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特開2024-2653超音波診断装置、超音波診断方法、超音波診断プログラム
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  • 特開-超音波診断装置、超音波診断方法、超音波診断プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002653
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】超音波診断装置、超音波診断方法、超音波診断プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101982
(22)【出願日】2022-06-24
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】大坪 寛英
(72)【発明者】
【氏名】執行 恵太
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601JB13
4C601KK31
4C601KK45
4C601LL21
(57)【要約】
【課題】 超音波診断装置における輝度調整機能の操作性を向上させる。
【解決手段】 被検体の超音波画像G20をタッチパネルモニタに表示する超音波診断装置1であって、タッチパネルモニタに超音波画像を表示し、超音波画像の輝度に関するパラメータを深さごとに表示する操作スライダG30を超音波画像に重畳して表示させる表示制御部14と、タッチパネルモニタに対して行われる、操作スライダへの操作を受け付ける入力部15と、操作スライダへの操作に応じて、超音波画像の輝度を深さごとに調整する画像生成部13と、を備え、操作スライダの少なくとも一部は半透明であり、超音波画像は操作スライダから透過して表示される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の超音波画像をタッチパネルモニタに表示する超音波診断装置であって、
前記タッチパネルモニタに前記超音波画像を表示し、前記超音波画像の輝度に関するパラメータを深さごとに表示する操作スライダを前記超音波画像に重畳して表示させる表示制御部と、
前記タッチパネルモニタに表示される前記超音波画像上に入力される、前記操作スライダへの操作を受け付ける入力部と、
前記操作スライダへの操作に応じて、前記超音波画像の前記輝度を深さごとに調整する画像生成部と、
を備え、
前記操作スライダの少なくとも一部は半透明であり、前記超音波画像は前記操作スライダから透過して表示される、
超音波診断装置。
【請求項2】
前記超音波画像は、撮像される前記深さが一方から他方に向かって変化してなる画像であり、
前記表示制御部は、互いに異なる前記深さに対応する複数の前記操作スライダを、前記超音波画像に重畳させて表示させ、
前記表示制御部は、複数の前記操作スライダを、前記超音波画像上における前記深さに対応させて表示させる、
請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記操作スライダは、設定される前記パラメータに応じた位置に表示される操作子と、前記操作子の可動域を示す可動域表示帯と、を備え、
前記可動域表示帯は半透明に表示される、
請求項1又は2記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記入力部は、前記可動域表示帯上の入力を受け付け、前記画像生成部は、入力を受け付けた前記可動域表示帯上の位置に応じて、当該可動域表示帯に対応する前記深さにおける前記輝度を調整する、
請求項3記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記入力部は、前記操作スライダの表示と非表示の切替操作を受け付ける、
請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記入力部は、前記操作スライダへの操作による前記輝度の調整前後の前記超音波画像を切り替える切替操作を受け付ける、
請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項7】
被検体の超音波画像をタッチパネルモニタに表示する超音波診断方法であって、
前記タッチパネルモニタに前記超音波画像を表示し、前記超音波画像の輝度に関するパラメータを深さごとに表示する操作スライダを前記超音波画像に重畳して表示させる表示制御ステップと、
前記タッチパネルモニタに表示される前記超音波画像上に入力される、前記操作スライダへの操作を受け付ける入力ステップと、
前記操作スライダへの操作に応じて、前記超音波画像の前記輝度を深さごとに調整する画像生成ステップと、
を含み、
前記操作スライダの少なくとも一部は半透明であり、前記超音波画像は前記操作スライダから透過して表示される、
超音波診断方法。
【請求項8】
被検体の超音波画像をタッチパネルモニタに表示する超音波診断プログラムであって、
前記タッチパネルモニタに前記超音波画像を表示し、前記超音波画像の輝度に関するパラメータを深さごとに表示する操作スライダを前記超音波画像に重畳して表示させる表示制御命令と、
前記タッチパネルモニタに表示される前記超音波画像上に入力される、前記操作スライダへの操作を受け付ける入力命令と、
前記操作スライダへの操作に応じて、前記超音波画像の前記輝度を深さごとに調整する画像生成命令と、
をコンピュータに実行させ、
前記操作スライダの少なくとも一部は半透明であり、前記超音波画像は前記操作スライダから透過して表示される、
