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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026538
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】包装袋の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20240220BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B65D33/00 Z
B65D81/34 U
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219752
(22)【出願日】2023-12-26
(62)【分割の表示】P 2019208658の分割
【原出願日】2019-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】白井 直人
(57)【要約】
【課題】包装袋に物品が収容されてなる包装体を手で把持する際に、物品が加熱された状態であっても、包装体を手で容易に把持することができる包装袋を提供する。
【解決手段】
本発明に係る包装袋の製造方法は、一対の対向シート部となる一対の対向シート予定部と、該一対の対向シート予定部にそれぞれ重なるように配置された一対の被覆部材予定部とが、長手方向に沿って帯状に延びる包装袋原反を用い、該包装袋原反を短手方向に沿って切断する工程と、前記一対の対向シート予定部及び前記一対の被覆部材予定部がそれぞれ対向するように折り曲げた状態で、一対の対向シート部の両端部が連結された本体側方連結部を形成する工程と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シートを用いて袋状に形成されると共に、加熱される物品を収容可能な収容空間を形成する袋本体を備えており、
該袋本体は、対向するように配置された一対の対向シート部を備えると共に、該一対の対向シート部の間に収容空間が形成され、一方向における一対の対向シート部の一端部側で収容空間が閉塞されている包装袋であって、
一対の対向シート部における収容空間を挟んで対向する領域を袋本体の外側から覆うシート状の被覆部材を更に備えており、
該被覆部材は、紙および不織布の少なくとも一方を用いて形成されると共に、一方向における一対の対向シート部の一端部側に配置されており、
被覆部材は、前記一方向に交差する他方向における一対の対向シート部の両端部間に亘って帯状に形成され、
該被覆部材の両端部は、該対向シートの両端部と重なっており、
一対の対向シート部は、被覆部材で覆われた被覆領域と、被覆部材で覆われていない非被覆領域とを備える包装袋を製造する包装袋の製造方法であって、
一対の対向シート部となる一対の対向シート予定部と、該一対の対向シート予定部にそれぞれ重なるように配置された一対の被覆部材予定部とが、長手方向に沿って帯状に延びる包装袋原反を用い、
該包装袋原反を短手方向に沿って切断する工程と、
前記一対の対向シート予定部及び前記一対の被覆部材予定部がそれぞれ対向するように折り曲げた状態で、一対の対向シート部の両端部が連結された本体側方連結部を形成する工程と、を備える包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱された物品を収容する包装袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂シートを用いて形成された包装袋が知られている。該包装袋は、物品を収容する収容空間を形成する袋本体を備える。該袋本体は、対向するように配置された一対の対向シート部を備えると共に、該一対の対向シート部の間に収容空間が形成される(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、上述のような包装袋に収容される物品は、包装袋に収容される前に加熱された状態であったり、包装袋に収容された状態で電子レンジや湯煎等によって加熱されたりする場合がある。例えば、包装袋に収容された物品が米飯加工食品(例えば、チャーハンやおにぎり等)である場合、米飯加工食品を食する際に、包装袋に収容された状態の米飯加工食品が電子レンジ等で加熱される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-241439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、包装袋に物品が収容されてなる包装体を手で把持する際に、物品が加熱された状態であると、物品の熱が包装袋を介して手に伝わり、包装体を手で把持することが困難になる虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、包装袋に物品が収容されてなる包装体を手で把持する際に、物品が加熱された状態であっても、包装体を手で容易に把持することができる包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、樹脂シートを用いて袋状に形成されると共に、加熱される物品を収容可能な収容空間を形成する袋本体を備えており、
該袋本体は、対向するように配置された一対の対向シート部を備えると共に、該一対の対向シート部の間に収容空間が形成され、一方向における一対の対向シート部の一端部側で収容空間が閉塞されている包装袋であって、
