(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026427
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】フロー療法装置のための流路感知
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
A61M16/00 366
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023214569
(22)【出願日】2023-12-20
(62)【分割の表示】P 2022039405の分割
【原出願日】2017-05-17
(31)【優先権主張番号】62/337,795
(32)【優先日】2016-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/507,013
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル、ウィリアム、バージェス
(72)【発明者】
【氏名】ディーン、アントニー、バーカー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン、ピーター、オドネル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】検出された患者の呼吸サイクルに基づいて患者への呼吸ガスのフローを調整することができる呼吸療法を実施するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】呼吸システムにおいて呼吸療法を実施するためのシステムおよび方法は、検出された患者602の呼吸サイクルに基づいて患者への呼吸ガスのフローを調整することができる。呼吸システムは、非密閉患者インターフェースを含み得る。呼吸システムは、ハイフロー療法を提供するように構成され得る。患者の呼吸サイクルは、流量、送風機モータ速度および/またはシステム圧力など、1つ以上の測定されたパラメータを用いて決定され得る。フロー供給源は、フローが、患者が吸息するのに応じて増大され、かつ患者が呼息するのに応じて減少されるように、患者の呼吸サイクルのものと整合する位相を有するように調整され得る。
【選択図】
図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸システムにおいて呼吸療法を実施するための方法であって、
制御信号を用いて送風機モータを駆動することであって、前記送風機モータは、患者への空気フローを発生させるように構成される、駆動することと、
前記患者の呼吸サイクルを検出することであって、
少なくとも1つのフローセンサからの1つ以上のフロー測定値を含む第1のセンサ入力を受信すること、
少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値または前記送風機モータに関連付けられた1つ以上のモータ速度測定値を含む第2のセンサ入力を受信すること、
少なくとも前記受信された1つ以上のフロー測定値を用いて呼吸サイクル波形を発生させることであって、前記呼吸サイクル波形は、前記患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含む、発生させること
による、検出することと、
前記制御信号を前記呼吸サイクルと同期させることであって、
前記呼吸サイクル波形の位相を識別すること、および
前記制御信号と前記呼吸サイクル波形との間の規定の位相差を達成するために前記制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、前記制御信号は、前記患者の吸気および呼気に基づいて前記送風機モータの速度を調整するように構成される、更新すること
による、同期させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記送風機モータによって受信される前記制御信号と、その結果として生じた1つ以上のフロー測定値との間のシステム遅延に基づいて前記制御信号を位相変位させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御信号が前記呼吸サイクル波形を設定時間量だけ先取りするように前記制御信号を位相変位させることをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフローセンサは、超音波センサ組立体を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフローセンサは、加熱温度感知要素を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御信号は、前記呼吸サイクル波形に位相ロックされる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記制御信号の大きさは、前記呼吸サイクル波形の振幅、正のフィードバックパラメータおよび負のフィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
第2の入力センサは、前記送風機モータに関連付けられた前記1つ以上のモータ速度測定値である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記呼吸サイクル波形は、前記受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて発生される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記呼吸サイクル波形は、前記受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて算出されたフローの制約に少なくとも部分的に基づいて発生される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記呼吸サイクル波形は、算出された患者のフローに少なくとも部分的に基づいて発生され、前記患者のフローは、前記受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて算出されたシステム漏出に基づく、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記モータ速度測定値は、1つ以上の送風機モータパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記送風機モータは、ブラシレスDCモータを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記患者の呼吸サイクルを検出することは、第3のセンサ入力を受信することをさらに含み、前記第3のセンサ入力は、前記少なくとも1つの圧力センサからの前記1つ以上の圧力測定値を含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第2の入力センサは、前記少なくとも1つの圧力センサからの前記1つ以上の圧力測定値である、請求項1~7および13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ハイフロー呼吸システムにおいて実施される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
非密閉呼吸システムにおいて実施される、請求項1~14および16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
密閉呼吸システムにおいて実施される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの圧力センサからの前記1つ以上の圧力測定値に基づいて、前記密閉呼吸システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記密閉呼吸システムは、非侵襲的換気マスクを含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記圧力センサは、前記非侵襲的換気マスクもしくは前記非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または前記患者呼吸導管内、または前記呼吸システムのハウジング内に配置される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
呼吸療法装置であって、
患者のための空気フローを発生させるための送風機であって、モータに関連付けられ、前記モータは、制御信号によって駆動されるように構成される、送風機と、
少なくとも流量を測定するように構成された1つ以上のセンサであって、モータ速度または圧力を測定するようにさらに構成される1つ以上のセンサと、
制御システムと
を含み、前記制御システムは、
前記患者の呼吸サイクルを検出することであって、
前記1つ以上のセンサからの1つ以上のフロー測定値を含む第1のセンサ入力を受信すること、
少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値または前記送風機のモータに関連付けられた1つ以上のモータ速度測定値を含む第2のセンサ入力を受信すること、および
少なくとも前記受信されたフロー測定値を用いて呼吸サイクル波形を発生させることであって、前記呼吸サイクル波形は、前記患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含む、発生させること、
による、検出することと、
前記制御信号を前記呼吸サイクルと同期させることであって、
前記呼吸サイクル波形の位相を識別すること、および
前記制御信号と前記呼吸サイクル波形との間の規定の位相差を達成するために前記制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、前記制御信号は、前記患者の吸気および呼気に基づいて前記送風機のモータの速度を調整するように構成される、更新すること
による、同期させることと
を行うように構成される、呼吸療法装置。
【請求項23】
前記制御システムは、前記送風機のモータによって受信される前記制御信号と、その結果として生じた、感知された空気フローとの間のシステム遅延に基づいて前記制御信号を位相変位させるようにさらに構成される、請求項22に記載の呼吸療法装置。
【請求項24】
前記制御システムは、前記制御信号が前記呼吸サイクル波形を設定時間量だけ先取りするように前記制御信号を位相変位させるようにさらに構成される、請求項22または23に記載の呼吸療法装置。
【請求項25】
前記1つ以上のセンサは、超音波センサ組立体を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項26】
前記1つ以上のセンサは、加熱温度感知要素をさらに含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項27】
前記制御信号は、前記呼吸サイクル波形に位相ロックされる、請求項22~26のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項28】
前記呼吸サイクル波形は、患者の呼吸数を算出するために用いられる、請求項22~27のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項29】
前記制御信号の大きさは、前記呼吸サイクル波形の振幅、正のフィードバックパラメータおよび負のフィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項22~28のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項30】
第2の入力センサは、前記送風機のモータに関連付けられた前記1つ以上のモータ速度測定値である、請求項22~29のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項31】
前記呼吸サイクル波形は、前記受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて発生される、請求項30に記載の呼吸療法装置。
【請求項32】
前記呼吸サイクル波形は、算出された患者のフローに少なくとも部分的に基づいて発生され、前記患者のフローは、前記受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて算出されたシステム漏出に基づく、請求項30または31に記載の呼吸療法装置。
【請求項33】
前記モータ速度測定値は、1つ以上の送風機モータパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項30~32のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項34】
前記送風機のモータは、ブラシレスDCモータを含む、請求項22~29のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項35】
前記制御システムは、第3のセンサ入力を受信することによって前記呼吸サイクルを検出するように構成され、前記第3のセンサ入力は、前記少なくとも1つの圧力センサからの前記1つ以上の圧力測定値を含む、請求項30~34のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項36】
第2の入力センサは、前記少なくとも1つの圧力センサからの前記1つ以上の圧力測定値である、請求項22~29および34のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項37】
呼吸ハイフロー療法装置である、請求項22~35のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項38】
非密閉呼吸システムにおける使用のために構成される、請求項22~35および37のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項39】
密閉呼吸システムにおける使用のために構成される、請求項22~36のいずれか一項に記載の呼吸療法装置。
【請求項40】
前記少なくとも1つの圧力センサからの前記1つ以上の圧力測定値に基づいて、前記密閉呼吸システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成される、請求項39に記載の呼吸療法装置。
【請求項41】
非侵襲的換気マスクと結合されるように構成される、請求項40に記載の呼吸療法装置。
【請求項42】
前記圧力センサは、前記非侵襲的換気マスクもしくは前記非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または前記患者呼吸導管内、または前記呼吸療法装置のハウジング内に配置される、請求項41に記載の呼吸療法装置。
【請求項43】
患者の吸気および呼気に従って呼吸システムの流量を調整するための方法であって、
プロセッサにおいて、制御信号に少なくとも部分的に基づいて供給源によって発生された空気フローの前記流量に対応する第1の入力を受信することと、
前記プロセッサにおいて、少なくとも第2の入力を受信することと、
前記プロセッサにより、前記第1の入力および前記第2の入力に少なくとも部分的に基づいて前記患者の予測呼吸サイクルを決定することと
を含む方法。
【請求項44】
