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特開2024-2663契約管理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、情報処理端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002663
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】契約管理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、情報処理端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20231228BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101994
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】505392916
【氏名又は名称】弁護士ドットコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】安藤 陽介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数のユーザ間の電子的な契約手続きにおいて、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理する契約管理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理端末を提供する。
【解決手段】サーバ10と複数のユーザ端末20により構成されるシステムにおいて、サーバにユーザ間の電子的な契約手続きを記憶させるための契約管理プログラムは、プロセッサに、契約に関する契約情報を記憶する契約記憶ステップと、契約の当事者に関する1または複数の当事者情報を特定し、特定した1又は複数の当事者情報を契約情報と関連づけて記憶する当事者記憶ステップと、当事者記憶ステップにおいて記憶した1又は複数の当事者情報の夫々を、関連づけられた1また複数の契約情報と紐付けて一覧提示する一覧提示ステップと、を実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備え、コンピュータにユーザ間の電子的な契約手続きを記憶させるための契約管理プログラムであって、
前記プロセッサは、
契約に関する契約情報を記憶する契約記憶ステップと、
前記契約の当事者に関する1または複数の当事者情報を特定し、特定した前記1または複数の当事者情報を前記契約情報と関連づけて記憶する当事者記憶ステップと、
前記当事者記憶ステップにおいて記憶した1または複数の前記当事者情報のそれぞれを、関連づけられた1また複数の前記契約情報と紐付けて一覧提示する一覧提示ステップと、
を実行する契約管理プログラム。
【請求項2】
前記契約記憶ステップにおいて記憶した前記契約情報から、前記契約に含まれる権利または義務に関する1または複数の権利義務情報を抽出する抽出ステップと、
を実行し、
前記当事者記憶ステップは、前記抽出ステップにおいて抽出した前記1または複数の権利義務情報のそれぞれを、特定した前記1または複数の当事者情報と関連付けて記憶するステップである、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項3】
前記抽出ステップは、前記契約情報から、前記契約に含まれる1または複数の条項を抽出するステップであり、
前記当事者記憶ステップは、前記抽出ステップにおいて抽出した前記1または複数の条項のそれぞれを、特定した前記1または複数の当事者情報と関連付けて記憶するステップである、
請求項2記載の契約管理プログラム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記ユーザから、権利または義務に関する所定の権利義務情報を含む照会リクエストを受け付ける照会ステップと、
前記照会ステップにおいて受け付けた前記所定の権利義務情報に同等または類似する1または複数の権利義務情報を取得する取得ステップと、
を実行する、
請求項2記載の契約管理プログラム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記照会ステップにおいて受け付けた前記所定の権利義務情報を、前記取得ステップにおいて取得した同等または類似する前記1または複数の権利義務情報のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報と紐付けて前記ユーザに提示する当事者提示ステップと、
を実行する請求項4記載の契約管理プログラム。
【請求項6】
前記照会ステップは、前記ユーザから、前記所定の権利義務情報として所定の条文見出しを含む照会リクエストを受け付けるステップであり、
前記取得ステップは、前記照会ステップにおいて受け付けた前記所定の条文見出しと同等または類似する条文見出しを有する1または複数の条項を取得するステップである、
請求項4記載の契約管理プログラム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記照会ステップにおいて受け付けた前記所定の条文見出しを、前記取得ステップにおいて取得した同等または類似する前記1または複数の条項のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報と紐付けて前記ユーザに提示する当事者提示ステップと、
を実行する請求項6記載の契約管理プログラム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
ユーザから、前記一覧提示ステップにおいて提示した前記1または複数の契約情報から所定の契約情報の選択操作を受け付ける選択受付ステップと、
前記選択受付ステップにおいて選択した前記所定の契約情報に基づき、宛先情報を含む証憑に関する証憑情報を発行する証憑発行ステップと、
前記証憑情報に含まれる前記宛先情報に、前記当事者記憶ステップにおいて前記所定の契約情報に関連付けて記憶した前記当事者情報が含まれない場合には、前記ユーザに対して警告情報を提示する警告提示ステップと、
を実行する、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項9】
前記契約記憶ステップは、前記契約情報を、前記契約情報の存続状態に関する存続情報と関連付けて記憶するステップであり、
前記一覧提示ステップは、前記1または複数の前記契約情報のうち、前記存続情報に存続していることを示す情報が記憶されていない1または複数の前記契約情報を除外して一覧提示するステップである、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項10】
前記プロセッサは、
ユーザから、契約の当事者に関する所定の当事者情報を含む照会リクエストを受け付ける当事者照会ステップと、
を実行し、
前記一覧提示ステップは、前記当事者照会ステップにおいて受け付けた前記所定の当事者情報に基づき、前記所定の当事者情報に関連付けられた1または複数の前記契約情報を一覧提示するステップである、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
ユーザから、契約の当事者に関する所定の当事者情報を含む照会リクエストを受け付ける当事者照会ステップと、
を実行し、
前記一覧提示ステップは、前記当事者照会ステップにおいて受け付けた前記所定の当事者情報に基づき、前記所定の当事者情報との間で有している前記1または複数の権利義務情報を一覧提示するステップである、
請求項2記載の契約管理プログラム。
【請求項12】
前記一覧提示ステップは、前記当事者照会ステップにおいて受け付けた前記所定の当事者情報に基づき、前記所定の当事者情報との間で有している前記1または複数の権利義務情報を、条文見出しごとに一覧提示するステップである、
請求項11記載の契約管理プログラム。
【請求項13】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサが、請求項1から12のいずれか記載の契約管理プログラムを実行する、
情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記プロセッサが、請求項1から12のいずれか記載の契約管理プログラムを実行する、
情報処理システム。
【請求項15】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記コンピュータが、請求項1から12のいずれか記載の契約管理プログラムを実行する、
情報処理方法。
【請求項16】
プロセッサと、記憶部と、表示装置と、を備える情報処理端末であって、
前記プロセッサが、請求項1から12のいずれか記載の契約管理プログラムにおける前記一覧提示ステップを実行する、
情報処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、契約管理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の発達および普及に伴い、これまでは紙媒体が利用されていた書類が電子化されつつある。例えば、当事者の署名および押印が必要となる契約書といった書類も、電子データで管理することが考えられている。
特許文献1には、作成者端末、確認者端末および契約書管理サーバからなるデジタル契約に関する情報処理システムが開示されている。
特許文献2には、契約書の内容に基づいて組織の契約状況を提示する情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-10096号
【特許文献2】特開2020-190905号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のユーザ間の電子的な契約手続きにおいて、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理することができていないという課題がある。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセッサと、記憶部とを備え、コンピュータにユーザ間の電子的な契約手続きを記憶させるための契約管理プログラムであって、プロセッサは、契約に関する契約情報を記憶する契約記憶ステップと、契約の当事者に関する1または複数の当事者情報を特定し、特定した1または複数の当事者情報を契約情報と関連づけて記憶する当事者記憶ステップと、当事者記憶ステップにおいて記憶した1または複数の当事者情報のそれぞれを、関連づけられた1また複数の契約情報と紐付けて一覧提示する一覧提示ステップと、を実行する契約管理プログラム。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3】第1ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4】第2ユーザ端末30の機能構成を示すブロック図である。
図5】ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
図6】グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
図7】書類テーブル1014のデータ構造を示す図である。
図8】確認テーブル1015のデータ構造を示す図である。
図9】入力項目テーブル1016のデータ構造を示す図である。
図10】契約書グループテーブル1017のデータ構造を示す図である。
図11】条項テーブル1018のデータ構造を示す図である。
図12】契約書作成処理の動作を示すフローチャートである。
図13】契約書確認処理の動作を示すフローチャートである。
図14】一覧提示処理の動作を示すフローチャートである。
図15】契約書作成処理の動作を示す画面例である。
図16】第2ユーザ端末30に通知される確認依頼メッセージを示す画面例である。
図17】契約書確認処理の動作を示す画面例である。
図18】第1ユーザ端末20に通知される締結完了メッセージを示す画面例である。
