLC(分でのt
R ):9.99;LCMS:275.4[M+
H]
+。
【0225】
以下の化合物を、実施例2(化合物14)に記載されたものと類似の手順で、反応体、
試薬量、溶媒および反応条件を適当に変化させて調製した。化合物の特徴づけデータを、
以下の表に要約する。
【表4】
【0226】
本発明の化合物19および20の調製についての合成手順は、WO2016142833
A1に記載された。
【表5】
【0227】
実施例3:組換えPD-L1/PD-L2の存在下でのマウス脾細胞増殖の救済
組換えマウスPD-L1(rm-PDL-1、カタログ番号:1019-B7-100;
R&D Systems)を、PD-L1の供給源として用いた。
【0228】
必要条件:
6~8週齢C57 BL6マウスから採取されたマウス脾細胞;RPMI1640(G
IBCO、カタログ番号11875);高グルコース含有DMEM(GIBCO、カタロ
グ番号D6429);ウシ胎児血清[Hyclone、カタログ番号SH30071.0
3]; ペニシリン(10000単位/mL)-ストレプトマイシン(10,000μg/m
L)液(GIBCO、カタログ番号15140-122);MEMピルビン酸ナトリウム
溶液 100mM(100x)液(GIBCO、カタログ番号11360);非必須アミ
ノ酸(GIBCO、カタログ番号11140); L-グルタミン(GIBCO、カタロ
グ番号25030);抗CD3抗体(eBiosciences-16-0032);抗
CD28抗体 (eBiosciences- 16-0281);ACK溶解緩衝液(1
mL)(GIBCO、カタログ番号-A10492);Histopaque(密度-1
.083gm/mL)(SIGMA 10831);トリパンブルー溶液(SIGMA-T
8154);2mL Norm Ject Luer Lockシリンジ(Sigma 20
14-12);40μmナイロンセルストレイナー(BD FALCON 35230);
血球計(Bright line-SIGMA Z359629);FACS緩衝液(PB
S/0.1% BSA):0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)(SIGMA A705
0)およびアジ化ナトリウム(SIGMA 08591)を含むリン酸緩衝生理食塩水(
PBS)pH 7.2(HiMedia TS1006);5mM CFSE原液:CFS
E原液を、凍結乾燥CFSEを180μLのジメチルスルホキシド(DMSO C2H6
SO、SIGMA-D-5879)で希釈することにより調製し、さらなる使用のために
試験管に分取した。実用濃度を、10μM~1μMで滴定した。(eBioscienc
e-650850-85);0.05%トリプシンおよび0.02% EDTA(SIG
MA 59417C);96ウェル型ELISAプレート(Corning CLS339
0);BD FACS Caliber(E6016);組換えマウスB7-H1/PDL
1 Fcキメラ(rm-PD-L1、カタログ番号:1019-B7-100)。
【0229】
プロトコル
脾細胞の調製および培養:
マウス脾臓を40μmセルストレーナー中で押し潰すことにより50mL Falco
nチューブに採取された脾細胞を、1mL ACL溶解緩衝液により室温で5分間さらに
処理した。9mLのRPMI完全培地で洗浄した後、細胞を15mL試験管中で3mLの
1×PBSに再懸濁させた。3mLの Histopaqueを、重層する脾細胞懸濁液
を乱さずにチューブの底に注意深く添加した。室温にて800×gで20分間遠心分離し
た後、脾細胞の不透明層を、層を乱さず/混合せずに注意深く回収した。脾細胞を低温1
×PBSで2回洗浄した後、トリパンブルー除去法を利用して総細胞数をカウントし、さ
らに細胞に基づくアッセイに使用した。
【0230】
脾細胞をRPMI完全培地(RPMI+10%ウシ胎児血清+1mMピルビン酸ナトリ
ウム+10,000単位/mLペニシリンおよび10,000μg/mLストレプトマイ
シン)で培養し、5%CO2および37℃のCO2インキュベータに保持した。
【0231】
CFSE増殖アッセイ:
CFSEは、細胞中に受動的に拡散し細胞内タンパク質に結合する色素である。1×1
06細胞/mLの採取された脾細胞を、予め加温された1×PBS/0.1%BSA溶液
中の5μMのCFSEにより37℃で10分間処置した。過剰のCFSEを、細胞に対し
て5倍容量の氷冷培地を用いてクエンチし、氷上で5分間インキュベートした。CFSE
標識された脾細胞を、氷冷完全RPMI培地でさらに3回洗浄した。CFSE標識された
1×105個の脾細胞を、MDA-MB231細胞(高グルコースDMEM培地で培養さ
れた1×105細胞)または組換えヒトPDL-1(100ng/mL)のいずれかと試
験化合物とを含有するウェルに添加した。脾細胞を抗マウスCD3および抗マウスCD2
8抗体(それぞれ1μg/mL)で刺激し、培養物を37℃および5%CO2で72時間
さらにインキュベートした。細胞を採取し、氷冷FACS緩衝液で3回洗浄し、増殖率%
を、488nm励起フィルターおよび521nm発光フィルターを用いるフローサイトメ
トリーにより分析した。
【0232】
データ編集、処理および推論
脾細胞増殖率%を、CellQuest FACSプログラムを用いて解析し、化合物
による脾細胞増殖の救済率%を、バックグランド増殖率%の値を差し引き、100%とし
ての刺激された脾細胞増殖率%(陽性対照)に対して正規化した後に推定した。
【0233】
刺激された脾細胞:脾細胞+抗CD3/CD28刺激
バックグランド増殖:脾細胞+抗CD3/CD28 + PD-L1
化合物増殖:脾細胞+抗CD3/CD28 + PD-L1 + 化合物
化合物の影響を、リガンド(PDL-1)の存在下で抗CD3/CD28刺激された脾
細胞に必要濃度の化合物を添加することにより検査する。結果を、以下の表に示す。
【表6】
【0234】
実施例4:組換えmPVRの存在下でのマウスCD8+T細胞増殖の救済
試薬:
96ウェルプレート、Corning;RPMI、カタログ番号R6504、Sigm
a;Easy Sep magnet、カタログ番号18000、STEMCELL;Ea
sy Sep Mouse CD8 T細胞単離キット、カタログ番号19853、STE
MCELL;Corning(登録商標)セルストレーナー(70μm)、カタログ番号
