(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026526
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1335 20060101AFI20240220BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20240220BHJP
G02F 1/1368 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
G02F1/1335 500
G02F1/1343
G02F1/1368
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219115
(22)【出願日】2023-12-26
(62)【分割の表示】P 2023026434の分割
【原出願日】2016-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 真人
(72)【発明者】
【氏名】細川 大地
(72)【発明者】
【氏名】倉本 侑祈
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英幸
(57)【要約】
【課題】表示品位に優れた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】遮光層BMは、第1画素電極に対応した第1開口AP1と、第2画素電極に対応した第2開口と、第3画素電極に対応した第3開口と、第4画素電極に対応した第4開口と、第5画素電極に対応した第5開口と、を有する。上記第2開口の面積と上記第3開口の面積との差分は、第1開口AP1の面積と上記第2開口の面積との差分よりも大きい。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に並置された複数の走査線と、前記第1方向及び前記第2方向に配列した複数の画素と、前記複数の画素上の遮光層と、を有し、
前記複数の画素は、第1画素電極を有する第1画素と、第2画素電極を有するとともに、前記第1画素と前記第2方向に隣り合う第2画素と、第3画素電極を有するとともに、前記第2画素と前記第2方向に隣り合う第3画素と、第4画素電極を有するとともに、前記第1画素と前記第1方向に隣り合う第4画素と、第5画素電極を有するとともに、前記第4画素と前記第1方向に隣り合う第5画素と、を有し、
前記遮光層は、前記第1画素電極に対応した第1開口と、前記第2画素電極に対応した第2開口と、前記第3画素電極に対応した第3開口と、前記第4画素電極に対応した第4開口と、前記第5画素電極に対応した第5開口と、を有し、
前記第2開口の面積は、前記第1開口の面積よりも小さく、
前記第3開口の面積は、前記第2開口の面積よりも小さく、
前記第4開口の面積は、前記第1開口の面積よりも小さく、
前記第5開口の面積は、前記第4開口の面積よりも小さく、
前記第2開口の面積と前記第3開口の面積との差分は、前記第1開口の面積と前記第2開口の面積との差分よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第4開口の面積と前記第5開口の面積との差分は、前記第1開口の面積と前記第4開口の面積との差分よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1開口の前記第1方向の幅、前記第2開口の前記第1方向の幅、前記第3開口の前記第1方向の幅、前記第4開口の前記第1方向の幅、及び前記第5開口の前記第1方向の幅はいずれも等しいことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1画素電極の面積、前記第2画素電極の面積、前記第3画素電極の面積、前記第4画素電極の面積、及び前記第5画素電極の面積はいずれも等しいことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第3画素、及び前記第5画素は、表示領域の最外周に位置することを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
第6画素電極を有するとともに、前記第2画素と前記第1方向に隣り合い、かつ前記第4画素と前記第2方向に隣り合う第6画素をさらに有し、
前記遮光層は、前記第6画素電極に対応した第6開口をさらに有し、
前記第6開口の面積は、前記第2開口の面積よりも小さく、前記第3開口の面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1開口の前記第1方向の幅、前記第2開口の前記第1方向の幅、前記第3開口の前記第1方向の幅、前記第4開口の前記第1方向の幅、前記第5開口の前記第1方向の幅、及び前記第6開口の前記第1方向の幅はいずれも等しいことを特徴とする、請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第1画素電極の面積、前記第2画素電極の面積、前記第3画素電極の面積、前記第4画素電極の面積、前記第5画素電極の面積、及び前記第6画素電極の面積はいずれも等しいことを特徴とする、請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第3画素、前記第5画素、及び前記第6画素は、表示領域の最外周に位置することを特徴とする、請求項6に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平面表示装置として代表的な液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力などの特徴を生かして、パーソナルコンピュータやテレビなどのOA機器などの表示装置として各種分野で利用されている。近年では、液晶表示装置は、携帯電話などの携帯端末機器や、カーナビゲーション装置、ゲーム機などの表示装置として利用されている。
また、画像を表示する表示領域の形状は、四隅が直角の矩形状に留まらず、円形や楕円形などといった非矩形への対応が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-286825号公報
【特許文献2】国際公開第2009/057342号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、表示品位に優れた液晶表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る液晶表示装置は、
第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に並置された複数の走査線と、前記第1方向及び前記第2方向に配列した複数の画素と、前記複数の画素上の遮光層と、を有し、
前記複数の画素は、第1画素電極を有する第1画素と、第2画素電極を有するとともに、前記第1画素と前記第2方向に隣り合う第2画素と、第3画素電極を有するとともに、前記第2画素と前記第2方向に隣り合う第3画素と、第4画素電極を有するとともに、前記第1画素と前記第1方向に隣り合う第4画素と、第5画素電極を有するとともに、前記第4画素と前記第1方向に隣り合う第5画素と、を有し、
前記遮光層は、前記第1画素電極に対応した第1開口と、前記第2画素電極に対応した第2開口と、前記第3画素電極に対応した第3開口と、前記第4画素電極に対応した第4開口と、前記第5画素電極に対応した第5開口と、を有し、
前記第2開口の面積は、前記第1開口の面積よりも小さく、
前記第3開口の面積は、前記第2開口の面積よりも小さく、
前記第4開口の面積は、前記第1開口の面積よりも小さく、
前記第5開口の面積は、前記第4開口の面積よりも小さく、
前記第2開口の面積と前記第3開口の面積との差分は、前記第1開口の面積と前記第2開口の面積との差分よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の表示装置の外観を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した表示パネルに信号源が実装された一構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した表示パネルの基本構成及び等価回路を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した第1基板を第2基板の側から見たときの副画素の一構成例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、副画素に配置される画素電極の一構成例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図4の線VI-VIに沿った表示パネルを示す断面図である。
【
図7】
図7は、上記表示パネルの表示領域の1つのラウンド部を含む領域を示す平面図であり、理想的な表示領域と複数の画素との関係を説明するための図である。
【
図8】
図8は、
図7に示した表示パネルの表示領域の一部を示す平面図であり、遮光層と、複数の画素の開口と、を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7及び
図8に示した第1画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図10】
図10は、
図7及び
図8に示した第2画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図11】
図11は、
図7及び
図8に示した第3画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図12】
図12は、
図7及び
図8に示した第4画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図13】
図13は、
図7及び
図8に示した第5画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図14】
図14は、上記第1の実施形態の変形例の表示装置の第6画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態の表示装置の第1画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図16】
図16は、上記第2の実施形態の表示装置の第2画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図17】
図17は、上記第2の実施形態の変形例の表示装置の第2画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図18】
図18は、第3の実施形態の表示装置の表示パネルにおける画素配列を示す図である。
【
図19】
図19は、上記第3の実施形態に係る表示パネルの1個の単位画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図20】
図20は、上記第3の実施形態に係る第2画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図21】
図21は、上記第3の実施形態に係る表示パネルの表示領域の1つのラウンド部を含む領域を示す平面図であり、遮光層と、複数の画素の開口と、を示す図である。
【
図22】
図22は、上記第3の実施形態の変形例に係る表示装置の表示パネルの第2画素を示す平面図であり、走査線、信号線、画素電極、及び遮光層を示す図である。
【
図23】
