(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026637
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】接触クリーニング表面アセンブリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B08B 6/00 20060101AFI20240220BHJP
B08B 1/20 20240101ALI20240220BHJP
B08B 1/34 20240101ALI20240220BHJP
C01B 32/168 20170101ALI20240220BHJP
【FI】
B08B6/00
B08B1/20
B08B1/34
C01B32/168
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000811
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2020548638の分割
【原出願日】2019-03-11
(31)【優先権主張番号】1803873.7
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】シーラ ハミルトン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン フランク ミッチェル
(57)【要約】
【課題】接触クリーニング表面アセンブリ及びその製造方法の提供。
【解決手段】接触クリーニング表面アセンブリは、バルク導電性(例えば、電気伝導性)を有するエラストマー層を備え、エラストマー層112は、クリーニングされる部分に接触する導電性表面114と、導電層112から電荷抽出する導電性経路110に電気接触する更なる導電性表面113とを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク導電性(例えば、電気伝導性)を有するエラストマー層を備える接触クリーニング表面アセンブリにおいて、前記エラストマー層はクリーニングされる部分に接触する導電性表面と、前記導電層から電荷抽出する導電性経路に電気接触する更なる導電性表面とを有する接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項2】
前記エラストマー層は前記導電性経路に電気接触する請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項3】
前記エラストマー層は前記導電性経路に密接する請求項2に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項4】
前記導電性経路は前記エラストマー層に対する導電性支持体である請求項1又は2に記載の接触クリーニングアセンブリ。
【請求項5】
前記エラストマー層は前記支持体に密接する請求項3に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項6】
電荷抽出経路は、導電層から前記導電性経路までである請求項1~5の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項7】
前記アセンブリは、ローラーである請求項1~6の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項8】
前記アセンブリは、平坦(又は実質的に平坦)なシートを備える請求項1~6の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項9】
前記エラストマー層は導電性要素を含む請求項1~8の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項10】
前記導電性要素はネットワークを形成する請求項9に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項11】
前記ネットワークは、電気伝導性である(例えば、互いに近位にあるか又は接触している)請求項9又は10に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項12】
前記エラストマー層は導電性要素の相互接続ネットワークを含む請求項1~11の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項13】
前記導電性要素は細長い請求項12に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項14】
前記細長い導電性要素は中空である請求項12又は13に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項15】
前記導電性要素は炭素である請求項12~14の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項16】
導電性要素はナノチューブである請求項12~15の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項17】
導電性要素はカーボンナノチューブである請求項12~16の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項18】
ナノチューブは、単壁カーボンナノチューブである請求項16又は17に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項19】
前記カーボンナノチューブは、炭素原子1つ分の壁厚である請求項18に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項20】
前記導電性表面の表面抵抗は1×109Ω未満である請求項1~19の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項21】
前記導電性表面の表面抵抗は約1×106Ω~約1×109Ωの範囲である請求項1~20の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項22】
前記支持体はシャフトである請求項4~21の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項23】
前記細長い導電性要素は前記エラストマー材料全体に均一に分散される請求項1~22の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項24】
