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特開2024-26662食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用
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  • 特開-食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用 図1
  • 特開-食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用 図2
  • 特開-食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用 図3
  • 特開-食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用 図4A
  • 特開-食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用 図4B
  • 特開-食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用 図4C
  • 特開-食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026662
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するためのシステム、方法、及びコンピューター可読媒体、並びに該システムの使用
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240220BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001414
(22)【出願日】2024-01-09
(62)【分割の表示】P 2020564330の分割
【原出願日】2019-05-16
(31)【優先権主張番号】62/672,944
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス エー.グラヌッチ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エル.テスタ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン エス.スミス
(72)【発明者】
【氏名】アダム ティー.ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】トレイシー エー.トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ダレル ビー.ワイザー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ビー.ヘイズ
(57)【要約】
【課題】食品の安全および衛生上のリスクおよびコンプライアンスのシステムおよび方法の提供。
【解決手段】
システムは、ネットワークに接続されたサーバーを含む。サーバーは、データ収集モジュールと、データベース連携モジュールと、予測分析モジュールとを含む。データ収集モジュールは、ネットワークを介して、一つ又は複数のデータソースからデータを収集するように構成されており、このデータは、食品事業所の食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスの追跡に関連している。データベース連携モジュールは、データ収集モジュールによって収集されたデータをデータベース内に格納し、データベースからデータを検索するように構成される。予測分析モジュールは、データベース内のデータを分析し、分析されたデータに基づいて、食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算するように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたサーバーを含む、システムであって、前記サーバーが、
一つ又は複数のデータソースから前記ネットワークを介してデータを収集するように構成されたデータ収集モジュールであって、前記データが食品事業所の食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスの追跡に関連している、データ収集モジュールと、
前記データ収集モジュールによって収集されたデータをデータベース内に格納し、前記データベースからデータを検索するように構成されたデータベース連携モジュールと、
前記データベース内のデータを分析し、前記分析されたデータに基づいて、前記食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算するように構成された予測分析モジュールと、を含む、システム。
【請求項2】
前記一つ又は複数のデータソースは、前記食品事業所の一つ又は複数のセンサーからのセンサーデータ、前記食品事業所の一つ又は複数のディスペンサーからのディスペンサーデータ、害虫駆除データ、保健局検査データ、自己監査データ、自己申告データ、および機器保存整備データのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記食品事業所の前記一つ又は複数のセンサーが、温度計、湿度計および気圧計のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記一つ又は複数のディスペンサーが、消毒液ディスペンサーおよび水ディスペンサーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記食品事業所が衛生規範に違反している前記計算された確率が閾値を超えると、前記サーバーが、前記食品事業所に関連付けられた一つ又は複数のデバイスに通知を送信する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記サーバーが、
前記食品事業所が前記衛生規範に違反している前記確率を含むレポートを生成するように構成されたレポートジェネレータモジュールをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記レポートジェネレータが、前記レポートを表示用にクライアントデバイスに送信するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記食品事業所が前記衛生規範に違反する前記確率が、前記食品事業所用の予測リスクスコアを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記食品事業所が前記衛生規範に違反している前記確率が、前記食品事業所用の複数の個別リスク指標を含み、前記食品事業所用の前記複数の個別リスク指標の各々が、他の食品事業所と比べたリスクの評価を提供する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記食品事業所の前記複数の個別リスク指標が、個人の衛生、清掃および衛生、時間および温度、ならびにドキュメンテーションを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
ネットワークに接続された少なくとも1つのサーバー上に実装された方法であって、
一つ又は複数のデータソースから前記ネットワークを介してデータを収集することであって、前記データが、食品事業所の食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアスの追跡に関連しているものであることと、
前記収集されたデータをデータベース内に格納することと、
前記データベースからデータを検索することと、
前記データベース内のデータを分析することと、
前記分析されたデータに基づいて、前記食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算することと、を含む方法。
【請求項12】