正のフィードバックパラメータを用いて、前記予測呼吸サイクルの振幅に少なくとも部分的に基づいて前記制御信号を調整することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
負のフィードバックパラメータを用いて、前記予測呼吸サイクルの振幅に少なくとも部分的に基づいて前記制御信号を調整することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記供給源のための前記制御信号を調整することをさらに含み、前記制御信号を調整することは、前記予測呼吸サイクルと照らし合わせて前記制御信号に対する少なくとも1回の位相ロックループの反復を行うことを含み、それにより、前記制御信号の位相は、規定の位相差によって前記予測呼吸サイクルの位相に実質的に一致する、請求項43~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記第2の入力は、前記供給源に関連付けられたモータの速度に対応する、請求項43~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
第3の入力を受信することをさらに含み、前記第3の入力は、圧力を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の入力は、圧力に対応する、請求項43~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記制御信号を調整することは、前記予測呼吸サイクルに対して前記制御信号を位相変位させることをさらに含む、請求項43~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記制御信号を調整することは、システム遅延に少なくとも部分的に基づいて、前記予測呼吸サイクルに対して前記制御信号を位相変位させることをさらに含む、請求項43~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記制御信号を調整することは、前記予測呼吸サイクルを指定量だけ先取りするために、前記予測呼吸サイクルに対して前記制御信号を位相変位させることをさらに含む、請求項43~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
非密閉呼吸システムにおいて用いられる、請求項43~48および50~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
患者の吸気および呼気に従って流量を調整するように構成されたシステムであって、
制御信号に少なくとも部分的に基づいて空気フローを発生させるように構成された供給源と、
プロセッサと
を含み、前記プロセッサは、
前記空気フローの前記流量に対応する第1の入力を受信することと、
少なくとも第2の入力を受信することと、
前記第1の入力および前記第2の入力に少なくとも部分的に基づいて前記患者の予測呼吸サイクルを決定することと
を行うように構成される、システム。
【請求項55】
前記プロセッサは、正のフィードバックパラメータを用いて、前記予測呼吸サイクルの振幅に少なくとも部分的に基づいて前記制御信号を調整するように構成される、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記プロセッサは、負のフィードバックパラメータを用いて、前記予測呼吸サイクルの振幅に少なくとも部分的に基づいて前記制御信号を調整するように構成される、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記プロセッサは、前記供給源のための前記制御信号を調整するようにさらに構成され、前記制御信号を調整することは、前記予測呼吸サイクルと照らし合わせて前記制御信号に対する少なくとも1回の位相ロックループの反復を行うことを含み、それにより、前記制御信号の位相は、規定の位相差によって前記予測呼吸サイクルの位相に実質的に一致する、請求項54~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記第2の入力は、前記供給源に関連付けられたモータの速度に対応する、請求項54~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記プロセッサは、第3の入力を受信するように構成され、前記第3の入力は、圧力を含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記第2の入力は、圧力に対応する、請求項54~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記制御信号を調整することは、前記予測呼吸サイクルに対して前記制御信号を位相変位させることをさらに含む、請求項54~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
前記制御信号は、システム遅延に少なくとも部分的に基づいて、前記予測呼吸サイクルに対して位相変位される、請求項54~61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記制御信号は、前記予測呼吸サイクルを指定量だけ先取りするために、前記予測呼吸サイクルに対して位相変位される、請求項54~62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
非密閉呼吸システムである、請求項54~59および61~63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
呼吸補助装置のための制御波形を調整するための方法であって、
患者の呼吸サイクルを検出することと、
前記制御波形を、前記検出された呼吸サイクルと同期させることと、
前記検出された呼吸サイクルに対して前記制御波形を位相変位させることと
を含む方法。
【請求項66】
前記制御波形は、前記呼吸サイクルに対して規定の位相差を有するように位相変位される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記制御波形を、前記検出された呼吸サイクルと同期させることは、正のフィードバックを用いて前記呼吸サイクルを増強することを含む、請求項65または66に記載の方法。
【請求項68】
前記制御波形を、前記検出された呼吸サイクルと同期させることは、負のフィードバックを用いて前記呼吸サイクルを調節することを含み、負のフィードバックは、前記呼吸サイクルの大きさが閾値量を満たすときに前記呼吸サイクルに適用される、請求項65~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
患者の吸気および呼気に従って流量を調整するように構成された呼吸補助装置であって、
モータを含む送風機と、
流量を測定するための少なくとも1つのセンサと、
プロセッサと
を含み、前記プロセッサは、
少なくとも前記流量に基づいて患者の吸気および呼気の予測サイクルを決定することと、
患者の呼吸に従って呼吸ガスのフローを調整することと
を行うように構成される、呼吸補助装置。
【請求項70】
前記呼吸ガスの前記フローは、正および負のフィードバックの両方を用いる双安定系に少なくとも部分的に基づいて調整される、請求項69に記載の呼吸補助装置。
【請求項71】
前記プロセッサは、前記流量および送風機モータ速度を指示する信号に基づいて前記患者の吸気および呼気の前記予測サイクルを決定するように構成され、前記モータは、前記送風機モータ速度を指示する信号を提供する、請求項69または70に記載の呼吸補助装置。
【請求項72】
圧力センサをさらに含み、前記プロセッサは、少なくとも前記流量および圧力に基づいて患者の吸気および呼気の予測サイクルを決定するように構成される、請求項69または70に記載の呼吸補助装置。
【請求項73】
非密閉呼吸システムにおける使用のために構成される、請求項69~71のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項74】
密閉呼吸システムにおける使用のために構成される、請求項69~72のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項75】
患者の吸気および呼気に従って流量を調整するように構成されたシステムであって、
送風機と、
1つ以上のセンサと電気通信するプロセッサと
を含み、前記プロセッサは、
流量に対応する第1の入力および前記1つ以上のセンサからの第2の入力を受信することと、
前記第1の入力および前記第2の入力に基づいて患者の吸気および呼気の予測サイクルを決定することと、
前記患者の吸気および呼気の前記予測サイクルに従って呼吸ガスのフローを調整することと
を行うように構成される、システム。
【請求項76】
前記呼吸ガスの前記フローは、正および負のフィードバックの両方を用いる双安定系に少なくとも部分的に基づいて調整される、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
呼吸療法装置は、非密閉呼吸システムにおける使用のために構成される、請求項75または76に記載のシステム。
【請求項78】
前記呼吸療法装置は、密閉呼吸システムにおける使用のために構成され、前記呼吸療法装置は、前記密閉呼吸システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成される、請求項75~77のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項79】
前記第2の入力は、送風機モータ速度を指示する信号を提供するように構成されたモータ速度フィードバック手段である、請求項75~78のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項80】
前記プロセッサは、第3の入力を受信するようにさらに構成され、前記第3の入力は、圧力を含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記第2の入力は、圧力センサからの圧力である、請求項75~78のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスを患者へ送るためのフロー療法装置における流路感知のための方法およびシステムに関する。本出願は、米国特許出願第62/337,795号明細書および同第62/507,013号明細書からの優先権を主張し、上記出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、病院環境、医療施設環境、在宅看護環境または家庭環境などの様々な環境において、ガスフローをユーザまたは患者へ送るために用いられている。呼吸補助装置またはフロー療法装置は、酸素をガスフローとともに送るために用いられる弁、および/または加熱されかつ加湿されたガスを送るための加湿装置を含み得る。フロー療法装置は、流量、温度、ガス濃度、湿度、圧力などを含むガスフローの特性の調整および制御を可能にし得る。ガスのこれらの特性を測定するために、加熱温度感知要素および/またはサーミスタなどのセンサが用いられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、非密閉システムまたは密閉システムにおいてガスフローを患者に提供するために用いられ得るフロー療法装置を記載する。呼吸ガスのフローは、患者の検出された呼吸サイクルに基づいて調整することができる。患者の呼吸サイクルは、流量、送風機モータ速度および/またはシステム圧力など、1つ以上の測定されたパラメータを用いて決定され得る。フロー供給源は、患者の呼吸サイクルのものに基づく位相を有するように調整される周期波形を用いて制御することができ、それにより、フローは、患者が吸息および呼息するのに応じて調整される。
【0004】
呼吸システムにおいて呼吸療法を実施するための方法が提供される。本方法は、制御信号を用いて送風機モータを駆動することであって、送風機モータは、患者への空気フローを発生させるように構成される、駆動することを含み得る。本方法は、患者の呼吸サイクルを検出することであって、少なくとも1つのフローセンサからの1つ以上のフロー測定値を含む第1のセンサ入力を受信すること、少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値または送風機モータに関連付けられた1つ以上のモータ速度測定値を含む第2のセンサ入力を受信すること、および少なくとも受信されたフロー測定値を用いて呼吸サイクル波形を発生させることであって、呼吸サイクル波形は、患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含み得る、発生させることによる、検出することをさらに含み得る。本方法は、制御信号を呼吸サイクルと同期させることであって、呼吸サイクル波形の位相を識別すること、および制御信号と呼吸サイクル波形との間の規定の位相差を達成するために制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、制御信号は、患者の吸気および呼気に基づいて送風機モータの速度を調整するように構成され得る、更新することによる、同期させることをさらに含み得る。本方法は、送風機モータによって受信される制御信号と、1つ以上のフロー測定値との間のシステム遅延に基づいて制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。本方法は、制御信号が呼吸サイクル波形を設定時間量だけ先取りすることができるように制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。少なくとも1つのフローセンサは、超音波センサ組立体を含み得る。少なくとも1つのフローセンサは、加熱温度感知要素をさらに含み得る。制御信号は、呼吸サイクル波形に位相ロックされ得る。制御信号の大きさは、呼吸サイクル波形の振幅、正のフィードバックパラメータおよび負のフィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。第2の入力センサは、送風機モータに関連付けられた1つ以上のモータ速度測定値であり得る。呼吸サイクル波形は、受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて発生され得る。呼吸サイクル波形は、受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて算出されたフローの制約に少なくとも部分的に基づいて発生され得る。呼吸サイクル波形は、算出された患者のフローに少なくとも部分的に基づいて発生され得、患者のフローは、受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて算出されたシステム漏出に基づき得る。モータ速度測定値は、1つ以上の送風機モータパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。送風機モータは、ブラシレスDCモータを含み得る。患者の呼吸サイクルを検出することは、第3のセンサ入力を受信することを含み得、第3のセンサ入力は、少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値を含む。第2の入力センサは、少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値であり得る。呼吸療法を実施するための方法は、ハイフロー呼吸システムにおいて実施され得る。呼吸療法を実施するための方法は、非密閉呼吸システムにおいて実施され得る。呼吸療法を実施するための方法は、密閉呼吸システムにおいて実施され得る。本方法は、少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づいて、システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整することをさらに含み得る。密閉呼吸システムは、非侵襲的換気マスクを含み得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸システムのハウジング内に配置され得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0005】
