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特開2024-26261軽量包装ソリューションのための高再生含有量のアルミニウムフラット圧延製品、及び関連する方法
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  • 特開-軽量包装ソリューションのための高再生含有量のアルミニウムフラット圧延製品、及び関連する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026261
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】軽量包装ソリューションのための高再生含有量のアルミニウムフラット圧延製品、及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 21/00 20060101AFI20240220BHJP
   C22F 1/04 20060101ALI20240220BHJP
   C22C 21/06 20060101ALI20240220BHJP
   C22F 1/047 20060101ALI20240220BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
C22C21/00 L
C22F1/04 B
C22C21/06
C22F1/047
C22F1/00 606
C22F1/00 630A
C22F1/00 630K
C22F1/00 673
C22F1/00 622
C22F1/00 623
C22F1/00 683
C22F1/00 685Z
C22F1/00 691B
C22F1/00 691C
C22F1/00 686A
C22F1/00 694A
C22F1/00 681
C22F1/00 682
C22F1/00 691A
C22F1/00 694B
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023204461
(22)【出願日】2023-12-04
(62)【分割の表示】P 2022519829の分割
【原出願日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】62/909,291
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】フランク,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ネッチェル,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ボッテンヘフト,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】レンゼン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ゴダン,セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】カンプ,ニコラス ツェー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ケビン マーク
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ドラン,アンディ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】飲料を包装及び/または製造するためのアルミニウム合金カプセル、並びに前記カプセル及び他の包装製品を製造するための方法を提供する。
【解決手段】ドーム型の本体であって、本体から外側に延びるリップを含む本体と、リップで固定されたカバーとを含むアルミニウム合金カプセルであって、本体及びカバーの少なくとも一方は3xxx系アルミニウム合金を含み、3xxx系アルミニウム合金が少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含み、O調質合金を製造するように加工されるアルミニウム合金カプセルである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーム型の本体であって、前記本体から外側に延びるリップを含む前記本体と、
前記リップで固定されたカバーと、
を含む、アルミニウム合金カプセルであって、
前記本体は、飲料を調製するための物質を含むように構成された空洞を画定し、前記カバーは、前記カプセルが使用できるようになるまで前記物質を前記本体内に密封するために、前記本体の前記リップの周りにシールを形成し、
前記本体及び前記カバーの少なくとも一方は、3xxx系アルミニウム合金を含む、
前記アルミニウム合金カプセル。
【請求項2】
前記3xxx系アルミニウム合金が、AA3104を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項3】
前記3xxx系アルミニウム合金が、AA3105を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項4】
前記3xxx系アルミニウム合金が、少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項5】
前記3xxx系アルミニウム合金が、少なくとも80重量パーセントの再生アルミニウムを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項6】
前記再生アルミニウムが、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項4または5に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項7】
前記3xxx系アルミニウム合金が、マンガンまたはマグネシウムの少なくとも一方を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項8】
前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質合金を製造するように加工される、請求項1~7のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項9】
前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質において2.0パーセント未満の耳発生を示す、請求項8に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項10】
前記3xxx系アルミニウム合金が、0.5~1.5の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、請求項9に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項11】
前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質において1.5パーセント未満の耳発生を示す、請求項8に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項12】
前記3xxx系アルミニウム合金が、0.8~1.2の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、請求項11に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項13】
前記アルミニウム合金カプセルが、30μm~170μmの厚さを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項14】
前記アルミニウム合金カプセルが、70μm~120μmの厚さを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項15】
前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、110MPa~195MPaの極限引張強度を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項16】
前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、0.2%ひずみで45MPa~85MPaの降伏強度を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項17】
前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、少なくとも13パーセントの総伸びを有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項18】
アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
再生アルミニウムを溶かして液体金属にすることと、
前記液体金属に合金元素を添加して改質液体金属を形成することであって、前記合金元素はマンガンまたはマグネシウムの少なくとも一方を含む、前記改質液体金属を形成することと、
前記改質液体金属を鋳造して鋳造アルミニウム合金を形成することであって、前記改質液体金属は少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含む、前記鋳造アルミニウム合金を形成することと、
前記鋳造アルミニウム合金を加熱することと、
前記鋳造アルミニウム合金を熱間圧延して、1.5mm~10mmの厚さを含む圧延製品を製造することと、
前記圧延製品を冷間圧延して、30μm~170μmの厚さを含むアルミニウム合金製品を製造することと、
前記アルミニウム合金製品をアニーリングして、O調質製品を製造することと、
を含む前記方法。
【請求項19】
前記鋳造アルミニウム合金を加熱することが、前記鋳造アルミニウム合金を均質化することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記冷間圧延工程中に複数のパスを実行することと、
前記冷間圧延工程の前記複数のパスの間に前記アルミニウム合金製品をインターアニーリングすることと、
