(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026494
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】表示制御装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
G01C21/26 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023217863
(22)【出願日】2023-12-25
(62)【分割の表示】P 2022169876の分割
【原出願日】2013-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500403929
【氏名又は名称】パイオニアシステムテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】河村 宙
(72)【発明者】
【氏名】小川 喬人
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 徹練
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇治
(72)【発明者】
【氏名】賀田 寛夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭裕
(57)【要約】
【課題】実際に立ち寄れる施設を明示しつつ、その帰り道に立ち寄ることが可能な施設の情報を提示する表示制御装置を提供する。
【解決手段】表示制御装置は、取得部と、表示制御部とを備える。取得部は、移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する。表示制御部は、第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる。このとき、表示制御部は、第1施設情報を第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する取得部と、
前記第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、
前記第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、前記第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記第1施設情報を前記第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させることを特徴とする表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に関する情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車に搭載されるナビゲーション装置などにおいて、施設に関する情報を記憶部から検索して表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、パーキングエリアやサービスエリアなどの高速道路施設の一覧画面を表示したのち、「進行方向で絞込み」ボタンが操作された際には、高速道路の路線の自車の進行方向側の区間に接続する施設のみに絞り込んで表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の表示方法によれば、進行方向に存在する施設のみを表示することが可能である。一方、特許文献1に記載の表示方法では、往路を走行中に、その帰り道に立ち寄ることが可能な施設については、前もってユーザが知ることができない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、実際に立ち寄れる施設を明示しつつ、その帰り道に立ち寄ることが可能な施設の情報を提示することが可能な表示制御装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、表示制御装置であって、移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する取得部と、前記第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、前記第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、前記第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記第1施設情報を前記第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させることを特徴とする。
【0007】