呼吸療法装置が提供される。装置は、患者のための空気フローを発生させるための送風機であって、モータに関連付けられ、モータは、制御信号によって駆動されるように構成され得る、送風機を含み得る。装置は、少なくとも流量を測定するように構成された1つ以上のセンサであって、モータ速度または圧力を測定するようにさらに構成される1つ以上のセンサをさらに含み得る。装置は、制御システムであって、患者の呼吸サイクルを検出することであって、少なくとも1つのフローセンサからの1つ以上のフロー測定値を含む第1のセンサ入力を受信すること、少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値または送風機モータに関連付けられた1つ以上のモータ速度測定値を含む第2のセンサ入力を受信すること、および少なくとも受信されたフロー測定値を用いて呼吸サイクル波形を発生させることであって、呼吸サイクル波形は、患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含み得る、発生させることによる、検出することを行うように構成された制御システムをさらに含み得る。制御システムは、制御信号を呼吸サイクルと同期させることであって、呼吸サイクル波形の位相を識別すること、および制御信号と呼吸サイクル波形との間の規定の位相差を達成するために制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、制御信号は、患者の吸気および呼気に基づいて送風機モータの速度を調整するように構成され得る、更新することによる、同期させることを行うようにさらに構成され得る。制御信号は、送風機モータによって受信される制御信号と、感知される結果として生じた空気フローとの間のシステム遅延に基づいて制御信号を位相変位させるようにさらに構成され得る。制御信号は、制御信号が呼吸サイクル波形を設定時間量だけ先取りすることができるように制御信号を位相変位させるようにさらに構成され得る。少なくとも1つのフローセンサは、超音波センサ組立体を含み得る。少なくとも1つのフローセンサは、加熱温度感知要素をさらに含み得る。制御信号は、呼吸サイクル波形に位相ロックされ得る。呼吸サイクル波形は、患者の呼吸数を算出するために用いられ得る。制御信号の大きさは、呼吸サイクル波形の振幅、正のフィードバックパラメータおよび負のフィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。第2の入力センサは、送風機モータに関連付けられた1つ以上のモータ速度測定値であり得る。呼吸サイクル波形は、受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて発生され得る。呼吸サイクル波形は、算出された患者のフローに少なくとも部分的に基づいて発生され得、患者のフローは、受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて算出されたシステム漏出に基づき得る。モータ速度測定値は、1つ以上の送風機モータパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。送風機モータは、ブラシレスDCモータを含み得る。制御システムは、第3のセンサ入力を受信することによって呼吸サイクルを検出するように構成され得、第3のセンサ入力は、少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値を含む。第2の入力センサは、少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値であり得る。呼吸療法装置は、呼吸ハイフロー療法装置であり得る。呼吸療法装置は、非密閉呼吸システムにおける使用のために構成され得る。呼吸療法装置は、密閉呼吸システムにおける使用のために構成され得る。呼吸療法装置は、圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づいて、密閉呼吸システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成され得る。呼吸療法装置は、非侵襲的換気マスクと結合されるように構成され得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸療法装置のハウジング内に配置され得る。装置は、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0006】
患者の吸気および呼気に従って呼吸システムの流量を調整するための方法である。本方法は、プロセッサにおいて、制御信号に少なくとも部分的に基づいて供給源によって発生された空気フローの流量に対応する第1の入力を受信することと、プロセッサにおいて、少なくとも第2の入力を受信することと、プロセッサにより、第1の入力および第2の入力に少なくとも部分的に基づいて患者の予測呼吸サイクルを決定することとを含む。本方法は、正のフィードバックパラメータを用いて、予測呼吸サイクルの振幅に少なくとも部分的に基づいて制御信号を調整することをさらに含み得る。本方法は、負のフィードバックパラメータを用いて、予測呼吸サイクルの振幅に少なくとも部分的に基づいて制御信号を調整することをさらに含み得る。本方法は、供給源のための制御信号を調整することをさらに含み得、制御信号を調整することは、予測呼吸サイクルと照らし合わせて制御信号に対する少なくとも1回の位相ロックループの反復を行うことを含み、それにより、制御信号の位相は、規定の位相差によって予測呼吸サイクルの位相に実質的に一致し得る。第2の入力は、供給源に関連付けられたモータの速度に対応し得る。本方法は、第3の入力を受信することをさらに含み、第3の入力は、圧力を含む。第2の入力は、圧力に対応し得る。制御信号を調整することは、予測呼吸サイクルに対して制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。制御信号を調整することは、システム遅延に少なくとも部分的に基づいて、予測呼吸サイクルに対して制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。制御信号を調整することは、予測呼吸サイクルを指定量だけ先取りするために、予測呼吸サイクルに対して制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。本方法は、非密閉呼吸システムまたは密閉呼吸システムにおいて用いられ得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0007】
患者の吸気および呼気に従って流量を調整するように構成されたシステムが提供される。システムは、制御信号に少なくとも部分的に基づいて空気フローを発生させるように構成された供給源を含み得る。システムは、プロセッサをさらに含み得、プロセッサは、空気フローの流量に対応する第1の入力を受信することと、少なくとも第2の入力を受信することと、第1の入力および第2の入力に少なくとも部分的に基づいて患者の予測呼吸サイクルを決定することとを行うように構成される。プロセッサは、正のフィードバックパラメータを用いて、予測呼吸サイクルの振幅に少なくとも部分的に基づいて制御信号を調整するように構成され得る。プロセッサは、負のフィードバックパラメータを用いて、予測呼吸サイクルの振幅に少なくとも部分的に基づいて制御信号を調整するように構成され得る。プロセッサは、供給源のための制御信号を調整するようにさらに構成され得、制御信号を調整することは、予測呼吸サイクルと照らし合わせて制御信号に対する少なくとも1回の位相ロックループの反復を行うことを含み得、それにより、制御信号の位相は、規定の位相差によって予測呼吸サイクルの位相に実質的に一致し得る。制御信号を調整することは、予測呼吸サイクルに対して制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。制御信号は、システム遅延に少なくとも部分的に基づいて、予測呼吸サイクルに対して位相変位され得る。制御信号は、予測呼吸サイクルを指定量だけ先取りするために、予測呼吸サイクルに対して位相変位され得る。プロセッサは、患者の予測呼吸サイクルに少なくとも部分的に基づいて患者の呼吸数を算出するようにさらに構成され得る。第2の入力は、供給源に関連付けられたモータの速度に対応し得る。プロセッサは、第3の入力を受信するように構成され得、第3の入力は、圧力を含む。第2の入力センサは、圧力に対応し得る。システムは、ハイフロー呼吸システムを含み得る。システムは、非密閉呼吸システムであり得る。システムは、密閉呼吸システムであり得る。少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づいて、システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成された呼吸療法装置である。システムは、非侵襲的換気マスクを含み得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸システムのハウジング内に配置され得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0008】
呼吸補助装置のための制御波形を調整するための方法が提供される。本方法は、患者の呼吸サイクルを検出することと、制御波形を、検出された呼吸サイクルと同期させることと、検出された呼吸サイクルに対して制御波形を位相変位させることとを含み得る。制御波形は、呼吸サイクルに対して規定の位相差を有するように位相変位され得る。制御波形を、検出された呼吸サイクルと同期させることは、正のフィードバックを用いて呼吸サイクルを増強することを含み得る。制御波形を、検出された呼吸サイクルと同期させることは、負のフィードバックを用いて呼吸サイクルを調節することを含み得、負のフィードバックは、呼吸サイクルの大きさが閾値量を満たすときに呼吸サイクルに適用され得る。制御波形は、検出された呼吸サイクルに対する位相ロックループであり得る。位相ロックループは、サイクルごとに、制御波形と検出された呼吸サイクルとの間の誤差を漸進的に低減し得る。制御波形は、呼吸補助装置に関連付けられたシステム遅延を補償するための量だけ位相変位され得る。制御波形は、呼吸サイクルを先取りするための量だけ位相変位され得る。呼吸補助装置は、少なくとも1つのフローセンサを含み得る。少なくとも1つのフローセンサは、超音波センサ組立体を含み得る。少なくとも1つのフローセンサから流量フィードバックが受信され得る。呼吸補助装置は、送風機を含み得る。送風機は、モータを含み得る。送風機モータからモータ速度フィードバックが受信され得る。モータは、センサレスフィードバックを提供するように構成され得るブラシレスDCモータであり得る。モータは、低慣性モータであり得る。本方法は、位相変位された制御波形を用いて送風機モータを駆動することをさらに含み得る。呼吸補助装置は、モータを含む送風機と、少なくとも1つのフローセンサとを含み得、本方法は、モータおよび少なくとも1つのフローセンサからのフィードバック変数を受信することをさらに含み得、受信されたモータおよびフローセンサのフィードバック変数は、呼吸サイクル波形を生成するために組み合わせて計算され得る。送風機モータからモータ速度フィードバックが受信され得る。モータからのフィードバックは、システム圧力の指示を含み得る。呼吸システムは、圧力センサを含み得る。受信された圧力およびフローセンサフィードバック変数は、呼吸サイクル波形を生成するために組み合わせて計算され得る。受信された圧力、モータおよびフローセンサフィードバック変数は、呼吸サイクル波形を生成するために組み合わせて計算され得る。呼吸療法を実施するための方法は、ハイフロー呼吸システムにおいて実施され得る。呼吸療法を実施するための方法は、非密閉呼吸システムにおいて実施され得る。呼吸療法を実施するための方法は、密閉呼吸システムにおいて実施され得る。本方法は、圧力センサによる圧力測定値に基づいて、システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整することをさらに含み得る。密閉呼吸システムは、非侵襲的換気マスクを含み得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸システムのハウジング内に配置され得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0009】
患者の吸気および呼気に従って流量を調整するように構成された呼吸補助装置が提供される。装置は、モータを含む送風機を含み得る。装置は、流量を測定するための少なくとも1つのセンサをさらに含み得る。装置は、プロセッサをさらに含み得、プロセッサは、少なくとも流量に基づいて患者の吸気および呼気の予測サイクルを決定することと、患者の呼吸に従って呼吸ガスのフローを調整することとを行うように構成される。少なくとも1つのセンサは、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサを含み得る。少なくとも1つのセンサは、加熱温度感知要素を含み得る。少なくとも1つのセンサは、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサならびに加熱温度感知要素の両方を含み得る。呼吸ガスのフローは、正および負のフィードバックの両方を用いる双安定系に少なくとも部分的に基づいて調整され得る。プロセッサは、流量および送風機モータ速度を指示する信号に基づいて患者の吸気および呼気の予測サイクルを決定し得、モータは、送風機モータ速度を指示する信号を提供するように構成される。呼吸補助装置は、圧力を測定するための圧力センサをさらに含み得る。プロセッサは、流量および圧力に基づいて患者の吸気および呼気の予測サイクルを決定し得る。プロセッサは、流量、モータ速度および圧力に基づいて患者の吸気および呼気の予測サイクルを決定し得る。呼吸補助装置は、ハイフロー呼吸補助装置であり得る。呼吸療法装置は、非密閉呼吸システムにおける使用のために構成され得る。呼吸療法装置は、密閉呼吸システムにおける使用のために構成され得る。呼吸療法装置は、圧力センサによって測定された圧力に基づいて、密閉呼吸システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成され得る。呼吸療法装置は、非侵襲的換気マスクと結合されるように構成され得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸補助装置のハウジング内に配置され得る。装置は、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0010】