図19】契約書確認処理における権利義務情報、条項抽出処理を説明する図である。
図20】一覧提示処理の動作を示す画面例である。
図21】一覧提示処理の動作を示す画面例である。
図22】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<システム1の構成>
本開示におけるシステム1は、複数のユーザ間において締結された契約情報を記憶、管理するサービスを実現するための情報処理システムである。
システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30の情報処理装置を備える。
図1は、システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、第1ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4は、第2ユーザ端末30の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0011】
<サーバ10の構成>
サーバ10は、複数のユーザ間において電子的な契約締結サービスを提供する情報処理装置である。サーバ10は、複数のユーザ間において締結された契約情報を記憶、管理するサービスを提供する情報処理装置である。
サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0012】
<サーバ10の記憶部101の構成>
サーバ10の記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、ユーザテーブル1012、グループテーブル1013、書類テーブル1014、確認テーブル1015、入力項目テーブル1016、契約書グループテーブル1017、条項テーブル1018を備える。
【0013】
アプリケーションプログラム1011は、サーバ10の制御部104を各機能ユニットとして機能させるためのプログラムである。
【0014】
ユーザテーブル1012は、サービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)の情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶される。
これにより、ユーザは本開示にかかるサービスを利用できるようになる。なお、本開示においてサービスを利用するユーザは、必ずしもユーザテーブル1012に登録されている必要はない。
ユーザテーブル1012は、ユーザIDを主キーとして、ユーザID、ユーザ名、メールアドレス、グループID、承認権限のカラムを有するテーブルである。
図5は、ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【0015】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
ユーザ名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
メールアドレスは、ユーザのメールアドレスを記憶する項目である。
グループIDは、ユーザが所属するグループのグループ識別情報を記憶する項目である。グループは、後述するグループテーブル1013により定義され、ユーザは、複数のグループに所属するものとしても構わない。
承認権限は、ユーザの承認締結に関する権限情報を記憶する項目である。契約締結を承認する権限(承認権限)を有するユーザには、Trueなど契約締結を承認する権限を有する情報が記憶される。一方、契約締結を承認する権限を有さないユーザには、False、ブランク、ヌル値など契約締結を承認する権限を有さない情報が記憶される。
契約情報に応じて承認権限を設定できる構成としても良い。例えば、ユーザAは、特定の契約情報Aに対して承認権限を有するが、特定の契約情報Bに対して承認権限を有さない構成としても良い。
秘密保持契約、共同研究契約、請負契約などの契約情報の種別(契約情報種別)に応じて承認権限を設定できる構成としても良い。例えば、ユーザAは、秘密保持契約に対して承認権限を有するが、請負契約に対しては承認権限を有さない構成としても良い。
その他、ユーザの所属部署、役所などに応じて複数段階(レベル、ランク)の権限情報を記憶する構成としても良い。例えば、派遣社員などはC、一般社員はB、管理職はA、役員はSという情報を承認権限の項目に記憶し、契約情報の契約種別情報、契約金額などに応じて、所定のランク以上(例えば、秘密保持契約はA以上など)の承認権限を有するユーザのみ契約締結を承認することができる構成としても良い。
【0016】
グループテーブル1013は、ユーザが所属するグループに関する情報(グループ情報)を記憶し、管理するテーブルである。グループは、法人、会社、サークル、団体、会社内の部署など、ユーザが所属する任意のグループを定義することができる。
グループテーブル1013は、グループIDを主キーとして、グループID、グループ名、管理者IDのカラムを有するテーブルである。
図6は、グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【0017】
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。グループ識別情報は、グループごとにユニークな値が設定されている項目である。
グループ名は、グループの名称を記憶する項目である。グループ名は、任意の文字列を設定することができる。
管理者IDは、グループにおいて管理者権限を有するユーザのユーザ識別情報を記憶する項目である。管理者権限を有するユーザは、組織などのグループにおいて所定以上の地位や権限などを有するユーザを任意に定めて設定することができる。
【0018】
書類テーブル1014は、作成者と受信者との間で取り交わされる電子契約に関する情報(契約情報)を記憶し、管理するためのテーブルである。
書類テーブル1014は、書類IDを主キーとして、書類ID、書類データ、作成者ID、当事者データのカラムを有するテーブルである。
図7は、書類テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【0019】
書類IDは、契約情報を識別するための書類識別情報を記憶する項目である。書類識別情報は、契約情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
書類データは、契約情報(バイナリまたはテキストデータ)を記憶する項目である。具体的に、書類データは、PDF(Portable Document Format)、Word、XML(ExtenSible Markup Language)などの任意のデータ形式のデータが含まれる。
作成者ID、契約情報の作成者であるユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。
当事者データは、契約情報に関する契約当事者の氏名、会社名、組織名等の情報を記憶する項目である。具体的に、当事者データには、契約情報の締結相手先となる契約当事者の氏名、会社名、組織名等または当該当事者を特定するための文字列等が記憶される。
【0020】
確認テーブル1015は、契約情報の確認者となるユーザのメールアドレスを含む情報(確認者情報)を記憶し、管理するテーブルである。
確認テーブル1015は、書類ID、確認順序、確認者メールアドレス、確認フラグ、言語データ、アクセスコード、日時のカラムを有するテーブルである。
図8は、確認テーブル1015のデータ構造を示す図である。
【0021】
書類IDは、確認者により確認対象となる契約情報の書類識別情報を記憶する項目である。
確認順序は、確認者により契約情報が確認される際の確認順序に関する情報を記憶する項目である。作成者により記憶された契約情報は、確認順序の順番に確認者に回覧され、確認が行われる。
確認者メールアドレスは、契約情報の確認者のメールアドレスを記憶する項目である。確認者のメールアドレスは、本開示にかかるサービスの利用にあたり予めユーザ登録を行う必要はない。つまり、確認者メールアドレスは、ユーザテーブル1012に含まれている必要はない。
確認フラグは、確認者による契約情報の確認手続きの完了有無を識別するための確認識別情報を記憶する項目である。確認者により契約情報の確認が完了すると、確認フラグの項目にTrueの値などの確認が完了したことを示す情報が記憶される。
言語データは、確認者の言語に関する情報(言語情報)を記憶する項目である。
アクセスコードは、確認者に対して設定されたアクセスコードを記憶する項目である。
日時は、確認者による契約情報の確認手続きが行われた日時を記憶する項目である。具体的には、確認識別情報が確認フラグの項目に記憶された日時が記憶される。
【0022】
入力項目テーブル1016は、電子契約情報に関連付けられた入力項目に関する情報(入力項目情報)を記憶し、管理するテーブルである。
入力項目テーブル1016は、入力項目ID、書類ID、入力者ID、入力データ、入力規則、日時のカラムを有するテーブルである。
図9は、入力項目テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【0023】
入力項目IDは、入力項目を識別するための入力項目識別情報を記憶する項目である。
書類IDは、入力項目が関連付けられる電子契約情報の書類識別情報を記憶する項目である。
入力者IDは、入力項目に対して入力データを入力した入力者のユーザ識別情報またはメールアドレスを記憶する項目である。具体的に、入力者IDには、作成者ID、作成者IDにより特定されるユーザのメールアドレス、確認者メールアドレスなどが記憶される。
入力データは、入力者により入力項目に入力された入力データを記憶する項目である。
入力規則は、入力項目の入力規則に関する入力規則情報を記憶する項目である。入力規則としては、日付(date)、日時(datetime)、文字列(text)、数値(integer)などのデータ型のほか、文字列であれば文字数、文字列の正規表現など任意の入力項目の入力規則に関する入力規則情報を記憶することができる。
日時は、入力者により入力項目に入力データが入力された日時を記憶する項目である。
【0024】
契約書グループテーブル1017は、契約書グループに関する情報(契約書グループ情報)を記憶し管理するためのテーブルである。契約情報は、契約情報を管理するための1または複数のキャビネット(分類情報)と関連づけられて記憶され、管理することができる。情報処理サービスに応じて、キャビネットは、グループ、タグ、ラベル等と呼ばれることがある。
契約書グループテーブル1017は、書類ID、キャビネットIDのカラムを有するテーブルである。
図10は、契約書グループテーブル1017のデータ構造を示す図である。
【0025】
書類IDは、契約情報を識別するための書類識別情報を記憶する項目である。
キャビネットIDは、キャビネットを識別するためのキャビネット識別情報を記憶する。キャビネットIDは、契約情報を管理、分類するための分類情報である。
【0026】
条項テーブル1018は、契約情報に含まれる書類データから抽出された条項に関する情報(条項情報)を記憶し管理するためのテーブルである。本開示においては書類データに含まれる契約が規定された契約情報から条項が条項単位で抽出され条項テーブル1018に記憶される。
条項テーブル1018は、条項IDを主キーとして、書類ID、条項ID、条文見出し、条項種別、条項データのカラムを有するテーブルである。
図11は、条項テーブル1018のデータ構造を示す図である。
【0027】
書類IDは、条項情報を抽出する抽出元の書類識別情報を記憶する項目である。
条項IDは、条項を識別するための条項識別情報を記憶する項目である。条項識別情報は、条項情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
条文見出しは、条項の条文見出しに関する情報(条文見出情報)を記憶する項目である。例えば、条文見出しには、秘密保持、損害賠償、契約解除、原状回復などの文字列が記憶される。
条項種別は、条項の種別に関する情報(条項種別情報)を記憶する項目である。例えば、条項種別には、権利、義務といった条項が契約当事者に課している内容に関する情報が含まれる。具体的には、契約当事者に関する当事者データに基づき、当事者ごとに課されている権利、義務に関する情報が含まれる。