図23は、第4の実施形態に係る表示装置の表示パネルの表示領域の1つのラウンド部を含む領域を示す平面図であり、遮光層と、複数の画素の開口と、を示す図である。
【
図24】
図24は、上記第4の実施形態に係る表示装置において、画素電極に印加する画像信号の電圧値の絶対値に対する光透過率の変化をグラフで示した図である。
【
図25】
図25は、画素に配置される画素電極と共通電極との構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
始めに、本発明の実施形態の基本構想について説明する。
カラー表示タイプの液晶表示装置においては、画素は、例えば、赤色、緑色及び青色の副画素を有している。画素を構成する副画素の一部が、液晶表示パネルの外側の遮光部材によって遮光された場合、画素の色バランスが崩れ、所望の色とは異なる色に表示される恐れがある。例えば、赤色の副画素の一部のみが遮光された場合、画素全体における赤色の開口率(光透過率又は光反射率)が低下し、所望の色表示ができなくなる。
【0009】
このような色ずれを抑制するために、副画素の一部が遮光された画素全体をブラックマトリクスなどの遮光層によって遮光してしまう手段もあるが、その分、表示領域が狭くなってしまう。また、表示領域のエッジがドットパターンによって形成されるため、表示領域のラウンド部の輪郭の滑らかさが不足し、見栄えが悪いといった課題もある。言うまでもないが、ラウンド部の輪郭は、非直線状であり、湾曲している。
【0010】
そこで、本発明の各実施形態においては、上記課題の原因を解明し、上記課題を解決することにより、表示品位に優れた液晶表示装置を得ることができるものである。次に、上記課題を解決するための手段及び手法について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る表示装置について説明する。
図1は、第1の実施形態の表示装置DSPの外観を示す平面図である。ここでは、互いに交差する第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面における表示装置DSPの平面図を示している。図中の第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yと交差する方向である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で互いに交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置からX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0012】
本実施形態においては、表示装置DSPは、液晶表示装置である。表示装置DSPは、表示パネルPNLなどを備えている。表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層(後述する液晶層LC)と、を備えている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1に対向している。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの外側の非表示領域NDAと、を備えている。例えば、非表示領域NDAは、表示領域DAを囲み、額縁状の形状を有している。非表示領域NDAは、ICチップやフレキシブル回路基板などの信号源が実装される実装領域MAを含んでいる。
【0013】
表示パネルPNLの外観に注目すると、第1基板SUB1は、第1方向Xに延出した一対の短辺SS11及びSS12と、第2方向Yに延出した一対の長辺LS11及びLS12と、4つのラウンド部R11乃至R14と、を有している。第2基板SUB2は、短辺SS11と重なる短辺SS21と、長辺LS11及びLS12とそれぞれ重なる長辺LS21及びLS22と、ラウンド部R11及びR12とそれぞれ重なるラウンド部R21及びR22と、短辺SS22と、を有している。短辺SS22は、短辺SS12とは重なっていない。より詳細には、第2基板SUB2は短辺22と長辺LS21とを接続するラウンド部R23と、短辺SUB22と長辺LS22とを接続するラウンド部R24をと有し、ラウンド部R23はラウンド部R13に一部重なり、ラウンド部R24はラウンド部R14に一部重なるように形成される。実装領域MAは、第1基板SUB1のうち短辺SS12と短辺SS22との間に位置している。
表示領域DAは、第1方向Xに沿って延出した一対の短辺SS1及びSS2と、第2方向Yに沿って延出した一対の長辺LS1及びLS2と、4つのラウンド部R1乃至R4と、を有している。短辺SS1及びSS2、及び、長辺LS1及びLS2は、隣り合うラウンド部を繋ぐ直線部に相当する。
より詳細には、表示領域DAの境界を示すラウンド部Rと、第1基板SUB1及び第2基板SUB2のラウンド部Rを、それぞれ定義する曲率半径は対応するラウンド部Rでそれぞれ一致しても良いし、それぞれ異なった曲率半径であってもよい。
また、実装領域MAの幅、すなわち短辺SS12と短辺SS22との間隔は、非表示領域の長辺側の幅、すなわち長辺LS11と長辺LS21との間隔(長辺LS12と長辺LS22との間隔)と比較して同程度もしくはそれ以下の幅となっている。
【0014】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型の表示パネル、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型の表示パネル、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型の表示パネルの何れであってもよい。
【0015】
図2は、
図1に示した表示パネルPNLに信号源が実装された一構成例を示す平面図である。
図2に示すように、表示装置DSPは、表示パネルPNLの実装領域MAに実装されたフレキシブル回路基板Fと、フレキシブル回路基板Fに実装されたICチップCPと、を備えている。ICチップCPは、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバDDを内蔵している。図中において、ICチップCPは一点鎖線で示し、ディスプレイドライバDDは破線で示し、いわゆるCOF(Chip on Film)の構造となっている。ここでのディスプレイドライバDDは、後述する信号線駆動回路SD、走査線駆動回路GD、及び共通電極駆動回路CDの少なくとも一部を含むものである。なお、図示した例に限らず、ICチップCPは、実装領域MAに実装されている、いわゆるCOG(Chip on Grass)の構造であってもよい。
【0016】
図3は、
図1に示した表示パネルPNLの基本構成及び等価回路の概要を示す図である。
図3に示すように、表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の副画素SPを備えている。複数の副画素SPは、第1方向X及び第2方向Yに並べられ、マトリクス状に配置されている。本実施形態において、第1方向Xに隣合う3個の副画素SPは、1つの画素を構成している。また、表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数本の走査線G(G1~Gn)、複数本の信号線S(S1~Sm)、共通電極CEなどを備えている。走査線Gは、各々第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線Sは、各々第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。共通電極CEは、複数の副画素SPにわたって配置されている。
【0017】
走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。共通電極CEは、共通電極駆動回路CDに接続されている。信号線駆動回路SD、走査線駆動回路GD、及び共通電極駆動回路CDは、非表示領域NDAにおいて、第1基板SUB1上に形成されてもよいし、これらの一部或いは全部が
図2に示したICチップCPに内蔵されていてもよい。一例では、走査線駆動回路GDは、
図1に破線で示したように、長辺LS1と長辺LS11との間、及び、長辺LS2と長辺LS12との間に設けられる。但し、各駆動回路のレイアウトは、図示した例に限られるものではない。
【0018】
各副画素SPは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ副画素SPの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ副画素SPの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0019】
なお、表示パネルPNLの詳細な構成については説明を省略するが、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、あるいは、基板主面の法線に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モードでは、画素電極PEが第1基板SUB1に備えられる一方で、共通電極CEが第2基板SUB2に備えられる。また、基板主面に沿った横電界を利用する表示モードでは、画素電極PE及び共通電極CEの双方が第1基板SUB1に備えられている。さらには、表示パネルPNLは、上記の縦電界、横電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応した構成を有していても良い。なお、ここでの基板主面とは、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に相当する。
【0020】
図4は、
図1に示した第1基板SUB1を第2基板SUB2の側から見たときの副画素SPの一構成例を示す平面図である。なお、ここでは、説明に必要な構成のみを図示しており、画素電極や共通電極の図示を省略している。
図4に示すように、第1基板SUB1は、走査線G1及びG2、信号線S1及びS2、スイッチング素子SWなどを備えている。
【0021】
走査線G1及びG2は、第2方向Yに間隔をおいて配置され、それぞれ第1方向Xに延出している。信号線S1及びS2は、第1方向Xに間隔をおいて配置され、それぞれ第2方向Yに延出している。図示した例では、信号線S1及びS2の一部が屈曲しているが、第2方向Yに沿って直線状に延出していてもよい。副画素SPは、走査線G1及びG2と信号線S1及びS2とが成すマス目の領域に相当する。なお、副画素SPの形状は、図示した例に限らず、第2方向Yに延出した長方形状などであってもよく、適宜に変更することが可能である。
【0022】
スイッチング素子SWは、走査線G1及び信号線S1と電気的に接続されている。図示した例のスイッチング素子SWは、ダブルゲート構造を有している。スイッチング素子SWは、半導体層SC及び中継電極REを備えている。半導体層SCは、その一部分が信号線S1と重なるように配置され、他の部分が信号線S1及びS2の間に延出し、略U字状に形成されている。半導体層SCは、信号線S1と重なる領域、及び、信号線S1及びS2の間において走査線G1と交差している。本実施形態において、半導体層SCは、走査線G1の2個所と交差しているが、これに限らず、走査線G1の1個所と交差していてもよく、3個所と交差していてもよい。
【0023】
走査線G1において、半導体層SCと重畳する領域がそれぞれゲート電極GE1及びGE2として機能する。半導体層SCは、その一端部SCAにおいてコンタクトホールCH1を通じて信号線S1と電気的に接続され、また、その他端部SCBにおいてコンタクトホールCH2を通じて中継電極REと電気的に接続されている。中継電極REは、島状に形成され、信号線S1及びS2の間に配置されている。