患者の吸気および呼気に従って流量を調整するように構成されたシステムが提供される。システムは、送風機とプロセッサとを含み得る。プロセッサは、流量に対応する第1の入力および第2の入力を受信するように構成され得る。プロセッサは、第1の入力および第2の入力に基づいて患者の吸気および呼気の予測サイクルを決定することと、患者の吸気および呼気の予測サイクルに従って呼吸ガスのフローを調整することとを行うようにさらに構成され得る。流量は、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサを用いて決定され得る。流量は、加熱温度感知要素を用いて決定され得る。流量は、第1および第2の超音波トランスデューサを加熱温度感知要素と組み合わせて用いて決定され得る。呼吸ガスのフローは、正および負のフィードバックの両方を用いる双安定系に少なくとも部分的に基づいて調整され得る。第2の入力は、送風機モータ速度を指示する信号を提供するように構成されたモータ速度フィードバック手段であり得る。プロセッサは、第3の入力を受信するように構成され得、第3の入力は、圧力を含む。第2の入力は、圧力センサからの圧力であり得る。システムは、ハイフロー呼吸システムであり得る。呼吸療法装置は、非密閉呼吸システムにおける使用のために構成され得る。呼吸療法装置は、密閉呼吸システムにおける使用のために構成され得る。呼吸療法装置は、圧力センサからの圧力に基づいて、密閉呼吸システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成され得る。呼吸療法装置は、非侵襲的換気マスクと結合されるように構成され得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸療法装置のハウジング内に配置され得る。第2の入力は、モータフィードバックに加えて圧力であり得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0011】
患者の呼吸数を決定するように構成された呼吸システムが提供される。システムは、流量を測定するように構成された少なくとも1つのセンサと、呼吸システムを用いて患者の流量測定値を受信するために少なくとも1つのセンサと電気通信するように構成されたプロセッサとを含み得、プロセッサは、時間に対する流量測定値のプロットを自己相関させることによって患者の呼吸数を決定するようにさらに構成される。プロセッサは、時間に対する流量測定値のプロットの自己相関の1つ以上のピークまたはゼロ交差から呼吸サイクルを決定するように構成され得る。少なくとも1つのセンサは、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサを含み得る。少なくとも1つのセンサは、加熱温度感知要素を含み得る。少なくとも1つのセンサは、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサならびに加熱温度感知要素の両方を含み得る。プロセッサは、決定された呼吸数に少なくとも部分的に基づいて呼吸サイクル波形を発生させるように構成され得、呼吸サイクル波形は、患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含み得る。システムは、患者のための空気フローを発生させるための送風機であって、モータに関連付けられ、モータは、制御信号によって駆動されるように構成され得る、送風機をさらに含み得る。送風機モータは、ブラシレスDCモータを含み得る。プロセッサは、制御信号を呼吸サイクルと同期させることであって、呼吸サイクル波形の位相を識別すること、および制御信号と呼吸サイクル波形との間の規定の位相差を達成するために制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、制御信号は、患者の吸気および呼気に基づいて送風機モータの速度を調整するように構成され得る、更新することによる、同期させることを行うように構成され得る。プロセッサは、送風機モータによって受信された制御信号と、感知される結果として生じた空気フローとの間のシステム遅延に基づいて制御信号を位相変位させるようにさらに構成され得る。プロセッサは、制御信号が呼吸サイクル波形を設定時間量だけ先取りすることができるように制御信号を位相変位させるようにさらに構成され得る。プロセッサは、流量測定値および送風機モータに関連付けられたモータ速度測定値に基づいて呼吸サイクル波形を発生させるように構成され得る。モータ速度測定値は、1つ以上の送風機モータパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。呼吸サイクル波形を発生させることは、流量測定値および圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づき得る。呼吸サイクル波形を発生させることは、流量測定値、モータ速度測定値および圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づき得る。呼吸システムは、呼吸ハイフロー療法装置を含み得る。呼吸システムは、非密閉呼吸システムであり得る。呼吸システムは、密閉呼吸システムであり得る。プロセッサは、圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づいて、システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成され得る。呼吸システムは、非侵襲的換気マスクを含み得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸システムのハウジング内に配置され得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0012】
呼吸システムを用いて患者の呼吸数を決定するための方法が提供される。本方法は、呼吸システムを用いて少なくとも1つのセンサから患者の流量測定値を受信することと、時間に対する流量測定値のプロットを自己相関させることと、自己相関から患者の呼吸数を決定することとを含み得る。患者の呼吸数を決定することは、自己相関における1つ以上のピークまたはゼロ交差から患者の呼吸サイクルを決定することをさらに含み得る。流量測定値は、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサによって生成され得る。流量測定値は、加熱温度感知要素によって生成され得る。流量測定値は、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサならびに加熱温度感知要素の両方によって生成され得る。本方法は、決定された呼吸数に少なくとも部分的に基づいて呼吸サイクル波形を発生させることであって、呼吸サイクル波形は、患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含み得る、発生させることをさらに含み得る。呼吸システムは、患者のための空気フローを発生させるための送風機であって、モータに関連付けられ、モータは、制御信号によって駆動されるように構成され得る、送風機を含み得る。送風機モータは、ブラシレスDCモータを含む。本方法は、制御信号を呼吸サイクルと同期させることであって、呼吸サイクル波形の位相を識別すること、および制御信号と呼吸サイクル波形との間の規定の位相差を達成するために制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、制御信号は、患者の吸気および呼気に基づいて送風機モータの速度を調整するように構成され得る、更新することによる、同期させることをさらに含み得る。同期させることは、送風機モータによって受信された制御信号と、患者によって感知される結果として生じた空気フローとの間のシステム遅延に基づいて制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。同期させることは、制御信号が呼吸サイクル波形を設定時間量だけ先取りすることができるように制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。本方法は、決定された呼吸数および送風機モータに関連付けられたモータ速度測定値に基づいて呼吸サイクル波形を発生させることをさらに含み得る。本方法は、1つ以上の送風機モータパラメータに基づいてモータ速度測定値を決定することをさらに含み得る。呼吸サイクル波形を発生させることは、決定された呼吸数および圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づき得る。呼吸サイクル波形を発生させることは、決定された呼吸数、1つ以上の送風機モータパラメータおよび圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づき得る。呼吸システムは、呼吸ハイフロー療法装置を含み得る。呼吸システムは、非密閉呼吸システムであり得る。呼吸システムは、密閉呼吸システムであり得る。プロセッサは、圧力センサからの圧力測定値に基づいて、システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成され得る。呼吸システムは、非侵襲的換気マスクを含み得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸システムのハウジング内に配置され得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0013】
呼吸療法装置が提供される。呼吸療法装置は、患者のための空気フローを発生させるための送風機であって、モータに関連付けられ、モータは、制御信号によって駆動されるように構成され得る、送風機と、少なくとも流量を測定するように構成された1つ以上のセンサと、制御システムとを含み得、制御システムは、患者の呼吸サイクルを検出することであって、1つ以上のセンサからの1つ以上のフロー測定値を受信すること、少なくとも受信されたフローを用いて呼吸サイクル波形を発生させることであって、呼吸サイクル波形は、患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含み得る、発生させること、および制御信号と呼吸サイクル波形との相互相関から制御信号と呼吸サイクル波形との間の位相差を識別することによる、検出することを行うように構成される。制御システムは、制御信号と呼吸サイクル波形との相互相関の1つ以上のピークまたはゼロ交差から位相差を決定するように構成され得る。制御システムは、制御信号を呼吸サイクルと同期させることであって、識別された位相差に基づいて制御信号と呼吸サイクル波形との間の所定の位相差を達成するために制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、制御信号は、患者の吸気および呼気に基づいて送風機モータの速度を調整するように構成され得る、更新することによる、同期させることを行うように構成され得る。制御システムは、送風機モータによって受信された制御信号と、患者によって感知される結果として生じた空気フローとの間のシステム遅延に基づいて制御信号を位相変位させるようにさらに構成され得る。制御システムは、制御信号が呼吸サイクル波形を設定時間量だけ先取りすることができるように制御信号を位相変位させるようにさらに構成され得る。1つ以上のセンサは、超音波センサ組立体を含み得る。1つ以上のセンサは、加熱温度感知要素をさらに含み得る。制御信号は、呼吸サイクル波形に位相ロックされ得る。呼吸サイクル波形は、患者の呼吸数を算出するために用いられ得る。患者の呼吸数は、経時的な流量測定値の自己相関から算出され得る。サイクルは、自己相関における1つ以上のピークまたはゼロ交差から決定され得る。制御信号の大きさは、呼吸サイクル波形の振幅、正のフィードバックパラメータおよび負のフィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。呼吸サイクル波形は、受信されたフローおよび送風機モータに関連付けられたモータ速度測定値に基づいて発生され得る。呼吸サイクル波形は、算出された患者のフローに少なくとも部分的に基づいて発生され得、患者のフローは、受信されたフローおよび送風機モータに関連付けられたモータ速度測定値を用いて算出されたシステム漏出に基づく。モータ速度測定値は、1つ以上の送風機モータパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。送風機モータは、ブラシレスDCモータを含み得る。制御システムは、受信されたフローおよび圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づいて呼吸サイクル波形を発生させるように構成され得る。制御システムは、受信されたフロー、送風機モータに関連付けられたモータ速度測定値および圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づいて呼吸サイクル波形を発生させるように構成され得る。呼吸療法装置は、呼吸ハイフロー療法装置であり得る。呼吸療法装置は、非密閉呼吸システムにおける使用のために構成され得る。呼吸療法装置は、密閉呼吸システムにおける使用のために構成され得る。呼吸療法装置は、圧力センサからの圧力測定値に基づいて、密閉呼吸システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整するように構成され得る。呼吸療法装置は、非侵襲的換気マスクと結合されるように構成され得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸療法装置のハウジング内に配置され得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【0014】
