(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026393
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置及び溶接方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/18 20060101AFI20240220BHJP
H01L 31/05 20140101ALI20240220BHJP
【FI】
H01L31/04 400
H01L31/04 570
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023212858
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】202211632225.X
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523183389
【氏名又は名称】トリナ・ソーラー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRINA SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 2 Trina Road, Trina PV Park, Xinbei District, Changzhou, Jiangsu 213031, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディン ジキアン
(72)【発明者】
【氏名】フー ジュンロン
(72)【発明者】
【氏名】タン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ペン ユン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置及び溶接方法を提供する。
【解決手段】太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置は、動力搬送機構と、溶接ランプボックスと、を含み、動力搬送機構は、搬送方向に沿って順に互いに独立して搬送する溶接リボン位置決めセグメント、バッファセグメント及び溶接セグメントに分けられ、バッファセグメントは、少なくとも1列の電池セルを格納可能であり、溶接ランプボックスは、溶接セグメントに位置し、溶接リボン位置決めセグメントは、ステップ式運動搬送であり、溶接セグメントは、連続式運動搬送であり、バッファセグメントは、溶接リボン位置決めセグメントからの所定数の電池セルを受け取り、且つ所定数の電池を直列接続した後に溶接セグメントに一括して搬送するために用いられる。3つのセグメントが独立する搬送構造を採用し、溶接セグメントの連続搬送を実現し、溶接ランプボックスが常開状態を保持できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置であって、
動力搬送機構と、溶接ランプボックスと、を含み、
前記動力搬送機構は、搬送方向に沿って順に互いに独立して搬送する溶接リボン位置決めセグメント、バッファセグメント及び溶接セグメントに分けられ、前記バッファセグメントは、少なくとも1列の電池セルを格納可能であり、前記溶接ランプボックスは、溶接セグメントに位置し、溶接リボン位置決めセグメントは、ステップ式運動搬送であり、溶接セグメントは、連続式運動搬送であり、
前記バッファセグメントは、前記溶接リボン位置決めセグメントからの所定数の電池セルを受け取り、且つ前記所定数の電池を直列接続した後に前記溶接セグメントに一括して搬送するために用いられる、ことを特徴とする太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置。
【請求項2】
前記溶接リボン位置決めセグメント、前記バッファセグメント及び前記溶接セグメントは、いずれも搬送フレーム、無端搬送ベルト、搬送フレームに回転接続された駆動輪及び従動輪、及び駆動輪の回転を駆動する駆動モータを含み、前記駆動輪及び前記従動輪は、前記無端搬送ベルトの両端に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置。
【請求項3】
前記無端搬送ベルトの表面に複数の負圧吸着孔が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置。
【請求項4】