前記一つ又は複数のデータソースが、前記食品事業所の一つ又は複数のセンサーからのセンサーデータ、前記食品事業所の一つ又は複数のディスペンサーからのディスペンサーデータ、害虫駆除データ、保健局検査データ、自己監査データ、自己申告データ、および機器保存整備データのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記食品事業所の前記一つ又は複数のセンサーが、温度計、湿度計および気圧計のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記一つ又は複数のディスペンサーが、消毒液ディスペンサーおよび水ディスペンサーのうちの少なくとも1つを含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記食品事業所が衛生規範に違反する前記計算された確率が閾値を超えると、前記食品事業所に関連付けられた一つ又は複数のデバイスに通知を送信すること、をさらに含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
コンピューターによって実行されると、前記コンピューターに、
一つ又は複数のデータソースからネットワークを介してデータを収集することであって、前記データが、食品事業所の食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンス追跡に関連しているものであることと、
前記収集されたデータをデータベース内に格納することと、
前記データベースからデータを検索することと、
前記データベース内のデータを分析することと、
前記分析されたデータに基づいて、前記食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算することと、を行わせる命令を含む、非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項17】
前記一つ又は複数のデータソースが、前記食品事業所の一つ又は複数のセンサーからのセンサーデータ、前記食品事業所の一つ又は複数のディスペンサーからのディスペンサーデータ、害虫駆除データ、保健局検査データ、自己監査データ、自己申告データ、および機器保存整備データのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項18】
前記食品事業所の前記一つ又は複数のセンサーが、温度計、湿度計および気圧計のうちの少なくとも1つを含む、請求項16または17に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項19】
前記一つ又は複数のディスペンサーが、消毒液ディスペンサーおよび水ディスペンサーのうちの少なくとも1つを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項20】
コンピューターによって実行されると、前記コンピューターに、
前記食品事業所が衛生規範に違反する前記計算された確率が閾値を超えると、前記食品事業所に関連付けられた一つ又は複数のデバイスに通知を送信することを行わせる命令をさらに含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項21】
食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するための、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連事項
本出願は、その全容が参照により本明細書に援用される、2018年5月17日に出願された米国特許出願第62/672,944号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、食品の安全および衛生上のリスクおよびコンプライアンスのシステムおよび方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示される実施形態は、様々なソースからのデータを分析し、特定のリスク因子に関する識見を、そのようなリスク因子に対処するための目標を定めた行動を容易化し得る方法で、提供し得る情報を出力することができる。したがって、本明細書に開示される実施形態は、ユーザーが、食品の安全および衛生に関するリスクを事前に低減することを可能にし得る。さらに、本明細書に開示される実施形態は、ユーザーが有限の資源を、全体的な食品の安全および衛生のリスクに最大の減少をもたらす可能性が最も高い、そのユーザーに特有な特定のリスク因子に割り当てることを可能にし得る。
【0004】
例示的な一実施形態は、食品安全リスクシステムを含む。このシステムの実施形態は、ネットワークに接続されたサーバーを含む。サーバーは、データ収集モジュールと、データべース連携モジュールと、予測分析モジュールと、を含む。データ収集モジュールは、一つ又は複数のデータソースからネットワークを介してデータを収集するように構成され、このデータは、食品事業所の食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡に関連している。データベース連携モジュールは、データ収集モジュールによって収集されたデータをデータベース内に格納し、データベースからデータを検索するように構成される。予測分析モジュールは、データベース内のデータを分析し、分析されたデータに基づいて、食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算するように構成される。
【0005】
さらなる一実施形態では、サーバーは、レポート生成モジュールも含む。レポート生成モジュールは、食品事業所が衛生規範に違反している確率を含むレポートを生成するように構成される。いくつかのそのような例では、レポートジェネレータは、レポートを、表示のために、クライアントデバイスに送信するように構成される。
【0006】
上記のシステムの実施形態では、食品事業所が衛生規範に違反している確率は、その食品事業所の予測リスクスコアを含み得る。例えば、食品事業所が衛生規範に違反している確率は、その食品事業所の予測リスクスコアと、その食品事業所の複数の個別リスク指標とを含み得る。食品事業所の複数の個別リスク指標の各々は、他の食品事業所と比べたリスクの評価を提供することができる。食品事業所の複数の個別リスク指標として含まれ得る例としては、個人衛生、清掃および衛生、時間および温度、ならびにドキュメンテーションが挙げられる。食品事業所の複数の個別リスク指標として含まれ得るさらなる例としては、二次汚染、害虫駆除、賞味期限表示、および他のまたは雑多なデータが挙げられる。
【0007】
別の例示的な実施形態は、ネットワークに接続された少なくとも1つのサーバー上に実装された方法を含む。この方法の実施形態は、一つ又は複数のデータソースからネットワークを介してデータを収集する工程を含むことができ、このデータは、食品事業所の食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡に関連している。この方法は、収集されたデータをデータベース内に格納する工程と、データベースからデータを検索する工程と、データベース内のデータを分析する工程と、分析されたデータに基づいて、食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算する工程と、をさらに含むことができる。
【0008】
さらなる一実施形態では、この方法は、食品事業所が衛生規範に違反している確率を含むレポートを生成する工程を含むことができる。このさらなる実施形態は、レポートを、表示のために、クライアントデバイスに送信する工程を含むこともできる。
【0009】
上記の方法の実施形態では、食品事業所が衛生規範に違反している確率は、食品事業所の予測リスクスコアを含み得る。例えば、食品事業所が衛生規範に違反している確率は、その食品事業所の予測リスクスコアと、その食品事業所の複数の個別リスク指標とを含み得る。食品事業所の複数の個別リスク指標の各々は、他の食品事業所と比べたリスクの評価を提供することができる。食品事業所の複数の個別リスク指標として含まれ得る例としては、個人衛生、清掃および衛生、時間および温度、ならびにドキュメンテーションが挙げられる。食品事業所の複数の個別リスク指標として含まれ得るさらなる例としては、二次汚染、害虫駆除、賞味期限表示、および他のまたは雑多なデータが挙げられる。
【0010】
さらなる一実施形態は、命令を含む非一時的コンピューター可読媒体を含む。コンピューターによって実行されると、これらの命令はコンピューターに、一つ又は複数のデータソースからネットワークを介してデータを収集させ、このデータは、食品事業所の食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡に関連している。コンピューターによって実行されると、これらの命令はコンピューターに、収集されたデータをデータベース内に格納することと、データベースからデータを検索することと、データベース内のデータを分析することと、分析されたデータに基づいて、食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算することと、をさらに行わせ得る。