【0024】
図5は、副画素SPに配置される画素電極PEの一構成例を示す平面図である。なお、ここでは、説明に必要な構成のみを図示しており、走査線やスイッチング素子の図示を省略している。
図5に示すように、画素電極PEは、信号線S1及びS2の間に配置されている。画素電極PEは、コンタクト部PA及び主電極部PBを備えている。コンタクト部PA及び主電極部PBは、一体的あるいは連続的に形成され、互いに電気的に接続されている。
【0025】
コンタクト部PAは、中継電極REと重なる位置に配置され、コンタクトホールCH3を通じて中継電極REと電気的に接続されている。主電極部PBは、信号線S1及びS2に沿った形状を有しており、図示した例では、信号線S1と同様に屈曲した2本のスリットPSLを有している。2本のスリットPSLは、間隔をおいて第1方向Xに並び、それぞれ第1方向Xに沿って略同一の幅を有している。なお、画素電極PEの形状は、図示した例に限定されるものではなく、副画素SPの形状などに合わせて適宜変更することができる。また、スリットPSLの形状や本数などについても図示した例に限定されない。
共通電極CEは、信号線S1及びS2の上に重なっている。画素電極PEは、共通電極CEの上に重なっている。共通電極CEは、中継電極REと重なる位置に開口部OPを有している。
【0026】
上述したように、主電極部PB(スリットPSL)は屈曲しているため、ダイレクタの回転方向が互いに異なる複数のドメインを副画素SPに設定することができる。このため、表示パネルPNLは、良好な視野角特性を得ることができる。
【0027】
図6は、
図4の線VI-VIに沿った表示パネルPNLを示す断面図である。図示した例は、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードが適用された例に相当する。
図6に示すように、第1基板SUB1は、第1絶縁基板10、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第4絶縁膜14、第5絶縁膜15、下側遮光層US、半導体層SC、走査線G1、信号線S1、中継電極RE、共通電極CE、画素電極PE、第1配向膜AL1などを備えている。
【0028】
第1絶縁基板10は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。下側遮光層USは、第1絶縁基板10の上に位置し、第1絶縁膜11によって覆われている。下側遮光層USは、バックライトユニットBLから半導体層SCに向かう光を遮光する。半導体層SCは、第1絶縁膜11の上に位置し、第2絶縁膜12によって覆われている。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。
【0029】
走査線G1の一部であるゲート電極GE1及びGE2は、第2絶縁膜12の上に位置し、第3絶縁膜13によって覆われている。なお、図示しない走査線G2も、走査線G1と同一層に配置される。走査線G1は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。本実施形態において、走査線G1はモリブデン・タングステン(MoW)で形成されている。なお、下側遮光層USは、ゲート電極GE1及びGE2と対向する位置の半導体層SCの直下に位置していることが望ましい。
【0030】
信号線S1及び中継電極REは、第3絶縁膜13の上に位置し、第4絶縁膜14によって覆われている。なお、図示しない信号線S2も、信号線S1と同一層に配置される。信号線S1及び中継電極REは、同一材料によって形成され、上記の金属材料等が適用可能である。信号線S1は、第2絶縁膜12及び第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールCH1を通り半導体層SCにコンタクトしている。中継電極REは、第2絶縁膜12及び第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールCH2を通り半導体層SCにコンタクトしている。
【0031】
共通電極CEは、第4絶縁膜14の上に位置し、第5絶縁膜15によって覆われている。画素電極PEは、第5絶縁膜15の上に位置し、第1配向膜AL1によって覆われている。画素電極PEの一部は、共通電極CEと対向している。共通電極CE及び画素電極PEは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)、インジウム・ジンク・オキサイド(IZO)、ジンク・オキサイド(ZnO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。画素電極PEは、共通電極CEの開口部OPと重畳する位置において、第4絶縁膜14及び第5絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH3を通り中継電極REにコンタクトしている。
第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、及び、第5絶縁膜15は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。第4絶縁膜14は、アクリル樹脂などの有機絶縁膜である。
【0032】
第2基板SUB2は、第2絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
第2絶縁基板20は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、第2絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。本実施形態において、遮光層BMは、
図4に示した信号線S1及びS2や走査線G1及びG2やスイッチング素子SWなどの配線部とそれぞれ対向する位置に配置されている。この場合、遮光層BMは、表示領域DAにおいて格子状に形成されている。但し、本実施形態と異なり、遮光層BMは、信号線S1及びS2と対向する位置に配置されていなくともよい。この場合、遮光層BMは、第1方向Xに延出し、ストライプ状に形成されている。何れにおいても、遮光層BMは、少なくとも、第1方向Xに延出し、ストライプ状に形成されていればよい。
【0033】
カラーフィルタCFは、画素電極PEと対向する位置に配置され、その一部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFは、例えば、赤色の色層、緑色の色層、青色の色層などを含み、他の色あるいは透明あるいは白色の層を更に含んでいてもよい。
【0034】
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。一例では、
図5に示したように、第1配向膜AL1の配向処理方向AD1は第2方向Yと平行であり、第2配向膜AL2の配向処理方向AD2は配向処理方向AD1と平行であり且つ配向処理方向AD1とは逆向きである。
【0035】
なお、カラーフィルタCFは、第1基板SUB1に配置されてもよい。遮光層BMは、カラーフィルタCFとオーバーコート層OCとの間、あるいは、オーバーコート層OCと第2配向膜AL2との間に配置されてもよい。また、遮光層BMを配置する替わりに、異なる色の色層を2層以上重ね合せることで透過率を低下させ、遮光層として機能させてもよい。また、白色の副画素が追加されてもよく、白色の副画素には白色の色層を配置してもよいし、透明な層を配置してもよいし、上記透明な層を配置せずにオーバーコート層OCを配置してもよい。
【0036】
上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が対向するように配置されている。図示しないが、スペーサは、樹脂材料によって形成され、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に配置されている。これにより、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に所定のセルギャップが形成される。但し、スペーサとして、セルギャップを形成するメインスペーサの他に、表示パネルPNLに対して外部応力が加わっていない定常状態で一方の基板に接触していないサブスペーサが含まれていてもよい。セルギャップは、例えば2乃至5μmである。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、非表示領域NDAに設けられたシール材によって貼り合わせられている。
【0037】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、液晶分子LMを含んでいる。このような液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0038】
第1基板SUB1の下方には、第1偏光板PL1を含む第1光学素子OD1が配置されている。また、第2基板SUB2の上方には、第2偏光板PL2を含む第2光学素子OD2が配置されている。一例では、第1偏光板PL1及び第2偏光板PL2は、それぞれの吸収軸がX-Y平面において互いに直交するように配置されている。なお、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、必要に応じて、散乱層、反射防止層、1/4波長板や1/2波長板などの位相差板、などを備えていてもよい。
【0039】
このような構成例においては、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていないオフ状態において、液晶分子LMは、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2の間で所定の方向(例えば第2方向Y)に初期配向している。このようなオフ状態では、バックライトユニットBLから表示パネルPNLに向けて照射された光は、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2によって吸収され、暗表示となる。一方、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されたオン状態においては、液晶分子LMは、電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。このようなオン状態では、バックライトユニットBLからの光の一部は、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2を透過し、明表示となる。
【0040】
図7は、上記表示パネルPNLの表示領域DAの1つのラウンド部R1を含む領域を示す平面図であり、理想的な表示領域と複数の画素PXとの関係を説明するための図である。ここで、
図1に示した表示領域DAのラウンド部R1乃至R4の各々と画素PXとの関係は、同様である。そこで、以下、ラウンド部R1の近傍の領域を代表して説明する。
【0041】
図7に示すように、表示装置DSPは、第1領域A1と、第1領域A1の外側の第2領域A2と、第1領域A1と第2領域A2との境界Bと、を備えている。第1領域A1は理想的な表示領域であり、第2領域A2は理想的な非表示領域(遮光領域)である。境界Bは、表示領域の理想的な輪郭に相当する。境界Bは、直線状の第1境界と、第1境界に繋がるラウンド状の第2境界と、を有している。図示した例では、境界Bは、第1領域A1の上側の第1境界B1Uと、第1領域A1の左側の第1境界B1Lと、第1領域A1の左上の第2境界B2と、を有している。なお、図示しないが、第2境界B2は、一方で第1境界B1Uに繋がり、他方で第1境界B1Lに繋がっている。