をさらに含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記アニーリング工程の前に、前記製品が、H18またはH19調質に加工される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記圧延製品を冷間圧延した後、前記アルミニウム合金製品を弱アルカリ性または酸性剤で洗浄することをさらに含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記改質液体金属が、少なくとも80重量パーセントの再生アルミニウムを含む、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記再生アルミニウムが、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項18~24のいずれか一項に記載の方法に従って調製したアルミニウム合金製品。
【請求項26】
前記アルミニウム合金製品が、3xxx系アルミニウム合金を含む、請求項25に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項27】
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、3.0パーセント未満の耳発生を示す、請求項25または26に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項28】
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、1.0パーセント未満の耳発生を示す、請求項25~27のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項29】
前記アルミニウム合金製品が、70μmから120μmの厚さを含む、請求項25~28のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項30】
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、110MPa~195MPaの極限引張強度を有する、請求項25~29のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項31】
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、0.2%ひずみで45MPa~85MPaの降伏強度を有する、請求項25~30のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項32】
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、少なくとも13パーセントの総伸びを有する、請求項25~31のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項33】
前記アルミニウム合金製品が包装に使用される、請求項25~32のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項34】
前記アルミニウム合金製品が飲料を調製するための包装である、請求項25~33のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項35】
前記アルミニウム合金製品が飲料カプセルである、請求項25~34のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月2日出願の米国仮特許出願第62/909,291号の利益を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、アルミニウム合金製品、及びそのようなアルミニウム合金製品の特性に関する。本開示はさらに、再生含有量の高いアルミニウム飲料製品、及びそれを製造、加工する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
飲料カプセルはよく知られており、広く使用されている。アルミニウムは、食品包装に優れた剛性、成形性、ならびにガス及び光のバリア特性を提供することができる。カプセル包装に使用されるアルミニウム箔は、ソフトアニーリングされたAA8011A合金を含む。現在の(incumbent)カプセル用合金は、再生含有量が少ない。再生アルミニウムに含まれるMgやMnなどの元素、及びFeなどのリサイクルによって蓄積し得る元素は、破壊挙動や耳発生などの特性に悪影響を与える可能性がある。再生アルミニウムの利用は環境に優しい。再生アルミニウムから新しい金属を作成するには、アルミニウム合金で使用される一次アルミニウムを製造するために必要なエネルギの5%しか必要としない。材料の厚さを削減することによって包装材料の量を減らすことは、環境にプラスの影響を与えることができる。ただし、包装材料の厚さを薄くすると、包装材料の成形性と機械的抵抗のバランスが崩れ、これらの取り組みが制限される可能性がある。H19調質の3004/3104を含む3xxx系アルミニウム合金は、飲料缶の一般的な包装材料である。ただし、一般的なゲージが0.23~0.35mm、引張強度が約260MPa、破断点伸びが約4%の飲料缶に使用される3xxx系アルミニウム合金の特性は、飲料カプセルに使用されるアルミニウム合金材料の特性と比較すると、異なる機能窓にある。
【発明の概要】
【0004】
包含される本発明の実施形態は、この発明の概要ではなく、特許請求の範囲によって定義される。この概要は、本発明の様々な態様の高次の概観であり、以下の発明を実施するための形態のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介している。この概要は、特許請求された主題の重要または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、明細書全体、図面の一部またはすべて、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0005】
本明細書では、アルミニウム合金カプセルを記載する。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金カプセルは、リップを含むドーム型の本体と、リップで固定されたカバーとを含み、リップは、本体から外側に延びる。本体は、飲料を調製するための物質を含むように構成された空洞を画定する。カバーは、本体内の物質を密封するために、本体のリップの周りにシールを形成することができる。いくつかの実施形態では、本体及びカバーの少なくとも一方は、3xxx系アルミニウム合金を含む。いくつかの実施形態では、3xxx系アルミニウム合金はAA3104を含む。
【0006】
本明細書に記載のアルミニウム合金カプセルは、アルミニウム合金中により多くの再生含有量を使用し、成形性及び強度特性の新しいバランスを通じて将来のダウンゲージステップを可能にすることにより、従来のアルミニウム合金カプセルを改善することができる。特定の実施形態では、3xxx系アルミニウム合金は、少なくとも50重量%の再生アルミニウムを含む。任意選択で、3xxx系アルミニウム合金は、少なくとも80重量%の再生アルミニウムを含むことができる。場合によっては、再生アルミニウムは、製造工程スクラップ(process run-around scrap)、製造後スクラップ(post-manufacturing scrap)、またはポストコンシューマスクラップ(post-consumer scrap)のアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
場合によっては、3xxx系アルミニウム合金を加工してO調質合金を製造してよい。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金カプセルは、約30μm~約170μm(例えば、約50μm~約150μm未満、または約75μm~約120μm)の厚さを含む。任意選択で、アルミニウム合金カプセルは、約70μm~約120μm(例えば、約70μm~約110μm未満、または約80μm~約100μm)の厚さを含み得る。
【0008】
本明細書にさらに記載するのは、アルミニウム飲料カプセルなどの再生含有量を有するアルミニウム合金製品を製造する方法である。この方法は、再生アルミニウムを溶かして液体金属にすることと、合金元素を液体金属に添加して改質液体金属を形成することと、改質液体金属を鋳造して鋳造アルミニウム合金を形成することと、鋳造アルミニウム合金を加熱することと、鋳造アルミニウム合金を熱間圧延して、1.5mm~10mmの厚さの圧延製品を製造することと、圧延製品を冷間圧延してアルミニウム合金製品を製造することとを含む。いくつかの例では、合金元素はマンガンを含む。いくつかの例では、合金元素はマグネシウムを含む。任意選択で、合金元素はマンガン及びマグネシウムを含み得る。任意選択で、合金元素は、シリコンをさらに含み得る。特定の例では、鋳造アルミニウム合金を加熱することは、鋳造アルミニウム合金を均質化することを含み得る。任意選択で、この方法は、アルミニウム合金製品をアニーリングして、O調質製品を製造することをさらに含み得る。いくつかの例では、この方法は、アルミニウム合金製品を弱アルカリまたは酸性剤で洗浄することをさらに含み得る。いくつかの例では、改質液体金属は、少なくとも50重量%の再生アルミニウム(例えば、少なくとも約60重量%の再生アルミニウム、または少なくとも約75重量%の再生アルミニウム)を含み得る。任意選択で、改質液体金属は、少なくとも80重量%の再生アルミニウム(例えば、少なくとも約85重量%の再生アルミニウム、または少なくとも約90重量%の再生アルミニウム)を含み得る。再生アルミニウムは、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、及び/またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムを含み得る。
【0009】
本明細書に記載する方法に従って調製したアルミニウム合金製品もまた、本明細書に記載する。アルミニウム合金は、3xxx系アルミニウム合金を含み得る。アルミニウム合金製品はシートであってよい。アルミ合金製品は包装に使用することができる。いくつかの例では、アルミニウム合金製品は、飲料を調製するための包装である。特定の例では、アルミニウム合金製品は飲料カプセルである。
【0010】