一対の対向シート部における収容空間を挟んで対向する領域を袋本体の外側から覆うシート状の被覆部材を更に備えており、
該被覆部材は、紙および不織布の少なくとも一方を用いて形成されると共に、一方向における一対の対向シート部の一端部側に配置されており、
被覆部材は、前記一方向に交差する他方向における一対の対向シート部の両端部間に亘って帯状に形成され、
該被覆部材の両端部は、該対向シートの両端部と重なっており、
一対の対向シート部は、被覆部材で覆われた被覆領域と、被覆部材で覆われていない非被覆領域とを備える包装袋を製造する包装袋の製造方法であって、
一対の対向シート部となる一対の対向シート予定部と、該一対の対向シート予定部にそれぞれ重なるように配置された一対の被覆部材予定部とが、長手方向に沿って帯状に延びる包装袋原反を用い、
該包装袋原反を短手方向に沿って切断する工程と、
前記一対の対向シート予定部及び前記一対の被覆部材予定部がそれぞれ対向するように折り曲げた状態で、一対の対向シート部の両端部が連結された本体側方連結部を形成する工程と、を備える包装袋の製造方法である。
【0008】
斯かる構成によれば、袋本体が備える一対の対向シート部における収容空間を挟んで対向する領域を袋本体の外側から覆うシート状の被覆部材を備える。また、被覆部材は、紙および不織布の少なくとも一方を用いて形成される。また、被覆部材は、一方向における一対の対向シート部の一端部側に配置される。そして、一対の対向シート部は、被覆部材で覆われた被覆領域と、被覆部材で覆われていない非被覆領域とを備える。また、被覆領域は、一方向における一対の対向シート部の一端部近傍に形成される。
【0009】
これにより、物品が包装袋に収容されて包装体が形成された状態において、包装袋における被覆部材を備える箇所では、収容空間に収容された物品の熱が包装袋の外側に伝わり難くなる。このため、包装袋における被覆部材を備える箇所を手で把持することで、物品の熱の影響を受けずに包装体を手で容易に把持することができる。
また、非被覆領域から物品の熱が包装袋の外側に放散されるため、被覆部材で一対の対向シート部の全体が覆われている場合(非被覆領域を備えない場合)よりも物品を迅速に冷ますことができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、包装袋に物品が収容されてなる包装体を手で把持する際に、物品が加熱された状態であっても、包装体を手で容易に把持することができる包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る包装袋を一方の対向シート部側から見た平面図。
図2図1のI-I断面図。
図3】同実施形態に係る包装袋を形成する際に用いる包装袋原反を示した平面図。
図4】本発明の他実施形態に係る包装袋を一方の対向シート部側から見た平面図。
図5】本発明の更に他実施形態に係る包装袋の筒状部における軸線に交差する断面の端面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る製造方法で製造された包装袋の一実施形態について、図1~3に基づいて説明する。なお、以下の図面において同一又は相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。また、以下の説明では、一方向とは、各図におけるx軸方向であり、他方向とは、各図におけるy軸方向である。また、一対の対向シート部11,11が対向する方向は、z軸方向である。
【0013】
図1,2に示すように、本実施形態に係る包装袋100は、シート材を用いて袋状に形成される袋本体10と、該袋本体10の一部を袋本体10の外側から覆うシート状の被覆部材20とを備える。
【0014】
袋本体10は、樹脂シートを用いて形成される。樹脂シートとしては、特に限定されるものではなく、例えば、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム、および、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等を用いることができる。後述するように被覆部材20と袋本体10とを熱融着する場合には、樹脂シートとして、CPPやOPPを用いることが好ましい。
【0015】
また、袋本体10は、物品を収容可能な収容空間Rを形成する。
また、袋本体10は、収容空間Rを挟んで対向するように配置された一対の対向シート部11,11と、一方向における一対の対向シート部11,11の一端部同士を連結する連結シート部12とを備える。具体的には、袋本体10は、一方向に延びる筒状に形成されて内側に収容空間Rが形成される筒状部10aと、前記一方向における筒状部10aの一端部を閉塞する閉塞部10bと、前記一方向における筒状部10aの他端部に形成されて収容空間Rを外側に開放する開口部10cとを備える。
【0016】
筒状部10aは、一対の対向シート部11,11によって形成される。具体的には、筒状部10aは、前記一方向に交差する他方向における一方の対向シート部11の両端部と、前記他方向における他方の対向シート部11の両端部とが連結されて筒状に形成されてなるものである。閉塞部10bは、連結シート部12によって形成される。
【0017】