前記導電性要素は前記エラストマー材料内に埋め込まれ保持されるように分散される請求項9~23の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項25】
前記導電性要素は前記エラストマー材料内でランダムな向きになっている請求項9~24の何れか1項に記載の接触クリーニングローラー。
【請求項26】
前記導電性要素は約5μm~約30μmの範囲内の長さを有する請求項9~25の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項27】
前記導電性要素は約1nm~約200nmの範囲内の直径を有する請求項9~26の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項28】
前記エラストマー内の導電性要素の濃度は、エラストマーの重量のうち少なくとも約0.015%である請求項9~28の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項29】
前記エラストマーはシリコーンゴム又はポリウレタンのうちの一方を含む請求項1~28の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項30】
前記エラストマーは熱硬化シリコーン又はポリウレタンのうちの一方を含む請求項1~29の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項31】
前記エラストマーは2成分室温硬化シリコーンゴムである請求項30に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項32】
接触クリーニング表面ローラーにおいて、
コア領域と、
前記コア領域を被覆する表面領域とを有し、
前記表面領域は、エラストマーと、該エラストマー材料内に分散された複数の細長い要素とを含み、該細長い要素は電気的に非絶縁性の材料で形成される接触クリーニング表面ローラー。
【請求項33】
接触クリーニングプロセスにおける請求項1~31の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリの使用。
【請求項34】
請求項1~31の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリを備える接触クリーニング装置。
【請求項35】
接触クリーニングローラーを製造する方法において、
流体形態のエラストマーを準備することと、
前記エラストマーに電気的に非絶縁性の材料で形成された細長い要素を分散させることと、
接触クリーニングローラーの前記コア領域を設けることと、
前記エラストマーによって前記コア領域を被覆することとを含む方法。
【請求項36】
前記方法は、続いて、前記エラストマーを硬化させることを含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
接触クリーニング表面アセンブリを製造する方法において、
エラストマーのプレポリマーを準備することと、
電気的に非絶縁性の材料で形成されたポリマー改質剤を前記プレポリマーに添加することと、
前記プレポリマーを重合させることと、
前記ポリマーを硬化させて、バルク導電性を有するエラストマークリーニング表面を形成することとを含む方法。
【請求項38】
硬化後、前記導電性要素は前記エラストマー全体に分散する請求項35~37の何れか1項に記載の方法。
【請求項39】
硬化後、前記導電性要素はネットワークを形成する請求項35~38の何れか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記導電性要素はランダムな向きに向いている請求項35~39の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触クリーニングプロセスに使用される接触クリーニング表面アセンブリに関し、特に、限定はしないが、バルク導電性を有するエラストマー層を備える接触クリーニング表面アセンブリに関する。本発明は、接触クリーニング表面アセンブリを製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
接触クリーニングは、基板表面をクリーニングするのに用いられる。クリーニング後、基板表面は、電子機器、光起電機器、及びフラットパネルディスプレイの製造等における様々な精巧なプロセスに用いることができる。通常、ゴム又はエラストマー製のクリーニングローラーが、基板表面から汚染粒子を除去するのに用いられ、その後、接着ローラーを用いて、クリーニングローラーから汚染粒子を除去することができる。
【0003】
動作時、接触クリーニングローラーは、少なくとも基板の上面に接触し、接着除去メカニズム(例えば、ファンデルワールス力及び接着力)によってデブリを除去する。この場合、接触クリーニングローラーを形成するのに用いられる材料の固有の特性により、デブリが引き寄せられ、接触クリーニングローラーの表面に付着する。このように、接触クリーニングローラーは、粒子とローラーとの間のファンデルワールス力による引力に起因して、基板表面から汚染粒子を引き離すことが考えられる。したがって、既存の接触クリーニングローラーが、基板表面との接触を最大限にすることによって、汚染粒子の除去の効力を保証することができる。
【0004】
接触クリーニングローラーの材料に固有の弱いファンデルワールス静電力とは別に、他の静電荷も生じ得る。異なる表面間の接触による接触クリーニングプロセスは、摩擦帯電効果及び静電荷の蓄積から電荷源となる可能性を有する。したがって、電子機器アセンブリ工場において基板の非常に近位で(例えば、100mm以内で)用いられるいずれの機器も、非絶縁性とし、静電荷による基板の損傷を防ぐのに十分小さい表面抵抗を有しなければならない。
【0005】
接触クリーニングローラーが、基板(すなわち、クリーニングされる部分)をクリーニングするのに十分な表面接着力を有する場合、接触クリーニングプロセス中に、静電荷が発生しやすい。
【0006】
表面抵抗Rsは、材料の表面にわたる電圧対電流の比によって定義される。オーム(Ω)で測定される材料の特性は、以下のとおりに定義される。
Rs=U/Is
ここで、UはDC電圧であり、表面電流がIsである。
【0007】
表面抵抗を測定するよく知られた方法は、米国国家規格協会(ANSI)のESD STM11.11-2015に与えられている。この方法によれば、基板の100mm以内で用いられる電子機器アセンブリ工場のあらゆる機器は、表面抵抗が1×109Ω未満でなければならない。
【0008】