431751、Corning;精製抗マウスCD3抗体、カタログ番号100201、
Biolegend;組換えマウスPVR、カタログ番号6909-CD-050、R&
D Systems;組換えマウス抗TIGIT抗体、カタログ番号142101、Bi
olegend;FBS、カタログ番号SH30070.03、Hyclone;マウス
IL-2 ELISAキット、R&D Systems カタログ番号DY402;マウス
IFN-γ ELISAキット R&D Systems カタログ番号DY485;滅菌P
BS;FicollHistopaque、カタログ番号10831-6X100ML、
Sigma
【0235】
プロトコル:
6~8週齢のC57BL/6雄マウスから、脾臓を採取した。脾臓をRPMI+10%
FBS中の滅菌スライドガラスの間で緩やかに押し砕き、それを70μmストレイナーに
通すことにより、脾細胞を単離した。細胞懸濁液を、室温にて912×gで10分間遠心
分離して、上清を廃棄した。脾細胞をRPMI+10% FBS(完全RPMI)に再懸
濁させた。再懸濁された脾細胞を、50ml Tarsonチューブ中のFicoll H
istopaque-1083に重層した。重層された細胞を、壊さずに室温にて584
×gで30分間遠心分離した。透明のバフィーコートを、滅菌PBS中に注意深く吸引し
た。単離された細胞を、PBSを用いて洗浄し、完全RPMI培地に再懸濁させて、約5
×107細胞/mlの懸濁液を得た。マウスCD8+T細胞を、EasySep Mou
se CD8+T Cell単離キットを用い、製造業者の使用説明書に従って単離した。
【0236】
96ウェル細胞培養プレートを、精製抗マウスCD3、1μg/mL(50μL/ウェ
ル)および組換えマウスPVR Fcキメラ 0.5μg/mL(50μl/ウェル)によ
り37℃で4時間コーティングした。4時間後に、コーティングされたプレートを滅菌P
BSで洗浄した。脾臓から単離されたマウスCD8+T細胞を、20万個/ウェル(18
0μL)濃度で96ウェル細胞培養プレートに添加した。水またはDMSO中で調製され
た様々な濃度のテスト化合物を、各ウェルに添加して(20μL/ウェル)、総容量20
0μL/ウェルにした。プレートを37℃のCO2インキュベータで3日間インキュベー
トした。3日目に細胞上清を採取し、ELISAを利用してサイトカインレベル(IL-
2またはIFN-γ)を決定した。テスト化合物の存在下または非存在下でのCD8+T
細胞増殖の度合いを、製造業者の使用説明書に従いマウスIL-2またはIFN-γEL
ISAキットを用いて培養上清中のIL-2またはIFN-γの量を分析することにより
測定した。組換えマウス抗TIGIT抗体を陽性対照として用いて、CD8+T細胞の増
殖増加を決定した。
【0237】
データ編集、処理および推論
CD8
+T細胞増殖率%を、IL-2 ELISAキットを用いてIL-2レベルを測
定することにより解析し、テスト化合物によるCD8
+T細胞の救済率%を、バックグラ
ンド増殖率%の値を差し引き、100%としての抗TIGIT抗体により刺激されたCD
8
+T細胞増殖率%(陽性対照)に対して正規化した後に推定した。結果を、以下の表に
示す。
【表7】
【0238】
実施例5:CT-26シンジェニック(Balb/c雄)マウス腫瘍モデルにおける化合
物19の有効性試験
この試験の目的は、CT26シンジェニック結腸腺癌モデルにおける化合物19の抗腫
瘍活性を評価することであった。
【0239】
【0240】
細胞株の増殖および接種
CT26細胞株をATCCから獲得し、ADTL-Bangalore細胞株貯蔵所に
維持および貯蔵した。1バイアルのCT26細胞株を解凍し、T-150cm2フラスコ
中で、10%FBS(Gibco)、10mM 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピ
ペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、1mMピルビン酸ナトリウム、4.5g/L
グルコース、1%ペニシリン・ストレプトマイシン(Sigma)および1.5g/L重
炭酸ナトリウムを補充されたRPMI培地で再生した。細胞密度25万個/mlでCT2
6細胞を含むフラスコを、5%二酸化炭素を補充された37±1℃のインキュベータでイ
ンキュベートした。細胞増殖(cell expansion)をT-150cm2フラ
スコ中で実施し、1日おきに細胞を分離しながら、細胞密度を25万個/フラスコ~12
0万個/フラスコの間に維持した。分離の最終ステップの後、細胞が対数増殖期に達した
ら、細胞を注射用に処理した。T-150cm2フラスコ中の細胞をトリプシン処理し、
50ml試験管に移し、制御された室温にて1200rpmで5分間遠心分離して、細胞
ペレットを得た。上清を廃棄し、細胞ペレットを培地に懸濁させ、血球計を用いてカウン
トした。細胞ペレットを、RPMI培地に10×106細胞/mlの最終濃度にて再懸濁
させた。腫瘍を確立するために、1×106細胞(細胞懸濁液の0.1ml)を、マウス
の右脇腹領域に皮下注射した。
【0241】
動物の群分けおよび割り付け
平均腫瘍体積がおよそ30±5mm
3に達したら、動物を、それぞれ以下に言及される
通り動物10匹(N=10)からなる群5つ(G1~G5)に、腫瘍体積に基づき無作為
化した。処置を14日間継続した後、全有効性および忍容性を、腫瘍体積および処置期間
に観察された体重変化に基づいて評価した。処置14日目に、全群の動物を、最終用量投
与後0.5時間目、1時間目および4時間目に殺処分した。
【表9】
【0242】
この試験では、処置のいずれにおいても体重への影響はなく、投与された投与量でのテ
スト剤の優れた忍容性を示す。化合物19での処置は、用量依存的な腫瘍成長阻害をもた
らした(10mg/kg(qd)用量で42%および30mg/kg(qd)用量で53
%)。30mg/kg(qd)用量で観察された腫瘍成長阻害率%は、ビヒクル処置動物
に比較して統計学的に有意であった。試験の結果を、
図1にグラフで表す。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路のモジュレートを必要とする対象において、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレートすることにおける使用のための、式:
【化13】