また、一対の対向シート部11,11と連結シート部12とは、一枚の樹脂シートを用いて形成される。具体的には、一枚の樹脂シートは、一対の対向シート部11,11となる領域を備えると共に、その領域の間に連結シート部12となる領域を備える。そして、一対の対向シート部11,11となる領域と連結シート部12となる領域との境界部分で樹脂シートが折り曲げられ、一対の対向シート部11,11となる領域が対向するように配置されると共に、連結シート部12となる領域が一対の対向シート部11,11となる領域の間に折り込まれる。これにより、一対の対向シート部11,11と連結シート部12とが形成される。
【0018】
また、袋本体10は、前記他方向における一方の対向シート部11の両端部と、前記他方向における他方の対向シート部11の両端部とが連結されて形成された一対の本体側方連結部S1を備える。該一対の本体側方連結部S1は、前記一方向に沿って連続的に(具体的には、帯状に)形成される。また、各本体側方連結部S1は、一方の対向シート部11の端部と、他方の対向シート部11の端部とが直接連結された領域と、前記他方向における連結シート部12の端部を介して間接的に連結された領域とを備える。
【0019】
また、袋本体10は、前記他方向における両端部(具体的には、一対の本体側方連結部S1)の少なくとも一方が切り欠かれて形成された切欠部11aを備える。該切欠部11aは、一対の本体側方連結部S1のそれぞれに(具体的には、前記他方向において対向する位置に)形成される。
【0020】
一対の対向シート部11,11は、被覆部材20で覆われた被覆領域11bと、被覆部材20で覆われていない非被覆領域11cとを備える。
【0021】
被覆領域11bは、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部近傍に形成される。また、被覆領域11bは、前記他方向における一対の対向シート部11,11の両端部間の領域の少なくとも一部(好ましくは中央部)に形成される。具体的には、被覆領域11bは、前記他方向における一対の対向シート部11,11の両端部間の全域に形成される。
【0022】
非被覆領域11cは、前記一方向における被覆領域11bより一対の対向シート部11,11の一端部側の領域であって該一端部を含む領域(以下では、一端側非被覆領域11dとも記す)と、前記一方向における被覆領域11bよりも一対の対向シート部11,11の他端部側(即ち、開口部10c側)の領域(以下では、他端側非被覆領域11eとも記す)とに形成される。つまり、前記一方向において、一端側非被覆領域11dと他端側非被覆領域11eとの間に被覆領域11bが形成される。
【0023】
一端側非被覆領域11dは、前記他方向に延びる帯状に形成される。帯状に形成された一端側非被覆領域11dの幅としては、特に限定されるものではなく、例えば、3mm~5mmであってもよい。
【0024】
他端側非被覆領域11eは、前記一方向における被覆領域11bよりも一対の対向シート部11,11の他端部側の領域の全体に形成される。また、他端側非被覆領域11eには、切欠部11aが形成される。
【0025】
被覆部材20は、紙および不織布の少なくとも一方を用いて形成される。後述するように被覆部材20と袋本体10(具体的には、一対の対向シート部11,11)とを熱融着する場合には、被覆部材20を形成するシート材として、紙または不織布の層と熱可塑性樹脂の層とを備えるものが好ましい。
紙としては、和紙、レーヨン、雲竜、純白紙等が挙げられる。また、紙としては、耐油性や耐水性を有するもの、ヒートシール性を有するものであってもよい。また、紙としては、坪量が9g/m以上100g/m以下であってもよい。
不織布としては、PP系不織布、PE系不織布等が挙げられる。また、不織布としては、厚みが0.15mm以上0.5mm以下であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
被覆部材20の厚みとしては、特に限定されるものではなく、例えば、30μm以上であることが好ましい。
【0026】
被覆部材20は、一対の対向シート部11,11における収容空間Rを挟んで対向する領域を袋本体10の外側から覆うように配置される。具体的には、包装袋100は、一対の被覆部材20,20を備えており、一対の対向シート部11,11における収容空間Rを挟んで対向する領域の一方が一方の被覆部材20で覆われ、一対の対向シート部11,11における収容空間Rを挟んで対向する領域の他方が他方の被覆部材20で覆われる。
【0027】
また、被覆部材20は、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部側(具体的には、中央部よりも一端部側)に配置される。
更に、被覆部材20は、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部よりも他端部側に配置される。具体的には、被覆部材20は、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端縁から他端部側に3mm~5mm離れた位置に配置される。
【0028】
また、被覆部材20は、前記他方向における一対の対向シート部11,11の両端部間の領域における少なくとも一部(好ましくは中央部)を覆うように形成される。具体的には、被覆部材20は、前記他方向における一対の対向シート部11,11の両端部間の全域を覆うように帯状に形成される。
【0029】