【0042】
複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yに並べられている。なお、各々の画素PXは、上述した複数色の副画素SPを備えている。複数の画素PXは、第1領域A1に位置した第1画素PX1と、第2境界B2(境界B)を跨いでそれぞれ位置した第2画素PX2、第3画素PX3、第4画素PX4、及び第5画素PX5と、を含んでいる。図中、第1画素PX1には「1」を、第2画素PX2には「2」を、第3画素PX3には「3」を、第4画素PX4には「4」を、第5画素PX5には「5」を、それぞれ付している。なお、表示パネルPNLは、第2領域A2に位置し、第1領域A1に位置しない画素を含んでいない。
【0043】
表示領域DAは、複数の画素PXが位置する領域であり、
図7で言う1から5までの数字が付してある領域である。ここで、上記液晶層LCは、少なくとも第1領域A1に位置している。詳しくは、上記液晶層LCは、少なくとも表示領域DAに位置している。非表示領域NDAは、第2領域A2のうち複数の画素PXが位置していない領域であり、
図7で言う斜線が付してある領域である。なお、非表示領域NDAは、上記遮光層BMなどで遮光されている。
【0044】
第1領域A1の上端に位置する複数の画素PXは、複数の第1画素PXを含み、第1方向Xに揃っている。そして、上端に位置する複数の画素PXの上辺は、第1境界B1U上に位置している。このため、表示領域DAの上辺(短辺SS1)を第1境界B1Uに一致させることにより、表示領域DAの理想的な上辺を得ることができる。
【0045】
第1領域A1の左端に位置する複数の画素PXは、複数の第1画素PXを含み、第2方向Yに揃っている。そして、左端に位置する複数の画素PXの左辺は、第1境界B1L上に位置している。このため、表示領域DAの左辺(長辺LS1)を第1境界B1Lに一致させることにより、表示領域DAの理想的な左辺を得ることができる。
【0046】
表示領域DAのラウンド部R1は、
図7で言う数字が付してある領域と斜線が付してある領域との境界に相当するため、厳密にはラウンド状ではない。表示領域DAのラウンド部R1を第2境界B2に一致させることは困難である。そこで、本実施形態では、第2画素PX2乃至第5画素PX5のそれぞれの開口率を、第1画素PX1の開口率より低くしている。なお、第1画素PX1は正規の画素であり、第1画素PX1の開口率は正規の開口率である。第2画素PX2の開口率は、第1画素PX1の開口率より低い。第3画素PX3の開口率は、第2画素PX2の開口率より低い。第4画素PX4の開口率は、第3画素PX3の開口率より低い。第5画素PX5の開口率は、第4画素PX4の開口率より低い。
【0047】
本実施形態において、境界Bを跨ぐ画素PXとしては、第2画素PX2、第3画素PX3、第4画素PX4及び第5画素PX5の4種類がある。このため、境界Bを跨ぐ画素PXの開口率を4段階に分けている。境界Bを跨ぐ各画素PXの種類は、第1領域A1に位置する面積と第2領域A2に位置する面積との比率に基づいている。第3画素PX3は、第2画素PX2より第2領域A2側に位置する割合が大きい。第4画素PX4は、第3画素PX3より第2領域A2側に位置する割合が大きい。第5画素PX5は、第4画素PX4より第2領域A2側に位置する割合が大きい。
【0048】
上記のように、境界Bを跨ぐ各画素PXの開口率を調整することにより、表示領域DAのラウンド部R1の輪郭を光学的にぼかすことができる。言い換えると、表示領域DAのラウンド部R1の輪郭のギザギザを目立たなくすることができる。なお、(i)表示パネルPNLが境界Bを跨ぐ第2画素PX2乃至第5画素PX5を有していない場合や、(ii)第2画素PX2乃至第5画素PX5を全て第1画素PXに置き換えた場合では、表示領域DAのラウンド部R1の輪郭のギザギザが目立ってしまうものである。
【0049】
上述したように、本実施形態では、4種類の画素PXが境界Bを跨いで位置しているが、これに限定されるものではなく、種々変形可能である。正規の第1画素PX1の開口率より低い開口率を有する少なくとも1種類の画素PXが、境界Bを跨いで位置していればよい。例えば、相対的に低い開口率を有する5種類以上の画素PXが境界Bを跨いで位置していてもよい。これにより、本実施形態と同様、ラウンド部R1の輪郭のギザギザを目立たなくすることができる。
【0050】
図8は、
図7に示した表示パネルPNLの表示領域DAの一部を示す平面図であり、遮光層BMと、複数の画素PXの開口APと、を示す図である。
図8に示すように、各々の画素PXは、複数の開口APを有している。開口APは、開口領域と称される場合もある。本実施形態において、各々の画素PXは3個の副画素SPを有しているため、各々の画素PXは3個の開口APを有している。各画素PXの全ての開口APは、第2方向Yの長さ及び位置に関して同一である。各開口APは、対応する画素PXの第2方向Yの中央に位置している。開口APの第2方向Yの中心は、対応する画素PXを第2方向Yに二等分する二等分線を通っている。表示領域DAにおける開口APの隙間や、非表示領域NDAには遮光層BMが設けられている。図中、遮光層BMは斜線を付した領域に相当し、各開口APは斜線を付していない領域に相当する。例えば、各開口APは、遮光層BMで区域されている。複数の画素PXは、二点鎖線で区域している。
【0051】
各第1画素PX1は3個の第1開口AP1を有し、各第2画素PX2は3個の第2開口AP2を有し、各第3画素PX3は3個の第3開口AP3を有し、各第4画素PX4は3個の第4開口AP4を有し、各第5画素PX5は3個の第5開口AP5を有している。第2方向Yにおいて、第2開口AP2は第1開口AP1より短く、第3開口AP3は第2開口AP2より短く、第4開口AP4は第3開口AP3より短く、第5開口AP5は第4開口AP4より短い。
【0052】
例えば、遮光層BMの形状を調整することにより、開口APの第2方向Yの長さを調整することができる。上記のことから、本実施形態では、画素PX毎に、開口APの第2方向Yの長さを調整することにより、各画素PXの開口率を調整することができる。
【0053】
図9は、上記第1画素PX1を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。なお、図示した例では、第1画素PX1などの複数の画素PXは、上記FFSモードに対応した構成を有しているが、共通電極の図示は省略している。走査線G、信号線Sは、上記の第1基板SUB1に配置される一方で、遮光層BMは、上記の第2基板SUB2に配置される。なお、遮光層BMは、図中に二点鎖線で示されている。
【0054】
図9に示すように、遮光層BMは、副画素SPの境界に沿った形状を有している。遮光層BMは、少なくともバックライトユニットBLから照射される光を遮蔽する機能を有している。遮光層BMは、黒色の樹脂などの光吸収率の高い材料で形成されている。又は、遮光層BMは、金属などの光反射率の高い材料で形成されている。第1開口AP1は、遮光層BMによって囲まれた領域であり、表示に寄与する領域となる。遮光層BMは、複数の帯状の第1遮光層SH1と、複数の帯状の第2遮光層SH2と、を有している。本実施形態において、第1遮光層SH1及び第2遮光層SH2は、一体に形成されている。
【0055】
複数の第1遮光層SH1は、第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並べられている。各々の第1遮光層SH1は、走査線Gに沿って第1方向Xに延出している。第1遮光層SH1は、走査線G、画素電極PEの端部、上述したスイッチング素子SWなどと対向している。第2遮光層SH2は、信号線Sと対向し、信号線Sに沿って延出している。
【0056】
第1画素PX1などの各々の画素PXは、互いに色の異なる複数の副画素SPを有している。本実施形態において、各画素PXは、第1色の副画素SP1、第2色の副画素SP2、及び第3色の副画素SP3を有している。第1色は赤色であり、第2色は緑色であり、第3色は青色である。
【0057】
各々の副画素SP1,SP2,SP3は、第1開口領域J1と、第2開口領域J2と、を有している。液晶層LCへの電圧印加時において、第2開口領域J2は、液晶分子LMの回転状態(配向状態)に関して第1開口領域J1とは異なっている。各副画素SP1,SP2,SP3において、第1開口領域J1と第2開口領域J2とは、第2方向Yに連続して設けられている。第1画素PX1において、各第1開口AP1は、連続した第1開口領域J1と第2開口領域J2とを含んでいる。ここで、第1開口領域J1と第2開口領域J2との境界を通る仮想上の線を、以下、基準線RLと称する。
【0058】
何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、第1開口領域J1は、第1方向X及び第2方向Yと異なる第3方向d3に延伸し、第2開口領域J2は、第1方向X、第2方向Y及び第3方向d3と異なる第4方向d4に延伸している。
【0059】
第1画素PX1などの各々の画素PXにおいて、副画素SP1,SP2,SP3の複数の第1開口領域J1の第2方向Yの第1長さは互いに同一であり、副画素SP1,SP2,SP3の複数の第2開口領域J2の第2方向Yの第2長さは互いに同一である。また、本実施形態において、第1画素PX1などの各々の画素PXにおいて、上記第1長さと上記第2長さとは互いに同一である。
但し、本辞し形態と異なり、上記第1長さと上記第2長さとは互いに異なっていてもよい。
【0060】
第1画素PX1において、複数の第1開口領域J1の第2方向Yの第1長さL1aは互いに同一であり、複数の第2開口領域J2の第2方向Yの第2長さL2aは互いに同一である。そして、第1長さL1aと第2長さL2aは互いに同一である。第1開口領域J1と第2開口領域J2の境界を表す基準線RLは、副画素SPの中央部である。第2方向Yに隣合う一対の第1遮光層SH1の第2方向Yの距離において、第1画素PX1を通る距離DIaは、第1長さL1aと第2長さL2aとの和に等しい。
なお、上記の複数の第1遮光層SH1は、複数の開口AP(複数の開口領域J1,J2)の隙間に設けられている。
【0061】
また、上述したように、本実施形態において、画素電極PEと共通電極CEとのうち、液晶層LCに近い側の電極は画素電極PEである。ここでは、画素電極PEが上部電極であり、共通電極CEが下部電極である。但し、本実施形態と異なり、共通電極CEが画素電極PEより液晶層LCの近くに位置していてもよく、この場合、共通電極CEがスリットを有する上部電極であり、画素電極PEが板状の下部電極である。
【0062】
さらに、本実施形態において、第1画素PX1の何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、画素電極PEのうち主電極部PBが、第1開口AP1に位置している。主電極部PBは、第1開口領域J1にて第3方向d3に延出し、基準線RL上にて屈曲し、第2開口領域J2にて第4方向d4に延出している。
【0063】
副画素SP1が左側に位置し、副画素SP3が右側に位置する平面視において、各主電極部PBは、<の記号の形状を有している。なお、本実施形態と異なり、各主電極部PBは、>の記号の形状を有していてもよい。
第1開口AP1(第1開口領域J1及び第2開口領域J2)の形状と、主電極部PBの形状と、からも分かるように、各々の開口領域J1,J2は、ダイレクタの回転方向が互いに異なる複数のドメインを有している。本実施形態では、各副画素SP1,SP2,SP3は4種類のドメインを有するため、表示パネルPNLは良好な視野角特性を得ることができる。