の化合物(化合物19)、その光学異性体、またはその医薬的に許容できる塩を含む組成物。
【請求項2】
前記対象が、癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、移植片拒絶およびこれらの組み合わせから選択される疾患または障害を有する、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
前記疾患または障害が癌である、請求項2に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
前記癌が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される、請求項3に記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記疾患または障害が感染性疾患である、請求項2に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記感染性疾患が細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、請求項5に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路の両方により介在される疾患または障害の治療を必要とする対象において、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路の両方により介在される疾患または障害の治療における使用のための、式:
【化13】
の化合物(化合物19)、その光学異性体、またはその医薬的に許容できる塩を含む組成物。
【請求項8】
前記対象が、癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、移植片拒絶およびこれらの組み合わせから選択される疾患または障害を有する、請求項7に記載の使用のための組成物。
【請求項9】
前記癌が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される、請求項8に記載の使用のための組成物。
【請求項10】
前記感染性疾患が細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、請求項8に記載の使用のための組成物。
【請求項11】
IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路のモジュレートを必要とする対象において、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路をモジュレートすることにおける使用のための、式:
【化13】
の化合物(化合物19)、その光学異性体、またはその医薬的に許容できる塩を含む組成物。
【請求項12】
前記使用がPD-1シグナル伝達経路をモジュレートすることを更に含む、請求項11に記載の使用のための組成物。
【請求項13】
前記対象が、癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、移植片拒絶およびこれらの組み合わせから選択される疾患または障害を有する、請求項11に記載の使用のための組成物。
【請求項14】
前記モジュレートが、腫瘍細胞の成長および/または転移を阻害することである、請求項11に記載の使用のための組成物。
【請求項15】
前記腫瘍細胞は、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱の癌腫、原発性胆管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃の癌腫、急性骨髄性白血病、または膵臓癌の腫瘍細胞である、請求項14に記載の使用のための組成物。
【請求項16】
IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路により介在される疾患または障害の治療を必要とする対象において、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路により介在される疾患または障害の治療における使用のための、式:
【化13】
の化合物(化合物19)、その光学異性体、またはその医薬的に許容できる塩を含む組成物。
【請求項17】
前記疾患または障害が、癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、移植片拒絶およびこれらの組み合わせから選択される疾患または障害である、請求項16に記載の使用のための組成物。
【請求項18】
前記癌が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される、請求項17に記載の使用のための組成物。
【請求項19】
前記感染性疾患が細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、請求項17に記載の使用のための組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0241
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0241】
動物の群分けおよび割り付け
平均腫瘍体積がおよそ30±5mm3に達したら、動物を、それぞれ以下に言及される通り動物10匹(N=10)からなる群5つ(G1~G5)に、腫瘍体積に基づき無作為化した。処置を14日間継続した後、全有効性および忍容性を、腫瘍体積および処置期間に観察された体重変化に基づいて評価した。処置14日目に、全群の動物を、最終用量投与後0.5時間目、1時間目および4時間目に殺処分した。
一態様において、本発明は以下を提供する。
[項目1]
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレートする方法であって、前記対象を式(I):
【化1】
(式中、
R1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
R2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH2、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