カプセル包装の耳発生特性を達成しながら、一定レベルの強度と伸びを達成することは困難な場合がある。本明細書に記載のアルミニウム合金は、ダウンゲージされた場合でさえ、良好な耳発生及び機械的特性を示し得る。アルミニウム合金製品は、O調質で2.0%未満の耳発生を示し得る。特定の例では、アルミニウム合金製品は、O調質で1.5%未満の耳発生を示す。アルミニウム合金製品は、約30μm~約170μm(例えば、約50μm~約150μm未満、または約80μm~約140μm)の厚さを含み得る。場合によっては、アルミニウム合金製品は、約70μm~約120μm(例えば、約75μm~約115μm未満、または約90μm~約110μm)の厚さを含む。アルミニウム合金製品がO調質の場合、アルミニウム合金製品は、約165MPa~約190MPa(例えば、約170MPa~約185MPa未満、または約175MPa~約180MPa)の極限引張強度を有し得る。いくつかの例では、アルミニウム合金製品がO調質の場合、アルミニウム合金製品は、0.2%ひずみで70MPa~90MPa(例えば、約75MPa~約90MPa未満、または約80MPa~約85MPa)の降伏強度を有する。アルミニウム合金製品がO調質の場合、アルミニウム合金製品は、A100試験形状を使用して、少なくとも10%の総伸びを有し得る。
【0011】
本発明の他の目的及び利点は、非限定的な例の以下の詳細な説明から明らかになる。
【0012】
本明細書は、以下の添付の図面を参照しており、異なる図面中での同様の参照番号の使用は、同様のまたは類似の構成要素を示すことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】Aは、本開示の一例による飲料カプセルの側面図である。Bは、本開示の一例による飲料カプセルの斜視図である。
図2】A、Bは本開示の一例による飲料カプセルの斜視図である。
図3】本開示の一例による飲料カプセルの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載するのは、アルミニウム合金カプセルなどのアルミニウム合金製品、再生含有量の高いアルミニウム合金製品、及びそれらの製品の製造方法である。本明細書に記載のアルミニウム合金製品及び方法は、原料の使用量が削減された改良されたアルミニウム合金製品を提供する。例えば、本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、アルミニウム合金カプセルに使用される従来のアルミニウム合金製品と比較して、再生アルミニウム(例えば、少なくとも50重量%または少なくとも80重量%の再生アルミニウム)を含み得る。本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、従来の8xxx系アルミニウム合金から作られたカプセル及び他の包装製品と比較して優れた強度特性を有する。
【0015】
いくつかの例では、アルミニウム合金カプセルは、ドーム型の本体及びカバーを含み得る。本体は、飲料を調製するための物質を含むように構成された空洞を画定する。カプセルは、3xxx系アルミニウム合金を含み得る。任意選択で、3xxx系アルミニウム合金は、少なくとも50重量%の再生アルミニウムを含み得る。
【0016】
定義及び説明:
本明細書で使用される「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、「本発明(this invention)」及び「本発明(the present invention)」という用語は、本特許出願の主題のすべて及び以下の特許請求の範囲を広く指すことを意図している。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載の主題を限定する意図はなく、以下の特許請求の範囲の意味または範囲も限定しないことが理解されるべきである。
【0017】
本明細書では、「系」または「3xxx」などのアルミニウム業界の指定で識別される合金について言及がなされている。アルミニウム及びその合金の命名及び識別において最も一般的に使用されている番号指定システムの理解のため、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」(いずれもアルミニウム協会が発行)を参照されたい。
【0018】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、または「the」の意味は、文脈が明確に別途指示しない限り、単数及び複数の指示対象を含む。
【0019】
本明細書で使用される場合、プレートは一般に、約15mmを超える厚さを有する。例えば、プレートは、約15mmを超える、約20mmを超える、約25mmを超える、約30mmを超える、約35mmを超える、約40mmを超える、約45mmを超える、約50mmを超える、または約100mmを超える厚さを有するアルミニウム製品を指してよい。
【0020】
本明細書で使用される場合、シェート(シートプレートとも称される)は通常、約4mm~約15mmの厚さを有する。例えば、シェートは、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、または約15mmの厚さを有し得る。
【0021】
本明細書で使用される場合、シートは通常、約4mm未満の厚さを有するアルミニウム製品を指す。例えば、シートは、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約0.5mm未満、約0.3mm未満、または約0.1mm未満の厚さを有し得る。
【0022】
本明細書で使用される場合、「箔」という用語は、最大約0.2mm(すなわち、200ミクロン(μm))の範囲の合金の厚さを示す。例えば、箔は、最大10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm、または200μmの厚さを有し得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「鋳造金属製品」、「鋳造製品」、「鋳造アルミニウム合金製品」などの用語は、互換可能であり、直接チル鋳造(直接チル共鋳造(direct chill co-casting)を含む)または半連続鋳造、連続鋳造(例えば、双ベルト鋳造機、双ロール鋳造機、ブロック鋳造機、または任意の他の連続鋳造機の使用によるものを含む)、電磁鋳造、ホットトップ鋳造、または任意の他の鋳造法によって製造された製品を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、金属製品という用語は、必要に応じて、任意の適切な形状またはサイズの鋳造製品を指すことができる。
【0025】
本出願では、合金の調質または状態に対する言及がなされる。最も一般的に使用されている合金調質の記述を理解するためには、「American National Standards(ANSI)H35 on Alloy and Temper Designation Systems」を参照されたい。F状態または調質は、製作されたままのアルミニウム合金を指す。O状態または調質は、アニーリング後のアルミニウム合金を指す。本明細書でH調質とも称されるHxx状態または調質は、熱処理(例えば、アニーリング)の有無にかかわらず、冷間圧延後の非熱処理アルミニウム合金を指す。
【0026】
本明細書に開示されるすべての範囲は、それらに含まれるいずれかの及びすべての部分範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、記載された範囲「1~10」は、最小値1及び最大値10の間の(且つこれらを含む)任意の及びすべての部分範囲を含むと考えられるべきである。すなわち、すべての部分範囲は、1以上の最小値、例えば、1~6.1から始まり、かつ10以下の最大値、例えば、5.5~10で終わる。
【0027】
以下のアルミニウム合金は、合金の総重量を基準とした重量パーセント(重量%)での元素組成の観点から説明される。各合金の特定の例では、残部はアルミニウムであり、不純物の合計の最大重量%が、0.15%である。
【0028】
本明細書で使用される場合、再生スクラップ(例えば、再生ストック)という用語は、リサイクルされた金属の収集物を指すことができる。再生スクラップは、金属製造施設(例えば、金属鋳造施設)、金属加工施設(例えば、金属製品を使用して消費物品を製造する生産施設)、ポストコンシューマソース(例えば、地域のリサイクル施設)、または他のソースなど、任意の適切なソースからリサイクルされた材料を含み得る。本開示の特定の態様は、金属製造施設以外のソースからの再生スクラップに非常に適している可能性がある。なぜなら、そのような再生スクラップは、合金の混合物を含むか、または他の不純物または元素(例えば、塗料またはコーティングなど)が混じっている可能性が高いからである。再生スクラップとは、再生シートアルミニウム製品(例えば、アルミニウムの深鍋や平鍋)、再生鋳造アルミニウム製品(例えば、アルミニウムグリルや車輪リム)、UBCスクラップ(例えば、使用済み飲料缶)、アルミニウムワイヤ、及びその他のアルミニウム材料などの再生アルミニウムを指すことができる。
【0029】
本明細書で使用される場合、測定に関連する耳発生という用語は、カップの高さの平均耳発生を指す。
【数1】
【0030】
アルミニウム合金及び製品
本明細書には、アルミニウム合金製品、及びアルミニウム合金製品の製造方法が記載されている。本明細書に記載の製品は、例えば、アルミニウム合金カプセルを含む。このような製品は、例えば、飲料カプセルとして使用することができる。
【0031】
いくつかの例では、アルミニウム合金カプセルは、リップを含むドーム型の本体を含む。リップは本体から外側に延びる。本体は、飲料を調製するための物質を収容するように構成された空洞を画定する。カプセルは、リップで固定されたカバーをさらに含み得る。カバーは、本体内の物質を密封するために、本体のリップの周りにシールを形成することができる。飲料の調製のためにカプセル内に収容される物質は、特に、コーヒー、茶、ココア、乳製品ベースの飲料用の濃縮物、レモネード、サイダー、及びフルーツベースの飲料を含み得る。
【0032】
いくつかの例では、本体は、3xxx系アルミニウム合金を含み得る。いくつかの例では、カバーも、3xxx系アルミニウム合金を含み得る。任意選択で、本体及びカバーは3xxx系アルミニウム合金を含み得る。本体とカバー用の3xxx系アルミニウム合金は、同じタイプの合金、または異なるタイプの合金であってよい。
【0033】
本明細書に記載の製品及び方法において使用するためのアルミニウム合金は、3xxx系アルミニウム合金を含む。適切な3xxx系アルミニウム合金は、例えば、AA3002、AA3102、AA3003、AA3103、AA3103A、AA3103B、AA3203、AA3403、AA3004、AA3004A、AA3104、AA3204、AA3304、AA3005、AA3005A、AA3105、AA3105A、AA3105B、AA3007、AA3107、AA3207、AA3207A、AA3307、AA3009、AA3010、AA3110、AA3011、AA3012、AA3012A、AA3013、AA3014、AA3015、AA3016、AA3017、AA3019、AA3020、AA3021、AA3025、AA3026、AA3030、AA3130、及びAA3065を含む。