超音波診断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置、超音波診断方法、および超音波診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、使用者により領域に対して所定のタッチ操作が行われると、タッチ操作が行われた領域のBモード画像の輝度をタッチ操作に対する所定のルールに基づき調整する、超音波診断装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、表示部の表示画面に重ねられて設けられたタッチパネルにより受け付けられる接触操作の対象を示す少なくとも一つの操作対象画像を表示部により表示させる画像表示制御手段と、タッチパネルに対する接触操作に応じて、当該接触操作の対象の操作対象画像に対応する所定の操作対応処理を行う処理手段と、を備え、予め定められた操作制限条件が満たされている場合に、所定の操作対象画像に対応する操作対応処理を行わないように構成されている超音波診断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-089447号公報
【特許文献2】特開2018-047080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波診断における画像調整の機能として、STC(sensitivity time control)(TGC(time gain control)ともいう)と呼ばれる機能が知られている。STC機能は、医師等の使用者が、得られたBモード(Brightness mode)画像の深さに応じて輝度を調整する機能であり、これによれば均質な画像を取得することができる。このSTC機能におけるパラメータを制御するために、据置型の超音波診断装置では、診断画像を表示する画面の側方に複数の物理的なスライダが配設されていた。この場合、使用者は、適切な画像を抽出するために、診断画像が映った画面と、自身の手元とを交互に目視しながら調整を行う必要があり、煩雑であった。
【0006】
携帯型のいわゆるポータブル超音波診断装置においては、タッチパネルモニタの技術を活用する装置も出現しているが、STC機能におけるパラメータの調整操作においては診断画像と操作子が異なる場所に表示されていた。すなわち、調整操作は物理的なスライダと同様に煩雑であり、改良の余地がある。
【0007】
そこで、本発明は、超音波診断装置における輝度調整機能の操作性を向上させることを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る超音波診断装置は、被検体の超音波画像をタッチパネルモニタに表示する超音波診断装置であって、前記タッチパネルモニタに前記超音波画像を表示し、前記超音波画像の輝度に関するパラメータを深さごとに表示する操作スライダを前記超音波画像に重畳して表示させる表示制御部と、前記タッチパネルモニタに表示される前記超音波画像上に入力される、前記操作スライダへの操作を受け付ける入力部と、前記操作スライダへの操作に応じて、前記超音波画像の前記輝度を深さごとに調整する画像生成部と、を備え、前記操作スライダの少なくとも一部は半透明であり、前記超音波画像は前記操作スライダから透過して表示される。
【0009】
前記超音波画像は、撮像される前記深さが一方から他方に向かって変化してなる画像であり、前記表示制御部は、互いに異なる前記深さに対応する複数の前記操作スライダを、前記超音波画像に重畳させて表示させ、前記表示制御部は、複数の前記操作スライダを、前記超音波画像上における前記深さに対応させて表示させるものとしてもよい。
【0010】
前記操作スライダは、設定される前記パラメータに応じた位置に表示される操作子と、前記操作子の可動域を示す可動域表示帯と、を備え、前記可動域表示帯は半透明に表示されるものとしてもよい。
【0011】
前記入力部は、前記可動域表示帯上の入力を受け付け、前記画像生成部は、入力を受け付けた前記可動域表示帯上の位置に応じて、当該可動域表示帯に対応する前記深さにおける前記輝度を調整するものとしてもよい。
【0012】
前記入力部は、前記操作スライダの表示と非表示の切替操作を受け付けるものとしてもよい。
【0013】
前記入力部は、前記操作スライダへの操作による前記輝度の調整前後の前記超音波画像を切り替える切替操作を受け付けるものとしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係る超音波診断方法は、被検体の超音波画像をタッチパネルモニタに表示する超音波診断方法であって、前記タッチパネルモニタに前記超音波画像を表示し、前記超音波画像の輝度に関するパラメータを深さごとに表示する操作スライダを前記超音波画像に重畳して表示させる表示制御ステップと、前記タッチパネルモニタに表示される前記超音波画像上に入力される、前記操作スライダへの操作を受け付ける入力ステップと、前記操作スライダへの操作に応じて、前記超音波画像の前記輝度を深さごとに調整する画像生成ステップと、を含み、前記操作スライダの少なくとも一部は半透明であり、前記超音波画像は前記操作スライダから透過して表示される。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係る超音波診断プログラムは、被検体の超音波画像をタッチパネルモニタに表示する超音波診断プログラムであって、前記タッチパネルモニタに前記超音波画像を表示し、前記超音波画像の輝度に関するパラメータを深さごとに表示する操作スライダを前記超音波画像に重畳して表示させる表示制御命令と、前記タッチパネルモニタに表示される前記超音波画像上に入力される、前記操作スライダへの操作を受け付ける入力命令と、前記操作スライダへの操作に応じて、前記超音波画像の前記輝度を深さごとに調整する画像生成命令と、をコンピュータに実行させ、前記操作スライダの少なくとも一部は半透明であり、前記超音波画像は前記操作スライダから透過して表示される。