Raは、水素を表す;またはRaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
R3は、水素または式(I’):
【化2】
により表される基を表し;
-----は、結合の点を表し;
Rbは、水素を表す;またはRbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
Rcは、水素、または-OH、-C(O)NH2、COOH、アリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す)の化合物、またはその立体異性体またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法。
[項目2]
R1が、水素、または-OH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目1に記載の方法。
[項目3]
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、フェニル、または(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目1~2のいずれか1項に記載の方法。
[項目4]
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、または(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目1~3のいずれか1項に記載の方法。
[項目5]
R2が、水素、または-OH、-SH、-C(O)NH2、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目1に記載の方法。
[項目6]
R2が、水素、または-OH、-SH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目1または5のいずれか1項に記載の方法。
[項目7]
R2が、水素、または-OH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目1、5または6のいずれか1項に記載の方法。
[項目8]
RaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成する、項目1に記載の方法。
[項目9]
R3が、
【化3】
を表し;ここで、
-----が、結合の点を表し;
Rbが、水素を表す;またはRbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
Rcが、水素、または-OH、-C(O)NH2、COOH、フェニル、もしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、
項目1に記載の方法。
[項目10]
RbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成する、項目9に記載の方法。
[項目11]
前記化合物が、式(IA):
【化4】
(式中、R1、R2、Ra、RbおよびRcは、項目1に定義された通りである)の化合物により表される、項目1に記載の方法。
[項目12]
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、フェニル、または(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
R2が、水素、または-OH、-SH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
Raが、水素を表す、またはRaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
Rbが、水素を表す、またはRbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
Rcが、水素、または-OH、-C(O)NH2、-COOH、フェニル、もしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目11に記載の方法。
[項目13]
R1が、-OH、-COOH、イミダゾリル、または(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;R2が、水素、または-OH、-COOH、フェニル、イミダゾリル、もしくは(p-OH)フェニルで置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目12に記載の方法。
[項目14]
前記化合物が、式(IB):
【化5】
(式中、R1、R2およびRaは、項目1に定義された通りである)の化合物により表される、項目1に記載の方法。
[項目15]
R1が、-OHまたは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
R2が、水素、またはフェニルもしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
RaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成する、
項目14に記載の方法。
[項目16]
前記化合物が、
【表1】
またはそれらの医薬的に許容できる塩もしくは立体異性体である、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
[項目17]
前記化合物が、
【表2】
またはそれらの医薬的に許容できる塩もしくは立体異性体である、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
[項目18]
前記細胞を接触させることが、それを必要とする対象において起こり、それにより前記対象の免疫応答をモジュレートする、項目1~17のいずれか1項に記載の方法。[項目19]
前記細胞を接触させることが、それを必要とする対象において起こり、それにより癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、および移植片拒絶から選択される疾患または障害を処置する、項目1~17のいずれか1項に記載の方法。
[項目20]
前記疾患または障害が、癌である、項目19に記載の方法。