【0011】
さらなる一実施形態では、コンピューターによって実行されると、上記の命令はコンピューターに、さらに、食品事業所が衛生規範に違反している確率を含むレポートを生成させることができる。コンピューターによって実行されると、これらの命令はコンピューターに、レポートを、表示のためにクライアントデバイスに送信させることもできる。
【0012】
命令を含む非一時的コンピューター可読媒体の上記の実施形態では、コンピューターによって実行されると、これらの命令はコンピューターに、食品事業所が衛生規範に違反している確率を、食品事業所の予測リスクスコアを含むように計算させることができる。例えば、食品事業所が衛生規範に違反している確率は、食品事業所の予測リスクスコアと食品事業所の複数の個別リスク指標とを含むように計算され得る。食品事業所の複数の個別リスク指標の各々は、他の食品事業所と比べたリスクの評価を提供するように、計算され得る。食品事業所の複数の個別リスク指標として計算され得る例としては、個人衛生、清掃および衛生、時間および温度、ならびにドキュメンテーションが挙げられる。食品事業所の複数の個別リスク指標として含まれ得るさらなる例としては、二次汚染、害虫駆除、賞味期限表示、および他のまたは雑多なデータが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の図面は、本発明の特定の実施形態の例示であり、したがって本発明の範囲を限定しない。図面は、以下の記載における説明と併せて使用することを目的としている。本発明の実施形態が、添付の図面と共に以下に記載され、そこでは、同様の番号は、同様の要素を示す。
【0014】
図1】例示的な一実施形態による、食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡のためのシステムを示す。
【0015】
図2】例示的な一実施形態による、食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡システムによって実行され得る様々なモジュールを示す。
【0016】
図3】例示的な一実施形態による、食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡システムを通る情報の流れを示す。
【0017】
図4A】例示的な一実施形態による、食品事業所用のレポートを示す。
【0018】
図4B】例示的な実施形態による、食品事業所用の別のレポートを示す。図4Bは全体的な顧客レポートを示す。
図4C】例示的な実施形態による、食品事業所用の別のレポートを示す。図4Cは、選択された顧客店舗用レポートの特定の態様を示す。
【0019】
図5】任意の一つ又は複数の例示的な実施形態が実施され得るマシンの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的であり、いずれにしても本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを意図しない。むしろ、以下の説明は、本発明の例示的な実施形態を実施するためのいくつかの実例を提供する。構造、材料、および/または寸法の例は、選択された要素に対して提供される。当業者は、言及された例の多くが、様々な好適な代替手段を有することを認識するであろう。
【0021】
現在、多くの食品事業所(例えば、レストラン、食肉加工工場、食料品店など)は、郡、州、および連邦レベルで様々な衛生法規のコンプライアンスを追跡するために、手動のプロセスを使用している。例えば、いくつかの食品事業所は定期的な(例えば、毎月)自己監査を受け、その間、一人以上の人が、食品事業所の衛生法規のコンプライアンスをチェックする。自己監査が完了したら、食品事業所の管理者は、コンプライアンス「スコア」、および/または食品事業所の状態、ならびにそれらの状態が、関連した衛生法規をどの程度で合格したか、もしくは不合格であったかを詳述する監査レポートを受け取る場合がある。
【0022】
「自己監査」は、食品事業所内の一つ又は複数の部門/区域に関連する可能性がある、一連の質問である。各質問が、その質問に関連する一つ又は複数の衛生法規の一つ又は複数の項目に関連付けられている場合もある。各質問に対する回答は、0個以上の「発見事項」になる場合がある。一実施形態では、所与の質問に対して可能な発見事項の数に上限はない。発見事項は、十分に深刻で、食品事業所の閉鎖を正当化する衛生規範違反を表す「重大な」発見事項と、食品事業所の閉鎖を正当化しないが、食品事業所が正さなければならない衛生規範違反を表す「推奨慣行」の発見事項と、の2つの種類のうちの1つであり得る。
【0023】
これらの「自己監査」は、過去に発生した衛生コンプライアンスの問題に関する有用な識見を提供し得るが、食品事業所が将来の衛生規範違反の確率を予測するのには、ほとんど役立たない。しかしながら、1)自己監査からのデータ、2)保健局検査からのデータ、および3)食品事業所の環境のセンサーからのデータから統合されたデータの分析を使用して、食品事業所が将来衛生規範に違反する確率を計算することができる。
【0024】
包括的な食品の安全および衛生上のリスクおよびコンプライアンスのシステムが開示される。一実施形態では、様々なソースからのデータがデータベース(またはデータストア)内に統合される。データのソースは、以下、自己監査(例えば、食品事業所自体により、または第三者により実施される)、害虫駆除サービス、保健局検査、衛生コンプライアンスを監視するディスペンシング機器、および食品事業所内および/またはその近くの様々なセンサー、のうちの一つ又は複数が含まれ得る。データが分析され、食品事業所が将来、衛生規範に違反する確率が計算される。次に、計算された確率に応じて、様々な予防措置が実施され得る。
【0025】
システムの構成要素は、以下を含むことができる:
【0026】
1)顧客の自己監査/データ収集およびタスク管理ツール;
【0027】
2)多様なシステム(例えば、顧客の自己監査ユーティリティ、害虫駆除サービスデータ、食品安全監査データ、保健局検査データ、および衛生コンプライアンスを監視するディスペンシング機器)からのデータ供給を統合するデータウェアハウス;
【0028】
3)特定のリスク因子が特定されたときに警報を発する警報システム;
【0029】
4)データ、識見、およびトレーニングを報告するためのクライアントポータル;
【0030】
5)モバイルアプリ;
【0031】
6)様々な動作/環境条件を検出するためのセンサー;
【0032】
5)予測分析アルゴリズムを含む分析モジュール。
【0033】
組み合わされたこれらのソリューションは、リスク因子、および食品由来疾病ベクトルの根本原因に関する識見を高め、そのようなリスクをより前向きに低減する顧客の能力を助長するであろう。このプラットフォームは、多数の食品安全市場セグメント用にカスタマイズされ得る。さらに、このプラットフォームは、これらの多様なデータソースからデータを収集し、分析を利用するために、多数の遠隔サイトに人を必要とする任意の企業用にカスタマイズすることもできる。
【0034】
図1は、例示的な一実施形態による、食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡のためのシステム100を示す。このシステムは、食品事業所と、一つ又は複数のサーバーと、一つ又は複数のデータストアと、一つ又は複数のクライアントデバイスと、一つ又は複数の相互接続されたネットワーク(例えば、インターネット)と、を含み得る。
【0035】
一実施形態では、食品事業所は、小売店、クイックサービス方式のレストラン、レストラン、デリカテッセン、ベーカリなどであり得る。食品事業所は、一つ又は複数のセンサー、および一つ又は複数のディスペンサー(例えば、薬剤ディスペンサー)を含み得る。一つ又は複数のセンサーは、一つ又は複数の温度計、湿度計、気圧計などを含むことができる。一つ又は複数のセンサーは、温度、圧力、湿度などの、一つ又は複数の物理的、化学的、および/または環境的な条件を追跡し、報告することができる。一つ又は複数のディスペンサーは、ディスペンシングイベントを追跡し、報告することができ、これには、ディスペンスされた物質(例えば、液体化学化合物、ベーキングソーダ、水など)、ディスペンスされた量、およびディスペンシングイベントのタイムスタンプが含まれ得る。システムは、一つ又は複数のディスペンサーからのデータを使用して、リスクおよび/または過剰使用の区域を特定し、労力およびユーティリティの使用を追跡し、重大な問題がいつ発生するか、および/または発生する可能性があるかを特定し、警報することができる。