呼吸システムにおいて呼吸療法を実施するための方法が開示される。本方法は、制御信号を用いて送風機モータを駆動することであって、送風機モータは、患者への空気フローを発生させるように構成される、駆動することと、患者の呼吸サイクルを検出することであって、少なくとも1つのフローセンサからの1つ以上のフロー測定値を受信すること、および少なくとも受信されたフローを用いて呼吸サイクル波形を発生させることであって、呼吸サイクル波形は、患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含み得る、発生させることによる、検出することと、制御信号と呼吸サイクル波形との相互相関から制御信号と呼吸サイクル波形との間の位相差を識別することとを含み得る。識別することは、制御信号と呼吸サイクル波形との相互相関の1つ以上のピークまたはゼロ交差から位相差を決定することを含み得る。本方法は、制御信号を呼吸サイクルと同期させることであって、識別された位相差に基づいて制御信号と呼吸サイクル波形との間の所定の位相差を達成するために制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、制御信号は、患者の吸気および呼気に基づいて送風機モータの速度を調整するように構成され得る、更新することによる、同期させることをさらに含み得る。同期させることは、送風機モータによって受信された制御信号と、患者によって感知される結果として生じた空気フローとの間のシステム遅延に基づいて制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。同期させることは、制御信号が呼吸サイクル波形を設定時間量だけ先取りすることができるように制御信号を位相変位させることをさらに含み得る。少なくとも1つのフローセンサは、超音波センサ組立体を含み得る。少なくとも1つのフローセンサは、加熱温度感知要素を含み得る。本方法は、制御信号を呼吸サイクル波形に位相ロックすることをさらに含み得る。呼吸サイクル波形は、患者の呼吸数を算出するために用いられ得る。検出することは、経時的な流量測定値の自己相関から患者の呼吸数を算出することをさらに含み得る。患者の呼吸サイクルは、自己相関における1つ以上のピークまたはゼロ交差から決定され得る。制御信号の大きさは、呼吸サイクル波形の振幅、正のフィードバックパラメータおよび負のフィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。呼吸サイクル波形は、1つ以上のフロー測定値および送風機モータに関連付けられたモータ速度測定値に基づいて発生され得る。呼吸サイクル波形は、受信されたフローおよび送風機モータに関連付けられたモータ速度測定値を用いて算出されたフローの制約に少なくとも部分的に基づいて発生され得る。呼吸サイクル波形は、算出された患者のフローに少なくとも部分的に基づいて発生され得、患者のフローは、受信されたフローおよびモータ速度測定値を用いて算出されたシステム漏出に基づき得る。モータ速度測定値は、1つ以上の送風機モータパラメータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。送風機モータは、ブラシレスDCモータを含み得る。呼吸サイクル波形は、受信されたフローおよび圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づいて発生され得る。呼吸サイクル波形は、1つ以上のフロー測定値、送風機モータに関連付けられたモータ速度測定値および圧力センサからの1つ以上の圧力測定値に基づいて発生され得る。本方法は、ハイフロー呼吸システムにおいて実施され得る。本方法は、非密閉呼吸システムにおいて実施され得る。呼吸療法を実施するための方法は、密閉呼吸システムにおいて実施され得る。本方法は、圧力センサからの圧力測定値に基づいて、システムの所定の圧力を達成するようにモータ速度を調整することをさらに含み得る。密閉呼吸システムは、非侵襲的換気マスクを含み得る。圧力センサは、非侵襲的換気マスクもしくは非侵襲的換気マスクを患者呼吸導管に接続するマニホールド内、または患者呼吸導管内、または呼吸システムのハウジング内に配置され得る。システムは、データを記憶するためのメモリを有し得る。記憶されるデータは、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量および/または圧力を含み得る。メモリは、EEPROMであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】フロー療法装置の形態の例示的な呼吸補助装置を概略的な形式で示す。
【
図2A】呼吸補助システムの構成要素と対話し、かつ/またはそれらに制御および指示を提供する制御システムの例示的なブロック図を示す。
【
図2B】呼吸補助システムの構成要素と対話し、かつ/またはそれらに制御および指示を提供する制御システムの例示的なブロック図を示す。
【
図2C】例示的なコントローラのブロック図を示す。
【
図3】例示的なモータ/センサモジュールのブロック図を示す。
【
図4】フロー療法装置の動作を調整するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【
図5】流量を決定するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【
図6A】フロー療法装置のための呼吸サイクルの増強を行うための例示的なシステムのブロック図を示す。
【
図6B】フロー療法装置のための位相ロック制御ループを実施するための例示的なシステムのブロック図を示す。
【
図7】患者の呼吸サイクルを補助するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【
図8】患者の呼吸サイクル波形および制御信号波形の例示的なチャートを示す。
【
図9】送風機モータの制御信号を、患者の感知された呼吸サイクルとの位相ロックループとして実施するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【
図10】システム遅延を補償するために制御信号を位相変位させるための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【
図11】システム遅延を補償するために制御信号を更新することを示すチャートを示す。
【
図12】患者の呼吸サイクル波形を先取りするために、位相変位された制御信号を構成するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【
図13】患者の呼吸サイクルおよび位相変位された制御ループの例示的なチャートを示す。
【
図14A】システムによって測定された患者の生の流量読み値の例示的なチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1にフロー療法装置10が示される。概して、装置10は、モータ/インペラ機構の形態のフロー発生器11、任意選択的な加湿器12、コントローラ13、およびユーザインターフェース14(例えば、ディスプレイおよびボタン、タッチスクリーンもしくは同様のものなどの入力デバイスを含む)を包含する主ハウジング100を含み得る。コントローラ13は、患者へ送るためのガスのフロー(ガスフロー)を作り出すようにフロー発生器11を動作させ、発生されたガスフローを加湿および/または加熱するように加湿器12(存在する場合)を動作させ、装置10の再構成および/またはユーザ定義動作のためのユーザインターフェース14からのユーザ入力を受信し、情報を(例えば、ディスプレイ上で)ユーザへ出力することを含む、装置の構成要素の制御を行うように構成またはプログラムされる。ユーザは、患者、医療専門家または装置を使用することに関与する他の任意の者であり得る。
【0017】
患者呼吸導管16がフロー療法装置10のハウジング100内のガスフロー出力21に結合され、マニホールド19および鼻プロング18を有する鼻カニューレなどの患者インターフェース17に結合される。追加的にまたは代替的に、患者呼吸導管16は、フェイスマスクに結合することができる。加湿され得るガスフローは、フロー療法装置10によって発生され、患者導管16を介してカニューレ17を通して患者へ送られる。患者導管16は、患者へ通過するガスフローを加熱するための加熱器ワイヤ16aを有することができる。加熱器ワイヤ16aは、コントローラ13の制御下にある。患者導管16および/または患者インターフェース17は、フロー療法装置10の一部または代替的にその周辺装置と見なすことができる。フロー療法装置10、呼吸導管16、および患者インターフェース17が全体としてフロー療法システムを形成する。
【0018】
次に、フロー療法呼吸装置10の一般的動作を説明する。コントローラ13は、所望の流量のガスフローを発生させるようにフロー発生器11を制御し、ガス混合を制御するように1つ以上の弁を制御し(例えば、O2制御)、かつ/または存在する場合には加湿器12を、ガスフローを加湿し、および/またはガスフローを適切なレベルまで加熱するように制御することができる。ガスフローは、患者導管16およびカニューレ17を通して患者まで出るように誘導される。コントローラ13はまた、所望の治療レベルおよび/または患者のための快適レベルを達成する所望の温度にガスを加熱するように加湿器12内の加熱要素および/または患者導管16内の加熱要素16aを制御することができる。コントローラ13は、ガスフローの好適な目標温度を用いてプログラムすることができるか、またはそれを決定することができる。
【0019】
フロー療法装置10内の様々な場所において、フローセンサ、温度センサ、湿度センサ、および/または圧力センサなどの動作センサ3a、3b、3cを配置することができる。患者導管16および/またはカニューレ17上の様々な場所において、追加のセンサ(例えば、センサ20、25)が配置され得る(例えば、吸気管の端部またはその付近に温度センサが存在し得る)。センサからの出力は、コントローラ13が、好適な治療を提供する方法でフロー療法装置10を動作させることを補助するためにコントローラ13によって受信され得る。好適な治療を提供することは、患者の吸気要求量を満たすことを含み得る。装置10は、コントローラ13がセンサからの信号8を受信し、かつ/または限定するものではないが、フロー発生器11、加湿器12、および加熱器ワイヤ16a、またはフロー療法装置10に関連付けられた付属装置もしくは周辺装置を含む、フロー療法装置10の様々な構成要素を制御することを可能にするための送信器および/または受信器15を有し得る。装置10は、呼吸数、処置時間、モータ速度、流量、圧力、および同様のものなどのデータを記憶するためのメモリを有し得る。メモリは、例えば、EEPROMであり得る。追加的にまたは代替的に、送信器および/または受信器15は、データを遠隔サーバへ送るかまたは装置10の遠隔制御を可能にし得る。
【0020】
フロー療法装置10は、ハイフロー療法装置を含み得る。本明細書で使用するとき、「ハイフロー呼吸」療法は、比較的高い流量、例えば成人に対して少なくとも15L/min、または20L/min、または25L/min、または30L/min、または40L/min、または50L/min、または最大で150L/minにおける患者の気道へのガスの投与を含み得る。小児および幼児に対し、流量は、1L/minおよび最大で25L/min、または2L/min、または3L/min、または5L/min、または10L/min、または15L/min、または20L/minであり得る。ハイフロー療法は、ユーザの鼻孔へかつ/もしくは経口的に、または気管開口インターフェースを介して施され得る。ハイフロー療法は、意図されるユーザの最大吸気流量要求におけるまたはそれを超える流量でガスをユーザへ送り得る。高流量のガスが患者の気道に到達することは、患者の気道を洗い流すために有益であり得、これは、解剖学的死腔の容積を低減することができる。ハイフロー療法は、多くの場合、例えば、鼻カニューレなどの非密閉患者インターフェースを用いて送られる。鼻カニューレは、意図されるユーザの最大吸気流量要求を超える流量で呼吸ガスをユーザの鼻孔へ送るように構成され得る。
【0021】
用語「非密閉患者インターフェース」は、本明細書で使用するとき、患者の気道と(フロー発生器11などからの)正のガスフロー供給源との間の空気連結をもたらすインターフェース、および患者の気道を完全に閉塞しないものを指し得る。非密閉空気連結は、患者の気道の95%未満の閉塞を含み得る。非密閉空気連結は、患者の気道の90%未満の閉塞を含み得る。非密閉空気連結は、患者の気道の40%~80%の閉塞を含み得る。気道は、患者の鼻孔または口の1つ以上であり得る。
【0022】
本明細書に記載されるシステムはまた、密閉患者インターフェースとともに用いられ得る。密閉患者インターフェースの非限定例としては、非侵襲的換気(NIV)フルフェイスマスクおよび鼻マスクを挙げることができる。NIVマスクは、挿管または気管開口を必要とすることなく患者の呼吸を支援することができる。NIVマスクは、患者の顔に合った輪郭を有し、マスクと患者の顔との間の密閉適合をもたらす患者インターフェースを有することができる。
【0023】
例示的なフロー療法装置のさらなる詳細は、2015年12月2日に提出された「Flow Path Sensing for Flow Therapy Apparatus」という名称の米国仮特許出願第62/262,325号明細書に開示されている。上記の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
制御システム
図2Aは、患者の状態を検出し、ガス供給源を含むフロー療法装置の動作を制御することができる例示的な制御システム220のブロック
図200を示す。制御システム220は、ガスが患者へ送られる際、フロー療法装置を通って流れるガスの流量を管理することができる。例えば、制御システム220は、送風機(以下では「送風機モータ」とも呼ばれる)のモータ速度の出力230、またはブレンダ内の弁の出力232を制御することによって流量を増大または減少させることができる。制御システム220は、後述されるとおりの特定の患者のための流量の設定値または個人的値を自動的に決定することができる。流量は、制御システム220により、患者の快適性および治療を改善するために最適化され得る。
【0025】
制御システム220はまた、音声出力および/またはディスプレイ/視覚出力238、239を生成することができる。例えば、フロー療法装置は、ディスプレイ308および/またはスピーカを含み得る。ディスプレイ308は、制御システム220によって発生された任意の警告または警報を医師に指示することができる。ディスプレイ308はまた、医師によって調整され得る制御パラメータを指示することができる。例えば、制御システム220は、特定の患者のための流量を自動的に推奨することができる。制御システム220はまた、限定するものではないが、患者の呼吸数を生成することを含め、患者の呼吸状態を決定しかつそれをディスプレイへ送ることができる。
【0026】
制御システム220は、加熱要素の1つ以上を制御するために(例えば、患者へ送られるガスの温度設定点を維持するために)加熱器制御出力を変更することができる。制御システム220はまた、加熱要素の動作またはデューティサイクルを変更することができる。加熱器制御出力は、加熱器プレート制御出力234および加熱呼吸管制御出力236を含み得る。
【0027】
制御システム220は、1つ以上の受信された入力201~216に基づいて出力230~239を決定することができる。入力201~216は、コントローラ300(
図2Bに示される)によって自動的に受信されたセンサ測定値に対応することができる。制御システム220は、限定するものではないが、温度センサ入力201、フローセンサ入力202、モータ速度入力203、圧力センサ入力204、ガス分画センサ入力205、湿度センサ入力206、パルスオキシメータ(例えば、SpO
2)センサ入力207、記憶されたパラメータもしくはユーザパラメータ208、デューティサイクルもしくはパルス幅変調(PWM)入力209、電圧入力210、電流入力211、音響センサ入力212、電力入力213、抵抗入力214、CO
2センサ入力215、および/または肺活量計入力216を含むセンサ入力を受信することができる。制御システム220は、ユーザからの入力またはメモリ304(
図2Bに示される)内に記憶されたパラメータ値を受信することができる。制御システム220は、患者のための流量を彼らの治療の時間にわたって動的に調整することができる。制御システム220は、システムパラメータおよび患者パラメータを継続的に検出することができる。当業者は、本明細書における開示に基づいて、任意の他の好適な入力および/または出力を制御システム220とともに用い得ることを理解するであろう。
【0028】
図2Bに示されるように、制御システム220は、胸腹非同期性(TAA)センサ入力202、呼吸センサ入力204、呼吸仕事量(WOB)センサ入力206、CO2および/または圧力センサ入力208、ユーザ入力および/または記憶された値210など、フロー療法装置の複数の構成要素からの入力を受信することができる。
図2Aに示される入力202~210の全てが存在しなくてもよい。