[項目21]
対象における腫瘍細胞の成長および/または転移を阻害するための方法であって、それを必要とする前記対象にTIGIT/PD-1二重経路阻害剤を投与することを含む、方法。
[項目22]
前記腫瘍細胞が、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱の癌腫(bladder carcinoma)、原発性胆管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃の癌腫(gastric carcinoma)、急性骨髄性白血病、および膵臓癌から選択される癌のものである、項目21に記載の方法。
[項目23]
前記腫瘍細胞が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌(stomach cancer)、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌(cancer of the bladder)、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される癌のものである、項目21に記載の方法。
[項目24]
前記疾患が、感染性疾患である、項目19に記載の方法。
[項目25]
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、項目24に記載の方法。
[項目26]
前記細菌感染が、クラミジア、バシラス、ボルデテラ、ボツリヌス毒素、カンピロバクター、バークホルデリア、炭疽、コレラ、クロストリジウム、リステリア、コノコッカス、コリネバクテリウム、ジフテリア、トレポネーマ、ブルセラ、エンテロコッカス、マイコプラズマ、ボレリア、エルウィニア、エシェリヒア、フランシセラ、ヘモフィルス、ヘリコバクター(Heliobacter)、クレブシエラ、キサントモナス、レジオネラ、レプトスピラ、レプトスピローシス、ライム病、メニンゴコッカス、肺炎球菌、マイコバクテリウム、ナイセリア、ビブリオ、パスツレラ、ペロバクター、セラチア、疫病、ストレプトコッカス、プロテウス、エンテロバクター、シュードモナス、リケッチア、サルモネラ、シゲラ、スタフィロコッカス・テタヌス、およびエルシニアから選択される少なくとも1種の細菌により引き起こされる感染である、項目25に記載の方法。
[項目27]
前記ウイルス感染が、アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘ウイルス、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノルウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重度急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デングウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合抱体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルティウイルス、ワクシニアウイルス、およびバンナウイルスから選択される少なくとも1種のウイルスにより引き起こされる感染である、項目25に記載の方法。
[項目28]
前記真菌感染が、口腔カンジダ、コクシオイデス・イミティス、ブラストマイセス・デルマティティディス、オトマイコーシス、カンジダ(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリスなど)、頭部白癬、白癬性毛瘡、体部白癬、股部白癬、黒癬、スポロトリックス・シェンキイ、接合菌症、クロモブラストマイコーシス、クリプトコッカス(ネオホルマンスなど)、ヒストプラズマ・カプスラツム、足白癬、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス、フェオヒフォミコーシス、黄癬、ムコラレス(ムコル、アブシジア、リゾファス)、スポロトリコーシス、アスペルギルス(フミガタス、ニガーなど)、ロボマイコーシス、マイセトーマ、オニコマイコーシス、ピエドラ・ピティリアシス・ベルセコロール(piedra pityriasis versicolor)、およびリノスポリジオシスから選択される少なくとも1種の真菌により引き起こされる感染である、項目25に記載の方法。
[項目29]
前記寄生虫感染が、ヒト回虫、バランチジウム・コリ、エンタモエバ・ヒストリチカ、ギアルジア・ランブリア、ネグレリア・フォーレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、クリプトスポリジウム・ムリス、トリパノソマチダ・ガンビエンス(Trypanosomatida gambiense)、トリパノソマチダ・ローデシエンス(Trypanosomatida rhodesiense)、バベシア・ミクロチ、トリパノソーマ・クルジ、リーシュマニア・メキシカーナ、リーシュマニア・ブラジリエンシス、リーシュマニア・トロピカ、リーシュマニア・ドノバニ、ウチェレリア・バンフクロフィ、ドラクンクルス・メジネンシス、トキソプラズマ・ゴンディ、ファスキオラ・ギガンチカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、プラスモジウム・ビバックス、トリパノソーマ・ブルセイ、プラスモジウム・オバレ、プラスモジウム・マラリア、プラスモジウム・ファルシパルム、ニューモシスチス・カリニ、トリコモナス・バギナリス、ヒストモナス・メレアグリジス、双腺綱、トリクリス・トリキウラ、アカントアメーバ、エンテロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・ドーデナーレ、住血吸虫、肝吸虫、腸ジストマ、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニクム、ファスキオラ・ヘパチカ、およびパラゴニムス・ウエステルマニから選択される少なくとも1種の寄生虫により引き起こされる感染である、項目25に記載の方法。
[項目30]
対象における免疫応答をモジュレートする方法であって、項目1~17のいずれか1項に記載の式(I)の化合物に、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)とPD-L1またはPD-L2の少なくとも一方とを過剰発現する前記対象の生体試料を暴露することを含む、方法。