【0036】
一実施形態では、一つ又は複数のデータストアは、一つ又は複数のデータソースから、害虫駆除データ、保健局検査データ、自己監査データ、自己申告データ、機器の保存整備データなどのデータを格納することができる。多数のデータのソースを組み込むことは、システムの予測能力および結果の検証を改善するのに役立つ。
【0037】
一実施形態では、モバイルアプリは、ユーザーが様々な種類のデータ(例えば、自己監査の質問に対する回答)を入力することを可能にする。例えば、モバイルアプリは、(例えば、食品事業所自体による、または第三者による)自己監査の完了を導くために、チェックすべきタスク項目のリストを、モバイルアプリでのユーザー入力を介してなどで、生成し、提示することができる。一実施形態では、モバイルアプリは、食品事業所の一つ又は複数のセンサーによって生成されたデータ、一つ又は複数の自己監査および/または保健局検査によって生成されたデータ、および食品事業所に関連するデータベース内のデータを分析した結果のうちの一つ又は複数を表示する。一実施形態では、クライアントポータルはモバイルアプリ内に統合されている。一実施形態では、顧客の自己監査/データ収集およびタスク管理ツールは、モバイルアプリ内に統合されている。
【0038】
一実施形態では、システムは、自動的に収集されたデータが、手動で収集されたデータと異なっているかどうかを判断するために使用され得る。例えば、自動的に収集されたデータが、手動で収集された(例えば、自己監査または保健局検査)データと著しく異なる場合、システムは、一つ又は複数の警報および/または通知を送信して、食品事業所のセンサーおよび/またはディスペンサーに問題がある可能性があることを、1人以上の個人に知らせることができる。
【0039】
図2は、例示的な一実施形態による、例えば、システム100のサーバー200において、食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡システムによって実行され得る様々なモジュールを示す。例えば、一つ又は複数のサーバーは、以下のうちの一つ又は複数を実行することができる:
【0040】
一つ又は複数のデータのソースからデータを受容することができるデータ収集モジュール;
【0041】
データ収集モジュールによって収集されたデータをデータベース内に格納し、必要に応じて、データベースからデータを検索することができるデータベース連携モジュール;
【0042】
データベース内のデータを分析し、分析されたデータに基づいて、予測を計算することができる予測分析モジュール;
【0043】
データベース内のデータ、および/または分析モジュールの結果に基づいて、レポートを生成することができるレポート生成モジュール;
【0044】
それぞれの食品事業所に個別化されたポータルを表示することができるクライアントポータルモジュール;
【0045】
各食品事業所用に個別化されたダッシュボードを表示することができるダッシュボードモジュール;および
【0046】
説明されたようにシステムが機能することを可能にする、様々な他のバックエンドまたはサーバーモジュール
【0047】
図3は、例示的な一実施形態による、食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡システム100を通る情報300の流れを示す。様々なデータストリーム(例えば、自己監査データ、外部ソースからのデータ(例えば、保健局データ)、資源および機器データ(例えば、センサーおよびディスペンサーからの)、ならびに顧客提供データ)が、予測分析モジュールによって分析される。予測分析モジュールは、傾向および予測指標を識別する。傾向および予測指標は、様々なデバイスに伝達される行動計画を策定するのに使用される。デバイス(および/またはデバイスを使用する個人)は、行動計画の中の行動を実施し、システムは、実施された行動計画の成績をチェックする。
【0048】
一実施形態では、予測分析モジュールは、保健局検査によりもたらされた発見事項の数と、発見事項のうちの少なくとも1つが「重大な発見事項」である確率との間の相関関係(例えば、疑似線形関係)を仮定する。このため、予測分析モジュールは、ベイジアンアルゴリズムを使用して、衛生規範違反の確率を計算することができる。
【0049】
前述したように、自己監査の各質問が、その質問に関連する一つ又は複数の衛生法規の一つ又は複数の項目に関連付けられている場合もある。一実施形態では、自己監査と、自己監査の質問と、食品事業所の区域との組み合わせごとに、ただ1つのユニークな発見事項が存在する可能性がある。例えば、ある自己監査の質問が個人衛生に関連し、そして店舗の5つの部門のうちの4つに関連していると、この店舗の任意の特定の監査中に、この質問が1つの発見事項をもたらす、4つの機会が存在する。この質問に対して1つの発見事項だけがドキュメント化された場合、この質問がその店舗に対して1つの発見事項をもたらす25%(1/4)の確率がある。
【0050】
この例を続けると、個人衛生に関連する5つの自己監査の質問があり、この5つの質問の各々が、店舗の一つ又は複数の部門に適用され得る場合、5つの質問をロールアップすると、1つの発見事項に対して、20の機会(4つの部門×5つの質問)が生じるであろう。ドキュメント化された発見事項が1つしかない場合、5%(1/20)の確率の1つの発見事項が存在する。
【0051】
一実施形態では、システムは、食品事業所の全ての自己監査および衛生検査のデータを収集し、自己監査データを衛生検査の結果と比較する。この分析を使用して、予測分析モジュールは、問題の食品事業所のために、将来の検査が一つ又は複数の発見事項をもたらす確率を計算することができる。
【0052】
予測分析モジュールは、分類器を使用して、将来の衛生規範違反の確率を予測することができる。分類モデルをトレーニングするために、保健局検査データが集約され、分類モデルに入力される。分類モデルを使用して将来の衛生規範違反の確率を予想する場合、様々なデータストリームからの現在データが分類モデルに入力される。一実施形態では、食品事業所のリスク因子が重み付けされる(例えば、リスク因子A、B、およびCは、個々には重要度が低いが、一緒になって、重大な食品安全リスクを示す。
【0053】
保健局検査(「HDI」)によって生成されるデータは(検査ごとに)、検査の日付(複数可)、検査官(複数可)の名前(複数可)、検査(複数可)の開始および終了時間(複数可)、検査された食品事業所の名称、検査された食品事業所の地理的座標(例えば、緯度および経度)、検査の結果得られた重大な発見事項の数、推奨慣行の発見事項の数、発見事項に関連している衛生規範の一つ又は複数の項目などを含み得る。一実施形態では、衛生コンプライアンスデータがデータベース内に統合される。衛生コンプライアンスデータは、ディスペンシングイベントに関連しているデータ(例えば、ディスペンシングイベントの種類およびタイムスタンプ)を伝達する薬剤ディスペンサーを含む、様々なソースから生成され得る。一実施形態では、薬剤ディスペンサーは無線で通信することができる。一実施形態では、システムは、ディスペンサーからのイベントデータを解釈して、コンプライアンスに関する識見(例えば、店舗#1234は、過去30日間のうち20日間だけ床を消毒した)を決定するアルゴリズムを実行する。
【0054】
センサーおよびディスペンサーからのデータは、重要性が異なる場合がある。例えば、あるコーヒーポットの温度計が低すぎる温度を測定した場合、そのポットのコーヒーは、温度が許容温度範囲内にあった場合よりも早く腐ってしまう可能性があり、また一方で、ロティサリチキンを測定する温度計が、調理済みロティサリチキンの温度が低すぎることを示す場合、ロティサリチキン内の細菌が十分に撲滅されておらず、食品事業所の顧客に、食品安全リスクをもたらす可能性がある。
【0055】
一実施形態では、幾人かの個人(例えば、サービス会社の現場代表者)がシステムへのアクセスを有する。食品事業所ごとに、システムは、その食品事業所の現在のリスクスコアと、現在のリスクスコアを生じさせた条件と、対処した場合に、食品事業所の現在のリスクスコアに最大の減少をもたらすであろう問題のリストと、を1人以上の個人に通知することができる。
【0056】