【0034】
いくつかの例では、本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、合金の総重量を基準として、約0.1%~約2.0%(例えば、約0.1%~約1.5%、または約0.5%~約1.5%)の量のマンガン(Mn)を含む。例えば、アルミニウム合金は、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19 %、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.6%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.7%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、0.8%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、0.9%、0.91%、0.92%、0.93%、0.94%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0.99%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、または2.0%のMnを含み得る。すべて重量%で表されている。
【0035】
いくつかの例では、アルミニウム合金製品は、合金の総重量を基準として、約0.1%~約2.0%(例えば、約0.1%~約1.5%、または約0.5%~約1.5%)の量のマグネシウム(Mg)を含む。例えば、アルミニウム合金製品は、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19 %、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.6%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.7%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、0.8%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、0.9%、0.91%、0.92%、0.93%、0.94%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0.99%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、または2.0%のMgを含み得る。すべて重量%で表されている。
【0036】
いくつかの例では、アルミニウム合金製品は、合金の総重量を基準として、最大約1.5重量%(例えば、約0.01%~約1.50%、約0.20%~約1.0%、または約0.3%~約0.9%)の量のシリコン(Si)を含む。例えば、アルミニウム合金製品は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.20%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.40%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.50%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.60%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.70%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、0.80%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、0.90%、0.91%、0.92%、0.93%、0.94%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0.99%、1.0%、1.01%、1.02%、1.03%、1.04%、1.05%、1.06%、1.07%、1.08%、1.09%、1.10%、1.11%、1.12%、1.13%、1.14%、1.15%、1.16%、1.17%、1.18%、1.19%、1.20%、1.21%、1.22%、1.23%、1.24%、1.25%、1.26%、1.27%、1.28%、1.29%、1.30%、1.31%、1.32%、1.33%、1.34%、1.35%、1.36%、1.37%、1.38%、1.39%、1.40%、1.41%、1.42%、1.43%、1.44%、1.45%、1.46%、1.47%、1.48%、1.49%、または1.50%のSiを含み得る。場合によっては、Siは合金中に存在しない(すなわち、0%)。すべて重量%で表されている。
【0037】
任意選択で、本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量の、不純物と呼ばれる場合がある他の微量元素をさらに含み得る。これらの不純物は、Zr、Sn、Ga、Ca、Bi、Na、Pbまたはこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。したがって、Zr、Sn、Ga、Ca、Bi、Na、またはPbは、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量で(総量で)合金中に存在し得る。場合によっては、すべての不純物の合計は、0.15%を超えない(例えば、0.10%)。すべて重量%で表されている。合金の残りのパーセンテージは、アルミニウムであってよい。
【0038】
任意選択で、本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、合金の総重量を基準として、約50重量%以上の(例えば、約60%を超える、約70%を超える、または約80%を超える)量の再生スクラップを含む。例えば、アルミニウム合金製品は、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%を含み得る。すべて重量%で表されている。
【0039】
場合によっては、再生スクラップは、使用済み飲料缶(UBC)スクラップなどの再生アルミニウムスクラップを含む。例えば、UBCスクラップは通常、缶本体(例えば、AA3104、AA3004、または他の3xxx系アルミニウム合金)及び缶端部(例えば、AA5182または他の5xxx系アルミニウム合金)からの金属等、様々な合金からの金属の混合物を含む。他の再生スクラップは、他の合金混合物を含む。さらに、再生スクラップは、他の不純物や合金元素を含む可能性があり、それらは、再生スクラップが溶かされると液体金属になる。再生アルミニウムは、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、及び/またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムを含み得る。製造工程スクラップは、アルミニウム製品の製造(例えば、アルミニウムシートの製造中のインゴットスキャルピング及びエッジトリミング)中に生成される。製造後スクラップは、アルミニウム合金製品の製造プロセスで生成される(例えば、自動車部品の製造廃棄物や飲料缶穴開け廃棄物)。ポストコンシューマとは、消費者による製品の使用が完了した後に発生するスクラップである(例えば、使用済み飲料缶)。
【0040】
本明細書に記載のアルミニウム合金を含む様々な製品を製造することができる。本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、任意の適切なゲージを有し得る。いくつかの例では、アルミニウム合金製品はシートであってよい。任意選択で、シートゲージは約240μm未満(例えば、約170μm~約240μm未満、約180μm~約230μm、または約190μm~約220μm)である。例えば、シートは、約170μm、175μm、180μm、185μm、190μm、195μm、200μm、205μm、210μm、215μm、220μm、225μm、230μm、235μm、または240μmのゲージを有し得る。本明細書に記載されている製品は、170μm未満の厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金カプセルは、約30μm~約170μmの厚さ(例えば、約50μm~約150μm未満、または約75μm~約120μm)を含む。例えば、アルミニウム合金カプセルは、約30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、105μm、110μm、115μm、120μm、125μm、130μm、135μm、140μm、145μm、150μm、155μm、160μm、165μm、または170μmの厚さを有し得る。任意選択で、アルミニウム合金カプセルは、約70μm~約120μmの厚さ(例えば、約70μm~約110μm未満、または約80μm~約100μm)を含み得る。
【0041】
図に目を向けると、図1A、1B、2A、及び2Bは、本明細書に記載の様々な例による飲料カプセルの斜視図を示す。カプセル100は、ドーム型の本体101を含む。図示の例で示されるように、本体101のドーム形状の高さ及び曲率は変化し得る。本体101は、本体101から延びるリップ102を含む。図3に示すように、本体101は、物質105を収容することができる空洞104を画定する。カバー103は、空洞104の開口部にわたり、リップ102で固定されて、カプセル100が使用できるようになるまで、カプセル100の空洞104内に物質105を密封することができる。
【0042】
アルミニウム合金製品の特性
本明細書に記載されるように結果として生じる金属製品は、O調質状態下での高強度及び高成形性を含む、所望の特性の組み合わせを有する。この調質状態下で、アルミニウム合金製品は、約110MPa~約195MPaまで(例えば、約170MPa~約185MPa未満、約120MPa~約195MPa、約125MPa~約145MPa、または約165MPa~約195MPa)の極限引張強度を示すことができる。例えば、極限引張強度は、約110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa、165MPa、170MPa、175MPa、180MPa、185MPa、190MPa、または195MPaであってよい。いくつかの例では、アルミニウム合金製品は、0.2%ひずみで約45MPa~約85MPa(例えば、約75MPa~約85MPa未満、約65MPa~約80MPa、約45MPa~約75MPa、または約55MPa~約85MPa)の降伏強度を有する。例えば、降伏強度は、約45MPa、50MPa、55MPa、60MPa、65MPa、70MPa、75MPa、80MPa、または85MPaであってよい。アルミニウム合金製品は、A100試験形状を使用して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約13%、少なくとも約15%、少なくとも約17%、または少なくとも約18%)の総伸びを示すことができる。例えば、総伸びは、A100試験形状を使用して、約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、または22%であってよい。