[項目31]
対象における免疫応答をモジュレートする方法であって、
a)対象の生体試料がTIGITを過剰発現するか否かを決定すること;および
b)前記生体試料がTIGITを過剰発現すると決定される場合、前記対象を項目1~17のいずれか1項に記載の式(I)の化合物と接触させること、
を含む、方法。
[項目32]
a)前記生体試料がPD-L1またはPD-L2を過剰発現するか否かを決定すること;および
b)前記生体試料がTIGITおよびPD-L1またはPD-L2のいずれか一方を過剰発現すると決定される場合、前記対象を項目1~17のいずれか1項に記載の式(I)の化合物と接触させること、
をさらに含む、項目31に記載の方法。
[項目33]
前記生体試料が、全血、血漿、血清、細胞(例えば、腫瘍細胞)、唾液、尿、便および組織から選択される、項目30、31または32に記載の方法。
[項目34]
前記対象が、癌を有し、かつ、場合により、前記対象の前記生体試料が、前記癌からの1個または複数の細胞を含む、項目30~33のいずれか1項に記載の方法。
[項目35]
前記対象が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、および寄生虫感染から選択される感染性疾患を有する、項目30~33のいずれか1項に記載の方法。
[項目36]
前記対照試料が、前記対象が式(I)の化合物を受ける前に得られかつ前記対象試料が、前記対象が式(I)の化合物を受けた後に得られる、項目30~35のいずれか1項に記載の方法。
[項目37]
項目1~17のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体またはその医薬的に許容できる塩の治療有効量を投与することを含むTIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝達経路の両方により介在される疾患または障害を処置する方法。
[項目38]
前記疾患または障害が、癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、および移植片拒絶から選択される、項目37に記載の方法。
[項目39]
前記癌が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される、項目38に記載の方法。
[項目40]
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、項目38に記載の方法。
[項目41]
前記感染性疾患が、炭疽、バシラス、ボルデテラ、ボレリア、ボツリヌス毒素、ブルセラ、バークホルデリア、カンピロバクター、クラミジア、コレラ、クロストリジウム、コノコッカス、コリネバクテリウム、ジフテリア、エンテロバクター、エンテロコッカス、エルウィニア、エシェリヒア、フランシセラ、ヘモフィルス、ヘリコバクター、クレブシエラ、レジオネラ、レプトスピラ、レプトスピローシス、リステリア、ライム病、メニンゴコッカス、マイコバクテリウム、マイコプラズマ、ナイセリア、パスツレラ、ペロバクター、疫病、肺炎球菌、プロテウス、シュードモナス、リケッチア、サルモネラ、セラチア、シゲラ、スタフィロコッカス、ストレプトコッカス、テタヌス、トレポネーマ、ビブリオ、エルシニアおよびキサントモナスから選択される少なくとも1種の細菌;アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘ウイルス、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノルウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重度急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デングウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合抱体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルティウイルス、ワクシニアウイルス、およびバンナウイルスから選択される少なくとも1種のウイルス;口腔カンジダ、アスペルギルス(フミガタス、ニガーなど)、ブラストマイセス・デルマティティディス、カンジダ(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリスなど)、コクシオイデス・イミティス、クリプトコッカス(ネオホルマンスなど)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコラレス(ムコル、アブシジア、リゾファス)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス、スポロトリコーシス、スポロトリックス・シェンキイ、接合菌症、クロモブラストマイコーシス、ロボマイコーシス、マイセトーマ、オニコマイコーシス、ピエドラ・ピティリアシス・ベルセコロール、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、黄癬、黒癬、足白癬、オトマイコーシス、フェオヒフォミコーシス、およびリノスポリジオシスから選択される真菌;ならびにアカントアメーバ、バベシア・ミクロチ、バランチジウム・コリ、エンタモエバ・ヒストリチカ、ギアルジア・ランブリア、クリプトスポリジウム・ムリス、トリパノソマチダ・ガンビエンス、トリパノソマチダ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・クルジ、リーシュマニア・メキシカーナ、リーシュマニア・ブラジリエンシス、リーシュマニア・トロピカ、リーシュマニア・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバックス、プラスモジウム・オバレ、プラスモジウム・マラリア、プラスモジウム・ファルシパルム、ニューモシスチス・カリニ、トリコモナス・バギナリス、ヒストモナス・メレアグリジス、双腺綱、トリクリス・トリキウラ、ヒト回虫、エンテロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・ドーデナーレ、ネグレリア・フォーレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、ウチェレリア・バンフクロフィ、ドラクンクルス・メジネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸ジストマ、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニクム、ファスキオラ・ヘパチカ、ファスキオラ・ギガンチカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウエステルマニから選択される少なくとも1種の寄生虫、から選択される、項目40に記載の方法。