一つ又は複数の顧客店舗に関連するリスク因子情報を提供するレポートが、生成され得る。図4Aは、そのようなレポートの一実施形態を示す。図4Bおよび4Cは、そのようなレポートの別の実施形態を示し、図4Bは、全体的な顧客レポートを示し、図4Cは、選択された顧客店舗用の顧客レポートの特定の態様を示す。例えば、食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡システム100は、そのようなレポートを生成し、例えば、一つ又は複数のクライアントデバイスに表示することができる。一例では、サーバーの予測分析モジュールは、データベース内に入力されたデータを分析し、分析されたデータに基づいて、店舗(例えば、食品事業所)が衛生規範に違反している確率を計算することができ、サーバーのレポートジェネレータモジュールは、一つ又は複数のクライアントデバイスに表示するためのレポートを生成することができる。例えば、この例では、サーバーの予測分析モジュールは、データベース内に入力されたデータを分析し、一つ又は複数の店舗のうちの各々の予測リスクスコアと個別リスク指標とを計算することができ、サーバーのレポートジェネレータモジュールは、一つ又は複数のクライアントデバイスに表示するために、一つ又は複数の店舗のうちの各々の、計算された予測リスクスコアと個別リスク指標とを有するレポートを生成することができる。
【0057】
図4Aは、例示的な一実施形態による、食品事業所用のレポート400を示す。食品事業所のレポートは、一つ又は複数のデータストリームからのデータが正に傾向しているか、負に傾向しているかの表示を含むことができる。レポートは、食品事業所のリスクが増大しているか、減少しているか、または不変であるかの表示を含むことができる。図4Aに例示の実施形態では、店舗#304575の情報が表示されている。レポートの「現在高リスクの店舗」の部分は、店番号と、各店番号の現在のリスクスコアと、現在のリスクスコアが前回のレポートから増大したか、減少したか、変わりがないかの表示とを列記する。選択された店舗のレポート内に列記された店舗は、地理学によって、組織構造によって、または他の何らかの関係によって選択された店舗に関連付けられ得る。
【0058】
一実施形態では、食品事業所のレポートは、衛生規範の一つ又は複数のカテゴリにおけるその食品事業所の成績を示すことができる。一実施形態では、食品事業所のレポートは、衛生規範の一つ又は複数のカテゴリにおけるその食品事業所の成績を、その食品事業所と同じ組織体(例えば、ブランド、チェーン、会社、部門など)に属する他の食品事業所と比較して示すことができる。
【0059】
図4Aに例示の実施形態では、各カテゴリにおける食品事業所の(他の食品事業所と比べた)相対成績が円弧として示されている。円弧の長さは、当該カテゴリにおける食品事業所の相対成績と逆比例する。一実施形態では、円弧の色は、当該カテゴリにおける食品事業所の相対成績を示すことができる。
【0060】
一実施形態では、トレーニングプログラムは、食品事業所のレポート内に特定されたリスク因子に合わせて調整される。トレーニングプログラムは、食品事業所のクライアントポータルを介して、その食品事業所の従業員に配信され得る。一実施形態では、トレーニングプログラムへのリンクが、トリガ条件が検出されると(例えば、一日の終わりに床が清掃されない)、食品事業所の従業員に配信され得る。
【0061】
図4Bおよび4Cは、別の例示的な実施形態による、食品事業所用のレポート410を示す。前述のように、食品安全リスクおよび衛生コンプライアンス追跡システム100は、レポート410を生成し、例えば、一つ又は複数のクライアントデバイスに表示することができる。
【0062】
レポート410は、店舗選択パネル415を含む。店舗選択パネル415は、一つ又は複数の特定の顧客店舗を指定するユーザー入力を受信することができ、レポート410は、店舗選択パネル415で指定された一つ又は複数の顧客店舗(例えば、食品事業所)に従って、レポート410内に表示される他の情報を生成することができる。例示された例では、「all」(「全ての」)店舗が、店舗選択パネル415で選択されている。したがって、システム100のサーバーは、データストアから、店舗選択パネル415で選択された一つ又は複数の店舗に関連する入力情報を検索し、この指定された情報を処理し、レポート410を生成することができる。
【0063】
レポート410はまた、リスクカテゴリ表示420を含む。リスクカテゴリ表示420は、これらの店舗の予測リスクのカテゴリに従って、顧客店舗の内訳を提供する。本明細書のこの例に示されるように、リスクカテゴリ表示420は、顧客店舗を、低、中、および高の予測リスクを意味する3つのカテゴリに分ける。リスクカテゴリ表示420の任意のカテゴリがユーザーによって選択され得、そのような選択時に、選択されたカテゴリの顧客店舗がレポート410内に表示され得る。したがって、リスクカテゴリ表示420は、ユーザーが顧客店舗のサブセットを単独で見ることを可能にし得る。例えば、ユーザーは、リスクカテゴリ表示420から高カテゴリの予測リスクの店舗を選択することができ、続いて、レポートは、高カテゴリの予測リスクの顧客店舗の詳細情報を表示することができる。これにより、ユーザーは、個々のカテゴリの店舗に関連する詳細情報に選択的にアクセスし、有限の資源を、このカテゴリの店舗のリスクに対処するために投入することができる。
【0064】
レポート410は、店舗リスクパネル425をさらに含む。店舗リスクパネル425は、特定の顧客店舗426と、特定の顧客店舗ごとに、予測リスクスコア427およびリスク変化指標428と、を列記することができる。予測リスクスコア427は、本明細書の他の箇所で説明されるように、システムに入力された様々なデータに基づいて計算され得、店舗(例えば、食品事業所)が衛生規範に違反している確率を表すことができる。予測リスクスコアは、衛生検査が現在実施されたとした場合に、関連する顧客店舗が、所定数の衛生検査の発見事項よりも多い発見事項を有するであろう相対的な可能性を表すことができる。したがって、予測リスクスコアが高ければ高いほど、関連する顧客店舗が、所定数の衛生検査の発見事項よりも多い発見事項を現在有しているであろう可能性が高くなる。リスク変化指標は、予測リスクスコアの変化を表すことができる。リスク変化指標は、(例えば、上下、左右矢印、および/または赤、緑もしくは中間色を使用して)関連する顧客店舗の予測リスクスコアが、あらかじめ設定された過去の期間にわたって(例えば、最後のレポートが実行されて以来、最後の検査以来、過去1カ月にわたって、四半期、など)増加したか、減少したか、変わらないままかを示すことができる。本明細書に示された例では、レポート410は、あらかじめ設定された過去の期間にわたって、予測リスクスコアの増加、予測リスクスコアの減少を有する、および予測リスクスコアに変化のない顧客店舗の総数429も含むことができる。
【0065】
本明細書に示されたレポート410は、リスク指標パネル430をさらに含むことができる。リスク指標パネルは、いくつかの個別リスク指標435を含むことができる。各リスク指標435は、顧客店舗(例えば、食品事業所)の、または、そのように選択された場合には顧客店舗のグループの特定の食品リスクカテゴリにおける成績の評価を提供することができる。場合によっては、個々の各リスク指標435は、店舗(例えば、食品事業所)が、その個々のリスク指標435に対応するカテゴリにおいて衛生規範に違反している確率を表すことができる。例示の例では、個人衛生、二次汚染、清掃および衛生、時間および温度、害虫駆除、賞味期限表示、ならびにその他のうちの各々のためのリスク指標435が存在する。また、例示の実施形態では、各リスク指標435は、顧客店舗の、または、そのように選択された場合には顧客店舗のグループの成績を、例えば、他の選択されていない顧客店舗と比べて、または各リスク指標の所定の基準と比べて表示することができる。ここで、各リスク指標435は、円弧によって、およびゲージを伴って、指定されたリスク指標の成績に従ってゲージが円弧上の位置に配置された状態で表される。行為は、行為に沿って識別可能な(例えば、色分けされた、パターンコード化された)部分を含むことができ、各識別可能な部分は、店舗(複数可)の衛生検査中に発見事項を招く、異なるレベルのリスクに対応する。
【0066】