電池セル運搬機構、溶接リボンクランプ機構、溶接リボン直線化機構及び上押え具をさらに含み、前記電池セル運搬機構は、電池セルを前記溶接リボン位置決めセグメントに運搬するように構成され、前記溶接リボンクランプ機構及び前記溶接リボン直線化機構は、搬送方向に沿って前記溶接リボン位置決めセグメントに配置され、且つ溶接リボンをクランプするように構成され、前記上押え具は、前記溶接リボン位置決めセグメントの真上に位置し、且つ電池セルを上方から押圧する、ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置。
【請求項5】
前記溶接ランプボックスは、ボックス本体と、前記ボックス本体内に位置する複数の赤外線ランプと、を含み、前記ボックス本体内に複数の温度センサが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置。
【請求項6】
前記上押え具は、押え板と、押え板の下方に位置する複数のばね押えヘッドと、を含み、前記ばね押えヘッドは、溶接リボンに接触する、ことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置。
【請求項7】
前記押え板は、上下に貫通する複数の貫通孔を有する、ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置。
【請求項8】
前記バッファセグメントは、ステップ式運動搬送と連続式運動搬送との間で切り替えられる、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置を採用する溶接方法であって、
溶接リボン位置決めセグメントの搬送を一時停止する時に溶接リボン及び電池セルを載置して位置決めする、積み込みステップS1と、
バッファセグメントに少なくとも1列の電池ストリングを形成するまで、前記溶接リボン位置決めセグメントから前記バッファセグメントへ所定数の電池セルをステップ搬送し、この過程中、前記バッファセグメントから溶接セグメントへ電池ストリングを搬送しない、ステップ搬送ステップS2と、
前記バッファセグメントから前記溶接セグメントへ電池ストリングを連続搬送し、この過程中、前記溶接リボン位置決めセグメントから前記バッファセグメントへ電池セルを搬送しない、連続搬送ステップS3と、
溶接ランプボックス内に電池ストリングを溶接する、溶接ステップS4と、
全ての電池セルの溶接が完了するまで、ステップS1~ステップS4を繰り返し実行するステップS5と、を含む、ことを特徴とする溶接方法。
【請求項10】
ステップS2において、前記バッファセグメントは、搬送速度及び周波数が溶前記接リボン位置決めセグメントと同様なステップ式運動をし、ステップS3において、前記バッファセグメントは、搬送速度が前記溶接セグメントと同様な連続式運動をする、ことを特徴とする請求項9に記載の溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力設計の技術分野に関し、特に太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置及び溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
結晶シリコン太陽電池モジュールの製造過程における太陽電池シリーズ溶接工程では、具体的には、太陽溶接リボンにより電池セルを一定の数、方向及び順序で1枚ずつ、前後や正負極を接続し、1つの電池ストリングを形成する。
【0003】
現在の各ブランドのシリーズ溶接機は、溶接時に、機械的な方法で溶接リボンを電池セル上のメイングリッド及び溶接PAD点を位置合わせした後、ステップ式で溶接ステーションに入れ、その大部分は赤外線加熱による溶接モードで入り、即ち1つのストリング上の1枚又は数枚がステップ式で溶接ステーションに入り、その後、赤外線ランプボックスモジュールにおいて光源の点灯を行って一定時間継続させた後に消灯し、その後ステップ方式で他の方向から出て、次の1枚又は数枚が同時に溶接ステーションに入る。光源は点灯を一定時間継続し、その継続時間は1秒より短くてもよいし、1秒より長くてもよく、当該時間は、溶接プロセスに応じて設定及び制御されてもよいが、典型的には0.5秒~10秒内である。
【0004】
上記従来のシリーズ溶接機の基本的な操作ステップとして、伝送ラインのステップ式前進が停止状態のときに、前のセグメントの動作機構は電池セル及び溶接リボンを伝送ライン上の所定位置に運搬し、且つ事前に溶接リボンと電池セルを位置決めし、同時に溶接ステーションに配置した電池セルの溶接を行う。2つのステーションの動作が終了した後、伝送ラインがさらにステップ式で前進して上記動作を繰り返す。
【0005】
この操作モードでは、溶接ランプボックスは頻繁に開閉される必要があり、溶接領域の温度が不安定な状況となり、溶接品質の変動が大きくなる。毎回の溶接において素早く加熱源(通常は赤外線加熱ランプセット)が開閉されるため、溶接領域の温度は急激に上昇・下降し、効果的で安定した監視と閉ループ制御ができず、溶接領域全体の温度が監視の死角となり、常に技術力と経験がある人員によって装置とプロセス窓口を調整する必要がある。これは、生産歩留まりや装置の利用可能時間に影響を与え、即ち装置のUptimeに影響を与える。