条項種別は、秘密保持義務、損害賠償義務、契約解除義務、原状回復義務などの、契約当事者が有する具体的な権利、義務に関する内容を含んでも良い。また、不図示のテーブルにおいて条項種別ごとに定義された条項種別IDなどの条項種別識別情報が記憶される構成としても良い。契約情報から抽出された条項情報は、条項種別により分類され記憶し、管理される。
条項種別を参照することにより、条項ごと、契約当事者ごとにどのような権利、義務が課されているのか確認することができる。
条項データは、契約情報に含まれる書類データから抽出された条項に関する情報が記憶される項目である。具体的に、条項データには、契約情報に含まれる条項に含まれる文字列が記憶される。
【0028】
<サーバ10の制御部104の構成>
サーバ10の制御部104は、ユーザ登録制御部1041、契約作成部1042、契約確認部1043、一覧提示部1044を備える。制御部104は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0029】
ユーザ登録制御部1041は、本開示に係るサービスの利用を希望するユーザの情報をユーザテーブル1012に記憶する処理を行う。
ユーザテーブル1012に記憶される情報は、ユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームに情報を入力しサーバ10へ送信する。ユーザ登録制御部1041は、受信した情報をユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザはサービスを利用することができるようになる。
ユーザ登録制御部1041によるユーザ情報のユーザテーブル1012への登録に先立ち、サービス提供者は所定の審査を行いユーザによるサービス利用可否を制限しても良い。
ユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはユーザ登録制御部1041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0030】
契約作成部1042は、契約書作成処理を実行する。詳細は後述する。
【0031】
契約確認部1043は、契約書確認処理を実行する。詳細は後述する。
【0032】
一覧提示部1044は、一覧提示処理を実行する。詳細は後述する。
【0033】
<第1ユーザ端末20の構成>
第1ユーザ端末20は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。第1ユーザ端末20は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
第1ユーザ端末20は、記憶部201、制御部204、入力装置206、出力装置208を備える。
【0034】
<第1ユーザ端末20の記憶部201の構成>
第1ユーザ端末20の記憶部201は、第1ユーザID2011、アプリケーションプログラム2012を備える。
【0035】
第1ユーザID2011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、第1ユーザ端末20から第1ユーザID2011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、第1ユーザID2011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、第1ユーザID2011には、第1ユーザ端末20を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0036】
アプリケーションプログラム2012は、記憶部201に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム2012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム2012は、第1ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0037】
<第1ユーザ端末20の制御部204の構成>
第1ユーザ端末20の制御部204は、入力制御部2041、出力制御部2042を備える。制御部204は、記憶部201に記憶されたアプリケーションプログラム2012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0038】
<第1ユーザ端末20の入力装置206の構成>
第1ユーザ端末20の入力装置206は、カメラ2061、マイク2062、位置情報センサ2063、モーションセンサ2064、タッチデバイス2065を備える。
【0039】
<第1ユーザ端末20の出力装置208の構成>
第1ユーザ端末20の出力装置208は、ディスプレイ2081、スピーカ2082を備える。
【0040】
<第2ユーザ端末30の構成>
第2ユーザ端末30は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。第2ユーザ端末30は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
第2ユーザ端末30は、記憶部301、制御部304、入力装置306、出力装置308を備える。
【0041】
<第2ユーザ端末30の記憶部301の構成>
第2ユーザ端末30の記憶部301は、第2ユーザID3011、アプリケーションプログラム3012を備える。
【0042】
第2ユーザID3011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、第2ユーザ端末30から第2ユーザID3011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、第2ユーザID3011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、第2ユーザID3011には、第2ユーザ端末30を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0043】
アプリケーションプログラム3012は、記憶部301に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム3012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム3012は、第2ユーザ端末30に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0044】
<第2ユーザ端末30の制御部304の構成>
第2ユーザ端末30の制御部304は、入力制御部3041、出力制御部3042を備える。制御部304は、記憶部301に記憶されたアプリケーションプログラム3012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0045】
<第2ユーザ端末30の入力装置306の構成>
第2ユーザ端末30の入力装置306は、カメラ3061、マイク3062、位置情報センサ3063、モーションセンサ3064、キーボード3065を備える。
【0046】
<第2ユーザ端末30の出力装置308の構成>
第2ユーザ端末30の出力装置308は、ディスプレイ3081、スピーカ3082を備える。
【0047】
<システム1の動作>
以下、システム1の各処理について説明する。
図12は、契約書作成処理の動作を示すフローチャートである。
図13は、契約書確認処理の動作を示すフローチャートである。
図14は、一覧提示処理の動作を示すフローチャートである。
図15は、契約書作成処理の動作を示す画面例である。
図16は、第2ユーザ端末30に通知される確認依頼メッセージを示す画面例である。
図17は、契約書確認処理の動作を示す画面例である。
図18は、第1ユーザ端末20に通知される締結完了メッセージを示す画面例である。
図19は、契約書確認処理における権利義務情報、条項抽出処理を説明する図である。
図20は、一覧提示処理の動作を示す画面例である。
図21は、一覧提示処理の動作を示す画面例である。
【0048】
本開示において、サーバ10における契約書作成処理、契約書確認処理を以下に説明する。外部サーバ40も同様の契約書作成処理、契約書確認処理を実行することが可能である。外部サーバ40における契約書作成処理、契約書確認処理は、それぞれ、サーバ10における契約書作成処理、契約書確認処理と同様であるため説明を省略する。
【0049】
<契約書作成処理>
契約書作成処理は、作成者が電子契約情報を作成し、確認者に対して送信する処理である。
【0050】
図15は、契約書作成処理の動作を示す画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される、契約情報を作成するための画面50には、現在の契約情報の作成状況を示すステータス510、入力項目を指定するためのボタン521、522、523、契約情報表示エリア530、書類データ531、入力項目532、533、534、送信ボタン540が表示される。
【0051】
<契約書作成処理の概要>
契約書作成処理は、作成者が電子契約情報を作成し、電子契約情報の宛先となる確認者を設定し、電子契約情報に対する入力項目を設定し、入力項目に対する入力規則を設定し、作成者から入力項目に対する入力データを受け付け、設定した確認者に対して電子契約情報を送付する一連の処理である。
【0052】
<契約書作成処理の詳細>
ステップS101において、サーバ10の契約作成部1042は、作成者から確認者との間で契約締結の対象となる契約情報を受け付ける。契約作成部1042は、契約に関する契約情報を記憶する契約記憶ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、契約書に関する書類データを含む契約情報を作成する。書類データは、PDF(Portable Document Format)、Word、XML(ExtenSible Markup Language)などの任意のデータ形式の書類データを契約情報に含めることができる。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、作成した書類データ、第1ユーザID2011をサーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、受信した第1ユーザID2011、書類データを受け付け、それぞれ、書類テーブル1014の新たなレコードの作成者ID、書類データの項目に記憶する。これにより、サーバ10の契約作成部1042は、新たな契約情報を書類テーブル1014に記憶する。
【0053】
契約記憶ステップは、契約情報を、契約情報の存続状態に関する存続情報と関連付けて記憶するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約作成部1042は、書類テーブル1014に記憶された新たな契約情報に書類データで規定される契約情報の有効期限または存続期限を示す日時(存続情報)を関連付けて記憶する。これにより、書類テーブル1014に記憶される新たな契約情報が、契約情報の存続状態に関する存続情報と関連付けて記憶される。その他、存続状態に関する存続情報は、契約の途中終了、解約、失効などの場合には、終了日、解約日を契約情報に関連付けて記憶しても良い。
【0054】
サーバ10の契約作成部1042は、契約情報を、契約情報の存続状態に関する存続情報と関連付けて記憶するステップを実行する。
【0055】
ステップS102において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、契約情報の確認者(受信者)となるユーザを選択し特定する。本開示において、第1ユーザは、受信者として第2ユーザを選択し特定するものとする。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、確認者となる第2ユーザのメールアドレスを入力し、サーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、受信したメールアドレス、ステップS101において作成し、記憶した契約情報の書類IDを、それぞれ確認テーブル1015の確認者メールアドレス、書類IDの項目に記憶し、契約情報と第2ユーザのメールアドレスとを関連付けて記憶する。なお、第1ユーザは、第2ユーザの言語、アクセスコードを設定し、第2ユーザのメールアドレスと関連付けて記憶しても良い。