前記一方向における被覆部材20の両端間の長さ(即ち、前記一方向における被覆領域11bの両端間の長さに相当する長さ)としては、特に限定されるものではない。例えば、前記一方向における被覆部材20の両端間の長さは、連結シート部12を完全に折り畳んだ状態で前記一方向における連結シート部12の両端間(前記他方向に延びる両端間)の長さに対して1.5倍以上であってもよく、2倍以上であってもよく、10倍以下であってもよく、3倍以下であってもよい。また、前記一方向における被覆部材20の両端間の長さは、50mm以上であってもよく、55mm以上であってもよく、60mm以上であってもよく、100mm以下であってもよく、90mm以下であってもよい。
【0030】
また、被覆部材20は、前記他方向における両端部が一対の本体側方連結部S1,S1と重なるように配置される。そして、被覆部材20は、前記他方向における両端部が一対の本体側方連結部S1,S1と連結される(具体的には、前記一方向に沿って帯状に連結される)。
【0031】
被覆部材20は、袋本体10(具体的には、一対の対向シート部11,11)と接合された被覆部材接合部20aと、袋本体10(具体的には、一対の対向シート部11,11)と接合されていない被覆部材非接合部20bとを備える。具体的には、被覆部材20は、前記他方向における両端部間の領域に、被覆部材接合部20aおよび被覆部材非接合部20bを備える。
【0032】
被覆部材接合部20aは、前記他方向における被覆部材20の両端部間の領域に千鳥状に点在するように形成される。
また、被覆部材非接合部20bは、被覆部材20の端部よりも内側の領域から被覆部材20の端部に達すように連続的に形成される。具体的には、被覆部材非接合部20bは、被覆部材20の端部よりも内側の領域と、前記一方向における被覆部材20の両端部(より詳しくは、前記他方向に延びる帯状の両端部)とに形成される。そして、被覆部材20の端部よりも内側の被覆部材非接合部20bと被覆部材20の両端部の被覆部材非接合部20bとが連なるように形成される。これにより、被覆部材非接合部20bは、被覆部材20の端部よりも内側の領域から被覆部材20の両端部に達すように連続的に形成される。
【0033】
上記のように、被覆部材20の端部よりも内側の領域から被覆部材20の両端部に達すように被覆部材非接合部20bが連続的に形成されることで、後述する包装袋原反200を巻き回してロール状にする際に、一対の対向シート予定部11’,11’と被覆部材予定部20’との間から空気が排出される。このため、包装袋原反200をロール状に安定して巻き回すことができる。
【0034】
被覆部材20と袋本体10(具体的には、一対の対向シート部11,11)とを接合する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、被覆部材20と袋本体10(具体的には、一対の対向シート部11,11)とを熱融着する方法であってもよく、接着剤や粘着シートを用いる方法であってもよい。
【0035】
上記のように構成される包装袋100は、図3に示す包装袋原反200から形成することができる。
包装袋原反200は、一対の対向シート部11,11となる一対の対向シート予定部11’,11’を一方向の両端部に備える。また、包装袋原反200は、連結シート部12となる連結シート予定部12’を前記一方向における一対の対向シート予定部11’,11’の間に備える。また、包装袋原反200は、被覆部材20となる被覆部材予定部20’であって一対の対向シート予定部11’,11’のそれぞれに重なるように配置された被覆部材予定部20’を備える。包装袋原反200(一対の対向シート予定部11’,11’と連結シート予定部12’と被覆部材予定部20’)は、他方向に長尺状に形成される。
【0036】
そして、包装袋原反200から所定の大きさのシート材201を切り出し、一対の対向シート予定部11’,11’と連結シート予定部12’との境界部分でシート材201を折り曲げて一対の対向シート予定部11’,11’を対向させると共に、一対の対向シート予定部11’,11’の間に連結シート予定部12’を折り込む。これにより、一対の対向シート部11,11と連結シート部12とを形成する。そして、前記他方向における一方の対向シート部11の両端部と前記他方向における他方の対向シート部11の両端部とを連結して本体側方連結部S1を形成することで、包装袋100を形成する。
【0037】
上記のように構成される包装袋100には、加熱された物品が収容される。包装袋100に収容される物品としては、特に限定されるものではなく、例えば、粒状、粉状、または、液状のものが挙げられる。また、包装袋100に収容される物品としては、例えば、米飯加工食品(具体的には、チャーハンやおにぎり等)、サンドイッチ、カレー等の食品であってもよく、食品以外の物品であってもよい。
また、包装袋100に収容される物品は、包装袋100に収容される前に加熱されてもよく、包装袋100に収容された後で加熱されてもよい。物品を加熱する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、電子レンジ、オーブン、湯煎等が挙げられる。
【0038】
包装袋100は、物品が収容された状態で収容空間Rが閉塞される。収容空間Rを閉塞する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、筒状部10aの開口部10cを閉塞するようにシールすることで、収容空間Rを閉塞してもよい。又は、包装袋100に収容された物品と開口部10cとの間の位置で筒状部10a(具体的には、一対の対向シート部11,11)を捻りまわすことで、収容空間Rを閉塞してもよい。