[項目42]
対象におけるTIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝達経路の両方により介在される免疫応答をモジュレートすることにおける使用のための、項目1~17のいずれか1項に記載の化合物。
[項目43]
前記免疫応答が、TIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝達経路の両方により介在される疾患または障害を処置するためにモジュレートされる、項目42に記載の化合物。
[項目44]
TIGITシグナル伝達経路およびPD-1シグナル伝達経路の両方により介在される疾患または障害の処置における使用のための、項目1~17のいずれか1項に記載の化合物。
[項目45]
前記疾患または障害が、癌、免疫障害、免疫不全症、炎症性障害、感染性疾患、および移植片拒絶から選択される、項目43または44に記載の化合物。
[項目46]
前記癌が、芽腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、腹膜の癌、胃癌、精巣癌、卵管の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、睾丸癌、慢性または急性白血病、小児の固形癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚性T細胞リンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝臓癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖症(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境誘導性の癌から選択される、項目45に記載の化合物。
[項目47]
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である、項目45に記載の化合物。
[項目48]
前記感染性疾患が、炭疽、バシラス、ボルデテラ、ボレリア、ボツリヌス毒素、ブルセラ、バークホルデリア、カンピロバクター、クラミジア、コレラ、クロストリジウム、コノコッカス、コリネバクテリウム、ジフテリア、エンテロバクター、エンテロコッカス、エルウィニア、エシェリヒア、フランシセラ、ヘモフィルス、ヘリコバクター、クレブシエラ、レジオネラ、レプトスピラ、レプトスピローシス、リステリア、ライム病、メニンゴコッカス、マイコバクテリウム、マイコプラズマ、ナイセリア、パスツレラ、ペロバクター、疫病、肺炎球菌、プロテウス、シュードモナス、リケッチア、サルモネラ、セラチア、シゲラ、スタフィロコッカス、ストレプトコッカス、テタヌス、トレポネーマ、ビブリオ、エルシニアおよびキサントモナスから選択される少なくとも1種の細菌;アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、JCウイルス、天然痘ウイルス、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノルウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重度急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デングウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合抱体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルティウイルス、ワクシニアウイルス、およびバンナウイルスから選択される少なくとも1種のウイルス;口腔カンジダ、アスペルギルス(フミガタス、ニガーなど)、ブラストマイセス・デルマティティディス、カンジダ(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリスなど)、コクシオイデス・イミティス、クリプトコッカス(ネオホルマンスなど)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコラレス(ムコル、アブシジア、リゾファス)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス、スポロトリコーシス、スポロトリックス・シェンキイ、接合菌症、クロモブラストマイコーシス、ロボマイコーシス、マイセトーマ、オニコマイコーシス、ピエドラ・ピティリアシス・ベルセコロール、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、黄癬、黒癬、足白癬、オトマイコーシス、フェオヒフォミコーシス、およびリノスポリジオシスから選択される真菌;ならびにアカントアメーバ、バベシア・ミクロチ、バランチジウム・コリ、エンタモエバ・ヒストリチカ、ギアルジア・ランブリア、クリプトスポリジウム・ムリス、トリパノソマチダ・ガンビエンス、トリパノソマチダ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・クルジ、リーシュマニア・メキシカーナ、リーシュマニア・ブラジリエンシス、リーシュマニア・トロピカ、リーシュマニア・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバックス、プラスモジウム・オバレ、プラスモジウム・マラリア、プラスモジウム・ファルシパルム、ニューモシスチス・カリニ、トリコモナス・バギナリス、ヒストモナス・メレアグリジス、双腺綱、トリクリス・トリキウラ、ヒト回虫、エンテロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・ドーデナーレ、ネグレリア・フォーレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、ウチェレリア・バンフクロフィ、ドラクンクルス・メジネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸ジストマ、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニクム、ファスキオラ・ヘパチカ、ファスキオラ・ギガンチカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウエステルマニから選択される少なくとも1種の寄生虫、から選択される、項目45に記載の化合物。