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、超音波診断装置における輝度調整機能の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明にかかる超音波診断装置の実施の形態を示す全体概略図である。
図2】上記超音波診断装置の機能ブロック図である。
図3】上記超音波診断装置の操作画面に表示される画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明にかかる超音波診断装置、超音波診断方法、および超音波診断プログラムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
●概要構成
図1は、超音波診断装置1の外観図の一例である。超音波診断装置1は、表示装置10と、超音波探触子20(超音波プローブ)とを備える。表示装置10は、表示部30の画像データの表示領域にタッチパネルが設けられ、いわゆるタッチパネルモニタを構成している。表示部30には、各種診断情報を表示するとともに、超音波診断装置1の各種設定を行うためのソフトキー等が表示される。使用者は、表示部30に表示されたソフトキー等をタッチ操作することで、超音波診断装置1の各種設定を行うことができる。表示装置10は例えばパーソナルコンピュータであってもよい。また、表示装置10は、スマートホン又はタブレット端末であってもよい。可搬性の優れた超音波診断装置を実現するため、表示装置10には携帯性のある端末を適用することが望ましい。
【0020】
超音波探触子20は、超音波を送受信する装置である。図1は、超音波診断装置1にケーブルを介して超音波探触子20が接続されている状態を示している。なお、表示装置10と超音波探触子20との接続形態は有線でも無線でもよい。超音波診断装置1は、例えば一次元方向に配列された複数の圧電変換素子を含む。また、超音波探触子20には、圧電変換素子の数に対応してパルサー、ADコンバーター及び増幅器等が複数配設されている。複数の圧電変換素子は、それぞれが後述する送信部11からの送信電気信号を超音波へと変換し、超音波ビームを生成する。その結果、使用者は、被計測物である被検体表面に超音波探触子20を配置することで、被検体内部に超音波ビームを照射することができる。そして、超音波探触子20は、被検体内部からの反射超音波を受信し、複数の圧電変換素子でその反射超音波を受信電気信号へと変換して後述する受信部12に供給する。
【0021】
●機能ブロック
図2を用いて、超音波診断装置1が有する構成の各機能ブロックに関して詳細に説明する。同図に示すように、超音波診断装置1は、主として、送信部11、受信部12、画像生成部13、表示制御部14、入力部15を備える。なお、超音波診断装置1の機能ブロックの一部を、無線等により通信可能に接続されるサーバが有していてもよい。また、サーバの機能の一部又は全部は、クラウドコンピューティングにより構成されていてもよい。また、超音波診断装置1の機能ブロックは、表示装置10に実現されてもよいし、その一部又は全部が超音波探触子20に実現されていてもよい。
【0022】
送信部11は、少なくとも送信信号を生成し、超音波探触子20に超音波ビームを送信させる機能部である。送信部11は、例えば超音波探触子20に対して送信電気信号を供給することで、超音波探触子20の圧電変換素子を駆動する。超音波探触子20は送信電気信号を超音波へと変換することで、被計測物である被検体に超音波ビームを照射する。
【0023】
受信部12は、反射超音波に基づく受信信号を生成する機能部である。受信部12は、例えば、超音波探触子20で反射超音波を受信し、その反射超音波に基づき変換された受信電気信号に対し、受信電気信号を増幅してA/D変換を行うことで受信信号を生成する。
【0024】
画像生成部13は、主に受信信号の振幅を解析して、超音波画像を生成する機能部である。また、画像生成部13は、後述する操作スライダG30への操作に応じて、超音波画像の輝度を深さごとに調整する。
【0025】
表示制御部14は、画像生成部13により生成された超音波画像を表示部30に表示させる機能部である。
図3は、表示部30に表示される画面G1の1例である。画面G1には、超音波画像G20が表示される超音波画像表示領域G10を有する。超音波画像G20は、画像生成部13で生成される画像であり、例えば扇形の画像である。また、超音波画像G20は、撮像される深さが一方から他方に向かって変化してなる画像であり、図3においては図中上側から下側に向かって深い部分の撮像結果となっている。また、超音波画像表示領域G10の周辺には、超音波画像のパラメータを表示する表示領域、および表示態様又は画像取得態様を調整する操作子等が配設されている。
【0026】
表示制御部14は、表示部30における画像データの表示領域のうち、超音波画像表示領域に超音波画像G20を出力すると共に、画像データに重畳させて、画像データに関するパラメータを変更するための操作子を表示する。特に、表示制御部14は、超音波画像の輝度に関するパラメータを深さごとに表示する操作スライダG30を超音波画像に重畳して表示させる。操作スライダG30は、例えば深さごとにSTCのパラメータを調整する操作子である。