また、請求項に記載の発明は、表示制御装置が実行する制御方法であって、移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する取得工程と、前記第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、前記第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、前記第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる表示制御工程と、を有し、前記表示制御工程では、前記表示制御装置は、前記第1施設情報を前記第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータが実行するプログラムであって、移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する取得手段と、前記第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、前記第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、前記第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記表示制御手段は、前記第1施設情報を前記第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】高速道路の走行時における本実施形態に基づくディスプレイの表示例を示す。
【
図5】案内ルートに基づき施設情報を表示した第1表示例を示す。
【
図7】案内ルートに基づき施設情報を表示した第2表示例を示す。
【
図8】案内ルートに基づき施設情報を表示した第2表示例を示す。
【
図10】案内ルートに基づき施設情報を表示した第3表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好適な実施形態によれば、表示制御装置は、移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する取得部と、前記第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、前記第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、前記第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記第1施設情報を前記第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させる。
【0011】
上記表示制御装置は、取得部と、表示制御部とを備える。取得部は、移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する。表示制御部は、第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる。ここで、「名称」とは、「上り」、「下り」などの方向に関する文言を除いた部分を指す。このとき、表示制御部は、第1施設情報を第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させる。これにより、表示制御装置は、実際に立ち寄れる第1施設の施設情報を明示しつつ、その帰り道に立ち寄ることが可能な第2施設の施設情報を好適にユーザに視認させることができる。
【0012】
上記表示制御装置の一態様では、前記第1道路および前記第2道路は、高速道路であり、前記第1施設情報および前記第2施設情報は、サービスエリアとパーキングエリアとが含まれる。このように、高速道路の走行中にサービスエリア又はパーキングエリアの施設情報を表示する場合に、本発明は好適に適用される。
【0013】
上記表示制御装置の他の一態様では、前記第1方向に関する情報は、前記移動体の目的地までの経路情報であり、前記表示制御部は、前記表示部に地図情報および前記経路情報を更に表示させ、前記第1施設情報と前記第2施設情報を前記経路情報に対応付けた表示態様で前記表示部に表示させる。これにより、表示制御装置は、目的地までの経路を勘案して第1及び第2施設情報を好適に表示することができる。
【0014】
上記表示制御装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記移動体の目的地までの経路が前記第1道路を含む場合、前記第1施設情報を前記第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させる。これにより、表示制御装置は、目的地までの経路上に第1施設が隣接する場合に限り、第1施設情報を強調表示してユーザに好適に認識させることができる。
【0015】
上記表示制御装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記移動体の目的地までの経路が前記第1道路を含む場合、前記第1施設情報と前記第2施設情報とを示す画像を、前記第1施設の位置に相当する位置に対応付けて前記表示部に表示させる。ここで、「第1施設の位置に相当する位置」は、第1施設の位置の他、第1施設に接続する道路の入り口なども含む。この態様により、表示制御装置は、第1施設と第2施設とが離れている場合であっても、立ち寄り可能な第1施設の位置を基準として第1及び第2施設情報を好適に表示することができる。
【0016】