レポート410は、行動部分440も含む。行動部分440は、特定の顧客店舗、または特定の顧客店舗のグルーの予測リスクスコア428を低減するためにユーザーが取ることができる特定の行動項目を指定することができる。例えば、個人衛生リスク指標435が比較的高い場合、行動部分440は、その個人衛生リスク指標435を低減し、最終的に全体的な予測リスクスコア428を低減するために、選択された顧客店舗(複数可)で取る得る特定の行動項目(例えば、手洗い洗剤ディスペンサーが1時間当たり5回使用されていることをセンサーが示しているが、店舗で働いている人員の数に基づいて、1時間当たり10回に使用を増やすべきこと、手洗いの手順および頻度について従業員を教育すること、自己監査の頻度を増やすこと)を指定することができる。レポート410は、本明細書に記載のシステム内に格納された命令に基づいて、特定の行動項目を、行動部分440に表示するために生成することができる。そのような命令は、例えば、レポートの各リスク指標に関連付けられた特定の行動を含むことができる。一実施形態では、行動部分は、食品事業所を対象にした一つ又は複数の特定の行動項目を有する部分と、その食品事業所以外のもの(例えば、第三者のサービス提供者)を対象にした一つ又は複数の特定の行動項目を有する別の部分と、を含むことができる。
【0067】
場合によっては、レポート410が地理表示450を含むことが有用であり得る。地理表示450は、顧客店舗の位置を、各表示された店舗の予測リスクの相対表示(例えば、色、形など)と共に示すことができる。これにより、レポートが、特定のリスクカテゴリ(例えば、高リスク)の店舗が地理的に集中しているかどうかを伝えることが可能になり、そのような店舗のリスク因子を低減するための対策を評価する上で有用であり得る。
【0068】
図4Cは、店舗リスクパネル425からユーザーによって選択された特定の店舗(例えば、食品事業所)のために生成されたレポート410を示す。選択されると、特定の店舗426が、店舗リスクパネル425内に単独で表示され得る。ここに示されるように、特定の選択された店舗426は、予測リスクスコア427が過去の所定の期間にわたって増加したことを示すリスク変化指標428を有する。顧客店舗の総数の表示429も、特定の選択された店舗426に分離することができる。他の例では、2つ以上の店舗が、店舗リスクパネル425からユーザーによって選択され得、この特定の選択された2つ以上の店舗が、本明細書に記載のように表示され得る。
【0069】
特定の店舗426が選択されると、レポート410は、その特定の店舗426用のリスク指標パネル430を生成する。この例では、リスク指標パネル430は個別リスク指標435を含み、その各々は、関連するカテゴリにおける特定の店舗426の相対成績を、他の選択されてない店舗と比べて示す。ここに見られるように、リスク指標パネル430は、特定の店舗426が、時間および温度、賞味期限表示、ドキュメンテーション、ならびにその他の指標カテゴリにおいて、選択されてない店舗と比べて高レベルのリスク(例えば、衛生検査中に発見事項のリスク)で運営されていることを示す。したがって、この特定の店舗426用のリスク指標パネル430は、これらのカテゴリに対処して、この特定の店舗426の予測リスクスコア427を低減し得ることをユーザーに示すことができる。
【0070】
さらに、特定の店舗426が選択されると、レポート410は、その特定の店舗426用の行動部分440を生成する。一例では、行動部分440は、予測リスクスコア427に最大の減少をもたらすことができる、これらの指標カテゴリに対して推奨される行動項目を表示することができる。例えば、特定の店舗426のために、行動部分440は、その特定の店舗426が、選択されてない店舗と比べて、高レベルのリスク(例えば、衛生検査中に発見事項のリスク)で運営されている、時間および温度、賞味期限表示、ドキュメンテーションの指標カテゴリ、ならびに他のそのような指標カテゴリに対して推奨される行動項目を表示することができる。
【0071】
図4A~4Cの予測リスクスコアは数値として示されている。いくつかの例では、この数値は、現時点で衛生検査が行われたとしたら、所定の数の発見事項が発生するであろう可能性を示す絶対値であり得る。例えば、図4Aでは、予測スコアは、現時点で衛生検査が行われたとしたら、所定数の発見事項(例えば、牽引、3つ、4つ、5つ、など)が発生するであろう推定確率を表すパーセンテージとして示されている。
【0072】
予測リスクスコア427とリスク指標パネル430とを含むことにより、ユーザーは、(例えば、行動部分440に示された)行動項目を介して対処し、不都合な衛生検査発見事項のリスクの最大の低減を実現することができる店舗およびリスク指標カテゴリを、それぞれ確認することが可能になる。
【0073】
入力データを処理し、様々なリスク指標カテゴリの予測リスクスコアおよび相対リスク評価を出力するために、様々な技術がシステムによって使用され得る。一例として、いくつかのモデルを生成および実行して、入力データに基づいて様々な結果をシミュレーションすることができる。例えば、リスク指標カテゴリごとに、そのリスク指標カテゴリに関連する入力データを使用していくつかのモデルを実行し、そのリスク指標カテゴリの結果をシミュレーションすることができる。これらの結果を集約して(例えば、平均して)各リスク指標カテゴリの結果に到達し、次に、この結果を、全ての他の選択されていない店舗の当該リスク指標カテゴリの結果と比較し、当該カテゴリのリスク指標を表示することができる。同様に、店舗の予測リスクスコアは、その店舗のリスク指標カテゴリを集約することによって生成することができる。例えば、店舗のリスク指標カテゴリを平均して、その店舗の予測リスクスコアを提供することができる。場合によっては、店舗にとって、より高いリスクプロファイルにつながる可能性が他のリスク指標カテゴリよりも高い、特定のリスク指標カテゴリをシステムの特定のアプリケーションが含むと思われる場合、この平均を計算する際に、リスク指標カテゴリを重み付けすることができる。
【0074】
本明細書で前述した入力データに加えて、店舗の位置の属性に関連するデータを、システムの入力データとして使用することができる。例えば、いくつかの例では、リスク指標カテゴリおよび予測リスクスコアを生成するためにシステムに入力されるデータは、その位置近傍の人口、その位置近傍の所得、および近傍の観光客の往来のうちの一つ又は複数などのデータを含むことができる。
【0075】
前述のように、システムはユーザーに警報を送信することができる。例えば、システムのデータストアは、店舗に関連付けられた連絡先の一覧を含むことができる。場合によっては、予測リスクスコアおよび/または一つ又は複数の個別リスク指標が所定の範囲変化する(例えば、増加する)と、システムは、店舗(複数可)に関連付けられた関連連絡先に従って、警報を出力することができる。
【0076】
図5は、任意の一つ又は複数の例示的な実施形態を実施することができるマシン500の例を示すブロック図である。代替の実施形態では、マシン500は、スタンドアロンデバイスとして動作してもよく、または他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されてもよい。ネットワーク化された配置では、マシン500は、クライアント-サーバーネットワーク環境において、サーバーマシン、クライアントマシン、またはその両方の能力で動作することができる。一例では、マシン500は、ピアツーピア(P2P)(または他の分散型)ネットワーク環境においてピアマシンとして機能することができる。マシン500は、図1~4に示されるシステム、デバイス、または方法の任意の部分を実施または含んでもよく、コンピューター、サーバー、またはそのマシンによって取られる行為を特定する命令(順次的であってもなくても)を実行することが可能な任意のマシンであってもよい。さらに、単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語は、クラウドベースのコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、他のコンピュータークラスター構成など、本明細書で考察される方法論のうちのいずれか一つ又は複数のセットを行う(または多数のセット)命令を個別または共同で実行するマシンの任意の群を含むとも解釈されるべきである。
【0077】
本明細書に記載される例は、ロジックまたはいくつかの構成要素、モジュール、もしくはメカニズムを含み得るか、またはそれらによって動作し得る。モジュールは、指定された動作を行うことが可能な有体物(例えば、ハードウェア)であり、ある特定の様式で構成または配置され得る。一例では、回路は、モジュールとして特定された様式で(例えば、内部的に、または他の回路などの外部実体に関して)配置され得る。一例では、一つ又は複数のコンピューターシステム(例えば、スタンドアロン、クライアントまたはサーバーコンピューターシステム)または一つ又は複数のハードウェアプロセッサの全体または一部が、指定された動作を行うために動作するモジュールとしてファームウェアまたはソフトウェア(例えば、命令、アプリケーション部分、またはアプリケーション)によって構成され得る。一例では、ソフトウェアは、機械可読媒体に常駐することができる。一例では、ソフトウェアは、モジュールの基盤となるハードウェアによって実行されると、ハードウェアに指定された動作を行わせる。