バルク導電率は、通常、体積抵抗を測定することによって確立される。体積抵抗を測定するよく知られた方法は、米国国家規格協会(ANSI)のESD STM11.12-2015に与えられている。
【0009】
通常のゴム又はエラストマー製のクリーニングローラーは、1×109Ωを下回る表面抵抗を有しないことが通常である。換言すれば、通常のゴム又はエラストマー製のクリーニングローラーは、絶縁性であり、導電性でない。クリーニングされる基板から静電荷を散逸させるクリーニングローラーを設けることが望ましい。
【0010】
製造プロセス中に1つ以上の添加剤を使用して、接触クリーニングローラーに用いられる材料等の材料の特性を変えることは珍しくない。しかしながら、添加剤は、必然的に元の材料とは異なる特性を有し、元の材料に対する変更は、その主要機能、すなわち接触クリーニングを阻害するリスクをもたらす。このリスクは、接触クリーニングローラーの表面特性を変更しようとする際、ローラーのクリーニング効力にとって同表面が重要である場合に特に高くなる。ローラー表面上のエラストマーの量を低減するものは、潜在的に、エラストマーのクリーニングされる基板に接触する能力を低下させ、汚れ及びデブリに接触して引き寄せる能力を低減する結果となることを意味する。さらに、改質添加剤は、上述したような、デブリをクリーニングローラーの表面に引き寄せる通常のプロセスに干渉する場合がある。双方の状況において、ローラーのクリーニング効力は、阻害又は低減される。
【0011】
繊維及び微粒子等の通常の導電性添加剤は、エラストマーのマトリックス全体に均一に分散しない場合がある。これにより、ローラーの表面抵抗が不均一になり、クリーニング表面から電荷を外部に導く部分と、電荷が蓄積し、基板に損傷を与える部分とが混在する。
【0012】
エラストマーに添加剤を加えることで、エラストマー又はローラーの完全性に影響を与えないものとすることが更に考慮される。完全性の損失又は耐摩耗性の低下により、ローラーの損耗が非常に早く起こり、又はその表面が損傷若しくは穿孔し、それにより、その効力が更に低下する結果となるおそれがある。これらの要因の全ては、接触クリーニングプロセスのランニングコストを増大させる可能性がある。
【0013】
さらに、エラストマーと十分に類似しない、例えば結合表面積が小さい添加材料では、周囲のエラストマーがその添加剤に効果的に結合又は接着することができなくなる。この材料がエラストマー内に確実に埋め込まれない場合、ローラーが動作する際、材料が移動し、ローラー表面から離れ、それにより、接着ローラーによってクリーニングされる及び/又は拾い上げられる基板が汚染され、それにより、基板の寿命が短くなり、ランニングコストが増大する。またさらに、材料がローラーから移動すると、ローラー表面に損傷をもたらすおそれがあり、ここでも、クリーニング効力が低減し、コストが増大する。
【0014】
材料がコスト効果的でなくなり、接触クリーニングローラーのコストが法外に高くなる可能性があるため、表面抵抗の好適な低減を達成するために、添加剤の量を過剰に使用しないことが重要である。したがって、使用量を最小限に抑えながら、添加剤によって与えられる電気接続性を最大限にすることが重要である。
【0015】
添加剤を大量に使用することに関連する更なる結果は、ローラー表面においてその材料の量が増大すると、エラストマーが少なくなることである。ローラー表面におけるエラストマーの低減の問題は、既に上述した。
【0016】
クリーニングローラーが摩損する場合、その表面抵抗が影響を受けないことが重要である。さもないと、クリーニングローラーの寿命の間、静電気蓄積のリスクが増大する。これが生じると、ローラーは、早期の交換が必要となる場合があり、運用コストが増大する。したがって、ローラーの表面抵抗を向上させるものは、ローラーの寿命を通して効力を損なうことなく、表面抵抗を向上させ続けなければならないことが重要である。
【0017】
上述したように、或る特定のクリーニング用途の条件は、クリーニング表面の表面抵抗が1×109Ω未満であることである。これは、接触クリーニングローラーに1×109Ω未満の表面抵抗を有するという要件を課すだけでなく、必然的に、ローラーは、静電荷がクリーニング表面から離れて接地に導かれるようにすることができなければならない。またこれは、連続動作している間、行わなければならず、すなわち、ローラーは、回転時は常に、電荷を導くことが可能でなければならない。したがって、局所的な領域において低抵抗のローラーを提供するのでは不十分である場合があり、動作時は常に基板表面から好適なアース装置(すなわち、接地)に電荷を導くことが可能でなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、上述の問題のうちの少なくとも1つ以上を緩和又は軽減することである。
【0019】
本発明の目的は、接触クリーニング表面アセンブリに由来する静電荷蓄積の問題を緩和又は軽減することである。
【0020】
更なる目的は、接触クリーニングローラーのクリーニング効力を低減若しくは阻害することなく、又は接触クリーニング表面アセンブリ若しくは接着ローラーの動作寿命を低減することなく、静電荷の問題を緩和又は軽減することである。
【0021】
本発明のまた更なる目的は、接触クリーニング表面アセンブリの表面抵抗を1×109Ω未満に低減し、さらに、静電荷を接地に導くことができる経路を提供しながら、これを達成することである。
【0022】
本発明の更なる目的は、非絶縁性の添加剤の量を最小限にするとともに、その電気接続性を最大限にしながら、表面抵抗を低減することである。
【0023】
本発明の更なる目的は、接触クリーニング表面アセンブリの完全性の低減を緩和するか、又は更にはその完全性を向上させながら、接続性を向上させることである。
【0024】
本発明の更なる目的は、好適な接触クリーニング装置において用いられる接触クリーニング表面アセンブリを用いる場合に、静電荷を緩和又は軽減することである。
【0025】
また、更なる目的は、静電荷を緩和又は軽減することが可能な接触クリーニング表面アセンブリを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の一態様によれば、バルク導電性(例えば、電気伝導性)を有するエラストマー層を備える接触クリーニング表面アセンブリにおいて、エラストマー層はクリーニングされる部分に接触する導電性表面と、導電層から電荷抽出する導電性経路に電気接触する更なる導電性表面とを有する、接触クリーニング表面アセンブリが提供される。
【0027】
ある実施形態において、エラストマー層は導電性経路に電気接触する。
【0028】
ある実施形態において、エラストマー層は導電性経路に密接する。