上記表示制御装置の他の一態様では、前記表示制御部は、複数の施設名称に対応する前記第1施設情報と前記第2施設情報とを示す画像を表示すべき場合であって、当該画像の表示すべき位置が重なる場合、目的地までの経路に隣接する施設に対応する前記画像を優先して前記表示部に表示させる。この態様により、表示制御装置は、走行すべき経路に隣接した施設の施設情報を優先して表示することができる。
【0017】
本発明の他の実施形態によれば、表示制御装置が実行する制御方法であって、移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する取得工程と、前記第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、前記第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、前記第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる表示制御工程と、を有し、前記表示制御工程では、前記表示制御装置は、前記第1施設情報を前記第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させる。表示制御装置は、この制御方法を実行することで、実際に立ち寄れる第1施設の施設情報を明示しつつ、その帰り道に立ち寄ることが可能な第2施設の施設情報を好適にユーザに視認させることができる。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態では、コンピュータが実行するプログラムであって、移動体の進行方向である第1方向に関する情報を取得する取得手段と、前記第1方向に移動するための第1道路に隣接する第1施設に関する第1施設情報と、前記第1方向とは逆の方向に移動するための第2道路に隣接し、前記第1施設と同一名称である第2施設に関する情報である第2施設情報と、を対応付けて表示部に表示させる表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記表示制御手段は、前記第1施設情報を前記第2施設情報よりも強調した表示態様で表示させる。コンピュータは、このプログラムを実行することで、実際に立ち寄れる第1施設の施設情報を明示しつつ、その帰り道に立ち寄ることが可能な第2施設の施設情報を好適にユーザに視認させることができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0020】
[全体構成]
図1は、本発明に係る表示制御装置が適用された端末装置100の正面図を示す。端末装置100は、利用者が持ち運び可能な携帯型端末であって、タッチパネル120が積層されたディスプレイ110を有する。端末装置100は、歩行者や車両等を対象にして、指定された目的地への経路案内を行う。
【0021】
図2は、端末装置100の概略構成を示す。
図2に示すように、端末装置100は、出力部11と、入力部12と、記憶部13と、通信部14と、GPS受信機16と、制御部17とを備える。端末装置100の各要素は、バス10を介して相互に接続され、各要素間で必要な情報が伝送可能なように構成されている。
【0022】
出力部11は、ディスプレイ110や音声を出力するスピーカ111などを備え、制御部17の制御に基づき、端末装置100の利用者の操作に応答するための情報を出力する。入力部12は、タッチパネル120を備え、端末装置100に対して端末利用者が行う必要な命令や情報の入力、即ち操作を受け付けるインタフェースである。例えば、入力部12は、目的地を指定する入力や、経路探索の条件を指定する入力などを受け付ける。なお、入力部12は、タッチパネル120に加え、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、音声入力装置等を有してもよい。
【0023】
記憶部13は、端末装置100の動作を制御するためのプログラムを保存したり、端末装置100の動作に必要な情報を保持したりする。例えば、記憶部13は、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。地図データは、道路に相当するリンクと、道路の接続部分(交差点)に相当するノードとにより表された道路データや、各施設に関する施設情報などを含む。
【0024】
通信部14は、所定のプロトコルに従い、他の装置とデータの送受信を行う。例えば、通信部14は、制御部17の制御に基づき、インターネット等のネットワークを介してサーバ装置からディスプレイ110に表示させる画面情報等を受信する。GPS受信機16は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波を受信することで、端末装置100の現在位置の情報を生成し、制御部17に送信する。
【0025】
制御部17は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備え、端末装置100内の各構成要素に対して種々の制御を行う。
【0026】
例えば、制御部17は、入力部12により目的地を指定する入力を受け付け、指定された目的地までのルート(「案内ルート」とも呼ぶ。)を設定する。そして、制御部17は、現在位置を基点として地図を表示しつつ、案内ルートに基づく経路案内を行う。
【0027】