【0078】
したがって、「モジュール」という用語は、たとえ実在物が、特定された様式で動作する、または本明細書に記載される任意の動作の一部または全部を行うように物理的に構築された、具体的に構成された(例えば、ハードワイヤード)、または一時的に(例えば、一時的に)構成された(例えば、プログラムされた)としても、有対物を包含すると理解される。モジュールが一時的に構成されている例を考えると、モジュールの各々を一度にインスタンス化する必要はない。例えば、モジュールがソフトウェアを使用して構成された汎用ハードウェアプロセッサを含む場合、汎用ハードウェアプロセッサは、それぞれの異なるモジュールとして異なる時間に構成され得る。したがって、ソフトウェアは、例えば、ある瞬間に特定のモジュールを構成し、別の瞬間に異なるモジュールを構成するようにハードウェアプロセッサを構成することができる。
【0079】
マシン(例えば、コンピューターシステム)500は、ハードウェアプロセッサ502(例えば、中央処理ユニットデバイス(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ504、およびスタティックメモリ506を含んでもよく、それらの一部または全ては、インターリンク(例えば、バス)508を介して互いに通信することができる。マシン500は、表示ユニット510、英数字入力デバイス512(例えば、キーボード)、およびユーザーインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス514(例えば、マウス)をさらに含み得る。一例では、表示ユニット510、入力デバイス512、およびUIナビゲーションデバイス514は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。マシン500はさらに、記憶デバイス(例えば、駆動ユニット)516、信号生成デバイス518(例えば、スピーカー)、ネットワークインターフェースデバイス520、および全地球測位システム(GPS)センサー、コンパス、加速度計、または他のセンサーなどの一つ又は複数のセンサー521を含み得る。マシン500は、シリアル(例えば、USB、パラレル、または他の有線または無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ528を含み、通信または一つ又は複数の周辺デバイス(プリンタ、カード読み取り機など)を制御することができる。
【0080】
記憶デバイス516は、本明細書に記載される技法または機能のうちのいずれか一つ又は複数を具体化する、またはそれによって利用される一連またはそれ以上のデータ構造または命令524(例えば、ソフトウェア)が格納されている機械可読媒体522を含み得る。命令524はまた、マシン500によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ504内、スタティックメモリ506内、またはハードウェアプロセッサ502内に常駐することができる。一例では、ハードウェアプロセッサ502、メインメモリ504、スタティックメモリ506、または記憶デバイス516のうちの1つまたは任意の組み合わせは、機械可読媒体を構成することができる。
【0081】
機械可読媒体522は、単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、一つ又は複数の命令524を格納するように構成された単一の媒体または多数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバー)を含み得る。
【0082】
「機械可読媒体」という用語は、マシン500による実行のための命令を格納、エンコード、または搬送することができる、マシン500に本開示の技法のうちの任意の一つ又は複数を行わせる、またはそのような命令によって使用されるか、もしくはそれに関連したデータ構造を格納、エンコード、または搬送することができる任意の媒体を含み得る。非限定的な機械可読媒体の例には、ソリッドステートメモリ、ならびに光学および磁気媒体が含まれ得る。したがって、機械可読媒体は、一時的な伝播信号ではない。機械可読媒体の具体例としては、半導体メモリデバイス(例えば、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM))、およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを挙げることができる。
【0083】
命令524はさらに、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のいずれか1つを利用するネットワークインターフェースデバイス520を介して伝送媒体を使用して、通信ネットワーク526を介して送信または受信され得る。例示的な通信ネットワークには、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、普通電話(POTS)ネットワーク、および無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られている米国電気電子学会(IEEE)802.11標準群、WiMAX(登録商標)として知られているIEEE802.16標準群)、IEEE802.15.4標準群、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー技術、ZigBee(登録商標)、ピアツーピア(P2P)ネットワークが含まれ得る。一例では、ネットワークインターフェースデバイス520は、通信ネットワーク526に接続するために、一つ又は複数の物理ジャック(例えば、イーサネット(登録商標)、同軸、または電話ジャック)または一つ又は複数のアンテナを含み得る。一例では、ネットワークインターフェースデバイス520は、単一入力多数出力(SIMO)、多数入力多数出力(MIMO)、または多数入力単一出力(MISO)技法の少なくとも1つを使用して無線通信する複数のアンテナを含み得る。「伝送媒体」という用語は、マシン500による実行のための命令を格納、エンコード、または搬送することができ、そのようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタルもしくはアナログ通信信号または他の無形媒体を含む任意の無形媒体を含むと解釈されるべきである。
【0084】
本明細書では、コンピューターシステムおよびコンピューターネットワーキングの分野における従来の用語が使用されてきた。用語は、当技術分野で知られており、便宜上、非限定的な例としてのみ提供される。したがって、特許請求の範囲の対応する用語の解釈は、特に明記しない限り、任意の特定の定義に限定されない。
【0085】
本明細書では特定の実施形態が示され、記載されてきたが、同じ目的を達成するために計算される任意の配置が、示される特定の実施形態の代わりになり得ることが当業者には理解されよう。当業者には多くの適応が明らかであろう。したがって、本出願は、あらゆる適応または変形を網羅することを意図している。
【0086】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照が含まれる。図面は、例示として、実施され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。そのような例は、示されるかまたは説明されるものに加えて要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、示されるかまたは説明される要素のみが提供される例も企図する。さらに、本発明者らはまた、特定の例(またはその一つ又は複数の態様)に関して、もしくは他の例(またはその一つ又は複数の態様)に関して、図示または記載されている要素(またはその一つ又は複数の態様)の任意の組み合わせまたは並び替えを使用する例も企図する。
【0087】