【0029】
ある実施形態において、導電性経路はエラストマー層から接地(すなわち、電気アース)への電荷抽出をもたらす。
【0030】
ある実施形態において、導電性経路はエラストマー層の導電性表面に接触する金属製の電荷抽出要素を含む。
【0031】
ある実施形態において、導電性経路はエラストマー層に対する導電性支持体である。
【0032】
ある実施形態において、エラストマー層は支持体に密接する。
【0033】
ある実施形態において、電荷抽出経路は、導電層から導電性経路までである。
【0034】
ある実施形態において、エラストマー層は導電性支持体に取り付けられる。
【0035】
ある実施形態において、エラストマー層は導電性支持体に密接する。より具体的には、エラストマー層はエラストマー層の更なる導電性表面全体にわたって支持体に密接する。このようにして、エラストマー層から支持体への電荷抽出が、エラストマー層の更なる導電性表面全体にわたって起こる。
【0036】
ある実施形態において、導電性支持体は金属製の導電体材料で形成される。より具体的には、金属製導電体支持体はステンレス鋼である。
【0037】
ある実施形態において、導電性支持体は非金属製の導電体材料で形成される。より具体的には、非金属製導電体支持体は炭素繊維である。
【0038】
ある実施形態において、支持体はシャフトである。
【0039】
ある実施形態において、電荷抽出経路は、導電層から導電性支持体までである。より具体的には、電荷抽出経路は、エラストマー材料の導電性表面からエラストマー材料を通って、エラストマー材料の更なる導電性表面から導電性支持体へと至る。
【0040】
ある実施形態において、アセンブリは、ローラーである。
【0041】
ある実施形態において、アセンブリは、平坦(又は実質的に平坦)なシートを備える。
【0042】
ある実施形態において、エラストマー層は導電性要素を含む。より具体的には、エラストマー層は導電性要素を含む改質剤を含む。このようにして、改質剤は、エラストマー層のバルク抵抗及び表面抵抗を低減し、エラストマー層にバルク導電性を与える。
【0043】
ある実施形態において、導電性要素はネットワークを形成する。より具体的には、導電性要素のネットワークは、電気伝導性である。エラストマー層内の導電性要素は導電性要素のネットワークが、エラストマー層の導電性外面からエラストマー層を通って、エラストマー層の更なる導電性表面から導電性支持体に至る電荷経路を提供するように、互いに近位にあるか又は接触している。このようにして、電荷は、基板(すなわち、クリーニングされる部分)からエラストマー層を通って導電性支持体及び接地へと抽出することができる。
【0044】
ある実施形態において、エラストマー層は導電性要素の相互接続ネットワークを含む。
【0045】
ある実施形態において、導電性要素は細長い。このようにして、エラストマー層のエラストマーと接触する導電性要素の表面積が増大し、エラストマー層内におけるそれらの要素の保持が高まる。
【0046】
ある実施形態において、細長い導電性要素は中空である。
【0047】
ある実施形態において、導電性要素は炭素である。
【0048】
ある実施形態において、導電性要素はナノチューブである。
【0049】
ある実施形態において、導電性要素はカーボンナノチューブである。
【0050】
ある実施形態において、ナノチューブは、単壁カーボンナノチューブである。このようにして、エラストマー層のクリーニング特性とそのバルク導電性との間のバランスが維持される。ナノチューブの大きな表面積により、炭素微粒子又は炭素繊維と比較して、エラストマーへの炭素の結合が向上する。
【0051】
より具体的には、カーボンナノチューブは、炭素原子1つ分の壁厚である。
【0052】
ある実施形態において、導電性表面の表面抵抗は1×109Ω未満である。より具体的には、エラストマー層の導電性表面及び更なる導電性表面の双方の表面抵抗は1×109Ω未満である。更により具体的には、エラストマー層の導電性表面及び更なる導電性表面の双方の表面抵抗は実質的に等しい。
【0053】
ある実施形態において、導電性表面の表面抵抗は約1×106Ω~約1×109Ωの範囲である。より具体的には、エラストマー層の導電性表面及び更なる導電性表面の双方の表面抵抗は約1×106Ω~約1×109Ωの範囲である。更により具体的には、エラストマー層の導電性表面及び更なる導電性表面の双方の表面抵抗は実質的に等しい。
【0054】
ある実施形態において、細長い導電性要素はエラストマー材料全体に均一に分散される。
【0055】
ある実施形態において、導電性要素はエラストマー材料内に埋め込まれ保持されるように分散される。
【0056】
ある実施形態において、導電性要素はエラストマー材料内でランダムな向きになっている。
【0057】
ある実施形態において、導電性要素は約5μm~約30μmの範囲内の長さを有する。
【0058】
ある実施形態において、導電性要素は約1nm~約200nmの範囲内の直径を有する。
【0059】
ある実施形態において、エラストマー内の導電性要素の濃度は、エラストマーの重量のうち少なくとも約0.015%である。
【0060】
ある実施形態において、エラストマーはシリコーンゴム又はポリウレタンのうちの一方を含む。
【0061】
ある実施形態において、エラストマーはシリコーンを含む。このようにして、導電性シリコーン層は、カーボンナノチューブがシリコーン材料内に分散される場合に形成することができる。ナノチューブは、共有結合を通してシリコーンポリマーマトリックス内に保持される。微粒子材料等の他の添加剤は、シリコーンマトリックスの流動性に起因して、シリコーンマトリックスから流出する傾向がある。したがって、カーボンナノチューブは、シリコーンマトリックス内に保持された状態で保持される改質剤を提供する。
【0062】
ある実施形態において、エラストマーは2成分室温硬化シリコーンゴムである。
【0063】
本発明の更なる態様によれば、接触クリーニング表面ローラーにおいて、
コア領域と、
コア領域を被覆する表面領域とを有し、
表面領域は、エラストマーと、このエラストマー材料内に分散された複数の細長い要素とを含み、この細長い要素は電気的に非絶縁性の材料で形成される接触クリーニング表面ローラーが提供される。
【0064】
本発明のまた更なる態様によれば、接触クリーニングプロセスにおける本発明による接触クリーニング表面アセンブリの使用が提供される。
【0065】
本発明の別の態様によれば、本発明による接触クリーニング表面アセンブリを備える接触クリーニング装置が提供される。
【0066】
本発明の更なる態様によれば、接触クリーニングローラーを製造する方法において、
