(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026563
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20240220BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20240220BHJP
B41J 2/08 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B41J2/165 201
B41J2/165 401
B41J2/17 201
B41J2/08
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220701
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2022123921の分割
【原出願日】2018-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山口 翔貴
(72)【発明者】
【氏名】有馬 崇博
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 明
(72)【発明者】
【氏名】岡野 守
(72)【発明者】
【氏名】溝口 翔
(72)【発明者】
【氏名】川口 祐一
(57)【要約】
【課題】 洗浄液が流出することを回避することができる洗浄装置を提供することにある。
【解決手段】 インクジェット記録装置の印字ヘッドを洗浄するヘッド洗浄装置であって、インクジェット記録装置は、印字ヘッドと接続され、印字対象物に印字をするためのインクが収容されるインク容器と、印字ヘッドと接続され、インクを希釈する溶剤が収容された溶剤容器とを有する本体と、インク容器に接続され加圧供給されたインクが吐出されるノズルと、印字に使用されるインク粒子を帯電させる帯電電極と、帯電電極で帯電されたインク粒子を偏向させる偏向電極と、印字に使用されないインク粒子を回収するガターとを有する印字ヘッドと、を備えており、ヘッド洗浄装置は、印字ヘッドが装着されるヘッド装着部と、溶剤を収容する容器と、容器内の溶剤を、ヘッド装着部に供給するためのポンプと、を備え、印字ヘッドがヘッド装着部に装着されている状態で、ヘッド装着部の内部で溶剤を噴射し、印字ヘッドを洗浄するヘッド洗浄装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット記録装置の印字ヘッドを洗浄するヘッド洗浄装置であって、
前記インクジェット記録装置は、
前記印字ヘッドと接続され、印字対象物に印字をするためのインクが収容されるインク容器と、前記印字ヘッドと接続され、前記インクを希釈する溶剤が収容された溶剤容器とを有する本体と、
前記インク容器に接続され加圧供給されたインクが吐出されるノズルと、印字に使用されるインク粒子を帯電させる帯電電極と、前記帯電電極で帯電されたインク粒子を偏向させる偏向電極と、印字に使用されないインク粒子を回収するガターとを有する前記印字ヘッドと、を備えており、
前記ヘッド洗浄装置は、
前記印字ヘッドが装着されるヘッド装着部と、
溶剤を収容する容器と、
前記容器内の溶剤を、前記ヘッド装着部に供給するためのポンプと、
を備え、
前記印字ヘッドが前記ヘッド装着部に装着されている状態で、前記ヘッド装着部の内部で前記溶剤を噴射し、前記印字ヘッドを洗浄するヘッド洗浄装置。
【請求項2】
インクジェット記録装置の印字ヘッドを洗浄するヘッド洗浄装置であって、
前記インクジェット記録装置は、
前記印字ヘッドと接続され、印字対象物に印字をするためのインクが収容されるインク容器と、前記印字ヘッドと接続され、前記インクを希釈する溶剤が収容された溶剤容器とを有する本体と、
前記インク容器に接続され加圧供給されたインクが吐出されるノズルと、印字に使用されるインク粒子を帯電させる帯電電極と、前記帯電電極で帯電されたインク粒子を偏向させる偏向電極と、印字に使用されないインク粒子を回収するガターとを有する前記印字ヘッドと、を備えており、
前記ヘッド洗浄装置は、前記印字ヘッドが装着されるヘッド装着部を有し、
前記印字ヘッドが前記ヘッド装着部に装着されている状態で、前記インクジェット記録装置の前記溶剤容器の溶剤を前記印字ヘッドの内部に供給して前記印字ヘッドの洗浄を実施するヘッド洗浄装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のヘッド洗浄装置において、