【0039】
以上のように、本実施形態に係る包装袋100によれば、包装袋100に物品が収容されてなる包装体を手で把持する際に、物品が加熱された状態であっても、包装体を手で容易に把持することができる。
【0040】
即ち、袋本体10が備える一対の対向シート部11,11における収容空間Rを挟んで対向する領域を袋本体10の外側から覆うシート状の被覆部材20を備える。また、被覆部材20は、紙および不織布の少なくとも一方を用いて形成される。また、被覆部材20は、一方向における一対の対向シート部11,11の一端部側に配置される。そして、一対の対向シート部11,11は、被覆部材20で覆われた被覆領域11bと、被覆部材20で覆われていない非被覆領域11cとを備える。また、被覆領域11bは、一方向における一対の対向シート部11,11の一端部近傍に形成される。
【0041】
これにより、物品が包装袋100に収容されて包装体(図示せず)が形成された状態において、包装袋100における被覆部材20を備える箇所では、収容空間Rに収容された物品の熱が包装袋100の外側に伝わり難くなる。このため、包装袋100における被覆部材20を備える箇所を手で把持することで、物品の熱の影響を受けずに包装体を容易に把持することができる。また、非被覆領域11cから物品の熱が包装袋100の外側に放散されるため、被覆部材20で一対の対向シート部11,11の全体が覆われている場合(非被覆領域11cを備えない場合)よりも物品を迅速に冷ますことができる。
【0042】
また、袋本体10は、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部同士を連結する連結シート部12を備える。また、非被覆領域11cは、前記一方向における被覆領域11bよりも一対の対向シート部11,11の一端部側の領域であって該一端部を含む領域と、前記一方向における被覆領域11bよりも一対の対向シート部11,11の他端側の領域とに形成される。
【0043】
ここで、物品が包装袋100に収容されて包装体(図示せず)が形成された状態において、包装袋100に収容された物品が粒状や粉状である場合、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部と連結シート部12との連結位置の近傍に物品が溜まる場合がある。しかしながら、上記のように、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部を含む領域に非被覆領域11c(以下、一端側非被覆領域11dとも記す)が形成されることで、包装袋100は、被覆部材20を備える領域よりも一端側非被覆領域11dの方が変形し易くなる。これにより、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部と連結シート部12との連結位置の近傍に物品が溜まるような場合であっても、一端側非被覆領域11dを変形させることで溜まった物品を容易に取り出すことができる。
【0044】
また、被覆部材20は、前記一方向に交差する他方向における一対の対向シート部11,11の両端部間に亘って帯状に形成される。このため、物品が包装袋100に収容されて包装体(図示せず)が形成された状態において、包装袋100における被覆部材20を備える領域をより容易に手で把持することができる。
【0045】
また、被覆部材20は、袋本体10と接合された被覆部材接合部20aと、袋本体10と接合されていない被覆部材非接合部20bとを備える。また、被覆部材非接合部20bは、被覆部材20の端部よりも内側の領域から被覆部材20の端部に達すように連続的に形成される。
【0046】
このため、物品が包装袋100に収容されて包装体(図示せず)が形成された状態において、被覆部材非接合部20bと袋本体10との間の熱が被覆部材20の端部と袋本体10との間から排出されるため、包装袋100における被覆部材20を備える領域をより容易に手で把持することができる。
【0047】
なお、本発明に係る製造方法で製造された包装袋は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記の実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0048】
例えば、上記実施形態では、被覆部材非接合部20bは、被覆部材20の端部よりも内側の領域から被覆部材20の端部に達すように連続的に形成されるが、これに限定されるものではない。
例えば、図4に示すように、被覆部材20の端部よりも内側に形成された被覆部材非接合部20bと被覆部材20の端部に形成された被覆部材非接合部20bとの間に被覆部材接合部20aが形成されることで、被覆部材20の端部よりも内側の被覆部材非接合部20bが被覆部材20の端部の被覆部材非接合部20bに達しないように構成されてもよい。具体的には、前記他方向における一対の対向シート部11,11(具体的には、筒状部10a)の両端間の全域に亘って被覆部材接合部20aが帯状に形成されると共に、該被覆部材接合部20aが前記一方向に間隔を空けて複数形成される。そして、前記一方向における被覆部材20の両端部と、隣り合う被覆部材接合部20aの間の領域(即ち、被覆部材20の端部よりも内側の領域)とに被覆部材非接合部20bが形成される。これにより、前記一方向における被覆部材20の両端部に形成された被覆部材非接合部20bと、隣り合う被覆部材接合部20aの間(即ち、被覆部材20の端部よりも内側)に形成された被覆部材非接合部20bとの間に、被覆部材接合部20aが位置することになる。このため、被覆部材20の端部よりも内側の被覆部材非接合部20bは、被覆部材接合部20aによって被覆部材20の端部の被覆部材非接合部20bに達しないように構成される。