流体形態のエラストマーを準備することと、
エラストマーに電気的に非絶縁性の材料で形成された細長い要素を分散させることと、
接触クリーニングローラーのコア領域を設けることと、
エラストマーによってコア領域を被覆することとを含む方法が提供される。
【0067】
ある実施形態において、方法は、続いて、エラストマーを硬化させることを含む。
【0068】
本発明のまた更なる態様によれば、接触クリーニング表面アセンブリを製造する方法において、
エラストマーのプレポリマーを準備することと、
電気的に非絶縁性の材料で形成されたポリマー改質剤をプレポリマーに添加することと、
プレポリマーを重合させることと、
ポリマーを硬化させて、バルク導電性を有するエラストマークリーニング表面を形成することとを含む方法が提供される。
【0069】
ある実施形態において、硬化後、導電性要素はエラストマー全体に分散する。
【0070】
ある実施形態において、硬化後、導電性要素はネットワークを形成する。
【0071】
ある実施形態において、導電性要素はランダムな向きに向いている。
【0072】
ここで、本発明を、単に例として、添付図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】本発明の一実施形態に係る接触クリーニング表面アセンブリを備えるローラーを使用する接触クリーニング装置の概略側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る接触クリーニング表面アセンブリの概略断面図である。
【
図3】
図3aは、本発明の第1の実施形態に係る接触クリーニング表面アセンブリの更なる概略断面図である。
図3bは、
図3aの接触クリーニング表面アセンブリの一部分の概略拡大断面図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態の細長い単壁カーボンナノチューブの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1は、本発明の実施形態に係るローラーである接触クリーニング表面アセンブリを使用する接触クリーニング装置の概略側面図である。接触クリーニング装置1は、接触クリーニングローラー2及び接着ローラー3を備え、これらのローラーは、クリーニングされる複数の基板5が保持されるコンベヤ4上に取り付けられる。接触クリーニングローラー2は、細長く、概ね円筒形状であり、図の平面に対して垂直な軸を有するホルダー(図示せず)上に取り付けられ、その軸の周りに接触クリーニングローラー2が自由に回転する。接触クリーニングローラー2の特定の構造は、以下により詳細に記載する。接着ローラー3は、概ね円筒形状であり、接着剤が存在する表面を有する本体を備え、同様に、図の平面に対して垂直かつ接触クリーニングローラー2の軸に対して平行な軸を有するホルダー(図示せず)上に取り付けられ、その軸の周りに接着ローラー3が自由に回転する。接触クリーニングローラー2及び接着ローラー3は、接触クリーニングローラー2の時計回りの回転運動が接着ローラー3の反時計回りの回転運動をもたらす、及びその逆であるように、互いに接触するようにして取り付けられる。接触クリーニングローラー2と接着ローラー3とを接触させる必要性は、以下の使用の記載から明らかになる。また、接触クリーニングローラー2は、基板5がコンベヤ4の軸の下に位置するコンベヤ上を通過する際に、クリーニングされる基板5の表面に接触することが可能であるように取り付けられる。
【0075】
クリーニングされる基板5は、以下のように処理される。基板5は、
図1において矢印Aによって示されるように右から左に移動するコンベヤ4の上面6に位置する。クリーニングされる基板5は、矢印Bによって示されるように時計回り方向に回転する接触クリーニングローラー2の下を通る。接触クリーニングローラー2に接触する前に、基板5の上面は、ごみ等の除去が必要なデブリ7によって覆われている。接触クリーニングローラー2は、基板5の上面に接触し、静電気除去メカニズムによってデブリ7を除去する。ここでは、接触クリーニングローラー2を形成するのに用いられる材料の固有の極性により、デブリ7を引き寄せ、接触クリーニングローラー2の表面に付着させる。接触クリーニングローラー2の表面とデブリ7との間の相対的な引力は、デブリ7と基板5の表面との間の引力よりも大きいため、デブリ7が除去される。ここできれいになった基板5は、引き続き、コンベヤ4に沿って除去ステーション(図示せず)に向かい、コンベヤの下面8は、ループを形成しながら、矢印Dによって示されるように、
図1における左から右の方向に戻る。接触クリーニングローラー2をクリーニングするために、矢印Cによって示されるように反時計回り方向に回転する接着ローラーは、接触クリーニングローラー2の表面に接触する。これに関して、デブリ7と接着ローラー3の表面上に存在する接着剤との間の接着力は、デブリ7を接触クリーニングローラー2の表面に保持する接着力よりも大きいため、デブリが除去される。そして、接触クリーニングローラー3が回転し、次にクリーニングされる基板5のためにきれいな表面を呈する。
【0076】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る接触クリーニング表面アセンブリの概略断面図である。ローラーの形態の接触クリーニング表面アセンブリは、上述したような接触クリーニングシステム1において接触クリーニングローラーとして用いられる。ローラー102は、導電性エラストマー層112に被覆された導電性支持体110である導電性経路を有する。ローラー102は、細長く、概ね円筒形状であり、取付け機構を介して、接触クリーニング装置1において使用されるホルダー(図示せず)上に取り付けられる。導電性シャフト110は、導電性エラストマー層112と同軸である。シャフト110は、ローラー102を取り付けるのに用いることができ、使用時のローラー102の回転運動において用いることができる。適切には、そのようなシャフト110は、例えば、金属又は非金属又は導電性複合材料(例えば、ステンレス鋼又は炭素繊維複合材)等の導電性材料から形成される。導電性シャフト110は、例えば、ゴム又は他の天然若しくは合成エラストマー材料等のエラストマー材料112に被覆される。エラストマー材料は、実質的に均質である。
【0077】
導電性エラストマー層112は、表面抵抗が1×109Ω未満の導電性外面114を有する。導電性エラストマー層112は、表面抵抗が1×109Ω未満であり、導電性シャフト110に接触する導電性内面113を有する。このようにして、導電性経路は外面114から内面113、そしてシャフト110まで形成される。或る部分(図示せず)をクリーニングするのに接触クリーニングローラー102の使用中に面114において生成された静電荷は、層112を通して、導電性シャフト110によってもたらされた導電性経路に導かれる。