前記洗浄後の溶剤を回収する回収容器が取り付けられるように構成されているヘッド洗浄装置。
【請求項4】
請求項1に記載のヘッド洗浄装置であって、
前記ヘッド装着部の内部にノズルを有し、前記ヘッド装着部に装着された前記印字ヘッドに向けて、前記ノズルから前記溶剤を噴射するように構成されていることを特徴とするヘッド洗浄装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のヘッド洗浄装置であって、
前記印字ヘッドにエアーを吹きかける機能が前記ヘッド装着部の内部に設けられていることを特徴とするヘッド洗浄装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のヘッド洗浄装置であって、
前記回収容器で回収した前記溶剤の少なくとも一部を前記印字ヘッドに噴射し、前記印字ヘッドを洗浄するヘッド洗浄装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のヘッド洗浄装置を備えるインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置における印字ヘッドのための洗浄装置に関し、特に、印字ヘッドからの洗浄液の流出を防ぐのに好適な洗浄装置に関する。
する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置の洗浄に関する技術として、特許文献1がある。特許文献1では、ヘッド内部の洗浄ノズルから洗浄液を、ノズル吐出口に向けて噴出し、吸引経路から洗浄液を吸い込むことで洗浄を行い、乾燥工程を行うことにより、ノズル詰まりの発生原因を除去することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、洗浄ノズルから洗浄液をノズル吐出口に向けて噴出した際、吸引経路から全ての洗浄液を吸い込むことができず、ヘッド外部に洗浄液が流出する可能性がある。
【0005】
インクジェット記録装置は、食品、飲料水、薬品、化粧品など衛生面での管理が重要な生産ラインで使用されることが多い。そのため、インクジェット記録装置の内部や周辺の設備、床などに洗浄液やインクが流出しないことが求められている。
【0006】
本発明の目的は、洗浄液が流出することを回避することができる洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい一例は、インクジェット記録装置の印字ヘッドを洗浄するヘッド洗浄装置であって、前記インクジェット記録装置は、前記印字ヘッドと接続され、印字対象物に印字をするためのインクが収容されるインク容器と、前記印字ヘッドと接続され、前記インクを希釈する溶剤が収容された溶剤容器とを有する本体と、前記インク容器に接続され加圧供給されたインクが吐出されるノズルと、印字に使用されるインク粒子を帯電させる帯電電極と、前記帯電電極で帯電されたインク粒子を偏向させる偏向電極と、印字に使用されないインク粒子を回収するガターとを有する前記印字ヘッドと、を備えており、前記ヘッド洗浄装置は、前記印字ヘッドが装着されるヘッド装着部と、溶剤を収容する容器と、前記容器内の溶剤を、前記ヘッド装着部に供給するためのポンプと、を備え、前記印字ヘッドが前記ヘッド装着部に装着されている状態で、前記ヘッド装着部の内部で前記溶剤を噴射し、前記印字ヘッドを洗浄するヘッド洗浄装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗浄液が流出することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1における印字ヘッド用の洗浄装置の断面図である。
【
図3】インクジェット記録装置の外観斜視図である。
【
図4】インクジェット記録装置の使用状態を示す斜視図である。
【
図5】インクジェット記録装置の動作原理を示す斜視図である。
【
図6】インクジェット記録装置の経路構成を示す図である。
【
図7】実施例2における洗浄装置と内部アタッチメントの断面図である。
【
図8】実施例3における印字ヘッドを固定したスタンドの外観斜視図である。
【
図9】印字ヘッド用の洗浄装置の経路構成を示す図である。
【
図10】印字ヘッド用の洗浄装置の経路構成を示す別の図である。
【
図11】印字ヘッド用の洗浄装置を使用する手順についてのフローチャートである。
【
図12】実施例5における印字ヘッド用の洗浄装置の経路構成を示す図である。
【
図13】洗浄装置をインクジェット記録装置の外側に取り付けた場合の外観斜視図である。
【