【0043】
本明細書に記載のアルミニウム合金は、ダウンゲージされた(例えば、より薄い)場合でさえ、微細構造及びプロセス相互作用の複雑な関数である良好な耳発生特性、ならびに良好な機械的特性を示し得る。例えば、アルミニウム合金製品は、O調質で2.0%未満の耳発生を示し得る。特定の例では、アルミニウム合金製品は、O調質で1.5%未満の耳発生を示す。例えば、アルミニウム合金製品は、2.0%未満、1.9%未満、1.8%未満、1.7%,未満、1.6%未満、1.5%未満、1.4%未満、1.3%未満、1.2%未満、1.1%未満、1.0%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満の耳発生、0.4%未満の耳発生、0.3%未満の耳発生、0.2%未満の耳発生、または0.1%未満の耳発生を示し得る。
【0044】
表1は、従来のAA8011A製品と比較した、本明細書に記載の例によるアルミニウム合金製品の特性を示す。ほとんどのアルミニウム合金では、強度が高いほど変形時の破壊抵抗が低くなる。飲料カプセル製造プロセスにおけるこれらの高強度材料の加工性は予想外である。
【表1】
【0045】
表1に記載されている引張強度と降伏強度の向上は、ダウンゲージ中に保持され得る。従来の製品と比較して強度が向上しているため、輸送及び取り扱い中のアルミニウム合金製品への損傷を減らすことができる。いくつかの例では、引張強度及び降伏強度の向上により、従来の製品と比較して、飲料機の圧力の増加など、拡張された加工条件の使用を可能にすることができる。表2は、従来の製品(試験幅15mm)と比較した、本明細書に記載の一例によるアルミニウム合金製品の様々なゲージでの製品の極限引張強度を示す。
【表2】
縮小されたゲージでの高い引張強度は、従来の8xxx系アルミニウム合金製品と比較して、原料の使用量と運用コストを削減することができる。
【0046】
特定のゲージに圧延され、O調質に熱処理されたAA3104アルミニウム合金は、表3に示すように、異なる特性の組み合わせを有し得る。表3は、標準的缶本体ストックシートAA3104アルミニウム合金と、最終的に90μmのゲージまで熱間圧延及び冷間圧延によって加工され、O調質にアニーリングされたもの(変形A)、冷間圧延による厚さゲージ削減が減らされた類似のルートで加工された類似の合金(変形B)、最後に、冷間圧延による厚さゲージの削減が減らされ、且つ30%~90%の冷間圧延間に中間熱処理が150℃~400℃の温度で10分間以上行われた変形Cを示す。
【表3】
【0047】
カップトップの高さプロファイルは(飲料缶の場合のように)トリミングまたはカットされておらず、リップを形成する能力及び蓋を取り付けるための後続のプロセスに影響を与える可能性があるため、耳発生は飲料カプセルの製造にとって重要な特性である。表3の各変形は同様の引張特性を達成したが、微細構造の特定の変更により、変形Cのみが所望の耳発生特性を達成した。一般的な飲料カプセルの耳発生の要件は、最大値が2%を超えないことである。変形Cのみが2%未満の耳発生を達成した。
【0048】
耳発生の値は、結晶学的テクスチャとも呼ばれる、材料の粒子配向の結晶学的分布に関連する。アルミニウム合金のより低い耳発生値は、冷間圧延中に得られる結晶学的配向、いわゆるミラー指数{011}<211>を有するBrass、S{123}<634>、及びCu{112}<111>と、体積分率が再結晶中に増加するCube{001}<100>またはGoss{011}<100>とを、例えば300℃を超える温度でアニーリングすることによってバランスをとることによって達成されてよい。典型的な缶本体ストック3104-H19のテクスチャは、本明細書に記載するアルミニウム合金のテクスチャとは大きく異なる。表4は、3104-H19及び3104-Oのいくつかの変形のテクスチャ値を示す。(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比という点で微細構造のしきい値は、特定の耳発生特性を達成するためにターゲットにすることができる。
【表4】
【0049】
作製方法
上記のアルミニウム合金は、鋳造製品に鋳造されてよい。鋳造する前に、再生スクラップは、溶かされて液体金属にされてよい。任意選択で、液体金属を脱気して、液体金属に溶解する水素の量を減らすことができる。任意の適切な脱気技術が使用されてよい。任意選択で、合金元素を液体金属に添加して、改質液体金属を形成してよい。いくつかの例では、合金元素はマンガン及び/またはマグネシウムを含む。任意選択で、合金元素は、シリコンを含み得る。
【0050】
合金は、当業者に知られているように、アルミニウム産業で一般的に使用される標準に従って行われる任意の鋳造プロセスを使用して鋳造することができる。例えば、合金は、双ベルト鋳造機、双ロール鋳造機、またはブロック鋳造機の使用を含み得るがこれらに限定されない連続鋳造(CC)プロセスを使用して鋳造されてよい。いくつかの例では、鋳造プロセスをCCプロセスによって実施して、ビレット、スラブ、シェート、ストリップなどの鋳造製品を形成する。いくつかの例で、鋳造プロセスは、インゴットなどの鋳造製品を形成するための直接チル(DC)鋳造プロセスによって行われる。いくつかの例では、鋳造プロセスはストリップ鋳造によって行われる。次に、鋳造製品は、さらなる加工工程に供することができる。このような加工工程は、加熱工程、熱間圧延工程、冷間圧延工程、及び/またはアニーリング工程を含むが、これらに限定されない。任意選択で、加熱工程は、鋳造アルミニウム合金の均質化を含み得る。
【0051】
加熱
加熱工程は、アルミニウム合金組成から調整されたインゴットなどの鋳造アルミニウム合金製品を、約450℃、または少なくとも約450℃(例えば、少なくとも約460℃、少なくとも約470℃、少なくとも約480℃、少なくとも約490℃、少なくとも約500℃、少なくとも約510℃、少なくとも約520℃、少なくとも約530℃、少なくとも約540℃、少なくとも約550℃、少なくとも約560℃、少なくとも約570℃、少なくとも約580℃、少なくとも約590℃、少なくとも約600℃、少なくとも約610℃)のピーク金属温度(PMT)に達するまで加熱することを含み得る。例えば、鋳造アルミニウム合金製品を、約450℃~約610℃、約460℃~約590℃、約470℃~約580℃、約480℃~約565℃、約490℃~約555℃、または約500℃~約550℃の温度まで加熱することができる。場合によっては、PMTまでの加熱速度は、約100℃/時以下、75℃/時以下、50℃/時以下、40℃/時以下、30℃/時以下、25℃/時以下、20℃/時以下、または15℃/時以下であってよい。他の場合には、PMTまでの加熱速度は、約10℃/分~約100℃/分(例えば、約10℃/分~約90℃/分、約10℃/分~約70℃/分、約10℃/分~約60℃/分、約20℃/分~約90℃/分、約30℃/分~約80℃/分、約40℃/分~約70℃/分、または約50℃/分~約60℃/分)であってよい。
【0052】
場合によっては、加熱工程は、鋳造アルミニウム合金を均質化することを含み、ここで、鋳造アルミニウム合金製品は、所定期間、浸漬されてよい(すなわち、指示された温度で保持されてよい)。場合によっては、鋳造アルミニウム合金製品は、上記のようにピーク金属温度で少なくとも30分間浸漬されてよい。1つの非限定的な例によれば、鋳造アルミニウム合金製品は、最大で約36時間(例えば、約30分~約36時間、30分及び36時間も含む)浸漬されてよい。例えば、アルミニウム合金製品は、ピーク金属温度で、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、30時間、31時間、32時間、33時間、34時間、35時間、36時間、または、それらの間の任意の時間、浸漬することができる。
【0053】
熱間圧延及び冷間圧延
均質化工程に続いて、熱間圧延工程を行うことができる。熱間圧延工程は、熱間リバース圧延機操作、及び/または熱間タンデム圧延機操作を含み得る。熱間圧延工程は、約250℃~約600℃(例えば、約300℃~約550℃、または約350℃~約450℃)の範囲の温度で、または任意の他の適切な温度で行うことができる。いくつかの例では、ホットバンドゲージは、約1.5mm~約10mm(例えば、約2mm~約8mmまたは約4mm~約6mm)であってよい。例えば、ホットバンドゲージは、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、または約10mmであってよい。
【0054】
熱間圧延後、冷間圧延工程を、アルミニウム合金製品を形成するために任意選択で適用することができる。例えば、鋳造アルミニウム合金製品を、約4mm未満の厚みまで冷間圧延することができる。いくつかの例では、シートは、4mm未満、3mm未満、2mm未満、1mm未満、0.9mm未満、0.8mm未満、0.7mm未満、0.6mm未満、0.5mm未満、0.4mm未満、0.3mm未満、0.2mm未満、または0.1mm未満の厚さを有し得る。任意選択で、シートゲージは約240μm未満(例えば、約170μm~約240μm未満、約180μm~約230μm、または約190μm~約220μm)である。例えば、シートは、約170μm、175μm、180μm、185μm、190μm、195μm、200μm、205μm、210μm、215μm、220μm、225μm、230μm、235μm、または240μmのゲージを有し得る。任意選択で、シートゲージは約170μm未満(例えば、約30μm~約170μm未満、約180μm~約230μm、または約190μm~約220μm)である。例えば、シートは、約30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、105μm、110μm、115μm、120μm、125μm、130μm、135μm、140μm、145μm、150μm、155μm、160μm、165μm、または170μmのゲージを有し得る。
【0055】