【0078】
図3aは、本発明の一実施形態に係る、ローラー102の形態の接触クリーニング表面アセンブリの概略断面図である。
図3bは、同じローラー102の一部分の概略拡大断面図である。ローラー102は、導電性外面114及び導電性内面113を有するエラストマー層112を備える。導電性エラストマー層112は、導電性ステンレス鋼シャフト110を被覆し、導電性ステンレス鋼シャフト110に取り付けられる。外面114は、上述した方法で基板表面からデブリをクリーニングするのに利用可能である。
【0079】
図示の構成では、エラストマー層は2成分室温硬化シリコーンゴムである。
【0080】
エラストマー層112は、エラストマー材料内に分散され埋め込まれた複数の細長い単壁カーボンナノチューブ116を含む。細長い単壁カーボンナノチューブ116は、層112のエラストマー内に分散され、カーボンナノチューブの相互接続ネットワーク118を形成する。エラストマー内のナノチューブ116の分散は、導電性シャフト110に接触する導電性内面113から導電性外面114まで、これらの要素が実質的に表面領域112の総厚にわたってランダムな向きで広がるようになっている。ナノチューブは、実質的にローラー102の軸方向幅にわたっても広がる。さらに、ナノチューブ116が電気的に非絶縁性の材料を含む場合、エラストマー単体と比べて、表面領域112全体が低減した電気抵抗を有し、又は増大した電気伝導性を有する。このようにして、エラストマー層112は、カーボンナノチューブの相互接続ネットワーク118によってもたらされるバルク導電性を有する。
【0081】
層112内のエラストマー材料のバルク導電性は、クリーニング動作中に生成される電荷に対する接地までの電荷経路を提供する。したがって、ローラーは、新品のときに低減した電気抵抗を有するだけでなく、外面114が摩損しても、その耐用寿命にわたって効果が続く。
【0082】
細長い炭素要素116の分散及びネットワーク118の形成は、導電性表面113及び114における低減した表面抵抗が、ANSIのESD STM11.11-2015に従って測定した場合、1×109Ω未満であるようになっている。さらに、エラストマー層114全体が低減した電気抵抗を有する場合、ローラー102は、静電荷を基板表面から接地に導くことができる経路を提供することができる。
【0083】
図4は、本発明の1つの実施形態の細長い単壁カーボンナノチューブ116を示している。ナノチューブ116は、エラストマー層112内に分散される複数の同様の細長い単壁カーボンナノチューブのうちの1つである。
【0084】
各単壁カーボンナノチューブ116は、5μm~30μmの範囲内で長さが変動し、1nm~200nmの範囲内の直径を有することができる。
図3a及び
図3bの実施形態では、単壁カーボンナノチューブは、エラストマー層112を含むエラストマーの重量のうち0.02%を占める。
【0085】
細長い単壁カーボンナノチューブ116は、実質的にエラストマー層112全体に延在する導電性ネットワーク(118、
図3b)を形成するように分散される。したがって、静電荷が外面114に蓄積し始めた場合、静電荷は、基板に損傷を与える前に、表面基板からシャフト110に即座に散逸される。
【0086】
細長い単壁カーボンナノチューブ116は、ネットワーク118に効率的な相互接続を可能にする。換言すれば、ナノチューブ116は、単位長さあたりの重量が小さく、単位長さあたりの表面積が大きいため、非常に少量の添加で、エラストマーの電気絶縁性を十分に低減する。したがって、他の導電性添加剤に比べて、ローラー102の表面抵抗の効果的な低減を確実にし、エラストマー層に必要とされるバルク導電性を与えるのに、少量しか必要としない。
【0087】
細長い単壁カーボンナノチューブ116の中空形状は、所与の重量の要素に対して大きな表面積を与え、各細長い要素116がエラストマー層112内に確実に埋め込まれるように、周囲のエラストマーとの十分な結合を確実にする。したがって、エラストマー層の導電性表面114が使用時に摩損する場合、細長い要素116がローラー102から脱落したり剥がれたりする可能性がない。
【0088】
さらに、細長い単壁カーボンナノチューブ116を埋め込むことにより、エラストマーの完全性が損なわれることがなく、さらには、表面領域112を改善又は補強することができることが確実になる。
【0089】
ナノチューブ116は、導電性外面114から相互接続ネットワーク118を通して導電性内面113及び導電性シャフト110に至る電荷経路を形成する。電荷は、シャフト110から任意の好適な接地装置(図示せず)によってアースすることができる。
【0090】
記載の実施形態に対する種々の変形形態及び実施形態が想定される。例えば、アース装置は、任意の好適な手段によって接触クリーニングローラーに電気的に接続することができる。
【0091】
本発明の更なる一実施形態において、表面領域112のエラストマーはポリウレタン又はシリコーンゴムを含む。また更なる実施形態において、エラストマーは熱硬化シリコーン、又は当業者に既知の接触クリーニングローラーに適した他の材料とすることもできる。
【0092】
本発明の実施形態において、クリーニング表面アセンブリは、基板(すなわち、クリーニングされる部分)の両側をクリーニングすることができる。両側を同時にクリーニングすることも、別々にクリーニングすることもできる。
【0093】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、「備える」及び「含む」という用語並びにそれらの語尾変化形は、「~を含むが~に限定されるものではない」ことを意味し、他の成分、付加物、構成要素、完全体又はステップを排除することを意図していない(排除しない)。本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、単数形のものは、文脈上別の解釈が必要とされていない限り、複数形のものを含む。特に、個数が指定されていない場合、本明細書は、文脈上別の解釈が必要とされていない限り、単数だけでなく複数も考慮されていると理解されるべきである。
【0094】