このとき、確認テーブル1015の確認順序の項目には1の値を記憶する。ステップS102において、第1ユーザは、複数の確認者となるユーザを選択し設定できるものとしても良い。この場合、選択順序に応じて、確認者となるユーザの確認順序の項目の値が1つずつインクリメントされ記憶される。これにより、後述する契約書確認処理における確認者の回覧順序が設定される。なお、回覧順序の設定は必須ではない。
【0056】
ステップS103において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、契約情報に対する入力項目を設定する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、ステップS101において作成し、記憶した契約情報に対して複数の入力項目を設定する。入力項目は、印鑑データを押印する押印欄、署名データなどのテキストデータを入力する入力欄、チェック項目を選択できるチェックボックス欄、日付を入力する日付欄など任意の入力項目を設定することができる。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、入力項目を追加するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、リクエストを受信すると、契約情報の書類IDを、入力項目テーブル1016の新たなレコードの書類IDに記憶する。これにより、新たに追加された入力項目情報が、契約情報と関連付けられ記憶される。なお、第1ユーザは、複数の入力項目情報を、契約情報と関連づけ記憶することができる。
【0057】
ステップS104において、第1ユーザは、追加するそれぞれの入力項目に対して入力規則を設定する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ステップS103において設定した入力項目情報ごとの入力規則を指定し、サーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、受信した入力規則を、入力項目テーブル1016のそれぞれの入力項目情報のレコードの入力規則の項目に記憶する。これにより、入力項目ごとの入力規則を設定することができる。
【0058】
ステップS105において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザが入力した複数の入力項目に対する入力データを受け付ける。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ステップS104において設定した入力項目ごとに入力データを入力する。例えば、第1ユーザは、管理番号が設定された入力項目に、自身が所属するグループにおける整理番号などの契約情報を管理するための番号の入力データを入力しても良い。第1ユーザは、契約締結日が設定された入力項目に、当該契約情報の契約締結日の日付の入力データを入力しても良い。第1ユーザは、入力項目への入力データの入力が完了したら、サーバ10へ入力項目ごとの入力項目ID、入力データを送信する。
サーバ10の契約作成部1042は、入力項目ごとの入力項目ID、入力データを受信し、受け付ける。サーバ10の契約作成部1042は、受信した入力項目IDで特定される入力項目テーブル1016の入力項目情報の入力データの項目に、受信した入力データを記憶する。これにより、第1ユーザが入力した入力データが、入力項目テーブル1016に記憶される。
【0059】
サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザから、第2ユーザに対して契約情報に対する契約締結を依頼する指示を受け付ける。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作し、契約情報を作成するための画面50に、表示された送信ボタン540を押下することにより、契約情報を送信するリクエストをサーバ10へ送信する。
【0060】
ステップS106において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザから契約情報の確認依頼が送信されたことを通知するメッセージを第2ユーザへ送信する。具体的に、サーバ10の契約作成部1042は、確認テーブル1015の確認順序の項目を検索し、確認順序の項目に記憶された値が最も小さい最初の確認者となるユーザ(第1確認ユーザ)を特定する。本開示において第1確認ユーザは、一例として、第2ユーザとする。サーバ10の契約作成部1042は、第2ユーザのメールアドレスへ、第1ユーザから契約情報の確認依頼が送信されたことを通知するメッセージをメールなどの連絡手段にて送信する。
第2ユーザへ通知するメッセージには、契約情報を特定するための書類IDを含むURL(Uniform ReSource Locator)の情報を含める。URLは、書類IDを直接含んでも良いし、書類IDに対し任意の暗号化を行った文字列、その他、不図示のテーブルを参照して書類IDを特定可能な文字列などの情報を含んでも良い。また、URLには第2ユーザを特定するための情報を含めても良い。例えば、第2ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合には、URLに第2ユーザを特定するための情報を含める必要がある。
【0061】
第1ユーザは、第2ユーザに対してアクセスコードを設定した場合は、別途メールなどの手段によりアクセスコードを第2ユーザに対して伝える。これにより、第2ユーザへ通知されるメッセージが第三者に取得された場合においても、第三者はアクセスコードを入手しない限り契約書確認処理を実行することができない。
【0062】
図16は、第2ユーザ端末30に通知されるメッセージを示す画面例である。第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示される、メッセージ画面60には、メッセージ61、契約情報を特定するための書類IDを含むURL62の情報が含まれる。
【0063】
<変形例>
第1ユーザは、ステップS102において複数の確認者を選択し設定する場合には、複数の確認者のそれぞれに対して、ステップS103において異なる入力項目情報をそれぞれに独立して設定できる構成としても構わない。例えば、第1ユーザが、確認者として第2ユーザ、第9ユーザの2人のユーザを設定する場合に、契約開始日、契約終了日の入力項目を第2ユーザに対して設定し、契約締結日の入力項目を第9ユーザに対して設定しても良い。この場合、後述する契約書確認処理において、第2ユーザは、契約開始日、契約終了日の入力項目に対して入力データを入力できるが、契約締結日の入力項目に対しては入力データを入力することができない。一方、第9ユーザは、契約開始日、契約終了日の入力項目に対して入力データを入力できないが、契約締結日の入力項目に対しては入力データを入力することができる。1つの入力項目情報に対して、複数の確認者を重複して選択し設定できる構成としても構わない。
【0064】
契約情報を作成するための画面50には、描画オブジェクトとして入力項目532、533、534が描画される。入力項目532、533には、割当として、入力項目を入力することが選択し設定されたユーザのユーザ識別情報「USER-B」、入力項目の種別として「テキスト」という項目が描画されている。押印に関する入力項目534には、割当として、押印することが選択し設定されたユーザのユーザ識別情報「USER-C」、入力項目の種別として「印」という項目が描画されている。
【0065】
<契約書確認処理>
契約書確認処理は、確認者が、作成者から受信した電子契約情報の内容を確認する処理である。
【0066】
<契約書確認処理の概要>
契約書確認処理は、確認者からのアクセスを受け付け、契約情報を表示する確認画面を確認者に対して提示し、確認者から入力項目に対する入力データを受け付け、確認者から契約情報の確認に関するデータを受け付ける一連の処理である。
【0067】
<契約書確認処理の詳細>
ステップS301において、確認者となる第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作して受信したメッセージに記載されたURLを選択することにより、第2ユーザ端末30のブラウザアプリケーションにより当該URLにより指定されたウェブページを開くことができる。これにより、第2ユーザ端末30は、契約書確認処理を実行させるためのリクエストをサーバ10へ送信する。
【0068】
確認テーブル1015の第2ユーザのレコードにアクセスコードの項目が記憶されている場合には、第2ユーザに対してアクセスコードの入力を要求し、当該入力されたアクセスコードと確認テーブル1015の第2ユーザのレコードに記憶されたアクセスコードとを照合することにより、第2ユーザに対する認証処理を実行することができる。
具体的に、サーバ10は、アクセスコードを認証するための入力画面を第2ユーザ端末30へ送信する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306を操作し、アクセスコードを入力しサーバ10へ送信する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したアクセスコードと、確認テーブル1015の第2ユーザのレコードに記憶されたアクセスコードとが一致するか否かを判定し、一致する場合は契約書確認処理を継続する。一方、一致しない場合には、契約書確認処理を中止する。なお、アクセスコードによる認証処理は省略しても構わない。
【0069】
サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、契約情報を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、確認テーブル1015の書類IDの項目を検索し、確認者情報を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、入力項目テーブル1016の書類IDの項目を検索し、契約情報に関連づけられた入力項目情報を取得する。
【0070】
ステップS302において、サーバ10の契約確認部1043は、第2ユーザを特定し、第2ユーザの承認権限情報を取得する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30から受信したリクエストに含まれる第2ユーザID3011に基づき特定しても良いし、URLに含まれる第2ユーザを識別するための識別情報に基づき特定しても良い。第2ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合には、URLから第2ユーザを特定する必要がある。例えば、URLには第2ユーザを特定する情報として第2ユーザのメールアドレス、ユーザIDなどが含まれていても良い。
【0071】
サーバ10の契約確認部1043は、特定された第2ユーザのユーザ識別情報に基づき、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索し、第2ユーザの承認権限の項目を取得する。なお、本開示において、第2ユーザの承認権限はユーザテーブル1012に記憶される構成としたが、第2ユーザの承認権限は第2ユーザが所属するグループごとに記憶されていても良いし、契約情報ごと、契約情報種別ごとに記憶されても構わない。サーバ10の契約確認部1043は、対象となる契約情報に対し、第2ユーザの承認権限情報を取得する。
また、第2ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合は、第2ユーザを、承認権限を有さないユーザとみなして処理を実行しても良い。
【0072】