【0049】
これにより、物品が包装袋100に収容されて包装体(図示せず)が形成された状態において、被覆部材20の端部よりも内側の被覆部材非接合部20bと袋本体10との間に空気の層が形成され易くなるため、物品の熱が包装袋100の外側により伝わりに難くなる。このため、包装袋100における被覆部材20を備える領域をより容易に手で把持することができる。
【0050】
また、上記実施形態では、一対の対向シート部11,11のみから筒状部10aが構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、一対の対向シート部11,11が筒状部10aの一部を構成するようにしてもよい。具体的には、一枚の樹脂シートの対向する端部同士が連結されて背貼り部10dが形成された筒状部10aの場合、筒状部10aにおける背貼り部10d側の一部の領域と、該領域に対向する領域とによって一対の対向シート部11,11が構成されてもよい。なお、斯かる場合には、袋本体10は、本体側方連結部S1を備えなくてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、一対の対向シート部11,11は、連結シート部12によって、前記一方向の一端部同士が間接的に連結されているが、これに限定されるものではなく、例えば、該一端部同士が直接的に連結されてもよい。斯かる場合には、袋本体10は、連結シート部12を備えないように構成される。そして、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部同士が直接的に連結されて閉塞部10bが形成される。
【0052】
また、上記実施形態では、一対の対向シート部11,11と連結シート部12とが一枚の樹脂シートを用いて形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、一方の対向シート部11と他方の対向シート部11と連結シート部12とが別々の樹脂シートを用いて形成されてもよい。また、袋本体10が連結シート部12を備えない場合には、一対の対向シート部11,11のそれぞれが別々の樹脂シートを用いて形成されてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、被覆部材20は、被覆部材接合部20aと被覆部材非接合部20bとを備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、被覆部材接合部20aのみを備えるように構成されてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、被覆部材接合部20aは、千鳥状に点在するように、または、帯状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、直線状に形成されてもよく、環状に(具体的には、被覆部材非接合部20bを囲むように)形成されてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、包装袋100は、一対の対向シート部11,11それぞれの一部を一対の被覆部材20のそれぞれが覆うように構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、被覆部材20を筒状に形成し、筒状の被覆部材20の内側に袋本体10(一対の対向シート部11,11)を配置することで、一対の対向シート部11,11における収容空間Rを挟んで対向する領域を袋本体10の外側から環状の被覆部材20で覆うようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、連結シート部12は、被覆部材20で覆われていないが、これに限定されるものではなく、例えば、連結シート部12の少なくとも一部が被覆部材20で覆われるように構成されてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、袋本体10は、一端側非被覆領域11dと他端側非被覆領域11eとを備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、他端側非被覆領域11eのみを備えるように構成されてもよい。斯かる場合には、被覆部材20は、前記一方向における一対の対向シート部11,11の一端部を覆うように配置される。
【符号の説明】
【0058】
10…袋本体、10a…筒状部、10b…閉塞部、10c…開口部、10d…背貼り部、11…対向シート部、11’…対向シート予定部、11a…切欠部、11b…被覆領域、11c…非被覆領域、11d…一端側非被覆領域、11e…他端側非被覆領域、12…連結シート部、12’…被覆部材予定部、20…被覆部材、20’…被覆部材予定部、20a…被覆部材接合部、20b…被覆部材非接合部、100…包装袋、200…包装袋原反、201…シート材、R…収容空間、S1…本体側方連結部
図1
図2
図3
図4
図5