図14】洗浄装置をインクジェット記録装置の内側に取り付けた場合の外観斜視図である。
【
図15】実施例5のインクジェット記録装置の外観斜視図である。
【
図16】実施例6の印字ヘッド用の洗浄装置の外観斜視図である。
【
図17】実施例6の印字ヘッド用の洗浄装置の外観斜視図と断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例0011】
<インクジェット記録装置外観の構成>
図3は、実施例1に係るインクジェット記録装置400の外観斜視図を示す。
図3において、401はインクジェット記録装置本体、402は印字ヘッド、403は
操作表示部、404は導管である。インクジェット記録装置400は、インクジェット記
録装置本体401に操作表示部403を備え、外部に印字ヘッド402を備え、インクジ
ェット記録装置本体401と印字ヘッド402は導管404にて接続されている。
【0012】
<インクジェット記録装置の使用形態>
次に、インクジェット記録装置の使用状態について
図4を用いて説明する。
図4において、401は、インクジェット記録装置本体、402は、印字ヘッド、40
4は、導管、13は、数字や文字を印字される印字対象物、15は、印字対象物13を搬
送するベルトコンベア、16は、ベルトコンベア15の搬送距離を計測するロータリエン
コーダ、17は、印字センサ、18は、印字ヘッドを任意の姿勢で固定するスタンド、1
9は、印字ヘッドをスタンド18に固定するための固定用冶具である。
【0013】
インクジェット記録装置400は、例えば、食品や飲料などが生産される工場内の生産
ラインに据え付けられ、インクジェット記録装置本体401は、使用者が操作できる位置
に設置され、印字ヘッド402は、ベルトコンベア15などの生産ライン上を給送される
印字対象物13に近接できる位置に設置される。このとき印字ヘッド402に固定用冶具
19を取り付けスタンド18に固定してもよい。ベルトコンベア15などの生産ライン上
には給送速度に係わらず同じ幅で印字するために、給送速度に応じた信号をインクジェッ
ト記録装置400に出力するエンコーダ16や、印字対象物13を検出してインクジェッ
ト記録装置400に印字を指示する信号を出力する印字センサ17が設置されている。
【0014】
それぞれは、インクジェット記録装置本体401内の図示しない制御部に接続されてい
る。エンコーダ16や印字センサ17からの信号に応じて制御部が、
図5に示したように
、ノズル8から吐出されるインク柱7Bへの帯電量や帯電タイミングを制御し、印字対象
物13が印字ヘッド402近傍を通過する間に帯電、偏向されたインク粒子7Cを、印字
対象物13へ付着させて印字を行うようになっている。
【0015】
<装置の動作原理>
次に、インクジェット記録装置の動作原理について
図5を用いて説明する。
図5において、20は、主インク容器、7Aは、インク、24は、インクを加圧し、送
り出すポンプ(供給用)、9は、電圧を印加すると所定の周波数で振動する電歪素子、8
は、インクを吐出するノズル、7Bは、インク柱である。10は、インク粒子に帯電させ
る帯電電極、7Cはインク粒子である。11は、グランド偏向電極、12は、プラス偏向
電極、13は、印字される印字対象物、14は、印字しないインク粒子を回収するガター
である。
【0016】
主インク容器20内のインク7Aは、ポンプ(供給用)24に吸引、加圧されてインク
柱7Bとなってノズル8から吐出される。ノズル8には、電歪素子9が備えられており、
インクに所定の周波数で振動を加えてノズル8から吐出されるインク柱7Bを粒子化する
ようになっている。これにより生成されるインク粒子7Cの数は,電歪素子9に印加する
励振電圧の周波数により決定され、その周波数と同数となる。インク粒子7Cは、印字情
報に対応した大きさの電圧を帯電電極10にて印加することで電荷を与えられるようにな
っている。
【0017】
帯電電極10で帯電させられたインク粒子7Cは、グランド偏向電極11とプラス偏向
電極12間の電界中を飛翔する。偏向電界は、1~7kVの高電圧が印加されたプラス偏
向電極12と設置されたグランド偏向電極11との間に形成されており、帯電したインク
粒子7Cは、その帯電量に比例した力を受けて偏向し、印字対象物13へ向かって飛翔し
て着弾する。
【0018】
その際、インク粒子7Cは帯電量に応じて偏向方向の着弾位置は変化し、さらに偏向方
向と直交する方向に生産ラインが印字対象物13を移動させることで、偏向方向と直交し
た方向にも粒子を着弾させることが可能となり、複数の着弾インク粒子7Dによって文字