ステップS303において、サーバ10の契約確認部1043は、取得した契約情報、確認者情報(第2ユーザを特定する情報)、入力項目情報、確認者の承認権限情報に基づき、確認画面を生成し第2ユーザ端末30に送信する。
【0073】
具体的に、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081は、第2ユーザに対して、契約情報を承認する操作を受け付ける確認画面を提示する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示された契約情報を確認し承認する。
なお、第2ユーザに提示される確認画面は、確認テーブル1015の第2ユーザのレコードの言語データの項目に記憶された言語情報に基づき、確認者に対して指定された言語表記で第2ユーザに対して提示する構成としても良い。
【0074】
図17は、契約書確認処理の動作を示す確認画面の画面例である。第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示される、契約情報を承認するための確認画面70には、現在の契約情報の作成状況を示すステータス710、契約情報表示エリア730、書類データ731、入力項目732、733、734、735、736、同意ボタン740が表示される。
【0075】
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、ステップS302において取得した第2ユーザの承認権限情報に、契約締結を承認する権限を有する情報が記憶されている場合は、第2ユーザが受け付けた契約情報の契約締結を承認することができるユーザと判定し、第2ユーザに対して確認画面を提示しステップS304に進む。
【0076】
一方、第2ユーザが、受け付けた契約情報の契約締結を承認することができないユーザである場合は、契約書確認処理を終了する。
【0077】
ステップS304において、サーバ10の契約確認部1043は、契約情報の1または複数の入力項目に対する入力を受け付ける。
具体的に、第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作し、契約情報に設定された入力項目732、733、734、735に対し入力データを入力する。なお、本開示においては入力項目736に対しては、第2ユーザによる入力が割当られていないため、第2ユーザは入力データを入力できないことが視覚的に識別可能に表示される。
【0078】
ステップS305において、サーバ10の契約確認部1043は、第2ユーザから、第1ユーザから受け付けた契約情報の契約締結に同意し承認する指示を受け付ける。
第2ユーザは、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示された契約情報および入力データを確認し、内容に同意また承諾する場合には、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作し、契約情報を確認するための確認画面70に、表示された同意ボタン740を押下することにより、書類ID、第2ユーザを特定する情報、ステップS305において入力した入力項目ごとの入力データを含むリクエストをサーバ10へ送信する処理を実行させる。第2ユーザを特定する情報は、第2ユーザID3011でも構わない。
サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに基づき第2ユーザが契約情報を確認したことを示す情報を記憶する。具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、受信した書類ID、第2ユーザを特定する情報に基づき、確認テーブル1015を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。例えば、第2ユーザを特定する情報がメールアドレスである場合には、確認テーブル1015の書類ID、確認者メールアドレスの項目を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。第2ユーザを特定する情報がユーザ識別情報である場合には、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索することにより特定される第2ユーザのメールアドレスに基づき、確認テーブル1015の書類ID、確認者メールアドレスの項目を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。
サーバ10の契約確認部1043は、受信した入力データを、当該入力データと関連付けられた入力項目IDで特定される入力項目テーブル1016の入力データの項目に記憶する。これにより、ステップS305において、第2ユーザにより入力された入力データが、入力項目テーブル1016の入力項目情報として記憶される。
【0079】
サーバ10の契約確認部1043は、すべての承認権限を有する確認者による契約書確認処理が実行されたことを判定する。具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、確認テーブル1015において、承認権限を有する確認者のレコードの確認フラグにTrueの値が記憶されている場合に、すべての承認権限を有する確認者による契約書確認処理が実行されたと判定する。つまり、承認権限を有さない確認者のレコードの確認フラグの値は無視して判定を行う。
サーバ10の契約確認部1043は、すべての承認権限を有する確認者による契約書確認処理が実行されると、ステップS306に進む。
【0080】
図19は、権利義務情報、条項を抽出する処理を説明する図である。
本開示において、書類データD20は、秘密保持契約書に関する契約条件が既定された契約情報に関する書類データである。書類データD20は、契約の当事者D21、D22、複数の条項D201、D202、条文見出しD2011、D2021、条文D2012、D2022を含む。
【0081】
ステップS306において、サーバ10の契約確認部1043は、契約の当事者に関する1または複数の当事者情報を特定し、特定した1または複数の当事者情報を契約情報と関連づけて記憶する当事者記憶ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、ステップS301において受信した書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、書類データ、作成者IDを取得する。サーバ10の契約確認部1043は、ステップS301において受信した書類IDに基づき、確認テーブル1015の書類IDを検索し、確認者メールアドレスの項目を取得する。
サーバ10の契約確認部1043は、取得した書類データ、作成者ID、確認者メールアドレスに基づき契約情報に関する契約当事者の情報を特定する。具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、書類データを解析し、書類データに含まれる契約締結の当事者D21、D22に記載された個人氏名、会社名、組織名等の文字列を認識し当事者情報として特定する。文字列の認識は、公知のパターンマッチング、機械学習、深層学習、人工知能モデルを用いることができる。
サーバ10の契約確認部1043は、作成者ID、確認者メールアドレスなど、契約情報の作成者および確認者を特定する情報に基づき、契約当事者を特定しても構わない。例えば、作成者および確認者のメールアドレスのドメイン名に基づき、不図示のテーブル等を参照して、作成者および確認者が所属する会社、組織の会社名、組織名等の文字列を当事者情報として特定しても良い。
【0082】
ステップS306において、契約確認部1043は、契約記憶ステップにおいて記憶した契約情報から、契約に含まれる権利または義務に関する1または複数の権利義務情報を抽出する抽出ステップを実行する。抽出ステップは、契約情報から、契約に含まれる1または複数の条項を抽出するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、取得した書類データに基づき、書類データに含まれる複数の条項D201、D202、条文見出しD2011、D2021を抽出する。なお、サーバ10の契約確認部1043は、条項単位で抽出する必要はなく、書類データに含まれる契約が規定された契約情報から権利または義務(権利義務情報)単位で複数の条項をまとめて、または、1の条項の一部を抽出する構成としても良い。また、条項は条、項、号などの任意の区分け単位で抽出する構成としても構わない。
サーバ10の契約確認部1043は、条項D201、D202、条文見出しD2011、D2021等に基づき、条項D201、D202の条項種別を特定する。例えば、条項D201の条項種別として「定義条項」、D202の条項種別として「秘密保持義務」といった、条項の種別を特定する。
【0083】
ステップS306において、当事者記憶ステップは、抽出ステップにおいて抽出した1または複数の権利義務情報のそれぞれを、特定した1または複数の当事者情報と関連付けて記憶するステップを実行する。当事者記憶ステップは、抽出ステップにおいて抽出した1または複数の条項のそれぞれを、特定した1または複数の当事者情報と関連付けて記憶するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、ステップS301において受信した書類ID、抽出した条文見出しD2011、D2021、条項種別、条項D201、D202を、それぞれ、条項テーブル1018の書類ID、条文見出し、条項種別、条項データの項目に記憶する。なお、条項IDは自動的にインクリメントされて採番される。
なお、サーバ10の契約確認部1043は、条項の代わりに任意の権利義務情報を条項テーブル1018に記憶する構成としても構わない。
これにより、抽出した1または複数の条項、権利義務情報は、それぞれ、書類IDを介して書類テーブル1014の当事者データと関連付けて記憶される。
【0084】
サーバ10の契約確認部1043は、すべての承認権限を有する確認者による契約書確認処理が実行されると、契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを第1ユーザへ送信する。なお、同様に、サーバ10の契約確認部1043は、契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを第2ユーザへ送信しても良い。
【0085】
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、第1ユーザのメールアドレスへ、第2ユーザが契約情報の確認を完了したことを通知するメッセージをメールなどの連絡手段にて送信する。つまり、第1ユーザに対して、第2ユーザにより契約締結の承認がなされたことを通知する。これにより、第1ユーザは、第2ユーザとの間で契約締結が完了したことを知ることができる。
第1ユーザへ通知するメッセージには、契約情報を特定するための書類IDを含むエンドポイントであるURLの情報を含めても良い。
【0086】
図18は、第1ユーザ端末20に通知されるメッセージを示す画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される、メッセージ画面80には、メッセージ81、契約情報を特定するための書類IDを含むURL82の情報が含まれる。
【0087】
同様に、サーバ10の契約確認部1043は、不図示のチャットサービス等を用いて、第2ユーザが契約情報の確認を完了したことを通知するメッセージに、第1ユーザへのメンションを含めて送信しても良い。つまり、第1ユーザに対して、チャットサービスを介して、第2ユーザにより契約締結の承認がなされたことを通知する。これにより、第1ユーザは、第2ユーザとの間で契約締結が完了したことを知ることができる。
第1ユーザへ通知するメッセージには、契約情報を特定するための書類IDを含むエンドポイントであるURLの情報を含めても良い。
【0088】