なお、画素電極PEの形状及びサイズは、第1画素PX1乃至第5画素PX5で同一である。
【0064】
図10は、上記第2画素PX2を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。また、第2画素PX2と第1画素PX1との関係性、及び第2画素PX2と第1画素PX1との相違点、を中心に説明する。
【0065】
図10に示すように、第2開口AP2は、遮光層BMによって囲まれた領域であり、表示に寄与する領域となる。第2画素PX2において、各第2開口AP2は、連続した第1開口領域J1と第2開口領域J2とを含んでいる。
【0066】
第2画素PX2において、複数の第1開口領域J1の第2方向Yの第1長さL1bは互いに同一であり、複数の第2開口領域J2の第2方向Yの第2長さL2bは互いに同一である。そして、第1長さL1bと第2長さL2bは互いに同一である。第2方向Yに隣合う一対の第1遮光層SH1の第2方向Yの距離において、第2画素PX2を通る距離DIbは、第1長さL1bと第2長さL2bとの和に等しい。
【0067】
第1遮光層SH1のうち、第2画素PX2に対応する個所は、第1画素PX1に対応する個所より基準線RL側に拡張されている。このため、第2画素PX2の第1長さL1bは、第1画素PX1の第1長さL1aより短く、第2画素PX2の第2長さL2bは、第1画素PX1の第2長さL2aより短い。第2画素PX2を通る距離DIbは、第1画素PX1を通る距離DIaより短い。
色が互いに同一である副画素SPに設けられ液晶分子LMの回転状態(配向状態)が互いに同一である開口領域J同士を比較した場合、第2画素PX2の開口領域Jは、第1画素PX1の開口領域Jより小さい。例えば、第2画素PX2の副画素SP1の第1開口領域J1は、第1画素PX1の副画素SP1の第1開口領域J1より小さい。
【0068】
さらに、開口領域J同士を比較する際、さらに、ダイレクタの回転方向が互いに同一であるドメイン同士を比較した場合、第2画素PX2のドメインのサイズは、第1画素PX1のドメインのサイズより小さい。本実施形態において、第2画素PX2の各副画素SP1の開口率を調整する場合、各々の第1開口領域J1及び第2開口領域J2において、複数のドメインの比率は維持した方が望ましい。上記のことからも、第2画素PX2の各副画素SP1の開口率を調整する場合、第2遮光層SH2を第1方向Xに拡張せず、本実施形態のように第1遮光層SH1を第2方向Yに拡張した方が望ましい。これにより、表示パネルPNLは、一層、良好な視野角特性を得ることができる。
なお、第2画素PX2の何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、画素電極PEのうち主電極部PBが、第2開口AP2に位置している。
また、第1方向Xに並ぶ第1画素PX1と第2画素PX2とに注目した場合、第1開口領域J1と第2開口領域J2の境界を表す基準線RLは、第1画素PX1と第2画素PX2とで同一直線状にある。
【0069】
図11は、上記第3画素PX3を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。また、第3画素PX3と第2画素PX2との関係性、及び第3画素PX3と第2画素PX2との相違点、を中心に説明する。
図11に示すように、第3開口AP3は、遮光層BMによって囲まれた領域であり、表示に寄与する領域となる。第3画素PX3において、各第3開口AP3は、連続した第1開口領域J1と第2開口領域J2とを含んでいる。
【0070】
第3画素PX3において、複数の第1開口領域J1の第2方向Yの第1長さL1cは互いに同一であり、複数の第2開口領域J2の第2方向Yの第2長さL2cは互いに同一である。そして、第1長さL1cと第2長さL2cは互いに同一である。第2方向Yに隣合う一対の第1遮光層SH1の第2方向Yの距離において、第3画素PX3を通る距離DIcは、第1長さL1cと第2長さL2cとの和に等しい。
【0071】
第1遮光層SH1のうち、第3画素PX3に対応する個所は、第2画素PX2に対応する個所より基準線RL側に拡張されている。このため、第3画素PX3の第1長さL1cは、第2画素PX2の第1長さL1bより短く、第3画素PX3の第2長さL2cは、第2画素PX2の第2長さL2bより短い。第3画素PX3を通る距離DIcは、第2画素PX2を通る距離DIbより短い。
色が互いに同一である副画素SPに設けられ液晶分子LMの回転状態(配向状態)が互いに同一である開口領域J同士を比較した場合、第3画素PX3の開口領域Jは、第2画素PX2の開口領域Jより小さい。例えば、第3画素PX3の副画素SP1の第1開口領域J1は、第2画素PX2の副画素SP1の第1開口領域J1より小さい。
【0072】
さらに、開口領域J同士を比較する際、さらに、ダイレクタの回転方向が互いに同一であるドメイン同士を比較した場合、第3画素PX3のドメインのサイズは、第2画素PX2のドメインのサイズより小さい。
なお、第3画素PX3の何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、画素電極PEのうち主電極部PBが、第3開口AP3に位置している。
【0073】
図12は、上記第4画素PX4を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。また、第4画素PX4と第3画素PX3との関係性、及び第4画素PX4と第3画素PX3との相違点、を中心に説明する。
図12に示すように、第4開口AP4は、遮光層BMによって囲まれた領域であり、表示に寄与する領域となる。第4画素PX4において、各第4開口AP4は、連続した第1開口領域J1と第2開口領域J2とを含んでいる。
【0074】
第4画素PX4において、複数の第1開口領域J1の第2方向Yの第1長さL1dは互いに同一であり、複数の第2開口領域J2の第2方向Yの第2長さL2dは互いに同一である。そして、第1長さL1dと第2長さL2dは互いに同一である。第2方向Yに隣合う一対の第1遮光層SH1の第2方向Yの距離において、第4画素PX4を通る距離DIdは、第1長さL1dと第2長さL2dとの和に等しい。
【0075】
第1遮光層SH1のうち、第4画素PX4に対応する個所は、第3画素PX3に対応する個所より基準線RL側に拡張されている。このため、第4画素PX4の第1長さL1dは、第3画素PX3の第1長さL1cより短く、第4画素PX4の第2長さL2dは、第3画素PX3の第2長さL2cより短い。第4画素PX4を通る距離DIdは、第3画素PX3を通る距離DIcより短い。
色が互いに同一である副画素SPに設けられ液晶分子LMの回転状態(配向状態)が互いに同一である開口領域J同士を比較した場合、第4画素PX4の開口領域Jは、第3画素PX3の開口領域Jより小さい。例えば、第4画素PX4の副画素SP1の第1開口領域J1は、第3画素PX3の副画素SP1の第1開口領域J1より小さい。
【0076】
さらに、開口領域J同士を比較する際、さらに、ダイレクタの回転方向が互いに同一であるドメイン同士を比較した場合、第4画素PX4のドメインのサイズは、第3画素PX3のドメインのサイズより小さい。
なお、第4画素PX4の何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、画素電極PEのうち主電極部PBが、第4開口AP4に位置している。
【0077】
図13は、上記第5画素PX5を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。また、第5画素PX5と第4画素PX4との関係性、及び第5画素PX5と第4画素PX4との相違点、を中心に説明する。
図13に示すように、第5開口AP5は、遮光層BMによって囲まれた領域であり、表示に寄与する領域となる。第5画素PX5において、各第5開口AP5は、連続した第1開口領域J1と第2開口領域J2とを含んでいる。
【0078】
第5画素PX5において、複数の第1開口領域J1の第2方向Yの第1長さL1eは互いに同一であり、複数の第2開口領域J2の第2方向Yの第2長さL2eは互いに同一である。そして、第1長さL1eと第2長さL2eは互いに同一である。第2方向Yに隣合う一対の第1遮光層SH1の第2方向Yの距離において、第5画素PX5を通る距離DIeは、第1長さL1eと第2長さL2eとの和に等しい。
【0079】
第1遮光層SH1のうち、第5画素PX5に対応する個所は、第4画素PX4に対応する個所より基準線RL側に拡張されている。このため、第5画素PX5の第1長さL1eは、第4画素PX4の第1長さL1dより短く、第5画素PX5の第2長さL2eは、第4画素PX4の第2長さL2dより短い。第5画素PX5を通る距離DIeは、第4画素PX4を通る距離DIdより短い。
色が互いに同一である副画素SPに設けられ液晶分子LMの回転状態(配向状態)が互いに同一である開口領域J同士を比較した場合、第5画素PX5の開口領域Jは、第4画素PX4の開口領域Jより小さい。例えば、第5画素PX5の副画素SP1の第1開口領域J1は、第4画素PX4の副画素SP1の第1開口領域J1より小さい。
【0080】
さらに、開口領域J同士を比較する際、さらに、ダイレクタの回転方向が互いに同一であるドメイン同士を比較した場合、第5画素PX5のドメインのサイズは、第4画素PX4のドメインのサイズより小さい。
なお、第5画素PX5の何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、画素電極PEのうち主電極部PBが、第5開口AP5に位置している。
【0081】
上記のように構成された第1の実施形態に係る表示装置DSPによれば、複数の画素PXは、第1領域A1に位置した第1画素PX1、境界Bを跨いで位置した第2画素PX2などを含んでいる。色が互いに同一である副画素SPに設けられ液晶分子LMの回転状態(配向状態)が互いに同一である開口領域J同士を比較した場合、第2画素PX2の開口領域Jは、第1画素PX1の開口領域Jより小さい。
【0082】
第2画素PX2の開口率など、境界Bを跨ぐ各画素PXの開口率を調整することにより、表示領域DAのラウンド部R1乃至R4の輪郭のギザギザを目立たなくすることができる。また、第2画素PX2の開口率を調整する際、第1開口領域J1と第2開口領域J2との両方を縮小している。第1画素PX1の第1開口領域J1と第2画素PX2の第1開口領域J1との比率は、第1画素PX1の第2開口領域J2と第2画素PX2の第2開口領域J2との比率と、同一である。このため、表示パネルPNLは、ラウンド部R1乃至R4においても、良好な視野角特性を得ることができる。
上記のことから、表示品位に優れた表示装置DSPを得ることができる。
【0083】
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。
図14は、上記第1の実施形態の変形例の表示装置DSPの第6画素PX6を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。
図14に示すように、本変形例の表示装置DSPにおいて、4種類ではなく5種類の画素PXが境界Bを跨いで位置している点で上述した第1の実施形態と相違している。表示パネルPNLは、境界Bを跨ぐ第6画素PX6をさらに有している。第6画素PX6は、第5画素PX5より第2領域A2側に位置する割合が大きい。第6画素PX6は、第5画素PX5の各々の副画素SP1,SP2,SP3に遮光層MSを付加して構成されている。遮光層MSは、第6画素PX6の各副画素SPの第6開口AP6に位置している。遮光層MSは、第1開口領域J1と第2開口領域J2とに均等に配置されていた方が好ましい。
【0084】