また、制御部17は、高速道路の走行時に、サービスエリア又はパーキングエリア(これらを総称して「SA/PA」とも呼ぶ。)の施設情報を、当該施設の位置と対応付けて表示する。このとき、制御部17は、上り車線及び下り車線ごとに設けられた同一名称のSA/PA(「方向別SA/PA」とも呼ぶ。)の施設情報を、名称ごとにまとめて表示する。制御部17は、本発明における「取得部」、「表示制御部」、及び「コンピュータ」の一例である。
【0028】
なお、端末装置100は、
図2に示す各構成要素に加え、加速度センサ、角速度センサ及び距離センサなどの種々の自立測位装置を備えてもよい。
【0029】
[施設情報表示]
次に、本実施形態において、制御部17が実行する方向別SA/PAの施設情報の表示方法について詳しく説明する。
【0030】
(1)走行車線に応じた強調表示
概略的には、制御部17は、同一名称の方向別SA/PAの施設情報をまとめて表示する際、走行車線に隣接する方向別SA/PAの施設情報を強調表示する。これにより、制御部17は、現在の走行車線から立ち寄ることが可能な方向別SA/PAの施設情報を、ユーザに好適に把握させる。
【0031】
図3は、高速道路の走行時における本実施形態に基づくディスプレイ110の表示例を示す。
図3は、便宜上、下り方向の車線及び上り方向の車線をまとめて道路20として表示している。
【0032】
図3の例では、制御部17は、上り車線及び下り車線のそれぞれに方向別SA/PAが設けられたパーキングエリア「○○PA」の施設情報を表示した吹き出し22Aを、パーキングエリア「○○PA」の位置に対応付けてディスプレイ110上に表示させている。そして、制御部17は、吹き出し22A内において、上り車線に対応する方向別SA/PAに存在するレストランなどの各施設を表す施設マーク25を上段に表示し、下り車線に対応する方向別SA/PAに存在する施設を表す施設マーク25を下段に表示している。
【0033】
ここで、制御部17は、車両が下り車線を走行中であることを認識し、下り車線に対応する施設マーク25を囲む強調枠26Aと、下り車線に対応する施設マーク25を指し示すポインタ26Bとを表示させている。これにより、制御部17は、下り車線に対応する施設マーク25を強調表示し、下り車線用のパーキングエリア「○○PA」内に存在する施設をユーザに好適に認識させることができる。なお、制御部17は、例えば、GPS受信機16から時系列により得られる位置情報に基づき、道路20の下り車線を走行中であると認識してもよく、案内ルートが設定されていた場合には案内ルートが道路20の下り車線を含むことを検知することで、車両が道路20の下り車線を走行中であると認識してもよい。さらに、制御部17は、吹き出し22A上に、パーキングエリア「○○PA」への到着予想時刻を示す到着予想時刻表示24を表示している。
【0034】
また、制御部17は、パーキングエリア「○×PA」の施設情報を表示する吹き出し22Bを表示すべき位置が吹き出し22Aの表示位置と重なることから、表示の煩雑化防止のため、現在位置から遠い位置に存在するパーキングエリア「○×PA」に対応する吹き出し22Bを非表示にしている。このように、制御部17は、SA/PAの施設情報を示す吹き出しが重なる場合、表示の煩雑化防止のため、自車位置から最も近い方の施設情報を示す吹き出しのみを表示する。なお、「(2)案内ルートに基づく表示」のセクションで述べるように、案内ルートが設定されている場合には、制御部17は、案内ルートも考慮して吹き出しの表示優先度を定める。
【0035】
図4は、強調枠26A及びポインタ26Bを表示しない比較例に係るディスプレイ110の表示例を示す。この比較例では、強調枠26A及びポインタ26Bが表示されていないことから、現在走行中の車線が上り車線であるか下り車線であるかをユーザが判断し、下り車線用のパーキングエリア「○○PA」に立ち寄った際に利用可能な施設を認識する必要がある。即ち、この場合、ユーザは、吹き出し22A中の上段の施設マーク25が示す施設と、下段の施設マーク25が示す施設とのいずれが、下り車線用のパーキングエリア「○○PA」に立ち寄った際に利用できるのかが瞬時に判断しづらい。
【0036】
以上を勘案し、本実施形態では、制御部17は、走行車線に対応する方向別SA/PAの施設マーク25を強調表示する。これにより、立ち寄り可能な方向別SA/PAで利用可能な施設やサービスを、ユーザに的確に認識させることができる。なお、
図3の例において、下り方面は、本発明における「第1方向」の一例であり、道路20の下り車線は、本発明における「第1道路」の一例であり、下り車線用のパーキングエリア「○○PA」は、本発明における「第1施設」の一例であり、吹き出し22A中の下段の施設マーク25は、本発明における「第1施設情報」の一例である。さらに、道路20の上り車線は、本発明における「第2道路」の一例であり、上り車線用のパーキングエリア「○○PA」は、本発明における「第2施設」の一例であり、吹き出し22A中の上段の施設マーク25は、本発明における「第2施設情報」の一例である。
【0037】
(2)案内ルートに基づく表示
制御部17は、案内ルートに基づき、吹き出しと対応付ける位置の決定、優先表示すべき吹き出しの決定、及び強調表示の有無の決定を行う。これにより、制御部17は、車両の走行状態に即して施設情報を適切に表示する。以下では、その具体例である第1~第3表示例について、