第1ユーザは、第1ユーザ端末20のブラウザアプリケーションにより、受信したメッセージに含まれるURLにより指定されたウェブページを開くことができる。第1ユーザ端末20は、契約情報を参照し、照会するためのリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の契約確認部1043は、契約情報を参照し、照会するためのウェブページを生成し第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示された、ウェブページ画面から、契約情報に含まれる書類データをダウンロード等により取得することができる。
【0089】
サーバ10の契約確認部1043は、複数のユーザが確認者として設定されている場合には、最後に契約書確認処理を実行したユーザ以外の確認者にかかるユーザへ契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信しても良い。これにより、確認者にかかるユーザも、すべての確認者により契約書確認処理の実行が完了したことの通知を受けることができる。
また、サーバ10の契約確認部1043は、複数の確認者が所属するグループにおいて管理者に相当する権限を有するユーザへ契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信しても良い。
なお、メッセージは、メール、チャットサービス等を介して送信しても良い。
これにより、確認者にかかるユーザが所属するグループにおける管理者が、契約書確認処理の実行が完了したことの通知を受けることができる。
【0090】
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、ユーザIDまたはメールアドレスに基づきユーザテーブル1012の、ユーザIDまたはメールアドレスの項目を検索することにより、グループIDの項目を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、取得したグループIDの項目に基づき、グループテーブル1013のグループIDの項目を検索し、管理者IDの項目を取得し、管理者IDに基づき、管理者に相当する権限を有するユーザをユーザテーブル1012のユーザIDを検索することにより特定し、契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信する。
【0091】
<電子署名処理>
ステップS305に、電子署名処理を含めても良い。サーバ10の契約確認部1043は、ステップS305において第2ユーザから受け付けた契約締結を承認する指示に応じて、第1ユーザから受け付けた契約情報に、契約情報の契約締結が承認されたことを示す電子署名を付与して記憶する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに基づき、契約情報に対し、電子署名を付与し記憶する。サーバ10の契約確認部1043は、書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、契約情報を取得する。
サーバ10の契約確認部1043は、取得した契約情報に電子署名を付与し、書類テーブル1014の書類データの項目に記憶する。なお、サーバ10の契約確認部1043は、電子署名を付与した契約情報により書類データの項目を更新(上書き)しても良いし、電子署名付与前の契約情報を別途不図示の記憶装置に記憶しても構わない。
サーバ10の契約確認部1043は、電子署名に、書類ID、第1ユーザのメールアドレス、第2ユーザのメールアドレス、承認日時、確認日時、承認日時の認証方法、確認日時の認証方法、入力項目ごとの入力データの値、第1ユーザ、第2ユーザの同意(承認)、タイムスタンプなどのいずれかの情報を含めても良い。
これにより、サーバ10の契約確認部1043は、契約情報に第2ユーザが契約情報の契約締結を承認したことを示す電子署名を付与して記憶する。契約情報に対する第三者によるなりすましや改ざんを防ぐことができる。
【0092】
<一覧提示処理>
一覧提示処理は、契約の当事者に関する当事者情報のそれぞれに対して、当該当事者情報に関連付けられた1または複数の契約情報を提示する処理である。
【0093】
<一覧提示処理の概要>
一覧提示処理は、ユーザから権利義務情報を含む照会リクエストを受け付け、受け付けた権利義務情報に同等または類似する1または複数の権利義務情報を取得し、取得した権利義務情報をユーザに対して一覧提示する一連の処理である。
【0094】
<一覧提示処理の詳細>
以下に、一覧提示処理の詳細を説明する。本開示においては、一例として第1ユーザ端末20を用いた証憑記憶処理を説明するが、証憑記憶処理は第2ユーザ端末30の他、任意の情報処理端末から実行できる構成としても構わない。また、第1ユーザ、第2ユーザ以外の任意のユーザが実行可能な構成としても構わない。
【0095】
図20は、一覧提示処理の動作を示す画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される画面D30は、所定の権利義務情報、条文見出し等を入力するための入力欄D301、権利または義務のいずれかを指定するラジオボタンD302、送信ボタンD303、所定の権利義務情報に同等または類似する1または複数の権利義務情報のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報D311、D312、1または複数の異なる当事者情報との間で締結された契約情報D321、D322が含まれる。
ラジオボタンD302は、入力欄D301に入力された権利義務情報、条文見出しについて、第1ユーザが「権利」、「義務」のいずれかの立場であるか、またはいずれかの立場に関わらない「どちらも」の場合かを選択するためのユーザインタフェースである。
例えば、入力欄D301に「秘密保持」と入力し、ラジオボタンD302において「義務」を選択すると、第1ユーザが「秘密保持」に関する「義務」をどのような当事者情報D311、D312との間で有しているのかを表示させることができる。同様に、入力欄D301に「秘密保持」と入力し、ラジオボタンD302において「権利」を選択すると、第1ユーザが「秘密保持」に関する「権利」をどのような当事者情報D311、D312との間で有しているのかを表示させることができる。「どちらも」を選択すると、「権利」、「義務」に関わらず、「秘密保持」に関する権利義務をどのような当事者との間で有しているのかを表示させることができる。
当事者情報D311、D312は、当事者の氏名、会社名、組織名等であり、括弧の中には当該当事者との間で締結された契約情報の件数が表示される。
契約情報D321、D322は、契約情報ごとの書類ID、契約の開始日、契約の終了日の情報が含まれる。なお、契約情報D321、D322には、他に契約名、他の契約当事者がいる場合は当該他の契約当事者の情報等を含めても良い。
【0096】
図21は、一覧提示処理の動作を示す画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される画面D40は、所定の当事者情報を入力するための入力欄D401、送信ボタンD403、所定の当事者との間で有している1または複数の権利義務情報または条文見出しを示すラベルD411、D412、1または複数の権利義務情報を含む契約情報D421、D422が含まれる。
権利義務情報または条文見出しを示すラベルD411、D412の括弧の中には、権利義務情報または条文見出しごとに所定の当事者との間で有している契約情報の件数が表示されている。
【0097】
ステップS501において、サーバ10の一覧提示部1044は、ユーザから、権利または義務に関する所定の権利義務情報を含む照会リクエストを受け付ける照会ステップを実行する。照会ステップは、ユーザから、所定の権利義務情報として所定の条文見出しを含む照会リクエストを受け付けるステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の記憶部201に記憶されたブラウザアプリケーションを起動し、サーバ10の一覧提示処理を実行するためのURLを入力し、一覧提示ページを開く。第1ユーザ端末20の制御部204は、一覧提示処理を実行するリクエストをサーバ10へ送信する。
【0098】
なお、所定の権利義務情報、所定の条文見出しを入力するための画面D30が表示される一覧提示ページと、所定の当事者情報を入力するための画面D40が表示される一覧提示ページとはそれぞれ異なるURLが割り当てられており、第1ユーザは異なるURLを入力することにより画面D30、画面D40を選択的に切り替えて、所望の一覧提示処理を実行する構成としても良い。
【0099】
サーバ10は、一覧提示処理の対象となる権利義務情報または条文見出しを入力するための入力欄を含む入力画面を生成し、第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザ端末20の制御部204は、受信した入力画面を、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に画面D30として表示し、第1ユーザに提示する。第1ユーザは、画面D30に表示された権利義務情報または条文見出しを入力するための入力欄D301に、所定の権利義務情報または条文見出しを入力し送信ボタンD303を押下することにより、所定の権利義務情報または条文見出しを含むリクエスト(照会リクエスト)をサーバ10へ送信する。
第1ユーザは、自身が入力欄D301に入力された権利義務情報または条文見出しに対して、「権利」、「義務」のいずれかを有しているかを指定したい場合はラジオボタンD302において「権利」または「義務」のいずれかを選択する。
【0100】
所定の権利義務情報とは、契約情報において権利または義務(権利義務情報)単位で複数の条項をまとめて、または、1の条項の一部を抽出したものである。また、所定の権利義務情報は、契約情報に含まれる所定の条項であっても良い。例えば、権利義務情報は条項D201、D202であっても良い。なお、条項は、条、項、号などの任意の区分け単位として入力しても良い。
また、所定の権利義務情報は、条項テーブル1018における条項種別に相当する情報を含む。例えば、秘密保持義務、損害賠償義務、契約解除義務、原状回復義務などの、契約当事者が有する具体的な権利、義務に関する内容を示す文字列であり、条項種別IDなどの条項種別識別情報でも良い。
所定の条文見出しとは、契約情報における条文見出しに関する文字列である。例えば、条文見出しは、条文見出しD2011、D2021における「秘密情報」、「秘密情報の取扱い」といった文字列である。条文見出しは、「秘密保持」、「損害賠償」、「契約解除」、「原状回復」などの文字列でも良い。
【0101】
また、ステップS501において、サーバ10の一覧提示部1044は、ユーザから、契約の当事者に関する所定の当事者情報を含む照会リクエストを受け付ける当事者照会ステップを実行しても良い。
この場合、入力画面である画面D40には、一覧提示処理の対象となる当事者の氏名、会社名、組織名等を示す文字列を入力するための入力欄D401が含まれる。第1ユーザは、入力画面に表示された入力欄D401に、所定の氏名、会社、組織名等の当事者情報を入力し送信ボタンD403を押下することにより、入力欄D401に入力された所定の当事者情報を含むリクエスト(照会リクエスト)をサーバ10へ送信する。
【0102】
入力欄D401は、第1ユーザが任意の文字列を入力可能なテキストフィールド等の入力欄でも良いし、予め定められた複数の文字列から任意の文字列を選択して入力可能な選択型(プルダウン、ラジオボタン、チェックボックス)の入力欄のどちらでも構わない。
【0103】
サーバ10の一覧提示部1044は、照会リクエストに含まれる権利義務情報、条文見出し、当事者情報等を受信し、受け付ける。
【0104】
ステップS502において、サーバ10の一覧提示部1044は、照会ステップにおいて受け付けた所定の権利義務情報に同等または類似する1または複数の権利義務情報を取得する取得ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、照会リクエストに含まれる所定の権利義務情報を受け付けると、所定の権利義務情報に基づき条項テーブル1018の条項データ、条項種別の項目を検索し、条項テーブル1018に記憶されている条項データ、条項種別のうち、所定の権利義務情報と同等または類似する1または複数の条項データ、条項種別を取得する。
【0105】