図6を参照すると、遮光層MSは、第4絶縁膜14より第1絶縁基板10側に位置している。第1基板SUB1の液晶層LCに接する側の面の平坦化を阻害しないためである。また、遮光層MSは、第6開口AP6に位置しているため、低い光反射率を有していた方が望ましい。このため、遮光層MSは、黒色の樹脂などの光吸収率の高い材料や、低い光反射率を有する金属などの材料で形成した方が望ましい。
【0085】
具体的には、遮光層MSは、下側遮光層USと同一層に配置し、下側遮光層USと同一材料を利用して形成可能である。又は、遮光層MSは、走査線Gと同一層に配置し、走査線Gと同一材料を利用して形成可能である。又は、遮光層MSは、信号線Sと同一層に配置し、信号線Sと同一材料を利用して形成可能である。
例えば、走査線Gがモリブデン・タングステン(MoW)を利用し、信号線Sがアルミニウムを利用している場合、遮光層MSは、走査線Gと同時に形成した方が望ましい。信号線Sより走査線Gの方が光反射率低いためである。
【0086】
第6画素PX6に遮光層MSを設けた分、第6画素PX6の開口率は、第5画素PX5の開口率より低い。
上記のように構成された第1の実施形態の変形例に係る表示装置DSPにおいても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、遮光層MSなど、遮光層BM以外の部材を利用して画素PXの開口率を調整することができるものである。
【0087】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る表示装置DSPについて説明する。上述した第1の実施形態では、画素PXに対応付けて遮光層BMを部分的に拡張することで、画素PXの開口率を調整したものである。しかしながら、本実施形態では、遮光層BMを拡張するのではなく、画素PXに対応付けて画素電極PEの形状を変えることで、画素PXの開口率を調整するものである。画素電極PEの形状は、第1画素PX1乃至第5画素PX5で異なっている。
図15は、上記第2の実施形態の表示装置DSPの第1画素PX1を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。
【0088】
図15に示すように、第1画素PX1を含む全ての画素PXにおいて、各副画素SP1,SP2,SP3は、第1開口AP1を有している。また、全ての画素PXにおいて、副画素SP1,SP2,SP3の複数の第1開口AP1の第2方向Yの長さは互いに同一である。
第1画素PX1の何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、画素電極PEのうち主電極部PBが、第1開口AP1に位置している。なお、主電極部PBは、画素電極PEのうちスリットが設けられている領域に相当する。
【0089】
第1画素PX1において、第1開口領域J1に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa1は互いに同一であり、第2開口領域J2に位置する主電極部PBの第2方向Yの第2長さLb1は互いに同一である。そして、第1長さLa1と第2長さLb1は互いに同一である。第1画素PX1において、第1開口AP1に位置する主電極部PBの第2方向Yの距離DBは、第1長さLa1と第2長さLb1との和に等しい。
【0090】
図16は、第2の実施形態の表示装置DSPの第2画素PX2を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。また、第2画素PX2と第1画素PX1との関係性、及び第2画素PX2と第1画素PX1との相違点、を中心に説明する。
【0091】
図16に示すように、第2画素PX2において、各副画素SP1,SP2,SP3は、第1開口AP1を有している。第2画素PX2の何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、画素電極PEのうち、主電極部PBだけではなく、コンタクト部PA及び他端部PCも、第1開口AP1に位置している。
【0092】
第2画素PX2において、第1開口領域J1に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa2は互いに同一であり、第2開口領域J2に位置する主電極部PBの第2方向Yの第2長さLb2は互いに同一である。そして、第1長さLa2と第2長さLb2は互いに同一である。第2画素PX2において、第1開口AP1に位置する主電極部PBの第2方向Yの距離DBは、第1長さLa2と第2長さLb2との和に等しい。距離DBは、第2画素PX2の方が第1画素PX1より短い。このため、第2画素PX2の第1長さLa2は、第1画素PX1の第1長さLa1より短く、第2画素PX2の第2長さLb2は、第1画素PX1の第2長さLb1より短い。
【0093】
なお、上述したことは、第3画素PX3乃至第5画素PX5に関しても同様である。距離DBは、第3画素PX3の方が第2画素PX2より短く、第4画素PX4の方が第3画素PX3より短く、第5画素PX5の方が第4画素PX4より短い。このため、第3画素PX3の第1長さLa3は、第2画素PX2の第1長さLa2より短く、第3画素PX3の第2長さLb3は、第2画素PX2の第2長さLb2より短い。第4画素PX4の第1長さLa4は、第3画素PX3の第1長さLa3より短く、第4画素PX4の第2長さLb4は、第3画素PX3の第2長さLb3より短い。第5画素PX5の第1長さLa5は、第4画素PX4の第1長さLa4より短く、第5画素PX5の第2長さLb5は、第4画素PX4の第2長さLb4より短い。
【0094】
上記のように構成された第2の実施形態に係る表示装置DSPによれば、画素電極PEは上部電極である。色が互いに同一である副画素SPに設けられ液晶分子LMの回転状態(配向状態)が互いに同一である開口領域J同士を比較した場合、第2画素PX2の開口領域Jにおける画素電極PEの形状と、第1画素PX1の開口領域Jにおける画素電極PEの形状とは、互いに異なり、第2画素PX2の開口領域Jの開口率は、第1画素PX1の開口領域Jの開口率より低い。第2画素PX2の開口率など、境界Bを跨ぐ各画素PXの開口率を調整することができるため、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、第2の実施形態においても、表示品位に優れた表示装置DSPを得ることができる。
【0095】
(第2の実施形態の変形例)
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。
図17は、上記第2の実施形態の変形例の表示装置DSPの第2画素PX2を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。
【0096】
図17に示すように、本変形例の表示装置DSPにおいて、画素電極PEにスリットが設けられていない点で上述した第2の実施形態と相違している。本変形例において、主電極部PBは、コンタクト部PAと他端部PCとの間の線状電極に相当する。主電極部PBは、コンタクト部PA及び他端部PCの各々より細い。言い換えると、主電極部PBの第1方向Xの幅は、コンタクト部PAの第1方向Xの幅より小さく、他端部PCの第1方向Xの幅より小さい。
上記のように構成された第2の実施形態の変形例に係る表示装置DSPにおいても、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0097】
ここで、上述した第2の実施形態と第2の実施形態の変形例とを組合せてもよい。具体的には、第2の実施形態の画素PXと、第2の実施形態の変形例の画素PXとを組合せ、境界Bを跨ぐ各画素PXの開口率を調整してもよい。
【0098】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る表示装置DSPについて説明する。上述した第1の実施形態、第2の実施形態などでは、開口AP及び画素電極PEは<の記号の形状を有し、1個の画素PXで視野角特性に関して補償する構成であった。しかしながら、本実施形態では、画素PXの形状が上述した第1の実施形態などと異なっているため、隣合う2個の画素PXを組み合わせることにより、視野角特性に関して補償するものである。
図18は、第3の実施形態の表示装置DSPの表示パネルPNLにおける画素配列を示す図である。
【0099】
図18に示すように、複数の画素PXは、2種類の主画素MPX1,MPX2に分類される。第2方向Yに隣合う2個の主画素MPX1,MPX2は、単位画素UPXを構成している。主画素MPX1,MPX2は、それぞれカラー画像を表示するための最小単位に相当する。主画素MPX1は、副画素SP1Ra、副画素SP2Ga、及び副画素SP3Baを含んでいる。主画素MPX2は、副画素SP1Rb、副画素SP2Gb、及び副画素SP3Bbを含んでいる。また、上記の副画素SPの形状は、図示したような略平行四辺形である。
【0100】
副画素SP1Ra及び副画素SP1Rbは、第1色の副画素であり、第1色の色層CF1を備えている。副画素SP2Ga及び副画素SP2Gbは、第1色とは異なる第2色の副画素であり、第2色の色層CF2を備えている。副画素SP3Ba及び副画素SP3Bbは、第1色及び第2色とは異なる第3色の副画素であり、第3色の色層CF3を備えている。
但し、主画素MPX1,MPX2は、赤色、緑色及び青色以外の色を表示する副画素を含んでいてもよいし、赤色、緑色及び青色の副画素を他の色の副画素に置換してもよい。
【0101】
主画素MPX1は、第1方向Xに繰り返し配置されている。同様に、主画素MPX2は、第1方向Xに繰り返し配置されている。第1方向Xに並ぶ主画素MPX1の列と、第1方向Xに並ぶ主画素MPX2の列は、第2方向Yに交互に繰り返し配置されている。
色層CF1乃至CF3については、それぞれ上記の副画素のレイアウトに従って配置され、また、それぞれの副画素のサイズに応じた面積を有している。本実施形態において、色層CF1乃至CF3は、それぞれストライプ状に形成され、屈曲しつつ第2方向Yに延在し、第1方向Xに並べられている。
【0102】
副画素SPの形状が図示したような略平行四辺形の場合、主画素MPX1及び主画素MPX2の2個の主画素を組み合わせることにより、各色の副画素に関しても多くのドメインを形成することが可能となり、視野角特性に関して補償することができる。このため、視野角特性に注目すると、主画素MPX1及び主画素MPX2の組み合わせた1個の単位画素UPXが、カラー画像を表示するための最小単位に相当する。
【0103】
図19は、第3の実施形態に係る表示パネルPNLの1個の単位画素UPXを示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。なお、
図19では、説明に必要な構成のみを図示しており、カラーフィルタCF、共通電極CEなどの図示を省略している。また、
図19では、単位画素UPXの主画素MPX1,MPX2は、それぞれ第1画素PX1である。
【0104】
図19に示すように、複数の信号線Sは、概ね第2方向Yに延出し、その一部が屈曲している。図示した例では、隣合う2本の走査線Gの間においては、信号線Sは、第3方向d3及び第4方向d4に延出している。図中において、副画素SPは、隣合う2本の走査線Gと、隣合う2本の信号線Sによって区画される領域に相当する。
【0105】
各画素電極PE、特に各主電極部PBは、第3方向d3又は第4方向d4に延出している。画素電極PEのスリットも第3方向d3又は第4方向d4に延出している。隣合う2本の走査線Gの間において、主電極部PBは信号線Sに沿った形状を有し、信号線Sと画素電極PE(主電極部PB)とは並行して延出している。
図示した例では、主画素MPX1の第1開口AP1、及び主電極部PBは、第3方向d3に延出している。一方、主画素MPX2の第1開口AP1、及び主電極部PBは、第4方向d4に延出している。