[項目49]
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路をモジュレートする方法であって、前記対象を式(I):
【化6】
(式中、
R1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
R2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH2、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
Raは、水素を表す;またはRaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
R3は、水素または式(I’):
【化7】
により表される基を表し;
-----は、結合の点を表し;
Rbは、水素を表す;またはRbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
Rcは、水素、または-OH、-C(O)NH2、COOH、アリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す)の化合物、またはその立体異性体またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法。
[項目50]
R1が、-OH、-COOH、フェニル、または(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目49に記載の方法。
[項目51]
R1が、-OH、または-COOHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目49または50に記載の方法。
[項目52]
R2が、水素、または-C(O)NH2、-COOH、フェニル、もしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目49に記載の方法。
[項目53]
R2が、水素、または-C(O)NH2、フェニル、もしくは(p-OH)フェニルで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す、項目49または52に記載の方法。
[項目54]
RbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成する、項目49に記載の方法。
[項目55]
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路をモジュレートする方法であって、前記対象を化合物19またはその立体異性体またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法。
[項目56]
TIGITにより介在される、対象における癌を処置する方法であって、前記対象を化合物19もしくは20、またはその立体異性体またはその医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法。
[項目57]
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレートすることにおける使用のための、式(I):
【化8】
(式中、
R1は、水素、または-OH、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
R2は、水素、または-OH、-SH、C(O)NH2、-COOH、アリール、ヘテロアリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表し;
Raは、水素を表す;またはRaとR2が、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
R3は、水素または式(I’):
【化9】
により表される基を表し;
-----は、結合の点を表し;
Rbは、水素を表す;またはRbとRcが、それらが結合する原子と一緒にピロリジン環を形成し;
Rcは、水素、または-OH、-C(O)NH2、COOH、アリール、もしくはアリール-OHで場合により置換された-(C1~C6)アルキルを表す)の化合物またはその立体異性体またはその医薬的に許容できる塩。
[項目58]
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレートすることにおける使用のための、式:
【化10】
の化合物(化合物1)またはその医薬的に許容できる塩。
[項目59]
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレートすることにおける使用のための、式:
【化11】
の化合物(化合物2)またはその医薬的に許容できる塩。
[項目60]
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレートすることにおける使用のための、式:
【化12】
の化合物(化合物3)またはその医薬的に許容できる塩。
[項目61]
対象におけるIgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)シグナル伝達経路およびプログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路をモジュレートすることにおける使用のための、式:
【化13】
の化合物(化合物19)またはその医薬的に許容できる塩。
【外国語明細書】