【0006】
従来技術では、電池を直列接続した後に溶接ランプボックス内に搬送するシリーズ溶接機が提案されているが、採用する機械的構造が複雑であり、装置加工の精度要求及び後期のメンテナンス費用が著しく増加する。
【0007】
そのため、構造が簡単で、連続溶接を実現し、生産歩留まりを向上させることができるシリーズ溶接機をどのように設計するかは現在解決すべき技術的問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術のシリーズ溶接機では溶接領域の温度が不安定な状況があり、溶接品質の変動が大きくなり、生産歩留まりや装置の利用可能時間に影響を与えるという技術的問題がある。それを解決するために、本発明は、太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置及び溶接方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置は、動力搬送機構と、溶接ランプボックスと、を含み、前記動力搬送機構は、搬送方向に沿って順に互いに独立して搬送する溶接リボン位置決めセグメント、バッファセグメント及び溶接セグメントに分けられ、前記バッファセグメントは、少なくとも1列の電池セルを格納可能であり、前記溶接ランプボックスは、溶接セグメントに位置し、溶接リボン位置決めセグメントは、ステップ式運動搬送であり、溶接セグメントは、連続式運動搬送であり、前記バッファセグメントは、前記溶接リボン位置決めセグメントからの所定数の電池セルを受け取り、且つ前記所定数の電池を直列接続した後に前記溶接セグメントに一括して搬送するために用いられる。
【0010】
さらに、前記溶接リボン位置決めセグメント、前記バッファセグメント及び前記溶接セグメントは、いずれも搬送フレーム、無端搬送ベルト、搬送フレームに回転接続された駆動輪及び従動輪、及び駆動輪の回転を駆動する駆動モータを含み、前記駆動輪及び前記従動輪は、前記無端搬送ベルトの両端に位置する。
【0011】
さらに、前記無端搬送ベルトの表面に複数の負圧吸着孔が設けられている。
【0012】
さらに、前記溶接装置は、電池セル運搬機構、溶接リボンクランプ機構、溶接リボン直線化機構及び上押え具をさらに含み、前記電池セル運搬機構は、電池セルを前記溶接リボン位置決めセグメントに運搬するように構成され、前記溶接リボンクランプ機構及び前記溶接リボン直線化機構は、搬送方向に沿って前記溶接リボン位置決めセグメントに配置され、且つ溶接リボンをクランプするように構成され、前記上押え具は、前記溶接リボン位置決めセグメントの真上に位置し、且つ電池セルを上方から押圧する。
【0013】
さらに、前記溶接ランプボックスは、ボックス本体と、前記ボックス本体内に位置する複数の赤外線ランプと、を含み、前記ボックス本体内に複数の温度センサが設けられている。
【0014】
さらに、前記上押え具は、押え板と、押え板の下方に位置する複数のばね押えヘッドと、を含み、前記ばね押えヘッドは、溶接リボンに接触する。
【0015】
さらに、前記押え板は、上下に貫通する複数の貫通孔を有する。
【0016】
さらに、前記バッファセグメントは、ステップ式運動搬送と連続式運動搬送との間で切り替えられる。
【0017】
溶接方法は、上述の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置を採用し、溶接リボン位置決めセグメントの搬送を一時停止する時に溶接リボン及び電池セルを載置して位置決めする、積み込みステップS1と、バッファセグメントにおいて少なくとも1列の電池ストリングを形成するまで、前記溶接リボン位置決めセグメントから前記バッファセグメントへ所定数の電池セルをステップ搬送し、この過程中、前記バッファセグメントから溶接セグメントへ電池ストリングを搬送しない、ステップ搬送ステップS2と、前記バッファセグメントから前記溶接セグメントへ電池ストリングを連続搬送し、この過程中、前記溶接リボン位置決めセグメントから前記バッファセグメントへ電池セルを搬送しない、連続搬送ステップS3と、溶接ランプボックス内に電池ストリングを溶接する、溶接ステップS4と、全ての電池セルの溶接が完了するまで、ステップS1~ステップS4を繰り返し実行するステップS5と、を含む。
【0018】
さらに、ステップS2において、前記バッファセグメントは、搬送速度及び周波数が溶前記接リボン位置決めセグメントと同様なステップ式運動をし、ステップS3において、前記バッファセグメントは、搬送速度が前記溶接セグメントと同様な連続式運動をする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