図5~
図10を参照して説明する。
【0038】
図5は、案内ルートに基づき施設情報を表示した第1表示例を示す。
図5の例では、現在位置マーク21が存在する案内ルート上の道路20Cと、道路20Cと略同一方向に延在する道路20Dとが表示されている。なお、道路20C、20Dは、それぞれ上下車線を含むものとする。そして、案内ルート上の道路20Cの上下車線には、方向別SA/PAであるパーキングエリア「△△PA」がそれぞれ隣接し、道路20Dの上下車線には、パーキングエリア「△△PA」よりも現在位置から近い位置に、方向別SA/PAであるパーキングエリア「×○PA」がそれぞれ隣接する。また、道路20Cには、案内ルートであることを示す太線(即ち経路情報)が重ねて表示されている。
【0039】
図5の例では、パーキングエリア「△△PA」の施設情報を表示する吹き出し22Cを表示すべき位置と、パーキングエリア「×○PA」の施設情報を表示する吹き出し22Dを表示すべき位置とが重複している。この場合、制御部17は、案内ルート上の道路20Aに隣接するパーキングエリア「△△PA」の施設情報を表示する吹き出し22Cを優先して表示するため、吹き出し22Dを非表示にする。このように、制御部17は、案内ルートが設定されている場合には、自車位置と施設情報の表示対象となる施設との距離に関わらず、案内ルート上の道路に隣接する施設の施設情報を優先的に表示する。
【0040】
図6は、第1表示例の比較例に相当する表示例を示す。
図6に示す比較例では、制御部17は、案内ルートに関わらず自車位置からの距離に基づき優先表示すべき吹き出しを決定している。この場合、パーキングエリア「△△PA」は、パーキングエリア「×○PA」よりも現在位置から遠くに存在するため、制御部17は、案内ルート上の道路20Cと隣接していないパーキングエリア「×○PA」に対応する吹き出し22Dを優先的に表示し、吹き出し22Cを非表示にしている。この場合、実質的に立ち寄ることができないパーキングエリア「×○PA」の施設情報が優先表示されることにより、利便性が損なわれる結果となる。
【0041】
以上を勘案し、
図5に示す第1表示例では、制御部17は、案内ルート上の道路20Cに隣接するSA/PAの施設情報を優先的に表示することで、立ち寄る可能性があるSA/PAの施設情報をユーザに好適に把握させることができる。
【0042】
図7は、案内ルートに基づき施設情報を表示した第2表示例を示す。
図7は、上下線共に右ルート(道路20E、20F)及び左ルート(道路20G、20H)が存在し、上り車線用のパーキングエリア「××PA」が左ルートにだけ存在し、下り車線用のパーキングエリア「××PA」が右ルートにだけ存在する例を示す。また、道路20Fには、案内ルートであることを示す太線(即ち経路情報)が重ねて表示されている。
【0043】
図7の例では、制御部17は、
図3~
図6の例と同様、上り車線用パーキングエリア「××PA」に存在する施設を示す施設マーク25と、下り車線用パーキングエリア「××PA」に存在する施設を示す施設マーク25とを、上段及び下段に並べた吹き出し22Fを表示する。この場合、制御部17は、案内ルート上の道路20Fに隣接する下り車線用パーキングエリア「××PA」の位置と対応付けて吹き出し22Fを表示させる。このように、制御部17は、同一名称の方向別SA/PAが離れて存在する場合に、自車位置と方向別SA/PAとの距離に関わらず、案内ルート上の道路に隣接する方向別SA/PAの位置に対応付けて吹き出しを表示させる。また、制御部17は、案内ルート上の道路20Fに下り車線用パーキングエリア「××PA」が隣接することから、対応する吹き出し22Fの下段の施設マーク25に対して強調枠26A及びポインタ26Bを付すことで強調表示する。
【0044】
図8は、
図7の例において、案内ルートが左ルートの道路20H上に設定されていた場合の第2表示例を示す。
図8に示すように、この場合、制御部17は、上り車線用及び下り車線用パーキングエリア「××PA」がいずれも案内ルート上の道路20Hに隣接していないことから、吹き出し22Fに対して強調枠26A及びポインタ26Bを付していない。なお、
図8の例では、制御部17は、下り車線用パーキングエリア「××PA」よりも現在位置から近い位置に存在する上り車線用パーキングエリア「××PA」に対応付けて吹き出し22Fを表示している。このように、制御部17は、上り車線用の方向別SA/PA及び下り車線用の方向別SA/PAのいずれにも隣接しない道路に案内ルートが設定されている場合には、強調枠26A及びポインタ26Bによる強調表示を行わない。これにより、利用者の混同を好適に抑制する。
【0045】
図9は、
図7に示す第2表示例の比較例に相当する表示例を示す。
図9に示す比較例では、制御部17は、案内ルートに関わらず自車位置からの距離に基づき吹き出し22Fと対応付ける位置を決定している。この場合、上り車線用パーキングエリア「××PA」が下り車線用パーキングエリア「××PA」よりも現在位置から近い位置に存在するため、吹き出し22Fは、実質的に立ち寄ることができない上り車線用パーキングエリア「××PA」の位置と対応付けられて表示されている。従って、この場合、案内ルートに隣接し、立ち寄る可能性がある下り車線用パーキングエリア「××PA」と、その施設情報を表示する吹き出し22Fとが対応付けられておらず、利便性が損なわれる結果となる。