いくつかの例では、冷間圧延工程は、複数のパスの間にアルミニウム合金製品をインターアニーリング(又は中間アニーリング)するステップを伴う複数のパスを使用して適用することができる。特定の例では、アルミニウム合金製品は、アニーリング工程の前に、H18またはH19調質に加工して、アルミニウム合金製品を調質することができる。
【0056】
調質
本明細書に開示されるようなアルミニウム合金製品を製造するプロセスによって、再結晶化された(例えば、O調質)、「柔らかい」材料として記述できるアルミニウム製品になり得る。いくつかの例では、プロセスは、中間工程としての完全なソフトアニーリングを含む熱処理と、O調質をもたらす最終工程とを含み得る。変形Cは、中間アニーリングと最終アニーリングの両方を含み、変形A及びBは最終アニーリングプロセスのみを行うという点で、変形A及びBとは異なる。
【0057】
脱脂
本明細書に記載のプロセスは、任意選択で、アルミニウム合金製品に適用される少なくとも1つの脱脂工程を含み得る。本明細書で使用される「脱脂」という用語は、アルミニウム合金製品を処理して、熱間圧延及び冷間圧延プロセスで表面に蓄積された残留油を除去することを含む。脱脂工程はまた、圧延プロセスによる残留表面破片、圧延油、及びアルミニウム微粉を除去することができる。脱脂工程で使用する脱脂剤は、水及び/または溶剤を含み得る。場合によっては、脱脂剤は酸性剤またはアルカリ剤を含み得る。いくつかの例では、脱脂剤は、フッ化物化合物とのリン酸または硫酸の混合物であってよい。酸性混合物のpHは、約0~約5の範囲であってよい。いくつかの例において、脱脂剤は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、または炭酸カリウムの混合物であってよい。塩基性混合物のpHは、約8~約14の範囲であってよい。特定の例において、脱脂剤は、約5.5~約7.5の範囲であり得るpHを有する弱酸性または弱塩基性溶液であってよい。
【0058】
使用方法とダウンストリーム処理
本明細書に記載のアルミニウム合金製品及び方法は、包装を作成するために、または任意の他の所望の用途のために使用することができる。いくつかの例では、アルミニウム合金製品は、飲料カプセルを作るために使用することができる。いくつかの例では、アルミニウム合金製品及び方法は、食品包装または他の製品の包装製品に使用することができる。
【0059】
適切な合金、製品及び方法の例示的な実施形態
以下で使用される場合、一連の例示的な合金、製品、または方法への言及はいずれも、それらの各合金、製品、または方法のそれぞれを選言的に指すものとして理解されたい(例えば、「例示的な実施形態1~4」は「例示的な実施形態1、2、3、または4」として理解されたい)。
【0060】
例示的な実施形態1は、ドーム型の本体であって、前記本体から外向きに延びるリップを含む前記本体と、前記リップで固定されたカバーとを含むアルミニウム合金カプセルであり、前記本体は、飲料の調製のための物質を含むように構成された空洞を画定し、前記カバーは、前記カプセルが使用できるようになるまで前記本体内の物質を密封するために前記本体の前記リップの周りにシールを形成し、前記本体と前記カバーの少なくとも一方は3xxx系アルミニウム合金を含む、前記アルミニウム合金カプセルである。
【0061】
例示的な実施形態2は、前記3xxx系アルミニウム合金が、AA3104を含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0062】
例示的な実施形態3は、前記3xxx系アルミニウム合金が、AA3105を含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0063】
例示的な実施形態4は、前記3xxx系アルミニウム合金が、少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0064】
例示的な実施形態5は、前記3xxx系アルミニウム合金が、少なくとも80重量パーセントの再生アルミニウムを含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0065】
例示的な実施形態6は、前記再生アルミニウムが、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0066】
例示的な実施形態7は、前記3xxx系アルミニウム合金が、マンガンまたはマグネシウムの少なくとも一方を含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0067】
例示的な実施形態8は、前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質合金を製造するように加工される、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0068】
例示的な実施形態9は、前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質において2.0パーセント未満の耳発生を示す、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0069】
例示的な実施形態10は、前記3xxx系アルミニウム合金が、0.5~1.5の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0070】
例示的な実施形態11は、前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質において1.5パーセント未満の耳発生を示す、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0071】
例示的な実施形態12は、前記3xxx系アルミニウム合金が、0.8~1.2の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0072】
例示的な実施形態13は、前記アルミニウム合金カプセルが、30μm~170μmの厚さを含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0073】
例示的な実施形態14は、前記アルミニウム合金カプセルが、70μm~120μmの厚さを含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0074】
例示的な実施形態15は、前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、110MPa~195MPaの極限引張強度を有する、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0075】
例示的な実施形態16は、前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、0.2パーセントひずみで45MPa~85MPaの降伏強度を有する、任意の先行または後続の実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0076】
例示的な実施形態17は、前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、少なくとも10パーセントの総伸びを有する、任意の先行する実施形態のアルミニウム合金カプセルである。
【0077】
例示的な実施形態18は、アルミニウム合金製品を製造する方法であって、再生アルミニウムを溶かして液体金属にすることと、合金元素を前記液体金属に添加して改質液体金属を形成することであって、前記合金元素はマンガンまたはマグネシウムの少なくとも一方を含む、前記改質液体金属を形成することと、前記改質液体金属を鋳造して鋳造アルミニウム合金を形成することであって、前記改質液体金属は少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含む、前記鋳造アルミニウム合金を形成することと、前記鋳造アルミニウム合金を加熱することと、前記鋳造アルミニウム合金を熱間圧延して、厚さ1.5mm~10mmを含む圧延製品を製造することと、前記圧延製品を冷間圧延して厚さ30μm~170μmのアルミニウム合金製品を製造することと、前記アルミニウム合金製品をアニーリングしてO調質製品を製造することとを含む、前記方法である。
【0078】
例示的な実施形態19は、前記鋳造アルミニウム合金を加熱することが、前記鋳造アルミニウム合金を均質化することを含む、任意の先行または後続の実施形態の方法である。
【0079】
例示的な実施形態20は、前記冷間圧延工程中に複数のパスを行うことと、前記冷間圧延工程の前記複数のパスの間に前記アルミニウム合金製品をインターアニーリング(又は中間アニーリング)することとをさらに含む、任意の先行または後続の実施形態の方法である。
【0080】
例示的な実施形態21は、前記アニーリング工程の前に、前記製品がH18またはH19調質に加工される、任意の先行または後続実施形態の方法である。
【0081】
例示的な実施形態22は、前記圧延製品を冷間圧延した後、前記アルミニウム合金製品を弱アルカリ性または酸性剤で洗浄することをさらに含む、任意の先行または後続実施形態の方法である。
【0082】
例示的な実施形態23は、前記改質液体金属が、少なくとも80重量パーセントの再生アルミニウムを含む、任意の先行または後続実施形態の方法である。
【0083】
例示的な実施形態24は、前記再生アルミニウムが、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、任意の先行実施形態の方法である。
【0084】
例示的な実施形態25は、任意の先行する実施形態の方法に従って調製したアルミニウム合金製品である。
【0085】
例示的な実施形態26は、前記アルミニウム合金製品が、3xxx系アルミニウム合金を含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0086】
例示的な実施形態27は、前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、2.0パーセント未満の耳発生を示す、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0087】
例示的な実施形態28は、前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、1.5パーセント未満の耳発生を示す、先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0088】