を構成し印字を行う。印字に使用されなかったインク粒子7Cはプラス偏向電極12間を
直線的に飛翔して、ガター14により捕捉された後に、ポンプ(回収用)25で吸引され
て主インク容器20に回収される。
【0019】
次に、インクジェット記録装置の経路構成について
図6を用いて説明する。
図6は、イ
ンクジェット記録装置400の全体の経路構成を示す図である。
【0020】
まず、本実施例のインクジェット記録装置400のインク供給経路について説明する。
インクジェット記録装置本体401には、循環するインク7Aを保持する主インク容器2
0が備えられており、主インク容器20には、主インク容器20内の液体が内部に保持さ
れるのに適正な量である基準液面レベルに達しているか否かを検知する液面センサ46が
備えられている。
【0021】
主インク容器20は、主インク容器20内のインク7Aの粘度を把握するために、経路
201を介して粘度測定器43に接続されている。粘度測定器43は経路202を介して
経路の開閉を行う電磁弁(供給用)34に接続されており、電磁弁(供給用)34は経路
203を介してインク7Aを吸引、圧送するために使用されるポンプ(供給用)24に接
続されている。そして、ポンプ(供給用)24は経路204を介してインク7A中に混入
している異物を除去するフィルタ(供給用)28に接続されている。
【0022】
フィルタ(供給用)28は、経路205を介してポンプ(供給用)24から圧送された
インク7Aを印字するために適正な圧力に調整する減圧弁33に接続されており、減圧弁
33は経路206を介してノズルに供給されるインク7Aの圧力を測定する圧力計31が
備えられている。圧力計31は、導管404内を通る経路207を介して印字ヘッド40
2内に備えられた切替弁42と接続されている。
【0023】
切替弁42は、経路208を介して、インク7Aを吐出する吐出口を備えたノズル8に
接続されている。切替弁42は電磁弁であり、ノズル8からインクを噴出するかどうかの
開閉制御を行っている。ノズル8吐出口の直進方向には、印字に使用されないために帯電
、偏向されずに直進的に飛翔するインク粒子7Cを捕捉するためのガター14が配置され
ている。
【0024】
次に、
図6において、インク回収経路について説明する。ガター14は、導管404内
を通る経路212を介してインクジェット記録装置本体401内に配置されているインク
中に混入している異物を除去するフィルタ(回収用)30と接続されており、フィルタ(
回収用)30は、経路213を介して経路の開閉を行う電磁弁(回収用)35に接続され
ている。
【0025】
電磁弁(回収用)35は経路214を介してガター14により捕捉されたインク粒子7
Cを吸引するポンプ(回収用)25と接続されている。ポンプ(回収用)25は、経路2
15及び経路216を介して主インク容器20と接続されている。また、主インク容器2
0は、排気経路217と接続されていて、排気経路217は、インクジェット記録装置本
体401外部と連通した構成をとっている。
【0026】
次に、
図6において、インク補給経路について説明する。インクジェット記録装置本体
401には、補充用のインクを保持する補助インク容器22が備えられており、補助イン
ク容器22は、経路221を介して経路の開閉を行う電磁弁36に接続されている。そし
て、電磁弁36は経路222を介して、インク供給経路203と接続された合流経路22
3に接続されている。
【0027】
次に、
図6において、インク循環経路について説明する。印字ヘッド402内に備えら
れたノズル8には、インク供給用の経路208の他に導管404内を通る経路225を介
してインクジェット記録装置本体401内に備えられ、流路の開閉を行う電磁弁37に接
続されている。電磁弁37は、経路226を介してノズル8からのインクの吸引を行うポ
ンプ(循環用)26に接続されている。そして、ポンプ(循環用)26は経路227を介
して、インク回収経路215に接続された合流経路228に接続された構成となっている
。
【0028】
次に、
図6において、インク供給経路207に接続されたインク圧抜き経路について説
明する。インク供給経路207と接続された分岐経路235は、圧抜き経路236と接続
されていている。そして、圧抜き経路236は、流路の開閉を行う電磁弁39に接続され
ており、電磁弁39は経路237を介して、インク回収経路214と接続された合流経路
238に接続されている。
【0029】
次に、
図6のインクジェット記録装置400の溶剤補給経路について説明する。インク