【0027】
複数の操作スライダG30は、超音波画像G20を深さ方向に沿って隙間なく分割した各領域に対応付けられている。超音波画像G20に表示される深さは撮影条件等により異なり、複数の操作スライダG30は、超音波画像G20に表れる深さに応じて対応付けられる。画像生成部13は、複数の操作スライダG30のそれぞれが対応付けられる深さを算出し、複数の操作スライダG30の識別情報と対応付けて一時的に記憶する。本実施形態において操作スライダG30は10個であるが、あくまで例示であり、個数は任意である。
【0028】
また、操作スライダG30の少なくとも一部は半透明であり、超音波画像G20は操作スライダG30から透過して表示される。本実施形態においては、操作スライダG30は、設定されるパラメータに応じた位置に表示される操作子G31と、操作子G31の可動域を示す可動域表示帯G32と、により構成され、可動域表示帯G32が半透明に表示される。この構成によれば、操作スライダG30が超音波画像G20に重畳して表示されても、超音波画像G20を視認できる。
【0029】
また、本実施形態においては、操作子G31は不透明となっている。この構成によれば、操作子G31が視認しやすく、パラメータの把握が容易である。なお、操作子G31も半透明であってもよい。
【0030】
表示制御部14は、複数の操作スライダG30を、超音波画像G20に重畳させて表示させる。複数の操作スライダG30は、互いに異なる深さに対応している。また、表示制御部14は、複数の操作スライダG30を、超音波画像G20上における深さに対応させて表示させる。このような構成によれば、超音波画像G20の各領域の様子および当該領域における深さの輝度を、視点を変えることなく同時に確認することができる。
【0031】
入力部15は、表示部30において入力される入力情報を受け付ける機能部である。入力部15は、少なくとも超音波画像表示領域G10上における入力を受付可能である。例えば、入力部15は、超音波画像表示領域G10上に表示される操作子G31の移動操作を受け付ける。より具体的には、ユーザは、操作子G31をタッチした状態で、タッチした指を左右にスライドさせることで、操作子G31を移動させることができる。このような構成によれば、物理的なスライダ装置が不要であり、可搬性に優れた小型の超音波診断装置を構成できる。また、超音波診断装置1における検査条件は被検者の体重や体格、超音波探触子20を当てている位置又は角度等様々であり、最適なSTCのパラメータは様々であるところ、上述の構成によれば、STCのパラメータを簡便かつ直感的に調整することができるので、鮮明な超音波画像を容易に取得することができる。
【0032】
入力部15は、可動域表示帯G32上の入力を受け付ける。画像生成部13は、入力を受け付けた可動域表示帯G32上の位置に応じて、当該可動域表示帯G32に対応する深さにおける輝度を調整する。すなわち、ユーザが各操作子G31を選択することなく、可動域表示帯G32上の地点を選択することで、当該可動域表示帯G32に対応する操作子G31は自動的に当該地点に移動する。また、超音波画像G20は当該地点に対応する輝度に調整される。この構成によれば、超音波画像G20を見ながら、当該超音波画像G20を上から下、又は下から上になぞるだけで、画像全体の輝度を所望の状態に調整することができる。
【0033】
入力部15は、操作スライダG30の表示と非表示の切替操作を受け付ける。より具体的には、画面G1に表示されているSTCボタンG40の選択により、表示と非表示が切り替えられるようになっている。この構成によれば、輝度の調整が不要な際には操作スライダG30を非表示とすることで、超音波画像G20をより鮮明な状態で確認できる。なお、操作スライダG30のうち可動域表示帯G32のみを非表示とする構成であってもよい。可動域表示帯G32は、超音波画像表示領域G10の左右に渡って表示されているので、非表示とすることで超音波画像G20をより鮮明な状態で確認できる。また、操作子G31の表示を維持する構成によれば、超音波画像G20をより鮮明な状態で表示しつつ、当該領域における輝度を引き続き確認することができる。
【0034】
入力部15は、操作スライダG30への操作による輝度の調整前後の超音波画像G20を切り替える切替操作を受け付けてもよい。入力部15は、所定のボタンの選択を切替操作として受け付けてもよい。また、入力部15は、ユーザの指が操作スライダG30から離れる動作を切替動作として受け付け、ユーザの指が操作スライダG30から離れると輝度調整前の超音波画像G20が表示部30から消え、輝度調整後の超音波画像G20が表示部30に表示される構成としてもよい。
【0035】
さらに、入力部15は、ユーザの指が超音波画像表示領域G10から離れる動作を切替動作として受け付けてもよい。この構成によれば、超音波画像表示領域G10を縦横にわたってなぞることで複数の操作スライダG30のパラメータを操作した場合にも、一括して輝度調整を行うことができる。
【0036】
このように、本発明にかかる超音波診断装置によれば、超音波診断装置におけるSTC機能の操作性を向上させることができる。
なお、上述の説明においては携帯型の超音波診断装置を例に説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限られず、据置型の超音波診断装置にも適用可能である。
【0037】
1 超音波診断装置
10 表示装置
20 超音波探触子
30 表示部
G1 画面
G10 超音波画像表示領域
G20 超音波画像
G30 操作スライダ
G31 操作子
G32 可動域表示帯
G40 STCボタン
図1
図2
図3