例示的な実施形態29は、前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、1.0パーセント未満の耳発生を示す、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0089】
例示的な実施形態30は、前記アルミニウム合金製品が、70μm~120μmの厚さを含む、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0090】
例示的な実施形態31は、前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、110MPa~195MPaの極限引張強度を有する、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0091】
例示的な実施形態32は、前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、0.2パーセントひずみで45MPa~85MPaの降伏強度を有する、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0092】
例示的な実施形態33は、前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、少なくとも10%の総伸びを有する、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0093】
例示的な実施形態34は、前記アルミニウム合金製品が包装に使用される、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0094】
例示的な実施形態35は、前記アルミニウム合金製品が飲料の調整用の包装に使用される、任意の先行または後続実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0095】
例示的な実施形態36は、前記アルミニウム合金製品が飲料カプセルである、任意の先行実施形態のアルミニウム合金製品である。
【0096】
上記で引用したすべての特許、刊行物、及び抄録は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的の達成において記載されてきた。これらの実施形態は、本発明の原理を例示するに過ぎないことを認識されたい。それらの多数の修正形態及び適合形態は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者には容易に明らかであろう。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーム型の本体であって、前記本体から外側に延びるリップを含む前記本体と、
前記リップで固定されたカバーと、
を含む、アルミニウム合金カプセルであって、
前記本体は、飲料を調製するための物質を含むように構成された空洞を画定し、前記カバーは、前記カプセルが使用できるようになるまで前記物質を前記本体内に密封するために、前記本体の前記リップの周りにシールを形成し、
前記本体及び前記カバーの少なくとも一方は、3xxx系アルミニウム合金を含
前記3xxx系アルミニウム合金が、0.5~1.5の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、
前記アルミニウム合金カプセル。
【請求項2】
前記3xxx系アルミニウム合金が、AA3104を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項3】
前記3xxx系アルミニウム合金が、AA3105を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項4】
前記3xxx系アルミニウム合金が、少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項5】
前記3xxx系アルミニウム合金が、少なくとも80重量パーセントの再生アルミニウムを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項6】
前記再生アルミニウムが、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項4または5に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項7】
前記3xxx系アルミニウム合金が、マンガンまたはマグネシウムの少なくとも一方を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項8】
前記3xxx系アルミニウム合金が、2.0パーセント未満の耳発生を示す、請求項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項9】
前記3xxx系アルミニウム合金が、1.5パーセント未満の耳発生を示す、請求項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項10】
前記3xxx系アルミニウム合金が、0.8~1.2の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、請求項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項11】
前記アルミニウム合金カプセルが、30μm~170μmの厚さを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項12】
前記アルミニウム合金カプセルが、70μm~120μmの厚さを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項13】
記アルミニウム合金は、110MPa~195MPaの極限引張強度を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項14】
記アルミニウム合金は、0.2%ひずみで45MPa~85MPaの降伏強度を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項15】
記アルミニウム合金は、少なくとも13パーセントの総伸びを有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
【請求項16】
アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
再生アルミニウムを溶かして液体金属にすることと、
前記液体金属に合金元素を添加して改質液体金属を形成することであって、前記合金元素はマンガンまたはマグネシウムの少なくとも一方を含む、前記改質液体金属を形成することと、
前記改質液体金属を鋳造して鋳造アルミニウム合金を形成することであって、前記改質液体金属は少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含む、前記鋳造アルミニウム合金を形成することと、
前記鋳造アルミニウム合金を加熱することと、
前記鋳造アルミニウム合金を熱間圧延して、1.5mm~10mmの厚さを含む圧延製品を製造することと、
前記圧延製品を冷間圧延して、30μm~170μmの厚さを含むアルミニウム合金製品を製造することと、
前記アルミニウム合金製品を300℃を超える温度でアニーリングすることと、
を含み、
前記アルミニウム合金製品が、3xxx系アルミニウム合金を含み、
前記3xxx系アルミニウム合金が、0.5~1.5の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、
前記方法。
【請求項17】
前記鋳造アルミニウム合金を加熱することが、前記鋳造アルミニウム合金を均質化することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記冷間圧延工程中に複数のパスを実行することと、
前記冷間圧延工程の前記複数のパスの間に前記アルミニウム合金製品をインターアニーリングすることと、
をさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記アニーリング工程の前に、前記製品が、H18またはH19調質に加工される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記圧延製品を冷間圧延した後、前記アルミニウム合金製品を弱アルカリ性または酸性剤で洗浄することをさらに含む、請求項1619のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記改質液体金属が、少なくとも80重量パーセントの再生アルミニウムを含む、請求項1620のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記再生アルミニウムが、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1621のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1622のいずれか一項に記載の方法に従って調製したアルミニウム合金製品。
【請求項24】
記アルミニウム合金製品は、3.0パーセント未満の耳発生を示す、請求項23に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項25】
記アルミニウム合金製品は、1.0パーセント未満の耳発生を示す、請求項23または24に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項26】
前記アルミニウム合金製品が、70μmから120μmの厚さを含む、請求項2325のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項27】
記アルミニウム合金製品は、110MPa~195MPaの極限引張強度を有する、請求項2326のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項28】
記アルミニウム合金製品は、0.2%ひずみで45MPa~85MPaの降伏強度を有する、請求項2327のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項29】
記アルミニウム合金製品は、少なくとも13パーセントの総伸びを有する、請求項2328のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項30】