【0106】
主画素MPX1の各副画素SP1Ra,SP2Ga,SP3Baにおいて、各第1開口AP1は、第1開口領域J1を含み、第2開口領域J2を含んでいない。主画素MPX2の各副画素SP1Rb,SP2Gb,SP3Bbにおいて、各第1開口AP1は、第2開口領域J2を含み、第1開口領域J1を含んでいない。
上述したことから、主画素MPX1及び主画素MPX2を組み合わせることにより、色毎に、ダイレクタの回転方向が互いに異なる複数のドメインを設けることができる。このため、表示パネルPNLは、良好な視野角特性を得ることができる。
【0107】
主画素MPX1の複数の副画素SP1Ra,SP2Ga,SP3Baは、第1開口領域J1を上記副画素の中央部に有している。主画素MPX2の複数の副画素SP1Rb,SP2Gb,SP3Bbは、第2開口領域J2を上記副画素の中央部に有している。第1画素PX1である主画素MPX1において、複数の第1開口領域J1(第1開口AP1)の第2方向Yの第1長さL1aは互いに同一である。第1画素PX1である主画素MPX2において、複数の第2開口領域J2(第1開口AP1)の第2方向Yの第1長さL2aは互いに同一である。そして、上記第1長さL1aと上記第2長さL2aは互いに同一である。また、ここで言う第1長さL1a及び第2長さL2aは、第2方向Yに隣合う一対の第1遮光層SH1の第2方向Yの距離に等しい。
【0108】
上述したように
図19を参照しながら、それぞれ第1画素PX1である主画素MPX1及び主画素MPX2を例に説明したが、次に、
図20を参照しながら、第2画素PX2について説明する。
図20は、上記第3の実施形態に係る第2画素PX2を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示し、第2画素PX2が主画素MPX1である場合を示している。また、第2画素PX2と第1画素PX1との関係性、及び第2画素PX2と第1画素PX1との相違点、を中心に説明する。
【0109】
図20に示すように、第2画素PX2において、各副画素SP1Ra,SP2Ga,SP3Baは、第2開口AP2を有している。第2画素PX2の何れの副画素SP1,SP2,SP3においても、画素電極PEのうち主電極部PBが第2開口AP2に位置している。
第2画素PX2において、第1開口領域J1に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さL1bは互いに同一である。第2画素PX2の第1長さL1bは、第1画素PX1の第1長さL1aより短い。
なお、上述したことは、第3画素PX3乃至第5画素PX5に関しても同様である。第3画素PX3の第1長さL1cは第2画素PX2の第1長さL1bより短く、第4画素PX4の第1長さL1dは第3画素PX3の第1長さL1cより短く、第5画素PX5の第1長さL1eは第4画素PX4の第1長さL1dより短い。
また、第2方向Yに隣合う一対の第1遮光層SH1の第2方向Yの距離において、第1画素PX1を通る上記距離は第1長さL1aに相当し、第2画素PX2を通る上記距離は第1長さL1bに相当し、第3画素PX3を通る上記距離は第1長さL1cに相当し、第4画素PX4を通る上記距離は第1長さL1dに相当し、第5画素PX5を通る上記距離は第1長さL1eに相当する。
【0110】
色が互いに同一である副画素SPに設けられた開口領域J同士を比較した場合、第2画素PX2の開口領域Jは、第1画素PX1の開口領域Jより小さく、第3画素PX3の開口領域Jは、第2画素PX2の開口領域Jより小さく、第4画素PX4の開口領域Jは、第3画素PX3の開口領域Jより小さく、第5画素PX5の開口領域Jは、第4画素PX4の開口領域Jより小さい。例えば、第2画素PX2である主画素MPX1の第1開口領域J1は、
図19に示した第1画素PX1である主画素MPX1の第1開口領域J1より小さく、第1画素PX1である主画素MPX2の第2開口領域J2より小さい。
【0111】
さらに、開口領域J同士を比較する際、さらに、ダイレクタの回転方向が互いに同一であるドメイン同士を比較した場合、第2画素PX2のドメインのサイズが第1画素PX1のドメインのサイズより小さく、第3画素PX3のドメインのサイズが第2画素PX2のドメインのサイズより小さく、第4画素PX4のドメインのサイズが第3画素PX3のドメインのサイズより小さく、第5画素PX5のドメインのサイズが第4画素PX4のドメインのサイズより小さい方が望ましい。
【0112】
図21は、上記第3の実施形態に係る表示パネルPNLの表示領域DAの1つのラウンド部R1を含む領域を示す平面図であり、遮光層BMと、複数の画素の開口APと、を示す図である。
図21に示すように、複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yに並べられている。複数の画素PXは、第1領域A1に位置した第1画素PX1と、第2境界B2(境界B)を跨いでそれぞれ位置した第2画素PX2、第3画素PX3、第4画素PX4、及び第5画素PX5と、を含んでいる。表示領域DAは、複数の画素PXが位置する領域である。非表示領域NDAは、第2領域A2のうち複数の画素PXが位置していない領域である。
【0113】
第1方向Xに並んだ複数の画素PXにおいて、各画素PXの開口AP(開口領域J)の第2方向Yの中心の位置は第1方向Xに揃っている。
本実施形態においても、境界Bを跨ぐ各画素PXの開口率を調整することにより、表示領域DAのラウンド部の輪郭のギザギザを目立たなくすることができる。
【0114】
上記のように構成された第3の実施形態に係る表示装置DSPによれば、第2方向Yに隣合う一対の画素PXのうち、一方の画素PXの複数の副画素SPは第1開口領域J1を有し、他方の画素PXの複数の副画素SPは第2開口領域J2を有している。複数の画素PXは、第1画素PX1と、境界Bを跨いで位置した第2画素PX2などと、を含んでいる。色が互いに同一である副画素SPに設けられた開口領域J同士を比較した場合、第2画素PX2の開口領域Jは、第1画素PX1の開口領域Jより小さい。第2画素PX2の開口率など、境界Bを跨ぐ各画素PXの開口率を調整することができるため、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、第3の実施形態においても、表示品位に優れた表示装置DSPを得ることができる。
【0115】
(第3の実施形態の変形例)
次に、第3の実施形態の変形例について説明する。
図22は、上記第3の実施形態の変形例に係る表示装置DSPの表示パネルPNLの第2画素PX2を示す平面図であり、走査線G、信号線S、画素電極PE、及び遮光層BMを示す図である。ここでは、説明に必要な主要部のみを図示している。
【0116】
図22に示すように、上述した第3の実施形態では、画素PXに対応付けて遮光層BMを部分的に拡張することで、画素PXの開口率を調整したものである。しかしながら、本変形例では、遮光層BMを拡張するのではなく、画素PXに対応付けて画素電極PEの形状を変えることで、画素PXの開口率を調整するものである。画素電極PEの形状は、第1画素PX1乃至第5画素PX5で異なっている。
【0117】
第2画素PX2の第1開口領域J1(第1開口AP1)に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa2は、第1画素PX1の第1開口領域J1(第1開口AP1)に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa1より短い。
同様に、第3画素PX3の第1開口領域J1(第1開口AP1)に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa3は、第2画素PX2の第1開口領域J1(第1開口AP1)に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa2より短い。
第4画素PX4の第1開口領域J1(第1開口AP1)に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa4は、第3画素PX3の第1開口領域J1(第1開口AP1)に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa3より短い。
第5画素PX5の第1開口領域J1(第1開口AP1)に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa5は、第4画素PX4の第1開口領域J1(第1開口AP1)に位置する主電極部PBの第2方向Yの第1長さLa4より短い。
上記のように構成された第3の実施形態の変形例に係る表示装置DSPにおいても、上述した第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
ここで、上述した第3の実施形態と第3の実施形態の変形例とを組合せてもよい。具体的には、第3の実施形態の画素PXと、第3の実施形態の変形例の画素PXとを組合せ、境界Bを跨ぐ各画素PXの開口率を調整してもよい。
【0119】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る表示装置DSPについて説明する。上述した第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態などでは、表示領域DAのラウンド部R1乃至R4の輪郭のギザギザを目立たなくするため、境界Bを跨ぐ各画素PXの開口率を調整した。しかしながら、本実施形態では、液晶層LCに印加する電圧値を調整するものである。
図23は、第4の実施形態に係る表示装置DSPの表示パネルPNLの表示領域DAの1つのラウンド部R1を含む領域を示す平面図であり、遮光層BMと、複数の画素PXの開口APと、を示す図である。
【0120】
図23に示すように、本実施形態では、上述した実施形態と異なり、第1画素PX1だけではなく第2画素PX2乃至第5画素PX5の各々も第1開口AP1を有している。第1画素PX1乃至第5画素PX5は、同一の開口率を有している。そこで、本実施形態では、第2画素PX2乃至第5画素PX5の画素PXの単位で、画素電極PEに与える画像信号(例えば、映像信号)の電圧値を一緒に調整する。境界Bを跨ぐ各画素PXへグラデーション状に階調を変化させた画像信号を与えることにより、表示領域DAのラウンド部の輪郭を電気的な駆動によりぼかしている。
【0121】
図24は、上記第4の実施形態に係る表示装置DSPにおいて、画素電極PEに印加する画像信号の電圧値の絶対値に対する光透過率の変化をグラフで示した図である。
図24に示すように、任意の副画素SPが任意の光透過率T1を得る場合を想定する。この場合、任意の副画素SPが第1画素PX1の副画素SPである場合、電圧値V1の画像信号を第1画素PX1の画素電極PEに与える。
同様に、任意の副画素SPが第2画素PX2の副画素SPである場合、電圧値V1より低い電圧値V2の画像信号を第2画素PX2の画素電極PEに与える。任意の副画素SPが第3画素PX3の副画素SPである場合、電圧値V2より低い電圧値V3の画像信号を第3画素PX3の画素電極PEに与える。任意の副画素SPが第4画素PX4の副画素SPである場合、電圧値V3より低い電圧値V4の画像信号を第4画素PX4の画素電極PEに与える。任意の副画素SPが第5画素PX5の副画素SPである場合、電圧値V4より低い電圧値V5の画像信号を第5画素PX5の画素電極PEに与える。
【0122】
言い換えると、第2画素PX2乃至第5画素PX5の画素PXの単位で、偏光の変調率が低くなるように調整している。第2画素PX2の各副画素における偏光の変調率を、第1画素PX1の各副画素における偏光の変調率より低くしている。