図2Bにおける制御システム220は、入力202~210に基づいて加熱器制御出力230、流量制御出力232、およびディスプレイ/音声出力234を出力することができる。入力202~210および出力230~234は、必ずしも存在しなくてもよい。例えば、制御システム220は、EMG入力206を受信し、流量制御測定値232を発生させるのみであり得る。構成に依存して、入力に対応する構成要素のいくつかは、フロー療法装置内に含まれなくてもよい。入力の欠如自体が、制御システム220により、入力条件またはシステム条件を決定するために用いられ得る。
【0029】
コントローラ
制御システム220は、入力条件の検出および出力条件の制御のためのプログラム命令を含み得る。プログラム命令は、
図2Bに示されるとおりのコントローラ300のメモリ304内に記憶され得る。プログラム命令は、本明細書に記載される方法、プロセスおよび機能に対応することができる。制御システム220は、コントローラ300の1つ以上のハードウェアプロセッサ302によって実行され得る。プログラム命令は、C、C++、JAVA、または任意の他の好適なプログラミング言語で実装することができる。制御システム220の部分の一部または全ては、ASICおよびFPGAなどの特定用途向け回路機構306内に実装することができる。
【0030】
図2Cは、例示的なコントローラ300のブロック図を示す。コントローラは、メモリ304内に記憶された命令を実行することができるハードウェアプロセッサ302を含み得る。制御システム220は、プログラム命令としてメモリ304内に記憶され得る。コントローラはまた、センサ信号を受信するための回路306を含み得る。コントローラは、患者および呼吸補助システムのステータスを伝えるためのディスプレイ308をさらに含み得る。ディスプレイ308はまた、警告を示すことができる。コントローラはまた、ディスプレイ308などのユーザインターフェースを介してユーザ入力を受信することができる。ユーザインターフェースは、代替的にまたは追加的にボタンまたはダイアルを含み得る。
【0031】
モータ/センサモジュール
図3は、フロー療法装置の一部として用いられ得るモータ/センサモジュール2000のブロック図を示す。モータ/センサモジュールは、室内気を取り込んで患者へ送るための送風機2001を含む。送風機2001は、遠心送風機であり得る。
【0032】
室内気は、入口ポート2003を通して送風機2001に入る室内気入口2002に入る。入口ポート2003は、加圧されたガスが送風機2001に入ることができる弁2004を含み得る。弁2004は、送風機2001内への酸素の流れを制御することができる。弁2004は、比例弁または2値弁を含む任意の種類の弁であり得る。入口ポートは、弁を含まなくてもよい。
【0033】
送風機2001は、1,000RPM超かつ30,000RPM未満、2,000RPM超かつ25,000RPM未満、20,000RPM超かつ24,000RPM未満、または上述の値の任意のものの間のモータ速度で動作することができる。送風機2001の動作は、入口ポート2003を通して送風機2001に入ったガスを混合する。混合がエネルギーを必要とするのに対し、送風機はエネルギーを与えるため、送風機2001を混合機として用いることは、バッフルを含む静止型混合機などの別個の混合機を有するシステムにおいてさもなければ生じるであろう圧力降下を減少させることができる。
【0034】
混合された空気は、導管2005を通して送風機2001から出て、測定チャンバ2007内の流路2006に入る。センサ2008を有する回路板は、回路板がガスフロー内に浸されるように測定チャンバ2007内に位置付けられている。回路板上のセンサ2008は、フロー内のガス特性を測定するためにガスフロー内に位置付けられている。測定チャンバ2007内の流路2006を通過した後、ガスは、液体チャンバ300へ出る(2009)。
【0035】
複合された送風機および混合機2001の両方の下流にセンサ2008を位置付けると、送風機および/または混合機の上流にセンサを位置付けるシステムよりも、酸素濃度を含むガス分画濃度の測定値などの測定値の精度を増大させることができる。このような位置付けは、繰り返し可能なフロープロファイルを与えることができる。さらに、送風機の前に感知が行われる場合、バッフルを有する静止型混合機などの別個の混合機が入口と感知システムとの間に必要とされるため、複合された送風機および混合機の下流にセンサを位置付けると、さもなければ生じるであろう圧力降下が回避される。混合機は、混合機間で圧力降下を生じさせる。送風機の後に感知を位置付けることは、送風機が混合機となることを可能にし、静止型混合機であれば圧力を低下させるであろうが、対照的に、送風機は圧力を増大させる。また、センサがフロー内に浸されることは、センサがガスフローと同じ温度になる可能性がより高くなり、したがってガス特性のより良好な表現を提供することを意味するため、回路板およびセンサ2008を流路内に浸すことは、測定値の精度を増大させる。
【0036】
測定チャンバ
図3に示されるように、測定チャンバ2007は、モータ/センサモジュール2000内の送風機2001の下流に位置付けることができる。測定チャンバ2007は、流路2006を含み、回路板および1つ以上のセンサ2008を保持するように設計される。
【0037】
ガスフローは、フロー療法装置内の通過中に圧力降下を経験し得る。これは、エネルギーを散逸させ、したがって特定の流量に到達するシステム能力に影響を及ぼし得る。圧力損失は、流路の直線区間における摩擦のために、または経路内の曲がり、弁、収縮もしくは拡張などの直線経路からの逸脱から生じ得る。
【0038】
流路2006は、湾曲した形状を有する。ガスフローは、入口2103から入り、湾曲した流路2104に沿って流れ、流路2105の反対側において出る。入口および出口は、鉛直方向反対向きに位置付けられ得、ガスフローは、鉛直上方向に経路に入り、次に水平方向へ湾曲し、次に再び鉛直上方向へ湾曲し得る。流路は、急な曲がり角を有しなくてもよい。流路は、より直線の中間区間とともに、湾曲した端部を有し得る。流路は、流路の長さ全体を通じて一定の断面形状を維持することができる。流路は、流路の第1の端部から若干内向きに先細状になることができ、流路の第2の端部へと再び広がる。これは、測定値のより良好な精度、安定性および再現性のためにフローの速度を増大させることができる。流路の表面は、流路内の摩擦を低減するために表面改質剤/潤滑剤でライニングを施すことができる。湾曲した流路形状は、測定領域を流路と部分的に一致させることにより、フロー測定値の感度を低減することなくガスフローの圧力降下を低減することができる。多数の異なる流路構成を用いることができる。可能な流路構成の追加の例は、本明細書において参照される米国仮特許出願第62/262,325号明細書に開示されている。
【0039】
呼吸サイクルに基づくフローの調整
患者の呼吸をより良好に補助するために、患者の呼吸サイクルに基づいてフロー療法装置の動作を調整し得ることが有益であり得る。例えば、患者が吸息および呼息するのに従って、フロー療法装置によって提供される空気の流量が調整され得る。流量は、患者の吸気または呼気に基づいて調整することができる。例えば、流量は、患者の吸気中に増大され、患者の呼気中に減少され得る。流量は、患者の吸気中に調整され(例えば、吸気中に増大される)、患者の呼気中に調整を行わないかまたはその逆であり得る。吸気および呼気はまた、吸息および呼息と呼ばれる場合もある。
【0040】
患者の呼吸サイクルは、交互の呼息位相および吸息位相を含む波形として表すことができる。患者の呼吸サイクル波形を決定し、監視することにより、患者の呼吸サイクルに基づいてフロー療法装置の動作を変更することができる。例えば、フロー療法装置は、患者の測定された呼吸サイクル波形に基づいて調整され得る周期波形を用いてガスフローを制御するように構成され得る。
【0041】
図4は、フロー療法装置の動作を調整するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。ブロック402において、制御信号を用いて、フロー療法装置(例えば、
図1に示されるとおりのフロー発生器11または
図3に示される送風機2001)に関連付けられた送風機モータを駆動する。送風機モータは、患者の呼吸を補助するために空気フローを発生させるように用いられ得る。制御信号は、初期波形を含み得る。初期波形は、省略時波形を含むか、または患者に関連付けられた1つ以上の測定値に基づき得る。
【0042】
ブロック404において、患者の呼吸サイクルを決定するために用いられ得る複数の測定値を受信する。これらは、流量404a、モータ速度404b、圧力404c、および/または同様のものを含み得る。これらの種類の測定値の各々は、以下においてさらに詳細に説明されることになる。
【0043】
ブロック406において、受信した測定値を用いて患者の予測呼吸サイクルを決定する。患者の予測呼吸サイクルは、フローの逸脱406a、フローの制約406b、システム漏出406c、および/または同様のものなどの1つ以上の異なる技法を用いて決定され得る。これらの異なる技法の各々は、以下においてさらに詳細に説明されることになる。
【0044】
ブロック408において、予測呼吸サイクルに基づいて送風機モータへの制御信号を調整する。例えば、制御信号は、流量が、患者が吸息する際に増大され、かつ患者が呼息する際に減少されるように調整され得る。制御信号は、予測呼吸サイクルとの位相ロックループであるように構成され得る。これらの実装形態の各々は、以下においてさらに詳細に説明されることになる。
【0045】
次に、プロセスは、ブロック402へ戻り得、ブロック402において、調整された制御信号を用いて、患者のための空気フローを生成するために送風機モータを駆動する。
【0046】
システムパラメータの測定
上述されたように、患者の呼吸サイクルは、測定されたフロー、測定されたモータ速度、測定された圧力、またはこれらの組み合わせなど、複数の異なる測定値に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
【0047】
a)フロー
フローは、システムを通した(例えば、送風機モータまたは他のフロー発生器から患者への)ガスのフローを指す。流量は、1つ以上のフローセンサを用いて測定され得る。例えば、流量は、加熱温度感知要素を用いて測定され得る。加熱温度感知要素は、白金線もしくは加熱サーミスタなどの加熱温度感知要素、熱線風速計、および/または負温度係数(NTC)サーミスタを含み得る。加熱温度感知要素の他の非限定例は、ガラスまたはエポキシ封入または非封入サーミスタを含む。加熱温度感知要素は、ガスの流量を測定するように構成される。
【0048】
流量は、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサを含む超音波センサ組立体などの高速応答時間フローセンサを用いて測定され得る。1つ以上のセンサは、
図3に示されるものなどの流路に近接して配置され得る。流路の一部分に沿った超音波トランスデューサを用いてフローを測定する一例は、本明細書において参照される米国仮特許出願第62/262,325号明細書に開示されている。具体的には、第1の超音波トランスデューサは、上述された測定チャンバ内の流路の下流部分にあることができ、第2の超音波トランスデューサは、上述された測定チャンバ内に流路の上流部分にあることができる。第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサは、それぞれ互いに向けて超音波信号を送信し、互いから超音波信号を受信することができる。呼吸装置のコントローラは、第1の超音波トランスデューサと第2の超音波トランスデューサとの間の飛行時間測定値に基づいて、限定するものではないが、流量を含むガスフローの1つ以上の特性を決定することができる。流量はまた、1つ以上の超音波送信器およびマイクロフォンなどの1つ以上の超音波受信器を用いて測定され得る。1つ以上の超音波送信器は、音響経路に沿って超音波信号を送信することができる。1つ以上の超音波受信器は、音響経路に沿って位置付けられ、超音波信号を受信することができる。呼吸装置のコントローラは、1つ以上の超音波送信器と受信器との間の飛行時間測定値に基づいて、限定するものではないが、流量を含むガスフローの1つ以上の特性を決定することができる。
【0049】
患者が吸息および呼息するのに従ってシステムの流量が変動し得るため、流量を迅速かつ正確に測定し得ることが重要である。流量は、2つ以上の異なるセンサの組み合わせを用いて測定され得る。例えば、第1の種類のセンサは、より良好な短期的または局所的な精度で流量を測定すること(例えば、呼吸ごとの急速な流量変化を検出すること)が可能であり得るが、(例えば、小さい誤差の累積のために)長期的精度がより低くなり得る。一方、第2の種類のセンサは、(例えば、局所的ノイズのために)より低い局所的精度であるが、より良好な平均精度で流量を測定することが可能であり得る。より正確なフロー測定値を決定するために、第1の種類のセンサおよび第2の種類のセンサの両方からの出力読み値が組み合わされ得る。例えば、以前に決定された流量および第2の種類のセンサからの1つ以上の出力を、予測される現在の流量を決定するために用いることができる。次に、予測される現在の流量は、最終流量を算出するために、第1の種類のセンサからの1つ以上の出力を用いて更新され得る。第1の種類のセンサは、超音波センサ組立体を含み得る一方、第2の種類のセンサは、加熱温度感知要素を含み得る。
【0050】
図5は、流量を決定するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。ブロック502において、加熱温度感知要素センサなどの第1のフローセンサからの第1の流量測定値を受信する。ブロック504において、上述されたとおりの超音波センサ組立体からの第2の流量測定値を受信する。
【0051】
ブロック506において、第2の流量測定値および以前の流量測定値に基づいて現在のフロー予測を決定する。ブロック508において、現在のフロー予測および第1の流量測定値を用いて流量を決定する。加熱温度感知要素センサおよび超音波トランスデューサの両方を利用することにより、両方の種類のセンサの欠点を軽減することができ、流量が迅速かつ正確に測定されることが可能になる。
【0052】
異なる種類のセンサからの測定値が異なる方法で組み合わされ得る。例えば、1つ以上の超音波トランスデューサからの測定値を直接読み込むことができる一方、加熱温度感知要素の測定値が、(例えば、より良好な長期的精度を有する加熱温度感知要素を用いて、より高速な応答時間を呈する超音波トランスデューサの測定値を補正することによって)超音波フロー計算に対する基礎的補正を提供するために取り入れられる。
【0053】
b)モータ速度
送風機モータのモータ速度を測定するために1つ以上のセンサ(例えば、ホール効果センサ)が用いられ得る。送風機モータは、ブラシレスDCモータを含み得る。ブラシレスDCモータから、別個のセンサを用いることなく、モータ速度を測定することができる。例えば、ブラシレスDCモータの動作中、モータの通電されていない巻線から逆EMFを測定することができ、逆EMFからモータの位置を決定することができ、その結果、モータの位置を用いてモータ速度を算出することができる。加えて、モータドライバを用いてモータ電流を測定し得、モータ電流を、測定されたモータ速度とともに用いてモータトルクを算出し得る。送風機モータは、低慣性モータを含み得る。
【0054】
c)圧力
システム圧力は、1つ以上の圧力センサを用いて決定され得る。1つ以上の圧力センサは、1つ以上のゲージ圧センサまたは1つ以上の絶対圧センサであり得る。1つ以上の圧力センサは、システム内のいずれの箇所にでもあり得るが、少なくとも1つの圧力センサは、呼吸装置の主ハウジング内の流路内に位置付けられ得る。1つ以上のモータパラメータが、別個の圧力センサを必要とすることなくシステム圧力を決定するために用いられ得る。モータのパラメータから決定されたシステム圧力を確認するために圧力センサが用いられ得る。