サーバ10の一覧提示部1044は、条項テーブル1018に記憶されている条項データ、条項種別と、受け付けた所定の権利義務情報とを比較することにより、同等または類似することを判定する。
同等とは、所定の権利義務情報に含まれる文章と、同等の権利義務が規定されたものを示す。同等とは、所定の条項に含まれる文章と、同等の条項が規定されたものを示す。
同等の権利義務、条項が規定されているか否かの判定は、公知の構文解析、文章解析技術の他、機械学習、深層学習、人工知能モデル等を用いて判定しても良い。
所定の権利義務情報が条項種別である場合は、同じ条項種別を有する条項情報は、所定の権利義務情報と同等であると言う。
【0106】
類似とは、所定の権利義務情報に含まれる文章と、類似の権利義務が規定されたものを示す。類似とは、所定の条項に含まれる文章と、類似の条項が規定されたものを示す。
類似の権利義務、条項が規定されているか否かの判定は、公知の構文解析、文章解析技術の他、機械学習、深層学習、人工知能モデル等を用いて判定しても良い。
類似とは、所定の権利義務情報に含まれる文章と、レーベンシュタイン距離等の文字列同士の類似度を算定する算定手法において、類似度が所定値以上の文章を示す。類似とは、所定の条項に含まれる文章と、文字列同士の類似度を算定する算定手法において、類似度が所定値以上の文章を示す。
所定の権利義務情報が条項種別である場合は、予め類似する条項種別同士を不図示のテーブル等で紐付けて定義しておき、当該紐付けられた条項種別同士を類似する条項種別としても良い。その他、公知の構文解析、文章解析技術の他、機械学習、深層学習、人工知能モデル等を用いて条項種別同士の類似を判定しても構わない。
【0107】
ステップS502において、取得ステップは、照会ステップにおいて受け付けた所定の条文見出しと同等または類似する条文見出しを有する1または複数の条項を取得するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、照会リクエストに含まれる所定の条文見出しを受け付けると、所定の条文見出しに基づき条項テーブル1018の条文見出しの項目を検索し、条項テーブル1018に記憶されている条文見出しのうち、所定の条文見出しと同等または類似する1または複数の条項情報を取得する。
サーバ10の一覧提示部1044は、条項テーブル1018に記憶されている条文見出しと、受け付けた所定の条文見出しとを比較することにより、同等または類似することを判定する。
【0108】
同等とは、所定の条文見出しに含まれる文章と、同等の条文見出しが規定されたものを示す。同等の条文見出しが規定されているか否かの判定は、公知の構文解析、文章解析技術の他、機械学習、深層学習、人工知能モデル等を用いて判定しても良い。
類似とは、所定の条文見出しに含まれる文章と、類似の条文見出しが規定されたものを示す。類似の条文見出しが規定されているか否かの判定は、公知の構文解析、文章解析技術の他、機械学習、深層学習、人工知能モデル等を用いて判定しても良い。
類似とは、所定の条文見出しに含まれる文章と、レーベンシュタイン距離等の文字列同士の類似度を算定する算定手法において、類似度が所定値以上の条文見出しを示す。
【0109】
サーバ10の一覧提示部1044は、取得した1または複数の条項情報に含まれる書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDを検索し、当事者データを取得する。サーバ10の一覧提示部1044は、取得した1または複数の条項情報に含まれる書類ID、取得した当事者データを第1ユーザ端末20に送信する。なお、サーバ10の一覧提示部1044は、書類IDにより特定される契約情報を第1ユーザ端末20に送信しても良い。
【0110】
ステップS503において、第1ユーザ端末20の制御部204は、サーバ10から受信した当事者データ、契約情報、権利義務情報、条項情報等を第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。第1ユーザ端末20の制御部204は、当事者記憶ステップにおいて記憶した1または複数の当事者情報のそれぞれを、関連づけられた1また複数の契約情報と紐付けて一覧提示する一覧提示ステップを実行する。
第1ユーザ端末20の制御部204は、照会ステップにおいて受け付けた所定の権利義務情報を、取得ステップにおいて取得した同等または類似する1または複数の権利義務情報のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報と紐付けてユーザに提示する当事者提示ステップを実行する。
第1ユーザ端末20の制御部204は、照会ステップにおいて受け付けた所定の条文見出しを、取得ステップにおいて取得した同等または類似する1または複数の条項のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報と紐付けてユーザに提示する当事者提示ステップを実行する。
【0111】
具体的に、画面D30には、入力欄D301に入力された所定の権利義務情報、ラジオボタンD302において選択された条件に対して、同等または類似する1または複数の権利義務情報のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報D311、D312が紐付けて第1ユーザに対して提示される。同様に、所定の条文見出しを入力欄D301に入力し、照会リクエストを送信することにより、画面D30には、所定の条文見出しに対して、同等または類似する1または複数の条項のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報関連付けられた1または複数の異なる当事者情報D311、D312が紐付けて第1ユーザに対して提示される。
【0112】
ステップS503において、サーバ10の一覧提示部1044は、ユーザから、一覧提示ステップにおいて提示した1または複数の契約情報から所定の契約情報の選択操作を受け付ける選択受付ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示された複数の契約情報D421、D422から、1または複数の所定の契約情報の書類IDのラベルを押下することにより選択する。第1ユーザ端末20の制御部204は、所定の契約情報に対する選択操作を受け付け、選択操作を受け付けた所定の契約情報の書類IDをサーバ10へ送信する。サーバ10の一覧提示部1044は、書類IDを受信し受け付ける。
【0113】
ステップS503において、サーバ10の一覧提示部1044は、選択受付ステップにおいて選択した所定の契約情報に基づき、宛先情報を含む証憑に関する証憑情報を発行する証憑発行ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、受信した書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDを検索し、契約情報を特定する。サーバ10の一覧提示部1044は、当該契約情報に関する請求書、領収書、見積書、報告書などの証憑情報を選択する画面を生成し、第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザ端末20の制御部204は、受信した1または複数の証憑情報を第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に、ユーザからの選択操作を受け付け可能な態様で表示する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、表示された1または複数の証憑情報から所望の証憑情報を選択する。第1ユーザ端末20の制御部204は、選択された証憑情報の宛先を入力するための入力欄を含む入力画面を第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示する。
第1ユーザは、入力欄に証憑情報の宛先に関する氏名、会社名、部署名、組織名等の文字列を入力し、証憑情報を発行する。これにより、第1ユーザは、選択した所定の契約情報を根拠として、宛先が入力された請求書等の証憑を容易に作成することができる。
【0114】
ステップS503において、サーバ10の一覧提示部1044は、証憑情報に含まれる宛先情報に、当事者記憶ステップにおいて所定の契約情報に関連付けて記憶した当事者情報が含まれない場合には、ユーザに対して警告情報を提示する警告提示ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザ端末20は、入力欄に入力された宛先に関する氏名、会社名、部署名、組織名等の文字列が、根拠となる契約情報の当事者情報に含まれていない場合には、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に宛先情報に誤りがある可能性を指摘する情報を表示し、第1ユーザに提示する。
これにより、通常、証憑の宛先情報には契約情報の当事者情報が含まれている場合が一般的であるため、証憑情報の宛先間違いなどを防止することができる。
【0115】
ステップS503において、一覧提示ステップは、当事者照会ステップにおいて受け付けた所定の当事者情報に基づき、所定の当事者情報に関連付けられた1または複数の契約情報を一覧提示するステップを実行する。
具体的に、画面D40には、入力欄D401に入力された所定の当事者情報に対して、所定の当事者に関連付けられた1または複数の契約情報D421、D422が第1ユーザに対して提示される。
【0116】
ステップS503において、一覧提示ステップは、当事者照会ステップにおいて受け付けた所定の当事者情報に基づき、所定の当事者情報との間で有している1または複数の権利義務情報を示すラベルD411、D412を一覧提示するステップを実行する。
例えば、所定の当事者との間で、有している「秘密保持義務」、「損害賠償義務」、「契約解除義務」、「原状回復義務」などの具体的な文字列が、権利義務を示すラベルD411、D412として一覧して提示される。
【0117】
ステップS503において、一覧提示ステップは、当事者照会ステップにおいて受け付けた所定の当事者情報に基づき、所定の当事者との間で有している1または複数の権利義務情報を、条文見出しを示すラベルD411、D412を一覧提示するステップを実行する。
例えば、所定の当事者との間で、有している「秘密保持」、「損害賠償」、「契約解除」、「原状回復」などの具体的な文字列が、条文見出しを示すラベルD411、D412として一覧して提示される。なお、第1ユーザとA社との間で「権利」または「義務」のいずれかを区別して一覧して提示しても良い。例えば、同一の「秘密保持」見出しに対して、第1ユーザが「権利」を有する場合と、第1ユーザが「義務」を有する場合とを区別して一覧提示しても良い。同様に、同一の「秘密保持」見出しに対して、A社が「権利」を有する場合と、A社が「義務」を有する場合とを区別して一覧提示しても良い。
【0118】
<変形例>
一覧提示ステップは、1または複数の契約情報のうち、存続情報に存続していることを示す情報が記憶されていない1または複数の契約情報を除外して一覧提示するステップを実行しても良い。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、契約情報の有効期限、存続期限、終了日、解約日を示す日時と現在日時とを比較し、契約情報が存続していないと判定された契約情報の権利義務情報、条項情報、条文見出し、当事者情報のみを取得し、契約情報が存続していると判定された契約情報の権利義務情報、条項情報、条文見出し、当事者情報を除外しても良い。
既に存続していない契約の当事者情報を除外することにより、第1ユーザは、現在有していない権利、義務を除外して、現在有している権利、義務を確認することができる。第1ユーザは利便性良く、契約情報を管理することができる。