(1)本発明の太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置及び溶接方法によれば、3つのセグメントが独立する搬送構造を採用し、異なる動力出力の調節により積み込み部と溶接部を分離させ、中間のバッファセグメントにより所定数の電池セルを格納した後に溶接セグメントに一度に搬送し、それにより、溶接セグメントの連続搬送を実現し、溶接ランプボックスが常開状態を保持することができ、異なる電池セル同士、同じ電池セルの異なる領域が同じ条件下で溶接を行うことを保証し、溶接の均一性及び安定性を向上させる。
(2)本発明は、上方で弾性押圧及び下方で負圧吸着の方式を採用して電池セルの位置決めを実現し、電池セルと溶接リボンとの密着性をより良好にする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、図面及び実施例を参照して本発明をさらに説明する。
【
図1】本発明に係る太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置の第1の状態の正面図である。
【
図2】本発明に係る太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置の第2の状態の正面図である。
【
図3】本発明に係る太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置の第2の状態の平面図である。
【
図4】本発明に係る太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置の第3の状態の正面図である。
【
図5】本発明に係る太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置の第1状態又は第2状態の平面図である。
【
図9】本発明における電池セルと溶接リボンとの接続構造の概略図である。
【
図11】本発明における溶接ランプボックスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、実施例の例は図面に示され、同一又は類似の符号は、同一又は類似の要素又は同一又は類似の機能を有する要素を示す。以下に添付図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本発明を説明するためのものだけであり、本発明を限定するものとして理解することができない。
【0022】
実施例1
図1~
図11に示すように、太陽電池セルの連続シリーズ溶接装置は、動力搬送機構と、溶接ランプボックス4と、を含み、前記動力搬送機構は、搬送方向に沿って順に互いに独立して搬送する溶接リボン位置決めセグメント、バッファセグメント2及び溶接セグメント3に分けられ、バッファセグメント2は、少なくとも1列の電池セル14を格納可能であり、溶接ランプボックス4は、溶接セグメント3に位置し、溶接リボン位置決めセグメントは、ステップ式運動搬送であり、溶接セグメント3は、連続式運動搬送であり、バッファセグメント2は、溶接位置決めセグメント1からの所定数の電池セル14を受け取り、且つ前記所定数の電池を直列接続した後に溶接セグメント3に一括して搬送するために用いられる。
【0023】
溶接リボン位置決めセグメント、バッファセグメント2及び溶接セグメント3は、いずれも電池セル14を搬送するための搬送構造であり、搬送ベルト又は搬送ローラであってもよい。溶接リボン位置決めセグメントは、積み込み部であり、電池セル14及び溶接リボン21を載置し、且つ電池セル14と溶接リボン21とを予備的に位置合わせするために用いられ、電池セル14及び溶接リボン21の材料供給には1枚ずつ行うことが必要であり、且つ予備位置合わせ時には静止状態であるので、前進方式はステップ式である。バッファセグメント2は、電池セル14を格納するために用いられ、バッファセグメント2に1列又は複数列の電池セル14が存在するとそれを溶接セグメント3に搬送し、位置合わせされた電池セル14及び溶接リボン21をバッファセグメント2にバッファリングするとき、バッファセグメント2が溶接位置決めセグメント1と突き合わせ、すなわち、ステップ式前進である。1列の電池セル14の全てと溶接リボンとが位置合わせされると、一度に連続搬送し、1列を溶接セグメント3に搬送する。溶接セグメント3は連続して一定速度で運転して搬送を行う。従来技術のシリーズ溶接機では、溶接ランプボックス4に電池セル14をステップ搬送し、各電池セル14の搬送間隔が大きく、1列の電池セル14と溶接リボン21との位置合わせが完了するまで待ってから溶接ランプボックス4が開かれる。本発明では、電池ストリングが溶接リボン位置決めセグメントに並べてクランプされた後にバッファセグメントを経るため、電池ストリングが連続前進中に溶接ランプボックス4を通過することを可能にし、溶接加熱源(通常は赤外線ランプ402セット)を頻繁に開閉(即ち昇降温)する必要がなく、電池セル14が溶接ランプボックス4を経るときの時間の一致性及び加熱の均一性を保証できる。また、本発明は、3つのセグメントの異なる動力形態の搬送構造により溶接セグメント3の連続搬送を実現し、構造が簡単で、メンテナンスコストが低い。