【0055】
システム圧力を算出するためにモータパラメータを用いることは、良好な短期的精度を有し得るが、別個の圧力センサを用いることに比べてより低い長期的平均精度を有し得る。そのため、正確なシステム圧力測定値を(例えば、流量測定値に関して上述された技法の1つ以上を用いて)決定するために、圧力センサからの出力およびモータパラメータが一緒に用いられ得る。
【0056】
呼吸サイクルの決定
a)フローの逸脱
患者の呼吸サイクルは、平均または設定点流量値
【数1】
に対するシステムの流量Qの逸脱を観察することによって決定することができる。例えば、流量は、患者が吸息するのに応じて増大し、かつ患者が呼息するのに応じて減少する傾向を有し得る。しかし、モータの速度も変化し得るため、逸脱のいずれの部分がモータ速度の変化に起因するか、およびいずれの部分が患者の呼吸サイクルに起因するかを決定することが難しくなり得る。
【0057】
b)制約
フローの制約は、患者の呼吸サイクルを決定するために用いられ得る。概して、呼吸システムは、全体として、次式に示されるように、システムの圧力pの変化とシステムの流量の2乗(Q2)との関係を指示するために用いることができる、フローに対するいくらかの抵抗(「制約」またはRとも呼ばれる)を有することになる。
p=RQ2
【0058】
そのため、制約Rは、次式のように近似することができる。
【数2】
【0059】
制約Rは、患者が吸息および呼息するのに従って変化し得る。Rのより小さい値は、より大きい制約を表す(例えば、患者が呼息するとき)。
【0060】
加えて、圧力pはまた、次式に示されるように、モータ速度の関数として近似され得る。
p=k
mω
2
ここで、ωは、モータ速度に対応し、k
mは、定数に対応する。そのため、制約Rは、次式のように近似することができる。
【数3】
【0061】
そのため、Rの変化する値を患者の呼吸サイクルの指示として用いて、測定された流量Qおよび測定されたモータ速度ωに基づいて患者の呼吸サイクルが決定され得る。定数kmの値を算出するために1つ以上の圧力測定値が用いられ得、またはkmの値が仮定され得る。
【0062】
次式に示されるように、患者の呼吸サイクル(吸息/呼息)に起因する圧力降下および他の因子に起因する圧力降下(システム圧力降下とも呼ばれる)を合計することができる。
【数4】
ここで、k
cは、システム圧力降下に関連付けられた定数に対応する。患者の呼吸サイクルの検出は、Rの大きさの代わりに、Rの逸脱(例えば、平均値
【数5】
からの逸脱)を検出することに基づく。そのため、定数k
cは、無視することができる。(例えば、不規則な呼吸、カニューレの動き、および/または同様のものに起因する)制約における逸脱を補償し、より滑らかな波形を提供するために、
【数6】
の値が移動平均として追跡され得る。
【0063】
c)システム漏出
送風機によって発生される空気のフローは、患者の肺へ流れる第1の部分、および「漏出フロー」と呼ばれる、システムによって漏出される第2の部分を含み得る。これは、次式によって表され得る。
Q=Qp+Ql
ここで、Qpは、患者のフローに対応し、Qlは、漏出フローに対応する。
【0064】
加えて、カニューレにおける圧力は、「漏出圧力降下」と呼ばれ得る。システムの全送風機圧力は、次式のように表すことができる、システム圧力降下および漏出圧力降下の合計として近似され得る。
【数7】
ここで、k
lは、漏れ定数に対応する。閉鎖または密閉システムでは、k
lは、定数になるであろう。非密閉システムでは、患者が呼吸するのに従い、k
lは、時間とともに変化し得るが、特定の呼吸サイクルにわたって実質的に一定として扱われ得る。k
lは、「システム漏出」を特徴付ける。
【0065】
そのため、漏出フローは、次式のように近似することができる。
【数8】
【0066】
カニューレにおける圧力は、
【数9】
(漏出圧力のみ)として近似することができ、患者の肺のフローは、Q
p=Q-Q
lとして近似することができる。患者の肺のフローが変化するのに従い、患者の呼吸サイクルが決定され得る。
【0067】
上述されたように、変数Q、Q
p、Q
l、k
m、およびk
cは、測定、算出、または推定することができる。加えて、k
lは、患者の肺内への平均フローが呼吸補助を提供する目的のためにほぼ0になることを知ることにより推定することができる。換言すれば、以下の仮定を行うことができる。
【数10】
ガス交換に起因する、患者が吸息するガスおよび呼息するガスの量の差(「ドリフト」とも呼ばれる)が算出され得、平均フローに対してドリフト補正が行われることを可能にする。患者の呼吸の期間Tが既知である場合、このとき、システムの平均漏出は、次式によって近似され得る。
【数11】
次に、上式を用いてk
lを計算することができる。期間Tが未知である場合、期間Tを近似するために、特定の呼吸数が存在することが分かっている時間期間の時間荷重平均が用いられ得る。
【0068】
患者の呼吸サイクルが(例えば、以上において開示された技法の任意のものを用いて)決定されると、患者の呼吸サイクルに基づいて制御信号を調整することができる。加えて、呼吸サイクルを用いて患者の呼吸数(例えば、1分当たりの呼吸)を算出し得る。算出された呼吸数は、(例えば、ディスプレイ308において)表示されるか、記憶されるか、または送信され得る。
【0069】
密閉システム内における圧力制御
上述されたとおりの密閉患者インターフェースを有する呼吸システムでは、圧力センサ読み値は、患者端部においてまたは患者呼吸導管の一部分に沿って入手可能であり得る。圧力センサ読み値は、フロー療法装置内からも入手可能であり得る。圧力センサは、流路内の任意の場所に配置することができる。密閉患者インターフェースの非限定例は、NIVマスクである。NIVマスクは、患者の顔に対して密閉され得、その結果、システム漏出を実質的に生じさせない。それにより、患者端部の付近または患者端部における患者へ送られたガスの圧力を測定することが可能になる。圧力センサは、NIVマスクの内部に位置付けることができる。圧力センサは、患者の鼻孔の外部の場所に位置付けることができる。圧力センサは、NIVマスクを、
図1に示される患者呼吸導管16など、患者呼吸導管に接続するマニホールド内に位置付けることができる。
【0070】
NIVマスク内のまたは患者呼吸導管の一部分に沿った圧力センサなど、患者端部付近または患者端部に配置された圧力センサからの測定値は、上述された式のいくつかを用いた患者へ送られる圧力の制御を可能にすることができる。具体的には、式k
mω
2=k
cQ
2+RQ
2における圧力項RQ
2を圧力センサ読み値Pによって置換することができ、次式に達する。
【数12】
【0071】
この式のために、システムの動作が急速に変化しないため、Q/ωがほぼ一定であると仮定することができる。この式は、式の両辺に項(Q/ω)
2を乗算することによってさらに整理し直すことができ、圧力センサ読み値Pおよび/またはシステムのフローQがどのようにモータ速度ωに影響を与えることができるかをより明確に示す表現に達する。
【数13】
【0072】
この式に基づいて、モータ速度を制御することによってシステムの所望の圧力を達成することができる。システムの所望または所定の圧力が既知である場合、所望または所定の圧力を達成するために必要とされるモータ速度を算出することができる。次に、コントローラは、密閉呼吸システムにおけるモータ速度を調整することによってシステムの圧力を制御することができる。
【0073】
呼吸サイクルの増強
患者の呼吸サイクルが決定されると、送風機モータへの制御信号は、患者の呼吸をより良好に補助するために、決定された呼吸サイクルに基づいて調整され得る。例えば、フロー療法装置は、患者が吸息している間に空気フローを増大させる一方、患者が呼息している間にフローを減少させることにより、患者の呼吸サイクルを補助し得る。
【0074】
図6Aは、フロー療法装置のための呼吸サイクルの増強を行うための例示的なシステムのブロック図を示す。
図6Aに示されるように、患者602がフロー療法装置604に接続される。呼吸システム装置604は、空気フローを患者602へ提供するために用いられ得る送風機モータ606または他の種類のフロー発生器を含む。
【0075】
フロー療法装置604の動作中、患者602の呼吸サイクルに基づいて送風機モータ406への制御信号を調整するために複数の測定値が取得され、制御信号フィードバックモジュール610へ送信され得る。例えば、送風機モータ406のパラメータは、モータ速度および/またはシステム圧力を測定するために用いられ得る。空気フローの流量は、1つ以上のフローセンサ608を用いて監視され得る。フローセンサ408は、加熱温度感知要素および超音波センサ組立体などの2つ以上の異なる種類のセンサを含み得る。加えて、圧力センサ(図示されていない)などの1つ以上の追加のセンサは、1つ以上の追加の測定値(例えば、圧力)を測定するために用いられ得る。
【0076】
複数の測定値(例えば、モータ速度、流量、および/または同様のもの)は、呼吸サイクル検出モジュール612において患者の呼吸サイクルを決定するために用いられ得る。決定された呼吸サイクルは、交番波形(例えば、実質的に正弦波状の波形)の形態のものであり得る。
【0077】
患者の呼吸サイクルが決定されると、それは、送風機モータ606への制御信号を調整するために用いられ得る。例えば、呼吸サイクル検出モジュール612からの算出された呼吸サイクル波形は、正のフィードバック614および/または負のフィードバック616を受け得る。正のフィードバック614および負のフィードバック616の両方は、算出された呼吸サイクルに基づいて行われ、618において組み合わされて送風機モータ602のための制御信号を発生させ得る。
【0078】
正のフィードバック614は、患者が呼息するのに従ってモータ速度を落とし、および/または患者が吸息するのに従ってモータ速度を増大させることにより、患者の呼吸サイクル中に患者と連動するように機能することができる。患者の吸息/呼息の決定された大きさに基づいて、送風機モータ406の速度を制御する制御信号の大きさを増大/減少させるために1つ以上のスケーリングパラメータが用いられ得る。例えば、送風機モータ制御信号のための正のフィードバックは、次式のように表され得る。
【数14】
ここで、ωは、モータ速度に対応し、Rは、患者の制約に対応し、
【数15】
は、それらの平均またはベースライン値に対応し、k
pは、正のフィードバックパラメータに対応する。
【0079】
他方では、負のフィードバック616は、患者が吸息または呼息するのに従った制御信号の変更を抑制することにより、患者の呼吸サイクルに提供される正のフィードバックを制限するために用いられ得る。例えば、患者が吸息するのに従って、送風機モータのモータ速度は、患者の吸気の大きさが増大するにもかかわらず、特定の限度までのみ増大され得る。負のフィードバック616は、任意選択的に、患者の吸息または呼息の大きさが閾値レベルを超えたときにのみ用いられ得る。負のフィードバックは、吸気中に提供されるが、呼気中に提供されないかまたはその逆であり得る。
【0080】
負のフィードバックは、制御信号に適用される正のフィードバックを特定の限界に制限することを含み得る。負のフィードバックは、次式などの明示的な項を含み得る。
【数16】
ここで、負のフィードバックパラメータk
nおよびNは、負のフィードバックが、制約の逸脱
【数17】
が低い(例えば、0に近い)ときには無視できるが、逸脱が増大するにつれて正のフィードバックを支配し始めるように設定される。正または負のフィードバックの量(例えば、正および負のフィードバックパラメータk
pおよびk
nの値)は、患者の呼吸サイクル(例えば、患者が吸息しているか、それとも呼息しているか)に基づいて調整され得る。
【0081】
図7は、患者の呼吸サイクルを補助するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。ブロック702において、制御信号を用いて、フロー療法装置に関連付けられた送風機モータを駆動する。
【0082】
ブロック704において、患者の呼吸サイクルを検出する。患者の呼吸サイクルを検出することは、流量測定値、モータ速度測定値、圧力測定値、および/または同様のものなど、1つ以上のセンサからの複数の測定値を受信することを含み得る。受信した測定値は、例えば、上述された技法の任意のものを用いて患者の呼吸サイクルを決定するために用いられ得る。
【0083】
ブロック706において、患者が現在吸息しているか、それとも呼息しているかに関する決定を行う。患者が吸息している場合、次にブロック708において、モータへの制御信号を、患者への空気フローを増大させるように変更することができ、吸気の間に患者によって行われるために必要とされる呼吸仕事量を潜在的に低減する。呼吸仕事量は、増大された空気フローのために低減され得る。他方では、患者が呼息している場合、次にブロック710において、モータへの制御信号を、患者への空気フローを減少させるように変更することができる。これは、患者が、到来する空気フローに息を吹き込む必要がなくなるために呼気中における呼吸仕事量を低下させるため、患者にとって有益であり得る。加えて、患者の呼息ガスとカニューレからの到来ガスとの間の衝突によって生じる騒音が低減され得る。患者の吸気/呼気に基づいて空気フローを調整し得ることで、ハイフロー呼吸療法の効果が高められ得る。例えば、患者が、呼気中に到来する空気フローへ息を吹き込む必要がなくなるため、実質的により高い流量を(例えば、吸気の間に)送ることができ、より大きい死腔洗浄および/またはCO2洗い流しを提供する。
【0084】
空気フローの増大または減少量は患者による吸気/呼気の大きさに基づき得る。制御信号を調整するために正および負のフィードバックの組み合わせを用いることができる。例えば、正のフィードバックは、患者の吸気/呼気の大きさに基づいて、患者が吸息しているときにはモータ速度を増大させ、患者が呼息しているときにはモータ速度を減少させることにより、患者の呼吸を補助するために用いることができる一方、負のフィードバックは、モータ制御信号に適用される正のフィードバックを限度内にとどめるかまたは軽減するために用いることができる。次に、プロセスは、ブロック702へ戻り得、ブロック702において、更新された制御信号を用いてモータを駆動し、患者の呼吸サイクルを引き続き監視する。
【0085】
図7は、患者の呼吸サイクルの吸気位相および呼気位相の両方中にフィードバックが実施される様子を示しているが、上述されたように、正または負のフィードバックパラメータは、患者が呼吸サイクルのいずれにいるか(例えば、患者が吸息しているか、それとも呼息しているか)に少なくとも部分的に基づいて調整され得る。例えば、正のフィードバックは、吸気中に実施されるが、呼気中に実施されなくてもよい。例えば、呼気時に「口すぼめ呼吸」を使って呼吸する際の患者の仕事量を低下させることを試みる患者は、吸気中、流量を増大させるための正のフィードバックを用いて補助される恩恵を受け得るが、呼気中には流量を減少させるための正のフィードバックがない。呼気中に正のフィードバックを実施しないことにより、呼気圧力および呼気時間を増大させることができ、これは、特定の患者にとって有益であり得る。
【0086】
位相変位された制御ループ
患者の呼吸を補助するために送風機モータを駆動するための制御信号は、制御信号を患者の呼吸サイクルと同期させる、患者の感知された呼吸サイクルとの位相ロックループとなるように構成することができる。