ジェット記録装置本体401には、溶剤補給用の溶剤を保持する溶剤容器21が備えられ
ており、溶剤容器21は、経路231を介して溶剤を吸引、圧送するために使用されるポ
ンプ(溶剤用)27に接続されている。ポンプ(溶剤用)27は、経路232を介して流
路の開閉を行うために電磁弁(溶剤用)38に接続されており、電磁弁(溶剤用)38は
、経路233を介して主インク容器20と接続されている。
【0030】
さらに、
図6のインクジェット記録装置400の空気経路について説明する。インクジ
ェット記録装置本体401には、印字ヘッド402内部から乾燥した空気を排出するため
、経路234が備えられている。経路234は経路にエアポンプ73を備え、空気を供給
してもよい。または、外部に備え付けられた空気圧縮機に接続し、空気を供給してもよい
。
【0031】
<洗浄装置断面の構成>
図1は、実施例1に係る印字ヘッド用の洗浄装置500の断面図を示す。
図1において、1は洗浄装置本体、2は内部アタッチメント、3はシール部(取り付け
冶具用)、4は、取り付け冶具、5はシール部(内部アタッチメント用)、402Aは、
印字ヘッドベースである。
【0032】
洗浄装置500は、印字ヘッドにインクを供給するインクジェット記録装置本体401
の外部に配置され、シール部(取り付け冶具用)3を備えた洗浄装置本体1の内部に内部
アタッチメント2を取り付けたものを指す。印字ヘッドベース402Aは、印字ヘッド4
02の一部でありノズル8、帯電電極10、グランド偏向電極11、プラス偏向電極12
を固定している。
【0033】
<洗浄装置の使用形態>
次に、洗浄装置500の使用状態について
図1および
図2を用いて説明する。
図1において、1Aは供給口(本体)、1Bは回収口(本体)、2Aは供給口(内部ア
タッチメント)、2Bは、回収口(内部アタッチメント)である。なお、以下に述べる洗
浄液6はインクジェット記録装置400内の溶剤と同様な成分で構成されており、インク
ジェット記録装置内の溶剤と同義として表現する。
【0034】
洗浄装置500は、洗浄液6を供給口(本体)1Aから供給口(内部アタッチメント)
2Aを通り洗浄装置内部に供給できる。また、洗浄装置500は、洗浄装置内部の洗浄液
6を回収口(内部アタッチメント)2Bから回収口(本体)1Bを通り洗浄装置外部に流
出できる形状で、着脱可能な内部アタッチメント2が取り付けられている。また、内部ア
タッチメント2は、洗浄装置500と印字ヘッド402と間で形成され、印字ヘッド内を
洗浄する際に、洗浄液6を保持する空間の容積が小さくなるよう、印字ヘッド402の形
状に合う形をしている。
【0035】
取り付け冶具を装着した印字ヘッド300が挿入された洗浄装置500は、シール部(
取り付け冶具用)3と取り付け冶具4が密着し、回収口(内部アタッチメント)2Bと、
回収口(本体)1B以外から洗浄液6が流出することを回避し、洗浄装置内部の雰囲気が
外気と混ざらないようになっている。
【0036】
供給口(本体)1Aに、洗浄液6が供給されると供給口(内部アタッチメント)2Aを
介して洗浄装置500内部に洗浄液6が供給される。または、インクジェット記録装置4
00内の溶剤が印字ヘッド402内部から洗浄装置500内部に供給される。
【0037】
このとき主にインクの噴出によって汚れたノズル8、帯電電極10、グランド偏向電極
11、プラス偏向電極12、印字ヘッドベース402Aに洗浄液6が接触し、上述した部
分を洗浄できる。洗浄後に上述した洗浄液6はガター14から吸引されインクジェット記
録装置本体401内に回収される。または、上述した洗浄液6は回収口(内部アタッチメ
ント)2Bから回収口(本体)1Bを通り洗浄装置外部に流出する。
【0038】
<実施例1の効果>
以上のように、本実施例によれば、取り付け冶具4を装着した印字ヘッド300を洗浄
装置500に挿入し、内部で洗浄液6によって印字ヘッド402を洗浄することにより、
ノズル詰まりの発生原因を除去することができる。
【0039】
また、シール部(取り付け冶具用)3と取り付け冶具4が密着していることによってイ
ンクジェット記録装置周辺に、印字ヘッドから洗浄液6が流出することを回避できる。さ
らに、内部アタッチメント2によって洗浄装置500と印字ヘッド402との間で形成さ
れる、洗浄時に洗浄液6を保持する空間部の容積が小さくなり、印字ヘッド洗浄時の洗浄
液6の消費量をできるだけ少なくできる。さらに言うには、取り付け冶具4は寸法、形状
の異なる印字ヘッド402に装着できるため、この効果を得るために専用のインクジェッ
ト記録装置400である必要がない。