本文書中では、特許文献では一般的であるように、「少なくとも1つ(at least one)」もしくは「一つ又は複数(one or more)」の任意の他の事例または使用とは無関係に、「1つの(aまたはan)」の用語を1つ、または1つよりも多くのものを含むように使用している。本明細書中では、用語「または(or)」は、別段の指示がない限り、「AまたはB」が、「AだがBではない」、「BだがAではない」、ならびに「AおよびB」を含むような非排他的な「または」を指すように使用される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、単にラベルとして使用されており、それらの対象に数的要件を課すことを意図したものではない。本明細書では、センサーセットは、異なる種類であり得る一つ又は複数のセンサーを含み得る。さらに、2つの異なるセンサーセットは、両方のセンサーセットに属する一つ又は複数のセンサーを含み得る。
【0088】
この詳細な説明では、開示を簡潔にするために、様々な特徴を一緒にまとめていることがある。このことは、特許請求されていない、開示された特徴が、特許請求項には必須であることを意図するものと解釈すべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少なくなることがあり得る。
【0089】
上記の説明は、例示的であることを意図とし、限定的ではない。例えば、上記の例(またはその一つ又は複数の態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。上記の説明を検討すると、当業者によってなど、他の実施形態が使用されてもよい。
【0090】
様々な非限定的な実施形態が記載されてきた。本明細書に記載される例の範囲から逸脱することなく、好適な代替が可能であることは理解されよう。これらおよび他の例は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。以下の項目[1]~[21]に、本開示の実施形態の例を列記する。
[1]
ネットワークに接続されたサーバーを含む、システムであって、前記サーバーが、
一つ又は複数のデータソースから前記ネットワークを介してデータを収集するように構成されたデータ収集モジュールであって、前記データが食品事業所の食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスの追跡に関連している、データ収集モジュールと、
前記データ収集モジュールによって収集されたデータをデータベース内に格納し、前記データベースからデータを検索するように構成されたデータベース連携モジュールと、
前記データベース内のデータを分析し、前記分析されたデータに基づいて、前記食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算するように構成された予測分析モジュールと、を含む、システム。
[2]
前記一つ又は複数のデータソースは、前記食品事業所の一つ又は複数のセンサーからのセンサーデータ、前記食品事業所の一つ又は複数のディスペンサーからのディスペンサーデータ、害虫駆除データ、保健局検査データ、自己監査データ、自己申告データ、および機器保存整備データのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載のシステム。
[3]
前記食品事業所の前記一つ又は複数のセンサーが、温度計、湿度計および気圧計のうちの少なくとも1つを含む、項目1または2に記載のシステム。
[4]
前記一つ又は複数のディスペンサーが、消毒液ディスペンサーおよび水ディスペンサーのうちの少なくとも1つを含む、項目1~3のいずれか一項に記載のシステム。
[5]
前記食品事業所が衛生規範に違反している前記計算された確率が閾値を超えると、前記サーバーが、前記食品事業所に関連付けられた一つ又は複数のデバイスに通知を送信する、項目1~4のいずれか一項に記載のシステム。
[6]
前記サーバーが、
前記食品事業所が前記衛生規範に違反している前記確率を含むレポートを生成するように構成されたレポートジェネレータモジュールをさらに含む、項目1に記載のシステム。
[7]
前記レポートジェネレータが、前記レポートを表示用にクライアントデバイスに送信するように構成されている、項目6に記載のシステム。
[8]
前記食品事業所が前記衛生規範に違反する前記確率が、前記食品事業所用の予測リスクスコアを含む、項目6に記載のシステム。
[9]
前記食品事業所が前記衛生規範に違反している前記確率が、前記食品事業所用の複数の個別リスク指標を含み、前記食品事業所用の前記複数の個別リスク指標の各々が、他の食品事業所と比べたリスクの評価を提供する、項目8に記載のシステム。
[10]
前記食品事業所の前記複数の個別リスク指標が、個人の衛生、清掃および衛生、時間および温度、ならびにドキュメンテーションを含む、項目9に記載のシステム。
[11]
ネットワークに接続された少なくとも1つのサーバー上に実装された方法であって、
一つ又は複数のデータソースから前記ネットワークを介してデータを収集することであって、前記データが、食品事業所の食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアスの追跡に関連しているものであることと、
前記収集されたデータをデータベース内に格納することと、
前記データベースからデータを検索することと、
前記データベース内のデータを分析することと、
前記分析されたデータに基づいて、前記食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算することと、を含む方法。
[12]
前記一つ又は複数のデータソースが、前記食品事業所の一つ又は複数のセンサーからのセンサーデータ、前記食品事業所の一つ又は複数のディスペンサーからのディスペンサーデータ、害虫駆除データ、保健局検査データ、自己監査データ、自己申告データ、および機器保存整備データのうちの少なくとも1つを含む、項目11に記載の方法。
[13]
前記食品事業所の前記一つ又は複数のセンサーが、温度計、湿度計および気圧計のうちの少なくとも1つを含む、項目12に記載の方法。
[14]
前記一つ又は複数のディスペンサーが、消毒液ディスペンサーおよび水ディスペンサーのうちの少なくとも1つを含む、項目12または13に記載の方法。
[15]
前記食品事業所が衛生規範に違反する前記計算された確率が閾値を超えると、前記食品事業所に関連付けられた一つ又は複数のデバイスに通知を送信すること、をさらに含む、項目11~14のいずれか一項に記載の方法。
[16]
コンピューターによって実行されると、前記コンピューターに、
一つ又は複数のデータソースからネットワークを介してデータを収集することであって、前記データが、食品事業所の食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンス追跡に関連しているものであることと、
前記収集されたデータをデータベース内に格納することと、
前記データベースからデータを検索することと、
前記データベース内のデータを分析することと、
前記分析されたデータに基づいて、前記食品事業所が衛生規範に違反している確率を計算することと、を行わせる命令を含む、非一時的コンピューター可読媒体。
[17]
前記一つ又は複数のデータソースが、前記食品事業所の一つ又は複数のセンサーからのセンサーデータ、前記食品事業所の一つ又は複数のディスペンサーからのディスペンサーデータ、害虫駆除データ、保健局検査データ、自己監査データ、自己申告データ、および機器保存整備データのうちの少なくとも1つを含む、項目16に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
[18]
前記食品事業所の前記一つ又は複数のセンサーが、温度計、湿度計および気圧計のうちの少なくとも1つを含む、項目16または17に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
[19]
前記一つ又は複数のディスペンサーが、消毒液ディスペンサーおよび水ディスペンサーのうちの少なくとも1つを含む、項目16~18のいずれか一項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
[20]
コンピューターによって実行されると、前記コンピューターに、
前記食品事業所が衛生規範に違反する前記計算された確率が閾値を超えると、前記食品事業所に関連付けられた一つ又は複数のデバイスに通知を送信することを行わせる命令をさらに含む、項目16~19のいずれか一項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
[21]
食品の安全性に関するリスクおよび衛生コンプライアンスを追跡するための、項目1~10のいずれか一項に記載のシステムの使用。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5