【0119】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図22は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0120】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0121】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0122】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0123】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0124】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0125】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(図22)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0126】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0127】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0128】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0129】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0130】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0131】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0132】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0133】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備え、コンピュータにユーザ間の電子的な契約手続きを記憶させるための契約管理プログラムであって、プロセッサは、契約に関する契約情報を記憶する契約記憶ステップ(S101)と、契約の当事者に関する1または複数の当事者情報を特定し、特定した1または複数の当事者情報を契約情報と関連づけて記憶する当事者記憶ステップ(S306)と、当事者記憶ステップにおいて記憶した1または複数の当事者情報のそれぞれを、関連づけられた1また複数の契約情報と紐付けて一覧提示する一覧提示ステップ(S503)と、を実行する契約管理プログラム。
これにより、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理することができる。
ユーザは利便性良く、契約情報を管理することができる。
【0134】
(付記2)
契約記憶ステップにおいて記憶した契約情報から、契約に含まれる権利または義務に関する1または複数の権利義務情報を抽出する抽出ステップ(S306)と、を実行し、当事者記憶ステップ(S306)は、抽出ステップにおいて抽出した1または複数の権利義務情報のそれぞれを、特定した1または複数の当事者情報と関連付けて記憶するステップである、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、契約当事者ごとにどのような権利、義務を有しているのか整理、管理することができる。
【0135】
(付記3)
抽出ステップ(S306)は、契約情報から、契約に含まれる1または複数の条項を抽出するステップであり、当事者記憶ステップ(S306)は、抽出ステップにおいて抽出した1または複数の条項のそれぞれを、特定した1または複数の当事者情報と関連付けて記憶するステップである、付記2記載の契約管理プログラム。
これにより、契約当事者ごとにどのような条項が結ばれているのか整理、管理することができる。
【0136】
(付記4)
プロセッサは、ユーザから、権利または義務に関する所定の権利義務情報を含む照会リクエストを受け付ける照会ステップ(S501)と、照会ステップにおいて受け付けた所定の権利義務情報に同等または類似する1または複数の権利義務情報を取得する取得ステップ(S502)と、を実行する、付記2記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザから権利、義務に関する照会リクエストを受け付け、当該リクエストに含まれる権利、義務に同等または類似する過去に契約が行われた契約情報の権利、義務を確認することができる。
【0137】
(付記5)
プロセッサは、照会ステップにおいて受け付けた所定の権利義務情報を、取得ステップにおいて取得した同等または類似する1または複数の権利義務情報のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報と紐付けてユーザに提示する当事者提示ステップ(S503)と、を実行する付記4記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザは、権利義務情報ごとに、どのような契約当事者との間で権利、義務を有しているのか確認することができる。
【0138】
(付記6)
照会ステップ(S501)は、ユーザから、所定の権利義務情報として所定の条文見出しを含む照会リクエストを受け付けるステップであり、取得ステップ(S502)は、照会ステップにおいて受け付けた所定の条文見出しと同等または類似する条文見出しを有する1または複数の条項を取得するステップである、付記4記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザから条文見出しに関する照会リクエストを受け付け、当該リクエストに含まれる条文見出しに同等または類似する過去に契約が行われた契約情報の条項を確認することができる。
【0139】
(付記7)
プロセッサは、照会ステップにおいて受け付けた所定の条文見出しを、取得ステップにおいて取得した同等または類似する1または複数の条項のそれぞれに関連付けられた1または複数の異なる当事者情報と紐付けてユーザに提示する当事者提示ステップ(S503)と、を実行する付記6記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザは、契約条項ごとに、どのような契約当事者との間で契約条項を有しているのか確認することができる。
【0140】
(付記8)
プロセッサは、ユーザから、一覧提示ステップにおいて提示した1または複数の契約情報から所定の契約情報の選択操作を受け付ける選択受付ステップ(S503)と、選択受付ステップにおいて選択した所定の契約情報に基づき、宛先情報を含む証憑に関する証憑情報を発行する証憑発行ステップ(S503)と、証憑情報に含まれる宛先情報に、当事者記憶ステップにおいて所定の契約情報に関連付けて記憶した当事者情報が含まれない場合には、ユーザに対して警告情報を提示する警告提示ステップ(S503)と、を実行する、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザが契約情報に基づき、見積書、請求書、領収書等の証憑を発行する場合において、当該証憑の宛先情報に、当該証憑の根拠となる契約情報の当事者情報が含まれていない場合に警告を受けることができる。通常、証憑の宛先情報には契約情報の当事者情報が含まれている場合が一般的であるため、証憑情報の宛先間違いなどを防止することができる。
【0141】
(付記9)
契約記憶ステップ(S101)は、契約情報を、契約情報の存続状態に関する存続情報と関連付けて記憶するステップであり、一覧提示ステップ(S502)は、1または複数の契約情報のうち、存続情報に存続していることを示す情報が記憶されていない1または複数の契約情報を除外して一覧提示するステップである、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、契約当事者ごとにどのような存続中の契約情報を締結しているのか整理、管理することができる。既に存続していない契約の当事者情報を除外することにより、ユーザは、現在有していない権利、義務を除外して、現在有している権利、義務を確認することができる。ユーザは利便性良く、契約情報を管理することができる。
【0142】
(付記10)
プロセッサは、ユーザから、契約の当事者に関する所定の当事者情報を含む照会リクエストを受け付ける当事者照会ステップ(S501)と、を実行し、一覧提示ステップ(S503)は、当事者照会ステップにおいて受け付けた所定の当事者情報に基づき、所定の当事者情報に関連付けられた1または複数の契約情報を一覧提示するステップである、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザは当事者の照会を行い、当該当事者との間でどのような契約情報が締結されているのか一覧して確認することができる。
【0143】
(付記11)
プロセッサは、ユーザから、契約の当事者に関する所定の当事者情報を含む照会リクエストを受け付ける当事者照会ステップ(S501)と、を実行し、一覧提示ステップ(S503)は、当事者照会ステップにおいて受け付けた所定の当事者情報に基づき、所定の当事者情報との間で有している1または複数の権利義務情報を一覧提示するステップである、付記2記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザが契約当事者との間で複数の契約を締結している場合において、当該当事者との間でどのような権利、義務を有しているのか一覧して確認することができる。
【0144】
(付記12)
一覧提示ステップ(S503)は、当事者照会ステップにおいて受け付けた所定の当事者情報に基づき、所定の当事者情報との間で有している1または複数の権利義務情報を、条文見出しごとに一覧提示するステップである、付記11記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザが契約当事者との間で複数の契約を締結している場合において、当該当事者との間でどのような権利、義務を有しているのか条文見出しにより一覧して確認することができる。
【0145】
(付記13)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、プロセッサが、付記1から12のいずれか記載の契約管理プログラムを実行する、情報処理装置。
これにより、契約情報を当事者情報と関連付けて記憶することができ、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理することができる。
【0146】
(付記14)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置を含む情報処理システムであって、プロセッサが、付記1から12のいずれか記載の契約管理プログラムを実行する、情報処理システム。
これにより、契約情報を当事者情報と関連付けて記憶することができ、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理することができる。
【0147】
(付記15)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、コンピュータが、付記1から12のいずれか記載の契約管理プログラムを実行する、情報処理方法。
これにより、契約情報を当事者情報と関連付けて記憶することができ、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理することができる。
【0148】
(付記16)
プロセッサと、記憶部と、表示装置と、を備える情報処理端末であって、プロセッサが、付記1から12のいずれか記載の契約管理プログラムにおける一覧提示ステップを実行する、情報処理端末。
これにより、契約当事者ごとにどのような契約情報を締結しているのか整理、管理することができる。
ユーザは利便性良く、契約情報を管理することができる。
【符号の説明】
【0149】
1 システム、10 サーバ、101 記憶部、104 制御部、106 入力装置、108 出力装置、20 第1ユーザ端末、201 記憶部、204 制御部、206 入力装置、208 出力装置、30 第2ユーザ端末、301 記憶部、304 制御部、306 入力装置、308 出力装置
図1
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