【0087】
図6Bは、フロー療法装置のための位相ロック制御ループを実施するためのシステムのブロック図を示す。
図6Bに示されるように、患者602は、
図6Aに示されるのと同様に、フロー療法装置404に接続される。送風機モータ606は、受信された制御信号に従って空気フローを患者602へ供給するように構成される。送風機モータ606を制御する制御信号は、初期周期波形(例えば、省略時波形または1つ以上の患者測定値に基づく波形)を含み得る。
【0088】
送風機モータ606およびフローセンサ608は、モータ速度および流量をそれぞれ測定するように構成され得る。モータ速度および流量は、制御信号フィードバックモジュール610によって受信され得る。そこで、患者の呼吸サイクルが呼吸サイクル検出モジュール612において決定され得る。呼吸サイクルは、波形を含み得る。
【0089】
決定された呼吸サイクルを用いて、患者の呼吸サイクル波形の位相620が決定され、適用制御信号波形624の位相626と比較され、適用制御信号波形624の位相を更新する位相ロック制御ループ622内へ入る。そのため、適用制御信号波形624の位相と呼吸サイクル波形との間の誤差を反復的に低減することができ、適用制御信号波形624を患者の呼吸サイクルに同相に実質的に整合させる。例えば、
図8は、患者の呼吸サイクル波形802および制御信号波形804の例示的なチャートを示す。制御信号804の位相は、位相不整合806を決定するために呼吸サイクル802のものと比較される。制御信号804の位相は、反復的に更新することができ、それにより、制御信号および呼吸サイクルの位相が実質的に同期される(例えば、位相不整合806を低減する)。制御信号の位相は、位相不整合が閾値量(例えば、設定時間、位相比率、および/または同様のもの)以内になるまで反復的に更新され得る。
【0090】
加えて、制御信号は、位相変位された適用波形628を生成するために位相変位される。制御信号波形は、送風機モータへの信号と、結果として生じたフローを患者が受け取ることとの間の遅延を補償するために位相変位される。波形は、患者の呼吸サイクルを先取りするために位相変位され得る。例えば、制御信号は、患者が吸息し始める前に送風機モータの速度を若干増大させ、患者が呼息し始める前に送風機モータの速度を若干減少させるように構成され得る。これは、厳密に反応的なシステムではなく、予測的なシステムをもたらし、それにより、それは、患者が吸息および呼息するのに従うより快適な呼吸の移行を可能にする。
【0091】
図9は、送風機モータの制御信号を、患者の感知された呼吸サイクルとの位相ロックループとして実施するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。ブロック902において、制御信号を用いて、フロー療法装置に関連付けられた送風機モータを駆動する。
【0092】
ブロック904において、患者の呼吸サイクルを検出する。患者の呼吸サイクルを検出することは、流量測定値、モータ速度測定値、圧力測定値、および/または同様のものなど、1つ以上のセンサからの複数の測定値を受信することを含み得る。受信した測定値は、例えば、上述された技法の任意のものを用いて患者の呼吸サイクルを決定するために用いられ得る。加えて、決定された呼吸サイクルに基づいて呼吸数または頻度が算出され得る。
【0093】
コントローラは、多数の方法で呼吸数を推定することができる。コントローラは、コントローラが最初に始動したとき、および/またはコントローラが作動しているときに呼吸数を推定することができる。呼吸数は、本明細書に記載される種類の任意のものの呼吸信号のゼロ交差を数えることによって推定することができる。呼吸数は、呼吸信号の高速フーリエ変換(FFT)を取り、優位周波数を探すことによって推定することができる。呼吸数は、呼吸信号の自己相関のゼロ交差またはピークを見つけることによって推定することができる。
【0094】
自己相関は、遅延の関数としての、信号とそれ自体の遅延されたコピーとの比較であり得る。自己相関は、例えば、ノイズによる、信号の生波形内に隠された繰り返しパターンを明らかにすることができる。具体的には、
図14Aに示されるものなど、時間に対する、システムによって測定された患者の生の流量読み値のプロットを、
図14Bに示されるものなど、自己相関させることができる。自己相関のピークを識別することができる。ピークは、推定された呼吸サイクルで存在することができ、推定された呼吸サイクルを、呼吸数としても知られる患者の呼吸数を推定するために用いることができる。呼吸サイクルはまた、自己相関のゼロ交差を識別することによって決定することもできる。自己相関、特に最初の数サイクルは、生の呼吸信号波形に直接取り組むときよりもノイズに強い呼吸サイクルの推定をもたらすことができる。これは、生波形上ではノイズのためにエッジ検出が不安定になり得るためである。
【0095】
送風機モータの制御信号を位相ロックループとして実施するために呼吸数または頻度を決定することを促進することに加えて、自己相関から抽出された呼吸数情報は、コンプライアンス情報を提供するために用いることができる。例えば、抽出された呼吸数情報は、患者がシステムを正しく使用しているかどうかを指示することができる。抽出された呼吸数情報は、呼吸仕事量を指示することができる。
【0096】
ブロック906において、制御信号の位相が、感知されたサイクルの位相と整合するかどうかに関する決定が行われる。この決定は、制御信号の位相が、感知された患者の呼吸サイクルの位相の閾値量または比率以内にある場合に満足され得る。制御信号と感知された患者波形との間の位相差は、呼吸数を推定するために上述されたのと同様の方法で決定することができる。例えば、コントローラは、制御信号と感知された患者波形との間の相互相関を行い、相互相関におけるピークを探すことができる。ピークは、2つの波形の間の時間遅延においてまたは実質的にその時間遅延において生じ得る。
【0097】
制御信号位相が、感知されたサイクルのものと整合しないと決定された場合、次にブロック908において、制御信号の位相を、感知されたサイクルのものと整合するように反復的に調整する。制御信号の位相は、所定の量、所定の比率、制御信号の位相と感知されたサイクルの位相との差に基づく比率もしくは量、および/または同様のものの分だけ調整され得る。次に、プロセスは、ブロック902へ戻り得、ブロック902において、モータを制御信号によって引き続き駆動し得、患者の呼吸サイクルを引き続き監視し得る。
【0098】
制御信号の振幅は、1つ以上の正のフィードバックまたは負のフィードバックパラメータに基づき得る。例えば、患者の吸気または呼気の大きさが測定され、正および負のフィードバックパラメータを用いて制御信号波形の振幅を決定するために用いられ得る。
【0099】
位相ロックループを実施することにより、制御信号と患者の呼吸サイクルとの間の同期性を達成することができ、患者が吸息および呼息するのに従ったより快適な呼吸移行を可能にする。非同期性が疑われる場合、正のフィードバックは、低減または解消され得る。このような場合、制御信号は、フローのピークを低減するかまたはフローを実質的に一定にするように構成され得る。ここで、一定の流量は、正のフィードバックが実施されるときの流量よりも低い。正のフィードバックの低減または解消は、制御信号に対する正のフィードバックに起因する患者への潜在的不快感を低減または解消することができる。制御信号と患者の呼吸サイクルとの間の同期性が再確立されると、正のフィードバックは、再開されるかまたは増大され得る。
【0100】
制御信号波形は、同期が得られるに従って徐々に導入され得る。例えば、患者の呼吸サイクルと若干位相がずれた制御信号波形が患者に対して過度の不快感を生じさせることがないよう、制御信号波形の振幅は、より低い値で開始し得る。同期が得られるに従って制御信号波形の振幅が増大され得る。
【0101】
制御信号波形は、患者の呼吸サイクルに対する目標位相差を達成するように構成することができる。例えば、制御信号波形は、システム遅延を補償するためにまたは患者の呼吸サイクルを先取りするために、呼吸サイクルに対して目標量だけ位相変位され得る。これらの実装形態は、以下においてより詳細に説明される。
【0102】
制御信号が送風機モータへ送られたときと、送風機モータによって生成された結果として生じた空気フローを感知することができたときとの間には、(例えば、慣性によるモータの加速もしくは減速の遅延、感知における遅延、および/または同様のものに起因する)遅延が存在する場合があり、これは、以下においてシステム遅延と呼ばれる。制御信号は、このシステム遅延を補償するために位相変位され得る。
図10は、システム遅延を補償するために制御信号を位相変位させるための例示的なプロセスのフローチャートを示す。ブロック1002において、制御信号を用いて、フロー療法装置に関連付けられた送風機モータを駆動する。
【0103】
ブロック1004において、送風機モータからの結果として生じたフローが1つ以上のセンサを用いて感知され得る。1つ以上のセンサは、加熱温度感知要素、超音波センサ、および/または同様のものを含み得る。測定されたフローに基づいて、制御信号が送風機モータによって受信されたときと、結果として生じた流量が感知されたときとの間のシステム遅延が決定される。
【0104】
ブロック1006において、決定されたシステム遅延に基づいて制御信号を調整する。例えば、
図11は、システム遅延を補償するために制御信号を更新することを示すチャートを示す。制御信号1102がモータによって受信されたときと、結果として生じたフロー1104が患者によって受け取られたときとの間のシステム遅延1106が測定される。次に、制御信号は、遅延1106を補償するために、位相変位された制御信号1108を形成するように位相変位され得る。
【0105】
制御波形は、それが、感知された呼吸サイクル波形を先取りするようにさらに変位され得る。
図12は、患者の呼吸サイクル波形を先取りするために、位相変位された制御信号を構成するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。ブロック1202において、制御信号を用いて、フロー療法装置に関連付けられた送風機モータを駆動する。
【0106】
ブロック1204において、患者の呼吸サイクルを検出する。患者の呼吸サイクルを検出することは、流量測定値、モータ速度測定値、圧力測定値、および/または同様のものなど、1つ以上のセンサからの複数の測定値を受信することを含み得る。受信した測定値は、例えば、上述された技法の任意のものを用いて患者の呼吸サイクルを決定するために用いられ得る。
【0107】
ブロック1206において、制御信号の位相を呼吸サイクルのものと整合し得る。これは、
図8および/または
図9を参照して上述されたものなどの反復プロセスを含み得る。
【0108】
ブロック1208において、患者の呼吸サイクルを分析し、患者がいつ吸息または呼息しているかを識別する。例えば、
図13は、患者の呼吸サイクル1302および位相変位された制御信号1304の例示的なチャートを示す。
図13に示されるように、患者は、1306において、患者の呼吸サイクル波形のピーク付近で(例えば、ピークの直後に)呼息を開始し、1308において、呼吸サイクル波形の谷付近で(例えば、谷の直後に)吸息を始めると推測され得る。
【0109】
図12に戻ると、ブロック1210において、患者の呼吸サイクルに基づいて制御信号の位相を変位させる。例えば、制御信号の位相は、制御信号が呼吸サイクルのものに、設定された位相または時間量だけ先行するように変位され得る。例えば、
図13に示されるように、制御波形は、患者が呼息を開始する前にモータが速度の減少を開始するように、かつ患者が吸息を開始する前に速度の増大を始めるように変位され得る。
【0110】
制御波形は、様々な既定の形状から選択され、1つ以上の呼吸パラメータ(例えば、呼吸サイクル波形の振幅)に基づいて変更され得る。制御波形は、感知された呼吸波形に基づいて動的に作成され得る。
【0111】
文脈が別途明確に要求しない限り、説明および請求項全体を通じて、単語「含む」、「含んでいる」および同様のものは、排他的または網羅的意味とは対照的に、包括的な意味において、すなわち「限定するものではないが含む」の意味において解釈されるべきである。
【0112】
用語「約」は、本明細書において、標準的な測定精度以内を意味するために用いられる。
【0113】
本明細書における任意の従来技術への言及は、世界のいずれの国においても、従来技術が努力傾注分野における共通の一般知識の一部をなすとの認知または任意の形の示唆とはならず、そのように見なされてはならない。
【0114】
また、本開示の装置およびシステムは、本出願の明細書において言及または指示される部分、要素および特徴を、前記部分、要素または特徴の2つ以上の任意または全ての組み合わせにおいて個々にまたは集合的に含むと広く言われ得る。
【0115】
上述の説明において、既知の均等物を有する完全体または構成要素に言及された場合、それらの完全体は、あたかも個々に説明されたかのように本明細書に組み込まれる。
【0116】
本明細書に記載されるアルゴリズム、方法、またはプロセスの任意のものの特定の動作、イベント、または機能は、異なる順序で実施することができ、追加するか、併合するか、または完全に省略することができる(例えば、説明された動作またはイベントが全てアルゴリズムの実施のために必要であるとは限らない)。さらに、動作またはイベントは、順次ではなく、例えばマルチスレッド処理、割込み処理、または複数のプロセッサもしくはプロセッサコアを通じて、あるいは他の並列アーキテクチャ上で同時に実施することができる。
【0117】
当業者には、本明細書における本開示に基づく様々な変更形態および修正形態が明らかであろうことに留意されたい。このような変更形態および修正形態は、本開示の装置およびシステムの趣旨および範囲から逸脱することなく、かつその付随する利点を減じることなくなされ得る。例えば、様々な構成要素が必要に応じて再配置され得る。したがって、このような変更形態および修正形態は、本開示の装置およびシステムの範囲内に含まれることが意図される。さらに、本開示の装置およびシステムを実施するために、特徴、態様および利点の全てが必ずしも必要とされるわけではない。したがって、本開示の装置およびシステムの範囲は、添付の請求項によってのみ定義されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸システムにおいて呼吸療法を実施するための方法であって、
制御信号を用いて送風機モータを駆動することであって、前記送風機モータは、患者への空気フローを発生させるように構成される、駆動することと、
前記患者の呼吸サイクルを検出することであって、
少なくとも1つのフローセンサからの1つ以上のフロー測定値を含む第1のセンサ入力を受信すること、
少なくとも1つの圧力センサからの1つ以上の圧力測定値または前記送風機モータに関連付けられた1つ以上のモータ速度測定値を含む第2のセンサ入力を受信すること、
少なくとも前記受信された1つ以上のフロー測定値を用いて呼吸サイクル波形を発生させることであって、前記呼吸サイクル波形は、前記患者による複数の交互の吸気および呼気期間を含む、発生させること
による、検出することと、
前記制御信号を前記呼吸サイクルと同期させることであって、
前記呼吸サイクル波形の位相を識別すること、および
前記制御信号と前記呼吸サイクル波形との間の規定の位相差を達成するために前記制御信号の位相を反復的に更新することであって、それにより、前記制御信号は、前記患者の吸気および呼気に基づいて前記送風機モータの速度を調整するように構成される、更新すること
による、同期させることと
を含む方法。
【外国語明細書】