前記アルミニウム合金製品が包装に使用される、請求項2329のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項31】
前記アルミニウム合金製品が飲料を調製するための包装である、請求項2330のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項32】
前記アルミニウム合金製品が飲料カプセルである、請求項2331のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
上記で引用したすべての特許、刊行物、及び抄録は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的の達成において記載されてきた。これらの実施形態は、本発明の原理を例示するに過ぎないことを認識されたい。それらの多数の修正形態及び適合形態は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者には容易に明らかであろう。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
ドーム型の本体であって、前記本体から外側に延びるリップを含む前記本体と、
前記リップで固定されたカバーと、
を含む、アルミニウム合金カプセルであって、
前記本体は、飲料を調製するための物質を含むように構成された空洞を画定し、前記カバーは、前記カプセルが使用できるようになるまで前記物質を前記本体内に密封するために、前記本体の前記リップの周りにシールを形成し、
前記本体及び前記カバーの少なくとも一方は、3xxx系アルミニウム合金を含む、
前記アルミニウム合金カプセル。
(態様2)
前記3xxx系アルミニウム合金が、AA3104を含む、態様1に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様3)
前記3xxx系アルミニウム合金が、AA3105を含む、態様1に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様4)
前記3xxx系アルミニウム合金が、少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含む、態様1~3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様5)
前記3xxx系アルミニウム合金が、少なくとも80重量パーセントの再生アルミニウムを含む、態様1~4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様6)
前記再生アルミニウムが、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、態様4または5に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様7)
前記3xxx系アルミニウム合金が、マンガンまたはマグネシウムの少なくとも一方を含む、態様1~6のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様8)
前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質合金を製造するように加工される、態様1~7のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様9)
前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質において2.0パーセント未満の耳発生を示す、態様8に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様10)
前記3xxx系アルミニウム合金が、0.5~1.5の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、態様9に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様11)
前記3xxx系アルミニウム合金が、O調質において1.5パーセント未満の耳発生を示す、態様8に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様12)
前記3xxx系アルミニウム合金が、0.8~1.2の間のテクスチャ成分(Cube+Goss)/(Brass+S+Cu)の比を示す、態様11に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様13)
前記アルミニウム合金カプセルが、30μm~170μmの厚さを含む、態様1~12のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様14)
前記アルミニウム合金カプセルが、70μm~120μmの厚さを含む、態様1~13のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様15)
前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、110MPa~195MPaの極限引張強度を有する、態様1~14のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様16)
前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、0.2%ひずみで45MPa~85MPaの降伏強度を有する、態様1~15のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様17)
前記アルミニウム合金がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金は、少なくとも13パーセントの総伸びを有する、態様1~16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金カプセル。
(態様18)
アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
再生アルミニウムを溶かして液体金属にすることと、
前記液体金属に合金元素を添加して改質液体金属を形成することであって、前記合金元素はマンガンまたはマグネシウムの少なくとも一方を含む、前記改質液体金属を形成することと、
前記改質液体金属を鋳造して鋳造アルミニウム合金を形成することであって、前記改質液体金属は少なくとも50重量パーセントの再生アルミニウムを含む、前記鋳造アルミニウム合金を形成することと、
前記鋳造アルミニウム合金を加熱することと、
前記鋳造アルミニウム合金を熱間圧延して、1.5mm~10mmの厚さを含む圧延製品を製造することと、
前記圧延製品を冷間圧延して、30μm~170μmの厚さを含むアルミニウム合金製品を製造することと、
前記アルミニウム合金製品をアニーリングして、O調質製品を製造することと、
を含む前記方法。
(態様19)
前記鋳造アルミニウム合金を加熱することが、前記鋳造アルミニウム合金を均質化することを含む、態様18に記載の方法。
(態様20)
前記冷間圧延工程中に複数のパスを実行することと、
前記冷間圧延工程の前記複数のパスの間に前記アルミニウム合金製品をインターアニーリングすることと、
をさらに含む、態様18または19に記載の方法。
(態様21)
前記アニーリング工程の前に、前記製品が、H18またはH19調質に加工される、態様20に記載の方法。
(態様22)
前記圧延製品を冷間圧延した後、前記アルミニウム合金製品を弱アルカリ性または酸性剤で洗浄することをさらに含む、態様18~21のいずれか一項に記載の方法。
(態様23)
前記改質液体金属が、少なくとも80重量パーセントの再生アルミニウムを含む、態様18~22のいずれか一項に記載の方法。
(態様24)
前記再生アルミニウムが、製造工程スクラップ、製造後スクラップ、またはポストコンシューマスクラップのアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、態様18~23のいずれか一項に記載の方法。
(態様25)
態様18~24のいずれか一項に記載の方法に従って調製したアルミニウム合金製品。
(態様26)
前記アルミニウム合金製品が、3xxx系アルミニウム合金を含む、態様25に記載のアルミニウム合金製品。
(態様27)
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、3.0パーセント未満の耳発生を示す、態様25または26に記載のアルミニウム合金製品。
(態様28)
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、1.0パーセント未満の耳発生を示す、態様25~27のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
(態様29)
前記アルミニウム合金製品が、70μmから120μmの厚さを含む、態様25~28のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
(態様30)
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、110MPa~195MPaの極限引張強度を有する、態様25~29のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
(態様31)
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、0.2%ひずみで45MPa~85MPaの降伏強度を有する、態様25~30のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
(態様32)
前記アルミニウム合金製品がO調質にあるとき、前記アルミニウム合金製品は、少なくとも13パーセントの総伸びを有する、態様25~31のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
(態様33)
前記アルミニウム合金製品が包装に使用される、態様25~32のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
(態様34)
前記アルミニウム合金製品が飲料を調製するための包装である、態様25~33のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
(態様35)
前記アルミニウム合金製品が飲料カプセルである、態様25~34のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
【外国語明細書】