同様に、第3画素PX3の各副画素における偏光の変調率を、第2画素PX2の各副画素における偏光の変調率より低くしている。第4画素PX4の各副画素における偏光の変調率を、第3画素PX3の各副画素における偏光の変調率より低くしている。第5画素PX5の各副画素における偏光の変調率を、第4画素PX4の各副画素における偏光の変調率より低くしている。
【0123】
上記の例は、液晶層LCに電圧が印加されていないオフ状態で表示パネルPNLが黒表示となるノーマリーブラックモードの場合に適用可能である。しかしながら、上述した手法は、液晶層LCに電圧が印加されていないオフ状態で表示パネルPNLが白表示となるノーマリーホワイトモードの場合でも、適用可能である。
ノーマリーホワイトモードの場合、第2画素PX2乃至第5画素PX5の画素PXの単位で、偏光の変調率が高くなるように調整すればよい。第2画素PX2の各副画素における偏光の変調率を、第1画素PX1の各副画素における偏光の変調率より高くする。
同様に、第3画素PX3の各副画素における偏光の変調率を、第2画素PX2の各副画素における偏光の変調率より高くする。第4画素PX4の各副画素における偏光の変調率を、第3画素PX3の各副画素における偏光の変調率より高くする。第5画素PX5の各副画素における偏光の変調率を、第4画素PX4の各副画素における偏光の変調率より高くする。
なお、表示装置DSPが反射型の液晶表示装置である場合、第2画素PX2乃至第5画素PX5の光反射率を調整すればよい。
【0124】
上記のように構成された第4の実施形態に係る表示装置DSPによれば、境界Bを跨ぐ各画素PXに対し、グラデーション状に階調を変化させた画像信号を与えている。このため、本実施形態は、上述した第1乃至第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記のことから、第4の実施形態においても、表示品位に優れた表示装置DSPを得ることができる。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0126】
上述したように、共通電極CEは画素電極PEの上方に位置していてもよい。
図25に示すように、画素電極PEは、スリットは有していない平板状に形成され、隣合う一対の信号線Sの間に配置されている。共通電極CEは、信号線S、及び画素電極PEに重なっている。共通電極CEは、画素電極PEの直上にスリットCSLを有している。図示した例では、共通電極CEは、1つの画素電極PEと対向する位置に、信号線Sと同様に屈曲した2本のスリットCSLを有している。2本のスリットCSLは、間隔をおいて第1方向Xに並び、それぞれ第1方向Xに沿って略同一の幅を有している。なお、画素電極PEの形状は、図示した例に限定されるものではなく、画素PXの形状などに合わせて適宜変更することができる。また、スリットCSLの形状や本数などについても図示した例に限定されない。
【0127】
以下に、本願出願の原出願に記載された発明を付記する。
[1]第1領域と、
前記第1領域の外側の第2領域と、
少なくとも前記第1領域に位置した液晶層と、
それぞれ互いに色の異なる複数の副画素を有する複数の画素と、を備え、
各々の前記副画素は、第1開口領域と、液晶分子の回転方向が前記第1開口領域とは異なる第2開口領域と、で形成される一つの開口領域を有し、
前記複数の画素は、前記第1領域に位置した第1画素と、前記第1領域と前記第2領域との境界を跨いで位置した第2画素と、を含み、
色が互いに同一である前記副画素の前記開口領域同士を比較した場合、
前記第2画素の前記開口領域は、前記第1画素の前記開口領域より小さく、
前記第1開口領域と前記第2開口領域の境界を表す基準線は、前記第1画素と前記第2画素とで同一直線状である、液晶表示装置。
[2]前記副画素の各々の前記開口領域は、複数のドメインを有し、
前記開口領域同士を比較する際、さらに、ダイレクタの回転方向が互いに同一である前記ドメイン同士を比較した場合、
前記第2画素の前記ドメインのサイズは、前記第1画素の前記ドメインのサイズより小さい、[1]に記載の液晶表示装置。
[3]前記境界は、直線状の第1境界と、前記第1境界に繋がるラウンド状の第2境界と、を有し、
前記第2画素は、前記第2境界を跨いで位置している、[1]に記載の液晶表示装置。
[4]前記複数の画素は、前記第1領域と前記第2領域との境界を跨いで位置し前記第2画素より前記第2領域側に位置する割合の大きい第3画素をさらに含み、
色が互いに同一である前記副画素に設けられ液晶分子の回転状態が互いに同一である前記開口領域同士を比較した場合、
前記第3画素の前記開口領域は、前記第2画素の前記開口領域より小さい、[1]に記載の液晶表示装置。
[5]各々の前記副画素において、前記第1開口領域と前記第2開口領域とは連続して設けられている、[1]に記載の液晶表示装置。
[6]前記複数の画素は、互いに交差する第1方向及び第2方向に並べられ、
前記第1開口領域は、前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向に延出し、
前記第2開口領域は、前記第2方向に前記第1開口領域から連続して設けられ、前記第1方向、前記第2方向及び前記第3方向と異なる第4方向に延出している、[1]に記載の液晶表示装置。
[7]前記複数の画素は、互いに交差する第1方向及び第2方向に並べられ、
各々の前記副画素の前記第1開口領域と前記第2開口領域とは、前記第2方向に連続して設けられ、
各々の前記画素において、複数の第1開口領域の前記第2方向の第1長さは互いに同一であり、複数の第2開口領域の前記第2方向の第2長さは互いに同一であり、
前記第2画素の前記第1長さは、前記第1画素の前記第1長さより短く、
前記第2画素の前記第2長さは、前記第1画素の前記第2長さより短い、[1]に記載の液晶表示装置。
[8]前記複数の画素は、互いに交差する第1方向及び第2方向に並べられ、
各々の前記副画素の前記第1開口領域と前記第2開口領域とは、前記第2方向に連続して設けられ、
各々の前記画素において、複数の第1開口領域の前記第2方向の第1長さは互いに同一であり、複数の第2開口領域の前記第2方向の第2長さは互いに同一であり、
各々の前記画素において、前記第1長さと前記第2長さとは互いに同一である、[1]に記載の液晶表示装置。
[9]複数の第1遮光層をさらに備え、
前記複数の画素は、互いに交差する第1方向及び第2方向に並べられ、
各々の前記副画素の前記第1開口領域と前記第2開口領域とは、前記第2方向に連続して設けられ、
前記複数の第1遮光層は、前記第1方向に延出し、前記第2方向に間隔を置いて並べられ、複数の開口領域の隙間に設けられ、
前記第2方向に隣合う一対の第1遮光層の前記第2方向の距離において、前記第2画素を通る前記距離は、前記第1画素を通る前記距離より短い、[1]に記載の液晶表示装置。
[10]前記複数の画素が位置する表示領域と、
前記第2領域のうち前記複数の画素が位置していない非表示領域と、をさらに備える、[1]に記載の液晶表示装置。
[11]第1領域と、
前記第1領域の外側の第2領域と、
少なくとも前記第1領域に位置した液晶層と、
第1方向に並べられ互いに色の異なる複数の副画素を有し、前記第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に並べられた複数の画素と、を備え、
前記第2方向に隣合う一対の画素のうち、一方の画素の前記複数の副画素は第1開口領域を前記副画素の中央部に有し、他方の画素の前記複数の副画素は液晶分子の回転方向に関して前記第1開口領域とは異なる第2開口領域を前記副画素の中央部に有し、
前記複数の画素は、前記第1領域に位置した第1画素と、前記第1領域と前記第2領域との境界を跨いで位置した第2画素と、を含み、
色が互いに同一である前記副画素に設けられた前記開口領域同士を比較した場合、
前記第2画素の前記開口領域は、前記第1画素の前記開口領域より小さい、液晶表示装置。
[12]前記境界は、直線状の第1境界と、前記第1境界に繋がるラウンド状の第2境界と、を有し、
前記第2画素は、前記第2境界を跨いで位置している、[11]に記載の液晶表示装置。
[13]前記複数の画素は、前記第1領域と前記第2領域との境界を跨いで位置し前記第2画素より前記第2領域側に位置する割合の大きい第3画素をさらに含み、
色が互いに同一である前記副画素に設けられた前記開口領域同士を比較した場合、
前記第3画素の前記開口領域は、前記第2画素の前記開口領域より小さい、[11]に記載の液晶表示装置。
[14]前記第1方向に並んだ前記第1画素と前記第2画素とにおいて、前記第1画素の前記開口領域の前記第2方向の中心の位置と、前記第2画素の前記開口領域の前記第2方向の中心の位置と、は前記第1方向に揃っている、[11]に記載の液晶表示装置。
[15]前記第1開口領域は、前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向に延出し、
前記第2開口領域は、前記第1方向、前記第2方向及び前記第3方向と異なる第4方向に延出している、[11]に記載の液晶表示装置。
[16]各々の前記画素において、複数の開口領域の前記第2方向の長さは互いに同一であり、
前記第2画素の前記長さは、前記第1画素の前記長さより短い、[11]に記載の液晶表示装置。
[17]前記第1方向に延出し、前記第2方向に間隔を置いて並べられ、複数の開口領域の隙間に設けられた複数の第1遮光層をさらに備え、
前記第2方向に隣合う一対の第1遮光層の前記第2方向の距離において、前記第2画素を通る前記距離は、前記第1画素を通る前記距離より短い、[11]に記載の液晶表示装置。
[18]前記複数の画素が位置する表示領域と、
前記第2領域のうち前記複数の画素が位置していない非表示領域と、をさらに備える、[11]に記載の液晶表示装置。
[19]第1領域と、
前記第1領域の外側の第2領域と、
少なくとも前記第1領域に位置した液晶層と、
それぞれ互いに色の異なる複数の副画素を有する複数の画素と、を備え、
各々の前記副画素は、第1開口領域と、第2開口領域と、で形成される一つの開口領域を有し、前記第1開口領域は第3方向に延伸し、前記第2開口領域は前記第3方向と異なる第4方向に延伸しており、
前記複数の画素は、前記第1領域に位置した第1画素と、前記第1領域と前記第2領域との境界を跨いで位置した第2画素と、を含み、
色が互いに同一である前記副画素の前記開口領域同士を比較した場合、
前記第2画素の前記開口領域は、前記第1画素の前記開口領域より小さく、
前記第1開口領域と前記第2開口領域の境界を表す基準線は、前記副画素の中央部である、液晶表示装置。
【符号の説明】
【0128】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、
LC…液晶層、LM…液晶分子、DA…表示領域、NDA…非表示領域、A1…第1領域、A2…第2領域、R1,R2,R3,R4…ラウンド部、B…境界、B1U,B1L…第1境界、B2…第2境界、
UPX…単位画素、MPX1,MPX2…主画素、
PX,PX1,PX2,PX3,PX4,PX5,PX6…画素、
SP,SP1,SP2,SP3,SP1Ra,SP1Rb,SP2Ga,SP2Gb,SP3Ba,SP3Bb…副画素、
AP,AP1,AP2,AP3,AP4,AP5,AP6…開口、
J1…第1開口領域、J2…第2開口領域、
CE…共通電極、PE…画素電極、PB…主電極部、
MS,BM…遮光層、SH1…第1遮光層、SH2…第2遮光層、
DIa,DIb,DIc,DId,DIe,DB…距離、
L1a,L1b,L1c,L1d,L1e,L2a,L2b,L2c,L2d,L2e,La1,La2,La3,La4,La5,Lb1,Lb2,Lb3,Lb4,Lb5…長さ、
X…第1方向、Y…第2方向、d3…第3方向、d4…第4方向。