本発明の特定の態様、実施形態又は例とともに説明した特徴、完全体、特性、合成物、化学成分又はグループは、本明細書で説明した他の任意の態様、実施形態又は例と矛盾しない限り、それらに適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の添付の請求項、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップのうちの少なくともいくつかが互いに矛盾する組み合わせを除いて、任意の組み合わせに結合することができる。本発明は、上記のいずれの実施形態の詳細にも限定されるものではない。本発明は、本明細書(任意の添付の請求項、要約書及び図面を含む)に開示された特徴のうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせにも及ぶ。
【符号の説明】
【0095】
1 接触クリーニング装置
2 接触クリーニングローラー
3 接着ローラー
4 コンベヤ
5 基板
6 上面
7 デブリ
8 下面
102 接触クリーニングローラー
110 導電性支持体
112 導電性エラストマー層
113 導電性内面
114 導電性外面
116 炭素要素
118 相互接続ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
本発明の特定の態様、実施形態又は例とともに説明した特徴、完全体、特性、合成物、化学成分又はグループは、本明細書で説明した他の任意の態様、実施形態又は例と矛盾しない限り、それらに適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の添付の請求項、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップのうちの少なくともいくつかが互いに矛盾する組み合わせを除いて、任意の組み合わせに結合することができる。本発明は、上記のいずれの実施形態の詳細にも限定されるものではない。本発明は、本明細書(任意の添付の請求項、要約書及び図面を含む)に開示された特徴のうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせにも及ぶ。
なお、本開示の態様には以下のものも含まれる。
[書類名]特許請求の範囲
[態様1]
バルク導電性(例えば、電気伝導性)を有するエラストマー層を備える接触クリーニング表面アセンブリにおいて、前記エラストマー層はクリーニングされる部分に接触する導電性表面と、前記導電層から電荷抽出する導電性経路に電気接触する更なる導電性表面とを有する接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様2]
前記エラストマー層は前記導電性経路に電気接触する態様1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様3]
前記エラストマー層は前記導電性経路に密接する態様2に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様4]
前記導電性経路は前記エラストマー層に対する導電性支持体である態様1又は2に記載の接触クリーニングアセンブリ。
[態様5]
前記エラストマー層は前記支持体に密接する態様3に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様6]
電荷抽出経路は、導電層から前記導電性経路までである態様1~5の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様7]
前記アセンブリは、ローラーである態様1~6の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様8]
前記アセンブリは、平坦(又は実質的に平坦)なシートを備える態様1~6の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様9]
前記エラストマー層は導電性要素を含む態様1~8の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様10]
前記導電性要素はネットワークを形成する態様9に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様11]
前記ネットワークは、電気伝導性である(例えば、互いに近位にあるか又は接触している)態様9又は10に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様12]
前記エラストマー層は導電性要素の相互接続ネットワークを含む態様1~11の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様13]
前記導電性要素は細長い態様12に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様14]
前記細長い導電性要素は中空である態様12又は13に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様15]
前記導電性要素は炭素である態様12~14の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様16]
導電性要素はナノチューブである態様12~15の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様17]
導電性要素はカーボンナノチューブである態様12~16の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様18]
ナノチューブは、単壁カーボンナノチューブである態様16又は17に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様19]
前記カーボンナノチューブは、炭素原子1つ分の壁厚である態様18に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様20]
前記導電性表面の表面抵抗は1×10
9
Ω未満である態様1~19の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様21]
前記導電性表面の表面抵抗は約1×10
6
Ω~約1×10
9
Ωの範囲である態様1~20の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様22]
前記支持体はシャフトである態様4~21の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様23]
前記細長い導電性要素は前記エラストマー材料全体に均一に分散される態様1~22の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様24]