【0046】
図10は、案内ルートに基づき施設情報を表示した第3表示例を示す。
図10の例では、
図7~
図9の例と同様、同一名称の方向別SA/PAが上下線で離れて存在している。この場合、制御部17は、第2表示例と同様、自車位置と各方向別SA/PAとの距離に関わらず、案内ルート上の道路20Jに隣接する下り車線用パーキングエリア「△○PA」に対応付けて、上下線の「△○PA」の施設情報を示す吹き出し22Jを表示させる。これにより、立ち寄る可能性がある下り車線用パーキングエリア「△○PA」の施設情報を、その位置と的確に対応付けてユーザに好適に視認させることができる。
【0047】
[変形例]
以下、上述の実施例に好適な各変形例について説明する。なお、これらの各変形例は、任意に組み合わせて上述の各実施例に適用することが可能である。
【0048】
(変形例1)
端末装置100に代えて、ネットワークを介して接続したサーバ装置が制御部17の処理の一部を実行してもよい。
【0049】
図11は、変形例に係るシステムの構成例を示す。
図11に示すように、端末装置100は、ネットワーク150を介してサーバ装置200と接続している。そして、端末装置100は、サーバ装置200から経路案内に必要な情報を受信することで経路案内を行う。
【0050】
図12は、サーバ装置200の概略構成を示す。
図12に示すように、サーバ装置200は、通信部202と、記憶部203と、制御部204とを有する。通信部202、記憶部203、及び制御部204は、バスライン201を介して相互に接続されている。
【0051】
通信部202は、制御部204の制御に基づき、ネットワーク150を介し、各種データの送信及び受信を行う。記憶部203は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどの経路探索に必要なデータを記憶する。制御部204は、CPUやROM及びRAMなどのメモリを有し、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、サーバ装置200の全般的な制御を行う。
【0052】
この場合、制御部204は、目的地の情報及び現在位置などの出発地の情報を含む、経路探索の条件を示す情報を通信部202が端末装置100から受信した場合に、案内ルートを決定し、案内ルートの情報を端末装置100に送信する。そして、制御部17は、サーバ装置200から受信した案内ルートの情報に基づき、[施設情報表示]のセクションで述べた施設情報の表示制御を行う。なお、制御部204は、端末装置100から現在位置情報などをさらに受信することで、
図3、
図5、
図7、
図10等に示す画面の表示に必要な情報を生成し、生成した表示情報を通信部202により端末装置100に送信してもよい。この場合、制御部17は、サーバ装置200から受信した表示情報をディスプレイ110に表示させる。
【0053】
このように、サーバ装置200が制御部17の処理の一部を実行した場合であっても、端末装置100は、方向別SA/PAの施設情報を適切に表示することができる。なお、サーバ装置200の処理を、複数のサーバ装置からなるサーバシステムが実行してもよい。そして、本変形例では、サーバ装置200は、本発明における「表示制御装置」の一例であり、制御部204は、本発明における「コンピュータ」の一例である。
【0054】
(変形例2)
図3等の例では、制御部17は、走行車線(
図3の例では下り車線)に対応する施設マーク25に対して強調枠26A及びポインタ26Bを付加することで強調表示した。しかし、本発明が適用可能な施設マーク25の強調表示の態様は、これに限定されない。これに代えて、又はこれに加えて、制御部17は、走行車線ではない車線(
図3の例では上り車線)に対応する施設マーク25を薄く表示したり、ぼかして表示したりすることで、相対的に走行中の車線に対応する施設マーク25を目立たせてもよい。これによっても、制御部17は、走行車線に隣接した立ち寄り可能な方向別SA/PA内で利用可能な施設を、ユーザに的確に認識させることができる。
【0055】
(変形例3)
上り車線及び下り車線ごとに設けられた方向別SA/PAに限らず、東西南北の方向別に設けられた方向別SA/PAの施設情報を表示する場合であっても、本発明は好適に適用される。この場合であっても、端末装置100は、同一名称の方向別SA/PAの施設情報をまとめて表示し、かつ、現在の走行車線と接続する方向別SA/PAの施設情報を強調表示する。
【0056】
また、高速道路に付随するSA/PAに限らず、他の道路種別の道路に隣接し、かつ、異なる方向の車線ごとに設けられている同一名称の施設の施設情報を表示する場合であっても、本発明は好適に適用される。この場合であっても、端末装置100は、異なる方向の車線ごとに設けられている同一名称の施設の施設情報をまとめて表示し、かつ、現在の走行車線と隣接する施設の施設情報を強調表示する。
【0057】
(変形例4)
端末装置100は、
図1に示すようなスマートフォンなどの携帯型端末に限らず、車両に設置される据置型のナビゲーション装置であってもよい。この場合、ナビゲーション装置の制御部は、ナビゲーション装置のディスプレイに対し、制御部17と同様の表示制御を行う。