【0024】
本実施例では、溶接リボン位置決めセグメント、バッファセグメント2及び溶接セグメント3は、いずれも搬送フレーム5、無端搬送ベルト6、搬送フレーム5に回転接続された駆動輪7及び従動輪8、及び駆動輪7の回転を駆動する駆動モータ9を含む。溶接リボン位置決めセグメントの駆動モータ9は、ステップ式モータである。バッファセグメント2の駆動モータ9は、ステップ式又は連続式で運動を変換するモータである。溶接セグメント3の駆動モータ9は、連続式運動モータである。駆動輪7及び従動輪8は、無端搬送ベルト6の両端に位置し、駆動モータ9が駆動輪7を動かして回転させ、それにより無端搬送ベルト6を回転させ、無端搬送ベルト6がさらに従動輪8を動かして回転させる。駆動モータ9は、駆動輪7に直接接続されていてもよいし、コンベアベルトを介して間接的に伝達されていてもよい。このとき、駆動モータ9を搬送フレーム5の下層に載置することができる。
【0025】
溶接位置決めセグメント1は、いくつかの主流溶接機が有すべき装置、例えば電池セル運搬機構10、溶接リボンクランプ機構11、溶接リボン直線化機構12及び上押え具13をさらに含む。電池セル運搬機構10は、電池セル14を溶接リボン位置決めセグメントに運搬する。溶接リボンクランプ機構11及び溶接リボン直線化機構12は、搬送方向に沿って溶接リボン位置決めセグメントに配置され、且つ溶接リボン21をクランプするように構成される。上押え具13は、溶接リボン位置決めセグメントの真上に位置し、且つ電池セル14の上方を押圧する。電池セル運搬機構10は、搬送ロボットであってもよい。溶接リボンクランプ機構11は、溶接リボン位置決めセグメント上の溶接リボン21の搬入方向の一端に位置し、溶接リボン21が溶接リボン位置決めセグメントに搬送された後に溶接リボン21の端部を押圧するために用いられる、エアシリンダ伸縮方式で押圧できる。溶接リボン直線化機構12は、溶接リボンクランプ機構11と電池セル14と溶接リボン21との位置合わせ位置との間に位置し、溶接リボン21の湾曲を回避させる。溶接リボン直線化機構12は、押え棒1201と、押え棒1201の昇降を駆動する昇降シリンダ1202と、を含んでもよい。押え棒1201は、溶接リボン21を押す。押え棒1201の搬送方向の位置を調節するために、押え棒1201の搬送方向に沿う移動を駆動する並進シリンダをさらに設けてもよい。
【0026】
図4の電池ストリング、押え具は、溶接リボンクランプ機構11及び溶接リボン直線化機構12によってクランプされた後に溶接リボン位置決めセグメントからバッファセグメントに搬送される。それにより溶接セグメント3の連続搬送に影響を与えない。
【0027】
溶接ランプボックス4は、通常の輻射式加熱を採用して電池ストリングの予熱、溶接及び徐冷を実現する。溶接ランプボックス4は、(
図11に示すように)、主にボックス本体401と、ボックス本体401内に位置する複数の赤外線ランプ402と、を含む。
【0028】
本発明における電池セル14は、両面溶接方式を採用しており、すなわち電池セル14の表面及び裏面の両方に溶接リボン21が敷設される。これはよくある接続方式であり、具体的な敷設構造は、(
図9及び
図10に示すように)、1列の電池ストリングのうち、電池セル14の表面(即ち上面)の溶接リボン21は、前の電池セル14の裏面を接続する溶接リボン21から延出しており、電池セル14の裏面の溶接リボン21は、次の電池セル14を接続するために後方に延びている。
【0029】
実施例2
実施例1に基づき、本実施例は、以下の方式を採用して電池セル14及び溶接リボン21の位置決めを実現する。上押え具13は、押え板1301と、押え板1301の下方に位置する複数のばね押えヘッド1302と、を含む。ばね押えヘッド1302は、溶接リボン21に接触する。表面の溶接リボン21は、電池セル14の表面に直接載置された後、上押え具13によって溶接リボン21を押える。さらなる設計では、無端搬送ベルト6の表面に、電池セル14を裏面の溶接リボン21に吸着するための複数の負圧吸着孔15が設けられている。電池ストリングの表面に上押え具13を有し、裏面に負圧吸着孔15を有して吸着固定することにより良好な位置決め精度の保持性を達成する。
図8に示すように、押え板1301は、溶接スポットを位置決めする複数のばね押えヘッド1302を有する。
【0030】
押え板1301の重量を小さくして、電池セル14が過大に押圧されて損傷することを回避するためには、好ましくは、押え板1301は、上下に貫通する複数の貫通孔16を有する。