前記導電性要素は前記エラストマー材料内に埋め込まれ保持されるように分散される態様9~23の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様25]
前記導電性要素は前記エラストマー材料内でランダムな向きになっている態様9~24の何れか1項に記載の接触クリーニングローラー。
[態様26]
前記導電性要素は約5μm~約30μmの範囲内の長さを有する態様9~25の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様27]
前記導電性要素は約1nm~約200nmの範囲内の直径を有する態様9~26の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様28]
前記エラストマー内の導電性要素の濃度は、エラストマーの重量のうち少なくとも約0.015%である態様9~28の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様29]
前記エラストマーはシリコーンゴム又はポリウレタンのうちの一方を含む態様1~28の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様30]
前記エラストマーは熱硬化シリコーン又はポリウレタンのうちの一方を含む態様1~29の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様31]
前記エラストマーは2成分室温硬化シリコーンゴムである態様30に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
[態様32]
接触クリーニング表面ローラーにおいて、
コア領域と、
前記コア領域を被覆する表面領域とを有し、
前記表面領域は、エラストマーと、該エラストマー材料内に分散された複数の細長い要素とを含み、該細長い要素は電気的に非絶縁性の材料で形成される接触クリーニング表面ローラー。
[態様33]
接触クリーニングプロセスにおける態様1~31の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリの使用。
[態様34]
態様1~31の何れか1項に記載の接触クリーニング表面アセンブリを備える接触クリーニング装置。
[態様35]
接触クリーニングローラーを製造する方法において、
流体形態のエラストマーを準備することと、
前記エラストマーに電気的に非絶縁性の材料で形成された細長い要素を分散させることと、
接触クリーニングローラーの前記コア領域を設けることと、
前記エラストマーによって前記コア領域を被覆することとを含む方法。
[態様36]
前記方法は、続いて、前記エラストマーを硬化させることを含む態様35に記載の方法。
[態様37]
接触クリーニング表面アセンブリを製造する方法において、
エラストマーのプレポリマーを準備することと、
電気的に非絶縁性の材料で形成されたポリマー改質剤を前記プレポリマーに添加することと、
前記プレポリマーを重合させることと、
前記ポリマーを硬化させて、バルク導電性を有するエラストマークリーニング表面を形成することとを含む方法。
[態様38]
硬化後、前記導電性要素は前記エラストマー全体に分散する態様35~37の何れか1項に記載の方法。
[態様39]
硬化後、前記導電性要素はネットワークを形成する態様35~38の何れか1項に記載の方法。
[態様40]
前記導電性要素はランダムな向きに向いている態様35~39の何れか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク導電性を有するエラストマー層と、該エラストマー層を支持する導電性支持体とを備える接触クリーニング表面アセンブリにおいて、
前記エラストマー層はクリーニングされる部分に接触する導電性外表面と、前記導電性支持体に電気接触する導電性内表面とを有し、
前記導電性支持体は、前記エラストマー層から接地へ電荷抽出する導電性経路を提供し、
前記エラストマー層は、前記導電性外表面および前記導電性内表面に1×10
9
Ω未満の表面抵抗を提供する、導電性ネットワークを形成する導電性要素として細長いナノチューブを具備し、
前記ナノチューブは単壁カーボンナノチューブであり、
前記単壁カーボンナノチューブは炭素原子1つ分の壁厚であり、
前記エラストマー層は2成分室温硬化シリコーンゴムである、
接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項2】
前記接触クリーニング表面アセンブリはローラーである請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項3】
前記接触クリーニング表面アセンブリは平坦なシートを備える請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項4】
前記導電性外表面および内表面の表面抵抗は1×106Ω~1×109Ωの範囲である請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項5】
前記導電性支持体はシャフトである請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項6】
細長い前記導電性要素が前記エラストマー層全体に均一に分散される請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項7】
前記導電性要素は前記エラストマー層内に埋め込まれ保持されるように分散される請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項8】
前記導電性要素は前記エラストマー層内でランダムな向きになっている請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項9】
前記導電性要素は5μm~30μmの範囲内の長さを有する請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項10】
前記導電性要素は1nm~200nmの範囲内の直径を有する請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項11】
前記エラストマー層内の導電性要素の濃度は、該エラストマー層の重量のうち少なくとも0.015%である請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【請求項12】
前記エラストマー層はシリコーンゴム又はポリウレタンのうちの一方を含む請求項1に記載の接触クリーニング表面アセンブリ。
【外国語明細書】