【0031】
実施例3
上記実施例に基づいて、ボックス本体401内に複数の温度センサが設けられており、温度センサを多点配置することにより、溶接区域全体の有効溶接面積内の温度を均一にする。
【0032】
実施例4
上述の太陽電池セル14の連続シリーズ溶接装置を採用する溶接方法は、溶接リボン位置決めセグメントの搬送を一時停止する時に溶接リボン21及び電池セル14を載置して位置決めする、積み込みステップS1と、バッファセグメント2に少なくとも1列の電池ストリングを形成するまで、溶接リボン位置決めセグメントからバッファセグメント2へ所定数の電池セル14をステップ搬送し、この過程中、バッファセグメント2から溶接セグメント3へ電池ストリングを搬送しない、ステップ搬送ステップS2と、バッファセグメント2から溶接セグメント3へ電池ストリングを連続搬送し、この過程中、溶接リボン位置決めセグメントからバッファセグメント2へ電池セル14を搬送しない、連続搬送ステップS3と、溶接ランプボックス4内に電池ストリングを溶接する、溶接ステップS4と、全ての電池セル14の溶接が完了するまで、ステップS1~ステップS4を繰り返し実行するステップS5と、を含む。
【0033】
さらに、ステップS2において、バッファセグメントは、搬送速度及び周波数が溶接リボン位置決めセグメントと同様なステップ式運動をし、ステップS3において、バッファセグメントは、搬送速度が溶接セグメント3と同様な連続式運動をする。
【0034】
本発明の図面では、動力搬送機構の各セグメントに3枚又は複数枚の電池セル14が直列に溶接されているが、実際には、生産要求に応じて、各セグメントの搬送ベルトにおいて1列又は複数列の電池セル14を溶接することが可能である。以下、本発明の動作過程を、3つの典型的な状態で説明する。
第1状態:
図1及び
図5に示すように、溶接リボン位置決めセグメント及びバッファセグメントはステップ式運動搬送を維持し、溶接セグメント3は連続式運動搬送を維持する。直列接続された第1電池ストリング17は、溶接リボン位置決めセグメントとバッファセグメントとの移行搬送段階にあり、後方の溶接リボン直線化機構12は、依然として電池セル14及び溶接リボン21を引き続き位置決めして並べる。
第2状態:
図2及び
図3に示すように、溶接リボン位置決めセグメントは、ステップ式運動搬送を維持し、溶接セグメント3及びバッファセグメントは、連続式運動搬送を維持する。直列接続された第2電池ストリング18は、バッファセグメントと溶接セグメント3との移行搬送段階にあり、直列接続された第3電池ストリング19は、溶接位置決めセグメント1の搬送待ち段階にある。
第3状態:
図4及び
図5に示すように、溶接リボン位置決めセグメントは、ステップ式運動搬送を維持し、溶接セグメント3は、連続式運動搬送を維持し、バッファセグメントは、連続式運動搬送からステップ式運動搬送に切り替え始める。直列接続された第1電池ストリング17は、溶接リボン位置決めセグメントとバッファセグメントとの移行搬送段階にあり、直列接続された第4電池ストリング20は、溶接ランプボックス4の下で溶接される。
【0035】
本発明の説明において、用語「第1」、「第2」などは、説明のためにのみ用いられ、相対的重要性を示す又は示唆するものと解釈されないことを理解されたい。なお、本発明の説明において、「複数枚」とは、特に断りのない限り、2枚以上を意味する。
【0036】
本明細書において、用語の概略的説明は、必ずしも同一の実施例を意味するものではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例において適切な形態で組み合わせることができる。
【0037】
上述した本発明の好ましい実施例をヒントとして、上述した説明内容により、当業者は、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で、多様な変更及び修正を行うことが十分に可能である。本発明の技術的範囲は明細書の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0038】
1 溶接リボン位置決めセグメント、2 バッファセグメント、3 溶接セグメント、4 溶接ランプボックス、401 ボックス本体、402 赤外線ランプ、5 搬送フレーム、6 無端搬送ベルト、7 駆動輪、8 従動輪、9 駆動モータ、10 電池セル運搬機構、11 溶接リボンクランプ機構、12 溶接リボン直線化機構、1201 押え棒、1202 昇降シリンダ、13 上押え具、1301 押え板、1302 ばね押えヘッド、14 電池セル、15 負圧吸着孔、16 貫通孔、17 第1電池ストリング、18 第2電池ストリング、19 第3電池ストリング、20 第4電池ストリング、21 溶接リボン。